説明

シート状光源を有するイルミネーションが施されたサービングトレイ

本発明は、イルミネーションが施されたサービングトレイを記載しており、当該イルミネーションが施されたサービングトレイは、光が通り抜けることができる大皿(1)、イルミネーションが施されたサービングトレイ及び/又はイルミネーションが施されたサービングトレイの上に置かれた食べ物(4)、飲み物(5)、若しくは、他の品物を照らすために大皿(1)の下に配置された少なくとも1つのシート状光源(7、7’)を含む。シート状光源(7、7’)は、光を均一に放射し、従って、イルミネーションが施されたサービングトレイの上に置かれた対象の均一な照射を生じる。イルミネーションが施されたサービングトレイは、シート状光源(7、7’)によって同様に照らすことができるカバー(3)も含み得る。充電可能なエネルギー蓄積装置(8)を充電するためのシステムも記載されている。少なくとも部分的に反射するもの(11)を使用してイルミネーションが施されたサービングトレイの外見を変える方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イルミネーションが施されたサービングトレイに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,430,628号は、管状照明アレイが置かれた内部の凹みを有する円盤形の大皿から成る照明付きイルミネーションが施されたサービングトレイを記載している。該トレイは、ドリンクのグラスが置かれることになる、且つ、透明なレンズ部分を含むサービング面を含み、前記レンズ部分を介して光が透過され、エッチングされたスポンサーのロゴを照らす。電源を収容するため、及び、接客係によって使用されるためのチェンジコンパートメントを提供するために、チェンジ/パワーケースがトレイにつけられる。光透過プレートは、実質的に透明であるよう作製された中央にあるレンズ部分、及び、周囲にある模様の浮き上がった環状のつや消し部分を含む。
【0003】
上記の特許文献によって開示されたイルミネーションが施されたサービングトレイの欠点は、生じるイルミネーションが均一ではないということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、より均一のイルミネーションを有するイルミネーションが施されたサービングトレイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的はイルミネーションが施されたサービングトレイを提供することによって達成され、該イルミネーションが施されたサービングトレイは、光が通り抜けることができる大皿、イルミネーションが施されたサービングトレイ及び/又は該イルミネーションが施されたサービングトレイに配置された食べ物、飲み物、若しくは、他の品物を照らすために大皿の下に配置された少なくとも1つのシート状光源を含む。シート状光源は、その光生成領域の全てのポイントから実質的に同じ強度の光を生じるという利点を有している。従って、シート状光源によって生じるイルミネーションは実質的に均一である。
【0006】
本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイは、例えば、ガラス、セラミックス、又は、Plexiglas(登録商標)等の適した材料から作製された大皿を含む。大皿は、少なくとも一部の光が大皿を通り抜けるのを可能にする。言い換えると、大皿は、少なくとも部分的に透明又は半透明であり、澄んでいるか又は着色したものでもあり得る。例えば有機発光ダイオード(OLED)又は電気発光デバイス(ELD)等のシート状光源は、シート状光源によって生じた光の少なくとも一部が、電気的に作動させられた場合に、大皿の底面の方向に放出されるように大皿の下に配置され、大皿の上面はサービング面と呼ばれる。シート状光源によって生じる光は、その上面まで大皿を通り抜け、大皿、及び/又は、イルミネーションが施されたサービングトレイに置かれた食べ物、飲み物、若しくは他の品物を照らす。本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイの利点は、シート状光源が、大皿を通して均一に光を放出することである。言い換えると、サービング面上のいかなる明るくされたポイントでの光の強度も、サービング面上のいかなる他の明るくされたポイントとも本質的に同じである。従って、サービング面の明るくされた部分上のいずれに置かれた物でも、同じ強度の光で照らされる。さらなる利点は、つや消しされた表面又は光アウトカップリング等の特徴がサービング面上のイルミネーションを均一にする必要がないということである。
【0007】
本発明の実施形態において、イルミネーションが施されたサービングトレイは、有機発光ダイオードであるシート状光源を含む。トップエミッション型及びボトムエミッション型として一般的に知られる2つのタイプのうちどちらかのOLEDを使用することができる。どちらの場合においても、OLEDは、OLEDによって放たれた光が大皿に向かって放出されるように、イルミネーションが施されたサービングトレイにおいて方向づけられる。トップエミッション型OLEDが使用される場合、OLEDのガラス基板は、イルミネーションが施されたサービングトレイの底面を形成することができる。この構造の利点は、イルミネーションが施されたサービングトレイが底部でさらなる保護を必要としないということである。これは、イルミネーションが施されたサービングトレイが非常に薄くて軽いというさらなる利点を生じる。これは、美学的に望ましい場合がある。
【0008】
OLEDの構造は、当業者にはよく知られている。材料の種々の層の構造及び構造上の特徴は、多くの資料において見ることができる。本出願人に譲渡された公開特許出願WO2006/040704 A1はその1つであり、文献の内容は、本出願において援用する。
【0009】
本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイの別の実施形態において、シート状光源は透明な有機発光ダイオードである。透明なOLEDは、両側発光OLEDとしても知られている。すなわち、大皿の下に配置されたOLEDは、大皿(上の方)に向かっても、そこから離れて(下の方に)向かっても光を放出する。これの利点は、トレイが、薄暗く灯されたバー又はレストランにおいてでも例えばウェイターによって高い所に運ばれた場合に可視になるということである。これは、美学的により魅力があり得るというさらなる利点を有している。あるいは、イルミネーションが施されたサービングトレイがテーブルの上に置かれた場合、イルミネーションが施されたサービングトレイの下及びそのまわりのテーブルの上面も照らされ、トレイ、及び、そこに置かれた食べ物、飲み物、又は、他の品物を目立たせる。
【0010】
本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイの別の実用的な実施形態において、イルミネーションが施されたサービングトレイは、有機発光ダイオードを少なくとも囲むために、固定されるか又は取り外し可能に取り付けられるカバーを含む。そのようなカバーは、摩滅及び水分の侵入から透明なOLEDを保護するという利点を有し、カバーが作製される材料及び該材料の特性を、イルミネーションが施されたサービングトレイのさらなる有利な特徴を具体化するように選ぶことができるというさらなる利点を有する。材料及びその特性、並びに、その使用から具体化される利点の一部が、以下で例証的な様式において記述される。しかし、列挙されたものは、網羅的ではなく、本発明の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
【0011】
カバーは、例えば、透明で澄んだPlexiglas(登録商標)又はガラスから作製することができる。カバーがそのような材料から作製される場合、透明なOLEDからの光は、イルミネーションが施されたサービングトレイの底部からも妨害を受けずに外へ向かって放出され、イルミネーションが施されたサービングトレイの底部も明るくされる。あるいは、材料は、澄んでいる代わりに、着色させることができる。その場合、イルミネーションが施されたサービングトレイの底部から出る光は、透明なOLEDによって放たれる光が白であれば、カバーの色と同じ色を有するはずである。あるいは、透明なOLEDによって放たれる光が特定の色のものである場合、イルミネーションが施されたサービングトレイの底部は、透明なOLEDによって放たれた光の色とカバーの色との組合せである色を有するはずである。2つの他の色の組合せの結果として生じる色は、よく知られており、詳細に記録されている。従って、異なる色のカバーが提供される場合、OLEDが作動された時にカバーに対して所望の色を得るようカバーを選ぶことができる。これは、イルミネーションが施されたサービングトレイの上に置かれた食べ物、飲み物、又は、他の品物をより良く見せるために有利に使用することができる。例えば、テーブルトップ又はテーブル上のクロスの色を強めるよう色を選ぶことができる。
【0012】
本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイのさらなる実施形態において、イルミネーションが施されたサービングトレイは、少なくとも部分的に半透明のつや消しされた材料から作製されたカバーを含む。カバーの材料は、半透明のセラミックス、種々のタイプの半透明のプラスチック、つや消しされた表面を有する澄んだ材料、又は、半透明のインクで印された澄んだ材料等、及び、そのような材料と表面特徴との組合せであり得る。これは、イルミネーションが施されたサービングトレイの底部から出る光が放散され且つソフトであるという効果を有している。実用的且つ美的なニーズを満たすよう異常に多種のそのようなカバーを生じるために、その処理方法と組み合わせて非常に広範囲の材料を有している。
【0013】
さらに、不透明な材料をカバーに使用することも可能である。これは、イルミネーションが施されたサービングトレイの底部自体は照らされず、透明なOLEDによって下の方へ放たれた光の少なくとも一部が上部に向かって反射され、従って、上部から出る光の視覚特性を変えるという効果を有している。カバーの内面の光特性に応じて、種々の効果を得ることができる。例えば、カバーの内面は着色され、イルミネーションが施されたサービングトレイの上部から出る光の明るさ及び色を変えるよう非常に反射し得る。あるいは、表面は、アルミニウム又は別の適した金属のコーティングを用いて、鏡であるよう作製することができる。これは、透明なOLEDの底部から放射された光のほぼ全てが上の方へ反射され、透明なOLEDによって上の方へ放射された光と混ざり、イルミネーションが施されたサービングトレイの上面から出るという効果を有するはずである。
【0014】
透明なOLEDを使用することにおける別の明確な利点は、イルミネーションが施されたサービングトレイの外見が、作動されない場合にも制御可能であるということである。片面放出OLEDを有したイルミネーションが施されたサービングトレイでさらに説明すると、大皿に面する基板の表面は、鏡面仕上げを有し得る。従って、イルミネーションが施されたサービングトレイは、OLEDが作動されない場合に鏡の様な外見を有する。これとは対照的に、透明なOLEDを含むイルミネーションが施されたサービングトレイを用いて、カバーの内部表面は、透明なOLEDが作動されない場合にイルミネーションが施されたサービングトレイの上面を通して可視である。このように、異なる視覚特徴の内部表面を有したカバーを有する異なるイルミネーションが施されたサービングトレイは、透明なOLEDが作動されない場合に異なる外見を有するはずである。これを使用して、利益を得ることができる。
【0015】
カバーは本明細書に記載の材料と特性との組合せから作製することができ、種々様々な効果を得ることができるということが明らかである。従って、この選択は、イルミネーションが施されたサービングトレイの設計者及び使用者に対して種々の設計の選択を提供するという利点を有している。
【0016】
本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイのさらなる実施形態では、留め金、バイオネットコネクター、ねじ、マッチングスレッド(matching thread)、及び、接着剤の群の少なくとも1つの要素を用いて、イルミネーションが施されたサービングトレイ内にカバーが取り付けられる。イルミネーションが施されたサービングトレイのカバーは、固定される様式又は取り外し可能に取り付けられる様式でイルミネーションが施されたサービングトレイにはめ込むことができる。
【0017】
カバーをイルミネーションが施されたサービングトレイ内にはめ込む手段は、カバーが固定されるか若しくは永久的な様式、半永久的な様式、又は、取り替えられる様式で取り付けられるかどうかを決定する。イルミネーションが施されたサービングトレイ内にカバーを固定する方法は、設計選択の事項であり、当業者は、特定の要求に適した最良の方法を選ぶことができる。
【0018】
本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイの特定の有利な実施形態において、透明なOLED及びカバーを含むイルミネーションが施されたサービングトレイは、透明なOLEDとカバーの底面との間に配置された、透明なOLEDの光の少なくとも一部を反射するための少なくとも部分的に反射するものを受けるための容器を含み、該少なくとも部分的に反射するものは、好ましくは、取り替えられる様式で配置される。これは、(これ以降「インサート」と呼ばれる)容器内に挿入されるか又は置かれる少なくとも部分的に反射するものが、透明なOLEDによって放出された光の少なくとも一部を反射し、インサートは、イルミネーションが施されたサービングトレイのサービング面を通して可視であるという効果を有する。そのような配置の利点は、他の性質の異なる絵若しくはグラフィックス、異なる文言、又は、その2つの組合せを有する異なるインサートが、トレイの使用者又は設計者によって生じ得る、及び、イルミネーションが施されたサービングトレイのサービング面を通して見るために容器内に挿入することができるということである。このように、インサートは、透明なOLEDが作動されるかどうかに応じて異なる外見を有するはずである。
【0019】
例えば、飲み物の製造者のロゴが反射するインクで印刷されたプラスチックの円形のシートを、その印刷された面を上に向けてカバー内の円形の容器に挿入することができる。次に、反射するインクで印刷されたロゴは、透明なOLEDによって放出された光を反射し、イルミネーションが施されたサービングトレイのサービング面を通して明瞭に可視である。有利に、これは、この様式でロゴが表示される飲み物の製造者からのイルミネーションが施されたサービングトレイの使用者、例えば、バー又はレストランに対する収入源として働き得る。無数の材料及び色、並びに、反射するものを生じる方法が、当業者によって考えられえ、そのような変形の全てが本発明の範囲下にある。
【0020】
容器は、カバーの内部表面上にあり得る。そのような場合、インサートは、イルミネーションが施されたサービングトレイからカバーを引き離すことによって容器に挿入することができ、インサートを容器に挿入して、次に、カバーをイルミネーションが施されたサービングトレイ内に戻す。しかし、取り外し可能ではない又は永久的な様式でカバーはトレイ内につけられるということが可能である。従って、例えば、カバーの外から接近可能であるように、容器を提供することができる。そのような場合、OLED及び大皿に面する容器の一部は、透明であるはずである。前述の形状、材料、位置、及び、処理は、例証となるだけであり、いかなる様式においても本発明の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
【0021】
本発明による別の有利な実施形態において、上記のイルミネーションが施されたサービングトレイは、好ましくは、1又は複数の金属若しくは金属合金から作製された少なくとも部分的に反射するもの、又は、1又は複数の金属及び/若しくは金属合金で被覆された材料を有し得る。容器内に挿入されるか又は置かれることになるインサートは、金属若しくは合金、又は、その2つの組合せから、又は、金属若しくは合金又はそれらの組合せを他の材料上に被覆するか若しくは堆積させることによって、有利に作製することができる。これは、大部分の金属が自然に反射し、その表面は異なる方法で仕上げることができ、部分的に反射させることができるという利点を有している。異なる効果を得るために、金属を含む領域を磨く、粗くする、又は、研いで、たったいくつかの可能な表面仕上げを定めることができる。さらに、大部分の金属は可鍛性であり、従って、ほどよく堅くもあるために容易に容器に挿入できる薄いシートにすることができる。さらに、プラスチックのシートを金属及び合金で被覆して、少なくとも部分的に反射的でもある異なるパターンを形成することができる。電気めっき、電着、スパッタリング等、プラスチック上に金属及び/又は合金を被覆又は堆積させる種々の方法は当技術分野においてよく知られており、当業者は、適した方法の選択をすることができる。上記の材料及び処理は、例証となるだけであり、いかなる方法においても本発明の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
【0022】
上記の本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイのさらなる実施形態において、部分的に反射するものは、燐光性及び/又は蛍光性材料で少なくとも部分的に被覆されている。燐光性及び/又は蛍光性材料を有することの効果は、インサートが光を放ち、該インサートをさらに強調するということである。これは、インサートによって反射される光に加えて、燐光性及び/又は蛍光性材料からの、異なる視覚効果を提供するさらなる光があるという利点を有している。燐光性材料を用いると、透明なOLEDが作動されなくても、暗がりでも可視の光がいくらかあり得る。これは、イルミネーションが施されたサービングトレイ及び/又は容器内のインサートが暗がりでも可視であるということにおいて有利である。
【0023】
シート状光源を作動させるのに必要な電力、及び、本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイのシート状光源をオンオフするためのスイッチは、従来の方法で提供することができる。例えば、電力源は1又は複数の、AA若しくはAAAセル等の標準的な蓄電池セル、ニッケルカドミウム電池若しくはリチウムイオン電池若しくは数多くの他の従来タイプのいずれかの充電池、又は、スーパーコンデンサ若しくはウルトラコンデンサとして一般的に知られる、非常に低い漏れ電流の充電可能でコンパクトな高容量コンデンサ等であり得る。これらの電力源は、従来の方法で取り替えられる様式で取り付けるよう配置することができる。美的及び保護理由のため、前記電力源は、トレイが使用されている場合に通常可視ではないように、イルミネーションが施されたサービングトレイ上に提供されたフレームの内側に配置することができる。充電可能なエネルギー源に対して、例えば、充電池又はスーパーコンデンサ等の充電手配を従来の方法ですることができる。外部の供給源から充電を受けるために、適したコネクターを提供することができる。
【0024】
本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイの特に有利な実施形態において、イルミネーションが施されたサービングトレイは、有機発光ダイオードを作動させるために、誘導による電力を受けるための非接触誘導給電システムのレシーバー部分を含む。
【0025】
イルミネーションが施されたサービングトレイ内の充電可能なエネルギー蓄積装置を充電するためにイルミネーションが施されたサービングトレイを作動させるための電力を、導電性電気接続無しで供給することができる。電力は、誘導的にイルミネーションが施されたサービングトレイまで運ぶことができる。
【0026】
非接触誘導給電システムは、一般に、交番磁界を生じる送信部分、及び、交番磁界を受け、装置を電力で動かすために使用されることになる電流を誘導によって生じる受信部分を含む。
【0027】
本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイの実施形態では、1点の家具が非接触誘導給電システムの送信部分を収容する。イルミネーションが施されたサービングトレイが、非接触誘導給電システムのレシーバー部分を含む。送信部分が交番磁界を生じる場合、それはイルミネーションが施されたサービングトレイ内の受信部分によって受け取られ、電力は、イルミネーションが施されたサービングトレイのシート状光源を作動させるために直ちに使用される。そのように受信したエネルギーは、第一に、充電可能な電力源を充電するために使用され、該電力源にそのように蓄えられたエネルギーを、後に、必要な時にはいつでも、イルミネーションが施されたサービングトレイを電力で動かすために使用するということも考えられる。さらに、交番磁界によって送られた電力を受けること、及び、そのように受けた電力を使用して、同時に充電可能な電力源を再充電する、及び、イルミネーションが施されたサービングトレイを電力で動かすことも可能である。これらの方法のうちいずれか1つを使用することは、本発明のこの実施形態の範囲内である。
【0028】
この実施形態によるイルミネーションが施されたサービングトレイを電力で動かす方法の利点は、充電エネルギーを受けるために必要なコネクターを省くことができ、従って、イルミネーションが施されたサービングトレイの組み立て、操作、及び、整備がより簡単になるということである。さらに、イルミネーションが施されたサービングトレイに使用される充電可能なエネルギー蓄積装置は、イルミネーションが施されたサービングトレイが使用されていない時に、充電されるよう非接触誘導給電システムの送信部分が装備された適した場所に置かれるよう配置することができるように、比較的小さいサイズのものであり得る。これは、イルミネーションが施されたサービングトレイ内の充電可能なエネルギー蓄積装置を収容するために必要とされる空間が少なくなり、従って、大皿のサービング面のより大きな領域が利用可能であるという利点を有している。充電可能な電源は頻繁に充電されるため、使用されていない時はいつでも、使用する準備が常にできている。
【0029】
本発明の特に有用な実施形態において、イルミネーションが施されたサービングトレイは、充電可能なエネルギー蓄積装置を全く有さず、非接触誘導給電システムの受信部分のみを有する。例えばレストラン又はバー内の客のテーブル等、使用中にイルミネーションが施されたサービングトレイが置かれる1点の家具には、非接触誘導給電システムの送信部分が装備される。従って、例えばウェイター等の使用者がそのようなテーブルの上にイルミネーションが施されたサービングトレイを置いた場合に、例えば、その中の受信部分が、客のテーブル内の送信部分によって送られた電力を受けてそれをOLEDに供給するため、必要に応じて、適した処理の後、OLEDが自動的に明るくなる。
【0030】
イルミネーションが施されたサービングトレイのシステムを提供することは、本発明のさらなる目的であり、当該イルミネーションが施されたサービングトレイのシステムは、非接触誘導給電システムの受信部分を含んだ本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイ、該イルミネーションが施されたサービングトレイを受けるための1点の家具であって、イルミネーションが施されたサービングトレイへ誘導的に電力を送るために交番磁界を生じる非接触誘導給電システムの送信部分を含んだ1点の家具を含む。イルミネーションが施されたサービングトレイへ誘導的に電力を送るためのシステムは、本質的に、2つの部分から成る。第1の部分である送信部分は、例えばラック又はテーブル等、1点の家具内に収容され、送信コイル、及び、該送信コイル内に交流を送るための電子回路を含む。第2の部分である受信部分は、イルミネーションが施されたサービングトレイ内に収容され、例えば、平面コイル、及び、該コイルによって生成された電流を直流に変える1又は複数の整流要素を含み得る。送信コイル内の交流は交番磁界を生じる。この場合イルミネーションが施されたサービングトレイ内に収容された受信コイルが、送信コイルの最も近くにある場合、交番磁界は、受信コイルにおいて交流を誘導する。この電流は、イルミネーションが施されたサービングトレイに充電可能な電力源が装備されている場合、該充電可能な電力源を充電するため、イルミネーションが施されたサービングトレイのOLEDを作動させるため、又は、その両方を同時に行うために使用することができる。
【0031】
1点の家具は、2つ以上のイルミネーションが施されたサービングトレイを一度に保管するための棚又はラックであり得、そこに置かれたイルミネーションが施されたサービングトレイ全てが、同時に、誘導的に電力を受ける。これは、しまっておきながら、イルミネーションが施されたサービングトレイの充電可能な電力源を充電するために使用することができる。
【0032】
あるいは、1点の家具は、イルミネーションが施されたサービングトレイが通常置かれるダイニングテーブル、サイドテーブル、又は、センターテーブルであり得る。テーブルトップには、例えばテーブルトップの下に送信コイルを提供し、少なくとも必要とされた場合にコイルが交番磁界を伝えるように、送信器回路に接続することができる。イルミネーションが施されたサービングトレイがそのようなテーブルトップの上に置かれた場合、交流が受信コイル内で生成され、その交流は、イルミネーションが施されたサービングトレイに充電可能な電力源が装備されている場合に、その充電可能な電力源を充電するため、イルミネーションが施されたサービングトレイのOLEDを作動させるため、又は、その両方を同時に行うために使用することができる。
【0033】
本発明の実施形態のうちいずれかのイルミネーションが施されたサービングトレイに使用するのに適しているよう構成された有機発光ダイオードも、本発明の範囲内にある。OLEDは、一般的な使用に対して種々の形状及びサイズで製造することができるけれども、特にイルミネーションが施されたサービングトレイに使用するためにOLEDを製造することが有利である。あるいは、一般的に利用可能なOLEDをイルミネーションが施されたサービングトレイに使用するためには、それに対して特定のさらなる準備をすることが必要であり得る。イルミネーションが施されたサービングトレイに使用するためのそのようなOLEDは全て、本発明の範囲内にある。
【0034】
本発明の実施形態によるイルミネーションが施されたサービングトレイの外見を変える方法を提供することは、本発明のさらなる目的であり、当該方法は、容器に到達するステップ、少なくとも部分的に反射するものを、好ましくは取り替えられる様式で有機発光ダイオードとカバーの底面との間に配置するステップ、及び、イルミネーションが施されたサービングトレイのカバーの位置を戻すステップを含む。大皿を通して見ることができる取り替え可能な少なくとも部分的に反射するもの又はインサートが容器内に置かれる。インサートを取り替えることによって、使用者は、イルミネーションが施されたサービングトレイが作動される場合にも作動されない場合にも、その外見を変えることができる。カバーが固定された様式でイルミネーションが施されたサービングトレイ内につけられる場合、容器は、カバーを取り外すことなく接近可能であるように設計されなければならない場合がある。カバーが、イルミネーションが施されたサービングトレイ内に取り外し可能に取り付けられる場合、容器は、カバーを取り外すことによって又はカバーを取り外すことなく接近可能であるよう設計することができる。
【0035】
本発明の他の目的及び特徴が、付随の図面と共に以下の詳細な説明から明らかになる。図面は、単に例証の目的のためだけに設計されており、本発明を限定するとして設計されているのではないということを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施形態によるイルミネーションが施されたサービングトレイの斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態によるイルミネーションが施されたサービングトレイの断面図である。
【図3】イルミネーションが施されたサービングトレイ、及び、非接触誘導給電システムの送信部分を有した1点の家具を含むシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明の実施形態のうちの1つによる使用中のイルミネーションが施されたサービングトレイの斜視図を示している。透明なガラスプレートは大皿である。ガラスプレートの上面は、サービング面である。イルミネーションが施されたサービングトレイは、例えば半透明の材料から作製された、フレーム2に固定されているカバー3を有している。イルミネーションが施されたサービングトレイの上に配置された、食料品4を載せたプレート及び飲み物が入っているグラス5が示されている。大皿1の下に配置された透明なOLED(図示せず)によって放たれた光は、大皿1を通って出て、大皿の上に置かれた食べ物4及び飲み物が入っているグラス5を照らす、及び、半透明なカバー3を通って出て、カバー3、及び、イルミネーションが施されたサービングトレイが置かれたテーブルトップ6を照らすこともできる。
【0038】
図2は、本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイの実施形態の断面図を示している。2つの同心のシート状光源7、7’が、ガラスの大皿1の下に配置されている。2つのOLEDは、2つの異なる色のものであり得る。ガラスの大皿1は、不透明な材料から作製されたフレーム2を有している。シート状光源7、7’は、透明なOLEDである。Plexiglasから作製されたカバー3は、OLED7、7’を覆うように配置され、接着剤で大皿のフレーム2につけられている。フレーム2によって覆われた大皿1の領域は、いくつかの充電可能な電池又はスーパーコンデンサ8を収容している。平面コイル9も、フレーム2の下に配置されている。コイルの2つの末端部は、適した交番磁界の存在下で平面コイルによって生成されたAC電流を受ける回路(図示せず)に接続されている。回路は、交流をDC電流に変え、それを適切に調整し、OLEDに供給する。同時に、回路は、充電可能な電池又はスーパーコンデンサ8を充電する充電電流も生成する。別の実施形態では、1つのOLED7のみが、ガラスの大皿3の下に配置される。
【0039】
カバー3は、ロゴを形成する種々の金属及び合金で被覆されたプラスチックのシート11を収納する容器10を含む。ロゴは、大皿1を通して可視である。上向きのOLED7、7’によって生成された光は、大皿を直接通過して、大皿に置かれた食べ物、飲み物、又は、他の品物(図示せず)を照らす。下向きのOLED7、7’によって生成された光の一部は、カバーを通過して、カバー3自体、及び、イルミネーションが施されたサービングトレイが置かれた表面を照らす。下向きのOLED7、7’によって生成された光の別の部分は、プラスチックのシート11を照らし、該シートによって少なくとも部分的に反射される(17)。別の実施形態において、容器10は、カバー3全体を越えて延び得る。プラスチックのシート11は、容器10の全部の領域、又は、それより小さい部分を満たすことができる。
【0040】
図3は、本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイのシステムを示している。食卓12は、上面13を有している。その上面の下に、いくつかの平面コイル14が配置されている。交流をコイル14にドライブするよう構成されたドライバー15も、テーブルトップの下に配置されている。本発明によるイルミネーションが施されたサービングトレイ16がテーブルの上面13の上に置かれた場合、ドライバー15は、テーブルの下にあるコイル14のうち、イルミネーションが施されたサービングトレイ16に最も近い1又は複数のコイル内に交流を送る。コイル内の電流によって生成された交番磁界の存在下で、イルミネーションが施されたサービングトレイ内の受信コイルは、トレイ内のOLEDを駆動させてその上に置かれた品物を明るくする電流を生成する。ドライバー自体が、接続される本線から又は充電可能な電力源から電力を受けることができる。
【0041】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に例示及び記述されてきたけれども、そのような例示及び記述は、例証となるか又は好例であるとみなされ、限定されない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。
【0042】
開示された実施形態に対する他の変形は、請求された発明を実行する際に、図面、明細書、及び付随の特許請求の範囲の調査から当業者により理解する及びもたらすことができる。特許請求の範囲において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞はその複数形を除外しない。例えば1つのユニットは、特許請求の範囲内に列挙されたいくつかのユニットの機能を満たすことができる。特定の手段が互いに異なる従属項において説明されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを役立つよう使用することができないと示しているわけではない。
【0043】
特許請求の範囲におけるいかなる参照番号も、本発明の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0044】
1 大皿
2 フレーム
3 カバー
4 食べ物
5 飲み物が入ったグラス
6 テーブルトップ
7 シート状光源
8 スーパーコンデンサ
9 平面コイル
10 容器
11 インサート
12 テーブル
13 テーブルの上面
14 平面コイル
15 ドライバー
16 イルミネーションが施されたサービングトレイ
17 反射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イルミネーションが施されたサービングトレイであって:
光が通り抜けることができる大皿;
当該イルミネーションが施されたサービングトレイ及び/又は当該イルミネーションが施されたサービングトレイの上に置かれた食べ物、飲み物、若しくは、他の品物を照らすために前記大皿の下に配置された少なくとも1つのシート状光源;
を含むイルミネーションが施されたサービングトレイ。
【請求項2】
前記シート状光源が有機発光ダイオードである、請求項1に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイ。
【請求項3】
前記有機発光ダイオードが透明である、請求項2に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイ。
【請求項4】
固定されるか又は取り外し可能に取り付けられる、少なくとも前記有機発光ダイオードを囲むカバーを含む、請求項3に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイ。
【請求項5】
前記カバーが、少なくとも部分的に、半透明のつや消しされた材料から作製されることを特徴とする、請求項4に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイ。
【請求項6】
前記カバーが、留め金、バイオネットコネクター、ねじ、マッチングスレッド、及び、接着剤の群の少なくとも1つの要素を用いて、当該イルミネーションが施されたサービングトレイ内に取り付けられることを特徴とする、請求項4又は5に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイ。
【請求項7】
有機発光ダイオードと前記カバーの底面との間に配置される、前記有機発光ダイオードの光の少なくとも一部を反射して戻すために少なくとも部分的に反射するものを受けるための容器を含み、前記少なくとも部分的に反射するものは、取り替え可能な様式で配置されることが好ましい、請求項4乃至6のいずれか一項に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイ。
【請求項8】
前記少なくとも部分的に反射するものは、前記大皿を通して見るために事実上装飾的又は情報を与えるものであり、そのようなものは、好ましくは、1又は複数の金属若しくは金属合金から作製されるか、又は、1又は複数の金属及び/若しくは金属合金で被覆された材料であることを特徴とする、請求項7に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイ。
【請求項9】
前記有機発光ダイオードに面する前記少なくとも部分的に反射するものの表面は、燐光性及び/又は蛍光性材料で少なくとも部分的に被覆されることを特徴とする、請求項7又は8に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイ。
【請求項10】
前記有機発光ダイオードを作動させるために、誘導による電力を受けるための非接触誘導給電システムの受信部分を含む、請求項1に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイ。
【請求項11】
イルミネーションが施されたサービングトレイのシステムであって:
請求項10に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイ;
該イルミネーションが施されたサービングトレイを受けるための1点の家具であり、
該イルミネーションが施されたサービングトレイへ誘導的に電力を送るために交番磁界を生じる非接触誘導給電システムの送信部分をさらに含む1点の家具;
を含む、システム。
【請求項12】
請求項2に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイ内の前記シート状光源として使用するのに適しているよう構成された有機発光ダイオード。
【請求項13】
請求項7に記載のイルミネーションが施されたサービングトレイの外見を変える方法であって:
前記容器に到達するステップ;
少なくとも部分的に反射するものを、好ましくは取り替えられる様式で前記有機発光ダイオードと前記カバーの底面との間に配置するステップ;及び
前記イルミネーションが施されたサービングトレイの前記カバーの位置を戻すステップ;
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−521845(P2012−521845A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502843(P2012−502843)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051266
【国際公開番号】WO2010/113073
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】