ジェットグラウト設備
この設備は、非円形の断面を有する固化した土壌の柱を形成するように機能し、マスト(2、8)と、マストに平行な軸に沿って回転および平行移動可能なロータリ(3)と、ロータリ(3)への固定を一時的に解除することができる一連の中空ロッド(4)と、1つ以上の所定の角度範囲においてロータリの回転速度を変化させるための装置とを備えている。ロータ(21)が、一連のロッドのうちの1つへと直接固定され、ロータの角度位置に応答してロータリの回転速度を変化させるための制御信号を生成する装置(20)に作動可能に組み合わせられている。貫通クランプ(10)が、ロータリの回転マンドレルに取り付けられており、ロッドを拘束してロータリと一体にするように作動させることができかつロータリをロッドに対して移動させることができるようにロッドを解放すべく非作動にすることができる固定部材を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェットグラウト設備に関する。
【背景技術】
【0002】
「ジェットグラウト」と呼ばれる技法は、一連の管状ロッドの下端に配置されたノズルによってセメントグラウトを高圧で注入することによって土壌部分を固めることにある。ジェットグラウトシステムは、現場のすべてのニーズを満すために長い年月をかけて発展してきており、使用される流体の数(セメントグラウトだけ、セメントグラウト+空気、セメントグラウト+空気および水)および固められる土壌の直径を数十センチメートルから3m超まで変化させる動作パラメータによって区別される。処理を実行するための方法を、「連続的」または「段階的」と分類することができる。
【0003】
連続法においては、注入が、主としてロッドの回転および平行移動を組み合わせることによって行われ、ロッドの回転速度、上昇速度、ならびに固化用流体の流量および圧力が、生成すべき柱の直径、固化後の土壌に求められる抵抗、および選択されたジェットグラウトの種類(1流体式、2流体式、または3流体式)に関係している。
【0004】
段階引き抜き注入法は、固化用グラウトの注入が、ロッドを所定の時間期間にわたって引き抜くことなく回転させるだけの工程を、ノズルを上段に位置させるべく実行される引き抜きの工程と交互に行うことによって実行される点で、連続法から区別される。したがって、柱状の処理が、多数の段階的な固化した土壌の「アーチ」で構成される結果となる。このシステムの限界は、より複雑であり、処理の動作パラメータ組の維持においてより高い変動性をもたらす機械に載せられた器具の部分に関する。他方で、回転ヘッドを、連続法と比べてより迅速な様相で動かすことが可能である。しかしながら、上述のヘッドの行程に関する「再出発」の限界は、変わらないままである。
【0005】
ジェットグラウト技法の使用に関連して固化の作業を実行するために、一般的には、15〜50mの間の範囲の深さに到達される。回転ヘッド(穿孔時にロッドの回転に必要な穿孔トルクをもたらすため、この分野において「回転」と定義される)にとって利用可能な垂直方向の行程は、より普及したサイズの設備が4〜7mの範囲の長さを有するマストを典型的に有しているため、通常は充分でない。いくつかの特別なジェットグラウト設備は、最大15〜18mの行程を有することができるが、重量、輸送コスト、大空間および充分に水平な土壌の必要性、ならびに組み立て時間という問題がつきまとう。さらに、もはや自立できない穿孔機が、マストの取り扱いの全工程に補助クレーンを必要とする。
【0006】
したがって、設計深さに達するために、ドリルストリングにロッドを追加する必要がある。しかしながら、ロッドの追加および除去の作業は、土壌をダクトへと持ち込み、結果としてこのダクトの閉塞を生じさせる恐れを伴うため、時間がかかりかつ高価につく実務である。
【0007】
いくつかの場合においては、処理の深さを増やすために、ロータリをスライドさせるマストが収容できるよりもはるかに長い一連のロッドを収容できるマスト延長部が使用される。この場合には、ロッドがロータリを「通過」しており、ロータリが、固定手段を介してロッドを引きずる。
【0008】
この場合、穿孔および処理作業は、指定の深さに到達するために、ロッドのより多くの「再出発」にて実行される。ロータリヘッドが案内マストの最も上方の地点に達したときに、ロッドのいわゆる「再出発」が実行され、ドリルストリングが、マストの基部のクランプアセンブリによって固定され、一時的に突き出した状態にされる。次いで、ロータリヘッドが下方への戻りの行程を実行し、その後に新たな上昇および注入の工程(ジェットグラウト)を再開する。
【0009】
この技術の主要な応用分野のいくつかにおいては、部分的に重なり合ったジェットグラウト要素の組み合わせによって形成されるカーテンウォールを生成することが必要とされる(表面掘削のための地中連続壁、ダムの遮水シールド、隣接する埋設パネルの間の継ぎ目の遮水、堰)。これらの場合、遮水性の継ぎ目の確実さがより高い水準であるように、円形ではなくて細長い水平断面を有する一連の固化した土壌の柱を、典型的にはカーテンウォールまたは堰の整列方向に実現することが、費用対効果に優れることができる。さらに、細長い形状は、地中連続壁の完成に必要な構成要素の数を少なくし、結果として、必要な継ぎ目および隣接する「列」の重なり合いの部分を少なくし、穴へと注入すべき固化用の物質が少なくて済むがゆえの時間およびコストの節約を伴う。
【0010】
EP 1 862 596 A1が、細長い形状を有する固化した土壌の柱を実現するためのシステムであって、固化用グラウトを土壌へと排出するためのノズルが設けられた注入ヘッド(または、「モニタ」)を有する端部を終端とする一連のロッドを回転駆動するロータリヘッド(または「ロータリ」)で構成されたシステムを開示している。突き出しタブを回転ヘッドの固定部に一体化された近接センサに面するように回転ヘッドの回転部に固定して備えている装置が、回転速度をヘッドの瞬時の角度位置の関数として増減させるために、穿孔機の油圧回路の調節を変調することによって、種々の処理モードの作動を可能にしている。固化した土壌要素の水平サイズは、ジェットの比エネルギーの関数であり、したがって(圧力および流量を一定に保つとき)ジェットへの暴露の時間の関数である。この場合、暴露の時間は、上昇の速度およびジェットを固化させるべき土壌そのものに直面させる回転速度によって与えられる。結果として、回転速度は、土壌へと入力される比エネルギーに反比例する。高い比エネルギー値は、処理のより大きな直径を実現可能にする。
【0011】
EP 1 862 596 A1において、ノズルの角度位置は、ロータリの角度位置を検出することによって導出される。このシステムは、ロータリとロッドとの間に角度の滑り運動が生じる場合に、正確さを失う。そのような問題は、処理深さを大きくする必要性に起因して、ロータリをスライドさせるマストが許容できるよりもはるかに長い一連のロッドの収容を可能にするマスト延長部が使用される場合に生じる。この場合、ロッドがロータリの内部を「通過」し、もはやロータリへと直接固定されてはいない。したがって、ロータリからロッドへの穿孔の運動の伝達は、貫通クランプまたはクランプジェットと呼ばれる第3の部材の介在によって行われ、そのような第3の部材が、ロータリから回転を受け取り、これらの回転成分をロッド(通常は、完璧に円柱形かつ平滑な外形を有している)へと摩擦によって伝達するくさびにもとづくクランプシステムによって、回転をロッドへと伝達する。
【0012】
いくつかの場合には、例えばロッドへのクランプによる拘束の作用が不充分であり、あるいは衝撃および振動に起因し、工具を瞬時に停止させて運動伝達系に大きな慣性を生じさせる可能性があるこの種の地下作業に典型的な突然の過負荷に起因し、さらにはロッドに直接接触するくさびの表面に位置する歯の進行する摩耗に起因して上記拘束が緩み、これらすべての場合において、ロッドとクランプのくさびとの間に滑りが生じ、したがってロッドとロータリとの間に滑りが生じる。この欠点は、円柱形の柱の場合には不利になることがないが、細長い部材においては、ロッドと一体であるノズルの位置の予想の誤差により、所望でない方向へと水平方向に延びた柱が生じることとなり、隣接するパネルの相互の浸透および継ぎ目が不充分になり、結果として地下構造の遮水性が失われることが、明らかであろう。そのような欠陥が知覚された場合、追加の穿孔作業およびカーテンウォールの処理を実行することによって補修が可能である。むしろ、この欠陥が知覚されなかった場合には、実現されるべき構造体の構造的な完全性が損なわれ、コストにさらに大きく影響する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、非円形の断面を有する柱のジェットグラウト固化作業を、これまでに実現可能な精度および深さと比べ、より高い精度および深さで実行することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的および利点ならびに他の目的および利点が、添付の特許請求の範囲に定められる特徴を有する設備によって達成される。
【0015】
次に、本発明のいくつかの好ましい実施形態(ただし、これらに限られるわけではない)を説明する。添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ジェットグラウト固化作業の実施のための設備の立面図である。
【図2】ロータリの下方に取り付けられた貫通クランプと、上部および中間案内トロリとを含むアセンブリの拡大斜視図である。
【図3A】図1の設備の上部およびロータリの拡大図である。
【図3B】図1の設備の上部およびロータリの別の角度からの拡大図である。
【図3C】図1の設備の上部およびロータリの別の角度からの拡大図である。
【図4】図1の設備の一部を形成している貫通クランプの部分断面の斜視図である。
【図5】穿孔の動作の際にロッドを駆動するために使用される貫通クランプのクランプくさびの上面図およびいくつかの図での詳細である。
【図6】ロッドと同軸な形式のジャッキ貫通クランプが設けられたマスト延長部を備える案内マストの上面図である。
【図7】図6の詳細の拡大図である。
【図8】図4の貫通クランプおよび貫通クランプに組み合わせられたロータリの斜視図である。
【図9】ロッドの角度位置を検出するための装置の斜視図である。
【図10】ロッドに一体化されるリングの斜視図であり、回転センサの作動に必要なセクタを保持している。
【図11】セクタを有するリングを保持しているロータの上面図であり、リングの相対回転によって達成できる幅の調節を見て取ることができる。
【図12A】ドリルストリングの組み立ての手順を示す図であり、再出発の操作が明らかである。
【図12B】ドリルストリングの組み立ての手順を示す図であり、再出発の操作が明らかである。
【図12C】ドリルストリングの組み立ての手順を示す図であり、再出発の操作が明らかである。
【図12D】ドリルストリングの組み立ての手順を示す図であり、再出発の操作が明らかである。
【図12E】ドリルストリングの組み立ての手順を示す図であり、再出発の操作が明らかである。
【図13】ロッドの角度位置の間接的な検出のための装置の斜視図である。
【図14】ロッドの角度位置の間接的な検出のための装置の斜視図である。
【図15】ロッドの角度位置の間接的な検出のための装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
最初に図1を参照すると、自走車両1が、垂直位置に立てられた穿孔マスト2(または、「マスト」)を運んでおり、2つの位置(上昇位置3’’および下降位置3’)に示されているロータリ3が、マストに沿ってスライドする。ロータリは、穿孔およびジェットグラウト処理を実行する際に、一連のロッド4へと回転およびスライド運動(押し引き)を伝達するように機能する。ロータリは、関連の油圧モータ−減速機アセンブリ5によって駆動される。図1に示した設備の全体的な構造は、一般的に知られていると言える。したがって、本明細書の以下の部分では、本発明の実施の目的にとってとくに重要で興味深い構成要素だけを、詳しく説明する。したがって、例えばロータリヘッドのハンドリング手段(例えば、押し引きシステム)など、詳しくは説明されない部品および構成要素の実現については、公知の種類の任意のジェットグラウト設備を参照することが可能である。
【0018】
マスト2に沿ってスライドし、自身の移動をベースマスト2に整列したマスト延長部8(トレッスルとして実現されることが一般的であり、本明細書においてもトレッスルとして示されている)の全長にまでも延ばすことができる上部トロリが、6で指し示されている。マスト延長部8は、一連のロッドの案内をベースマスト2の長さを超えて延長するという機能を果たす。これにより、より深い深さでの穿孔作業の実行という目的のために、全長がベースマスト2に沿ったロータリの行程よりも大きい一連のロッドを有しつつ穿孔を開始することが可能になる。ベースマスト2だけが使用されるならば、上昇の最中に実行されるジェット処理を中断させなければならないと考えられる。なぜならば、必要な深さへと到達するために穿孔の際に追加されたロッドを、取り除く必要があるからである。処理の中断は、同じ処理の完全性の問題およびノズル(土壌に深く位置し、モニタ上に位置する)の角度位置と追加されるさらなるロッドとの間の参照の喪失の問題の両方を引き起こす。上部トロリ6は、ホース9によって一連のロッドの一番上のロッドの上端へと流体およびグラウトを導入する供給ヘッド7を支持している。トロリアセンブリ6や、供給ヘッドならびにいくつかの流体のための他の供給およびポンプ手段は、この技術分野において知られており、本明細書において詳しく説明するまでもない。
【0019】
場合により、ベースマストおよびマスト延長部の長さが大きい(例えば、20m超)ときに、上部トロリ6とロータリ3との間に配置される図2に示されている中間トロリ29を導入することが可能である。そのようなトロリの目的は、ロータリの上方に位置するロッドの自由長を中断することで、加えられる回転運動によって一連のロッドに生じる危険なたわみを防止することにある。ロッド4を案内するために、一連のロッドの軸方向の回転スライド運動の自由度を残すカラー30が、中間トロリ29に設けられている。
【0020】
貫通クランプ(図4において全体が10で指し示されている)が、ロータリ3(図3において破線で示されている)の回転マンドレルの下方に取り付けられる。貫通クランプ10の機能は、本明細書の以下において図12A〜図12Eの手順が説明されるときにさらに明確に理解されるとおり、穿孔およびジェットグラウト処理の全工程においてロッド4をマンドレルに一体にするとともに、ロッドの「再出発」を実行しなければならない場合および一連のロッドの組み立て工程の全体において、ロッドをマンドレルから解放することにある。貫通クランプは、油圧ジャッキ12によって持ち上げることができる外カラー11を備えている。カラーは、カラーを片側においてジャッキへと組み付け、反対側において摺動カプラ14(カラー11を水平に保つための伸縮バーの形状である)へと組み付けるために、正反対を向いた耳ペア13を形成している。この伸縮調節は、貫通クランプが、クランプの中央のスリーブ15の内径に等しい自由な内側通路によって与えられる最大値までのさまざまな直径のロッドにおいて機能するために適しているために、必要になる。さまざまな直径のロッドが、ジャッキにおけるさまざまなクランプ行程を必要とし、作動力を釣り合った状態に保ち、ロッドへのクランプ作用を最適に保つために、連結バー14の長さが、連結バー14の伸縮カプラ(例えば、長さを短くすべくねじ込まれるねじ−ナットねじの系を備えている)によって調節される。カラー11を中央のスリーブ15に沿って上昇させることで、一連のくさび状のブロック16(くさび状の押し台25によって半径方向に押される)が一連のロッドの1つのロッドの表面へと半径方向に締め付けられる。これらのくさび状のブロック16は、図5に見られるように、その表面が最良でもロッドの外表面を囲んで2つの部材の間の最適な固定を保証するように設計されているため、通常はただ1つのロッド径の固定にしか適さない。したがって、使用される種々のロッド径が、くさび16を処理に使用される直径に専用のくさび16に交換する必要を生じさせる。貫通クランプは、回転運動をクランプへと伝達すべくロータリの側に形成された該当の凹所(図示されていない)と結合するように構成された一連の起伏形成部17を上側に有している。ロッドの軸方向の運動成分は、ロータリによって貫通クランプへと押し面27(ロッドを押す)または固定ねじ26(ロッドを引き戻す)を介して加えられる。次いで、貫通クランプが、やはり一連のロッドを接触面16aの間の摩擦によってのみ固定された状態に保つ上述のくさび状のブロック16を介して、ロッドの軸方向の運動を付与する。この目的のために、ロッドのおおむね平滑な円柱形の表面に接触するくさび状のブロックの表面16aは、これら2つの部材の間の把持を向上させるように処理され、例えばその形状が、ロッドのくさびへの保持を促進する歯(図5に見て取ることができる)または先の尖ったインサートを有することができる。
【0021】
図示の実施形態とは別の実施形態においては、ジャッキ12が2つ以上である。
【0022】
図6に、ジャッキ12が1つであり、ロッドと同軸である貫通クランプ10bが示されている。この場合、ジャッキの運動(付与される制御に応じ、開放時および閉鎖時の両方)が、ロッド4を固定するためのくさび状のブロック16の半径方向の変位につながるくさび状の押し体25の軸方向の変位を生じさせる。
【0023】
図9に、設備へと組み合わせられたロッドの角度位置を検出するための装置を見て取ることができる。近接センサ20が、ロッドのための案内上部トロリ6へと堅固に固定され、ロッド4に、セクタを有するロータ21が固定されており、好ましい実施形態においては、ロータ21が、反対向きに位置する角度セクタ21’、21’’を2組備えており、各組がそれぞれのリング(上側リング22、下側リング23)によって支持されている。図10において、リング22の詳細を見て取ることができ、リング22の管状の本体が、ロッド4を通すことができるように構成された内側の円柱形の空洞を有するとともに、2つの正反対を向いたセクタ21’、21’’を外周に保持しており、セクタ21’、21’’は、少ない幅の角度の広がりを有し、通常は実行すべき処理の種類に合わせて構成されている。ロッド4へのリング22の角度の固定に必要な半径方向のダウエル24の挿入のためのねじ穴も、見て取ることができる。ロータ21は、リング22、23をロッドの表面に対して固定する半径方向のダウエル24によって、ロッドに一体化される。この機械的な固定または同等のシステムあるいは着脱式の固定システム(溶接、ろう付け、接着の作業)が、ロータ(したがって、セクタ21’、21’’)に対するロッドの角度位置を一意に特定するロッド4とロータ21との間の正確かつ安全な接続を確立する。ロッド4が回転するとき、センサ20が、センサの前方を通過するロータセクタの存在(または、不在)を検出し、ロッドの瞬時の角度位置を表す電気信号を生成(または、阻止)する。この信号が、ロータリの回転速度を制御する処理ギアケース(図示されていない)へともたらされ、ノズルが実行すべき地中連続壁の軸に沿って向けられているときにロータリの回転速度が遅くされる。反対に、より細い柱で充分である方向にロッドが向けられている場合には、回転速度が高められる。
【0024】
動作においては、ひとたび一連のロッドが取り付けられると、セクタ21’、21’’の組の位置が、ダウエル24への作用によってノズルの位置に対して調節される。結果として、セクタの位置に対する注入ジェットの出口方向が、一意に特定される。次いで、角度の幅を、リング23のセクタ(例えば、21’)をリング22のセクタ(例えば、21’)に重ねることによって調節することができる。図11に示されているとおり、好ましい実施形態(ただし、これに限られるわけではない)においては、セクタ21’を完全に重ねることによって、45°に等しい最小の幅のセクタが得られる。他方で、図に示されているとおり、セクタを隣接した状態に保つことによって、90°に等しい最大の幅の広がりが得られる。任意の中間的な重なり位置を使用することが可能である。幅が、ロータがセクタを有していない速度とは異なる速度をジェットが有する長さの継続期間を決定する。
【0025】
出願人が行った実験的な試験により、セクタの理論的な位置を、機械の駆動の動作(通常は、油圧)における遅延を補償するために、「ずらす」必要があることが明らかになっている。すなわち、処理速度(とりわけ、最小値へと下げなければならない最大の処理速度)に関して、駆動システムの時間的慣性のために、電気信号を進めることが必要であり、結果として第1のセクタがずらされ、第1のセクタをロッドの回転方向とは反対の方向に数度だけ回転させなければならない(信号の前進)。ひとたび必要とされる速度に達したならば、最小速度のジェットを中断するための前進(通常は、先の前進と同じではない)も必要とされる。
【0026】
他の検出手段を、ロッドの角度位置を電気信号へと変換する目的で、上述の検出手段の代わりに使用することができる。さらなる実施形態においては、ロッドの回転速度が、不連続な様相ではなくて、漸進的または連続的な様相で変化させられる。例えば、別の実施形態(図13に示されている)においては、検出装置が、例えばロッドへと押し付けられて一連のロッドの回転とは反対の方向に回転するゴム製ローラ35などの摩擦機構を備えている。この場合、第2の信号発信機31が設けられ、非回転部分(例えば、上部トロリ6)に固定され、ロッドに固定されたリング(1つ以上の起伏部材または歯32’が設けられている)の近くに配置される。そのような起伏部材の各々が通過するとき、センサが励起されて信号を発し、この信号が、角度の基準を補正して、第1の発信機20によって蓄積される可能性がある滑りの誤差を除去するために使用される。ここに記載のシステムは、もはや突起の有無によってインパルス的に励起されるのではないため、連続式の発信機20が設けられるという利点を提供する。したがって、この場合には、速度を2つの限界値の間で変更できるだけでなく、すべての過渡を時間の関数として管理することができる信号変調技術を採用することが可能である。
【0027】
図14および図15に示されている他の好ましい実施形態においては、ロッドの角度位置の検出装置が、歯車機構34(図14)を備えており、あるいはロッドと一体に回転する部材(あるいは、何らかのやり方でロッドに同期した部材)によって運動を受け取るチェーン33(図15)などの可撓な伝達手段を備えている。この場合にも、ロータのとる位置に比例した電気信号を発するために、ポテンショメータの特徴にもとづくエンコーダなど、さまざまな種類のエンコーダ20を設置することが可能である。ロッドの角度運動の変調により、多少なりとも圧縮および延長された水平断面を有している実質的に任意の形状(種々の半径の円セクタで構成されている)の固化した土壌の柱を得ることが可能になる。さらに別の実施形態(図示せず)においては、モニタノズルのうちの1つについて瞬時の角度位置を表す信号が、モニタへと拘束された発信機によってトロリに取り付けられた受信機へと送信される。採取された信号が、一連のロッドの回転速度を調節する処理および制御手段へと伝達される。
【0028】
図12A〜図12Eに、ロッドの装てん手順が示されている。図12Aにおいて、ロータリヘッド3が、アンテナ2の基部へと位置3’に下げられ、次いで供給ヘッド7が第1のロッド4aの上部にねじ込まれ、クレーンまたはエレベータなどの補助設備(図示されていない)によって位置決めされ、上部トロリ6へと固定される。貫通クランプ10が閉じられ、すなわちジャッキが作動させられ、くさびがロッドを拘束し、クランプに一体化させる。マストの基部に取り付けられた第2のクランプ18が開かれ、ロッドが軸方向について自由になり、ロータリが持ち上げられ、ロッド4aも一緒に持ち上げられる。第2のロッド4bが、マストの上部クランプに配置されて固定され(図12B)、次いでロータリが、第2のロッド4bをすでにロータリへと取り付けられたロッド4aにねじ込むために下げられる。これらのねじ込み作業は、クランプ18の直上に取り付けられたねじ込み−ねじ外し装置19によって実行される。ひとたびロッド4aおよび4bが互いにねじ込まれると、マストのクランプが再び開かれ、ロータリヘッドがロッド4aおよび4bと一緒に再び持ち上げられる。この作業手順が、ロータリがマストに沿った最下端の行程に達するまで繰り返される(図12C)。この時点で、ロッドの再出発の工程を実行することができる。ロッドがマストのクランプに拘束される。貫通クランプが開かれ、ロータリが、マスト2の基部に位置する最下端の工程3’まで下げられる(図12D)。次いで、貫通クランプを、最後に取り付けられたロッドへと再び閉じることができ、マストのクランプ18を解放することができ、ロータリをねじ込み済みのすべてのロッドと一緒に再び持ち上げることができ、次いで新たなロッド4eをマストのクランプに配置することができ、上部トロリ6がマスト延長部8の上端付近に達するまで続けることができる。
【0029】
上述の手順から、ロッドの固定および自由なスライドの両方を可能にする貫通クランプの機能がどのようであるかが、明らかであろう。このように、より単純かつ最も一般的な固定システムが、貫通クランプをロッドの平滑な円柱形の外表面へと接続する摩擦システムによって実現される。この結合は、動作荷重の直接的な作用に起因し、常には効率的でない駆動システムおよび直接的に接触する部品の摩耗の状態に起因して、相対の回転および相対のスライド移動を被る。
【0030】
くさびとロッドとの間のこれらの角度のすべり運動は、普通に生じるため、ロッド(したがって、ロッドと一体のノズル)の角度の参照が失われ、ロータリと一体の部材について読み取りが行われる場合に、角度位置の検出が不正確になることが明らかである。これは、処理軸におけるより長い回転を生じさせ、互いに正割(secant)でなければならない処理済みの土壌要素について、土壌要素間の重なり合いの減少を生じさせ、誤差が増すにつれて土壌要素が隣の土壌要素から離れてしまう可能性がある。
【0031】
本発明は、ロッドの角度位置を制御し、したがってノズルの位置を制御しつつ、非円形の深い柱の実現を可能にする。貫通クランプが、固化用のジェットを所望の方向へと向ける能力を保ちつつ、処理深さを増やすことを可能にする。経済的な点では、このシステムは時間の節約を可能にし、実際に、角度回転が1回転にわたって一定の角速度に保たれるのではなく、所望の結果に応じた幅の少なくとも2つのセクタにおいて、回転が加速される。さらに、注入される量が同等の円柱形の柱と比べてはるかに少ないため、固化用の物質の節約が達成され、そのような好都合な効果は、貫通クランプを使用することによって増やすことができる柱の深さに比例して大きくなる。
【0032】
実施の観点からは、穿孔および関連のジェットグラウト処理を、水平に近い掘削方向において実行することが必要とされる技術分野が知られている。この場合、使用される穿孔機は、図面に示した形式の穿孔機(ただし、マスト2を垂直に対して回転させた状態で動作する)またはトンネルの用途に専用の穿孔機(ポジショナとして一般的に知られ、トンネルの軸に平行な方向に可動である専用のマストを有している)のどちらであってもよい。
【0033】
この文脈においても、深い穿孔作業を実行するという目的で、延長部および貫通クランプを使用することによって柱状の処理を実行することが必要とされる可能性がある。上述の発明は、この種の作業にも、上述の内容についていかなる変更も必要とせずに適用可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェットグラウト設備に関する。
【背景技術】
【0002】
「ジェットグラウト」と呼ばれる技法は、一連の管状ロッドの下端に配置されたノズルによってセメントグラウトを高圧で注入することによって土壌部分を固めることにある。ジェットグラウトシステムは、現場のすべてのニーズを満すために長い年月をかけて発展してきており、使用される流体の数(セメントグラウトだけ、セメントグラウト+空気、セメントグラウト+空気および水)および固められる土壌の直径を数十センチメートルから3m超まで変化させる動作パラメータによって区別される。処理を実行するための方法を、「連続的」または「段階的」と分類することができる。
【0003】
連続法においては、注入が、主としてロッドの回転および平行移動を組み合わせることによって行われ、ロッドの回転速度、上昇速度、ならびに固化用流体の流量および圧力が、生成すべき柱の直径、固化後の土壌に求められる抵抗、および選択されたジェットグラウトの種類(1流体式、2流体式、または3流体式)に関係している。
【0004】
段階引き抜き注入法は、固化用グラウトの注入が、ロッドを所定の時間期間にわたって引き抜くことなく回転させるだけの工程を、ノズルを上段に位置させるべく実行される引き抜きの工程と交互に行うことによって実行される点で、連続法から区別される。したがって、柱状の処理が、多数の段階的な固化した土壌の「アーチ」で構成される結果となる。このシステムの限界は、より複雑であり、処理の動作パラメータ組の維持においてより高い変動性をもたらす機械に載せられた器具の部分に関する。他方で、回転ヘッドを、連続法と比べてより迅速な様相で動かすことが可能である。しかしながら、上述のヘッドの行程に関する「再出発」の限界は、変わらないままである。
【0005】
ジェットグラウト技法の使用に関連して固化の作業を実行するために、一般的には、15〜50mの間の範囲の深さに到達される。回転ヘッド(穿孔時にロッドの回転に必要な穿孔トルクをもたらすため、この分野において「回転」と定義される)にとって利用可能な垂直方向の行程は、より普及したサイズの設備が4〜7mの範囲の長さを有するマストを典型的に有しているため、通常は充分でない。いくつかの特別なジェットグラウト設備は、最大15〜18mの行程を有することができるが、重量、輸送コスト、大空間および充分に水平な土壌の必要性、ならびに組み立て時間という問題がつきまとう。さらに、もはや自立できない穿孔機が、マストの取り扱いの全工程に補助クレーンを必要とする。
【0006】
したがって、設計深さに達するために、ドリルストリングにロッドを追加する必要がある。しかしながら、ロッドの追加および除去の作業は、土壌をダクトへと持ち込み、結果としてこのダクトの閉塞を生じさせる恐れを伴うため、時間がかかりかつ高価につく実務である。
【0007】
いくつかの場合においては、処理の深さを増やすために、ロータリをスライドさせるマストが収容できるよりもはるかに長い一連のロッドを収容できるマスト延長部が使用される。この場合には、ロッドがロータリを「通過」しており、ロータリが、固定手段を介してロッドを引きずる。
【0008】
この場合、穿孔および処理作業は、指定の深さに到達するために、ロッドのより多くの「再出発」にて実行される。ロータリヘッドが案内マストの最も上方の地点に達したときに、ロッドのいわゆる「再出発」が実行され、ドリルストリングが、マストの基部のクランプアセンブリによって固定され、一時的に突き出した状態にされる。次いで、ロータリヘッドが下方への戻りの行程を実行し、その後に新たな上昇および注入の工程(ジェットグラウト)を再開する。
【0009】
この技術の主要な応用分野のいくつかにおいては、部分的に重なり合ったジェットグラウト要素の組み合わせによって形成されるカーテンウォールを生成することが必要とされる(表面掘削のための地中連続壁、ダムの遮水シールド、隣接する埋設パネルの間の継ぎ目の遮水、堰)。これらの場合、遮水性の継ぎ目の確実さがより高い水準であるように、円形ではなくて細長い水平断面を有する一連の固化した土壌の柱を、典型的にはカーテンウォールまたは堰の整列方向に実現することが、費用対効果に優れることができる。さらに、細長い形状は、地中連続壁の完成に必要な構成要素の数を少なくし、結果として、必要な継ぎ目および隣接する「列」の重なり合いの部分を少なくし、穴へと注入すべき固化用の物質が少なくて済むがゆえの時間およびコストの節約を伴う。
【0010】
EP 1 862 596 A1が、細長い形状を有する固化した土壌の柱を実現するためのシステムであって、固化用グラウトを土壌へと排出するためのノズルが設けられた注入ヘッド(または、「モニタ」)を有する端部を終端とする一連のロッドを回転駆動するロータリヘッド(または「ロータリ」)で構成されたシステムを開示している。突き出しタブを回転ヘッドの固定部に一体化された近接センサに面するように回転ヘッドの回転部に固定して備えている装置が、回転速度をヘッドの瞬時の角度位置の関数として増減させるために、穿孔機の油圧回路の調節を変調することによって、種々の処理モードの作動を可能にしている。固化した土壌要素の水平サイズは、ジェットの比エネルギーの関数であり、したがって(圧力および流量を一定に保つとき)ジェットへの暴露の時間の関数である。この場合、暴露の時間は、上昇の速度およびジェットを固化させるべき土壌そのものに直面させる回転速度によって与えられる。結果として、回転速度は、土壌へと入力される比エネルギーに反比例する。高い比エネルギー値は、処理のより大きな直径を実現可能にする。
【0011】
EP 1 862 596 A1において、ノズルの角度位置は、ロータリの角度位置を検出することによって導出される。このシステムは、ロータリとロッドとの間に角度の滑り運動が生じる場合に、正確さを失う。そのような問題は、処理深さを大きくする必要性に起因して、ロータリをスライドさせるマストが許容できるよりもはるかに長い一連のロッドの収容を可能にするマスト延長部が使用される場合に生じる。この場合、ロッドがロータリの内部を「通過」し、もはやロータリへと直接固定されてはいない。したがって、ロータリからロッドへの穿孔の運動の伝達は、貫通クランプまたはクランプジェットと呼ばれる第3の部材の介在によって行われ、そのような第3の部材が、ロータリから回転を受け取り、これらの回転成分をロッド(通常は、完璧に円柱形かつ平滑な外形を有している)へと摩擦によって伝達するくさびにもとづくクランプシステムによって、回転をロッドへと伝達する。
【0012】
いくつかの場合には、例えばロッドへのクランプによる拘束の作用が不充分であり、あるいは衝撃および振動に起因し、工具を瞬時に停止させて運動伝達系に大きな慣性を生じさせる可能性があるこの種の地下作業に典型的な突然の過負荷に起因し、さらにはロッドに直接接触するくさびの表面に位置する歯の進行する摩耗に起因して上記拘束が緩み、これらすべての場合において、ロッドとクランプのくさびとの間に滑りが生じ、したがってロッドとロータリとの間に滑りが生じる。この欠点は、円柱形の柱の場合には不利になることがないが、細長い部材においては、ロッドと一体であるノズルの位置の予想の誤差により、所望でない方向へと水平方向に延びた柱が生じることとなり、隣接するパネルの相互の浸透および継ぎ目が不充分になり、結果として地下構造の遮水性が失われることが、明らかであろう。そのような欠陥が知覚された場合、追加の穿孔作業およびカーテンウォールの処理を実行することによって補修が可能である。むしろ、この欠陥が知覚されなかった場合には、実現されるべき構造体の構造的な完全性が損なわれ、コストにさらに大きく影響する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、非円形の断面を有する柱のジェットグラウト固化作業を、これまでに実現可能な精度および深さと比べ、より高い精度および深さで実行することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的および利点ならびに他の目的および利点が、添付の特許請求の範囲に定められる特徴を有する設備によって達成される。
【0015】
次に、本発明のいくつかの好ましい実施形態(ただし、これらに限られるわけではない)を説明する。添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ジェットグラウト固化作業の実施のための設備の立面図である。
【図2】ロータリの下方に取り付けられた貫通クランプと、上部および中間案内トロリとを含むアセンブリの拡大斜視図である。
【図3A】図1の設備の上部およびロータリの拡大図である。
【図3B】図1の設備の上部およびロータリの別の角度からの拡大図である。
【図3C】図1の設備の上部およびロータリの別の角度からの拡大図である。
【図4】図1の設備の一部を形成している貫通クランプの部分断面の斜視図である。
【図5】穿孔の動作の際にロッドを駆動するために使用される貫通クランプのクランプくさびの上面図およびいくつかの図での詳細である。
【図6】ロッドと同軸な形式のジャッキ貫通クランプが設けられたマスト延長部を備える案内マストの上面図である。
【図7】図6の詳細の拡大図である。
【図8】図4の貫通クランプおよび貫通クランプに組み合わせられたロータリの斜視図である。
【図9】ロッドの角度位置を検出するための装置の斜視図である。
【図10】ロッドに一体化されるリングの斜視図であり、回転センサの作動に必要なセクタを保持している。
【図11】セクタを有するリングを保持しているロータの上面図であり、リングの相対回転によって達成できる幅の調節を見て取ることができる。
【図12A】ドリルストリングの組み立ての手順を示す図であり、再出発の操作が明らかである。
【図12B】ドリルストリングの組み立ての手順を示す図であり、再出発の操作が明らかである。
【図12C】ドリルストリングの組み立ての手順を示す図であり、再出発の操作が明らかである。
【図12D】ドリルストリングの組み立ての手順を示す図であり、再出発の操作が明らかである。
【図12E】ドリルストリングの組み立ての手順を示す図であり、再出発の操作が明らかである。
【図13】ロッドの角度位置の間接的な検出のための装置の斜視図である。
【図14】ロッドの角度位置の間接的な検出のための装置の斜視図である。
【図15】ロッドの角度位置の間接的な検出のための装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
最初に図1を参照すると、自走車両1が、垂直位置に立てられた穿孔マスト2(または、「マスト」)を運んでおり、2つの位置(上昇位置3’’および下降位置3’)に示されているロータリ3が、マストに沿ってスライドする。ロータリは、穿孔およびジェットグラウト処理を実行する際に、一連のロッド4へと回転およびスライド運動(押し引き)を伝達するように機能する。ロータリは、関連の油圧モータ−減速機アセンブリ5によって駆動される。図1に示した設備の全体的な構造は、一般的に知られていると言える。したがって、本明細書の以下の部分では、本発明の実施の目的にとってとくに重要で興味深い構成要素だけを、詳しく説明する。したがって、例えばロータリヘッドのハンドリング手段(例えば、押し引きシステム)など、詳しくは説明されない部品および構成要素の実現については、公知の種類の任意のジェットグラウト設備を参照することが可能である。
【0018】
マスト2に沿ってスライドし、自身の移動をベースマスト2に整列したマスト延長部8(トレッスルとして実現されることが一般的であり、本明細書においてもトレッスルとして示されている)の全長にまでも延ばすことができる上部トロリが、6で指し示されている。マスト延長部8は、一連のロッドの案内をベースマスト2の長さを超えて延長するという機能を果たす。これにより、より深い深さでの穿孔作業の実行という目的のために、全長がベースマスト2に沿ったロータリの行程よりも大きい一連のロッドを有しつつ穿孔を開始することが可能になる。ベースマスト2だけが使用されるならば、上昇の最中に実行されるジェット処理を中断させなければならないと考えられる。なぜならば、必要な深さへと到達するために穿孔の際に追加されたロッドを、取り除く必要があるからである。処理の中断は、同じ処理の完全性の問題およびノズル(土壌に深く位置し、モニタ上に位置する)の角度位置と追加されるさらなるロッドとの間の参照の喪失の問題の両方を引き起こす。上部トロリ6は、ホース9によって一連のロッドの一番上のロッドの上端へと流体およびグラウトを導入する供給ヘッド7を支持している。トロリアセンブリ6や、供給ヘッドならびにいくつかの流体のための他の供給およびポンプ手段は、この技術分野において知られており、本明細書において詳しく説明するまでもない。
【0019】
場合により、ベースマストおよびマスト延長部の長さが大きい(例えば、20m超)ときに、上部トロリ6とロータリ3との間に配置される図2に示されている中間トロリ29を導入することが可能である。そのようなトロリの目的は、ロータリの上方に位置するロッドの自由長を中断することで、加えられる回転運動によって一連のロッドに生じる危険なたわみを防止することにある。ロッド4を案内するために、一連のロッドの軸方向の回転スライド運動の自由度を残すカラー30が、中間トロリ29に設けられている。
【0020】
貫通クランプ(図4において全体が10で指し示されている)が、ロータリ3(図3において破線で示されている)の回転マンドレルの下方に取り付けられる。貫通クランプ10の機能は、本明細書の以下において図12A〜図12Eの手順が説明されるときにさらに明確に理解されるとおり、穿孔およびジェットグラウト処理の全工程においてロッド4をマンドレルに一体にするとともに、ロッドの「再出発」を実行しなければならない場合および一連のロッドの組み立て工程の全体において、ロッドをマンドレルから解放することにある。貫通クランプは、油圧ジャッキ12によって持ち上げることができる外カラー11を備えている。カラーは、カラーを片側においてジャッキへと組み付け、反対側において摺動カプラ14(カラー11を水平に保つための伸縮バーの形状である)へと組み付けるために、正反対を向いた耳ペア13を形成している。この伸縮調節は、貫通クランプが、クランプの中央のスリーブ15の内径に等しい自由な内側通路によって与えられる最大値までのさまざまな直径のロッドにおいて機能するために適しているために、必要になる。さまざまな直径のロッドが、ジャッキにおけるさまざまなクランプ行程を必要とし、作動力を釣り合った状態に保ち、ロッドへのクランプ作用を最適に保つために、連結バー14の長さが、連結バー14の伸縮カプラ(例えば、長さを短くすべくねじ込まれるねじ−ナットねじの系を備えている)によって調節される。カラー11を中央のスリーブ15に沿って上昇させることで、一連のくさび状のブロック16(くさび状の押し台25によって半径方向に押される)が一連のロッドの1つのロッドの表面へと半径方向に締め付けられる。これらのくさび状のブロック16は、図5に見られるように、その表面が最良でもロッドの外表面を囲んで2つの部材の間の最適な固定を保証するように設計されているため、通常はただ1つのロッド径の固定にしか適さない。したがって、使用される種々のロッド径が、くさび16を処理に使用される直径に専用のくさび16に交換する必要を生じさせる。貫通クランプは、回転運動をクランプへと伝達すべくロータリの側に形成された該当の凹所(図示されていない)と結合するように構成された一連の起伏形成部17を上側に有している。ロッドの軸方向の運動成分は、ロータリによって貫通クランプへと押し面27(ロッドを押す)または固定ねじ26(ロッドを引き戻す)を介して加えられる。次いで、貫通クランプが、やはり一連のロッドを接触面16aの間の摩擦によってのみ固定された状態に保つ上述のくさび状のブロック16を介して、ロッドの軸方向の運動を付与する。この目的のために、ロッドのおおむね平滑な円柱形の表面に接触するくさび状のブロックの表面16aは、これら2つの部材の間の把持を向上させるように処理され、例えばその形状が、ロッドのくさびへの保持を促進する歯(図5に見て取ることができる)または先の尖ったインサートを有することができる。
【0021】
図示の実施形態とは別の実施形態においては、ジャッキ12が2つ以上である。
【0022】
図6に、ジャッキ12が1つであり、ロッドと同軸である貫通クランプ10bが示されている。この場合、ジャッキの運動(付与される制御に応じ、開放時および閉鎖時の両方)が、ロッド4を固定するためのくさび状のブロック16の半径方向の変位につながるくさび状の押し体25の軸方向の変位を生じさせる。
【0023】
図9に、設備へと組み合わせられたロッドの角度位置を検出するための装置を見て取ることができる。近接センサ20が、ロッドのための案内上部トロリ6へと堅固に固定され、ロッド4に、セクタを有するロータ21が固定されており、好ましい実施形態においては、ロータ21が、反対向きに位置する角度セクタ21’、21’’を2組備えており、各組がそれぞれのリング(上側リング22、下側リング23)によって支持されている。図10において、リング22の詳細を見て取ることができ、リング22の管状の本体が、ロッド4を通すことができるように構成された内側の円柱形の空洞を有するとともに、2つの正反対を向いたセクタ21’、21’’を外周に保持しており、セクタ21’、21’’は、少ない幅の角度の広がりを有し、通常は実行すべき処理の種類に合わせて構成されている。ロッド4へのリング22の角度の固定に必要な半径方向のダウエル24の挿入のためのねじ穴も、見て取ることができる。ロータ21は、リング22、23をロッドの表面に対して固定する半径方向のダウエル24によって、ロッドに一体化される。この機械的な固定または同等のシステムあるいは着脱式の固定システム(溶接、ろう付け、接着の作業)が、ロータ(したがって、セクタ21’、21’’)に対するロッドの角度位置を一意に特定するロッド4とロータ21との間の正確かつ安全な接続を確立する。ロッド4が回転するとき、センサ20が、センサの前方を通過するロータセクタの存在(または、不在)を検出し、ロッドの瞬時の角度位置を表す電気信号を生成(または、阻止)する。この信号が、ロータリの回転速度を制御する処理ギアケース(図示されていない)へともたらされ、ノズルが実行すべき地中連続壁の軸に沿って向けられているときにロータリの回転速度が遅くされる。反対に、より細い柱で充分である方向にロッドが向けられている場合には、回転速度が高められる。
【0024】
動作においては、ひとたび一連のロッドが取り付けられると、セクタ21’、21’’の組の位置が、ダウエル24への作用によってノズルの位置に対して調節される。結果として、セクタの位置に対する注入ジェットの出口方向が、一意に特定される。次いで、角度の幅を、リング23のセクタ(例えば、21’)をリング22のセクタ(例えば、21’)に重ねることによって調節することができる。図11に示されているとおり、好ましい実施形態(ただし、これに限られるわけではない)においては、セクタ21’を完全に重ねることによって、45°に等しい最小の幅のセクタが得られる。他方で、図に示されているとおり、セクタを隣接した状態に保つことによって、90°に等しい最大の幅の広がりが得られる。任意の中間的な重なり位置を使用することが可能である。幅が、ロータがセクタを有していない速度とは異なる速度をジェットが有する長さの継続期間を決定する。
【0025】
出願人が行った実験的な試験により、セクタの理論的な位置を、機械の駆動の動作(通常は、油圧)における遅延を補償するために、「ずらす」必要があることが明らかになっている。すなわち、処理速度(とりわけ、最小値へと下げなければならない最大の処理速度)に関して、駆動システムの時間的慣性のために、電気信号を進めることが必要であり、結果として第1のセクタがずらされ、第1のセクタをロッドの回転方向とは反対の方向に数度だけ回転させなければならない(信号の前進)。ひとたび必要とされる速度に達したならば、最小速度のジェットを中断するための前進(通常は、先の前進と同じではない)も必要とされる。
【0026】
他の検出手段を、ロッドの角度位置を電気信号へと変換する目的で、上述の検出手段の代わりに使用することができる。さらなる実施形態においては、ロッドの回転速度が、不連続な様相ではなくて、漸進的または連続的な様相で変化させられる。例えば、別の実施形態(図13に示されている)においては、検出装置が、例えばロッドへと押し付けられて一連のロッドの回転とは反対の方向に回転するゴム製ローラ35などの摩擦機構を備えている。この場合、第2の信号発信機31が設けられ、非回転部分(例えば、上部トロリ6)に固定され、ロッドに固定されたリング(1つ以上の起伏部材または歯32’が設けられている)の近くに配置される。そのような起伏部材の各々が通過するとき、センサが励起されて信号を発し、この信号が、角度の基準を補正して、第1の発信機20によって蓄積される可能性がある滑りの誤差を除去するために使用される。ここに記載のシステムは、もはや突起の有無によってインパルス的に励起されるのではないため、連続式の発信機20が設けられるという利点を提供する。したがって、この場合には、速度を2つの限界値の間で変更できるだけでなく、すべての過渡を時間の関数として管理することができる信号変調技術を採用することが可能である。
【0027】
図14および図15に示されている他の好ましい実施形態においては、ロッドの角度位置の検出装置が、歯車機構34(図14)を備えており、あるいはロッドと一体に回転する部材(あるいは、何らかのやり方でロッドに同期した部材)によって運動を受け取るチェーン33(図15)などの可撓な伝達手段を備えている。この場合にも、ロータのとる位置に比例した電気信号を発するために、ポテンショメータの特徴にもとづくエンコーダなど、さまざまな種類のエンコーダ20を設置することが可能である。ロッドの角度運動の変調により、多少なりとも圧縮および延長された水平断面を有している実質的に任意の形状(種々の半径の円セクタで構成されている)の固化した土壌の柱を得ることが可能になる。さらに別の実施形態(図示せず)においては、モニタノズルのうちの1つについて瞬時の角度位置を表す信号が、モニタへと拘束された発信機によってトロリに取り付けられた受信機へと送信される。採取された信号が、一連のロッドの回転速度を調節する処理および制御手段へと伝達される。
【0028】
図12A〜図12Eに、ロッドの装てん手順が示されている。図12Aにおいて、ロータリヘッド3が、アンテナ2の基部へと位置3’に下げられ、次いで供給ヘッド7が第1のロッド4aの上部にねじ込まれ、クレーンまたはエレベータなどの補助設備(図示されていない)によって位置決めされ、上部トロリ6へと固定される。貫通クランプ10が閉じられ、すなわちジャッキが作動させられ、くさびがロッドを拘束し、クランプに一体化させる。マストの基部に取り付けられた第2のクランプ18が開かれ、ロッドが軸方向について自由になり、ロータリが持ち上げられ、ロッド4aも一緒に持ち上げられる。第2のロッド4bが、マストの上部クランプに配置されて固定され(図12B)、次いでロータリが、第2のロッド4bをすでにロータリへと取り付けられたロッド4aにねじ込むために下げられる。これらのねじ込み作業は、クランプ18の直上に取り付けられたねじ込み−ねじ外し装置19によって実行される。ひとたびロッド4aおよび4bが互いにねじ込まれると、マストのクランプが再び開かれ、ロータリヘッドがロッド4aおよび4bと一緒に再び持ち上げられる。この作業手順が、ロータリがマストに沿った最下端の行程に達するまで繰り返される(図12C)。この時点で、ロッドの再出発の工程を実行することができる。ロッドがマストのクランプに拘束される。貫通クランプが開かれ、ロータリが、マスト2の基部に位置する最下端の工程3’まで下げられる(図12D)。次いで、貫通クランプを、最後に取り付けられたロッドへと再び閉じることができ、マストのクランプ18を解放することができ、ロータリをねじ込み済みのすべてのロッドと一緒に再び持ち上げることができ、次いで新たなロッド4eをマストのクランプに配置することができ、上部トロリ6がマスト延長部8の上端付近に達するまで続けることができる。
【0029】
上述の手順から、ロッドの固定および自由なスライドの両方を可能にする貫通クランプの機能がどのようであるかが、明らかであろう。このように、より単純かつ最も一般的な固定システムが、貫通クランプをロッドの平滑な円柱形の外表面へと接続する摩擦システムによって実現される。この結合は、動作荷重の直接的な作用に起因し、常には効率的でない駆動システムおよび直接的に接触する部品の摩耗の状態に起因して、相対の回転および相対のスライド移動を被る。
【0030】
くさびとロッドとの間のこれらの角度のすべり運動は、普通に生じるため、ロッド(したがって、ロッドと一体のノズル)の角度の参照が失われ、ロータリと一体の部材について読み取りが行われる場合に、角度位置の検出が不正確になることが明らかである。これは、処理軸におけるより長い回転を生じさせ、互いに正割(secant)でなければならない処理済みの土壌要素について、土壌要素間の重なり合いの減少を生じさせ、誤差が増すにつれて土壌要素が隣の土壌要素から離れてしまう可能性がある。
【0031】
本発明は、ロッドの角度位置を制御し、したがってノズルの位置を制御しつつ、非円形の深い柱の実現を可能にする。貫通クランプが、固化用のジェットを所望の方向へと向ける能力を保ちつつ、処理深さを増やすことを可能にする。経済的な点では、このシステムは時間の節約を可能にし、実際に、角度回転が1回転にわたって一定の角速度に保たれるのではなく、所望の結果に応じた幅の少なくとも2つのセクタにおいて、回転が加速される。さらに、注入される量が同等の円柱形の柱と比べてはるかに少ないため、固化用の物質の節約が達成され、そのような好都合な効果は、貫通クランプを使用することによって増やすことができる柱の深さに比例して大きくなる。
【0032】
実施の観点からは、穿孔および関連のジェットグラウト処理を、水平に近い掘削方向において実行することが必要とされる技術分野が知られている。この場合、使用される穿孔機は、図面に示した形式の穿孔機(ただし、マスト2を垂直に対して回転させた状態で動作する)またはトンネルの用途に専用の穿孔機(ポジショナとして一般的に知られ、トンネルの軸に平行な方向に可動である専用のマストを有している)のどちらであってもよい。
【0033】
この文脈においても、深い穿孔作業を実行するという目的で、延長部および貫通クランプを使用することによって柱状の処理を実行することが必要とされる可能性がある。上述の発明は、この種の作業にも、上述の内容についていかなる変更も必要とせずに適用可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスト(2、8)と、
前記マストに平行な軸に沿って平行移動可能でありかつ該軸を中心とする回転を制御することができるロータリ(3)と、
前記ロータリ(3)への固定を一時的に解除することができる一連の中空ロッド(4)と、
固化用の流体グラウトを前記一連の中空ロッドを通って土壌へと注入するための供給手段と、
前記軸を中心とする少なくとも1つの所定の角度範囲において前記ロータリの回転速度を変化させる手段と
を備えており、非円形の断面を有する固化した土壌の柱を形成するジェットグラウト設備であって、
前記一連のロッドのうちの1つに直接固定されたロータ(21)と、
前記ロータリの回転マンドレルに取り付けられた貫通クランプ(10)と
をさらに備えており、
前記ロータ(21)が、当該設備の非回転部分(6)に取り付けられて前記ロータの角度位置に応答して前記ロータリの回転速度を変化させるための制御信号を生成するように構成された少なくとも1つの信号発生装置(20)に、作動可能に組み合わせられており、
前記貫通クランプ(10)が、ロッドを拘束して前記ロータリと一体にするように作動させることができかつ前記ロータリを前記ロッドに対して移動させることができるように前記ロッドを解放すべく非作動にすることができる固定手段を備えていることを特徴とする設備。
【請求項2】
前記貫通クランプが、
前記ロッド(4)のための通路を定める円柱形の空洞を有している本体(15)と、
前記空洞の周囲に或る角度間隔で分布しており、前記ロッドの外表面に係合してこれを拘束すべく、少なくとも部分的に前記空洞へと突き出すように半径方向の最も内側の位置へと移動することができる複数のブロック(16)と、
前記軸に対して先細り、円錐形、または斜めである表面を有しており、前記ブロック(16)へと作用する少なくとも1つの物体(25)と、
前記ブロック(16)を前記半径方向の最も内側の位置へと移動させるように前記本体または前記物体(25)を移動させるための少なくとも1つのアクチュエータ(12)と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記貫通クランプが、前記回転マンドレルの該当のインターフェイス面と結合して該回転マンドレルから当該クランプへと回転運動を伝達するように構成された起伏面(17)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の設備。
【請求項4】
前記貫通クランプが、前記回転マンドレルとの境界に位置し、該マンドレルへと軸方向の押しの応力を伝達すべく前記軸を横切るように向いた表面(27)を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
前記クランプが、前記回転マンドレルへと、該マンドレルへと軸方向の引っ張り応力を伝達するための軸方向の接続手段(26)によって接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の設備。
【請求項6】
前記ロータが、互いの角度位置を調節することができる少なくとも2つの角度セクタを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
前記ロータ(21)が、ロッドに固定することができる2つのリング(22、23)を備えており、各々のリングが、正反対を向いた1対の角度セクタ(21’、21’’)をそれぞれ有していることを特徴とする請求項6に記載の設備。
【請求項8】
前記2つのリング(22、23)の少なくとも一方を、取り外し可能な固定手段(24)を介して前記ロッドへと固定することができることを特徴とする請求項7に記載の設備。
【請求項9】
前記ロッド(4)が、該ロッドの回転運動を該ロッドの軸に実質的に平行な軸を有する少なくとも1つの被駆動ロータ(35、35’、35’’)へと伝達し、該被駆動ロータが、少なくとも1つの信号発生装置(20)へと作動可能に組み合わせられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の設備。
【請求項10】
前記ロッド(4)および前記被駆動ロータ(35、35’、35’’)が、例えば歯車によって、直接的に連結されていることを特徴とする請求項9に記載の設備。
【請求項11】
前記ロッド(4)および前記被駆動ロータ(35、35’、35’’)が、例えば歯付きベルトによって、間接的に連結されていることを特徴とする請求項9に記載の設備。
【請求項12】
前記ロッドの1回転ごとに少なくとも1つの信号を発する第2の信号発生装置(31)が少なくとも存在し、該第2の信号発生装置によって、前記第1の信号発生装置(20)によって蓄積されうる誤差がゼロにされることを特徴とする請求項9に記載の設備。
【請求項13】
前記信号が、処理された信号の記録、表示、および加工のための制御ユニットへと送信されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の設備。
【請求項1】
マスト(2、8)と、
前記マストに平行な軸に沿って平行移動可能でありかつ該軸を中心とする回転を制御することができるロータリ(3)と、
前記ロータリ(3)への固定を一時的に解除することができる一連の中空ロッド(4)と、
固化用の流体グラウトを前記一連の中空ロッドを通って土壌へと注入するための供給手段と、
前記軸を中心とする少なくとも1つの所定の角度範囲において前記ロータリの回転速度を変化させる手段と
を備えており、非円形の断面を有する固化した土壌の柱を形成するジェットグラウト設備であって、
前記一連のロッドのうちの1つに直接固定されたロータ(21)と、
前記ロータリの回転マンドレルに取り付けられた貫通クランプ(10)と
をさらに備えており、
前記ロータ(21)が、当該設備の非回転部分(6)に取り付けられて前記ロータの角度位置に応答して前記ロータリの回転速度を変化させるための制御信号を生成するように構成された少なくとも1つの信号発生装置(20)に、作動可能に組み合わせられており、
前記貫通クランプ(10)が、ロッドを拘束して前記ロータリと一体にするように作動させることができかつ前記ロータリを前記ロッドに対して移動させることができるように前記ロッドを解放すべく非作動にすることができる固定手段を備えていることを特徴とする設備。
【請求項2】
前記貫通クランプが、
前記ロッド(4)のための通路を定める円柱形の空洞を有している本体(15)と、
前記空洞の周囲に或る角度間隔で分布しており、前記ロッドの外表面に係合してこれを拘束すべく、少なくとも部分的に前記空洞へと突き出すように半径方向の最も内側の位置へと移動することができる複数のブロック(16)と、
前記軸に対して先細り、円錐形、または斜めである表面を有しており、前記ブロック(16)へと作用する少なくとも1つの物体(25)と、
前記ブロック(16)を前記半径方向の最も内側の位置へと移動させるように前記本体または前記物体(25)を移動させるための少なくとも1つのアクチュエータ(12)と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記貫通クランプが、前記回転マンドレルの該当のインターフェイス面と結合して該回転マンドレルから当該クランプへと回転運動を伝達するように構成された起伏面(17)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の設備。
【請求項4】
前記貫通クランプが、前記回転マンドレルとの境界に位置し、該マンドレルへと軸方向の押しの応力を伝達すべく前記軸を横切るように向いた表面(27)を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
前記クランプが、前記回転マンドレルへと、該マンドレルへと軸方向の引っ張り応力を伝達するための軸方向の接続手段(26)によって接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の設備。
【請求項6】
前記ロータが、互いの角度位置を調節することができる少なくとも2つの角度セクタを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
前記ロータ(21)が、ロッドに固定することができる2つのリング(22、23)を備えており、各々のリングが、正反対を向いた1対の角度セクタ(21’、21’’)をそれぞれ有していることを特徴とする請求項6に記載の設備。
【請求項8】
前記2つのリング(22、23)の少なくとも一方を、取り外し可能な固定手段(24)を介して前記ロッドへと固定することができることを特徴とする請求項7に記載の設備。
【請求項9】
前記ロッド(4)が、該ロッドの回転運動を該ロッドの軸に実質的に平行な軸を有する少なくとも1つの被駆動ロータ(35、35’、35’’)へと伝達し、該被駆動ロータが、少なくとも1つの信号発生装置(20)へと作動可能に組み合わせられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の設備。
【請求項10】
前記ロッド(4)および前記被駆動ロータ(35、35’、35’’)が、例えば歯車によって、直接的に連結されていることを特徴とする請求項9に記載の設備。
【請求項11】
前記ロッド(4)および前記被駆動ロータ(35、35’、35’’)が、例えば歯付きベルトによって、間接的に連結されていることを特徴とする請求項9に記載の設備。
【請求項12】
前記ロッドの1回転ごとに少なくとも1つの信号を発する第2の信号発生装置(31)が少なくとも存在し、該第2の信号発生装置によって、前記第1の信号発生装置(20)によって蓄積されうる誤差がゼロにされることを特徴とする請求項9に記載の設備。
【請求項13】
前記信号が、処理された信号の記録、表示、および加工のための制御ユニットへと送信されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の設備。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2012−518730(P2012−518730A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550705(P2011−550705)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【国際出願番号】PCT/IT2009/000061
【国際公開番号】WO2010/095153
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(595012903)ソイルメック・ソシエタ・ペル・アチオニ (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【国際出願番号】PCT/IT2009/000061
【国際公開番号】WO2010/095153
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(595012903)ソイルメック・ソシエタ・ペル・アチオニ (2)
【Fターム(参考)】
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