説明

ジェット噴流排気ノズル及びジェットエンジン

【課題】バイファケーションの存在が騒音の激化に影響することを防いで騒音を低減させる。
【解決手段】筒状隔壁12と、この筒状隔壁12の外周を覆う筒状のケーシング11と、前記筒状隔壁12及び前記ケーシング11の軸線方向に沿って延在し、前記筒状隔壁12及び前記ケーシング11の各下流側端部を外側から支持するバイファケーション13と、を有し、前記筒状隔壁12内が高速のコア流が流れる流路とされ、前記筒状隔壁12と前記ケーシング11との間が低速のバイパス流が流れる流路とされるジェット噴流排気ノズル1であって、前記筒状隔壁12の下流側縁部における前記バイファケーション13の近傍且つ前記バイファケーション13を挟んで対称となる位置に、稜線の1つが上流側を向く一対の第1突起21,22を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェット噴流排気ノズル及びジェットエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機のジェットエンジンは、空気を取り入れるファンと、該ファンが取り入れた空気の一部を取り込んで圧縮する圧縮機と、該圧縮機が圧縮した空気と燃料とを混合させて燃焼させる燃焼器と、該燃焼器の燃焼ガスにより前記ファン及び前記圧縮機を駆動するタービンとが順次配列されて構成されている。
圧縮機、燃焼器及びタービンは、筒状隔壁内に配設され、ファンは、筒状隔壁の上流側に配設されている。ファンが取り入れた空気の大部分は、上記筒状隔壁の外周を覆うケーシングとの間に設けられたバイパス流路を通る。このバイパス流路を通った空気(バイパス流)は、タービンの排気(コア流)の外周を囲むように排出されて、コア流と合流する。
【0003】
上記コア流とバイパス流とを効率よく混合させることによってジェット騒音を低減するミキサが、下記特許文献1〜3に開示されている。
例えば、特許文献1に記載のミキサは、筒状隔壁の下流端部に配設された複数の三角錐体を有するものである。この三角錐体は、底面の一辺を筒状隔壁の下流側端に一致させて、外周面及び内周面に交互に取り付けられる。
これにより、三角錐体の上流側に向いた稜線を形成する2側面が、高速の内部流(即ち上記コア流)及び低速の外部流(即ち上記バイパス流)の一部を互い違いの方向へ案内するので、筒状隔壁の内側及び外側を流れる流体が効率よく混合され、ジェット騒音を低減する。
【特許文献1】特開2003−172205号公報
【特許文献2】特開2000−80958号公報
【特許文献3】米国特許第6,826,901号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ジェットエンジンが発する騒音の要因には、上記のコア流とバイパス流との合流の他に、ジェットエンジンを機体に取り付けるためのバイファケーション(パイロンともいう)の影響によるものがある。このバイファケーションの影響による騒音について図8を用いて説明する。
【0005】
図8において、Zはコア流、Yはバイパス流、Xはバイパス流Yの外側を流れる空気(外気流)である。流速は、コア流Zが最も速く、次いでバイパス流Yが速く、外気流Xが最も遅い。
この図に示すように、バイファケーションから離れた位置では、コア流Zと外気流Xとの間には、両者の中間の流速であるバイパス流Yが介在する。しかし、バイファケーションの近傍下流側においては、バイパス流Yが乱れるためにコア流Zが外気流Xに近づいてしまう。
速度差が大きいコア流Zと外気流Xとが近づくと、流体が接する部分での速度変化が急激になるため、騒音が激しくなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、バイファケーションの存在が騒音の激化に影響することを防いで騒音を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、第1の手段として、筒状隔壁と、この筒状隔壁の外周を覆う筒状のケーシングと、前記筒状隔壁及び前記ケーシングの軸線方向に沿って延在し、前記筒状隔壁及び前記ケーシングの各下流側端部を外側から支持するバイファケーションと、を有し、前記筒状隔壁内が高速のコア流が流れる流路とされ、前記筒状隔壁と前記ケーシングとの間が低速のバイパス流が流れる流路とされるジェット噴流排気ノズルであって、前記筒状隔壁の下流側縁部における前記バイファケーションの近傍且つ前記バイファケーションを挟んで対称となる位置に、上流側から下流側に向かって、前記軸線方向と鋭角をなすように傾斜した一対の第1突起を備えることを特徴とするジェット噴流排気ノズルを採用した。
【0008】
また、第2の手段として、上記第1の手段に係るジェット噴流排気ノズルにおいて、前記第1突起は、前記バイファケーションの両側の2次渦発生域よりも内側に配設されているものを採用した。
【0009】
第3の手段として、上記第1又は2の手段に係るジェット噴流排気ノズルにおいて、前記第1突起は、前記筒状隔壁の内周側に突出しているものを採用した。
【0010】
第4の手段として、上記第1から3の何れかの手段に係るジェット噴流排気ノズルにおいて、前記筒状隔壁の下流側縁部の周方向に間隔をあけて設けられ、上流側から下流側に向かって前記軸線方向と鋭角をなすように傾斜し、前記筒状隔壁の内周側及び/又は外周側に突出する複数の第2突起を更に備えるものを採用した。
【0011】
第5の手段として、上記第1から4の何れかの手段に係るジェット噴流排気ノズルにおいて、前記第2突起のうちバイファケーション側に設けられるものは、前記筒状隔壁の内周側に突出しているものを採用した。
【0012】
第6の手段として、上記第1から5の何れかの手段に係るジェット噴流排気ノズルにおいて、前記第1突起及び前記第2突起のうち、前記バイファケーション側に設けられるものは、反バイファケーション側に設けられるものよりも多数配設されているものを採用した。
【0013】
第7の手段として、上記第1から6の何れかの手段に係るジェット噴流排気ノズルにおいて、前記第1突起は、稜線の1つが上流側を向いた三角錐体であるものを採用した。
【0014】
第8の手段として、上記第4から7の何れかの手段に係るジェット噴流排気ノズルにおいて、前記第2突起は、稜線の1つが上流側を向いた三角錐体であるものを採用した。
【0015】
更に、本発明では、第9の手段として、空気を取り入れるファンと、前記ファンが取り入れた空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機が圧縮した空気に燃料を混合して燃焼させる燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより前記ファン及び前記圧縮機を駆動するタービンと、を有するジェットエンジンであって、上記第1から8の何れかの手段に係る前記ジェット噴流排気ノズルを備えると共に、前記バイファケーションが翼に対して下方に突出するように配設されて該バイファケーションによって吊り下げ支持されるように前記翼に取り付けられることを特徴とするジェットエンジンを採用した。
【0016】
また更に、本発明では、第10の手段として、空気を取り入れるファンと、前記ファンが取り入れた空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機が圧縮した空気に燃料を混合して燃焼させる燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより前記ファン及び前記圧縮機を駆動するタービンと、を有するジェットエンジンであって、上記第1から8の何れかの手段に係る前記ジェット噴流排気ノズルを備えると共に、前記バイファケーションが機体に対して側方に突出するように配設されて該バイファケーションによって片持ち支持されるように前記機体に取り付けられることを特徴とするジェットエンジンを採用した。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、バイファケーションの近傍且つバイファケーションを挟んで対称となる位置に一対の第1突起を備えるので、これらの第1突起によって、バイファケーション近傍においてコア流を案内すると共にバイパス流と効率よく混合させることができるため、バイファケーションの存在が騒音の激化に影響することを防いで騒音を低減させることができる。
また、本発明の第2の手段によれば、第1突起をバイファケーションの両側の2次渦発生領域よりも内側に位置させるので、これらの第1突起によって、騒音が起こり易い2次渦発生領域の内側においてコア流を案内することができるため、バイファケーションの存在が騒音の激化に影響することを防いで騒音を低減させることができる。
更に、本発明の第3の手段によれば、第1突起を筒状隔壁の内周側に突出させるので、これらの第1突起によって、コア流を下流へ進むに従って内側へ向かうように案内するため、コア流が外気流に近づきにくくなり、よって、バイファケーションの存在が騒音の激化に影響することを防いで騒音を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態におけるジェットエンジン100の概略構成を示す模式断面図である。
本ジェットエンジン100は、ノズル1(ジェット噴流排気ノズル)、ファン2、圧縮機3、燃焼器4及びタービン5を備えている。
【0019】
ノズル1は、ケーシング11、筒状隔壁12及びバイファケーション13からなる。
ケーシング11及び筒状隔壁12は筒状の部材である。ケーシング11は、ジェットエンジン100の外形を形作ると共に、筒状隔壁12の外周を覆う。
筒状隔壁12は、ケーシング11に対して軸線方向に沿ってやや下流側にずらして配設されており、コア流Zが流れる流路とバイパス流Yが流れる流路とを仕切る。コア流Zは、筒状隔壁12内を流れる高速の流体であって、バイパス流Yは、筒状隔壁12とケーシング11との間に流れる低速の流体である。
【0020】
バイファケーション13は、ケーシング11及び筒状隔壁12の軸線方向に沿って延在する部材であって、ケーシング11及び筒状隔壁12の各下流側端部を外側から支持する。このバイファケーション13は、航空機の翼に対して下方に突出するように配設される。ジェットエンジン100は、上記バイファケーション13によって吊り下げ支持されるように翼に取り付けられる。
【0021】
ファン2、圧縮機3、燃焼器4及びタービン5は、ノズル1内の上流側から下流側へ順次配列されている。
ファン2は、ケーシング11内の上流側端部近傍であって筒状隔壁12の上流に配設されて、外部から空気Aを取り入れる。圧縮機3は、筒状隔壁12内の上流側端部近傍に配設されて、ファン2が取り入れた空気Aの一部を取り込んで圧縮する。
燃焼器4は、筒状隔壁12内における圧縮機3の下流側に配設されて、圧縮機3が圧縮した空気Aに燃料を混合して燃焼させ、燃焼ガスを排出する。タービン5は、筒状隔壁12内における燃焼器4の下流側に配設されて、燃焼器4が排出する燃焼ガスによって、ファン2及び圧縮機3を駆動する。
【0022】
ケーシング11の上流側の開口は、空気Aを取り入れる空気取入口14とされている。ケーシング11の下流側の開口は、上記バイパス流Yを排出するバイパス流排出口15とされている。バイパス流Yは、空気取入口14から取り入れられた空気Aのうち圧縮機3に取り込まれなかった空気Aである。
また、筒状隔壁12の下流側の開口は、上記コア流Zを排出するコア流排出口16とされている。コア流Zは、タービン5からの排気つまり上記燃焼ガスである。
符号Xは、外気流を示す。外気流Xは、ケーシング11の外側を通ってバイパス流Yの外側を流れる空気である。
【0023】
図2は、ジェットエンジン100の下流側から見た断面図であって、図1におけるa−a線による断面図である。
バイファケーション13の両側には、2次渦(馬蹄渦ともいう)が発生する。2次渦が発生する範囲(2次渦発生域)S1,S2は、バイファケーション13の幅が例えば300mm程度であって、コア流排出口16の半径が例えば300mm程度であるとき、バイファケーション13の中心線Cからバイパス流排出口15の周方向に略36°までの範囲である。
【0024】
バイファケーション13の存在によって2次渦が発生すると、バイファケーション13の下流において、バイパス流Yがコア流Zの外周を覆う状態が乱れ、バイパス流Yの外側を流れる外気流Xにコア流Zが近づいて騒音の原因となる。これを防ぐため、本実施形態では、筒状隔壁12の下流側縁部12aに、ノッチ21,22(第1突起、三角錐体)を設けている。
ノッチ21,22は、バイファケーション13を挟んで対称となる位置であって、2次渦発生域の内側に設けられており、例えば各々の稜線がバイファケーション13の中心線Cからバイパス流排出口15の周方向に略31°ずれた位置に位置するよう設けられている。
【0025】
更に、筒状隔壁12の下流側縁部12aには、ノッチ31,32,33(第2突起、三角錐体)を設けている。
ノッチ31,32は、各々の稜線がバイファケーション13の中心線Cからバイパス流排出口15の周方向に略81°ずれた位置に位置するよう設けられている。つまり、筒状隔壁12の下流側縁部12aを、バイファケーション13の中心線Cに直交し筒状隔壁12の中心を通る仮想線分Lによって、バイファケーション側Bと反バイファケーション側bとに二分したとき、ノッチ31,32は、バイファケーション側Bに位置する。
ノッチ33は、稜線がバイファケーション13の中心線Cからバイパス流排出口15の周方向に略180°ずれた位置に位置するよう設けられている。つまり、ノッチ33は、上記反バイファケーション側bに位置する。
上記のように、ノッチ31,32,33は、バイファケーション側Bに多く設けられるように、位置を配分されている。
【0026】
ノッチ21(ノッチ22,31,32,33も同様)は、図3の斜視図に示すように、筒状隔壁12の下流側縁部12aを内周側に折り込んで突出させることにより、稜線21aを上流側に向けた三角錐の2側面のような流体案内面21b,21cが形成されてなるものである。
【0027】
このような構成のジェットエンジン100は、周知の動作を行う。即ち、ファン2は空気取入口14から空気Aを取り入れ、圧縮機3はファン2が取り入れた空気Aの一部を圧縮し、燃焼器4は圧縮機3が圧縮した空気Aに燃料を混合して燃焼させ、タービン5は燃焼器4が排出する燃焼ガスによってファン2及び圧縮機3を駆動する。
【0028】
上記動作によって、筒状隔壁12内にコア流Zが流れ、筒状隔壁12とケーシング11との間にバイパス流Yが流れる。コア流Zとバイパス流Yとは、ノッチ21,22,31,32,33によって混合される。
ノッチ21(ノッチ22も同様)は、流体案内面21b,21cによって、コア流排出口16から排出されるコア流Zを、下流へ進むに従って2次渦発生域S1,S2から遠ざかるように案内する。これにより、コア流Zが外気流Xに近づきにくくなり、よって、騒音が低減される。
【0029】
図4は、速度と騒音との関係を示すと共に、従来のジェットエンジンの騒音(1)と、本実施形態のジェットエンジン100の騒音(2)と、図5に示す比較例のジェットエンジン200の騒音(3)とを比較して示すグラフである。
(3)の比較例とは、図5に示すように、本実施形態のノッチ21他と同形状のノッチ41〜45を本実施形態と同数但し位置を変えて設けたものであって、1つのノッチ41をバイファケーション13の中心線Cに一致させて他のノッチ42〜45を周方向に略均等に配分したものである。したがって、この例においてノッチ41〜45は2次渦発生域S1,S2の内側には存在しない。
【0030】
図4のグラフから、従来の騒音(1)に比して、本実施形態での騒音(2)は、最大2dB近く低減されていることがわかる。そして、上記比較例での騒音(3)と本実施形態での騒音(2)とを比較すると、本実施形態によるノッチ21,22,31,32,33が騒音低減効果が高いことがわかる。
また、上記比較例(3)は、従来(1)と比して大差なく、騒音低減効果が低いばかりか、低速領域では騒音が激化していることがわかる。
【0031】
このように、本実施形態によれば、バイファケーション13の影響を考慮してノッチ21,22,31,32,33を好適な位置に配したことにより、ジェットエンジン100が発する騒音を従来に比して効果的に低減させることができる。
【0032】
なお、上記実施形態では、図3に示すように、ノッチ31,32,33を、筒状隔壁12の下流側縁部12aを内周側に折り込んで突出させたが、実施にあたっては、図6に示すように、外周側に突出させて形成してもよい。
上記実施形態では、5つのノッチ21,22,31,32,33を設けているが、より多くのノッチを形成するならば、例えば、反バイファケーション側に設けるノッチは、内周側と外周側とに交互に突出させるように形成すると、コア流Zとバイパス流Yとを効果的に混合させることができる。
【0033】
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。図7は、本実施形態におけるジェットエンジン300を下流側から見た断面図であって、上記第1の実施形態における図2に対応させて示したものである。なお、上記第1の実施形態と同等の部材については、同じ符号にて示す。
本ジェットエンジン300のバイファケーション13は、中心線Cが略水平にされ、航空機の機体に対して側方に突出するように配設される。したがって、ジェットエンジン300は、バイファケーション13によって片持ち支持されるように機体に取り付けられる。
【0034】
ノッチ21,22は、上記第1の実施形態と同様に、稜線がバイファケーション13の中心線Cからバイパス流排出口15の周方向に略31°ずれた位置に位置するよう設けられている。
ノッチ31は、稜線がバイファケーション13の中心線Cからバイパス流排出口15の周方向に略90°ずれた位置に位置するよう設けられている。ノッチ32は、稜線がバイファケーション13の中心線Cからバイパス流排出口15の周方向に略225°ずれた位置に位置するよう設けられている。そして、ノッチ33は、ノッチ32とノッチ22との略中間位置に位置するよう設けられている。
本実施形態では、ノッチ21,22,31,32,33が上記のように配置されることにより、ジェットエンジン300を水平に二分した地面側に、多くのノッチが配されている。
【0035】
このような構成によれば、ジェットエンジン300において、バイファケーション13が存在することによる騒音への悪影響をノッチ21,22によって低減することができると共に、ジェットエンジン300の地面側においてコア流Zとバイパス流Yとを効率よく混合することにより、地面へ向かう騒音を低減することができる。
【0036】
なお、上記実施形態においては、第1突起及び第2突起を三角錐体であるノッチ21,22,31,32,33として説明したが、実施にあたっては、第1突起及び第2突起は三角錐体に限られるものではなく、例えば、断面が台形や長方形、半円形等、他の形状のものであっても、上記実施形態のように気流を案内する平面又は曲面を有するものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるジェットエンジン100の概略構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるジェットエンジン100の図1におけるa−a線による断面を下流側から見た断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるノッチ21(第1突起)の外観を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における速度と騒音との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施形態の比較例であるジェットエンジン200を下流側から見た断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の変形例におけるノッチ31,32,33(第2突起)の外観を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるジェットエンジン300を上記第1の実施形態における図2に対応させて示す下流側から見た断面図である。
【図8】従来のジェットエンジンから排気されるコア流Z、バイパス流Y及び外気流Xを示す模式図である。
【符号の説明】
【0038】
100…ジェットエンジン、 1…ノズル(ジェット噴流排気ノズル)、 2…ファン、 3…圧縮機、 4…燃焼器、 5…タービン、 11…ケーシング、 12…筒状隔壁、 12a…下流側縁部、 13…バイファケーション、 14…空気取入口、 15…バイパス流排出口、 16…コア流排出口、 21,22…ノッチ(第1突起)、 21a…稜線、 21b,21c…流体案内面、 31,32,33…ノッチ(第2突起)、 B…バイファケーション側、 b…反バイファケーション側、 A…空気、 X…外気流、 Y…バイパス流、 Z…コア流、 200…ジェットエンジン、 41〜45…ノッチ、 300…ジェットエンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状隔壁と、この筒状隔壁の外周を覆う筒状のケーシングと、前記筒状隔壁及び前記ケーシングの軸線方向に沿って延在し、前記筒状隔壁及び前記ケーシングの各下流側端部を外側から支持するバイファケーションと、を有し、
前記筒状隔壁内が高速のコア流が流れる流路とされ、前記筒状隔壁と前記ケーシングとの間が低速のバイパス流が流れる流路とされるジェット噴流排気ノズルであって、
前記筒状隔壁の下流側縁部における前記バイファケーションの近傍且つ前記バイファケーションを挟んで対称となる位置に、上流側から下流側に向かって前記軸線方向と鋭角をなすように傾斜した一対の第1突起を備える
ことを特徴とするジェット噴流排気ノズル。
【請求項2】
前記第1突起は、前記バイファケーションの両側の2次渦発生域よりも内側に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のジェット噴流排気ノズル。
【請求項3】
前記第1突起は、前記筒状隔壁の内周側に突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載のジェット噴流排気ノズル。
【請求項4】
前記筒状隔壁の下流側縁部の周方向に間隔をあけて設けられ、上流側から下流側に向かって前記軸線方向と鋭角をなすように傾斜し、前記筒状隔壁の内周側及び/又は外周側に突出する複数の第2突起を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のジェット噴流排気ノズル。
【請求項5】
前記第2突起のうちバイファケーション側に設けられるものは、前記筒状隔壁の内周側に突出していることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のジェット噴流排気ノズル。
【請求項6】
前記第1突起及び前記第2突起のうち、前記バイファケーション側に設けられるものは、反バイファケーション側に設けられるものよりも多数配設されている
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のジェット噴流排気ノズル。
【請求項7】
前記第1突起は、稜線の1つが上流側を向いた三角錐体である
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のジェット噴流排気ノズル。
【請求項8】
前記第2突起は、稜線の1つが上流側を向いた三角錐体である
ことを特徴とする請求項4から7の何れかに記載のジェット噴流排気ノズル。
【請求項9】
空気を取り入れるファンと、
前記ファンが取り入れた空気を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機が圧縮した空気に燃料を混合して燃焼させる燃焼器と、
前記燃焼器の燃焼ガスにより前記ファン及び前記圧縮機を駆動するタービンと、
を有するジェットエンジンであって、
請求項1から8の何れかに記載の前記ジェット噴流排気ノズルを備えると共に、
前記バイファケーションが翼に対して下方に突出するように配設されて該バイファケーションによって吊り下げ支持されるように前記翼に取り付けられる
ことを特徴とするジェットエンジン。
【請求項10】
空気を取り入れるファンと、
前記ファンが取り入れた空気を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機が圧縮した空気に燃料を混合して燃焼させる燃焼器と、
前記燃焼器の燃焼ガスにより前記ファン及び前記圧縮機を駆動するタービンと、
を有するジェットエンジンであって、
請求項1から8の何れかに記載の前記ジェット噴流排気ノズルを備えると共に、
前記バイファケーションが機体に対して側方に突出するように配設されて該バイファケーションによって片持ち支持されるように前記機体に取り付けられる
ことを特徴とするジェットエンジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−151033(P2008−151033A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340066(P2006−340066)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)