説明

ジッパーバック密閉装置

【課題】ジッパーバックを完全に密閉することができ、密閉されたジッパーバックを容易に移動及び保管することができる包装用ジッパーバックの密閉装置を提供する。
【解決手段】ジッパーバックに液体、固体、気体を含む多様な物を入れて開口部を完全に密閉することにより、保管状態に関係なく内容物が漏出しないように密閉する密閉装置に関し、ジッパーバック1が引き込まれて密閉されるように下端部に切開溝30が形成された軸棒10と、前記軸棒の一端にジッパー部分が折り畳まれて引き込まれるように、曲線状に形成された引き込み部20と、前記軸棒の上端部に形成された取っ手部40と、前記軸棒と一体に形成されてジッパーバックのジッパー2を堅く結合するジッパークリップ60と、前記軸棒の両側面に形成されて前記引き込み部にジッパーバックを引き込むときに滑り止めとなる複数の突起70とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装用ジッパーバックの密閉装置に関する。より詳細には、ジッパーバックに液体、固体、気体を含む多様な物質を入れた後、開口部を完全に密閉することにより、保管状態にかかわらず内容物が外部に漏出しないように密閉する密閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
包装用密閉容器ジッパーバック1は、図1のように、日常生活で多用途に便利に使用される生活用品である。特に台所で各種の食べ物を保管又は処理するとき、商店で食品を包装するとき、食堂で客に食べ物を入れて持たせるとき、外出、登山、釣り、キャンプなどで食べ物、飲み物、又は他の所持品を入れるときなどに多様な用途で利用される。
【0003】
しかし、包装用密閉容器ジッパーバックの使用において、ジッパー2を閉めるために一々手でジッパーを押さえて締結しなければならないため、非常に不便で時間が長くかかるという欠点がある。
【0004】
このような問題を解決するために、図2aのようにスライド型ジッパークリップをジッパー部分に装着して簡単にジッパーバックを閉状態にする製品が生産されたが、前記製品は図2bのようにスライド型ジッパークリップによってジッパーを結合する場合、図2cのようにスライド型ジッパークリップの端部に隙間が生じ、ジッパーバックが横に保管されたときに内容物が漏出したり、ジッパーの結合強度が弱いので内容物が多いときにジッパーが開くという欠点がある。
【0005】
また、スライド型ジッパークリップと同一の目的でコの字状のジッパークリップが独立して生産されたが、ジッパークリップの形態が小さいので紛失の恐れが大きく、ジッパーの密閉力だけでジッパーが維持されなければならないため、ジッパーバックの保管又は移動中にジッパーバック締結部分が曲がったり、つぶれると締結されたジッパーが開いて内容物がこぼれたり、液状物が漏れるという欠点があった。
【0006】
前記密閉力の問題を解決するため、図3に示すように、パックの密閉装置と共に密閉装置の内部にプラスチック軸を固定する方法が提案された(特許文献1参照)。前記方法は、ジッパーバックではない一般のパックを使用し、密閉装置内にプラスチック軸を接合固定して前記軸を覆うようにパックを折り畳み、その外面に密閉装置の切開溝を挟んでパックが密閉されるように構成するものである。前記方法は、密閉装置がパックの開口部に位置するので密閉強度が高く、パックのどの部分にも密閉装置を利用することができるという利点があったが、プラスチック軸が密閉装置に固定されており、パックを密閉装置に挟むときに一般のパックを使用するので、軸と密閉装置との間にパックを入れにくいだけでなく、密閉ラインが意図する通りに一定に形成されなかった。また、薄いパックや重量の大きいパックに用いた際には、この密閉装置の係止効果が充分に発揮できないことがあった。
【0007】
また、ジッパーバックの開口部の内部に雌雄1対のジッパーを結合した後、結合されたジッパー部分を折り畳み、その外面に密閉装置の切開溝を挟んでジッパーバックが密閉される方法が提案されたが、前記方法は、手でジッパーを閉めるので完全にジッパーが閉まっていない状態で密閉装置に挟むことがあり、ジッパーバックを横に保管するとジッパーバックの内容物が漏れるという問題があった。前記のような密閉装置を利用してジッパーバックを密閉する場合は、ジッパーの両端部が完全に結合されていないと内容物が漏れ、前記方法のように手でジッパーを結合する場合は、完璧にジッパーの両端部を閉めることができないことが多かった。また、ジッパーバックを携帯して移動する場合、取っ手がないので二重に包装するか、取っ手なしで使用せざるを得ないため不便であった。
【特許文献1】特表2006−506293
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、ジッパーバックの内容物が漏れないように完全に密閉し、かつ携帯が簡便で、移動に便利な密閉装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、ジッパーバックを簡単に密閉することができ、密閉状態でジッパーバックを安全に移動することのできる密閉装置を提供することを目的とする。
【0010】
さらに、本発明は、一般のパックに軟質の生活用品を利用して簡単に密閉状態にする密閉装置を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、簡単かつ安全な密閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明のジッパーバック密閉装置は、ジッパーバックが引き込まれて密閉されるように下部に切開溝が形成された軸棒と、前記軸棒の一端にジッパー部分が折り畳まれて引き込まれるように、曲線状に形成された引き込み部と、前記軸棒の上部に形成された取っ手部と、前記取っ手部と前記軸棒とを結合する取っ手固定部と、前記軸棒と一体に形成されて前記ジッパーバックのジッパーを堅く結合するジッパークリップと、前記軸棒の両側面に形成されて前記引き込み部に前記ジッパーバックを引き込むときに滑り止めとなる複数の突起とを備える。
【0013】
前記取っ手部は、前記取っ手固定部と雌雄結合され、着脱可能としてもよい。
【0014】
前記ジッパークリップの端部に突出部を形成すると、ジッパーがクリップから離脱することが防止され、好ましい。
【0015】
また、本発明のパック密閉装置は、両端が接着された接着部の開口側に近い両端に孔を形成したパックと、前記孔に差し込挟まれる軟質物体と、前記軟質物体を中心に折り畳まれた前記パックが引き込まれて密閉されるように下部に切開溝が形成された軸棒と、前記軸棒の一端に曲線状に形成された引き込み部と、前記軸棒の両端側面に形成されて前記引き込み部に前記パックを引き込むときに滑り止めとなる複数の突起とを備える。
【0016】
前記軟質物体には、ひも、飲み物用のストロー、又はチューブなどの軟質の生活用品を使用することができる。
【0017】
さらに、本発明のジッパーバック密閉装置は、ジッパーバックが引き込まれて密閉されるように下部に切開溝が形成された軸棒と、前記軸棒の一端に取っ手用ひも又はチューブを中心に折り畳まれた前記ジッパーバックが引き込まれるように、曲線状に形成された引き込み部と、前記ジッパーバックのジッパーを堅く結合するジッパークリップと、前記軸棒の両側面に形成されて前記引き込み部に前記ジッパーバックを引き込むときに滑り止めとなる複数の突起と、前記軸棒の内部を貫通する取っ手用ひも又はチューブとを備える。
【0018】
本発明の密閉装置に用いられる軸棒には収容孔が形成されていてもよい。収容孔は、本発明の密閉装置を保管する際に釘等をかける部分として、また、ジッパーバックを携帯して移動する場合にひも等の取っ手を固定する部分として使用することができる。
【発明の効果】
【0019】
前記のような構成により、本発明は通常のジッパーバックを完全に密閉することができ、密閉されたジッパーバックを簡単に移動及び保管することができる。
【0020】
また、本発明はジッパークリップを使用して完全にジッパーを結合させるので、保管状態にかかわらずジッパーバックの内容物が外部に漏出せず、使用しないときに保管が容易である。
【0021】
さらに、本発明は雄雌1対の構造で形成されるジッパーのついたジッパーバックであっても、一般のパックであっても、取っ手用ひも又はチューブを利用して簡単かつ完全に密閉することができる。
【0022】
本発明の密閉装置はジッパーバック又はパックのジッパーが曲がったり潰れたりしないように防止し、ジッパー結合が開いても密閉状態をそのまま維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[実施例1]
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図4は本発明の一実施例による密閉装置を示す図である。(a)は密閉装置の正面図であり、(b)は(a)に係る密閉装置の一部を断面で示す図である。(c)は(b)に係る密閉装置を左から見た左側面図である。図に示すように、密閉装置は図1の通常のジッパーバックの結合状態を堅固に維持する装置であり、密閉装置の中心となる軸棒10と、前記軸棒の一端にジッパー部分が折り畳まれて引き込まれるように、曲線状に形成された引き込み部20と、前記引き込み部に沿ってジッパーバックが挿入される切開溝30と、密閉されたジッパーバックを特に包装しなくても簡単に移動させることができるように着脱可能な取っ手部40と、前記取っ手部を軸棒と結合する取っ手固定部50と、前記取っ手固定部の横に軸棒と一体に形成されるジッパークリップ60と、ジッパーバックを引き込み部から切開溝に挿入するときに滑り止めとなるように取っ手部から軸棒の両端に向かって形成される複数の突起70と、密閉装置を使用しないときに釘やネジにかけて保管できるように形成された収容孔80とから構成される。
【0024】
本発明は通常のジッパーバックを完全に密閉する装置である。以下、各構成要素について詳細に説明する。軸棒10の大きさはジッパーバック1の大きさによって様々であり、引き込み部20はジッパーバックのジッパー2部分が折り畳んで引き込まれる所である。ジッパーバックのジッパーは雌雄1対の構造で形成され、本発明は前記雌雄1対のジッパーを後述するジッパークリップ60によって結合し、ジッパー部分を折り畳んで引き込み部20に挟み、切開溝30に沿ってジッパーバックが完全に挟まれるまで押し込むことにより使用することができる。引き込み部に挟まれるジッパーバックのジッパー部分が折り畳まれた状態では通常のジッパーより体積が大きいので、この部分が挿入されるように引き込み部20は開始部分が大きく、曲線状でなければならない。前記切開溝30は引き込み部の端部から軸棒10の終了部分まで凹状に形成された溝である。前記切開溝の間隔はジッパーバックのジッパーの大きさより小さくなければならない。ジッパーバックのジッパーが雌雄結合された状態でジッパー部分を折り畳んで引き込み部に挿入するが、この時、折り畳んだジッパー部分はジッパーより少し下が中心になるようにするとジッパーバックの内容物が外に漏れない。ジッパーバックのジッパー部分は、通常軟質のプラスチックで形成されるので、ジッパーバックの他の部分より硬い。従って、切開溝に沿って挿入されるジッパーバック1は硬いジッパー2が切開溝から外れることがなく、リーディングラインの機能を果たし、所定の高さでジッパーバックが前記切開溝に引き込まれる。
【0025】
ユーザはジッパーバックを引き込み部に挟み、切開溝に沿ってジッパーバックを端部まで押し込まなければならない。一般にジッパーバックは台所などで料理のときに使用されるので、手に水気がついている。従って、水気のついた手で軸棒10に力を入れることができるように滑り止めが必要であり、前記複数の突起70が滑り止めとなる。機能的には前記突起が取っ手固定部50を中心に引き込み部の反対側に形成されるだけで十分であるが、左右の均衡と美的観点から取っ手固定部の内側から端部まで軸棒の両方に同様に形成する。
【0026】
前記取っ手部40は軸棒と結合されたジッパーバックを安全かつ便利に移動させることができる。取っ手固定部50は、少なくとも1つの溝が形成されて端部が2つに分かれた取っ手部40と雌雄結合された状態で連結される。前記取っ手部は取っ手固定部と着脱が可能であるため、前記密閉装置を利用して密閉されたジッパーバックを冷蔵庫やアイスボックスなどに入れて保管する場合には前記取っ手部なしで保管することができ、便利である。
【0027】
前記ジッパークリップ60は本発明において重要な役割を果たす。本発明によるジッパーバック密閉装置で密閉されたジッパーバックは、かばん、アイスボックス、又は冷蔵庫などの保管用品に入れて保管することが多い。このような場合にジッパーの端部が完全に結合されなければならない。手によるジッパーの結合は、目で感知できない部位において完全には結合されないことがあり、結合時間も長くかかる。特にジッパーの端部が密閉されないまま前記保管用品に入れると、内容物が漏れて保管用品の内部を汚すことになる。前記ジッパークリップの端部には突出部65が備えられている。前記突出部は、ジッパークリップによってジッパーが結合されるときにジッパーがジッパークリップから外れないようにする。前記ジッパークリップ60は端部に行くほど軸棒10との間隔が狭くなるように形成される。前記ジッパークリップは前記取っ手部40の横に軸棒と一体に形成され、前記突出部65が軸棒の内側に来るように形成する。
【0028】
前記収容孔80は、密閉装置がジッパーバックを密閉しないときに釘やネジにかけて保管するように形成された孔である。
【0029】
図5は前記構成要素を基にジッパーバックを密閉した状態を示す。ジッパーバックは前記のようにジッパーを中心に軸棒が位置するので多くの内容物を入れることができて運搬や保管が簡便であり、さらにジッパークリップで密閉するため完全な密閉が可能となり、いかなる形態で保管しても外部に内容物が漏れない。
【0030】
[実施例2]
図6〜図8は本発明の他の実施例である。実施例2は、図6のように、雄雌1対の構造で形成されたジッパーを備えるジッパーバックではない一般的なパック3を対象とする。前記パックは通常のビニール袋より若干硬質であれば効果的である。図に示すように、パックの上部には2つの孔4がある。前記孔は、ユーザがパックを密閉しようとする形態によって様々な位置に形成することができる。
【0031】
実施例2に使用される密閉装置は、実施例1の密閉装置の取っ手固定部、取っ手部、及びジッパークリップがない形態である。より詳細に説明すると、図8のように、軸棒の下端部には切開溝30があり、切開溝の一端には曲線状の引き込み部20がある。ユーザは図7のように前記パックの孔4に軟質物体6を入れ、前記軟質物体を中心にパックを折り畳んで前記引き込み部に挿入して切開溝に沿ってパック3を軸棒10に押し込む。前記軟質物体はひも、チューブ、又は飲み物用のストローなど、生活で使用される柔らかい物体である。前記孔は通常の穿孔機又は錐などの鋭い物体を利用して簡単に形成することができる。
【0032】
前記軸棒には滑り止めとなる複数の突起70が形成されており、使用しないときに軸棒を保管するために引き込み部の反対側の端部に収容孔80を形成する。
【0033】
従来の密閉装置には切開溝に沿って引き込まれるパックのリードラインがなく、密閉されたパックの形態を所望の形態にすることは困難であった。本発明は、前記問題を改善するためにパックの孔に軟質物体を挿入するので、パックが切開溝に沿って挿入されるときにリードラインの機能を果たすことにより、密閉されたパックの形態を所望の形態に調節することができる。
【0034】
本実施例に使用されるパックの両端部は内容物を入れることができないように接着されている。本発明において、前記接着された接着部5は2つの機能を有する。第1の機能は、パックの両端に孔を形成して軟質物体を挿入することによるリーディングラインの機能であり、第2の機能は、引き込み部にパックを入れるときにパックが柔らかいと挿入しにくいので、これを克服できるようにパックの端部を硬質に変える機能である。
【0035】
従って、本発明において、パックの両端部で所定の幅で接着される接着部5は、本発明を実施するための重要な要素となる。また、実施例1のようなジッパークリップがなくても両端部を完全に密閉することができる。
【0036】
[実施例3]
実施例1では、ジッパーバック1のジッパーは、雄雌1対の構造で形成され、雄雌結合する構成であったが、バックの開口部を閉塞可能であればその構成は特に限定されない。ジッパーバック1のジッパーとは、例えば、バックの開口部を閉塞するために、バックを折り畳んだときに形成される曲折部を含む概念である。
【0037】
図9〜図12は本発明のさらに他の実施例である。本実施例は実施例1の密閉装置の取っ手部の代りに取っ手用ひも又はチューブ90を使用する。
【0038】
図9は、本実施例に係るジッパーバック密閉装置の斜視図であり、図10は、図9におけるA−A断面図である。図9及び図10に示すように、実施例3はジッパーバック1の結合状態を堅固に維持する装置であり、密閉装置の中心となる軸棒10と、前記軸棒の一端にジッパーバック1が折り畳まれて引き込まれるように曲線状に形成された引き込み部20と、前記引き込み部に沿ってジッパーバック1が挿入される切開溝30と、密閉されたジッパーバックを特に包装しなくても簡単に移動させることができるように軸棒10の内部空間を通過する取っ手用ひも又はチューブ90と、ジッパーバック1のジッパーを結合させるジッパークリップ61と、ジッパーバック1を引き込み部20から切開溝30に挿入させるときに滑り止めとなるように軸棒10の両側面に形成される複数の突起70と、密閉装置を使用しないときに釘やネジにかけて保管できるように形成された収容孔80とから構成される。また、図11に示すように、選択的に前記取っ手用ひも又はチューブ90を固定する取っ手固定部55を含む。また、選択的に、前記取っ手用ひも又はチューブ90がジッパーバック1を密閉、移動するときにジッパーバック1の移動を抑制するように、軸棒10の両側の上端に挟み込み溝11が凹状に形成される。
【0039】
取っ手用ひも又はチューブ90は、例えば、塩化ビニル製の環状の線材からなり、軸棒10の内部空間において軸方向に沿ってスライド可能なように軸棒10内に挿入されている。
【0040】
ジッパーバック1は、チューブ90を中心に折り畳まれたときに形成される曲折部からなるジッパー12を備えている。
【0041】
ジッパークリップ61は、切開溝30の軸方向に沿って延びる開口部31に雌雄の結合部62、63を備えている。雄結合部62は、開口部31から突出するように設けられており、雌結合部63は、開口部31を凹状に切り欠くことにより形成されている。ジッパークリップ61は、雌雄の結合部62、63を相互に結合させて切開溝30の開口部31を閉塞することにより、ジッパー12を封止するように構成されている。
【0042】
以下、前記密閉装置の実施方法について説明する。通常のジッパーバックに内容物を入れて、内容物の大きさに応じてジッパーバックを前記取っ手用ひも又はチューブ90を中心に折り畳み、引き込み部20に挿入して切開溝30に沿ってジッパーバックを端部まで押し込む。ジッパーバック1をチューブ90を中心に折り畳むと、曲折部からなるジッパー12が形成され、ジッパーバック1の開口部が閉塞される。また、ジッパーバック1を切開溝30に引き込むと、ジッパー12(曲折部)が切開溝30に挿入される。ジッパーバック1を切開溝30に挿入するときは、チューブ90を軸棒10に沿ってスライドさせることにより、ジッパーバック1をスライドさせて挿入する。
【0043】
その後、ジッパーバック1が切開溝30に挿入された状態で、図10(b)に示すように、雄結合部62と雌結合部63とを嵌合させ、雌雄の結合部62、63を相互に結合させることにより、切開溝30の開口部31を閉塞する。これにより、ジッパーバック1のジッパー12が堅く結合され、封止される。
【0044】
前記のようにジッパーバックを密閉する密閉装置は、実施例1の密閉装置とは異なり、軸棒の内部に取っ手用ひも又はチューブがあるので、軸棒の内部の空間が縮小され、さらに強力な密閉力を提供でき、ジッパーバックのジッパー部分はもちろん、ジッパー部分以外の任意の位置を密閉装置と結合することができるため、内容物が小さいときにも内容物の大きさに応じた密閉が可能である。また、密閉装置と結合した状態で移動しても、前記取っ手用ひも又はチューブ90がジッパーバックの両端を固定するので、ジッパーバックが密閉装置から離脱しない。
【0045】
また、雌雄の結合部62、63により、ジッパー12をより緊密に封止することができ、ジッパーバック1の内容物が漏出するのをより確実に防ぐことができる。
【0046】
また、ジッパーバック1をチューブ90に巻き付けるように折り畳み、チューブ90を軸棒10に沿ってスライドさせるだけで、ジッパーバック1を切開溝30に引き込むことができるので、挿入作業を容易に行うことができる。
【0047】
また、滑り止めとなる突起70を備えているので挿入作業を確実に行うことができる。
【0048】
本実施例においては取っ手固定部55を選択的に含む。前記取っ手固定部55は7字状に形成され、図11のように取っ手用ひも又はチューブ90をかける。前記取っ手固定部55は軸棒と一体に形成される。
【0049】
また、本実施例は、雄雌1対の構造で形成されるジッパーが必須の実施要件ではないので、通常のジッパーバックだけでなく、一般的なパックにも使用可能である。
【0050】
以上、本発明の技術的思想を例示するための好ましい実施例について図示、説明したが、本発明は前記のように図示、説明された構成及び作用に限定されるのではなく、特許請求の範囲で請求する発明の要旨から逸脱することなく本発明の多様な変更及び修正が可能であることを当業者であれば理解することができるであろう。従って、それらの変更は本発明の範囲に属するとみなされるべきである。
【0051】
例えば、上記実施例3では、ジッパークリップ61は、雌雄の結合部62、63を備える構成であったが、ジッパーバック1のジッパー12を堅く結合して封止できるのであれば、その構成は特に限定されない。
【0052】
図13は、他の実施形態に係るジッパーバック密閉装置の斜視図であり、図14は、図13におけるB−B断面図である。図13において、図9と同様の構成部分については、同一の符号を付して説明を省略する。また、図14において、図10と同様の構成部分については、同一の符号を付して説明を省略する。ジッパークリップ61は、図13及び図14に示すように、軸棒10を挟持する挟持部材66を備える構成であってもよい。挟持部材66としては、湾曲した板状のクリップ本体67と、クリップ本体67の側面に配置されたハンドル68とを備え、ハンドル68を把持してクリップ本体67を開閉し、板バネの原理によりものを挟持する公知のバインダークリップを用いることができる。また、挟持部材66は、ハンドル68を覆うキャップ69を備えており、ハンドル68がキャップ69で覆われた状態では、クリップ本体67が開状態となり、ハンドル68からキャップ69が離脱した状態では、クリップ本体67が閉状態となるように構成されている。挟持部材66は、軸棒10に一体で取り付けられていても、軸棒10と別体であってもよい。
【0053】
以上の構成を備えるジッパーバック密閉装置によれば、ジッパーバック1がチューブ90を中心に折り畳まれ、ジッパーバック1のジッパー12(曲折部)が切開溝30に挿入された状態で、キャップ69をバンドル68から取り外すことにより、クリップ本体67を閉状態とする。これにより、軸棒10が挟持部材66で挟持され、切開溝30の開口部31が閉状態となる。こうして、ジッパー12が封止され、ジッパーバック1が密閉される。
【0054】
このような構成によれば、軸棒10を挟持部材66で挟持するので、切開溝30の開口部31をより緊密に閉塞することができ、ジッパー12をより堅く結合して封止することができる。
【0055】
また、クリップ本体67が開いた状態から、キャップ69を取り外すだけで、軸棒10を挟持してジッパー12を封止できるので、密閉作業を容易に行うことができる。
【0056】
また、本実施形態に係る挟持部材66は、雌雄の結合部62、63を備えるジッパーバック密閉装置と組み合わせて使用することもできる。
【0057】
また、チューブ90の構成は本実施形態以外に種々の構成が可能であり、例えば、チューブ90を冷蔵庫の壁面等に定着させる定着部材(図示せず)を備える構成であってもよい。定着部材は、例えば、冷蔵庫の壁面等に吸着可能な吸盤であり、チューブ90に取り付けられている。このような構成によれば、定着部材を介してチューブ90を冷蔵庫の壁面等に固定することにより、密閉装置に取り付けられたジッパーバック1を冷蔵庫内に吊り下げて保管することができる。これにより、ジッパーバック1の内容物を容易に視認することができ、内容物を効率良く管理することができる。また、ジッパーバック1を吊り下げるので、ジッパーバック1の開口部から内容物が漏出するのを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】通常のジッパーバックの形状図である。
【図2a】従来のスライド型ジッパークリップが結合されたジッパーバックを示す図である。
【図2b】図2aのスライド型ジッパークリップがジッパーを結合する形状を示す図である。
【図2c】図2bのスライド型ジッパークリップでジッパーが結合された形状を示す図である。
【図3】従来のバック密閉装置を示す図である。
【図4】本発明によるジッパーバック密閉装置を示す図である。
【図5】本発明による使用状態の斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例に使用されるパックの斜視図である。
【図7】図6のパックに軟質物体を挿入した状態の斜視図である。
【図8】図7のパックによる使用状態の図である。
【図9】本発明の他の実施例に使用される密閉装置の斜視図である。
【図10】図9におけるA−A断面図である。
【図11】図9において取っ手固定部がある形態の斜視図である。
【図12】図9において取っ手固定部がない形態の使用状態の斜視図である。
【図13】他の実施形態に係るジッパーバック密閉装置の斜視図である。
【図14】図13におけるB−B断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 ジッパーバック
2 ジッパー
3 パック
4 孔
5 接着部
6 軟質物体
10 軸棒
11 挟み込み溝
12 ジッパー
20 引き込み部
30 切開溝
31 開口部
40 取っ手部
50 取っ手固定部
55 取っ手固定部
60 ジッパークリップ
61 ジッパークリップ
62 雄結合部
63 雌結合部
65 突出部
66 挟持部材
70 突起
80 収容孔
90 取っ手用ひも又はチューブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジッパーバックを密閉する装置において、
前記ジッパーバックが引き込まれて密閉されるように下部に切開溝が形成された軸棒と、
前記軸棒の一端にジッパー部分が折り畳まれて引き込まれるように、曲線状に形成された引き込み部と、
前記軸棒の上部に形成された取っ手部と、
前記取っ手部と前記軸棒とを結合する取っ手固定部と、
前記軸棒と一体に形成されて前記ジッパーバックのジッパーを堅く結合するジッパークリップと、
前記軸棒の両側面に形成されて前記引き込み部に前記ジッパーバックを引き込むときに滑り止めとなる複数の突起とを備えることを特徴とするジッパーバック密閉装置。
【請求項2】
パックを密閉する密閉装置において、
前記パックは、両端が接着された接着部と、前記接着部に形成された2つの孔とを備え、
前記孔に差し込まれる軟質物体と、
前記軟質物体を中心に折り畳まれた前記パックが引き込まれて密閉されるように下部に切開溝が形成された軸棒と、
前記軸棒の一端に曲線状に形成された引き込み部と、
前記軸棒の両側面に形成されて前記引き込み部に前記パックを引き込むときに滑り止めとなる複数の突起とを備えることを特徴とするパック密閉装置。
【請求項3】
ジッパーバックを密閉する装置において、
前記ジッパーバックが引き込まれて密閉されるように下部に切開溝が形成された軸棒と、
前記軸棒の一端に取っ手用ひも又はチューブを中心に折り畳まれた前記ジッパーバックが引き込まれるように、曲線状に形成された引き込み部と、
前記ジッパーバックのジッパーを堅く結合するジッパークリップと、
前記軸棒の両側面に形成されて前記引き込み部に前記ジッパーバックを引き込むときに滑り止めとなる複数の突起と、
前記軸棒の内部を貫通する取っ手用ひも又はチューブと、
を備えることを特徴とするジッパーバック密閉装置。
【請求項4】
前記軸棒の両端部の上端には、前記ジッパーバックを密閉して移動するときに前記取っ手用ひも又は前記チューブが移動しないように挟み込み溝が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のジッパーバック密閉装置。
【請求項5】
前記軸棒の上端に、前記軸棒と一体に形成される7字状の取っ手固定部をさらに備える請求項3又は4に記載のジッパーバック密閉装置。
【請求項6】
前記ジッパークリップは、前記切開溝の軸方向に沿って延びる開口部に雌雄の結合部を備え、ジッパーバックが前記切開溝に挿入された状態で、前記雌雄の結合部を相互に結合させて前記開口部を閉塞することによりジッパーを封止する請求項3から5のいずれかに記載のジッパーバック密閉装置。
【請求項7】
前記ジッパークリップは、ジッパーバックが前記切開溝に挿入された状態で、前記軸棒を挟持することにより前記切開溝の開口部を閉塞してジッパーを封止する挟持部材を備える請求項3から6のいずれかに記載のジッパーバック密閉装置。
【請求項8】
前記軸棒の前記引き込み部の反対側に形成された収容孔をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のパック密閉装置。


【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−56353(P2008−56353A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218652(P2007−218652)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000222141)東洋アルミエコープロダクツ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】