説明

ジベンジリデンソルビトール(DBS)系化合物、組成物及びそのような化合物を使用する方法

本発明は、ジベンジリデンソルビトール(「DBS」)系化合物に関する。本発明の化合物は、それらが、改善された透明性(低い曇り度)、低減された黄変性及び/又は官能性(味)のうちの1以上により特徴付けられることにおいて特に有利である。1つの具体例によれば、本発明は、ソルビトール鎖の最初の炭素原子上にアリル基若しくはプロピル基が置換基した二置換DBS系化合物を提供する。本発明は、このようなDBS系化合物とそれらの使用方法を含む組成物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は、ジベンジリデンソルビトール(「DBS」)系化合物に関する。本発明の化合物は、改善された透明性(減少した曇り度)、黄変性及び改善された官能性のうちの1以上により特徴付けられる点で特に有利である。
【0002】
発明の背景
多価アルコールのアセタール誘導体は、例えば、ポリマー樹脂のための透明化剤或いは成核剤並びに有機液体のためのゲル化剤及び増粘剤をはじめとする幾つかの用途で有益である。DBS系化合物は、このような用途で有益である。
【0003】
成核剤或いは透明化剤は、結晶性ポリオレフィン樹脂から製造された製品の曇り度を減少するために使用されてきた。ソルビトールとキシリトールの代表的アセタールは、成核剤或いは透明化剤として使用されてきており、ハマダ等の米国特許第4,016,118号には、ジベンジリデンソルビトールが、カワイ等の米国特許第4,313,039号には、ジ(アルキルベンジリデン)ソルビトールが、マーフィー等の米国特許第4,371,645号には、少なくとも1つの塩素或いは臭素を有するソルビトールのジアセタールが、コバヤシ等の米国特許第4,954,291号には、ジメチル或いはトリメチル置換ベンズアルデヒドと非置換ベンズアルデヒドとの混合物から作られたソルビトールとキシリトールのジアセタールの分布物が記載されている。レッカー等の米国特許第5,049,605号は、ビス(3,4-ジアルキルベンジリデン)ソルビトールを開示している。透明化剤の1つの型の例として、ミリケン化学からミラッド(Millad)(登録商標)3988の商品名で入手可能な1,3-O-2,4-ビス(3,4-ジメチルベンジリデン)ソルビトール(以後DMDBS)が、目的のポリプロピレン及び他のポリマーブランドのための透明化を提供する。
【0004】
DBS系化合物の種々の置換基の変更はプラスチック中の該化合物の性能に顕著な影響
を有し得る。特に、DBS系化合物のベンゼン環部分上の種々の基の置換は、成核剤或いは透明化剤としてのこのような化合物の適合性に顕著な影響を有し得る。したがって、過去の努力は、ベンジリデン環置換基の置換パターンを改変することに向けられていた。
【0005】
Xie等の公開特許出願US 2005-0239926A1及び公開特許出願US 2005-0239928A1は、成核剤或いは透明化剤として有益であるアセタール系組成物を開示している。これら参照文献は、一部で、ソルビトール鎖の最初の炭素上で置換されたジベンジリデンソルビトール誘導体は、特に、透明化剤として有効であることを、開示している。
【0006】
ポリオレフィン製品の曇り度は、成核剤或いは透明化剤が、そのような剤を利用するポリオレフィン製品に与える透明性の水準の通常の尺度である。一般的に、曇り度のたった1パーセントの減少(或いは数分の1パーセントでさえも)は、工業的には非常に重要であり得る。したがって、プラスチック添加剤業界では、最低量の曇り度を与えるであろう成核剤或いは透明化剤化合物を見出すための継続的な努力が払われている。有力な市販の透明化剤ミラッド(登録商標)3988は、50ミル(1.27ミリメートル)の射出成形ランダムポリプロピレン共重合体で約7〜8%の曇り度を与える。同じ条件下で同じ濃度水準で減少した曇り度水準を与えるであろう透明化剤を開発することが産業界の目的であった。
【0007】
低い曇り度は、プラスチック添加剤の好適性を決定する唯一の重要な要因ではない。貧弱な熱安定性は、高い加工温度での望ましくない黄変とプレートアウトを引き起こし得る。このような黄変は好ましくない。
【0008】
成核剤或いは透明化剤は、それが組み込まれるプラスチック製品に、過度の望ましくない味を与えてはならない。したがって、減少された官能性問題或いは結果を提供する成核剤或いは透明化剤が望ましい。「官能性」は、プラスチックに組み込まれた成核剤或いは透明化剤化合物によりポリマー飲食品貯蔵容器に望ましくなく移されるかもしれない味を指す。
【0009】
これら注意すべき問題は、これら問題を示さずに、目的のポリオレフィン製品のための良好な透明化剤を提供するような化合物を提供するための長い間感じられたニーズを、ポリオレフィン産業界に生み出してきた。これまでのところ、この目的のための最良の既知の化合物は、依然として上記指摘されたものである。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明は、1以上の改善された透明性(減少した曇り度)、黄変性及び改善された官能性の特性を意外にも示す新規な成核剤或いは透明化剤を提供する。1つの具体例では、ジベンジリデンソルビトール(DBS)誘導体は、ソルビトール鎖の最初の炭素(C-1位)上で置換されたアリル基若しくはn-プロピル基を有する二置換DBS系化合物を提供する。本発明は、このようなDBS系化合物を含む組成物とそれらの使用方法にも関する。本発明の化合物は、式Iにより表わされ得る。
【化7】

【0011】
ここで、RとRは、独立して、CHCHCH-(即ち、n-プロピル)及びCHCHCHO-(即ち、n-プロポキシ)から成る群より選択され、Rは、独立して、-CHCHCH(即ち、n-プロピル)及び-CH-CH=CH(即ち、n-アリル)から成る群より選択される。
【0012】
出願人は、Xie等の公開特許出願US 2005-0239926A1及び公開特許出願US 2005-0239928A1に記載されたものを含む、多数の成核剤或いは透明化剤を研究した。式Iの化合物は、構造において密接に関連したものを含む試験された他の成核剤或いは透明化剤と比べて、意外に改善された特性、即ち、減少した曇り度、官能性及び/又は黄変性を有することが見出された。
【0013】
本発明の1つの具体例では、式Iの化合物は、Rが、n-プロピル基(-CHCHCH)で提供される。代替の具体例では、Rは、n-アリル基(-CH-CH=CH)である。
【0014】
本発明の1つの具体例では、RとRは、n-プロピルである。代替の具体例では、RとRは、n-アリルである。
【0015】
本発明の別の具体例では、RとRは同じであり、即ち、式Iの化合物は、対称である。別の具体例では、RとRは異なり、即ち、式Iの化合物は、非対称である。
【0016】
本発明の別の具体例では、Rは、n-アリルであり、RとRは、独立して、n-プロピルとn-プロポキシから成る群より選択される。
【0017】
本発明の別の具体例では、Rは、n-プロピルであり、RとRは、独立して、n-プロピルとn-プロポキシから成る群より選択される。
【0018】
本発明の1つの具体例では、式Iの化合物は、化合物1である。
【化8】

【0019】
本発明の別の具体例では、式Iの化合物は、化合物2である。
【化9】

【0020】
本発明の別の具体例では、式Iの化合物は、化合物3である。
【化10】

【0021】
本発明の別の具体例では、式Iの化合物は、化合物4である。
【化11】

【0022】
式Iの化合物は、ポリマー樹脂のための成核剤或いは透明化剤並びに有機液体のためのゲル化剤及び増粘剤をはじめとする幾つかの用途で有益である。
【0023】
本発明の別の具体例によれば、本発明は、式Iの化合物を含む成核剤或いは透明化剤組成物を提供する。
【0024】
本発明の1つ具体例によれば、成核剤或いは透明化剤組成物は、式Iの化合物の混合物を含む。1つの具体例では、このような組成物は、式Iの非対称な化合物の混合物を含む。別の具体例では、成核剤或いは透明化剤組成物は、式Iの対称な化合物の混合物を含む。
【0025】
1つの具体例によれば、成核剤或いは透明化剤組成物は、化合物1を含む。別の好ましい具体例によれば、成核剤或いは透明化剤組成物は、化合物2を含む。別の具体例によれば、成核剤或いは透明化剤組成物は、化合物3を含む。更に別の具体例によれば、成核剤或いは透明化剤組成物は、化合物4を含む。
【0026】
具体例によれば、本発明は、オレフィンポリマーと式Iの化合物を組み合わせる工程を含む、オレフィンポリマーの核化方法を提供する。
【0027】
別の具体例によれば、本発明は、式Iの化合物とオレフィンポリマーを含む、ポリオレフィン組成物を提供する。
【0028】
本発明に使用され得るオレフィンポリマーは、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンを含むポリエチレン、ポリプロピレン、結晶性エチレン/プロピレンコポリマー(ランダム或いはブロック)、ポリ(1-ブテン)及びポリメチルペンテンのような平均分子量約10,000〜約2,000、000、好ましくは、約30,000〜約300,000を有する2〜約6個の炭素原子を含む脂肪族モノオレフィンのポリマー及びコポリマーを含む。
【0029】
本発明に使用され得るオレフィンポリマーの例は、例えば、ポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)及びポリ(ブチレンテレフタレート)、ナイロン6及びナイロン6,6を含むポリアミド、ポリ(フェニレンスルフィド)、シンジオタクチックポリスチレン及び主鎖にカルボニル基を有するポリケトンである。
【0030】
本発明の望ましい具体例では、ポリオレフィン組成物は、ポリプロピレンを含む。
【0031】
本発明の具体例によれば、ポリオレフィン組成物は、式Iの化合物を、約0.005〜約3重量%、好ましくは、約0.01〜約1重量%、より好ましくは、約0.025〜約0.5重量%の濃度で、更により好ましくは、濃厚マスターバッチにおけるように約33重量%以下で含む。
【0032】
本発明の具体例によれば、ポリオレフィン組成物は、式Iの化合物を、「マスターバッチ」組成物の場合のように50重量%までの濃度で含む。好ましい具体例では、ポリオレフィン組成物は、2以上のポリオレフィンを含み得る。
【0033】
種々の具体例において、本発明の式Iの化合物は、それらが組み込まれるポリオレフィン組成物に改善された透明性(低下した曇り度)を与える。他の具体例では、式Iの化合物は、ポリオレフィン組成物に改善された黄変性を与える。更に別の具体例では、式Iの化合物は、ポリオレフィン組成物に改善された透明度と黄変性と官能性を与える。
【0034】
本発明の別の具体例によれば、ポリオレフィン組成物は、成形され、または押し出されて、種々のポリマー製造品を形成する。
【0035】
本発明の1つの具体例によれば、ポリオレフィン組成物は、最終製品に加工される前に多数回押し出される。ポリオレフィン組成物を押し出すための適切な方法は、限定されないが、射出成形、押し出しブロー成形、射出ブロー成形、延伸ブロー成形、圧縮成形、回転成形、異形押し出し、板押し出し、熱成形、膜押し出し及び延伸膜押し出しを含む。
【0036】
合成方法
式Iの化合物は、種々の方法で合成され得る。このような方法は公知のものであり、ここに記載されるものであり得る。一般的に、このような方法は、(アリル-ソルビトール、n-プロピル-ソルビトール、アリル-キシリトール、n-プロポキシ-キシリトール等のような)1モルの置換アルジトールと2モルのアルデヒドとの酸触媒(塩酸のような無機酸若しくはp-トルエンスルホン酸(pTSA)のような有機酸)の存在下の反応を使用する。更に、室温で水に混和性である(低級アルキルアルコール、N-Nジメチルホルムアミド若しくは酢酸のような)有機溶媒が使用される。
【0037】
式Iの化合物を調製するために使用することのできる1つの方法は、ガルディック等の米国特許第5,106,999号に記載されており、ここで参照に組み込まれる。
【0038】
鎖長を改変するアルジト−ルの合成方法は、Kim, Gordon, Schmid, and Whitesides, Tin and Indium Mediated Allylation in Aqueous Media: Application to Unprotected Carbohydrates, J. Org. Chem, 5500-5507, 58 (1993)及びWhitesides, Journal of the American Chemical Society, 113, 6674-6675 (1991).に記載されている。Whitesidesは、グルコースと臭化アリル/錫との反応に言及した。
【0039】
1つの具体例によれば、化合物を製造するための合成スキームが、以下に示される。当業者は、これらスキームが単なる例であり、他の方法が、式Iの化合物を調製するために使用され得ることを認識するだろう。
【0040】
スキーム1は、中間体C及びDの製造方法を示す。スキーム1において、中間体Cは、糖Aとアルケニル基Bを反応させることにより調製される。
【化12】

【0041】
スキーム2は、Rがアリル若しくはプロピルである式Iの化合物の製造方法の代表例を示す。
【0042】
スキーム2に示されるようにRがアリルである場合、多価アルコールAとアリル含有基Bが準備される。次工程で、多価アルコールAとアリル含有基Bは反応して、第1のアリル含有化合物Cを生成する。次いで、化合物Cは、置換ベンズアルデヒドFと縮合反応して、化合物Gを生成する。
【0043】
他の具体例では、Rは、プロピルである。この方法では、多価アルコールAとアリル含有基Bが使用される。多価アルコールAとアリル含有基Bは反応して、化合物Cを生成する。アリル含有化合物Cは、次いで還元され、n-プロピル置換化合物Eを生成し、次いで、置換芳香族アルデヒドFと縮合反応して、化合物Hを生成する。
【化13】

【0044】
したがって、本発明は、(a)多価アルコールとアリル基を準備すること、(b)多価アルコールとアリル基とを反応させて第1のアリル含有化合物を生成すること、(c)第1のアリル含有化合物を置換ベンズアルデヒドと縮合反応で反応させることの工程を含むRがアリルである式Iの化合物の製造方法を提供する。
【0045】
別の具体例では、本発明は、(a)多価アルコールとアリル基を準備すること、(b)多価アルコールとアリル基とを反応させて第1のアリル含有化合物を生成すること、(c)前記アリル含有化合物を還元して、n-プロピル置換化合物を生成すること(d)前記n-プロピル置換化合物を置換芳香族アルデヒドと縮合反応で反応させることの工程を含むRがプロピルである式Iの化合物の製造方法を提供する。
【0046】
スキーム2で示されるように、式Iの化合物は、適切なベンズアルデヒドを使用する縮合反応により獲得され得る。当業者は、縮合反応は、ジアセタール(式Iの化合物)、トリアセタール及びモノアセタールの混合物を生成することを認識するだろう。トリアセタール及びモノアセタールは、(特にそれらが、非常に低い割合で存在するならば)、ポリオレフィン組成物中に組み込まれる前に、取り除くことは常に必要ではないが、そうすることは望ましいかもしれず、そのような精製はそこで製造される樹脂の透明性を向上することに役立ち得る。
【0047】
本発明の別の具体例によれば、式Iの化合物の精製は、相対的に非極性の溶媒による抽出による任意の存在するトリアセタールの除去により達成され得る。1つの限定されない例として、本発明の組成物は、用途に応じて、その組成が少なくとも約95〜98%純粋である式Iの化合物を含む。
【0048】
本発明の種々の代替具体例にいまや参照がなされ、その1以上の例が以下に示される。各例は、本発明の説明のために提供され、本発明を限定するものではない。当業者には、本発明の範囲と精神を逸脱することなく、種々の改変と変更が本発明になされ得ることは明らかであろう。
【0049】
例1
1-アリルソルビトール
加熱マントル、撹拌器、窒素入口及び凝縮器を装備した、3リットルの3つ首丸底フラスコは、900mLのエタノール、150mLの水、180g(1.00モル)のD-グルコース、119g(1.00モル)の錫粉末(-100メッシュ)及び121g(1.00モル)の臭化アリルで満たされた。混合物は撹拌され、ゆっくりと60℃に加熱される。灰色の懸濁液は、この温度で24時間撹拌され、そのときに、反応混合物は淡黄色に変わった。熱が除去され、混合物は室温に冷却されるままにされた。反応は、約100mlの5MのNaOH水溶液を添加することにより、pH=7に中和された。懸濁液は、固形物を除去するためにろ過され、黄色溶液は、活性炭による多段処理で脱色された。活性炭はろ過により除去され、溶媒は回転蒸発器により除去され、白色のシロップが単離された。GC-MSに基づいて6:1のスリオ-エリスロ比を有し、典型的収量は200gであった。1-アリルソルビトールシロップは、更なる精製をしないで使用された。
【0050】
例2
ビス-1,3,2,4-(4’-プロピルベンジリデン)-1-アリルソルビトール
【化14】

【0051】
撹拌器と窒素入口を装備した、2リットルの反応がまが、400mlのメタノール中の48.8g(0.22モル)の1-アリルソルビトール溶液で満たされた。97.7g(0.44モル)の4-プロピルベンズアルデヒドジエチルアセタールと4.3gのp-トルエンスルホン酸一水和物が反応容器に添加された。透明な溶液が、24時間撹拌され、その間に顕著な量の白色の沈殿物が形成された。白色粉末は、ろ過により単離され、250mlの1MNaOH水溶液で洗浄された。白色粉末は水中に懸濁され、更に少量のNaOHでpH=7に中和された。懸濁液は沸騰加熱され、次いでろ過された。白色粉末は、7×500mLの沸騰水で洗浄された。洗浄された粉末は一晩乾燥された。次いで、粉末は、500mLのシクロペンタン中で撹拌され、沸騰まで加熱され、ろ過され、2×250mLの沸騰シクロペンタンで洗浄された。単離された白色粉末は真空オーブンで乾燥され、融点223〜225℃の44.5gの生成物が得られた。純度は、GC−MSに基づいて約99%超であった。1H NMR(500 MHz, DMSO-d6, ppm): 0.86-0.90 (m, 6H, -CH2CH2CH3), 1.53-1.61 (m, 4H, -CH2CH2CH3), 2.41-2.44 (t, 2H, -CH2-CH=CH2), 2.55-2.57 (m, 4H, -CH2CH2CH3), 3.42-4.09 (m, 7H, sugar H), 4.37-4.39 (t, 1H, -CH2OH), 4.79-4.80 (d, 1H, -CHOH), 5.08-5.18 (q, 2H, -CH2CH=CH2), 5.60 (s, 1H, acetal), 5.64 (s, 1H, acetal), 5.84-5.93 (m, 1H, -CH2-CH=CH2), 7.17-7.21 (t, 4H), 7.34-7.37 (t, 4H)。
【0052】
例3
ビス-1,3,2,4-(4’-プロポキシベンジリデン)-1-アリルソルビトール
【化15】

【0053】
(例1で製造された)65.2g(0.29モル)の1-アリルソルビトールシロップが、500mlのメタノールに溶解された。104g(0.63モル)の4-プロポキシベンズアルデヒドが添加された。溶液は、酸の添加により、pH=1にもたらされた。反応は、室温で5時間撹拌された。得られた固形物は、ろ過により集められ、水性KOH溶液でpH>10まで洗浄された。懸濁液は沸騰加熱され、次いでろ過された。白色粉末は、7×500mLの沸騰水で洗浄された。洗浄された粉末は一晩乾燥された。次いで、粉末は、500mLのシクロペンタン中で撹拌され、沸騰まで加熱され、ろ過され、2×250mLの沸騰シクロペンタンで洗浄された。単離された白色粉末は真空オーブンで乾燥され、融点206〜208℃の78.5gの生成物が得られた。純度は、GC−MSに基づいて約99%超であった。1H NMR(500 MHz, DMSO-d6, ppm): 0.95-0.98 (m, 6H, -OCH2CH2CH3), 1.68-1.76 (m, 4H, -OCH2CH2CH3), 2.40-2.42 (t, 2H, -CH2-CH=CH2), 3.41-3.82 (m, 5H, sugar H), 3.90-3.93 (m, 4H, -OCH2CH2CH3), 4.04-4.07 (m, 2H, sugar H), 4.36-4.38 (t, 1H, -CH2OH), 4.78-4.79 (d, 1H, -CHOH), 5.07-5.18 (q, 2H, -CH2CH=CH2), 5.56 (s, 1H, acetal), 5.60 (s, 1H, acetal), 5.84-5.92 (m, 1H, -CH2-CH=CH2), 6.90-6.93 (t, 4H), 7.33-7.37 (t, 4H)。
【0054】
例4
1-プロピルソルビトール
(例1で製造された)30g(0.135モル)の1-アリルソルビトールシロップが、300mlのメタノールに溶解された。1.0gの白金(活性炭上5重量%)が添加され、混合物は室温で60psiの水素圧下水素化された。反応は、水素圧が観察されなくなるまでに停止された。固形物がろ過された。溶液のアリル基は、NMRに基づいて完全にプロピル基に変換された。
【0055】
例5
ビス-1,3,2,4-(4’-プロピルベンジリデン)-1-プロピルソルビトール
【化16】

【0056】
撹拌器と窒素入口を装備した、1リットルの反応がまが、プロピルソルビトールエタノール溶液で満たされた。40g(0.27モル)の4-プロピルベンズアルデヒドと2.6gのp-トルエンスルホン酸一水和物が反応容器に添加された。透明な溶液が、24時間撹拌され、その間に顕著な量の白色の沈殿物が形成された。白色粉末は、ろ過により単離され、250mlの1MNaOH水溶液で洗浄された。白色粉末は水中に懸濁され、更に少量のNaOHでpH=7に中和された。懸濁液は沸騰加熱され、次いでろ過された。白色粉末は、7×500mLの沸騰水で洗浄された。洗浄された粉末は一晩乾燥された。次いで、粉末は、500mLのシクロペンタン中で撹拌され、沸騰まで加熱され、ろ過され、2×250mLの沸騰シクロペンタンで洗浄された。更なる精製が、Ace Glass 6810 Giant Soxhlet Extraction Apparatus (サイズF)とセルロース繊維シンブル(58 x 170 MM OD)を使用して、2000mlのメタノールによりなされた。白色粉末は、250mlのメタノールでスラリー化され、シンブル中に注がれ、還流で5日中抽出された。得られた抽出物は、5℃に冷却され、ろ過され、白色粉末が集められ、1000mlの石油エーテルでスラリー化され、ろ過され、空気乾燥された。単離された白色粉末は、真空乾燥され、融点244〜245℃の20.1gの生成物が得られた。純度は、GC−MSに基づいて約99%超であった。1H NMR(500 MHz, DMSO-d6, ppm): 0.86-0.89 (m, 6H, Ph-CH2CH2CH3), 0.91-0.94 (t, 3H, sugar-CH2CH2CH3), 1.35-1.49 (m, 2H, sugar- CH2CH2CH3) 1.54-1.60 (m, 4H, Ph-CH2CH2CH3), 1.61-1.71 (m, 2H, sugar-CH2CH2CH3), 2.53-2.56 (t, 4H, Ph- CH2CH2CH3), 3.41-4.04 (m, 7H, sugar H), 4.36-4.39 (t, 1H, -CH2OH), 4.78-4.79 (d, 1H, -CHOH), 5.60 (s, 1H, acetal), 5.62 (s, 1H, acetal), 7.17-7.20 (dd, 4H), 7.32-7.37 (dd, 4H)。
【0057】
例6
ビス-1,3,2,4-(4’-プロポキシベンジリデン)-1-プロピルソルビトール
【化17】

【0058】
25g(0.15モル)の4-プロポキシベンズアルデヒド(例4で製造された)が、200mlのメタノール中の17.0g(0.076モル)のプロピルソルビトールに添加され、1.5gのp-トルエンスルホン酸一水和物が続いた。反応は、室温で一晩撹拌された。得られた固形物は、ろ過により集められ、水性KOH溶液でpH>10まで洗浄された。懸濁液は沸騰加熱され、次いでろ過された。白色粉末は、7×500mLの沸騰水で洗浄された。洗浄された粉末は一晩乾燥された。次いで、粉末は、500mLのシクロペンタン中で撹拌され、沸騰まで加熱され、ろ過され、2×250mLの沸騰シクロペンタンで洗浄された。単離された白色粉末は真空オーブンで乾燥され、融点215〜217℃の22.3gの生成物が得られた。純度は、GC−MSに基づいて約99%超であった。1H NMR(500 MHz, DMSO-d6, ppm): 0.90-0.93 (t, 3H, -CH2CH2CH3C), 0.95-0.98 (m, 6H, -OCH2CH2CH3), 1.36-1.47 (m, 2H, -CH2CH2CH3), 1.53-1.60 (m, 2H, -CH2CH2CH3),1.63-1.75 (m, 4H, -OCH2CH2CH3), 3.40-3.81 (m, 5H, sugar H), 3.90-3.93 (t, 4H, -OCH2CH2CH3), 3.97-4.02 (m, 2H, sugar H), 4.37-4.40 (t, 1H, -CH2OH), 4.79-4.80 (d, 1H, -CHOH), 5.56 (s, 1H, acetal), 5.59 (s, 1H, acetal), 6.90-6.93 (m, 4H), 7.31-7.37 (dd, 4H)。
【0059】
例7
ビス-1,3,2,4-(4’-エチルベンジリデン)-1-アリルソルビトール
【化18】

【0060】
この化合物は、米国特許公開2005-0239928-A1に開示された方法により調製された。
【0061】
比較例8〜14
US 2005-0239926AとUS 2005-0239928A1からの例を含む種々のアリル及びプロプロキシル置換DBS誘導体と本発明の構造的に最も近いDBS誘導体が、US 2005-0239926A1の方法により調製された。構造は、表1に示される。全誘導体は、示した構造にNMR的に一致し、GC-MSに基づいて少なくとも95%の純度を有した。
【0062】
例16
本発明の化合物と比較例の曇り度の比較
例2、3、5、6を含む組成物と比較例7〜14は、夫々別々に、ガードナーリボンブレンダーを使用して、5分間約200〜220rpmで、1000グラムの11MFR(メルトフローレート)ポリプロピレンランダムコポリマー樹脂(RCP、3%エチレン含量)と標準添加剤パッケージ(即ち、500ppmのイルガノックス(Irganox)1010、1000ppmのイルガフォス(Irgafos)168及び800ppmのステアリン酸カルシウム(CaSt))と混合された。ブレンドは次いで、プリズム16mm直径、25:2L/D共回転2軸スクリュー押し出し機で溶融配合された。溶融配合樹脂は、40-ton Arburg AllRounder 221Kを使用して、20個の51mm×76mm×1.27mmの試験プラークを製造するために射出成形され、連続的順番で収集された。各樹脂は、230℃フラットプロファイルバレル温度を使用して背圧なしで成型機で加工された。
【0063】
ミラッド(登録商標)3988試料は、官能性研究のための化合物でもあった。ミラッド(登録商標)3988は、サウスカロライナのスパータンブルグのミリケンアンドカンパニーの登録商標である。ミラッド(登録商標)3988は、ビス(3,4’-ジメチルベンジリデンソルビトール(「DMDBS」))として知られ、米国特許第5,049,605号に記載される市販透明化剤である。
【0064】
曇り度は、ビーワイケーガードナーヘーズ-ガードプラス(BYK Gardner haze-gard plus)曇り度計を使用して、ASTM D1003-92に従って測定された。結果は、表1で報告される。
【化19】

【表1】

【0065】
US 2005-0239926AとUS 2005-0239928A1は、夫々上記比較例7の化合物(Rがアリルで、R/Rが共にエチル)を開示する。エチル(CHCH)を有するアリルは、曇り度の点で、上記示された比較例で最高の性能である。しかしながら、本発明の例2,3,5及び6は、比較例7のアリルエチル化合物と比べてさえも、曇り度に関してとりわけ優れた性能を示す。このより良好な性能は、予期し得ないものである。
【0066】
表1に示されるように、本発明の化合物は、顕著な改善された透明性能の点で、同様の化学構造を有する比較例と比べて予期し得ない結果を提供する。事実、本発明の化合物は、5000ppmの使用濃度で、50ミルの標準射出成形ランダムコポリマーポリプロピレン製品の約5%未満の曇り度を与える唯一の既知の化合物であると考えられる。この改善された曇り度性能は非常に望ましいものであり当業者には予測することができなかったものである。
【0067】
例えば、R=アリルで、R、R=夫々、エチル、メチル及びn-ブチルである比較例7、8及び9は、本発明の化合物の例2(R/Rの両方でプロピルを使用)と構造的に類似する。本発明の化合物の例2は、RとRに対して低級アルキルのn-プロピルを使用しており、それゆえ、低級アルキルの炭素数の点で、構造的にエチルとn-ブチルとの間にある。しかしながら、予期し得ないことに、この化合物の例2は、R/Rの位置で炭素数のより多い(1)と、より少ない(2)の相手の比較例と比べると、顕著に減少した曇り度を提供する。即ち、曇り度結果は、比較例の性能のレビューから期待されるような5.2〜6.0の間ではなく、例2の曇り度は、充分に5.2未満である。事実、本発明の化合物の曇り度は、単に約4.5である。この異常に低い曇り度は予期できないものである。これらの知見は、顕著な予期し得ない発見であると考えられる。
【0068】
本発明の化合物と比較例の構造的類似性を前提とすると、これらの結果は予期できないものである。
【0069】
例15.味試験(官能性)
この例は、本発明の化合物の低い味移行性を示す。この化合物がプラスチック添加剤として使用されるときには、添加剤が、飲食品容器等として使用されることになるプラスチックに望ましくない味を与えないことが重要である。DBS誘導体の官能性特性は、アルデヒド成分により決定されると考えられている。
【0070】
試験プロトコルは、ASTM STP 434(官能試験方法に関するマニュアル)とASTM STP 758(官能パネルメンバーの選抜と訓練のためのガイドライン)で確立された一般ガイドラインに合わせて設定された。実験モデルは、95%以上の信頼限界に基づいた統計学に基づく一対比較法である。
【0071】
試料調製
添加剤は計量し強力混合することによりポリプロピレンに溶融配合された。3500ppmの透明化剤に加えて、次の添加剤(500ppmのイルガノックス1010、1000ppmのイルガフォス168及び800ppmのステアリン酸カルシウム)が計量され、ポリプロピレンに混合された。この評価において、次の透明化剤が添加される。
【0072】
1.例2 3500ppm
2.例3 3500ppm
3.比較例7 3500ppm
4.ビス(3,4’-ジメチルベンジリデンソルビトール(市販のミラッド(登録商標)3988) 2000ppm。樹脂試料は、次いで、一軸スクリュー押出し機に溶融配合され、ペレットに成形される。ペレットは、厚さ0.050インチ、幅2.0インチ、長さ3.0インチのプラークに射出成形される。
【0073】
試料処理
試験される材料との相互作用を最小化するために、水が、パネリストに最小の味を与えることから、官能性評価を行うための最良の媒体であることが見出された。化合物と成形ポリプロピレン樹脂の試料は、透明ガラスジャーに置かれ、ガラスピペットで分けられ、水で覆われた。試料に使用された典型的な体積表面比は、675cm/lである。容器は確実に封止され、オーブンで約5日間50℃で熟成された。得られた水は、次いで、官能パネル評価のために冷却される。
【0074】
パネリスト評価
水道水が各試験の前と間に口蓋を清浄化するために各パネリストに提供される。試料試験順序による可能性のある偏りは、各ペアーでの提示順序に関する計画をバランスすることにより除去される(各添加剤は、第1、第2の味見で同等のようである。)。加えて、味見セッションで提示されるペアーの順番は、パネリストに対してランダム化される。したがって、実験計画は可能性のある計画の偏りの原因を排除しようとし、実験プロトコルと実験条件は、偏りと相互作用の他の原因を減少しようとする。実験は二重盲方式であり、パネリストも試験進行役も何れも試験される試料の同一性を知ることはない。
【0075】
統計的分析
試験結果は、ハーバート エー デービッドによる一対比較法を使用して、統計的に分析される。95%信頼水準が、データの評価のために使用される。実験計画に依存して、各添加剤は、95%信頼水準で統計的に異なるとみなされるために必要な数の単位の離散を有さねばならない。試料計画と95%信頼水準で必要とされる離散は以下に与えられる。
【表2】

【0076】
この評価では、試料2、3と比較例7は、15名のパネリストによる上記一対比較法でミラッド(登録商標)3988と個々に比較される。結果は、以下のとおりである。
【0077】
例2 官能性結果
ミラッド(登録商標)3988が、95%信頼区間で統計的に有意でない、8−7のスコア(即ち、8名のパネリストが最小の味を有するものとしてミラッド(登録商標)3988を選択し、7名のパネリストが最小の味を有するものとして試料2を選択する。)により例2の化合物を超える最小の味を有するものとして選択された。したがって、卓越した曇り度に加えて、例2は、受容可能な官能性を有する。
【0078】
例3 官能性結果
ミラッド(登録商標)3988が、95%信頼区間で統計的に有意でない、10−5のスコア(即ち、10名のパネリストが最小の味を有するものとしてミラッド(登録商標)3988を選択し、5名のパネリストが最小の味を有するものとして試料3を選択する。)により例3の化合物を超える最小の味を有するものとして選択された。したがって、卓越した曇り度に加えて、例3は、受容可能な官能性を有する。
【0079】
例5 官能性結果
ミラッド(登録商標)3988が、95%信頼区間で統計的に有意でない、10−5のスコア(即ち、10名のパネリストが最小の味を有するものとしてミラッド(登録商標)3988を選択し、5名のパネリストが最小の味を有するものとして試料5を選択する。)により例5の化合物を超える最小の味を有するものとして選択された。したがって、卓越した曇り度に加えて、例5は、受容可能な官能性を有する。
【0080】
比較例7 官能性結果
ミラッド(登録商標)3988が、95%信頼区間で統計的に有意である、15−0のスコア(即ち、15名のパネリストが最小の味を有するものとしてミラッド(登録商標)3988を選択し、0名のパネリストが最小の味を有するものとして試料8を選択する。)による例7の化合物を超える最小の味を有するものとして選択された。したがって、比較例7(R=アリルで、R、R=エチルである化合物)は、(食品に接触する用途に対する)受容不可能な官能性を提供する。
【0081】
ミラッド(登録商標)3988は、優秀な官能性を提供する市販の主導的な透明化剤である。その官能性は、ポリオレフィン透明化剤業界の標準とみなされている。味研究でミラッド(登録商標)3988とは統計的に異ならない透明化剤は、官能性において適当であるとみなされるが、ミラッド(登録商標)3988とは統計的に異なる透明化剤は、多くの商業的用途で、より望ましくないものとみなされる。データは、本発明の例は、官能性においてミラッド(登録商標)3988と同等であり、比較例7(アリル、p-エチル化合物)は、より望ましくなく、広範囲の用途での使用には適していないようである。
【0082】
本発明の化合物と比較例の構造的類似性を前提とすると、本発明の化合物の官能性の結果は予期できない、有益なものである。
【0083】
例16:
制御されたレオロジー(CR)樹脂での黄色指数
制御されたレオロジー(CR)は、ポリマーの平均分子量を減少するためにポリプロピレン製造で使用されるプロセスである。減少は、メルトフロー速度の増加と迅速なサイクル時間、より良好な流動性及び改善された型充填性のようないくつかの利点を生じる。CRプロセスは、典型的には、ポリプロピレンを分解する触媒として機能し、制御された条件下で独自の所望の分子量分布を有するポリマーを製造する、過酸化物を導入することによりなされる。ある透明化剤は過酸化物と相互作用し、望ましくない黄変性の増加を招く。黄変性は、商業用途で望ましくない。
【0084】
比較例5,6と比較例7を含む組成物が、夫々、別々に、ガードナーリボンブレンダーを使用して、5分間約200〜220rpmで、1000グラムの11MFR(メルトフローレート或いはインデックス)のポリプロピレンランダムコポリマー樹脂(RCP、3%エチレン含量)と標準添加剤パッケージ(即ち、500ppmのイルガノックス1010、1000ppmのイルガフォス168及び800ppmのステアリン酸カルシウム、CaSt)と混合された。ブレンドは、次いで、プリズム16mm直径、25:2L/D共回転2軸スクリュー押し出し機で溶融配合された。ルパーソル(登録商標、lupersol)101(2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン、Atofia Chemicals)が、押し出しプロセス中にポリプロピレン溶融物に導入された。ペレットが、収集された。得られた樹脂のメルトフローレートと黄色指数が測定された。黄色指数は、ASTM E313-73に従って、Gretag MacBeth Coloreye 6000で測定された。データは、表3に挙げられる。
【表3】

【0085】
結果は、本発明の例5と6の本発明の化合物が優秀な色彩(低黄色度)を示すのに、比較例7(アリル;エチル)は、CAプロセス中に黄変化傾向を示すことを明らかにしている。このような黄変は、望ましくない。
【0086】
本発明の化合物(例5は、R/Rがn-プロピル、例6は、R/Rがn-プロポキシ)と比較例(R/Rがエチル)の構造的類似性を前提とすると、このような有利な黄変の結果は予期できない、望ましいものである。
【0087】
本明細書は、例示的具体例のみを説明しているが、本発明のより広範な面を限定するつもりがないことは当業者には理解されるべきである。本発明は、請求項での例により示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造に従う化合物。
【化1】

(ここで、RとRは、独立して、CHCHCH-及びCHCHCHO-から成る群より選択され、Rは、独立して、-CHCHCH及び-CH-CH=CHから成る群より選択される。)
【請求項2】
が、-CHCHCHである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、-CH-CH=CHである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
以下の構造に従う化合物。
【化2】

【請求項5】
以下の構造に従う化合物。
【化3】

【請求項6】
以下の構造に従う化合物。
【化4】

【請求項7】
以下の構造に従う化合物。
【化5】

【請求項8】
請求項1記載の化合物を含む成核剤若しくは透明化剤組成物。
【請求項9】
オレフィンポリマーと組み合わせて請求項1記載の化合物を含むポリオレフィン組成物。
【請求項10】
請求項9記載のポリオレフィン組成物を含む製品。
【請求項11】
オレフィンポリマーを以下の構造に従う化合物と組み合わせることによって、オレフィンポリマーを透明化する方法。
【化6】

(ここで、RとRは、独立して、CHCHCH-及びCHCHCHO-から成る群より選択され、Rは、独立して、-CHCHCH及び-CH-CH=CHから成る群より選択される。)

【公表番号】特表2009−534465(P2009−534465A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507711(P2009−507711)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/009112
【国際公開番号】WO2007/127067
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(599060788)ミリケン・アンド・カンパニー (65)
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
【Fターム(参考)】