ジャックソケット
【課題】ジャックプラグが挿入されているときのチップコンタクト及びチップスイッチングコンタクトの電気的接続の支障に対する信頼性が向上された改良されたジャックソケットを提供する。
【解決手段】チップコンタクト30のコンタクトセクション32が、チップコンタクトポイント33及びチップスイッチングコンタクトポイント39を包含する領域において、プラグハウジング10の収容スペース11の中心軸線12に対して非平行な少なくとも1つの延設部を有している。チップコンタクトポイント33及びチップスイッチングコンタクトポイント39は、中心軸線12に対して非平行な方向について離間している。チップコンタクトポイント33が、チップスイッチングコンタクトポイント39よりも、チップコンタクト30のコンタクトセクション32が取り付けられる端部34から離間している。
【解決手段】チップコンタクト30のコンタクトセクション32が、チップコンタクトポイント33及びチップスイッチングコンタクトポイント39を包含する領域において、プラグハウジング10の収容スペース11の中心軸線12に対して非平行な少なくとも1つの延設部を有している。チップコンタクトポイント33及びチップスイッチングコンタクトポイント39は、中心軸線12に対して非平行な方向について離間している。チップコンタクトポイント33が、チップスイッチングコンタクトポイント39よりも、チップコンタクト30のコンタクトセクション32が取り付けられる端部34から離間している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャックソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
ジャックプラグは、例えばオーディオ機器に用いられている国際的によく知られている電気的プラグコネクタである。ジャックプラグの設計はEIA RS−453又はIEC 60603−11規格により標準化されている。ジャックプラグは英語で「TRS connector」と表記され、口語的に「audio plug」と表記される。
【0003】
ジャックプラグは、端部に設けられたコンタクトチップを有し、縮径部を有するプラグシャフト(=オスプラグ部)を備えている。プラグシャフトのスリーブ状の部分(コンタクトスリーブ(単に「スリーブ」ともいう。))により電気的接続が実現される。コンタクトチップとコンタクトスリーブの間にコンタクトリングが配置され、これにより例えばステレオプラグを構成するもう1つの電気的接続が実現される。各コンタクトはインシュレータにより絶縁されている。
【0004】
ジャックソケットはジャックプラグの相手方のコネクタとして機能する。ジャックソケットは、ジャックプラグのコンタクトスリーブに接続されるスリーブコンタクトと、ジャックプラグのコンタクトチップに接続されるチップコンタクトと、ジャックプラグのコンタクトリングに接続されるリングコンタクトとを備えている。コンタクトリングがないジャックプラグが挿入された場合、リングコンタクトは(コンタクトスリーブに接触するものの)機能しない。
【0005】
ジャックソケットは多くの場合、付加的なスイッチングコンタクトを備えている。ジャックプラグが挿入されていない状態でチップスイッチングコンタクトはチップコンタクトに接続される。ジャックプラグが挿入された場合、チップコンタクトの端部に接続されるチップコンタクトのコンタクトセクションは、コンタクトチップによってそのばね弾性復元力に抗して始端位置から終端位置まで動かされる。ジャックソケットが挿入されていない状態でチップスイッチングコンタクトポイントにおいてチップスイッチングに対して接続されるチップコンタクトのコンタクトセクションは、結果的にチップスイッチングコンタクトから離れる。
【0006】
ジャックプラグが挿入されている間、リングコンタクト及びリングスイッチングコンタクトの電気的接続は妨げられている。ジャックプラグが挿入されている間、リングコンタクトの端部に接続されるリングコンタクトのコンタクトセクションは始端位置から終端位置まで変位する。ジャックプラグが挿入されていない状態において、リングスイッチングコンタクトは、リングコンタクトのコンタクトセクションに対して、リングコンタクトのコンタクトセクションのリングスイッチングコンタクトポイントにおいて接続される。終端位置に揺動したとき、リングスイッチングコンタクトは当該コンタクトポイントから離れる。
【0007】
ワイドスプレッド型のジャックソケットの設計に際して、ジャックソケットの複数のコンタクトのコネクションセクションがはんだ付けされる。これにより、ジャックソケットは回路基板に直接的に実装される。ホリゾンタルデザイン(「ホリゾンタルジャックソケット」ともいう。)及びバーティカルデザイン(「バーティカルジャックソケット」ともいう。)が用いられている。ホリゾンタルデザインにおいて、ジャックプラグのプラグシャフトの収容のためのスペースの中心軸線は回路基板に対して平行である。一方、バーティカルデザインにおいて、当該中心軸線は回路基板に対して垂直である。
【0008】
ホリゾンタルデザインは、スリーブ、リング及びチップコンタクトのそれぞれのコネクションセクションがハウジングの一方側に一列に配置される場合に一般的に採用され、当該コネクションセクションは、中心軸線に対して垂直な縦方向にのびるプラグハウジングの収容スペースを有する。ハウジングの反対側において、スリーブ、リング及びチップコンタクトのそれぞれのスイッチングコンタクトのコネクションセクションが一列に配置され、当該コネクションセクションもプラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して垂直な方向にのびている。すべてのコンタクトのコネクションセクションは相互に平行であり、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して垂直な方向(回路基板の面に対して垂直な方向)について、回路基板を搭載するためのプラグハウジングの平坦な側部から突設されている。
【0009】
バーティカルデザインにおいて、各コンタクトのコネクションセクションはプラグハウジングの挿入端部の反対側にある連結端部から突出し、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して平行にのびている。当該デザインにおいて、スリーブスイッチングコンタクトは通常は設けられておらず、ジャックソケットは5つのコンタクト及び5つのコネクションセクションを備えている。プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して垂直な方向を視線方向として各コンタクトをみたとき、チップ及びリングコンタクトのそれぞれのコンタクトセクションは中心軸線に対して垂直な方向にのびている。プラグシャフトのコンタクトチップに当接するチップコンタクトのチップコンタクトポイントは、非挿入状態でチップスイッチングコンタクトに当接するチップスイッチングコンタクトポイントよりも、チップコンタクトのコンタクトセクションが取り付けられている端部に対して近くに配置されている。
【0010】
その一方、リングコンタクトについて、ジャックプラグのコンタクトリングに対して当接するリングコンタクトポイントは、ジャックソケットの非挿入状態においてリングスイッチングコンタクトに当接するところのリングスイッチングコンタクトポイントよりも、リングコンタクトのコンタクトセクションが取り付けられる端部に対して近くに配置されている。その結果、ジャックプラグの挿入中にリングコンタクトのコンタクトセクションの揺らぎ(ピボッティング)がリングコンタクト及びリングスイッチングコンタクトの間のコンタクトポイントに伝わり、挿入状態において当該コンタクトの間隔が十分に大きく維持される。
【0011】
ジャックプラグのデザインの標準化により、特にコンタクトチップの分野において詳細な設計変更が認容され、実際に製造業者の間でコンタクトチップ及び縮径部の正確な形状は異なっている。その結果、ジャックプラグがジャックソケットに挿入された場合、特にチップコンタクトのコンタクトセクションの安定性を変化させるような揺らぎ(ピボッティング)が生じる。そして、特にケーブルがジャックプラグに対して斜めに引っ張られた場合、チップコンタクトのコンタクトセクションとチップスイッチングとの間隔が不十分となる。これにより機能不全となる。
【0012】
バーティカルジャックソケットに関して、既存のコネクションセクションの配置が標準として受け入れられ、かつ、異なる製造業者により同じ形態で使用されることに留意することが重要である。コネクションセクションの当該構成が維持されることが重要である。
【0013】
市場に流通しておらず、使用頻度が低いが、各コンタクトのコネクションセクションの構成が前記構成とは異なるジャックソケットのホリゾンタル及びバーティカルデザインも知られている(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許公報 US7,198,504 B2
【特許文献2】米国特許公報 US6,690,801 B2
【特許文献3】米国特許公報 US7,341,491 B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、ジャックプラグが挿入されているときのチップコンタクト及びチップスイッチングコンタクトの電気的接続の支障に対する信頼性が向上される点で改良されたジャックソケットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、コンタクトチップを有するプラグシャフトと、コンタクトスリーブとを備え、必要に応じて前記コンタクトスリーブと前記コンタクトチップとの間にコンタクトリングが設けられているジャックプラグとの電気的接続を実現するジャックソケットであって、プラグハウジングと、前記プラグハウジングにより支持される、スリーブコンタクトと、チップコンタクトと、チップスイッチングコンタクトとを含む複数のコンタクトと、を備え、前記プラグハウジングは、その挿入端部から中心軸線の方向に前記ジャックプラグが挿入される収容スペースを有し、前記スリーブコンタクトは、前記ジャックプラグの前記コンタクトスリーブに接続されるコンタクトセクションと、前記スリーブコンタクトと電気的接続を実現するコネクションセクションとを有し、前記チップコンタクトは、その端部に取り付けられ、前記ジャックプラグの挿入中に前記コンタクトチップにより始端位置から終端位置まで動かされ、前記ジャックプラグの挿入状態において前記コンタクトチップからチップコンタクトポイントに接続されるコンタクトセクションと、前記チップコンタクトとの電気的接続を実現するコネクションセクションとを有し、前記チップスイッチングコンタクトは、前記チップコンタクトの前記コンタクトセクションが前記始端位置にあるとき当該コンタクトセクションのチップスイッチングコンタクトポイントに当接し、前記チップコンタクトの前記コンタクトセクションが前記終端位置にあるとき当該コンタクトセクションから離反するコンタクトセクションと、前記チップスイッチングコンタクトとの電気的接続を実現するコネクションセクションとを有し、前記複数のコンタクトの前記コネクションセクションは、前記挿入端部と反対側の前記プラグハウジングの取付端部から突出し、前記プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して平行な突出部を有するジャックソケットに関する。
【0017】
本発明の課題は、前記チップコンタクトの前記コンタクトセクションは、前記チップコンタクトポイント及び前記チップスイッチングコンタクトポイントを包含する領域において、前記プラグハウジングの前記収容スペースの中心軸線に対して非平行な少なくとも1つの延設部を有し、前記チップコンタクトの前記コンタクトセクションの前記チップコンタクトポイント及び前記チップスイッチングコンタクトポイントは、前記プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して非平行な方向について離間し、前記チップコンタクトポイントが、前記チップスイッチングコンタクトポイントよりも、前記チップコンタクトの前記コンタクトセクションが取り付けられる前記チップコンタクトの前記端部から離間していることを特徴とするジャックソケットにより解決される。
【0018】
本発明のジャックソケットによれば、チップコンタクトのコンタクトセクションが、チップコンタクトポイント及びチップスイッチングコンタクトポイントを好ましくはその全長にわたり包含する領域において、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して非平行な少なくとも1つの延設部を有している。チップコンタクトのコンタクトセクションのチップコンタクトポイント及びチップスイッチングコンタクトポイントは、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して非平行な方向について離間している。チップコンタクトのコンタクトセクションのチップコンタクトポイント及びチップスイッチングコンタクトポイントは、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線回りの周方向について離間している。チップコンタクトポイントが、チップスイッチングコンタクトポイントよりも、チップコンタクトのコンタクトセクションが取り付けられるチップコンタクトの端部から離間している。
【0019】
ジャックプラグがジャックソケットに挿入されるとき、チップコンタクトのコンタクトセクションはそのばね弾性復元力に抗して始端位置から終端位置に動かされる。チップスイッチングコンタクトポイントの変位量は、チップコンタクトポイントの領域の変位量よりも大きい。ジャックプラグのコンタクトチップの形状が若干異なっていても、チップコンタクト及びチップスイッチングコンタクトの間の電気的接続の開放の信頼性を向上させ、かつ、ジャックソケットがコンパクトに設計される。
【0020】
リングコンタクトのコンタクトセクションが、少なくともリングコンタクトポイント及びリングスイッチングコンタクトポイントを好ましくはその全長にわたり包含する領域において、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して非平行な、好ましくは垂直な少なくとも1つの延設部を有していることが好ましい。リングコンタクトのコンタクトセクションのリングコンタクトポイント及びリングスイッチングコンタクトポイントは、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して非平行な方向、特に垂直な方向について離間している。リングコンタクトのコンタクトセクションのリングコンタクトポイント及びリングスイッチングコンタクトポイントは、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線回りの周方向(=プラグハウジング又は収容スペースの周方向)について離間している。リングコンタクトポイントが、リングスイッチングコンタクトポイントよりも、リングコンタクトのコンタクトセクションが取り付けられるリングコンタクトの端部から離間している。
【0021】
これにより、ジャックソケットがコンパクトに設計されても、ジャックプラグが挿入されるときのリングコンタクト及びリングスイッチングコンタクトの間の電気的接続の開放の信頼性を向上させることができる。
【0022】
本発明のジャックソケットにおける各コンタクトのコネクションセクションの従前の配置を維持するため、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して垂直な方向を視線方向とする側面において、異なるコンタクトの部分が交差点を有し、当該交差点において、当該交差箇所の収容スペースの中心軸線との間隔が相違していることが好ましい。
【0023】
チップコンタクトポイントのコンタクトセクションが、当該コンタクトセクションを通る断面において、当該コンタクトセクションにおいてプラグハウジングの取付端部に向かう方向にのびる拡張部が連結され、挿入されたジャックプラグのコンタクトチップに対して凸状又はV字形状部分を有し、当該部分により当該コンタクトセクションが、当該コンタクトセクション及び延設部並びにジャックソケットを通る断面において、中心軸線に対して15°未満の角度をなす、好ましくは実質的に平行である。
【0024】
拡張部により、チップコンタクトのコンタクトセクションがコンタクトチップの縮径部に下降することが制限され、拡張部を有するコンタクトチップの当該コンタクトセクションが、縮径部よりもコンタクトチップの端部に近い部分でそのほぼ全周にわたり支持される。コンタクトチップが異なる形状を有する場合、同様にコンタクトセクションが縮径部に下降することが制限されながら位置決めされる。
【0025】
ジャックソケットのプラグハウジングが底部であって、収容スペースをプラグハウジングの取付端部に接近させ、かつ、ジャックプラグのプラグシャフトの挿入を制限するためのコンタクトチップの制動部を構成する底部を有することが好ましい。完全な挿入状態において、コンタクトチップはプラグハウジングの底部の制動部に対して当接する。プラグハウジングの底部の、コンタクトチップの先端部が挿入される凹部の縁部により制動部が構成されることが好ましい。当該構成は、チップコンタクトのコンタクトセクションの位置決めの役割を果たし、さまざまな製造元のジャックプラグがジャックソケットに挿入された場合、チップコンタクト及びチップスイッチングコンタクトの電気的接続の開放(遮断)のさらなる信頼性の向上が図られる。
【0026】
ジャックソケットとプラグ接続されるジャックプラグは、EIA RS−453又はIEC 60603−11規格にしたがっている。当該ジャックプラグは特にオーディオ機器に用いられ、オーディオプラグと呼ばれる。
【0027】
特に、本発明は6.35mmジャックプラグに関する。
【0028】
コンタクト又はその一部の「延設部」に関して、そのほぼ全長にわたる方向は通常の方法で表現される。
【0029】
本発明の利点及び詳細は添付図面を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のジャックソケットの斜視図。
【図2】図1の斜視方向から中心軸線回りに90°だけ異なる方向から見た本発明のジャックソケットの斜視図。
【図3】図2の斜視方向から中心軸線回りに90°だけ異なる方向から見た本発明のジャックソケットの斜視図。
【図4】図3の斜視方向から中心軸線回りに90°だけ異なる方向から見た本発明のジャックソケットの斜視図。
【図5】図1〜図4の斜視方向とは中心軸線回りに角度が異なる方向から見た本発明のジャックソケットの斜視図。
【図6】図1〜図5の斜視方向とは中心軸線回りに角度が異なる方向から見た本発明のジャックソケットの斜視図。
【図7】挿入端部の平面図。
【図8】取付端部の平面図。
【図9】図1のコンタクト以外の構成が省略されたジャックソケットの構成説明図。
【図10】図2のコンタクト以外の構成が省略されたジャックソケットの構成説明図。
【図11】図3のコンタクト以外の構成が省略されたジャックソケットの構成説明図。
【図12】図4のコンタクト以外の構成が省略されたジャックソケットの構成説明図。
【図13】図1の回転位置におけるジャックソケットの側面図。
【図14】図2の回転位置におけるジャックソケットの側面図。
【図15】図3の回転位置におけるジャックソケットの側面図。
【図16】図4の回転位置におけるジャックソケットの側面図。
【図17】図13のAA線断面図。
【図18】図14のBB線断面図。
【図19】ジャックプラグ(一部のみが示されている。)が挿入された図17に対応するジャックソケットの断面図。
【図20】ジャックプラグ(一部のみが示されている。)が挿入された図18に対応するジャックソケットの断面図。
【図21】図18のCC線断面図。
【図22】図18のDD線断面図。
【図23】図18のEE線断面図。
【図24】ジャックプラグが挿入された図21に対応するジャックソケットの断面図。
【図25】ジャックプラグが挿入された図22に対応するジャックソケットの断面図。
【図26】ジャックプラグが挿入された図23に対応するジャックソケットの断面図。
【図27】図13のFF線断面図。
【図28】図13のGG線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の一実施形態として、特にオーディオ機器に用いられる6.35mmジャックプラグソケットの形態のジャックソケット(オーディオジャック)が図示されている。
【0032】
ジャックソケットは図19及び図20に部分的に示されているジャックプラグとの電気的なプラグ接続を実現するために用いられている。ジャックプラグはプラグシャフト(オスコネクタ部)1を備えている。プラグシャフト1はコンタクトスリーブ(又は単に「スリーブ」という。)2及びコンタクトチップ3を有する。コンタクトスリーブ2及びコンタクトチップ3の中間はコンタクトリング(又は単に「リング」という。)4である。コンタクトスリーブ2、コンタクトチップ3及びコンタクトリング4は、インシュレータ5及び6により相互に絶縁されている。コンタクトリング4(及びインシュレータ5及び6のうち一方)は省略されてもよい。プラグシャフト1はプラグハウジング7(図19及び図20では一部しか示されていない。)から突出している。
【0033】
ジャックプラグは、実施例では6.35mmジャックプラグしか示されていないが、EIA RS−453又はIEC 60603−11規格にしたがって設計されている。
【0034】
ジャックプラグはそのプラグシャフト1によりメスレセプタクルに対して挿入方向に挿入される。そのコンタクトチップ3の接触に関して、コンタクトスリーブ2及びコンタクトリング4が以下で説明される。当該ジャックソケットはステレオジャックソケットとも呼ばれる。
【0035】
ジャックソケットは絶縁性材料からなるプラグハウジング10を備えている。プラグハウジング10には、ジャックソケットの複数のコンタクト20,30,40,50,60が設けられている。プラグハウジング10は、プラグシャフト1(少なくともその延設部の一部)が挿入され、ジャックプラグ及びジャックソケットの間のプラグ接続を実現するための収容スペース11を有する。収容スペース11は中心軸線12を有する。プラグシャフト1の挿入端部13は、プラグハウジング10の収容スペース11に対して中心軸線12の方向に挿入される。プラグシャフト1の中心軸線8は収容スペース11の中心軸線12と一致している(すなわち、両軸線は相互に平行かつ同一位置に存在する)。
【0036】
プラグシャフト1の挿入はソケット15により案内される。これは挿入されたプラグシャフト1をプラグハウジング10に対して同軸線に保持する。ソケット15はプラグハウジング10に対して固定されている。ソケットの外ネジにナットが螺着される。これにより、ジャックソケットが例えばハウジングプレートの収容スロットにおいて機械的に固定されうる。
【0037】
ソケット15は金属製であり、以下に説明するスリーブコンタクトに対して電気的に接続される。この点で、ソケット15はスリーブコンタクトの一部であるとみなされる。ソケット15が樹脂製とされ、これがプラグハウジング10の一部であるとみなされてもよい。ソケットはプラグハウジングと一体的に成形されてもよい。
【0038】
ソケット15の内部スペースはプラグハウジング10の収容スペース11とともにプラグシャフト1のためのメスレセプタクルを構成する。
【0039】
複数のコンタクト20,30,40,50,60のそれぞれは、プラグハウジング10において挿入端部13の反対側にある取付端部14(両端部13及び14は中心軸線12の方向について反対側にあるプラグハウジング10の端部を構成する)から突出しているコネクションセクション21,31,41,51,61を備えている。複数のコネクションセクション21,31,41,51,61のそれぞれは中心軸線12に対して平行な延設部を有している。複数のコンタクト20,30,40,50,60のそれぞれの電気的な接続は複数のコネクションセクション21,31,41,51,61のそれぞれを介して実現される。例えば、複数のコネクションセクション21,31,41,51,61のそれぞれは、回路基板のソルダーアイに挿入されてはんだ付けされ、或いは接続ケーブルにはんだ付けされる。
【0040】
スリーブコンタクト20は、プラグシャフト1の挿入状態においてコンタクトスリーブ2を接続するために用いられる。スリーブ2はばね状のコンタクトトング様のコンタクトセクション22を備えている。ジャックプラグが挿入されたとき、コンタクトセクション22は動かされ、ジャックプラグの挿入状態では、コンタクトセクション22のスリーブコンタクトポイント23はプラグシャフト1のコンタクトスリーブ2に当接する。コンタクトセクション22はスリーブコンタクト20の一方の端部24に取り付けられている。コネクションセクション21はスリーブコンタクト20の他方の端部に取り付けられている。コンタクトセクション22はリンク26を介してコネクションセクション21に対して連結されている。リンク26は、例えばスリーブコンタクト20の開口部から出現しているプラグハウジング10の溶接突片により、プラグハウジング10の搭載位置27,28に固定されている。コンタクトセクション22は折り曲げ加工により、搭載位置27から端部24に至るまで、中心軸線12に接近する部分と、中心軸線12から離れており端部24を構成する部分とを有するように形成されている。
【0041】
中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とするプラグハウジングの側面図において、スリーブコンタクトポイント23及び中心軸線12は当該視線方向に重なっており、スリーブコンタクト20のコンタクトセクション22の延設部は中心軸線12に対して平行である。図13及び図15がこの点を示す側面図に該当する。換言すると、プラグハウジングは、中心軸線12に対して垂直かつスリープコンタクトポイント23の当接箇所におけるコンタクトスリーブ2に対して垂直な面に対して平行な側面を有する。スリーブコンタクト20の延設部は全体的に中心軸線12に対して平行である。そのほか、例えばコンタクトセクション22及びリンク26のうち一方又は両方の少なくとも一部が中心軸線12に対して垂直であってもよい。
【0042】
ソケット15は金属製であり、スリーブコンタクト20の接続のため、スリーブコンタクト20のコンタクトセクション又はその一部としての役割を果たす。コンタクトスリーブの接続はソケット15のみを介して実現されてもよい。スリーブコンタクト20を構成する弾性ばね形状の(コンタクトトング様の)コンタクトセクション22が好ましい。
【0043】
チップコンタクト30は挿入されたジャックプラグのコンタクトチップ3との接続のために用いられる。チップコンタクト30はコンタクトセクション32を備え、コンタクトセクション32のチップコンタクトポイント33は挿入されたジャックプラグのコンタクトチップ3に対して当接する。チップコンタクト30の端部34に連結されている弾性ばねコンタクトセクション32は、コンタクトトング様に形成されている。
【0044】
ジャックプラグが挿入されていないとき、コンタクトセクション32は始端位置(初期位置)にある(図18及び図21参照)。ジャックプラグの挿入中、コンタクトチップ3のコンタクトセクション32はそのばね弾性力に抗して(揺動及び屈曲の一方又により)終端位置に至る。
【0045】
終端位置においてコンタクトセクション32は、そのばね弾性力によってコンタクトチップ3の縮径部3aに係合して、ジャックプラグがジャックソケットから抜けるのを防止する。
【0046】
コネクションセクション31はチップコンタクト30の他方の端部35に取り付けられている。コンタクトセクション32はリンク36を介してコネクションセクション31に対して連結されている。リンク36及びコンタクトセクション32の間でチップコンタクト30はプラグハウジング10の支持ポイント37に当接する。端部34に取り付けられているコンタクトセクション32は弾性のあるコンタクトトングを構成する。リンク36の拡張部が、例えばプラグハウジング10の点溶接によりプラグハウジング10の搭載位置38に対して固定されることにより、チップコンタクト30がプラグハウジング10に対して固定される。
【0047】
中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、チップコンタクトポイント33及び中心軸線12は重なっている。チップコンタクト30のコンタクトセクション32は中心軸線12に対して垂直な横延設部を有している。ジャックソケットは、中心軸線12に対して垂直な側面であって、チップコンタクトポイント33により構成されるコンタクトポイントにおけるコンタクトチップ3の(中心軸線12に対して垂直な)鉛直面法線に対して平行な方向を視線方向とする側面を有する。図14及び図16が当該側面図に該当する。リンク36は、中心軸線12に対して垂直にのびる延設部を有し、コンタクトセクション32に対して取り付けられる部分と、当該部分に対して傾斜角度をもって取り付けられ、中心軸線12に対して平行なコネクションセクション31に対して取り付けられる部分とを有する。
【0048】
チップコンタクト30のコネクションセクション31の端部35及びチップコンタクト30のコンタクトセクション32のチップコンタクトポイント33は、中心軸線12の回りの周方向(プラグハウジング10又は収容スペース11の周方向)について90°を超える間隔をおいて配置されている。
【0049】
リングコンタクト50はコンタクトリング4に対する接続のために用いられる。リングコンタクト50は、ジャックプラグの挿入状態において、コンタクトリング4に対するリングコンタクト50のリングコンタクトポイント53に対向するコンタクトセクション52を有する。リングコンタクト50の端部54に取り付けられているばね弾性コンタクトセクション52はコンタクトトング様に構成されている。ジャックプラグが挿入されていない状態でコンタクトセクション52は始端位置にある(図18及び図22参照)。ジャックプラグの挿入中に、コンタクトセクション52はプラグシャフト1によりそのばね弾性復元力に抗して終端位置まで変位する(図20及び図25参照)。
【0050】
リングコンタクト50のコネクションセクション51は他方の端部55に取り付けられている。コンタクトセクション52はリンク56を介してコネクションセクション51に対して連結されている。コンタクトセクション52及びリンク56の間でリングコンタクト50はプラグハウジング10の支持ポイント57に支持される。端部54に取り付けられているコンタクトセクション52は弾性のあるコンタクトトングを構成する。リンク56の拡張部が、例えばプラグハウジング10の点溶接によりプラグハウジング10の搭載位置58に対して固定されることにより、チップコンタクト30がプラグハウジング10に対して固定される。
【0051】
中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、リングコンタクトポイント53及び中心軸線12は重なっている。リングコンタクト50のコンタクトセクション52は中心軸線12に対して垂直な横延設部を有している。ジャックソケットは、中心軸線12に対して垂直な側面であって、リングコンタクトポイント53により構成されるコンタクトポイントにおけるコンタクトリング4の法線に対して平行な方向を視線方向とする側面を有する。図14及び図16が当該側面図に該当する。リンク56は、中心軸線12に対して平行にのびる延設部を有し、コネクションセクション51に対して取り付けられる部分と、当該部分に対して傾斜角度をもって取り付けられ、中心軸線12に対して垂直にのびる延設部を有し、コンタクトセクション52が取り付けられている部分とを有する。
【0052】
リングコンタクト50のコネクションセクション51の端部55及びリングコンタクト50のコンタクトセクション52のリングコンタクトポイント53は、中心軸線12の回りの周方向(プラグハウジング10又は収容スペース11の周方向)について90°を超える間隔をおいて配置されている。
【0053】
チップコンタクト30のコンタクトセクション32のチップコンタクトポイント33及びリングコンタクト50のコンタクトセクション52のリングコンタクトポイント53は、中心軸線12の回りの周方向について120°、好ましくは180°を超える間隔をおいて配置されている(図24及び図25参照)。
【0054】
チップスイッチングコンタクト40はその端部44に取り付けられているコンタクトセクション42を有する。コンタクトセクション42は中心軸線12に対して垂直な延設部を有し、チップコンタクト30のコンタクトセクション32が始端位置にあるとき、チップコンタクト30のコンタクトセクション32に対してそのチップスイッチングコンタクトポイント39において接続される。チップコンタクト30のコンタクトセクション32は、そのチップスイッチングコンタクトポイント39を例えばチップスイッチングコンタクト40の端部44に位置させている。チップスイッチングコンタクト40のコンタクトセクション42の屈曲部に取り付け部が設けられ、これを介してコンタクトセクション42が端部44までのびている。
【0055】
チップスイッチングコンタクトポイント39と、チップコンタクト30の端部34との間隔が2mm未満であることが好ましく、1mm未満であることが特に好ましい。
【0056】
チップコンタクト30のコンタクトセクション32と、チップスイッチングコンタクト40のコンタクトセクション42とが電気的に接続される場合、両コンタクトセクション32及び42又はその一部が相互に90±20°の範囲の角度に配置されている。
【0057】
コネクションセクション41はチップスイッチングコンタクト40の他方の端部45に取り付けられている。コネクションセクション41及びコンタクトセクション42は相互に傾斜角度をもって直接的に連結され、又はリンク46を介して連結されている。チップスイッチングコンタクト40のプラグハウジング10に対する固定のため、リンク46の拡張部が設けられ、これがプラグハウジング10の搭載位置48に対して例えば点溶接により固定される。
【0058】
チップコンタクトポイント33及びチップスイッチングコンタクトポイント39は、チップコンタクト30のコンタクトセクション32の延設部の方向であって、中心軸線12に対して垂直な方向について間隔をおいて配置されている。チップスイッチングコンタクトポイント39がチップコンタクトポイント33よりもチップコンタクト30の端部34の近くに配置されている。
【0059】
ジャックプラグが挿入されると、コンタクトセクション32は屈曲し、これに代えて又は加えて揺動(ピボット)することにより、チップスイッチングコンタクトポイント39をコンタクトセクション42に対して離間させながら、始端位置から終端位置まで変位する。レバー様に構成されているので、チップスイッチングコンタクトポイント39におけるチップコンタクト30の動きの振幅(大きさ)は、チップコンタクトポイント33におけるそれよりも大きい。
【0060】
リングスイッチングコンタクト60はその端部64に取り付けられているコンタクトセクション62を有する。コンタクトセクション62は中心軸線12に対して垂直な延設部を有し、リングコンタクト50のコンタクトセクション52が始端位置にあるとき、リングコンタクト50のコンタクトセクション52に対してそのリングスイッチングコンタクトポイント59において接続される。リングコンタクト50のコンタクトセクション52は、そのリングスイッチングコンタクトポイント59を例えばリングスイッチングコンタクト60の端部64に位置させている。リングスイッチングコンタクト60のコンタクトセクション62の屈曲部に取り付け部が設けられ、これを介してコンタクトセクション62が端部64までのびている。
【0061】
リングスイッチングコンタクトポイント59と、リングコンタクト50の端部54との間隔が2mm未満であることが好ましく、1mm未満であることが特に好ましい。
【0062】
リングコンタクト50のコンタクトセクション52と、リングスイッチングコンタクト60のコンタクトセクション62とが電気的に接続される場合、両コンタクトセクション52及び62又はその一部が相互に90±20°の範囲の角度に配置されている。
【0063】
コネクションセクション61はリングスイッチングコンタクト60の他方の端部65に取り付けられている。コネクションセクション61及びコンタクトセクション62は相互に傾斜角度をもって直接的に連結され、又はリンク66を介して直線状に連結されている。リンク66の延設部その少なくとも一部が全長にわたり実質的に中心軸線12に対して平行である。リングスイッチングコンタクト60のプラグハウジング10に対する固定のため、コンタクトセクション62の拡張部が設けられ、これがプラグハウジング10の搭載位置68に対して例えば点溶接により固定される。
【0064】
リングコンタクトポイント53及びリングスイッチングコンタクトポイント59は、リングコンタクト50のコンタクトセクション52の延設部の方向であって、中心軸線12に対して垂直な方向について間隔をおいて配置されている。リングスイッチングコンタクトポイント59がリングコンタクトポイント53よりもリングコンタクト50の端部54の近くに配置されている。
【0065】
ジャックプラグが挿入されると、コンタクトセクション52は屈曲し、これに代えて又は加えて揺動(ピボット)することにより、リングスイッチングコンタクトポイント59をコンタクトセクション62に対して離間させながら、始端位置から終端位置まで変位する。レバー様に構成されているので、リングスイッチングコンタクトポイント59におけるリングコンタクト50の動きの振幅(大きさ)は、リングコンタクトポイント53におけるそれよりも大きい。
【0066】
プラグハウジング10の取付端部14の側からジャックソケットを見た場合(すなわち、ジャックプラグが挿入される方向に見た場合)、図8に示されているように、コンタクト20,30,40,50,60のコネクションセクション21,31,41,51,61の端部25,35,45,55,65は仮想的な円上に配置されている。チップコンタクト30、リングコンタクト50、チップスイッチングコンタクト40及びリングスイッチングコンタクト60は、その端部を仮想の矩形の辺上に位置させるように配置されている。スリーブコンタクト20は、その端部を当該矩形の対角線に対して平行に、かつ、当該矩形の1つの隅角の別の矩形の内側に位置させるように配置されている。スリーブコンタクト20に続き、時計回りにリングスイッチングコンタクト60、リングコンタクト50、チップコンタクト30及びチップスイッチングコンタクト40が順に配置されている。
【0067】
中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とする側面図においてコンタクトの各部分に注目すると、異なるコンタクトの部分の間に交差点が存在し、当該交差箇所における中心軸線12からの距離が異なっている。中心軸線12に対して平行な延設部により、リングコンタクト50のリンク56の一部とリングスイッチングコンタクト60のリンク66の一部とが、チップコンタクト30のコンタクトセクション32と交差している(中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、チップコンタクトポイント33及び中心軸線12が重なっている)(図14参照)。リンク56及び66は、コンタクトセクション32よりも中心軸線12との間隔が大きい。
【0068】
スリーブコンタクト20のリンク26は、中心軸線12に対して平行にのびる延設部を有しており、チップスイッチングコンタクト40のコンタクトセクション42及びリングスイッチングコンタクト60のコンタクトセクション62に対して交差している(中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とする側面図においてリンク26及び中心軸線12が重なっている)(図13参照)。リンク26は、コンタクトセクション42,62よりも中心軸線12との間隔が大きい。
【0069】
チップコンタクト30のチップコンタクトポイント33及びリングコンタクト50のリングコンタクトポイント53のそれぞれは、プラグシャフト1の周方向について相互にほぼ反対側の位置においてコンタクトチップ3及びコンタクトリング4のそれぞれに対して当接する(図24及び図25参照)。スリーブコンタクト20のコンタクトセクション22のスリーブコンタクトポイント23は、プラグシャフト1の周方向について前記2つの当接点の間に、好ましくは当該2つの当接点のそれぞれと90°だけずれた位置においてコンタクトスリーブ2に対して当接する。
【0070】
チップコンタクト30の断面図において、コンタクトセクション32の延設部の点であって、チップコンタクトポイント33が存在し、かつ、中心軸線12を通る点において、チップコンタクト30のコンタクトセクション32がコンタクトチップ3に対して凸状の曲線を描くように形成されている指定部分70を有する(図20参照)。指定部分70はV字形状であってもよい。
【0071】
コンタクトセクション32の拡張部71が、プラグハウジング10の取付端部14に向かう方向について指定部分70に取り付けられている。当該断面図においてコンタクトセクション32は拡張部71により、中心軸線12に対して実質的に平行な(中心軸線12に対する傾斜角度が15°未満の)姿勢とされている。指定部分70により、コンタクトセクション32はコンタクトチップ3に対して縮径部3aにおいて係合する。拡張部71により、コンタクトセクション32は、縮径部3aとプラグシャフト1の端部との間の範囲でコンタクトチップ3に対してそのほぼ全周にわたり当接することができる。コンタクトセクション32が縮径部3aに対してかちっとはめられることにより、チップスイッチングコンタクトポイント39のチップスイッチングコンタクト40のコンタクトセクション42に対する接近が制限される。縮径部3aの形成により、チップスイッチングコンタクト40のコンタクトセクション42とチップコンタクト30のコンタクトセクション32との間隔が十分な間隔に維持される。
【0072】
プラグハウジング10の底部10aには、挿入されたジャックプラグのコンタクトチップ3が係合するところの溝部16が設けられ、溝部16はその端部に取り付けられ、プラグシャフト1の挿入を制限する制動部17をその縁部に構成する。その結果、中心軸線12の方向について、縮径部3aを有するコンタクトチップ3が、チップコンタクト30のコンタクトセクション32に対して適当に位置決めされる。
【0073】
本発明のジャックソケットに対してコンタクトリング4がないジャックプラグが挿入されてもよい。この場合、リングコンタクト50及びリングスイッチングコンタクト60は機能しなくてもよい。しかし、リングコンタクト50はジャックプラグの挿入状態においてコンタクトスリーブ2に当接してその終端位置まで動き、リングコンタクト50が(付加的な)スリーブコンタクト20として利用されてもよい。リングスイッチングコンタクト60はスイッチスリーブコンタクトとして用いられてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1‥プラグシャフト、2‥コンタクトスリーブ、3‥コンタクトチップ、3a‥縮径部、4‥コンタクトリング、5‥インシュレータ、6‥インシュレータ、7‥プラグハウジング、8‥中心軸線、10‥プラグハウジング、10a‥底部、11‥収容スペース、12‥中心軸線、13‥挿入端部、14‥取付端部、15‥ソケット、16‥溝部、17‥制動部、20‥スリーブコンタクト、21‥コネクションセクション、22‥コンタクトセクション、23‥スリーブコンタクトポイント、24‥端部、25‥端部、26‥リンク、27‥搭載位置、28‥搭載位置、30‥チップコンタクト、31‥コネクションセクション、32‥コンタクトセクション、33‥チップコンタクトポイント、34‥端部、35‥端部、36‥リンク、37‥支持部、38‥搭載位置、39‥チップスイッチングコンタクトポイント、40‥チップスイッチングコンタクト、41‥コネクションセクション、42‥コンタクトセクション、44‥端部、45‥端部、46‥リンク、48‥搭載位置、50‥リングコンタクト、51‥コネクションセクション、52‥コンタクトセクション、53‥リングコンタクトポイント、54‥端部、55‥端部、56‥リンク、57‥支持部、58‥搭載位置、59‥リングスイッチングコンタクトポイント、60‥リングスイッチングコンタクト、61‥コネクションセクション、62‥コンタクトセクション、64‥端部、65‥端部、66‥リンク、68‥搭載位置、70‥指定部分、71‥拡張部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャックソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
ジャックプラグは、例えばオーディオ機器に用いられている国際的によく知られている電気的プラグコネクタである。ジャックプラグの設計はEIA RS−453又はIEC 60603−11規格により標準化されている。ジャックプラグは英語で「TRS connector」と表記され、口語的に「audio plug」と表記される。
【0003】
ジャックプラグは、端部に設けられたコンタクトチップを有し、縮径部を有するプラグシャフト(=オスプラグ部)を備えている。プラグシャフトのスリーブ状の部分(コンタクトスリーブ(単に「スリーブ」ともいう。))により電気的接続が実現される。コンタクトチップとコンタクトスリーブの間にコンタクトリングが配置され、これにより例えばステレオプラグを構成するもう1つの電気的接続が実現される。各コンタクトはインシュレータにより絶縁されている。
【0004】
ジャックソケットはジャックプラグの相手方のコネクタとして機能する。ジャックソケットは、ジャックプラグのコンタクトスリーブに接続されるスリーブコンタクトと、ジャックプラグのコンタクトチップに接続されるチップコンタクトと、ジャックプラグのコンタクトリングに接続されるリングコンタクトとを備えている。コンタクトリングがないジャックプラグが挿入された場合、リングコンタクトは(コンタクトスリーブに接触するものの)機能しない。
【0005】
ジャックソケットは多くの場合、付加的なスイッチングコンタクトを備えている。ジャックプラグが挿入されていない状態でチップスイッチングコンタクトはチップコンタクトに接続される。ジャックプラグが挿入された場合、チップコンタクトの端部に接続されるチップコンタクトのコンタクトセクションは、コンタクトチップによってそのばね弾性復元力に抗して始端位置から終端位置まで動かされる。ジャックソケットが挿入されていない状態でチップスイッチングコンタクトポイントにおいてチップスイッチングに対して接続されるチップコンタクトのコンタクトセクションは、結果的にチップスイッチングコンタクトから離れる。
【0006】
ジャックプラグが挿入されている間、リングコンタクト及びリングスイッチングコンタクトの電気的接続は妨げられている。ジャックプラグが挿入されている間、リングコンタクトの端部に接続されるリングコンタクトのコンタクトセクションは始端位置から終端位置まで変位する。ジャックプラグが挿入されていない状態において、リングスイッチングコンタクトは、リングコンタクトのコンタクトセクションに対して、リングコンタクトのコンタクトセクションのリングスイッチングコンタクトポイントにおいて接続される。終端位置に揺動したとき、リングスイッチングコンタクトは当該コンタクトポイントから離れる。
【0007】
ワイドスプレッド型のジャックソケットの設計に際して、ジャックソケットの複数のコンタクトのコネクションセクションがはんだ付けされる。これにより、ジャックソケットは回路基板に直接的に実装される。ホリゾンタルデザイン(「ホリゾンタルジャックソケット」ともいう。)及びバーティカルデザイン(「バーティカルジャックソケット」ともいう。)が用いられている。ホリゾンタルデザインにおいて、ジャックプラグのプラグシャフトの収容のためのスペースの中心軸線は回路基板に対して平行である。一方、バーティカルデザインにおいて、当該中心軸線は回路基板に対して垂直である。
【0008】
ホリゾンタルデザインは、スリーブ、リング及びチップコンタクトのそれぞれのコネクションセクションがハウジングの一方側に一列に配置される場合に一般的に採用され、当該コネクションセクションは、中心軸線に対して垂直な縦方向にのびるプラグハウジングの収容スペースを有する。ハウジングの反対側において、スリーブ、リング及びチップコンタクトのそれぞれのスイッチングコンタクトのコネクションセクションが一列に配置され、当該コネクションセクションもプラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して垂直な方向にのびている。すべてのコンタクトのコネクションセクションは相互に平行であり、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して垂直な方向(回路基板の面に対して垂直な方向)について、回路基板を搭載するためのプラグハウジングの平坦な側部から突設されている。
【0009】
バーティカルデザインにおいて、各コンタクトのコネクションセクションはプラグハウジングの挿入端部の反対側にある連結端部から突出し、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して平行にのびている。当該デザインにおいて、スリーブスイッチングコンタクトは通常は設けられておらず、ジャックソケットは5つのコンタクト及び5つのコネクションセクションを備えている。プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して垂直な方向を視線方向として各コンタクトをみたとき、チップ及びリングコンタクトのそれぞれのコンタクトセクションは中心軸線に対して垂直な方向にのびている。プラグシャフトのコンタクトチップに当接するチップコンタクトのチップコンタクトポイントは、非挿入状態でチップスイッチングコンタクトに当接するチップスイッチングコンタクトポイントよりも、チップコンタクトのコンタクトセクションが取り付けられている端部に対して近くに配置されている。
【0010】
その一方、リングコンタクトについて、ジャックプラグのコンタクトリングに対して当接するリングコンタクトポイントは、ジャックソケットの非挿入状態においてリングスイッチングコンタクトに当接するところのリングスイッチングコンタクトポイントよりも、リングコンタクトのコンタクトセクションが取り付けられる端部に対して近くに配置されている。その結果、ジャックプラグの挿入中にリングコンタクトのコンタクトセクションの揺らぎ(ピボッティング)がリングコンタクト及びリングスイッチングコンタクトの間のコンタクトポイントに伝わり、挿入状態において当該コンタクトの間隔が十分に大きく維持される。
【0011】
ジャックプラグのデザインの標準化により、特にコンタクトチップの分野において詳細な設計変更が認容され、実際に製造業者の間でコンタクトチップ及び縮径部の正確な形状は異なっている。その結果、ジャックプラグがジャックソケットに挿入された場合、特にチップコンタクトのコンタクトセクションの安定性を変化させるような揺らぎ(ピボッティング)が生じる。そして、特にケーブルがジャックプラグに対して斜めに引っ張られた場合、チップコンタクトのコンタクトセクションとチップスイッチングとの間隔が不十分となる。これにより機能不全となる。
【0012】
バーティカルジャックソケットに関して、既存のコネクションセクションの配置が標準として受け入れられ、かつ、異なる製造業者により同じ形態で使用されることに留意することが重要である。コネクションセクションの当該構成が維持されることが重要である。
【0013】
市場に流通しておらず、使用頻度が低いが、各コンタクトのコネクションセクションの構成が前記構成とは異なるジャックソケットのホリゾンタル及びバーティカルデザインも知られている(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許公報 US7,198,504 B2
【特許文献2】米国特許公報 US6,690,801 B2
【特許文献3】米国特許公報 US7,341,491 B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、ジャックプラグが挿入されているときのチップコンタクト及びチップスイッチングコンタクトの電気的接続の支障に対する信頼性が向上される点で改良されたジャックソケットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、コンタクトチップを有するプラグシャフトと、コンタクトスリーブとを備え、必要に応じて前記コンタクトスリーブと前記コンタクトチップとの間にコンタクトリングが設けられているジャックプラグとの電気的接続を実現するジャックソケットであって、プラグハウジングと、前記プラグハウジングにより支持される、スリーブコンタクトと、チップコンタクトと、チップスイッチングコンタクトとを含む複数のコンタクトと、を備え、前記プラグハウジングは、その挿入端部から中心軸線の方向に前記ジャックプラグが挿入される収容スペースを有し、前記スリーブコンタクトは、前記ジャックプラグの前記コンタクトスリーブに接続されるコンタクトセクションと、前記スリーブコンタクトと電気的接続を実現するコネクションセクションとを有し、前記チップコンタクトは、その端部に取り付けられ、前記ジャックプラグの挿入中に前記コンタクトチップにより始端位置から終端位置まで動かされ、前記ジャックプラグの挿入状態において前記コンタクトチップからチップコンタクトポイントに接続されるコンタクトセクションと、前記チップコンタクトとの電気的接続を実現するコネクションセクションとを有し、前記チップスイッチングコンタクトは、前記チップコンタクトの前記コンタクトセクションが前記始端位置にあるとき当該コンタクトセクションのチップスイッチングコンタクトポイントに当接し、前記チップコンタクトの前記コンタクトセクションが前記終端位置にあるとき当該コンタクトセクションから離反するコンタクトセクションと、前記チップスイッチングコンタクトとの電気的接続を実現するコネクションセクションとを有し、前記複数のコンタクトの前記コネクションセクションは、前記挿入端部と反対側の前記プラグハウジングの取付端部から突出し、前記プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して平行な突出部を有するジャックソケットに関する。
【0017】
本発明の課題は、前記チップコンタクトの前記コンタクトセクションは、前記チップコンタクトポイント及び前記チップスイッチングコンタクトポイントを包含する領域において、前記プラグハウジングの前記収容スペースの中心軸線に対して非平行な少なくとも1つの延設部を有し、前記チップコンタクトの前記コンタクトセクションの前記チップコンタクトポイント及び前記チップスイッチングコンタクトポイントは、前記プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して非平行な方向について離間し、前記チップコンタクトポイントが、前記チップスイッチングコンタクトポイントよりも、前記チップコンタクトの前記コンタクトセクションが取り付けられる前記チップコンタクトの前記端部から離間していることを特徴とするジャックソケットにより解決される。
【0018】
本発明のジャックソケットによれば、チップコンタクトのコンタクトセクションが、チップコンタクトポイント及びチップスイッチングコンタクトポイントを好ましくはその全長にわたり包含する領域において、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して非平行な少なくとも1つの延設部を有している。チップコンタクトのコンタクトセクションのチップコンタクトポイント及びチップスイッチングコンタクトポイントは、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して非平行な方向について離間している。チップコンタクトのコンタクトセクションのチップコンタクトポイント及びチップスイッチングコンタクトポイントは、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線回りの周方向について離間している。チップコンタクトポイントが、チップスイッチングコンタクトポイントよりも、チップコンタクトのコンタクトセクションが取り付けられるチップコンタクトの端部から離間している。
【0019】
ジャックプラグがジャックソケットに挿入されるとき、チップコンタクトのコンタクトセクションはそのばね弾性復元力に抗して始端位置から終端位置に動かされる。チップスイッチングコンタクトポイントの変位量は、チップコンタクトポイントの領域の変位量よりも大きい。ジャックプラグのコンタクトチップの形状が若干異なっていても、チップコンタクト及びチップスイッチングコンタクトの間の電気的接続の開放の信頼性を向上させ、かつ、ジャックソケットがコンパクトに設計される。
【0020】
リングコンタクトのコンタクトセクションが、少なくともリングコンタクトポイント及びリングスイッチングコンタクトポイントを好ましくはその全長にわたり包含する領域において、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して非平行な、好ましくは垂直な少なくとも1つの延設部を有していることが好ましい。リングコンタクトのコンタクトセクションのリングコンタクトポイント及びリングスイッチングコンタクトポイントは、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して非平行な方向、特に垂直な方向について離間している。リングコンタクトのコンタクトセクションのリングコンタクトポイント及びリングスイッチングコンタクトポイントは、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線回りの周方向(=プラグハウジング又は収容スペースの周方向)について離間している。リングコンタクトポイントが、リングスイッチングコンタクトポイントよりも、リングコンタクトのコンタクトセクションが取り付けられるリングコンタクトの端部から離間している。
【0021】
これにより、ジャックソケットがコンパクトに設計されても、ジャックプラグが挿入されるときのリングコンタクト及びリングスイッチングコンタクトの間の電気的接続の開放の信頼性を向上させることができる。
【0022】
本発明のジャックソケットにおける各コンタクトのコネクションセクションの従前の配置を維持するため、プラグハウジングの収容スペースの中心軸線に対して垂直な方向を視線方向とする側面において、異なるコンタクトの部分が交差点を有し、当該交差点において、当該交差箇所の収容スペースの中心軸線との間隔が相違していることが好ましい。
【0023】
チップコンタクトポイントのコンタクトセクションが、当該コンタクトセクションを通る断面において、当該コンタクトセクションにおいてプラグハウジングの取付端部に向かう方向にのびる拡張部が連結され、挿入されたジャックプラグのコンタクトチップに対して凸状又はV字形状部分を有し、当該部分により当該コンタクトセクションが、当該コンタクトセクション及び延設部並びにジャックソケットを通る断面において、中心軸線に対して15°未満の角度をなす、好ましくは実質的に平行である。
【0024】
拡張部により、チップコンタクトのコンタクトセクションがコンタクトチップの縮径部に下降することが制限され、拡張部を有するコンタクトチップの当該コンタクトセクションが、縮径部よりもコンタクトチップの端部に近い部分でそのほぼ全周にわたり支持される。コンタクトチップが異なる形状を有する場合、同様にコンタクトセクションが縮径部に下降することが制限されながら位置決めされる。
【0025】
ジャックソケットのプラグハウジングが底部であって、収容スペースをプラグハウジングの取付端部に接近させ、かつ、ジャックプラグのプラグシャフトの挿入を制限するためのコンタクトチップの制動部を構成する底部を有することが好ましい。完全な挿入状態において、コンタクトチップはプラグハウジングの底部の制動部に対して当接する。プラグハウジングの底部の、コンタクトチップの先端部が挿入される凹部の縁部により制動部が構成されることが好ましい。当該構成は、チップコンタクトのコンタクトセクションの位置決めの役割を果たし、さまざまな製造元のジャックプラグがジャックソケットに挿入された場合、チップコンタクト及びチップスイッチングコンタクトの電気的接続の開放(遮断)のさらなる信頼性の向上が図られる。
【0026】
ジャックソケットとプラグ接続されるジャックプラグは、EIA RS−453又はIEC 60603−11規格にしたがっている。当該ジャックプラグは特にオーディオ機器に用いられ、オーディオプラグと呼ばれる。
【0027】
特に、本発明は6.35mmジャックプラグに関する。
【0028】
コンタクト又はその一部の「延設部」に関して、そのほぼ全長にわたる方向は通常の方法で表現される。
【0029】
本発明の利点及び詳細は添付図面を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のジャックソケットの斜視図。
【図2】図1の斜視方向から中心軸線回りに90°だけ異なる方向から見た本発明のジャックソケットの斜視図。
【図3】図2の斜視方向から中心軸線回りに90°だけ異なる方向から見た本発明のジャックソケットの斜視図。
【図4】図3の斜視方向から中心軸線回りに90°だけ異なる方向から見た本発明のジャックソケットの斜視図。
【図5】図1〜図4の斜視方向とは中心軸線回りに角度が異なる方向から見た本発明のジャックソケットの斜視図。
【図6】図1〜図5の斜視方向とは中心軸線回りに角度が異なる方向から見た本発明のジャックソケットの斜視図。
【図7】挿入端部の平面図。
【図8】取付端部の平面図。
【図9】図1のコンタクト以外の構成が省略されたジャックソケットの構成説明図。
【図10】図2のコンタクト以外の構成が省略されたジャックソケットの構成説明図。
【図11】図3のコンタクト以外の構成が省略されたジャックソケットの構成説明図。
【図12】図4のコンタクト以外の構成が省略されたジャックソケットの構成説明図。
【図13】図1の回転位置におけるジャックソケットの側面図。
【図14】図2の回転位置におけるジャックソケットの側面図。
【図15】図3の回転位置におけるジャックソケットの側面図。
【図16】図4の回転位置におけるジャックソケットの側面図。
【図17】図13のAA線断面図。
【図18】図14のBB線断面図。
【図19】ジャックプラグ(一部のみが示されている。)が挿入された図17に対応するジャックソケットの断面図。
【図20】ジャックプラグ(一部のみが示されている。)が挿入された図18に対応するジャックソケットの断面図。
【図21】図18のCC線断面図。
【図22】図18のDD線断面図。
【図23】図18のEE線断面図。
【図24】ジャックプラグが挿入された図21に対応するジャックソケットの断面図。
【図25】ジャックプラグが挿入された図22に対応するジャックソケットの断面図。
【図26】ジャックプラグが挿入された図23に対応するジャックソケットの断面図。
【図27】図13のFF線断面図。
【図28】図13のGG線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の一実施形態として、特にオーディオ機器に用いられる6.35mmジャックプラグソケットの形態のジャックソケット(オーディオジャック)が図示されている。
【0032】
ジャックソケットは図19及び図20に部分的に示されているジャックプラグとの電気的なプラグ接続を実現するために用いられている。ジャックプラグはプラグシャフト(オスコネクタ部)1を備えている。プラグシャフト1はコンタクトスリーブ(又は単に「スリーブ」という。)2及びコンタクトチップ3を有する。コンタクトスリーブ2及びコンタクトチップ3の中間はコンタクトリング(又は単に「リング」という。)4である。コンタクトスリーブ2、コンタクトチップ3及びコンタクトリング4は、インシュレータ5及び6により相互に絶縁されている。コンタクトリング4(及びインシュレータ5及び6のうち一方)は省略されてもよい。プラグシャフト1はプラグハウジング7(図19及び図20では一部しか示されていない。)から突出している。
【0033】
ジャックプラグは、実施例では6.35mmジャックプラグしか示されていないが、EIA RS−453又はIEC 60603−11規格にしたがって設計されている。
【0034】
ジャックプラグはそのプラグシャフト1によりメスレセプタクルに対して挿入方向に挿入される。そのコンタクトチップ3の接触に関して、コンタクトスリーブ2及びコンタクトリング4が以下で説明される。当該ジャックソケットはステレオジャックソケットとも呼ばれる。
【0035】
ジャックソケットは絶縁性材料からなるプラグハウジング10を備えている。プラグハウジング10には、ジャックソケットの複数のコンタクト20,30,40,50,60が設けられている。プラグハウジング10は、プラグシャフト1(少なくともその延設部の一部)が挿入され、ジャックプラグ及びジャックソケットの間のプラグ接続を実現するための収容スペース11を有する。収容スペース11は中心軸線12を有する。プラグシャフト1の挿入端部13は、プラグハウジング10の収容スペース11に対して中心軸線12の方向に挿入される。プラグシャフト1の中心軸線8は収容スペース11の中心軸線12と一致している(すなわち、両軸線は相互に平行かつ同一位置に存在する)。
【0036】
プラグシャフト1の挿入はソケット15により案内される。これは挿入されたプラグシャフト1をプラグハウジング10に対して同軸線に保持する。ソケット15はプラグハウジング10に対して固定されている。ソケットの外ネジにナットが螺着される。これにより、ジャックソケットが例えばハウジングプレートの収容スロットにおいて機械的に固定されうる。
【0037】
ソケット15は金属製であり、以下に説明するスリーブコンタクトに対して電気的に接続される。この点で、ソケット15はスリーブコンタクトの一部であるとみなされる。ソケット15が樹脂製とされ、これがプラグハウジング10の一部であるとみなされてもよい。ソケットはプラグハウジングと一体的に成形されてもよい。
【0038】
ソケット15の内部スペースはプラグハウジング10の収容スペース11とともにプラグシャフト1のためのメスレセプタクルを構成する。
【0039】
複数のコンタクト20,30,40,50,60のそれぞれは、プラグハウジング10において挿入端部13の反対側にある取付端部14(両端部13及び14は中心軸線12の方向について反対側にあるプラグハウジング10の端部を構成する)から突出しているコネクションセクション21,31,41,51,61を備えている。複数のコネクションセクション21,31,41,51,61のそれぞれは中心軸線12に対して平行な延設部を有している。複数のコンタクト20,30,40,50,60のそれぞれの電気的な接続は複数のコネクションセクション21,31,41,51,61のそれぞれを介して実現される。例えば、複数のコネクションセクション21,31,41,51,61のそれぞれは、回路基板のソルダーアイに挿入されてはんだ付けされ、或いは接続ケーブルにはんだ付けされる。
【0040】
スリーブコンタクト20は、プラグシャフト1の挿入状態においてコンタクトスリーブ2を接続するために用いられる。スリーブ2はばね状のコンタクトトング様のコンタクトセクション22を備えている。ジャックプラグが挿入されたとき、コンタクトセクション22は動かされ、ジャックプラグの挿入状態では、コンタクトセクション22のスリーブコンタクトポイント23はプラグシャフト1のコンタクトスリーブ2に当接する。コンタクトセクション22はスリーブコンタクト20の一方の端部24に取り付けられている。コネクションセクション21はスリーブコンタクト20の他方の端部に取り付けられている。コンタクトセクション22はリンク26を介してコネクションセクション21に対して連結されている。リンク26は、例えばスリーブコンタクト20の開口部から出現しているプラグハウジング10の溶接突片により、プラグハウジング10の搭載位置27,28に固定されている。コンタクトセクション22は折り曲げ加工により、搭載位置27から端部24に至るまで、中心軸線12に接近する部分と、中心軸線12から離れており端部24を構成する部分とを有するように形成されている。
【0041】
中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とするプラグハウジングの側面図において、スリーブコンタクトポイント23及び中心軸線12は当該視線方向に重なっており、スリーブコンタクト20のコンタクトセクション22の延設部は中心軸線12に対して平行である。図13及び図15がこの点を示す側面図に該当する。換言すると、プラグハウジングは、中心軸線12に対して垂直かつスリープコンタクトポイント23の当接箇所におけるコンタクトスリーブ2に対して垂直な面に対して平行な側面を有する。スリーブコンタクト20の延設部は全体的に中心軸線12に対して平行である。そのほか、例えばコンタクトセクション22及びリンク26のうち一方又は両方の少なくとも一部が中心軸線12に対して垂直であってもよい。
【0042】
ソケット15は金属製であり、スリーブコンタクト20の接続のため、スリーブコンタクト20のコンタクトセクション又はその一部としての役割を果たす。コンタクトスリーブの接続はソケット15のみを介して実現されてもよい。スリーブコンタクト20を構成する弾性ばね形状の(コンタクトトング様の)コンタクトセクション22が好ましい。
【0043】
チップコンタクト30は挿入されたジャックプラグのコンタクトチップ3との接続のために用いられる。チップコンタクト30はコンタクトセクション32を備え、コンタクトセクション32のチップコンタクトポイント33は挿入されたジャックプラグのコンタクトチップ3に対して当接する。チップコンタクト30の端部34に連結されている弾性ばねコンタクトセクション32は、コンタクトトング様に形成されている。
【0044】
ジャックプラグが挿入されていないとき、コンタクトセクション32は始端位置(初期位置)にある(図18及び図21参照)。ジャックプラグの挿入中、コンタクトチップ3のコンタクトセクション32はそのばね弾性力に抗して(揺動及び屈曲の一方又により)終端位置に至る。
【0045】
終端位置においてコンタクトセクション32は、そのばね弾性力によってコンタクトチップ3の縮径部3aに係合して、ジャックプラグがジャックソケットから抜けるのを防止する。
【0046】
コネクションセクション31はチップコンタクト30の他方の端部35に取り付けられている。コンタクトセクション32はリンク36を介してコネクションセクション31に対して連結されている。リンク36及びコンタクトセクション32の間でチップコンタクト30はプラグハウジング10の支持ポイント37に当接する。端部34に取り付けられているコンタクトセクション32は弾性のあるコンタクトトングを構成する。リンク36の拡張部が、例えばプラグハウジング10の点溶接によりプラグハウジング10の搭載位置38に対して固定されることにより、チップコンタクト30がプラグハウジング10に対して固定される。
【0047】
中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、チップコンタクトポイント33及び中心軸線12は重なっている。チップコンタクト30のコンタクトセクション32は中心軸線12に対して垂直な横延設部を有している。ジャックソケットは、中心軸線12に対して垂直な側面であって、チップコンタクトポイント33により構成されるコンタクトポイントにおけるコンタクトチップ3の(中心軸線12に対して垂直な)鉛直面法線に対して平行な方向を視線方向とする側面を有する。図14及び図16が当該側面図に該当する。リンク36は、中心軸線12に対して垂直にのびる延設部を有し、コンタクトセクション32に対して取り付けられる部分と、当該部分に対して傾斜角度をもって取り付けられ、中心軸線12に対して平行なコネクションセクション31に対して取り付けられる部分とを有する。
【0048】
チップコンタクト30のコネクションセクション31の端部35及びチップコンタクト30のコンタクトセクション32のチップコンタクトポイント33は、中心軸線12の回りの周方向(プラグハウジング10又は収容スペース11の周方向)について90°を超える間隔をおいて配置されている。
【0049】
リングコンタクト50はコンタクトリング4に対する接続のために用いられる。リングコンタクト50は、ジャックプラグの挿入状態において、コンタクトリング4に対するリングコンタクト50のリングコンタクトポイント53に対向するコンタクトセクション52を有する。リングコンタクト50の端部54に取り付けられているばね弾性コンタクトセクション52はコンタクトトング様に構成されている。ジャックプラグが挿入されていない状態でコンタクトセクション52は始端位置にある(図18及び図22参照)。ジャックプラグの挿入中に、コンタクトセクション52はプラグシャフト1によりそのばね弾性復元力に抗して終端位置まで変位する(図20及び図25参照)。
【0050】
リングコンタクト50のコネクションセクション51は他方の端部55に取り付けられている。コンタクトセクション52はリンク56を介してコネクションセクション51に対して連結されている。コンタクトセクション52及びリンク56の間でリングコンタクト50はプラグハウジング10の支持ポイント57に支持される。端部54に取り付けられているコンタクトセクション52は弾性のあるコンタクトトングを構成する。リンク56の拡張部が、例えばプラグハウジング10の点溶接によりプラグハウジング10の搭載位置58に対して固定されることにより、チップコンタクト30がプラグハウジング10に対して固定される。
【0051】
中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、リングコンタクトポイント53及び中心軸線12は重なっている。リングコンタクト50のコンタクトセクション52は中心軸線12に対して垂直な横延設部を有している。ジャックソケットは、中心軸線12に対して垂直な側面であって、リングコンタクトポイント53により構成されるコンタクトポイントにおけるコンタクトリング4の法線に対して平行な方向を視線方向とする側面を有する。図14及び図16が当該側面図に該当する。リンク56は、中心軸線12に対して平行にのびる延設部を有し、コネクションセクション51に対して取り付けられる部分と、当該部分に対して傾斜角度をもって取り付けられ、中心軸線12に対して垂直にのびる延設部を有し、コンタクトセクション52が取り付けられている部分とを有する。
【0052】
リングコンタクト50のコネクションセクション51の端部55及びリングコンタクト50のコンタクトセクション52のリングコンタクトポイント53は、中心軸線12の回りの周方向(プラグハウジング10又は収容スペース11の周方向)について90°を超える間隔をおいて配置されている。
【0053】
チップコンタクト30のコンタクトセクション32のチップコンタクトポイント33及びリングコンタクト50のコンタクトセクション52のリングコンタクトポイント53は、中心軸線12の回りの周方向について120°、好ましくは180°を超える間隔をおいて配置されている(図24及び図25参照)。
【0054】
チップスイッチングコンタクト40はその端部44に取り付けられているコンタクトセクション42を有する。コンタクトセクション42は中心軸線12に対して垂直な延設部を有し、チップコンタクト30のコンタクトセクション32が始端位置にあるとき、チップコンタクト30のコンタクトセクション32に対してそのチップスイッチングコンタクトポイント39において接続される。チップコンタクト30のコンタクトセクション32は、そのチップスイッチングコンタクトポイント39を例えばチップスイッチングコンタクト40の端部44に位置させている。チップスイッチングコンタクト40のコンタクトセクション42の屈曲部に取り付け部が設けられ、これを介してコンタクトセクション42が端部44までのびている。
【0055】
チップスイッチングコンタクトポイント39と、チップコンタクト30の端部34との間隔が2mm未満であることが好ましく、1mm未満であることが特に好ましい。
【0056】
チップコンタクト30のコンタクトセクション32と、チップスイッチングコンタクト40のコンタクトセクション42とが電気的に接続される場合、両コンタクトセクション32及び42又はその一部が相互に90±20°の範囲の角度に配置されている。
【0057】
コネクションセクション41はチップスイッチングコンタクト40の他方の端部45に取り付けられている。コネクションセクション41及びコンタクトセクション42は相互に傾斜角度をもって直接的に連結され、又はリンク46を介して連結されている。チップスイッチングコンタクト40のプラグハウジング10に対する固定のため、リンク46の拡張部が設けられ、これがプラグハウジング10の搭載位置48に対して例えば点溶接により固定される。
【0058】
チップコンタクトポイント33及びチップスイッチングコンタクトポイント39は、チップコンタクト30のコンタクトセクション32の延設部の方向であって、中心軸線12に対して垂直な方向について間隔をおいて配置されている。チップスイッチングコンタクトポイント39がチップコンタクトポイント33よりもチップコンタクト30の端部34の近くに配置されている。
【0059】
ジャックプラグが挿入されると、コンタクトセクション32は屈曲し、これに代えて又は加えて揺動(ピボット)することにより、チップスイッチングコンタクトポイント39をコンタクトセクション42に対して離間させながら、始端位置から終端位置まで変位する。レバー様に構成されているので、チップスイッチングコンタクトポイント39におけるチップコンタクト30の動きの振幅(大きさ)は、チップコンタクトポイント33におけるそれよりも大きい。
【0060】
リングスイッチングコンタクト60はその端部64に取り付けられているコンタクトセクション62を有する。コンタクトセクション62は中心軸線12に対して垂直な延設部を有し、リングコンタクト50のコンタクトセクション52が始端位置にあるとき、リングコンタクト50のコンタクトセクション52に対してそのリングスイッチングコンタクトポイント59において接続される。リングコンタクト50のコンタクトセクション52は、そのリングスイッチングコンタクトポイント59を例えばリングスイッチングコンタクト60の端部64に位置させている。リングスイッチングコンタクト60のコンタクトセクション62の屈曲部に取り付け部が設けられ、これを介してコンタクトセクション62が端部64までのびている。
【0061】
リングスイッチングコンタクトポイント59と、リングコンタクト50の端部54との間隔が2mm未満であることが好ましく、1mm未満であることが特に好ましい。
【0062】
リングコンタクト50のコンタクトセクション52と、リングスイッチングコンタクト60のコンタクトセクション62とが電気的に接続される場合、両コンタクトセクション52及び62又はその一部が相互に90±20°の範囲の角度に配置されている。
【0063】
コネクションセクション61はリングスイッチングコンタクト60の他方の端部65に取り付けられている。コネクションセクション61及びコンタクトセクション62は相互に傾斜角度をもって直接的に連結され、又はリンク66を介して直線状に連結されている。リンク66の延設部その少なくとも一部が全長にわたり実質的に中心軸線12に対して平行である。リングスイッチングコンタクト60のプラグハウジング10に対する固定のため、コンタクトセクション62の拡張部が設けられ、これがプラグハウジング10の搭載位置68に対して例えば点溶接により固定される。
【0064】
リングコンタクトポイント53及びリングスイッチングコンタクトポイント59は、リングコンタクト50のコンタクトセクション52の延設部の方向であって、中心軸線12に対して垂直な方向について間隔をおいて配置されている。リングスイッチングコンタクトポイント59がリングコンタクトポイント53よりもリングコンタクト50の端部54の近くに配置されている。
【0065】
ジャックプラグが挿入されると、コンタクトセクション52は屈曲し、これに代えて又は加えて揺動(ピボット)することにより、リングスイッチングコンタクトポイント59をコンタクトセクション62に対して離間させながら、始端位置から終端位置まで変位する。レバー様に構成されているので、リングスイッチングコンタクトポイント59におけるリングコンタクト50の動きの振幅(大きさ)は、リングコンタクトポイント53におけるそれよりも大きい。
【0066】
プラグハウジング10の取付端部14の側からジャックソケットを見た場合(すなわち、ジャックプラグが挿入される方向に見た場合)、図8に示されているように、コンタクト20,30,40,50,60のコネクションセクション21,31,41,51,61の端部25,35,45,55,65は仮想的な円上に配置されている。チップコンタクト30、リングコンタクト50、チップスイッチングコンタクト40及びリングスイッチングコンタクト60は、その端部を仮想の矩形の辺上に位置させるように配置されている。スリーブコンタクト20は、その端部を当該矩形の対角線に対して平行に、かつ、当該矩形の1つの隅角の別の矩形の内側に位置させるように配置されている。スリーブコンタクト20に続き、時計回りにリングスイッチングコンタクト60、リングコンタクト50、チップコンタクト30及びチップスイッチングコンタクト40が順に配置されている。
【0067】
中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とする側面図においてコンタクトの各部分に注目すると、異なるコンタクトの部分の間に交差点が存在し、当該交差箇所における中心軸線12からの距離が異なっている。中心軸線12に対して平行な延設部により、リングコンタクト50のリンク56の一部とリングスイッチングコンタクト60のリンク66の一部とが、チップコンタクト30のコンタクトセクション32と交差している(中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、チップコンタクトポイント33及び中心軸線12が重なっている)(図14参照)。リンク56及び66は、コンタクトセクション32よりも中心軸線12との間隔が大きい。
【0068】
スリーブコンタクト20のリンク26は、中心軸線12に対して平行にのびる延設部を有しており、チップスイッチングコンタクト40のコンタクトセクション42及びリングスイッチングコンタクト60のコンタクトセクション62に対して交差している(中心軸線12に対して垂直な方向を視線方向とする側面図においてリンク26及び中心軸線12が重なっている)(図13参照)。リンク26は、コンタクトセクション42,62よりも中心軸線12との間隔が大きい。
【0069】
チップコンタクト30のチップコンタクトポイント33及びリングコンタクト50のリングコンタクトポイント53のそれぞれは、プラグシャフト1の周方向について相互にほぼ反対側の位置においてコンタクトチップ3及びコンタクトリング4のそれぞれに対して当接する(図24及び図25参照)。スリーブコンタクト20のコンタクトセクション22のスリーブコンタクトポイント23は、プラグシャフト1の周方向について前記2つの当接点の間に、好ましくは当該2つの当接点のそれぞれと90°だけずれた位置においてコンタクトスリーブ2に対して当接する。
【0070】
チップコンタクト30の断面図において、コンタクトセクション32の延設部の点であって、チップコンタクトポイント33が存在し、かつ、中心軸線12を通る点において、チップコンタクト30のコンタクトセクション32がコンタクトチップ3に対して凸状の曲線を描くように形成されている指定部分70を有する(図20参照)。指定部分70はV字形状であってもよい。
【0071】
コンタクトセクション32の拡張部71が、プラグハウジング10の取付端部14に向かう方向について指定部分70に取り付けられている。当該断面図においてコンタクトセクション32は拡張部71により、中心軸線12に対して実質的に平行な(中心軸線12に対する傾斜角度が15°未満の)姿勢とされている。指定部分70により、コンタクトセクション32はコンタクトチップ3に対して縮径部3aにおいて係合する。拡張部71により、コンタクトセクション32は、縮径部3aとプラグシャフト1の端部との間の範囲でコンタクトチップ3に対してそのほぼ全周にわたり当接することができる。コンタクトセクション32が縮径部3aに対してかちっとはめられることにより、チップスイッチングコンタクトポイント39のチップスイッチングコンタクト40のコンタクトセクション42に対する接近が制限される。縮径部3aの形成により、チップスイッチングコンタクト40のコンタクトセクション42とチップコンタクト30のコンタクトセクション32との間隔が十分な間隔に維持される。
【0072】
プラグハウジング10の底部10aには、挿入されたジャックプラグのコンタクトチップ3が係合するところの溝部16が設けられ、溝部16はその端部に取り付けられ、プラグシャフト1の挿入を制限する制動部17をその縁部に構成する。その結果、中心軸線12の方向について、縮径部3aを有するコンタクトチップ3が、チップコンタクト30のコンタクトセクション32に対して適当に位置決めされる。
【0073】
本発明のジャックソケットに対してコンタクトリング4がないジャックプラグが挿入されてもよい。この場合、リングコンタクト50及びリングスイッチングコンタクト60は機能しなくてもよい。しかし、リングコンタクト50はジャックプラグの挿入状態においてコンタクトスリーブ2に当接してその終端位置まで動き、リングコンタクト50が(付加的な)スリーブコンタクト20として利用されてもよい。リングスイッチングコンタクト60はスイッチスリーブコンタクトとして用いられてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1‥プラグシャフト、2‥コンタクトスリーブ、3‥コンタクトチップ、3a‥縮径部、4‥コンタクトリング、5‥インシュレータ、6‥インシュレータ、7‥プラグハウジング、8‥中心軸線、10‥プラグハウジング、10a‥底部、11‥収容スペース、12‥中心軸線、13‥挿入端部、14‥取付端部、15‥ソケット、16‥溝部、17‥制動部、20‥スリーブコンタクト、21‥コネクションセクション、22‥コンタクトセクション、23‥スリーブコンタクトポイント、24‥端部、25‥端部、26‥リンク、27‥搭載位置、28‥搭載位置、30‥チップコンタクト、31‥コネクションセクション、32‥コンタクトセクション、33‥チップコンタクトポイント、34‥端部、35‥端部、36‥リンク、37‥支持部、38‥搭載位置、39‥チップスイッチングコンタクトポイント、40‥チップスイッチングコンタクト、41‥コネクションセクション、42‥コンタクトセクション、44‥端部、45‥端部、46‥リンク、48‥搭載位置、50‥リングコンタクト、51‥コネクションセクション、52‥コンタクトセクション、53‥リングコンタクトポイント、54‥端部、55‥端部、56‥リンク、57‥支持部、58‥搭載位置、59‥リングスイッチングコンタクトポイント、60‥リングスイッチングコンタクト、61‥コネクションセクション、62‥コンタクトセクション、64‥端部、65‥端部、66‥リンク、68‥搭載位置、70‥指定部分、71‥拡張部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトチップ(3)を有するプラグシャフト(1)と、コンタクトスリーブ(2)とを備え、必要に応じて前記コンタクトスリーブ(2)と前記コンタクトチップ(3)との間にコンタクトリング(4)が設けられているジャックプラグとの電気的接続を実現するジャックソケットであって、
プラグハウジング(10)と、前記プラグハウジング(10)により支持される、スリーブコンタクト(20)と、チップコンタクト(30)と、チップスイッチングコンタクト(40)とを含む複数のコンタクトと、を備え、
前記プラグハウジング(10)は、その挿入端部(13)から中心軸線(12)の方向に前記ジャックプラグが挿入される収容スペース(11)を有し、
前記スリーブコンタクト(20)は、前記ジャックプラグの前記コンタクトスリーブ(2)に接続されるコンタクトセクション(22)と、前記スリーブコンタクト(20)と電気的接続を実現するコネクションセクション(21)とを有し、
前記チップコンタクト(30)は、その端部に取り付けられ、前記ジャックプラグの挿入中に前記コンタクトチップ(3)により始端位置から終端位置まで動かされ、前記ジャックプラグの挿入状態において前記コンタクトチップ(3)からチップコンタクトポイント(33)に接続されるコンタクトセクション(32)と、前記チップコンタクト(30)との電気的接続を実現するコネクションセクション(31)とを有し、
前記チップスイッチングコンタクト(40)は、前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)が前記始端位置にあるとき当該コンタクトセクション(32)のチップスイッチングコンタクトポイント(39)に当接し、前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)が前記終端位置にあるとき当該コンタクトセクション(32)から離反するコンタクトセクション(42)と、前記チップスイッチングコンタクト(40)との電気的接続を実現するコネクションセクション(41)とを有し、
前記複数のコンタクト(20)(30)(40)の前記コネクションセクション(21)(31)(41)は、前記挿入端部(13)と反対側の前記プラグハウジング(10)の取付端部(14)から突出し、前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して平行な突出部を有し、
前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)は、前記チップコンタクトポイント(33)及び前記チップスイッチングコンタクトポイント(39)を包含する領域において、前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して非平行な少なくとも1つの延設部を有し、
前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)の前記チップコンタクトポイント(33)及び前記チップスイッチングコンタクトポイント(39)は、前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して非平行な方向について離間し、
前記チップコンタクトポイント(33)が、前記チップスイッチングコンタクトポイント(39)よりも、前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)が取り付けられる前記チップコンタクト(30)の前記端部(34)から離間していることを特徴とするジャックソケット。
【請求項2】
請求項1記載のジャックソケットにおいて、
前記プラグハウジング(10)により支持されている前記複数のコンタクトにはリングコンタクト(50)及びリングスイッチングコンタクト(60)が含まれ、
前記リングコンタクト(50)は、その端部に取り付けられ、前記ジャックプラグの挿入中に前記コンタクトリング(4)により始端位置から終端位置に動かされ、前記ジャックプラグの挿入状態において前記コンタクトリング(4)からリングコンタクトポイント(53)に接続されるコンタクトセクション(52)と、前記リングコンタクト(50)との電気的接続を実現するコネクションセクション(51)とを有し、
前記リングスイッチングコンタクト(60)は、前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)が前記始端位置にあるときに、前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)のリングスイッチングコンタクトポイント(59)に当接し、前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)が前記終端位置にあるときに、前記リングスイッチングコンタクトポイント(59)から離反するコンタクトセクション(62)と、前記リングスイッチングコンタクト(60)との電気的接続を実現するコネクションセクション(61)とを有することを特徴とするジャックソケット。
【請求項3】
請求項2記載のジャックソケットにおいて、
前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)は、前記リングコンタクトポイント(53)及び前記リングスイッチングコンタクトポイント(59)を包含する領域において、前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して非平行な少なくとも1つの延設部を有し、
前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)の前記リングコンタクトポイント(53)及び前記リングスイッチングコンタクトポイント(59)は、前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して非平行な方向について離間し、
前記リングコンタクトポイント(53)が、前記リングスイッチングコンタクトポイント(59)よりも、前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)が取り付けられる前記リングコンタクト(50)の前記端部(54)から離れていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項4】
請求項2又は3記載のジャックソケットにおいて、
前記プラグハウジング(10)の前記取付端部(14)において、前記複数のコンタクト(20)(30)(40)(50)(60)の前記コネクションセクション(21)(31)(41)(51)(61)の端部(25)(35)(45)(55)(65)は仮想の円上に配置され、当該円の周方向に前記スリーブコンタクト(20)を基準として時計回りに前記リングスイッチングコンタクト(60)、リングコンタクト(50)、チップコンタクト(30)及び前記チップスイッチングコンタクト(40)の順に配置されていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、前記ジャックソケットは異なるコンタクトの部間の交差点を有し、
交差部分の前記プラグハウジング(10)の前記収容スペース(11)の中心軸線(12)からの距離が異なることを特徴とするジャックソケット。
【請求項6】
請求項2〜5のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記リングコンタクト(50)及び前記リングスイッチングコンタクト(60)のそれぞれが、前記コンタクトセクション(52)(62)と前記リングコンタクト(50)及び前記リングスイッチングコンタクト(60)のそれぞれとを接続し、少なくとも部分的に前記プラグハウジング(10)の前記収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して平行にのびる延設部を有するリンク(56)(66)を備えていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項7】
請求項6記載のジャックソケットにおいて、
前記収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、前記リングコンタクト(50)の前記リンク(56)及び前記リングスイッチングコンタクト(60)の前記リンク(66)が、前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)との交差点を有し、かつ、当該交差点において前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)よりも前記収容スペース(11)の中心軸線(12)から離れていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記スリーブコンタクト(20)が、その前記コンタクトセクション(22)と前記コネクションセクション(21)とを接続し、少なくとも部分的に前記収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して平行にのびる延設部を有するリンク(26)を備えていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項9】
請求項8記載のジャックソケットにおいて、
前記収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、前記スリーブコンタクト(20)の前記リンク(26)が、前記リングスイッチングコンタクト(60)の前記コンタクトセクション(62)及び前記チップスイッチングコンタクト(40)の前記コンタクトセクション(42)のそれぞれとの交差点を有し、かつ、当該交差点において前記リングスイッチングコンタクト(60)の前記コンタクトセクション(62)及び前記チップスイッチングコンタクト(40)の前記コンタクトセクション(42)よりも前記収容スペース(11)の中心軸線(12)から離れていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項10】
請求項6〜9のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記リングコンタクト(50)の前記リンク(56)が、前記収容スペース(11)の前記中心軸線(12)に対して平行な延設部を有する第1部分と、前記収容スペース(11)の前記中心軸線(12)に対して垂直な延設部を有する第2部分とを有し、
前記リンク(56)の前記第2部分が、前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)に取り付けられ、前記リンク(56)の前記第1部分が、前記リンク(56)の前記第2部分を前記リングコンタクト(50)の前記コネクションセクション(51)に接続することを特徴とするジャックソケット。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記チップコンタクト(30)が、その前記コンタクトセクション(32)と前記コネクションセクション(31)とを接続し、少なくとも部分的に前記収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して垂直にのびる延設部を有するリンク(36)を備えていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項12】
請求項1〜11のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記チップコンタクト(30)の前記コネクションセクション(31)の端部(35)及び前記コンタクトセクション(32)の前記チップコンタクトポイント(33)が、前記収容スペース(11)の中心軸線(12)の回りの周方向に90°より大きく離間して配置されていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項13】
請求項2〜11のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記リングコンタクト(50)の前記コネクションセクション(51)の端部(55)及び前記コンタクトセクション(52)の前記リングコンタクトポイント(53)が、前記収容スペース(11)の中心軸線(12)の回りの周方向に90°より大きく離間して配置されていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項14】
請求項1〜13のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)の前記チップコンタクトポイント(33)及び前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)の前記リングコンタクトポイント(53)が、前記収容スペース(11)の中心軸線(12)の回りの周方向に120°以上離間して配置されていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項15】
請求項1〜14のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記チップコンタクト(30)の前記コネクションセクション(32)を通り、前記チップコンタクトポイント(33)及び前記収容スペース(11)の前記中心軸線(12)を通る断面図において、前記チップコンタクト(30)の前記コネクションセクション(32)が、前記コンタクトチップ(3)に向かう凸状又はV字形状部分(30)であって、前記プラグハウジング(10)の前記取付端部(14)に向かう方向にのびる拡張部(31)に続く部分を有し、
前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)を通り、前記チップコンタクトポイント(33)及び前記収容スペース(11)の前記中心軸線(12)を通る断面図において、前記コンタクトセクション(32)の延設方向が前記収容スペース(11)の前記中心軸線(12)に対して15°未満の角度で近接していることを特徴とするジャックソケット。
【請求項16】
請求項1〜15のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記プラグハウジング(10)が、前記収容スペース(11)を少なくとも部分的に前記プラグハウジング(10)の前記取付端部(14)に接近させ、かつ、前記プラグシャフト(1)の挿入を制限するための前記コンタクトチップ(3)の制動部(17)を構成する底部(10a)を有することを特徴とするジャックソケット。
【請求項17】
請求項16記載のジャックソケットにおいて、
前記プラグハウジング(10)の前記底部(16a)が、前記ジャックプラグの挿入状態において前記コンタクトチップ(3)の端部が嵌入される溝部(16)を備え、前記溝部(16)の縁部が前記コンタクトチップ(3)の前記制動部(17)を構成することを特徴とするジャックソケット。
【請求項1】
コンタクトチップ(3)を有するプラグシャフト(1)と、コンタクトスリーブ(2)とを備え、必要に応じて前記コンタクトスリーブ(2)と前記コンタクトチップ(3)との間にコンタクトリング(4)が設けられているジャックプラグとの電気的接続を実現するジャックソケットであって、
プラグハウジング(10)と、前記プラグハウジング(10)により支持される、スリーブコンタクト(20)と、チップコンタクト(30)と、チップスイッチングコンタクト(40)とを含む複数のコンタクトと、を備え、
前記プラグハウジング(10)は、その挿入端部(13)から中心軸線(12)の方向に前記ジャックプラグが挿入される収容スペース(11)を有し、
前記スリーブコンタクト(20)は、前記ジャックプラグの前記コンタクトスリーブ(2)に接続されるコンタクトセクション(22)と、前記スリーブコンタクト(20)と電気的接続を実現するコネクションセクション(21)とを有し、
前記チップコンタクト(30)は、その端部に取り付けられ、前記ジャックプラグの挿入中に前記コンタクトチップ(3)により始端位置から終端位置まで動かされ、前記ジャックプラグの挿入状態において前記コンタクトチップ(3)からチップコンタクトポイント(33)に接続されるコンタクトセクション(32)と、前記チップコンタクト(30)との電気的接続を実現するコネクションセクション(31)とを有し、
前記チップスイッチングコンタクト(40)は、前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)が前記始端位置にあるとき当該コンタクトセクション(32)のチップスイッチングコンタクトポイント(39)に当接し、前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)が前記終端位置にあるとき当該コンタクトセクション(32)から離反するコンタクトセクション(42)と、前記チップスイッチングコンタクト(40)との電気的接続を実現するコネクションセクション(41)とを有し、
前記複数のコンタクト(20)(30)(40)の前記コネクションセクション(21)(31)(41)は、前記挿入端部(13)と反対側の前記プラグハウジング(10)の取付端部(14)から突出し、前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して平行な突出部を有し、
前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)は、前記チップコンタクトポイント(33)及び前記チップスイッチングコンタクトポイント(39)を包含する領域において、前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して非平行な少なくとも1つの延設部を有し、
前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)の前記チップコンタクトポイント(33)及び前記チップスイッチングコンタクトポイント(39)は、前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して非平行な方向について離間し、
前記チップコンタクトポイント(33)が、前記チップスイッチングコンタクトポイント(39)よりも、前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)が取り付けられる前記チップコンタクト(30)の前記端部(34)から離間していることを特徴とするジャックソケット。
【請求項2】
請求項1記載のジャックソケットにおいて、
前記プラグハウジング(10)により支持されている前記複数のコンタクトにはリングコンタクト(50)及びリングスイッチングコンタクト(60)が含まれ、
前記リングコンタクト(50)は、その端部に取り付けられ、前記ジャックプラグの挿入中に前記コンタクトリング(4)により始端位置から終端位置に動かされ、前記ジャックプラグの挿入状態において前記コンタクトリング(4)からリングコンタクトポイント(53)に接続されるコンタクトセクション(52)と、前記リングコンタクト(50)との電気的接続を実現するコネクションセクション(51)とを有し、
前記リングスイッチングコンタクト(60)は、前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)が前記始端位置にあるときに、前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)のリングスイッチングコンタクトポイント(59)に当接し、前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)が前記終端位置にあるときに、前記リングスイッチングコンタクトポイント(59)から離反するコンタクトセクション(62)と、前記リングスイッチングコンタクト(60)との電気的接続を実現するコネクションセクション(61)とを有することを特徴とするジャックソケット。
【請求項3】
請求項2記載のジャックソケットにおいて、
前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)は、前記リングコンタクトポイント(53)及び前記リングスイッチングコンタクトポイント(59)を包含する領域において、前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して非平行な少なくとも1つの延設部を有し、
前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)の前記リングコンタクトポイント(53)及び前記リングスイッチングコンタクトポイント(59)は、前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して非平行な方向について離間し、
前記リングコンタクトポイント(53)が、前記リングスイッチングコンタクトポイント(59)よりも、前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)が取り付けられる前記リングコンタクト(50)の前記端部(54)から離れていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項4】
請求項2又は3記載のジャックソケットにおいて、
前記プラグハウジング(10)の前記取付端部(14)において、前記複数のコンタクト(20)(30)(40)(50)(60)の前記コネクションセクション(21)(31)(41)(51)(61)の端部(25)(35)(45)(55)(65)は仮想の円上に配置され、当該円の周方向に前記スリーブコンタクト(20)を基準として時計回りに前記リングスイッチングコンタクト(60)、リングコンタクト(50)、チップコンタクト(30)及び前記チップスイッチングコンタクト(40)の順に配置されていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記プラグハウジング(10)の収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、前記ジャックソケットは異なるコンタクトの部間の交差点を有し、
交差部分の前記プラグハウジング(10)の前記収容スペース(11)の中心軸線(12)からの距離が異なることを特徴とするジャックソケット。
【請求項6】
請求項2〜5のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記リングコンタクト(50)及び前記リングスイッチングコンタクト(60)のそれぞれが、前記コンタクトセクション(52)(62)と前記リングコンタクト(50)及び前記リングスイッチングコンタクト(60)のそれぞれとを接続し、少なくとも部分的に前記プラグハウジング(10)の前記収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して平行にのびる延設部を有するリンク(56)(66)を備えていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項7】
請求項6記載のジャックソケットにおいて、
前記収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、前記リングコンタクト(50)の前記リンク(56)及び前記リングスイッチングコンタクト(60)の前記リンク(66)が、前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)との交差点を有し、かつ、当該交差点において前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)よりも前記収容スペース(11)の中心軸線(12)から離れていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記スリーブコンタクト(20)が、その前記コンタクトセクション(22)と前記コネクションセクション(21)とを接続し、少なくとも部分的に前記収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して平行にのびる延設部を有するリンク(26)を備えていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項9】
請求項8記載のジャックソケットにおいて、
前記収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して垂直な方向を視線方向とする側面図において、前記スリーブコンタクト(20)の前記リンク(26)が、前記リングスイッチングコンタクト(60)の前記コンタクトセクション(62)及び前記チップスイッチングコンタクト(40)の前記コンタクトセクション(42)のそれぞれとの交差点を有し、かつ、当該交差点において前記リングスイッチングコンタクト(60)の前記コンタクトセクション(62)及び前記チップスイッチングコンタクト(40)の前記コンタクトセクション(42)よりも前記収容スペース(11)の中心軸線(12)から離れていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項10】
請求項6〜9のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記リングコンタクト(50)の前記リンク(56)が、前記収容スペース(11)の前記中心軸線(12)に対して平行な延設部を有する第1部分と、前記収容スペース(11)の前記中心軸線(12)に対して垂直な延設部を有する第2部分とを有し、
前記リンク(56)の前記第2部分が、前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)に取り付けられ、前記リンク(56)の前記第1部分が、前記リンク(56)の前記第2部分を前記リングコンタクト(50)の前記コネクションセクション(51)に接続することを特徴とするジャックソケット。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記チップコンタクト(30)が、その前記コンタクトセクション(32)と前記コネクションセクション(31)とを接続し、少なくとも部分的に前記収容スペース(11)の中心軸線(12)に対して垂直にのびる延設部を有するリンク(36)を備えていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項12】
請求項1〜11のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記チップコンタクト(30)の前記コネクションセクション(31)の端部(35)及び前記コンタクトセクション(32)の前記チップコンタクトポイント(33)が、前記収容スペース(11)の中心軸線(12)の回りの周方向に90°より大きく離間して配置されていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項13】
請求項2〜11のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記リングコンタクト(50)の前記コネクションセクション(51)の端部(55)及び前記コンタクトセクション(52)の前記リングコンタクトポイント(53)が、前記収容スペース(11)の中心軸線(12)の回りの周方向に90°より大きく離間して配置されていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項14】
請求項1〜13のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)の前記チップコンタクトポイント(33)及び前記リングコンタクト(50)の前記コンタクトセクション(52)の前記リングコンタクトポイント(53)が、前記収容スペース(11)の中心軸線(12)の回りの周方向に120°以上離間して配置されていることを特徴とするジャックソケット。
【請求項15】
請求項1〜14のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記チップコンタクト(30)の前記コネクションセクション(32)を通り、前記チップコンタクトポイント(33)及び前記収容スペース(11)の前記中心軸線(12)を通る断面図において、前記チップコンタクト(30)の前記コネクションセクション(32)が、前記コンタクトチップ(3)に向かう凸状又はV字形状部分(30)であって、前記プラグハウジング(10)の前記取付端部(14)に向かう方向にのびる拡張部(31)に続く部分を有し、
前記チップコンタクト(30)の前記コンタクトセクション(32)を通り、前記チップコンタクトポイント(33)及び前記収容スペース(11)の前記中心軸線(12)を通る断面図において、前記コンタクトセクション(32)の延設方向が前記収容スペース(11)の前記中心軸線(12)に対して15°未満の角度で近接していることを特徴とするジャックソケット。
【請求項16】
請求項1〜15のうちいずれか1つに記載のジャックソケットにおいて、
前記プラグハウジング(10)が、前記収容スペース(11)を少なくとも部分的に前記プラグハウジング(10)の前記取付端部(14)に接近させ、かつ、前記プラグシャフト(1)の挿入を制限するための前記コンタクトチップ(3)の制動部(17)を構成する底部(10a)を有することを特徴とするジャックソケット。
【請求項17】
請求項16記載のジャックソケットにおいて、
前記プラグハウジング(10)の前記底部(16a)が、前記ジャックプラグの挿入状態において前記コンタクトチップ(3)の端部が嵌入される溝部(16)を備え、前記溝部(16)の縁部が前記コンタクトチップ(3)の前記制動部(17)を構成することを特徴とするジャックソケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−160452(P2012−160452A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−18870(P2012−18870)
【出願日】平成24年1月31日(2012.1.31)
【出願人】(501016102)ノイトリーク・アクティエンゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月31日(2012.1.31)
【出願人】(501016102)ノイトリーク・アクティエンゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】
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