説明

ジャンプ傘

【課題】本発明はジャンプ傘に関し、スプリングの附勢力を利用して自動的に開傘を行うジャンプ傘に関し、例えば傘の骨材が折損したり、もしくは、各骨材を枢着しているヒンジ部品が壊れた時の修繕時に、作業の能率化と、安全化とをはかるものである。
【解決手段】ジャンプ傘の下ロクロ7が、スプリング9の下方部を収容可能な略筒状の上方本体部7Aと、下端9bが当接する円盤状の底板部11を有して上方本体部に固定手段12を介して着脱可能に取付けられる下部部材7Bと、により構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスプリングの附勢力を利用して自動的に開傘を行うジャンプ傘に関し、例えば傘の骨材が折損したり、もしくは、各骨材を枢着しているヒンジ部品が壊れた時の修繕時の容易さ、及びリサイクル時の分別作業の容易さと能率化と安全性をはかるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ジャンプ傘として、例えば中棒と、前記中棒に摺動可能に外嵌される環状の中ロクロおよびスライダとしての略筒状の下ロクロと、前記中ロクロと前記下ロクロとに、その上端および下端が当接されて前記中ロクロおよび前記下ロクロ間に介在されることにより、常時前記中棒の先端に設ける石突き方向へ前記中ロクロおよび前記下ロクロをばね附勢するスプリングと、前記スプリングの附勢力による前記下ロクロおよび前記中ロクロの石突き方向への移動を規制し把手部近くにて前記下ロクロに係脱可能であって前記移動を規制するはじきを設けたロック機構部と、を備え、開傘時においては、前記スプリングの伸長によるばね附勢力により前記中ロクロが前記下ロクロを随伴しながら前記石突き方向の開傘の位置へ摺動されることにより、中棒の先端に設けられた上ロクロに一端が枢着されている親骨を、中ロクロに一端が枢着されて他端が前記親骨の中間部に枢着されている受骨と、一端が前記下ロクロに枢着されて他端が前記受骨の略中間に枢着された支骨と、のリンク動作により拡開し、傘布を拡げて開傘を行うものが知られている。また、閉傘時においては、前記中ロクロおよび前記下ロクロが、前記スプリングのばね附勢力に抗して把手部方向へと、閉傘位置に摺動されることにより、受骨と、支骨とを介して親骨を窄め、閉傘が行われるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−14758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の従来のジャンプ傘では、スプリングの附勢力を利用して傘を自動的に開傘するために、スプリングが、その上端および下端を前記中ロクロおよび前記下ロクロに当接させる格好で前記中ロクロおよび前記下ロクロ間に介装されることにより中棒に摺動可能に外挿されているので、例えば親骨、受骨、支骨のような傘の骨材が折損したり、もしくは、各骨材を枢着しているヒンジ部品が壊れた時の修繕時に開傘させて修繕作業を行おうとすると、スプリングの附勢力により中ロクロおよび下ロクロが中棒に対して石突き側に摺動されて完全に開傘されてしまうようになり、そのために親骨はもとより、受骨、支骨には、スプリングの附勢力による、開傘時の力が作用することにより強い張力が加わるようになり、折損している骨材の接合端相互を繋ぎ合わせたり、壊れたヒンジ部品の交換作業を行うのに、修繕作業がし難く、作業には多くの時間および手間がかかり、非能率的であった。そのために、従来、ジャンプ傘の修繕を行うのには、スプリングの附勢力により中ロクロおよび下ロクロが石付き側へ摺動されて完全に開傘されてしまうのを阻止するために、例えばクリップのような治具を中棒に取り付けて、石突き側へ移動しようとする中ロクロがクリップに突き当たってその移動が阻止されるようにし、傘を半開きにした状態でスプリングの附勢力による開傘時の力が親骨等に作用しない状態で修繕を行う必要があり、修繕時の作業性が非常に悪かった。
【0005】
しかも、特許文献1に記載された従来のジャンプ傘では、修繕作業中に中棒に取り付けられたクリップが外れてスプリングの附勢力によって急に開傘する場合があり、折損した骨材が不自然な格好で飛び出す場合があり、作業者が不用意な怪我をするおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は上記従来の問題点を解決し、中ロクロと下ロクロとの間に介在するスプリングの親骨、受骨等の傘骨に作用する開傘時における附勢力を解くことにより、ジャンプ傘の修繕作業の能率化と、安全化とをはかることができるジャンプ傘を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の発明は、
中棒と、前記中棒の先端に取付けた上ロクロに一端が枢着されて開閉される複数本の親骨と、前記中棒に摺動自在に外嵌される中ロクロに一端が枢着されて他端が前記親骨の略中間部に枢着された複数本の受骨と、前記中ロクロに対向して前記中棒に摺動自在に把手部側に設けた下ロクロに一端が枢着されて他端が前記受骨に連結された複数本の引線と、前記中ロクロと前記下ロクロとの間に介在したスプリングと、把手部近くにて前記下ロクロに係脱可能であって前記移動を規制するはじきを設けたロック機構部と、を備え、該スプリングの附勢力により前記中ロクロと前記下ロクロとを石突き側に移動させて開傘させるジャンプ傘において、
前記下ロクロが、前記スプリングの下端部を収容可能な略筒状の上方本体部と、前記スプリングの下端が当接する底板部を有して前記上方本体部に固定手段を介して着脱可能に取付けられる下部部材と、により構成されている、
ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記固定手段が、前記底板部の外周に設けられた雄ねじと、前記雄ねじが螺合可能に前記上方本体部の他端内周に設けられた雌ねじとにより構成される螺合手段であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または2において、前記中棒の先端部側には、略筒状をなすストッパ材が上ロクロと前記中ロクロとの間にスプリング材を介して着脱可能に外挿されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4記載の発明は、請求項3において、前記受骨が、開傘時又は閉傘時の通常時には、一端を前記親骨に枢着されるとともに他端が前記受骨に枢着された短寸のリンク状をなすヒンジ部品を介して前記親骨に連結され、必要時には、前記ストッパ材を前記中棒から脱挿させて前記ヒンジ部品を前記受骨が回動する延長方向に回転して伸長することにより前記親骨を開傘時の状態から反転させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5記載の発明は、請求項1−4の何れか1項において、中棒の先端に設ける石突きが貫通可能になる挿通孔を中央に有する傘布を陣笠と前記上ロクロとの間に介在し、前記陣笠が前記傘布を介して前記上ロクロに着脱自在に取付けられることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の請求項6の記載の発明は、請求項1−4の何れか1項において、中棒の先端に設ける上ロクロと、該上ロクロの上端の基端部に着脱自在に取付けられる石突きと、該石突きの下端に固定された陣笠と、前記上ロクロの前記基端部が貫通可能になる挿通孔を中央に有するとともに、前記上ロクロと前記陣笠との間に挟持される傘布と、が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、中棒と、前記中棒の先端に取付けた上ロクロに一端が枢着されて開閉される複数本の親骨と、前記中棒に摺動自在に外嵌される中ロクロに一端が枢着されて他端が前記親骨の略中間部に枢着された複数本の受骨と、前記中ロクロに対向して前記中棒に摺動自在に把手部側に設けた下ロクロに一端が枢着されて他端が前記受骨に連結された複数本の引線と、前記中ロクロと前記下ロクロとの間に介在したスプリングと、把手部近くにて前記下ロクロに係脱可能であって前記移動を規制するはじきを設けたロック機構部と、を備え、該スプリングの附勢力により前記中ロクロと前記下ロクロとを石突き側に移動させて開傘させるジャンプ傘において、前記下ロクロが、前記スプリングの下端部を収容可能な略筒状の上方本体部と、前記スプリングの下端が当接する底板部を有して前記上方本体部に固定手段を介して着脱可能に取付けられる下部部材と、により構成されているので、例えば親骨、受骨、引線のような傘の骨材が折損したり、もしくは、各骨材を枢着しているヒンジ部品が壊れた時の修繕時には、下ロクロの上方本体部から下部部材を固定手段を介して分解することにより中ロクロと下ロクロとの間に介在したスプリングの附勢を解放する。
【0014】
そして、上記のように下ロクロの上方本体部から下部部材を固定手段を介して分解することにより中ロクロと下ロクロとの間に介在したスプリングの附勢を解放し、親骨、受骨、引線のような傘の骨材にスプリングによる附勢力が働らかない状態を確保すると、傘骨を容易に半開きに維持することができ、骨材の折損を繋ぎ合わせたり、もしくは、各骨材を枢着するヒンジ部品の壊れた個所を交換する場合に傘布の先端に設けられたつゆ先から親骨の先端を脱嵌させて傘布を親骨から取外すことにより、傘の修繕が容易かつ確実に行える。従って、中ロクロと下ロクロとを常時ばね附勢するスプリングの上端および下端が前記中ロクロおよび前記下ロクロに当接される格好で前記中ロクロおよび前記下ロクロ間に介装されることにより中棒に摺動可能に外挿されている例えば特許文献1に記載の従来のジャンプ傘のように、開傘と同時にスプリングの附勢力により勢い良く折損した骨材が不自然な格好で飛び出すという不用意な怪我を防げ、安全にかつ能率的に修繕作業を行うことができる。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1において、前記固定手段が、前記底板部の外周に設けられた雄ねじと、前記雄ねじが螺合可能に前記上方本体部の他端内周に設けられた雌ねじとにより構成される螺合手段であるので、下ロクロの上方本体部から固定手段を介して下部部材を分解することにより、下ロクロと中ロクロとを常時ばね附勢しているスプリングのばね附勢力を完全に解放できるため、中ロクロにはスプリングの附勢力は働かなくなり、親骨、受骨、引線のような傘の骨材にスプリングによる附勢力が働らかない状態を確保すると、傘骨を半開きに維持することができ、骨材の折損を繋ぎ合わせたり、もしくは、各骨材を枢着するヒンジ部品の壊れた個所を交換することができ、傘の修繕が容易かつ確実に行える。従って、中ロクロと下ロクロとを常時ばね附勢するスプリングの上端および下端が前記中ロクロおよび前記下ロクロに当接される格好で前記中ロクロおよび前記下ロクロ間に介装されることにより中棒に摺動可能に外挿されている例えば特許文献1に記載の従来のジャンプ傘のように、開傘と同時にスプリングの附勢力により勢い良く折損した骨材が不自然な格好で飛び出すことによる不用意な怪我を防げ、安全にかつ能率的に修繕作業を行うことができる。
【0016】
また、本発明の請求項3記載の発明によれば、請求項1または2において、前記中棒の先端部側には、略筒状をなすストッパ材が上ロクロと前記中ロクロとの間にスプリング材を介して着脱可能に外挿されているので、開傘時には、スプリング材のばね附勢力により前記中ロクロと前記下ロクロとを中棒に外挿した状態で石突き側に移動され、中ロクロがストッパ材に当接されて移動が規制され、開傘が行われる。この際、上ロクロと中ロクロとの間にはスプリング材が介装されているため、開傘時にスプリングの附勢力により石突き側に移動される中ロクロがストッパ材に衝突されると、スプリング材により衝撃が緩衝され、中ロクロの急激な移動をストッパ材により確実に停止することができる。そして、例えばストッパ材の外周の軸長方向には例えば縦割溝が設けられているので、中棒に対するストッパ材の取付けまたは取外しが容易かつ確実に行える。
【0017】
そして、ストッパ材を中棒から取外せば、スプリングがその分、伸長され、その附勢力が中ロクロを介して親骨、受骨、引線のような傘の骨材に及ぶのを緩和されるので、陣笠を中棒の基端部から取外すことにより上ロクロ、および中ロクロを中棒から抜出さなくても、前述のように、下ロクロの上方本体部から固定手段を介して下部部材を分解して中ロクロと下ロクロとの間に介在したスプリングの附勢を解放するのが、一層容易になる。このため、親骨、受骨、引線のような傘の骨材にスプリングによる附勢力を働らかないようにした状態で傘骨を開くことにより、骨材の折損を繋ぎ合わせたり、もしくは、各骨材を枢着するヒンジ部品の壊れた個所を交換することができ、傘の修繕が一層容易かつ確実に行える。
【0018】
また、本発明の請求項4記載の発明によれば、請求項3において、前記受骨が、開傘時又は閉傘時の通常時には、一端を前記親骨に枢着されるとともに他端が前記受骨に枢着された短寸のリンク状をなすヒンジ部品を介して前記親骨に連結され、必要時には、前記ストッパ材を前記中棒から脱挿させて前記ヒンジ部品を前記受骨が回動する延長方向に回転して伸長することにより前記親骨を開傘時の状態から反転させるので、傘を開傘時の状態から反転(いわゆるお猪口)状態にするのに、親骨と受骨とを連結している短寸のリンク状をなすヒンジ部品が受骨の延長方向に転回して伸び、親骨の反転を促すため、親骨の反転(いわゆる、お猪口)により、傘布を親骨から簡単に取外すことができる。このため、親骨、受骨、引線のような傘の骨材が折損したり、もしくは、各骨材を枢着しているヒンジ部品が壊れた時の修繕を容易かつ確実に行える。
【0019】
また、本発明の請求項5記載の発明によれば、請求項1−4の何れか1項において、中棒の先端に設ける石突きが貫通可能になる挿通孔を中央に有する傘布を陣笠と前記上ロクロとの間に介在し、前記陣笠が前記傘布を介して前記上ロクロに着脱自在に取付けられるので、上ロクロから陣笠を取外せば、下ロクロの上方本体部から固定手段を介して下部部材を分解して中ロクロと下ロクロとの間に介在したスプリングの附勢を解放することにより、親骨を開傘時とは反転(いわゆるお猪口)状態にすることができ、傘布を親骨から取り外すのが容易になり、親骨、受骨、引線のような傘の骨材にスプリングによる附勢力を働らかないようにした状態で傘骨を開くと、骨材の折損を繋ぎ合わせたり、もしくは、各骨材を枢着するヒンジ部品の壊れた個所を交換することができ、傘の修繕が一層容易かつ確実に行える。
【0020】
さらに、本発明の請求項6の記載の発明によれば、請求項1−4の何れか1項において、中棒の先端に設ける上ロクロと、該上ロクロの上端の基端部に着脱自在に取付けられる石突きと、該石突きの下端に固定された陣笠と、前記上ロクロの前記基端部が貫通可能になる挿通孔を中央に有するとともに、前記上ロクロと前記陣笠との間に挟持される傘布と、が設けられているので、上ロクロから石突きを取外せば、下ロクロの上方本体部から固定手段を介して下部部材を分解して中ロクロと下ロクロとの間に介在したスプリングの附勢を解放することにより、親骨を開傘時とは反転(いわゆるお猪口)状態にすることができ、傘布を親骨から取り外すのが容易になり、親骨、受骨、引線のような傘の骨材にスプリングによる附勢力を働らかないようにした状態で傘骨を開くと、骨材の折損を繋ぎ合わせたり、もしくは、各骨材を枢着するヒンジ部品の壊れた個所を交換することができ、傘の修繕が一層容易かつ確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は本発明のジャンプ傘の実施形態1を示す断面図である。
【図2】図2は同じくストッパ材を回転した状態の断面図である。
【図3】図3は同じく本実施形態1を構成する陣笠を中棒の先端から取外して中ロクロおよび下ロクロを先端側に移動した状態の断面図である。
【図4】図4は同じく下ロクロの上方本体部と下部部材とを分解し、スプリングのばね附勢力を解放した状態の断面図である。
【図5】図5は同じく本実施形態1を構成する親骨を反転させた状態を示す断面図である。
【図6】図6は同じく本実施形態1を構成する中ロクロおよび下ロクロと、中ロクロと下ロクロとを、それらの間に介在したスプリングによりばね附勢している状態を示す拡大断面図である。
【図7】図7は同じく下ロクロを分解し、中ロクロと下ロクロとの間に介在したスプリングのばね附勢を解放した状態を示す拡大断面図である。
【図8】図8は本実施形態1を構成するヒンジ部品が、親骨と受骨とに連結されている状態を示す拡大斜視図である。
【図9】図9は本発明のジャンプ傘の実施形態2を示す拡大断面図である。
【図10】図10は同じく本実施形態2において、石突きを陣笠と一緒に中棒の先端から取り外して親骨を反転させた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に従って本発明を実施するための最良の形態ににつき、詳細に説明する。
【0023】
<実施形態1>
本実施形態1は、中棒1と、前記中棒1の先端に取付けた上ロクロ2に一端が枢着されて開閉される複数本の親骨3と、前記中棒1に摺動自在に外嵌される中ロクロ4に一端が枢着されて他端が前記親骨3の略中間部に枢着された複数本の受骨5と、前記中ロクロ4に対向して前記中棒1に摺動自在に把手部6側に設けた下ロクロ7に一端が枢着されて他端が前記受骨5に連結された複数本の引線8と、前記中ロクロ4と前記下ロクロ7との間に介在したスプリング9と、把手部6近くにて前記下ロクロ7に係脱可能であって前記移動を規制するはじき14Bを設けたロック機構部14と、を備え、該スプリング9の附勢力により前記中ロクロ4と前記下ロクロ7とを石突き10側に移動させて開傘させるジャンプ傘における点は、例えば特許文献1に記載されたジャンプ傘と同様の構成である。
【0024】
しかしながら、本実施形態1では、前記下ロクロ7が、前記スプリング9の下端部を収容可能な略筒状の上方本体部7Aと、前記スプリング9の下端9bが当接する底板部11を有して前記上方本体部7Aに固定手段12を介して着脱可能に取付けられる下部部材7Bと、により構成されていることを特徴とする。
【0025】
前記中棒1は、例えば金属パイプにより形成される。また、前記中ロクロ4は例えば合成樹脂や金属により平面視環状に形成される。また、前記下ロクロ7は、例えば金属または合成樹脂により形成される。また、前記石突き10は金属または合成樹脂により形成される。10aは陣笠であり、この陣笠10aは中棒1の先端に設ける石突き10が貫通されるように外形が略円錐台形をなし、内周には前記上ロクロ2の上面に突出する円筒状の上方の基端部2Aの外周に設けた雄ねじ部N1に螺合されて着脱可能となる雌ねじ部N2を有する。そして、前記把手部6は、例えば合成樹脂、木材により形成されるほか、石膏により芯材部を形成するとともに、その芯材部の表面を合成樹脂ビニール、人造皮革により覆うことにより形成される。また、前記上ロクロ2は例えば金属または合成樹脂により形成される。
【0026】
図6,および図7に示すように、前記上方本体部7Aが、前記スプリング9の外周径φ1より大径の内周径φ2を有する大径筒部に形成され、前記下部部材7Bは、前記中棒1が摺動可能になる小径筒部に形成されるとともに、前記小径筒部の一端外周には前記大径筒部に前記固定手段12を介して取付けられて前記スプリング9の下端9bが密接する前記底板部11が設けられて前記小径筒部の他端外周には外鍔部13が設けられている。そして、前記上方本体部7Aの長さL1と、前記下部部材7Bの長さL2とは自由に設定され、その増減変更は自由に行える。
【0027】
前記固定手段12が、本実施形態1では図6,および図7に示すように、前記底板部11の外周に設けられた雄ねじ11aと、前記雄ねじ11aが螺合可能に前記上方本体部7Aの他端内周に設けられた雌ねじ11bとにより構成される螺合手段であるが、この固定手段12は代表的例示であり、下ロクロ7の上方本体部7Aに下方部材7Bを着脱自在に取付けるための固定手段12としては、上記螺合手段に限ることなく、図には示さないが、例えば突部と、前記突部が係脱可能になる凹部とよりなる係合手段により構成されるか、もしくは、前記底板部11の外周に設けられた係合突部と、前記係合突部が係脱可能に前記上方本体部7Aの他端内周に設けられた係合凹部とにより構成されるバイヨネット手段により構成されるか、または、前記上方本体部7Aおよび前記下部部材7Bが合成樹脂により形成されている場合には、合成樹脂の弾性的な塑性変形を利用して前記突部と前記凹部とを嵌着する嵌合手段により構成されるものであってもよい。
【0028】
14は前記下ロクロ7を閉傘位置に係止して移動を規制したり、または規制を解除して開傘を行うためのロック機構部であり、このロック機構部14は、公知のものと同様に、操作ボタン14Aを前記中棒1に内装された図示しないばね材の附勢力に抗して押圧したり、または押圧を解放することにより中棒1に対しはじき14Bが出没自在になり、前記はじき14Bが下ロクロ7の前記下部部材7Bに設けられた係合孔15に係脱可能になる。
【0029】
16は略筒状をなすストッパ材であり、このストッパ材16は例えば図2に示すように、外周の軸長方向に縦割溝16aを有し、前記中棒1の先端部側、すなわち前記上ロクロ2と前記中ロクロ4との間にスプリング材Sを介して着脱可能に外嵌されるが、ストッパ材16の外周に軸長方向16aに縦割溝16aを設けたのは、ストッパ材16を中棒1に外嵌するための代表的例示であり、ストッパ材16を中棒1に着脱するためには図示するものに限らず、図には示さないが、例えば蝶着部を有する開閉可能な2つ割構造のものでもよい。そして、このストッパ材16は、開傘時にスプリング9のばね附勢力による中ロクロ4の移動を確実に停止するためのものである。
【0030】
前記親骨3は上ロクロ2の下方外周の支持部2aに、一端が枢着されて開閉可能に設けられる。17は図8に示すように一端を開傘時又は閉傘時の通常時には、前記親骨3に枢着するとともに他端を受骨5に枢着された短寸のリンク状をなすヒンジ部品であり、このヒンジ部品17を介して前記受骨5が前記親骨3に連結されている。そして、必要時には、石突き10を中棒1から取外さないでも、前記ストッパ材16を前記中棒1から脱挿させて前記ヒンジ部品17を前記受骨5が回動する延長方向に回転して伸長することにより前記親骨3を開傘時の状態から反転させることができる。また、前記親骨3、および前記受骨5は、金属または合成樹脂により形成される。
【0031】
18は傘布であり、この傘布18は、例えば雨傘としては合成繊維布、合成樹脂ビニールシートにより形成され、また、傘布18は日傘としては例えば合成繊維布、木綿もしくは、麻よりなる天然繊維布が用いられる。そして、傘布18は、中棒1の先端に設ける石突き10が貫通可能になる挿通孔18aを中央に有し、陣笠10aと前記上ロクロ2との間に介在されて挟持され、そして、その外周に設けられた複数個のつゆ先19が前記親骨3の先端に嵌脱可能に嵌入されるほか、数箇所で親骨3に縫着されることにより、親骨3に取付けられる。
【0032】
本実施形態1のジャンプ傘は以上の構成からなり、開傘して使用する場合には、ロック機構部14の操作ボタン14Aを中棒1内に内装した図示しないばね材の附勢力に抗して押圧すると、はじき14Bが中棒1に対し没し、下ロクロ7の下部部材7Bに設けられた係合孔15から前記はじき14Bが脱係すると、スプリング9の伸長によるばね附勢力により、前記下ロクロ7は引線8を介して前記中ロクロ4に随伴しながら前記石突き5の方向へ摺動されるので、中棒1の先端に設けられた上ロクロ2に一端が枢着されている親骨3が、中ロクロ4に一端が枢着されて他端が前記親骨3の中間部に枢着されている受骨5と、一端が前記下ロクロ7に枢着されて他端が前記受骨5の略中間に枢着された引線8とのリンク動作による押し上げを受けて拡開し、親骨3が傘布18を拡げて開傘が行われる。
【0033】
そして、ストッパ材16が上ロクロ2と中ロクロ4との間の中棒1の先端部側にスプリング材Sを介して着脱可能に外嵌されているので、開傘時にスプリング9のばね附勢力による中ロクロ4の移動をストッパ材16により停止し、スプリング材Sにより緩衝することができる。また、ストッパ材16の外周の軸長方向には例えば縦割溝16aが設けられているので、ストッパ材16と中棒1との間のアロウワンスの確保が容易になり、中棒1に対するストッパ材16の取付けまたは取外しが容易かつ確実に行える。
【0034】
また、閉傘時においては、前記中ロクロ4および前記下ロクロ7が、前記スプリング9をばね附勢力に抗して縮小させて把手部6の方向へと、摺動されることにより、受骨5と、引線8とを介して親骨3を窄め、ロック機構部14のはじき14Bが下ロクロ7に設けられた係合孔15内に係合され、閉傘が行われる点は特許文献1に記載の従来のジャンプ傘と同様である。
【0035】
しかしながら、本実施形態1では、下ロクロ7が、前記スプリング9の下方部を収容可能な略筒状の上方本体部7Aと、前記スプリング9の下端9bが当接する底板部11を有して前記上方本体部7Aに固定手段12を介して着脱可能に取付けられる下部部材7Bと、により構成されているので、例えば親骨3、受骨5、引線8のような傘の骨材が折損したり、もしくは、各骨材を枢着しているヒンジ部品が壊れた時に修繕を行うのには、下ロクロ7の上方本体部7Aから下部部材7Bを固定手段12を介して分解することにより、下ロクロ7と中ロクロ4とを常時ばね附勢しているスプリング9のばね附勢力を解放できるので、中ロクロ4にはスプリング9の附勢力が働かない状態にし、親骨3にはスプリング9による附勢力が伝わらないようにする。
【0036】
この際、前記上方本体部7Aがスプリング9の外周径φ1より大径の内周径φ2を有する大径筒部に形成され、スプリング9の下端9bが安定に密接される底板部11を一端に有する下部部材7Bは、前記固定手段12として、本実施形態1においては図示のように前記底板部11の外周に設けられた雄ねじ11aと、前記雄ねじ11aが螺合可能に前記上方本体部7Aの他端内周に設けられた雌ねじ11bとにより構成される螺合手段を介して前記上方本体部7Aの下方部に取付けられているので、上方本体部7Aもしくは下部部材7Bの何れか一方を回動するか、または双方を相反する方向に回動することにより、雌ねじ11bから雄ねじ11aを螺退させて、上方本体部7Aから下部部材7Bを迅速に分解して取り外すことができるが、これは代表的例示であり、下ロクロ7の上方本体部7Aに下方部材7Bを着脱自在に取付けるための固定手段12としては、上記螺合手段に限ることなく、図には示さないが例えば突部と、前記突部が係脱可能になる凹部とよりなる係合手段により構成されるか、もしくは、前記底板部11の外周に設けられた係合突部と、前記係合突部が係脱可能に前記上方本体部7Aの他端内周に設けられた係合凹部とにより構成されるバイヨネット手段により構成されるか、または、前記上方本体部7Aおよび前記下部部材7Bが合成樹脂により形成されている場合には、合成樹脂の弾性的な塑性変形を利用して前記突部と前記凹部とを嵌着する嵌合手段により構成されるものであってもよい。
【0037】
このようにして、スプリング9の外周径φ1より大径の内周径φ2を有する大径筒部よりなる上方本体部7Aから、スプリング9の下端9bが密接している下部部材7Bの底板部11の組付けが解かれて下部部材7Bは取外されるので、スプリング9を上方本体部7Aから容易に抜き出すことができ、組付時において中ロクロ4と下ロクロ7との間に介在されて中ロクロ4に上端9aが当接するとともに、下ロクロ7に下端9bが当接しているスプリング9のばね附勢を容易かつ確実に解くことができる。また、前記小径筒部の他端外周には外鍔部13が設けられているので、下ロクロ7の小径筒部よりなる下部部材7Bは、中棒1に対して下ロクロ7が摺動動作される場合に、ガタツキを生ずることなく、迅速かつ確実に案内移動することができる。しかも、上方本体部7Aと、下部部材7Bとよりなる下ロクロ7の製作、加工、また、組付け、分解が容易に行え、生産効率は高くなる。また、下部部材7には、底板部11が設けられて前記小径筒部の他端外周には外鍔部13が設けられているので、閉傘時に、下ロクロ7を中棒1に沿って案内移動し、ロック機構部14のはじき14Bが下ロクロ7の下部部材7Bに設けられた係合孔15に係合されて移動を規制するのに、はじき14Bが衝突する下部部材7Bの下端の摩耗を防止し、構造堅牢になる。
【0038】
そして、開傘時において親骨3、受骨5、引線8にスプリング9による強い附勢力と、傘布18が拡張されることによる反力が働いて傘骨が固定される状態が、下ロクロ7の上方本体部7Aから下部部材7Bを固定手段12を介して分解することにより、解放され、傘が半開き状態にされ、傘の骨材相互が作業の邪魔になることなく、広い作業スペースが確保されるから、傘の骨材の折損を繋ぎ合わせたり、もしくは、各骨材を枢着するヒンジ部品の壊れた個所を迅速かつ確実に交換することができる。
【0039】
従って、中ロクロ4と下ロクロ7とを常時ばね附勢するスプリング9は、その上端9aおよび下端9bが前記中ロクロ4および前記下ロクロ7に当接される格好で前記中ロクロ4および前記下ロクロ7間に介装されるばね附勢力が解放されるので、特許文献1に記載の従来のジャンプ傘のように、折損した骨材がスプリングの附勢力により不自然な格好で勢い良く飛び出すという不慮な怪我を防ぐことができ、安全にかつ能率的に修繕作業を行うことができる。
【0040】
このようにして、例えば親骨3、受骨5、引線8のような傘の骨材が折損したり、もしくは、各骨材を枢着しているヒンジ部品が壊れた時の修繕が済んだ後に組付けを行うのには、分解されていた下ロクロ7の上方本体部7Aと下部部材7Bとを固定手段12を介して固定することにより、スプリング9のばね附勢力を下ロクロ7と中ロクロ4とに常時働かせ、組付けを完了し、ジャンプ傘として再使用するようにすることができる。
【0041】
また、本実施形態1によれば、前記中棒1の先端部側には、略筒状をなし、外周の軸長方向には例えば縦割溝16aを有するストッパ材16が上ロクロ2と前記中ロクロ4との間にスプリング材Sを介して着脱可能に外嵌されているので、開傘時には、スプリング9のばね附勢力により前記中ロクロ4と前記下ロクロ7とを中棒1に外挿した状態で石突き10側に移動され、中ロクロ4がストッパ材16に当接されて移動が規制され、開傘が行われるが、この際、上ロクロ2と中ロクロ4との間にはスプリング材Sが介装されているため、開傘時にスプリング9の附勢力により石突き10側に移動される中ロクロ4がストッパ材16に衝突され、移動が停止され、スプリング材Sのばね附勢力により緩衝される。そして、ストッパ材16は、例えば外周の軸長方向には縦割溝16aを設けているので、中棒1に対してストッパ材16を取付けたり、または取外しが容易かつ確実になる。
【0042】
そして、ストッパ材16を中棒1から取外せば、スプリング9がストッパ材16を中棒1から取除いた長さ分だけ伸長するので、スプリング9の附勢力が中ロクロ4を介して親骨3、受骨5、引線8のような傘の骨材に及ぶのを緩和することができる。このため、陣笠10aを上ロクロ2の上方の基端部2Aから取外すとともに、上ロクロ2、および中ロクロ4を中棒1から抜出すことによって親骨3、受骨5、引線8の移動を拘束する部品を除去しなくても、前述のように、下ロクロ7の上方本体部7Aから固定手段12を介して下部部材7Bを分解して中ロクロ4と下ロクロ7との間に介在したスプリング9による下ロクロ7の上方本体部7Aから下部部材7Bを固定手段12を介して分解し、解放するのが、一層容易になり、親骨3、受骨5、引線8のような傘の骨材にスプリング9による附勢力を働らかないようにできる。従って、傘骨を開いて骨材の折損を繋ぎ合わせたり、もしくは、各骨材を枢着するヒンジ部品の壊れた個所を交換することができ、さらには、傘布18が破れている場合に、傘布18の先端に設けられたつゆ先19から親骨3の先端を脱嵌させて傘布18を親骨3から取外すことにより傘布18の補修を行える等、傘の修繕が一層容易かつ確実に行える。
【0043】
さらに、本実施形態1では、図4、図5、図8に示すように、前記受骨5が、開傘時又は閉傘時の通常時には、一端を前記親骨3に枢着されるとともに他端が前記受骨5に枢着された短寸のリンク状をなすヒンジ部品17を介して前記親骨3に連結されているので、必要時には、前記ストッパ材16を前記中棒1から脱挿させ、下ロクロ7の上方本体部7Aから固定手段12を介して下部部材7Bを分解して中ロクロ4と下ロクロ7との間に介在したスプリング9の附勢を解放させることにより、前記ヒンジ部品17を前記受骨5が回動する延長方向に回転して伸長することにより前記親骨3を開傘時の状態から容易に反転(いわゆるお猪口)状態にできる。そして、中棒1の先端に設ける石突き10が貫通される挿通孔18aを中央に有する傘布18を陣笠10aと前記上ロクロ2との間に介在し、前記陣笠10aが前記傘布18を介して前記上ロクロ2に着脱自在に取付けられているので、上ロクロ2から陣笠10aを、固定手段としての雌ねじ部N2から雄ねじ部N1を螺退させることにより取外せば、前述のように、親骨3の反転(いわゆる、お猪口)により、傘布18を親骨3から簡単に取外すことができる。このため、開傘時において親骨3、受骨5、引線8にスプリング9による強い附勢力と、傘布18が拡張されることによる反力が働らくのが解放された状態で傘骨が拡開されるため、骨材の折損を繋ぎ合わせたり、もしくは、骨材が折損されている場合に新たな骨材と交換したり、もしくは、各骨材を枢着するヒンジ部品の壊れた個所を補修したり、また、破れた傘布18の補修、交換も容易に行える等、傘の全面的な修繕が一層容易かつ効率的に行える。
【0044】
<実施形態2>
また、図9、および図10に示すものは本発明のジャンプ傘の実施形態2を示す。
【0045】
この実施形態2では、中棒1の先端に設ける上ロクロ2と、該上ロクロ2の上端の基端部2Aの外周に設けられた固定手段としての雄ねじ部N1と、前記雄ねじ部N1に螺合されて着脱可能に取付けられる雌ねじ部N2を有する石突き10と、該石突き10の下端に固定された陣笠10aと、前記上ロクロ2の前記雄ねじ部N1が貫通可能になる挿通孔18aを中央に有するとともに、前記上ロクロ2と前記陣笠10aとの間に挟持される傘布18と、が設けられている。また、石突き10の下端に固定される陣笠10aの固定手段は、陣笠10aの上面に突設する環状突起10bを石突き10の下端に設けた環状の係合孔10c内に嵌入しても良いし、石突き10と陣笠10aとを接着剤を用いて接着したり、超音波溶着したり、高周波溶着したり、加熱溶着することにより固定する構成であるほかは、前記実施形態1と同様の構成である。
【0046】
そして、本実施形態2では、上ロクロ2の上端の基端部2Aの外周に設けられた固定手段としての雄ねじ部N1に対して雌ねじ部N2を螺退させて石突き10と一緒に上ロクロ2の基端部2Aから石突き10を陣笠10a毎取外せば、下ロクロ7の上方本体部7Aから固定手段12を介して下部部材7Bを分解して中ロクロ4と下ロクロ7との間に介在したスプリング9の附勢を解放することにより、親骨3を開傘時とは反転(いわゆるお猪口)状態にすることができ、傘布18を親骨3から取り外すのが容易になり、親骨3、受骨5、引線8のような傘の骨材にスプリング9による附勢力を働らかないようにした状態で傘骨を開くと、骨材の折損を繋ぎ合わせたり、もしくは、各骨材を枢着するヒンジ部品の壊れた個所を交換することができ、傘の修繕が容易かつ確実に行えるようにしたものである。なお、本実施形態2では、石突き10の下端に固定手段としての環状突起10bと環状の係合孔10Cとを介して石突き10および陣笠10aを一体化する構成として、上ロクロ2の基端部2Aに対して一体に着脱自在に取付けているが、図には示さないが、石突き10と陣笠10aとは一体に形成されてもよい。
【0047】
また、下ロクロ7の上方本体部7Aから固定手段12を介して下部部材7Bを分解することにより、下ロクロ7と中ロクロ4とを常時ばね附勢しているスプリング9のばね附勢力を解放できるので、中ロクロ4にはスプリング9の附勢力は働かなくなり、例えば金属パイプにより形成されている中棒1、金属または合成樹脂により形成される中ロクロ4、下ロクロ7、石突き10、上ロクロ2、親骨3、受骨5毎、また、例えば合成樹脂、木材により形成されるほか、石膏により芯材部を形成するとともに、その芯材部の表面を合成樹脂ビニール、人造皮革より覆うことにより形成される把手部6毎に、リサイクルの観点から傘の構成部品の分解が迅速かつ確実に行え、各資材別に回収を行う分別収集作業が効率良く行える。
【0048】
このように、傘を開傘時の状態から反転(いわゆるお猪口)状態にし、傘布18を傘骨から取り去り、修繕を済ませた場合に、傘を組付けるのには、つゆ先19に親骨3の先端を嵌入するとともに、図1乃至図8に示す実施形態1では、傘布18の中央に設けた挿通孔18a内に石突き10を挿入し、次いで外形が略円錐台形状の陣笠10aの内周に設けられた雌ねじ部N2を上ロクロ2の上面に突出する円筒状の基端部2Aの外周に設けた雄ねじ部N1に螺合するか、または図9および図10に示す実施形態2では、陣笠10aを下端に設けた石突き10の雌ねじ部N2内に中棒1の先端に設ける上ロクロ2の上端の基端部2Aの外周に設けられた雄ねじ部N1を螺合することにより、上ロクロ2に取り付けられる陣笠10aと上ロクロ2との間に、傘布18の前記挿通孔18aの外周縁を挟持することにより親骨3に傘布18を取付ける。その後、略円筒状のストッパ材16を中棒1の上方部においてスプリング材Sの下方部に外挿し、それから、下ロクロ7の上方本体部7Aに固定手段12を介して下部部材7Bを取付けて下ロクロ7の組付けを行い、中ロクロ4と下ロクロ7とに、スプリング9の上端9aおよび下端9bを当接させて前記中ロクロ4および前記下ロクロ7間に再びスプリング9を介在させれば、親骨3はお猪口状態から通常の開傘時の状態に復元され、常時前記中棒1の先端に設ける石突き10の方向へ前記中ロクロ4および前記下ロクロ7をスプリング9によりばね附勢するとともに、傘骨と傘布18とにスプリング9の張力を作用でき、傘の組付けを行える。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、中ロクロと下ロクロとの間に介在するスプリングの親骨、受骨等の傘骨に作用する開傘時における附勢力を解くことにより、ジャンプ傘の修繕作業の能率化と、安全化とをはかることができる用途・機能に適する。
【符号の説明】
【0050】
1 中棒
2 上ロクロ
3 親骨
4 中ロクロ
5 受骨
6 把手部
7 下ロクロ
7A 上方本体部
7B 下部部材
9 スプリング
10 石突き
14 ロック機構部
11 底板部
12 固定手段
11a 雄ねじ
11b 雌ねじ
13 外鍔部
14 ロック機構部
15 係合孔
16 ストッパ材
N1 雄ねじ部
N2 雌ねじ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中棒と、前記中棒の先端に取付けた上ロクロに一端が枢着されて開閉される複数本の親骨と、前記中棒に摺動自在に外嵌される中ロクロに一端が枢着されて他端が前記親骨の略中間部に枢着された複数本の受骨と、前記中ロクロに対向して前記中棒に摺動自在に把手部側に設けた下ロクロに一端が枢着されて他端が前記受骨に連結された複数本の引線と、前記中ロクロと前記下ロクロとの間に介在したスプリングと、把手部近くにて前記下ロクロに係脱可能であって前記移動を規制するはじきを設けたロック機構部と、を備え、該スプリングの附勢力により前記中ロクロと前記下ロクロとを石突き側に移動させて開傘させるジャンプ傘において、
前記下ロクロが、前記スプリングの下端部を収容可能な略筒状の上方本体部と、前記スプリングの下端が当接する底板部を有して前記上方本体部に固定手段を介して着脱可能に取付けられる下部部材と、により構成されている、
ことを特徴とするジャンプ傘。
【請求項2】
前記固定手段が、前記底板部の外周に設けられた雄ねじと、前記雄ねじが螺合可能に前記上方本体部の他端内周に設けられた雌ねじとにより構成される螺合手段であることを特徴とする請求項1に記載のジャンプ傘。
【請求項3】
前記中棒の先端部側には、略筒状をなすストッパ材が上ロクロと前記中ロクロとの間にスプリング材を介して着脱可能に外挿されていることを特徴とする請求項1または2に記載のジャンプ傘。
【請求項4】
前記受骨が、開傘時又は閉傘時の通常時には、一端を前記親骨に枢着されるとともに他端が前記受骨に枢着された短寸のリンク状をなすヒンジ部品を介して前記親骨に連結され、必要時には、前記ストッパ材を前記中棒から脱挿させて前記ヒンジ部品を前記受骨が回動する延長方向に回転して伸長することにより前記親骨を開傘時の状態から反転させることを特徴とする請求項3に記載のジャンプ傘。
【請求項5】
中棒の先端に設ける石突きが貫通可能になる挿通孔を中央に有する傘布を陣笠と前記上ロクロとの間に介在し、前記陣笠が前記傘布を介して前記上ロクロに着脱自在に取付けられることを特徴とする請求項1−4の何れか1項に記載のジャンプ傘。
【請求項6】
中棒の先端に設ける上ロクロと、該上ロクロの上端の基端部に着脱自在に取付けられる石突きと、該石突きの下端に固定された陣笠と、前記上ロクロの前記基端部が貫通可能になる挿通孔を中央に有するとともに、前記上ロクロと前記陣笠との間に挟持される傘布と、が設けられていることを特徴とする請求項1−4の何れか1項に記載のジャンプ傘。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−92557(P2011−92557A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251054(P2009−251054)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000182085)オーロラ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】