説明

ジョイントコネクタ及び電線布線方法

【課題】径が異なる電線同士の接続を容易にして製造効率の向上を図る。
【解決手段】布線板上にセットされるジョイントコネクタ1aは、メインプレート2及びサブプレート3上に、複数の二連端子4〜6及び7〜9を夫々3個ずつ直線状に、且つ両プレート2,3間で電線1本分ずれて対向するように千鳥状に配置している。各二連端子5〜9は、一対の端子金具が共に0.35sq〜0.5sqの電線を圧接可能なM端子となっているが、メインプレート2の二連端子4は、内側の端子金具4bがM端子、外側の端子金具4aが、0.75sq〜1.25sqの電線を圧接可能なL端子となって、対向しない最外位置の端子金具4aを異径の電線の圧接用としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のワイヤハーネスの製造に用いられるジョイントコネクタと、そのジョイントコネクタを用いた電線布線方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のワイヤハーネスを製造する場合、特許文献1〜3に示すような布線板が用いられる。これは、電線を所定の形態で布線するためのピンや治具等を有し、製造ライン上で搬送しながら布線、皮剥、端子圧着、コネクタ接合等の工程を順次行うことで所定の回路を形成するものである。
この場合、異なる線径の電線群で小単位のサブ回路を形成し、サブ回路間で電線同士を接続して所定の回路を完成させることが多いが、このような異径の電線同士の接続には、集中ジョイントと称される方法がよく知られている。これは、例えば特許文献4に示すように、接続する電線同士を幹線から分岐させてその先端の絶縁被覆を皮剥ぎして芯線同士を溶着し、溶着部にキャップを嵌合させて絶縁保護を図った後、分岐部分を幹線に沿わせてテープで固定するものである(同文献図6参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−103841号公報
【特許文献2】特開平6−103842号公報
【特許文献3】実開平6−36149号公報
【特許文献4】特開2000−188018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような集中ジョイントを用いると、通常の製造工程とは別に電線の接続作業を行う必要がある上、溶着やキャップの嵌合等の作業に手間や時間が掛かってワイヤハーネスの製造完了に遅れが生じ、製造効率を低下させてしまう。また、集中ジョイントを事前に実施して端子とコネクタによって製造ライン上でサブ回路間での異径の電線同士の接続を図ることも考えられるが、挿入する端子数が増えて結局手間や時間が掛かる上、誤接続防止のために線色を変える等の対策も必要となり、線種の増加に伴って部品管理の工数や手間が煩雑化し、コストアップを招くことになる。さらに、接続作業のために新たな作業スペースを確保する必要もあって作業エリアの拡大に繋がる。
【0005】
そこで、本発明は、製造ライン上でも径が異なる電線同士の接続が容易に行え、作業の簡略化や平準化を可能として製造効率の向上や作業エリアの拡大防止に繋がるジョイントコネクタと、そのジョイントコネクタを用いた電線布線方法とを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ワイヤハーネスの布線板上にセットされ、電線を接続して所定の回路を形成するために用いられるジョイントコネクタであって、プレート上に、隣接する一対の略平行な電線同士を接続可能な2つの端子金具が並設された二連端子を、電線との直交方向へ二列で複数個並列に、且つ両列間で二連端子同士が電線1本分ずれて対向するように千鳥状に配置し、両列で夫々対向しない最外位置の端子金具の少なくとも一方を、電線とは異径の電線の接続用としたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、設置が容易に行えるジョイントコネクタとするために、プレートを、電線との直交方向へ並列配置される二連端子の列ごとに二分割したものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の目的に加えて、二連端子において準備すべきサイズの数を削減し、広い電線径範囲での接続を可能とするために、最外位置の端子金具を備えた二連端子の両端子金具を、夫々複数の径の電線を接続可能で、且つ接続可能な電線径同士が重複しない構成としたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2の目的に加えて、二連端子において準備すべきサイズの数を削減し、同一径の電線同士も接続可能とするために、最外位置の端子金具を備えた二連端子の両端子金具を、夫々複数の径の電線を接続可能で、且つ接続可能な電線径同士が一部のみ重複する構成としたものである。
【0007】
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、ワイヤハーネスの布線板上に、請求項1乃至4の何れかに記載のジョイントコネクタを複数セットして、各ジョイントコネクタに電線を布線して所定の回路を形成する電線布線方法であって、ジョイントコネクタに当該ジョイントコネクタの外部から異径の電線を接続する際には、当該ジョイントコネクタにおける、異径の電線の接続用とした最外位置の端子金具に異径の電線を接続することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び5に記載の発明によれば、製造ライン上で径が異なる電線同士の接続が容易に行える。よって、従来の集中ジョイントのようなオフライン工程が不要となり、作業の簡略化や平準化が可能となって製造効率が向上する。勿論作業エリアが拡大することもなく、コストアップも抑えられる。また、最外位置の端子金具を異径の電線の接続用としているので、他のプレートや二連端子と干渉させずに電線をスルーさせて容易に布線でき、より良好な作業性が得られる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、プレートを二分割したことで、ワイヤハーネスに沿わせて固定する場合にはワイヤハーネスの曲線部に合わせて無理なく固定することができ、その他の場合でもコネクタの向きを変えたりねじったりすることで配置場所に合わせて設置できる、といった柔軟な対応が可能となり、設置がより容易に行える。さらに、プレート間での電線の切断も比較的広い空間で容易に行える。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、対応できる電線径を複数としておくことで、二連端子において準備すべきサイズの数を削減することができる。また、接続可能な電線径を重複させないので、広い電線径範囲での接続も可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、対応できる電線径を複数としておくことで、二連端子において準備すべきサイズの数を削減することができる。また、接続可能な電線径を一部のみ重複させるので、同一径の電線同士を接続する二連端子としても使用可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
《形態1》
図1は、ワイヤハーネスの製造ラインで使用される布線板上に布線された電線を示す概略図である。ここでは、布線板上にセットされた2つのジョイントコネクタ1a,1bを利用して電線の布線がなされている。まずジョイントコネクタ1aは、図2にも示すように、複数の略平行な収容溝2a及び3aを夫々凹設したメインプレート2とサブプレート3とからなり、各プレート2,3上に、複数の圧接端子4〜6及び7〜9を夫々3個ずつ直線状に並列配置したものである。この圧接端子4〜9は、圧接端子4を代表して示す図3(A)の如く、U字状の電線の受け刃4c,4cを夫々収容溝の形成方向に一対形成した端子金具(図1ではハッチングを付した円で略記している)4a,4bを、連結部4d,4dによって電線との直交方向に隣接する同士で連結した二連端子となっている(以下この圧接端子を「二連端子」という)。二連端子4の両端には、図3(B)に示すように、電線の絶縁被覆をかしめ固定する一対のインシュレーションバレル4e,4eが立設されている。
【0011】
また、二連端子4〜6及び7〜9は、両プレート2,3間で電線1本分ずれて対向するように千鳥状に配置されている。よって、図1,2でのメインプレート2の下端とサブプレート3の上端とは、二連端子がないスルー部10となる。ここで各二連端子5〜9は、一対の端子金具が共に0.35sq〜0.5sqの電線を圧接可能な形態(以下「M端子」という。)となっており、メインプレート2の上端に配置される二連端子4は、内側の端子金具4bがM端子、外側の端子金具4aが、0.75sq〜1.25sqの電線を圧接可能な形態(以下「L端子」という。)となっている。すなわち、対向しない最外位置の端子金具4aを、二連端子5〜9で圧接できない異径の電線の圧接用としたものである。
ここでは端子金具4aを異径の電線の圧接用とするために、端子金具4aの受け刃4c同士の間隔を変えている。端子金具4aで他に比べて太い電線を圧接固定するためには受け刃4c同士の間隔を他の端子金具の場合に比べて広げることになり、逆に他に比べて細い電線を圧接固定するためには受け刃4c同士の間隔を他の端子金具の場合に比べて狭くすることになる。圧接接続は、このように受け刃4cの間隔を変えるだけで異なる径の電線に対応できるので、本発明における電線の接続手段として非常に好適である。
【0012】
一方、ジョイントコネクタ1bも、メインプレート11とサブプレート12とからなり、各プレート11,12上に、夫々二連端子13,14及び15,16が2個ずつ、電線1本分ずれて対向するように千鳥状に配置されている。17はスルー部である。ここでの二連端子14〜16は、一対の端子金具が共にL端子となっており、メインプレート11の上端に配置される二連端子13は、内側の端子金具13bがL端子、外側の端子金具13aが、2sqの電線を圧接可能な形態(以下「LL端子」という。)となっている。すなわち、ここでも対向しない最外位置の端子金具13aを、二連端子14〜16で圧接できない異径の電線の圧接用としたものである。
【0013】
そして、ここでは、0.5sqの電線20をジョイントコネクタ1aの二連端子5,7間に接続してなる電線回路束の一部(以下「サブ回路」という。)30と、0.35sqの電線21をジョイントコネクタ1aの二連端子4の端子金具4bと二連端子7との間に接続すると共に、1.25sqの電線22を二連端子4の端子金具4aからスルー部10を経てジョイントコネクタ1bの二連端子13の端子金具13b及び二連端子15に亘って接続し、さらに0.75sqの電線23を二連端子15に接続してなるサブ回路31と、2sqの電線24を二連端子13の端子金具13aとアース端子25との間に接続してなるサブ回路32と、が夫々形成されている。26,26・・は、各電線の端部に圧接されるコネクタである。
【0014】
以上の如く構成されたジョイントコネクタ1a,1bを用いて各電線20〜24を布線する場合、まず各電線20〜24を夫々対応するサブ回路30〜32を形成するように二連端子間に配線して位置決めした後、各ジョイントコネクタ1a,1bの二連端子4〜9及び13〜16の端子金具に電線20〜24を圧接する。このとき、電線22はジョイントコネクタ1a,1b間に跨って接続されることになるが、ジョイントコネクタ1bからジョイントコネクタ1aの最外位置の端子金具4aに配線すればよいので、他の二連端子等に干渉することがなく、容易に布線可能となる。なお、圧接は、圧接装置の形態によっては径が同じ電線ごとに別々に行ってもよい。
こうして電線20〜24が圧接固定されると、各サブ回路30〜32の形成が完了する。特に、ジョイントコネクタ1a,1b間に配線される電線22も二連端子4と二連端子13に圧接固定されることで、ジョイントコネクタ1a,1b間に跨るサブ回路31も同時に形成が完了することになる。
【0015】
このように、上記形態1のジョイントコネクタ1a,1b及びそれを用いた電線布線方法によれば、製造ライン上で径が異なる電線同士の接続が容易に行える。よって、従来の集中ジョイントのようなオフライン工程が不要となり、作業の簡略化や平準化が可能となって製造効率が向上する。勿論作業エリアが拡大することもなく、コストアップも抑えられる。また、最外位置の端子金具4a,13aを異径の電線の接続用としているので、他のプレートや二連端子と干渉させずに電線をスルーさせて容易に布線でき、より良好な作業性が得られる。
さらに、ここではプレートをメインプレート2とサブプレート3とに二分割したことで、ワイヤハーネスに沿わせて固定する場合にはワイヤハーネスの曲線部に合わせて無理なく固定することができ、その他の場合でもコネクタの向きを変えたりねじったりすることで配置場所に合わせて設置できる、といった柔軟な対応が可能となり、設置がより容易に行える。さらに、プレート2,3間で電線を切断する際も比較的広い空間で容易に行える。
加えて、最外位置の端子金具を備えた二連端子4の両端子金具4a,4bは、夫々複数の径の電線を接続可能で、且つ接続可能な電線径同士が重複しない構成であるから、二連端子において準備すべきサイズの数を削減することができる上、広い電線径範囲での接続も可能となっている。
【0016】
《形態2》
次に、本発明の他の形態を説明する。なお、形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明を省略する。
図4も、布線板上に布線された電線を示す概略図で、ここでは、布線板上にセットされた3つのジョイントコネクタ1c〜1eを利用して電線の布線がなされている。このうちジョイントコネクタ1cが本発明のジョイントコネクタとなる。
ジョイントコネクタ1cは、図5に示すように、単一のプレート40上に、二連端子41〜46を左右に3つずつ二列に、且つ電線一本分ずれた千鳥状となるように配置したものである。
【0017】
プレート40は、底板40aと側壁40bと、仕切壁40cとを有する。側壁40bは、底板40の電線布線方向(図5における電線61等の長手方向)両側に立設されており、仕切壁40cは、側壁40bと平行に底板40a上に複数立設されて、仕切壁40cの間に電線の収容溝40dを形成している。また、各仕切壁40cは、プレート40における電線の布線方向中央部において切り欠かれており、これによりプレート40の中央部において、電線の布線方向に直交する方向全体(一方の側壁40b側から他方の側壁40b側まで)に亘って一連の切断スペース40eが形成されている。この切断スペース40eの形成により、単一のプレート40であっても必要な場合には電線の切断が容易に行え、残った電線の端部間の絶縁距離も大きく確保される。40fはプレート40の上面へ組み付けられるカバーである。
【0018】
ここでは、二連端子42〜45は、一対の端子金具が共にM端子、左列上端の二連端子41は、内側の端子金具41bがM端子、外側の端子金具41aがL端子、右側下端の二連端子46は、内側の端子金具46aがM端子、外側の端子金具46bがLL端子となって、対向しない左右の最外位置の端子金具41a及び46bを、二連端子42〜45で圧接できない異径の電線の圧接用としている。47はスルー部である。
【0019】
次に、ジョイントコネクタ1dは、単一のプレート50上に、2つの二連端子51,52を並設したもので、二連端子51は、外側の端子金具51aがLL端子、内側の端子金具51bがL端子となって、最外位置の端子金具51aを異径の電線の圧接用としている。二連端子52は一対の端子金具が共にL端子で、その隣がスルー部53となっている。
そして、ジョイントコネクタ1eは、メインプレート54とサブプレート55とからなり、各プレート54,55上に、夫々二連端子56,57及び58,59が2個ずつ、電線1本分ずれて対向するように千鳥状に配置されている。60はスルー部である。ここでの二連端子56〜59は、一対の端子金具が共にLL端子となっている。
【0020】
そして、ここでは、0.5sqの電線61をジョイントコネクタ1cの二連端子43と二連端子46の端子金具46aとの間に接続し、0.35sqの電線62を二連端子43に接続してなるサブ回路70と、0.5sqの電線63を二連端子42,44間に接続すると共に、0.35sqの電線64を二連端子41の端子金具41bと二連端子44との間に接続し、さらに、0.75sqの電線65を二連端子41の端子金具41aからスルー部47を経てジョイントコネクタ1dの二連端子51の端子金具51bに接続してなるサブ回路71と、2sqの電線66をジョイントコネクタ1dの二連端子51の端子金具51aとアース端子25との間に接続してなるサブ回路72と、2sqの電線67をアース端子25からジョイントコネクタ1cの二連端子46の端子金具46bを経てジョイントコネクタ1eの二連端子56に接続してなるサブ回路73と、2sqの電線68をジョイントコネクタ1eの二連端子56,58間に接続して両端子間で切断してなるサブ回路74と、2sqの電線68をジョイントコネクタ1eの二連端子56,58間に接続して両端子間で切断すると共に、2sqの電線69を二連端子57,58間に接続してなるサブ回路75と、が夫々形成されている。
【0021】
以上の如く構成されたジョイントコネクタ1c〜1eを用いて各電線61〜69を布線する場合、まず各電線61〜69を夫々対応するサブ回路を形成するように二連端子間に配線して位置決めした後、各ジョイントコネクタ1c〜1eの二連端子41〜46及び51,56〜59の端子金具に電線61〜69を圧接し、電線68における二連端子56,58間を切断する。このとき、電線65はジョイントコネクタ1c,1d間に跨って、電線67はジョイントコネクタ1c,1e間に跨って夫々接続されることになるが、ジョイントコネクタ1cでは最外位置の端子金具41a及び46bに、ジョイントコネクタ1eでは最外位置の端子金具56に夫々配線すればよいので、他の二連端子等に干渉することがなく、容易に布線可能となる。
こうして電線61〜69が圧接固定されると、各サブ回路70〜75の形成が完了する。特に、ジョイントコネクタ1c,1d間及び1c,1e間に配線される電線65,67も二連端子41,51間及び46,56間に夫々圧接固定されることで、ジョイントコネクタ1c,1d間に跨るサブ回路71とサブ回路72間のジョイントと、ジョイントコネクタ1c,1e間に跨るサブ回路70,73,74間のジョイントとが同時に完了することになる。
【0022】
このように、上記形態2のジョイントコネクタ1c及びそれを用いた電線布線方法によれば、製造ライン上で径が異なる電線同士の接続が容易に行える。よって、従来の集中ジョイントのようなオフライン工程が不要となり、作業の簡略化や平準化が可能となって製造効率が向上する。勿論作業エリアが拡大することもなく、コストアップも抑えられる。また、最外位置の端子金具41a,46bを異径の電線の接続用としているので、他のプレートや二連端子と干渉させずに電線をスルーさせて容易に布線でき、より良好な作業性が得られる。
また、ここでも二連端子41の両端子金具41a,41bは、夫々複数の径の電線を接続可能で、且つ接続可能な電線径同士が重複しない構成であるから、二連端子において準備すべきサイズの数を削減することができる上、広い電線径範囲での接続も可能となっている。
【0023】
なお、上記形態1,2では、最外位置の端子金具を備えた二連端子の両端子金具を、夫々複数の径の電線を接続可能で、且つ接続可能な電線径同士が重複しないものとしているが、当該二連端子の両端子金具を、夫々複数の径の電線を接続可能で、且つ接続可能な電線径同士が一部のみ重複するもの(例えば一方の端子金具を0.35〜0.5sqの電線用、他方の端子金具を0.5〜1.25sqの電線用とする等)としても差し支えない。このようにすれば、二連端子において準備すべきサイズの数を削減することができる上、同一径の電線同士(上記例示では0.5sq)を接続する二連端子としても使用可能となる。
【0024】
また、上記形態1,2では、二連端子に圧接端子を用いて電線を接続するようにしているが、溶接による溶着であっても差し支えなく、最外の端子金具を利用した異径の電線同士の容易な接続は同様に行える。
また、各プレートにおける二連端子の数も上記形態に限らず、適宜増減可能で、用いる電線の径やサブ回路の構成等も上記形態に限定されない。
さらに、本発明では、端子金具における電線の接続手段として圧接接続を例に説明したが、圧着接続などの他の接続手段であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】形態1におけるジョイントコネクタ及びそれを用いた電線の布線状態を示す概略図である。
【図2】ジョイントコネクタの斜視図である。
【図3】(A)は二連端子の斜視図で、(B)は電線の圧接状態を示す。
【図4】形態2におけるジョイントコネクタ及びそれを用いた電線の布線状態を示す概略図である。
【図5】ジョイントコネクタの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1a〜1e・・ジョイントコネクタ、2,11・・メインプレート、3,12・・サブプレート、4〜9,13〜16,41〜46・・圧接端子(二連端子)、20〜24,61〜69・・電線、30〜32,70〜75・・サブ回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネスの布線板上にセットされ、電線を接続して所定の回路を形成するために用いられるジョイントコネクタであって、
プレート上に、隣接する一対の略平行な電線同士を接続可能な2つの端子金具が並設された二連端子を、前記電線との直交方向へ二列で複数個並列に、且つ両列間で前記二連端子同士が電線1本分ずれて対向するように千鳥状に配置し、両列で夫々対向しない最外位置の前記端子金具の少なくとも一方を、前記電線とは異径の電線の接続用としたことを特徴とするジョイントコネクタ。
【請求項2】
プレートを、電線との直交方向へ並列配置される二連端子の列ごとに二分割した請求項1に記載のジョイントコネクタ。
【請求項3】
最外位置の端子金具を備えた二連端子の両端子金具を、夫々複数の径の電線を接続可能で、且つ接続可能な電線径同士が重複しないものとした請求項1又は2に記載のジョイントコネクタ。
【請求項4】
最外位置の端子金具を備えた二連端子の両端子金具を、夫々複数の径の電線を接続可能で、且つ接続可能な電線径同士が一部のみ重複するものとした請求項1又は2に記載のジョイントコネクタ。
【請求項5】
ワイヤハーネスの布線板上に、請求項1乃至4の何れかに記載のジョイントコネクタを複数セットして、各ジョイントコネクタに電線を布線して所定の回路を形成する電線布線方法であって、
前記ジョイントコネクタに当該前記ジョイントコネクタの外部から異径の電線を接続する際には、当該前記ジョイントコネクタにおける、前記異径の電線の接続用とした最外位置の端子金具に前記異径の電線を接続することを特徴とする電線布線方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−153210(P2008−153210A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−302014(P2007−302014)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)