説明

ジルコニウムの誘導体、水和物、または酸化物の製造方法

本発明は、a)酸性母液を調製するステップ;b)前記母液を加熱して、Zr4+および/またはHf4+イオンと陰イオン性基とを、0℃未満の温度での水に対する溶解度が10-3モル/Lである、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの「1次誘導体」と呼ばれる式M(OH)x(N')y(OH2)z[式中、Mは金属陽イオンまたは金属陽イオンの混合物であり、N'は陰イオンまたは陰イオンの混合物であり、添え字xおよびyは厳密に正数であり、添え字zは正数または0である]を有する化合物の形で沈殿させ、任意選択で乾燥するステップ;c)任意選択で、前記陰イオン性基を置換陰イオン性基と呼ばれるその他の陰イオン性基で置換することにより、1次誘導体をジルコニウムおよび/またはハフニウムの2次誘導体に変換するステップを含む、粒子粉末の製造方法に関する。本発明は、触媒作用および濾過に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に化学反応を触媒することまたは濾過することが意図される粉末の製造方法に関する。本発明は、そのような方法によって製造されたまたは製造することができる粉末にも関する。より一般には、本発明は、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体の粉末と、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物の粉末と、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物の粉末とに関する。最後に、本発明は、ある適用例、特に触媒および濾過における、本発明による粉末の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒は、様々な技術分野において、特に環境での適用例、石油化学またはファインケミストリーにおいて、多くの反応に関わる。触媒は、反応収支に現れない触媒、例えば白金に、この反応の試薬を接触させて配置することによって、化学反応の速度を変更することにある。一般に、触媒は、例えば粉末またはそのような粉末から形成された物質の形で、担体上に予め堆積される。粉末は、時にはそれ自体が触媒として働くこともできる。
【0003】
流体の濾過も、数多くの適用例、特に高温での液体または気体の濾過に関係する。このため、濾過される物体が、粒子間の隙間でその形態に結合して保持されるようにまたはこれら粒子の細孔内に保持されるように、流体は、粉末または粉末から形成された物質を通過する。
【0004】
触媒での適用例において、粒子は、触媒担体として使用されようと触媒そのものとして使用されようと、触媒と試薬との接触面を増大させるために最大比表面積を持たなければならない。
【0005】
濾過の適用例では、濾過される流体の通過中、圧力損失が最小限であることが望まれる。
【0006】
これらの適用例において、粒子は、高温または過酷な熱機械的制約の下に置かれる可能性もある。
【0007】
粒子およびその製造方法は、特に、下記の文献に開示されている:
【0008】
FR2662434は、熱水合成を介した単斜晶ジルコニアトリカイトの製造に関する。これらのトリカイトは、マイクロメートルサイズのものであり(引用された例では約5μm)、300℃から700℃の間の熱水処理温度の結果、稠密である。
【0009】
EP0207469は、ジルコニア、硫酸塩がドープされたジルコニア、または任意選択で硫酸塩がドープされたジルコニウム水和物の結晶の製造に関し、これら結晶は、厚さ50nm未満の層状形態にある。これら結晶の製造方法は、可溶性ジルコニウム塩および硫酸塩の酸性水溶液(pH<2)を110℃から350℃の間に加熱して、オキシ硫酸ジルコニウム水和物(式Zr5O8(SO4)2・nH2O)を生成し、その後、600℃より高い温度で焼成しまたは70から110℃の間の温度で脱硫酸処理するステップを含む。
【0010】
EP0233343は、幅が30から200nmの間であり、および長さが200nmから1μmの間である「パイル」の形に凝塊形成した、直径5nm未満の単繊維の形をとる超微細単斜晶ジルコニア粒子の製造に関する。
【0011】
論文「Zirconia needles synthesized inside hexagonal swollen liquid crystals」-Chemistry Of Materials、2004年、16巻、4187〜4192頁は、より小さい針から形成された、20nmの細孔を有するミリメートルまたはさらにセンチメートルサイズの針の生成について記述している。
【0012】
論文「Products of thermal hydrolysis in Zr(SO4)2-Zr(OH)4-H2O system」-Journal of the ceramic society of Japan、102巻、9号、843〜846頁は、ジルコニアの製造に関する。この論文が記述する製造方法は、Zr(OH)4粒子の存在下で、ジルコニウム塩および硫酸塩の酸性水溶液(H+イオン濃度が0.4モル/Lである)を沈殿させるステップを含む。本発明者らは、これらZr(OH)4粒子が等方性であると考える。次いで反応生成物に、160〜240℃で熱水処理を行い、それによって、本発明者らが稠密であると見なすジルコニア粒子の粉末を生成する。
【0013】
EP0194191は、微細な安定化ジルコニア粉末の製造に関する。この製造方法は、サイズが1から50nmの間にある針状ZrO2の単晶子(elemental crystallite)から形成された、ジルコニア水和物ゾルを使用する。700℃から1300℃の間の温度での焼成処理の後、1300℃で焼結することにより、本発明者らによれば等方性の安定化ジルコニア粒子が得られる。
【0014】
論文「Highly Ordered Porous Zirconias from Surfactant Controlled Syntheses: Zirconium Oxide-Sulfate and Zirconium Oxo Phosphate」-Chemistry Of Materials、1999年、11巻、227〜234頁は、ジルコニアおよび硫酸塩の粉末の製造について記述している。この粉末の製造方法は、酸性水溶液を100℃で48時間加熱することによって沈殿させるステップを含む。そのような加熱条件は、本発明者らによれば、沈殿物の粒子の等方的形態をもたらす。次いで得られた沈殿物に、500℃で5時間の焼成を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】FR2662434
【特許文献2】EP0207469
【特許文献3】EP0233343
【特許文献4】EP0194191
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】「Zirconia needles synthesized inside hexagonal swollen liquid crystals」-Chemistry Of Materials、2004年、16巻、4187〜4192頁
【非特許文献2】「Products of thermal hydrolysis in Zr(SO4)2-Zr(OH)4-H2O system」-Journal of the ceramic society of Japan、102巻、9号、843〜846頁
【非特許文献3】「Highly Ordered Porous Zirconias from Surfactant Controlled Syntheses: Zirconium Oxide-Sulfate and Zirconium Oxo Phosphate」-Chemistry Of Materials、1999年、11巻、227〜234頁
【非特許文献4】「Preparation of Mesoporous Ce0.5Zr0.5O2 Mixed Oxide by Hydrothermal Templating Method」、Journal of Rare Earths 25、2007年、710〜714頁
【非特許文献5】the International Union of Pure and Applied Chemistry、1994年、66巻、8号、1739〜1758頁
【非特許文献6】Journal of the American Chemical Society 60 (1938年) 309〜316頁
【非特許文献7】E.P.Barrett、L.G.Joyner、P.H.Halenda、J.Am.Chem.Soc.、73 (1951年) 373頁
【非特許文献8】The Nouveau Traite de Chimie Minerale from Paul Pascal、volume IX、599〜610頁
【非特許文献9】「Morphology of zirconia synthesized hydrothermally from zirconium oxychloride」、Journal of the American Ceramic Society、1992年、75巻、9号、2515〜2519頁
【非特許文献10】「Nucleation and growth for synthesis of nanometric zirconia particles by forced hydrolysis」、Journal of Colloid and Interface Science、1998年、198巻、87〜99頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
高い比表面積および/または新規な形状を有する新規な粒子が、引き続き求められている。
【0018】
高い熱的制約(thermal constraints)、例えば高温での気体の燃焼中に遭遇する制約に、耐えることができる粒子も求められている。
【0019】
本発明の1つの目的は、これら求められている事項の1つまたは複数を、少なくとも部分的に満足させることである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(方法)
第1の主要な実施形態によれば、本発明は、下記の連続的ステップ、即ち、
a)少なくとも以下を混合することによってまたは以下のみを混合することによっても酸性母液を調製するステップ:
[1]極性溶媒;
[2]好ましくは前記溶媒中の酸性媒体に可溶な、Zr4+および/またはHf4+イオンを提供する第1の試薬;
[3]陰イオン性基を提供する第2の試薬;
[4]陰イオン界面活性剤;両性界面活性剤;陽イオン界面活性剤、カルボン酸、およびその塩;式RCO2R'およびR-CONHR'[式中、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖である]の化合物、およびそれらの混合物の群から選択される非イオン性界面活性剤;およびそれらの混合物により形成された群から選択された添加剤;
[5]任意選択で、別の非イオン性界面活性剤;
[6]任意選択で、細孔形成剤;
b)前記母液を加熱して、Zr4+および/またはHf4+イオンと陰イオン性基とを、1次ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体の形で沈殿させ、任意選択で乾燥するステップ;
c)任意選択で、前記陰イオン性基を「陰イオン性置換基」として知られる他の陰イオン性基で置換することにより、前記1次誘導体を2次ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体に変換し、任意選択で乾燥するステップ;
d)任意選択で、前記1次または2次誘導体の塩基性加水分解を行うステップ;
e)任意選択で、ステップb)の終わりに得られた1次誘導体、ステップc)の終わりに得られた2次誘導体、またはステップd)の終わりに得られた水和物の、焼成(ステップe1))または熱水処理(ステップe2))を行って、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物を得、任意選択で乾燥するステップ
を含む、粒子の粉末の製造方法を提案する。
【0021】
この記述の残りのさらなる詳細からわかるように、本発明者らは、添加剤の添加によって、簡単におよび効率的に、有利な形態または性質を有する粒子が生成されることを発見した。任意選択のステップは、これら粒子を、やはり有用なその他の粒子に変換することが可能である。
【0022】
ステップa)およびb)、またはc)は、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体から選択され、好ましくは、ドープ型または非ドープ型の硫酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体、ドープ型または非ドープ型のリン酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体、ドープ型または非ドープ型の炭酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体から選択され、好ましくは、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性硫酸塩および/またはハフニウム硫酸塩、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性リン酸塩および/またはハフニウムリン酸塩、およびドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性炭酸塩および/またはハフニウム炭酸塩から選択された材料、およびそのような粒子の混合物で作製された、異方性の多孔質なまたは稠密な粒子の製造を可能にする。
【0023】
ステップd)は、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物から選択された材料で作製された、異方性および多孔質の粒子の製造を可能にする。そのような異方性多孔質粒子は、本発明者らに知られていない。
【0024】
一実施形態では、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物の粉末を製造するために、この方法は最大でステップa)からe)を含み、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物粉末を製造するために、この方法は最大でステップa)からd)を含み、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体粉末を製造するために、この方法は最大でステップa)からc)を含む。
【0025】
一実施形態では、この方法は、ゲル化ステップを含まない。
【0026】
本発明の特定の実施形態では、この方法は、下記の特徴の1つまたは複数を有していてもよい:
- 極性溶媒は水であり、
- 第1の試薬は、溶媒に可溶なジルコニウムおよび/またはハフニウムの塩、ジルコニウムおよび/またはハフニウムのアルコキシド、溶媒中の酸性媒体に可溶なジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体から選択され、好ましくは、オキシ塩化ジルコニウムおよび/またはハフニウム、オキシ窒化ジルコニウムおよび/またはハフニウムから選択され、好ましくは、オキシ塩化ジルコニウムおよび/またはハフニウムから、およびそれらの混合物から選択され、
- 母液中で第1の試薬により提供されたZr4+および/またはHf4+イオン濃度は、0.01から3モル/リットルの間である。この濃度は、0.1モル/リットルより高く、および/または1.2モル/リットル未満であってもよく、
- 第2の試薬は、SO42-および/またはPO43-が提供されるように選択され、
- 母液中の添加剤の濃度は10-5モル/リットルから1モル/リットルの間である。添加剤の濃度は、10-3モル/リットルより高く、および/または10-1モル/リットル未満であってもよく、
- 母液は、下記のようなものである:
- 酸性度は、0.6から2モル/lの間であり;
- 母液中のZr4+および/またはHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり;
- 陰イオン性基/(Zr4+および/またはHf4+)のモル比は、0.3から1の間であり、特に0.6から1の間であり;
- 母液中の添加剤の濃度は、10-3から10-1モル/リットルの間であり;ステップb)では、
- 加熱勾配は10-2から1℃/分の間であり;
- 加熱温度、即ち定常状態の温度は55℃から80℃の間であり、特に55℃から70℃の間であり;
- 定常状態での維持時間は15分から2時間の間である。
- 好ましくは、母液は、
ステップb)またはステップc)の後で、任意選択でドープされたジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体、
ステップd)の後で、任意選択でドープされたジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物、または
ステップe)の後で、任意選択でドープされたジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物
の粒子を、個数で20%超、50%超、80%超、90%超、またはさらに95%超含む粉末を与えるように適合される。
- 母液は、下記のようなものである:
- 酸性度は、1.6から3モル/lの間であり;
- 母液中のZr4+および/またはHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり;
- 陰イオン性基/(Zr4+および/またはHf4+)のモル比は、0.5から1の間であり、特に0.5から0.8の間であり;
- 母液中の添加剤の濃度は、10-5から10-2モル/リットルの間であり;ステップb)では、
- 加熱勾配は10-2から1℃/分の間であり;
- 加熱温度は60℃から80℃の間であり;
- 定常状態での維持時間は1時間から10時間の間である。
- 母液は、下記のようなものである:
- 酸性度は、1.2から3モル/lの間であり;
- 母液中のZr4+および/またはHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり;
- 陰イオン性基/(Zr4+および/またはHf4+)のモル比は、0.8から2.0の間であり;
- 母液中の添加剤の濃度は、10-3から10-1モル/リットルの間であり;ステップb)では、
- 加熱勾配は10-2から1℃/分の間であり;
- 加熱温度は60℃から80℃の間であり;
- 定常状態での維持時間は30分から2時間の間である。
- 母液は、下記のようなものである:
- 酸性度は、1.2から3モル/lの間であり;
- 母液中のZr4+および/またはHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり;
- 陰イオン性基/(Zr4+および/またはHf4+)のモル比は、0.3から1の間であり;
- 母液中の添加剤の濃度は、10-5から10-2モル/リットルの間であり;ステップb)では、
- 加熱勾配は10-2から1℃/分の間であり;
- 加熱温度は55℃から80℃の間であり;
- 定常状態での維持時間は30分から2時間の間である。
- 母液は、下記のようなものである:
- 酸性度は、1.2から3モル/lの間であり;
- 母液中のZr4+および/またはHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり;
- 陰イオン性基/(Zr4+および/またはHf4+)のモル比は、0.3から1の間であり;
- 母液中の添加剤の濃度は、10-3から10-1モル/リットルの間であり;ステップb)では、
- 加熱勾配は10-2から1℃/分の間であり;
- 定常状態の温度は60℃から80℃の間であり;
- 定常状態での維持時間は1時間から5時間の間である。
- 母液は、下記のようなものである:
- 酸性度は、0.6から3モル/lの間であり;
- 母液中のZr4+および/またはHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり;
- 陰イオン性基/(Zr4+および/またはHf4+)のモル比は、0.5から2の間であり;
- 母液中の添加剤の濃度は、10-2から1モル/リットルの間であり;ステップb)では、
- 加熱勾配は10-2から10℃/分の間であり;
- 加熱温度は60℃から100℃の間であり;
- 定常状態での維持時間は30分から5時間の間である。
- ステップb)、c)、d)、またはe)の後で得られた粒子の少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはさらに実質的に100%の全ての寸法は、50nm超である。
【0027】
上述の母液は、ステップb)の後に、20℃より低い温度で水に対して10-3モル/l未満の溶解度を有する、1次ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体を得ることを可能にする。
【0028】
一実施形態では、ステップa)およびb)のパラメータは、ステップb)の後に、異方性1次誘導体粒子を得るために決定される。
【0029】
好ましくは、所与の寸法のジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物の粒子を製造するために、特に、全ての寸法が50nm超、200nm超、またはさらに250nm超のベース粒子を製造するために、前記寸法を有するジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体または水和物粒子が出発粒子として使用される。
【0030】
第2の主要な実施形態によれば、本発明は、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物粒子の粉末とその混合物の製造方法に関し、この方法は、出発粒子の粉末を、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体に、好ましくはドープ型または非ドープ型の硫酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型のリン酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型の炭酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体とから選択されたものに、好ましくはドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性硫酸塩および/またはハフニウム硫酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性リン酸塩および/またはハフニウムリン酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性炭酸塩および/またはハフニウム炭酸塩とから選択されたものに、さらにそれらの混合物に、塩基性加水分解するステップを含み、または、出発粉末を、そのような粒子の混合物に塩基性加水分解するステップを含み、前記出発粒子は、凝集したまたは凝集していない異方性の塩基性粒子から形成されている。
【0031】
したがって、本発明によれば、この方法は、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体の出発粒子を塩基性媒体中で加水分解して、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物粒子に変換することにあるステップを含む。
【0032】
加水分解ステップは、特にステップd)であってもよく、特に、ステップd)に対する任意選択の特徴の1つまたは複数を含んでいてもよい。出発粒子の粉末は、特に、上述の第1の主要な実施形態による製造方法によって製造された粉末であってもよく、特に、ステップb)またはステップc)の後に得られた粉末であってもよい。
【0033】
第3の主要な実施形態によれば、本発明は、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物粒子の粉末、好ましくはZrO2、ドープ型ZrO2、HfO2、ドープ型HfO2の製造方法に関し、この方法は、出発粒子の粉末を、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物と、それらの混合物とから選択された、好ましくはドープ型または非ドープ型の硫酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型のリン酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型の炭酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物と、それらの混合物とから選択された、好ましくはドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性硫酸塩および/またはハフニウム硫酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性リン酸塩および/またはハフニウムリン酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性炭酸塩および/またはハフニウム炭酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/ハフニウム水和物と、それらの混合物とから選択された材料に、焼成するステップを含み、または、そのような出発粒子の混合物を含む粉末を焼成するステップを含み、前記出発粒子は、凝集したまたは凝集していない異方性の塩基性粒子を含みまたはこれらの粒子から形成されるものであり、これらの粒子が水和物形態の場合には、出発粒子は多孔質でもある。
【0034】
焼成ステップは、第1の主要な実施形態のステップe1)であってもよく、このステップの任意選択の特徴の1つまたは複数を含んでいてもよい。異方性出発粒子は、特に、第1の主要な実施形態による方法によって製造された粒子であってもよく、特に、ステップb)、c)、またはd)から得ることができる。
【0035】
第4の主要な実施形態によれば、本発明は、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物粒子の粉末とその混合物の製造方法にも関し、この方法は、出発粒子の粉末を、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物と、それらの混合物とから選択された、好ましくはドープ型または非ドープ型の硫酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型のリン酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型の炭酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物と、それらの混合物とから選択された、好ましくはドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性硫酸塩および/またはハフニウム硫酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性リン酸塩および/またはハフニウムリン酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性炭酸塩および/またはハフニウム炭酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物と、それらの混合物とから選択された材料に熱水処理するステップを含み、または、これらの粒子の混合物を熱水処理するステップを含み、前記出発粒子は、凝集したまたは凝集していない異方性の塩基性粒子から形成されたものであり、これらが水和物の形をとる場合には出発粒子は多孔質でもある。
【0036】
熱水処理ステップは特に、第1の主要な実施形態による、および第1の主要な実施形態のステップe2)の1つまたは複数の任意選択の特徴を含む方法の場合のように、ステップe2)であってもよい。出発粒子は、第1の主要な実施形態による方法によって製造されてもよく、特にステップb)、c)、またはd)から得てもよい。
【0037】
特定の実施形態では、出発粒子の粉末は、
- (第2、3、および4の主要な実施形態の場合)ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体、好ましくは、ドープ型または非ドープ型の硫酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型のリン酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型の炭酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体とから選択され、好ましくは、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性硫酸塩および/またはハフニウム硫酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性リン酸塩および/またはハフニウムリン酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性炭酸塩および/またはハフニウム炭酸塩とから選択されたもの、
- (第3および4の主要な実施形態の場合)ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物、
または、そのような粒子の混合物
から選択された材料で作製された粒子のみ含み、前記出発粒子は、凝集したまたは凝集していない異方性の塩基性粒子から形成され、これらが水和物の形をとる場合には、出発粒子は多孔質でもある。
【0038】
特に、この実施形態によれば、出発粒子の前記粉末は、「Products of thermal hydrolysis in Zr(SO4)2-Zr(OH)4-H2O system」-Journal of the ceramic society of Japan、vol.102、No.9、pp.843〜846に記載された方法で使用される粒子など、いかなるジルコニウムおよび/またはハフニウムの塩も含まない。
【0039】
(生成物)
上述の方法は、いくつかの新しい粒子の発見を可能にする。
【0040】
ステップa)、b)、およびc)は、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体から選択された、好ましくはドープ型または非ドープ型の硫酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型のリン酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型の炭酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、それらの混合物とから選択された、好ましくはドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性硫酸塩および/またはハフニウム硫酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性リン酸塩および/またはハフニウムリン酸塩と、ドープ型または非ドープ型ジルコニウム塩基性炭酸塩および/またはハフニウム炭酸塩と、それらの混合物とから選択された材料で作製された、異方性ベース粒子の発見をもたらした。
【0041】
したがって本発明は、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体から選択された、好ましくはドープ型または非ドープ型の硫酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型のリン酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、ドープ型または非ドープ型の炭酸ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体と、それらの混合物とから選択された、好ましくはドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性硫酸塩および/またはハフニウム硫酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性リン酸塩および/またはハフニウムリン酸塩と、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性炭酸塩および/またはハフニウム炭酸塩と、それらの混合物、またはそれらの粒子の混合物とから選択された材料で作製された、凝集したまたは凝集していない異方性ベース粒子を、個数で20%超、50%超、80%超、90%超、またはさらに95%超含む粉末にも関する。
【0042】
好ましい実施形態では、これらの粒子は稠密である。
【0043】
別の実施形態では、特にステップa)で細孔形成剤を添加する場合は、これらの粒子は多孔質である。
【0044】
これらのベース粒子は、水に不溶であり、好ましくは加水分解可能である。
【0045】
好ましくは、これらベース材料の材料は、ドープされない場合、非晶質である。しかし、この材料がドープされる場合、ドーパントから形成された結晶を有していてもよい。言い換えれば、X線回折図上で、結晶の検出に対応するピークは実質的に全てが、ドーパントを含有する結晶に対応する。
【0046】
ステップa)、b)、任意選択でc)、およびd)は、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物と、それらの混合物で作製された、凝集したまたは凝集していない多孔質異方性ベース粒子の発見をもたらした。
【0047】
したがって本発明は、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物で、またはそのような水和物の混合物で作製された、凝集したまたは凝集していない多孔質異方性ベース粒子を、個数で20%超、50%超、80%超、90%超、またはさらに95%超含む粉末にも関する。ベース粒子は、同一のまたは異なる化学組成を有していてもよい。
【0048】
好ましくは、これら粒子の材料は、ドープされない場合は非晶質である。しかし、この材料がドープされる場合、この材料は、ドーパントから形成された結晶を有していてもよい。
【0049】
ステップa)、b)、任意選択でc)、d)、およびe1)(焼成)と、ステップa)、b)、任意選択でc)、d)、およびe2)(熱水処理)は、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物と、それらの混合物、好ましくはZrO2、ドープ型ZrO2、HfO2、またはドープ型HfO2から選択された材料で作製された、凝集したまたは凝集していない多孔質異方性ベース粒子の発見をもたらした。
【0050】
したがって本発明は、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物と、それらの混合物から選択され材料で、または、これらの粒子の混合物で作製された、凝集したまたは凝集していない多孔質異方性ベース粒子を、個数で20%超、50%超、80%超、90%超、またはさらに95%超含む粉末にも関する。
【0051】
好ましくは、これら粒子の材料は結晶質である。
【0052】
本発明は、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物と、ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物と、それらの混合物とから選択された材料で作製された、凝集したまたは凝集していない稠密な異方性ベース粒子を20%超、50%超、80%超、90%超、またはさらに95%超含む粉末にも関し、このドーパントは、
- イットリウムY、ランタンLa、セリウムCe、スカンジウムSc、カルシウムCa、マグネシウムMg、およびそれらの混合物から選択された元素の酸化物であり、前記ドーパントは、好ましくは20%以下のモル量で、好ましくは酸化ジルコニウムおよび/または酸化ハフニウムを有する固溶体である。本発明による生成物は、特に、酸化イットリウムがドープされたジルコニアまたは酸化セリウムがドープされたジルコニアであってもよく;
- 好ましくは20%以下のモル量で、より好ましくは3%以下で、好ましくはジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物中に分散された、アルミニウムAlの酸化物;
-およびそれらの混合物である。
【0053】
好ましくは、前記粉末のベース粒子は、小板および/または針の形をとり、および/または星および/または小葉および/またはアーチンおよび/または中空球の形に凝集する。さらにより好ましくは、ベース粒子は小板の形をとり、および/または小葉および/または星、アーチンおよび/または中空球の形に凝集する。
【0054】
好ましくは、これら粒子の材料は結晶質である。
【0055】
ある特定の実施形態によれば、本発明は、最大サイズが200μm未満であり、および凝集したまたは凝集していない異方性ベース粒子を個数で20%超、50%超、80%超、90%超、さらに95%超含む、粒子の粉末に関し、このベース粒子は、
- 非晶質でありまたは単結晶としてドーパントを含む結晶のみ含有する、ドープ型または非ドープ型の水不溶性および加水分解可能なジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体で作製された、稠密なまたは多孔質のベース粒子であって、前記ジルコニウム誘導体は、おそらくはジルコニウム塩基性硫酸塩および/またはハフニウム硫酸塩、ジルコニウム塩基性リン酸塩および/またはハフニウムリン酸塩、およびジルコニウム塩基性炭酸塩および/またはハフニウム炭酸塩、およびそれらの混合物から特に選択されたものであるベース粒子と;
- 非晶質であり、または単結晶としてドーパントを含む結晶のみ含有する、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物の多孔質ベース粒子と;
- ドープ型または非ドープ型のジルコニアZrO2および/または酸化ハフニウムHfO2の多孔質ベース粒子と;
- これらベース粒子の混合物
によって形成された群から選択されるものである。
【0056】
好ましくは、特に、
- 非晶質であり、または単結晶としてドーパントを含む結晶のみ含有する、ドープ型または非ドープ型の水不溶性および加水分解可能なジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体で作製された多孔質ベース粒子の場合、および
- 非晶質であり、または単結晶としてドーパントを含む結晶のみ含有する、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物の多孔質ベース粒子の場合、および
- ドープ型または非ドープ型のジルコニアZrO2および/または酸化ハフニウムHfO2の多孔質ベース粒子の場合、
前記粉末は、その多孔率指数Ipが2より高く、好ましくは5より高く、好ましくは10より高く、またはさらに20より高く、またはさらに50より高い。
【0057】
ジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物の前記多孔質ベース粒子の場合、前記粉末は、好ましくはその多孔率指数Ipが80より高く、さらに100より高い。
【0058】
高い多孔率、特に2より高い多孔率指数を生成するには、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体で作製され、および本発明による方法を用いて作製された前記多孔質ベース粒子の場合、細孔形成剤の母液を添加することが必要である。
【0059】
多孔質ベース粒子がドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体で作製される場合、前記粉末は、10m2/g超、またはさらに20m2/g超、40m2/g超、50m2/g超、70m2/g超、100m2/g超の比表面積を有していてもよく、粉末のメソ細孔およびミクロ細孔の体積の合計は、0.05cm3/g超、またはさらに0.08cm3/g超、またはさらに0.10cm3/g超である。
【0060】
多孔質ベース粒子が、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物で作製される場合、前記粉末は、100m2/g超、200m2/g超、250m2/g超、300m2/g超、および/または380m2/g未満の比表面積を有していてもよく、粉末のメソ細孔およびミクロ細孔の体積の合計は、0.10cm3/g超、0.15cm3/g超、0.20cm3/g超、および/または0.30cm3/g未満であってもよい。
【0061】
多孔質ベース粒子が、ジルコニアZrO2および/または酸化ハフニウムHfO2で作製される場合、前記粉末は、20m2/g超、50m2/g超、70m2g超、100m2/g超、および/または200m2/g未満の比表面積を有していてもよく、粉末のメソ細孔およびミクロ細孔の体積の合計は、0.08cm3/g超、0.10cm3/g超、0.20cm3/g超、および/または0.30cm3/g未満であってもよい。
【0062】
全ての寸法が50nmより大きい粒子の粉末の場合(即ち、ベース粒子の95個%超が、全て50nmより大きい寸法を有する場合)、本発明者らは、特徴的な「比表面積が10m2/gより大きく、メソ細孔およびミクロ細孔の体積の合計が0.05cm3/gより大きい」は、特徴的な「多孔率指数Ipが2以上である」と実質的に均等であると見なす。
【0063】
したがって本発明は、特徴的な「2以上のIp」または特徴である「多孔質」が、ベース粒子の全ての寸法が50nmより大きい場合に特徴的な「比表面積が10m2/gより大きく、メソ細孔およびミクロ細孔の体積の合計が0.05cm3/gより大きい」に置き換えられる、上述のような粒子の粉末に関する。
【0064】
相反して本発明は、特徴的な「2未満のIp」または特徴である「稠密」が、ベース粒子の全ての寸法が50nmより大きい場合に特徴的な「比表面積が10m2/g未満であり、メソ細孔およびミクロ細孔の体積の合計が0.05cm3/g未満である」に置き換えられる、上述のような粒子の粉末に関する。
【0065】
本発明による粉末の稠密なベース粒子が、ドープ型または非ドープ型のジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体、特にドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性硫酸塩および/またはハフニウム硫酸塩、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性リン酸塩および/またはハフニウムリン酸塩、ドープ型または非ドープ型のジルコニウム塩基性炭酸塩および/またはハフニウム炭酸塩、またはこれら誘導体の混合物で作製される場合、前記粉末は、7m2/g未満の比表面積を有していてもよく、粉末のメソ細孔およびミクロ細孔の体積の合計は、0.05cm3/g未満であってもよい。
【0066】
本発明による粉末の稠密なベース粒子が、ジルコニアZrO2および/または酸化ハフニウムHfO2で作製される場合、前記粉末は、7m2/g未満、またはさらに5m2/g未満の比表面積を有していてもよく、粉末のメソ細孔およびミクロ細孔の体積の合計は、0.02cm3/g未満であってもよい。
【0067】
一般に、本発明は、1200℃より低い温度での焼成のステップe1)を含む方法を特に介した、本発明による方法により得られたまたは得ることができる粉末に関する。
【0068】
本発明による粉末は、下記の任意の特徴の1つまたは複数を含んでいてもよい:
- 粉末の粒子(ベースまたは凝集した)の最大サイズ(D99.5)は、150μm未満、100μm未満、80μm未満、または50μm未満である;
- 粒子は、水不溶性である;
- ベース粒子は、その個数で20%超、50%超、80%超、90%超、またはさらに95%超、またはさらに実質的に100%が、独立してまたは凝集した粒子を構成した状態で、小板、特に厚さが50nmより厚い小板、特に200nmより長い針から選択された形状を有する;
- 前記粒子は、その個数で少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、またはさらに、実質的には100%が、下記の形態、即ち、
- 特に2から50個の小板から形成された層状、
- 特にテーパ状および/または直線状の分岐を含み、またはそのような分岐のみを含み、特に3から15個の分岐を含み、好ましくは3、4、または5個より多い分岐を含む星、および
- 好ましくは0.7より大きい真球度指数を有する球状、特に中空球
の形態の1つにある規則正しく凝集した粒子であり、
および/または不規則に凝集した粒子、特にアーチンの形をした粒子であり;
- 凝集した粒子は、特に、針または小板のベース粒子のアセンブリから得ることができる。これらのベース粒子は、それ自体を、中間体である凝集した粒子の形にアセンブルしてもよい。例えば、凝集した粒子は、星のアセンブリから、または星および針のアセンブリから形成してもよい;
- 凝集した粒子は、全ての寸法が250nmより大きいベース粒子から形成される;
- ベースまたは凝集粒子の全ての寸法は、50nm超、100nm超、200nm超、250nm超、500nm超、またはさらに600nm超である。50nmより大きいサイズは、気体を良好に拡散させる細孔を生成するのに特に有利であり、したがって、良好な触媒または濾過性能品質が実現される。粒子は、異方性であってもよく、特に小板形状または針形状のもの、特に200nmより長い長さのものであってもよい;
- ベース粒子の少なくとも95個%、またはさらに実質的に100個%は、その全ての寸法が50nmより大きくなるような形状を有する;
- ベース粒子は、小板、針、または小葉の場合と異なる形状を有し、特に50nm未満の少なくとも1つの寸法を有する場合に異なる形状を有する;
- 粒子はドープされており、粒子のドーパントは、イットリウムY、スカンジウムSc、セリウムCe、ケイ素Si、硫黄S、アルミニウムAl、カルシウムCa、およびマグネシウムMgから選択された元素、およびそれらの混合物の化合物から選択される;
・粒子がジルコニアおよび/またはハフニウムの酸化物粒子である場合、ドーパント化合物は、特に、下記の通りであってもよく、
- Y、La、Ce、Sc、Ca、Mg、およびそれらの混合物から選択された元素の酸化物であって、酸化ジルコニウムおよび/または酸化ハフニウムを、好ましくは20%以下のモル量で有する固溶体であるもの。本発明は、特に、酸化イットリウムがドープされたジルコニアまたは酸化セリウムがドープされたジルコニアの粉末に関する;
- Si、Al、およびSから選択された元素、およびそれらの混合物の酸化物であって、酸化ジルコニウムおよび/または酸化ハフニウム中に分散されたもの。酸化物が酸化アルミニウムの場合、そのモル量は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは3%以下である;
・粒子がジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物の粒子である場合、ドーパント化合物は、特に、下記の通りであってもよく、
- Y、La、Ce、Sc、Ca、Mg、およびそれらの混合物から選択された元素の水和物であって、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物との緊密なモル混合物として、好ましくは20%以下のモル量にあるもの。本発明は、特に、混合型ジルコニウムイットリウム水和物、および/または混合型ジルコニウムセリウム水和物の粉末に関する;
- アルミニウム水和物であって、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物中に、好ましくは20%以下、より好ましくは3%以下のモル量で分散されたもの;
- Si、S、およびそれらの混合物から選択された元素の酸化物であって、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物中に分散されたもの;
・粒子が、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体の粒子である場合、ドーパント化合物は、特に、下記の通りであってもよい:
- 好ましくは20%以下のモル量にある、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体との緊密なモル混合物として、Y、La、Ce、Scから選択された元素の誘導体。本発明は、特に、ジルコニウムおよびイットリウムの混合した誘導体、またはジルコニウムおよびセリウムの混合した誘導体の、粉末に関する;
- 好ましくは20%以下のモル量にある、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体との緊密なモル混合物として、Ca、Mg、およびそれらの混合物から選択された元素の塩;
- 好ましくは20%以下、より好ましくは3%以下のモル量で、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体との緊密なモル混合物としての、またはジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体の表面に局在化した、アルミニウム水和物;
- ジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体との緊密なモル混合物としての、またはジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体の表面に局在化した、Si、S、およびそれらの混合物から選択された元素の酸化物;
- 好ましくは、ドーパントのモル量は、粒子の材料の質量の40%未満、またはさらに20%未満、またはさらに10%未満、またはさらに5%未満、またはさらに3%未満であるように決定される;
- 粒子粉末は、好ましくは10m2/超、またはさらに20m2/g超、またはさらに50m2/g超、またはさらに100m2/g超の比表面積を有する。粉末のメソ細孔およびミクロ細孔の体積の合計は、好ましくは0.05cm3/g超、またはさらに0.1cm3/g超、またはさらに0.15cm3/g超である;
- 実施形態とは無関係に、好ましくは、本発明による粉末の不純物の含量は、乾燥物質の質量パーセンテージとして0.7%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.3%未満、より好ましくは0.1%未満である。
【0069】
本発明は、200μm未満の最大粒度(D99.5)および2未満の多孔率指数Ipを有する粉末にも関し、この多孔率指数は、比Asr/Asgに等しく、式中、
- Asgは、粉末の形状および粒度の決定から計算された、理論上の幾何学的比表面積であり;
- Asrは、BETによる実際の比表面積の測定値であり;
前記粉末は、
- 0.6未満の真球度指数を有し、
- 特に3から15個のテーパ状のおよび/または直線状0の分岐を含む星の形、または2から50個の小板から形成された小葉の形に凝集しており、および
- 式MOx[Mは、Zr4+、Hf4+、またはZr4+およびHf4+の混合物であり、xは、0ではない正数である]のジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物から形成された
ベース粒子を20個%より多く含む。
【0070】
この実施形態に不適合ではない限り、前述の実施形態による粉末の特徴は、この粉末に適用可能である。
【0071】
本発明は、200μm未満の最大粒度(D99.5)および2未満の多孔率指数Ipを有する粉末にも関し、この多孔率指数は、比Asr/Asgに等しく、式中、
- Asgは、粉末の形状および粒度の決定から計算された、理論上の幾何学的比表面積であり;
- Asrは、BETによる実際の比表面積の測定値であり;
前記粉末は、
- 0.6未満の真球度指数を有し、
- 式MOx[Mは、Zr4+、Hf4+、またはZr4+およびHf4+の混合物であり、xは、0ではない正数である]のジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物から形成された
ベース粒子を20個%より多く含み、但し、「第1の酸化物」として知られる前記酸化物は、
- 前記第1の酸化物との固溶体である、Y、La、Ce、Ca、Mg、およびそれらの混合物から選択された元素の第2の酸化物;
- 前記第1の酸化物中に分散された、Si、Al、S、およびそれらの混合物から選択された元素の第2の酸化物;
- およびそれらの混合物
から選択されたドーパントを使用してドープされるものである。
【0072】
この実施形態に不適合でない限り、上述の実施形態による粉末の特徴は、この粉末に適用可能である。
【0073】
好ましくは、前記ベース粒子は、小板形状を有し、および/または星および/または小葉および/またはアーチンおよび/または中空球の形に凝集される。
【0074】
本発明は、特に押出し、造粒(例えば、噴霧化による)、射出成型、加圧(一方向加圧、ホットプレス、CIP、HIPなど)、鋳造(スリップ鋳造、ストリップ鋳造など)、コーティング(遠心分離または「スピンコーティング」を介して、浸漬または「浸漬コーティング」によってなど)技法を介して製造された構造物質であって、それを構成する材料の理論密度の98%より高い密度を有する物質、多孔率指数Ip>2の物質、厚さ1mm未満であり多孔率指数Ip>2でありまたはそれを構成する材料の理論密度の98%より高い密度を有するコーティング、特に、触媒コーティングまたは「ウォッシュコーティング」であって、例えば浸漬コーティングによってまたはスピンコーティングによって、あるいはストリップ鋳造によって得られたコーティングから選択された構造物質にも関し、前記物質または前記コーティングは、本発明による粉末から得られるものである。
【0075】
本発明は、触媒として、触媒担体として、特に気体または液体を処理するための濾過要素として、燃料電池の要素、特にアノードまたは電解質として、特にSOFC型の燃料電池として、圧電材料として、光コネクタとして、歯科用セラミックとして、またはより一般には、構造セラミックとしての、即ち良好な機械的性質および/または良好な耐摩耗性が望まれる任意の適用例での、本発明による粉末または本発明による物質の使用にも関する。
【0076】
本発明は、触媒、触媒担体、特に気体または液体を処理するための濾過要素、燃料電池の要素、特にアノードまたは電解質、特にSOFC型の燃料電池、圧電材料、光コネクタ、歯科用セラミック、またはより一般には、構造セラミック、即ち、本発明による粉末を含みまたはその粉末から得られるものであることが注目すべきことである、良好な機械的性質および/または良好な耐摩耗性を有する構成要素にも関する。
【0077】
本発明のその他の特徴および利点も、下記の詳細な説明を読むことによって、および添付図面を検討することによって、明らかにされよう。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による方法の、主なステップについて記述するスキームである。
【図2a】針の形をした粒子のスキームである。
【図2b】小板の形をした粒子のスキームである。
【図2c】小葉の形をした粒子のスキームである。
【図2d】星の形をした粒子のスキームである。
【図2e】中空球の形をした粒子のスキームである。
【図3a】粒子粉末の写真である。
【図3b】粒子粉末の写真である。
【図3c】粒子粉末の写真である。
【図3d】粒子粉末の写真である。
【図3e】粒子粉末の写真である。
【図3f】粒子粉末の写真である。
【図3g】粒子粉末の写真である。
【図3h】粒子粉末の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
(定義)
パーセンタイルまたは「センタイル」0.5(D0.5)、50(D50)、および99.5(D99.5)は、粉末の粒度の累積粒度分布曲線上の、それぞれ0.5%、50%、および99.5%という質量パーセンテージに相当する粉末の粒子のサイズであり、粒度は、小さい方から順に分類されている。例えば、粉末の粒子の99.5質量%はD99.5未満のサイズを有し、粒子の0.5質量%はD99.5より大きいサイズを有する。粉末の粒子の0.5質量%は、D0.5未満のサイズを有する。パーセンタイルは、セディグラフを使用して形成された粒度分布を用いて決定してもよい。本明細書で使用されるセディグラフは、Micromeritics(登録商標)社製のSedigraph 5100である。
【0080】
D50は、粒子のアセンブリの「メジアンサイズ」に該当し、即ち、このアセンブリの粒子を、質量が等しい第1および第2の集団に分割するサイズに該当し、これら第1および第2の集団は、メジアンサイズよりそれぞれ大きいまたは小さいサイズを有する粒子のみ含んでいる。
【0081】
「粉末の粒子の最大サイズ」という用語は、前記粉末の99.5パーセンタイル(D99.5)を意味する。
【0082】
「粉末」は、粒子のアセンブリである。これらの粒子は、「ベース」粒子、即ち他のベース粒子に結合していないもの、「凝塊形成した」または「凝集した」粒子であってもよい。ベース粒子の単純な凝塊とは異なって、「凝集体」とも呼ばれる凝集した粒子は、例えば超音波を適用した場合に容易に解離せず、および耐性がある。従来、凝集した粒子のベース粒子間の結合が化学結合であるのに対し、凝塊では、その結合は電荷または極性の作用から得られる。
【0083】
本発明の記述において、「粒子」という用語は、ベース粒子および凝集体を意味する。
【0084】
「不純物」という用語は、出発材料と共に必然的に導入される不可避の構成成分、またはこれらの構成成分との反応から生じる成分を意味する。したがって、本明細書において、「不純物」という用語は、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの化合物(誘導体、水和物、または酸化物)以外および任意選択の(1種または複数の)ドーパント以外の、任意の要素を意味する。「水和物」または「誘導体」の不純物の含量は、1000℃で焼成した後に測定される。誘導体の場合、前記誘導体の(1個または複数の)陰イオン性基の(1個または複数の)元素は、不純物と見なさない。例えば、ZBSの1000℃での焼成後、残留硫黄を不純物と見なさない。
【0085】
生成物の「ドーパント」または「ドーパント化合物」という用語は、少量の構成成分、即ち、検討中の材料において最高モル含量を有する構成成分ではない構成成分を意味する。例えば、アルミナがドープされたジルコニアは、ジルコニアの場合以下のモル量のアルミナを含有する。一方、例えば、「Preparation of Mesoporous Ce0.5Zr0.5O2 Mixed Oxide by Hydrothermal Templating Method」、Journal of Rare Earths 25、2007年、710〜714頁の論文に記載されている式Ce0.5Zr0.5O2の化合物の酸化セリウムは、ドーパントではない。
【0086】
拡大解釈すれば、「ドーパント」という用語は、ドープされた生成物の製造プロセス中に導入された、化学種も意味する。後者のドーパントは、ドープされた生成物中に存在するドーパントと同一であっても異なっていてもよく、即ち、ドープされた生成物中に存在するドーパントの前駆体を構成してもよい。次いでドープされた生成物中に存在するドーパントは、ドープされた生成物の製造中に導入されたドーパントの「後継物質」とも呼ばれる。例えば、YCl3を添加することによって、イットリウム塩基性硫酸塩がドープされたジルコニウム塩基性硫酸塩を得ることができる。
【0087】
粒子のドーパントは、
- 下記の形をとる粒子内、即ち、
○ 定められた化合物(例えば、ZrOSO4、ZrCeO4)、または固溶体、または緊密な分子混合物(例えば、(ZrxYy)BS、(ZrxCey)O2、但しx+y=1)、および/または
○ 分散体(例えば、ジルコニア粒子中にアルミナを分散させた分散体)、および/または
○ 封入体
の形をとる粒子内、
- および/またはその粒子の表面に、
局在化していてもよい。
【0088】
「誘導体」という用語は、一般に、式M(OH)x(N')y(OH2)zの化合物を意味し、Mは金属陽イオンまたは金属陽イオンの混合物であり、Nは陰イオンまたは陰イオンの混合物であり、添え字xおよびyは厳密な正数であり、添え字zは正数または0であり、またこの化合物は、20℃より低い温度で水に対して10-3モル/l未満の溶解度を有している(例えば、「Zirconia Needles Synthesized Inside Hexagonal Swollen Liquid Crystals」、Chemistry of Materials、2004年、16巻、4187〜4192頁に記載されている方法の結果である、オキシ塩化ジルコニウム8水和物などのジルコニウム塩とは異なる)。陰イオンは、無機(Cl-)または有機(酢酸CH3-COO-)、単原子(F-)または多原子(SO42-)であってもよい。
【0089】
特に、MがZr4+、Hf4+、またはZr4+およびHf4+の混合物である場合、誘導体は、それぞれ「ジルコニウム誘導体」、「ハフニウム誘導体」、または「ジルコニウムおよびハフニウム誘導体」と呼ばれることになる。
【0090】
ステップb)およびc)は特に、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体の製造を可能にする。
【0091】
他に指示しない限り、本発明の記述および特許請求の範囲において、「誘導体」は、本発明による方法を介して製造することができる誘導体である。
【0092】
「ジルコニウム塩基性硫酸塩」または「ZBS」という用語は、一般式Zr(OH)x(SO4)y(H2O)z[式中、yは0.2から2の間であり、xはx+2y=4であるような値であり、zは正数または0である]のジルコニウム誘導体を意味する。
【0093】
「ジルコニウム塩基性炭酸塩」または「ZBC」という用語は、一般式Zr(OH)x(CO3)y(H2O)z[式中、yは0.2から2の間であり、xはx+2y=4であるような値であり、zは正数または0である]のジルコニウム誘導体を意味する。
【0094】
「ジルコニウム塩基性リン酸塩」という用語は、一般式Zr(OH)x(PO4)y(H2O)z[式中、yは0.2から2の間であり、xはx+3y=4であるような値であり、zは正数または0である]のジルコニウム誘導体を意味する。
【0095】
「塩」という用語は、式M(OH)x(N')y(OH2)z[式中、Mは金属陽イオンまたは金属陽イオンの混合物であり、N'は陰イオンまたは陰イオンの混合物であり、添え字x、y、およびzは正数または0であり、x+y>0であり、20℃より低い温度の水に対して10-3モル/lより高い溶解度を有する]の化合物を意味する。陰イオンは、無機(Cl-)または有機(酢酸CH3-COO-)、単原子(F-)、または多原子(SO42-)であってもよい。ジルコニウムの場合、典型的な塩は、オキシ塩化ジルコニウムZr(OH)2Cl2(OH2)4、塩化ジルコニウムZrCl4、および硫酸ジルコニウムZr(SO4)2である。
【0096】
「オキシ塩化ジルコニウム」または「ZOC」という用語は、式Zr(OH)2Cl2(OH2)4の結晶質ジルコニウム塩を意味する。
【0097】
「水和物」という用語は、従来、式MOx(OH)y(OH2)z[式中、Mは金属陽イオンまたは金属陽イオンの混合物であり、添え字xおよびzは正数または0であり、添え字yは正数であり、2x+yは陽イオンの価数に等しくまたは陽イオンの混合物の平均価数に等しい)の化合物を意味する。例えば、ジルコニウム水和物または「ZHO」は、式ZrOx(OH)y(OH2)zを有し、但しz≧0、y≧0、および2x+y=4である。
【0098】
特に、MがZr4+、Hf4+、またはZr4+およびHf4+の混合物である場合、水和物は、それぞれ「ジルコニウム水和物」、「ハフニウム水和物」、または「ジルコニウムハフニウム水和物」と呼ばれることになる。xおよびzが0の場合、水和物は、式Zr(OH)4を有することになり、「水酸化ジルコニウム」とも呼ばれることになる。
【0099】
この定義によれば、一般式ZrO2・n(H2O)のタイプを有するジルコニウム水和物は、本発明の意味の範囲内において水和物ではない。
【0100】
定義によれば、水和物は、20℃より低い温度の水に対して10-3モル/l未満の溶解度を有する。
【0101】
他に指示しない限り、本発明の記述および特許請求の範囲において、「水和物」は、本発明のよる方法を介して製造することができる水和物である。
【0102】
「酸化物」という用語は、従来、式MOx[式中、Mは金属陽イオンまたは金属陽イオンの混合物であり、xは0以外の正数である]の化合物を意味する。例えば、ジルコニアZrO2は、酸化ジルコニウムである。
【0103】
硫黄およびリンの特定の場合、酸化物形態の化合物は、それぞれ硫黄およびリンの全ての酸化物化合物も含む。酸化硫黄化合物、例えばSO42-であり、酸化リン化合物は、例えばPO43-である。
【0104】
反対に指示がない場合には、本発明の記述および特許請求の範囲において、「酸化物」は、本発明による方法を介して製造することができる酸化物である。
【0105】
「オキソ陰イオン」という用語は、従来、式QOxn[式中、Qは金属(例えば、ケイ素)または非金属(例えば、炭素、リン、または硫黄)であり、nは1以上の整数であり、xは(n+w)/2に等しく、但しwは検討中の金属または非金属の価数である]の酸化物を含有する陰イオンを意味する。
【0106】
「焼成」という用語は、生成物を酸化物形態に変換するための熱処理を意味する。典型的には、焼成は、500℃以上の温度で行われる。
【0107】
「乾燥」という用語は、溶媒の全てまたは乾燥生成物の構成成分中に沈殿しない溶媒のみを除去するために、一般に400℃より低い温度で行われる熱処理を意味する。例えば、溶媒が水の場合、ジルコニウム水和物を乾燥することによって、前記水和物の構成成分の水以外の水を除去することが可能になる。焼成とは異なり、乾燥は、処理した生成物の酸化物形態への変換をもたらさない。
【0108】
「開放多孔率」という用語は、形成された粉末または固体の形をとる材料の、接触可能な細孔の全てに起因し得る多孔率を意味する。the International Union of Pure and Applied Chemistry、1994年、66巻、8号、1739〜1758頁の分類によれば、接触可能な細孔は、それら等価直径に応じて3つのカテゴリーに分類され:
- マクロ細孔は、等価直径が50nm超の接触可能な細孔であり;
- メソ細孔は、等価直径が2から50nmの間の接触可能な細孔であり;
- ミクロ細孔は、等価直径が2nm未満の接触可能な細孔であり;
この細孔の等価直径は、IUPACの資料に示されるように、前記細孔の最小寸法によって定義されるものである。例えば、細孔が円筒状の場合、等価直径は、その円筒の直径になる。
【0109】
「開放多孔率」は、マクロ多孔率、メソ多孔率、およびミクロ多孔率の合計である。
【0110】
前記分類のそれぞれにおいて、「細孔容積」は、従来、検討中の粉末または物質の質量に対し、粒子の接触可能な細孔によって占有される容積を意味する。「マクロ細孔容積」、「メソ細孔容積」、および「ミクロ細孔容積」は、それぞれ、マクロ細孔、メソ細孔、およびミクロ細孔に対応する粉末または固体の質量に対する容積である。
【0111】
マクロ細孔容積は、従来、水銀多孔率測定によって測定され;メソ細孔容積およびミクロ細孔容積は、従来、-196℃での窒素の吸着および脱着によって測定される。
【0112】
「細孔形成」剤は、ステップa)で母液に導入されたとき、粒子に、その大部分が開放している細孔の生成をもたらす薬剤である。
【0113】
粒子の粉末または物質の「多孔率指数」Ipという用語は、比Asr/Asgを意味し、
- Asgは、粉末または物質の形状および粒度の決定から計算された、理論上の幾何学的比表面積であり;
- Asrは、BETによる実際の比表面積の測定値である。
【0114】
したがって、Ip=1である場合、即ち、Asr=Asgである場合、粉末または物質の粒子は、開放多孔率を全く持たず、完全に稠密である。
【0115】
実際に、
○ Ip≧2である場合、即ちAsr≧Asgである場合、粉末または物質の粒子は有意な開放多孔率を有し、これを本明細書では「多孔質粒子」と呼び;
○ Ip<2である場合、粉末または物質の粒子はその多孔率が不十分であり、これを本明細書では「稠密粒子」と呼ぶ。
【0116】
多孔率指数は、粉末または物質の粒子の開放多孔率(ミクロ多孔率、メソ多孔率、およびマクロ多孔率)を特徴付ける。
【0117】
「多孔質凝集体」、「多孔質凝塊」、および「多孔質固体物質」という用語は、それぞれ、多孔率指数がIp≧2である凝集体、凝塊、または個体物質を意味する。
【0118】
2種の化合物および「それらの混合物」と言う場合、この表現は、これら2種の化合物と、これら化合物の粒子が明らかに識別できるこれら化合物の混合物だけではなく、これら化合物の固溶体および/または緊密な分子混合物も含む。ジルコニウム化合物およびハフニウム化合物の「混合物」は、例えば、ジルコニウムおよびハフニウム(Zr、Hf)の固溶体と、ZrO2粒およびHfO2粒の混合物を含む。
【0119】
溶液または懸濁液の酸性度は、前記溶液または懸濁液のH+イオンの濃度、[H+]に等しい。溶液または懸濁液の酸性度は、10-pHにも等しい。酸性度は、モル/lで表される。
【0120】
「テクスチャ特性」という用語は、形成された粉末または固体物質を特徴付ける物理的表面特性、即ち、比表面積、メソ細孔容積、ミクロ細孔容積、マクロ細孔容積、細孔のサイズ分布、および平均細孔サイズの全てを照合する。
【0121】
「ベース粒子」という用語は、「基本的な」粒子、特に針または小板の形をした粒子を意味する。
【0122】
「針」という用語は、細長い全体形状の異方性粒子、即ち、主に直線的または非直線的なガイドラインに沿って延びる異方性粒子を意味する。しかし、このガイドラインに沿って測定された長さLは、幅「l」の50倍未満であり、この幅「l」は、ガイドラインに沿って全ての横断面(ガイドラインに直角)で測定することが可能な最大寸法である。さらに、厚さ「e」、即ち、幅「l」が測定される横断面で測定された最小寸法は、幅「l」の0.5倍より大きい。
【0123】
針は、図2aに図式的に表される。図3bおよび3cは、針状粉末の写真である。
【0124】
針の断面、即ちその長さを定めるガイドラインの方向に直角な断面は、任意の形状のものであってもよく、特に多角形であってもよく、または楕円形もしくは円形であってもよい。
【0125】
本発明によれば、好ましくは1.67<L/l<50、好ましくは2<L/l、より好ましくは5<L/lである。好ましくは、さらにL/l<20であり、好ましくはL/l<10である。
【0126】
「小板」という用語は、薄板のように、幅および比較的狭い全体形状を有する粒子を意味する。言い換えれば、小板は、一般に互いに実質的に平行な2つの広い面であって、前記面の寸法に対して短い距離だけ互いに切り離されている2つの広い面を有する。小板は、図2bに図式的に表される。図3fは、小板を表す写真である(「房」の形をした粒子と混合されている)。
【0127】
より具体的には、粒子は、粒子の2つの広い面の一方における最大測定可能寸法に対応するその長さ「L」が、幅「l」の1.5倍未満である場合、小板であると見なされ、この幅「l」は、長さ方向に沿った横断面(長さに直角)の全てで測定可能な最大寸法であり、また、厚さ「e」、即ち幅「l」が測定される横断面で測定された最小寸法が幅「l」の0.5倍未満である場合、小板であると見なされる。
【0128】
本発明によれば、e、L、およびlがそれぞれ、小板の厚さ、長さ、および幅を示す場合、好ましくはe≦0.25×l、好ましくはe≦0.22×l、および/またはL≦1.2×lである。
【0129】
好ましくは、本発明によれば、厚さ方向に直角な断面は、小板の全厚にわたって実質的に一定である。
【0130】
また好ましくは、本発明によれば、厚さ方向に直角な断面は、7個より多い辺を有し、または楕円形もしくは円形の全体形状を有する。
【0131】
凝集体の中で、「規則正しい」形および「不規則な」形は、それぞれ定められた全体形状の凝集体が構成されるようにベース粒子が配列しているか否かに応じて区別される。規則正しい形の中で、小葉、星、および球は特に区別され、特に中空球は区別される。
【0132】
「小葉」という用語は、類似したサイズの少なくとも2つの小板の平らな積層体、好ましくは高度に重なり合っている積層体から形成された粒子を意味する。言い換えれば、これら小板は類似しており、その広い面を介して接触しており、好ましくは、互いに有意に重畳している。小葉は、図2cに図式的に表されている。
【0133】
好ましくは、本発明の記述および特許請求の範囲の目的で、小葉は、W1'/W1≦1.5およびW2'/W2≦1.5であり、
- W1およびW2はそれぞれ、その厚さ方向で(即ち、平らに置かれている)、小葉を構成する小板のそれぞれが通過することのできる最小楕円の長軸および短軸を示し、
- W1'およびW2'はそれぞれ、積層方向に沿って小葉が通過することができる最小楕円の長軸および短軸を示す。
【0134】
好ましくは、本発明によれば、小葉は、50個未満、好ましくは20個未満の小板を含む。
【0135】
さらに好ましくは、本発明によれば、W1'/W1≦1.2およびW2'/W2≦1.2であり、より好ましくはW1'/W1≦1.1およびW2'/W2≦1.1であり、W1、W2、W1'、およびW2'は上記にて定義した通りである。
【0136】
「星」という用語は、任意選択で異なるサイズの本発明による少なくとも2つの針のアセンブリから形成された粒子を意味し、これらの針は、星の中心で実質的に交差しているものである。星は、図2dで図式的に表される。星を形成する針の凝集体は、図3dの写真で見ることができる。星は、その長さの中間で実質的に何本かの針が取着することによって、および/または同じ核から何本かの針を成長させることによって(星の芯を形成する)、得ることができる。
【0137】
星の、長さ「L」という用語は、星を内接させることができる最小楕円の長軸の長さを意味する(図2d参照)。
【0138】
好ましくは、星を構成する針の数n'は、15未満であり、好ましくは8未満である。
【0139】
「アーチン」という用語は、ベース粒子の、特に本発明による針および/または小板の、不規則な形のアセンブリから形成された粒子を意味する。したがってアーチンは、1つのアーチンの全体的な形が別のアーチンとは非常に異なる可能性があるという意味で、不定形のポテト形状である。アーチンを形成する針および星の凝集は、図3eの写真で見ることができる。
【0140】
「中空球」という用語は、Dが粒子の最大外径(その最大外側寸法)を示し、およびD'が空洞の最大内径(その最大内側寸法)を示す場合には、D/D'≦2になるような、中心空洞を有する等方性粒子を意味する。中空球は、図2eの断面で図式的に表される。中空球を形成する針の凝集は、図3gの写真の1つに見ることができる。
【0141】
本発明による中空球は、好ましくは針から形成される。
【0142】
好ましくは、本発明によれば、中空球の真球度指数は0.7より大きく、より好ましくは0.8より大きい。
【0143】
「真球度指数」という用語は、粒子の最小寸法と最大寸法との間の比を意味し、これらの寸法は、粒子の重心(baric center)を通過する軸に沿った「両端間」で測定される。
【0144】
粒子は、その真球度指数が0.6より大きい場合、「等方性」であると言われる。
【0145】
粒子は、その真球度指数が0.02から0.6の間である場合、「異方性」であると言われる。例えば、0.02は、その長さLが厚さeの50倍である針の、真球度指数である。真球度指数は、0.05より大きくてもよく(長さと厚さとの比は20に等しい)、またはさらに0.1より大きくてもよい(L/e比は10)。真球度指数は、0.5未満であってもよく、またはさらに0.4未満、またはさらに0.35未満、またはさらに0.3未満であってもよい。
【0146】
「出発粒子」という用語は、本発明による方法を行うのに使用される粒子を意味する。したがって出発粒子の性質は、検討中の方法に応じて様々である。
【0147】
化合物の全ての式において、添え字は従来、モル数を表す。
【0148】
(特徴付けの方法)
中空球以外の粒子の形態
粒状形態を有する粒子の存在は、一般に、図に示されるような走査型電子顕微鏡法画像を観察することによって、可能である。
【0149】
これらの画像は、粒子のサイズの評価も可能にする。特に、観察された粉末の粒子が、実質的に全て同じ形態を有するように見える場合、これら粒子の全てに関する平均寸法を決定することが可能である。
【0150】
中空球の形態
特徴付けがなされるサンプルの、樹脂によるコーティングおよび最終研磨(ミクロンサイズのダイヤモンドペーストによる仕上げ)の後、10から50個の間の中空球を含む画像を、走査型電子顕微鏡を使用して撮影し、このとき使用される初期倍率(×100)は、観察される中空球の数に到達するよう適合されている。多数の画像が必要であり、一般に50より多い画像が必要である。第1に、各中空球の配向はランダムであるので、また第2に、研磨によって各中空球のランダムな断面が可能になるので、それから内部構造(空洞)を決定することが可能になる。これらの画像から、粒子のアセンブリの平均として、空洞Dの最大外径および空洞D'の最大内径を評価することも可能である。
【0151】
化学分析
塩化物イオンCl-のアッセイは、イオンクロマトグラフィによって高温加水分解の後に行う。炭酸(CO32-)および硫酸(SO42-)含量は、炭素硫黄分析器、モデルLECO CS-300で測定された炭素および硫黄の含量(それぞれ、CO32-および硫酸SO42-に変換される)から決定される。
【0152】
その他の元素に関し、元素の含量が0.1質量%より高い場合には、X線蛍光分光法によって決定され;元素の含量が0.1質量未満である場合には、Vista AXモデル(Varian社から販売されている)でICP(誘導結合プラズマ)により決定される。
【0153】
強熱減量
強熱減量は、生成物を1000℃で1時間焼成した後の、生成物の質量の損失を測定することによって決定される。
【0154】
比表面積とメソ細孔およびミクロ細孔容積の測定
テクスチャ特性は、Quantachrome社から販売されているNova 2000モデルによる、-196℃でのN2の物理吸着/脱着によって決定される。サンプルは、まず、焼成した粉末または焼成した固体物質の場合250℃の真空中で2時間脱着させ、焼成していない粉末の場合は100℃で2時間脱着させる。比表面積は、Journal of the American Chemical Society 60 (1938年) 309〜316頁に記載されている、BET法(Brunauer-Emmet-Teller)によって計算する。
【0155】
メソ細孔およびミクロ細孔容積と、メソ細孔およびミクロ細孔のサイズ分布は、等温線の脱着分岐線に適用されたBJH法[E.P.Barrett、L.G.Joyner、P.H.Halenda、J.Am.Chem.Soc.、73 (1951年) 373頁に記載されている。]によって決定される。
【0156】
幾何学的比表面積Asgの決定
粉末または物質の粒子の幾何学的比表面積は、走査型電子顕微鏡法SEMによってなされる観察から決定される。幾何学的比表面積Asgは、式(1)によって与えられ:
【0157】
【数1】

【0158】
式中、ρiは、粒子iの材料の理論密度(ヘリウムの侵入によって決定される)であり、diおよびDiは、それぞれ、粒子iの重心を通過する軸に沿って「両端間」で測定された粒子iの最小寸法および最大寸法であり、nは、測定の対象を形成される粒子の数であり、n>200である。凝集した粒子の場合、nは、凝集した粒子の数を指し、それらを構成するベース粒子の数を指すものではない。
【0159】
マクロ細孔容積の測定
マクロ細孔容積およびマクロ細孔のサイズ分布は、Micromeritics社から販売されているPorosizer 9320モデルによる水銀多孔率測定によって決定される。サンプルは、形成された粉末または固体の形で導入される。最大印加圧力6000psiでは、50nmより大きい孔径に関して多孔率を測定することが可能になる。
【0160】
結晶構造の決定(XRD分析)
粉末X線回折画像は、銅のKα放射線(1.54060Å)を使用して、Bruker D5005回折分光計で得られる。強度データは、0.02°ずつ増やしながら、およびこの1回の増分当たり1秒のカウント時間として、3〜80°の間で2θ間隔で記録する。
【0161】
結晶構造は、Raman分光法などのその他の周知の方法によって、または、ベース粒子に関して局所的に、透過型電子顕微鏡法によって、確認することができる。
【0162】
粒子の粒度分布の決定
粒子の粒度分布は、Micrometrics社から販売されているSedigraph 5100モデルの機械による、セディグラフX線透過式粒度分布測定法によって決定される。特徴付けがなされるサンプルを、メタリン酸ナトリウムを含有する溶液に懸濁し、次いで超音波(電力70W)の下で3分間、2回、分散させる。次いで懸濁液を、撹拌しながら分析用装置内に導入する。
【0163】
(詳細な説明)
上述のステップa)からe)を含む、本発明による方法の一実施形態について、次に詳細に記述する。
【0164】
ステップa)
ステップa)では、極性溶媒[1]を、水、アルコール、および有機溶媒と、それらの混合物から選択してもよい。好ましくは、極性溶媒は水である。
【0165】
第1の試薬[2]は、Zr4+および/またはHf4+イオンが提供されるように選択される。
【0166】
好ましくは、この試薬は、母液の溶媒に可溶である。
【0167】
より好ましくは、この試薬は、
- 前記溶媒に可溶なジルコニウムおよび/またはハフニウムの塩、例えば、塩化物、オキシ塩化物、硫酸塩、オキシ硝酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、またはクエン酸塩;
- ジルコニウムおよび/またはハフニウムのアルコキシド、例えばブトキシドまたはプロポキシド;
- 前記溶媒中の酸性媒体に可溶なジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体、例えば塩基性炭酸塩および水酸化物;
- およびそれらの混合物
から選択してもよい。
【0168】
好ましくは、第1の試薬は、溶媒に可溶なジルコニウムおよび/またはハフニウムの塩と、それらの混合物から、好ましくは、オキシ塩化物およびオキシ硝酸塩とそれらの混合物から、より好ましくはオキシ塩化物から選択される。
【0169】
第2の試薬は、第1の試薬により提供されたZr4+および/またはHf4+イオンでの沈殿によって、加水分解性の、好ましくは異方性のジルコニウムおよび/またはハフニウムの誘導体をステップb)で形成するように、陰イオン性基が提供されるよう選択される。
【0170】
第2の試薬[3]は、好ましくは、陰イオン性基SO42-またはPO43-、およびそれらの混合物が提供されるように選択される。好ましくは、第2の試薬は、Na2SO4およびH2SO4の混合物であってもよい。好ましくは、第2の試薬は、SO42-陰イオン性基が提供されるように選択される。Zr4+イオンを提供する第1の試薬では、SO42-またはPO43-陰イオン性基を提供する第2の試薬は、ステップb)の後にそれぞれ、ZBS(ジルコニウム塩基性硫酸塩)またはジルコニウム塩基性リン酸塩をもたらす。ステップc)が存在しない場合であっても、この試薬は、ZBSまたはジルコニウム塩基性リン酸塩の塩基性加水分解であるステップd)の後に、ZHO(ジルコニウム水和物)またはドープ済みZHOの粒子をもたらすことができる。これらの試薬は、ZHOもしくはドープ済みZHO、またはZBSもしくはドープ済みZBS、またはジルコニウム塩基性リン酸塩もしくはドープ済みジルコニウム塩基性リン酸塩の焼成のステップe1)または熱水処理のe2)の場合、ジルコニアまたはドープ済みジルコニア粒子をもたらすこともできる。
【0171】
ある特定の実施形態において、第1の試薬は、Zr4+および/またはHF4+イオンと陰イオン性基の両方を提供することができる。例えば、第1の試薬は、Zr4+イオンおよびSO42-陰イオン性基の両方の提供を可能にする、硫酸ジルコニウム、Zr(SO4)2であってもよい。
【0172】
陰イオン性基の濃度とZr4+および/またはHf4+イオンの濃度の比は、好ましくは0.2から5の間である。好ましくは、この比は0.3より大きく、好ましくは0.4より大きく、より好ましくは0.5より大きく、および/または2未満であり、好ましくは1.5未満であり、より好ましくは1.2未満である。例えば、SO42-陰イオン性基の濃度とZr4+イオンの濃度との比は、0.3から2の間でよく、好ましくは0.4から1.5の間、より好ましくは0.5から1.2の間でよい。
【0173】
母液は、7以下のpH、好ましくは6以下、好ましくは4以下、好ましくは2以下のpHを有していなければならない。母液のpH調節は、特に有機または無機酸および/または塩基を添加することによって行ってもよい。
【0174】
添加剤[4]は、形態の修正を可能にし、下記の群から選択される:
- 陰イオン界面活性剤およびその混合物、特に、
○ カルボキシレート(式R-CO2--G+、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、G+は単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である)、好ましくはエトキシル化カルボキシレート、エトキシル化またはプロポキシル化脂肪酸、および式R-C(O)N(CH3)CH2COO-のサルコシネート、およびそれらの混合物から選択されたカルボキシレート;
○ スルフェート(式R-SO3--G+、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、G+は単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である)、好ましくはアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、またはアルコキシル化脂肪アルコールのスルフェート、ノニルフェニルエーテルスルフェート、およびそれらの混合物から選択されたスルフェート;
○ スルホネート(式R-OSO3--G+、Rは脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、G+は単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である)、好ましくは、ドデシルベンゼンスルホネートおよびテトラプロピルベンゼンスルホネートを含むアルキルアリールスルホネート、α-スルホン化オレイフィン、スルホン化脂肪酸および脂肪酸エステル、ナトリウムスルホスクシネートおよびスルホスクシナメート、スルホコハク酸のモノおよびジエステル、スルホコハク酸モノアミド、N-アシルアミノ酸およびN-アシルプロテイン、N-アシルアミノアルキルスルホネートおよびタウリネート、およびそれらの混合物から選択されたスルホネート;
○ ホスフェート(式R'-(RO)nPO4-n(3-n)--(3-n)G+、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、G+は単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物であり、好ましくはH+、Na+、およびK+から選択され、nは3以下の整数である)、好ましくはリン酸のモノおよびジエステル、およびそれらの混合物から選択されたホスフェート;
- 両性界面活性剤およびそれらの混合物、特に、
○ 式RR'NH-CH3COO-のベタインであって、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり;
○ スルホベタイン;
○ イミダゾリウム塩;
- 陽イオン界面活性剤およびその混合物、特に、
○ 非第4級アンモニウム化合物(式R'-RnNH(4-n)+-X-、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、X-は単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物であり、nは4未満の整数である);
○ 第4級アンモニウム塩(式R'-R4N+-X-、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、X-は単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物である)、好ましくは、アルキルトリメチルアンモニウムおよびアルキルベンジルジメチルアンモニウム、およびそれらの混合物;
○ アミン塩;
○ エトキシル化脂肪アミンアンモニウム塩;
○ ジアルキルジメチルアンモニウム;
○ イミダゾリニウム塩;
- カルボン酸、その塩、およびそれらの混合物、特に脂肪族モノカルボンまたはジカルボン酸、特に飽和酸;脂肪酸、特に飽和脂肪酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、2-エチルヘキサン酸、ベヘン酸、ノニル酸、リノレン酸、アビエチン酸、オレイン酸、レシノール酸、ナフテン酸、フェニル酢酸;シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、およびセバシン酸を含むジカルボン酸。これらの酸の塩を使用してもよい。「カルボン酸塩」という用語は、式(R-COO-, G+)の化合物を意味し、G+は陽イオン性基であり、好ましくはNa+またはNH4+である;
- 式RCO2R'およびR-CONHR'の化合物、およびそれらの混合物の組から選択された非イオン性界面活性剤であって、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、特に、
○ ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化脂肪酸モノおよびジエタノールアミド;
○ ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化脂肪アミン;
○ ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化ブロックコポリマー、例えば、BASF社から販売されているPluronic(登録商標)系列のコポリマー;
○ カルボキシメチル脂肪アルコールエトキシレートから選択された、ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化脂肪アルコールおよびアルキルフェノールであり、このファミリーは、式R1-O-(CR2R3-CR4R5-O)n-CH2-COOHの、鎖の末端に基-CH2-COOHを含むエトキシル化またはプロポキシル化脂肪アルコールの組を含み、R1、R2、R3、R4、およびR5は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、nは整数である;
○ 酸化アミン;
○ アルキルイミダゾリン;
○ およびそれらの混合物;
- およびそれらの混合物。
【0175】
形態を修正するための添加剤は、好ましくは下記の群から選択される:
- 陰イオン界面活性剤およびその混合物、特に、
○ カルボキシレート(式R-CO2--G+、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、G+は単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である)、好ましくはエトキシル化カルボキシレート、エトキシル化またはプロポキシル化脂肪酸、および式R-C(O)N(CH3)CH2COO-のサルコシネート、およびそれらの混合物から選択されたカルボキシレート;
○ スルフェート(式R-SO3--G+、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、G+は単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である)、好ましくはアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、またはエトキシル化脂肪アルコールのスルフェート、ノニルフェニルエーテルスルフェート、およびそれらの混合物から選択されたスルフェート;
○ スルホネート(式R-OSO3--G+、Rは脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、G+は単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である)、好ましくは、ドデシルベンゼンスルホネートおよびテトラプロピルベンゼンスルホネートを含むアルキルアリールスルホネート、α-スルホン化オレイフィン、スルホン化脂肪酸および脂肪酸エステル、ナトリウムスルホスクシネートおよびスルホスクシナメート、スルホコハク酸のモノおよびジエステル、スルホコハク酸モノアミド、N-アシルアミノ酸およびN-アシルプロテイン、N-アシルアミノアルキルスルホネートおよびタウリネート、およびそれらの混合物から選択されたスルホネート;
○ ホスフェート(式R'-(RO)nPO4-n(3-n)--(3-n)G+、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、G+は単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物であり、好ましくはH+、Na+、およびK+から選択され、nは3以下の整数である)、好ましくはリン酸のモノおよびジエステル、およびそれらの混合物から選択されたホスフェート;
- 陽イオン界面活性剤およびその混合物、特に、
○ 非第4級アンモニウム化合物(式R'-RnNH(4-n)+-X-、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、X-は単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物であり、nは4未満の整数である);
○ 第4級アンモニウム塩(式R'-R4N+-X-、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、X-は単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物である)、好ましくは、アルキルトリメチルアンモニウムおよびアルキルベンジルジメチルアンモニウム、およびそれらの混合物;
○ アミン塩;
○ エトキシル化脂肪アミンアンモニウム塩;
○ ジアルキルジメチルアンモニウム;
○ イミダゾリニウム塩。
【0176】
好ましくは、形態を修正するための添加剤は、下記の群から選択される、
- 陰イオン界面活性剤およびその混合物、特に、
○ スルフェート(式R-SO3--G+、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、G+は単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である)、好ましくはアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、またはエトキシル化脂肪アルコールのスルフェート、ノニルフェニルエーテルスルフェート、およびそれらの混合物から選択されたスルフェート;
○ ホスフェート(式R'-(RO)nPO4-n(3-n)--(3-n)G+、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、G+は単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物であり、好ましくはH+、Na+、およびK+から選択され、nは3以下の整数である)、好ましくはリン酸のモノおよびジエステル、およびそれらの混合物から選択されたホスフェート;
- 陽イオン界面活性剤およびその混合物、特に、
○ 非第4級アンモニウム化合物(式R'-RnNH(4-n)+-X-、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、X-は単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物であり、nは4未満の整数である);
○ 第4級アンモニウム塩(式R'-R4N+-X-、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、X-は単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物である)、好ましくは、アルキルトリメチルアンモニウムおよびアルキルベンジルジメチルアンモニウム、およびそれらの混合物。
【0177】
陰イオンおよび/または陽イオン界面活性剤から選択された添加剤は、有利には、ステップb)の後に異方性1次誘導体の粒子の割合を増大させることを可能にする。
【0178】
より好ましくは、形態を修正するための添加剤は、下記の群から選択される:
- ドデシル硫酸ナトリウムまたはSDSなどの、アルキルスルフェート;
- 非第4級アンモニウム化合物(式R'-RnNH(4-n)+-X-、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、X-は単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物であり、nは4未満の整数である)、例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウムまたはCTAB。
【0179】
形態を修正するための添加剤の他に、添加剤として作用できるとして記述されているもの以外の非イオン性界面活性剤[5]を、添加してもよい。この界面活性剤は、得られた粒子の形態を修正することが、添加剤なしでは可能でない点で、添加剤[4]とは異なる。しかし、添加剤と組み合わせた場合、前記添加剤の影響を修正することができる。簡単な試験により、非イオン性界面活性剤が、製造された粒子の形態を修正するか否かをチェックすることが可能になる。任意選択の界面活性剤は、特に、式R-OR'、R-OH、R-(CH2-CH2-O)n-R'、ポリオールのファミリーの化合物の組から選択してもよく、RおよびR'は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、nは整数である。
【0180】
任意選択の非イオン性界面活性剤は、好ましくは、
- ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化ノニルフェノール(例えば、Dow Chemicals社から販売されているTriton(登録商標)系列);
- ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化脂肪アルコール;
- ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化オクチルフェノール;
- ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化脂肪酸エステル;
- ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化脂肪アルコールおよびアルキルフェノール、特にポリエトキシル化およびポリプロポキシル化エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセリルエステルおよびその誘導体、およびポリエチレングリコール;
- ソルビタンエステルを含むポリエトキシル化およびポリプロポキシル化無水ソルビトールエステル、およびソルビタンエステルまたはソルベート;
- アルキルポリグルコシド;
- エトキシル化およびプロポキシル化油;
- およびそれらの混合物
から選択される。
【0181】
任意選択の非イオン性界面活性剤は、例えば、消泡剤または表面張力剤であってもよく、例えばZschimmer-Schwartz社から販売されているContraspum K1012である。そのような消泡剤は、有利には、この方法の実施を促進させ、および/またはその収率を増加させる。表面張力剤は、例えば、添加剤の作用を増大させることができる。
【0182】
様々な界面活性剤および例の定義は、「Les techniques de l'ingenieur」、volume K2、更新版No.52(2007年5月)、Tensioactifs K342で調べることが可能である。
【0183】
細孔形成剤[6]は、特に、
- ラテックスファミリー、特にスチレンアクリレートおよび/またはポリメチルアクリレートから、およびポリビニルプロピオネートおよび/またはアセテートから;
- ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンオキシドおよび塩;
- およびそれらの混合物
から選択してもよい。
【0184】
細孔形成剤の添加は、有利には、ステップb)、c)、d)、またはe)の後に得られた粒子に多孔率の生成をもたらす。このために、細孔にスペースが残されるよう細孔形成剤を除去するために、これら粒子を加熱するステップが必要である可能性がある。
【0185】
好ましくは、細孔形成剤の量は、0.5%より多く、好ましくは2%より多く、および/または25%未満であり、好ましくは10%未満であり、このパーセンテージは、母液の第1の試薬に対する質量パーセンテージである。
【0186】
異方性粒子を得るには、添加剤は、好ましくは、第2の試薬が陰イオン性基を提供する前に、および第1の試薬がZr4+および/またはHf4+イオンを提供する直前もしくは直後に、母液中に導入される。
【0187】
母液が「別の」非イオン性界面活性剤(即ち、構成成分[5])および/または細孔形成剤を含有する場合、これらの薬剤は、好ましくは、第2の試薬を導入する直前に、したがって好ましくは第1の試薬および添加剤の導入後に、母液中に導入される。
【0188】
この順序に従わないことにより、ある添加剤は異方性粒子を沈殿させることができなくなる可能性がある。例えば、添加剤として使用されるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)では、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの1次誘導体の異方性粒子は、この添加剤が、第1の試薬の直前または直後に導入され、および第2の試薬が母液中に導入される前に導入される場合、得られることになる。母液の様々な構成成分の導入順序は、例えば、極性溶媒の導入、第1の試薬の導入、添加剤SDSの導入、「その他の」「任意選択の」非イオン性界面活性剤(構成成分[5])の導入、細孔形成剤の導入、次いで第2の試薬の導入であってもよい。対照的に、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの1次誘導体の等方性粒子は、この添加剤が、第2の試薬の後および第1の試薬が母液中に導入される前に導入された場合に得られることになる。
【0189】
しかし、ある添加剤の場合、上述の順序は絶対必要なものではない。通常の試験により、構成成分の導入順序の影響を評価することが可能になる。
【0190】
母液が調製される温度は、出発粒子の沈殿反応なしに、母液の溶媒中に導入された様々な成分の溶解を促進させるように、好ましくは大気圧での母液の溶媒の凝固温度から50℃の間であり、好ましくは室温、従来は20℃から50℃の間であり、好ましくは40℃から50℃の間である。母液中に全ての試薬を導入した後、大気圧での母液の溶媒の凝固温度から50℃の間、好ましくは室温から50℃の間、好ましくは40℃から50℃の間で、好ましくは少なくとも15分間維持し、それによって、有利に、試薬のより良好な溶解が可能になり、良好な熱的および化学的均質性を実現することも可能になる。
【0191】
ステップb)
ステップb)において、加熱温度は、好ましくは50℃より高く、および/または沸点より低く、好ましくは100℃未満、好ましくは95℃未満、好ましくは90℃未満、好ましくは80℃未満、またはさらに70℃未満である。温度Δtで維持する持続時間は、30分超、またはさらに1時間超、および/または好ましくは10時間未満、またはさらに5時間未満であってもよい。
【0192】
本発明者らは、100℃での維持が10時間を超えると、得られる粒子の形態が等方性になることを見出した。
【0193】
加熱は、好ましくは大気圧で行う。
【0194】
温度上昇速度vは、異方性成長を促進させるため、速過ぎる速度であるべきではない。好ましくは50℃/分未満であり、好ましくは10℃/未満である。加熱段階の開始は、全ての構成成分が導入された後に母液の加熱が開始される瞬間と定義される。
【0195】
ステップb)の終わりに、濾過、洗浄、酸-塩基の中和、乾燥、およびこれらの技法の組合せから選択された最終操作を、任意選択で適用してもよい。当業者に知られている任意の技法を使用してもよい。乾燥を行う場合、脱凝塊形成という任意選択のステップを、当業者に知られている任意の技法を介して行ってもよい。
【0196】
ステップb)の後に得られた化合物の溶解度は、いくつかのパラメータに依存する。特に、20℃で測定された水に対する溶解度が10-3モル/l未満である1次誘導体を得るには、下記の条件下にあることが好ましい:
- 母液中のH+イオンの濃度は、好ましくは0.6から3モル/lの間であり;
- 母液中の陰イオン性基の濃度とZr4+および/またはHf4+イオンの濃度とのモル比は、好ましくは0.3から2の間であり;
- 母液の加熱温度は、好ましくは55から100℃の間である。
【0197】
The Nouveau Traite de Chimie Minerale from Paul Pascal、volume IX、599〜610頁は、溶解度を修正するための詳細な説明を提供する。
【0198】
したがってステップb)の後、粒子の懸濁液、または粒子の粉末の懸濁液を得ることができ、これを乾燥した後は、極性溶媒[1]に不溶であり、加水分解可能である。これらの粒子は、以下の記述されるように、任意選択でドーパントを添加した場合を除き、非晶質である。
【0199】
異方性粒子を得ることもできる。適切な場合、上述のように、通常の試験によってそのような粒子の探索が可能になる。
【0200】
ステップc)
ステップc)は、極性溶媒[1]中の酸性媒体に僅かに可溶でありまたは可溶である2次誘導体の製造が望まれるか否かに応じてそれぞれ、任意選択でありまたは必要である。誘導体は、2に等しいpHでの水に対するその溶解度が10-3モル/l未満である場合、僅かに可溶であると見なされる。これと対照的な場合には、誘導体は可溶性であると見なされる。
【0201】
ステップc)では、ステップb)の終わりに得られた1次誘導体に、部分的にまたは全体的に、好ましくは全体的に、第2の試薬によって提供された陰イオン性基を「陰イオン性置換基」として知られるその他の陰イオン性基で置換するための処理を行ってもよく、この置換基は、ジルコニウムおよび/またはハフニウムと錯体を形成する強力な力を有しており、好ましくはオキソ陰イオン、17族(ハロゲン化物)の陰イオン、カルボキシレート基(R-COO-)を含む有機分子、およびこれらの混合物から選択されるものである。より好ましくは、オキソ陰イオンは、ホスフェート、スルフェート、およびカーボネートから選択され;ハロゲン化物は、塩化物およびフッ化物から選択され;カルボキシレート基を含む有機分子は、ホルメート、アセテート、オキサレート、およびタルトレートから選択される。
【0202】
前記置換を行うには、1次誘導体の粒子を、陰イオン性置換基を提供することが可能な化合物に接触させて配置する。
【0203】
ステップc)では、1次誘導体の処理は、ジルコニウムおよび/またはハフニウムとカーボネート、ホスフェート、フッ化物、または塩化物陰イオン性基とが化合するように、それぞれ、例えば炭酸化、リン酸化、フッ化物化、または塩化物化処理であってもよい。
【0204】
例えば、ステップb)の終わりに異方性ZBSを得た後、任意選択で、炭酸化処理を介して異方性ジルコニウム塩基性炭酸塩(ZBC)に変換してもよく、またはリン酸化処理を介して異方性ジルコニウム塩基性リン酸塩に変換してもよい。同じ理由付けは、ジルコニウム塩基性リン酸塩で開始した場合に適用することができる。したがってステップc)は、例えば酸性媒体中の極性溶媒[1]に可溶であるので、ステップb)で得ることが不可能な化合物を得ることを可能にする。
【0205】
ステップc)では、この処理は、ステップb)で得られた粒子の任意選択で異方性を示す性質を修正しない。
【0206】
ステップc)の終わりに、濾過、洗浄、酸-塩基の中和、乾燥、およびこれらの技法の組合せから選択された最終操作を、任意選択で適用してもよい。当業者に知られている任意の技法を使用してもよい。乾燥を行う場合、当業者に知られている任意の技法を介して、任意選択の脱凝塊形成ステップを行ってもよい。
【0207】
ステップd)
塩基性加水分解のステップd)は、ステップb)の後に得られた1次誘導体またはステップc)の後に得られた2次誘導体との反応を可能にし、また、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物に変換することを可能にする。この反応は、特に、粒子内に多孔率を生成することを可能にする。
【0208】
当業者に知られている任意の技法は、塩基性加水分解ステップd)を行うのに使用することができる。
【0209】
塩基性加水分解は、前記1次または2次誘導体を、水酸化物陰イオンOH-の少なくとも1種の供給源、好ましくは強塩基、特にNaOHもしくはKOHに、または少なくとも1種のアミンに接触させて配置することにより、前記誘導体の陰イオンをOH-で置換することを目的に行われる。
【0210】
1次または2次誘導体は、特に、
- 粉末、または
- ステップb)もしくはc)で直接得られた、または、特にステップb)もしくはc)の終わりに行われる濾過、洗浄、および/または乾燥の後、極性溶媒に、好ましくは水に再懸濁した後に得られた懸濁液
の形をとることができる。
【0211】
前記接触した状態での配置は、例えば、
- 1次または2次誘導体の固体粉末と液状塩基性溶液とを接触させて配置する、
- 固体塩基と、1次または2次誘導体の液状懸濁液とを接触させて配置する、
- 液状塩基性溶液と、1次または2次誘導体の液状懸濁液とを接触させて配置する、
- 気状形態の塩基、例えばアンモニアと、1次または2次誘導体の液状懸濁液とを接触させて配置する、
- 気状形態の塩基、例えばアンモニアと、1次または2次誘導体の固体粉末とを接触させて配置する
ことから得ることができる。
【0212】
1次または2次誘導体が、溶液中に懸濁している場合、下記の条件が好ましく使用されることになる:
- 前記溶液中のZr4+および/またはHf4+の濃度:好ましくは10モル/l未満および0.01モル/超;
- pH:好ましくは11超;
- 反応温度:溶媒の凝固温度より高く、好ましくは室温より高く、より好ましくは約50℃超、および溶媒の沸点より低く、好ましくは90℃より低い。
【0213】
使用される1次または2次誘導体の懸濁液が母液である場合、水酸化物陰イオンOH-の(1種または複数の)供給源の導入は、好ましくは90℃より低い温度で行われる。
【0214】
ステップd)の終わりに、濾過、洗浄、酸-塩基の中和、乾燥、およびこれら技法の組合せから選択された最終操作を、任意選択で適用してもよい。当業者に知られている任意の技法を使用してもよい。乾燥を行う場合、任意選択の脱凝塊形成ステップを、当業者に知られている任意の技法を介して行ってもよい。
【0215】
ステップe)
ステップe1)では、焼成条件が、粉末の多孔率指数Ipおよび比表面積を修正する。焼成温度は、特に400℃より高く、および/または1200℃より低くてよく、好ましくは1100℃より低く、より好ましくは1000℃より低い。1200℃より高い温度では、得られた粒子が低い多孔率指数を有し、即ち粒子は稠密である。1200℃より低い温度では、定常段階での維持時間が限られる場合、得られた粒子は多孔質である。定常段階での維持時間は、一般に1時間から5時間の間であり、好ましくは約2時間である。
【0216】
本発明は、ステップe1)の後に得られた稠密または多孔質粒子にも関する。
【0217】
ステップe2)では、熱水処理が、粉末の多孔率指数Ipおよび比表面積を修正する。熱水処理温度は、検討中の圧力での極性溶媒、好ましくは水の沸点より高く、好ましくは130℃より高く、および/または250℃より低く、好ましくは200℃より低い。250℃より高い温度では、得られた粒子は低い多孔率指数を有し、即ち粒子は稠密である。250℃より低い温度では、得られた粒子は多孔質である。
【0218】
熱水処理は、水蒸気の存在下、1次もしくは2次誘導体、水和物、または酸化物の粉末を加熱することによって行ってもよく、前記誘導体、水和物、または酸化物は、任意選択でドープされているものである。この処理は、特に、
- 1次もしくは2次誘導体、または水和物の、乾燥していない粉末の使用、
- 1次もしくは2次誘導体、水和物、または酸化物の、液状懸濁液の使用
によって行ってもよい。
【0219】
1次もしくは2次誘導体、水和物、または酸化物の粉末が、溶液中に懸濁している場合、下記の条件が好ましい:
- 懸濁液全体のZr4+および/またはHf4+の濃度:好ましくは10モル/lより低く、および0.01モル/lより高い;
- pH:好ましくは6から8の間;
- 反応温度:好ましくは130℃より高く、および/または250℃より低く、好ましくは200℃より低い;
- その温度で維持する持続時間:好ましくは1時間超および好ましくは10時間未満。
【0220】
例えば、本発明の1次または2次誘導体に適用される熱水処理は、任意選択で多孔質の、異方性ジルコニアの製造を可能にする。誘導体がドープされている場合、得られたジルコニアもドープされることになる。
【0221】
熱水処理が1次または2次誘導体に適用される場合、別の1次もしくは2次誘導体、水和物、または酸化物をもたらすことができる。
【0222】
熱水処理が水和物または酸化物に適用される場合、水和物または酸化物をもたらすことができる。
【0223】
本発明は、ステップe2)の後に得られた稠密なまたは多孔質の粒子にも関する。
【0224】
焼成または熱水処置は、新規な結晶質異方性形態、特に、イットリウムY、ランタンLa、セリウムCe、スカンジウムSc、カルシウムCa、マグネシウムMg、およびそれらの混合物から選択された元素の酸化物がドープされたジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物粒子を得ることを可能にし、このドーパント酸化物は、酸化ジルコニウムおよび/または酸化ハフニウムを有し、またはSi、Al、S、およびそれらの混合物から選択された元素の酸化物がドープされた酸化ジルコニウムおよび/または酸化ハフニウムの粒子を有する固溶体であり、このドーパント酸化物は、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物粒子中に分散されたものである。これらの粒子は、出発粒子が多孔質である場合、任意選択で多孔質である。ステップe)は、例えば、ZBSの焼成によってまたは熱水処理によってオキシ硫酸ジルコニウム(結晶質、異方性、多孔質)、例えばZrOSO4の製造を可能にし、あるいは、緊密な分子混合物としてイットリウム水和物がドープされたジルコニウム水和物の焼成または熱水処理によって、固溶体の酸化イットリウムがドープされたジルコニアの製造を可能にする。
【0225】
上記規則により、当業者は、簡単な通常の試験によって、特定の適用例に適した粒子を見出すこと、特に異方性粒子を見出すことが可能になる。適切な場合、下記の実験計画を使用することが可能である。
【0226】
したがってステップe)の後、下記のステップを行うことができる:
f)任意選択で、先のステップの後に得られた粒子粉末が、
- 範囲50nm〜200μmに含まれる許容可能なサイズ範囲を有する、最小パーセンテージの粒子;および
- 最小パーセンテージの異方性粒子;および
- 任意選択で、特に2より大きい多孔率指数
を有するかどうかのチェックを可能にする、適合性に関する第1の試験を行うステップ;
g)適合性試験が否定的である場合、即ち前記粉末が一致していない場合は、製造条件を修正しながら先のステップを繰り返すステップ。
【0227】
ステップf)の適合性試験は、例えば、
- 粒子の個数で20%超、またはさらに50超、またはさらに80%超、またはさらに90%超、またはさらに95%超が異方性形態である場合、および
- 粒子の個数で50%超、またはさらに80%超、またはさらに90%超が、許容可能なサイズの範囲内のサイズを有する場合、
肯定的であると見なすことができる。
【0228】
これらの基準は、特に、ステップd)が行われなかった場合に使用することができる。
【0229】
多孔質粒子を見出すには、ステップf)の適合性試験は、
- 粒子の個数で20%超、またはさらに50%超、またはさらに80%超、またはさらに90%超、またはさらに95%超が異方性形態を有する場合、および
- 粒子の個数の50%超、またはさらに80%超、またはさらに90%超が、許容可能なサイズの範囲内のサイズを有する場合、および
- 多孔率指数Ipが2より大きい場合、
肯定的であると見なすことができる。
【0230】
これらの基準は、特に、塩基性加水分解ステップ(ステップd))、またはさらに焼成ステップ(ステップe1))、またはさらに熱水処理ステップ(ステップe2))が行われた場合に使用することができる。
【0231】
塩基性加水分解および/または焼成および/または熱水処理条件の修正によって、多孔率指数を変えることも可能になる。塩基性加水分解中のpHの上昇により、多孔率指数Ipの上昇がもたらされる。焼成および/または熱水処理中、指数Ipは、加熱温度が上昇したときおよび/または定常段階での維持時間が長くなったときに低下する。
【0232】
ステップf)で使用した適合性試験とは無関係に、許容可能なサイズの範囲の下限は、特に100nm、150nm、またはさらに200nmであってもよく、および/または許容可能なサイズの範囲の上限は、特に80μmであってもよい。
【0233】
ステップg)において、粒子が一致していない場合、新しい合成の条件は、特に、
- ステップa)中、
○ 添加剤の性質;および/または
○ 添加剤の濃度であって、濃度増分が好ましくは初期濃度の5%超および/または初期濃度の15%未満、例えば初期濃度の10%である添加剤の濃度;および/または
○ 母液の様々な構成成分の溶媒への導入順序を、特に、第2の試薬の前および第1の試薬の直前または後に添加剤を導入することによって、および/または
○ pHを、特に、2より低い値に設定することによって;および/または
○ 増分が好ましくは0.3超および/または0.6未満、例えば0.4である、陰イオン性基の量とZr4+およびHf4+イオンの量との比;および/または
- ステップb)中、
○ 加熱温度を、好ましくは、15℃以下および/または5℃超、例えば10℃の温度増分によって;および/または
○ 温度Δtで維持する持続時間を、好ましくは、20分超および/または40分未満、例えば30分の時間増分によって;および/または
○ 加熱温度の上昇速度vを、好ましくは、50℃/分より低く設定し、次いで5℃/分の増分で低下させることによって;および/または
- ステップd)中、
○ 加熱温度を、好ましくは、15℃以下および/または5℃超、例えば10℃の温度増分によって;および/または
○ pHを、好ましくは、11より高い値に設定することによって;および/または
- ステップe1)中、
○ 加熱温度を、好ましくは、1200℃より低い温度に設定することによって;および/または
○ 温度Δtで維持する持続時間を、好ましくは、20分超および/または40分未満、例えば30分の時間増分によって;および/または
- ステップe2)中、
○ 加熱温度を、好ましくは、250℃より低い温度、または200℃より低い温度に設定することによって;および/または
○ 温度Δtで維持する持続時間を、好ましくは、20分超および/または40分未満、例えば30分の時間増分によって、
修正することにより決定することができる。
【0234】
「増分」という用語は、パラメータの正または負の変化を意味する。
【0235】
本発明者らは、下記の規則を発見し、推奨した:
- 最大粒度を増大させるには、ステップa)において、母液の酸性度、および/または陰イオン性基の量とZr4+およびHf4+イオンの量との比、および/または添加剤の含量を増大させ、および/またはステップb)において、加熱温度および/またはその温度で維持する持続時間を増加することが好ましい;
- 真球度指数を低下させるには、ステップa)において、母液の酸性度、および/または陰イオン性基の量とZr4+およびHf4+イオンの量との比を増大させ、および/またはステップb)において、加熱温度を低下させることが好ましい;
- ベース粒子の凝集を促進させるには、ステップa)において、母液の酸性度、および/または陰イオン性基の量とZr4+およびHf4+イオンの量との比を低下させ、および/またはステップb)において、その温度で維持する持続時間を延ばすことが好ましい;
- 粒子の比表面積を増大させるには、ステップa)において、添加剤の含量を増加させ、および/またはステップd)において、塩基性加水分解温度を上昇させ、および/またはステップe1)において、焼成温度を低下させ、および/またはステップe2)において、熱水処理温度を低下させることが好ましい。これは、メソ細孔および/またはミクロ細孔の容積を増大させる場合と同様である;
- 収率、即ち沈殿した固体物質の量を増加させるには、ステップa)において、酸性度を低下させ、および/または0.5から1.2の間にある陰イオン性基の量とZr4+およびHf4+イオンの量との比を選択し、および/または添加剤の含量を増加させ、および/またはステップb)において、加熱温度を上昇させ、および/またはその温度で維持する持続時間を延ばすことが好ましい。
【0236】
粒子の形態および真球度指数は、上記にて定義された様々なパラメータの値によって修正される。本発明者らは、下記の規則を発見し、推奨した:
- 陰イオン性基、例えばSO42-の量とZr4+および/またはHf4+イオンの量との比が増大するように、および/または添加剤の含量が増加するように、針を生成した合成のパラメータを修正することによって、等方性粒子の量に対する針の量は、後続の合成中に増加し;
- 母液の酸性度および/または定常段階で維持する持続時間が増加するように、小板を生成した合成のパラメータを修正することによって、等方性粒子の量に対する小板の量は、後続の合成中に増加し;
- 母液中の、陰イオン性基、例えばSO42-の量とZr4+および/またはHf4+イオンの量との比、および/または添加剤の含量が増加するように、星を生成した合成のパラメータを修正することによって、等方性粒子の量に対する星の量は、後続の合成中に増加し;
- 母液の酸性度および/または添加剤の含量が増加するように、アーチンを生成した合成のパラメータを修正することによって、等方性粒子の量に対するアーチンの量は、後続の合成中に増加し;
- 母液中の、陰イオン性基、例えばSO42-の量とZr4+および/またはHf4+イオンの量との比、および/または母液の酸性度が増加するように、中空球を生成した合成のパラメータを修正することによって、等方性粒子の量に対する中空球の量は、後続の合成中に増加し;
- 母液中の、陰イオン性基、例えばSO42-の量とZr4+および/またはHf4+イオンの量との比、および/または添加剤の含量が増加するように、小葉を生成した合成のパラメータを修正することによって、等方性粒子の量に対する小葉の量は、後続の合成中に増加し;
- 母液中の添加剤の含量が減少するように、針を生成した合成のパラメータを修正することによって、針は、後続の合成中にさらに微細に作製され;
- 母液中の、陰イオン性基、例えばSO42-の量とZr4+および/またはHf4+イオンの量との比、および/または母液の酸性度が上昇するように、針を生成した合成のパラメータを修正することによって、星の量は、後続の合成中に増加し、遷移中に2種の形態がおそらくは共存し;
- 母液の酸性度が上昇するように、および/または母液中の添加剤の含量が減少するように、針を生成した合成のパラメータを修正することによって、アーチンの量は後続の合成中に増加し、遷移中に2種の形態がおそらくは共存し;
- 母液の酸性度、および/または母液の温度で維持する持続時間が増加するように、針を生成した合成のパラメータを修正することによって、中空球の量は増加し、遷移中に2種の形態がおそらくは共存し;
- 母液の酸性度、および/または母液の温度で維持する持続時間が増加するように、アーチンを生成した合成のパラメータを修正することによって、中空球の量は増加し、遷移中に2種の形態がおそらくは共存し;
- 母液中の添加剤の含量が増加するように、小板を生成した合成のパラメータを修正することによって、小葉の量は増加し、遷移中に2種の形態がおそらくは共存する。
【0237】
一実施形態では、ステップa)およびb)のパラメータは、ステップb)の後に、1次誘導体の異方性粒子が得られるように決定される。
【0238】
下記の表は、ある特定の形態を有する多数の粒子を得るための、ステップa)およびb)の好ましい条件をまとめたものである。第1欄において、「*」は、主要なパラメータを示す。
【0239】
母液への、構成成分の導入順序は、上述の好ましい順序である。
【0240】
【表1】

【0241】
規則および先の条件は、本発明の好ましい実施形態によれば、限定されるものではない。これらの規則および条件は、以下に記述する実施例によって、特定の適用例に適した粉末を製造することが可能になる。
【0242】
さらに、現在利用可能な生成物に適用される公知の方法によって、本発明者らは、下記の観察を行うことが可能になる:
- 従来技術で公知の塩基性溶液の沈殿または誘導体の加水分解は、界面活性剤が存在するか否かに関わらず、製造された水和物に等方性の形態をもたらし;
- 等方性粒子の懸濁液または溶液の、200℃より高い温度、またはさらに250℃より高い温度で行われた熱水処理は、稠密な、結晶質の、任意選択で異方性の粒子の粉末をもたらす。このタイプの熱水処理は、例えば、論文「Morphology of zirconia synthesized hydrothermally from zirconium oxychloride」、Journal of the American Ceramic Society、1992年、75巻、9号、2515〜2519頁に記載されており;
- 200℃より低い温度で行った熱水処理は、等方性粒子の粉末をもたらす。このタイプの処理は、例えば、論文「Nucleation and growth for synthesis of nanometric zirconia particles by forced hydrolysis」、Journal of Colloid and Interface Science、1998年、198巻、87〜99頁に記載されており;
- 金属塩の燃焼、金属の酸化、または前駆体の高温焼成は、稠密な、任意選択で異方性の粒子の粉末をもたらす。
【0243】
これまで述べてきた方法のステップは、製造された粒子にドープするように修正してもよい。1種のドーパントまたは数種のドーパントを、当業者に知られている技法により1つまたは複数のステップに導入してもよい:
【0244】
ステップa)
ステップa)では、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントAを、母液に任意選択で添加してもよい。
【0245】
前記化合物は、例えば、酸化物、水和物、塩、炭化物、窒化物、または金属であってもよい。
【0246】
イットリウム化合物は、例えばイットリウム塩、例えば塩YCl3であってもよい。
【0247】
好ましくは、ドーパントAは、酸化物、水和物、および塩から選択され、より好ましくは塩から選択される。
【0248】
ドーパントAが、硫黄Sおよび/またはリンPの化合物、およびそれらの混合物である場合、この化合物は、好ましくはSO42-および/またはPO43-であり、好ましくは第2の試薬を介して導入される。
【0249】
ドーパントAがアルミニウムAl化合物の場合、この化合物は、好ましくはアルミニウム水和物から選択される。
【0250】
ドーパントAがケイ素Si化合物である場合、酸化ケイ素が好ましい。
【0251】
より好ましくは、ドーパントAは、酸性媒体に可溶である。
【0252】
ドーパントAは、好ましくは、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物、1族(アルカリ金属)の元素の化合物、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、カルシウムCa、マグネシウムMg、バリウムBa、ストロンチウムSr、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pbの化合物、およびそれらの混合物から選択され、好ましくは、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物、1族(アルカリ金属)の元素の化合物、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択される。より好ましくは、ドーパントAは、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択される。好ましくは、最終的に、ドーパントAは、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択される。
【0253】
次いでステップb)の後、得られた1次誘導体は、ドープされたジルコニウムおよび/またはハフニウムの1次誘導体になる。例えば、ステップa)において原液がオキシ塩化ジルコニウム、水、形態を修正するための添加剤、SO42-陰イオン性基を導入するための第2の試薬、およびイットリウム塩YCl3を含有する場合、ステップb)の後に得られた1次誘導体は、イットリウム塩基性硫酸塩がドープされたジルコニウム塩基性硫酸塩になる。
【0254】
ある特定の好ましい実施形態では、ドーパントAは、ステップa)中に添加される。
【0255】
ステップb)
ステップb)では、1次誘導体の任意選択でドープされた粒子の懸濁液、または1次誘導体の任意選択でドープされた粒子の粉末を生成した後、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントBを、母液に任意選択で添加してもよい。
【0256】
前記化合物は、例えば、酸化物、水和物、塩、炭化物、窒化物、または金属であってもよい。
【0257】
イットリウム化合物は、例えばイットリウム塩、例えば塩YCl3であってもよい。
【0258】
好ましくは、ドーパントBは、酸化物、水和物、および塩から選択され、より好ましくは塩から選択される。
【0259】
ドーパントBがアルミニウムAlの化合物である場合、この化合物は、好ましくはアルミニウム水和物から選択される。
【0260】
ドーパントBがケイ素Siの化合物である場合、この化合物は、好ましくは酸化ケイ素である。
【0261】
ドーパントBは、好ましくは、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物、1族(アルカリ金属)の元素の化合物、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、カルシウムCa、マグネシウムMg、バリウムBa、ストロンチウムSr、チタンTi、ケイ素Si、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、または鉛Pbの化合物、およびそれらの混合物から選択され、好ましくは、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物、1族(アルカリ金属)の元素の化合物、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択される。より好ましくは、ドーパントBは、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択される。好ましくは、最終的に、ドーパントBは、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択される。
【0262】
次いでステップb)の後、得られた1次誘導体は、ドープされたジルコニウムおよび/またはハフニウムの1次誘導体になる。
【0263】
ドーパントBまたはドーパントBの後継物質は、当業者に知られている任意の方法を介して、例えば含浸法を介してまたは再懸濁後の共沈を介して、前記1次誘導体と組み合わせてもよい。
【0264】
ステップa)におけるドーパントAの添加は、ステップb)におけるドーパントBの添加を妨げず、その逆も同様である。
【0265】
ステップc)
ステップc)では、任意選択であるが、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの1次誘導体に対して、第2の試薬によって提供された前記1次誘導体の陰イオン性基を、ジルコニウムおよび/またはハフニウムと錯体を形成する強力な力を有するその他の陰イオン性基で置換することを目的とした処理を行う前に、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物と、それらの混合物とから選択されたドーパントC1を、前記1次誘導体にドープするように任意選択で使用してもよい。
【0266】
前記化合物は、例えば、酸化物、水和物、塩、炭化物、窒化物、または金属であってもよい。
【0267】
イットリウム化合物は、例えばイットリウム塩、例えば塩YCl3であってもよい。
【0268】
好ましくは、ドーパントC1は、酸化物、水和物、および塩から選択され、より好ましくは塩から選択される。
【0269】
ドーパントC1が、硫黄Sおよび/またはリンPの化合物、およびそれらの混合物である場合、この化合物は、好ましくはSO42-および/またはPO43-であり、好ましくは、第2の試薬によって提供された陰イオン性基の置換を確実にすることが可能な化合物を介して導入される。
【0270】
ドーパントC1がアルミニムAl化合物である場合、この化合物は、好ましくはアルミニウム水和物から選択される。
【0271】
ドーパントC1がケイ素Si化合物である場合、この化合物は、好ましくは酸化ケイ素である。
【0272】
ドーパントC1は、好ましくは、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物、1族(アルカリ金属)の元素の化合物、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、カルシウムCa、マグネシウムMg、バリウムBa、ストロンチウムSr、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物、およびそれらの混合物から選択され、好ましくは、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物、1族(アルカリ金属)の元素の化合物、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択される。より好ましくは、ドーパントC1は、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択される。好ましくは、最終的に、ドーパントC1は、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択される。
【0273】
次いでステップc)の後、得られた2次誘導体は、ドープされたジルコニウムおよび/またはハフニウムの2次誘導体になる。
【0274】
ステップa)でのドーパントAの添加、および/またはステップb)でのドーパントBの添加は、ステップc)でのドーパントC1の添加を妨げず、その逆も同様である。
【0275】
ステップc)の終わりに、任意選択であるが、任意選択でドープされている得られた2次誘導体に、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントC2をドープしてもよく;好ましくは、ドーパントC2は、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物、1族(アルカリ金属)の元素の化合物、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、カルシウムCa、マグネシウムMg、バリウムBa、ストロンチウムSr、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物から選択される。より好ましくは、ドーパントC2は、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。好ましくは、ドーパントC2は、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。より好ましくは、ドーパントC2は、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。
【0276】
17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物と、それらの混合物は、例えば、酸化物、水和物、塩、炭化物、窒化物、または金属であってもよい。イットリウム化合物は、例えばイットリウム塩、例えば塩YCl3であってもよい。
【0277】
好ましくは、前記化合物は、酸化物、水和物、および塩から選択され、より好ましくは塩から選択される。
【0278】
コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物は、例えば、酸化物、水和物、塩、または金属であってもよい。白金化合物は、例えば白金塩であってもよい。
【0279】
好ましくは、前記コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物は、酸化物、水和物、塩、および金属から選択され、より具体的には金属から選択される。
【0280】
2次誘導体にドープするには、当業者に知られている任意の方法が考えられ、例えば含浸法であり、再懸濁後の共沈による方法が考えられる。
【0281】
ステップa)におけるドーパントAの添加、および/またはステップb)におけるドーパントBの添加、および/またはステップc)におけるドーパントC1の使用は、ドーパントC2の使用を妨げず、その逆も同様である。
【0282】
ステップd)
ステップd)では、ドープされたまたはドープされていない1次誘導体または2次誘導体が懸濁している場合、塩基性加水分解を行う前に、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbをベースとする化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントD1を、懸濁液に任意選択で添加してもよい。
【0283】
前記化合物は、例えば、酸化物、水和物、塩、炭化物、窒化物、または金属であってもよい。
【0284】
イットリウム化合物は、例えばイットリウム塩、例えば塩YCl3であってもよい。
【0285】
好ましくは、ドーパントD1は、酸化物、水和物、および塩から選択され、より好ましくは塩から選択される。
【0286】
より好ましくは、ドーパントD1は、1次誘導体または2次誘導体が懸濁している極性溶媒に可溶である。
【0287】
ドーパントD1は、好ましくは、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、カルシウムCa、マグネシウムMg、バリウムBa、ストロンチウムSr、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物と、それらの混合物から選択され、より好ましくは、ドーパントD1は、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。
【0288】
ドーパントD1は、好ましくは、1次誘導体または2次誘導体と同時に溶媒に導入される。
【0289】
例えば、ZBSの塩基性加水分解を形成する前に、イットリウム塩が懸濁液に添加される場合、得られた水和物は、イットリウム水和物がドープされたジルコニウム水和物になる。
【0290】
ステップa)におけるドーパントAの添加、および/またはステップb)におけるドーパントBの添加、および/またはステップc)におけるドーパントC1の使用、および/またはステップc)の終わりのドーパントC2は、ステップd)におけるドーパントD1の添加を妨げず、その逆も同様である。ある特定の実施形態では、ドーパントAはステップa)で添加され、ドーパントD1はステップd)で添加され、このドーパントAはドーパントD1とは異なっている。次いでステップd)の後に得られた水和物には同時にドープされ、例えば、同時にドープされたジルコニウム水和物である。
【0291】
塩基性加水分解の後、任意選択でドープされ、任意選択で乾燥したジルコニウムおよびハフニウムの水和物に、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントD2をドープしてもよく;好ましくは、ドーパントD2は、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、カルシウムCa、マグネシウムMg、バリウムBa、ストロンチウムSr、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物から選択され;より好ましくは、ドーパントD2は、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。より好ましくは、ドーパントD2は、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。より好ましくは、ドーパントD2は、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。
【0292】
17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物と、それらの混合物は、例えば、酸化物、水和物、塩、炭化物、窒化物、または金属であってもよい。イットリウム化合物は、例えばイットリウム塩、例えば塩YCl3であってもよい。
【0293】
好ましくは、前記化合物は、酸化物、水和物、および塩から選択され、より好ましくは、適切な場合には、水和物から選択される。
【0294】
コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物は、例えば酸化物、水和物、塩、または金属であってもよい。白金化合物は、例えば白金塩であってもよい。
【0295】
好ましくは、前記コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物は、酸化物、水和物、塩、および金属から選択され、より具体的には金属から選択される。
【0296】
水和物にドープするには、当業者に知られている任意の方法、例えば含浸法、再懸濁後の共沈によるものを、使用してもよい。
【0297】
このドープ操作は、数回行ってもよい。
【0298】
ステップa)におけるドーパントAの添加、および/またはステップb)におけるドーパントBの添加、および/またはステップc)におけるドーパントC1の使用、および/またはステップc)の終わりでのドーパントC2の使用、および/または塩基性加水分解前のドーパントD1の添加は、塩基性加水分解後のドーパントD2の使用を妨げず、その逆も同様である。
【0299】
ステップe)
ステップe)では、ステップb)またはc)の終わりに得られた誘導体、またはステップd)の終わりに得られた水和物の焼成を行う前に、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と;それらの混合物から選択されたドーパントE1を、誘導体または水和物にドープするのに任意選択で使用してもよい。
【0300】
ドーパントE1は、好ましくは、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、カルシウムCa、マグネシウムMg、バリウムBa、ストロンチウムSr、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物から選択され;より好ましくは、ドーパントE1は、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。
【0301】
より好ましくは、ドーパントE1は、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。より好ましくは、ドーパントE1は、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。
【0302】
17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物と、それらの混合物は、例えば、酸化物、水和物、塩、炭化物、窒化物、または金属であってもよい。イットリウム化合物は、例えばイットリウム塩、例えば塩YCl3であってもよい。
【0303】
好ましくは、前記化合物は、酸化物、水和物、および塩から選択され、より好ましくは、適切な場合には酸化物から選択される。
【0304】
コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物は、例えば、酸化物、水和物、塩、または金属であってもよい。白金化合物は、例えば、白金塩であってもよい。
【0305】
好ましくは、前記コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物は、酸化物、水和物、塩、および金属から選択され、より具体的には金属から選択される。
【0306】
焼成後に得られた酸化物は、ドープされた酸化物になる。
【0307】
ドープ操作は、当業者に知られている任意の技法によって、特に、粉末を添加することによってまたは懸濁液を使用した含浸によって、行ってもよい。
【0308】
ステップa)におけるドーパントAの添加、および/またはステップb)におけるドーパントBの添加、および/またはステップc)におけるドーパントC1の使用、および/またはステップc)の終わりでのドーパントC2の使用、および/または塩基性加水分解前のドーパントD1の添加、および/または塩基性加水分解後のドーパントD2の使用は、焼成前のドーパントE1の使用を妨げず、その逆も同様である。
【0309】
焼成ステップ後、任意選択でドープされ、任意選択で乾燥したジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物には、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントE2をドープしてもよく;好ましくは、ドーパントE2は、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、カルシウムCa、マグネシウムMg、バリウムBa、ストロンチウムSr、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物から選択され;より好ましくは、ドーパントE2は、17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。より好ましくは、ドーパントE2は、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAl化合物と、それらの混合物から選択される。より好ましくは、ドーパントE2は、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択される。
【0310】
17族(ハロゲン化物)の元素の化合物と、1族(アルカリ金属)の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属(元素の周期表の第2列の元素)、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物と、それらの混合物は、例えば、酸化物、水和物、塩、炭化物、窒化物、または金属であってもよい。イットリウム化合物は、例えばイットリウム塩、例えば塩YCl3であってもよい。
【0311】
好ましくは、前記化合物は、酸化物、水和物、および塩から選択され、より好ましくは塩から選択される。
【0312】
コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物は、例えば、酸化物、水和物、塩、または金属であってもよい。白金化合物は、例えば、白金塩であってもよい。
【0313】
好ましくは、前記コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物は、酸化物、水和物、塩、および金属から選択され、より具体的には金属から選択される。
【0314】
前記酸化物のドープ操作は、当業者に知られている任意の方法、例えば含浸法を介して行ってもよい。
【0315】
ステップa)におけるドーパントAの添加、および/またはステップb)におけるドーパントBの添加、および/またはステップc)におけるドーパントC1の使用、および/またはステップc)の終わりでのドーパントC2の使用、および/または塩基性加水分解前のドーパントD1の添加、および/または塩基性加水分解後のドーパントD2の使用、および/または焼成前のドーパントE1の使用は、焼成後のドーパントE2の使用を妨げず、その逆も同様である。
【0316】
本発明の一変形例では、第1、第2、および第3のドーパントを添加することによって、ジルコニアの3重のドープ操作が行われる。例えば、YがドープされたZBS誘導体は、イットリウム塩を添加することによって製造される。次に、Y/Ceが同時にドープされた水和物は、セリウム塩を添加することによって製造される。最後に、焼成前に、Y/Ce/Alがドープされたジルコニアが得られるように、アルミニウム塩が添加される。
【0317】
一般に、1種のドーパントの使用は、1種または複数のその他のドーパントの使用とは無関係に行うことができる。
【0318】
しかし、ドーパントを、定義された化合物、固溶体、または緊密な分子混合物の形をとる粒子内に位置付けるため、ドーパントは、タイプAおよび/またはC1および/またはD1および/またはE1のものであることが好ましい。ドーパントを、分散液もしくは封入体の形をとる粒子内に位置付けるため、または粒子の表面に位置付けるため、ドーパントは、タイプBおよび/またはC2および/またはD2および/またはE2のものであることが好ましい。
【0319】
粒子中のドーパントのモル量は、40%未満、20%未満、10%未満、またはさらに5%未満、またはさらに3%未満であってもよい。
【0320】
(実施例)
下記の実施例は、例示を目的に示すものであり、本発明を限定するものではない。
【0321】
(比較例1)
本発明の範囲外の粉末
オキシ塩化ジルコニウム110gを、1lのPyrexビーカに入れた脱イオン水300ml中に撹拌しながら溶解し、その後、硫酸ナトリウム28gを添加し、この混合物に脱イオン水を加えて500mlにする。母液の酸性度は1.2であり、(Zr4++Hf4+)の濃度は0.6モル/lであり、陰イオン性基SO42-と(Zr4++Hf4+)とのモル比は0.6である。試薬を完全に溶解した後、この溶液を、引き続き撹拌しながら、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。溶液を90℃で1時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。
【0322】
この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム塩基性硫酸塩ZBSから形成される。
【0323】
このように得られた粉末は、3m2/gの比表面積を有し、X線回折によれば非晶質である。ZBS粒子は、「一房のブドウ」として知られる特徴的な準球形を有する。
【0324】
次いで1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、ケークを脱イオン水250ml中に懸濁する。第2の1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、水酸化ナトリウムNaOH 25gを脱イオン水250mlに溶解する。次いで塩基性水酸化ナトリウム溶液を、ZBS懸濁液に徐々に添加し;最終懸濁液のpHは12から13の間である。次いで懸濁液を、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。懸濁液を90℃で2時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。次いでこのように得られたケークを、脱イオン水1l中に再懸濁し、0.1N塩酸を添加することによってpHを5に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークを脱イオン水1lに再懸濁し、pHを、1Nアンモニア水(NH4OH)で11に調節する。次いで懸濁液を濾過し、Buchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム水和物またはZHOから形成される。
【0325】
このように得られた粉末は、320m2/gの比表面積を有する。メソ細孔およびミクロ細孔の容積は0.18cm3/gであり、粉末は、X線回折により非晶質である。ZHO粒子は、出発ZBS誘導体の場合に類似した準球形である。
【0326】
次いで得られたケークを、少なくとも12時間、110℃の炉内で乾燥し、次いで瑪瑙乳鉢内で破砕する。得られた粉末を、空気中で2時間(温度勾配2℃/分;空気流量100ml/分、即ち、毎時空間速度HSV 300時-1)、500℃で焼成する。
【0327】
このように得られた粉末は、60m2/gの比表面積を有し;メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.12cm3/gであり;粉末は、X線回折により決定されるように正方晶相および単斜相の混合物の形をした結晶質である。ジルコニア粒子は、ZBS誘導体(図3aに示される)およびZHOの初期粒子の場合に類似した準球形である。
【0328】
(実施例2)
針形態の粉末
オキシ塩化ジルコニウム210gを、50℃で撹拌しながら、1lのPyrexビーカに入れた脱イオン水300mlに溶解し、その後、ドデシル硫酸ナトリウムまたはSDS 2.5gを添加し、次いで硫酸ナトリウム52gを添加し、この混合物を、脱イオン水で500mlにし、温度を50℃に調節し、試薬が全て溶解した後、15分間維持する。母液の酸性度は2であり、(Zr4++Hf4+)の濃度は1モル/lであり、陰イオン性基SO42-と(Zr4++Hf4+)とのモル比は0.6であり、SDS添加剤の濃度は0.02モル/lである。溶液の表面に泡が存在することが観察される。次いで溶液を、引き続き撹拌しながら、1℃/分の加熱勾配で70℃にする。溶液を70℃で15分間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。
【0329】
この手順は、固相および液状上澄みおよび泡からも形成された懸濁液を生成する。懸濁液を濾別し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム塩基性硫酸塩ZBSから形成される。
【0330】
このように得られたZBS粉末は、6m2/gの比表面積を有し、X線回折によれば非晶質である。ZBS粒子は、長さLが0.5から3μmの間、幅lが0.3から0.8μmの間、および厚さeが0.25から0.8μmの間の針の形をしている。これらの針のそれぞれに関し、L/lは1.67から50の間であり、厚さeは幅lの0.5倍より大きい。
【0331】
次いで1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、ケークを脱イオン水250ml中に懸濁する。第2の1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、水酸化ナトリウムNaOH 25gを脱イオン水250mlに溶解する。次いで塩基性水酸化ナトリウム溶液を、ZBS懸濁液に徐々に添加し;最終懸濁液のpHは12から13の間である。次いで懸濁液を、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。懸濁液を90℃で2時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。次いでこのように得られたケークを、脱イオン水1l中に再懸濁し、0.1N塩酸を添加することによってpHを5に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークを脱イオン水1lに再懸濁し、pHを、1Nアンモニア水(NH4OH)を添加することによって11に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム水和物またはZHOから形成される。
【0332】
このように得られた粉末は、360m2/gの比表面積を有し、X線回折によれば非晶質である。メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.25cm3/gである。ZHO粒子は、長さLが0.5から3μmの間、幅lが0.3から0.8μmの間、および厚さeが0.25から0.8μmの間の針の形をしており、出発ZBS誘導体の場合に類似している。これらの針のそれぞれに関し、L/lは1.67から50の間であり、厚さeは、幅lの0.5倍より大きい。
【0333】
次いで得られたケークを、少なくとも12時間、110℃の炉内で乾燥し、次いで瑪瑙乳鉢内で破砕する。得られた粉末を、空気中で2時間(温度勾配2℃/分;空気流量100ml/分、即ち、毎時空間速度HSV 300時-1)、500℃で焼成する。
【0334】
このように得られた粉末は、120m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.20cm3/gであり、粉末は、X線回折により決定されるように、平方形および単斜相の混合物の形をした結晶質である。ジルコニア粒子は、長さLが1から2μmの間、幅lが0.3から0.8μmの間、および厚さeが0.25から0.8μmの間の針の形をしており、ZBS誘導体(図3bに示される)およびZHOの初期粒子に類似している。これらの針のそれぞれに関し、L/lは1.67から50の間であり、厚さeは、幅lの0.5倍より大きい。
【0335】
(実施例3)
針の形をした粉末
1lのPyrexビーカ内で、オキシ塩化ジルコニウム110gを、50℃で撹拌しながら脱イオン水300mlに溶解し、次いで臭化セチルトリメチルアンモニウムまたはCTAB 20gを添加し、その後、硫酸ナトリウム42gを添加し、この混合物を、脱イオン水で500mlにする。温度を50℃に調節し、試薬が全て溶解した後、15分間維持する。母液の酸性度は1.2であり、(Zr4++Hf4+)の濃度は0.6モル/lであり、陰イオン性基SO42-と(Zr4++Hf4+)とのモル比は0.9であり、CTAB添加剤の濃度は0.1モル/lである。溶液の表面に泡が存在することが観察される。次いで溶液を、引き続き撹拌しながら、1℃/分の加熱勾配で60℃にする。溶液を60℃で30分間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。
【0336】
この手順は、固相および液状上澄みおよび泡からも形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム塩基性硫酸塩ZBSから形成される。
【0337】
このように得られたZBS粉末は、3m2/gの比表面積を有し、X線回折によれば非晶質である。ZBS粒子は、長さLが20から40μmの間、幅lが2から5μmの間、および厚さeが1.5から5μmの間の針の形をしている。これらの針のそれぞれに関し、L/lは1.67から50の間であり、厚さeは、幅lの0.5倍より大きい。
【0338】
次いで1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、ケークを脱イオン水250ml中に懸濁する。第2の1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、水酸化ナトリウムNaOH 25gを脱イオン水250mlに溶解する。次いで塩基性水酸化ナトリウム溶液を、ZBS懸濁液に徐々に添加し;最終懸濁液のpHは12から13の間である。次いで懸濁液を、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。懸濁液を90℃で2時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。次いでこのように得られたケークを、脱イオン水1l中に再懸濁し、0.1N塩酸を添加することによってpHを5に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークを脱イオン水1lに再懸濁し、pHを、1Nアンモニア水(NH4OH)を添加することによって11に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム水和物またはZHOから形成される。
【0339】
このように得られた粉末は、350m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.20cm3/gであり、この粉末は、X線回折によれば非晶質である。ZHO粒子は、長さLが20から40μmの間、幅lが2から5μmの間、および厚さeが1.5から5μmの間の針の形をしている。これらの針のそれぞれに関し、L/lは1.67から50の間であり、厚さeは、幅lの0.5倍より大きい。針は、出発ZBS誘導体の場合に類似している。
【0340】
次いで得られたケークを、少なくとも12時間、110℃の炉内で乾燥し、次いで瑪瑙乳鉢内で破砕する。得られた粉末を、空気中で2時間(温度勾配2℃/分;空気流量100ml/分、即ち、毎時空間速度HSV 300時-1)、500℃で焼成する。
【0341】
このように得られた粉末は、100m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.18cm3/gであり、粉末は、X線回折により決定されるように平方形および単斜相の混合物としての結晶質である。ジルコニア粒子は、長さLが15から30μmの間、幅lが1から4μmの間、および厚さeが0.7から4μmの間の針の形をしている。これらの針のそれぞれに関し、L/lは1.67から50の間であり、厚さeは、幅lの0.5倍より大きい。針は、初期ZBS誘導体(図3cに示される)およびZHOの場合に類似している。
【0342】
(実施例4)
星の形をした粉末
1lのPyrexビーカ内で、オキシ塩化ジルコニウム110gを、50℃で撹拌しながら脱イオン水300mlに溶解し、次いで臭化セチルトリメチルアンモニウムまたはCTAB 5gを添加し、その後、36%塩酸HCl 50mlを添加し、次いで硫酸ナトリウム28gを添加し、この混合物を、脱イオン水で500mlにする。温度を50℃に調節し、試薬が全て溶解した後、15分間維持する。母液の酸性度は2.4であり、(Zr4++Hf4+)の濃度は0.6モル/lであり、陰イオン性基SO42-と(Zr4++Hf4+)とのモル比は0.6であり、添加剤CTABの濃度は0.025モル/lである。溶液の表面に泡が存在することが観察される。次いで溶液を、引き続き撹拌しながら、1℃/分の加熱勾配で60℃にする。溶液を60℃で1時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。
【0343】
この手順は、固相および液状上澄みおよび泡からも形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム塩基性硫酸塩ZBSから形成される。
【0344】
このように得られたZBS粉末は、3m2/gの比表面積を有し、X線回折によれば非晶質である。ZBS粒子は、長さが5から40μmの間の星の形をしている。
【0345】
次いで1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、ケークを脱イオン水250ml中に懸濁する。第2の1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、水酸化ナトリウムNaOH 25gを脱イオン水250mlに溶解する。次いで塩基性水酸化ナトリウム溶液を、ZBS懸濁液に徐々に添加し;最終懸濁液のpHは12から13の間である。次いで懸濁液を、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。懸濁液を90℃で2時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。次いでこのように得られたケークを、脱イオン水1l中に再懸濁し、0.1N塩酸を添加することによってpHを5に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークを脱イオン水1lに再懸濁し、pHを、1Nアンモニア水(NH4OH)を添加することによって11に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いで得られたケークは、ジルコニウム水和物またはZHOから形成される。
【0346】
このように得られた粉末は、340m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.20cm3/gであり、この粉末は、X線回折によれば非晶質である。ZHO粒子は、長さが5から40μmの間の星の形をしており、出発ZBS誘導体の場合に類似している。
【0347】
次いで得られたケークを、少なくとも12時間、110℃の炉内で乾燥し、次いで瑪瑙乳鉢内で破砕する。得られた粉末を、空気中で2時間(温度勾配2℃/分;空気流量100ml/分、即ち、毎時空間速度HSV 300時-1)、500℃で焼成する。
【0348】
このように得られた粉末は、90m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.18cm3/gであり、粉末は、X線回折により決定されるように、平方形および単斜相の混合物の形をした結晶質である。ジルコニア粒子は、長さが5から30μmの間の星の形をしており、ZBS(図3dに示される)およびZHO誘導体の初期粒子の場合に類似している。
【0349】
図3dに示されるように、ZBSの星を形成する針は、テーパ状の先の尖った形状を有する。これらの針は、それらの長軸を中心として実質的に円筒状である。実質的に円板状である、それらの断面の表面積は、(1つまたは複数の)先端に向かって徐々に狭くなっていく。さらに、針の側方外面は、特に滑らかである。ZHOおよびジルコニアの針は、類似した形状を有する。
【0350】
(実施例5)
アーチンの形をした粉末
1lのPyrexビーカ内で、オキシ塩化ジルコニウム110gを、50℃で撹拌しながら脱イオン水300mlに溶解し、次いで臭化セチルトリメチルアンモニウムまたはCTAB 0.5gを添加し、次いで硫酸ナトリウム28gを添加し、この混合物を、脱イオン水で500mlにする。温度を50℃に調節し、試薬が全て溶解した後、15分間維持する。母液の酸性度は1.2であり、(Zr4++Hf4+)の濃度は0.6モル/lであり、陰イオン性基SO42-と(Zr4++Hf4+)とのモル比は0.6であり、添加剤CTABの濃度は0.0025モル/lである。溶液の表面に泡が存在することが観察される。次いで溶液を、引き続き撹拌しながら、1℃/分の加熱勾配で60℃にする。溶液を60℃で1時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。
【0351】
この手順は、固相および液状上澄みおよび泡からも形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム塩基性硫酸塩ZBSから形成される。
【0352】
このように得られたZBS粉末は、6m2/gの比表面積を有し、X線回折によれば非晶質である。ZBS粒子は、針および星の形をした長さLが2μmの粒子から形成された、10から30μmの間のサイズを有する凝集体の形をしている。
【0353】
次いで1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、ケークを脱イオン水250ml中に懸濁する。第2の1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、水酸化ナトリウムNaOH 25gを脱イオン水250mlに溶解する。次いで塩基性水酸化ナトリウム溶液を、ZBS懸濁液に徐々に添加し;最終懸濁液のpHは12から13の間である。次いで懸濁液を、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。懸濁液を90℃で2時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。次いでこのように得られたケークを、脱イオン水1l中に再懸濁し、0.1N塩酸を添加することによってpHを5に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークを脱イオン水1lに再懸濁し、pHを、1Nアンモニア水(NH4OH)を添加することによって11に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム水和物またはZHOから形成される。
【0354】
このように得られた粉末は、360m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.25cm3/gであり、粉末は、X線回折により非晶質である。ZHO粒子は、出発ZBS誘導体の場合に類似した、針および星の形の2μm粒子から形成されたその最大寸法が10から30μmである凝集体の形をとる。
【0355】
次いで得られたケークを、少なくとも12時間、110℃の炉内で乾燥し、次いで瑪瑙乳鉢内で破砕する。得られた粉末を、空気中で2時間(温度勾配2℃/分;空気流量100ml/分、即ち、毎時空間速度HSV 300時-1)、500℃で焼成する。
【0356】
このように得られた粉末は、120m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.21cm3/gであり、粉末は、X線回折により決定されるように、平方形および単斜相の混合物の形をした結晶質である。ジルコニア粒子は、ZBS誘導体(図3eに示される)およびZHOの初期粒子の場合に類似した、針および星の形の1μm粒子から形成された最大寸法5から20μmの間の凝集体の形をしている。
【0357】
(実施例6)
小板の形をした粉末
1lのPyrexビーカ内で、オキシ塩化ジルコニウム110gを、50℃で撹拌しながら脱イオン水300mlに溶解し、次いで臭化セチルトリメチルアンモニウムまたはCTAB 5gを添加し、次いで36%塩酸HCl 25mlを添加し、次いで硫酸ナトリウム28gを添加し、この混合物を、脱イオン水で500mlにする。温度を50℃に調節し、試薬が全て溶解した後、15分間維持する。母液の酸性度は2であり、(Zr4++Hf4+)の濃度は0.6モル/lであり、陰イオン性基SO42-と(Zr4++Hf4+)とのモル比は0.6であり、添加剤CTABの濃度は0.025モル/lである。溶液の表面に泡が存在することが観察される。次いで溶液を、引き続き撹拌しながら、1℃/分の加熱勾配で60℃にする。溶液を60℃で1時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。
【0358】
この手順は、固相および液状上澄みおよび泡からも形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム塩基性硫酸塩ZBSから形成される。
【0359】
このように得られたZBSは、3m2/gの比表面積を有し、X線回折によれば非晶質である。ZBS粒子は、「一房のブドウ」として知られる準球形粒子約50%と、厚さeが1から3μmの間であり長さLが10から20μmの間であり幅lが10から15μmの間である小板50%との混合物の形をしている。これら小板のそれぞれに関し、L/lは1.5未満である。
【0360】
次いで1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、ケークを脱イオン水250ml中に懸濁する。第2の1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、水酸化ナトリウムNaOH 25gを脱イオン水250mlに溶解する。次いで塩基性水酸化ナトリウム溶液を、ZBS懸濁液に徐々に添加し;最終懸濁液のpHは12から13の間である。次いで懸濁液を、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。懸濁液を90℃で2時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。次いでこのように得られたケークを、脱イオン水1l中に再懸濁し、0.1N塩酸を添加することによってpHを5に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークを脱イオン水1lに再懸濁し、pHを、1Nアンモニア水(NH4OH)を添加することによって11に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム水和物またはZHOから形成される。
【0361】
このように得られた粉末は、340m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.22cm3/gであり、粉末は、X線回折により非晶質である。ZHO粒子は、「一房のブドウ」として知られる準球形粒子約50%と、厚さeが1から3μmの間であり長さLが10から20μmの間であり幅lが10から15μmの間である小板50%との混合物の形をとる。これら小板のそれぞれに関し、L/lは1.5未満である。
【0362】
次いで得られたケークを、少なくとも12時間、110℃の炉内で乾燥し、次いで瑪瑙乳鉢内で破砕する。得られた粉末を、空気中で2時間(温度勾配2℃/分;空気流量100ml/分、即ち、毎時空間速度HSV 300時-1)、500℃で焼成する。
【0363】
このように得られた粉末は、80m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.15cm3/gであり、粉末は、X線回折により決定されるように、平方形および単斜相の混合物の形をした結晶質である。ジルコニア粒子は、「一房のブドウ」として知られる準球形粒子約50%と、厚さeが1から2μmの間であり長さLが8から15μmの間であり幅lが8から12μmの間である小板50%との混合物の形をとる。この形は、ZBS誘導体(図3fに示される)およびZHOの初期粒子の場合に類似している。これら小板のそれぞれに関し、L/lは1.5未満である。
【0364】
(実施例7)
中空球の形をした粉末
1lのPyrexビーカ内で、オキシ塩化ジルコニウム55gを、50℃で撹拌しながら脱イオン水300mlに溶解し、次いで臭化セチルトリメチルアンモニウムまたはCTAB 2.5gを添加し、次いで36%塩酸HCl 25mlを添加し、次いで硫酸ナトリウム7gを添加し、この混合物を、脱イオン水で500mlにし、温度を50℃に調節し、試薬が全て溶解した後、15分間維持する。母液の酸性度は1.2であり、(Zr4++Hf4+)の濃度は0.3モル/lであり、陰イオン性基SO42-と(Zr4++Hf4+)とのモル比は0.4であり、添加剤CTABの濃度は0.015モル/lである。溶液の表面に泡が存在することが観察される。次いで溶液を、引き続き撹拌しながら、1℃/分の加熱勾配で60℃にする。溶液を60℃で1時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。
【0365】
この手順は、固相および液状上澄みおよび泡からも形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム塩基性硫酸塩ZBSから形成される。
【0366】
このように得られたZBS粉末は、2m2/gの比表面積を有し、X線回折によれば非晶質である。ZBS粒子は、「一房のブドウ」として知られる準球形粒子約50%と、真球度指数が0.85から0.93の間であり最大外径Dが50から300μmの間であり最大内径D'が35から280μmの間である中空球50%との混合物の形をとる。これら球の壁面の厚さは、5から20μmの間であり、比D/D'は2未満である。
【0367】
次いで1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、ケークを脱イオン水250ml中に懸濁する。第2の1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、水酸化ナトリウムNaOH 25gを脱イオン水250mlに溶解する。次いで塩基性水酸化ナトリウム溶液を、ZBS懸濁液に徐々に添加し;最終懸濁液のpHは12から13の間である。次いで懸濁液を、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。懸濁液を90℃で2時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。次いでこのように得られたケークを、脱イオン水1l中に再懸濁し、0.1N塩酸を添加することによってpHを5に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークを脱イオン水1lに再懸濁し、pHを、1Nアンモニア水(NH4OH)を添加することによって11に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いで得られたケークは、ジルコニウム水和物またはZHOから形成される。
【0368】
このように得られた粉末は、280m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.15cm3/gであり、この粉末は、X線回折によれば非晶質である。ZHO粒子は、「一房のブドウ」として知られる準球形粒子約50%と、真球度指数が0.85から0.93の間であり最大外径Dが50から300μmの間であり最大内径D'が35から280μmの間である中空球50%との混合物の形をとる。これら球の壁面の厚さは、5から20μmの間であり、比D/D'は1.1から1.5の間である。これらの形は、出発ZBS誘導体の場合に類似している。
【0369】
次いで得られたケークを、少なくとも12時間、110℃の炉内で乾燥し、次いで瑪瑙乳鉢内で破砕する。得られた粉末を、空気中で2時間(温度勾配2℃/分;空気流量100ml/分、即ち、毎時空間速度HSV 300時-1)、500℃で焼成する。
【0370】
このように得られた粉末は、60m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.10cm3/gであり、この粉末は、X線回折により決定されるように、平方形および単斜相の混合物の形の結晶質である。ジルコニア粒子は、「一房のブドウ」として知られる準球形粒子約50%と、真球度指数が0.85から0.9の間であり最大外径Dが50から300μmの間であり最大内径D'が35から280μmの間である中空球50%との混合物の形をとる。これら球の壁面の厚さは、5から20μmの間であり、比D/D'は1.1から1.5の間である。これらの形は、ZBS誘導体(図3gに示される)およびZHOの初期粒子の場合に類似している。
【0371】
(実施例8)
小葉の形をした粉末
1lのPyrexビーカ内で、オキシ塩化ジルコニウム110gを、50℃で撹拌しながら脱イオン水300mlに溶解し、次いで臭化セチルトリメチルアンモニウムまたはCTAB 100gを添加し、次いで硫酸ナトリウム28gを添加し、この混合物を、脱イオン水で500mlにする。温度を50℃に調節し、試薬が全て溶解した後、15分間維持する。母液の酸性度は1.2であり、(Zr4++Hf4+)の濃度は0.6モル/lであり、陰イオン性基SO42-と(Zr4++Hf4+)とのモル比は0.6であり、添加剤CTABの濃度は1モル/lである。溶液の表面に泡が存在することが観察される。次いで溶液を、引き続き撹拌しながら、1℃/分の加熱勾配で60℃にする。溶液を60℃で1時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。
【0372】
この手順は、固相および液状上澄みおよび泡からも形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム塩基性硫酸塩、ZBSから形成される。
【0373】
このように得られたZBS粉末は、4m2/gの比表面積を有し、X線回折によれば非晶質である。ZBS粒子は、「一房のブドウ」として知られる準球形粒子約50%と、厚さeが1から2μmの間であり長さLが10から20μmの間であり幅lが10から15μmの間である10から15個の小板からなる小葉50%との混合物の形をとる。これら小板のそれぞれに関し、L/lは1.5未満である。
【0374】
次いで1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、ケークを脱イオン水250ml中に懸濁する。第2の1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、水酸化ナトリウムNaOH 25gを脱イオン水250mlに溶解する。次いで塩基性水酸化ナトリウム溶液を、ZBS懸濁液に徐々に添加し;最終懸濁液のpHは12から13の間である。次いで懸濁液を、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。懸濁液を90℃で2時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。次いでこのように得られたケークを、脱イオン水1l中に再懸濁し、0.1N塩酸を添加することによってpHを5に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークを脱イオン水1lに再懸濁し、pHを、1Nアンモニア水(NH4OH)を添加することによって11に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム水和物またはZHOから形成される。
【0375】
このように得られた粉末は、340m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.25cm3/gであり、この粉末は、X線回折によれば非晶質である。ZHO粒子は、「一房のブドウ」として知られる準球形粒子約50%と、厚さeが1から2μmの間であり長さLが10から20μmの間であり幅lが10から15μmの間である10から15個の小板からなる小葉50%との混合物の形をとり、これは出発ZBS誘導体の粒子の場合に類似したものである。これら小板のそれぞれに関し、L/lは1.5未満である。
【0376】
次いで得られたケークを、少なくとも12時間、110℃の炉内で乾燥し、次いで瑪瑙乳鉢内で破砕する。得られた粉末を、空気中で2時間(温度勾配2℃/分;空気流量100ml/分、即ち、毎時空間速度HSV 300時-1)、500℃で焼成する。
【0377】
このように得られた粉末は、100m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.20cm3/gであり、X線回折により決定されるように、平方形および単斜相の混合物の形をした結晶質である。ジルコニア粒子は、「一房のブドウ」として知られる準球形粒子約50%と、厚さeが0.5から1μmの間であり長さLが8から15μmの間であり幅lが8から12μmの間である10から15個の小板からなる小葉50%との混合物の形をとる。この形は、ZBS誘導体およびZHOの初期粒子の場合に類似している。これら小板のそれぞれに関し、L/lは1.5未満である。
【0378】
(実施例9)
塩化イットリウムYCl3の形のドーパントが導入された、針の形をした粉末
1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、実施例3のZBS 100gを脱イオン水250ml中に懸濁し、次いで塩化イットリウムYCl3(D1タイプのドーパント)の1モル/l溶液80gを添加する。第2の1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、水酸化ナトリウムNaOH 25gを脱イオン水250mlに溶解する。次いで塩基性水酸化ナトリウム溶液を、ZBS懸濁液に徐々に添加し;最終懸濁液のpHは12から13の間である。次いで懸濁液を、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。懸濁液を90℃で2時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いでこのように得られたケークを、脱イオン水1l中に再懸濁し、0.1N塩酸を添加することによってpHを5に調節し、次いで1Nアンモニア水(NH4OH)を添加することによって11に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。得られたケークは、イットリウム水和物またはZHYがドープされたジルコニウム水和物から形成される。
【0379】
このように得られた粉末の主な物理化学的性質を、Table 1bに示す。この粉末は、300m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.18cm3/gであり、X線回折によれば非晶質である。ZHY粒子は、長さLが20から40μmの間であり幅lが2から5μmの間であり厚さeが1.5から5μmの間である針の形をしており、これは出発ZBS誘導体の粒子の場合に類似している。これら針のそれぞれに関し、L/lは1.67から50の間であり、厚さeは、幅lの0.5倍より大きい。
【0380】
次いで得られたケークを、少なくとも12時間、110℃の炉内で乾燥し、次いで瑪瑙乳鉢内で破砕する。得られた粉末を、空気中で2時間(温度勾配2℃/分;空気流量100ml/分、即ち、毎時空間速度HSV 300時-1)、800℃で焼成する。
【0381】
このように得られた粉末は、50m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.15cm3/gであり、この粉末は、X線回折により決定されるように、平方形の結晶質である。Y2O3 3モル%がドープされたジルコニアの粒子は、長さLが15から30μmの間であり幅lが1から4μmの間であり厚さeが0.7から4μmの間である針の形をしており、これは初期ZBS誘導体および初期ZHYの初期粒子に類似している。これら針のそれぞれに関し、L/lは1.67から50の間であり、厚さeは、幅lの0.5倍より大きい。
【0382】
(実施例10)
塩化イットリウムYCl3の形のドーパントが導入された、針の形をした粉末
1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、実施例3のZBS 100gを脱イオン水250ml中に懸濁し、塩化イットリウムYCl3の1モル/l溶液220gを添加する。第2の1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、水酸化ナトリウムNaOH 25gを脱イオン水250mlに溶解する。次いで塩基性水酸化ナトリウム溶液を、ZBS懸濁液に徐々に添加し;最終懸濁液のpHは12から13の間である。次いで懸濁液を、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。懸濁液を90℃で2時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いでこのように得られたケークを、脱イオン水1l中に再懸濁し、0.1N塩酸を添加することによってpHを5に調節し、次いで1Nアンモニア水(NH4OH)を添加することによって11に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。得られたケークは、イットリウム水和物またはZHYがドープされたジルコニウム水和物から形成される。
【0383】
このように得られた粉末は、300m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.15cm3/gであり、この粉末は、X線回折によれば非晶質である。ZHY粒子は、長さLが20から40μmの間であり幅lが2から5μmの間であり厚さeが1.5から5μmの間である針の形をしており、出発ZBS誘導体の場合に類似している。これら針のそれぞれに関し、L/lは1.67から50の間であり、厚さeは、幅lの0.5倍より大きい。
【0384】
次いで得られたケークを、少なくとも12時間、110℃の炉内で乾燥し、次いで瑪瑙乳鉢内で破砕する。得られた粉末を、空気中で2時間(温度勾配2℃/分;空気流量100ml/分、即ち、毎時空間速度HSV 300時-1)、800℃で焼成する。
【0385】
このように得られた粉末は、45m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.13cm3/gであり、この粉末は、X線回折により決定されるように立方形である。Y2O3 8モル%がドープされたジルコニアの粒子は、長さLが15から30μmの間であり幅lが1から4μmの間であり厚さeが0.7から4μmの間である針の形をしており、初期ZBS誘導体および初期ZHYの初期粒子に類似している。これら針のそれぞれに関し、L/lは1.67から50の間であり、厚さeは、幅lの0.5倍より大きい。
【0386】
(実施例11)
星の形をした粉末
1lのPyrexビーカ内で、オキシ塩化ジルコニウム110gを、50℃で撹拌しながら脱イオン水300mlに溶解し、次いで臭化セチルトリメチルアンモニウムまたはCTAB 5gを添加し、次いで36%塩酸HCl 50mlを添加し、次いで硫酸ナトリウム28gを添加し、この混合物を、脱イオン水で500mlにし、温度を50℃に調節し、試薬が全て溶解した後、15分間維持する。母液の酸性度は2.4であり、Zr4+および/またはHf4+イオンの濃度は0.6モル/lであり、陰イオン性基SO42-とZr4+および/またはHf4+イオンとのモル比は0.6であり、添加剤CTABの濃度は0.025モル/lである。母液の表面に泡が存在することが観察される。次いで母液を、引き続き撹拌しながら、1℃/分の加熱勾配で60℃にする。母液を60℃で1時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。
【0387】
この手順は、固相および液状上澄みおよび泡からも形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークは、ジルコニウム塩基性硫酸塩、ZBSから形成される。
【0388】
このように得られたZBS粉末の主な物理化学的性質を、下記の表に示す。この粉末は、3m2/gの比表面積を有し、X線回折によれば非晶質である。ZBS粒子は、その寸法が5から40μmの間の星の形をしている。
【0389】
次いで1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、ケークを脱イオン水250ml中に懸濁する。第2の1lのTeflon(登録商標)PTFEビーカ内で、水酸化ナトリウムNaOH 25gを脱イオン水250mlに溶解する。次いで塩基性水酸化ナトリウム溶液を、ZBS懸濁液に徐々に添加し;最終懸濁液のpHは12から13の間である。次いで懸濁液を、1℃/分の加熱勾配で90℃にする。懸濁液を90℃で2時間維持し、次いで50℃より低くなるまで冷ます。この手順は、固相および液状上澄みから形成された懸濁液を生成する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。次いでこのように得られたケークを脱イオン水1l中に再懸濁し、0.1N塩酸を添加することによってpHを5に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで洗浄する。得られたケークを脱イオン水1lに再懸濁し、1Nアンモニア水(NH4OH)を添加することによってpHを11に調節する。次いで懸濁液を濾過し、次いでBuchnerタイプのフィルタ上で、脱イオン水1lで2回洗浄する。得られたケークは、オキシ水酸化ジルコニウムまたはZHOによって形成される。
【0390】
このように得られた粉末は、340m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.20cm3/gであり、X線回折によれば非晶質である。ZHO粒子は、その最大寸法が5から40μmの間であり、出発ZBS誘導体の場合に類似している。
【0391】
次いで得られたケークを、少なくとも12時間、110℃の炉内で乾燥し、次いで瑪瑙乳鉢内で破砕する。得られた粉末を、空気中で2時間(温度勾配5℃/分、空気流なし)、1250℃で焼成する。
【0392】
このように得られた粉末は、2m2/gの比表面積を有し、メソ細孔およびミクロ細孔の容積の合計は0.01cm3/gに等しく、この粉末は、X線回折により決定されるように、単斜相の結晶質である。ジルコニア粒子は星の形をしており、その最大寸法は5から30μmの間であり、初期ZBS誘導体(図3hに示される)および初期ZHO水和物の場合に類似している。
【0393】
図3hに示されるように、ジルコニアの星を形成する針は、テーパ状の、直線状の、先の尖った形状を有する。これらの針は、それらの長軸を中心として実質的に円筒状である。実質的に円板状である、それらの断面の表面積は、(1つまたは複数の)先端に向かって徐々に狭くなっていく。さらに、針の側方外面は、特に滑らかである。
【0394】
下記の表は、実施例の、製造された組成物と、その強熱減量を示す。
【0395】
【表2】

【0396】
下記の表は、実施例の粒子に関して得られた測定結果を示す。
【0397】
「P」は、メソ細孔容積とミクロ細孔容積の合計を示す。
【0398】
D細孔は、寸法が50nm未満の細孔の平均等価直径を示す。
【0399】
「単」は、単斜相を示す。
【0400】
「平方」は、平方形の相を示す。
【0401】
「立方」は、立方形の相を示す。
【0402】
【表3A】

【0403】
【表3B】

【0404】
ここで明らかにわかるように、本発明は、新規な異方性粒子または異方性ベース粒子から形成された粒子を製造することを可能にし、これは有利には、高い多孔率の物質または粉末の生成を可能にする。そのような物質および粉末は、触媒または濾過の適用例に特に有用である。
【0405】
さらに、これらの異方性粒子または異方性ベース粒子から形成された粒子そのものは、多孔質材料からなってもよく、特に、ミクロ多孔率および/またはメソ多孔率を有していてもよい。これらのミクロ多孔率および/またはメソ多孔率は、ある化学反応の触媒作用のために特に開発することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の連続したステップ、即ち、
a)少なくとも
[1]極性溶媒;
[2]Zr4+および/またはHf4+イオンを提供する第1の試薬;
[3]陰イオン性基を提供する第2の試薬;
[4]陰イオン界面活性剤;両性界面活性剤;陽イオン界面活性剤、カルボン酸、およびその塩;式RCOR’およびR−CONHR’[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖である]の化合物、およびそれらの混合物の群から選択される非イオン性界面活性剤;およびそれらの混合物により形成された群から選択された添加剤;
[5]任意選択で、別の非イオン性界面活性剤;
[6]任意選択で、細孔形成剤
を混合することによって、酸性母液を調製するステップ;
b)前記母液を加熱して、Zr4+および/またはHf4+イオンと陰イオン性基とを、20℃より低い温度の水に対する溶解度が10−3モル/lである、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの「1次誘導体」と呼ばれる式M(OH)(N’)(OH[式中、Mは金属陽イオンまたは金属陽イオンの混合物であり、N’は陰イオンまたは陰イオンの混合物であり、添え字xおよびyは厳密に正数であり、添え字zは正数または0である]の化合物の形で沈殿させ、任意選択で乾燥するステップ;
c)任意選択で、前記陰イオン性基を「陰イオン性置換基」として知られる他の陰イオン性基で置換することにより、前記1次誘導体を2次ジルコニウムおよび/またはハフニウム誘導体に変換し、任意選択で乾燥するステップ;
d)任意選択で、前記1次または2次誘導体の塩基性加水分解を行うステップ;
e)任意選択で、ステップb)の終わりに得られた1次誘導体、ステップc)の終わりに得られた2次誘導体、またはステップd)の終わりに得られた水和物の、ステップe)による焼成またはステップe)による熱水処理を行って、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物を得、任意選択で乾燥するステップ
を含む、粒子粉末の製造方法。
【請求項2】
− ステップa)において、
○ 前記母液中のHイオンの濃度は0.6から3モル/lの間であり、および
○ 前記母液中の陰イオン性基の濃度とZr4+および/またはHf4+イオンの濃度とのモル比は0.3から2の間であり、および
− ステップb)において、前記母液の加熱温度は55から100℃の間である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップb)において、加熱温度は95℃未満であり、および/または前記温度で維持する持続時間は10時間未満である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の試薬が、SO2−および/またはPO3−を提供するように選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
陰イオン性基の濃度とZr4+および/またはHf4+イオンの濃度との比が、0.2から5の間である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
陰イオン性基の濃度とZr4+および/またはHf4+イオンの濃度との比が、0.5から1.2の間である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記添加剤[4]が、
− 式R−CO−G[式中、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である]のカルボキシレート;
− 式R−SO−G[式中、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である]のスルフェート;
− 式R−OSO−G[式中、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である]のスルホネート;
− 式R’−(RO)PO4−n(3−n)−−(3−n)G[RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物であり、nは3以下の整数である]のホスフェート;
− 式RR’NH−CHCOO[RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖である]のベタイン;
− スルホベタイン;
− イミダゾリウム塩;
− 式R’−RNH(4−n)−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物であり、nは4未満の整数である]の非第4級アンモニウム化合物;
− R’−R−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物である];
− アミン塩;
− エトキシル化脂肪アミンアンモニウム塩;
− ジアルキルジメチルアンモニウム;
− イミダゾリニウム塩;
− 脂肪族モノまたはジカルボン酸;
− ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化脂肪酸モノおよびジエタノールアミド;
− ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化脂肪アミン;
− ポリエトキシル化およびポリプロポキシル化ブロックコポリマー;
− カルボキシメチル脂肪アルコールエトキシレートから選択されたポリエトキシル化およびポリプロポキシル化脂肪アルコールおよびアルキルフェノール;
− 酸化アミン;
− アルキルイミダゾリン;および
− それらの混合物
の群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記添加剤[4]が、ドデシル硫酸ナトリウムおよび/または臭化セチルトリメチルアンモニウムから選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
−式R−OR’[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖である]の化合物;
− 式R−OH[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖である]の化合物;
− 式R−(CH−CH−O)−R’[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、nは整数である]の化合物;
− ポリオールファミリーの化合物;および
− それらの混合物
から選択された、非イオン性界面活性剤[5]が添加される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ステップa)において、母液の第1の試薬に対する質量パーセンテージとして、少なくとも0.5%の細孔形成剤を母液に添加し、前記細孔形成剤は、
− ラテックスのファミリー;
− ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンオキシドおよび塩;および
− それらの混合物
から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップb)において、
− 温度上昇勾配は50℃/分以下であり、および
− 加熱温度は100℃未満であり、および
− 前記加熱温度で維持する持続時間は10時間未満である、
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
− ステップa)において、
− 酸性度[H]は0.6から2モル/lの間であり、および
− 母液中のZr4+およびHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり、および
− 陰イオン性基/(Zr4+およびHf4+)のモル比は0.3から1の間であり、および
− 添加剤は、
i.式R−SO−G[式中、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である]のスルフェート、式R’−(RO)PO4−n(3−n)−(3−n)G[RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物であり、nは3以下の整数である]のホスフェート、およびそれらの混合物から選択された陰イオン界面活性剤;
ii.式R’−RNH(4−n)−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物であり、nは4未満の整数である]の非第4級アンモニウム化合物、式R’−R−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物である]の第4級アンモニウム塩、およびそれらの混合物から選択された陽イオン界面活性剤;
iii.およびそれらの混合物
から選択され、および
− 母液中の添加剤の濃度は10−3から10−1モル/lの間であり、および
− ステップb)において、
− 温度上昇勾配は10−2から1℃/分の間であり、および
− 加熱温度は55から80℃の間であり、および
− 前記加熱温度で維持する持続時間は15分から2時間の間であり;
または、
− ステップa)において、
− 酸性度[H]は1.2から3モル/lの間であり、および
− 母液中のZr4+およびHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり、および
− 陰イオン性基/(Zr4+およびHf4+)のモル比は0.8から2の間であり、および
− 添加剤は、
i.式R−SO−G[式中、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である]のスルフェート、式R’−(RO)PO4−n(3−n)−(3−n)G[RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物であり、nは3以下の整数である]のホスフェート、およびそれらの混合物から選択された陰イオン界面活性剤;
ii.式R’−RNH(4−n)−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物であり、nは4未満の整数である]の非第4級アンモニウム化合物、式R’−R−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物である]の第4級アンモニウム塩、およびそれらの混合物から選択された陽イオン界面活性剤;
iii.およびそれらの混合物
から選択され、および
− 母液中の添加剤の濃度は10−3から10−1モル/lの間であり、および
− ステップb)において、
− 温度上昇勾配は10−2から1℃/分の間であり、および
− 加熱温度は60から80℃の間であり、および
− 前記加熱温度で維持する持続時間は30分から2時間の間であり;
または、
− ステップa)において、
− 酸性度[H]は1.2から3モル/lの間であり、および
− 母液中のZr4+およびHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり、および
− 陰イオン性基/(Zr4+およびHf4+)のモル比は0.3から1の間であり、および
− 添加剤は、
i.式R−SO−G[式中、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である]のスルフェート、式R’−(RO)PO4−n(3−n)−(3−n)G[RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物であり、nは3以下の整数である]のホスフェート、およびそれらの混合物から選択された陰イオン界面活性剤;
ii.式R’−RNH(4−n)−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物であり、nは4未満の整数である]の非第4級アンモニウム化合物、式R’−R−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物である]の第4級アンモニウム塩、およびそれらの混合物から選択された陽イオン界面活性剤;
iii.およびそれらの混合物
から選択され、および
− 母液中の添加剤の濃度は10−5から10−2モル/lの間であり、および
− ステップb)において、
− 温度上昇勾配は10−2から1℃/分の間であり、および
− 加熱温度は55から80℃の間であり、および
− 前記加熱温度で維持する持続時間は30分から2時間の間であり;
または、
− ステップa)において、
− 酸性度[H]は1.2から3モル/lの間であり、および
− 母液中のZr4+およびHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり、および
− 陰イオン性基/(Zr4+およびHf4+)のモル比は0.3から1の間であり、および
− 添加剤は、
i.式R−SO−G[式中、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である]のスルフェート、式R’−(RO)PO4−n(3−n)−(3−n)G[RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物であり、nは3以下の整数である]のホスフェート、およびそれらの混合物から選択された陰イオン界面活性剤;
ii.式R’−RNH(4−n)−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物であり、nは4未満の整数である]の非第4級アンモニウム化合物、式R’−R−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物である]の第4級アンモニウム塩、およびそれらの混合物から選択された陽イオン界面活性剤;
iii.およびそれらの混合物
から選択され、および
− 母液中の添加剤の濃度は10−3から10−1モル/lの間であり、および
− ステップb)において、
− 温度上昇勾配は10−2から1℃/分の間であり、および
− 加熱温度は60から80℃の間であり、および
− 前記加熱温度で維持する持続時間は1時間から5時間の間であり;
または、
− ステップa)において、
− 酸性度[H]は0.6から3モル/lの間であり、および
− 母液中のZr4+およびHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり、および
− 陰イオン性基/(Zr4+およびHf4+)のモル比は0.5から2の間であり、および
− 添加剤は、
i.式R−SO−G[式中、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である]のスルフェート、式R’−(RO)PO4−n(3−n)−(3−n)G[RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物であり、nは3以下の整数である]のホスフェート、およびそれらの混合物から選択された陰イオン界面活性剤;
ii.式R’−RNH(4−n)−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物であり、nは4未満の整数である]の非第4級アンモニウム化合物、式R’−R−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物である]の第4級アンモニウム塩、およびそれらの混合物から選択された陽イオン界面活性剤;
iii.およびそれらの混合物
から選択され、および
− 母液中の添加剤の濃度は10−2から1モル/lの間であり、および
− ステップb)において、
− 温度上昇勾配は10−2から10℃/分の間であり、および
− 加熱温度は60から100℃の間であり、および
− 前記加熱温度で維持する持続時間は30分から5時間の間であり;
または、
− ステップa)において、
− 酸性度[H]は1.6から3モル/lの間であり、および
− 母液中のZr4+およびHf4+の濃度は0.1から1.2モル/lの間であり、および
− 陰イオン性基/(Zr4+およびHf4+)のモル比は0.5から1の間であり、および
− 添加剤は、
i.式R−SO−G[式中、Rは脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物である]のスルフェート、式R’−(RO)PO4−n(3−n)−(3−n)G[RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Gは単原子または多原子陽イオンおよび/またはそのような陽イオンの混合物であり、nは3以下の整数である]のホスフェート、およびそれらの混合物から選択された陰イオン界面活性剤;
ii.式R’−RNH(4−n)−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物であり、nは4未満の整数である]の非第4級アンモニウム化合物、式R’−R−X[式中、RおよびR’は脂肪族、芳香族、および/またはアルキル芳香族の炭素ベース鎖であり、Xは単原子または多原子陰イオンおよび/またはそのような陰イオンの混合物である]の第4級アンモニウム塩、およびそれらの混合物から選択された陽イオン界面活性剤;
iii.およびそれらの混合物
から選択され、および
− 母液中の添加剤の濃度は10−5から10−2モル/lの間であり、および
− ステップb)において、
− 温度上昇勾配は10−2から1℃/分の間であり、および
− 加熱温度は60から80℃の間であり、および
− 前記加熱温度で維持する持続時間は1時間から10時間の間である、
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ステップc)において、陰イオン性置換基は、ホスフェート、スルフェート、カーボネート、塩化物、フッ化物、ホルメート、アセテート、オキサレート、およびタルタレートから選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ステップd)において、
− 1次または2次誘導体は溶液中に懸濁し;および
− 前記溶液中のZr4+および/またはHf4+の濃度は、10モル/l未満であり0.01モル/lより高く;および
− pHは11より高く;および
− 反応温度は50℃より高く90℃未満である、
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ステップe)において、焼成温度は400℃より高く1000℃未満である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
ステップe)において、
− 1次もしくは2次誘導体、またはジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物もしくは酸化物は、溶液中に懸濁されており;および
− 溶液中のZr4+および/またはHf4+の濃度は、10モル/l未満であり0.01モル/lより高く;および
− pHは6から8の間であり;および
− 熱水処理温度は、極性溶媒の沸点より高く250℃より低く;および
− 前記温度で維持する持続時間は、1時間より長く10時間未満である、
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
− ステップa)では、17族の元素の化合物と、1族の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントAを、母液に添加し;および/または
− ステップb)では、17族の元素の化合物と、1族の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属、チタンTi、ケイ素Si、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントBを、母液に添加し;および/または
− ステップc)では、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの1次誘導体に対して、第2の試薬によって提供された前記1次誘導体の陰イオン性基を、ジルコニウムおよび/またはハフニウムと錯体を形成する高い能力を有するその他の陰イオン性基で置換することを目的とした処理を行う前に、17族の元素の化合物と、1族の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbの化合物と、それらの混合物とから選択されたドーパントC1を使用して、前記1次誘導体にドープし;および/または
− ステップc)の終わりに、任意選択でドープされている得られた2次誘導体に、17族の元素の化合物と、1族の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントC2をドープし;および/または
− ステップd)では、ドープされたまたはドープされていない1次誘導体または2次誘導体が懸濁している場合、塩基性加水分解を行う前に、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbをベースとする化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントD1を、懸濁液に添加し;および/または
− 塩基性加水分解の後、任意選択でドープされ、任意選択で乾燥したジルコニウムおよびハフニウムの水和物に、17族の元素の化合物と、1族の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントD2をドープし;および/または
− ステップe)では、ステップb)またはc)の終わりに得られた1次誘導体、またはステップd)の終わりに得られた水和物の焼成を行う前に、17族の元素の化合物と、1族の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントE1を使用して、1次誘導体または水和物にドープし;および/または
− 焼成ステップ後、任意選択でドープされ、任意選択で乾燥したジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物に、17族の元素の化合物と、1族の元素の化合物と、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタニド、アルカリ土類金属、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、鉛Pb、コバルトCo、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、銀Ag、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Pt、および金Auの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントE2をドープする、
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
− ステップa)では、ドーパントAが、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択され;および/または
− ステップb)では、ドーパントBが、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択され;および/または
− ステップc)では、ジルコニウムおよび/またはハフニウムの1次誘導体に対して、第2の試薬によって提供された前記1次誘導体の陰イオン性基を、ジルコニウムおよび/またはハフニウムと錯体を形成する強力な力を有するその他の陰イオン性基で置換することを目的とした処理を行う前に、ドーパントC1を、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択し;および/または
− ステップc)の終わりに、任意選択でドープされている得られた2次誘導体に、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物、およびそれらの混合物から選択されたドーパントC2をドープし;および/または
− ステップd)では、ドープされたまたはドープされていない1次誘導体または2次誘導体が懸濁している場合、塩基性加水分解を行う前に、ドーパントD1を、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、カルシウムCa、マグネシウムMg、バリウムBa、ストロンチウムSr、チタンTi、ケイ素Si、硫黄S、リンP、アルミニウムAl、タングステンW、クロムCr、モリブデンMo、バナジウムV、アンチモンSb、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、鉄Fe、マンガンMn、ニオブNb、ガリウムGa、スズSn、および鉛Pbと、それらの混合物から選択し;および/または
− 塩基性加水分解の後、任意選択でドープされ、任意選択で乾燥したジルコニウムおよび/またはハフニウムの水和物に、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントD2をドープし;および/または
− ステップe)では、ステップb)またはc)の終わりに得られた1次誘導体、またはステップd)の終わりに得られた水和物の焼成を行う前に、ドーパントE1を、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択し;および/または
− 焼成ステップの後、任意選択でドープされ、任意選択で乾燥したジルコニウムおよび/またはハフニウムの酸化物に、塩素Cl、フッ素F、ナトリウムNa、カリウムK、イットリウムY、スカンジウムSc、ランタンLa、セリウムCe、カルシウムCa、マグネシウムMg、ケイ素Si、硫黄S、リンP、およびアルミニウムAlの化合物と、それらの混合物から選択されたドーパントE2をドープする、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
添加剤[4]が、第2の試薬[3]の前、および第1の試薬[2]の直前または後に導入される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の方法により、ステップb)またはc)の後に得られまたは得ることができる粉末。
【請求項21】
最大粒度(D99.5)が200μm未満である、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法により得られまたは得ることができる粉末。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【図3h】
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【公表番号】特表2012−504095(P2012−504095A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528489(P2011−528489)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054289
【国際公開番号】WO2010/038205
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYREX
【出願人】(506426269)サン−ゴベン・セントル・ドゥ・レシェルシェ・エ・デチュード・ユーロペアン (42)
【Fターム(参考)】