説明

スイッチボックス

【課題】 操作ボタンやランプなどが取り付けられ、内部にスイッチや電気配線を収納されるスイッチボックスに係り、特に、蓋フレームのみを容易に着脱することができ、例えば、フレーム内に収納されているスイッチや電気配線の保守点検作業を容易にすることが可能なスイッチボックスを提供すること。
【解決手段】 本体フレーム及び蓋フレームからなるフレームと、フレームの両端に取り付けられる一対のエンドキャップと、を具備し、一対のエンドキャップは本体フレームの両端に係合・配置され、蓋フレームは本体フレームと一対のエンドキャップによって囲まれた空間を閉塞するように設置され、固定部材によって一対のエンドキャップ又は本体フレームに着脱可能に取り付けられ、蓋フレームのみを着脱することができるように構成したことを特徴とするもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、操作ボタンやランプなどが取り付けられ、内部にスイッチや電気配線が収納されるスイッチボックスに係り、特に、製造や組み立てが容易で、操作ボタンやランプの交換、内部に収納されたスイッチや電気配線の修理などの際も、分解し易いように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来のスイッチボックスは、例えば、図8乃至図10に示すような構成になっていた。以下、詳細に説明する。
【0003】
従来のスイッチボックス101は、図8及び図10に示すように、フレーム103の長さ方向両端にエンドキャップ105、105が、それぞれ4個のネジ107、107、107、107によって着脱可能に取り付けられている構成になっている。
【0004】
上記フレーム103は、図9に示すように、本体フレーム109と、蓋フレーム111から構成されている。上記本体フレーム109は、略コの字型の横断面形状を有しており、長さ方向両端であって下端の左右2箇所にはそれぞれ雌ねじ部113、113が設けられている。又、本体フレーム109の左右の上端には係合部114、114が設けられていて、一方、蓋フレーム111の左右の両端には上記係合部114、114に係合する係合部116、116が設けられている。そして、上記係合部114、114と係合部116、116を係合させた状態で、そこには雌ねじ部が設けられている。すなわち、夫々の係合114、116に半割り状の雌ねじ部が設けられていて、それらが係合されることにより、略円形の雌ねじ部115、115が構成されることになる。
上記蓋フレーム111の長さ方向両端であって左右2箇所にはそれぞれ雌ねじ部115、115が設けられている。
【0005】
そして、上記構成を成すスイッチボックス101を組み立てる場合には、まず、本体フレーム109に蓋フレーム111を取り付けて、フレーム103を構成する。その状態でフレーム103の左右両端にエンドキャップ105、105を設置し、左右4本のねじ107をねじ込むことにより完成するものである。
【0006】
又、この種のスイッチボックスを開示するものして、例えば、特許文献1が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−52555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の構成によると、例えば、内部に収容・配置されているスイッチや配線を修理する場合の作業が面倒であるという問題があった。すなわち、フレーム103内に収納されているスイッチや配線を修理する場合には、蓋フレーム111を取り外す必要があるが、従来の構成では、蓋フレーム111のみを取り外すことはできず、まず、左右それぞれ4本のねじ107を取り外して、フレーム103の左右に取り付けられているエンドキャップ105、105を取り外し、その後蓋フレーム111を取り外す必要があるからである。
【0009】
本願発明はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、蓋フレームのみを容易に着脱することができ、それによって、例えば、フレーム内に収納されているスイッチや配線の保守点検作業を容易にすることが可能なスイッチボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するべく請求項1記載のスイッチボックスは、本体フレーム及び蓋フレームからなるフレームと、上記フレームの両端に取り付けられる一対のエンドキャップと、を具備し、上記一対のエンドキャップは上記本体フレームの両端に係合・配置され、上記蓋フレームは、上記本体フレームの両端に上記一対のエンドキャップを係合・配置させた状態で、上記本体フレームと上記一対のエンドキャップによって囲まれた空間を閉塞するように設置され、固定部材によって上記一対のエンドキャップ又は上記本体フレームに着脱可能に取り付けられ、上記固定部材を撤去することにより、上記一対のエンドキャップを外すことなく上記蓋フレームのみを着脱することができるように構成したことを特徴とするものである。
又、請求項2記載のスイッチボックスは、請求項1記載のスイッチボックスにおいて、上記蓋フレームは上記一対のエンドキャップに上記固定部材によって着脱可能に取り付けられることを特徴とするものである。
又、請求項3記載のスイッチボックスは、請求項1又は請求項2記載のスイッチボックスにおいて、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか一方には係合用爪が設けられ、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか他方には上記係合用爪が係合するための係合用穴が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項4記載のスイッチボックスは、請求項1〜請求項3の何れかに記載のスイッチボックスにおいて、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか一方にはガイド用凸部が設けられ、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか他方には、上記ガイド用凸部に移動可能に係合するガイド用凹部が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項5記載のスイッチボックスは、請求項4記載のスイッチボックスにおいて、上記ガイド用凸部と上記ガイド用凹部からなるガイド部が2種類設けられていて、それぞれのガイド部は相互に直交する2つの異なる方向にガイドするものであることを特徴とするものである。
又、請求項6記載のスイッチボックスは、請求項4記載のスイッチボックスにおいて、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか一方には係合用爪が設けられ、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか他方には上記係合用爪が係合するための係合用穴が設けられており、上記エンドキャップを上記本体フレームに係合・配置させて、上記係合用爪を上記係合用穴に係合させる際、上記係合用爪と上記本体フレームとの干渉を防止するように、上記ガイド用凹部に逃げ部を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
以上述べたように、請求項1記載のスイッチボックスによると、蓋フレームは、本体フレームの両端に一対のエンドキャップを係合・配置させた状態で、上記本体フレームと上記一対のエンドキャップによって囲まれた空間を閉塞するように設置され、固定部材によって上記一対のエンドキャップ又は上記本体フレームに着脱可能に取り付けられ、上記固定部材を撤去することにより、上記一対のエンドキャップを外すことなく上記蓋フレームのみを着脱することができるように構成しているため、簡単に蓋フレームのみを取り外すことができ、スイッチボックス内のスイッチや配線の修理等を容易に行うことができる。
又、請求項2記載のスイッチボックスによると、上記蓋フレームは上記一対のエンドキャップに上記固定部材によって着脱可能に取り付けられるため、請求項1記載のスイッチボックスと同様の効果を得ることができる。
又、請求項3記載のスイッチボックスによると、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか一方には係合用爪が設けられ、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか他方には上記係合用爪が係合するための係合用穴が設けられているため、上記エンドキャップを上記本体フレームに確実に係合させることができる。
又、請求項4記載のスイッチボックスによると、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか一方にはガイド用凸部が設けられ、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか他方には、上記ガイド用凸部に移動可能に係合するガイド用凹部が設けられているため、上記ガイド用凸部と上記ガイド用凹部を係合させて、上記エンドキャップを上記本体フレームに正確に係合させることができるとともに、外力による上記エンドキャップの上記本体フレームに対するがたつきや位置ずれを防止することができる。
又、請求項5記載のスイッチボックスによると、上記ガイド用凸部と上記ガイド用凹部からなるガイド部が2種類設けられていて、それぞれのガイド部は相互に直交する2つの異なる方向にガイドするものであるため、請求項4記載のスイッチボックスによる効果を、上記直交する2つの異なる方向に対して得ることができ、より高い上記効果を得ることができる。
又、請求項6記載のスイッチボックスによると、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか一方には係合用爪が設けられ、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか他方には上記係合用爪が係合するための係合用穴が設けられており、上記エンドキャップを上記本体フレームに係合・配置させて、上記係合用爪を上記係合用穴に係合させる際、上記係合用爪と上記本体フレームとの干渉を防止するように、上記ガイド用凹部に逃げ部を設けたものであるため、上記本体フレームに対する上記エンドキャップの取り付けを容易に行うことができ、且つ、確実に上記エンドキャップを上記本体フレームに係合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本願発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態によるスイッチボックスを示す斜視図である。
【図2】本願発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態によるスイッチボックスを構成するエンドキャップと本体フレームを示す分解斜視図である。
【図3】本願発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態によるスイッチボックスの蓋フレームを外した状態を示す分解斜視図である。
【図4】本願発明の一実施の形態を示す図で、図4(a)は本実施の形態によるスイッチボックスのフレームを示す平面図で、図4(b)は本実施の形態によるスイッチボックスのフレームを示す正面図で、図4(c)は本実施の形態によるスイッチボックスのフレームを示す底面図で、図4(d)は本実施の形態によるスイッチボックスのフレームを示す側面図である。
【図5】本願発明の一実施の形態を示す図で、図5(a)は本実施の形態によるスイッチボックスの本体フレームを示す正面図で、図5(b)は本実施の形態によるスイッチボックスの本体フレームを示す側面図である。
【図6】本願発明の一実施の形態を示す図で、図6(a)は本実施の形態によるスイッチボックスの蓋フレームを示す正面図で、図6(b)は本実施の形態によるスイッチボックスの蓋フレームを示す側面図である。
【図7】本願発明の一実施の形態を示す図で、図7(a)は本実施の形態によるスイッチボックスのエンドキャップを示す平面図で、図7(b)は本実施の形態によるスイッチボックスのエンドキャップを示す正面図で、図7(c)は本実施の形態によるスイッチボックスのエンドキャップを示す底面図で、図7(d)は本実施の形態によるスイッチボックスのエンドキャップを示す側面図である。
【図8】従来の技術を示す図で、従来のスイッチボックスを示す斜視図である。
【図9】従来の技術を示す図で、従来のスイッチボックスの本体フレームと蓋フレームを示す分解斜視図である。
【図10】従来の技術を示す図で、従来のスイッチボックスのエンドキャップと外した状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1乃至図7を参照して、本願発明の一実施の形態を説明する。
【0014】
本実施の形態によるスイッチボックス1は、図1に示すように、フレーム3と、その両側に取り付けられたエンドキャップ5、5からなり、略直方体状の形状を成している。
上記フレーム3は、図3及び図4に示すように、本体フレーム7と、該本体フレーム7に係合・配置される蓋フレーム9とからなる。
【0015】
上記本体フレーム7は、図2及び図5に示すように、略コの字型の横断面形状を成しており、底板11と、この底板11の左右両端から連続して立設された一対の本体フレーム側板13、13とからなる。図2及び図4に示すように、上記底板11の長手方向両端側には係合用穴15、15が設けられている。
【0016】
上記本体フレーム側板13の底板11側(図2中下側)端部の内側には、上記本体フレーム7の全長にわたって、ガイド用凸部19が設けられている。また、上記本体フレーム側板13の反底板11側(図2中上側)の外側には、上記本体フレーム7の全長にわたって、段付部21が設けられている。上記本体フレーム側板13の上記段付部21よりも反底板11側(図2中上側)は、本体フレーム側係合板23となっている。上記本体フレーム側係合板23の底板11側(図2中下側)端部の内側には、底板11側(図2中下側)に向かって、上記本体フレーム7の長手方向全長にわたるガイド用凸部24が突出・形成されている。
【0017】
上記蓋フレーム9は、図3、図4及び図6に示すように、天板25と、該天板25の幅方向両端部に連設された蓋フレーム側板27、27からなる。また、上記蓋フレーム側板27、27の基端部の内側には、上記蓋フレーム27の長手方向全長にわたって係合用凹部29、29が設けられている。また、上記天板25の中央には貫通孔31、31が設けられている。上記貫通孔31、31には、図示しない操作ボタンやランプ等が取り付けられる。また、上記天板25の長手方向両端側には貫通孔33、33が設けられている。
【0018】
上記エンドキャップ5には、まず、図2及び図7に示すように、上記フレーム3の長手方向に沿った一方の端に開口し、略正方形の横断面形状を持つエンドキャップ本体6が設けられている。上記エンドキャップ本体6の開口部の内側縁部には、エンドキャップ側係合板35、35、35、35、35、35が断続的に突出・形成されている。上記エンドキャップ側係合板35は、上記スイッチボックス1が構成された際には、上記フレーム3の長手方向端部の内側に係合されることになるものである。
【0019】
又、上記エンドキャップ本体6の開口部の内側縁部の一つの辺(図2中下側の辺)の中央からは、接続板37が突出・形成されている。上記接続板37の先端側には、上記エンドキャップ5の外周側に向かって、係合用爪39が突出・形成されている。上記係合用爪39は、図7(d)に示すように、上記エンドキャップ5の外周面の高さと同等の高さ位置まで突出・配置されている。上記係合用爪39は、上記エンドキャップ5が上記本体フレーム7に取り付けられた際、すでに説明した上記本体フレーム7の係合用穴15に嵌め込まれるものである。又、図7(c)に示すように、上記接続板37の基端側には貫通孔41が設けられている。
【0020】
図2及び図7に示すように、上記エンドキャップ本体6の開口部の内側縁部の一つの辺(図2中下側の辺)の両端からは、エンドキャップ側係合部43、43が突出・形成されている。上記エンドキャップ側係合部43にはガイド用凹部45が設けられている。上記ガイド用凹部45の図7(d)中上側壁の内面は高さが一定であるが、上記ガイド用凹部45の図7(d)中下側壁の内面は一定ではなく変化している。すなわち、上記ガイド用凹部45の図7(d)中下側壁の内面は、上記エンドキャップ側係合部43の長手方向先端側では低く、長手方向中央付近では上記エンドキャップ側係合部43の基端側に向かうほど高くなっていき、基端側ではその高さを基端部まで維持している。そのため、上記ガイド用凹部45の長手方向先端側には、上記エンドキャップ5を上記本体フレーム7に係合させる際に、上記係合用爪39が上記本体フレーム7に干渉することを防止するための逃げ部が設けられていることになる。
【0021】
上記エンドキャップ本体6の開口部の内側縁部の、上記接続板37が設けられた辺に垂直な2つの辺からは、エンドキャップ側係合部47、47が突出・形成されている。上記エンドキャップ側係合部47の反エンドキャップ側係合部43側(図7(d)中上側)にはガイド用凹部49が形成されている。上記ガイド用凹部49は、上記エンドキャップ5を上記本体フレーム7に取り付ける際、上記本体フレーム7のガイド用凸部24に係合される。また、上記エンドキャップ側係合部47の図7(d)中上側の面は、上記エンドキャップ側係合部47の長手方向先端側では低く、長手方向中央付近では上記エンドキャップ側係合部47の基端側に向かうほど高くなっていき、基端側ではその高さを基端部まで維持している。そのため、上記エンドキャップ側係合部47の図7(d)中上側には、上記エンドキャップ5を上記本体フレーム7に係合させる際に、上記係合用爪39が上記本体フレーム7に干渉することを防止するための逃げ部が設けられていることになる。
【0022】
又、上記ガイド用凹部45と上記ガイド用凸部19によるガイド部と、上記ガイド用凹部49と上記ガイド用凸部24によるガイド部は、上記エンドキャップ5を相互に直交する2方向にガイドするものである。すなわち、上記ガイド用凹部45と上記ガイド用凸部19によるガイド部は、図2において縦方向にガイドし、上記ガイド用凹部49と上記ガイド用凸部24によるガイド部は、図2において横方向にガイドするものである。
【0023】
上記エンドキャップ5を上記本体フレーム7に取り付ける際、上記エンドキャップ側係合部43のガイド用凹部45は上記本体フレーム7のガイド用凸部19に係合され、上記エンドキャップ側係合部47のガイド用凹部49は上記本体フレーム7のガイド用凸部24に係合される。そのとき、上記ガイド用凸部19と上記ガイド用凹部45の図7(d)中下側の面との相互作用、及び、上記ガイド用凸部24と上記本体フレーム側板13との間の凹部と上記ガイド用凹部47の図7(d)中上側の形状との相互作用により、上記エンドキャップ5は上記接続板37に設けられた係合用爪39が上記本体フレーム7に干渉しないように移動され、上記係合用爪39は上記本体フレーム7の係合用穴15に係合されることになる。
【0024】
上記エンドキャップ5の開口部の内側縁部の、上記接続板37が設けられた辺の向かい側の辺からは、ブラケット51が突出・形成されている。上記ブラケット51の反接続板37側(図7(d)中上側)の面には穴が穿孔され、該穴内にはインサートナット53が挿入されている。上記インサートナット53によって、上記ブラケット51に雌ねじ部が設けられることになる。
図1及び図3に示すように、上記蓋フレーム9を取り付ける際、上記蓋フレーム9の貫通孔33を貫通して、固定部材としてのねじ55、55が上記エンドキャップ5、5のブラケット51、51のインサートナット53、53に螺合される。
【0025】
又、上記エンドキャップ5の一方には貫通孔57が設けられており、この貫通孔57を貫通して、上記蓋フレーム9の貫通孔31、31に取り付けられた図示しない操作ボタンやランプなどに対する配線が行われる。
【0026】
次に、図1乃至図3を使用して、本実施の形態によるスイッチボックス1の組み立てについて説明する。
まず、図3に示すように、本体フレーム7の長さ方向両端に、エンドキャップ5を係合させる。すなわち、図2に示すように、上記エンドキャップ5を、上記エンドキャップ5のガイド用凹部45、45と上記本体フレーム7のガイド用凸部19、19及び上記エンドキャップ5のガイド用凹部49、49と上記本体フレーム7のガイド用凸部24、24によってガイドさせながら上記本体フレームの長さ方向両端側から押し込んでいき、上記エンドキャップ5のガイド用凹部45、45と上記本体フレーム7のガイド用凸部19、19及び上記エンドキャップ5のガイド用凹部49、49と上記本体フレーム7のガイド用凸部24、24を係合させると共に、上記エンドキャップ5の係合用爪39を上記本体フレーム7の係合用穴15に係合させる。その際、上記エンドキャップ5を若干量持ち上げて上記本体フレーム7内に押し込むことになるが、上記ガイド用凹部45及びエンドキャップ側係合部47は、共に、上記本体フレーム7側の端部が切欠かれて逃げ部が設けられているので、上記エンドキャップ5の若干量の持ち上げが許容されるものである。
【0027】
その後、図1及び図3に示すように、蓋フレーム9の係合凹部29と上記本体フレーム7の本体フレーム側係合板23を係合させることで上記蓋フレーム9を上記本体フレーム7に係合させる。そして、ねじ55、55を上記蓋フレーム9の貫通孔33、33に貫通させて、上記エンドキャップ5のブラケット51、51に取り付けたインサートナット53、53に螺合させる。これにより、上記蓋フレーム9は、図1に示すように、上記エンドキャップ5、5と上記本体フレーム7によって囲まれた空間を閉塞するように上記エンドキャップ5、5に固定され、上記スイッチボックス1が完成する。
【0028】
又、上記スイッチボックス1内に内装された図示しないスイッチや電気配線を保守・点検する場合には、上記2つのねじ55、55を撤去し、蓋フレーム9のみを取り外す。その状態で、上記スイッチや電気配線の保守点検を行い、再び、上記2つのねじ55、55によって、上記蓋フレーム9を上記エンドキャップ5、5に固定する。
【0029】
以上、本実施の形態によるスイッチボックスによると、以下のような効果を奏することができる。
まず、ねじ55、55を外すだけで、一対のエンドキャップ5、5を外すことなく、蓋フレーム9のみを容易に取り外すことができる構成となっている。そのため、上記スイッチボックス1内のスイッチや配線の修理や上記スイッチボックス1に取り付けた操作ボタンやランプの交換作業を容易に行うことができる。また、本体フレーム7の両端にエンドキャップ5、5を係合させ、上記蓋フレーム9をエンドキャップ5、5にねじ55、55で固定するだけでスイッチボックス1を組み立てることができる。そのため、組み立てが容易である。
又、蓋フレーム9の着脱に際しては、僅か2本のねじ55、55を取り外したりねじ込んだりするだけで済むので、作業が大幅に容易化されるものである。
因みに、僅か2本のねじ55、55で済むのは、まず、本体フレーム7に対して一対のエンドキャップ5、5が係合構造により取付・固定され、又、本体フレーム7に対して蓋フレーム9が係合構造により取付・固定される構成になっていて、少ないねじの螺合によっても十分に強固な取付・固定状態が得られる構成になっているからである。
【0030】
又、上記本体フレーム7の両端にエンドキャップ5、5を係合させる際、上記エンドキャップ5のガイド用凹部45とエンドキャップ側係合部47には逃げ部が設けられているため、上記エンドキャップ5、5を若干量持ち上げることができ、上記エンドキャップ5に設けられた係合用爪39を上記本体フレーム7に干渉させることなく上記エンドキャップ5を移動させることができる。そのため、上記本体フレーム7への上記エンドキャップ5、5の取り付けを容易に行うことができる。
又、上記ガイド用凹部45と上記ガイド用凸部19によるガイド部は上記エンドキャップ5を縦方向にガイドし、上記ガイド用凹部49と上記ガイド用凸部24によるガイド部は上記エンドキャップ5を横方向にガイドするように構成されている。そのため、本体フレーム7に縦方向又は横方向から外力が作用しても、上記エンドキャップ5を含んだ全体で外力に抗することができ、それによって本体フレーム7の健全性の維持を図ることができる。
【0031】
尚、本願発明は前記一実施の形態に限定されない。
例えば、本体フレーム側に係合用爪が設けてあり、エンドキャップ側に係合用爪が係合する係合用穴が設けられている場合も考えられる。
又、インサートナットを使用せず、エンドキャップに直接雌ねじ部を形成することも考えられる。
又、本体フレーム側に雌ねじ部を設け、ここに蓋フレームをねじ止めすることも考えられる。
又、ガイド用凸部がエンドキャップ側に設けられ、ガイド用凹部が本体フレーム側に設けられることも考えられる。
又、エンドキャップやフレームには、スイッチボックスを柱などに取り付けるためのねじなどを貫通させる孔が設けられた取り付け部(図7中仮想線で示す、符号61)が設けられる場合や、柱に予め取り付けられた取り付け用部材と係合するための部材・部位が設けられる場合も考えられる。
又、各部材の形状、寸法なども、様々な場合が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、例えば、操作ボタンやランプなどを取り付けたスイッチボックスに係り、特に、蓋フレームを容易に着脱でき、且つ、容易に組み立てることができるように工夫したものに係り、例えば、工場の製造ライン等で用いられるスイッチボックスに好適である。
【符号の説明】
【0033】
1 スイッチボックス
3 フレーム
5 エンドキャップ
7 本体フレーム
9 蓋フレーム
15 係合用穴
19 ガイド用凸部
24 ガイド用凸部
39 係合用爪
45 ガイド用凹部
49 ガイド用凹部
53 インサートナット
55 ねじ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体フレーム及び蓋フレームからなるフレームと、上記フレームの両端に取り付けられる一対のエンドキャップと、を具備し、
上記一対のエンドキャップは上記本体フレームの両端に係合・配置され、
上記蓋フレームは、上記本体フレームの両端に上記一対のエンドキャップが係合・配置された状態で、上記本体フレームと上記一対のエンドキャップによって囲まれた空間を閉塞するように設置され、固定部材によって上記一対のエンドキャップ又は上記本体フレームに着脱可能に取り付けられ、
上記固定部材を撤去することにより、上記一対のエンドキャップを外すことなく上記蓋フレームのみを着脱することができるように構成したことを特徴とするスイッチボックス。
【請求項2】
請求項1記載のスイッチボックスにおいて、
上記蓋フレームは上記一対のエンドキャップに上記固定部材によって着脱可能に取り付けられることを特徴とするスイッチボックス。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のスイッチボックスにおいて、
上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか一方には係合用爪が設けられ、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか他方には上記係合用爪が係合するための係合用穴が設けられていることを特徴とするスイッチボックス。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載のスイッチボックスにおいて、
上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか一方にはガイド用凸部が設けられ、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか他方には、上記ガイド用凸部に移動可能に係合するガイド用凹部が設けられていることを特徴とするスイッチボックス。
【請求項5】
請求項4記載のスイッチボックスにおいて、
上記ガイド用凸部と上記ガイド用凹部からなるガイド部が2種類設けられていて、それぞれのガイド部は相互に直交する2つの異なる方向にガイドするものであることを特徴とするスイッチボックス。
【請求項6】
請求項4記載のスイッチボックスにおいて、
上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか一方には係合用爪が設けられ、上記エンドキャップと上記本体フレームのうちの何れか他方には上記係合用爪が係合するための係合用穴が設けられており、
上記エンドキャップを上記本体フレームに係合・配置させて、上記係合用爪を上記係合用穴に係合させる際、上記係合用爪と上記本体フレームとの干渉を防止するように、上記ガイド用凹部に逃げ部を設けたことを特徴とするスイッチボックス。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−22859(P2012−22859A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159237(P2010−159237)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(595034204)SUS株式会社 (40)
【Fターム(参考)】