スイッチャーおよび表示装置
【課題】 出力系統毎に、接続可能な複数の入力系統を切り換えることができるスイッチャーを提供する。
【解決手段】 複数の入力系統のいずれかを出力系統に選択的に接続するスイッチャーであって、出力系統に接続される入力系統を、選択的に接続させるスイッチからなるスイッチ回路と、出力系統と入力系統の接続状態を発光部の発光状態によって表示する発光回路と、スイッチ回路におけるスイッチの接続状態と、発光回路における発光部の発光状態と、を制御する制御部と、を有し、制御部は、スイッチの接続状態が、出力系統から出力される複数の種類の信号が同じ入力系統から入力される状態と、出力系統から出力される複数の種類の信号が異なる入力系統から入力される状態と、によって発光部の発光状態を異ならせることを特徴とするスイッチャーによる。
【解決手段】 複数の入力系統のいずれかを出力系統に選択的に接続するスイッチャーであって、出力系統に接続される入力系統を、選択的に接続させるスイッチからなるスイッチ回路と、出力系統と入力系統の接続状態を発光部の発光状態によって表示する発光回路と、スイッチ回路におけるスイッチの接続状態と、発光回路における発光部の発光状態と、を制御する制御部と、を有し、制御部は、スイッチの接続状態が、出力系統から出力される複数の種類の信号が同じ入力系統から入力される状態と、出力系統から出力される複数の種類の信号が異なる入力系統から入力される状態と、によって発光部の発光状態を異ならせることを特徴とするスイッチャーによる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力系統ごとに接続可能な複数の入力系統を、切り換えることができるスイッチャーおよび、切り替え状態を表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
出力系統ごとに映像信号と音声信号の入力系統を選択して切り換えることができるマトリックススイッチャーが知られている。各出力系統と各入力系統は、それぞれ少なくとも一組の映像信号用端子と音声信号用端子を有してなる。マトリックススイッチャーの筐体外面には、複数の選択ボタンが配置されており、この選択ボタンに対する所定の操作によって、各出力系統に接続される入力系統が選択されるように構成されている。すなわち、選択ボタンは、各出力系統に、接続可能な入力系統の数に相当する数だけ配置される。
【0003】
所定の操作とは、例えば、選択ボタンの押下操作である。選択ボタンが押下されると、当該操作ボタンに対応する出力系統において、選択された1の入力系統が接続される。このとき、当該出力系統の映像出力端子には、当該入力系統の映像入力端子が接続され、当該出力系統の音声出力端子には、当該入力系統の音声入力端子が接続される。つまり、1つの入力系統からの映像信号と音声信号が1の出力系統に出力される接続状態となる。
【0004】
近年、出力系統ごとに、異なる入力系統の映像入力端子と音声入力端子を接続でき、また、接続される機器の制御信号の接続も選択的に切り換えることができるマトリックススイッチャーが知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0005】
特許文献1に記載されているマトリックススイッチャーは、複数の接続状態を区別するために、各接続状態に応じた表示をする表示部を備えている。当該表示部は、接続状態に対応した色を区別して表示するものである。
【0006】
【特許文献1】特許第3271124号公報
【0007】
特許文献1のマトリックススイッチャーのように、複数の接続状態を色分けして表示する表示部には、多色発光可能な発光素子を用いることになるか、または、液晶モニタなどを用いることになる。これら表示部は、その構成が大型化し、制御系統が複雑になり、製造コストも増大するなどの課題がある。また、区別すべき接続状態の数が多くなると、表示色もそれに応じて必要になる。多くの色が一度に表示されることで逆に視認しづらくなることもあるので、区別する接続状態の数には制限がある。
【0008】
そこで、単色のLED(単色LED)によって表示部を構成することができれば、表示が視認しやすく、かつ、制御系統も簡易であるから安価に製造でき、しかも、必要最低限の接続状態表示をすればよい。しかし、映像信号と音声信号の接続先を個別に切り換えるには、1つの出力系統に対して映像と音声が入力される入力系統が同じときを示す状態、映像と音声の入力系統が異なるときを示す状態、何も接続されていないときを示す状態、の少なくとも3つの状態を区別して表示する必要がある。
【0009】
単色LEDを表示部に用いると、2つの状態(点灯と消灯)の表示をすることはできるが、3つ以上の状態を表示させるには、工夫が必要となる。このため、映像信号と音声信号の接続を個別に行うようなマトリックススイッチャーにおいては、特許文献1に記載されているような色分け可能な表示部を用いている。しかし、単色LEDを用いて3つ以上の状態を表示することができる表示部を有するマトリックススイッチャーは知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、複数の出力系統毎に接続される入力系統からの映像信号と音声信号を個別に選択して切り換えることができるスイッチャーにおいて、発光素子の発光状態によって、各出力系統への複数の接続状態を表示することができるスイッチャーおよび、切り替え状態を表示する表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は複数の入力系統のいずれかを出力系統に選択的に接続するにスイッチャーに関するものであって、出力系統に接続される入力系統を、選択的に接続させるスイッチからなるスイッチ回路と、出力系統と入力系統の接続状態を発光部の発光状態によって表示する発光回路と、スイッチ回路におけるスイッチの接続状態と、発光回路における発光部の発光状態と、を制御する制御部と、を有し、制御部は、スイッチの接続状態が、出力系統から出力される複数の種類の信号が同じ入力系統から入力される状態と、出力系統から出力される複数の種類の信号が異なる入力系統から入力される状態と、によって発光部の発光状態を異ならせることを主な特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、単色LEDによって、出力系統に接続されている入力系統の状態(接続状態)が複数であっても視認しやすい状態で明確に表示することができるので、安価な部品で接続状態表示の視認性に優れたスイッチャーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るマトリックススイッチャーの実施形態を示すブロック図である。
【図2】上記マトリックススイッチャーの一部の構成の例を詳細に示すブロック図である。
【図3】上記マトリックススイッチャーが有するスイッチマトリックスの例を示す図である。
【図4】上記マトリックススイッチャーが有する単色LEDマトリックスの例を示す図である。
【図5】上記マトリックススイッチャーが有するMUXの内部構成の例を示す図である。
【図6】上記LEDマトリックスにおける接続状態表示の例を示す図である。
【図7】上記マトリックススイッチャーが有するMUXの接続状態の例を示す図である。
【図8】上記LEDマトリックスにおける接続状態表示の別の例を示す図である。
【図9】上記マトリックススイッチャーが有するMUXの接続状態の別の例を示す図である。
【図10】上記マトリックススイッチャーが有するCPUが発する選択信号の例を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明に係るマトリックススイッチャーの別の実施形態に係るLEDマトリックスの接続状態表示の例を示す図である。
【図12】上記別の実施形態に係るLEDマトリックスの別の接続状態表示の例を示す図である。
【図13】上記別の実施形態に係るLEDマトリックスの別の接続状態表示の例を示す図である。
【図14】上記別の実施形態に係るLEDマトリックスの別の接続状態表示の例を示す図である。
【図15】上記別の実施形態に係るLEDマトリックスの別の接続状態表示の例を示す図である。
【図16】上記別の実施形態に係るLEDマトリックスの別の接続状態表示の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るスイッチャーの実施例について図を用いて説明する。図1は、本実施例に係るマトリックススイッチャーの機能ブロック図である。図1において、マトリックススイッチャー100はCPU10と、スイッチマトリックス20と、単色LEDマトリックス30と、MUX40と、入力系統50と、出力系統60と、を有してなる。本発明に係るマトリックススイッチャーは複数の入力系統50から選択された少なくとも1の入力系統が出力系統60に接続されるものであるから、出力系統60は少なくとも1つ備わっていればよい。図1においては、入力系統50と出力系統60は、それぞれ複数ある例を示している。
【0015】
マトリックススイッチャー100が有する入力系統50は、少なくとも一組の映像入力端子と音声入力端子を有してなる。この映像入力端子と音声入力端子には、信号の入力元となる装置が接続される。よって、マトリックススイッチャー100は、複数の装置からの入力信号を出力系統に出力することができる構成を有している。
【0016】
マトリックススイッチャー100が有する出力系統60は、少なくとも一組の映像出力端子と音声出力端子を有してなる。この映像出力端子と音声出力端子には、映像信号と音声信号の出力先となる装置が接続される。よって、マトリックススイッチャー100は、各出力系統60に接続された入力系統50からの入力信号が、複数の出力系統60のそれぞれに接続されている装置から出力することができる構成を有している。
【0017】
なお、出力系統60は1つでもよい。すなわち、本発明に係るマトリックススイッチャーは、1の出力系統から出力される映像信号と音声信号を、複数の入力系統50のいずれかから入力される映像信号と音声信号にするかを、選択的に切り換えて接続させることができる。
【0018】
ここで、「出力系統60と入力系統50を接続させる」とは、「入力系統50から入力された信号が出力系統60から出力される状態」になるように、マトリックススイッチャー100において複数設けられている入力系統50から選択された入力系統50に係る映像入力端子(音声入力端子)と、当該出力系統60の映像出力端子(音声出力端子)とを、後述するMUX40において接続させるように、制御部10が、スイッチマトリックス20からの信号に応じた制御信号を、MUX40に出力する動作をいう。
【0019】
CPU10は、マトリックススイッチャー100の全体的な動作の制御をする制御部である。スイッチマトリックス20に対して行われた所定の操作に応じて、1の出力系統60に対して選択された入力系統50を接続させるようにMUX40に対して制御信号を発すると同時に、当該接続された状態に応じて表示を制御する信号(以下「表示信号」という。)を後述する単色LEDマトリックス30に対して発する。この表示信号によって、単色LEDマトリックス30は、表示状態を変化させる。
【0020】
スイッチマトリックス20は、マトリックススイッチャー100の筐体外部に配置された図示しない操作ボタンと、操作ボタンへの操作(押下)を検出するスイッチと、を有してなる。操作ボタンが押下されたときに、当該選択操作に応じた信号(以下「選択信号」という。)がCPU10に通知される。
【0021】
単色LEDマトリックス30は、マトリックススイッチャー100の筐体外部に配置された図示しない表示部を構成する。単色LEDマトリックス30は、各出力系統60と入力系統50との接続状態を表示する単色LEDを有してなる。単色LEDマトリックス30が有する単色LEDは、スイッチマトリックス20が有する選択スイッチに対応して配置されている。よって、所定の操作が行われたスイッチマトリックス20の選択スイッチの配置位置に応じた単色LEDに対して、CPU10から表示信号が通知される。この表示信号に応じて単色LEDマトリックス30の該当する位置の単色LEDの点灯状態が変化する。
【0022】
MUX40は、スイッチマトリックス20からの選択信号に応じてCPU10が発する制御信号によって、入力系統50と出力系統60の接続を切り換える選択的接続回路(セレクタ)である。
【0023】
ここで、マトリックススイッチャー100が備えるMUX40の構成について、説明をする。図2は、MUX40の内部構成と動作の例を示すイメージ図である。図2において、1の入力系統50は、映像入力端子51と音声入力端子52とを有してなる。また、1の出力系統60は、映像入力端子61と音声入力端子62とを有してなる。映像入力端子51と映像出力端子61はMUX41を介して接続され、音声入力端子52と音声出力端子62はMUX42を介して接続されるように構成されている。
【0024】
MUX41は、CPU10から通知される制御信号に応じて、映像入力端子51と映像出力端子61とを接続させる。MUX42は、CPU10から通知される制御信号に応じて、音声入力端子52と音声出力端子62とを接続させる。MUX41とMUX42はCPU10から通知される制御信号に応じて、1の出力系統60を構成する映像出力端子61と音声出力端子62に対して、それぞれ別々の入力系統50に含まれる映像入力端子51と音声入力端子52を、接続させることができる。
【0025】
次に、スイッチマトリックス20について説明する。図3は、スイッチマトリックス20の構成を模式的に示す概念図である。図3において、スイッチマトリックス20は、紙面縦方向に出力系統60を表す横線が並んでおり、紙面横方向に入力系統50と、入力系統50と出力系統60の接続を解除する接続解除スイッチであるOFFスイッチを表す縦線が並んでいる。図3は、4つの出力系統60(OUT1からOUT4)と、8つの入力系統50(IN1からIN8)を備える例を表している。図3において、縦線と横線の交点200が接続されると、入力系統50と出力系統60が接続される。図3において、接続されている交点には、符号201を付して表している。例えば、図3は、入力系統50(IN1)と出力系統60(OUT1)、入力系統50(IN2)と出力系統60(OUT2)、のそれぞれが接続されている状態を表している。
【0026】
なお、スイッチマトリックス20は、図3において図示していない「接続状態選択ボタン」に係るスイッチ(以下「接続状態選択スイッチという」。)を有している。接続状態選択スイッチは、出力系統60と入力状態50との接続状態を選択するスイッチであって、このスイッチの状態によって、後述するように、選択ボタンが操作されたときの接続動作が異なる。
【0027】
図3に戻る。各交点200に対応する位置に、図示しない選択ボタンが配置されており、この選択ボタンに所定の操作(例えば、押下操作)が加えられると、交点200に配置されている各スイッチ(接点)が作動して、これに対応する選択信号がCPU10に通知される。この選択ボタンとスイッチを一体として「選択スイッチ」という。
【0028】
図3に示したスイッチマトリックス20の場合、4個の出力系統60と、8個の出力系統60を選択するために32個(4×8)の交点200に対応して選択スイッチが配置される。また、スイッチマトリックス20には、各出力系統60と入力系統50との接続を切断するためのスイッチを有するOFFスイッチが、出力系統60に一つずつ配置される。
【0029】
次に、単色LEDマトリックス30について説明する。図4は、本実施例に係る単色LEDマトリックス30の外観の例を示す図である。LEDマトリックス30は、マトリックススイッチャー100の前面に配置されるので、図4は、マトリックススイッチャー100の正面図でもある。図4において、単色LEDマトリックス30は、出力系統60に接続されている入力系統50を表示するLEDを有する選択スイッチ31と、出力系統60と入力系統50の接続を切断する(解除する)スイッチであって、点灯によって出力系統60がされていない状態を示すLEDを有するOFFスイッチ32と、各入力系統50から入力される映像信号と音声信号を、別々の出力系統60から出力するように接続状態を選択する接続状態選択スイッチであるSETキー33と、を有してなる。
【0030】
選択スイッチ31とOFFスイッチ32には、各LEDの光が透過する素材で形成されたカバーが被せられている。このカバーに対して所定の操作をすることで、当該選択スイッチ31に対応するスイッチマトリックス20のスイッチ操作が行われる。
【0031】
図4は、マトリックススイッチャー100に動作電源を投入した直後の単色LEDマトリックス30に点灯表示状態の例を示している。図4に示すように、各出力系統60において、入力系統50との接続を示す「全点灯」表示は、OFFスイッチ32のみであり、IN1からIN8は消灯している。なお、以下の説明において、映像信号と音声信号が同じ入力系統50から供給される接続状態(第1接続状態)にあるとき、すなわち、映像信号と音声信号の出力先が分離して選択されていない状態を示す単色LEDマトリックス30における表示を「全点灯」といい、選択スイッチ31およびOFFスイッチ32を黒色の塗りつぶして表すこととする。
【0032】
また、映像信号と音声信号が分離して選択されているときであって、映像信号のみが選択されている選択スイッチ31およびOFFスイッチの表示も黒色の塗りつぶしを用いて表すこととする。
【0033】
また、映像信号と音声信号が異なる入力系統50から供給される接続状態(第2接続状態)にあるとき、すなわち、音声信号と映像信号が分離して接続選択されている状態を示す単色LEDマトリックス30における表示を「半点灯」といい、選択スイッチ31およびOFFスイッチ32を網掛けにて表すこととする。
【0034】
なお、本実施例に係るマトリックススイッチャー100は、第1接続状態の表示と、映像信号のみが選択されているときの表示を「半点灯」とし、第2接続状態の表示を「半点灯」としてもよい。
【0035】
マトリックススイッチャー100において、入力系統50と出力系統60の動作の説明をする。選択スイッチ31が押下されると、対応するスイッチマトリックス20の接点200の状態が変化し、この変化が選択信号としてCPU10に伝達される。言い換えると、選択スイッチ31の押下によって変化する接点200をCPU10が検知する。
【0036】
上記の選択信号(スイッチ200の状態変化の検知)に応じて、CPU10が、制御信号をMUX40に通知する。MUX40は、セレクタであるMUX41とMUX42を有しているので、CPU10から通知された制御信号に応じて、MUX41とMUX42はそれぞれ、操作された出力系統60に対して、選択された入力系統50が接続されるように作動する。
【0037】
ここで、MUX40について図5を用いて説明をする。図5は、MUX40を構成するMUX41とMUX42の内部構造を模式的に表した概念図である。セレクタであるMUX41とMUX42は、入力系統50が有するIN1からIN8の信号線と、出力系統60が有するOUT1からOUT4とを接続線を選択可能に構成されている。図5は、図4に示したように、マトリックススイッチャー100の電源を投入した直後の状態を表している。IN1乃至IN8とOUT1乃至OUT4を結ぶ点線は、各入力系統50と各出力系統60とを選択的に接続可能とする信号線が接続されていない状態を表している。すなわち、図5は、入力系統50と出力系統60がいずれも接続していない状態を示している。
【0038】
次に、選択スイッチ31とOFFスイッチ32と共に、SETキー33を用いて、各出力系統60に接続される入力系統50を選択操作したときの、単色LEDマトリックス30の表示状態の例について説明する。まず、各出力系統60において映像信号と音声信号が分離することなく同じ入力系統50から供給される状態に係る単色マトリックス30の表示状態の例を図6に示す。図6は、「OUT1」には「IN1」が、「OUT2」には「IN2」が、「OUT3」には「IN3」が接続されており、「OUT4」は「OFF」であるから出力される信号はない状態を表示している。また各出力系統60において、映像信号と音声信号はそれぞれ同じ入力系統50から供給される状態を表示している。
【0039】
図6に示した状態におけるMUX41とMUX42の接続状態の例を図7に示す。図7において、IN1からIN8とOUT1からOUT4を結ぶ実線は、入力系統50と出力系統60が接続されている状態を示している。図7に示すように、映像信号の接続をするMUX41と音声信号の接続をするMUX42はそれぞれ、「IN1」と「OUT1」、「IN2」と「OUT2」、「IN3」と「OUT3」が接続されている。また、「OUT4」に接続されている入力系統50(IN1からIN8)はない。
【0040】
図8は、単色LEDマトリックス30の表示状態の例であって、図6の状態から、SETキー33が押下されたままで「OUT2」の「IN1」の選択スイッチ31が押下された状態を示している。SETキー33と選択スイッチ31が同時に操作されたことで、「OUT2」に係る出力系統60から出力される音声信号は、「IN2」に係る入力系統50から入力されるものではなく、「IN1」から入力されるものに切り換えられる。すなわち、SETキー33と同時に選択スイッチ31を操作すると、映像信号と音声信号の入力系統50を分離して選択することができる。
【0041】
また、図8は、図6の状態からSETキー33を押下された状態で「OUT3」のOFFスイッチ32が押下された状態を示している。SETキー33と選択スイッチ31が同時に操作されたことで、「OUT3」に係る出力系統60への音声信号は、入力されない状態、すなわち、「OUT3」からは音声信号が出力されない状態となる。このとき、「OUT3」からは、映像信号は出力される状態が維持されている。
【0042】
また、図8は、図6の状態からSETキー33が押下された状態で「OUT4」」の「IN1」が押下され状態を示している。SETキー33と選択スイッチ31が同時に操作されたことで、「OUT4」に係る出力系統60への映像信号は入力されない状態、すなわち、「OUT4」からは映像信号が出力されない状態となる。このとき「OUT4」からは、音声信号は出力される状態が維持されている。
【0043】
図8において、全点灯している選択スイッチには符号31aを付し、半点灯している選択スイッチに符号31bを付している。また、全点灯しているOFFスイッチには符号32aを付し、半点灯しているOFFスイッチには、符号32bを付している。全点灯は、映像信号と音声信号が選択されていることを示し、半点灯は音声信号のみが選択されていることを示している。
【0044】
このようにマトリックススイッチャー100は、SETキー33を押しながら選択スイッチ31またはOFFスイッチ32が押下されると、別々の入力系統50から入力される映像信号と音声信号が、1の出力系統60から出力される状態に接続を切り換えることができる。映像信号と音声信号の接続を別の入力系統50に切り換えたときは、映像信号の入力系統50を示す選択スイッチ31aが全点灯した状態(第1接続状態)となり、音声信号の入力系統50を示す選択スイッチ31bは半点灯した状態(第2接続状態)となる。
【0045】
すなわち、単色LEDマトリックス30の各出力系統60に並ぶ選択スイッチ31およびOFFスイッチ32において、全点灯している選択スイッチ31aのみであれば、映像信号と音声信号の入力系統50は同じ入力系統50であって、映像信号と音声信号が分離せずに選択されていることを容易に視認することができる。また、各出力系統60に並ぶ選択スイッチ31およびOFFスイッチ32において、全点灯している選択スイッチ31aと半点灯している選択スイッチ32aおよびOFFスイッチ32aが混在していれば、映像信号と音声信号の入力系統50は分離されて選択されていることを容易に視認することができる。また、映像信号と音声信号の入力の有無と入力元を一目で視認することができる。
【0046】
続いて、図8に示した状態におけるMUX41とMUX42の接続状態の例について説明する。入力系統50と出力系統60の接続のうち、図8(a)は映像信号に係る接続を行うMUX41の接続状態の例を示している。図8(b)は音声信号に係る接続を行うMUX42の接続状態の例を示している。
【0047】
図9(a)に示すように、映像信号の接続をするMUX41は、「IN1」と「OUT1」、「IN2」と「OUT2」、「IN3」と「OUT3」が接続されているが、「OUT4」に接続されている入力系統50(IN1からIN8)はない。
【0048】
また、図9(b)に示すように、音声信号の接続をするMUX42は、「IN1」と「OUT1」、「IN1」と「OUT2」、「IN1」と「OUT4」が接続されている。
【0049】
このように、本実施例に係るマトリックススイッチャー100は、入力系統50から入力される映像信号と音声信号の出力先を、別々の出力系統60に向けて設定する(切り換える)ことができる。換言すれば、各出力系統60は、映像信号と音声信号の入力元となる入力系統50を、それぞれ別の系統に設定することができる。
【0050】
本実施例に係るマトリックススイッチャー100は、入力系統50と出力系統60の接続において、3つの接続状態を有する。具体的には、映像信号と音声信号を同じ系統にて接続された「第1接続状態」、映像信号と音声信号を別々の系統にて接続された「第2接続状態」、映像信号と音声信号ともにどの系統からも接続されていない「第3接続状態」、である。
【0051】
CPU10は、上記の複数の接続状態に応じて、単色LEDマトリックス30の点灯を制御する。そのためにCPU10は、選択スイッチ31の押下状態に応じて異なる表示信号を単色LEDマトリックス30に対して出力する。図10にCPU10が出力する表示信号の例をタイミングチャートの形式にて示す。
【0052】
本実施例に係るマトリックススイッチャー100において、表示信号は単色LEDに供給される電流による。図10(a)において、表示信号91が符号Lの状態のときは、単色LEDは消灯している。表示信号91が符号Hの状態のときは、単色LEDは全点灯状態となる。選択スイッチ31が操作されて映像信号と音声信号の入力系統50が同じ入力系統50となったタイミングT1の後、CPU10は、表示信号91を符号Hの状態で出力し続ける。この表示信号91は単色LEDへの供給電流の状態を示すものであるから、表示信号91が「H」となってCPU10から出力され続けると、対応する単色LEDは点灯し続けて、全点灯状態となる。この状態が第1接続状態である。
【0053】
タイミングT2において、SETキー32と選択スイッチ31が操作され、映像信号と音声信号の入力系統50が異なる系統に接続されたときは、その後の表示信号91は所定の周期をもって「H」と「L」を繰り返す状態となる。このときの表示信号91のデューティー比は例えば20%程度の矩形波である。周期的に「H」と「L」を繰り返すと、これに同期して単色LEDは点滅を繰り返すので利用者には、暗く点灯しているように見える。この状態が第2接続状態である。なお、第2接続状態を表示する際の表示信号91のデューティー比は、略10パーセントから略70パーセント程度の間で、適宜設定すればよく、略20%に限るものではない。
【0054】
その後、タイミングT3において、選択スイッチ31が操作されてOFFスイッチ32が押下されると、当該OFFスイッチ32に対応する出力系統60の「IN1」から「IN8」のLEDは消灯されるように、表示信号91は「L」レベルで出力される。この状態が第3接続状態である。
【0055】
このように、本実施例に係るマトリックススイッチャー100は、出力系統60と入力系統50の接続状態に応じて、出力系統60に接続されている入力系統50の表示を行う単色LEDマトリックス30のLEDの点灯状態を、LEDへの供給電流である選択信号をPWM信号として変化させることで、少なくとも3つの状態を表すことができる。
【0056】
表示信号の別の実施例について図10(b)を用いて説明する。図10(b)において、表示信号92は、CPU10が単色LEDの供給する電流の波形を示している。表示信号92が符号Lの状態のときは、単色LEDは消灯している。この場合の符号Lは電流が供給されていない状態を示している。表示信号92が符号H1の状態のとき、すなわち、供給される電流が一定の値以上の電流であれば、単色LEDは全点灯状態となる。選択スイッチ31が操作されて映像信号と音声信号の入力系統50が同じ入力系統50となったタイミングT1の後、CPU10は、表示信号92を符号H1の状態で出力し続ける。これによって対応する単色LEDは点灯し続けて、全点灯状態となる。この状態が第1接続状態である。
【0057】
タイミングT2において、SETキー32と選択スイッチ31が操作され、映像信号と音声信号の入力系統50が異なる系統に接続されたときは、その後の表示信号92は符号H1よりも小さい値の電流を示す符号H2となる。符号H1よりも符号H2の方が電流値は小さいので単色LEDは、暗く点灯しているように見える。
【0058】
その後、タイミングT3において、選択スイッチ31が操作されてOFFスイッチ32が押下されると、当該OFFスイッチ32に対応する出力系統60の「IN1」から「IN8」のLEDは消灯されるように、表示信号92は「L」レベルで出力される。この状態が第3接続状態である。
【0059】
このように、本実施例に係るマトリックススイッチャー100は、出力系統60と入力系統50の接続状態に応じて、出力系統60に接続されている入力系統50の表示を行う単色LEDマトリックス30のLEDの点灯状態を、LEDへの供給電流の値を変化させることで、少なくとも3つの状態を表すことができる。
【0060】
以上のように、本発明に係るマトリックススイッチャーは、単色LEDを用いて、入力系統50と出力系統60の接続において、映像信号と音声信号を異なる系統に接続させた状態も含む、少なくとも3つ以上の接続状態を視認可能に表示することができる。
【0061】
次に、本発明に係るマトリックススイッチャーの別の実施例について、先に説明をした実施例とは異なる部分を中心に説明をする。本実施例に係るマトリックススイッチャー100aは、SETキー33の代わりに選択モードを切り替えて選択することができる別の接続状態選択スイッチを備えるものである。
【0062】
図11は、本実施例に係るマトリックススイッチャー100aが備える単色マトリックス30aの外観の例を示す正面図であって、マトリックススイッチャー100aの動作電源を投入した直後の単色LEDマトリックス30aの点灯表示状態の例を示している。
【0063】
単色LEDマトリックス30aは、SETキー33の代わりに接続状態選択スイッチである「V/Aスイッチ34」を有してなる。V/Aスイッチ34は、選択ボタン31と同じ素材からなり、押下操作によって点灯状態が変化するものである。V/Aスイッチ34の点灯状態によって、各出力系統60に接続される入力系統50が選択されるときに、映像信号と音声信号を同じ入力系統50とするか、映像信号のみの選択とするか、音声信号のみの選択とするか、いずれの形態による切り換え選択が行われる状態にあるか、容易に視認することができる。
【0064】
V/Aスイッチ34が「全点灯状態」であれば、そのときに押下された選択スイッチ31に係る出力系統60は、映像信号と音声信号が同じ入力系統50が接続される。このV/Aスイッチ34が全点灯状態のときを「第1接続モード」という。
【0065】
また、V/Aスイッチ34が「半点灯状態」であれば、そのときに押下された選択スイッチ31に係る出力系統60は、音声信号のみの入力系統50が接続される。このV/Aスイッチ34が半点灯状態のときを「第2接続モード」という。
【0066】
また、V/Aスイッチ34が「消灯状態」であれば、そのときに押下された選択スイッチ31に係る出力系統60は、映像信号のみの入力系統50が接続される。このV/Aスイッチ34が消灯状態のときを「第3接続モード」という。
【0067】
図11に示すように、各出力系統60の入力系統50との接続を示すIN1からIN8に係る選択スイッチ31は、すべて「消灯状態」で、OFFスイッチ32のみが「全点灯状態」になっているのは、すべての出力系統60に対して入力系統50からの映像信号も音声信号も選択されていない状態を表している。
【0068】
V/Aスイッチ34の表示が第1接続モードのときに(図11)、OUT1のIN1に係る選択スイッチ31が押下されると、図12に示す状態となる。図12に示す状態は、出力系統60のOUT1から、入力系統50のIN1から入力される映像信号と音声信号が出力される状態であることを示している。すなわち、OUT1は第1接続状態になっていることを表示している。このように、V/Aスイッチ34が全点灯状態であるとき(第1接続モードであるとき)に選択スイッチ31が操作されると、操作された選択スイッチ31に係る出力系統60から出力される信号の入力元として、同じ入力系統50が選択された状態(第1接続状態)となる。
【0069】
また、V/Aスイッチ34の表示が第1接続モードのときに(図11)、V/Aスイッチ34を一回押下すると、V/Aスイッチ34の表示は半点灯状態の第2接続モードになる(図13)。図13に示す状態においてOUT4のIN1に係る選択スイッチ31が押下されると、図14に示す状態となる。このとき、OUT4のIN1は半点灯となり、OUT4のOFFスイッチ32は全点灯状態のままである。
【0070】
図14に示す状態は、出力系統60のOUT4からは、入力系統50のIN1から入力される音声信号のみが出力されて、映像信号は何も出力されない状態であることを示している。このように、V/Aスイッチ34が半点灯状態であるとき(第2接続モードであるとき)に選択スイッチ31が操作されると、操作された選択スイッチ31に係る出力系統60から出力される音声信号の入力元のみが選択された状態(第2接続状態)となる。
【0071】
また、V/Aスイッチ34が半点灯の第2接続モードのときに(図13)、V/Aスイッチ34を一回押下すると、V/Aスイッチ34が消灯状態の第3接続モードとなる(図15)。図15に示す状態においてOUT3のIN3に係る選択スイッチ31が押下されると、図16に示す状態となる。このとき、OUT3のIN3は全点灯となり、OUT3のOFFスイッチ32は半点灯状態となる。
【0072】
図16に示す状態は、出力系統60のOUT3からは、入力系統50のIN3から入力される映像信号のみが出力されて、音声信号はなにも出力されない状態であることを示している。このように、V/Aスイッチ34が消灯状態であるとき(第3接続モードであるとき)に選択スイッチ31が操作されると、操作された選択スイッチ31に係る出力系統60から出力される映像信号の入力元のみが選択された状態(第3接続状態)となる。
【0073】
さらに、V/Aスイッチ34によって、接続モードを選択した状態で、選択スイッチ31およびOFFスイッチ32への選択操作を行うことで、映像信号と音声信号、映像信号のみ、音声信号のみの、選択を容易に切り換えることができる。
【0074】
なお、選択スイッチ31、OFFスイッチ32、V/Aスイッチ34の点灯状態を変化させる方法は、すでに説明をした実施例と同様に、単色LEDマトリックス30のLEDへの供給電流である選択信号をPWM信号として、デューティー比を変化させか、または、選択信号である単色LEDへの供給電流の値を変化させることで、異なる輝度を実現させることができる。
【0075】
以上のように、本実施例に係るマトリックススイッチャーによれば、複数の入力系統50のいずれかを出力系統60に選択的に接続することができる構成として、入力系統50が映像入力端子と音声入力端子とを有し、出力系統60が映像出力端子と音声出力端子とを有し、この出力系統60に接続される入力系統50を、選択的に切り換えて接続させるスイッチからなるスイッチマトリックス回路20と、スイッチマトリックス回路20によって出力系統に接続された入力系統の状態を単色LEDの点灯状態によって表示する単色LEDマトリックス回路30と、スイッチマトリックス回路20における接続と、単色LEDマトリックス回路30における単色LEDの点灯状態と、を制御する制御部(CPU10)と、を有し、制御部が、同じ入力系統50に含まれる映像入力端子と音声入力端子とが出力系統60の映像出力端子と音声入力端子に接続される状態(第1接続モード)と、異なる入力系統50に含まれる映像出力端子と音声出力端子とが出力系統60の映像出力端子と音声入力端子に接続される状態であって、音声信号の出力のみが選択される状態(第2接続モード)と、異なる入力系統50に含まれる映像出力端子と音声出力端子とが出力系統60の映像出力端子と音声入力端子に接続される状態であって、映像信号の出力のみが選択される状態(第3接続モード)と、を異ならせることを特徴とする。
【0076】
また、本実施例に係るマトリックススイッチャーは、複数の接続モードを表示する接続状態選択スイッチを有し、制御部は、接続状態選択スイッチに係る単色LEDの点灯状態を、第1接続モードと、第2接続モードと、第3接続モードと、を区別可能に異ならせることを特徴とする。
【0077】
以上のように、本発明に係るマトリックススイッチャーは、単色LEDを用いて、入力系統50と出力系統60の接続において、映像信号と音声信号を異なる系統に接続させた状態も含む、少なくとも3つ以上の接続状態を視認可能に表示することができ、その選択操作も容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0078】
10 CPU
20 スイッチマトリックス
30 単色LEDマトリックス
31 選択スイッチ
32 OFFスイッチ
33 SETキー
34 V/Aスイッチ
40 MUX
50 入力系統50
60 出力系統60
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力系統ごとに接続可能な複数の入力系統を、切り換えることができるスイッチャーおよび、切り替え状態を表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
出力系統ごとに映像信号と音声信号の入力系統を選択して切り換えることができるマトリックススイッチャーが知られている。各出力系統と各入力系統は、それぞれ少なくとも一組の映像信号用端子と音声信号用端子を有してなる。マトリックススイッチャーの筐体外面には、複数の選択ボタンが配置されており、この選択ボタンに対する所定の操作によって、各出力系統に接続される入力系統が選択されるように構成されている。すなわち、選択ボタンは、各出力系統に、接続可能な入力系統の数に相当する数だけ配置される。
【0003】
所定の操作とは、例えば、選択ボタンの押下操作である。選択ボタンが押下されると、当該操作ボタンに対応する出力系統において、選択された1の入力系統が接続される。このとき、当該出力系統の映像出力端子には、当該入力系統の映像入力端子が接続され、当該出力系統の音声出力端子には、当該入力系統の音声入力端子が接続される。つまり、1つの入力系統からの映像信号と音声信号が1の出力系統に出力される接続状態となる。
【0004】
近年、出力系統ごとに、異なる入力系統の映像入力端子と音声入力端子を接続でき、また、接続される機器の制御信号の接続も選択的に切り換えることができるマトリックススイッチャーが知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0005】
特許文献1に記載されているマトリックススイッチャーは、複数の接続状態を区別するために、各接続状態に応じた表示をする表示部を備えている。当該表示部は、接続状態に対応した色を区別して表示するものである。
【0006】
【特許文献1】特許第3271124号公報
【0007】
特許文献1のマトリックススイッチャーのように、複数の接続状態を色分けして表示する表示部には、多色発光可能な発光素子を用いることになるか、または、液晶モニタなどを用いることになる。これら表示部は、その構成が大型化し、制御系統が複雑になり、製造コストも増大するなどの課題がある。また、区別すべき接続状態の数が多くなると、表示色もそれに応じて必要になる。多くの色が一度に表示されることで逆に視認しづらくなることもあるので、区別する接続状態の数には制限がある。
【0008】
そこで、単色のLED(単色LED)によって表示部を構成することができれば、表示が視認しやすく、かつ、制御系統も簡易であるから安価に製造でき、しかも、必要最低限の接続状態表示をすればよい。しかし、映像信号と音声信号の接続先を個別に切り換えるには、1つの出力系統に対して映像と音声が入力される入力系統が同じときを示す状態、映像と音声の入力系統が異なるときを示す状態、何も接続されていないときを示す状態、の少なくとも3つの状態を区別して表示する必要がある。
【0009】
単色LEDを表示部に用いると、2つの状態(点灯と消灯)の表示をすることはできるが、3つ以上の状態を表示させるには、工夫が必要となる。このため、映像信号と音声信号の接続を個別に行うようなマトリックススイッチャーにおいては、特許文献1に記載されているような色分け可能な表示部を用いている。しかし、単色LEDを用いて3つ以上の状態を表示することができる表示部を有するマトリックススイッチャーは知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、複数の出力系統毎に接続される入力系統からの映像信号と音声信号を個別に選択して切り換えることができるスイッチャーにおいて、発光素子の発光状態によって、各出力系統への複数の接続状態を表示することができるスイッチャーおよび、切り替え状態を表示する表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は複数の入力系統のいずれかを出力系統に選択的に接続するにスイッチャーに関するものであって、出力系統に接続される入力系統を、選択的に接続させるスイッチからなるスイッチ回路と、出力系統と入力系統の接続状態を発光部の発光状態によって表示する発光回路と、スイッチ回路におけるスイッチの接続状態と、発光回路における発光部の発光状態と、を制御する制御部と、を有し、制御部は、スイッチの接続状態が、出力系統から出力される複数の種類の信号が同じ入力系統から入力される状態と、出力系統から出力される複数の種類の信号が異なる入力系統から入力される状態と、によって発光部の発光状態を異ならせることを主な特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、単色LEDによって、出力系統に接続されている入力系統の状態(接続状態)が複数であっても視認しやすい状態で明確に表示することができるので、安価な部品で接続状態表示の視認性に優れたスイッチャーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るマトリックススイッチャーの実施形態を示すブロック図である。
【図2】上記マトリックススイッチャーの一部の構成の例を詳細に示すブロック図である。
【図3】上記マトリックススイッチャーが有するスイッチマトリックスの例を示す図である。
【図4】上記マトリックススイッチャーが有する単色LEDマトリックスの例を示す図である。
【図5】上記マトリックススイッチャーが有するMUXの内部構成の例を示す図である。
【図6】上記LEDマトリックスにおける接続状態表示の例を示す図である。
【図7】上記マトリックススイッチャーが有するMUXの接続状態の例を示す図である。
【図8】上記LEDマトリックスにおける接続状態表示の別の例を示す図である。
【図9】上記マトリックススイッチャーが有するMUXの接続状態の別の例を示す図である。
【図10】上記マトリックススイッチャーが有するCPUが発する選択信号の例を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明に係るマトリックススイッチャーの別の実施形態に係るLEDマトリックスの接続状態表示の例を示す図である。
【図12】上記別の実施形態に係るLEDマトリックスの別の接続状態表示の例を示す図である。
【図13】上記別の実施形態に係るLEDマトリックスの別の接続状態表示の例を示す図である。
【図14】上記別の実施形態に係るLEDマトリックスの別の接続状態表示の例を示す図である。
【図15】上記別の実施形態に係るLEDマトリックスの別の接続状態表示の例を示す図である。
【図16】上記別の実施形態に係るLEDマトリックスの別の接続状態表示の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るスイッチャーの実施例について図を用いて説明する。図1は、本実施例に係るマトリックススイッチャーの機能ブロック図である。図1において、マトリックススイッチャー100はCPU10と、スイッチマトリックス20と、単色LEDマトリックス30と、MUX40と、入力系統50と、出力系統60と、を有してなる。本発明に係るマトリックススイッチャーは複数の入力系統50から選択された少なくとも1の入力系統が出力系統60に接続されるものであるから、出力系統60は少なくとも1つ備わっていればよい。図1においては、入力系統50と出力系統60は、それぞれ複数ある例を示している。
【0015】
マトリックススイッチャー100が有する入力系統50は、少なくとも一組の映像入力端子と音声入力端子を有してなる。この映像入力端子と音声入力端子には、信号の入力元となる装置が接続される。よって、マトリックススイッチャー100は、複数の装置からの入力信号を出力系統に出力することができる構成を有している。
【0016】
マトリックススイッチャー100が有する出力系統60は、少なくとも一組の映像出力端子と音声出力端子を有してなる。この映像出力端子と音声出力端子には、映像信号と音声信号の出力先となる装置が接続される。よって、マトリックススイッチャー100は、各出力系統60に接続された入力系統50からの入力信号が、複数の出力系統60のそれぞれに接続されている装置から出力することができる構成を有している。
【0017】
なお、出力系統60は1つでもよい。すなわち、本発明に係るマトリックススイッチャーは、1の出力系統から出力される映像信号と音声信号を、複数の入力系統50のいずれかから入力される映像信号と音声信号にするかを、選択的に切り換えて接続させることができる。
【0018】
ここで、「出力系統60と入力系統50を接続させる」とは、「入力系統50から入力された信号が出力系統60から出力される状態」になるように、マトリックススイッチャー100において複数設けられている入力系統50から選択された入力系統50に係る映像入力端子(音声入力端子)と、当該出力系統60の映像出力端子(音声出力端子)とを、後述するMUX40において接続させるように、制御部10が、スイッチマトリックス20からの信号に応じた制御信号を、MUX40に出力する動作をいう。
【0019】
CPU10は、マトリックススイッチャー100の全体的な動作の制御をする制御部である。スイッチマトリックス20に対して行われた所定の操作に応じて、1の出力系統60に対して選択された入力系統50を接続させるようにMUX40に対して制御信号を発すると同時に、当該接続された状態に応じて表示を制御する信号(以下「表示信号」という。)を後述する単色LEDマトリックス30に対して発する。この表示信号によって、単色LEDマトリックス30は、表示状態を変化させる。
【0020】
スイッチマトリックス20は、マトリックススイッチャー100の筐体外部に配置された図示しない操作ボタンと、操作ボタンへの操作(押下)を検出するスイッチと、を有してなる。操作ボタンが押下されたときに、当該選択操作に応じた信号(以下「選択信号」という。)がCPU10に通知される。
【0021】
単色LEDマトリックス30は、マトリックススイッチャー100の筐体外部に配置された図示しない表示部を構成する。単色LEDマトリックス30は、各出力系統60と入力系統50との接続状態を表示する単色LEDを有してなる。単色LEDマトリックス30が有する単色LEDは、スイッチマトリックス20が有する選択スイッチに対応して配置されている。よって、所定の操作が行われたスイッチマトリックス20の選択スイッチの配置位置に応じた単色LEDに対して、CPU10から表示信号が通知される。この表示信号に応じて単色LEDマトリックス30の該当する位置の単色LEDの点灯状態が変化する。
【0022】
MUX40は、スイッチマトリックス20からの選択信号に応じてCPU10が発する制御信号によって、入力系統50と出力系統60の接続を切り換える選択的接続回路(セレクタ)である。
【0023】
ここで、マトリックススイッチャー100が備えるMUX40の構成について、説明をする。図2は、MUX40の内部構成と動作の例を示すイメージ図である。図2において、1の入力系統50は、映像入力端子51と音声入力端子52とを有してなる。また、1の出力系統60は、映像入力端子61と音声入力端子62とを有してなる。映像入力端子51と映像出力端子61はMUX41を介して接続され、音声入力端子52と音声出力端子62はMUX42を介して接続されるように構成されている。
【0024】
MUX41は、CPU10から通知される制御信号に応じて、映像入力端子51と映像出力端子61とを接続させる。MUX42は、CPU10から通知される制御信号に応じて、音声入力端子52と音声出力端子62とを接続させる。MUX41とMUX42はCPU10から通知される制御信号に応じて、1の出力系統60を構成する映像出力端子61と音声出力端子62に対して、それぞれ別々の入力系統50に含まれる映像入力端子51と音声入力端子52を、接続させることができる。
【0025】
次に、スイッチマトリックス20について説明する。図3は、スイッチマトリックス20の構成を模式的に示す概念図である。図3において、スイッチマトリックス20は、紙面縦方向に出力系統60を表す横線が並んでおり、紙面横方向に入力系統50と、入力系統50と出力系統60の接続を解除する接続解除スイッチであるOFFスイッチを表す縦線が並んでいる。図3は、4つの出力系統60(OUT1からOUT4)と、8つの入力系統50(IN1からIN8)を備える例を表している。図3において、縦線と横線の交点200が接続されると、入力系統50と出力系統60が接続される。図3において、接続されている交点には、符号201を付して表している。例えば、図3は、入力系統50(IN1)と出力系統60(OUT1)、入力系統50(IN2)と出力系統60(OUT2)、のそれぞれが接続されている状態を表している。
【0026】
なお、スイッチマトリックス20は、図3において図示していない「接続状態選択ボタン」に係るスイッチ(以下「接続状態選択スイッチという」。)を有している。接続状態選択スイッチは、出力系統60と入力状態50との接続状態を選択するスイッチであって、このスイッチの状態によって、後述するように、選択ボタンが操作されたときの接続動作が異なる。
【0027】
図3に戻る。各交点200に対応する位置に、図示しない選択ボタンが配置されており、この選択ボタンに所定の操作(例えば、押下操作)が加えられると、交点200に配置されている各スイッチ(接点)が作動して、これに対応する選択信号がCPU10に通知される。この選択ボタンとスイッチを一体として「選択スイッチ」という。
【0028】
図3に示したスイッチマトリックス20の場合、4個の出力系統60と、8個の出力系統60を選択するために32個(4×8)の交点200に対応して選択スイッチが配置される。また、スイッチマトリックス20には、各出力系統60と入力系統50との接続を切断するためのスイッチを有するOFFスイッチが、出力系統60に一つずつ配置される。
【0029】
次に、単色LEDマトリックス30について説明する。図4は、本実施例に係る単色LEDマトリックス30の外観の例を示す図である。LEDマトリックス30は、マトリックススイッチャー100の前面に配置されるので、図4は、マトリックススイッチャー100の正面図でもある。図4において、単色LEDマトリックス30は、出力系統60に接続されている入力系統50を表示するLEDを有する選択スイッチ31と、出力系統60と入力系統50の接続を切断する(解除する)スイッチであって、点灯によって出力系統60がされていない状態を示すLEDを有するOFFスイッチ32と、各入力系統50から入力される映像信号と音声信号を、別々の出力系統60から出力するように接続状態を選択する接続状態選択スイッチであるSETキー33と、を有してなる。
【0030】
選択スイッチ31とOFFスイッチ32には、各LEDの光が透過する素材で形成されたカバーが被せられている。このカバーに対して所定の操作をすることで、当該選択スイッチ31に対応するスイッチマトリックス20のスイッチ操作が行われる。
【0031】
図4は、マトリックススイッチャー100に動作電源を投入した直後の単色LEDマトリックス30に点灯表示状態の例を示している。図4に示すように、各出力系統60において、入力系統50との接続を示す「全点灯」表示は、OFFスイッチ32のみであり、IN1からIN8は消灯している。なお、以下の説明において、映像信号と音声信号が同じ入力系統50から供給される接続状態(第1接続状態)にあるとき、すなわち、映像信号と音声信号の出力先が分離して選択されていない状態を示す単色LEDマトリックス30における表示を「全点灯」といい、選択スイッチ31およびOFFスイッチ32を黒色の塗りつぶして表すこととする。
【0032】
また、映像信号と音声信号が分離して選択されているときであって、映像信号のみが選択されている選択スイッチ31およびOFFスイッチの表示も黒色の塗りつぶしを用いて表すこととする。
【0033】
また、映像信号と音声信号が異なる入力系統50から供給される接続状態(第2接続状態)にあるとき、すなわち、音声信号と映像信号が分離して接続選択されている状態を示す単色LEDマトリックス30における表示を「半点灯」といい、選択スイッチ31およびOFFスイッチ32を網掛けにて表すこととする。
【0034】
なお、本実施例に係るマトリックススイッチャー100は、第1接続状態の表示と、映像信号のみが選択されているときの表示を「半点灯」とし、第2接続状態の表示を「半点灯」としてもよい。
【0035】
マトリックススイッチャー100において、入力系統50と出力系統60の動作の説明をする。選択スイッチ31が押下されると、対応するスイッチマトリックス20の接点200の状態が変化し、この変化が選択信号としてCPU10に伝達される。言い換えると、選択スイッチ31の押下によって変化する接点200をCPU10が検知する。
【0036】
上記の選択信号(スイッチ200の状態変化の検知)に応じて、CPU10が、制御信号をMUX40に通知する。MUX40は、セレクタであるMUX41とMUX42を有しているので、CPU10から通知された制御信号に応じて、MUX41とMUX42はそれぞれ、操作された出力系統60に対して、選択された入力系統50が接続されるように作動する。
【0037】
ここで、MUX40について図5を用いて説明をする。図5は、MUX40を構成するMUX41とMUX42の内部構造を模式的に表した概念図である。セレクタであるMUX41とMUX42は、入力系統50が有するIN1からIN8の信号線と、出力系統60が有するOUT1からOUT4とを接続線を選択可能に構成されている。図5は、図4に示したように、マトリックススイッチャー100の電源を投入した直後の状態を表している。IN1乃至IN8とOUT1乃至OUT4を結ぶ点線は、各入力系統50と各出力系統60とを選択的に接続可能とする信号線が接続されていない状態を表している。すなわち、図5は、入力系統50と出力系統60がいずれも接続していない状態を示している。
【0038】
次に、選択スイッチ31とOFFスイッチ32と共に、SETキー33を用いて、各出力系統60に接続される入力系統50を選択操作したときの、単色LEDマトリックス30の表示状態の例について説明する。まず、各出力系統60において映像信号と音声信号が分離することなく同じ入力系統50から供給される状態に係る単色マトリックス30の表示状態の例を図6に示す。図6は、「OUT1」には「IN1」が、「OUT2」には「IN2」が、「OUT3」には「IN3」が接続されており、「OUT4」は「OFF」であるから出力される信号はない状態を表示している。また各出力系統60において、映像信号と音声信号はそれぞれ同じ入力系統50から供給される状態を表示している。
【0039】
図6に示した状態におけるMUX41とMUX42の接続状態の例を図7に示す。図7において、IN1からIN8とOUT1からOUT4を結ぶ実線は、入力系統50と出力系統60が接続されている状態を示している。図7に示すように、映像信号の接続をするMUX41と音声信号の接続をするMUX42はそれぞれ、「IN1」と「OUT1」、「IN2」と「OUT2」、「IN3」と「OUT3」が接続されている。また、「OUT4」に接続されている入力系統50(IN1からIN8)はない。
【0040】
図8は、単色LEDマトリックス30の表示状態の例であって、図6の状態から、SETキー33が押下されたままで「OUT2」の「IN1」の選択スイッチ31が押下された状態を示している。SETキー33と選択スイッチ31が同時に操作されたことで、「OUT2」に係る出力系統60から出力される音声信号は、「IN2」に係る入力系統50から入力されるものではなく、「IN1」から入力されるものに切り換えられる。すなわち、SETキー33と同時に選択スイッチ31を操作すると、映像信号と音声信号の入力系統50を分離して選択することができる。
【0041】
また、図8は、図6の状態からSETキー33を押下された状態で「OUT3」のOFFスイッチ32が押下された状態を示している。SETキー33と選択スイッチ31が同時に操作されたことで、「OUT3」に係る出力系統60への音声信号は、入力されない状態、すなわち、「OUT3」からは音声信号が出力されない状態となる。このとき、「OUT3」からは、映像信号は出力される状態が維持されている。
【0042】
また、図8は、図6の状態からSETキー33が押下された状態で「OUT4」」の「IN1」が押下され状態を示している。SETキー33と選択スイッチ31が同時に操作されたことで、「OUT4」に係る出力系統60への映像信号は入力されない状態、すなわち、「OUT4」からは映像信号が出力されない状態となる。このとき「OUT4」からは、音声信号は出力される状態が維持されている。
【0043】
図8において、全点灯している選択スイッチには符号31aを付し、半点灯している選択スイッチに符号31bを付している。また、全点灯しているOFFスイッチには符号32aを付し、半点灯しているOFFスイッチには、符号32bを付している。全点灯は、映像信号と音声信号が選択されていることを示し、半点灯は音声信号のみが選択されていることを示している。
【0044】
このようにマトリックススイッチャー100は、SETキー33を押しながら選択スイッチ31またはOFFスイッチ32が押下されると、別々の入力系統50から入力される映像信号と音声信号が、1の出力系統60から出力される状態に接続を切り換えることができる。映像信号と音声信号の接続を別の入力系統50に切り換えたときは、映像信号の入力系統50を示す選択スイッチ31aが全点灯した状態(第1接続状態)となり、音声信号の入力系統50を示す選択スイッチ31bは半点灯した状態(第2接続状態)となる。
【0045】
すなわち、単色LEDマトリックス30の各出力系統60に並ぶ選択スイッチ31およびOFFスイッチ32において、全点灯している選択スイッチ31aのみであれば、映像信号と音声信号の入力系統50は同じ入力系統50であって、映像信号と音声信号が分離せずに選択されていることを容易に視認することができる。また、各出力系統60に並ぶ選択スイッチ31およびOFFスイッチ32において、全点灯している選択スイッチ31aと半点灯している選択スイッチ32aおよびOFFスイッチ32aが混在していれば、映像信号と音声信号の入力系統50は分離されて選択されていることを容易に視認することができる。また、映像信号と音声信号の入力の有無と入力元を一目で視認することができる。
【0046】
続いて、図8に示した状態におけるMUX41とMUX42の接続状態の例について説明する。入力系統50と出力系統60の接続のうち、図8(a)は映像信号に係る接続を行うMUX41の接続状態の例を示している。図8(b)は音声信号に係る接続を行うMUX42の接続状態の例を示している。
【0047】
図9(a)に示すように、映像信号の接続をするMUX41は、「IN1」と「OUT1」、「IN2」と「OUT2」、「IN3」と「OUT3」が接続されているが、「OUT4」に接続されている入力系統50(IN1からIN8)はない。
【0048】
また、図9(b)に示すように、音声信号の接続をするMUX42は、「IN1」と「OUT1」、「IN1」と「OUT2」、「IN1」と「OUT4」が接続されている。
【0049】
このように、本実施例に係るマトリックススイッチャー100は、入力系統50から入力される映像信号と音声信号の出力先を、別々の出力系統60に向けて設定する(切り換える)ことができる。換言すれば、各出力系統60は、映像信号と音声信号の入力元となる入力系統50を、それぞれ別の系統に設定することができる。
【0050】
本実施例に係るマトリックススイッチャー100は、入力系統50と出力系統60の接続において、3つの接続状態を有する。具体的には、映像信号と音声信号を同じ系統にて接続された「第1接続状態」、映像信号と音声信号を別々の系統にて接続された「第2接続状態」、映像信号と音声信号ともにどの系統からも接続されていない「第3接続状態」、である。
【0051】
CPU10は、上記の複数の接続状態に応じて、単色LEDマトリックス30の点灯を制御する。そのためにCPU10は、選択スイッチ31の押下状態に応じて異なる表示信号を単色LEDマトリックス30に対して出力する。図10にCPU10が出力する表示信号の例をタイミングチャートの形式にて示す。
【0052】
本実施例に係るマトリックススイッチャー100において、表示信号は単色LEDに供給される電流による。図10(a)において、表示信号91が符号Lの状態のときは、単色LEDは消灯している。表示信号91が符号Hの状態のときは、単色LEDは全点灯状態となる。選択スイッチ31が操作されて映像信号と音声信号の入力系統50が同じ入力系統50となったタイミングT1の後、CPU10は、表示信号91を符号Hの状態で出力し続ける。この表示信号91は単色LEDへの供給電流の状態を示すものであるから、表示信号91が「H」となってCPU10から出力され続けると、対応する単色LEDは点灯し続けて、全点灯状態となる。この状態が第1接続状態である。
【0053】
タイミングT2において、SETキー32と選択スイッチ31が操作され、映像信号と音声信号の入力系統50が異なる系統に接続されたときは、その後の表示信号91は所定の周期をもって「H」と「L」を繰り返す状態となる。このときの表示信号91のデューティー比は例えば20%程度の矩形波である。周期的に「H」と「L」を繰り返すと、これに同期して単色LEDは点滅を繰り返すので利用者には、暗く点灯しているように見える。この状態が第2接続状態である。なお、第2接続状態を表示する際の表示信号91のデューティー比は、略10パーセントから略70パーセント程度の間で、適宜設定すればよく、略20%に限るものではない。
【0054】
その後、タイミングT3において、選択スイッチ31が操作されてOFFスイッチ32が押下されると、当該OFFスイッチ32に対応する出力系統60の「IN1」から「IN8」のLEDは消灯されるように、表示信号91は「L」レベルで出力される。この状態が第3接続状態である。
【0055】
このように、本実施例に係るマトリックススイッチャー100は、出力系統60と入力系統50の接続状態に応じて、出力系統60に接続されている入力系統50の表示を行う単色LEDマトリックス30のLEDの点灯状態を、LEDへの供給電流である選択信号をPWM信号として変化させることで、少なくとも3つの状態を表すことができる。
【0056】
表示信号の別の実施例について図10(b)を用いて説明する。図10(b)において、表示信号92は、CPU10が単色LEDの供給する電流の波形を示している。表示信号92が符号Lの状態のときは、単色LEDは消灯している。この場合の符号Lは電流が供給されていない状態を示している。表示信号92が符号H1の状態のとき、すなわち、供給される電流が一定の値以上の電流であれば、単色LEDは全点灯状態となる。選択スイッチ31が操作されて映像信号と音声信号の入力系統50が同じ入力系統50となったタイミングT1の後、CPU10は、表示信号92を符号H1の状態で出力し続ける。これによって対応する単色LEDは点灯し続けて、全点灯状態となる。この状態が第1接続状態である。
【0057】
タイミングT2において、SETキー32と選択スイッチ31が操作され、映像信号と音声信号の入力系統50が異なる系統に接続されたときは、その後の表示信号92は符号H1よりも小さい値の電流を示す符号H2となる。符号H1よりも符号H2の方が電流値は小さいので単色LEDは、暗く点灯しているように見える。
【0058】
その後、タイミングT3において、選択スイッチ31が操作されてOFFスイッチ32が押下されると、当該OFFスイッチ32に対応する出力系統60の「IN1」から「IN8」のLEDは消灯されるように、表示信号92は「L」レベルで出力される。この状態が第3接続状態である。
【0059】
このように、本実施例に係るマトリックススイッチャー100は、出力系統60と入力系統50の接続状態に応じて、出力系統60に接続されている入力系統50の表示を行う単色LEDマトリックス30のLEDの点灯状態を、LEDへの供給電流の値を変化させることで、少なくとも3つの状態を表すことができる。
【0060】
以上のように、本発明に係るマトリックススイッチャーは、単色LEDを用いて、入力系統50と出力系統60の接続において、映像信号と音声信号を異なる系統に接続させた状態も含む、少なくとも3つ以上の接続状態を視認可能に表示することができる。
【0061】
次に、本発明に係るマトリックススイッチャーの別の実施例について、先に説明をした実施例とは異なる部分を中心に説明をする。本実施例に係るマトリックススイッチャー100aは、SETキー33の代わりに選択モードを切り替えて選択することができる別の接続状態選択スイッチを備えるものである。
【0062】
図11は、本実施例に係るマトリックススイッチャー100aが備える単色マトリックス30aの外観の例を示す正面図であって、マトリックススイッチャー100aの動作電源を投入した直後の単色LEDマトリックス30aの点灯表示状態の例を示している。
【0063】
単色LEDマトリックス30aは、SETキー33の代わりに接続状態選択スイッチである「V/Aスイッチ34」を有してなる。V/Aスイッチ34は、選択ボタン31と同じ素材からなり、押下操作によって点灯状態が変化するものである。V/Aスイッチ34の点灯状態によって、各出力系統60に接続される入力系統50が選択されるときに、映像信号と音声信号を同じ入力系統50とするか、映像信号のみの選択とするか、音声信号のみの選択とするか、いずれの形態による切り換え選択が行われる状態にあるか、容易に視認することができる。
【0064】
V/Aスイッチ34が「全点灯状態」であれば、そのときに押下された選択スイッチ31に係る出力系統60は、映像信号と音声信号が同じ入力系統50が接続される。このV/Aスイッチ34が全点灯状態のときを「第1接続モード」という。
【0065】
また、V/Aスイッチ34が「半点灯状態」であれば、そのときに押下された選択スイッチ31に係る出力系統60は、音声信号のみの入力系統50が接続される。このV/Aスイッチ34が半点灯状態のときを「第2接続モード」という。
【0066】
また、V/Aスイッチ34が「消灯状態」であれば、そのときに押下された選択スイッチ31に係る出力系統60は、映像信号のみの入力系統50が接続される。このV/Aスイッチ34が消灯状態のときを「第3接続モード」という。
【0067】
図11に示すように、各出力系統60の入力系統50との接続を示すIN1からIN8に係る選択スイッチ31は、すべて「消灯状態」で、OFFスイッチ32のみが「全点灯状態」になっているのは、すべての出力系統60に対して入力系統50からの映像信号も音声信号も選択されていない状態を表している。
【0068】
V/Aスイッチ34の表示が第1接続モードのときに(図11)、OUT1のIN1に係る選択スイッチ31が押下されると、図12に示す状態となる。図12に示す状態は、出力系統60のOUT1から、入力系統50のIN1から入力される映像信号と音声信号が出力される状態であることを示している。すなわち、OUT1は第1接続状態になっていることを表示している。このように、V/Aスイッチ34が全点灯状態であるとき(第1接続モードであるとき)に選択スイッチ31が操作されると、操作された選択スイッチ31に係る出力系統60から出力される信号の入力元として、同じ入力系統50が選択された状態(第1接続状態)となる。
【0069】
また、V/Aスイッチ34の表示が第1接続モードのときに(図11)、V/Aスイッチ34を一回押下すると、V/Aスイッチ34の表示は半点灯状態の第2接続モードになる(図13)。図13に示す状態においてOUT4のIN1に係る選択スイッチ31が押下されると、図14に示す状態となる。このとき、OUT4のIN1は半点灯となり、OUT4のOFFスイッチ32は全点灯状態のままである。
【0070】
図14に示す状態は、出力系統60のOUT4からは、入力系統50のIN1から入力される音声信号のみが出力されて、映像信号は何も出力されない状態であることを示している。このように、V/Aスイッチ34が半点灯状態であるとき(第2接続モードであるとき)に選択スイッチ31が操作されると、操作された選択スイッチ31に係る出力系統60から出力される音声信号の入力元のみが選択された状態(第2接続状態)となる。
【0071】
また、V/Aスイッチ34が半点灯の第2接続モードのときに(図13)、V/Aスイッチ34を一回押下すると、V/Aスイッチ34が消灯状態の第3接続モードとなる(図15)。図15に示す状態においてOUT3のIN3に係る選択スイッチ31が押下されると、図16に示す状態となる。このとき、OUT3のIN3は全点灯となり、OUT3のOFFスイッチ32は半点灯状態となる。
【0072】
図16に示す状態は、出力系統60のOUT3からは、入力系統50のIN3から入力される映像信号のみが出力されて、音声信号はなにも出力されない状態であることを示している。このように、V/Aスイッチ34が消灯状態であるとき(第3接続モードであるとき)に選択スイッチ31が操作されると、操作された選択スイッチ31に係る出力系統60から出力される映像信号の入力元のみが選択された状態(第3接続状態)となる。
【0073】
さらに、V/Aスイッチ34によって、接続モードを選択した状態で、選択スイッチ31およびOFFスイッチ32への選択操作を行うことで、映像信号と音声信号、映像信号のみ、音声信号のみの、選択を容易に切り換えることができる。
【0074】
なお、選択スイッチ31、OFFスイッチ32、V/Aスイッチ34の点灯状態を変化させる方法は、すでに説明をした実施例と同様に、単色LEDマトリックス30のLEDへの供給電流である選択信号をPWM信号として、デューティー比を変化させか、または、選択信号である単色LEDへの供給電流の値を変化させることで、異なる輝度を実現させることができる。
【0075】
以上のように、本実施例に係るマトリックススイッチャーによれば、複数の入力系統50のいずれかを出力系統60に選択的に接続することができる構成として、入力系統50が映像入力端子と音声入力端子とを有し、出力系統60が映像出力端子と音声出力端子とを有し、この出力系統60に接続される入力系統50を、選択的に切り換えて接続させるスイッチからなるスイッチマトリックス回路20と、スイッチマトリックス回路20によって出力系統に接続された入力系統の状態を単色LEDの点灯状態によって表示する単色LEDマトリックス回路30と、スイッチマトリックス回路20における接続と、単色LEDマトリックス回路30における単色LEDの点灯状態と、を制御する制御部(CPU10)と、を有し、制御部が、同じ入力系統50に含まれる映像入力端子と音声入力端子とが出力系統60の映像出力端子と音声入力端子に接続される状態(第1接続モード)と、異なる入力系統50に含まれる映像出力端子と音声出力端子とが出力系統60の映像出力端子と音声入力端子に接続される状態であって、音声信号の出力のみが選択される状態(第2接続モード)と、異なる入力系統50に含まれる映像出力端子と音声出力端子とが出力系統60の映像出力端子と音声入力端子に接続される状態であって、映像信号の出力のみが選択される状態(第3接続モード)と、を異ならせることを特徴とする。
【0076】
また、本実施例に係るマトリックススイッチャーは、複数の接続モードを表示する接続状態選択スイッチを有し、制御部は、接続状態選択スイッチに係る単色LEDの点灯状態を、第1接続モードと、第2接続モードと、第3接続モードと、を区別可能に異ならせることを特徴とする。
【0077】
以上のように、本発明に係るマトリックススイッチャーは、単色LEDを用いて、入力系統50と出力系統60の接続において、映像信号と音声信号を異なる系統に接続させた状態も含む、少なくとも3つ以上の接続状態を視認可能に表示することができ、その選択操作も容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0078】
10 CPU
20 スイッチマトリックス
30 単色LEDマトリックス
31 選択スイッチ
32 OFFスイッチ
33 SETキー
34 V/Aスイッチ
40 MUX
50 入力系統50
60 出力系統60
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力系統のいずれかを出力系統に選択的に接続するスイッチャーであって、
上記出力系統に接続される上記入力系統を、選択的に接続させるスイッチからなるスイッチ回路と、
上記出力系統と上記入力系統の接続状態を発光部の発光状態によって表示する発光回路と、
上記スイッチ回路における上記スイッチの接続状態と、上記発光回路における発光部の発光状態と、を制御する制御部と、を有し、
上記制御部は、
上記スイッチの接続状態が、上記出力系統から出力される複数の種類の信号が同じ入力系統から入力される状態と、上記出力系統から出力される複数の種類の信号が異なる入力系統から入力される状態と、によって上記発光部の発光状態を異ならせることを特徴とするスイッチャー。
【請求項2】
上記スイッチ回路は、
上記出力系統に接続可能な上記入力系統に対応する選択スイッチと、
上記出力系統と上記入力系統との接続状態を選択する接続状態選択スイッチと、を有し、
上記制御部は、
上記接続状態選択スイッチの操作に応じて、上記選択スイッチの操作による上記スイッチの接続状態を、上記同じ入力系統から入力される状態と上記異なる入力系統から入力される状態のいずれにするかを制御する、請求項1記載のスイッチャー。
【請求項3】
上記スイッチ回路は、
上記出力系統に接続可能な上記入力系統に対応する選択スイッチと、
上記出力系統と上記入力系統との接続状態を選択する接続状態選択スイッチと、を有し、
上記制御部は、
上記接続状態選択スイッチと上記選択スイッチが同時に操作されたとき、当該選択スイッチに係る出力系統が上記異なる入力系統から入力される状態となるように、上記スイッチの接続状態を制御する、請求項1記載のスイッチャー。
【請求項4】
上記スイッチ回路は、
上記出力系統に接続可能な上記入力系統に対応する選択スイッチと、
上記出力系統と上記入力系統との接続状態を選択する接続状態選択スイッチと、を有し、
上記制御部は、
上記接続状態選択スイッチと上記選択スイッチが同時に操作されたとき、当該選択スイッチに係る出力系統が上記同じ入力系統から入力される接続状態となるように、上記スイッチの接続状態を制御する、請求項1記載のスイッチャー。
【請求項5】
上記スイッチ回路は、
上記出力系統に接続可能な上記入力系統に対応する選択スイッチと、
上記出力系統と上記入力系統との接続状態を選択する接続状態選択スイッチと、を有し、
上記制御部は、
上記選択スイッチが操作される前に操作された上記接続状態選択スイッチの状態が、上記同じ入力系統から入力される状態に係るモードであれば、その後に上記選択スイッチが操作されたとき、当該選択スイッチに係る出力系統が上記同じ入力系統から入力される状態となり、
上記選択スイッチが操作される前に操作された上記接続状態選択スイッチの状態が、上記異なる入力系統から入力される状態に係るモードであれば、その後に上記選択スイッチが操作されたとき、当該選択スイッチに係る出力系統が上記異なる入力系統から入力される状態となるように、上記スイッチの接続状態を制御する、請求項1記載のスイッチャー。
【請求項6】
元8
上記制御部は、
上記発光部へ供給される電流を制御することで上記発光状態を制御する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のスイッチャー。
【請求項7】
上記制御部は、
上記同じ入力系統から入力される状態では上記発光部の発光状態を点灯とし、
上記異なる同じ入力系統から入力される状態では上記発光部の発光状態を点灯と点滅の混在とする、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスイッチャー。
【請求項8】
上記制御部は、
上記同じ入力系統から入力される状態では上記発光部の発光状態を点灯と点滅の混在とし、
上記異なる同じ入力系統から入力される接続状態では上記発光部の発光状態を点灯とする、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスイッチャー。
【請求項9】
上記制御部は、
上記点灯では、上記発光部に一定の値以上の電流を供給し、
上記点滅では、上記発光部にパルス状に変動する電流を供給する、ことを特徴とする請求項7または8記載のスイッチャー。
【請求項10】
上記制御部が点滅させる上記発光部に供給する電流のパルス幅は、デューティ比が略0.1から略0.7であることを特徴とする請求項9記載のスイッチャー。
【請求項11】
上記制御部は、
上記点灯では、上記発光部に一定の値以上の電流を供給し、
上記点滅では、上記発光部に上記一定の値よりは小さい値の電流を供給する、ことを特徴とする請求項7または8記載のスイッチャー。
【請求項12】
上記スイッチ回路は、上記出力系統に、上記入力系統との接続を解除させる接続解除スイッチ、を有し、
上記制御部は、
上記出力系統に、いずれの入力系統も接続されていない状態においては
上記接続解除スイッチに対応する上記発光部を点灯させる、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のスイッチャー。
【請求項13】
複数の入力系統のいずれかが出力系統に選択的に接続された接続状態を表示する表示装置であって、
上記接続状態を表示する表示回路と、
上記接続状態に応じて上記表示の態様を制御する制御部と、を有し、
上記制御部は、
上記接続状態が、上記出力系統から出力される複数の種類の信号が同じ入力系統から入力される状態と、上記出力系統から出力される複数の種類の信号が異なる入力系統から入力される状態と、によって上記表示回路の表示の態様を異ならせることを特徴とする表示装置。
【請求項14】
上記表示回路は、上記出力系統に接続可能な複数の入力系統に対応する表示部を有しており、
上記制御部は、
上記出力系統から出力される複数の種類の信号が同じ入力系統から入力される接続状態であるか、上記出力系統から出力される複数の種類の信号が異なる入力系統から入力される接続状態であるか、によって上記表示部の表示の態様を異ならせることを特徴とする請求項13記載の表示装置。
【請求項15】
上記制御部は、
上記表示部へ供給される電流を制御することで上記表示の態様を制御することを特徴とする請求項14記載の表示装置。
【請求項16】
上記制御部は、
上記同じ入力系統から入力される状態では上記表示部の表示の態様を点灯とし、
上記異なる同じ入力系統から入力される状態では上記表示部の表示の態様を上記点灯とは異なる態様とすることを特徴とする請求項14または15記載の表示装置。
【請求項17】
上記制御部は、
上記同じ入力系統から入力される状態では上記表示部の表示の態様を点灯とは異なる態様とし、
上記異なる同じ入力系統から入力される接続状態では上記表示部の表示の態様を点灯とする、ことを特徴とする請求項14または15記載の表示装置。
【請求項18】
上記制御部は、
上記点灯においては、上記表示部に一定の値以上の電流を供給し、
上記点灯とは異なる態様においては、上記表示部に上記一定の値よりは小さい値の電流を供給する、ことを特徴とする請求項16または17記載の表示装置。
【請求項1】
複数の入力系統のいずれかを出力系統に選択的に接続するスイッチャーであって、
上記出力系統に接続される上記入力系統を、選択的に接続させるスイッチからなるスイッチ回路と、
上記出力系統と上記入力系統の接続状態を発光部の発光状態によって表示する発光回路と、
上記スイッチ回路における上記スイッチの接続状態と、上記発光回路における発光部の発光状態と、を制御する制御部と、を有し、
上記制御部は、
上記スイッチの接続状態が、上記出力系統から出力される複数の種類の信号が同じ入力系統から入力される状態と、上記出力系統から出力される複数の種類の信号が異なる入力系統から入力される状態と、によって上記発光部の発光状態を異ならせることを特徴とするスイッチャー。
【請求項2】
上記スイッチ回路は、
上記出力系統に接続可能な上記入力系統に対応する選択スイッチと、
上記出力系統と上記入力系統との接続状態を選択する接続状態選択スイッチと、を有し、
上記制御部は、
上記接続状態選択スイッチの操作に応じて、上記選択スイッチの操作による上記スイッチの接続状態を、上記同じ入力系統から入力される状態と上記異なる入力系統から入力される状態のいずれにするかを制御する、請求項1記載のスイッチャー。
【請求項3】
上記スイッチ回路は、
上記出力系統に接続可能な上記入力系統に対応する選択スイッチと、
上記出力系統と上記入力系統との接続状態を選択する接続状態選択スイッチと、を有し、
上記制御部は、
上記接続状態選択スイッチと上記選択スイッチが同時に操作されたとき、当該選択スイッチに係る出力系統が上記異なる入力系統から入力される状態となるように、上記スイッチの接続状態を制御する、請求項1記載のスイッチャー。
【請求項4】
上記スイッチ回路は、
上記出力系統に接続可能な上記入力系統に対応する選択スイッチと、
上記出力系統と上記入力系統との接続状態を選択する接続状態選択スイッチと、を有し、
上記制御部は、
上記接続状態選択スイッチと上記選択スイッチが同時に操作されたとき、当該選択スイッチに係る出力系統が上記同じ入力系統から入力される接続状態となるように、上記スイッチの接続状態を制御する、請求項1記載のスイッチャー。
【請求項5】
上記スイッチ回路は、
上記出力系統に接続可能な上記入力系統に対応する選択スイッチと、
上記出力系統と上記入力系統との接続状態を選択する接続状態選択スイッチと、を有し、
上記制御部は、
上記選択スイッチが操作される前に操作された上記接続状態選択スイッチの状態が、上記同じ入力系統から入力される状態に係るモードであれば、その後に上記選択スイッチが操作されたとき、当該選択スイッチに係る出力系統が上記同じ入力系統から入力される状態となり、
上記選択スイッチが操作される前に操作された上記接続状態選択スイッチの状態が、上記異なる入力系統から入力される状態に係るモードであれば、その後に上記選択スイッチが操作されたとき、当該選択スイッチに係る出力系統が上記異なる入力系統から入力される状態となるように、上記スイッチの接続状態を制御する、請求項1記載のスイッチャー。
【請求項6】
元8
上記制御部は、
上記発光部へ供給される電流を制御することで上記発光状態を制御する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のスイッチャー。
【請求項7】
上記制御部は、
上記同じ入力系統から入力される状態では上記発光部の発光状態を点灯とし、
上記異なる同じ入力系統から入力される状態では上記発光部の発光状態を点灯と点滅の混在とする、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスイッチャー。
【請求項8】
上記制御部は、
上記同じ入力系統から入力される状態では上記発光部の発光状態を点灯と点滅の混在とし、
上記異なる同じ入力系統から入力される接続状態では上記発光部の発光状態を点灯とする、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスイッチャー。
【請求項9】
上記制御部は、
上記点灯では、上記発光部に一定の値以上の電流を供給し、
上記点滅では、上記発光部にパルス状に変動する電流を供給する、ことを特徴とする請求項7または8記載のスイッチャー。
【請求項10】
上記制御部が点滅させる上記発光部に供給する電流のパルス幅は、デューティ比が略0.1から略0.7であることを特徴とする請求項9記載のスイッチャー。
【請求項11】
上記制御部は、
上記点灯では、上記発光部に一定の値以上の電流を供給し、
上記点滅では、上記発光部に上記一定の値よりは小さい値の電流を供給する、ことを特徴とする請求項7または8記載のスイッチャー。
【請求項12】
上記スイッチ回路は、上記出力系統に、上記入力系統との接続を解除させる接続解除スイッチ、を有し、
上記制御部は、
上記出力系統に、いずれの入力系統も接続されていない状態においては
上記接続解除スイッチに対応する上記発光部を点灯させる、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のスイッチャー。
【請求項13】
複数の入力系統のいずれかが出力系統に選択的に接続された接続状態を表示する表示装置であって、
上記接続状態を表示する表示回路と、
上記接続状態に応じて上記表示の態様を制御する制御部と、を有し、
上記制御部は、
上記接続状態が、上記出力系統から出力される複数の種類の信号が同じ入力系統から入力される状態と、上記出力系統から出力される複数の種類の信号が異なる入力系統から入力される状態と、によって上記表示回路の表示の態様を異ならせることを特徴とする表示装置。
【請求項14】
上記表示回路は、上記出力系統に接続可能な複数の入力系統に対応する表示部を有しており、
上記制御部は、
上記出力系統から出力される複数の種類の信号が同じ入力系統から入力される接続状態であるか、上記出力系統から出力される複数の種類の信号が異なる入力系統から入力される接続状態であるか、によって上記表示部の表示の態様を異ならせることを特徴とする請求項13記載の表示装置。
【請求項15】
上記制御部は、
上記表示部へ供給される電流を制御することで上記表示の態様を制御することを特徴とする請求項14記載の表示装置。
【請求項16】
上記制御部は、
上記同じ入力系統から入力される状態では上記表示部の表示の態様を点灯とし、
上記異なる同じ入力系統から入力される状態では上記表示部の表示の態様を上記点灯とは異なる態様とすることを特徴とする請求項14または15記載の表示装置。
【請求項17】
上記制御部は、
上記同じ入力系統から入力される状態では上記表示部の表示の態様を点灯とは異なる態様とし、
上記異なる同じ入力系統から入力される接続状態では上記表示部の表示の態様を点灯とする、ことを特徴とする請求項14または15記載の表示装置。
【請求項18】
上記制御部は、
上記点灯においては、上記表示部に一定の値以上の電流を供給し、
上記点灯とは異なる態様においては、上記表示部に上記一定の値よりは小さい値の電流を供給する、ことを特徴とする請求項16または17記載の表示装置。
【図8】
【図13】
【図14】
【図16】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図13】
【図14】
【図16】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【公開番号】特開2013−21668(P2013−21668A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251516(P2011−251516)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【分割の表示】特願2011−155000(P2011−155000)の分割
【原出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【特許番号】特許第4976580号(P4976580)
【特許公報発行日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【出願人】(505121187)イメージニクス株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【分割の表示】特願2011−155000(P2011−155000)の分割
【原出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【特許番号】特許第4976580号(P4976580)
【特許公報発行日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【出願人】(505121187)イメージニクス株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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