説明

スイッチ付き同軸コネクタ

【課題】スイッチ付き同軸コネクタのプリント基板への実装高さを可能な限り低くし、かつ、各個品形状を単純化、性能の安定化を図り、しかも安価に提供することにある。
【解決手段】ハウジング13の内部にスイッチ機構部を具備し、プリント基板12に実装されてプローブ11により前記スイッチ機構部をオン、オフするスイッチ付き同軸コネクタ10において、前記ハウジング13は、前記プリント基板12のガイド筒部用スルーホール33に下面から遊嵌され、上面側からのプローブ11の接触ピン35の挿抜により前記端子15と16間を接離するガイド筒部17と、このガイド筒部17と一体に設けられ、前記プリント基板12の下面に当接して固定される基板部18を有し、前記スイッチ機構部のそれぞれの端子15と16の接続端子部26と30を前記プリント基板12に下面側から接続したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機などの小型の電子機器に内蔵されるコネクタであって、プリント基板への実装高さをより低くし、かつ、各個品の構造のシンプル化を図ったスイッチ付き同軸コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスイッチ付き同軸コネクタ9は、図6及び図7に示すように、プラスチック材料などのハウジング40と、導電性金属板のシェル41と、さらに、導電性金属板のノーマルクローズ端子42とコモン端子43とで可能な限り背が低くなるように構成されている(引用文献1)。
【0003】
前記ハウジング40は、上半分が背の低い円筒部44をなし、下半分が左右にやや突出した端子支持突部46と前後にやや突出した回り止め突部47とにより背の低い4角形の板状をなしている。前記円筒部44の中央の上端から貫通してピン差し込み孔45が穿設されている。
前記左右の端子支持突部46には、図7の右側にノーマルクローズ端子42を圧入する端子圧入溝48が水平方向に穿設され、また、図7の左側にコモン端子43を圧入する端子圧入溝49が水平方向に穿設されている。
【0004】
前記シェル41は、上半分が前記ハウジング40に上から被さるような円筒形をなし、この円筒部の内側にハウジング嵌合孔51が穿設され、外側全周囲に係止溝55が形成されている。このシェル41の下半部には、180度間隔で外向きにハ字形に折曲したグランド端子部56が形成されている。このグランド端子部56は、前記ハウジング40と組み立て時に、図6に示すように内側に折曲される。
【0005】
以上のように構成された各部品の組み立てを説明すると、ハウジング40の端子圧入溝48にノーマルクローズ端子42を圧入して固定的に取り付ける。ハウジング40の端子圧入溝49にコモン端子43を圧入して固定的に取り付ける。
【0006】
ついでシェル41のハウジング嵌合孔51にハウジング40の円筒部44を嵌合し、嵌合後、グランド端子部56を内側に折り込むと、グランド端子部56が端子支持突部46の下面にそれぞれ折込まれて一体化される。
【0007】
以上のようにして組み立てられたスイッチ付き同軸コネクタ9は、ノーマルクローズ端子42の接続端子部58、コモン端子43の接続端子部63、グランド端子部56をプリント基板12のプリント配線パターン部分に載せて半田等で電気的に接続すると共に、機械的に固着する。
【0008】
このような構成において、テスト等のためにスイッチ付き同軸コネクタ9のピン差し込み孔45にプローブ11の接触ピン35を差し込むと、接触ピン35は、ピン差し込み孔45から案内されてコモン端子43の押圧部を垂直方向に押し下げ、これに伴い、コモン端子43の接触片がノーマルクローズ端子42の接触片から離れる。そのため、ノーマルクローズ端子42は電気的に開放し、コモン端子43が接触ピン35と接続する。また、プローブ11のシェル36がシェル41に接触してグランド端子部56へ接続される。プローブ11の差し込みにより、シェル36の膨出部37がスイッチ付き同軸コネクタ9の係止溝55に係止する。
【0009】
プローブ11をスイッチ付き同軸コネクタ9から引き抜くと、プローブ11の膨出部37がスイッチ付き同軸コネクタ9の係止溝55から外れ、接触ピン35がピン差し込み孔45から抜き去られてコモン端子43の押圧部がばね作用により弾性復帰し、コモン端子43の接触片がノーマルクローズ端子42の接触片に接触して元に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−3413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図6及び図7に示す特許文献1に記載の従来のスイッチ付き同軸コネクタ9は、次のような問題があった。
(1)プローブ11の嵌合部、スイッチの機構部、ノーマルクローズ端子やコモン端子のプリント基板12への固定部などの従来のスイッチ付き同軸コネクタ9の構造部分がすべてプリント基板12の上に実装されるので、従来のスイッチ付き同軸コネクタ9の高さがそのまま実装高さhとなり、小型電子機器の小型化の妨げとなっていた。
(2)小型電子機器の小型化のため、従来のスイッチ付き同軸コネクタ9の大きさを必要以上に小さくすると、各個品が小型化、複雑化するため、個品の加工費、組み立て費などの生産性が劣化し、コストアップの原因になっていた。
(3)従来のスイッチ付き同軸コネクタ9の実装高さhを抑えるために、プリント基板12に孔をあけて従来のスイッチ付き同軸コネクタ9を嵌合することも考えられるが、シェル41を含めた従来のスイッチ付き同軸コネクタ9全体を嵌合しようとすると大きくて複雑な孔加工が必要となり、かつ、アースの接続とプリント基板12への固定が面倒になる。
【0012】
本発明の目的は、スイッチ付き同軸コネクタのプリント基板への実装高さを可能な限り低くし、かつ、各個品形状を単純化、性能の安定化を図り、しかも安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によるスイッチ付き同軸コネクタは、ハウジング13と、このハウジング13の内部に設けられた互いに接離する少なくとも2個の端子15と16からなるスイッチ機構部を具備し、プリント基板12に実装されてプローブ11により前記スイッチ機構部をオン、オフされるスイッチ付き同軸コネクタ10において、前記ハウジング13は、前記プリント基板12のガイド筒部用スルーホール33に下面から遊嵌され、プローブ11の接触ピン35の挿抜により前記端子15と16間を接離するガイド筒部17と、このガイド筒部17と一体に設けられ、前記プリント基板12の下面に当接して固定される基板部18を有し、前記スイッチ機構部のそれぞれの端子15と16の接続端子部26と30を前記プリント基板12に下面側から接続するように形成したことを特徴とする。
【0014】
前記ハウジング13は、基板部18の下面側に、導電性金属板のシェル14を嵌着し、このシェル14と一体に設けた接続端子部59をプリント基板12に設けたアース用スルーホール34に挿入して接続固定するようにしたことを特徴とする。
【0015】
前記ハウジング13は、その基板部18を4角形の薄板状に形成し、この基板部18の4隅に係止切欠き23を形成し、かつ、基板部18の上面のガイド筒部17の両側に位置決め溝24を形成し、シェル14の4隅に前記係止切欠き23に係合する接続端子部59を垂直に立ち上がらせ、かつ、基板部18の位置決め溝24に挿入される位置決め片60を垂直に立ち上がらせて、前記ハウジング13の下面から位置決め溝24に位置決め片60を嵌合固定するようにしたことを特徴とする。
【0016】
前記プリント基板12におけるガイド筒部用スルーホール33の外周に位置して4個のアース用スルーホール34を形成し、ガイド筒部用スルーホール33とアース用スルーホール34に上面から下面まで連続するアース配線パターン39を形成し、シェル14の接続端子部59をアース用スルーホール34に挿入してアース配線パターン39に接続固定するようにしたことを特徴とする。
【0017】
前記ハウジング13の基板部18の下面側に導電性金属板のシェル14を嵌着するのに代えて、基板部18の上面でプリント基板12のガイド筒部用スルーホール33の周りに形成されたアース配線パターン39に接触固定する位置に導電膜を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明によれば、ハウジングと、このハウジングの内部に設けられた互いに接離する少なくとも2個の端子からなるスイッチ機構部を具備し、プリント基板に実装されてプローブにより前記スイッチ機構部をオン、オフされるスイッチ付き同軸コネクタにおいて、前記ハウジングは、前記プリント基板のガイド筒部用スルーホールに下面から遊嵌され、プローブの接触ピンの挿抜により前記端子間を接離するガイド筒部と、このガイド筒部と一体に設けられ、前記プリント基板の下面に当接して固定される基板部とを有し、前記スイッチ機構部のそれぞれの端子の接続端子部を前記プリント基板に下面側から接続するように形成したので、次の効果を有する。
(1)プローブの嵌合するガイド筒部、スイッチの機構部、ノーマルクローズ端子やコモン端子のプリント基板への固定部などのスイッチ付き同軸コネクタの構造部分がすべてプリント基板に穿設したガイド筒部用スルーホールに下面から遊嵌された状態で実装されるので、スイッチ付き同軸コネクタの高さがなくなるか、極めて低くなり、小型電子機器の小型化を実現できる。また、ガイド筒部用スルーホールは、ガイド筒部を遊嵌するだけの大きさでよく、構造の単純化が図れる。
(2)スイッチ機構部を有するガイド筒部をガイド筒部用スルーホールに遊嵌するので、各個品を必要以上に小さくする必要がなく、個品の加工費、組み立て費などの生産性を向上させ、コストダウンを図ることができる。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、基板部の下面側に、導電性金属板のシェルを嵌着し、このシェルと一体に設けた接続端子部をプリント基板に設けたアース用スルーホールに挿入して接続固定するようにしたので、スイッチ付き同軸コネクタのプリント基板への実装が簡単で、かつ、確実になる。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、ハウジングの基板部を4角形の薄板状に形成し、この基板部の4隅に係止切欠きを形成し、かつ、基板部の上面のガイド筒部の両側に位置決め溝を形成し、シェルの4隅に前記係止切欠きに係合する接続端子部を垂直に立ち上がらせ、かつ、基板部の位置決め溝に挿入される位置決め片を垂直に立ち上がらせて、前記ハウジングの下面から位置決め溝に位置決め片を嵌合固定するようにしたので、ハウジングとシェルの位置決めが正確でより確実に行われる。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、プリント基板におけるガイド筒部用スルーホールの外周に位置して4個のアース用スルーホールを形成し、ガイド筒部用スルーホールとアース用スルーホールに上面から下面まで連続するアース配線パターンを形成し、シェルの接続端子部をアース用スルーホールに挿入してアース配線パターンに接続固定するようにしたので、プローブによるスイッチ付き同軸コネクタのスイッチ機構部のオン/オフがガイド筒部用スルーホールの内壁のアース配線パターンの中で行われるので、ノイズの混入を防止しながら正確なテストを行うことができる。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、基板部の上面でプリント基板のガイド筒部用スルーホールの周りに形成されたアース配線パターンに接触固定する位置に導電膜を形成したので、部品手数を減らしてこれまでと同様の機能を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明によるスイッチ付き同軸コネクタの一実施例を示す図3におけるA−A線断面図である。
【図2】図3におけるB−B線断面図である。
【図3】本発明によるスイッチ付き同軸コネクタの平面図である。
【図4】本発明による本発明のスイッチ付き同軸コネクタの分解斜視図である。
【図5】図4におけるプリント基板を裏面から見た斜視図である。
【図6】従来のスイッチ付き同軸コネクタの縦断面図である。
【図7】従来のスイッチ付き同軸コネクタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、ハウジング13と、このハウジング13の内部に設けられた互いに接離する少なくとも2個の端子からなるスイッチ機構部を具備し、プリント基板12に実装されてプローブにより前記スイッチ機構部をオン、オフされるスイッチ付き同軸コネクタ10において、前記ハウジング13は、前記プリント基板12のガイド筒部用スルーホール33に下面から遊嵌され、プローブ11の接触ピン35の挿抜により前記端子間を接離するガイド筒部17と、このガイド筒部17と一体に設けられ、前記プリント基板12の下面に当接して固定される基板部18を有し、前記スイッチ機構部のそれぞれの端子の接続端子部26を前記プリント基板に下面側から接続するように形成する。
【0025】
前記ハウジング13は、その基板部18の下面側に、導電性金属板のシェル14を嵌着し、このシェル14と一体に設けた接続端子部59をプリント基板12に設けたアース用スルーホール34に挿入して接続固定する。
【0026】
ハウジング13は、その基板部18を4角形の薄板状に形成し、この基板部18の4隅に係止切欠き23を形成し、かつ、基板部18の上面のガイド筒部17の両側に位置決め溝24を形成し、シェル14の4隅に前記係止切欠き23に係合する接続端子部59を垂直に立ち上がらせ、かつ、基板部18の位置決め溝24に挿入される位置決め片60を垂直に立ち上がらせて、前記ハウジング13の下面から位置決め溝24に位置決め片60を嵌合固定する。
【0027】
プリント基板12におけるガイド筒部用スルーホール33の外周に位置して4個のアース用スルーホール34を形成し、ガイド筒部用スルーホール33とアース用スルーホール34に上面から下面まで連続するアース配線パターン39を形成し、シェル14の接続端子部59をアース用スルーホール34に挿入してアース配線パターン39に接続固定する。
【0028】
シェル14に代えて、基板部18の上面でプリント基板12のガイド筒部用スルーホール33の周りに形成されたアース配線パターン39に接触固定する位置に導電膜を形成することもできる。
【実施例1】
【0029】
本発明の実施例1を図1ないし図5に基づき説明する。
図4において、本発明によるスイッチ付き同軸コネクタ10は、上半分がプローブ11をガイドする円錐筒形をなし、下半分が4角形の板状をなし、全体で可能な限り背が低くなるように構成したプラスチック材料などの絶縁材料からなるハウジング13と、導電性金属板のプレス加工等によるシェル14と、さらに、導電性金属板のプレス加工等による少なくとも2個の端子からなるスイッチ機構部、具体的には、ノーマルクローズ端子15とコモン端子16とから構成されている。
本発明のスイッチ付き同軸コネクタ10は、プリント基板12に下面から嵌合固定される。
【0030】
前記ハウジング13は、上半分が前記プリント基板12よりも背の低いガイド筒部17で、下半分が4角形の薄い板状の基板部18からなり、前記ガイド筒部17は、外側が円錐台で、内側がすり鉢型の誘導孔21となし、中心部に垂直なピン差し込み孔22が形成され、このピン差し込み孔22は、内部のスイッチ機構部の空隙に連通している。前記基板部18には、前後方向からそれぞれノーマルクローズ端子15を圧入する端子圧入溝19と、コモン端子16を圧入する端子圧入溝20とが前記内部のスイッチ機構部に連通するように水平方向に穿設されている。
また、前記ガイド筒部17の外側に位置した左右2個所にそれぞれ細長の位置決め溝24が上下に貫通して穿設されている。さらに、基板部18の4つの角隅部分には、係止切欠き23が形成されている。
【0031】
前記シェル14は、前記基板部18を上から嵌合するような略4角形をなし、4隅に前記係止切欠き23に係合する接続端子部59を垂直に立ち上がらせ、左右のやや内側に前記位置決め溝24に嵌合する位置決め片60を立ち上がらせてなるものである。
【0032】
前記ノーマルクローズ端子15は、前記端子圧入溝19に圧入される水平な圧入片25を有し、この圧入片25の先端部に垂直部を経た水平な接触片28を有し、前記圧入片25から後端部に垂直にやや立ち上がらせた後水平に折曲して前記基板部18と略同一面となる接続端子部26を構成している。27は、圧入突部である。
前記コモン端子16は、前記端子圧入溝20に圧入される左右の2個の水平な圧入片29を有し、これら2個の圧入片29の基部から斜めに立ち上げて接続端子部30を構成し、前記圧入片29の基部を直角に立ち上げた後水平に折曲して基板部18と略同一面となる接続端子部30を構成している。32は、圧入突部である。
【0033】
前記プリント基板12は、表面から見た図4において、前記ハウジング13のガイド筒部17がやや余裕を持って嵌合する大きさにガイド筒部用スルーホール33が穿設されている。このガイド筒部用スルーホール33の外周の4個所には、前記シェル14の接続端子部30が差し込まれるアース用スルーホール34が穿設されている。これらのガイド筒部用スルーホール33とアース用スルーホール34には、表面から裏面までアース配線パターン39が形成されている。これらガイド筒部用スルーホール33とアース用スルーホール34のアース配線パターン39は、裏面では、図5に示すように、一体に連続している。また、裏面には、このアース配線パターン39と別に信号配線パターン38が形成されている。
【0034】
以上のように構成されたハウジング13の端子圧入溝19にノーマルクローズ端子15を圧入する。次いで、端子圧入溝20にコモン端子16を圧入する。すると、図1の実線で示すように、ノーマルクローズ端子15の接触片28の下面にコモン端子16の可動片31が圧接した状態となり、この可動片31の上面にピン差し込み孔22が臨ませられ、スイッチ機構部が構成される。また、接触片28と接続端子部30は、基板部18の両側で基板部18と略同一面となって信号配線パターン38に接触する。
スイッチ機構部を構成した後、ハウジング13をシェル14の上に載せ、ハウジング13の位置決め溝24に位置決め片60を圧入して一体に固定する。この時、4つの接続端子部59が係止切欠き23に係合する。接続端子部59は、ハウジング13の基板部18の上に突出するので、この接続端子部59の突出部分をプリント基板12のアース用スルーホール34に下面から差し込む。このようにして、ハウジング13のガイド筒部17がガイド筒部用スルーホール33の中心部分に遊嵌される。
ついで、アース用スルーホール34と信号配線パターン38に塗布した半田ペーストを溶解してノーマルクローズ端子15の接続端子部26とコモン端子16の接続端子部30を信号配線パターン38に接続し、かつ、4つの接続端子部59をガイド筒部用スルーホール33内でアース配線パターン39に接続固定することにより実装を完了する。
【0035】
以上のようにスイッチ付き同軸コネクタ10のプリント基板12への組み込みを完了した後、図1に示すように、テスト等のためにスイッチ付き同軸コネクタ10のピン差し込み孔22に、プローブ11のシェル36をプリント基板12のガイド筒部用スルーホール33にあてがうと、プローブ11のシェル36の先端の円錐部52がガイド筒部用スルーホール33のアース配線パターン39に当接してプローブ11がガイド筒部17の中心位置に寄せられ、さらに中心の円筒53が下降して誘導孔21にて正確に中心位置に移動し、接触ピン35は、ピン差し込み孔22に案内されてコモン端子16の可動片31を垂直方向に押し下げ、図1の鎖線のようにコモン端子16の可動片31がノーマルクローズ端子15の接触片28から離れる。そのため、スイッチ機構部がスイッチオフとなる。また、プローブ11のシェル36がシェル14とともにアース配線パターン39に接続される。
このように、プローブ11によるスイッチ付き同軸コネクタ10のスイッチ機構部のオン/オフがガイド筒部用スルーホール33の内壁のアース配線パターン39の中で行われるので、ノイズの混入を防止しながら正確なテストが行われる。
【0036】
プローブ11をスイッチ付き同軸コネクタ10から引き抜くと、接触ピン35がピン差し込み孔22から抜き去られてコモン端子16の可動片31がばね作用により弾性復帰し、コモン端子16の可動片31がノーマルクローズ端子15の接触片28に接触して元に戻る。
【0037】
前記実施例では、ハウジング13内の端子として、ノーマルクローズ端子15とコモン端子16の2個が内蔵されている場合について説明したが、少なくとも2個であればよく、端子の数に限定されない。
また、2個の端子は、ノーマルクローズ端子15とコモン端子16に限定されることはない。
【0038】
前記実施例では、ハウジング13を絶縁体で構成し、導電性金属板のシェル14に嵌め込み固定するようにしたが、シェル14に代えてハウジング13に導電性メッキを施すようにしてもよい。この場合、プリント基板12の裏面のアース配線パターン39に接する基板部18の上面と側面に導電性メッキを施すようにすればよい。
【符号の説明】
【0039】
9…従来のスイッチ付き同軸コネクタ、10…本発明のスイッチ付き同軸コネクタ、11…プローブ、12…プリント基板、13…ハウジング、14…シェル、15…ノーマルクローズ端子、16…コモン端子、17…ガイド筒部、18…基板部、19…端子圧入溝、20…端子圧入溝、21…誘導孔、22…ピン差し込み孔、23…係止切欠き、24…位置決め溝、25…圧入片、26…接続端子部、27…圧入突部、28…接触片、29…圧入片、30…接続端子部、31…可動片、32…圧入突部、33…ガイド筒部用スルーホール、34…アース用スルーホール、35…接触ピン、36…シェル、37…膨出部、38…信号配線パターン、39…アース配線パターン、40…ハウジング、41…シェル、42…ノーマルクローズ端子、43…コモン端子、44…円筒部、45…ピン差し込み孔、46…端子支持突部、47…回り止め突部、48…端子圧入溝、49…端子圧入溝、51…ハウジング嵌合孔、52…円錐部、53…円筒、55…係止溝、56…グランド端子部、58…接続端子部、59…接続端子部、60…位置決め片、63…接続端子部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、このハウジングの内部に設けられた互いに接離する少なくとも2個の端子からなるスイッチ機構部を具備し、プリント基板に実装されてプローブにより前記スイッチ機構部をオン、オフされるスイッチ付き同軸コネクタにおいて、前記ハウジングは、前記プリント基板のガイド筒部用スルーホールに下面から遊嵌され、プローブの接触ピンの挿抜により前記端子間を接離するガイド筒部と、このガイド筒部と一体に設けられ、前記プリント基板の下面に当接して固定される基板部とを有し、前記スイッチ機構部のそれぞれの端子の接続端子部を前記プリント基板に下面側から接続するように形成したことを特徴とするスイッチ付き同軸コネクタ。
【請求項2】
基板部の下面側に、導電性金属板のシェルを嵌着し、このシェルと一体に設けた接続端子部をプリント基板に設けたアース用スルーホールに挿入して接続固定するようにしたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
【請求項3】
ハウジングの基板部を4角形の薄板状に形成し、この基板部の4隅に係止切欠きを形成し、かつ、基板部の上面のガイド筒部の両側に位置決め溝を形成し、シェルの4隅に前記係止切欠きに係合する接続端子部を垂直に立ち上がらせ、かつ、基板部の位置決め溝に挿入される位置決め片を垂直に立ち上がらせて、前記ハウジングの下面から位置決め溝に位置決め片を嵌合固定するようにしたことを特徴とする請求項2記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
【請求項4】
プリント基板におけるガイド筒部用スルーホールの外周に位置して4個のアース用スルーホールを形成し、ガイド筒部用スルーホールとアース用スルーホールに上面から下面まで連続するアース配線パターンを形成し、シェルの接続端子部をアース用スルーホールに挿入してアース配線パターンに接続固定するようにしたことを特徴とする請求項3記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
【請求項5】
基板部の上面でプリント基板のガイド筒部用スルーホールの周りに形成されたアース配線パターンに接触固定する位置に導電膜を形成したことを特徴とする請求項1記載のスイッチ付き同軸コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−248315(P2012−248315A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117005(P2011−117005)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】