説明

スイッチ組立体及び電気装置の切り換え方法

【課題】導電スプリングの摩損やコンタクト及びPCBの損傷を防げるスイッチ組立体を提供する。
【解決手段】サブストレート102は、少なくとも1個の第1導電コンタクト118を有し、スプリング104は、サブストレートに固定され、輪郭表面128を有する。導電コンポーネント136は、第1位置のときに、第1導電コンタクトに電気的に接触するように構成され、絶縁本体106は、導電コンポーネントを保持するように構成される。絶縁本体は、スライド・プレートの輪郭表面に沿って移動可能であり、第1位置から第2位置に導電コンポーネントを移動するように構成される。第1導電コンポーネントが第2位置のときに、導電コンポーネントは、第1導電コンタクトから離れて配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ組立体(アセンブリ)及び電気装置の切り換え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル・マルチメータ(DMM)の如き電気測定機器は、電圧、電流及び抵抗などの種々の電気パラメータを測定するように構成されている。多くのDMMは、入力の種々の設定の間で切り換えができ、入力又はチャネルの各設定は、DMMのほとんどの測定機能を支援する。したがって、電気測定機器は、典型的には、種々のチャネルの間で選択を行う電気スイッチを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−9850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いくつかの電気測定機器において、チャネル間の選択を行うために、外部スイッチをプリント回路基板(PCB)に取り付けている。他の機器においては、電気測定機器のPCBは、スイッチを形成するように構成されている。一般的に、かかるPCBスイッチは、PCBの表面の複数のコンタクト(電気接点)と、押された際に複数のコンタクトの対応する1個と電気的接触を行うように構成された1個以上の導電スプリングとを具えている。電気測定機器を第1状態にするために、PCB上に形成された第1コンタクトに対して導電スプリングの少なくとも1個を圧縮する。電気測定機器を第2状態にするために、導電スプリングを第2位置に移す。これは、例えば、導電スプリングを第2コンタクトと接触させる。導電スプリングがPCBを横切って第1コンタクトから第2コンタクトに移動すると、導電スプリングの自由端部がPCBと共に第1及び第2コンピュータの表面に沿ってこする。よって、かかるスイッチにおいて、ある状態から別の状態に切り替えることにより、導電スプリングに加わる摩擦力のために、導電スプリングを摩損する。導電スプリングの端部による摩損は、コンタクト及びPCBに潜在的に損傷させる。
【0005】
そこで、導電スプリングの摩損やコンタクト及びPCBの損傷を防げるスイッチ組立体及び電気装置の切り換え方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための本発明の態様は、次の通りである。
(1)少なくとも1個の第1導電コンタクトを有するサブストレートと;該サブストレートに固定され、輪郭表面を有するスライド・プレートと;少なくとも1個の導電コンポーネントが第1位置のときに、上記少なくとも1個の第1導電コンタクトに電気的に接触するように構成された上記少なくとも1個の導電コンポーネントと;上記少なくとも1個の導電コンポーネントを保持するように構成された絶縁本体とを具え;該絶縁本体は、上記スライド・プレートの上記輪郭表面に沿って移動可能であり、上記第1位置から第2位置に上記少なくとも1個の導電コンポーネントを移動するように構成され、上記第1導電コンポーネントが上記第2位置のときに、上記導電コンポーネントは、上記第1導電コンタクトから離れて配置されるスイッチ組立体。
(2)上記サブストレートは、少なくとも1個の導電コンタクトを含み;上記少なくとも1個の導電コンポーネントは、上記第2位置にて上記少なくとも1個の第2導電コンタクトに電気的に接続するように更に構成され;上記第1位置及び上記2位置の間で上記スライド・プレートの上記導電表面に沿って上記絶縁本体が移動可能である態様1のスイッチ組立体。
(3)上記サブストレートは、第1表面及び第2表面を有するプリント回路基板であり;上記少なくとも1個の第1導電コンタクト及び上記少なくとも1個の第2導電コンタクトは、上記第1表面上に配置され、上記スライド・プレートは、上記第2表面上に配置される態様2のスイッチ組立体。
(4)上記輪郭表面は、凹面である態様3のスイッチ組立体。
(5)上記少なくとも1個の導電コンタクト、上記少なくとも1個の第2導電コンタクト及び上記スライド・プレートは、上記サブストレートの第1表面上に配置される態様2のスイッチ組立体。
(6)上記輪郭正面は、凸面である態様5のスイッチ組立体。
(7)上記少なくとも1個の導電コンポーネントは、複数の導電スプリングを具え;上記スイッチ組立体は、複数の第1導電コンタクト及び第2導電コンタクトを更に具え;各導電スプリングは、上記第1導電コンタクト及び上記第2導電コンタクトの各々と電気的に接触するように構成される態様2のスイッチ組立体。
(8)第1端部及び第2端部を有する少なくとも1個のスロットを含むプリント回路基板と;上記少なくとも1個のスロットに設けられた第1導電コンタクトと;上記少なくとも1個のスロット内に位置決めされ、上記少なくとも1個のスロット内で移動可能で、上記第1導電コンタクトと選択的に接触するように構成された少なくとも1個の導電部材を含む絶縁本体とを具えたスイッチ組立体。
(9)上記少なくとも1個のスロットの上記第2端部に設けられた第2導電コンタクトを更に具え;上記第2導電コンタクトは、上記第1導電コンタクトから分離し;上記絶縁本体の動きは、上記少なくとも1個の導電部材を上記第2導電コンタクトに電気的に接触できる態様8のスイッチ組立体。
(10)複数のスロットを更に具え;上記スロットの各々は、上記スロットの第1端部に設けられた第1導電コンタクトと、上記スロットの第2端部に設けられた第2導電コンタクトとを含み;上記絶縁本体は、各々が上記複数のスロットの1個のスロット内に位置決めされるように構成された複数の導電部材を含む態様9のスイッチ組立体。
(11)上記少なくとも1個の導電部材は導電スプリングである態様8のスイッチ組立体。
(12)上記少なくとも1個のスロットは、上記プリント回路基板の第1表面から第2表面に伸びる態様8のスイッチ組立体。
(13)電気装置を第1状態から第2状態に切り換える方法であって;第1導電コンタクト上で、絶縁本体に保持された少なくとも1個のスプリングを圧縮して、上記電気装置を上記第1状態にし;輪郭表面に沿って上記絶縁本体の部分をスライドして、上記少なくとも1個の導電スプリングを上記第1導電コンタクトから第2導電コンタクトに移動し、上記輪郭表面に沿った上記絶縁本体の部分をスライドにより上記少なくとも1個の導電スプリングが圧縮される量を減らし;上記第2導電コンタクト上で上記少なくとも1個の導電スプリングを圧縮して上記電気装置を上記第2状態にする電気装置の切り換え方法。
(14)上記輪郭表面は、凹面又は凸面の一方である態様13の方法。
(15)上記第1及び第2導電コンタクトは、プリント回路基板の第1表面上にある態様13の方法。
(16)上記少なくとも1個の導電スプリングは、コイル・スプリング、板バネ及びC字形スプリングから成るグループから選択される態様13の方法。
(17)上記輪郭表面に沿って上記絶縁本体の上記部分をスライドすることにより、上記少なくとも1個の導電スプリングを非圧縮状態に非圧縮する態様13の方法。
(18)電気装置を第1状態から第2状態に切り換える方法であって;上記電気装置の導電部材を第1位置に移動するステップを具え;上記導電部材は、プリント回路基板に形成されたスロット内に配置され;上記第1位置の上記導電部材が上記スロットの第1端部に形成された第1導電コンタクトに電気的に結合して上記電気装置を上記第1状態にし;上記第1導電コンタクトから離れた上記第1位置から第2位置に上記導電部材を移動させて上記電気装置を上記第2状態にするステップを更に具えた電気装置の切り換え方法。
(19)上記第2位置の上記導電部材は、上記スロットの第2端部に形成された第2導電コンタクトに電気的に結合する態様18の方法。
(20)上記導電部材は導電スプリングであり、上記導電スプリングが上記第1位置から上記第2位置に移動したときに、上記導電スプリングが減圧される態様19の方法。
(21)上記スロットは、上記プリント回路基板の第1表面から上記プリント回路基板の第2表面に伸びる態様18の方法。
(22)更に、上記プリント回路基板内の各スロット内に複数の導電部材の各々を設ける態様18の方法。
【発明の効果】
【0007】
この欄では、本発明の概要を説明し、詳細な説明は後述するが、本発明の特徴を限定的に特定するものでもなく、本発明の要旨を限定するものでもない。
【0008】
本発明の概念によれば、スイッチ組立体を提供できる。スイッチ組立体は、サブストレート(基板)と、スライド・プレートと、少なくとも1個の導電コンポーネントと、絶縁本体とを含んでいる。サブストレートは、少なくとも1個の第1導電コンタクトを有する。スライド・プレートは、サブストレートに固定され、輪郭表面(contoured surface)を有する。少なくとも1個の導電コンポーネントが第1位置のときに、この少なくとも1個の導電コンポーネントは、少なくとも1個の第1導電コンタクトに電気的に接続するように構成されている。絶縁本体は、少なくとも1個の導電コンポーネントを保持するように構成される。絶縁本体は、スライド・プレートの輪郭表面に沿って移動可能であり、少なくとも1個の導電コンポーネントを第1位置から第2位置に移動するように構成される。第1導電コンタクトが第2位置にあるとき、導電コンポーネントは、第1導電コンタクトから離れている。
【0009】
本発明の概念によれば、プリント回路基板と、第1導電コンタクトと、絶縁本体とを具えたスイッチ組立体を提供できる。プリント回路基板は、少なくとも1個のスロットを含む。この少なくとも1個のスロットは、第1端部及び第2端部を有する。少なくとも1個のスロットの第1端部に第1導電コンタクトを設ける。絶縁本体は、少なくとも1個のスロット内に位置決めされるように構成された少なくとも1個の導電部材を含み、少なくとも1個のスロット内で移動可能であり、第1導電コンタクトに選択的に接触する。
【0010】
本発明の概念によれば、第1状態から第2状態に電気装置を切り替える方法を提供できる。この方法は、第1導電コンタクト上で少なくとも1個の導電スプリングを圧縮して、電気装置を第1状態にする。導電スプリングは、絶縁本体に保持される。この方法は、更に、輪郭表面に沿って絶縁本体の部分をスライドして、第1導電コンタクトから第2導電コンタクトに少なくとも1個の導電スプリングを移動させる。輪郭表面に沿った絶縁本体の部分のスライドは、少なくとも1個の導電スプリングが圧縮される量を減らす。この方法は、更に、第2導電コンタクト上で少なくとも1個のスプリングを圧縮して、電気装置を第2状態にする。
【0011】
本発明の概念によれば、電気装置を第1状態から第2状態に切り替える方法は、電気装置の導電部材を第1位置に移動させる。導電部材は、プリント回路基板に形成されたスロット内に位置決めされる。導電部材が第1位置のとき、スロットの第1端部に形成された第1導電コンタクトに導電部材が電気的に結合して、電気装置を第1状態にする。この方法は、更に、第1導電コンタクトから離れた第1位置から第2位置に導電部材を移動して、電気装置を第2状態にする。
【0012】
本発明の上述の概念及び多くの利点は、添付図を参照した以下の詳細な説明から容易に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例によるスイッチ組立体の上から見た斜視図である。
【図2】図1のスイッチ組立体の下から見た斜視図である。
【図3A】本発明の実施例による第1位置における図2のスイッチ組立体の断面図である。
【図3B】本発明の実施例による中間位置における図3Aのスイッチ組立体の断面図である。
【図3C】本発明の実施例による第2位置における図3Aのスイッチ組立体の断面図である。
【図4】本発明の他の実施例によるスイッチ組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施例を図示し説明するが、本発明の要旨を逸脱することなく種々の変更が可能であることは明らかである。この点に関し、同様な素子を同様な参照符号で示す添付図に関連して詳細な説明を後述する。しかし、かかる説明は、本発明の種々の実施例を単に説明するものであり、本発明をこれら実施例に限定するものではない。ここで説明する各実施例は、単なる例示であり、他の実施例にまで及ぶものではない。ここで提供する実施例は、全てを網羅するものではなく、また、これら実施例の開示に本発明を限定するものでもない。よって、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の変形が可能である。同様に、同じ結果又は略同様な結果を達成するのに、ここで説明した任意のステップは、他のステップと交換可能、又は、ステップを組合せ可能である。
【0015】
以下の説明は、1個以上のスイッチ組立体と、このスイッチ組立体を用いる方法の実施例である。包括的には、本発明の1個以上の実施例は、例えば、閉状態から開状態に及び/又はその逆に切り換えるように、一方の状態から他方の状態に切り換えるスイッチ組立体及び方法に関する。いくつかの実施例において、スプリング、バー、部材などの導電コンポーネントを、プリント回路基板(PCB)などのサブストレートに配置された第1導電コンタクトから、このサブストレートに配置された第2導電コンタクトに移動させて、ある状態から別の状態に切り換えるように、スイッチ組立体を構成できる。より詳細に後述するように、本発明の実施例は、導電コンポーネントを第1導電コンタクトから第2導電コンタクトに移動させる(即ち、切り換える)とき、導電コンポーネント及び導電コンタクト並びにスイッチの関連コンポーネントを含むスイッチ組立体の導電コンポーネントの摩耗を減らすように構成されている。例えば、一実施例において、スプリング、部材、ロッド、バーなどの導電コンポーネントがPCBのスロット内で移動するので、導電コンポーネントとPCBの表面との間の接触を減らす。他の実施例においては、導電コンポーネントがPCB表面を横切って第1導電コンタクトから第2導電コンタクトに移動するので、導電コンポーネント及び/又はPCBに加わる摩擦力及び/又は他の力が減る。
【0016】
電気測定機器に関連してスイッチ組立体を示し説明するが、ここで説明する方法及び組立体は、電気スイッチの使用が必要な任意の電気装置などに用いることができる。さらに、ここで説明する実施例は、双投スイッチであるが、スイッチ組立体は、単投スイッチを含む任意の数の投に適用できることが理解できよう。単投スイッチにおいて、電流が流れるように導電スプリングが単一の導電コンタクトに接触しているとき、スイッチ組立体が閉状態であり、導電スプリングが単一の導電コンタクトから離れて電流が流れるのを阻止するとき、スイッチ組立体が開状態である。ここで説明する電気スイッチは、任意の数の極(ポール)に適用できることが明らかである。
【0017】
図1及び2は、本発明の実施例によるスイッチ組立体100の上から見た斜視図及び下から見た斜視図である。スイッチ組立体100は、PCB102の如きサブストレートと、スライド・プレート104と、スイッチ本体106の如き絶縁本体とを含んでいる。スイッチ本体106は、例えば、保持アーム108により、PCB102に移動可能に保持される。詳細に後述するように、スイッチ本体106をPCB102の上に位置決めし、PCB102に対して第1位置及び第2位置の間で移動するように構成する。なお、第1位置は、スイッチ組立体100を第1状態にし、第2位置は、スイッチ組立体100を第2状態にする。この点に関し、スイッチ組立体100は、第1チャネル及び第2チャネルの間のように、第1電気状態及び第2電気状態の間で、関連した電気装置を切り換える。
【0018】
図2に示すように、PCB102は、対向する第1表面112及び第2表面114を有するやや平坦な部材である。図3A〜3Cに最良に示すように、PCB102は、このPCB102の第1表面112の上に形成された又は固定された複数の導電コンタクト118を含む。なお、図3A〜3Cは、図2の矢印3A−3Cに沿った断面図である。導電コンタクト118は、電流を流すように構成された任意の単一又は複数の部材でよい。一実施例において、例えば、導電コンタクト118は、銅を材料とし、金の如き貴金属によりメッキされている。導電コンタクト118は、PCB102内に形成されたトレース(導電路:図示せず)を介して、PCB102上の他のコンポーネント(図示せず)と電気的に通信をすることが理解できよう。
【0019】
図1及び図2を参照する。PCB102は、このPCB102の第1表面112から第2表面114に伸びる1個以上の細長い開口120を有するので、1個以上のスロットを形成する。より詳細に後述する如く、1個以上の保持アーム108を受けるように開口120が構成される。PCB102は、任意の単一又は複数の材料であり、(1)スイッチ本体106の如く配置されたコンポーネントを機械的に保持する、(2)電気コンタクト118をそこから電気的に分離するように構成されることが理解できよう。PCB102は、スイッチ組立体100が一部となる簡単な回路を構成してもよいし、PCB102は、スイッチ組立体100を含むデジタル・マルチメータの如き電気装置に関連した主プリント回路基板及び/又は単独のプリント回路基板でもよい。この点に関し、PCB102は、スイッチ組立体102の部分を構成するだけではなく、他の電気的及び機械的なコンポーネントのポイントの間で接続を行うと共に、取り付けられる。
【0020】
スイッチ組立体100は、図2及び図3A〜3Cに示すように、第1表面122及び第2表面124を有するスライド・プレート104も含む。図示の実施例において、スライド・プレート104の第2表面124は、PCB102の第2表面114をインタフェースすると共に、この第2表面114に固定される。一方、スライド・プレート104の第1表面122は、1個以上の輪郭128を含む。この目的については、詳細に後述する。
【0021】
簡単に上述したように、スイッチ本体106は、図3Aに示す位置の如き第1位置と、図3Cに示す位置の如き第2位置との間で移動可能である。一実施例において、スイッチ本体106の動きを反映して、図1に示すように、スイッチ本体106は、移動アーム132を介してアクチュエータ130に結合される。一実施例において、アクチュエータ130をPCB102に取り付ける。他の実施例において、アクチュエータ130をPCB102から離れて取り付けてもよい。何れの場合も、アクチュエータ130は、矢印Bで示す方向に移動アーム132を移動させるように構成されるので、スイッチ本体106も矢印Bの示す方向に移動する。他の実施例において、スイッチ本体106は、第1位置及び第2位置の間を手動で作動される。さらに、第1位置及び第2位置は、互いに線形関係にある必要はない。
【0022】
図3A〜3Cは、スイッチ組立体100の断面図を示し、異なる位置でのスイッチ組立体を夫々示している。スイッチ本体106は、PCB102の第1表面112をインタフェースするやや平坦な表面134を有し、絶縁材料で作られる。スイッチ本体106は、圧縮スプリング136の如き1個以上の導電コンポーネントを運ぶが、スイッチ本体は、図3Aに示す第1位置と、図3Cに示す第2位置との間を移動する。各導電スプリング136は、第1端部138及び第2端部140を有する。導電スプリング136の第1端部138がスイッチ本体106に固定され、導電スプリング136の第2端部140がスイッチ本体106の表面134から外側に伸びるように、各導電スプリング136が配置される。一実施例において、導電スプリング136は、貴金属メッキされた又はされない銅である。
【0023】
導電スプリング136の各々は、スイッチ本体106内に位置決めされる。この位置決め方法では、スイッチ本体106が第1位置又は第2位置に移動したときに、導電スプリング136が2個の近傍の導電コンタクト118と電気的に通信をするか電気的に接続される。例えば、スイッチ本体106が図3Aの位置の如き第1位置であるときに、第1導電コンタクト118に接触し、スイッチ本体106が図3Cの位置の如き第2位置であるときに、第2導電コンタクト118と接触するように、各導電スプリング136の第2端部140が構成される。5個の導電スプリング136を示したが、スイッチ組立体の構造に応じて、任意の数の導電スプリング136を設けてもよいことが理解できよう。いくつかの実施例において、導電スプリング136は、圧縮スプリングでもよい。導電スプリング136の別の例としては、導電コンタクト118にバイアス力を加えることができるハンガー・スプリング、板バネ、C字形スプリング又は任意の他のスプリングでもよい。
【0024】
スイッチ本体106は、更に1個以上の絶縁部材144を含む。各導電スプリング136の電気的分離を援助するように、各近傍の導電スプリング136の間で絶縁部材144を位置決めする。図3A〜3Cに示すように、絶縁部材144をスイッチ本体106と一体に形成してもよい。
【0025】
図1及び2を参照する。簡単に上述したように、スイッチ本体106は、このスイッチ本体106の表面の1つに固定された又はそれと一体に形成された1個以上の保持アーム108を含み、PCB102上にスイッチ本体を移動可能に保持する。図1及び2に示す実施例において、保持アーム108の各々は、アーム部分146を含んでいる。PCB102の外側エッジに沿う如くスイッチ組立体120に沿って、又はPCB102内の開口120の1個を介して、アーム部分146が伸びる。リップ148は、各アーム部分146の外側端部に固定されるか、又は一体に形成される。図示の実施例において、アーム部分146と直角な方向に、リップ148が伸びる。図2に示すように、保持アーム108のリップ148は、PCB102の第1表面112の近傍又は上でスイッチ本体106を保持するために、スライド・プレート104の第1表面122とかみ合うように保持アーム108のリップ148を構成する。
【0026】
組み立てると、保持アーム108は、PCB102の第1表面112の上又は近傍にスイッチ本体106を保持する一方、スイッチ本体106は、第1位置及び第2位置の間でPCB102の第1表面112に沿って移動できる。さらに、保持アーム108は、適切な力をスライド・プレート104に加えて、導電スプリング136を介してPCB102に加わるバイアス力を打ち消しできる。図示の実施例において、保持アーム108のリップ148は、スライド・プレート104の第1表面に沿ってスライドするように構成される。この点に関し、スイッチ組立体100が第1位置から第2位置に移動するとき、保持アーム108の各リップ148は、対応する輪郭128に沿ってスライドするように構成される。各リップ148が対応輪郭128に沿ってスライドすると、PCB102の第1表面112上の導電スプリング136が加えた力の量が、輪郭との幾何学的関係にて減る。スイッチ本体に加わる力が減るのは、各導電スプリング136が圧縮された量だけ減るのに対応する。
【0027】
図3Aの第1位置から図3Cの第2位置へのスイッチ組立体100の切り換え動作の例を説明する。図3Aの第1位置において、導電スプリング136は、PCB102上に形成された対応導電コンタクト118との電気的接続を行う。図3Aに示す如く、導電スプリング136は、圧縮長yとなるように圧縮状態に負荷がかかる。このように、圧縮された導電スプリング136は、対応する導電コンタクト118の表面にバイアス力を加えて、これらの間の電気的接続を改善する。上述の如く、保持アーム108のリップ148は、導電スプリング136が加えるバイアス力を打ち消すように構成されるので、スイッチ本体106をその位置に保持する。
【0028】
スイッチ本体106が第1位置から第2位置に移動するので、図3Bの中間位置で示すように、保持アーム108のリップ148は、スライド・プレート104の輪郭128に沿って保持アーム108のリップ148がスライドする。リップ148がスライド・プレート104の凹面輪郭128に沿ってスライドするので、PCB102又は導電コンタクト118に導電スプリング136により加えられたバイアス力は、PCB102の第1表面112からスイッチ本体106を離すため、図3Bに示すように、導電スプリング136の圧縮が減る。例えば、図3Bに示すように、導電スプリング136は、圧縮長y’となる。この長さy’は、図3Aのスライド・プレート136の圧縮長yよりも長い。その結果、PCB102の第1表面112及び導電スプリング136に作用する力が減る。一実施例において、導電スプリング136は、図3Bに示す位置にて、又は、輪郭128の経路に沿った任意の位置にて、非圧縮状態である。
【0029】
上述から、導電スプリング136の第2端部140が、導電コンタクト118の部分に沿うことも含めてPCB102の第1表面112に沿ってスライドするので、輪郭128の経路に従って、第2端部140に加わる結果としての力も減ることが理解できよう。この点に関し、導電スプリング136の第2端部140に加わる摩擦及び/又は他の力も減る。いくつかの実施例において、これは、導電スプリング136の第2端部140の摩耗を減らす。同様に、PCB102及び/又は導電コンタクト118に加わる摩擦及び/又は他の力も減る。いくつかの実施例において、これは、PCB102及び/又は導電コンタクト118が受ける摩耗及び/又は損傷を減らす。
【0030】
図3Cに示す第2位置にスイッチ本体106が達するとき、導電スプリング136は、より圧縮された状態に戻り、これは、導電スプリング136が導電コンタクト118と電気的接続状態になるのに充分である。図3Cに示す実施例において、導電スプリング136は、圧縮長がyとなるように圧縮状態に戻る。図3Aに示す位置のように、図3Cに示す位置での圧縮された導電スプリング136の各々は、対応する導電コンタクト118の表面にバイアス力を加える。さらに、上述のように、保持アーム108のリップ148は、導電スプリング136が加える力を打ち消すので、スイッチ本体106をPCB102上の位置に保持する。
【0031】
別の実施例において、スライド・プレート104は、PCB102の第1表面112に固定される。この別の実施例において、スライド・プレート104は、スイッチ本体106及びPCB102の間に配置される。特に、スライド・プレート104の第2表面124は、PCB102の第1表面112に固定され、スイッチ本体106の内側表面134は、スライド・プレート104の第1表面122の上又は近傍である。この実施例において、スイッチ本体106は、スライド・プレート104の第1表面122に沿ってスライドするように構成される。しかし、スライド・プレート104の第1表面122上の輪郭が凹面でもよいことが明らかであろう。このように、凹面輪郭部分は、PCB102及び各導電スプリング136に加わる力を減らす。
【0032】
他の実施例において、カム又はピボットを用いて、導電スプリングによりPCB102に加わる力の量を減らすことができる。すなわち、スイッチ本体106に結合されたカム又はピボット・アームにより、スイッチ本体106がPCB102の第1表面112から離れる方向に移動するので、導電スプリング136により表面に加わる力の量を減らすことができる。さらに別の実施例では、スライド・プレート104の輪郭128をPCB102の第1表面112又は第2表面114と一体にできる。
【0033】
図4は、本発明の他の実施例により形成されたスイッチ組立体200の断面図を示す。スイッチ組立体200は、上述した実施例の多くのコンポーネントに材料及び動作がほぼ同じである。しかし、詳細に後述するように、スイッチ組立体200は、いくつかの点でスイッチ組立体100と異なる。説明を明瞭にするために、スイッチ組立体200の同様な要素の参照符号は、スイッチ組立体100で説明したのと同様であるが、参照符号の百の位が2である。
【0034】
スイッチ組立体200の中間位置における断面図である図4に示すように、スイッチ組立体200は、PCB202と、スイッチ本体206の如き絶縁本体とを含む。PCB202は、図1〜3を参照して説明したPCBであり、第1表面202と、その対向面である第2表面214とを含む。PCB202は、そこに形成された1個以上の細長い開口272も含む。1個以上の開口272がPCB202に沿うので、開口272の長手方向の軸は、図4の矢印Bが示す動きの方向に合っている。開口272の各々は、第1端部274及び第2端部276を含んでいる。図4には6個の開口272が示されているが、任意の数の行のように、任意の方向に任意の数の開口272をPCB202に設けてもよいことが理解できよう。例えば、一実施例において、PCB202は、そこに形成された10個の開口を含み、2列に5個のスロットが設けられる。図4に示すように、1個以上の開口272がPCB202の第1表面212からPCB202の第2表面214に伸びるので、細長いスロットが形成される。しかし、別の実施例において、1個以上の開口272が第1表面212からPCB202を介して部分的に伸びる。別の実施例において、開口272は、チャネルを形成し、各チャネルは、図4に示さない底面を有する。
【0035】
スイッチ組立体200は、導電コンタクト218の対を更に含み、各対が開口272に関連する。図示の実施例において、導電コンタクト218を開口27の各端部に形成する。すなわち、導電コンタクト218は、各開口272の第1端部274に形成され、導電コンタクト218は、各開口272の第2端部276に形成される。導電コンタクト218は、電流が流れるように構成された単一又は複数の任意の部材で構成される。導電コンタクト218は、PCB202に形成されたトレース(図示せず)を介してPCB202の他のコンポーネント(図示せず)に電気的に接続されていることが明らかであろう。一実施例において、導電コンタクト218は、銅で作られるか、又は金などの貴金属でメッキされている。いくつかの実施例において、導電コンピュータ218の1個以上のエッジが傾斜している。
【0036】
さらに図4を参照する。スイッチ組立体200は、1個以上の導電部材236を保持するスイッチ本体206の如き絶縁本体を含む。スイッチ本体206は、第1表面212とのインタフェースを行うやや平坦な表面234を含む。導電部材236は、スイッチ本体206の表面234から外側に伸びるように構成されている。特に、導電部材236の各々の第1部分をスイッチ本体206に固定するので、導電部材236の第2部分は、スイッチ本体204の表面234から外側に伸びる。図4に示す如き複数の導電部材236を含む実施例において、任意の他の導電部材236から離れるように導電部材236が位置決めされる。PCB202の開口272の方向及び位置に対応するように、導電部材236を更に位置決めする。すなわち、導電部材236の各々は、スイッチ本体206内で方向付けされて、PCB302内の対応開口272に整列する。スイッチ本体206は、スイッチ本体206に固定されるか又はスイッチ本体206と一体に形成された保持アーム208を有し、PCB202にスイッチ本体を移動可能に保持する。
【0037】
本発明の実施例において、1個以上の導電部材236は、導電部材236が導電コンタクト218に接触したときに、対応する導電コンタクト218に電気的に接続するように構成された任意の導電部材でよい。一実施例において、導電部材236は、スプリングでもよい。導電部材236の限定されない例としては、導電コンタクト218と適切に電気的に接触するように構成された板バネ、C字形スプリング、コイル・スプリング、又は任意のスプリング若しくは部材でもよい。他の実施例において、導電部材は、バー、ロッドなどである。一実施例において、導電部材236は、銅導電部材であり、これは、金の如き貴金属でメッキされても、されていなくてもよい。
【0038】
図4に示すように組み立てると、スイッチ本体206は、PCB202の第1表面212上に位置決めされるので、導電部材236の各々がPCB202内の対応開口272内に設けられる。簡単に上述したように、スイッチ本体206は、保持アーム208によりPCB202上に移動可能に維持される。PCB202上のスイッチ本体206の場所に応じて、図1に示す開口120と同様に、及び/又は図1に示すようにPCB202の外側エッジに沿って、保持アーム208は、PCB202の開口を介して伸びる。保持アーム208の各々のリップ248は、PCB202の第2表面214に対向して設けられ、PCB202の表面にスイッチ本体206を維持する。
【0039】
本発明のいくつかの実施例において、スイッチ本体206は、第1位置及び第2位置の間にて手動で操作される。他の実施例において、図1を参照して説明した如くアクチュエータ130の如きアクチュエータを用いて、第1位置から第2位置にアーム132を動かすことにより、スイッチ本体206の移動に作用させる。アクチュエータ130(図1)により移動アーム132が矢印Bの示す方向の1つに移動するとき、第1状態から第2状態に切り換えるようにスイッチ組立体200が構成される。
【0040】
図4は、中間位置のスイッチ組立体200を示すので、導電部材236は、導電コンタクト218に接触していない。アクチュエータ130により、スイッチ本体206が第1位賃に移動するので、即ち、開口272の第1端部274に配置された導電コンタクト218に向かって移動するので、各開口272の第1端部274にて導電部材236が導電コンタクト218に物理的に接触するまで、導電部材236は、対応する開口272内で移動する。スイッチ組立体200が第1位置で、各導電部材236の部分が対応導電コンタクト218に電気的に接触すると、スイッチ組立体200が第1状態になる。
【0041】
同様に、アクチュエータ130により、スイッチ本体206が第2位賃に移動するので、即ち、開口272の第2端部27に配置された導電コンタクト218に向かって移動するので、開口272の第2端部276にて導電部材236が導電コンタクト218に物理的に接触するまで、導電部材236は、対応する開口272内で移動する。スイッチ組立体200が第2位置で、各導電部材236の部分が対応導電コンタクト218に電気的に接触すると、スイッチ組立体200が第2状態になる。当業者に明らかなように、図示のスイッチ組立体200は、任意の数の極(ポール)を有するように変更できる。この点に関し、スイッチ組立体の意図する目的に基づいて、任意の数のスロットと任意の数の導電コンタクトとを用いてもよい。
【0042】
本発明の種々の原理、代表的実施例、動作モードについて上述した。しかし、本発明は、説明した特定の実施例に限定されるものではない。さらに、ここで説明した実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明をこれら実施例に限定するものではない。本発明の要旨を逸脱することなく、実施例以外又は均等を用いることにより、種々の変形変更が可能である。よって、これら変形、変更及び均等は、本発明の要旨に包含される。
【符号の説明】
【0043】
100 スイッチ組立体
102 プリント回路基板(サブストレート)
104 スライド・プレート
106 スイッチ本体(絶縁本体)
108 保持アーム
112 第1表面
114 第2表面
118 導電コンタクト
120 開口
122 第1表面
124 第2表面
128 輪郭
130 アクチュエータ
132 移動アーム
134 内側表面
136 導電スプリング(導電コンポーネント)
138 第1端部
140 第2端部
144 絶縁部材
146 アーム部分
148 リップ
200 スイッチ組立体
202 プリント回路基板(サブストレート)
206 スイッチ本体(絶縁本体)
208 保持アーム
212 第1表面
214 第2表面
218 導電コンタクト
234 内側表面
236 導電部材(導電コンポーネント)
248 リップ
272 開口
274 第1部分
276 第2部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個の第1導電コンタクトを有するサブストレートと、
該サブストレートに固定され、輪郭表面を有するスライド・プレートと、
少なくとも1個の導電コンポーネントが第1位置のときに、上記少なくとも1個の第1導電コンタクトに電気的に接触するように構成された上記少なくとも1個の導電コンポーネントと、
上記少なくとも1個の導電コンポーネントを保持するように構成された絶縁本体とを具え、
該絶縁本体は、上記スライド・プレートの上記輪郭表面に沿って移動可能であり、上記第1位置から第2位置に上記少なくとも1個の導電コンポーネントを移動するように構成され、上記第1導電コンポーネントが上記第2位置のときに、上記導電コンポーネントは、上記第1導電コンタクトから離れて配置されるスイッチ組立体。
【請求項2】
第1端部及び第2端部を有する少なくとも1個のスロットを含むプリント回路基板と、
上記少なくとも1個のスロットに設けられた第1導電コンタクトと、
上記少なくとも1個のスロット内に位置決めされ、上記少なくとも1個のスロット内で移動可能で、上記第1導電コンタクトと選択的に接触するように構成された少なくとも1個の導電部材を含む絶縁本体と
を具えたスイッチ組立体。
【請求項3】
電気装置を第1状態から第2状態に切り換える方法であって、
第1導電コンタクト上で、絶縁本体に保持された少なくとも1個のスプリングを圧縮して、上記電気装置を上記第1状態にし、
輪郭表面に沿って上記絶縁本体の部分をスライドして、上記少なくとも1個の導電スプリングを上記第1導電コンタクトから第2導電コンタクトに移動し、上記輪郭表面に沿った上記絶縁本体の部分をスライドにより上記少なくとも1個の導電スプリングが圧縮される量を減らし、
上記第2導電コンタクト上で上記少なくとも1個の導電スプリングを圧縮して上記電気装置を上記第2状態にする
電気装置の切り換え方法。
【請求項4】
電気装置を第1状態から第2状態に切り換える方法であって、
上記電気装置の導電部材を第1位置に移動するステップを具え、
上記導電部材は、プリント回路基板に形成されたスロット内に配置され、
上記第1位置の上記導電部材が上記スロットの第1端部に形成された第1導電コンタクトに電気的に結合して上記電気装置を上記第1状態にして、
上記第1導電コンタクトから離れた上記第1位置から第2位置に上記導電部材を移動させて上記電気装置を上記第2状態にするステップを更に具えた電気装置の切り換え方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−178330(P2012−178330A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184583(P2011−184583)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(509233459)フルークコーポレイション (9)
【氏名又は名称原語表記】Fluke Corporation
【住所又は居所原語表記】6920 Seaway Boulevard, Everett, Washington 98203 U.S.A.
【Fターム(参考)】