説明

スイッチ装置

【課題】レイアウト及びスイッチ機能の割り当ての自由度を向上させることができるとともに、操作性を向上させることができるスイッチ装置を提供することにある。
【解決手段】互いに隣接する第1スイッチノブ12及び第2スイッチノブ13の各々を互いに分離させたり、或いは互いに連結させたりすることが可能である。つまり、スイッチノブ11自体を物理的に分割もしくは一体化することが可能である。また、スイッチノブ11が分割された際、もしくは一体化された際のいずれの場合でも、第1スイッチ52が第1スイッチノブ12に対応するとともに第2スイッチ53が第2スイッチノブ13に対応する。このため、第1スイッチノブ12や第2スイッチノブ13を操作するだけで、対応する第1スイッチ52や第2スイッチ53がON作動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のスイッチノブの各々がスイッチに対応して配置され、これらスイッチノブが操作されることで対応するスイッチがON作動されるスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転席周辺、例えばステアリングホイール、インストルメントパネル、センターコンソール等には、カーステレオ、カーエアコン等に使用される多種のスイッチ装置が配置されている。スイッチ装置は一般的に1つのスイッチ装置に対して1つのスイッチ機能が割り当てられたものが多いため、近年、自動車の多機能化に伴いスイッチ装置の数が増加している。そこで、タッチパネル等を利用したスイッチ装置を利用することにより階層化されたメニューを切替えて、1つのスイッチ装置に対して複数のスイッチ機能を割り当てるようにしたスイッチ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうして、1つのスイッチ装置におけるスイッチ機能を増加させることで、運転席周辺に配置しなければならないスイッチ装置の数を減らして、同スイッチ装置の配置スペースの省スペース化が図られている。
【特許文献1】特開昭61−77545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のようにスイッチ機能を階層化することで1つのスイッチ装置に対して複数のスイッチ機能を割り当てる場合、多くのスイッチ機能の中から所望のスイッチ機能を呼び出すまでに複数回に亘るスイッチング操作が必要である。従って、一連のスイッチング操作が煩雑となり、操作性が良いものとは言えなかった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、レイアウト及びスイッチ機能の割り当ての自由度を向上させることができるとともに、操作性を向上させることができるスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のスイッチノブの各々がスイッチに対応して配置され、これらスイッチノブが操作されることで対応するスイッチがON作動されるスイッチ装置において、互いに隣接する複数のスイッチノブの各々を互いに分離可能且つ互いに連結可能に構成したことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチ装置において、互いに隣接する複数のスイッチノブの各々を互いに分離又は互いに連結させるアクチュエータを備えることを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のスイッチ装置において、スイッチがON作動されることで有効となるスイッチ機能を切替えるべく、該スイッチ装置を第1モードと第2モードとに切替えるために操作されるモード切替手段と、第1モード時には、互いに隣接する複数のスイッチノブの各々が互いに連結されるように前記アクチュエータを第1の態様で制御する一方、第2モード時には、互いに隣接する複数のスイッチノブの各々が互いに分離されるように前記アクチュエータを第2の態様で制御する制御手段とを備えることを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスイッチ装置において、前記制御手段は、第1の態様での前記アクチュエータの制御を開始してから、又は第2の態様での前記アクチュエータの制御を開始してから、予め設定された所定の時間が経過したとき、該制御を開始する前の態様で前記アクチュエータを制御することを要旨とする。
【0009】
(作用)
請求項1に記載の発明によると、互いに隣接する複数のスイッチノブの各々を互いに分離させたり、或いは互いに連結させたりすることが可能である。つまり、スイッチノブ自体を物理的に分割もしくは一体化することが可能である。また、スイッチノブが分割もしくは一体化された際にも、スイッチがスイッチノブの各々に対応する。このため、スイッチノブを操作するだけで、対応するスイッチがON作動する。即ち、スイッチノブの配置パターンが変化してもスイッチノブの操作は1回でよい。従って、レイアウト及びスイッチ機能の割り当ての自由度を向上させることができるとともに、操作性を向上させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によると、スイッチノブがアクチュエータにより分離又は連結されることで、スイッチノブの配置パターンが変更される。このため、容易にレイアウトを変更することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によると、第1モード時と第2モード時とでスイッチ機能の数を異ならせることが可能となる。このため、スイッチ機能の割り当ての自由度を一層向上させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明によると、スイッチノブは予め設定された所定の時間が経過すると、自動的に元の配置パターンに復帰する。このため、例えば、使用頻度の少ないスイッチ機能から使用頻度の多いスイッチ機能に自動的に切替えることが容易に可能となる。従って、利便性が一層向上する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、レイアウト及びスイッチ機能の割り当ての自由度を向上させることができるとともに、操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を自動車のスイッチ装置に具体化した一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1(a),(b)に示すように、スイッチ装置1は、スイッチノブ11、バイメタル21、ヒータ31、制御装置41、スイッチ51、切替スイッチノブ61、切替スイッチ65及び表示部71を備えている。
【0015】
スイッチノブ11は、運転席のインストルメントパネル(図示略)の表面に配置される。スイッチノブ11は、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とを備えている。第1スイッチノブ12において第2スイッチノブ13と対向する側面には、二つの凹部12aが形成されている。第2スイッチノブ13において第1スイッチノブ12と対向する側面には、前記凹部12aの各々に嵌合可能な凸部13aが(この場合2つ)形成されている。このため、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とは、凹部12aに凸部13aが嵌合されることにより互いに連結可能である。よって、スイッチノブ11は、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13との連結時において、図1(b)に矢印βで示す方向に第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが一体となって移動可能である(図1(c)参照)。一方、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とは、凹部12aに対する凸部13aの嵌合が解除されているとき、互いに分離可能である。よって、スイッチノブ11は、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13との分離時において、図2(b)に矢印βで示す方向に第1スイッチノブと第2スイッチノブ13とが互いに独立して移動可能である(図2(c)参照)。
【0016】
バイメタル21は、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とを互いに分離又は互いに連結させるものである。バイメタル21の一端は、第2スイッチノブ13の裏面に固着されている。一方、バイメタル21の他端は、ヒータ31に固着されている。ちなみに、バイメタル21は、熱膨張係数の異なる2種類の金属を一体に接合して板状に圧延したものである。バイメタル21は、熱が付与されたとき高膨張金属が膨張して長さが延び、低膨張金属はほとんど膨張しない。このため、バイメタル21に熱を付与することで、バイメタル21が第2スイッチノブ13を移動させるためのアクチュエータとして機能する。つまり、本実施形態のように第2スイッチノブ13を図1(a)に矢印αで示す方向に移動させる場合には、第2スイッチノブ13を移動させたい側(図1(a)において右側)に低膨張金属を配置する。
【0017】
バイメタル21は、制御手段としての制御装置(以下、「ECU41」)によりヒータ31がON制御されたとき、ヒータ31から熱が付与される。バイメタル21は、ヒータ31から熱が付与されたとき、湾曲することで第2スイッチノブ13を移動させる。つまり、このとき、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが互いに分離される(図2(a),(b)参照)。一方、バイメタル21は、ヒータ31から熱が付与されなくなったとき、元の直線形状に復元することで第2スイッチノブ13を図1(a)に矢印αで示す方向とは反対方向に移動させる。つまり、このとき、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが互いに連結される。
【0018】
スイッチ51は、第1スイッチ52と第2スイッチ53とを備えている。第1スイッチ52及び第2スイッチ53はそれぞれECU41に電気的に接続されている。第1スイッチ52は第1スイッチノブ12の裏側に、第2スイッチ53は第2スイッチノブ13の裏側に配設されている。第1スイッチ52は第1スイッチノブ12が操作されたときON作動する。また、第2スイッチ53は第2スイッチノブ13が操作されたときON作動する。
【0019】
切替スイッチノブ61は、スイッチノブ11の周辺に配設され、モード切替手段として機能する。また、切替スイッチノブ61の裏側には、切替スイッチ65が配設されている。
【0020】
切替スイッチ65は、ECU41と電気的に接続されており、切替スイッチノブ61が操作されたときON/OFF作動する。ECU41は切替スイッチ65がON作動されたとき、ヒータ31に対して通電信号を出力する一方、切替スイッチ65がOFF作動されたときヒータ31に対して通電停止信号を出力する。
【0021】
また、スイッチノブ11の近傍には、表示部71が同スイッチノブ11に対して平行に配設されている。表示部71は、スイッチノブ11のスイッチ機能を表示するためのものである。尚、かかる表示制御はECU41により行われる。
【0022】
図1(a)及び図3に示すように、表示部71にはエアコンのON/OFFを切替可能なとき「A/C」が表示される。一方、図2(a)及び図3に示すように、表示部71には、オーディオのボリュームを調整可能なとき「↑」及び「↓」が表示される。表示部71に「A/C」の表示があるときにスイッチノブ11が操作されると、エアコンがON又はOFFされる(第1モード)。表示部71に「↑」の表示があるときに第1スイッチノブ12が操作されると、ボリュームが上がる(第2モード)。表示部71に「↓」の表示のあるときに第2スイッチノブ13が操作されると、ボリュームが下がる(第2モード)。
【0023】
即ち、第1スイッチノブ12及び第2スイッチノブ13は、それぞれ2つのスイッチ機能の各々を有効化する際に用いられる。詳述すると、スイッチノブ11が連結しているとき(第1の態様のとき)、第1スイッチ52及び第2スイッチ53の少なくとも一方がON作動されると、エアコンのON/OFFが実行される。ECU41は、エアコンがOFFの状態のときに第1スイッチ52及び第2スイッチ53の少なくとも一方がON作動されると、同エアコンをONする。また、ECU41は、エアコンがONのときに第1スイッチ52及び第2スイッチ53の少なくとも一方がON作動されると、同エアコンをOFFする。スイッチノブ11が分離しているとき(第2の態様のとき)、第1スイッチ52がON作動されると、カーオーディオのボリュームアップが実行される。一方、スイッチノブ11が分離しているとき(第2の態様のとき)、第2スイッチ53がON作動されると、カーオーディオのボリュームダウンが実行される。
【0024】
(実施形態の作用)
次に、スイッチ装置1の作用について説明する。
(第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが連結している場合:「第1モード」)
まず、エアコンがOFFの状態となっており、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが連結した状態において、エアコンをONにしたいとき、例えば車両のユーザは、図1(b)に矢印βで示す方向にスイッチノブ11を押圧する。すると図1(c)に示すように、スイッチノブ11は第1スイッチ52及び第2スイッチ53を押圧する。このとき、スイッチノブ11は、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが連結しているため、スイッチノブ11のどの部位を押圧しても第1スイッチ52及び第2スイッチ53は同時にON作動される。この結果、スイッチ機能が有効となってエアコンがONされる。逆に、エアコンをONからOFFにしたい場合、上記と同様にスイッチノブ11を押圧操作すればよい。
【0025】
(第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが分離している場合:「第2モード」)
第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが連結した状態となっているときに、カーオーディオのボリュームを調整したい場合、ユーザは切替スイッチノブ61を押圧する。切替スイッチノブ61を押圧すると、切替スイッチ65がON作動する。この結果、ECU41は、ヒータ31に対して通電信号を出力する。こうすることにより、ヒータ31は、バイメタル21を加熱する。つまり、バイメタル21は、ヒータ31から熱が付与されることで図2(b)に示すように湾曲される。そして、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが分離する。
【0026】
この状態において、第1スイッチノブ12を押圧すると、第1スイッチ52のみがON作動する。この結果、図3に示す表のように、ボリュームがアップする。一方、図2(c)に示すように、第2スイッチノブ13を押圧すると、第2スイッチ53のみがON作動する。この結果、図3に示す表のように、ボリュームがダウンする。
【0027】
(第2モードから第1モードへ復帰させる場合)
第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが分離した状態となっているときに、エアコンのON/OFF操作をしたい場合、切替スイッチノブ61を押圧する。切替スイッチノブ61を押圧すると、切替スイッチ65がOFF作動される。この結果、ECU41は、ヒータ31に対して通電停止信号を出力する。こうすることにより、ヒータ31は、バイメタル21の加熱を停止する。つまり、バイメタル21は、ヒータ31から熱が付与されなくなることで図1(b)に示すように直線形状に復元される。そして、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが連結する(図1(a),(b)参照)。
【0028】
(実施形態の効果)
従って、上記スイッチ装置1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)互いに隣接する第1スイッチノブ12及び第2スイッチノブ13の各々を互いに分離させたり、或いは互いに連結させたりすることが可能である。つまり、スイッチノブ11自体を物理的に分割もしくは一体化することが可能である。また、スイッチノブ11が分割された際、もしくは一体化された際のいずれの場合でも、第1スイッチ52が第1スイッチノブ12に対応するとともに第2スイッチ53が第2スイッチノブ13に対応する。このため、第1スイッチノブ12や第2スイッチノブ13を操作するだけで、対応する第1スイッチ52や第2スイッチ53がON作動する。即ち、スイッチノブ11の配置パターンが変化してもスイッチノブ11の操作は1回でよい。従って、レイアウト及びスイッチ機能の割り当ての自由度を向上させることができるとともに、操作性を向上させることができる。
【0029】
(2)スイッチノブ11がバイメタル21の熱変形により分離又は連結されることで、スイッチノブ11の配置パターンが変更される。このため、容易にレイアウトを変更することができる。
【0030】
(3)第1モード時に第1スイッチノブ12もしくは第2スイッチノブ13を押圧すると、第1スイッチ52及び第2スイッチ53が操作され、エアコンのON又はOFFが有効となる。一方、第2モード時に第1スイッチノブ12を押圧すると、第1スイッチ52が操作され、カーステレオのボリュームアップが有効となる。加えて、第2モード時に第2スイッチノブ13を押圧すると、第2スイッチ53が操作され、カーステレオのボリュームダウンが有効となる。即ち、スイッチ機能の数を第1モードと第2モードとで異ならせることが可能となる。このため、スイッチ機能の割り当ての自由度を一層向上させることができる。
【0031】
(4)スイッチノブ11が物理的に分離又は連結するため、所望の第1スイッチノブ12又は第2スイッチノブ13を指の感触で探り、押圧操作することでスイッチ操作が有効となるため、操作性が一層向上する。
【0032】
(別例)
なお、上記実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
・図4(a)に示すように、バイメタル21の一端を第1スイッチノブ12の裏面に固着するとともに、バイメタル21の他端を第2スイッチノブ13の裏面に固着するようにしてもよい。この場合、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とを連結した状態で、バイメタル21は湾曲した形状となる。つまり、このとき、ECU41は、ヒータ31に対して通電信号を出力する。一方、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とを分離する場合、ECU41はヒータ31に対して通電停止信号を出力する。こうすることにより、図4(b)に示すように、バイメタル21は直線形状に復元され、それに伴い第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが分離する。
【0033】
・図5(a)に示すように、アクチュエータとしてソレノイド81を採用してもよい。即ち、ソレノイド81のプランジャ82の直線運動を利用して第2スイッチノブ13を移動させる(図5(b)参照)。このような構成にした場合、第2スイッチノブ13の押圧操作を許容するため、ソレノイド81のプランジャ82の先端にコイルばね83を装着する。このようにしても、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが分離もしくは連結した状態において、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0034】
・図6(a),(b)に示すように、第1スイッチノブ12を構成する各辺の各々の中央位置にバイメタル21をそれぞれ配設するとともに、第2スイッチノブ13を構成する各辺の各々の中央位置にバイメタル21をそれぞれ配設するようにしてもよい。このような構成にしたスイッチ装置2によると、第1スイッチノブ12及び第2スイッチノブ13の各々を所望の方向に移動させることができる。
【0035】
・前記スイッチ装置2を採用した場合、図7に示すように、互いに隣接する複数のスイッチノブ91の各々を組み合わせて、複数のスイッチノブ91からなるスイッチノブ群を構成することができる。例えば、縦方向に2つ横方向に2つずつ連結させて4つのスイッチノブ91からなるスイッチノブ群92を形成してもよい。また、横方向に3つ連結させてスイッチノブ群93を形成してもよい。また、縦方向に3つ連結させてスイッチノブ群94を形成させてもよい。また、縦方向に2つ横方向に3つ連結させてL字状のスイッチノブ群95を形成してもよい。また、縦方向に3つ連結させたスイッチノブ群を並列に2列連結させ、さらに1つのスイッチノブを連結させたスイッチノブ群96を形成してもよい。このように複数のバイメタル21を用いれば、機能の割り当ての自由度を一層向上させることができる。
【0036】
・ヒータ31によりバイメタル21を加熱する時間を予め設定し、その設定した時間が経過すると自動的にヒータ31によるバイメタル21の加熱を停止して、バイメタル21及びスイッチノブ11を元の配置パターンに復帰させてもよい。このような構成にした場合、例えば使用頻度の少ないスイッチ機能から使用頻度の多いスイッチ機能に自動的に切替えることが容易に可能となる。従って、利便性が一層向上する。
【0037】
・第1スイッチノブ12や第2スイッチノブ13を液晶パネル又はタッチパネルで構成して、それらをバイメタル21にて互いに分離又は連結させるようにしてもよい。このようにすれば、表示部71を省略することができる。
【0038】
・バイメタル21の代わりに電圧を印加することにより変形するバイモルフをアクチュエータとして採用してもよい。この場合、スイッチノブ11を分離させるときにバイモルフにHレベルの電圧を加えてバイモルフを変形させる一方、スイッチノブ11を復元するときは、バイモルフにLレベルの電圧を加えることによりバイモルフを徐々に元の状態に復元する。
【0039】
・第1スイッチノブ12と第1スイッチ52とを一体にするとともに、第2スイッチノブ13と第2スイッチ53とを一体にしたスイッチ装置を用いてもよい。こうすることにより、第1スイッチノブ12や第2スイッチノブ13の移動により第1スイッチ52や第2スイッチ53も一体に移動するため、常に第1スイッチノブ12や第2スイッチノブ13に対して第1スイッチ52や第2スイッチ53は対応する。このため、第1スイッチノブ12や第2スイッチノブ13の移動に対して第1スイッチ52や第2スイッチ53を移動するアクチュエータ等の設計を考慮する必要がない。
【0040】
・第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13との間に保護部材を配設してもよい。このような構成にした場合、第1スイッチノブ12と第2スイッチノブ13とが分離した際に生じる隙間を被覆することができ、ゴミやホコリ等が前記隙間を通じてスイッチ装置の内部に入り込むことが防止される。従って、スイッチ装置の耐久性を向上することができる。
【0041】
(付記)
次に、上記実施形態及び別例から把握できる請求項以外の技術的思想について追記する。
【0042】
(イ)請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のスイッチ装置において、互いに隣接する複数のスイッチノブの各々の間には、スイッチノブが分離した際に生じる隙間を被覆する保護部材が配設されていることを特徴とするスイッチ装置。このような構成にした場合、スイッチノブとスイッチノブとが分離した際に生じる隙間を被覆することができ、ゴミやホコリ等が前記隙間を通じてスイッチ装置の内部に入り込むことが防止される。従って、スイッチ装置の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(a)はスイッチノブが連結した状態を示すスイッチ装置の平面図、(b)は同じくスイッチ装置の正面図、(c)は同じくスイッチノブを操作した状態を示すスイッチ装置の正面図。
【図2】(a)はスイッチノブが分離した状態を示すスイッチ装置の平面図、(b)は同じくスイッチ装置の正面図、(c)は同じくスイッチノブを操作した状態を示すスイッチ装置の正面図。
【図3】スイッチ機能を示す表。
【図4】(a)は別例のスイッチ装置におけるスイッチノブが連結した状態を示す正面図、(b)は同じくスイッチノブが分離した状態を示す正面図。
【図5】(a)は別例のスイッチ装置におけるスイッチノブが連結した状態を示す正面図、(b)は同じくスイッチノブが分離した状態を示す正面図。
【図6】(a)は別例のスイッチ装置におけるスイッチノブが連結した状態を示す平面図、(b)は同スイッチ装置の斜視図。
【図7】別例のスイッチ装置の概略図。
【符号の説明】
【0044】
1,2…スイッチ装置、11,91…スイッチノブ、12…第1スイッチノブ、13…第2スイッチノブ、21…バイメタル(アクチュエータ)、31…ヒータ、41…ECU(制御手段)、51…スイッチ、52…第1スイッチ、53…第2スイッチ、61…切替スイッチノブ(モード切替手段)、65…切替スイッチ(モード切替手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチノブの各々がスイッチに対応して配置され、これらスイッチノブが操作されることで対応するスイッチがON作動されるスイッチ装置において、
互いに隣接する複数のスイッチノブの各々を互いに分離可能且つ互いに連結可能に構成したことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置において、
互いに隣接する複数のスイッチノブの各々を互いに分離又は互いに連結させるアクチュエータを備えることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のスイッチ装置において、
スイッチがON作動されることで有効となるスイッチ機能を切替えるべく、該スイッチ装置を第1モードと第2モードとに切替えるために操作されるモード切替手段と、
第1モード時には、互いに隣接する複数のスイッチノブの各々が互いに連結されるように前記アクチュエータを第1の態様で制御する一方、第2モード時には、互いに隣接する複数のスイッチノブの各々が互いに分離されるように前記アクチュエータを第2の態様で制御する制御手段とを備えることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチ装置において、
前記制御手段は、第1の態様での前記アクチュエータの制御を開始してから、又は第2の態様での前記アクチュエータの制御を開始してから、予め設定された所定の時間が経過したとき、該制御を開始する前の態様で前記アクチュエータを制御することを特徴とするスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−164734(P2006−164734A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−354240(P2004−354240)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】