説明

スイッチ装置

【課題】矩形の圧電膜を伸縮させると、矩形の対角線長が辺長よりも長くなるので、圧電アクチュエータの圧電膜の角に対応する部分が大きく曲がる現象が生じる。そのため、圧電アクチュエータの角部分が、圧電アクチュエータの可動接点よりも先に対向する部材に接触し、圧電アクチュエータの可動接点と固定接点との接続が安定しなかった。
【解決手段】固定接点および可動接点を電気的に接続するスイッチ装置であって、可動接点が設けられた可動端と、可動端より離れた位置に設けられた固定端を有し、可動接点を固定接点に対して接触または離間させる圧電アクチュエータとを備え、圧電アクチュエータの可動端側の幅は、固定端側の幅より小さいスイッチ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電膜を備えたスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電膜と、圧電膜に電圧を印加する電極とを備え、当該圧電膜に電圧が印加されると当該圧電膜が伸縮することに伴ってその大きさが変化する圧電アクチュエータが知られていた(例えば、特許文献1参照)。また、圧電アクチュエータの可動端に設けられた可動接点と、可動接点に対向して設けられた固定接点との接触/非接触を切り換えるスイッチ装置が知られている。
特許文献1 特開2001−191300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、圧電膜は、長手方向だけでなく短手方向にも収縮するので、圧電アクチュエータも長手方向および短手方向に曲がる現象が生じる。そのため、圧電アクチュエータの可動接点と固定接点が接触する前に、圧電アクチュエータの例えば角部分が対向する部材に接触する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、固定接点および可動接点を電気的に接続するスイッチ装置であって、可動接点が設けられた可動端と、可動端より離れた位置に設けられた固定端を有し、可動接点を固定接点に対して接触または離間させる圧電アクチュエータと、を備え、圧電アクチュエータの可動端側の幅は、固定端側の幅より小さいスイッチ装置を提供する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の実施形態に係るスイッチ装置100の構成例を示す。
【図2】第1の実施形態に係るスイッチ装置100の側面図を示す。
【図3】第1の実施形態の圧電アクチュエータ131の変形例を示す。
【図4】第2の実施形態に係るスイッチ装置200の構成例を示す。
【図5】第3の実施形態に係るスイッチ装置300の構成例を示す。
【図6】第1の実施形態に係るスイッチ装置100を用いた試験装置410の構成例を被試験デバイス400と共に示す。
【図7】第1の実施形態のスイッチ装置100を用いた伝送路切り替え装置500の構成例を示す。
【図8】第1の実施形態のスイッチ装置100を用いてループバック試験する試験装置の構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、本実施形態に係るスイッチ装置100の構成例を示す。図2は、本実施形態に係るスイッチ装置100の側面図を示す。スイッチ装置100は、固定接点112を有する基板110と、可動端132および固定端134を有する圧電アクチュエータ130と、台座部152と、蓋部154と、側面部156と、第1電源部180と、第2電源部190と、制御部192とを備える。スイッチ装置100は、圧電アクチュエータ130の圧電膜に電圧を印加して伸縮させることにより、圧電アクチュエータ130の可動端132を移動させ、固定接点112と可動接点136とを電気的に接続または分離する。
【0009】
基板110は、固定接点112が設けられる第1面と、第1面の反対側の第2面を有する。基板110は、ガラス基板等の絶縁体であってよく、これに代えてシリコン等の半導体基板等であってよい。基板110は、固定接点112と、第1配線114と、第2配線116と、第1グランド線路118と、第2グランド線路120と、裏面配線122と、ビア124と、制御配線126と、ビア128とを有する。
【0010】
固定接点112は、基板110に固定され、圧電アクチュエータ130の可動接点136と、接触または離間する。固定接点112は、第1の固定接点112aおよび第2の固定接点112bを含む。固定接点112は、突部のない平面状のパッドであってよい。固定接点112は、アルミニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、金、白金、ルテニウム、インジウム、イリジウム、オスミウム、モリブデン、および/またはニッケルを含んでよい。ここで、固定接点112は、これらの材料を含む2以上の材料の合金であってよい。
【0011】
本実施形態においては、スイッチ装置100は、2点の固定接点112aおよび112bを有する。これにより、スイッチ装置100は、可動接点136を介して固定接点112aと固定接点112bとの間の電気的導通または非導通を切り換える。
【0012】
これに代えて、スイッチ装置100は、1点の固定接点112を有してもよい。この場合、スイッチ装置100は、可動接点136から固定接点112への信号伝送をON/OFFし、ONの場合に外部から入力された信号を可動接点136及び固定接点112を介して外部へと伝送してよい。
【0013】
第1配線114は、第1の固定接点112aと電気的に接続され、第1の固定接点112aから第2の固定接点112bの反対方向へと延伸する。第1配線114は、第1の固定接点112aと一体的に形成されてよい。第2配線116は、第2の固定接点112bと電気的に接続され、第2の固定接点112bから第1の固定接点112aの反対方向へと延伸する。第2配線116は、第2の固定接点112bと一体的に形成されてよい。固定接点112aおよび112bと可動接点136とが接触すると、第1配線114、第1の固定接点112a、可動接点136、第2の固定接点112b、および第2配線116は、スイッチ装置100を通過する電気信号の伝送路を形成する。
【0014】
第1グランド線路118および第2グランド線路120は、第1配線114および第2配線116が形成された基板110に設けられ、基準電位に接続される。ここで基準電位は予め定められた電圧を供給する。本実施例において基準電位は、接地電位(0V)である。第1グランド線路118は、圧電アクチュエータ130側に位置する。第1グランド線路118および第2グランド線路120は、第1配線114、可動接点136、および第2配線116を含む電気信号の伝送路の両側において当該伝送路と並走し、当該伝送路とコプレナー伝送線路を形成する。従って、第1配線114、可動接点136、および第2配線116を含む伝送路は良好な高周波伝送特性を有する。
【0015】
ここで、第1グランド線路118および第2グランド線路120の間の間隔は、第1の固定接点112aおよび第2の固定接点112bの両側において、第1配線114および第2配線116の配線上の両側における第1グランド線路118と第2グランド線路120の間の間隔より小さい。即ち、第1配線114から第2配線116までの伝送路において、伝送路と第1グランド線路118および第2グランド線路120の距離は、伝送路の幅に応じて略一定に保たれる。従って、第1配線114から第2配線116までの伝送路は、コプレナー伝送線路を形成し、良好な高周波伝送特性を有する。
【0016】
裏面配線122は、基板110の第2面に設けられ、スイッチ装置100を通過させる電気信号を伝送する。裏面配線122は、ランド、コネクタ、および/またはアンテナ等を含み、外部からスイッチ装置100に通過させる信号を送受信してよい。
【0017】
ビア124は、基板110の第1面および第2面を貫通し、第1配線114および第2配線116と、裏面配線122とを電気的に接続する。ビア124は、導電性材料が充填されて、貫通孔が形成される基板110の上面と下面の密閉性を保つように形成されてよい。ビア124は、基板110に設けられる固定接点112の数に応じて複数設けられてよい。
【0018】
制御配線126は、基板110の第1面および第2面に複数設けられ、第1電源部180および第2電源部190から圧電アクチュエータ130に供給する電気信号をそれぞれ伝送する。制御配線126は、ランド、コネクタ、および/またはアンテナ等を含み、外部から圧電アクチュエータ130に供給する信号を送受信してよい。
【0019】
ビア128は、基板110の第1面および第2面を貫通し、基板110の第1面と第2面の制御配線126を電気的に接続する。ビア128は、導電性材料が充填されて、貫通孔が形成される基板110の上面と下面の密閉性を保つように形成されてよい。ビア128は、圧電アクチュエータ130に供給する電気信号の数に応じて、基板110に複数設けられてもよい。なお、制御配線126及びビア128は、蓋部154に形成されてもよい。
【0020】
圧電アクチュエータ130は、第1電源部180及び第2電源部190からの電圧印加に応じて湾曲し、可動端132を移動させる。これにより、圧電アクチュエータ130は、可動端132に設けられた可動接点136を、第1の固定接点112aおよび第2の固定接点112bに対して接触または離間させる。圧電アクチュエータ130は、可動端132と、固定端134と、可動接点136と、第1圧電膜138と、第2圧電膜140と、支持層142と、露出部143と、第1圧電膜138の電極層144および電極層146と、第2圧電膜140の電極層148および電極層150とを有する。圧電アクチュエータ130は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法を用いる半導体製造装置等によって成膜される。
【0021】
可動端132は、圧電アクチュエータ130の固定されない端部である。固定端134は、圧電アクチュエータ130の固定される端部であり、第1配線114、可動接点136、および第2配線116を含む伝送路に対して可動端132より離れた位置に設けられる。圧電アクチュエータ130の可動端132側の幅は、固定端134側の幅より小さい。従って、圧電アクチュエータ130が幅方向(図1のW方向)に反ったときに、圧電アクチュエータ130の可動端132側の角を基板110に接し難くする。また、圧電アクチュエータ130の可動端132の厚み方向(図1のH方向)における変形量を低減するので、固定接点112a及び112bと可動接点136との接触動作を安定化することができる。
【0022】
可動接点136は、可動端132に設けられ、可動端132の移動に従って、基板110の固定接点112に対して接触または離間する。可動接点136は、固定接点112と同様の金属を含んでよい。可動接点136は、突起を有する形状である。これに代えて、可動接点136を、突部のない平面として、固定接点112に面で接触させてもよい。
【0023】
可動接点136は、固定接点112の破壊または劣化を防ぐように、半球状の形状を有していてもよく、これに代えて先端を丸めた針状の形状を有していてもよい。一例として、可動接点136は、1点の固定接点112と接触して伝送線路を形成する場合に、伝送する信号の周波数に応じた伝送線路幅等を形成するように、予め定められた形状で設けられてよい。
【0024】
第1圧電膜138は、圧電アクチュエータ130の内層において、支持層142上に形成され、第1駆動電圧に応じて伸縮する。第1圧電膜138は、第1駆動電圧を印加された場合に、圧電アクチュエータ130の長さ方向および幅方向(W方向)に伸縮して、固定接点112と可動接点136との距離が変化する方向に圧電アクチュエータ130を湾曲させるように配される。
【0025】
第1圧電膜138は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜である。これに代えて、第1圧電膜138は、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)のウルツ鉱型の結晶、またはチタン酸バリウム(BTO)等のペロブスカイト系強誘電体等により形成された膜でもよい。
【0026】
第2圧電膜140は、支持層142を介して第1圧電膜138と対向して、支持層142を中心として第1圧電膜138と対称に設けられ、第2駆動電圧に応じて伸縮する。また、第2圧電膜140は、第2駆動電圧を印加された場合に、圧電アクチュエータ130の長さ方向(L方向)および幅方向(W方向)に伸縮して、固定接点112と可動接点136との距離が変化する方向に圧電アクチュエータ130を湾曲させるように配される。
【0027】
第2圧電膜140は、第1圧電膜138と同様の材料を用いて形成される。また、第2圧電膜140は、第1圧電膜138と略同一の材料で、かつ、第1圧電膜138と略同一の形状で形成されてよい。これにより、第1圧電膜138がそりを生じさせる応力と、第2圧電膜140がそりを抑える応力とを、略同一にさせることができる。
【0028】
圧電アクチュエータ130における第1圧電膜138および第2圧電膜140が設けられた領域の可動端132側の幅は、固定端134側の幅より小さい。このため、可動端132側の第1圧電膜138が幅方向に伸縮する長さは、固定端134側と比べて小さい。また、可動端132側の第2圧電膜140が幅方向に伸縮する長さは、固定端134側と比べて小さい。従って、圧電アクチュエータ130における第1圧電膜138および第2圧電膜140が設けられた領域の可動端132側の角部分が基板110に接し難くなる。また、可動端132近傍において、圧電アクチュエータ130が幅方向に大きく伸縮しないので、圧電アクチュエータ130の可動端132側の角が、基板110に接し難くなる。
【0029】
圧電アクチュエータ130における第1圧電膜138および第2圧電膜140が設けられた領域の可動端132側における端部は、第1グランド線路118の第2グランド線路120側の端部よりも第1の固定接点112aおよび第2の固定接点112bから離れた位置に設けられる。このため、第1配線114、可動接点136、および第2配線116により形成されるコプレナー伝送路は、圧電アクチュエータ130に供給される電気信号の影響を受けにくいので、良好な高周波伝送特性を有する。
【0030】
支持層142は、第1圧電膜138および第2圧電膜140の間に設けられる。支持層142は、力の印加によって変形する弾性を有し、第1圧電膜138および/または第2圧電膜140が伸縮して力を印加することによって、湾曲される。また、支持層142は、圧電アクチュエータ130が撓みすぎるのを抑制する剛性を有し、第1圧電膜138および第2圧電膜140の電界の印加が停止すると、圧電アクチュエータ130は初期位置に戻る。
【0031】
支持層142は、基板110の第1面と平行な面において、第1圧電膜138または第2圧電膜140と略同じ面積を有する。これに代えて、支持層142は、第1圧電膜138または第2圧電膜140よりも大きい面積を有してもよい。
【0032】
支持層142は、第1圧電膜138または第2圧電膜140が形成される場合に、当該圧電膜と共に焼成温度に加熱される。そこで支持層142は、第1圧電膜138および第2圧電膜140の焼成温度に加熱しても破壊されず、圧電膜の圧電定数等の膜特性を劣化させず、かつ周囲の部材と化学反応を生じ難い材質で形成されることが望ましい。また、支持層142を絶縁材料で形成すると、金属膜よりも安価なCVD等の製造方法により短時間で支持層142を形成することができる。
【0033】
支持層142は、例えば、酸化シリコン(SiO)または、窒化シリコン(SiN)を主成分とする材料で形成される。これに代えて、支持層142は、アルミニウム、金、白金等の導電体、ガラス等の絶縁体、またはシリコン等の半導体を用いてよい。
【0034】
露出部143は、圧電アクチュエータ130の可動端132において、第1圧電膜138および第2圧電膜140が設けられていない支持層142の部分である。可動接点136は、露出部143に設けられる。可動接点136は、露出部143により、電極層144、146、148および150から離間されるので、可動接点136と固定接点112aおよび112bにより形成される伝送路を流れる電気信号は、圧電アクチュエータ130に流れる電気信号の影響を受けにくい。また、露出部143のL方向の長さを大きくすることで、第1圧電膜138および第2圧電膜140が設けられた領域の可動端132側における端部を、第1グランド線路118よりも第1の固定接点112aおよび第2の固定接点112bからより離れた位置に設けることができる。
【0035】
電極層144および電極層146は、第1圧電膜138の上面および下面に設けられ、制御配線126を介して、第1圧電膜138に第1駆動電圧を印加する。ここで、第1駆動電圧は、正または負の一定電圧でよい。電極層144および電極層146は、圧電アクチュエータ130の長さ方向Lに延伸する平板形状を有してよい。電極層144は、電極層146と略同一の形状、および略同一の材質でよい。
【0036】
電極層148および電極層150は、第2圧電膜140の上面および下面に設けられ、制御配線126を介して、第2圧電膜140に第2駆動電圧を印加する。電極層148および電極層150は、圧電アクチュエータ130の長さ方向Lに延伸する平板形状を有してよい。電極層148は、電極層150と略同一の形状、および略同一の材質でよい。また、電極層150は、電極層144と略同一の形状および略同一の材質でよく、電極層148は、電極層146と略同一の形状および略同一の材質でよい。
【0037】
電極層144、146、148、および150は、例えば、アルミニウム、金、白金、銅、インジウム、タングステン、モリブデン、ルテニウム、イリジウム等の低抵抗で加工が容易な金属であってよく、ルテニウムオキサイド(RuO)、イリジウムオキサイド(IrO)等酸化物電極、セラミック電極、または、シリコン等の半導体を用いてもよい。
【0038】
電極層144、146、148、および150の材料としてシリコンを用いる場合には、不純物を高濃度にドープしたシリコンを用いることが好ましい。本実施形態の電極層144、146、148、および150は、厚さ方向Hの厚さが0.2μmの白金である。ここで、白金を成膜する場合、チタン、タンタル、クロム等を成膜してから白金を成膜してよい。
【0039】
台座部152は、半導体材料で形成され、圧電アクチュエータ130の固定端を蓋部154に固定する。これに代えて、台座部152は、圧電アクチュエータ130を基板110に固定してもよい。
【0040】
この場合、台座部152の厚みは、圧電アクチュエータ130の最大変位量と同等もしくはそれ以下であってよい。ここで、圧電アクチュエータ130の最大変位量とは、第1圧電膜138および/または第2圧電膜140に印加できる最大の駆動電圧を印加した場合における、圧電アクチュエータ130の変位量を意味する。台座部152は、シリコン基板の半導体材料をエッチングして形成される。
【0041】
蓋部154は、圧電アクチュエータ130を保護する。蓋部154は、基板110と同様の材料で形成される。側面部156は、蓋部154を圧電アクチュエータ130の上部に固定する。側面部156は、シリコン基板の半導体材料をエッチングして形成される。側面部156は、台座部152と同一のプロセスで形成されてもよい。
【0042】
第1電源部180は、第1駆動電圧を第1圧電膜138に供給し、第2電源部190は、第2駆動電圧を第2圧電膜140にそれぞれ供給する。制御部192は、スイッチ装置100のON/OFFを制御し、第1電源部180および第2電源部190に電気信号を供給する。
【0043】
制御部192は、固定接点112と可動接点136とを接触させてスイッチ装置100をON状態にする場合に、第2圧電膜140に第2駆動電圧を印加して第2圧電膜140を縮める。これに代えて、制御部192は、スイッチ装置100をON状態にする場合に、第1圧電膜138に第1駆動電圧を印加して第1圧電膜138を伸ばしてもよい。これに代えて、制御部192は、スイッチ装置100をON状態にする場合に、第2圧電膜140を縮めつつ、同時に第1圧電膜138を伸ばしてもよい。
【0044】
また、制御部192は、固定接点112と可動接点136とを離間させてスイッチ装置100をOFF状態にする場合に、第2圧電膜140への第2駆動電圧の供給を停止し、第1圧電膜138への第1駆動電圧の供給を停止する。これに代えて、制御部192は、スイッチ装置100をOFF状態にする場合に、第2圧電膜140に第2駆動電圧とは正負の異なる電圧を印加して、圧電アクチュエータ130の戻りを付勢してもよい。これに代えて、制御部192は、スイッチ装置100をOFF状態にする場合に、第1圧電膜138に第1駆動電圧とは正負の異なる電圧を印加して、圧電アクチュエータ130の戻りを付勢してもよい。これに代えて、制御部192は、スイッチ装置100をOFF状態にする場合に、第1圧電膜138に第1駆動電圧とは正負の異なる電圧を印加し、さらに第2圧電膜140に第2駆動電圧とは正負の異なる電圧を印加して、圧電アクチュエータ130の戻りを付勢してもよい。
【0045】
制御部192は、電子回路等のハードウェアであってよく、これに代えて、プログラム等により動作するソフトウェアを実行する制御プロセッサを含む制御システムにより実現されてもよい。
【0046】
以上説明したように、図1および図2に示したスイッチ装置100は、可動端132側の幅が固定端134側の幅より小さい圧電アクチュエータ130を有するので、可動端132側の角が基板110に接してしまうのを防ぎ、固定接点112と可動接点136とをより確実に接触させることができる。また、スイッチ装置100は、固定接点112及可動接点136が接触する場合にコプレナー伝送線路を形成するので、良好な高周波伝送特性を有する。
【0047】
図3は、第1の実施形態の変形例における圧電アクチュエータ131を示す。本変形例の圧電アクチュエータ131は、第1の実施形態の圧電アクチュエータ130に加えて、第1保護膜170および第2保護膜172を有する。本変形例において、第1の実施形態と略同一の構成を採る部分については、説明を省略する。
【0048】
第1保護膜170は、絶縁材料で形成され、第1圧電膜138における支持層142とは反対側から第1圧電膜138の少なくとも一部を覆い、かつ、第1圧電膜138の端部の少なくとも一部において支持層142と接する。第1保護膜170および支持層142は、第1圧電膜138、電極層144および電極層146が露出しないように各層を覆うように形成されてよい。一例として、第1保護膜170および支持層142は、各層を覆う。ここで、第1保護膜170および支持層142は、電極層144および電極層146がそれぞれ制御配線126と接続される接続部を露出させて形成されてよい。
【0049】
第2保護膜172は、絶縁材料で形成され、第2圧電膜140における支持層142とは反対側から第2圧電膜140の少なくとも一部を覆い、かつ、第2圧電膜140の端部の少なくとも一部において支持層142と接する。第2保護膜172および支持層142は、第2圧電膜140、電極層148および電極層150が露出しないように各層を覆うように形成されてよい。一例として、第2保護膜172および支持層142は、各層を覆う。ここで、第2保護膜172および支持層142は、電極層148および電極層150がそれぞれ制御配線126と接続される接続部を露出させて形成されてよい。
【0050】
第1保護膜170および第2保護膜172は、支持層142と略同一の絶縁材料で形成されてよい。例えば、第1保護膜170および第2保護膜172は、酸化シリコン(SiO)または窒化シリコン(SiN)で形成されてよい。この場合、第1保護膜170および第2保護膜172は、支持層142と同様に、弾性および剛性を有し、支持層142と密着性よく、強く結合して形成される。
【0051】
このように、略同一の弾性および剛性を有する第1保護膜170、第2保護膜172、および支持層142は、第1圧電膜138、第2圧電膜140、電極層144、146、148、および150を包み込むので、圧電アクチュエータ131を製造する過程または圧電アクチュエータ131を湾曲させる場合において、各層の割れ、欠け、またはヒビ等の物理的な破壊を防ぐことができる。また、第1保護膜170および第2保護膜172は、剛性を有するので、圧電アクチュエータ131の剛性を高めることができる。これによって、圧電アクチュエータ131は、接点同士の凝着を防ぐことができる。
【0052】
また、第1保護膜170および第2保護膜172は、支持層142と略同一の材料で形成されるので、支持層142と略同一の剛性および弾性を持つことができる。したがって、第1保護膜170および第2保護膜172は、圧電アクチュエータ131が変位した場合に、圧電アクチュエータ131内部の剛性および弾性の不一致に起因する応力の発生を抑えることができる。また、複数の膜が積層されたことによって生じる圧電アクチュエータ131がそる方向に働く残留応力および熱応力等と、そりを抑える方向に働く残留応力および熱応力等とを、略同一にさせて打ち消し合わせることにより圧電アクチュエータ131のそりを抑えることができる。
【0053】
また、第1保護膜170、第2保護膜172、および支持層142は、第2圧電膜140、電極層144、146、148、および150を外部へ露出させないので、これらの層を酸化等から防ぐこともできる。
【0054】
以上説明したように、図3に示した圧電アクチュエータ131は、第1保護膜170および第2保護膜172を有するので、保護層を有さない場合と比べて物理的強度、耐食性および剛性が向上する。
【0055】
図4は、第2の実施形態に係るスイッチ装置200の構成例を示す。スイッチ装置200の説明において、第1の実施形態と略同一の部材には同一の符号を付して、説明を省略する。スイッチ装置200は、第1の実施形態における圧電アクチュエータ130とは異なる形状の圧電アクチュエータ230を有する。
【0056】
圧電アクチュエータ230は、固定端134側から可動端232側へ近づくにつれて、幅(W方向の長さ)が漸減する形状を有する。これにより、第1の実施形態における可動端132と比較して、可動端232の先端部分の幅が小さくなる。これにより、圧電アクチュエータ230が幅方向に反ったときに、圧電アクチュエータ230の可動端232の先端の角が基板110に更に接し難くなる。
【0057】
図4においては、圧電アクチュエータ230は、固定端134側から可動端232側に近づく途中から幅が漸減するので、矩形と台形が結合した形状を有する。これに代えて、圧電アクチュエータ230は、固定端134から可動端232側に近づくについて一様に幅が漸減した形状であってよい。例えば、圧電アクチュエータ230は略台形または略三角形であってよい。
【0058】
図5は、第3の実施形態に係るスイッチ装置300の構成例を示す。スイッチ装置300の説明において、第1の実施形態と略同一の部材には同一の符号を付して、説明を省略する。スイッチ装置300は、第1の実施形態における圧電アクチュエータ130とは異なる形状の圧電アクチュエータ330を有する。
【0059】
圧電アクチュエータ330は、圧電膜が設けられた領域の可動端側の幅は、固定端側の幅より小さく、可動端332の可動接点136が設けられた先端の幅(W方向の長さ)が、可動端332の先端以外の部分の幅よりも大きい形状を有する。これにより、可動接点136の面積を大きくすることができるので、可動接点136と固定接点112をより確実に接触させることができる。
【0060】
図6は、本実施形態に係るスイッチ装置100を用いた試験装置410の構成例を被試験デバイス400と共に示す。試験装置410は、アナログ回路、デジタル回路、アナログ/デジタル混載回路、メモリ、およびシステム・オン・チップ(SOC)等の少なくとも1つの被試験デバイス400を試験する。試験装置410は、被試験デバイス400を試験するための試験パターンに基づく試験信号を被試験デバイス400に入力して、試験信号に応じて被試験デバイス400が出力する出力信号に基づいて被試験デバイス400の良否を判定する。
【0061】
試験装置410は、試験部420と、信号入出力部430と、制御部440とを備える。試験部420は、被試験デバイス400との間で電気信号を授受して被試験デバイス400を試験する。試験部420は、試験信号発生部423と、期待値比較部426とを有する。
【0062】
試験信号発生部423は、信号入出力部430を介して1または複数の被試験デバイス400に接続されて、被試験デバイス400へ供給する複数の試験信号を発生する。試験信号発生部423は、試験信号に応じて被試験デバイス400が出力する応答信号の期待値を生成してよい。
【0063】
期待値比較部426は、信号入出力部430から受信した被試験デバイス400の応答信号に含まれるデータ値と試験信号発生部423が生成する期待値とを比較する。期待値比較部426は、比較結果に基づき、被試験デバイス400の良否を判定する。
【0064】
信号入出力部430は、試験すべき被試験デバイス400と試験部420との間を電気的に接続して、試験信号発生部423が発生した試験信号を当該被試験デバイス400に送信する。また、信号入出力部430は、試験信号に応じて当該被試験デバイス400が出力する応答信号を受信する。信号入出力部430は、受信した被試験デバイス400の応答信号を期待値比較部426へと送信する。信号入出力部430は、複数の被試験デバイス400を搭載するパフォーマンスボードであってよい。信号入出力部430は、スイッチ装置100を有する。
【0065】
スイッチ装置100は、試験部420および被試験デバイス400の間に設けられ、試験部420および被試験デバイス400の間を電気的に接続または切断する。試験装置410は、本実施形態に係るスイッチ装置100によって電気的な接続または切断を実行してよい。
【0066】
本例において、信号入出力部430は1つの被試験デバイス400に接続され、スイッチ装置100は、1つの被試験デバイス400の入力信号ラインおよび出力信号ラインにそれぞれ1つ設けられる例を説明した。これに代えて信号入出力部430は、複数の被試験デバイス400に接続され、スイッチ装置100は、複数の被試験デバイス400の入力信号ラインおよび出力信号ラインのそれぞれに1つ設けられてよい。また、信号入出力部430から1つの被試験デバイス400へ接続される信号入出力ラインが1つの場合、1つの入出力ラインに1つのスイッチ装置100が設けられてよい。
【0067】
制御部440は、試験装置410の試験を実行すべく、試験部420および信号入出力部430に制御信号を送信する。制御部440は、試験プログラムに応じて、試験部420に、試験信号の発生または応答信号と期待値との比較等を実行させる制御信号を送信する。また、制御部440は、試験プログラムに応じて、接続すべき信号入出力ラインに設けられたスイッチ装置100の接続の指示、および切断すべき信号入出力ラインに設けられたスイッチ装置100の切断の指示等を、信号入出力部430に送信する。制御部440は、図2における第1電源部180、第2電源部190、および制御部192を含んでもよい。
【0068】
以上の本実施形態に係る試験装置410は、安定した接触動作を行い、良好な高周波伝送特性を有する圧電アクチュエータ130を備えたスイッチ装置100を用いて試験を実行することができる。また、試験装置410は、電圧制御による低消費電力のスイッチング制御で、かつ、長寿命化させたスイッチ装置100を用いて試験を実行することができる。また、試験装置410は、接点間の凝着を低減させたスイッチ装置100を用いて試験を実行することができる。
【0069】
図7は、本実施形態に係る伝送路切り替え装置500の構成例を示す。伝送路切り替え装置500は、入力端と複数の出力端のそれぞれの間に各々接続された複数のスイッチ装置100を備える。本実施例の伝送路切り替え装置500は、入力端Aと出力端BおよびCのそれぞれの間に各々接続された複数のスイッチ装置100aおよびスイッチ装置100bを備える。
【0070】
伝送路切り替え装置500は、スイッチ装置100aをON状態にし、かつ、スイッチ装置100bをOFF状態にすることで、入力端Aと出力端Bとを電気的に接続し、かつ、入力端Aと出力端Cとを電気的に切断する。また、伝送路切り替え装置500は、スイッチ装置100aをOFF状態にし、かつ、スイッチ装置100bをON状態にすることで、入力端Aと出力端Bおよび出力端Cとを電気的に切断し、かつ、出力端Bと出力端Cとを電気的に接続する。
【0071】
このように、伝送路切り替え装置500は、複数のスイッチ装置をそれぞれON/OFFすることで、入力端と複数の出力端との伝送路を切り換える。伝送路切り替え装置500は、複数のスイッチ装置が1つのパッケージ等に密封されて収容された装置であってよい。
【0072】
図8は、本実施形態に係るループバック試験する試験装置の構成例を被試験デバイス400と共に示す。本実施形態のループバック試験する試験装置は、図6で説明した試験装置410と、図7で説明した伝送路切り替え装置500の組み合わせで構成される。そこで、図6、7に示された本実施形態に係る試験装置410および伝送路切り替え装置500の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
【0073】
本試験装置は、試験装置410からの試験信号を被試験デバイス400に供給する場合に、伝送路切り替え装置500のスイッチ装置100aをON状態にし、かつ、スイッチ装置100bをOFF状態にする。また、本試験装置は、被試験デバイス400から出力される信号を当該被試験デバイス400にループバックする場合に、伝送路切り替え装置500のスイッチ装置100aをOFF状態にし、かつ、スイッチ装置100bをON状態にする。
【0074】
これによって、本試験装置は、試験装置410から被試験デバイス400を試験するための試験信号を被試験デバイス400に入力させる伝送路と、被試験デバイス400からの信号をループバックさせて当該被試験デバイス400に入力させる伝送路とを切り換えることができる。本実施形態に係るループバック試験する試験装置は、1つの伝送路切り替え装置500を備える例を説明したが、これに代えて、2以上の伝送路切り替え装置500を備え、試験装置410と被試験デバイス400との複数の伝送路を切り換えることによって、試験信号による被試験デバイス400の試験とループバック試験とを切り換えてよい。
【0075】
以上の本実施形態に係るループバック試験する試験装置によれば、安定した接触動作を行い、良好な高周波伝送特性を有する圧電アクチュエータ130を備えたスイッチ装置100を用いて試験信号による試験とループバック試験とを切り換えることができる。また、本試験装置は、電圧制御による低消費電力のスイッチング制御で、かつ、長寿命化させたスイッチ装置100を用いて2つの試験を切り換えることができる。また、本試験装置は、接点間の凝着を低減させたスイッチ装置100を用いて2つの試験を切り換えることができる。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0077】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0078】
100 スイッチ装置、100a スイッチ装置、100b スイッチ装置、110 基板、112 固定接点、112a 第1の固定接点112b 第2の固定接点、114 第1配線、116 第2配線、118 第1グランド線路、120 第2グランド線路、122 裏面配線、124 ビア、126 制御配線、128 ビア、130 圧電アクチュエータ、131 圧電アクチュエータ、132 可動端、134 固定端、136 可動接点、138 第1圧電膜、140 第2圧電膜、142 支持層、143 露出部、144 電極層、146 電極層、148 電極層、150 電極層、152 台座部、154 蓋部、156 側面部、170 第1保護膜、172 第2保護膜、180 第1電源部、190 第2電源部、192 制御部、200 スイッチ装置、230 圧電アクチュエータ、232 可動端、300 スイッチ装置、330 圧電アクチュエータ、332 可動端、400 被試験デバイス、410 試験装置、420 試験部、423 試験信号発生部、426 期待値比較部、430 信号入出力部、440 制御部、500 伝送路切り替え装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定接点および可動接点を電気的に接続するスイッチ装置であって、
前記可動接点が設けられた可動端と、前記可動端より離れた位置に設けられた固定端を有し、前記可動接点を前記固定接点に対して接触または離間させる圧電アクチュエータと、
を備え、
前記圧電アクチュエータの前記可動端側の幅は、前記固定端側の幅より小さいスイッチ装置。
【請求項2】
第1の前記固定接点と、
第2の前記固定接点と、
前記第1の固定接点から前記第2の固定接点の反対方向へと延伸する第1配線と、
前記第2の固定接点から前記第1の固定接点の反対方向へと延伸する第2配線と、
を備え、
前記圧電アクチュエータは、前記第1配線、前記可動接点、および前記第2配線を含む伝送路に対して前記可動端より離れた位置に設けられた前記固定端を有し、前記可動接点を前記第1の固定接点および前記第2の固定接点に対して接触または離間させる
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記圧電アクチュエータは、内層に圧電膜を有し、
前記圧電アクチュエータにおける前記圧電膜が設けられた領域の前記可動端側の幅は、前記固定端側の幅より小さい
請求項1または2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記圧電アクチュエータは、前記固定端側から前記可動端側へ近づくにつれて、幅が漸減する請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記第1配線および前記第2配線が形成された基板に設けられ、前記第1配線、前記可動接点、および前記第2配線を含む電気信号の伝送路の両側において当該伝送路と並走する第1グランド線路および第2グランド線路を更に備え、
前記圧電アクチュエータは、内層に圧電膜を有し、
前記圧電アクチュエータにおける前記圧電膜が設けられた領域の前記可動端側における端部は、前記圧電アクチュエータ側に位置する前記第1グランド線路よりも前記第1の固定接点および前記第2の固定接点から離れた位置に設けられる
請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記第1の固定接点および前記第2の固定接点の両側において、前記第1グランド線路および前記第2グランド線路の間の間隔は、前記第1配線および第2配線の配線上の両側における前記第1グランド線路と前記第2グランド線路の間の間隔より小さい
請求項5に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記圧電アクチュエータは、
絶縁材料で形成された支持層と、
第1圧電膜と、
前記支持層を介して前記第1圧電膜と対向して、前記支持層を中心として前記第1圧電膜と対称に設けられた第2圧電膜と、
を有する請求項1から6のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記圧電アクチュエータは、
絶縁材料で形成され、前記第1圧電膜における前記支持層とは反対側から前記第1圧電膜の少なくとも一部を覆い、かつ、前記第1圧電膜の端部の少なくとも一部において前記支持層と接する第1保護膜と、
絶縁材料で形成され、前記第2圧電膜における前記支持層とは反対側から前記第2圧電膜の少なくとも一部を覆い、かつ、前記第2圧電膜の端部の少なくとも一部において前記支持層と接する第2保護膜と、
を更に有する請求項7に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
前記第1圧電膜および前記第2圧電膜は、PZT膜である請求項7または8に記載のスイッチ装置。
【請求項10】
前記支持層は、SiOまたはSiNを主成分とする請求項7から9のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【請求項11】
入力端と複数の出力端のそれぞれの間に各々接続された複数の請求項1から10のいずれか1項に記載のスイッチ装置を備える伝送路切り替え装置。
【請求項12】
被試験デバイスをループバック試験する試験装置であって、
前記被試験デバイスとの間で電気信号を授受して前記被試験デバイスを試験する試験部と、
前記試験部および前記被試験デバイスの間に設けられ、前記試験部からの信号を前記被試験デバイスに供給するか、前記被試験デバイスからの信号を前記被試験デバイスにループバックさせるかを切り換える請求項11に記載の伝送路切り替え装置と、
を備える試験装置。
【請求項13】
被試験デバイスを試験する試験装置であって、
前記被試験デバイスとの間で電気信号を授受して前記被試験デバイスを試験する試験部と、
前記試験部および前記被試験デバイスの間に設けられ、前記試験部および前記被試験デバイスの間を電気的に接続または切断する請求項1から10のいずれか1項に記載のスイッチ装置と、
を備える試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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