説明

スケートボード

【課題】長時間、長距離で使用しても足や腰への負担を少なくすることができるスケートボードを提供する。
【解決手段】スケートボード1は、長尺状のボード本体2と、ボード本体2の長手方向の一端側に取付けられた第一車輪3と、ボード本体2の長手方向の他端側にボード本体2の上面と平行な面内で揺動可能に取付けられ、第二車輪5が取付けられるとともに使用者Aの一方の片足Bが載せられる第一ステップ4と、ボード本体2にこのボード本体2の長手方向に沿って往復スライド可能に取付けられ、使用者Aの他方の片足Cが載せられる第二ステップ6と、第二ステップ6と第一車輪3との間に設けられ、第二ステップ6のスライド動作に伴って第一車輪3を回転駆動させる駆動機構7と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケートボードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に記載されたようなスケートボードが知られている。このようなスケートボードは、傾斜地を滑り下りる場合や平坦地で走行を開始した後は、両足をボード本体に載せた状態で走行することが可能である。しかし、平坦地で走行を継続する場合や、傾斜地を上る場合には、一方の片足をボード本体に載せて他方の片足で路面をキックしなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−81757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
片足で路面をキックしながらスケートボードを走行させる場合には、キックする足や腰への負担が大きく、長時間、長距離の使用には向かない。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、長時間、長距離で使用しても足や腰への負担を少なくして安定走行することができるスケートボードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態によれば、スケートボードにおいて、長尺状のボード本体と、前記ボード本体の長手方向の一端側に取付けられた第一車輪と、前記ボード本体の長手方向の他端側に前記ボード本体の上面と平行な面内で揺動可能に取付けられ、第二車輪が取付けられるとともに使用者の一方の片足が載せられる第一ステップと、前記ボード本体にこのボード本体の長手方向に沿って往復スライド可能に取付けられ、使用者の他方の片足が載せられる第二ステップと、前記第二ステップと前記第一車輪との間に設けられ、前記第二ステップの往復スライド動作に伴って前記第一の車輪を回転駆動させる駆動機構と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一方の片足を第一ステップに載せるとともに他方の片足を第二ステップに載せ、第二ステップをボード本体の長手方向に沿って往復スライドさせることにより駆動機構を介して第一車輪を回転駆動させ、スケートボードを走行させることができる。したがって、スケートボードを走行させる場合に片足で路面をキックする必要がなく、スケートボードを走行させる場合における足や腰への負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態のスケートボードを示す斜視図である。
【図2】スケートボードを裏側から見た斜視図である。
【図3】第二ステップが第一ステップ側に位置する場合のスケートボードを示す平面図である。
【図4】その側面図である。
【図5】第二ステップが第一車輪側に位置する場合のスケートボードを示す平面図である。
【図6】その側面図である。
【図7】ボード本体への第二ステップの取付状態を示す斜視図である。
【図8】ブレーキ装置を示す側面図である。
【図9】ブレーキ装置の操作部の保持状態を示す正面図である。
【図10】取っ手を把持してスケートボードを持ち運ぶ状態を示す側面図である。
【図11】第一ステップの揺動を規制してスケートボードを自立させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
スケートボード1は、図1及び図2に示すように、長尺状に形成されたボード本体2と、ボード本体2の長手方向の一端側に取付けられた一つの第一車輪3と、ボード本体2の長手方向の他端側に取付けられた第一ステップ4と、第一ステップ4に取付けられた一対の第二車輪5と、ボード本体2にこのボード本体2の長手方向に沿って往復スライド可能に取付けられた第二ステップ6と、第二ステップ6の往復スライド動作に伴って第一車輪3を一方向(スケートボード1が進行する方向)に向けて回転駆動させる駆動機構7と、スケートボード1の走行を減速・停止させるブレーキ装置8とを備えている。
【0010】
長尺状に形成されたボード本体2には、その長手方向に沿った両側に位置してガイドレール9が固定されている。これらのガイドレール9は第二ステップ6を往復スライド可能にガイドする部材であり、断面形状がコの字形状に形成され、コの字形状の解放側を外側に向けてボード本体2に固定されている。
【0011】
ボード本体2の長手方向の一端側の下面には、一対の第一保持部材10がボード本体2の長手方向と直交する向きに配置されて固定されている。これらの第一保持部材10には、第一車輪3に固定された車軸3aが軸受3bを介して回転可能に保持されている。
【0012】
ボード本体2の長手方向の他端側に取付けられた第一ステップ4は、ボード本体2の上面側に配置され、第一ステップ4とボード本体2とを貫通する支軸11によりこの支軸11を支点としてボード本体2の上面と平行な面内で揺動可能とされている。第一ステップ4の下面側には一対の支持脚12が固定され、各支持脚12の下端側には回転可能に第二車輪5が取付けられている。これらの第二車輪5と第一車輪3とが路面に接地して回転することにより、スケートボード1が走行する。
【0013】
ボード本体2の上面側には取付部13(図11参照)が設けられ、この取付部13には第一ステップ4の揺動範囲を規制するストッパ14が着脱可能に取付けられている。ストッパ14が取付部13に取付けられている場合に、第一ステップ4を支軸11を支点として揺動させると、図3において二点鎖線D,Eで示す位置に揺動した第一ステップ4の前方側の一辺がストッパ14に当接し、第一ステップ4の揺動範囲が規制される。取付部13としては、丸穴やネジ穴を用いることができ、ストッパ14としては、取付部である丸穴に挿入可能な丸棒部の一端に丸穴より大径の頭部を形成したものや、取付部であるネジ穴に螺合されるネジ棒部の一端に頭部を形成したものを用いることができる。
【0014】
また、スケートボード1には、第一ステップ4の揺動範囲を規制する取付位置である取付部13から取外したストッパ14を第一ステップ4とボード本体2とに亘って取付けることにより、第一ステップ4の揺動を停止させる揺動停止部が設けられている。この揺動停止部は、第一ステップ4に形成されてストッパ14の丸棒部やネジ棒部が挿入される貫通穴15と、ボード本体2に形成されて貫通穴15に挿入された丸棒部やネジ棒部の先端が係合される係合穴(図示せず)とにより形成されている。
【0015】
なお、第一ステップ4は、スケートボード1を使用する使用者Aがスケートボード1を走行させる場合に使用者Aの一方の片足Bを載せる部分であり、第一ステップ4の上面側の端部には第一ステップ4に載せた一方の片足Bが使用者Aの体軸に対して外側方向に滑り落ちることを阻止する第一フック16が固定されている。
【0016】
ボード本体2にこのボード本体2の長手方向に沿って往復スライド可能に取付けられた第二ステップ6は、使用者Aがスケートボード1を走行させる場合に使用者Aの他方の片足Cを載せる部分であり、第二ステップ6の上面側の端部には第二ステップ6に載せた他方の片足Cが使用者Aの体軸に対して外側方向に滑り落ちることを阻止とする第二フック17が固定されている。
【0017】
第二ステップ6の下面側には、一対のローラ保持部18が固定されている。これらのローラ保持部18には、図7に示すように、第二ステップ6を水平向きに位置させた場合に水平方向の軸心回りに回転可能な複数のローラ19と、第二ステップ6を水平向きに位置させた場合に垂直方向の軸心回りに回転可能な複数のローラ20とが取付けられている。そして、これらのローラ19,20がボード本体2に固定されたガイドレール9の内側面に当接されて回転することにより、ガイドレール9により案内された第二ステップ6がボード本体2の長手方向に沿って往復スライドする。
【0018】
さらに、第二ステップ6の下面側には、第二ステップ6のスライド方向と直交する方向で対向するとともにローラ保持部18の外側に位置する一対の支持脚21が固定され、各支持脚21の下端側には補助輪22が取付けられている。これらの補助輪22は、第一車輪3と第二車輪5とが接地してボード本体2が路面に対して平行に位置する場合には路面から離反し、スケートボード1が走行方向に対して左右方向に傾いた場合に傾き方向下側となった補助輪22が路面に接地するように取付けられている。
【0019】
ボード本体2の上面の長手方向の両端には、第二ステップ6のスライド範囲を規制するストッパ6a,6bが取付けられている。ボード本体2の長手方向に沿ってスライドした第二ステップ6は、ストッパ6aに当接することにより第一車輪3側へのスライド動作が規制され、ストッパ6bに当接することにより第一ステップ4側へのスライド動作が規制される。
【0020】
駆動機構7は、第二ステップ6の往復スライド動作に伴って第一車輪3を一方向(スケートボード1が進行する方向)に向けて回転駆動させる機構である。この駆動機構7は、第一車輪3の車軸3aに一方向クラッチ23を介して取付けられた第一スプロケット24と、ボード本体2の他端側の下面に固定された保持部25と、保持部25に回転可能に保持された第二スプロケット26と、第一スプロケット24と第二スプロケット26との間に架け渡されるとともに一部が第二ステップ6に固定された動力伝達用無端帯であるチェーン27とを備えている。第二ステップ6の下面側には一対のローラ保持部18を連結する連結片28が設けられ、この連結片28には挿通穴28aが形成されている。この挿通穴28aにチェーン27が挿通され、チェーン27における挿通穴28aに挿通された部分が連結片28に固定されている。なお、動力伝達用無端帯としては、チェーン27に代えてタイミングベルトを用いてもよい。
【0021】
チェーン27が連結片28に固定されることによりチェーン27と第二ステップ6とが固定され、第二ステップ6の往復スライド動作と共にチェーン27が往復移動する。チェーン27が往復移動することにより、第一スプロケット24と第二スプロケット26とが回転する。なお、第一スプロケット24と車軸3aとの間に介装されている一方向クラッチ23は、第二ステップ6が第一ステップ4側から第一車輪3側へスライドする場合における第一スプロケット24の回転を車軸3aに伝達し、第二ステップ6が第一車輪3側から第一ステップ4側へスライドする場合における第一スプロケット24の回転を車軸3aに伝達しないように構成されている。また、第二ステップ6とチェーン27との固定は、第二ステップ6が第一ステップ4側から第一車輪3側へスライドする場合のスライド方向と、スケートボード1の進行方向とが同じ向きとなるように行われている。
【0022】
ブレーキ装置8は、第一車輪3の回転を規制することによりスケートボード1の走行を減速・停止させる装置である。このブレーキ装置8は、使用者Aが把持する操作部29と、第一車輪3の外周面に当接して第一車輪3の回転を制動する制動位置(図8において二点鎖線出示す位置)と第一車輪3の外周面から離反して第一車輪3の回転の制動を解除する制動解除位置(図8において実線で示す位置)とに支軸30aを支点として回動可能にボード本体2に取付られた制動体30と、制動体30を制動解除位置に位置するように付勢する付勢体であるスプリング31と、一端が操作部29に連結されるとともに他端が制動体30に連結されて操作部29を制動操作することにより制動体30を制動位置に移動させるブレーキワイヤ32とを備えている。ブレーキワイヤ32は、アウタワイヤ32aとインナワイヤ32bとからなる周知の構成である。
【0023】
ブレーキ装置8の操作部29は、ハンドル部29aとレバー29bとからなる。レバー29bをハンドル部29a側へ握ることにより、インナワイヤ32bが引っ張られて制動体30が制動解除位置から制動位置に回動し、第一車輪3の回転が制動され、スケートボード1の走行が減速・停止される。ボード本体2の長手方向に沿った両側に固定されている一対のガイドレール9はボード本体2の下面より下側へ延出しており、これらのガイドレール9の間に、レバー29bをハンドル部29a側へ握って制動状態とした操作部29を図9に示すように保持することができる。これにより、一対のガイドレール9は、操作部29を制動操作した状態で保持する保持部として機能する。
【0024】
ボード本体2における第一車輪3が設けられている一端側には、第一車輪3を路面から離反させて第二車輪5を路面に接地させた状態でスケートボード1を持ち運ぶ場合に把持する取っ手33が取付けられている。この取っ手33は、図10及び図11に示したようにボード本体2の一端側から突出した把持位置と、図1に示したようにボード本体2の一端側の下側に収納した収納位置とに回動可能に設けられている。
【0025】
このような構成において、スケートボード1を走行させる場合には、図4に示すように第一車輪3と第二車輪5とを路面に接地させ、スケートボード1の使用者Aが一方の片足Bを第一ステップ4の上に載せるとともに他方の片足Cを第二ステップ4の上に載せる。さらに、使用者Aは片手でブレーキ装置8の操作部29を把持する。
【0026】
図4に示した状態から使用者Aが片足Cに力を加え、図5及び図6に示すように、第二ステップ6をボード本体2の長手方向に沿って第一車輪3側へスライドさせる。
【0027】
第二ステップ6が第一車輪3側へスライドすると、第二ステップ6のスライド動作と共にチェーン27が矢印X方向(図6参照)に移動し、チェーン27の移動に伴って第一スプロケット24と第二スプロケット26とがY方向(図6参照)に回転する。
【0028】
第一スプロケット24と第一車輪3の車軸3aとの間には一方向クラッチ23が設けられており、この一方向クラッチ23は、第二ステップ6が第一ステップ4側から第一車輪3側へスライドした場合にのみ第一スプロケット24の回転を車軸3aに伝える構造である。このため、第二ステップ6を第一ステップ4側から第一車輪3側へスライドさせた場合に、車軸3aと第一車輪3とが第一スプロケット24と共に矢印Y方向(図6参照)に回転駆動される。これにより、スケートボード1は第一車輪3を進行方向前方とするZ方向(図6参照)に走行する。
【0029】
第二ステップ6を図5及び図6に示すように第一車輪3側へ移動させた後は、使用者Aが片足Cに逆向きの力を加え、第二ステップ6をボード本体2の長手方向に沿って第一ステップ4側へスライドさせる。
【0030】
第二ステップ6が第一ステップ4側へスライドすると、第二ステップ6のスライド動作と共にチェーン27が矢印X方向と逆方向に移動し、チェーン27のこの移動に伴って第一スプロケット24と第二スプロケット26とが矢印Y方向と逆方向に回転する。そして、この場合の第一スプロケット24の回転は一方向クラッチ23の働きによって車軸3aへは伝達されず、第一スプロケット24は空転する。
【0031】
なお、第一スプロケット24がY方向と逆方向へ空転している間も、第一車輪3は慣性によりスケートボード1を走行させる方向への回転を続けるので、第二ステップ6を第一ステップ4側へスライドさせる間もスケートボード1は矢印Z方向(図6参照)への走行を続ける。
【0032】
したがって、一方の片足Bを第一ステップ4に載せ、他方の片足Cを第二ステップ6に載せた使用者Aが、第二ステップ6をボード本体2の長手方向に沿って往復移動させることによりスケートボード1を連続して矢印Z方向(図6参照)へ安定走行させることができる。そして、このスケートボード1を走行させる場合には使用者Aが片足で路面をキックする必要がなく、スケートボード1を長時間、長距離で使用しても使用者Aの足や腰への負担を軽減することができる。
【0033】
スケートボード1の舵を切る場合には、一方の片足Bから第一ステップ4に力を加え、第一ステップ4を支軸11を支点として揺動させる。例えば、第一ステップ4を図3において二点鎖線Dで示す方向へ揺動させると、スケートボード1は矢印dで示す方向へ舵が切られる。また、第一ステップ4を図3において二点鎖線Eで示す位置へ揺動させると、スケートボード1は矢印eで示す方向へ舵が切られる。
【0034】
なお、第二ステップ6には第二フック17が設けられており、第二ステップ6を第一車輪3側へスライドさせる場合に、第二ステップ6に載せた片足Cが使用者Aの体軸に対して外側方向(スケートボード1の進行方向前方側)へ滑り落ちることを阻止することができる。さらに、第一ステップ4には第一フック16が設けられており、第一ステップ4を揺動させて舵を取る場合に、第一ステップ4に載せた片足Bが使用者Aの体軸に対して外側方向(スケートボード1の進行方向後方側)に滑り落ちることを阻止することができる。
【0035】
また、第二ステップ6には補助輪22が設けられているため、スケートボード1が走行中にボード本体2の長手方向に沿った側方へ傾いた場合には、その傾き量が一定量に達した場合に補助輪22が路面に接地するので、スケートボード1がそれ以上傾いて転倒するという事故を阻止することができ、走行時の安定性を高めることができる。特に、補助輪22が第二ステップ6に設けられているため、第二ステップ6がどの位置にスライドしている場合でも補助輪22により転倒事故の阻止を図ることができる。
【0036】
スケートボード1の走行速度は、第一スプロケット24の歯数と第二ステップ6のスライド速度とにより決定される。例えば、第一スプロケット24の歯数が同じである場合には第二ステップ6のスライド速度を速くする程ケートボード1の走行速度が速くなり、第二ステップ6のスライド速度が同じである場合には第一スプロケット24の歯数が少ない程スケートボード1の走行速度が速くなる。
【0037】
スケートボード1の走行を減速・停止させる場合には、ブレーキ装置8の操作部29を操作し、レバー29bをハンドル部29a側へ握る。これにより、インナワイヤ32bが引っ張られ、制動解除位置(図8において実線で示す位置)に位置する制動体30が支軸30aを支点として制動位置(図8において二点鎖線で示す位置)に回動し、制動位置に回動した制動体30が第一車輪3の外周面に当接し、第一車輪3の回転が制動されてスケートボード1の走行が減速・停止される。
【0038】
したがって、このようなブレーキ装置8を備えることにより、スケートボード1の走行の減速・停止を迅速かつ確実に行うことができる。
【0039】
さらに、スケートボード1に乗っている使用者Aがブレーキ装置8の操作部29を把持しているため、操作者Aがスケートボード1から落下した場合でも操作部29から手を放さなければスケートボード1が暴走するということを阻止することができ、安全性を高めることができる。
【0040】
また、操作部29のレバー29bをハンドル部29a側に握ることにより第一車輪3の回転が制動され、この制動により第二ステップ6が第一ステップ4側から第一車輪3側へスライドすることが規制される。したがって、スケートボード1を車などに積んで搬送する場合には、制動状態に操作した操作部29を保持部として機能する一対のガイドレール9の間に図9に示すように保持することにより、第二ステップ6を第一ステップ4側にスライドさせてストッパ6bに当接した位置でロックすることができる。これにより、搬送中に第二ステップ6がボード本体2の長手方向に沿って往復移動することを防止することができ、往復移動する第二ステップ6が車などに積まれている他の部材に衝突してその部材を傷付けるということを防止することができる。
【0041】
操作者Aがスケートボード1を手で持ち運ぶ場合には、図10に示すように、取っ手33を把持位置に回動させ、第一車輪3を路面から離反させるとともに第二車輪5を路面に接地させ、取っ手33を引くことができる。これにより、スケートボード1を手で持ち運ぶ場合の労力を軽減することができる。この場合には、第二ステップ6をストッパ6bに当接するに位置させ、さらに、ブレーキ装置5の操作部29を保持部として機能する一対のガイドレール9の間に図9に示すように保持することが好ましい。
【0042】
スケートボード1を単独で起立(自立)させる場合には、図11に示すように、ストッパ14を取付部13から取外し、取外したストッパ14を第一ステップ4に形成された貫通穴15に挿入するとともにストッパ14の先端部をボード本体2に形成された係合穴に係合させる。これにより、支軸11を支点とする第一ステップ4の揺動動作が規制されるとともに第一ステップ4の後方側の一辺がボード本体2の長手方向と直交する向きに位置し、第一ステップ4の後方側の一辺を接地させた姿勢でスケートボード1を自立させることができる。この場合には、第二ステップ6をストッパ6bに当接する位置に位置させ、さらに、ブレーキ装置5の操作部29を保持部として機能する一対のガイドレール9の間に図9に示すように保持することが好ましい。
【符号の説明】
【0043】
1 スケートボード
2 ボード本体
3 第一車輪
3a 車軸
4 第一ステップ
5 第二車輪
6 第二ステップ
7 駆動機構
8 ブレーキ装置
9 保持部(一対のガイドレール)
13 取付位置(取付部)
14 ストッパ
16 第一フック
17 第二フック
22 補助輪
23 一方向クラッチ
24 第一スプロケット
26 第二スプロケット
27 動力伝達用無端帯(チェーン)
29 操作部
30 制動体
31 付勢体(スプリング)
32 ブレーキワイヤ
33 取っ手
A 使用者
B 一方の片足
C 他方の片足


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状のボード本体と、
前記ボード本体の長手方向の一端側に取付けられた第一車輪と、
前記ボード本体の長手方向の他端側に前記ボード本体の上面と平行な面内で揺動可能に取付けられ、第二車輪が取付けられるとともに使用者の一方の片足が載せられる第一ステップと、
前記ボード本体にこのボード本体の長手方向に沿って往復スライド可能に取付けられ、使用者の他方の片足が載せられる第二ステップと、
前記第二ステップと前記第一車輪との間に設けられ、前記第二ステップの往復スライド動作に伴って前記第一車輪を回転駆動させる駆動機構と、
を備えることを特徴とするスケートボード。
【請求項2】
前記駆動機構は、前記第一車輪の車軸に一方向クラッチを介して取付けられた第一スプロケットと、前記ボード本体の他端側に回転可能に取付けられた第二スプロケットと、前記第一スプロケットと前記第二スプロケットとの間に架け渡されるとともに前記第二ステップに固定された動力伝達用無端帯とを備えることを特徴とする請求項1記載のスケートボード。
【請求項3】
使用者が把持する操作部と、前記第一車輪の回転を制動する制動位置と前記第一車輪の回転の制動を解除する制動解除位置とに移動可能に設けられるとともに付勢体により付勢されて制動解除位置に位置する制動体と、一端が前記操作部に連結されるとともに他端が前記制動体に連結されて前記操作部を制動操作することにより制動解除位置に位置する前記制動体を制動位置に移動させるブレーキワイヤと、を備えるブレーキ装置が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のスケートボード。
【請求項4】
前記ボード本体に、前記操作部を制動操作した状態で保持する保持部が設けられていることを特徴とする請求項3記載のスケートボード。
【請求項5】
前記第二ステップに、この第二ステップのスライド方向と直交する方向であって前記ボード本体の両側に位置する補助輪が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のスケートボード。
【請求項6】
前記ボード本体に、前記第一ステップの揺動範囲を規制するストッパが着脱可能に取付けられ、前記第一ステップの揺動範囲を規制する取付位置から取外した前記ストッパを前記第一ステップと前記ボード本体とに亘って取付けることにより前記第一ステップの揺動を停止させる揺動停止部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のスケートボード。
【請求項7】
前記第一ステップにこの第一ステップに載せた一方の片足が使用者の体軸に対して外側方向に滑り落ちることを阻止する第一フックが設けられ、前記第二ステップにこの第二ステップに載せた他方の片足が使用者の体軸に対して外側方向に滑り落ちることを阻止する第二フックが設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のスケートボード。
【請求項8】
前記ボード本体の一端側に、前記第一車輪を路面から離反させて前記第二車輪を路面に接地させた状態でスケートボードを持ち運ぶ場合に把持する取っ手が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のスケートボード。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−240015(P2011−240015A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116167(P2010−116167)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(510140227)