説明

スケーリング防止汚泥減量方法および装置、並びにバイオガス発生/取得方法および装置

【課題】 汚泥処理において、好ましくは、汚泥を可溶化する可溶化装置として使用される圧力容器等(例えば、反応器)の内壁、汚泥を通すための流路(例えば、管)で、その内壁ないし管壁にスケールを付着することなく、汚泥を短時間で完全に可溶化および低分子化し、高効率で汚泥を減量する方法および装置を提供する。
【解決手段】 特定の反応器を用いる。その反応器の内部でローカルヒーティング(局部加熱)が生じず、スケーリング惹起物質の生成を抑制しつつ、短時間で汚泥をアルカリの存在下で攪拌加熱することと同じ効果を生じるが如く、水蒸気を直接吹き込み加熱と攪拌を同時に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水処理において発生する余剰汚泥、初沈汚泥(初沈沈殿物)、凝集沈殿汚泥、および加圧浮上分離物をスケーリングの発生を抑制して迅速に減量し、かつ、これら汚泥の可溶化した液化汚泥をエネルギー生成源として有用活用する実務的な方法、並びに装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下水処理施設や家庭の浄化槽、飲食品製造工場において排水を生物学的に浄化する施設から発生する余剰汚泥は、脱水処理後、一般には産業廃棄物として埋め立てまたは焼却処分されている。しかし、近年埋め立て処分地の不足問題や焼却時に燃焼炉の温度を低下させることによるダイオキシン発生の可能性を避けるため、大規模な乾燥装置を導入する必要があり、高額なコスト負担等が問題となっている。
【0003】
また、近年汚泥減量の装置、システムもいろいろ提案されているが、これは汚泥を高温高圧で、アルカリ或いは適当な薬剤の存在下に可溶化し、何らかの手段で再び活性汚泥に共食いさせて汚泥を減量させるものである。しかしながら、実務的には加熱溶解された液化汚泥からの熱回収が迅速に行わなければ、エネルギーコスト高騰の折柄、経済的に有利なシステムとしては広く認知・実用化されないのが実情である。
【0004】
すなわち、汚泥液化の実務的現場において、熱を加え薬剤の存在下、単純に可溶化したのみではエネルギー効率が十分ではなく、可溶化した汚泥溶液から熱回収を行うか又は高濃度の汚泥を可溶化しなければ汚泥を可溶化して生物的処理によって汚泥を減量するシステムは絵空事となり経済的に成り立つシステムとはなり得ないのが実情である。或いは液化濃度を上げて、装置を小型化しても、ある程度の効果は期待できるが、濃度を濃くすればするほどスケーリングが起き易くエネルギーコストは十分に回収されないためである。
【0005】
熱回収を行うためにまず考えられるのは、バッチ式或いは連続式のいずれの可溶化方法であっても、高温の可溶化汚泥溶液で次に加熱される未加熱の汚泥を予備加熱することである。そのためには各種熱交換器が使用されるのが最も普遍的な手法である。これらの手法はいずれも一般的には細管に加熱された溶液を通し、熱交換面積を増やし効率を上げるのが普遍的な手法である。逆に細管に未加熱溶液を通し熱交換を行うタイプの装置も同様である。いずれの場合も汚泥を可溶化する反応器のみならず、熱交換を行う装置、それらもつなぐ配管類、送液に必要なポンプ、バルブ類など可溶化汚泥がスケーリングを起こしやすい箇所は多々あり、スケーリングや目詰まりを防御しつつシステムを運転する必要がある。更には、これらのスケーリングは、特に外部加熱では加熱する溶液、スラリー液の濃度が濃い程、起こり易い。
【0006】
根本的には、汚泥を可溶化して減量するためには、出来るだけ濃い濃度で、必要最低限の熱エネルギーで且つスケーリングを起こす物質の発生を最小限に抑制して加熱溶解し、エネルギー回収のための熱交換などの操作を極力減少し最低限度の回収装置を備えてエネルギーを回収するか、もしくは、更に高い濃度でエネルギー回収そのものの実施メリットが不要となる程度に加熱エネルギーを減らして、汚泥液化のシステムを構築することが実務的装置運転のための必須要件である。
【0007】
余剰汚泥の生物学的減量法としては、従前より好気性、嫌気性微生物を用いた好気性消化法または嫌気性消化法が知られている。しかし、例えば嫌気性消化法の場合には消化時間が長く消化率が低いという欠点があり、現在ではあまり使われていない。
【0008】
特許文献1には、アルカリ添加および加熱処理により汚泥を溶解した後、好気性生物学的処理法によって汚泥を減量する方法が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、汚泥を加熱加圧処理した後、破砕処理にて可溶化した汚泥を好気性生物学的処理法にて減量化する方法が開示されている。
【0010】
また、特許文献3には、亜臨界条件下で汚泥を可溶化した後、好気性生物学的処理により汚泥を減量する方法が開示されている。
【0011】
また、特許文献4には、汚泥のpHを8〜14に調整し、pHを調整した前記汚泥を110℃〜350℃で飽和水蒸気圧より高い圧力で加熱することにより微生物易分解な状態に可溶化する汚泥減量方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特公昭49−11813号公報
【特許文献2】特開2000−354896号公報
【特許文献3】特開2000−218285号公報
【特許文献4】特許第3754979号公報
【特許文献5】特開2006−61861号公報
【特許文献6】特開2003−245693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1〜4の方法において使用される何れの加熱方法も汚泥を可溶化した後、好気性生物学的処理にて可溶化した汚泥を代謝分解するためには、汚泥を構成する微生物難分解性物質である細胞壁を完全に可溶化および低分子化する必要がある。
【0014】
しかしながら、特許文献1、2及び3に開示される方法では、汚泥の可溶化が充分に行われていないため、汚泥の減量は非常に微量である。
【0015】
特許文献5の装置では、可燃性固形物を作ることを目的としているが、回分式の反応層において汚泥を加熱、加圧及び攪拌しながら所定時間反応させた後、極く短時間の間に反応液を取り出すため、反応液からの廃熱回収が容易ではない。
【0016】
特許文献6には余剰汚泥をpH8〜14に調整し、110℃〜220℃で10秒〜3時間加熱することにより微生物分解可能な状態に液化し該汚泥を生物酸化により減量する方法が記載されている。
【0017】
特許文献1〜5に開示される方法では、汚泥を、所定の圧力下、高温で処理するため、可溶化装置として使用される圧力容器等(例えば、反応器)、特にその内部で腐食が発生したり、とりわけ外部加熱を行う際には容器内部の壁にスケールが付着し、ローカルヒーティング(局部加熱)が起こりやすく、その結果、時間とともにそのスケールが成長して伝熱効果が著しく低下させ、更には反応器の液出入り口などに目詰まりを生じたり、熱交換のための細孔管が詰ったりして、操業が著しく損なわれたり、やむなく操業中止の事態を迎えることもある。
【0018】
特許文献6には、実務的な長時間に及ぶ汚泥の加熱溶解操作は記載されておらず、エネルギー回収や、その実際的な方法、実操作における装置類のスケーリングやその悪影響については全く言及されていない。
【0019】
よって本発明は、一つの視点において、汚泥を微生物易分解な状態に可溶化する際に、該汚泥に対して水蒸気を直接吹き込み、それによって加熱と攪拌を同時に行うことにより、可溶化装置として使用される圧力容器等(例えば、反応器)、特にその内部で壁面が高温になり難く、ローカルヒーティング(局部加熱)が生じ難く、且つスケーリングを惹起しやすい焦げ付き物質などの発生を極力抑制して、汚泥を短時間で完全に可溶化および低分子化することを目的とする。また、本発明は、他の視点において、有機性汚泥を、好ましくは、可溶化装置として使用される圧力容器等(例えば、反応器)の内壁、汚泥を通すための流路(例えば、管)において、その管壁にスケールを付着することなく100%又はこれに近い数字で減量する方法および装置を提供することを目的とする。また、本発明は、さらに別の視点において、当該可溶化した汚泥をエネルギー生成源として有用活用する実務的な方法、及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一つの視点においては、可溶化装置として使用される圧力容器等の特定の反応器を用いる。特に、その反応器の内部で壁面が高温になり難く、ローカルヒーティング(局部加熱)が生じず、スケーリング惹起物質の生成を抑制しつつ、短時間で汚泥をアルカリの存在下で攪拌加熱することと同じ効果を生じるが如く、水蒸気を直接吹き込み加熱と攪拌を同時に行うという方法で解決する。これは、当該反応器内に水蒸気を直接吹き込むことにより、加熱効果が向上し、さらに、水蒸気による高速・回転攪拌と同様の効果があいまって、反応器の内壁等で高温化することがなく、ローカルヒーティングを起こさず、かつスケーリング惹起物質の生成を抑制して、短時間で汚泥を液化、可溶化することができる。つまり、スケールを付着することなく100%又はこれに近い数字で汚泥を減量することができる。さらにその結果として、汚泥の種類によっては液化の際の濃度や、加熱温度によっては、エネルギー回収をおこなう必要が無い程度にエネルギーの使用を低減できる。なお、本発明で記載する汚泥減量の表示割合は原則として汚泥の有機物含量を表し、汚泥が含有する無機物は含まない。但し無機物であっても溶解する成分はしばしば実測されるので、無機物含量を含むこともある。
【0021】
即ち、本発明は、第一の視点において、汚泥を微生物易分解な状態に可溶化する可溶化工程を含む汚泥減量方法において、該可溶化工程前に該汚泥にアルカリを添加して該汚泥をアルカリ性にする工程(以下、アルカリ工程という)を付し、該可溶化工程は該汚泥に水蒸気を直接吹き込み混合して所定の圧力で該汚泥を加熱攪拌する工程(以下、加熱攪拌工程という)を含むことを特徴とする汚泥減量方法(以下、「本発明のスケーリング防止汚泥減量方法」とも称する)を提供することができる。
【0022】
本発明の汚泥減量方法は、さらに、汚泥類をアルカリ性にする工程で、好ましくはアルカリ、好ましくは水酸化ナトリウム添加によって汚泥のpHを7.1〜14に調整し、アルカリ性にした汚泥類を低くとも100℃で飽和水蒸気圧以上の圧力を供する水蒸気の吹き込みで加熱攪拌することにより微生物易分解な状態に可溶化することができる。
【0023】
また、本発明の汚泥減量方法において、可溶化装置としての反応器中の汚泥を水蒸気により加熱攪拌し可溶化する工程は、水蒸気温度100℃〜300℃の条件下で1〜120分間程度行われることが好ましい。
【0024】
また、本発明の汚泥減量方法において、可溶化装置としての反応器中への水蒸気の吹き込み方法は、ケーキ状態もしくはスラリー状態の汚泥の中、好ましくは下部から吹き込むのが好ましく、また、加温と共に急速にケーキ状態もしくはスラリー状から粘調な液状、更には低粘度の液体と変化する性状に応じて水蒸気の吹き込み方法は液全体の中部、上部と変更させても良い。吹き込み口の形状、口径も大小、諸々の形状に変化させても良いが速やかに全体の温度が上昇するようにするのが好ましい。さらにまた、水蒸気の吹き込みは、アルカリ添加後が好ましく、吹き込み速度は、当初余り急速に吹き込むと低粘度の汚泥類が反応器の内壁および/または流路の管壁に付着しスケーリングの原因になる可能性もあるので、均一に加温され粘調な液体になった後、急速に加熱するのが好ましい。
【0025】
また、本発明の汚泥減量方法において、可溶化工程での攪拌効果を一層顕著にするために、水蒸気による加熱攪拌以外のさらなる攪拌を行っても良い。
【0026】
また、本発明は、第二の視点において、汚泥を微生物易分解性な状態に可溶化する可溶化手段を含む汚泥減量装置において、該可溶化手段の上流に該汚泥にアルカリを添加して該汚泥をアルカリ性にする手段(以下、アルカリ手段という)を備え、該可溶化手段は該汚泥に水蒸気を直接吹き込み混合して所定の圧力で該汚泥を加熱攪拌する手段(以下、加熱攪拌手段という)を含むことを特徴とする汚泥減量装置を提供することができる。即ち、本発明は、本発明特有の水蒸気による加熱攪拌手段、つまり、本発明の加熱攪拌手段を含む可溶化装置(反応器)を備えたことに特徴を有する汚泥減量装置(以下、「本発明の汚泥減量装置」とも称する)を提供することができる。当該加熱攪拌手段、つまり、水蒸気を直接吹き込むことによって、水蒸気による高速・回転攪拌と加熱効果が相乗的に作用し、可溶化装置として使用される圧力容器等の特定の反応器、特にその内部でローカルヒーティング(局部加熱)が生じず、スケーリング防止を行いつつ、またスケーリング惹起物質の生成を抑制しつつ、短時間で汚泥をアルカリの存在下で可溶化することができ、その後の過程で、中和するか、量如何によっては中和することなく生物的処理によって汚泥を減量することができる。
【0027】
また、本発明の汚泥減量装置は、さらに、アルカリ手段で、好ましくは汚泥にアルカリ、好ましくは水酸化ナトリウムを添加することによってpHを7.1〜14に調整することができ、アルカリ性にした該汚泥を可溶化装置に投入した後、可溶化装置内に低くとも100℃で飽和水蒸気圧以上の圧力を供する水蒸気の吹き込みによって汚泥を加熱攪拌することができる。
【0028】
また、本発明の汚泥減量装置において、可溶化装置としての反応器での加熱攪拌手段の水蒸気の吹き込みは、水蒸気温度100℃〜300℃の条件下で1〜120分間程度行われることが好ましい。
【0029】
また、本発明の汚泥減量装置において、反応器中への水蒸気の吹き込み口は、ケーキ状態もしくはスラリー状態の汚泥類の中、好ましくは下部から吹き込むように反応器の底部ないし下部に吹き込み口を設けることが好ましく、また、加温と共に急速にスラリー状から粘調な液状、更には低粘度の液体と変化する性状に応じて水蒸気の吹き込みが液全体の中部、上部と変更させても良い形態の吹き込み口とすることもできる。さらにまた、吹き込み口の形状、口径も大小、諸々の形状に変化させても良いが速やかに全体の温度が上昇するような形状にするのが好ましい。
【0030】
また、本発明の汚泥減量装置において、可溶化装置内での汚泥の加熱攪拌効果を一層顕著にするために、水蒸気による加熱攪拌手段以外の攪拌機等のさらなる攪拌設備を備えても良い。
【0031】
また、本発明の汚泥減量方法及び装置において、可溶化装置としての反応器への汚泥類の仕込み濃度は、1,000PPM〜好ましくは30万PPMであり、汚泥の場合には、30万PPMは、事実上乾燥した固体状でありアルカリ溶液を添加して極めて粘調な液体状になる。また、汚泥の状態に応じて、上記範囲で仕込み濃度を調整することができるが、低濃度過ぎると、場合によっては、水を加熱することになり、エネルギー効率が極端に低下する可能性もある。一方、本発明では、30万PPM、すなわち、30%までの仕込み濃度が可能であり、従来の実務上の濃度(約12〜13%)以上の高濃度で仕込んで液化することができ、これにより、エネルギー効率が高まり、事実上エネルギー回収(排出エネルギーの回収)は不要となる。つまり、本発明の汚泥減量装置においては、その装置設備において、エネルギー回収装置が不必要になる等、装置の初期設備の負担が軽減して、イニシャルコストを低減することができ、経済的メリットは極めて莫大である。さらには、高濃度で可溶化処理できるので、反応器のサイズも小型化することが可能であり、さらなるイニシャルコストの低減が図れる。またさらに、高濃度で可溶化処理できるため、加熱のためのコストも低減でき、ランニングコストの低下も図ることができる。さらに加えて、イニシャルコスト、ランニングコスト共に低減できるので投資回収年数が従来の三分の一以下に低減できる。
【0032】
また、本発明は、別の視点においては、汚泥を減量する過程、具体的には、可溶化した汚泥の嫌気性処理装置への投入後において、当該可溶化した汚泥を基質として、嫌気的な生物処理によって汚泥からバイオガスを効率よく生成し、また、生成したバイオガスを取得することができる。また、取得したバイオガスは有効利用することもできる。
【0033】
即ち、本発明は、第三の視点において、少なくとも、汚泥を微生物易分解性な状態に可溶化する可溶化手段と、該可溶化手段によって可溶化した汚泥を投入する嫌気性処理手段と、該嫌気性処理手段に接続されるバイオガス取得ないし貯蔵手段とを含み、さらに該可溶化手段の上流に該汚泥にアルカリを添加して該汚泥をアルカリ性にする手段(以下、アルカリ手段という)を備え、該可溶化手段は該汚泥に水蒸気を直接吹き込み混合して所定の圧力で該汚泥を加熱攪拌する手段(以下、加熱攪拌手段という)を含むことを特徴とするバイオガス発生装置(以下、「本発明のバイオガス発生装置」とも称する)を提供することができる。なお、本発明のバイオガス発生装置は、本発明の可溶化装置により可溶化した汚泥を基質として、嫌気的な生物処理によって汚泥からバイオガスを効率よく発生ないし生成するだけでなく、生成したバイオガスを任意の手段(例えば、ガスホルダー等の貯蔵タンク)で取得ないし貯蔵して、取得したバイオガスは有効利用することもできる。よって、本発明のバイオガス発生装置は、バイオガス取得装置とも称することができる。
【0034】
また、即ち、本発明は、さらに第四の視点において、汚泥を微生物易分解性な状態に可溶化する可溶化工程で処理した汚泥を基質として用い、嫌気的な生物処理によって該汚泥からバイオガスを発生させる方法であって、該可溶化工程前に該汚泥にアルカリを添加して該汚泥をアルカリ性にする工程(以下、アルカリ工程という)を付し、該可溶化工程は該汚泥に水蒸気を直接吹き込み混合して所定の圧力で該汚泥を加熱攪拌する工程(以下、加熱攪拌工程という)を含み、発生したバイオガスを取得ないし貯蔵する工程を有することを特徴とするバイオガス発生方法(以下、「本発明のバイオガス発生方法」とも称する)を提供することができる。なお、本発明のバイオガス発生方法は、本発明の可溶化工程により可溶化した汚泥を基質として、嫌気的な生物処理によって汚泥からバイオガスを効率よく発生ないし生成するだけでなく、生成したバイオガスを任意の手法で取得ないし貯蔵して、取得したバイオガスはさらに有効利用することもできる。よって、本発明のバイオガス発生方法は、バイオガス取得方法とも称することができる。
【0035】
本発明においては、つまり、嫌気的な生物処理がなされる嫌気性処理装置に投入するための本発明の可溶化装置によって可溶化した汚泥は、嫌気性微生物の資化(消化)にとって非常に好ましい低分子化された基質であるため、従来よりも格段に高い効率でバイオガス(例えば、主にメタンガス)を生成することが可能となる。また、このように生成したバイオガスを高収率に取得でき、有効利用することもできる。すなわち、このようにして汚泥処分の過程で発生するバイオガス(例えば、主にメタンガス)を取得して、本発明の汚泥減量装置のエネルギー源の全て、もしくは一部として有効利用することができ、環境にもやさしく、二酸化炭素の削減が可能になる。例えば、嫌気性処理装置から発生したバイオガス(主に、メタンガス)は嫌気性処理装置に接続するガスホルダー等の貯蔵タンクに取得ないし貯蔵され、可溶化装置に供給される(吹き込まれる)水蒸気を発生させるエネルギー源として、本発明の装置に具備されるボイラーに供給されて、水蒸気発生のためのエネルギー源として有効的に活用される。さらにまた、ガスホルダーに取得ないし貯蔵されたバイオガス(主に、メタンガス)は、本発明の装置以外の任意の設備、機器または装置にエネルギー源として外部供給されて、任意の手法で有効利用されてもよい。なお、本発明のバイオガスには、メタンガス以外のガスも含む(つまり、メタンガスが主な発生ガスであるが、汚泥の種類、使用微生物、メタン発酵の状況によっては、何種類かのガスが発生する)ため、取得ないし貯蔵されるバイオガスは浄化装置などの浄化手段を用いて、硫化水素、アンモニアなどバイオガスとして不要有害なガスは除去・浄化される。
【0036】
本発明において、汚泥とは排水処理において発生する余剰汚泥、初沈汚泥(初沈沈殿物)、凝集沈殿汚泥、および加圧浮上分離物などを意味する。余剰汚泥は、主に好気性汚泥または嫌気性汚泥であり、該余剰汚泥には、「引き抜き汚泥」、「再転換汚泥」及び「再再転換汚泥」が含まれる。ここで、「余剰汚泥」とは、生物学的処理により有機物を代謝分解する排水処理において新たに発生した余剰な微生物や未消化の物質であり無機質を含んでもよく、余剰汚泥が増加すると汚泥混合液の固液分離が困難となる等の問題が発生するので除去する必要がある。また、「引き抜き汚泥」とは、排水処理装置から系外に引き抜かれた汚泥であり、余剰汚泥を含んでもよい。更に「再転換汚泥」とは、可溶化した引き抜き汚泥を生物学的処理する過程で発生した汚泥であり、引き抜き汚泥を含んでもよい。「再再転換汚泥」とは、可溶化した再転換汚泥を生物学的処理する過程で発生した汚泥であり、再転換汚泥を含んでもよい。
【0037】
なお、本発明は、微生物難分解性の有機物を微生物易分解性に改質する場合においても適用することができる。
【0038】
本発明において、「汚泥を微生物易分解な状態に可溶化する」とは、第1義的には汚泥を構成する物質、特に細胞壁を構成する物質が可溶化および低分子化して微生物の細胞膜を容易に通過する程度になることを意味するが、必ずしも完全に可溶化および低分子化していなくともよい。また、本明細書においては、「可溶化」に対し「液化」を用いる場合もあるが同義であり、例えば、「可溶化した汚泥」と「液化汚泥」は同義である。
【0039】
本発明において、「微生物」とは、生物学的処理により有機物を分解するときに作用するあらゆる微生物を意味する。一般的な有機排水の生物学的処理には好気性の微生物が用いられ、Alcaligenes,Bacillus,Escherichia,Flavobacterium,Pseudomonous,Zoogloea等の細菌のほか、多少の糸状菌、繊毛虫類、輪虫類等の原生動物等が含まれる。本発明の方法に用いる微生物には上記一般的な微生物に加えて、その他の好気性菌、通性嫌気性菌、及び嫌気性菌も含まれる。例えば、好気性菌を主体とする酵母菌、子のう菌及びセルロース分解菌、通性嫌気性菌を主体とする蛋白質分解菌、乳酸菌及び枯草菌、並びに嫌気性菌を主体とする光合成菌、窒素固定菌、酢酸菌及び酪酸菌等が挙げられる。
【0040】
「生物酸化槽」とは、生物学処理により可溶化した汚泥を代謝分解するための槽である。
【0041】
「好気性処理」とは、主に好気性菌を用いて有機物を代謝分解することを意味し、主に好気性菌を用いればよく具体的手法を規定するものではない。
【0042】
「排水処理装置」とは、可溶化汚泥ないし排水を生物学的処理により分解する、より詳しくは生物学的に可溶化汚泥ないし排水(特に有機性のもの)を代謝分解する装置を意味し、原水槽、固液分離装置を含んでよい。
【0043】
本発明において、「反応器」とは、可溶化装置であり、所定のpHで汚泥を水蒸気供給手段から投入された水蒸気と混合して加熱された汚泥を、所定の圧力下において気相または液相で微生物易分解な状態に可溶化(液化)する装置を意味する。また反応器には、汚泥と水蒸気とを均一に混合するための撹拌機を設けてもよい。なお、本発明において反応器内の圧力は、水蒸気の吹き込みによって、飽和水蒸気圧以上の圧力、好ましくは飽和水蒸気圧よりも高い圧力に調整される。なお、反応器は反応缶としてもよい。
【0044】
本発明において、「汚泥移送手段」とは、汚泥を反応器内にバッチ式もしくは連続的に移送する装置を意味する。
【0045】
本発明において、「水蒸気供給手段」とは、水蒸気ないし水を低くとも100℃の温度に調整する加温装置と、水蒸気を反応器内の飽和水蒸気圧以上の圧力で供給、すなわち反応器への水蒸気の投入に充分な圧力に調整する加圧装置とを備え得る、水蒸気供給装置である。
【0046】
本発明において、アルカリ性、好ましくはpH7.1〜14の条件下で汚泥を微生物易分解な状態に可溶化するために必要とされる水蒸気の温度は、好ましくは低くとも100℃、より好ましくは110℃〜350℃程度、さらに好ましくは110℃〜300℃程度、さらに好ましくは110℃〜250℃程度、さらに好ましくは110℃〜210℃程度、最も好ましくは150℃から200℃程度である。また、水蒸気の圧力は飽和水蒸気圧以上の圧力であり、なお、水蒸気の「温度」は、低くとも100℃で温度を維持することが好ましく、110℃〜350℃程度の範囲で温度を維持することがより好ましいが、この温度は上下に変化してもよい。また、本発明の水蒸気は過熱水蒸気を使用しても良い。
【0047】
反応器内の汚泥の滞留時間は適宜決定することができるが、例えば1分から360分間、好ましくは3分から120分間、更に好ましくは5分から60分間、特に好ましくは10分間から30分間である。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、水蒸気を直接吹き込み、加熱と攪拌を同時に行うことによって、可溶化装置として使用される圧力容器等の反応器、特にその内部でローカルヒーティング(局部加熱)が生じ難くなり、且つスケーリングを惹起しやすい焦げ付き物質などの発生を抑制することができ、汚泥を短時間で完全に可溶化および低分子化することができる。その結果、外部加熱で溶解する場合に比して、短時間で汚泥をアルカリの存在下で攪拌加熱することと同様の効果を生じ、同時に汚泥を構成する微生物難分解性物質の細胞壁をもまた可溶化および低分子化することができる。また、可溶化装置(反応器)内部に攪拌機等の攪拌手段を別途設けることによって、より顕著な攪拌効果をもたらし、汚泥の完全な可溶化および低分子化を達成することができる。また、これによって、有機性汚泥を、可溶化装置の内壁、汚泥流路管の管壁に対するスケールの付着が抑制されるので、汚泥を構成する微生物難分解性物質の細胞壁を短時間で完全に可溶化および低分子化することができ、汚泥を、好ましくは100%又はこれに近い数字で、効率よく減量することができる。さらにまた、当該可溶化した汚泥をエネルギー生成源として有用活用することができ、例えば、発生したメタンガスを本発明の装置のエネルギー源の一部として再利用したり、外部供給して有効利用するなど、実務的な方法、及び装置を提供することができる。したがって、本発明は工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る汚泥減量装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施例における反応器Aの形態の概略構成を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施例における反応器Bの形態の概略構成を示す図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施の形態に係るバイオガス発生/取得装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明の汚泥減量装置を中心に図1を用いて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
図1は本発明の一実施の形態による汚泥減量装置の概略図である。汚泥減量装置1は、汚泥を気相または液相で微生物易分解な状態に可溶化する密閉された反応器ないし反応缶(可溶化装置)6、汚泥源2から供給された汚泥(余剰汚泥等)を反応器6へ投入する汚泥移送ライン7、反応器内にバッチ式に移送する移送ポンプ(装置)3、アルカリ供給槽(装置)4、汚泥源2から供給された汚泥にアルカリ供給槽4からアルカリを添加するアルカリ供給ライン12、アルカリ供給ライン12に設けられたポンプ10、所定の温度(好ましくは低くとも100℃、より好ましくは110℃〜350℃)で所定の圧力(飽和水蒸気圧以上の圧力)の水蒸気を生成する水蒸気供給装置5、水蒸気供給装置5から反応器6に水蒸気を供給する水蒸気供給ライン13、反応器6内の微生物易分解な状態に可溶化した汚泥を排水処理装置等へ排出する液化汚泥排出ライン11を備えてなるものである。また、反応器6内の水蒸気供給が行われる所定の箇所(水蒸気吹き込み口(反応器の底からの水蒸気の導出口9の近傍)には、汚泥に水蒸気を吹き込み加熱・混合する水蒸気吹き込み装置8が設けられている。(ここで、水蒸気吹き込み装置8と水蒸気吹き込み口9は構造的に一体化ないし連結していても良い。)反応器6は、これに投入された汚泥が加水分解(可溶化)されて排出されるまでの時間が該汚泥の加水分解反応時間以上となるのに十分な大きさを有するように構成されている。汚泥源2から汚泥(余剰汚泥等)は移送ポンプ3によりバッチ式に移送・供給され、移送・供給された汚泥には、ポンプ10を作動させることによりアルカリ供給槽4からアルカリ供給ライン12を介してアルカリが添加され、生じたアルカリ性の汚泥は、その後、汚泥供給ライン7によって反応器6へ投入される。水蒸気供給装置5から水蒸気供給ライン13を介して水蒸気が反応器6内の水蒸気吹き込み装置8を介して添加され(吹き込まれ)、アルカリ性の汚泥と水蒸気とが混合・撹拌される。なお、水蒸気吹き込み装置8は必ずしも設ける必要はなく、汚泥は、低くとも100℃で飽和水蒸気圧以上の圧力を供する水蒸気を直接反応器の底より吹き込むことによって、十分な加熱攪拌がなされ、気相または液相での加水分解反応により、可溶化される。勿論、反応器の内部に適当な攪拌装置を設けても良い。また、アルカリ供給ライン12に設けられたポンプ10により汚泥供給ライン7に投入されるアルカリによって、汚泥のpHは、7.1〜14に調整されることが好ましい。また、水蒸気の温度は、低くとも100℃であることが好ましく、110℃〜350℃程度であることがより好ましい。添加されたアルカリの触媒作用によって、反応器(可溶化装置)中の汚泥が可溶化され微生物易分解性に変質する。
【0052】
本発明において、反応器への水蒸気の吹き込み供給は、汚泥に対して、アルカリを添加した後に行い、かつ反応器の下部ないし底部から吹き込むことが好ましい。反応器の底からパイプで直接吹き込んでも良いし、反応器の内部に水蒸気吹き込み装置を設け、その形状はパイプ、小孔を空けたパイプ、小孔を空けた十字状、ループ状のパイプなど各種用いられる。その設置位置は底部近くでも中位でも上部でも良い。水蒸気を一定時間通気し加熱攪拌して汚泥を可溶化した後、液を反応器内で静置して、可溶化した上部澄明液部分を反応器外に排出し、下部の沈殿物は下部より除いても良い。固液分離を促進する為に加水するか、また、前回、前々回などの分離液を添加しても良い。可溶化した後反応液を、固液分離槽に移動させ上記操作を行っても良い。また、反応器に水蒸気供給が行われる所定の箇所(水蒸気の導出口等)は、反応器の下部ないし底部が好ましいが、水蒸気の吹き込みによる汚泥の十分な加熱攪拌がなされ、汚泥の可溶化ないし低分子化が達成できれば、これに制限されるものではない。
【0053】
図1に示す汚泥減量装置1は、微生物の呼吸作用によって、汚泥中の溶存酸素を脱気する脱気槽を備えていてもよい(図示せず)。この場合には、水と溶存酸素の存在により発生する金属の腐食が、汚泥中の溶存酸素の脱気作用によって発生しないかまたは抑止されるので、通常金属材料で構成される圧力容器等、即ち反応器における腐食が発生しないかまたは抑止される。ここで、「微生物の呼吸作用」とは、微生物、例えば好気性汚泥菌等が生命維持のエネルギーを得るために体内に取り入れた有機物を代謝する時に水中の溶存酸素を取り込む作用をいう。汚泥(又は汚泥混合液)には、好気性汚泥菌等の微生物が存在し、好気性汚泥菌等は、汚泥(又は汚泥混合液)中の溶存酸素を体内に取り込み、これをATPサイクルにおいて有機物と反応させて、生命維持のエネルギーを得ている。したがって、酸素を供給しないまたはわずかの酸素しか供給しない状態で汚泥を放置すると当該汚泥菌の呼吸作用により溶存酸素は急速に減少し、最終的に溶存酸素がなくなるか、極めて微量な溶存酸素濃度まで低下する。
【0054】
前記汚泥中の溶存酸素の脱気は、例えば脱気槽内に汚泥を投入して、酸素供給のない又は極めて少ない(ないし殆ど無い)状態で1〜60分間程度、好ましくは3〜20分間程度、更に好ましくは5〜10分間程度行うことができる。
【0055】
また、反応器と脱気槽とを結ぶライン(配管)のアルカリ導出口と脱気槽との間の距離(長さ)は、十分にとることが好ましい。このようにアルカリ導出口と脱気槽との間の距離(長さ)を十分にとった場合には、当該配管に送られた汚泥の滞留時間がより長くなり、さらに溶存酸素を除去することができるようになる。
【0056】
前記脱気の際に使用される微生物は、可溶化されるべき汚泥に含まれている(存在している)微生物であればよい。したがって、前記「微生物」について記載した内容を参考にして選択することができる。好ましくは好気性菌が選択される。なお、汚泥が、嫌気性菌のみを含む場合等、好気性菌を含まない場合であっても、好気性菌を更に添加することで汚泥の脱気を行うことができる。
【0057】
図1に示す汚泥減量装置1は、余剰汚泥等の汚泥を濃縮して汚泥のMLSS(Mixed Liquor Suspended Solid:混合液中の懸濁している固体)を調整する汚泥濃縮装置または汚泥脱水装置を備えていてもよく(図示せず)、この場合は反応器に投入する汚泥のMLSSを好ましくは1000mg/L〜300000mg/Lに調整することができるので余剰汚泥をより効率的に可溶化でき、また反応器に投入する汚泥の濃度を高くすることにより反応器をより小さくすることもできるため、装置のコストを押さえる事ができ、また加熱のためのコストは低くなるので環境に優しく、経済的にも有利となる。
【0058】
本発明において、水蒸気は、好ましくは110℃〜350℃で、飽和水蒸気圧より高い圧力に調整されているので、反応器6内では、気相反応を抑制し液相反応を促進することができ、熱分解等によるスラッジの生成や、生物難分解性物質の生成、油化を抑えることができる。
【0059】
また、図1において汚泥減量装置1は、脱窒装置および脱リン装置(図示せず)の少なくとも一方を備えていてもよく、この場合は汚泥を液状化することにより従来法に比べて効率よく汚泥中の窒素・リンを除去することが可能となるため、さらに環境にやさしく汚泥を処理することができる。窒素の除去方法は窒素の形態により変わり、例えばアンモニア態窒素を除去する場合、従来は排水処理過程でアンモニアが高濃度に存在するときは主に排水あるいは汚泥混合液のpHを上昇させてから曝気し、アンモニアガスとして気相へ放散して除去する等の手段によるアンモニアストリッピング法が広く行われている。これに対し、本発明の汚泥減量装置において脱窒装置を設けた場合は、汚泥にアルカリを添加してpHを調整した後加熱分解するために液化処理後の液化汚泥を中和する前に曝気することとすれば、アンモニア態窒素を除去することができ、また既存の処理装置にもともと存在するアンモニア態窒素も除去することができる。また硝酸態・亜硝酸態窒素を除去する場合は、排水処理過程に存在する窒素の多くは好気的生物処理過程で亜硝酸態窒素を経て硝酸態窒素に変換される。これを除去する主な従来法は生物学的脱窒素法であり、嫌気条件で脱窒菌の還元作用により硝酸→亜硝酸→窒素ガス(大気中へ放散)という過程で除去することができた。しかし、この生物反応の進行には十分な水素供与体が必要であり、通常はメタノールが水素供与体として用いられている。これに対し本発明の汚泥減量装置において脱窒装置を備えた場合、液化汚泥を水素供与体として利用できるため、脱窒素に要するメタノールのコストを削減することができる。したがって、液化処理による汚泥減量過程で発生する硝酸態・亜硝酸態窒素や既存の処理装置にもともと存在する硝酸態・亜硝酸態窒素を除去する上でのコストを削減することができる。またリンを除去する場合、排水中のリンの基本的な挙動として、好気条件で汚泥フロックに吸着し、嫌気条件で汚泥フロックから溶出することが知られているため、従来の主なリン除去方法としては、嫌気条件で溶出したリンを石灰、アルミニウム系凝集剤、または鉄系凝集剤を用いて難溶性の沈殿物として除去していた。特に前処理として嫌気条件下で汚泥をリン欠乏状態にするとリンの吸着力が著しく向上する。これに対し本発明の汚泥減量装置において脱リン装置を備えた場合、汚泥が液化されるため汚泥中のリンも溶出してくる結果、嫌気・好気といった煩雑な処理は不要となるだけでなく、嫌気・好気処理では溶出してこないような汚泥中のリンも溶出するため、液化処理による汚泥減量過程で発生するリンや既存の排水処理施設に存在するリンを非常に効率よく除去することができる。なお、反応器が脱リン装置または脱窒装置に付属しているとは、反応器が独自にポンプ等の機器を持たず、これらの槽または装置に存在するポンプ等の機器に依存して作動することを意味する。また、図1において、反応器6は、上述の脱リン・脱窒装置とポンプ等を共有する等して脱リン・脱窒装置に付属していてもよい。
【0060】
図1に示す汚泥減量装置は、本発明の典型的な装置の概略構成を示したものであるが、これ以外の実施の形態においても、汚泥減量装置は、汚泥を濃縮して汚泥のMLSSを調整する汚泥濃縮装置または汚泥脱水装置を備えていてもよく(図示せず)、この場合も可溶化装置に投入する汚泥のMLSSを容易に調整することができるので、汚泥をより効率的に分解でき、また汚泥の濃度を高くすることができるため反応器を小さくすることができる。したがって加熱のためのコストも低くなり、必要な薬品も少なくてすむため環境に優しく、経済的にも有利となる。
【0061】
また、汚泥(アルカリ処理及び加熱処理がされていない未処理の汚泥)をアルカリ性にすること、すなわち汚泥に対するアルカリの添加は、汚泥移送ラインまたは水蒸気供給ライン、反応器のいずれの箇所において行ってもよいが、好ましくは、汚泥に対する水蒸気の供給前に添加することで効率的な汚泥の可溶化がなされる。なお、反応器でアルカリ処理をする場合は、汚泥が反応器に投入される前、同時ないし直後、好ましくは、汚泥に対する水蒸気の供給前に行う。
【0062】
また、可溶化した汚泥を、これを気液分離する気液分離器(装置)(図示せず)に投入することができる。この場合において、気液分離器内部の可溶化した汚泥から水蒸気が分離される。なお、分離した水蒸気を、反応器投入前の汚泥の予備加熱に使用しても良い。
【0063】
また、反応器には液化(可溶化)汚泥を固液分離する固液分離装置が備えられてもよく(図示せず)、この場合には、固液分離装置内部の液化汚泥は上澄水と比較的粒子の大きい、主に無機性汚泥に分離され、上澄水は好気性または嫌気性排水処理の後に放流されうる。
【0064】
本発明において、可溶化した汚泥を生物酸化槽、排水処理装置または嫌気性処理装置に投入するとともに該生物酸化槽、排水処理装置または嫌気性処理装置内の汚泥のpHを5〜9に調整してもよい。なお、可溶化した汚泥を投入した後の生物酸化槽、嫌気処理装置または排水処理装置内の汚泥のpHが5〜9の範囲内である場合には、酸を添加しなくてもよく、この場合は汚泥をさらに簡易、迅速かつ経済的に処理することができる。ここで、「pHを5〜9に調整する」ことは、可溶化した汚泥を投入する前または後、あるいは投入しながら生物酸化槽、排水処理装置または嫌気性処理装置に酸等を加えることにより行ってもよいことを意味する。「嫌気処理装置」とは、嫌気的生物学処理により排水又は可溶化した汚泥を代謝分解する為の装置である。なお、前記したように「生物酸化槽」とは、好気的生物学処理により、主に可溶化した汚泥を代謝分解するための槽であり、「排水処理装置」とは、可溶化汚泥ないし排水を生物学的処理により分解する、より詳しくは生物学的に可溶化汚泥ないし排水(特に有機性のもの)を代謝分解する装置を意味し、原水槽、固液分離装置を含んでよい。
【0065】
また、本発明のさらに別の実施の形態では、汚泥を減量する過程で、具体的には、本発明の加熱攪拌手段を具備する可溶化装置で可溶化した汚泥の嫌気性処理装置への投入後において、当該可溶化した汚泥を基質として、嫌気的な生物処理によって当該可溶化した汚泥からバイオガスを効率よく生成し、また、生成したバイオガスを取得する、バイオガス発生/取得装置および方法を提供する。さらにまた、バイオガス取得装置/方法によって取得したバイオガスは有効利用することもできる。(図4参照。)
【0066】
詳細に説明すると、嫌気性菌によって嫌気的な生物処理がなされる嫌気性処理装置に投入する汚泥は、本発明特有の可溶化装置によって可溶化されることで、嫌気性微生物の資化(消化)にとって非常に好ましい基質となり、従来よりも高効率でバイオガス(例えば、メタンガス)を生成することが可能となる。また、このように生成したバイオガスの取得も従来に比して収率が高く、取得したバイオガスを有効利用することもできる。すなわち、このようにして汚泥処分の過程で発生するバイオガス(例えば、メタンガス)を取得して、本発明の汚泥減量装置のエネルギー源の一部として有効利用することができ、環境にもやさしく、二酸化炭素の削減が可能になる。例えば、本発明においては、本発明特有の可溶化装置によって可溶化した汚泥を基質として、嫌気性処理装置からメタンガスが高効率で発生し、このメタンガスは嫌気性処理装置に接続するガスホルダーに取得ないし貯蔵され、可溶化装置に供給される(吹き込まれる)水蒸気を発生させるエネルギー源として、本発明の装置に具備されるボイラーに供給されて、水蒸気発生のためのエネルギー源として有効的に活用される。さらにまた、ガスホルダーに取得ないし貯蔵されたメタンガスは、本発明の装置以外の任意の設備、機器または装置にエネルギー源として外部供給されて有効利用されてもよい。(図4参照。)なお、本発明のバイオガスは、主にメタンガスを意味するが、本発明で発生するバイオガスには汚泥の種類、使用微生物、メタン発酵の状況によっては、何種類かのガスが発生する。したがって、バイオガスを取得ないし貯蔵して、エネルギー源として再利用したり、外部供給するためには、浄化装置などの浄化手段(図示せず)を用いて、硫化水素・アンモニアなどバイオガスとして不要有害なガスを除去(浄化)することによって、有効に利用できる。
【実施例】
【0067】
図2に示す反応器A及び図3に示す反応器Bを用いて以下の実施例1及び2を行った。
【実施例1】
【0068】
反応器Aは、比較例として、代表的な従来の汚泥減量実験で用いる可溶化反応器であり、内部に攪拌装置を有し、内部温度が測定可能で内容積は1000ml、外部加熱が可能になっている。一方、反応器Bは本発明の汚泥減量実験で用いた反応器であり、可溶化装置ないし反応器の典型的な形態である。内部に攪拌装置は無く、外部より水蒸気を吹き込む管を設置されており、内部温度が測定可能で内容積は1000mlである。反応器A及びB共にステンレス製で耐圧容器である。
【0069】
本実施例では、加熱方法A、Bとして、夫々反応器A、Bを用いて、汚泥300ml(投入脱水汚泥含水率80%:汚泥濃度200,000mg/L)を各反応器に投入し、更に48%苛性ソーダ溶液を16ml添加し密閉、漏洩なきことを確認後、加熱方法A、Bを行った。反応器Aでは外部ヒーター(ヒーター通電電力を一定とした)で加熱し内部温度が160℃に達した時点で通電を切り、内部温度が159℃になった時点で通電開始した。これを比較例としての加熱方法Aとした。一方、本発明の方法である加熱方法Bでは、反応器Bに水蒸気の吹き込み(吹き込み水蒸気温度、量を一定とした)を行うことで汚泥の加熱を行った。水蒸気は、内部温度が160℃に達した時点で吹き込みを停止し、内部温度が159℃になった時点で吹き込みを開始した。ここで、水蒸気の圧力は飽和水蒸気圧以上の圧力であった。
【0070】
加熱時間は共に30分間(加熱開始してから加熱終了までの時間を意味する)であり、内部温度が160℃になった時点での外部加熱または水蒸気吹き込み加熱を停止している時間を含む。但し、実験回数の増加と共に、加熱を開始してから規定の160℃に達するまでの時間は、外部ヒーター加熱の場合は徐々に遅くなることが観測された。
【0071】
反応終了後、反応器A、Bから液化溶液を取り出し、夫々の汚泥の溶解率を求めた。反応器A、B共に同様の実験を1〜30回繰り返し行った。この間、反応器A、B共に反応器内部は特別な洗浄を行うことなく、水洗のみ行った。1〜30回の連続実験後の溶解率を表1−1に示す。なお、表中の非可溶化SSは、可溶化されなかった懸濁した固体(suspended solid)を意味する。(可溶化されずに反応器内部に残存した沈殿物(主に、無機物)を示す。)
表1−1

【0072】
上記と同様に、サンプルMLSS 200,000mg/Lと同濃度で繰り返し行った結果を表2−1に示す。
表2−1

【0073】
表1−1からも明らかなように、加熱方法Aは処理回数と共に液化率が低下した。これはスケールの発生により熱伝導が低下したため、温度上昇に要する時間が増加し、十分な反応時間が得られなかったのが原因であると考えられる。一方、加熱方法Bは処理回数に関係なく安定した液化率が得られた。水蒸気吹き込みによる内部加熱方式であるため、熱伝導の低下による影響を受けなかった。同様のことは繰り返し実験を行った表2−1の結果からも明らかである。更に、以下で示す付着物(スケール)の量も反応器Bの方が少ないことによって、上記の根拠として、一層明らかである。
【0074】
上記の各2回の30回の連続可溶化実験後に反応器内部に付着したスケールをそぎ落とし、十分に洗浄し100℃で2時間乾燥後のスケールの重量を表1−2並びに表2−2に示す。
表1−2


表2−2

【実施例2】
【0075】
液化前汚泥の仕込み濃度を19,500mg/Lとして、他の条件を実施例1に記載の条件と同様にして行った。その結果を表3−1に示す。
表3−1
1.可溶化率の測定

【0076】
表3−1からも明らかなように、加熱方法Aは処理回数と共に液化率が低下した。これはスケールの発生により熱伝導が低下したため、温度上昇に要する時間が増加し、十分な反応時間が得られなかったのが原因であると考えられる。一方、加熱方法Bは処理回数に関係なく安定した液化率が得られた。水蒸気吹き込みによる内部加熱方式であるため、熱伝導の低下による影響を受けなかった。更に以下で示す付着物(スケール)の量も反応器Bの方が少ないことによって、上記の根拠として、一層明らかである。
【0077】
実施例2の30回の連続可溶化実験後に反応器内部に付着したスケールをそぎ落とし十分に洗浄し100℃で2時間乾燥後のスケールの重量を表3−2に示す。
表3−2

【0078】
この結果からも明らかなように、本発明の汚泥減量方法及び装置によって、アルカリ処理を施した汚泥に対して水蒸気を直接吹き込み、加熱と攪拌を同時に行うことによって、可溶化装置として使用される圧力容器等の反応器の内部で壁面が高温化せず、ローカルヒーティング(局部加熱)が生じ難くなり、且つスケーリングを惹起しやすい焦げ付き物質などの発生を抑制することができ、汚泥を短時間で完全に可溶化することができる。
【0079】
上記の各実施形態を組み合わせ、又は当業者に公知の方法で種々の変更を加えたその他の実施形態もまた本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によれば、汚泥処理の工程中の汚泥の可溶化の際に、汚泥に水蒸気を直接吹き込み、加熱と攪拌を同時に行うことによって、可溶化装置の内部で壁面の高温化やローカルヒーティング(局部加熱)が生じ難くなり、且つスケーリングを惹起しやすい焦げ付き物質などの発生を抑制することができ、汚泥を短時間で完全に可溶化および低分子化することができる。その結果、汚泥処理において装置内に生じるスケーリングを防止できるだけでなく、装置の設備上のイニシャルコスト、ランニングコストも削減することが可能となる。したがって、本発明は汚泥処理分野において、技術的なスケーリング防止を達成することができるだけでなく、経済的にも顕著な効果を奏することができ、工業的に極めて有用である。また、本発明の可溶化装置に起因するバイオガスの発生、その取得及びその有効利用は環境的、経済的に重要であり、工業的にも極めて有用である。
【符号の説明】
【0081】
1 汚泥減量装置
2 汚泥源
3 汚泥移送装置(手段)
4 アルカリ供給槽(装置ないし手段)
5 水蒸気供給装置(手段)
6 反応器(可溶化装置)
7 汚泥移送ライン
8 水蒸気吹き込み装置(反応器内に設けられた水蒸気の導出口)
9 水蒸気吹き込み口(反応器の底からの水蒸気の導出口)
10 アルカリ供給ポンプ
11 液化汚泥排出ライン
12 アルカリ供給ライン
13 水蒸気供給ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥を微生物易分解な状態に可溶化する可溶化工程を含む汚泥減量方法において、
該可溶化工程前に該汚泥にアルカリを添加して該汚泥をアルカリ性にする工程(以下、アルカリ工程という)を付し、
該可溶化工程は該汚泥に水蒸気を直接吹き込み混合して所定の圧力で該汚泥を加熱攪拌する工程(以下、加熱攪拌工程という)を含むことを特徴とする汚泥減量方法。
【請求項2】
前記加熱攪拌工程の所定の圧力は、飽和水蒸気圧以上の圧力であることを特徴とする請求項1に記載の汚泥減量方法。
【請求項3】
前記アルカリ工程は、アルカリ添加によって汚泥のpHを7.1〜14に調整する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚泥減量方法。
【請求項4】
前記アルカリが水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項3記載の汚泥減量方法。
【請求項5】
前記加熱攪拌工程の水蒸気の吹き込みは、水蒸気温度100℃〜300℃の条件下で1〜120分間行われる工程であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の汚泥減量方法。
【請求項6】
前記可溶化工程の前記加熱攪拌工程以外に、さらなる攪拌を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の汚泥減量方法。
【請求項7】
汚泥を微生物易分解性な状態に可溶化する可溶化手段を含む汚泥減量装置において、
該可溶化手段の上流に該汚泥にアルカリを添加して該汚泥をアルカリ性にする手段(以下、アルカリ手段という)を備え、
該可溶化手段は該汚泥に水蒸気を直接吹き込み混合して所定の圧力で該汚泥を加熱攪拌する手段(以下、加熱攪拌手段という)を含んでなることを特徴とする汚泥減量装置。
【請求項8】
前記加熱攪拌手段の所定の圧力は、飽和水蒸気圧以上の圧力であることを特徴とする請求項7に記載の汚泥減量装置。
【請求項9】
前記アルカリ手段は、前記汚泥にアルカリを添加することによってpHを7.1〜14に調整する手段であることを特徴とする請求項7又は8に記載の汚泥減量装置。
【請求項10】
前記アルカリが水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項9に記載の汚泥減量装置。
【請求項11】
前記加熱攪拌手段の水蒸気の吹き込みは、水蒸気温度100℃〜300℃の条件下で1〜120分間行われることを特徴とする請求項7〜10の何れか一項に記載の汚泥減量装置。
【請求項12】
前記可溶化手段は前記加熱攪拌手段以外に、さらなる攪拌手段を設けたことを特徴とする請求項7〜11の何れか一項に記載の汚泥減量装置。
【請求項13】
少なくとも、汚泥を微生物易分解性な状態に可溶化する可溶化手段と、該可溶化手段によって可溶化した汚泥を投入する嫌気性処理手段と、該嫌気性処理手段に接続されるバイオガス取得ないし貯蔵手段とを含み、さらに
該可溶化手段の上流に該汚泥にアルカリを添加して該汚泥をアルカリ性にする手段(以下、アルカリ手段という)を備え、
該可溶化手段は該汚泥に水蒸気を直接吹き込み混合して所定の圧力で該汚泥を加熱攪拌する手段(以下、加熱攪拌手段という)を含むことを特徴とするバイオガス発生装置。
【請求項14】
前記加熱攪拌手段の所定の圧力は、飽和水蒸気圧以上の圧力であることを特徴とする請求項13に記載のバイオガス発生装置。
【請求項15】
前記アルカリ手段は、前記汚泥にアルカリを添加することによってpHを7.1〜14に調整する手段であることを特徴とする請求項13又は14に記載のバイオガス発生装置。
【請求項16】
前記アルカリが水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項15に記載のバイオガス発生装置。
【請求項17】
前記加熱攪拌手段の水蒸気の吹き込みは、水蒸気温度100℃〜300℃の条件下で1〜120分間行われることを特徴とする請求項13〜16の何れか一項に記載のバイオガス発生装置。
【請求項18】
前記可溶化手段は前記加熱攪拌手段以外に、さらなる攪拌手段を設けたことを特徴とする請求項13〜17の何れか一項に記載のバイオガス発生装置。
【請求項19】
前記バイオガスはメタンガスを含有するガスであることを特徴とする請求項13〜18の何れか一項に記載のバイオガス発生装置。
【請求項20】
汚泥を微生物易分解性な状態に可溶化する可溶化工程で処理した汚泥を原料として用い、嫌気的な生物処理によって該汚泥からバイオガスを発生させる方法であって、
該可溶化工程前に該汚泥にアルカリを添加して該汚泥をアルカリ性にする工程(以下、アルカリ工程という)を付し、
該可溶化工程は該汚泥に水蒸気を直接吹き込み混合して所定の圧力で該汚泥を加熱攪拌する工程(以下、加熱攪拌工程という)を含み、
発生したバイオガスを取得ないし貯蔵する工程を有することを特徴とするバイオガス発生方法。
【請求項21】
前記加熱攪拌工程の所定の圧力は、飽和水蒸気圧以上の圧力であることを特徴とする請求項20に記載のバイオガス発生方法。
【請求項22】
前記アルカリ工程は、アルカリ添加によって汚泥のpHを7.1〜14に調整する工程であることを特徴とする請求項20又は21に記載のバイオガス発生方法。
【請求項23】
前記アルカリが水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項22記載のバイオガス発生方法。
【請求項24】
前記加熱攪拌工程の水蒸気の吹き込みは、水蒸気温度100℃〜300℃の条件下で1〜120分間行われる工程であることを特徴とする請求項20〜23の何れか一項に記載のバイオガス発生方法。
【請求項25】
前記可溶化工程の前記加熱攪拌工程以外に、さらなる攪拌を行うことを特徴とする請求項20〜24の何れか一項に記載のバイオガス発生方法。
【請求項26】
前記バイオガスはメタンガスを含有するガスであることを特徴とする請求項20〜25の何れか一項に記載のバイオガス発生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−131159(P2011−131159A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292744(P2009−292744)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(506212581)
【Fターム(参考)】