説明

スタンプ

【課題】 使用者本人の意思で、印面体の取付位置すなわち文字同士間、絵と文字間及び絵同士間の間隔を無段階の無制限状態に調整可能にすることによって、自由にアレンジされた微妙に異なる多種多様のパターンの印影を任意に且つ確実に得ることができる新規のスタンプを提供することを目的とする。
【解決手段】 握り部を有する一つの台部材と、台部材の下面に対して着脱部を介して固定しうる二つ以上の印面体から構成され、着脱部は、台部材に上面・下面に貫通する状態で設けられた長孔状留め部と印面体に設けられた長孔状留め部の深さより長い挿込みピンとの手指による挿込み操作により印面体を台部材に固定しうるようにされ及び手指による挿込みピンの押し外し操作により台部材から印面体を外しうるようにされ並びに長孔状留め部に差込まれた挿込みピンが同長孔状留め部に沿ってスライドしうるようにされたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者本人の意思で、印面体の取付位置や取付個数を任意に替えることにより使用することができるスタンプに関する。より具体的には、印面体の取付位置すなわち文字同士間、絵と文字間及び絵同士間の間隔を無段階の無制限状態に調整可能にすることによって、自由にアレンジされた微妙に異なる多種多様のパターンの印影を任意に且つ確実に得ることができるように工夫されたスタンプに関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活においては、用途に応じた多種多様なスタンプが使用されている。例えば文字や記号、キャラクター、図形等が印面に刻印されている幼児用のスタンプ、十二支の干支等が印面に刻印されている年賀はがき用スタンプ等がある。これらスタンプは、誰でも手軽に使用することができることから広い範囲での需要があった。
【0003】
前記した各スタンプは、一般に、握り部を有する台部材と当該台部材の下面に着脱不能に接着されているゴム製の印面体から構成されている。
【0004】
しかしながら、前記スタンプは、捺印操作によって、印面体の印面による一つの決まった印影しか得ることができないと言う致命的な欠陥があった。
【0005】
そこで、多数種の印影を得ることができる回転印等が従前提供されているが、これら回転印は、比較的高価であり、その印面体は幼児が簡単に交換できるようにはなっていなく、幼児には向いていない。しかも得ることができる印面は、決まった形になっていてそれ以上のものは得にくい弱点があり、印面の出来映えを自由にアレンジして多種多様のパターンを使用者自身が楽しむというようなことが殆どできない構造になっていた。
【0006】
また、多数種の交換用印面体を付属パーツとして有しいて、使用者が任意に着け換えて使用できる形式のスタンプも提供されているが、この種のスタンプは、印面体の取り付け位置の間隔が決まっていて、隣りに存する印面体から無段階の無制限状態で遠退く位置または近づく位置に所望の印面体を移動することができなく、より工夫を凝らした印影を得ることができないという制限があった。
【0007】
一方、幼児にとっては、楽しみながら、単語や短文を文字で表わしたり、ストーリーを絵入りで完成させたりできるようになることは望ましい。また決まった絵や模様あるいは定型文等を任意の場所に入れた印影を得ることができることも望ましい。
【0008】
さらに、幼児にとっては、飽きが来たり、退屈さを感じたりしない興趣のあるものが望ましい。
【0009】
また、例えば、社名、住所、電話番号等が入っているゴム印等は、住所が変わった、電話番号が変わった等の度に作り替えているのが現状で、経済的の好ましくない。
【0010】
【特許文献1】なお、本願出願人は、先行技術を調査したが、着脱部が台部材に設けられた長孔状留め部と印面体に設けられた挿込みピンとから構造にされているスタンプについての先行技術文献を見出すことができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記のような実情に鑑み、使用者が印面体を任意に着け替えることで自由にアレンジされた多種多様のパターンの印影を容易且つ簡単に得ることができる利点、印面体の着け替えは幼児にも簡単にできる利点、印面体の着け替えによって単語や短文を文字で表わしたりストーリーを絵無し或いは絵入りで完成させたりすることができる利点、飽きたり退屈させたりさせることなく楽しみながら文字に接しさせることができる利点、会社等にあっては不経済性を解消できる利点等を得ることができる新規のスタンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1に係るスタンプは、握り部を有する一つの台部材と、台部材の下面に対して着脱部を介して固定しうる二つ以上の印面体から構成され、着脱部は、台部材に上面・下面に貫通する状態で設けられた長孔状留め部と印面体に設けられた長孔状留め部の深さより長い挿込みピンとの手指による挿込み操作により印面体を台部材に固定しうるようにされ及び手指による挿込みピンの押し外し操作により台部材から印面体を外しうるようにされ並びに長孔状留め部に差込まれた挿込みピンが同長孔状留め部に沿ってスライドしうるようにされたものである。
【0013】
したがって、台部材の下面に対する印面体の取付は、長孔状留め部に挿込みピンを挿込むことによって簡単にできる。この場合、挿込みピンの頂端部は台部材の上面に突出した状態にされる。また印面体の取外は、突出状態になっている挿込みピンの頂端部を押し込みその勢いで印面体を台部材から遠ざけ離すことによってできる。さらに台部材の下面に取付けられた印面体の位置をズラす必要が生じたときには、突出状態になっている挿込みピンの頂端部を手指で摘んで若しくは押当ててヨコ方向にズラシにすることにより、長孔状留め部に沿ってスライドさせることでできる。
【0014】
その結果、使用者は、前記の印面体の取付操作、印面体の取外及び印面体のズラシ操作を任意に行うことで、自由にアレンジされた多種多様のパターンの印影を容易に且つ簡単に得ることができる。また印面体の着替え操作及びズラシ操作は、単純な差込み作業、押込み作業、横ズラシ作業で可能であるので、幼児にも簡単に行うことができる。
【0015】
しかも、請求項1に係るスタンプにおいて挿込みピンは、印面体の固定機能と印面体の押し外し機能と印面体の横スライド機能の三役を一つで果すことができる。さらに請求項1に係るスタンプは、印面体の外し操作の時及び横スライド操作の時には、挿込みピンの頂端部に手指を当てるようにすればよいので、印面に付着したインクに手指を直接触れることなくこれら各操作ができ、手や衣服等を汚さずに使用できる。
【0016】
また、請求項1に係るスタンプは、印面体の着替によって単語や短文を文字で表わしたり、ストーリーを絵無しで或いは絵入りで完成させたりすることができる。しかもこの場合幼児は、自身で工夫を凝らし、自分で考えた文と同じになるように印面体の着替を行うことによって、自分で考えたストーリーのある短文的要素、絵の要素を備えた印影を得ることができ、知育教育に好適である。
【0017】
前記着脱部は、特に、台部材に設けられた長孔状留め部と印面体に設けられた挿込みピンからなる構造にされているので、印面体の取付位置すなわち文字同士間及び絵と文字間並びに絵同士間の間隔は、無段階の無制限状態で調整できる。したがって自由にアレンジされた微妙に異なる多種多様のパターンの印影を容易に且つ確実に得ることができる。また例えば、印面体の周縁に邪魔になるような突出部があって邪魔になるような場合には、当該突出部を避けるだけの間隔を印面体同士間にあけた状態にして印面体を台部材に取り付けることによって、文字が一定間隔に並んだ美しい文字列を構築するというような使い方ができる。すなわち、この使い方によれば邪魔になる突出部は完全に回避できる。なお、突出部を切除することができるようであれば、文字同士の間隔は狭くすることが可能であるので、必要に応じてそのようにすることは任意である。
【0018】
前記邪魔になる突出部は、例えば、多数個の印面体を連続した状態で成形される過程においてできてしまうランナー部16(図7及び図8参照)の切除作業が、完全になされない場合等において発生する。
【0019】
そもそも、この種のランナー部16は、印面体が製品としてランナー付きのまま使用者に提供されることから、使用者自身がよく切れるナイフを使用して、残らないように丁寧に切除する必要があった。しかしながら、ランナー部16は、ナイフを子供が上手に使うことができない、或は面倒である等が理由でぞんざいに扱われることが往々に多く、ときには手っ取り早く、手指で引きちぎることで処理されることも少なくは無かった。
【0020】
そして、使用者の扱い方によって、引きちぎり等により突出部が残った場合には、前記したように印面体を任意にズラすことによって、隣り合う印面体同士の間隔を調節して突出部の邪魔による問題を簡単に回避でき、等間隔の取付も困難なくできる。
【0021】
換言すれば、隣り合う印面体の周縁面を隙間無くぴたりと合わて使用できる間隔にされた状態で、挿込みピンの留め用丸孔が明けられていた従来品には、前記邪魔になる突出部をきれいに切除してから印面体を台部材に取付けなければならないという煩わしい必要性があったのに対し、本発明は、かかる煩わしい必要性が無く、極めて使い勝手良く、使い易さがあって幼児向きとしては好適である。
【0022】
請求項2に係るスタンプにあっては、台部材には長孔状留め部が平行配列で多数条まで設けられ、一つの印面体には複数本の挿込みピンが長孔状留め部の平行間隔と同じ間隔にして設けられたものである。
【0023】
したがって、請求項2に係るスタンプは、図8に示すように一つの印面体における挿込みピンが隣りの長孔状留め部に跨った状態すなわち印面体が90度回転した状態になるようにして当該印面体を台部材に固定することができる。つまり、請求項2に係るスタンプによれば、縦書き、横書き及びこれら縦、横書きの混在した単語や短文等の印影を容易に得ることができる。
【0024】
請求項3に係るスタンプにあっては、挿込みピンが僅かな弾性を備えた合成樹脂製にされたものである。
【0025】
したがって、請求項3に係るスタンプは、挿込みピンが長孔状留め部に差込まれた状態では、長孔状留め部の両側切縁が挿込みピンの両側面に喰い込んだ状態に自然になるので、挿込みピンの固定すなわち印面体の固定は、螺子等の他部品を使わないでも確実にできる利点があるのみならず挿込みピンの弾性は、差込操作または抜き外し操を比較的小さい力でも容易にできるようにする機能を果すことができ、使い易くするのに役立っている。
【0026】
請求項4に係るスタンプにあっては、台部材が透明材料にされたものである。
【0027】
したがって、請求項4に係るスタンプは、逆文字等印面が下向きになるようにされたために、これを使用者が上方向若しくは斜め上方向から視認し得ないような状態になってしまった場合でも、その使用者は補助表示部を見て簡単に逆文字等印面が何であるかを想知することができるようになって便利であるのみならず印面部をスタンプ本体に取付ける等の場合には、間違った文字を取付けてしまうような事態を回避することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るスタンプは、前記の通りであるので、幼児でも手指を汚すことなく印面体を任意に付け替えることによって多数種の印影を容易に得ることができる。また、幼児自身が行う印面体の着替によって、幼児が考えた自由な発想の単語や短文を文字で表わすことができると共に、当該単語や短文を文字で表わすことによって幼児が考えたストーリーを完成させたりすることができるのみならず、これらによって手先の訓練、大脳の発達に寄与できる。さらに、飽きたり退屈させたりさせることなく楽しみながら文字や絵に接しさせることができる。しかも三役を果す部分を有していて構成が簡易でコスト的にも有利である。また印面体は、偶数本の挿込みピンにより固定するように構成された場合には動かないように確実に且つ簡単に固定でき、前記トラブルを発生しないようにすることができる。さらに前記補助表示部によって逆文字等印面が何であるかを想知することができ、着け間違いを解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1〜図5は、本発明の実施の形態に係るスタンプ1を示すものである。図1は全体を示す下面図であり、図2は同じく上面図であり、図3は同じく側面図であり、図4は下方から見た斜視図であり、図5は上方から見た斜視図である。
【0030】
この実施の形態に係るスタンプ1は、図1〜図5に示すように、握り部2を有する一つの台部材3と、台部材3の下面に対して着脱部4を介して固定しうる二つ以上の印面体5とから構成され、着脱部4は、台部材3に設けられた長孔状留め部6と印面体5に設けられた挿込みピン7との手指による差込み操作により印面体5を台部材3に固定しうるようにされ及び手指による挿込みピン7の押し外し操作により台部材3から印面体5を外しうるようにされ並びに長孔状留め部6に差込まれた挿込みピン7が同長孔状留め部に沿ってスライドしうるようにされている。
【0031】
着脱部4は、具体的には図1〜図5に示すように、台部材3の上下面に貫通する長孔状留め部6と当該長孔状留め部6に挿込む挿込みピン7によって構成され、挿込みピン7は、長孔状留め部6に挿込まれたときにはその頂端部が同長孔状留め部6の上端から突出する長さにされている。当該挿込みピン7の頂端部は、手指による押し外し操作の時には押出し用突起として機能する。したがって、台部材3の下面から印面体5を外す操作において、挿込みピン7の頂端を手指で押し込んだ場合には、容易に印面体5を外すことができる。また、挿込みピン7の頂端部は、印面体5を横にズラすスライド操作の時にはスライド用突起として機能する。したがって、台部材3の下面において印面体5をズラしたい場合には、挿込みピン7の頂端部に手指を当てて押しズラすことによって容易に印面体5をスライドさせることができる。このように挿込みピン7は、印面体5を固定する機能と押し外し操作を容易にする機能とスライドさせる操作を容易にする機能との三役を果して構成を簡略にしている。
【0032】
台部材3は、透明の硬質プラスチックにより成形され、長方形横向き板状部9と当該長方形横向き板状部9の上面に一体に立設された縦向き板状の握り部2から構成され、また長方形横向き板状部9における複数本の等間隔平行線上個所に長孔状留め部6が切設されている。なお、本実施の態様にあっては、図に示すように、長孔状留め部6は、その両端が長方形横向き板状部9の両端に近い個所に達する長さにされ且つ中間の位置には間隔保持用連結部10が設けられている構成になっているが、本発明は、この構成に拘る必要はなく、間隔保持用連結部10を多くしたり、無くしたりすることはできる。また長孔状留め部6の両側切縁面に挿込みピン7の位置ズレ防止用凹凸を設けたり、長孔状留め部6の切縁部の上面に位置を示す目安用印や寸法目盛を付けたりして実施することができる。また透明硬質プラスチックの代りに、不透明プラスチック、生分解性プラスチック、燃焼時にダイオキシンを出さないプラスチック、その他金属等硬質材料を用いることができる。
【0033】
印面体5は、僅かの弾性を備えた軟質プラスチックにより成形され、正方形横向き板状部11と当該正方形横向き板状部11の下面に一体に突設された逆文字の印面12から構成されると共に正方形横向き板状部11の左右上面に挿込みピン7が左右一対配置で設けられ、さらに正方形横向き板状部11の上面には逆文字印面12が視認し得ない状態になった場合でも他の方向からは視認しうる状態で印面12の印影を表わす補助表示部13が設けられている。なお、本実施の態様にあっては、図に示すように、印面体5は、逆文字印面12及び補助表示部13は一体成形により設けられているが、ゴムで別に製造して貼り付ける方法により設けることができる。また、印面体5は、前記軟質プラスチック以外のプラスチック例えば硬質プラスチックで、若しくはスポンジ材でもよく、さらにインクを吸蔵させて提供できる材料でも実施できる。
【0034】
各挿込みピン7の設け位置、設け間隔、設け本数は、実施にあっては、自由に決定することができるが、この場合、台部材3に対して取付けられた印面体5が、不用意にその向きが変わってしまったり、抜け落ちてしまったり、間隔が不揃いになってしまったりする等のトラブルを惹起しないようにする必要がある。
【0035】
因みに、本実施の形態に係るスタンプ1は、印面体5には2本の挿込みピン7が設けられ且つこれら挿込みピン7の間隔は長孔状留め部6同士の間隔に一致するようにされている。したがって、本実施の形態に係るスタンプ1は、2本の挿込みピン7を一本の長孔状留め部6に並んだ状態で差し込んで用いたり、隣り合う一方の長孔状留め部6に一方の挿込みピン7を差し、他方の長孔状留め部6に他方の挿込みピン7を差して用いたりすることができる(図8参照)。すなわち、挿込みピン7の差し方を任意に工夫することによって印影を縦向きにしたり横向きにしたりして用いることはできる利便性がある。
【0036】
本発明の実施に際しては、例えば印面体5における2本の挿込みピン7の間隔と長孔状留め部6同士の間隔とを一致しない構成によりすることができる。このようにすることは、印面体5が同じ方向に向いた状態にしか固定できなくなるので、差込み向きの間違いを惹起し易い年少の幼児に向く製品を提供するのに都合がよい。
【0037】
また、印面体5は、各図中において符号15a、15bによりに示しているような数倍サイズの印面体にすることができる。これは大きな絵や模様、定型文を入れた作品を得るのに都合がよく、パターン、バリエーションを多くするためにも好適である。この場合、挿込みピン7の本数、設け位置、間隔等を工夫することで台部材3に対する取付向きを横向き、縦向きにできるようにしたり、できないようにしたりすることができる。さらに、会社の住所のみを設けた印面体と会社名のみを設けた印面体と電話/FAX番号のみを設けた印面体を台部材とセットにして提供することができる。したがって、この場合において例えば住所が変更されたときにはこれのみを入手する手筈を行うことで対処でき、経済的にも有利である。
【0038】
なお、図6は多数の印面体を並べた集合状態を下面側から見た状態で示し、また図7は図6A−A線に沿う断面を示す拡大断面図である。これら印面体の集合個数は、任意に増減することができる。この場合、短文の作成に数多く使用しそうな文字を特に多くすることが、短文やストーリーの作成に有利である。また、台部材に印面体を固定する個所を多くすることも、同様に短文やストーリーの作成に有利である。
【0039】
前記実施の形態に係るスタンプ1は、例えば次のように使用される。
【0040】
すなわち、「あいえうえを」を列の印影としてもつ絵入り等の印影を得たい場合には、先ず「あ」「い」「え」「う」「え」「を」の印面をもつ印面体5を選出し、これら選出した各印面体5を図1〜図5に示すように、挿込みピン7を長孔状留め部6に差込むことにより台部材3に取付けると共に絵付きの印面をもつ印面体15a、15bを列の印影としてもつ印面体5を選出し、これら選出した各印面体15a、15bを図1〜図5に示すように、挿込みピン7を長孔状留め部6に差込むことにより台部材3に取付けて捺印前の準備を完了し、しかる後にこれを従前のスタンプと同じように、別途用意したスタンプ台(図示せず)を利用して捺印すればよい。
【0041】
また、別の印影を得たい場合には、印面体5、15a、15bを適宜取り替えるたり、または位置をズラすことによって簡単に得ることができる。
【0042】
なお、好ましくは、挿込みピン7の頂端部分の太さを長孔状留め部6の径よりもやや細くして、途中まで押し出したところで自然に落ちるようにすることが望ましい。このようにした場合には挿込みピン7を長孔状留め部6に挿し込み始めるときにも簡単になって有利である。
【0043】
また、印面体は、絵文字、図柄、数字、記号等の印面をもつもので実施することができ、また、大きさを2倍サイズ、4倍サイズ等のように倍サイズにしたり、半サイズ、1/3サイズ等のように小サイズにしたり、形を三角、五角等多角形、円形あるいは花、動物、雲等のような異形にしたりすることができる。このようにすることは、幼児を飽きさせない、退屈させない等のためにも有効であるのみならず大きなあるいは小さな文字や図柄を含む印影を得るのに好都合であり、しかも、大きいサイズの印面体には前記挿込みピン7の本数を多くしたり少なくしたりして難易度に差をもたせることができる。
【0044】
なお、本発明は、長孔状留め部6を一列だけにして実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の好適な一つの実施の形態を示す下面図である。
【図2】同じく上面図である。
【図3】同じく側面図である。
【図4】下方から見た斜視図である。
【図5】上方から見た斜視図である。
【図6】印面体を多数個並べた集合状態で示す上面図である。
【図7】図6A−A線に沿う拡大断面図である。
【図8】他の使用の形態を示す下面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 実施の形態に係るスタンプ
2 握り部
3 台部材
4 着脱部
5 印面体
6 長孔状留め部
7 挿込みピン
9 長方形横向き板状部
10 間隔保持用連結部
11 正方形横向き板状部
12 逆文字の印面
13 補助表示部
15a、15b 数倍サイズの印面体
16 ランナー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
握り部を有する一つの台部材と、台部材の下面に対して着脱部を介して固定しうる二つ以上の印面体から構成され、着脱部は、台部材に上面・下面に貫通する状態で設けられた長孔状留め部と印面体に設けられた長孔状留め部の深さより長い挿込みピンとの手指による挿込み操作により印面体を台部材に固定しうるようにされ及び手指による挿込みピンの押し外し操作により台部材から印面体を外しうるようにされ並びに長孔状留め部に差込まれた挿込みピンが同長孔状留め部に沿ってスライドしうるようにされたことを特徴とするスタンプ。
【請求項2】
台部材には長孔状留め部が平行配列で多数条まで設けられ、一つの印面体には複数本の挿込みピンが長孔状留め部の平行間隔と同じ間隔にして設けられたことを特徴とする請求項1記載のスタンプ。
【請求項3】
挿込みピンが僅かな弾性を備えた合成樹脂製にされたことを特徴とする請求項1または2記載のスタンプ。
【請求項4】
台部材が透明材料にされたことを特徴とする請求項1、2または3記載のスタンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−21511(P2006−21511A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−228734(P2004−228734)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(599138261)