説明

ステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット

【課題】ユーザーが長時間のイヤホン着用による不快適さを感じた後に継続して音楽を聴くために、外部スピーカーに接続可能なステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットを提供する。
【解決手段】ステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット100は、ブルートゥース・レシーバー110と、少なくとも1つの内部スピーカー120と、マイクロホン130と、オーディオ出力ポート140とを含む。内部スピーカーは、ブルートゥース・レシーバーに電気接続されて、ブルートゥース・レシーバーが電子装置200から受信したオーディオ信号を放送する。オーディオ出力ポートは、ブルートゥース・レシーバーに電気接続されるとともに、接続ケーブル400を介して外部スピーカー300のオーディオ入力ポート310に接続するのに適しており、電子装置から受信したステレオ・オーディオ信号が放送するための接続ケーブルを介して外部スピーカーへ伝達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ブルートゥース・ヘッドセット(bluetooth headset)に関し、特に、ステレオ・オーディオ信号(stereo
audio signal)を外部スピーカーへ出力できるブルートゥース・ヘッドセットに関する。
【背景技術】
【0002】
技術の絶え間ない発展にともない、電子製品ができるだけ薄く軽く作られて、ユーザーは、ミニラジオおよびウォークマン(登録商標)ように何時でも何処でも携帯型電子製品を持ち運ぶことができる。また、MP3プレイヤー、モバイルホーン、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistants = PDAs)またはラップトップ(ノートブック)コンピューターのようなパーソナルデジタル製品が日常生活に不可欠なものとなっている。さらに、ラジオおよびMP3プレイヤーを備えたモバイルホーンもまた市場に導入されている。
【0003】
上記した電子製品について言えば、ユーザーが電子製品において他人を妨げることなくオーディオ情報を聴取するために、ヘッドセットが電子製品にとって必須の付属品となっている。また、ヘッドセットは、サウンドのより良い伝達を提供するので、ユーザーがオーディオ情報をより明瞭に聴取かつ理解することができ、空間を伝送される不明瞭な音声とは異なったものとなる。さらに、ユーザーがたとえエクササイズ、ドライビングの動きのある状態、または騒音のある環境においてでも、オーディオ情報が安定したものとなる。
【0004】
モバイルホーンに関して、EMW(Electro Magnetic Wave 電磁波)の人体への起こりえる傷害を低減するとともに、ユーザーの両手がふさがっている時にモバイルホーンに直接アクセスするために、ここ数年、ブルートゥース・ヘッドセットが研究開発されている。ブルートゥース・ヘッドセットは、いわゆる「ブルートゥース」無線規格に適用されるものであり、信号が無方向性で伝送されることができ、音声および記述されたデータを共に処理することができ、多数の装置が同時に接続されることができ、信号伝送角度に制限されないとともに、信号が壁面を通過できる。また、ブルートゥース装置は、省電力でありユーザーフレンドリー(user-friendly)であって、モバイルホーンのワイヤレスヘッドセットとして第1に選択されるものとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザーは、ブルートゥース・ヘッドセットを耳に掛けてマルチメディア・モバイルホーンにより提供される音楽を聴く時、長時間にわたりブルートゥース・ヘッドセットを着用した後、通常、不快適さを感じるものとなる。
【0006】
そこで、この発明の目的は、ユーザーが長時間のイヤホン着用による不快適さを感じた後に継続して音楽を聴くために、替わりの解決策となるステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットは、ブルートゥース・レシーバーと、少なくとも1つの内部スピーカーと、マイクロホンと、オーディオ出力ポートとを含む。ブルートゥース・レシーバーは、ワイヤレスモードにおいて信号を電子装置と送受信するために使用される。内部スピーカーは、ブルートゥース・レシーバーに電気接続されて、電子装置から受信したオーディオ信号を放送する。マイクロホンは、ブルートゥース・レシーバーに電気接続される。オーディオ出力ポートは、ブルートゥース・レシーバーに電気接続されるとともに、接続ケーブルを介して外部スピーカーのオーディオ入力ポートに接続するのに適しており、電子装置から受信したステレオ・オーディオ信号が放送するための接続ケーブルを介して外部スピーカーへ伝達される。
【0008】
この発明中のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットの実施形態に従い、外部スピーカーが家庭用ステレオスピーカー、コンピューター・スピーカーまたはテレビジョン・スピーカーを含む。
【0009】
この発明中のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットの実施形態に従い、ステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットが更にスイッチを含む。スイッチがブルートゥース・レシーバーに電気接続されて、ユーザーが電子装置から受信したオーディオ信号を内部スピーカーまたは外部スピーカーにより放送するよう制御することができる。
【0010】
この発明中のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットの実施形態に従い、ステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットがヘッドホーンデザインを有する。
【0011】
この発明中のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットの実施形態に従い、電子装置がモバイル通信装置、MP3プレイヤー、CDプレイヤー、テレビジョン、ラジオ、VCDプレイヤー、DVDプレイヤー、ラップトップ(ノートブック)コンピューター、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、カーステレオまたは家庭用ステレオを含む。
【0012】
この発明中のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットの実施形態に従い、外部スピーカーのオーディオ入力ポートに接続される接続ケーブルのプラグが、USBプラグ、3.5ミリメーター(mm)プラグ、6.3mmラグまたはRCAプラグを含む。
【0013】
つまり、ユーザーが長時間にわたりイヤホンを着用した後で不快適さを感じる時、この発明のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットは、接続ケーブルを介して放送のためにオーディオ信号を外部スピーカーへ伝達することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットがオーディオ出力ポートを備えているので、電子装置により提供されるステレオ・オーディオ信号を放送のための接続ケーブルを介して外部スピーカーへ伝達することができる。従って、ユーザーが長時間にわたりイヤホンを着用した後に感じる不快感は、替わりに外部スピーカーを介して聴取することにより軽減される。同時に、もしも外部スピーカーがより良いサウンド品質を備えていれば、ユーザーには、より良いサウンド品質が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、この発明の実施形態にかかるステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットの使用状態を示す説明図である。図1において、この実施形態のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット100は、ブルートゥース・トランシーバー110と、少なくとも1つの内部スピーカー120(この実施形態において2つの内部スピーカーが一例として挙げられている)と、マイクロホン130と、オーディオ出力ポート140とを含む。ブルートゥース・トランシーバー110は、ワイヤレスモードにおいて信号を電子装置200と送受信するために使用される。この実施形態の電子装置200は、例えば、通信機能およびステレオ・オーディオ信号のブルートゥース伝送機能を備える、マルチメディア・モバイルホーン、スマートホーン(smart phone)または任意のモバイル通信装置である。しかしながら、電子装置200は、また、ステレオ・オーディオ信号のブルートゥース伝送機能を備える、MP3プレイヤー、CDプレイヤー、テレビジョン、ラジオ、VCDプレイヤー、DVDプレイヤー、ノートブック・コンピューター、PDA、カーステレオ、家庭用ステレオ(household stereo)または任意の電子装置である。
【0016】
内部スピーカー120は、ブルートゥース・トランシーバー110と電気接続されて、電子装置200から受信したオーディオ信号を放送する(broadcast)。とりわけ、内部スピーカー120は、ユーザーが音声通信(sound
communication)を行っている時、電子装置200によりワイヤレスモードにおいて伝送された音声信号を放送する。同時に、内部スピーカー120は、また、音楽、ラジオ、映画サウンドまたは他のステレオ・オーディオ信号のような電子装置200のマルチメディア機能をユーザーが操作している時、電子装置200によりワイヤレスモードにおいて伝送されたステレオ・オーディオ信号を放送する。また、内部スピーカーの数量は、異なる設計要求に従って只1つ又は複数である。
【0017】
マイクロホン130は、ブルートゥース・トランシーバー110と電気接続されて、ユーザーが音声通信、録音または他の機能の操作を行っている時、ブルートゥース・トランシーバー110を介してアナログ・オーディオ(音声)信号を受信するとともにデジタル・オーディオ(音声)信号に変換して、デジタル・オーディオ信号を電子装置200へ伝達する。
【0018】
オーディオ出力ポート140は、ブルートゥース・トランシーバー110と電気接続されるとともに、接続ケーブル400を介して外部スピーカー300のオーディオ入力ポート310に接続されるのに適している。言い換えれば、ブルートゥース・トランシーバー110は、オーディオ出力ポート140、接続ケーブル400およびオーディオ入力ポート310の経路を介して、電子装置200から受信したステレオ・オーディオ信号を外部スピーカー300へ伝達して放送する。オーディオ出力ポート140およびオーディオ入力ポート310の形式は、雌型ジャック(female jack)または他のオプションが採用される。接続ケーブル400は、通常のオーディオ信号線である。外部スピーカー300は、家庭用ステレオスピーカー、一般のコンピューター・スピーカー、テレビジョン・スピーカーまたは任意の適したスピーカーである。もちろん、外部スピーカー300は、また、増幅器(amplifier 図示せず)を含み、オーディオ入力ポート310は、増幅器上に配置されるように設計されて、増幅器を介してステレオ・オーディオ信号を外部スピーカー300のホーン部分へ出力する。また、外部スピーカー300の異なる形式に従って、外部スピーカー300のオーディオ入力ポート310に接続される接続ケーブル400のプラグは、普通の3.5-mmプラグまたは6.3-mmプラグである。しかしながら、プラグは、また、USBプラグ、RCAプラグまたはオーディオ入力ポート310のプラグに対応する任意の他のプラグである。
【0019】
この実施形態中、ステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット100は、ヘッドホーンデザインを備えるけれども、ステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット100は、また、マイクロイヤホンデザインまたは任意の他の適したデザインを採用する。
【0020】
この実施形態のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット100を使用して電子装置200により提供されるステレオ・オーディオ信号を聴く時、それからのステレオ・オーディオ信号がブルートゥース・レシーバー110によって受信されるとともに、内部スピーカー120を介して放送される。ユーザーが長時間にわたりステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット100を着用することにより不快適さを感じる時、電子装置200からのステレオ・オーディオ信号が接続ケーブル400を介して外部スピーカー300へ放送するために伝達される。従って、たとえユーザーがステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット100を継続して着用することなく、それを外したとしても、彼女または彼は、外部スピーカー300を介して、音楽、ラジオまたは映画サウンドのようなステレオ・オーディオ信号を引き続き聴くことができる。さらに、外部スピーカー300は、内部スピーカー120よりもその設計を制限されることが少ないので、ユーザーは、より良いサウンド品質を楽しむことができる。また、ステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット100によって、ステレオ・オーディオ信号のブルートゥース伝送機能を有する任意の電子装置により提供されるステレオ・オーディオ信号は、全て外部スピーカー300へ伝送されて放送することができる。
【0021】
そのうえ、この実施形態のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット100は、さらに、スイッチ(図示せず)を含む。スイッチは、ブルートゥース・トランシーバー110と電気接続される。スイッチによって、ユーザーは、電子装置から受信したオーディオ信号(音声、音楽または他のオーディオ信号を含む)を内部スピーカー120または外部スピーカー300により放送するよう制御することができる。スイッチによりユーザーは、いつでもオーディオ信号の出力経路を切り換えることができる。反対に、スイッチは、また、自動的なものである。例えば、ブルートゥース・トランシーバー110が電子装置200から提供されるテレホンコール信号を受信する時、スイッチが自動的に音声信号を切り換えて内部スピーカー120より放送するので、ユーザーがプライバシーを保持できる。あるいは、スイッチがオーディオ出力ポート140上に統合されるものである。オーディオ出力ポート140および接続ケーブル400間の接続が検知された時、オーディオ信号が自動的に外部スピーカー300により放送されるように切り換えられる。逆に、オーディオ信号が自動的に内部スピーカー120より放送されるよう切り換えられる。もちろん、スイッチは、他の適当な設計を採用することもできるので、ここでは、いちいち説明しない。
【0022】
以上のごとく、この発明を最良の実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の実施形態のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセットの使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0024】
100 ステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット
110 ブルートゥース・レシーバー
120 内部スピーカー
140 オーディオ出力ポート
200 電子装置
300 外部スピーカー
310 オーディオ入力ポート
400 接続ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスモードにおいて信号を電子装置と送受信するために使用されるブルートゥース・トランシーバーと;
前記ブルートゥース・トランシーバーに電気接続されて前記電子装置から受信したオーディオ信号を放送する少なくとも1つの内部スピーカーと;
前記ブルートゥース・トランシーバーに電気接続されるマイクロホンと;
前記ブルートゥース・トランシーバーに電気接続されるとともに、接続ケーブルを介して外部スピーカーのオーディオ入力ポートに接続されるのに適しており、前記電子装置から受信したオーディオ信号が放送するための前記接続ケーブルを介して前記外部スピーカーへ伝達するオーディオ出力ポートと
を含むものであるステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット。
【請求項2】
前記外部スピーカーが、家庭用ステレオスピーカー、コンピューター・スピーカーまたはテレビジョン・スピーカーを含むものである請求項1記載のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット。
【請求項3】
更に、前記ブルートゥース・トランシーバーに電気接続されるスイッチを含んで、ユーザーが前記電子装置から受信されるオーディオ信号を前記内部スピーカーまたは前記外部スピーカーにより放送されるよう制御できるものである請求項1記載のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット。
【請求項4】
ヘッドホーンデザインを有する請求項1記載のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット。
【請求項5】
前記電子装置が、モバイル通信装置、MP3プレイヤー、CDプレイヤー、テレビジョン、ラジオ、VCDプレイヤー、DVDプレイヤー、ノートブック・コンピューター、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、カーステレオまたは家庭用ステレオを含むものである請求項1記載のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット。
【請求項6】
前記外部スピーカーの前記オーディオ入力ポートに接続される前記接続ケーブルのプラグが、USBプラグ、3.5ミリメーター(mm)プラグ、6.3ミリメーター(mm)プラグまたはRCAプラグを含むものである請求項1記載のステレオ・ブルートゥース・ヘッドセット。

【図1】
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【公開番号】特開2009−49971(P2009−49971A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−321388(P2007−321388)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(503116213)固昌通訊股▲ふん▼有限公司 (19)
【氏名又は名称原語表記】Cotron Corporation
【住所又は居所原語表記】12Fl., No. 150, Sec.4, Cheng−de Rd., Shihlin District, Taipei City, Taiwan 111, R.O.C.
【Fターム(参考)】