ストリップコーディング機能を有する測定器一体型のテストストリップ容器
診断テストのシステムは、テストメディアに適用されるサンプルの診断テストを実施する測定器、及び、該測定器に適合するテストメディアを収容するように構成され、選択的に閉じることができる容器を含む。また、前記システムは、テストストリップの新しい容器のために測定器を再較正する幾つかのコーディング方法の1つを用いて、テスト容器から測定器を取り外し且つ新しい容器に取り付ける機構を提供する。さらに、前記システムは自動較正システムを含み、データはテスト測定器によって読み取り可能な形態であり、夫々のテストメディアに個々に提供される。該提供データには、個々のストリップの特定データに関する埋め込みコードが含まれる。前記データは、情報の手動入力を避けるために、診断テストストリップと協動する測定器が読み取れる形で提示される。さらに、前記システムは、トリガーイベントが生じたと判断したとき、新しい機能を実行する測定器を再構成する機構を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本国際特許出願は、2005年10月21日に出願の先の米国特許出願第11/254,881号の優先権を主張する。また、本国際特許出願は、2006年2月13日に出願の先の米国特許出願第11/352,209号の優先権を主張する。上記に関連した夫々の出願の開示全体は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0002】
2006年2月13日に出願の先の米国特許出願第11/352,209号は、2005年10月21日に出願の米国特許出願第11/254,881号の一部継続出願であり、この出願は2004年6月2日に出願の米国特許出願第10/857,917号の一部継続出願であり、更にこの出願は2003年12月31日に出願の米国仮特許第60/533,557号の利益を主張する。これら全ては、参照により本明細書に組み入れられるものとする。更に、2006年2月13日に出願の先の米国特許出願番号第11/352,209号は、2005年7月15日に出願の米国特許出願番号第11/181,778号の一部継続出願あり、この出願は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0003】
更に、本出願は、名称が「統合診断テストシステムに関する測定器(METER FOR AN INTEGRATED DIAGNOSTIC TEST SYSTEM)」である2005年6月28日に交付の米国デザイン特許第D506,832号及び2005年7月19日交付の米国デザイン特許第D507,657号と同様に、2005年7月6日に交付の米国特許出願番号第11/144,715号に関連する出願であり、これらの出願は全て参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0004】
本発明は、診断テストに関し、詳細には電子測定器を用いた診断テストシステムに関する。
【背景技術】
【0005】
診断テストシステムは、一般的に、様々な種類のサンプルについて、様々な種類の診断テストを実施するために使用される。診断テストは、1つのサンプルにおける1以上の被分析物の存在、濃度又は総量を測定する定性的又は定量的なテストであってもよい。分析物は医学的に有効な分析物であって、例えば、グルコース、ケトン類、コレステロール、トリグリセリド、人間の絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、ヘモグロビンA1C、フルクトサミン、炭水化物、腫瘍標識、鉛、抗癲癇薬、肝機能指標、毒素又はそれらの代謝物質、規制物質、血液凝固因子(PT,APTT)等であり、血液、尿、組織、唾液等の生体サンプルに含まれている。しかしながら、診断テストは医療分野に制限されるものではない。例えば、診断テストは、水、土壌又は化学薬品サンプル中の分析物の存在又は含量を測定できる。
【0006】
このような診断テストシステムは、サンプル中の分析物の存在に反応するように構成されたテストメディア(例えば、テストストリップ、タブ、ディスク等)と、及び、診断テストを実施するため及び使用者に診断テスト結果を示すためにテストメディアと接続するように構成された独立の電子測定器と、を含む。
【0007】
使用者は、診断テストを実施するために、先ず初めにサンプルテストメディア(例えば、テストストリップ)を容器から取得し、次に、サンプリング装置を使用して(例えば、ランセットによる採血によって)、サンプルを得る。続いて、得たサンプルをテストメディアにつける(これは、テストメディアを測定器のインターフェースに挿入する前後のいずれのときでもよい)。次に、測定器は、サンプルの診断テストを実施し、その結果を、例えば、数値表示して使用者に示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、多くの場合、診断測定器は大きい。更に、使用者は、これらテストメディア容器、サンプリング装置及び測定器を、手に取り及び置くことを連続して行わなければならないので、テストメディア容器、サンプリング装置及び測定器は、容易に相互から分離される。その結果として、使用者は診断テストを実施するために必要な1以上の構成要素が無いことに気付くことがある。更に、使用者にとって、独立したテストメディア容器、電子測定器及びサンプリング装置を持ち運ぶことは不便である。
【0009】
更に、異なるブランド又は製造ロットのテストメディアは、サンプル中の分析物の存在又は濃度に対して、異なる反応を示すことがある。より正確な結果を得るために、電子測定器は、提供されたブランド又はロットのテストストリップに関して、1以上のブランド又はロットの特定較正パラメータが提供されることで較正される。この較正パラメータは、標準化基準(standardized reference)に対する特定ブランド又は特定ロットのテストメディアの反応に関連するものである。
【0010】
使用者は、夫々の「コーディング」ステップにおいて、測定器に適切な較正パラメータを提供することが要求される。例えば、テストメディア容器は測定器が適切な較正情報を確定するためのコード番号を表示する。使用者は、測定器に較正データを与えるために、例えば、測定器に設けられたボタン又は他の使用者入力装置を用いてコード番号を手動入力する。これに替えて、例えば、製造業者のウェブサイトから較正データをダウンロードすることもできる。他の方法では、テストメディア容器は較正データが電子的に格納されたコードチップを伴って提供される。使用者は、コードチップを測定器の対応するポートに挿入することにより測定器に較正データを提供する。
【0011】
このコーディングステップは、使用者にとって不便又は困難な場合がある。例えば、高齢者や寝たきりの使用者は、較正データのダウンロード又はコードチップの挿入が困難な場合がある。更に、使用者は新しいブランド又はロットのテストメディアを使用する際に、測定器に対して行う較正を忘れることがある。従って、使用者は誤った較正パラメータ若しくはコードを入力するか、又は、使用者はあるブランド又はロットのテストメディアを、異なるブランド又はロットのテストメディアで較正された測定器に使用する可能性がある。加えて、測定器が、一旦、提供されたロットのテストメディア用に較正された場合に、他のロットのテストメディアを用いてその測定器を使用すると、使用者に深刻な影響を与える誤った結果を導く虞がある。例えば、テストが血糖値の自己テストである場合、血糖値の誤った結果は使用者を誤解させ、糖尿病発作を誘発する可能性がある。
【0012】
上述したコーディングの問題点に対する可能な解決案は、ユニバーサル(汎用な)コーディング(universal coding)法を利用することである。この方法は、厳密な合格基準で管理及び分類されたストリップロット、すなわち、全てのテストストリップを較正パラメータの1セットに適合させたものを使用するため、ストリップコーディング又は測定器130に格納されるストリップロットパラメータの1以上の固定セットが要求されない。このユニバーサルコーディングは、測定器130を多数の異なるテストストリップ容器110に使用することを可能にするため、測定器130を取り替えるコストを節約する。更に、ユニバーサルコーディングされたストリップ120は、多数のストリップロットが同一コードを有するように厳密に管理されると共に、測定器の固定コード割当に適合するように厳密に分類される。この方法は、テクニックに依存せず、また、異なるストリップロットが混ざり合うことに起因するエラーの防止を助長する。更に、ユニバーサルコーディングは、測定器130とテストロットコードとの間に不適合がないような補正コードを常に有する。しかしながら、この方法により課される厳密な限定は、その製造プロセス中に大量の廃棄物を生じさせるので、高価な解決案を構成することになる。
【0013】
従って、持ち運びが容易であり、使用者があるブランド又はロットのテストメディア用に較正されていない診断測定器を使用する機会を最小限に抑える診断テストシステムが要求される。加えて、特定のテストメディアを使用するために誤って較正されたテスト測定器を用いてサンプルをテストしてしまう可能性を減少させる診断テストシステムが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様は、従来のシステム及び方法の1以上の限定や不都合を取り除く診断テストシステムを目的とする。
【0015】
一態様において、診断テストシステムは、ハウジング、診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェース、及び診断テストを実施するように構成されるコントローラを含んで構成される測定器を含む。さらに、システムは、開口部を有し、測定器と協働して機能すると共に測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器を含む。予め(製造時に)容器に収容され、少なくとも1つのテストストリップを含んで構成されるテストメディアは、コントローラによって読み取り可能なコードであって、テストストリップの特定データを識別するコードが埋め込まれる。
【0016】
本発明の他の態様は、テストメディアに適用するサンプルに診断テストを実施する測定器を含む診断テストのシステムを目的とする。測定器は、ハウジング、診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェース、及び診断テストを実施するように構成されるコントローラを含んで構成される。容器は、開口部を有し、測定器と協働して機能すると共に、測定器に適合するテストメディアを含むように構成される。予め容器に収容されるテストメディアは、少なくとも1つの診断テストストリップを含んで構成される。テストストリップは少なくとも1つの電気絶縁層を含み、少なくとも1つの電気絶縁層上に形成される伝導パターンは、ストリップの近位領域において少なくとも1つの電気絶縁層上に少なくとも1つの電極、ストリップの遠位領域における少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される電気ストリップ接点、及び電気ストリップ接点の少なくとも幾つかに電極を電気的に接続する伝導性トレースを含む。試薬層は少なくとも1つの電極の少なくとも一部に接続し、電気ストリップ接点の夫々は、コントローラによって読み取り可能な異なるパターンであって、テストストリップの特定データを識別する異なるパターンを少なくとも部分的に形成するように、電気絶縁物質の個別部分と選択的に被覆される。
【0017】
本発明の他の態様は、テストメディアに適用するサンプルに診断テストを実施する測定器を含む診断テストシステムを目的とする。前記測定器は、ハウジング、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェース、及び診断テストを実施するように構成されたコントローラを含んで構成される。容器は、開口部を有し、前記測定器と協働して機能すると共に、前記測定器と適合するテストメディアを含むように構成される。予め容器に収容されるテストメディアは、少なくとも1つの診断テストストリップを含んで構成される。テストストリップは少なくとも1つの電気絶縁層を含み、少なくとも1つの電気絶縁層上に形成される伝導パターンは、ストリップの近位領域において少なくとも1つの電気絶縁層上に少なくとも1つの電極、ストリップの遠位領域における少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される電気ストリップ接点、及び電気ストリップ接点の少なくとも幾つかに電極を電気的に接続する伝導性トレースを含む。試薬層は少なくとも1つの電極の少なくとも一部に接続する。複数の第1電気ストリップ接点は電極と夫々接続する接点から成る。複数の第2電気ストリップ接点はストリップの遠位領域における伝導パターンから成り、電気絶縁物質は複数の第1及び第2電気ストリップ接点を分離する。
【0018】
本発明の他の態様は、ハウジング、診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェース、及び診断テストを実施するように構成されたコントローラを含んで構成される測定器を有する診断テストシステムを目的とする。さらに、システムは、開口部を有し、測定器と適合するテストメディアを含んで構成される。予め容器に収容され、少なくとも1つのテストストリップを含んで構成されるテストメディアは、コントローラによって読み取り可能なコードであって、テストストリップの特定データを識別するコードが埋め込まれる。測定器ハウジングは容器の開口部を閉じるように構成される。
【0019】
他の一態様において、本発明は液体内の組成レベルを測定する方法を目的とする。測定方法は、ハウジング、診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェース、及び診断テストを実施するように構成されたコントローラを含んで構成される測定器を有する診断テストシステムを提供することを含む。さらに、この方法は、測定器と適合するテストメディアを含んで構成される、開口部を有する容器を提供すること、及びコントローラによって読み取り可能なコードが埋め込まれる少なくとも1つのテストストリップを含んで構成される容器内に予め収容されるテストメディアを提供すること、を含んで構成される。さらに、この方法は、容器からテストストリップを取り除くこと、測定器インターフェースへ前記ストリップの第1端部を挿入すること、ストリップの第2端部において液体サンプルを適用すること、コントローラを用いてテストストリップに埋め込まれたコードを読み取ること、コードに基づいてテストストリップの特定データを識別すること、及び前記コントローラを用いて前記液体サンプルの液体成分濃度を計算すること、を含んで構成される。
【0020】
本発明の付加的な利点は以下の記載において、一部が説明され、この一部の記載、又は本発明の実施により明らかになる。本発明の利点は、添付の特許請求範囲において、特に指摘した構成要素の手段及び組み合わせによって実現され、達成される。
【0021】
なお、上述した概略的な記載及び以下の詳細な記載は、単なる例示上及び説明上の記載であり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解するべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本明細書の一部に組み込まれて構成される添付図面は、本発明の幾つかの実施形態を例示し、その記載と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【0023】
添付図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を詳述する。同一の参照番号は、同一又は類似の構成を示すように、可能な限り図面の全体を通して使用される。
【0024】
1.統合システム
【0025】
図1は、本発明の例示的な一実施態様に従う診断テストを実施する統合システム100を示す。例示的な統合システム100は、例えば、テストストリップ120等のテストメディアを収容する容器110、及び、容器110に収容されたテストストリップ120を用いて診断テストを実施する測定器130、を含む。
【0026】
例示的な一実施形態において、診断テストは、テストストリップ120のサンプル室121に加えた全血サンプル中のグルコースの総量を測定する。血糖テストのために、測定器130は、様々な技術の何れかを利用できる。好ましくは、診断テストは、電量分析、電流測定、電位差測定等の電気化学技術を利用する。例示的な電気化学装置は、2004年6月1日に出願の先の米国特許第6,743,635号及び2005年9月20日に出願の先の米国特許第6,946,299号に記載されている。両特許は、発明の名称が「血糖テストのシステム及び方法(SYSTEM AND METHOD FOR BLOOD GLUCOSE TESTING)」であり、出願時に本出願と同様の譲受人により所有されており、更に、参照により本明細書に組み入れられるものとする。或いは、測定器130は、サンプル中のグルコースの総量を測定するために、例えば、反射、透過、散乱、吸収、蛍光、電気化学発光等の光度測定技術も利用できる。例示的な光度測定システムは、米国特許第6,201,607号、第6,284,550号及び第6,541,266号に記載されている。これらは、出願時に本出願と同様の譲受人により所有されており、参照により本明細書に組み入れられるものとする。しかしながら、電気化学技術が、現状において好適な技術である。これは、光度測定技術が要求する血液サンプル量(1μL以上)よりも、電気化学技術が要求する血液サンプル量(1μL以下)の方が少量のためである。更に、電気化学技術を用いた測定器は、一般的に、光度測定技術を用いた測定器よりも電力消費量が少なく且つより小型である。
【0027】
統合システム100を、電気化学技術を用いて血糖濃度を測定する診断テストに関連させて説明する。これにより、本発明の原理が、上述した他のタイプの診断テスト及び技術に適用可能であることが理解される。更に、本発明は、テストストリップ120形状のテストメディアを利用する場合を例示するが、本発明の例示的な実施形態は、このメディアを特定のタイプに限定するものではない。また、当業者であれば、本発明の原理が、例えば、タブ、ディスク等の他形状のテストメディアを利用する診断テストシステムに対して、等しく適用可能であることを理解するであろう。
【0028】
測定器130は、ハウジング131内に含まれる。測定器ハウジング131には、容器110の開口部111を選択的に閉じるために容器110に係合する閉止部140(図1における測定器130の底部)が取り付けられるか、又は、含むことができる。図6に示すように、測定器ハウジング131は、1以上の容器110を受容するように構成された保持具144を更に含む。保持具144は、使用されないときは閉止部140の下部に格納されるように構成され、追加の容器110を受容して保持するために容器110の横位置に(位置矢印によって示されるように)摺動可能に移動する。開口部111は、容器110の唯一の開口である。本実施形態では、測定器ハウジング131は、閉止部140と一致するように形成された一端(例えば、図1における測定器ハウジング131の底部)を有し、例えば、機械的連結(例えば、クリップ等)、ボンディング(bonding)、接着剤による接着、溶接等によって、閉止部140に固定される。また、閉止部140は測定器ハウジング131と一体的に形成することもできる。これにより、測定器130及び閉止部140は共に容器110のキャップ又は蓋を構成する。
【0029】
閉止部140は、複数の方法により、容器110に係合するように構成される。閉止部140は、その閉位置(図3参照)において、容器110からテストメディアの紛失又は除去を十分に防止するために、開口部111を閉じる。従って、閉止部140は、テストストリップ120が開口部111から飛び出ることを防止するために、その閉位置において容器110に係合するように構成される。また、容器110及び閉止部140は、テストメディアの汚染又は性能低下を防ぐために、光、液体、蒸気及び空気の少なくとも1つが容器110へ浸入しないようにも構成される。テストメディアが、中毒性又は窒息の危険性があるように構成される場合には、子供が容器110を開け、テストメディアに触れないようにするために、閉止部140を子供が操作できないように任意に構成する。例えば、閉止部140及び容器110は、医薬品又は家庭用化学品の周知の小児用安全容器と同様の方法で構成されるとよい。
【0030】
例えば、閉止部140及び容器110に相互係合するネジ山(図示略)を備えさせることにより、閉止部140は、ネジ切りキャップとして構成される。また、閉止部140は、例えば、開口部近くの溝(図示略)内で、開口部上を摺動するように構成される。更にまた、閉止部140は、容器110に係合する戻り止め等の留め具(図示略)を備えることもできる(又は、その逆も同様である)。留め具は、ボタンによって解除できる。しかしながら、一実施形態においては、閉止部140は、光、液体及び蒸気の浸入に対して開口部を封止するために、容器110と圧力嵌めを形成するように構成される。例えば、図1において、閉止部140は、開口部111の外側が圧入される凹部(図示略)を有して構成される。これにより、開口部111の周縁が閉止部140の内面にフィットする。また、図2に示すように、閉止部140は、開口部111の内側と係合するように形成された突起部241を有して構成される。しかしながら、本発明は、容器及び閉止部を何れかの特定の構成に限定するものではないこと、及び、本発明の原理と整合する他の構成を利用できること、が理解される。
【0031】
製造を容易にするために、開口部111は、容器110と同形状に形成される。同様に、測定器130のハウジング131は、統合システム100が例えば、使用者のポケット内で保持し易く及び持ち運びやすいように、好ましくは容器110の外形と同形状に形成される。しかしながら、容器110、測定器130及び開口部111は、同一の外形状である必要はなく、及び、容器及び測定器は、本発明の範囲から逸脱しなければ異なる形状で構成されてもよい。
【0032】
好ましくは、図1及び図2に示すように、容器110は、略直円柱であり、及び、開口部111は、円形状である。円形状は、閉止部140と容器110との間の圧力嵌めにより形成される均一な密封を可能にする開口部の1つの可能な構成である。また、図1〜図3に示すように、統合測定器100は、例えば、ズボンのポケット内で保持し易く及び持ち運びやすい全体が略円筒形状を有するように、測定器130も、容器110の幅と同様の幅を有する略円形状及び円筒形状である。しかしながら、容器110、測定器130及び開口部111は、多数のあらゆる他の形状にも形成されることができる。例えば、使用者のシャツポケットに良好に適合させるために、容器110は、長円形、楕円形又は長方形のシリンダーとして形成されることができる。
【0033】
液体及び気体の浸入を一層防止するために、容器110及び閉止部140は、閉止部140が閉位置にあるときに、互いにぴったりとくっついてフィットするように夫々が一致するフランジ112及びフランジ242を備える。また、閉止部140は、好ましくは、突起部143を備える。突起部143は、例えば、使用者が突出部143に対して親指で上方へ力を加えることによって容器110を開け、又は閉じることを十分に補助するために、容器110の側面を越えて延長する。図2に示すように、突出部143は、フランジ242の延長部分である。一方、図3に示すように、突出部143は、測定器ハウジング131上に直接形成されることもできる。
【0034】
図1に示すように、容器110は、容器110から測定器130及び閉止部140を完全に取り外すことによって開けられる。また、測定器130及び閉止部140は、測定器130が容器110から分離されることを防止するために、容器110に連結されることができる。容器110及び測定器130は、例えば、ヒンジ、ランヤード、又は、例えば、可撓性プラスチックバンド若しくはワイヤ等の(図示略)他のフレキシブルコネクタによって連結されることができる。本実施形態では、ヒンジ251は、容器110と、測定器ハウジング131及び閉止部140の少なくとも1つと、を連結する。ヒンジ251は、開口部111が閉じられた状態であるときに、該開口部111と突起部241とがフィットするように配置される。コネクタ(例えば、ヒンジ251)は、容器110に連結される一端と、閉止部140及び測定器ハウジング131の少なくとも一方に連結される他端と、を有する。例えば、容器110及び閉止部140は、発明の名称が「漏れ防止キャップ及び本体アセンブリの製造方法及びその装置(PROCESS AND APPARATUS FOR MAKING A LEAK PROOF CAP AND BODY ASSEMBLY)」である米国特許第5,723,085号等に開示のヒンジによって、一体的に連結される。なお、同特許明細書の全体は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。また、図2に示すように、コネクタ(例えば、ヒンジ251)の一端は、容器110上に合致する大きさに設定されるリング252に連結される。リング252は、小摩擦抵抗により容器110に係合するように構成される。他の方法として、例えば、リング252は、溶接、接着剤による接着等によって、容器110に固着される。更に、容器110は、容器を開くときにその中身を自動的に又は選択的に照らす発光ダイオード(LED)253を含む。図7〜図9に示すように、LED253は容器に配置されるか、測定器ハウジング131に配置されるか、又は容器110の外部を照らすために更に配置される。
【0035】
一実施形態において、容器110及び閉止部140は、射出成形方法を使用してポリプロピレンから形成される。しかしながら、他の原料及び方法も、本発明の範囲から逸脱しなければ用いることができる。
【0036】
統合システム100は、テスト用のサンプルを得るために使用されるサンプリング装置を更に含むことができる。サンプリング装置は、生体サンプルの採取に適している。例えば、サンプリング装置は、血糖値の診断テスト等において、使用者が採血するために使用する穿刺装置であってもよい。
【0037】
図3は、穿刺装置360を組み込んだ例示的な統合システムを示す。例示的な穿刺装置360は、後部体312、指カバー314、外部ノズル318、内部ノズル322及びトリガー324を含む。例示的な穿刺装置360は、接触面321を過ぎて使用者が選択した深さまで皮膚を穿刺するランセット320を前進させるための内部スプリング(図示略)を更に含む。
【0038】
図3に示すように、例示的な穿刺装置360は、容器100に連結することができる。穿刺装置360は、例えば、後部体312、指カバー314、外部ノズル318若しくは内部ノズル322を容器と結合して形成することによって、又は、これら構成要素の1つを例えば、機械的連結(クリップ、ブラケット、タブ、溝等)、ボンディング、接着剤による接着、溶接等により容器110に固着することによって、容器110から取り外せないように連結される。当業者に明らかであるならば、他の周知手段を用いてもよい。また、穿刺装置360は、穿刺装置360及び容器110の夫々が対応する解除式コネクタを備えることによって、着脱自在に容器110に連結される。例えば、穿刺装置360は、容器110の対応構造に係合する1以上の溝、穴、孔、筺体又はクリップを有して提供される。また、その逆も同様である。図26に示すように、保持クリップ608は止り嵌めとなるように容器110上を広がる。保持クリップ608は穿刺装置360の適所に着脱自在に係合するクリップを含む。同様に、図27は、容器110に係合するように設計された保持穴610と穿刺装置360とを共に取り付けたものを示す。当業者であれば、例えば、ブラケット、磁石、差込ロック、溝、タブ、フック及びループファスナー等の他の保持具を、診断テストに用いる1以上の装置の取り付けに使用できることが理解される。更にまた、穿刺装置360は、測定器130のハウジング131又は閉止部140に連結されることができる。好ましくは、後部体312、指カバー314、外部ノズル318又は内部ノズル322の何れか1つのみが、容器110に連結される。これは、穿刺装置360を、容器110から分離することなく調整及び使用できるようにするためである。
【0039】
例示的な穿刺装置360を使用し、サンプルを採血するためには、先ず、使用者は、外部ノズル318上の深度計326を内部ノズル322上の矢印328に合わせるために、外部ノズル318を回転させる。これによりランセット320の所望の穿刺深さを選択する。次に、使用者は、内部ノズル322を後部体312から離す方向に引っ張ることにより内部スプリングに負荷を与え付勢し、穿刺する皮膚表面に接触面321を配置する。次に、使用者は、接触面321を過ぎて指示深度までランセット320を皮膚内に前進させる内部スプリングの付勢を解除するために、トリガー324を作動させる。その後、血液サンプルが、テストストリップ120のサンプル室121に加えられる。
【0040】
例示的な穿刺装置360の更なる詳細は、2004年1月15日に出願された、発明の名称が「穿刺装置(LANCHING DEVICE)」である先の米国特許出願第10/757,776号、に開示されている。この出願は、出願時に本出願と同様の譲受人により所有されており、参照により本明細書に組み入れられるものとする。しかしながら、本発明は如何なる特定のサンプリング装置にも限定されず、及び、当業者であれば、他のサンプリング装置を上述した例示的な穿刺装置と同様の方法で組み込めることを理解するであろう。
【0041】
2.測定電子機器
【0042】
図4は、例示的な測定器130の機能的な構成要素を示したブロック図である。図4に示すように、測定器130は、コントローラ機能部400、メディアインターフェース410、電力供給部420、使用者制御機能部430、入出力機能部440、インジケータ機能部450、メディア分配機構部460、音声メッセージ機能部470、及び環境センサ480を含む。図4に示されていないが、少なくとも一実施形態において、メディアインターフェース410は、図15〜図22に関連して後述するオン−ストリップコーディング(On-strip coding)配置の実施に必要な全ての構造を含む。例えば、メディアインターフェース410は、後に詳述する複数の第1コネクタ接点738及び複数の第2コネクタ接点740を含む。従って、以下に記載する実施形態は、後に詳述するオン−ストリップコーディングシステムの利点と、一体化された測定器130と容器110との配置の利点と、を組み合わせている。本実施形態では、測定器130の機能的な構成要素は、測定器ハウジング131内に含まれる。しかしながら、特定機能部の構成要素の一部又は全てが統合システム100の他の部分に配置されてもよいことが理解される。
【0043】
コントローラ400は、ソフトウェア又はファームウェアとして提供される命令402に従って、測定器の機能的な構成要素の動作を制御する。コントローラ400は、プロセッサ機能部404、メモリ機能部406、クロック機能部408を含む。本発明の実施形態において、プロセッサ機能部404、メモリ機能部406、クロック機能部408の少なくとも1つは、標準集積回路技術と比較して、コントローラ400の小型化を可能にする特定用途向け集積回路(ASIC)を利用して実装可能である。しかしながら、コントローラ400は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、標準集積回路技術又はその他の技術を利用して実装可能であることが理解される。
【0044】
プロセッサ機能部404は、測定器130の機能的な構成要素410〜480を制御するための命令402を実行する。特に、プロセッサ404は、診断テストを行うために(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号及び米国特許第6,946,299号に記載されているように)必要な命令402を実行する。プロセッサ404に対する命令402は、メモリ406又はその他に格納されてもよい。また、メモリ406は、診断テストの実行において使用される、例えば、較正データ及びその他のデータ等を保存する。本発明の例示的な実施形態において、メモリ406は、測定後に再検討又は後述するアップロードのために、時刻並びに日付のデータ及び関連する音声メッセージの少なくとも一方と共に、診断テスト結果を格納するために用いられる。
【0045】
クロック機能部408は、命令402をプロセッサが実行する際に正確なテンポに調整する。特に、クロック機能部408は、診断テストにおける各ステップのタイミングを調整するために使用される。例えば、プロセッサ404は、培養期間、又は、診断テストの正確な実行に必要なその他の期間を調整するためにクロック機能部408を利用する(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号及び米国特許第6,946,299号に記載されている)。クロック機能部408は、単一のシステムクロック又は異なる目的に用いられる複数のクロックにより実現される。
【0046】
メディアインターフェース410は、例えば、テストストリップ120等のテストのためにテストメディアを受容すると共に、このテストメディアが使用者又はメディア分配機構部460によって挿入されたときに、正確に配置されることを確実にするチャネル411を含むことができる。インターフェース410は、例えば、テストストリップ120が正確にテストポート410に挿入されたか否か(すなわち、テストストリップ120のインターフェース側122がメディアセンサに関して適切に配置されているか否か)、テストストリップのサンプル側121のサンプル室に適切な量のサンプルが加えられたか否か、及び、サンプルにおける分析物の存在又は濃度、を確定する1以上のメディアセンサを含む。電気化学的技術を用いる測定器に関して、メディアセンサは、テストストリップ120のインターフェース側122の電極に対応する1以上の電気接点を含む。光度測定技術を用いる測定器に関して、少なくともサンプル中の分析物の存在又は濃度は、例えば、LED等の光センサ及びこれに相当する光検出器が用いられて決定される。
【0047】
電力供給部420は、測定器130の電子構成部品に電力を供給する。本実施形態において、電力供給部は、リチウムコイン電池である。しかしながら、例えば、その他の電池、例えば、太陽電池やAC/DC変換器等のその他の電源を、本発明の要旨を逸脱しない範囲で使用することができる。電力供給部の出力は、例えば定電圧回路によって制御される。
【0048】
使用者制御機能部430は、例えば、1以上のボタン、スイッチ、キー、又は測定器130の各機能を制御するその他の制御手段を含むことができる。本実施形態において、使用者制御機能部430は、測定器ハウジング131の左側面に配置された1以上のボタン132によって実現される(図1参照)。この配置において、ボタン132は、ディスプレイ133を上方から見る位置となるように統合システム100を右手で保持すれば、右手の親指又は人差し指で簡易に押すことができる。しかしながら、使用者制御機能部430は、測定器130の他の場所に配置されてもよい。例えば、ボタン132は、左利きの使用者に都合が良いように測定器ハウジング131の右側面、又は測定器の上面(例えば、ディスプレイ133下の中央)に配置することができる。他の実施形態として、使用者制御機能部430は、例えば、使用者がテストストリップを取り出すために容器110を開けたときに測定器130に自動的に電源が入るように、使用者が閉止部140を開けたときに作動するスイッチを含む。
【0049】
本発明の例示的な実施形態において、使用者制御機能部430は、測定器の各機能部を制御するために用いられる1つの制御手段、例えば、1つのボタン132を用いて実現される。例えば、使用者制御機能部430は、入出力機能部440、インジケータ機能部450及びメディア分配機構部460、音声メッセージ機能部470の少なくとも1つに対して、直接又はコントローラ400を通じてコマンドを出力することによって、これらの機能部及び機構部を制御するために用いられる。また、使用者制御機能部430は、コントローラ400の診断テスト機能を制御する場合にも使用される。例えば、テストが対照溶液を使用して実施される場合(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号及び米国特許第6,946,299号に記載されている)、現在のサンプルが対照溶液であることをコントローラ400に指示するために、ボタン132が押される。これに従って、コントローラ400は、現在のテストストリップに対して対照テストを実施する。
【0050】
一方、複数の使用者制御機能部、即ち、複数のボタン132は、それぞれが異なる機能を有する。例えば、使用者が、メモリ406に格納された診断テスト結果を前後方向にスクロール可能なように、2つのボタンが配置される。使用者を補助するために、特定時間におけるボタン132の機能を、インジケータ機能部450に動的に示すことができる。例えば、前回のテスト結果を検討するときに、ディスプレイ133等のインジケータ機能部450は、使用者に「ボタンを押すと次の結果を表示」と指示する。更に、使用者制御機能部430は、異なる時間毎に、異なる機能を有することができる。例えば、メディアインターフェース410へテストストリップを挿入して、ボタン132を押し続けると、コントローラに対して、そのテストストリップの対照テストを実行するように命令することができる。一方、テストストリップを挿入せずにボタン132を押し続けると、コントローラに対して、過去の診断テスト結果を表示するように命令することができる。
【0051】
入出力機能部440は、データ又は測定器130への命令402のダウンロード、及び、測定器130からのデータのアップロード、の少なくとも一方を提供する。入出力機能部440は、例えば、診断テスト結果(又は複数のテスト結果)をアップロードするために使用される。このアップロードは、診断テスト結果を、記憶装置、又は、例えば、使用者を治療する医療提供者等の第三者へ転送する。また、入出力機能部440は、データ(例えば、較正データ)又は測定器130への命令402(例えば、アップデートソフトウェア)をダウンロードするためにも使用される。入出力機能部440は、例えば、シリアルポート、パラレルポート、光学ポート、赤外線インターフェース等のあらゆる従来のデジタル又はアナログ情報インターフェースを用いて実現できる。
【0052】
インジケータ機能部450は、例えば、測定の単位と共に数値として診断テスト結果を使用者に示す。そして、診断テスト結果を示すことに加えて、インジケータは、その他の情報を使用者に示すことができる。例えば、インジケータ216は、複数のテスト結果の平均、時間及び日付の少なくとも1つ、バッテリ残量等を示す(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号及び米国特許第6,946,299号に記載されている)。また、インジケータ450は、例えば、サンプルをテストストリップに適用するなど、診断テストにおける特定ステップの実行を使用者に促すために使用される。さらに、本発明の例示的な実施形態において(以下に説明する)、インジケータ450は、容器110に残っているテストストリップの数、テスト回数又は測定器130が停止するまでの残余時間等も示す。
【0053】
インジケータ機能部450は、可視形態、可聴形態又は触知形態で現在の情報を示すことができる。例えば、インジケータ450は、数値、言葉及びアイコンの少なくとも1つ等を用いて情報を表示するディスプレイ133を含む。幾つかの異なる技術が、ディスプレイ133に用いられる。例えば、ディスプレイは、液晶ディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ、電子発光ディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ等でもよい。例示的な本実施形態におけるディスプレイ133は、液晶ディスプレイである。更に、図12に示すように、インジケータ機能部450は、テストストリップ120をテストポート410に挿入するときに、テストストリップ120の挿入部を照らすバックライト付ディスプレイ123を含む。更に、ハウジング131の上部リング部124は、バックライト付ディスプレイ123に光学的に結合され、テストストリップ120が十分に照らされない領域に挿入される場合は、可視性を改善するためにバックライト又はバイアルライトLED(図7〜図9)のどちらか一方からの光が導かれる色透明な成形部分で構成される。更に加えて、図13に示すように、フランジ112もまた、容器110が開いているときに光を発する透明な成形部分で構成される。
【0054】
これに対し又は加えて、インジケータ450は、音によって情報を示すように構成される音響式インジケータを含むことができる。例えば、インジケータ450は、音声回路及び音響回路の少なくとも一方に接続されるスピーカを含んで構成される。このスピーカは、例えば、診断テストの結果を読み上げ、又は、エラーが発生したことを警告音で示す。更に、インジケータ450は、使用者のFMラジオに可聴出力を提供するために、特定のFM無線周波数にリンクできる。同様に、インジケータ450は、使用者にテスト情報を示すために、例えばMP3プレーヤ、携帯電話、携帯コンピュータシステム、又はブラックベリー装置(BLACKBERRY(登録商標) device)等のあらゆるパーソナル電子装置にリンクできる。更に代替として、インジケータ450は、視覚障害者に対する動的点字インジケータとして実現することができる。
【0055】
一実施形態において、インジケータ機能部450は、音源回路(図示省略)に接続されたスピーカに加えてディスプレイ133をも含む。図1及び図3に示すように、ディスプレイ133は測定器ハウジング131の上部に配置される。この配置によれば、測定器が、ボタン132に親指又は人さし指を置いて手に把持されると、ディスプレイ133が良好に見える。
【0056】
例えば、テストストリップ120等の診断用テストメディアは、一般的に、非常に小さいので、特定の使用者は、容器からテストメディアを見つけて取り出すことが困難な場合がある。従って、メディア分配機構部は、容器からテストメディアを自動的に分配するように提供される。
【0057】
図5はメディア分配機構部460を有する例示的な統合システムの断面図を示す。本実施形態において、容器は、ばね式マガジン510として構成される。複数のテストストリップ120は、マガジン510内に重ねて積み上げられる。マガジン510は、積み上げ(スタック)配置を維持するために、テストメディア形状と同様の内側形状を有してもよい。例えば、図1に示すようなテストストリップ120であれば、マガジン510の内側は略矩形の横断面となる。
【0058】
ばね516は、マガジン510の上部518に向かってテストストリップのスタックを押し上げる。ここで、最上にあるテストストリップ125は、ストリップ分配機構部460に対して使用可能な状態に配置される。分配機構部460は、線形機構の動き及び回転機構の動きの少なくとも一方を利用し、スタックの最上にあるテストストリップ125を分配する。機構の動きは、例えば使用者がスライドを引っ張り又はホイールを回転させる等の手動によって実行されるか、又は、例えばステッピングモータ等のモータを使用者制御機能部430により作動させることによって実行される。最上にあるテストストリップ125は、スタックから摺動されて溝520を通過する。この実施形態において使用されるテストメディアは、滑らかな排出(エジェクタ)を確実にするために、例えばテフロン(登録商標)等の非摩擦コーティング又はフィルムをテストメディアの両面に施すことにより改善される。
【0059】
特定の診断テストでは、サンプルが塗布される前にテストストリップをテストメディアインターフェース410へ挿入することを要求する。この場合、メディア分配機構部460は、図5に示すように、メディアインターフェース410範囲内で、排出されたテストストリップ125のインターフェース側122、例えば、メディアセンサに係合するテストストリップのインターフェース側122に配置され、テストストリップのサンプル室121が測定器130から外側に突出することで、サンプルの塗布が可能になる。また、メディア分配機構部460は、使用者に対し、最上にあるテストストリップ125の何れの端部であっても容易に示すことができる。この場合、使用者は手動でテストストリップ125をメディアインターフェース410へ挿入する(特定の診断テストの要件に従い、サンプルが塗布される前後のいつでもよい)。コントローラ400は、メディア分配機構460が排出するテストストリップ120の数を計数するように命令し、及び、例えばマガジン510内に残っているテストストリップ120の数を示すことをインジケータ機能部450に生じさせる。
【0060】
音声メッセージ機能部470は、所定の診断テスト結果に関する音声メッセージの記録に使用される。血糖値の自己テストのために、例えば、使用者は、診断テスト時間に食事に関連する情報を記録するために音声メッセージ機能部470を使用する。音声メッセージは、特定のテスト結果と関連するポインタ(pointer)と共にメモリ406に記録される。音声メッセージ機能部470の使用は、本出願と同様の譲受人に所有されている2004年1月26日に出願の先の米国特許出願第10/764,974号、「音声メッセージ機能付き医療診断テスト装置(MEDICAL DIAGNOSTIC TESTING DEVICE WITH VOICE MESSAGE CAPABILITY)」に十分に開示されており、参照により本明細書に組み入れられるものとする。測定器130の使用期間が終わった場合には、使用者は、測定器130を医療提供者に渡すか又は送ることができる。そして、医療提供者は、使用者の治療に用いるために、診断テスト結果及び関連する音声メッセージの少なくとも一方を検討する。
【0061】
環境検知機能部480は、診断テストの実施で扱ったデータを収集するために使用される1以上のセンサを含む。この種の環境センサは、例えば、温度センサ及び湿度センサの少なくとも一方を含む。例えば、測定器130は、温度依存に対する診断テスト結果を補正するために温度読み取りを使用してもよい(これは、参照により本明細書に組み入れる米国特許第6、743、635号及び米国特許第6、946、299号に記載されている)。他の実施形態として、測定器130は、診断テストの実施において湿度レベルが高すぎるか否かを確認する湿度読み取りを使用してもよい。
【0062】
3.不正確なテストストリップ使用の防止
【0063】
測定器130は、特定ブランド又は製造ロットのテストメディアを使用するために較正される。これは、1以上の較正パラメータを用いる特定ブランド又はロットについて、測定器130が実施する診断テストをカスタマイズすることにより行われる。この較正パラメータは、例えば、温度補正などの環境補正、例えば、インキュベーション時間に関するタイミング周期の補正、例えば、電気化学テストに用いる電圧補正、例えば、光度測定テストに用いる色の変化等を含み、特定ブランド又は製造ロットのテストメディアに対して、コントローラ400の診断テスト機能をカスタマイズする。上述の参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6、743、635号及び米国特許第6、946、299号を参照されたい。
【0064】
本発明の実施形態において、統合システム100は、測定器130と共にパッケージ化されるテストストリップ120の1以上の容器110又はマガジン510を含む。パッケージ内のテストストリップ120の夫々は、同一の製造ロットであるか又は血糖に対して同一の特性反応を有する。これは、測定器130が、一旦較正された後は、再較正をすることなく、パッケージ内のいずれのテストストリップ120でも使用できるようするためである。
【0065】
パッケージされた測定器130の診断テスト機能は、例えば、テストメディアと関連させるためにカスタマイズする命令402及びデータの少なくとも一方を提供する製造会社又は販売店により、予め較正される。また、測定器130は、診断テストを実施する前に、テストメディアの特定ブランド又はロットに関する測定器の較正を使用者に要求することによって、使用者レベルで較正されることもできる。例えば、使用者は、較正データ若しくは較正データを導くコントローラ400が出力するコードを入力又はダウンロードするために、使用者制御機能部430又は入出力機能部440を使用する。他の方法では、夫々のテストメディア容器110(又は同一ロットで共通パッケージ化グループの容器)は、電子較正データを格納するデータ記憶装置と共に提供される。上述の参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6、743、635号及び米国特許第6、946、299号を参照されたい。
【0066】
パッケージ内のテストストリップ120が同一の製造ロットでない場合、又はテストストリップ120が血糖に対する同一の特性反応を有しない場合、使用者は、測定器130を新しいブランド又はロットのテストメディアに対応するように較正することを忘れる虞がある。そこで、本発明では、測定器130が誤って較正された場合に、使用者に対して深刻な影響を与える誤った結果を防止する幾つかの異なるコーディング技術を用いることによって、測定器130をテストストリップ容器110から取り外し且つ他の容器に移動することができるようにする。測定器が、適合ロットのストリップに対してコーディングされた容器と適切に関連する限り、使用者は、測定器に更なるプログラムを与える処理は不要である。
【0067】
3a.オン−ストリップコーディングに関する態様
【0068】
一実施形態において、コードチップ又はボタンコードの変更し忘れに関連して通常起こり得るコーディングエラーは、オン−ストリップコーディング方法により防止される。この方法は、測定器130に提供されるテストストリップ120に対して実施される。ここでは、特定のテストストリップロットと一致するロットコードパラメータの1セットが、測定器のメモリ406から選択される。オン−ストリップコ−ディングは、テクニックに依存せず、そしてストリップ120の夫々のバイアルと共に測定器130にかかる費用を抑えられるという点において、ユニバーサルコーディングと類似する。
【0069】
オン−ストリップコーディングに関して、例えば、1つのテストストリップ120等の個々のテストメディアは、測定器130が読み取り可能な埋め込みコードを含む。このコードは、テストストリップのロットに関連するデータ、又は個々のテストストリップ120に特有のデータに関する。埋め込まれた情報は測定器によって読み取り可能なデータを示す。測定器は、マイクロプロセッサにアクセスするため信号を送り、個々のストリップ又は、個々のテストストリップが属する製造ロットから(複数の)テストメディアを特定する格納された較正パラメータの特定セットを利用する。この方法において、上記(例えば、環境補正、タイミング周期の補正、電圧補正、色の変化等)で示した同一の較正パラメータが、特定のテストメディア上に(容器110に関するコードとは対照的なものとして)個々に提供され、人為的エラーを伴わずにコントローラ400により直接読み取られる。
【0070】
一実施形態において、夫々のテストストリップ120は、そのインターフェース側122に形成される電気接点のパターンに対応する個々のコードが埋め込まれる。測定器130と個々のテストストリップ120との有効な接続に関し、測定器は、インターフェース側122にある接続パッドから読み出される特定コードを受信する。この特定コードは、測定器が基底(underlying)テストストリップ120に関するデータにアクセスするための情報信号を表す。コード化された情報は、実行させる特定テストを示すパラメータ、テストプローブへの接続を示すパラメータ、チェックストリップ、較正係数、温度補正係数、phレベル補正係数、湿度補正、ヘマトクリット補正データ、及びテストストリップの特定ブランドを認識するためのデータへの接続を示すパラメータなどを含むデータに、測定器がアクセスする信号である。しかし、これらに限定するものではない。
【0071】
個々のテストストリップを個々に区別するコードデータの取り込みは、測定精度に関する有利な効果に加えて、多数の有利な効果をも提供する。例えば、個々のストリップコーディングを用いると、使用者は測定器のロットコードを手動で入力する必要がないため、この重要なステップで使用者が入力ミスする可能性が取り除かれる。また、個々のテストストリップに直接格納されるストリップロットコードは、1つのストリップバイアル内に複数のストリップロットを混在させて出荷する手段を提供する。これに比べて、現在の技術は、同一ロットコードで構成されるバイアル内の全てのストリップ(一般的に、バイアル内にパッケージされる50個の同一ロットのストリップ)に対して、ボタンやキーによるコーディングを要求する。
【0072】
また、特定コードを示す個々のストリップコーティングは、ばら包装という有利な効果を提供する。例えば、複数ロットのテストストリップを混在させること及び異なる総数のストリップを含むバイアルが可能になる。そして、種々のロットのストリップは販売のために混在させたまま集められてパッケージ化される。このため、単一ロット毎のストリップをパッケージ化するよりも、製造時間を短縮化し、費用を抑えることができる。更に、ストリップに格納される個々のロット較正コードは、単一ロットであっても全て又は何れかに偏差が存在する虞のあるストリップロット全体にコードを異ならせる手段を提供する。製造中に生じるストリップロット内の所定の偏差は、ロット全体に連続的な変化コードを適用することによって補正することができる。これにより、ロットストリップ内のストリップ偏差が生じる問題を解決しその偏差を改善する。更にまた、個々のストリップに関するロットコードの埋め込みは、異なる種類のテストストリップ(例えば、グルコース用のテストストリップやケトン用のテストストリップ)、チェックストリップ、又は異なる製造方法などを識別し、測定器のアップグレード用のデータを提供し、特定の測定器又は特定の測定器の種類にのみ使用する特定のテストストリップと相関させ(以下で詳述)、特定の予防措置(手段)に関するデータを提供するために、使用されることできる。
【0073】
以下の開示では、電気化学技術を採用するシステムで用いる特定のオン−ストリップコーディング配置の一実施形態を提供する。加えて、以下の実施形態では、オン−ストリップコーディングシステムの利点と、上述したような一体化された測定器130と容器110との配置の利点と、を組み合わせる。なお、上述では、テストストリップ120の形状をしたテストメディアを用いて本発明の一実施形態を説明したが、本発明の種々の態様はメディアの特定形状に限定されるものではない。当業者であれば、オン−ストリップコーディングの各態様を含む本発明の原理が、代替技術及びこれらで採用されるタブやディスク等の形状をしたテストメディアを用いる診断テストシステムに同様に適用できることを認識するであろう。
【0074】
テストメディアは、例えば、血液サンプルなどの使用者の液体サンプルを受け入れるサンプル室を含んで製造される。本明細書のサンプル室及びテストストリップは、本出願と同様の譲受人により所有されており、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号に記載されている物質及び方法を用いて形成される。従って、サンプル室は、テストストリップの近位端部に、第1開口部及びサンプル室をガス抜きする第2開口部を含んで構成される。また、サンプル室は、血液サンプルを第1開口部に引き込み、及び、毛管作用によって、サンプル室内の血液サンプルを保持するために必要な大きさに設計される。テストストリップは、近位端部で最も狭くなるテーパ部を含み、第1開口部の位置及び血液サンプルを加える位置に使用者の使用便宜を図る他の印を含む。
【0075】
作用電極及び対極は、充填−検出電極と共にサンプル室に任意に配置される。試薬層は、サンプル室に配置され、好ましくは、少なくとも作用電極に接触する。試薬層は、例えば、グルコースオキシダーゼ等の酵素や、例えば、フェリシアン化カリウム又はルテニウムヘキサミン(ruthenium hexamine)等のメディエータを含む。テストストリップは、その遠位端部の付近において、伝導トレースを介して電気的に接続される複数の第1電気ストリップ接点を備えている。加えて、テストストリップは、ストリップの遠位端部付近において、複数の第2電気ストリップ接点を含んで構成される。複数の第2電気接点は、ストリップが測定器に挿入されたときに、測定器が読み取り可能なコードであって、ロットを明確に区別できるコードを提供するように配置される。上述したように、読み取り可能コードは、測定器に搭載されたオンボードメモリユニットから、例えば、あるロットのテストストリップに関する較正係数又は個々のテストストリップに対応した更なる情報などのアクセスデータに対する信号として読み取られる。
【0076】
測定器は、電池式でもよく、電力を節約するために、使用されていないときには低電力のスリープモードの状態になる。テストストリップが測定器に挿入されると、テストストリップ上の複数の第1電気接点及び第2電気接点は、夫々に対応するように測定器に設けられた電気接点と接触する。複数の第2電気接点は、測定器の一対の電気接点をブリッジし、該複数の第2電気接点部分を通じた電流フローを生じさせる。複数の第2電気接点を通じた電流フローは、測定器を起動しアクティブモードに移行させる。また、測定器は、複数の第2電気接点から提供されるコード情報を読み取って、例えば、実行する特定テストの種類又は正確な作動状態を確認するか否かなどを識別する。加えて、測定器は、特定のコード情報に基づいて、挿入されたストリップがテストストリップ又はチェックストリップの何れであるかを識別する。そして、測定器は、チェックストリップであることを検出した場合には、チェックストリップシーケンスを実行する。一方、測定器は、テストストリップであることを検出した場合には、テストストリップシーケンスを実行する。
【0077】
テストストリップシーケンスにおいて、測定器は、作用電極、対極及び構成に含まれている場合には充填−検出電極を検証する。これは、測定器が、それら各電極間に低インピーダンス経路が存在するか否かを確認することにより実行される。電極が有効であると、測定器は、使用者に対してサンプルをテストストリップに加えるよう指示する。測定器は、作用電極と対極との間にドロップ−検出電圧を印加し、例えば、血液サンプルなどの液体サンプルを検出する。これは、作用電極と対極との間の電流フロー(即ち、作用電極と対極とをブリッジする血液サンプルを通じた電流フロー)を検出することにより実行される。サンプル室に存在する十分なサンプルを検出するために、そして、血液サンプルが試薬層をトラバースして試薬層に含まれる化学成分と混ざり合うことを検出するために、測定器は、充填−検出電極間へ充填−検出電圧を印可し、該充填−検出電極間を流れるあらゆる派生電流を測定する。該派生電流が所定期間内に十分なレベルに到達すると、測定器は、使用者に対して十分なサンプルが存在し且つ試薬層と混じり合っていることを表示する。
【0078】
測定器は、血液サンプルの初期検出後に、該血液サンプルが試薬層で反応する所定の期間を待機するようにプログラムされるか、又は、直ちに読み取りシーケンスを開始する。流体測定期間の間、測定器は、作用電極と対極との間に分析評価電圧を印加し、該作用電極と対極との間を流れる派生電流から1以上の測定値を取得する。分析評価電圧は、試薬層における化学的性質の酸化還元電位に近く、及び、派生電流は、測定する特定成分、例えば、血液サンプルの血糖値などの濃度に関する。
【0079】
一実施形態において、試薬層は、特定のグルコース濃度を決定するために、血液サンプル中のグルコースに反応する。一実施形態では、グルコースオキシダーゼが試薬層に使用される。グルコースオキシダーゼを用いるこの説明は、単なる例示を意図するものであり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、他の物質を用いることもできる。他のメディエータの候補としては、ルテニウム及びオスミウムが含まれるが、これらに限定されるものではない。サンプルテストの間、グルコースオキシダーゼは、グルコン酸に対するグルコースを酸化して、フェリシアニドをフェロシアニドに下げる反応を始める。対極に関連して作用電極に適切な電圧を印加すると、フェロシアニドがフェリシアニドに酸化することにより、血液サンプル中のグルコース濃度に関する電流が生じる。そして、測定器は、測定電流と、測定器が複数の第2電極から読み取ったテストストリップに関するコードデータを利用するために呼び出した較正データと、に基づいて血糖値を算出する。その後、測定器は、使用者に算出した血糖値を表示する。上述した各構成要素及びそれらの相互接続については後述する。
【0080】
図15は、一実施形態に係るテストストリップ10の断面図を示す。テストストリップ710は、近位接続端部712と遠位端部714とを含んで構成され、テストストリップ710の全長にわたって広がるベース層716が形成されている。ベース層716は、電気絶縁物質で構成されており、テストストリップ710に構造上の支持を提供するために十分な厚さを有している。本出願において、絶縁体(例えば、絶縁層、コーティング、インク又は基材など)は、電子又はイオンを容易に移動させないあらゆる物質を含んで構成され、電流の流れを妨げる。従って、誘電体を他の伝導表面から切り離したとき、又は、電流の通過に対して不変の高抵抗を提供する空気層を他の伝導表面から切り離したとき、及び、誘電体又は空気層による破裂放電から切り離したときに、要素を絶縁したと言える。一方、本出願において、抵抗素子は、回路において電流の流れを減少させる(しかし、必ずしも止めることはない)インピーダンスの増加を導くものの1つである。ベース層716は、例えば、約0.014インチ厚のポリエステルであってもよく、特定の適用及び製造方法に基づいて他のサイズが採用されてもよい。ベース層716上には、伝導パターンが形成される(図示略)。
【0081】
伝導パターンは、近位端部712に近接するベース層716上に配置された複数の電極と、遠位端部714に近接するベース層716上に配置された複数の電気ストリップ接点と、これら各電極と複数の電気ストリップ接点とを電気的に接続する複数の伝導トレースと、を含んで構成される。本出願において、「接点」なる名詞は、電気回路の終端であるか又は通過点としての特定エリアであるか否かにかかわらず、対応する他の「接点」と機械的に結合することを意図するエリアを意味する。
【0082】
一実施形態において、複数の電極は、作用電極、対極及び充填−検出電極を含む。伝導パターンは、伝導物質をベース層16上へ塗布することにより形成してもよい。伝導パターンは、ストリップの上面、ストリップの底面、又はこれら双方を組み合わせて形成される。電極物質は、ベース層716上に、伝導物質(例えば、金)及び半伝導物質(例えば、酸化インジウム・酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide))を薄膜真空スパッタリングにより提供する。その結果として生じる電極層は、レーザアブレーション工程において、特定の適用に従ってパターニングされ、特定の伝導性の領域及び経路の少なくとも一方として構成される。スクリーン印刷に加えて伝導パターンを提供するための代替の物質及び方法が、本発明の要旨を逸脱しない範囲で用いられる。
【0083】
誘電層間絶縁膜718は、電気接続に対するスクラッチや他の損傷を防止するために、各測定電極と複数の電気ストリップ接点との間におけるテストストリップの一部分において、伝導パターンを覆って形成される。図15に示すように、テストストリップ710の近位端部712は、上述の通り、サンプル受信場所、即ち、患者の液体サンプルを受信するように構成されたサンプル室720を含んで構成される。サンプル室720は、カバー722と、ベース層716上に形成された基底測定電極と、の間に部分的に形成されたスロットとして構成される。測定電極と、電気ストリップ接点と、の相対位置は、ストリップ710の一端における近位電極領域724と、他端における遠位ストリップ接点領域726と、から構成される。
【0084】
図16は、(図1の測定器130の一部のみを示す)測定部位730内に挿入されたテストストリップ710の上面斜視図を示す。図16に示すように、ストリップ710は、上述したサンプル室と測定電極とを含む近位電極領域724を含んで構成される。近位電極領域724は、使用者が液体サンプルを加える端部として、遠位ストリップ接点領域726と識別するために特定形状で形成される。測定器コネクタ730は、テストストリップ710を受け入れるためのフレア開口部を外側に広げたチャネル411(図4にも記載)を含む。さらに、コネクタ730は、チャネル732の基部上よりも所定の長さ伸長する突起部736を含んで構成される。突起部736の所定長さは、例えば、テストストリップ710の各層による厚みに対応させて、テストストリップ710をチャネル732に挿入できるように、その範囲を制限するために選択される。
【0085】
さらに、コネクタ部730は、該コネクタ部730の近位端部側に配置される複数の第1コネクタ接点738と、コネクタ部730の遠位端部側に配置される複数の第2コネクタ接点740と、を含んで構成される。図示したように、テストストリップ710は、コネクタチャネル411の先頭部分で広がる、遠位ストリップ接点領域726を備えるフレア開口部へ挿入される。図17は、テストストリップを測定器ストリップコネクタ部730内へ挿入した概略的な断面図を示す。チャネル411は、複数の第1コネクタ接点738を含んで構成される近位コネクタ列で表される。加えて、チャネル411は、複数の第2コネクタ接点740を含んで構成される遠位コネクタ列を内蔵する。また、コネクタ接点738とコネクタ接点740とは、遠位ストリップ接点領域726の異なる部分に夫々接触する。これについては、詳細に後述する。
【0086】
図18Aは、テストストリップ710の遠位端部である遠位ストリップ接点領域726の平面図を示している。ベース層716上に形成された伝導パターンは、ストリップ710に沿って、遠位ストリップ接点領域726まで延びている。図18Aに示すように、遠位ストリップ接点領域726は、2つの異なる伝導領域である742及び744を夫々形成するために分割される。また、伝導領域744は、複数の第1電気ストリップ接点746、748、750、752を構成する4つの横列に分割される。テストストリップ710の遠位端部における複数の第1電気ストリップ接点は、上述した複数の測定電極と電気的に接続されている。なお、4つの接点746〜752は、単なる例示であることを理解しなければならない。従って、システムは、複数の測定電極に対応する少数又はより多数の電気ストリップ接点を含むことができる。
【0087】
例えば、テストストリップ710の基底伝導パターンで形成されるブレーク754により、複数の第1電気ストリップ接点746〜752が分割される。これらのブレークは、スクライブ工程(レーザによる切除)、又は、化学エッチングタイプ/フォトエッチングタイプの工程により、伝導パターンの印刷を通じて形成される。加えて、当業者であれば、テストストリップ710の伝導体を除去することにより伝導ブレークを形成するその他の工程を用いることは明らかである。追加のブレーク754は、遠位ストリップ接点領域726内で伝導領域742と伝導領域744とを分割すると共に、さらに、ブレーク754は、ノッチ領域756を形成するために、遠位ストリップ接点領域726の右上部分を分割する。これについては、詳細に後述する。
【0088】
図18Bは、他の遠位ストリップ接点領域726の平面図を示す。図18Bにおいて、図18Aで説明した伝導領域742は、接触パッド758、760、762、764、766を夫々形成する複数の第2電気ストリップ接点として区画した異なる5つの領域に分割される。接触パッド758、760、762、764、766を形成する複数の第2電気ストリップ接点は、上述した複数の第1電気ストリップ接点746、748、750、752を分割するために使用した工程と同様にして分割される。上述したように、ベース層716上の伝導パターン(少なくとも部分的に電気ストリップ接点が形成される)は、ストリップの上面、ストリップの底面、又はこれら双方を組み合わせて適用される。接触パッド758、760、762、764、766は、測定器コネクタ730内で複数の第2コネクタ接点740と有効に接続されて構成される。この有効な接続により、測定器は、特定の基底テストストリップ710に関する情報にアクセスするために、測定器へ送出される情報を表す特定コードを、接触パッドから読み取り入手する。加えて、図18Bでは、さらに、遠位ストリップ接点領域726の最外端部である遠位接続端部770を絶縁するブレーク768の一例を示している。
【0089】
図18Cは、他の遠位ストリップ接点領域726の平面図を示す。図18Cにおいて、遠位ストリップ接点領域726は、複数の第1電気ストリップ接点746〜752と、接触パッド758、760、762、764、766を形成する複数の第2電気ストリップ接点と、及び、分離されたノッチ領域756と、を含んで構成される。上述した伝導領域は、テストストリップ710の基底伝導パターン内において、ブレーク754により全て形成される。
【0090】
図18Dは、他の特徴的な遠位ストリップ接点領域726の平面図を示す。ストリップの不伝導絶縁インク772は、遠位ストリップ接点領域726内において、伝導領域742と伝導領域744との間に分離を提供する。2つの領域間の境界は、絶縁インク772が印刷されて形成される。これは、各伝導領域(明確な絶縁領域により夫々が隣接している)を明確に維持するためであり、及び、ストリップを挿入する過程で測定器コネクタとの接触により生じるスクラッチ(あるストリップ接点の所望伝導率に悪影響を与えるスクラッチ)を防止するためである。不伝導絶縁インク772は、例えば、スクリーン印刷工程で与えられる。このような誘電体絶縁コーティングによるスクリーン印刷は、ストリップ製造工程における後方の工程及び簡易なプログラム可能パターン/複製可能パターンで適用できるので有利である。このような絶縁コーティングを加える追加ステップは、安価であり、何らかの形状に基材を切除することを要求する方法よりも短時間である。例えば、レーザ工程又は化学的アブレーション工程で基材表面を切除することは、先存物質から特定パターンを正確に除去しなければならず、多大な時間を浪費する工程を伴うことになる。
【0091】
図18Dでは、テストストリップ710が、テストストリップ710の遠位端部に形成される他の不伝導絶縁インク773による帯部(ストリップ)を含んでもよいことを示す。不伝導絶縁インク773による帯部は、ストリップ710の遠位端部において不伝導領域を提供する。このため帯部773は、ストリップが測定器に完全に挿入される前に、接触パッド758、760、762、764、766のあらゆる部分と、測定器コネクタ接点と、に有効な伝導接続が生じることを防止する。従って、帯部773は、テストストリップ710と、該テストストリップ710に対応する測定器と、の間に正確な接続を保証する追加の特長を提供する。
【0092】
図19は、測定器ストリップコネクタ730が、テストストリップ710の遠位ストリップ接点領域726を収容した図を示している。図19では、ラベル1〜4が付された複数の第1コネクタ接点738と、ラベル5〜9が付された複数の第2コネクタ接点740と、を夫々表している。コネクタ接点738とコネクタ接点740とは、遠位ストリップ接点領域726の異なる部分と夫々接触する。特に、測定器コネクタ部730にテストストリップ710を正確に挿入すると、複数の第1電気ストリップ接点を形成する電気ストリップ接点746〜752の夫々は、複数の第1コネクタ接点738を形成するコネクタ接点1〜4に電気的に接続される。同様に、複数の第2電気ストリップ接点を形成する接触パッド758、760、762、764、766の夫々は、複数の第2コネクタ接点740を形成するコネクタ接点5〜9に電気的に接続される。
【0093】
図19に示すように、複数の第1コネクタ接点738は、複数の第2コネクタ接点740に対して、横に少しずつずらして配列されるか又はオフセットされている。図示したように、第1コネクタ接点及び第2コネクタ接点は、相互個別に並べられ及びオフセットされているが、これは個別に並べることを要求するものではなく、例えば、個別のグループとした追加のオフセットを採用することもできる。従って、テストストリップ710が測定器コネクタ部730に挿入されるとき、接触パッド758〜766から出力される伝導信号は、接触パッド758〜766をコネクタ接点1〜4よりも奥に設けられた接続先であるコネクタ接点5〜9に到達させるべく、接触パッド758〜766部分からスライドさせて差し込む際に生じるあらゆるスクラッチ又は擦り傷により妨害されることはない。このため、コネクタ接点740に対してコネクタ接点738を少しずらして配列した配置は、より信頼性が高い接続を提供する。加えて、不伝導絶縁インク(図18D)による帯部772の適用は、接触パッド758〜766から通じる伝導コーティングを、測定器コネクタ接点738との相互摩擦によるスクラッチ及び「耕し」から防止する。従って、不伝導絶縁インクによる帯部772は、コネクタ及び接点伝導に信頼性の向上を提供する。
【0094】
一実施形態において、接触パッド766とコネクタ接点9との間の接続がアース(又は極性を反転する電源電圧)としての共通接続を確立することにより、測定器及び少なくとも伝導領域742部分を含んだ電気回路が完成する。この完成した回路は、測定器を起動させる起動機能として実行されるものであり、測定器を低電力スリープモードからパワーアップさせる信号を出力する。このため、図5に示したように、コネクタ接点9は、接触パッド766とコネクタ接点9との接続を通じて回路が最終的にクローズ/起動する前に、コネクタ5〜8が適切な接続位置をとることを確実にするために、接点5〜8と相対的に近位に配置される。さらに、不伝導絶縁インク帯部773(図18D参照)がテストストリップ710の遠位端部に形成され、及び、伝導構成要素がノッチ領域(図18C参照)から除去されることで、測定器が早期に起動することを防止する。
【0095】
言い換えると、コネクタチャネル411(図4,16及び17を参照)内のテストストリップ710の遠位が移動している間は、テストストリップ710の最も遠い遠位端部と係合するコネクタ接点9のポイントで通常の接続は確立されない。一方、共通接続は、コネクタ接点がノッチ756(適用があればインク帯部773)を通過し及び接触パッド766の伝導部分と係合したときにのみ確立される。従って、コネクタ接点9及び不伝導ノッチ領域756を近位に配置した組み合わせは、ストリップ710と測定器との間により信頼性を向上させた接続を提供する。
【0096】
上述したように、接触パッド758、760、762、764、766は、測定器コネクタ730内で複数の第2コネクタ接点740に有効に接続されるように構成される。この有効な接続により、測定器は、特定の基底テストストリップ710に関する情報にアクセスするために、測定器に送出される特定コードを接触パッドから読み取り入手する。コード情報は、特定テストの実行を指示するパラメータ、テストプローブの接続を指示するパラメータ、チェックストリップの接続を指示するパラメータ、較正係数、温度補正係数、ph濃度補正係数、ヘマトクリット補正データ、及び、テストストリップの特定ブランドを認識するためのデータなどを含むデータ(これらに限定するものではない)に、測定器がアクセスする信号である。
【0097】
このようなコードを図20に示す。ここで、伝導接触パッド760、764は、例えば、不伝導(絶縁)インク層775などの電気絶縁物質によりオーバープリントされている。不伝導インク層775は、遠位ストリップ接点領域726の伝導領域742内における幾つかの所定接触パッドにおいて、対応するコネクタ接点(例えば、コネクタ接点6、8)と基底ストリップ部との間のインピーダンス(及び、電流の流れを妨げること)を有意に増加させる。上述したように、図18Dに関して、不伝導絶縁インク775の使用は、特に、ストリップ部の電気伝導率を変える他の方法と関連して有利である。
【0098】
電気ストリップ接点の配列に従い、各々の層775を形成する電気絶縁物質の個別部分は、ストリップの上面、ストリップの底面、又はこれら双方を組み合わせて適用される。
【0099】
図19の接触パッド758、760、762、764、766が対応するコネクタ接点740に接続すると、測定器は、不伝導インク層775によりオーバープリントされた接触パッドの数、及びパターンに基づいて特定コードを読み取る。言い換えると、不伝導インク層775の使用は、測定器の読み取りに対しスイッチング回路網を提供する。絶縁体が接触パッド758、760、762、764、766の伝導表面のうちの1つ以上に印刷されていると、その印刷された絶縁体が電流の流れを妨げ、接触パッドとコネクタ接点(例えば、電流が流れない)との間の伝導経路を変える。一方、絶縁体が伝導体上に印刷されていなければ、電流フローは相対的に妨げられない(低インピーダンス経路)。
【0100】
特定コードを読み取ると、測定器内の内部メモリは、格納されているマイクロプロセッサアルゴリズムにより、特定のテストストリップに関する特定の較正情報(例えば、較正係数)にアクセスすることができる。測定器は、アナログ又はデジタル方式でコードを読み取ることができる。アナログモードにおいて、印刷された不伝導インクの順列が電圧降下、抵抗又は電流測定を使用する異なるロットコードと相関するように、予め設定されたラダー回路が、測定器内で、複数の第2コネクタ接点740(図19のラベル5〜9)に相互接続する。また、アナログ方式では、オープン回路をクローズすることにより測定器を起動する低インピーダンス接続を形成する不伝導インクであって、該不伝導インクが塗布されていない少なくとも1つのパッドを有する各コードを、オートオン/起動の機能として同時に用いることができる。アナログ電圧、抵抗又は電流レベルは、測定器が上述した特定の基底テストストリップのあらゆるデータにアクセする信号として用いることができる。
【0101】
図21は、本発明の一実施形態に係る測定器とテストストリップの接触パッド758、760、762、764、766との間の電気接続の概略図を示す。図21のスイッチS5は、単一の電圧源Vへの接続を提供する。従って、スイッチS5は、アナログ信号読み取り工程において、接触パッド766及びコネクタ接点9に要求される接続を表す。スイッチS4〜S1の夫々は、図19に示したコネクタ接点5〜8と接触パッド758〜764との間の概略的な接続を表す。従って、図21のスイッチ回路網において、特定コードは、特定のスイッチング構成と一致する。
【0102】
さらに、図21に示したように、各々のスイッチS4〜S1は、特定抵抗に接続するブリッジングにより閉路に対して追加インピーダンスの異なる値を与えるために、閉じられる。従って、オームの法則及びキルヒホッフの法則の適用を通じて、Voutの回路測定値は、テストストリップ710により示される特定コードに基づいて、異なる値を提供する。単一の電圧源に抵抗Rを接続する変わりに、必要に応じてスイッチS5を共通のグランドに接続することにより、電流フローの方向を逆転させることもできる。
【0103】
図22に示すデジタル方式において、各々の接触パッド758〜766は、アナログ方式で使用する単一入力とは異なり、個々の入力として読み取られる。オートオン/起動の機能を同時使用するデジタル方式では、入力は、マイクロコントローラの割込みコントローラに、共にワイヤーオアドされること又は接続されることが必要である。各コードは、測定器のマイクロコントローラを起動する低インピーダンス接続のように、不伝導体インク775により被覆されていない少なくとも1つのパッドを備える必要がある。
【0104】
高低インピーダンスのレベルに関する不伝導インク775は、パッド(P)インピーダンスの数に基づいて、コードインデックスを生じるバイナリーコードを生成する。ここで、コード数は、N=2Pである。しかし、コードが、電気絶縁物質で被覆された電気ストリップ接点がない配列(コードが、全て論理“1”、即ち、全て伝導体)を含んで構成されることも可能である。オートオン/起動の機能を組み込む場合のコード数は、N=2P−1に減少される。オートオン/起動の機能を有するシステムにおいて、測定器を起動させない場合、全て論理“0”(全て絶縁体)のコードは、アクティブコードではない。
【0105】
ストリップ710が測定器コネクタ部730に挿入されると、1つの接点が閉じられ、及び、高又は低のマイクロコントローラの割り込みをプリングすることにより測定器を起動させる。その後、測定器は、テストタイプを決定するために電圧出力(Vout)をチェックし、コード値を決定するためにコードビット(S1、S2、S3、S4)を読み取る。選択されるコード値は、例えば、測定電極領域に適用される試薬に関連する特定のグルコースマッピングアルゴリズムを用いるために、測定器のメモリ内に保存された一連の係数に関連させることができる。また、このコードは、例えば、上述したようなストリップパラメータ情報の他のタイプに関連させることができる。さらに、同様の異なる測定器構成を選択することもできる。コード値が確認信号として使用される所定範囲内であれば、図22のVoutにおける直列抵抗R全体の電圧降下を検出することができる。また、これはストリップ識別(チェックストリップ、製造プローブ及び異なるテストタイプ)を決定するために用いることもできる。
【0106】
高又は低インピーダンスレベルの何れかを提供することに加えて(接触パッドの1以上に不伝導インク775による絶縁層の適用又は除去を通じて)、特定の抵抗素子が、特定の接触パッドを通じて提供される。抵抗素子は、電流の流れを減少させる(しかし、必ずしも止めるものではない)回路に、インピーダンスレベルの増加を導く。従って、特定の接触パッド上の特定の抵抗素子の使用は、テストストリップの接触パッド上に、直接に抵抗の中間レベルを提供する。この抵抗の中間レベルが対応する測定器コネクタ接点を有する係合を通じて測定器に接続されると、測定器は、この「中間」レベル(例えば、オームの法則及びキルヒホッフの法則の適用による電圧降下の回路測定値を通じて)を検出することができる。
【0107】
このような中間レベルの検出は、特定のテストストリップに関するコードデータの全ての新規なセットにアクセスするために、測定器プロセッサにアラートすることができる。言い換えると、抵抗素子のコーティングを提供することは、接触パッドの設定数により有効なコード数を増加するために用いることができる。例えば、ストリップには、不伝導絶縁インク775の特定パターンを通じて、特定コードが形成される。この抵抗素子は、伝導インクを印刷した形で提供される。但し、この例に限定されるものではない。抵抗素子を形成する印刷インクの厚み及びインク組成の抵抗率は、特定の接触パッドに対して所望の抵抗を達成するために変化させることができる。コードの拡張を通じて形成可能な追加情報は、ヘマトクリット補正に関する情報、測定器のアップグレードに関する情報、及び、特定のテストストリップに関する情報を含むことができる。但し、これらに限定されるものではない。従って、このような抵抗素子の使用は、接触パッドの設定数により有効なコード構成数を拡張するために用いることができる。
【0108】
本明細書に開示したテストストリップ710の構成、コネクタ接点738,740の特定の構成、対応する複数の第1電気ストリップ接点及び複数の第2電気ストリップ接点は、単なる例示であり、これらの異なる構成を、本発明の要旨を逸脱しない範囲で形成することができる。例えば、ストリップ710の下面(上面側とは反対の側)に、コードインデックスのサイズ(及びこれによる情報量)を増加する追加の接触パッドを組み込み形成することができる。ストリップ10の下面上に設けた追加の接触パッドを、複数の第3電気ストリップ接点とすることができ、有効なコード数が増加する。この有効なコード数は、ストリップ10上面の絶縁コーティングに加えて、ストリップ10下面の特定パッドにも絶縁コーティングを適用することで、拡張することができる。
【0109】
上述の開示では、テストストリップ上の不伝導インクパターン及び抵抗素子により形成されるコードの一例を提供したが、変形例としてオン−ストリップコーディング配列についても意図するものである。他のコード配列は、回路の電気容量又はインダクタンスを変更するテストストリップ上の回路素子のパターン、コントローラによって読み取り可能なコードを表すバーコードパターン、コントローラによって読み取り可能なコードを表すカラードパターン(colored pattern)等によって形成されるコード、テストストリップ上の素子の相対伝達/相対反射(例えば、不透明度)に基づくコード、テストストリップ上の素子の相対フルオレセンス(florescence)又は相対ルミネセンス(エレクトロルミネセンスを含む)に基づくコード、テストストリップ上の素子の特定の電気化学的性質に基づくコード、テストストリップ上の素子の特定のPHレベルに基づくコード、テストストリップ上の素子の特定の空間分布に基づくコード、テストストリップ上に配置される磁性粒子(例えば、クレジット/ATMカードが持つ磁気ストライプ)に基づくコード、テストストリップ上の素子から発する特定の無線周波信号(例えば、万引きを防止する盗難防止タグに用いられるような受動共振器(passive resonator))に基づくコード、及び、コントローラの光学文字認識を通じて読み取り可能なテストストリップ上の光学文字の特定パターンに基づくコード、を含む。しかし、これらに限定するものではない。
【0110】
上述した各例に関して、テストストリップの一部には、測定器のインターフェースへテストストリップを挿入すると直ちに測定器により検出される特定素子が提供される。例えば、カラードパターンの実施形態に関して、測定器は、特定の色を検出する光検出器素子を備えるとよい。そして、検出した特定の色に基づいて、測定器は、コントローラが読み取り可能な特定テストストリップに対応する特定データにアクセスする。
【0111】
3b.分離コーディング装置の態様
【0112】
図23及び図24に示すように、上述したテストストリップ120及び710の少なくとも一方の減少させた寸法が、ストリップ120に触れずに該ストリップ120を配置するために、ストリップ排出機構602を有する測定器130で要求される。さらに、穿刺装置360は、図14に示すように、測定器130と一体化されてもよい。
【0113】
測定器130をテストストリップ容器110から取り外し且つ他の容器に移動することができる他のコーディング方法は、ボタンコーディング(button coding)である。使用者は、測定器130を異なる容器と相互接続する場合は必ず測定器130上のコード番号を選択する。そして、使用者は、テストストリップ容器110に印刷された値に基づいて視覚から読み取ったコードを入力する。ボタンコーディングの使用による少なくとも1つの有利な効果は、ストリップロットに対するコードが決定した後に、テストストリップ120に対してコードを加える二次的な製造操作が要求されないことである。しかしながら、このコーディング方法は、使用者によるコード入力ミスの可能性があるため、ユニバーサルコーディングやオン−ストリップコーディングと比べた場合は好ましくない。
【0114】
また、代替の実施形態としてコードチップコーディングが、測定器130を較正するための効果的な手段として使用される。コードチップコーディング方法は、ストリップ120の夫々のパッケージに含まれるロットの特定情報を備えるコードチップを測定器130に挿入することを使用者に要求する。コードチップコーディングは、データ保存手段を提供する点で有益である。但し、使用者が新しいチップと古いチップを混同すると、コーディングエラーを生じる可能性はある。また、コードチップコーディングは、パッケージサイズ及びコネクタサイズにより、コードチップを効率的に使用する設置空間が常にあるわけではない。さらに、コードチップコーディングは、他のコーディング技術よりも、テストに付加的なシステム構成要素の操作を使用者に要求することがある。しかしながら、コードチップコーディングは、実施可能なコーディングの代替の実施形態である。
【0115】
また、測定器130はユニバーサルシリアルバス(USB)装置600によって較正されることができる。夫々のテストメディア容器110(又は同一ロットで共にパッケージ化された容器のグループ)は、電子的な較正データを格納するデータ記憶装置600を備える。使用者は、特定の容器110又はパッケージ内のテストメディア用に測定器130を較正するために、対応するデータ記憶装置600を測定器130のコネクタ(図示省略)に単純に接続する。次に、コントローラ400は、必要な命令402又はデータをデータ記憶装置600から取得する。さらに、USBリモート測定器600は、一体化されたUSBデータコネクタ604(例えば、以下に説明するように、本出願と同様の譲受人に所有されており、参照により本明細書に組み入れられる2005年5月2日に出願の米国特許出願第11/118,494号に記載されている)からパーソナルコンピュータ(PC)(図示省略)へ直接にデータを転送する。また、データコネクタ604は、図23に示すように、PCから直接にデータを転送するために便利な形状で提供され、テストストリップ容器110の側面に形成されるホルスタータイプのレセプタクル606により、テストストリップ容器110に取り付けられる。さらに、この装置は、測定器130内に格納されたデータをPCへ転送するための「電子ログブック」として使用される。ディスプレイは基本的な結果を示し、日付及び時間はPCを介して設定され、夫々の結果と共に日付及び時間の情報がPCに送られる。さらに、PCへのUSB接続が検出されると、PCアプリケーションを起動させるようにしてもよい。代替の実施形態では、オン−ストリップコーディングを用いるリモート測定器600及び穿刺装置360に取り付けられた排出ボタン602を提供する。これらは、図23〜図25に示すように、同時に又は別々に使用される。
【0116】
3c.予防手段の態様
【0117】
上述したコーディング方法は測定器の較正エラーを防止することを目的としているが、統合診断テストシステムでは、(図15〜図22について記述したオン−テストストリップ「コーディング」のアプローチに加えて)付加的な安全装置を採用する。これにより、あるブランドやロットのテストメディアに較正されてない測定器130を使用者が誤って使用する機会を最低限に抑えることができる。
【0118】
本発明の一実施形態は、特定のトリガーイベントが測定器に生じた場合に1以上の機能を使用不能にする1以上の予防手段を提供する。例えば、予防手段は、測定器130が特定期間若しくは特定回数だけ使用され又は特定数量のテストメディアを使用した後、測定器130を完全に停止させる。そして、測定器130は、再生産する製造業者に返還されるなどして簡易に処分される。また、予防手段は、コントローラ400の診断テスト機能のみを停止させるか、又は測定器が診断テスト結果を表示することを単に防止する。この場合、使用者は、測定器のその他の機能を使用するために測定器130を保有してもよい。
【0119】
特定の予防手段は、特定期間の経過後等のトリガーイベントの発生によって起動する。この期間は、測定器130を較正若しくは測定器130に関連付けるテストストリップ120の特定容器110又はロット等の特定のテストメディアに関連する。例えば、製造業者が特定のテストメディアについて製造日から2年以上経過したものは使用禁止であることを明らかにしている場合など、現在の日付が測定器130に関連付けたテストメディアの使用期限の経過後であると、予防手段が起動する。また、例えば、製造業者が容器110を開封後2ヶ月以上経過したテストメディアの使用禁止を明らかにしているなど、特定容器が開封された日付に関連付けられて使用期限が決定される。
【0120】
テストメディアの特定容器110が開封された日付は、多くの方法で推定又は決定される。例えば、検出器412がLED253の電流をモニタして測定器130に情報を伝えることで、測定器130はバイアル110が開封されたときを確認することができる。この機能は、独立の構成要素を設けて実行する必要はなく、コントローラ400が実行すればよい。さらに加えて、測定器130は、単一の容器又はテストストリップの単一ロットを用いるために予め較正され、容器を初めて開封した日付は、測定器130を始めて起動した日付を決定することによって推定される。測定器130を初めて起動した日付は、例えば、その日付の保存又はタイマーのスタート若しくはその他の使用に対する作動を、コントローラ400に命令することによって決定される。しかしながら、使用者は(例えば、測定器の機能に精通する目的、又は測定器を較正する目的で)、測定器を実際に使用して診断テストを実施する前の不確定な時間に測定器を起動する。従って、測定器を初めて使用する日付は、診断テストを実施するために測定器130が初めて使用されたときに、コントローラ400に対して日付の保存又はタイマーのスタートが命令されることによって推定される。同様に、測定器130が使用者によって較正される場合、特定容器が開封された日付は、特定の複数のテストストリップに較正又は関連付けられた後であって、診断テストの実施に測定器130が初めて使用されたときに、コントローラ400に対して日付の保存又はタイマーのスタートが命令されることによって推定される。また、測定器130が特定容器110に取り付けられる場合、使用者制御機能部430は使用者が閉止部140を開けるときに作動するスイッチを含んでいるとよく、例えば、これによって、容器110が初めて開封されたときをコントローラに通知することができる。なお、当業者であれば、容器110の初めての使用を決定する他の方法があることを理解するであろう。
【0121】
さらに、光学センサ、電気測定、機械スイッチ又は音響センサも、容器110が開封されてからの期間及び経過時間を決定するために用いられる。この情報は、テストストリップ120の実行可能性を決定する場合に有用であり、又、湿度に影響されるテストストリップ120を用いる場合、例えば、テストストリップ120を長期間にわたり乾燥容器110に入れることによって回復できる場合に有用である。
【0122】
加えて、テストメディアの容器110を開封したときに、測定器130は自動的に又は選択的にディスプレイ133を作動させる。他の実施形態では、コントローラ400は、容器110を初めて開封したときに、スリープ状態から始動又は起動される。
【0123】
また、検出器412は、LED253の電流をモニタし、測定器130に情報を伝える。これにより、測定器130はLED253が照射するときを確認できる。この機能は、独立の構成要素を設けて実行する必要はなく、コントローラ400が実行すればよい。コントローラ400は、光源253が照射していることを決定すると直ちにタイマーをスタートするように構成される。上述した方法に類似して、タイマーは、使用者が容器110を初めて開封した時からの経過時間を探知するように設計される。加えて、タイマーはまた、コントローラ400に光源253の消灯信号を送信し、所定時間経過後に使用者に対して警告を発するように構成される。警告は、例えば、映像、音声、運動、又はそれらを複合した警報でもよい。
【0124】
期間は、テストメディアの特定ロット又は容器に関連させる必要はない。特定の予防手段は、テストメディアのあらゆる特性に関係なく、測定器130の製造後若しくは測定器130の初めての使用後、又は特定の測定機能(診断テストの実施等)の初めての実施後から所定期間で起動される。例えば、特定の予防手段は、診断テストを実施するために測定器を初めて使用した後から3ヶ月間起動できる。何れにしても、インジケータ機能部450は、予防手段が起動し続ける残存時間を示すために使用される。
【0125】
これに対し又は加えて、コントローラ400は、使用したテストメディアの数量又は現行の較正データを用いて測定器が実施した診断テストの回数のランニングカウント(running count)を継続する。使用テストメディアの数量は、テストメディアがメディアインターフェース410に挿入された回数、又は、好ましくは、例えば、メディアセンサによってサンプルが検出された回数により推定される。ランニングカウントは、予防手段の起動の前に、複数のテストの許容回数又はテストメディアの許容数量と比較される。テストメディアの許容数量は、製造会社又は販売店によって測定器130と共に最初にパッケージされたテストメディアの数量、例えば、容器110に関連付けられて最初に収容されたテストメディアの数量に合致する。さらなる実施形態として、許容数量は、パッケージ又は容器110に関連付けられて収容されたテストストリップ数を若干超過してもよい(例えば10%)。そして、ランニングカウントが有効な数量や回数を超えると、予防手段が起動する。インジケータ機能部450は、予防手段が起動される前に、診断テストの残りの回数又はテストメディアの残存数量を示すために使用される。
【0126】
予防手段の起動に関する起動情報(例えば、許容期間、関連付けられたテストメディアの有効期限、診断テストの回数、診断テストストリップの数量等)は、較正データと同様の方法で取得できる。本実施形態では、コントローラ400は、例えば、メモリ406又はコントローラ400内の他の場所にエンコードされる起動情報を分配する。一方、起動情報は使用者が入力してもよい。例えば、起動情報は、使用者が入力又はダウンロードした較正データに追加される。また、使用者は、較正データとは別個に、起動情報(又はコントローラ400が起動情報を導き出すコード)を入力又はダウンロードしてもよい。追加の実施形態として、起動情報は、図15〜図22のアプローチに関して上述した較正データと共に特定のテストメディア上に直接「コード化」される。例えば、コントローラ400がテストメディアから読み取るコード情報は、特定コードに対応する特定データにアクセスするために、メモリ406に信号を送信することができる。
【0127】
コントローラ400は、特定の予防手段が起動されたか否かを周期的に判定するように命令される。例えば、コントローラ400は毎日又は毎週を基準に予防手段が起動されたか否かを判定する。これに対し又は加えて、コントローラ400は、特定イベントが生じたときは直ちに予防手段を起動させるか否かを判定するように命令される。例えば、コントローラ400は、テストストリップ120がテストストリップインターフェース110に挿入されたとき、サンプルがメディアセンサによって検出されたとき、診断テストがコントローラによって実行されたとき、診断テストの結果を表示させとき、又は、特定の使用者制御部430若しくは測定器130の他の機能を作動させるとき、は直ちに予防手段を起動させるか否かを判定するように命令される。
【0128】
予防手段には多くの態様がある。測定器の電力供給部420が有限(例えば、バッテリ等)である場合、予防手段は、該予防手段の起動後にハウジング131内のバッテリ等の電力供給部を直ちに使用不能にするように、電力供給部420の寿命を操作する。例えば、コントローラ400は、予防手段が起動されたときに、電力供給部への負荷を増加させる。この負荷はシステムクロック408の周波数を高めることによって増加される。その結果、定格電力が、コントローラ400及び増加される他の電気的機能部によって消費されるようになる。そして、電力供給部420及び測定器130が比較的短期間で使用不能になる。これに対し又は加えて、コントローラ400は、一旦、予防手段が起動して電力供給部を消耗させ始めると、測定器130を「オン」状態のままにするように命令される。さらなる実施形態として、コントローラは、測定器130の電気的機能部から電力供給源420の接続を遮断するために、スイッチをオープンにするか又はヒューズを飛ばすように命令される。この実施形態では、測定器ハウジング131は、電力供給部420を交換できないように構成される。インジケータ機能部450は、電力供給部420及び測定器130が使用不能になるまでの残存時間の推定を示す。
【0129】
他の予防手段は診断テストの実施を防止する。例えば、インターフェース410にテストストリップ120を挿入すると直ちに診断テストを始めるオートオン機能部(auto-on function)を測定器130が含む場合(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号及び米国特許第6,946,299号に記載されている)、コントローラ400は、予防手段が起動されるときに、オートオン機能部を使用不能にするように命令される。しかしながら、コントローラ400は、測定器の他の機能へのアクセスを許容するために、使用者が使用者制御機能部430を用いて測定器を始動させるようにしてもよい。例えば、コントローラ400は、使用者による測定器の始動を許容し、メモリ406内に保存された前回のテスト結果及び関連した音声メッセージの少なくとも一方を再検討させることができる。
【0130】
他の実施形態として、予防手段は、診断テストの実施は許容するが、インジケータ機能部がテスト結果を示すことを防止する。その代わりに、測定器は、測定器が較正されていないこと及び測定器の交換が必要であることの少なくとも一方を示すメッセージを表示する。この場合においても、上述したようにコントローラ400は使用者に対して前回のテスト結果及びメモリ406内に保存されたあらゆる関連音声メッセージを依然として再検討させるようにしてもよい。次いで、測定器130は使用者の医療提供者に渡すか又は送付される。そして、医療提供者は、使用者の治療に用いるために、診断テスト結果及び関連する音声メッセージの少なくとも一方を検討する。
【0131】
さらなる予防手段として、コントローラ400は測定器130の機能を再構成するように命令される。例えば、コントローラ400は診断テスト結果に代わる他の情報を示すようにインジケータ機能部450を再構成するように命令される。そして、インジケータ機能部450は、例えば、時間及び日付の少なくとも一方を示すように再構成される。また、インジケータ機能部450は環境センサ480が読み取った情報を示すように再構成されてもよい。例えば、測定器130は、ディスプレイ133上に、温度及び湿度の少なくとも一方を適切な単位と共に表示することができる。他の実施形態として、コントローラ400は、診断テスト結果を示す以外の目的で音声メッセージの記録を許容するために、音声メッセージ機能部470を再構成するように命令される。
【0132】
使用者制御機能部430はインジケータ機能部の再構成に従って再構成される。例えば、インジケータ機能部450は、キッチンタイマー等のタイマーとしての機能を果たすように再構成される。これに対応して、使用者制御部430はタイマーを制御するように再構成される。例えば、使用者制御部430はタイマーを開始又は停止するように再構成される。また、使用者制御部430は、時間、日付、温度及び湿度の少なくとも1つの表示を切り替え又は調整するように再構成される。
【0133】
測定器は、使用者が新しい機能を使用し易い配置となるように、測定器の後部に留め具(例えば、磁石、ベルクロ(登録商標)ホック(VELCRO hook )及びループファスナ、付着性能等)を備える。例えば、使用者は測定器を冷蔵庫に取り付けることができる。これによれば、使用者は、測定器の製造会社又は販売者の名前及び(ディスプレイ133の隣に配置される)ロゴの少なくとも一方を、診断テスト用に測定器130を使用する以外でも連想するようになる。
【0134】
本発明の他の実施形態は、当業者であれば、本明細書及び本明細書に開示される発明の実行を考慮することにより明らかになるであろう。本明細書及び実施形態は単なる例示であり、本発明は添付の特許請求の範囲に定められる本発明の真の範囲及び趣旨から考慮される。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明に従う、統合システムの第1実施形態の斜視図
【図2】本発明に従う、統合システムの第2実施形態の斜視図
【図3】本発明に従う、統合システムの第3実施形態の斜視図
【図4】本発明に従う、診断測定器の機能要素を示すブロック図
【図5】本発明に従う、統合システムの第4実施形態の断面図
【図6】診断テストに使用される1以上の装置を受けるように構成される保持具を備える測定器ハウジングの斜視図
【図7】発光ダイオードを配置した容器の斜視図
【図8】測定器に発光ダイオードを配置した容器の斜視図
【図9】容器の外側を更に照らすための発光ダイオードを有する容器の斜視図
【図10】照射ハウジングを有する閉じた容器の斜視図
【図11】照射ハウジングを有する開いた容器の斜視図
【図12】バックライト付きディスプレイ及びリング部を有する容器ハウジング上部の斜視図
【図13】照射フランジを有する開いた容器の斜視図
【図14】交換可能な測定器を有する穿刺装置の斜視図
【図15】本発明の一実施形態に従うテストストリップの概略断面図
【図16】本発明の一実施形態に従う測定器のストリップコネクタ内に挿入されたテストストリップの上部斜視図
【図17】本発明の一実施形態に従う測定器のストリップコネクタ内に挿入されたテストストリップの概略断面図
【図18A】本発明の一実施形態に従う、ブレークにより特定領域に分割されたテストストリップの遠位端部の平面図
【図18B】本発明の一実施形態に従う、電気接点を形成する伝導領域を備えたテストストリップの遠位端部の上面図
【図18C】本発明の一実施形態に従う、複数の電気接点の特定配列を備えたテストストリップの遠位端部の平面図
【図18D】本発明の一実施形態に従う、特定領域を被覆する複数の絶縁体を備えたテストストリップの遠位端部の平面図
【図19】本発明の一実施形態に従う、測定器ストリップコネクタ内に挿入されるテストストリップの遠位端部の拡大平面図
【図20】本発明の一実施形態に従う、コードを形成する複数の電気接点を備えたテストストリップの遠位端部の平面図
【図21】本発明の一実施形態に従う、測定器とテストストリップの複数の電気接点との間の簡易電気接続図
【図22】本発明の一実施形態に従う、測定器とテストストリップの複数の電気接点との間の簡易電気接続図
【図23】ストリップコーディング及びストリップ排出機構部を有するリモート測定器の斜視図
【図24】ストリップコーディング及びストリップ排出機構部を有するリモート測定器のUSBデータコネクタの斜視図
【図25】ストリップコーディング及び穿刺装置が備えるストリップ排出機構部を有するリモート測定器の斜視図
【図26】容器周辺に配置されるクリップ形状を有する保持具の斜視図
【図27】容器及び穿刺装置を収容するために用いる穴形状を有する保持具の斜視図
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本国際特許出願は、2005年10月21日に出願の先の米国特許出願第11/254,881号の優先権を主張する。また、本国際特許出願は、2006年2月13日に出願の先の米国特許出願第11/352,209号の優先権を主張する。上記に関連した夫々の出願の開示全体は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0002】
2006年2月13日に出願の先の米国特許出願第11/352,209号は、2005年10月21日に出願の米国特許出願第11/254,881号の一部継続出願であり、この出願は2004年6月2日に出願の米国特許出願第10/857,917号の一部継続出願であり、更にこの出願は2003年12月31日に出願の米国仮特許第60/533,557号の利益を主張する。これら全ては、参照により本明細書に組み入れられるものとする。更に、2006年2月13日に出願の先の米国特許出願番号第11/352,209号は、2005年7月15日に出願の米国特許出願番号第11/181,778号の一部継続出願あり、この出願は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0003】
更に、本出願は、名称が「統合診断テストシステムに関する測定器(METER FOR AN INTEGRATED DIAGNOSTIC TEST SYSTEM)」である2005年6月28日に交付の米国デザイン特許第D506,832号及び2005年7月19日交付の米国デザイン特許第D507,657号と同様に、2005年7月6日に交付の米国特許出願番号第11/144,715号に関連する出願であり、これらの出願は全て参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0004】
本発明は、診断テストに関し、詳細には電子測定器を用いた診断テストシステムに関する。
【背景技術】
【0005】
診断テストシステムは、一般的に、様々な種類のサンプルについて、様々な種類の診断テストを実施するために使用される。診断テストは、1つのサンプルにおける1以上の被分析物の存在、濃度又は総量を測定する定性的又は定量的なテストであってもよい。分析物は医学的に有効な分析物であって、例えば、グルコース、ケトン類、コレステロール、トリグリセリド、人間の絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、ヘモグロビンA1C、フルクトサミン、炭水化物、腫瘍標識、鉛、抗癲癇薬、肝機能指標、毒素又はそれらの代謝物質、規制物質、血液凝固因子(PT,APTT)等であり、血液、尿、組織、唾液等の生体サンプルに含まれている。しかしながら、診断テストは医療分野に制限されるものではない。例えば、診断テストは、水、土壌又は化学薬品サンプル中の分析物の存在又は含量を測定できる。
【0006】
このような診断テストシステムは、サンプル中の分析物の存在に反応するように構成されたテストメディア(例えば、テストストリップ、タブ、ディスク等)と、及び、診断テストを実施するため及び使用者に診断テスト結果を示すためにテストメディアと接続するように構成された独立の電子測定器と、を含む。
【0007】
使用者は、診断テストを実施するために、先ず初めにサンプルテストメディア(例えば、テストストリップ)を容器から取得し、次に、サンプリング装置を使用して(例えば、ランセットによる採血によって)、サンプルを得る。続いて、得たサンプルをテストメディアにつける(これは、テストメディアを測定器のインターフェースに挿入する前後のいずれのときでもよい)。次に、測定器は、サンプルの診断テストを実施し、その結果を、例えば、数値表示して使用者に示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、多くの場合、診断測定器は大きい。更に、使用者は、これらテストメディア容器、サンプリング装置及び測定器を、手に取り及び置くことを連続して行わなければならないので、テストメディア容器、サンプリング装置及び測定器は、容易に相互から分離される。その結果として、使用者は診断テストを実施するために必要な1以上の構成要素が無いことに気付くことがある。更に、使用者にとって、独立したテストメディア容器、電子測定器及びサンプリング装置を持ち運ぶことは不便である。
【0009】
更に、異なるブランド又は製造ロットのテストメディアは、サンプル中の分析物の存在又は濃度に対して、異なる反応を示すことがある。より正確な結果を得るために、電子測定器は、提供されたブランド又はロットのテストストリップに関して、1以上のブランド又はロットの特定較正パラメータが提供されることで較正される。この較正パラメータは、標準化基準(standardized reference)に対する特定ブランド又は特定ロットのテストメディアの反応に関連するものである。
【0010】
使用者は、夫々の「コーディング」ステップにおいて、測定器に適切な較正パラメータを提供することが要求される。例えば、テストメディア容器は測定器が適切な較正情報を確定するためのコード番号を表示する。使用者は、測定器に較正データを与えるために、例えば、測定器に設けられたボタン又は他の使用者入力装置を用いてコード番号を手動入力する。これに替えて、例えば、製造業者のウェブサイトから較正データをダウンロードすることもできる。他の方法では、テストメディア容器は較正データが電子的に格納されたコードチップを伴って提供される。使用者は、コードチップを測定器の対応するポートに挿入することにより測定器に較正データを提供する。
【0011】
このコーディングステップは、使用者にとって不便又は困難な場合がある。例えば、高齢者や寝たきりの使用者は、較正データのダウンロード又はコードチップの挿入が困難な場合がある。更に、使用者は新しいブランド又はロットのテストメディアを使用する際に、測定器に対して行う較正を忘れることがある。従って、使用者は誤った較正パラメータ若しくはコードを入力するか、又は、使用者はあるブランド又はロットのテストメディアを、異なるブランド又はロットのテストメディアで較正された測定器に使用する可能性がある。加えて、測定器が、一旦、提供されたロットのテストメディア用に較正された場合に、他のロットのテストメディアを用いてその測定器を使用すると、使用者に深刻な影響を与える誤った結果を導く虞がある。例えば、テストが血糖値の自己テストである場合、血糖値の誤った結果は使用者を誤解させ、糖尿病発作を誘発する可能性がある。
【0012】
上述したコーディングの問題点に対する可能な解決案は、ユニバーサル(汎用な)コーディング(universal coding)法を利用することである。この方法は、厳密な合格基準で管理及び分類されたストリップロット、すなわち、全てのテストストリップを較正パラメータの1セットに適合させたものを使用するため、ストリップコーディング又は測定器130に格納されるストリップロットパラメータの1以上の固定セットが要求されない。このユニバーサルコーディングは、測定器130を多数の異なるテストストリップ容器110に使用することを可能にするため、測定器130を取り替えるコストを節約する。更に、ユニバーサルコーディングされたストリップ120は、多数のストリップロットが同一コードを有するように厳密に管理されると共に、測定器の固定コード割当に適合するように厳密に分類される。この方法は、テクニックに依存せず、また、異なるストリップロットが混ざり合うことに起因するエラーの防止を助長する。更に、ユニバーサルコーディングは、測定器130とテストロットコードとの間に不適合がないような補正コードを常に有する。しかしながら、この方法により課される厳密な限定は、その製造プロセス中に大量の廃棄物を生じさせるので、高価な解決案を構成することになる。
【0013】
従って、持ち運びが容易であり、使用者があるブランド又はロットのテストメディア用に較正されていない診断測定器を使用する機会を最小限に抑える診断テストシステムが要求される。加えて、特定のテストメディアを使用するために誤って較正されたテスト測定器を用いてサンプルをテストしてしまう可能性を減少させる診断テストシステムが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様は、従来のシステム及び方法の1以上の限定や不都合を取り除く診断テストシステムを目的とする。
【0015】
一態様において、診断テストシステムは、ハウジング、診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェース、及び診断テストを実施するように構成されるコントローラを含んで構成される測定器を含む。さらに、システムは、開口部を有し、測定器と協働して機能すると共に測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器を含む。予め(製造時に)容器に収容され、少なくとも1つのテストストリップを含んで構成されるテストメディアは、コントローラによって読み取り可能なコードであって、テストストリップの特定データを識別するコードが埋め込まれる。
【0016】
本発明の他の態様は、テストメディアに適用するサンプルに診断テストを実施する測定器を含む診断テストのシステムを目的とする。測定器は、ハウジング、診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェース、及び診断テストを実施するように構成されるコントローラを含んで構成される。容器は、開口部を有し、測定器と協働して機能すると共に、測定器に適合するテストメディアを含むように構成される。予め容器に収容されるテストメディアは、少なくとも1つの診断テストストリップを含んで構成される。テストストリップは少なくとも1つの電気絶縁層を含み、少なくとも1つの電気絶縁層上に形成される伝導パターンは、ストリップの近位領域において少なくとも1つの電気絶縁層上に少なくとも1つの電極、ストリップの遠位領域における少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される電気ストリップ接点、及び電気ストリップ接点の少なくとも幾つかに電極を電気的に接続する伝導性トレースを含む。試薬層は少なくとも1つの電極の少なくとも一部に接続し、電気ストリップ接点の夫々は、コントローラによって読み取り可能な異なるパターンであって、テストストリップの特定データを識別する異なるパターンを少なくとも部分的に形成するように、電気絶縁物質の個別部分と選択的に被覆される。
【0017】
本発明の他の態様は、テストメディアに適用するサンプルに診断テストを実施する測定器を含む診断テストシステムを目的とする。前記測定器は、ハウジング、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェース、及び診断テストを実施するように構成されたコントローラを含んで構成される。容器は、開口部を有し、前記測定器と協働して機能すると共に、前記測定器と適合するテストメディアを含むように構成される。予め容器に収容されるテストメディアは、少なくとも1つの診断テストストリップを含んで構成される。テストストリップは少なくとも1つの電気絶縁層を含み、少なくとも1つの電気絶縁層上に形成される伝導パターンは、ストリップの近位領域において少なくとも1つの電気絶縁層上に少なくとも1つの電極、ストリップの遠位領域における少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される電気ストリップ接点、及び電気ストリップ接点の少なくとも幾つかに電極を電気的に接続する伝導性トレースを含む。試薬層は少なくとも1つの電極の少なくとも一部に接続する。複数の第1電気ストリップ接点は電極と夫々接続する接点から成る。複数の第2電気ストリップ接点はストリップの遠位領域における伝導パターンから成り、電気絶縁物質は複数の第1及び第2電気ストリップ接点を分離する。
【0018】
本発明の他の態様は、ハウジング、診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェース、及び診断テストを実施するように構成されたコントローラを含んで構成される測定器を有する診断テストシステムを目的とする。さらに、システムは、開口部を有し、測定器と適合するテストメディアを含んで構成される。予め容器に収容され、少なくとも1つのテストストリップを含んで構成されるテストメディアは、コントローラによって読み取り可能なコードであって、テストストリップの特定データを識別するコードが埋め込まれる。測定器ハウジングは容器の開口部を閉じるように構成される。
【0019】
他の一態様において、本発明は液体内の組成レベルを測定する方法を目的とする。測定方法は、ハウジング、診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェース、及び診断テストを実施するように構成されたコントローラを含んで構成される測定器を有する診断テストシステムを提供することを含む。さらに、この方法は、測定器と適合するテストメディアを含んで構成される、開口部を有する容器を提供すること、及びコントローラによって読み取り可能なコードが埋め込まれる少なくとも1つのテストストリップを含んで構成される容器内に予め収容されるテストメディアを提供すること、を含んで構成される。さらに、この方法は、容器からテストストリップを取り除くこと、測定器インターフェースへ前記ストリップの第1端部を挿入すること、ストリップの第2端部において液体サンプルを適用すること、コントローラを用いてテストストリップに埋め込まれたコードを読み取ること、コードに基づいてテストストリップの特定データを識別すること、及び前記コントローラを用いて前記液体サンプルの液体成分濃度を計算すること、を含んで構成される。
【0020】
本発明の付加的な利点は以下の記載において、一部が説明され、この一部の記載、又は本発明の実施により明らかになる。本発明の利点は、添付の特許請求範囲において、特に指摘した構成要素の手段及び組み合わせによって実現され、達成される。
【0021】
なお、上述した概略的な記載及び以下の詳細な記載は、単なる例示上及び説明上の記載であり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解するべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本明細書の一部に組み込まれて構成される添付図面は、本発明の幾つかの実施形態を例示し、その記載と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【0023】
添付図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を詳述する。同一の参照番号は、同一又は類似の構成を示すように、可能な限り図面の全体を通して使用される。
【0024】
1.統合システム
【0025】
図1は、本発明の例示的な一実施態様に従う診断テストを実施する統合システム100を示す。例示的な統合システム100は、例えば、テストストリップ120等のテストメディアを収容する容器110、及び、容器110に収容されたテストストリップ120を用いて診断テストを実施する測定器130、を含む。
【0026】
例示的な一実施形態において、診断テストは、テストストリップ120のサンプル室121に加えた全血サンプル中のグルコースの総量を測定する。血糖テストのために、測定器130は、様々な技術の何れかを利用できる。好ましくは、診断テストは、電量分析、電流測定、電位差測定等の電気化学技術を利用する。例示的な電気化学装置は、2004年6月1日に出願の先の米国特許第6,743,635号及び2005年9月20日に出願の先の米国特許第6,946,299号に記載されている。両特許は、発明の名称が「血糖テストのシステム及び方法(SYSTEM AND METHOD FOR BLOOD GLUCOSE TESTING)」であり、出願時に本出願と同様の譲受人により所有されており、更に、参照により本明細書に組み入れられるものとする。或いは、測定器130は、サンプル中のグルコースの総量を測定するために、例えば、反射、透過、散乱、吸収、蛍光、電気化学発光等の光度測定技術も利用できる。例示的な光度測定システムは、米国特許第6,201,607号、第6,284,550号及び第6,541,266号に記載されている。これらは、出願時に本出願と同様の譲受人により所有されており、参照により本明細書に組み入れられるものとする。しかしながら、電気化学技術が、現状において好適な技術である。これは、光度測定技術が要求する血液サンプル量(1μL以上)よりも、電気化学技術が要求する血液サンプル量(1μL以下)の方が少量のためである。更に、電気化学技術を用いた測定器は、一般的に、光度測定技術を用いた測定器よりも電力消費量が少なく且つより小型である。
【0027】
統合システム100を、電気化学技術を用いて血糖濃度を測定する診断テストに関連させて説明する。これにより、本発明の原理が、上述した他のタイプの診断テスト及び技術に適用可能であることが理解される。更に、本発明は、テストストリップ120形状のテストメディアを利用する場合を例示するが、本発明の例示的な実施形態は、このメディアを特定のタイプに限定するものではない。また、当業者であれば、本発明の原理が、例えば、タブ、ディスク等の他形状のテストメディアを利用する診断テストシステムに対して、等しく適用可能であることを理解するであろう。
【0028】
測定器130は、ハウジング131内に含まれる。測定器ハウジング131には、容器110の開口部111を選択的に閉じるために容器110に係合する閉止部140(図1における測定器130の底部)が取り付けられるか、又は、含むことができる。図6に示すように、測定器ハウジング131は、1以上の容器110を受容するように構成された保持具144を更に含む。保持具144は、使用されないときは閉止部140の下部に格納されるように構成され、追加の容器110を受容して保持するために容器110の横位置に(位置矢印によって示されるように)摺動可能に移動する。開口部111は、容器110の唯一の開口である。本実施形態では、測定器ハウジング131は、閉止部140と一致するように形成された一端(例えば、図1における測定器ハウジング131の底部)を有し、例えば、機械的連結(例えば、クリップ等)、ボンディング(bonding)、接着剤による接着、溶接等によって、閉止部140に固定される。また、閉止部140は測定器ハウジング131と一体的に形成することもできる。これにより、測定器130及び閉止部140は共に容器110のキャップ又は蓋を構成する。
【0029】
閉止部140は、複数の方法により、容器110に係合するように構成される。閉止部140は、その閉位置(図3参照)において、容器110からテストメディアの紛失又は除去を十分に防止するために、開口部111を閉じる。従って、閉止部140は、テストストリップ120が開口部111から飛び出ることを防止するために、その閉位置において容器110に係合するように構成される。また、容器110及び閉止部140は、テストメディアの汚染又は性能低下を防ぐために、光、液体、蒸気及び空気の少なくとも1つが容器110へ浸入しないようにも構成される。テストメディアが、中毒性又は窒息の危険性があるように構成される場合には、子供が容器110を開け、テストメディアに触れないようにするために、閉止部140を子供が操作できないように任意に構成する。例えば、閉止部140及び容器110は、医薬品又は家庭用化学品の周知の小児用安全容器と同様の方法で構成されるとよい。
【0030】
例えば、閉止部140及び容器110に相互係合するネジ山(図示略)を備えさせることにより、閉止部140は、ネジ切りキャップとして構成される。また、閉止部140は、例えば、開口部近くの溝(図示略)内で、開口部上を摺動するように構成される。更にまた、閉止部140は、容器110に係合する戻り止め等の留め具(図示略)を備えることもできる(又は、その逆も同様である)。留め具は、ボタンによって解除できる。しかしながら、一実施形態においては、閉止部140は、光、液体及び蒸気の浸入に対して開口部を封止するために、容器110と圧力嵌めを形成するように構成される。例えば、図1において、閉止部140は、開口部111の外側が圧入される凹部(図示略)を有して構成される。これにより、開口部111の周縁が閉止部140の内面にフィットする。また、図2に示すように、閉止部140は、開口部111の内側と係合するように形成された突起部241を有して構成される。しかしながら、本発明は、容器及び閉止部を何れかの特定の構成に限定するものではないこと、及び、本発明の原理と整合する他の構成を利用できること、が理解される。
【0031】
製造を容易にするために、開口部111は、容器110と同形状に形成される。同様に、測定器130のハウジング131は、統合システム100が例えば、使用者のポケット内で保持し易く及び持ち運びやすいように、好ましくは容器110の外形と同形状に形成される。しかしながら、容器110、測定器130及び開口部111は、同一の外形状である必要はなく、及び、容器及び測定器は、本発明の範囲から逸脱しなければ異なる形状で構成されてもよい。
【0032】
好ましくは、図1及び図2に示すように、容器110は、略直円柱であり、及び、開口部111は、円形状である。円形状は、閉止部140と容器110との間の圧力嵌めにより形成される均一な密封を可能にする開口部の1つの可能な構成である。また、図1〜図3に示すように、統合測定器100は、例えば、ズボンのポケット内で保持し易く及び持ち運びやすい全体が略円筒形状を有するように、測定器130も、容器110の幅と同様の幅を有する略円形状及び円筒形状である。しかしながら、容器110、測定器130及び開口部111は、多数のあらゆる他の形状にも形成されることができる。例えば、使用者のシャツポケットに良好に適合させるために、容器110は、長円形、楕円形又は長方形のシリンダーとして形成されることができる。
【0033】
液体及び気体の浸入を一層防止するために、容器110及び閉止部140は、閉止部140が閉位置にあるときに、互いにぴったりとくっついてフィットするように夫々が一致するフランジ112及びフランジ242を備える。また、閉止部140は、好ましくは、突起部143を備える。突起部143は、例えば、使用者が突出部143に対して親指で上方へ力を加えることによって容器110を開け、又は閉じることを十分に補助するために、容器110の側面を越えて延長する。図2に示すように、突出部143は、フランジ242の延長部分である。一方、図3に示すように、突出部143は、測定器ハウジング131上に直接形成されることもできる。
【0034】
図1に示すように、容器110は、容器110から測定器130及び閉止部140を完全に取り外すことによって開けられる。また、測定器130及び閉止部140は、測定器130が容器110から分離されることを防止するために、容器110に連結されることができる。容器110及び測定器130は、例えば、ヒンジ、ランヤード、又は、例えば、可撓性プラスチックバンド若しくはワイヤ等の(図示略)他のフレキシブルコネクタによって連結されることができる。本実施形態では、ヒンジ251は、容器110と、測定器ハウジング131及び閉止部140の少なくとも1つと、を連結する。ヒンジ251は、開口部111が閉じられた状態であるときに、該開口部111と突起部241とがフィットするように配置される。コネクタ(例えば、ヒンジ251)は、容器110に連結される一端と、閉止部140及び測定器ハウジング131の少なくとも一方に連結される他端と、を有する。例えば、容器110及び閉止部140は、発明の名称が「漏れ防止キャップ及び本体アセンブリの製造方法及びその装置(PROCESS AND APPARATUS FOR MAKING A LEAK PROOF CAP AND BODY ASSEMBLY)」である米国特許第5,723,085号等に開示のヒンジによって、一体的に連結される。なお、同特許明細書の全体は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。また、図2に示すように、コネクタ(例えば、ヒンジ251)の一端は、容器110上に合致する大きさに設定されるリング252に連結される。リング252は、小摩擦抵抗により容器110に係合するように構成される。他の方法として、例えば、リング252は、溶接、接着剤による接着等によって、容器110に固着される。更に、容器110は、容器を開くときにその中身を自動的に又は選択的に照らす発光ダイオード(LED)253を含む。図7〜図9に示すように、LED253は容器に配置されるか、測定器ハウジング131に配置されるか、又は容器110の外部を照らすために更に配置される。
【0035】
一実施形態において、容器110及び閉止部140は、射出成形方法を使用してポリプロピレンから形成される。しかしながら、他の原料及び方法も、本発明の範囲から逸脱しなければ用いることができる。
【0036】
統合システム100は、テスト用のサンプルを得るために使用されるサンプリング装置を更に含むことができる。サンプリング装置は、生体サンプルの採取に適している。例えば、サンプリング装置は、血糖値の診断テスト等において、使用者が採血するために使用する穿刺装置であってもよい。
【0037】
図3は、穿刺装置360を組み込んだ例示的な統合システムを示す。例示的な穿刺装置360は、後部体312、指カバー314、外部ノズル318、内部ノズル322及びトリガー324を含む。例示的な穿刺装置360は、接触面321を過ぎて使用者が選択した深さまで皮膚を穿刺するランセット320を前進させるための内部スプリング(図示略)を更に含む。
【0038】
図3に示すように、例示的な穿刺装置360は、容器100に連結することができる。穿刺装置360は、例えば、後部体312、指カバー314、外部ノズル318若しくは内部ノズル322を容器と結合して形成することによって、又は、これら構成要素の1つを例えば、機械的連結(クリップ、ブラケット、タブ、溝等)、ボンディング、接着剤による接着、溶接等により容器110に固着することによって、容器110から取り外せないように連結される。当業者に明らかであるならば、他の周知手段を用いてもよい。また、穿刺装置360は、穿刺装置360及び容器110の夫々が対応する解除式コネクタを備えることによって、着脱自在に容器110に連結される。例えば、穿刺装置360は、容器110の対応構造に係合する1以上の溝、穴、孔、筺体又はクリップを有して提供される。また、その逆も同様である。図26に示すように、保持クリップ608は止り嵌めとなるように容器110上を広がる。保持クリップ608は穿刺装置360の適所に着脱自在に係合するクリップを含む。同様に、図27は、容器110に係合するように設計された保持穴610と穿刺装置360とを共に取り付けたものを示す。当業者であれば、例えば、ブラケット、磁石、差込ロック、溝、タブ、フック及びループファスナー等の他の保持具を、診断テストに用いる1以上の装置の取り付けに使用できることが理解される。更にまた、穿刺装置360は、測定器130のハウジング131又は閉止部140に連結されることができる。好ましくは、後部体312、指カバー314、外部ノズル318又は内部ノズル322の何れか1つのみが、容器110に連結される。これは、穿刺装置360を、容器110から分離することなく調整及び使用できるようにするためである。
【0039】
例示的な穿刺装置360を使用し、サンプルを採血するためには、先ず、使用者は、外部ノズル318上の深度計326を内部ノズル322上の矢印328に合わせるために、外部ノズル318を回転させる。これによりランセット320の所望の穿刺深さを選択する。次に、使用者は、内部ノズル322を後部体312から離す方向に引っ張ることにより内部スプリングに負荷を与え付勢し、穿刺する皮膚表面に接触面321を配置する。次に、使用者は、接触面321を過ぎて指示深度までランセット320を皮膚内に前進させる内部スプリングの付勢を解除するために、トリガー324を作動させる。その後、血液サンプルが、テストストリップ120のサンプル室121に加えられる。
【0040】
例示的な穿刺装置360の更なる詳細は、2004年1月15日に出願された、発明の名称が「穿刺装置(LANCHING DEVICE)」である先の米国特許出願第10/757,776号、に開示されている。この出願は、出願時に本出願と同様の譲受人により所有されており、参照により本明細書に組み入れられるものとする。しかしながら、本発明は如何なる特定のサンプリング装置にも限定されず、及び、当業者であれば、他のサンプリング装置を上述した例示的な穿刺装置と同様の方法で組み込めることを理解するであろう。
【0041】
2.測定電子機器
【0042】
図4は、例示的な測定器130の機能的な構成要素を示したブロック図である。図4に示すように、測定器130は、コントローラ機能部400、メディアインターフェース410、電力供給部420、使用者制御機能部430、入出力機能部440、インジケータ機能部450、メディア分配機構部460、音声メッセージ機能部470、及び環境センサ480を含む。図4に示されていないが、少なくとも一実施形態において、メディアインターフェース410は、図15〜図22に関連して後述するオン−ストリップコーディング(On-strip coding)配置の実施に必要な全ての構造を含む。例えば、メディアインターフェース410は、後に詳述する複数の第1コネクタ接点738及び複数の第2コネクタ接点740を含む。従って、以下に記載する実施形態は、後に詳述するオン−ストリップコーディングシステムの利点と、一体化された測定器130と容器110との配置の利点と、を組み合わせている。本実施形態では、測定器130の機能的な構成要素は、測定器ハウジング131内に含まれる。しかしながら、特定機能部の構成要素の一部又は全てが統合システム100の他の部分に配置されてもよいことが理解される。
【0043】
コントローラ400は、ソフトウェア又はファームウェアとして提供される命令402に従って、測定器の機能的な構成要素の動作を制御する。コントローラ400は、プロセッサ機能部404、メモリ機能部406、クロック機能部408を含む。本発明の実施形態において、プロセッサ機能部404、メモリ機能部406、クロック機能部408の少なくとも1つは、標準集積回路技術と比較して、コントローラ400の小型化を可能にする特定用途向け集積回路(ASIC)を利用して実装可能である。しかしながら、コントローラ400は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、標準集積回路技術又はその他の技術を利用して実装可能であることが理解される。
【0044】
プロセッサ機能部404は、測定器130の機能的な構成要素410〜480を制御するための命令402を実行する。特に、プロセッサ404は、診断テストを行うために(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号及び米国特許第6,946,299号に記載されているように)必要な命令402を実行する。プロセッサ404に対する命令402は、メモリ406又はその他に格納されてもよい。また、メモリ406は、診断テストの実行において使用される、例えば、較正データ及びその他のデータ等を保存する。本発明の例示的な実施形態において、メモリ406は、測定後に再検討又は後述するアップロードのために、時刻並びに日付のデータ及び関連する音声メッセージの少なくとも一方と共に、診断テスト結果を格納するために用いられる。
【0045】
クロック機能部408は、命令402をプロセッサが実行する際に正確なテンポに調整する。特に、クロック機能部408は、診断テストにおける各ステップのタイミングを調整するために使用される。例えば、プロセッサ404は、培養期間、又は、診断テストの正確な実行に必要なその他の期間を調整するためにクロック機能部408を利用する(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号及び米国特許第6,946,299号に記載されている)。クロック機能部408は、単一のシステムクロック又は異なる目的に用いられる複数のクロックにより実現される。
【0046】
メディアインターフェース410は、例えば、テストストリップ120等のテストのためにテストメディアを受容すると共に、このテストメディアが使用者又はメディア分配機構部460によって挿入されたときに、正確に配置されることを確実にするチャネル411を含むことができる。インターフェース410は、例えば、テストストリップ120が正確にテストポート410に挿入されたか否か(すなわち、テストストリップ120のインターフェース側122がメディアセンサに関して適切に配置されているか否か)、テストストリップのサンプル側121のサンプル室に適切な量のサンプルが加えられたか否か、及び、サンプルにおける分析物の存在又は濃度、を確定する1以上のメディアセンサを含む。電気化学的技術を用いる測定器に関して、メディアセンサは、テストストリップ120のインターフェース側122の電極に対応する1以上の電気接点を含む。光度測定技術を用いる測定器に関して、少なくともサンプル中の分析物の存在又は濃度は、例えば、LED等の光センサ及びこれに相当する光検出器が用いられて決定される。
【0047】
電力供給部420は、測定器130の電子構成部品に電力を供給する。本実施形態において、電力供給部は、リチウムコイン電池である。しかしながら、例えば、その他の電池、例えば、太陽電池やAC/DC変換器等のその他の電源を、本発明の要旨を逸脱しない範囲で使用することができる。電力供給部の出力は、例えば定電圧回路によって制御される。
【0048】
使用者制御機能部430は、例えば、1以上のボタン、スイッチ、キー、又は測定器130の各機能を制御するその他の制御手段を含むことができる。本実施形態において、使用者制御機能部430は、測定器ハウジング131の左側面に配置された1以上のボタン132によって実現される(図1参照)。この配置において、ボタン132は、ディスプレイ133を上方から見る位置となるように統合システム100を右手で保持すれば、右手の親指又は人差し指で簡易に押すことができる。しかしながら、使用者制御機能部430は、測定器130の他の場所に配置されてもよい。例えば、ボタン132は、左利きの使用者に都合が良いように測定器ハウジング131の右側面、又は測定器の上面(例えば、ディスプレイ133下の中央)に配置することができる。他の実施形態として、使用者制御機能部430は、例えば、使用者がテストストリップを取り出すために容器110を開けたときに測定器130に自動的に電源が入るように、使用者が閉止部140を開けたときに作動するスイッチを含む。
【0049】
本発明の例示的な実施形態において、使用者制御機能部430は、測定器の各機能部を制御するために用いられる1つの制御手段、例えば、1つのボタン132を用いて実現される。例えば、使用者制御機能部430は、入出力機能部440、インジケータ機能部450及びメディア分配機構部460、音声メッセージ機能部470の少なくとも1つに対して、直接又はコントローラ400を通じてコマンドを出力することによって、これらの機能部及び機構部を制御するために用いられる。また、使用者制御機能部430は、コントローラ400の診断テスト機能を制御する場合にも使用される。例えば、テストが対照溶液を使用して実施される場合(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号及び米国特許第6,946,299号に記載されている)、現在のサンプルが対照溶液であることをコントローラ400に指示するために、ボタン132が押される。これに従って、コントローラ400は、現在のテストストリップに対して対照テストを実施する。
【0050】
一方、複数の使用者制御機能部、即ち、複数のボタン132は、それぞれが異なる機能を有する。例えば、使用者が、メモリ406に格納された診断テスト結果を前後方向にスクロール可能なように、2つのボタンが配置される。使用者を補助するために、特定時間におけるボタン132の機能を、インジケータ機能部450に動的に示すことができる。例えば、前回のテスト結果を検討するときに、ディスプレイ133等のインジケータ機能部450は、使用者に「ボタンを押すと次の結果を表示」と指示する。更に、使用者制御機能部430は、異なる時間毎に、異なる機能を有することができる。例えば、メディアインターフェース410へテストストリップを挿入して、ボタン132を押し続けると、コントローラに対して、そのテストストリップの対照テストを実行するように命令することができる。一方、テストストリップを挿入せずにボタン132を押し続けると、コントローラに対して、過去の診断テスト結果を表示するように命令することができる。
【0051】
入出力機能部440は、データ又は測定器130への命令402のダウンロード、及び、測定器130からのデータのアップロード、の少なくとも一方を提供する。入出力機能部440は、例えば、診断テスト結果(又は複数のテスト結果)をアップロードするために使用される。このアップロードは、診断テスト結果を、記憶装置、又は、例えば、使用者を治療する医療提供者等の第三者へ転送する。また、入出力機能部440は、データ(例えば、較正データ)又は測定器130への命令402(例えば、アップデートソフトウェア)をダウンロードするためにも使用される。入出力機能部440は、例えば、シリアルポート、パラレルポート、光学ポート、赤外線インターフェース等のあらゆる従来のデジタル又はアナログ情報インターフェースを用いて実現できる。
【0052】
インジケータ機能部450は、例えば、測定の単位と共に数値として診断テスト結果を使用者に示す。そして、診断テスト結果を示すことに加えて、インジケータは、その他の情報を使用者に示すことができる。例えば、インジケータ216は、複数のテスト結果の平均、時間及び日付の少なくとも1つ、バッテリ残量等を示す(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号及び米国特許第6,946,299号に記載されている)。また、インジケータ450は、例えば、サンプルをテストストリップに適用するなど、診断テストにおける特定ステップの実行を使用者に促すために使用される。さらに、本発明の例示的な実施形態において(以下に説明する)、インジケータ450は、容器110に残っているテストストリップの数、テスト回数又は測定器130が停止するまでの残余時間等も示す。
【0053】
インジケータ機能部450は、可視形態、可聴形態又は触知形態で現在の情報を示すことができる。例えば、インジケータ450は、数値、言葉及びアイコンの少なくとも1つ等を用いて情報を表示するディスプレイ133を含む。幾つかの異なる技術が、ディスプレイ133に用いられる。例えば、ディスプレイは、液晶ディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ、電子発光ディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ等でもよい。例示的な本実施形態におけるディスプレイ133は、液晶ディスプレイである。更に、図12に示すように、インジケータ機能部450は、テストストリップ120をテストポート410に挿入するときに、テストストリップ120の挿入部を照らすバックライト付ディスプレイ123を含む。更に、ハウジング131の上部リング部124は、バックライト付ディスプレイ123に光学的に結合され、テストストリップ120が十分に照らされない領域に挿入される場合は、可視性を改善するためにバックライト又はバイアルライトLED(図7〜図9)のどちらか一方からの光が導かれる色透明な成形部分で構成される。更に加えて、図13に示すように、フランジ112もまた、容器110が開いているときに光を発する透明な成形部分で構成される。
【0054】
これに対し又は加えて、インジケータ450は、音によって情報を示すように構成される音響式インジケータを含むことができる。例えば、インジケータ450は、音声回路及び音響回路の少なくとも一方に接続されるスピーカを含んで構成される。このスピーカは、例えば、診断テストの結果を読み上げ、又は、エラーが発生したことを警告音で示す。更に、インジケータ450は、使用者のFMラジオに可聴出力を提供するために、特定のFM無線周波数にリンクできる。同様に、インジケータ450は、使用者にテスト情報を示すために、例えばMP3プレーヤ、携帯電話、携帯コンピュータシステム、又はブラックベリー装置(BLACKBERRY(登録商標) device)等のあらゆるパーソナル電子装置にリンクできる。更に代替として、インジケータ450は、視覚障害者に対する動的点字インジケータとして実現することができる。
【0055】
一実施形態において、インジケータ機能部450は、音源回路(図示省略)に接続されたスピーカに加えてディスプレイ133をも含む。図1及び図3に示すように、ディスプレイ133は測定器ハウジング131の上部に配置される。この配置によれば、測定器が、ボタン132に親指又は人さし指を置いて手に把持されると、ディスプレイ133が良好に見える。
【0056】
例えば、テストストリップ120等の診断用テストメディアは、一般的に、非常に小さいので、特定の使用者は、容器からテストメディアを見つけて取り出すことが困難な場合がある。従って、メディア分配機構部は、容器からテストメディアを自動的に分配するように提供される。
【0057】
図5はメディア分配機構部460を有する例示的な統合システムの断面図を示す。本実施形態において、容器は、ばね式マガジン510として構成される。複数のテストストリップ120は、マガジン510内に重ねて積み上げられる。マガジン510は、積み上げ(スタック)配置を維持するために、テストメディア形状と同様の内側形状を有してもよい。例えば、図1に示すようなテストストリップ120であれば、マガジン510の内側は略矩形の横断面となる。
【0058】
ばね516は、マガジン510の上部518に向かってテストストリップのスタックを押し上げる。ここで、最上にあるテストストリップ125は、ストリップ分配機構部460に対して使用可能な状態に配置される。分配機構部460は、線形機構の動き及び回転機構の動きの少なくとも一方を利用し、スタックの最上にあるテストストリップ125を分配する。機構の動きは、例えば使用者がスライドを引っ張り又はホイールを回転させる等の手動によって実行されるか、又は、例えばステッピングモータ等のモータを使用者制御機能部430により作動させることによって実行される。最上にあるテストストリップ125は、スタックから摺動されて溝520を通過する。この実施形態において使用されるテストメディアは、滑らかな排出(エジェクタ)を確実にするために、例えばテフロン(登録商標)等の非摩擦コーティング又はフィルムをテストメディアの両面に施すことにより改善される。
【0059】
特定の診断テストでは、サンプルが塗布される前にテストストリップをテストメディアインターフェース410へ挿入することを要求する。この場合、メディア分配機構部460は、図5に示すように、メディアインターフェース410範囲内で、排出されたテストストリップ125のインターフェース側122、例えば、メディアセンサに係合するテストストリップのインターフェース側122に配置され、テストストリップのサンプル室121が測定器130から外側に突出することで、サンプルの塗布が可能になる。また、メディア分配機構部460は、使用者に対し、最上にあるテストストリップ125の何れの端部であっても容易に示すことができる。この場合、使用者は手動でテストストリップ125をメディアインターフェース410へ挿入する(特定の診断テストの要件に従い、サンプルが塗布される前後のいつでもよい)。コントローラ400は、メディア分配機構460が排出するテストストリップ120の数を計数するように命令し、及び、例えばマガジン510内に残っているテストストリップ120の数を示すことをインジケータ機能部450に生じさせる。
【0060】
音声メッセージ機能部470は、所定の診断テスト結果に関する音声メッセージの記録に使用される。血糖値の自己テストのために、例えば、使用者は、診断テスト時間に食事に関連する情報を記録するために音声メッセージ機能部470を使用する。音声メッセージは、特定のテスト結果と関連するポインタ(pointer)と共にメモリ406に記録される。音声メッセージ機能部470の使用は、本出願と同様の譲受人に所有されている2004年1月26日に出願の先の米国特許出願第10/764,974号、「音声メッセージ機能付き医療診断テスト装置(MEDICAL DIAGNOSTIC TESTING DEVICE WITH VOICE MESSAGE CAPABILITY)」に十分に開示されており、参照により本明細書に組み入れられるものとする。測定器130の使用期間が終わった場合には、使用者は、測定器130を医療提供者に渡すか又は送ることができる。そして、医療提供者は、使用者の治療に用いるために、診断テスト結果及び関連する音声メッセージの少なくとも一方を検討する。
【0061】
環境検知機能部480は、診断テストの実施で扱ったデータを収集するために使用される1以上のセンサを含む。この種の環境センサは、例えば、温度センサ及び湿度センサの少なくとも一方を含む。例えば、測定器130は、温度依存に対する診断テスト結果を補正するために温度読み取りを使用してもよい(これは、参照により本明細書に組み入れる米国特許第6、743、635号及び米国特許第6、946、299号に記載されている)。他の実施形態として、測定器130は、診断テストの実施において湿度レベルが高すぎるか否かを確認する湿度読み取りを使用してもよい。
【0062】
3.不正確なテストストリップ使用の防止
【0063】
測定器130は、特定ブランド又は製造ロットのテストメディアを使用するために較正される。これは、1以上の較正パラメータを用いる特定ブランド又はロットについて、測定器130が実施する診断テストをカスタマイズすることにより行われる。この較正パラメータは、例えば、温度補正などの環境補正、例えば、インキュベーション時間に関するタイミング周期の補正、例えば、電気化学テストに用いる電圧補正、例えば、光度測定テストに用いる色の変化等を含み、特定ブランド又は製造ロットのテストメディアに対して、コントローラ400の診断テスト機能をカスタマイズする。上述の参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6、743、635号及び米国特許第6、946、299号を参照されたい。
【0064】
本発明の実施形態において、統合システム100は、測定器130と共にパッケージ化されるテストストリップ120の1以上の容器110又はマガジン510を含む。パッケージ内のテストストリップ120の夫々は、同一の製造ロットであるか又は血糖に対して同一の特性反応を有する。これは、測定器130が、一旦較正された後は、再較正をすることなく、パッケージ内のいずれのテストストリップ120でも使用できるようするためである。
【0065】
パッケージされた測定器130の診断テスト機能は、例えば、テストメディアと関連させるためにカスタマイズする命令402及びデータの少なくとも一方を提供する製造会社又は販売店により、予め較正される。また、測定器130は、診断テストを実施する前に、テストメディアの特定ブランド又はロットに関する測定器の較正を使用者に要求することによって、使用者レベルで較正されることもできる。例えば、使用者は、較正データ若しくは較正データを導くコントローラ400が出力するコードを入力又はダウンロードするために、使用者制御機能部430又は入出力機能部440を使用する。他の方法では、夫々のテストメディア容器110(又は同一ロットで共通パッケージ化グループの容器)は、電子較正データを格納するデータ記憶装置と共に提供される。上述の参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6、743、635号及び米国特許第6、946、299号を参照されたい。
【0066】
パッケージ内のテストストリップ120が同一の製造ロットでない場合、又はテストストリップ120が血糖に対する同一の特性反応を有しない場合、使用者は、測定器130を新しいブランド又はロットのテストメディアに対応するように較正することを忘れる虞がある。そこで、本発明では、測定器130が誤って較正された場合に、使用者に対して深刻な影響を与える誤った結果を防止する幾つかの異なるコーディング技術を用いることによって、測定器130をテストストリップ容器110から取り外し且つ他の容器に移動することができるようにする。測定器が、適合ロットのストリップに対してコーディングされた容器と適切に関連する限り、使用者は、測定器に更なるプログラムを与える処理は不要である。
【0067】
3a.オン−ストリップコーディングに関する態様
【0068】
一実施形態において、コードチップ又はボタンコードの変更し忘れに関連して通常起こり得るコーディングエラーは、オン−ストリップコーディング方法により防止される。この方法は、測定器130に提供されるテストストリップ120に対して実施される。ここでは、特定のテストストリップロットと一致するロットコードパラメータの1セットが、測定器のメモリ406から選択される。オン−ストリップコ−ディングは、テクニックに依存せず、そしてストリップ120の夫々のバイアルと共に測定器130にかかる費用を抑えられるという点において、ユニバーサルコーディングと類似する。
【0069】
オン−ストリップコーディングに関して、例えば、1つのテストストリップ120等の個々のテストメディアは、測定器130が読み取り可能な埋め込みコードを含む。このコードは、テストストリップのロットに関連するデータ、又は個々のテストストリップ120に特有のデータに関する。埋め込まれた情報は測定器によって読み取り可能なデータを示す。測定器は、マイクロプロセッサにアクセスするため信号を送り、個々のストリップ又は、個々のテストストリップが属する製造ロットから(複数の)テストメディアを特定する格納された較正パラメータの特定セットを利用する。この方法において、上記(例えば、環境補正、タイミング周期の補正、電圧補正、色の変化等)で示した同一の較正パラメータが、特定のテストメディア上に(容器110に関するコードとは対照的なものとして)個々に提供され、人為的エラーを伴わずにコントローラ400により直接読み取られる。
【0070】
一実施形態において、夫々のテストストリップ120は、そのインターフェース側122に形成される電気接点のパターンに対応する個々のコードが埋め込まれる。測定器130と個々のテストストリップ120との有効な接続に関し、測定器は、インターフェース側122にある接続パッドから読み出される特定コードを受信する。この特定コードは、測定器が基底(underlying)テストストリップ120に関するデータにアクセスするための情報信号を表す。コード化された情報は、実行させる特定テストを示すパラメータ、テストプローブへの接続を示すパラメータ、チェックストリップ、較正係数、温度補正係数、phレベル補正係数、湿度補正、ヘマトクリット補正データ、及びテストストリップの特定ブランドを認識するためのデータへの接続を示すパラメータなどを含むデータに、測定器がアクセスする信号である。しかし、これらに限定するものではない。
【0071】
個々のテストストリップを個々に区別するコードデータの取り込みは、測定精度に関する有利な効果に加えて、多数の有利な効果をも提供する。例えば、個々のストリップコーディングを用いると、使用者は測定器のロットコードを手動で入力する必要がないため、この重要なステップで使用者が入力ミスする可能性が取り除かれる。また、個々のテストストリップに直接格納されるストリップロットコードは、1つのストリップバイアル内に複数のストリップロットを混在させて出荷する手段を提供する。これに比べて、現在の技術は、同一ロットコードで構成されるバイアル内の全てのストリップ(一般的に、バイアル内にパッケージされる50個の同一ロットのストリップ)に対して、ボタンやキーによるコーディングを要求する。
【0072】
また、特定コードを示す個々のストリップコーティングは、ばら包装という有利な効果を提供する。例えば、複数ロットのテストストリップを混在させること及び異なる総数のストリップを含むバイアルが可能になる。そして、種々のロットのストリップは販売のために混在させたまま集められてパッケージ化される。このため、単一ロット毎のストリップをパッケージ化するよりも、製造時間を短縮化し、費用を抑えることができる。更に、ストリップに格納される個々のロット較正コードは、単一ロットであっても全て又は何れかに偏差が存在する虞のあるストリップロット全体にコードを異ならせる手段を提供する。製造中に生じるストリップロット内の所定の偏差は、ロット全体に連続的な変化コードを適用することによって補正することができる。これにより、ロットストリップ内のストリップ偏差が生じる問題を解決しその偏差を改善する。更にまた、個々のストリップに関するロットコードの埋め込みは、異なる種類のテストストリップ(例えば、グルコース用のテストストリップやケトン用のテストストリップ)、チェックストリップ、又は異なる製造方法などを識別し、測定器のアップグレード用のデータを提供し、特定の測定器又は特定の測定器の種類にのみ使用する特定のテストストリップと相関させ(以下で詳述)、特定の予防措置(手段)に関するデータを提供するために、使用されることできる。
【0073】
以下の開示では、電気化学技術を採用するシステムで用いる特定のオン−ストリップコーディング配置の一実施形態を提供する。加えて、以下の実施形態では、オン−ストリップコーディングシステムの利点と、上述したような一体化された測定器130と容器110との配置の利点と、を組み合わせる。なお、上述では、テストストリップ120の形状をしたテストメディアを用いて本発明の一実施形態を説明したが、本発明の種々の態様はメディアの特定形状に限定されるものではない。当業者であれば、オン−ストリップコーディングの各態様を含む本発明の原理が、代替技術及びこれらで採用されるタブやディスク等の形状をしたテストメディアを用いる診断テストシステムに同様に適用できることを認識するであろう。
【0074】
テストメディアは、例えば、血液サンプルなどの使用者の液体サンプルを受け入れるサンプル室を含んで製造される。本明細書のサンプル室及びテストストリップは、本出願と同様の譲受人により所有されており、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号に記載されている物質及び方法を用いて形成される。従って、サンプル室は、テストストリップの近位端部に、第1開口部及びサンプル室をガス抜きする第2開口部を含んで構成される。また、サンプル室は、血液サンプルを第1開口部に引き込み、及び、毛管作用によって、サンプル室内の血液サンプルを保持するために必要な大きさに設計される。テストストリップは、近位端部で最も狭くなるテーパ部を含み、第1開口部の位置及び血液サンプルを加える位置に使用者の使用便宜を図る他の印を含む。
【0075】
作用電極及び対極は、充填−検出電極と共にサンプル室に任意に配置される。試薬層は、サンプル室に配置され、好ましくは、少なくとも作用電極に接触する。試薬層は、例えば、グルコースオキシダーゼ等の酵素や、例えば、フェリシアン化カリウム又はルテニウムヘキサミン(ruthenium hexamine)等のメディエータを含む。テストストリップは、その遠位端部の付近において、伝導トレースを介して電気的に接続される複数の第1電気ストリップ接点を備えている。加えて、テストストリップは、ストリップの遠位端部付近において、複数の第2電気ストリップ接点を含んで構成される。複数の第2電気接点は、ストリップが測定器に挿入されたときに、測定器が読み取り可能なコードであって、ロットを明確に区別できるコードを提供するように配置される。上述したように、読み取り可能コードは、測定器に搭載されたオンボードメモリユニットから、例えば、あるロットのテストストリップに関する較正係数又は個々のテストストリップに対応した更なる情報などのアクセスデータに対する信号として読み取られる。
【0076】
測定器は、電池式でもよく、電力を節約するために、使用されていないときには低電力のスリープモードの状態になる。テストストリップが測定器に挿入されると、テストストリップ上の複数の第1電気接点及び第2電気接点は、夫々に対応するように測定器に設けられた電気接点と接触する。複数の第2電気接点は、測定器の一対の電気接点をブリッジし、該複数の第2電気接点部分を通じた電流フローを生じさせる。複数の第2電気接点を通じた電流フローは、測定器を起動しアクティブモードに移行させる。また、測定器は、複数の第2電気接点から提供されるコード情報を読み取って、例えば、実行する特定テストの種類又は正確な作動状態を確認するか否かなどを識別する。加えて、測定器は、特定のコード情報に基づいて、挿入されたストリップがテストストリップ又はチェックストリップの何れであるかを識別する。そして、測定器は、チェックストリップであることを検出した場合には、チェックストリップシーケンスを実行する。一方、測定器は、テストストリップであることを検出した場合には、テストストリップシーケンスを実行する。
【0077】
テストストリップシーケンスにおいて、測定器は、作用電極、対極及び構成に含まれている場合には充填−検出電極を検証する。これは、測定器が、それら各電極間に低インピーダンス経路が存在するか否かを確認することにより実行される。電極が有効であると、測定器は、使用者に対してサンプルをテストストリップに加えるよう指示する。測定器は、作用電極と対極との間にドロップ−検出電圧を印加し、例えば、血液サンプルなどの液体サンプルを検出する。これは、作用電極と対極との間の電流フロー(即ち、作用電極と対極とをブリッジする血液サンプルを通じた電流フロー)を検出することにより実行される。サンプル室に存在する十分なサンプルを検出するために、そして、血液サンプルが試薬層をトラバースして試薬層に含まれる化学成分と混ざり合うことを検出するために、測定器は、充填−検出電極間へ充填−検出電圧を印可し、該充填−検出電極間を流れるあらゆる派生電流を測定する。該派生電流が所定期間内に十分なレベルに到達すると、測定器は、使用者に対して十分なサンプルが存在し且つ試薬層と混じり合っていることを表示する。
【0078】
測定器は、血液サンプルの初期検出後に、該血液サンプルが試薬層で反応する所定の期間を待機するようにプログラムされるか、又は、直ちに読み取りシーケンスを開始する。流体測定期間の間、測定器は、作用電極と対極との間に分析評価電圧を印加し、該作用電極と対極との間を流れる派生電流から1以上の測定値を取得する。分析評価電圧は、試薬層における化学的性質の酸化還元電位に近く、及び、派生電流は、測定する特定成分、例えば、血液サンプルの血糖値などの濃度に関する。
【0079】
一実施形態において、試薬層は、特定のグルコース濃度を決定するために、血液サンプル中のグルコースに反応する。一実施形態では、グルコースオキシダーゼが試薬層に使用される。グルコースオキシダーゼを用いるこの説明は、単なる例示を意図するものであり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、他の物質を用いることもできる。他のメディエータの候補としては、ルテニウム及びオスミウムが含まれるが、これらに限定されるものではない。サンプルテストの間、グルコースオキシダーゼは、グルコン酸に対するグルコースを酸化して、フェリシアニドをフェロシアニドに下げる反応を始める。対極に関連して作用電極に適切な電圧を印加すると、フェロシアニドがフェリシアニドに酸化することにより、血液サンプル中のグルコース濃度に関する電流が生じる。そして、測定器は、測定電流と、測定器が複数の第2電極から読み取ったテストストリップに関するコードデータを利用するために呼び出した較正データと、に基づいて血糖値を算出する。その後、測定器は、使用者に算出した血糖値を表示する。上述した各構成要素及びそれらの相互接続については後述する。
【0080】
図15は、一実施形態に係るテストストリップ10の断面図を示す。テストストリップ710は、近位接続端部712と遠位端部714とを含んで構成され、テストストリップ710の全長にわたって広がるベース層716が形成されている。ベース層716は、電気絶縁物質で構成されており、テストストリップ710に構造上の支持を提供するために十分な厚さを有している。本出願において、絶縁体(例えば、絶縁層、コーティング、インク又は基材など)は、電子又はイオンを容易に移動させないあらゆる物質を含んで構成され、電流の流れを妨げる。従って、誘電体を他の伝導表面から切り離したとき、又は、電流の通過に対して不変の高抵抗を提供する空気層を他の伝導表面から切り離したとき、及び、誘電体又は空気層による破裂放電から切り離したときに、要素を絶縁したと言える。一方、本出願において、抵抗素子は、回路において電流の流れを減少させる(しかし、必ずしも止めることはない)インピーダンスの増加を導くものの1つである。ベース層716は、例えば、約0.014インチ厚のポリエステルであってもよく、特定の適用及び製造方法に基づいて他のサイズが採用されてもよい。ベース層716上には、伝導パターンが形成される(図示略)。
【0081】
伝導パターンは、近位端部712に近接するベース層716上に配置された複数の電極と、遠位端部714に近接するベース層716上に配置された複数の電気ストリップ接点と、これら各電極と複数の電気ストリップ接点とを電気的に接続する複数の伝導トレースと、を含んで構成される。本出願において、「接点」なる名詞は、電気回路の終端であるか又は通過点としての特定エリアであるか否かにかかわらず、対応する他の「接点」と機械的に結合することを意図するエリアを意味する。
【0082】
一実施形態において、複数の電極は、作用電極、対極及び充填−検出電極を含む。伝導パターンは、伝導物質をベース層16上へ塗布することにより形成してもよい。伝導パターンは、ストリップの上面、ストリップの底面、又はこれら双方を組み合わせて形成される。電極物質は、ベース層716上に、伝導物質(例えば、金)及び半伝導物質(例えば、酸化インジウム・酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide))を薄膜真空スパッタリングにより提供する。その結果として生じる電極層は、レーザアブレーション工程において、特定の適用に従ってパターニングされ、特定の伝導性の領域及び経路の少なくとも一方として構成される。スクリーン印刷に加えて伝導パターンを提供するための代替の物質及び方法が、本発明の要旨を逸脱しない範囲で用いられる。
【0083】
誘電層間絶縁膜718は、電気接続に対するスクラッチや他の損傷を防止するために、各測定電極と複数の電気ストリップ接点との間におけるテストストリップの一部分において、伝導パターンを覆って形成される。図15に示すように、テストストリップ710の近位端部712は、上述の通り、サンプル受信場所、即ち、患者の液体サンプルを受信するように構成されたサンプル室720を含んで構成される。サンプル室720は、カバー722と、ベース層716上に形成された基底測定電極と、の間に部分的に形成されたスロットとして構成される。測定電極と、電気ストリップ接点と、の相対位置は、ストリップ710の一端における近位電極領域724と、他端における遠位ストリップ接点領域726と、から構成される。
【0084】
図16は、(図1の測定器130の一部のみを示す)測定部位730内に挿入されたテストストリップ710の上面斜視図を示す。図16に示すように、ストリップ710は、上述したサンプル室と測定電極とを含む近位電極領域724を含んで構成される。近位電極領域724は、使用者が液体サンプルを加える端部として、遠位ストリップ接点領域726と識別するために特定形状で形成される。測定器コネクタ730は、テストストリップ710を受け入れるためのフレア開口部を外側に広げたチャネル411(図4にも記載)を含む。さらに、コネクタ730は、チャネル732の基部上よりも所定の長さ伸長する突起部736を含んで構成される。突起部736の所定長さは、例えば、テストストリップ710の各層による厚みに対応させて、テストストリップ710をチャネル732に挿入できるように、その範囲を制限するために選択される。
【0085】
さらに、コネクタ部730は、該コネクタ部730の近位端部側に配置される複数の第1コネクタ接点738と、コネクタ部730の遠位端部側に配置される複数の第2コネクタ接点740と、を含んで構成される。図示したように、テストストリップ710は、コネクタチャネル411の先頭部分で広がる、遠位ストリップ接点領域726を備えるフレア開口部へ挿入される。図17は、テストストリップを測定器ストリップコネクタ部730内へ挿入した概略的な断面図を示す。チャネル411は、複数の第1コネクタ接点738を含んで構成される近位コネクタ列で表される。加えて、チャネル411は、複数の第2コネクタ接点740を含んで構成される遠位コネクタ列を内蔵する。また、コネクタ接点738とコネクタ接点740とは、遠位ストリップ接点領域726の異なる部分に夫々接触する。これについては、詳細に後述する。
【0086】
図18Aは、テストストリップ710の遠位端部である遠位ストリップ接点領域726の平面図を示している。ベース層716上に形成された伝導パターンは、ストリップ710に沿って、遠位ストリップ接点領域726まで延びている。図18Aに示すように、遠位ストリップ接点領域726は、2つの異なる伝導領域である742及び744を夫々形成するために分割される。また、伝導領域744は、複数の第1電気ストリップ接点746、748、750、752を構成する4つの横列に分割される。テストストリップ710の遠位端部における複数の第1電気ストリップ接点は、上述した複数の測定電極と電気的に接続されている。なお、4つの接点746〜752は、単なる例示であることを理解しなければならない。従って、システムは、複数の測定電極に対応する少数又はより多数の電気ストリップ接点を含むことができる。
【0087】
例えば、テストストリップ710の基底伝導パターンで形成されるブレーク754により、複数の第1電気ストリップ接点746〜752が分割される。これらのブレークは、スクライブ工程(レーザによる切除)、又は、化学エッチングタイプ/フォトエッチングタイプの工程により、伝導パターンの印刷を通じて形成される。加えて、当業者であれば、テストストリップ710の伝導体を除去することにより伝導ブレークを形成するその他の工程を用いることは明らかである。追加のブレーク754は、遠位ストリップ接点領域726内で伝導領域742と伝導領域744とを分割すると共に、さらに、ブレーク754は、ノッチ領域756を形成するために、遠位ストリップ接点領域726の右上部分を分割する。これについては、詳細に後述する。
【0088】
図18Bは、他の遠位ストリップ接点領域726の平面図を示す。図18Bにおいて、図18Aで説明した伝導領域742は、接触パッド758、760、762、764、766を夫々形成する複数の第2電気ストリップ接点として区画した異なる5つの領域に分割される。接触パッド758、760、762、764、766を形成する複数の第2電気ストリップ接点は、上述した複数の第1電気ストリップ接点746、748、750、752を分割するために使用した工程と同様にして分割される。上述したように、ベース層716上の伝導パターン(少なくとも部分的に電気ストリップ接点が形成される)は、ストリップの上面、ストリップの底面、又はこれら双方を組み合わせて適用される。接触パッド758、760、762、764、766は、測定器コネクタ730内で複数の第2コネクタ接点740と有効に接続されて構成される。この有効な接続により、測定器は、特定の基底テストストリップ710に関する情報にアクセスするために、測定器へ送出される情報を表す特定コードを、接触パッドから読み取り入手する。加えて、図18Bでは、さらに、遠位ストリップ接点領域726の最外端部である遠位接続端部770を絶縁するブレーク768の一例を示している。
【0089】
図18Cは、他の遠位ストリップ接点領域726の平面図を示す。図18Cにおいて、遠位ストリップ接点領域726は、複数の第1電気ストリップ接点746〜752と、接触パッド758、760、762、764、766を形成する複数の第2電気ストリップ接点と、及び、分離されたノッチ領域756と、を含んで構成される。上述した伝導領域は、テストストリップ710の基底伝導パターン内において、ブレーク754により全て形成される。
【0090】
図18Dは、他の特徴的な遠位ストリップ接点領域726の平面図を示す。ストリップの不伝導絶縁インク772は、遠位ストリップ接点領域726内において、伝導領域742と伝導領域744との間に分離を提供する。2つの領域間の境界は、絶縁インク772が印刷されて形成される。これは、各伝導領域(明確な絶縁領域により夫々が隣接している)を明確に維持するためであり、及び、ストリップを挿入する過程で測定器コネクタとの接触により生じるスクラッチ(あるストリップ接点の所望伝導率に悪影響を与えるスクラッチ)を防止するためである。不伝導絶縁インク772は、例えば、スクリーン印刷工程で与えられる。このような誘電体絶縁コーティングによるスクリーン印刷は、ストリップ製造工程における後方の工程及び簡易なプログラム可能パターン/複製可能パターンで適用できるので有利である。このような絶縁コーティングを加える追加ステップは、安価であり、何らかの形状に基材を切除することを要求する方法よりも短時間である。例えば、レーザ工程又は化学的アブレーション工程で基材表面を切除することは、先存物質から特定パターンを正確に除去しなければならず、多大な時間を浪費する工程を伴うことになる。
【0091】
図18Dでは、テストストリップ710が、テストストリップ710の遠位端部に形成される他の不伝導絶縁インク773による帯部(ストリップ)を含んでもよいことを示す。不伝導絶縁インク773による帯部は、ストリップ710の遠位端部において不伝導領域を提供する。このため帯部773は、ストリップが測定器に完全に挿入される前に、接触パッド758、760、762、764、766のあらゆる部分と、測定器コネクタ接点と、に有効な伝導接続が生じることを防止する。従って、帯部773は、テストストリップ710と、該テストストリップ710に対応する測定器と、の間に正確な接続を保証する追加の特長を提供する。
【0092】
図19は、測定器ストリップコネクタ730が、テストストリップ710の遠位ストリップ接点領域726を収容した図を示している。図19では、ラベル1〜4が付された複数の第1コネクタ接点738と、ラベル5〜9が付された複数の第2コネクタ接点740と、を夫々表している。コネクタ接点738とコネクタ接点740とは、遠位ストリップ接点領域726の異なる部分と夫々接触する。特に、測定器コネクタ部730にテストストリップ710を正確に挿入すると、複数の第1電気ストリップ接点を形成する電気ストリップ接点746〜752の夫々は、複数の第1コネクタ接点738を形成するコネクタ接点1〜4に電気的に接続される。同様に、複数の第2電気ストリップ接点を形成する接触パッド758、760、762、764、766の夫々は、複数の第2コネクタ接点740を形成するコネクタ接点5〜9に電気的に接続される。
【0093】
図19に示すように、複数の第1コネクタ接点738は、複数の第2コネクタ接点740に対して、横に少しずつずらして配列されるか又はオフセットされている。図示したように、第1コネクタ接点及び第2コネクタ接点は、相互個別に並べられ及びオフセットされているが、これは個別に並べることを要求するものではなく、例えば、個別のグループとした追加のオフセットを採用することもできる。従って、テストストリップ710が測定器コネクタ部730に挿入されるとき、接触パッド758〜766から出力される伝導信号は、接触パッド758〜766をコネクタ接点1〜4よりも奥に設けられた接続先であるコネクタ接点5〜9に到達させるべく、接触パッド758〜766部分からスライドさせて差し込む際に生じるあらゆるスクラッチ又は擦り傷により妨害されることはない。このため、コネクタ接点740に対してコネクタ接点738を少しずらして配列した配置は、より信頼性が高い接続を提供する。加えて、不伝導絶縁インク(図18D)による帯部772の適用は、接触パッド758〜766から通じる伝導コーティングを、測定器コネクタ接点738との相互摩擦によるスクラッチ及び「耕し」から防止する。従って、不伝導絶縁インクによる帯部772は、コネクタ及び接点伝導に信頼性の向上を提供する。
【0094】
一実施形態において、接触パッド766とコネクタ接点9との間の接続がアース(又は極性を反転する電源電圧)としての共通接続を確立することにより、測定器及び少なくとも伝導領域742部分を含んだ電気回路が完成する。この完成した回路は、測定器を起動させる起動機能として実行されるものであり、測定器を低電力スリープモードからパワーアップさせる信号を出力する。このため、図5に示したように、コネクタ接点9は、接触パッド766とコネクタ接点9との接続を通じて回路が最終的にクローズ/起動する前に、コネクタ5〜8が適切な接続位置をとることを確実にするために、接点5〜8と相対的に近位に配置される。さらに、不伝導絶縁インク帯部773(図18D参照)がテストストリップ710の遠位端部に形成され、及び、伝導構成要素がノッチ領域(図18C参照)から除去されることで、測定器が早期に起動することを防止する。
【0095】
言い換えると、コネクタチャネル411(図4,16及び17を参照)内のテストストリップ710の遠位が移動している間は、テストストリップ710の最も遠い遠位端部と係合するコネクタ接点9のポイントで通常の接続は確立されない。一方、共通接続は、コネクタ接点がノッチ756(適用があればインク帯部773)を通過し及び接触パッド766の伝導部分と係合したときにのみ確立される。従って、コネクタ接点9及び不伝導ノッチ領域756を近位に配置した組み合わせは、ストリップ710と測定器との間により信頼性を向上させた接続を提供する。
【0096】
上述したように、接触パッド758、760、762、764、766は、測定器コネクタ730内で複数の第2コネクタ接点740に有効に接続されるように構成される。この有効な接続により、測定器は、特定の基底テストストリップ710に関する情報にアクセスするために、測定器に送出される特定コードを接触パッドから読み取り入手する。コード情報は、特定テストの実行を指示するパラメータ、テストプローブの接続を指示するパラメータ、チェックストリップの接続を指示するパラメータ、較正係数、温度補正係数、ph濃度補正係数、ヘマトクリット補正データ、及び、テストストリップの特定ブランドを認識するためのデータなどを含むデータ(これらに限定するものではない)に、測定器がアクセスする信号である。
【0097】
このようなコードを図20に示す。ここで、伝導接触パッド760、764は、例えば、不伝導(絶縁)インク層775などの電気絶縁物質によりオーバープリントされている。不伝導インク層775は、遠位ストリップ接点領域726の伝導領域742内における幾つかの所定接触パッドにおいて、対応するコネクタ接点(例えば、コネクタ接点6、8)と基底ストリップ部との間のインピーダンス(及び、電流の流れを妨げること)を有意に増加させる。上述したように、図18Dに関して、不伝導絶縁インク775の使用は、特に、ストリップ部の電気伝導率を変える他の方法と関連して有利である。
【0098】
電気ストリップ接点の配列に従い、各々の層775を形成する電気絶縁物質の個別部分は、ストリップの上面、ストリップの底面、又はこれら双方を組み合わせて適用される。
【0099】
図19の接触パッド758、760、762、764、766が対応するコネクタ接点740に接続すると、測定器は、不伝導インク層775によりオーバープリントされた接触パッドの数、及びパターンに基づいて特定コードを読み取る。言い換えると、不伝導インク層775の使用は、測定器の読み取りに対しスイッチング回路網を提供する。絶縁体が接触パッド758、760、762、764、766の伝導表面のうちの1つ以上に印刷されていると、その印刷された絶縁体が電流の流れを妨げ、接触パッドとコネクタ接点(例えば、電流が流れない)との間の伝導経路を変える。一方、絶縁体が伝導体上に印刷されていなければ、電流フローは相対的に妨げられない(低インピーダンス経路)。
【0100】
特定コードを読み取ると、測定器内の内部メモリは、格納されているマイクロプロセッサアルゴリズムにより、特定のテストストリップに関する特定の較正情報(例えば、較正係数)にアクセスすることができる。測定器は、アナログ又はデジタル方式でコードを読み取ることができる。アナログモードにおいて、印刷された不伝導インクの順列が電圧降下、抵抗又は電流測定を使用する異なるロットコードと相関するように、予め設定されたラダー回路が、測定器内で、複数の第2コネクタ接点740(図19のラベル5〜9)に相互接続する。また、アナログ方式では、オープン回路をクローズすることにより測定器を起動する低インピーダンス接続を形成する不伝導インクであって、該不伝導インクが塗布されていない少なくとも1つのパッドを有する各コードを、オートオン/起動の機能として同時に用いることができる。アナログ電圧、抵抗又は電流レベルは、測定器が上述した特定の基底テストストリップのあらゆるデータにアクセする信号として用いることができる。
【0101】
図21は、本発明の一実施形態に係る測定器とテストストリップの接触パッド758、760、762、764、766との間の電気接続の概略図を示す。図21のスイッチS5は、単一の電圧源Vへの接続を提供する。従って、スイッチS5は、アナログ信号読み取り工程において、接触パッド766及びコネクタ接点9に要求される接続を表す。スイッチS4〜S1の夫々は、図19に示したコネクタ接点5〜8と接触パッド758〜764との間の概略的な接続を表す。従って、図21のスイッチ回路網において、特定コードは、特定のスイッチング構成と一致する。
【0102】
さらに、図21に示したように、各々のスイッチS4〜S1は、特定抵抗に接続するブリッジングにより閉路に対して追加インピーダンスの異なる値を与えるために、閉じられる。従って、オームの法則及びキルヒホッフの法則の適用を通じて、Voutの回路測定値は、テストストリップ710により示される特定コードに基づいて、異なる値を提供する。単一の電圧源に抵抗Rを接続する変わりに、必要に応じてスイッチS5を共通のグランドに接続することにより、電流フローの方向を逆転させることもできる。
【0103】
図22に示すデジタル方式において、各々の接触パッド758〜766は、アナログ方式で使用する単一入力とは異なり、個々の入力として読み取られる。オートオン/起動の機能を同時使用するデジタル方式では、入力は、マイクロコントローラの割込みコントローラに、共にワイヤーオアドされること又は接続されることが必要である。各コードは、測定器のマイクロコントローラを起動する低インピーダンス接続のように、不伝導体インク775により被覆されていない少なくとも1つのパッドを備える必要がある。
【0104】
高低インピーダンスのレベルに関する不伝導インク775は、パッド(P)インピーダンスの数に基づいて、コードインデックスを生じるバイナリーコードを生成する。ここで、コード数は、N=2Pである。しかし、コードが、電気絶縁物質で被覆された電気ストリップ接点がない配列(コードが、全て論理“1”、即ち、全て伝導体)を含んで構成されることも可能である。オートオン/起動の機能を組み込む場合のコード数は、N=2P−1に減少される。オートオン/起動の機能を有するシステムにおいて、測定器を起動させない場合、全て論理“0”(全て絶縁体)のコードは、アクティブコードではない。
【0105】
ストリップ710が測定器コネクタ部730に挿入されると、1つの接点が閉じられ、及び、高又は低のマイクロコントローラの割り込みをプリングすることにより測定器を起動させる。その後、測定器は、テストタイプを決定するために電圧出力(Vout)をチェックし、コード値を決定するためにコードビット(S1、S2、S3、S4)を読み取る。選択されるコード値は、例えば、測定電極領域に適用される試薬に関連する特定のグルコースマッピングアルゴリズムを用いるために、測定器のメモリ内に保存された一連の係数に関連させることができる。また、このコードは、例えば、上述したようなストリップパラメータ情報の他のタイプに関連させることができる。さらに、同様の異なる測定器構成を選択することもできる。コード値が確認信号として使用される所定範囲内であれば、図22のVoutにおける直列抵抗R全体の電圧降下を検出することができる。また、これはストリップ識別(チェックストリップ、製造プローブ及び異なるテストタイプ)を決定するために用いることもできる。
【0106】
高又は低インピーダンスレベルの何れかを提供することに加えて(接触パッドの1以上に不伝導インク775による絶縁層の適用又は除去を通じて)、特定の抵抗素子が、特定の接触パッドを通じて提供される。抵抗素子は、電流の流れを減少させる(しかし、必ずしも止めるものではない)回路に、インピーダンスレベルの増加を導く。従って、特定の接触パッド上の特定の抵抗素子の使用は、テストストリップの接触パッド上に、直接に抵抗の中間レベルを提供する。この抵抗の中間レベルが対応する測定器コネクタ接点を有する係合を通じて測定器に接続されると、測定器は、この「中間」レベル(例えば、オームの法則及びキルヒホッフの法則の適用による電圧降下の回路測定値を通じて)を検出することができる。
【0107】
このような中間レベルの検出は、特定のテストストリップに関するコードデータの全ての新規なセットにアクセスするために、測定器プロセッサにアラートすることができる。言い換えると、抵抗素子のコーティングを提供することは、接触パッドの設定数により有効なコード数を増加するために用いることができる。例えば、ストリップには、不伝導絶縁インク775の特定パターンを通じて、特定コードが形成される。この抵抗素子は、伝導インクを印刷した形で提供される。但し、この例に限定されるものではない。抵抗素子を形成する印刷インクの厚み及びインク組成の抵抗率は、特定の接触パッドに対して所望の抵抗を達成するために変化させることができる。コードの拡張を通じて形成可能な追加情報は、ヘマトクリット補正に関する情報、測定器のアップグレードに関する情報、及び、特定のテストストリップに関する情報を含むことができる。但し、これらに限定されるものではない。従って、このような抵抗素子の使用は、接触パッドの設定数により有効なコード構成数を拡張するために用いることができる。
【0108】
本明細書に開示したテストストリップ710の構成、コネクタ接点738,740の特定の構成、対応する複数の第1電気ストリップ接点及び複数の第2電気ストリップ接点は、単なる例示であり、これらの異なる構成を、本発明の要旨を逸脱しない範囲で形成することができる。例えば、ストリップ710の下面(上面側とは反対の側)に、コードインデックスのサイズ(及びこれによる情報量)を増加する追加の接触パッドを組み込み形成することができる。ストリップ10の下面上に設けた追加の接触パッドを、複数の第3電気ストリップ接点とすることができ、有効なコード数が増加する。この有効なコード数は、ストリップ10上面の絶縁コーティングに加えて、ストリップ10下面の特定パッドにも絶縁コーティングを適用することで、拡張することができる。
【0109】
上述の開示では、テストストリップ上の不伝導インクパターン及び抵抗素子により形成されるコードの一例を提供したが、変形例としてオン−ストリップコーディング配列についても意図するものである。他のコード配列は、回路の電気容量又はインダクタンスを変更するテストストリップ上の回路素子のパターン、コントローラによって読み取り可能なコードを表すバーコードパターン、コントローラによって読み取り可能なコードを表すカラードパターン(colored pattern)等によって形成されるコード、テストストリップ上の素子の相対伝達/相対反射(例えば、不透明度)に基づくコード、テストストリップ上の素子の相対フルオレセンス(florescence)又は相対ルミネセンス(エレクトロルミネセンスを含む)に基づくコード、テストストリップ上の素子の特定の電気化学的性質に基づくコード、テストストリップ上の素子の特定のPHレベルに基づくコード、テストストリップ上の素子の特定の空間分布に基づくコード、テストストリップ上に配置される磁性粒子(例えば、クレジット/ATMカードが持つ磁気ストライプ)に基づくコード、テストストリップ上の素子から発する特定の無線周波信号(例えば、万引きを防止する盗難防止タグに用いられるような受動共振器(passive resonator))に基づくコード、及び、コントローラの光学文字認識を通じて読み取り可能なテストストリップ上の光学文字の特定パターンに基づくコード、を含む。しかし、これらに限定するものではない。
【0110】
上述した各例に関して、テストストリップの一部には、測定器のインターフェースへテストストリップを挿入すると直ちに測定器により検出される特定素子が提供される。例えば、カラードパターンの実施形態に関して、測定器は、特定の色を検出する光検出器素子を備えるとよい。そして、検出した特定の色に基づいて、測定器は、コントローラが読み取り可能な特定テストストリップに対応する特定データにアクセスする。
【0111】
3b.分離コーディング装置の態様
【0112】
図23及び図24に示すように、上述したテストストリップ120及び710の少なくとも一方の減少させた寸法が、ストリップ120に触れずに該ストリップ120を配置するために、ストリップ排出機構602を有する測定器130で要求される。さらに、穿刺装置360は、図14に示すように、測定器130と一体化されてもよい。
【0113】
測定器130をテストストリップ容器110から取り外し且つ他の容器に移動することができる他のコーディング方法は、ボタンコーディング(button coding)である。使用者は、測定器130を異なる容器と相互接続する場合は必ず測定器130上のコード番号を選択する。そして、使用者は、テストストリップ容器110に印刷された値に基づいて視覚から読み取ったコードを入力する。ボタンコーディングの使用による少なくとも1つの有利な効果は、ストリップロットに対するコードが決定した後に、テストストリップ120に対してコードを加える二次的な製造操作が要求されないことである。しかしながら、このコーディング方法は、使用者によるコード入力ミスの可能性があるため、ユニバーサルコーディングやオン−ストリップコーディングと比べた場合は好ましくない。
【0114】
また、代替の実施形態としてコードチップコーディングが、測定器130を較正するための効果的な手段として使用される。コードチップコーディング方法は、ストリップ120の夫々のパッケージに含まれるロットの特定情報を備えるコードチップを測定器130に挿入することを使用者に要求する。コードチップコーディングは、データ保存手段を提供する点で有益である。但し、使用者が新しいチップと古いチップを混同すると、コーディングエラーを生じる可能性はある。また、コードチップコーディングは、パッケージサイズ及びコネクタサイズにより、コードチップを効率的に使用する設置空間が常にあるわけではない。さらに、コードチップコーディングは、他のコーディング技術よりも、テストに付加的なシステム構成要素の操作を使用者に要求することがある。しかしながら、コードチップコーディングは、実施可能なコーディングの代替の実施形態である。
【0115】
また、測定器130はユニバーサルシリアルバス(USB)装置600によって較正されることができる。夫々のテストメディア容器110(又は同一ロットで共にパッケージ化された容器のグループ)は、電子的な較正データを格納するデータ記憶装置600を備える。使用者は、特定の容器110又はパッケージ内のテストメディア用に測定器130を較正するために、対応するデータ記憶装置600を測定器130のコネクタ(図示省略)に単純に接続する。次に、コントローラ400は、必要な命令402又はデータをデータ記憶装置600から取得する。さらに、USBリモート測定器600は、一体化されたUSBデータコネクタ604(例えば、以下に説明するように、本出願と同様の譲受人に所有されており、参照により本明細書に組み入れられる2005年5月2日に出願の米国特許出願第11/118,494号に記載されている)からパーソナルコンピュータ(PC)(図示省略)へ直接にデータを転送する。また、データコネクタ604は、図23に示すように、PCから直接にデータを転送するために便利な形状で提供され、テストストリップ容器110の側面に形成されるホルスタータイプのレセプタクル606により、テストストリップ容器110に取り付けられる。さらに、この装置は、測定器130内に格納されたデータをPCへ転送するための「電子ログブック」として使用される。ディスプレイは基本的な結果を示し、日付及び時間はPCを介して設定され、夫々の結果と共に日付及び時間の情報がPCに送られる。さらに、PCへのUSB接続が検出されると、PCアプリケーションを起動させるようにしてもよい。代替の実施形態では、オン−ストリップコーディングを用いるリモート測定器600及び穿刺装置360に取り付けられた排出ボタン602を提供する。これらは、図23〜図25に示すように、同時に又は別々に使用される。
【0116】
3c.予防手段の態様
【0117】
上述したコーディング方法は測定器の較正エラーを防止することを目的としているが、統合診断テストシステムでは、(図15〜図22について記述したオン−テストストリップ「コーディング」のアプローチに加えて)付加的な安全装置を採用する。これにより、あるブランドやロットのテストメディアに較正されてない測定器130を使用者が誤って使用する機会を最低限に抑えることができる。
【0118】
本発明の一実施形態は、特定のトリガーイベントが測定器に生じた場合に1以上の機能を使用不能にする1以上の予防手段を提供する。例えば、予防手段は、測定器130が特定期間若しくは特定回数だけ使用され又は特定数量のテストメディアを使用した後、測定器130を完全に停止させる。そして、測定器130は、再生産する製造業者に返還されるなどして簡易に処分される。また、予防手段は、コントローラ400の診断テスト機能のみを停止させるか、又は測定器が診断テスト結果を表示することを単に防止する。この場合、使用者は、測定器のその他の機能を使用するために測定器130を保有してもよい。
【0119】
特定の予防手段は、特定期間の経過後等のトリガーイベントの発生によって起動する。この期間は、測定器130を較正若しくは測定器130に関連付けるテストストリップ120の特定容器110又はロット等の特定のテストメディアに関連する。例えば、製造業者が特定のテストメディアについて製造日から2年以上経過したものは使用禁止であることを明らかにしている場合など、現在の日付が測定器130に関連付けたテストメディアの使用期限の経過後であると、予防手段が起動する。また、例えば、製造業者が容器110を開封後2ヶ月以上経過したテストメディアの使用禁止を明らかにしているなど、特定容器が開封された日付に関連付けられて使用期限が決定される。
【0120】
テストメディアの特定容器110が開封された日付は、多くの方法で推定又は決定される。例えば、検出器412がLED253の電流をモニタして測定器130に情報を伝えることで、測定器130はバイアル110が開封されたときを確認することができる。この機能は、独立の構成要素を設けて実行する必要はなく、コントローラ400が実行すればよい。さらに加えて、測定器130は、単一の容器又はテストストリップの単一ロットを用いるために予め較正され、容器を初めて開封した日付は、測定器130を始めて起動した日付を決定することによって推定される。測定器130を初めて起動した日付は、例えば、その日付の保存又はタイマーのスタート若しくはその他の使用に対する作動を、コントローラ400に命令することによって決定される。しかしながら、使用者は(例えば、測定器の機能に精通する目的、又は測定器を較正する目的で)、測定器を実際に使用して診断テストを実施する前の不確定な時間に測定器を起動する。従って、測定器を初めて使用する日付は、診断テストを実施するために測定器130が初めて使用されたときに、コントローラ400に対して日付の保存又はタイマーのスタートが命令されることによって推定される。同様に、測定器130が使用者によって較正される場合、特定容器が開封された日付は、特定の複数のテストストリップに較正又は関連付けられた後であって、診断テストの実施に測定器130が初めて使用されたときに、コントローラ400に対して日付の保存又はタイマーのスタートが命令されることによって推定される。また、測定器130が特定容器110に取り付けられる場合、使用者制御機能部430は使用者が閉止部140を開けるときに作動するスイッチを含んでいるとよく、例えば、これによって、容器110が初めて開封されたときをコントローラに通知することができる。なお、当業者であれば、容器110の初めての使用を決定する他の方法があることを理解するであろう。
【0121】
さらに、光学センサ、電気測定、機械スイッチ又は音響センサも、容器110が開封されてからの期間及び経過時間を決定するために用いられる。この情報は、テストストリップ120の実行可能性を決定する場合に有用であり、又、湿度に影響されるテストストリップ120を用いる場合、例えば、テストストリップ120を長期間にわたり乾燥容器110に入れることによって回復できる場合に有用である。
【0122】
加えて、テストメディアの容器110を開封したときに、測定器130は自動的に又は選択的にディスプレイ133を作動させる。他の実施形態では、コントローラ400は、容器110を初めて開封したときに、スリープ状態から始動又は起動される。
【0123】
また、検出器412は、LED253の電流をモニタし、測定器130に情報を伝える。これにより、測定器130はLED253が照射するときを確認できる。この機能は、独立の構成要素を設けて実行する必要はなく、コントローラ400が実行すればよい。コントローラ400は、光源253が照射していることを決定すると直ちにタイマーをスタートするように構成される。上述した方法に類似して、タイマーは、使用者が容器110を初めて開封した時からの経過時間を探知するように設計される。加えて、タイマーはまた、コントローラ400に光源253の消灯信号を送信し、所定時間経過後に使用者に対して警告を発するように構成される。警告は、例えば、映像、音声、運動、又はそれらを複合した警報でもよい。
【0124】
期間は、テストメディアの特定ロット又は容器に関連させる必要はない。特定の予防手段は、テストメディアのあらゆる特性に関係なく、測定器130の製造後若しくは測定器130の初めての使用後、又は特定の測定機能(診断テストの実施等)の初めての実施後から所定期間で起動される。例えば、特定の予防手段は、診断テストを実施するために測定器を初めて使用した後から3ヶ月間起動できる。何れにしても、インジケータ機能部450は、予防手段が起動し続ける残存時間を示すために使用される。
【0125】
これに対し又は加えて、コントローラ400は、使用したテストメディアの数量又は現行の較正データを用いて測定器が実施した診断テストの回数のランニングカウント(running count)を継続する。使用テストメディアの数量は、テストメディアがメディアインターフェース410に挿入された回数、又は、好ましくは、例えば、メディアセンサによってサンプルが検出された回数により推定される。ランニングカウントは、予防手段の起動の前に、複数のテストの許容回数又はテストメディアの許容数量と比較される。テストメディアの許容数量は、製造会社又は販売店によって測定器130と共に最初にパッケージされたテストメディアの数量、例えば、容器110に関連付けられて最初に収容されたテストメディアの数量に合致する。さらなる実施形態として、許容数量は、パッケージ又は容器110に関連付けられて収容されたテストストリップ数を若干超過してもよい(例えば10%)。そして、ランニングカウントが有効な数量や回数を超えると、予防手段が起動する。インジケータ機能部450は、予防手段が起動される前に、診断テストの残りの回数又はテストメディアの残存数量を示すために使用される。
【0126】
予防手段の起動に関する起動情報(例えば、許容期間、関連付けられたテストメディアの有効期限、診断テストの回数、診断テストストリップの数量等)は、較正データと同様の方法で取得できる。本実施形態では、コントローラ400は、例えば、メモリ406又はコントローラ400内の他の場所にエンコードされる起動情報を分配する。一方、起動情報は使用者が入力してもよい。例えば、起動情報は、使用者が入力又はダウンロードした較正データに追加される。また、使用者は、較正データとは別個に、起動情報(又はコントローラ400が起動情報を導き出すコード)を入力又はダウンロードしてもよい。追加の実施形態として、起動情報は、図15〜図22のアプローチに関して上述した較正データと共に特定のテストメディア上に直接「コード化」される。例えば、コントローラ400がテストメディアから読み取るコード情報は、特定コードに対応する特定データにアクセスするために、メモリ406に信号を送信することができる。
【0127】
コントローラ400は、特定の予防手段が起動されたか否かを周期的に判定するように命令される。例えば、コントローラ400は毎日又は毎週を基準に予防手段が起動されたか否かを判定する。これに対し又は加えて、コントローラ400は、特定イベントが生じたときは直ちに予防手段を起動させるか否かを判定するように命令される。例えば、コントローラ400は、テストストリップ120がテストストリップインターフェース110に挿入されたとき、サンプルがメディアセンサによって検出されたとき、診断テストがコントローラによって実行されたとき、診断テストの結果を表示させとき、又は、特定の使用者制御部430若しくは測定器130の他の機能を作動させるとき、は直ちに予防手段を起動させるか否かを判定するように命令される。
【0128】
予防手段には多くの態様がある。測定器の電力供給部420が有限(例えば、バッテリ等)である場合、予防手段は、該予防手段の起動後にハウジング131内のバッテリ等の電力供給部を直ちに使用不能にするように、電力供給部420の寿命を操作する。例えば、コントローラ400は、予防手段が起動されたときに、電力供給部への負荷を増加させる。この負荷はシステムクロック408の周波数を高めることによって増加される。その結果、定格電力が、コントローラ400及び増加される他の電気的機能部によって消費されるようになる。そして、電力供給部420及び測定器130が比較的短期間で使用不能になる。これに対し又は加えて、コントローラ400は、一旦、予防手段が起動して電力供給部を消耗させ始めると、測定器130を「オン」状態のままにするように命令される。さらなる実施形態として、コントローラは、測定器130の電気的機能部から電力供給源420の接続を遮断するために、スイッチをオープンにするか又はヒューズを飛ばすように命令される。この実施形態では、測定器ハウジング131は、電力供給部420を交換できないように構成される。インジケータ機能部450は、電力供給部420及び測定器130が使用不能になるまでの残存時間の推定を示す。
【0129】
他の予防手段は診断テストの実施を防止する。例えば、インターフェース410にテストストリップ120を挿入すると直ちに診断テストを始めるオートオン機能部(auto-on function)を測定器130が含む場合(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,743,635号及び米国特許第6,946,299号に記載されている)、コントローラ400は、予防手段が起動されるときに、オートオン機能部を使用不能にするように命令される。しかしながら、コントローラ400は、測定器の他の機能へのアクセスを許容するために、使用者が使用者制御機能部430を用いて測定器を始動させるようにしてもよい。例えば、コントローラ400は、使用者による測定器の始動を許容し、メモリ406内に保存された前回のテスト結果及び関連した音声メッセージの少なくとも一方を再検討させることができる。
【0130】
他の実施形態として、予防手段は、診断テストの実施は許容するが、インジケータ機能部がテスト結果を示すことを防止する。その代わりに、測定器は、測定器が較正されていないこと及び測定器の交換が必要であることの少なくとも一方を示すメッセージを表示する。この場合においても、上述したようにコントローラ400は使用者に対して前回のテスト結果及びメモリ406内に保存されたあらゆる関連音声メッセージを依然として再検討させるようにしてもよい。次いで、測定器130は使用者の医療提供者に渡すか又は送付される。そして、医療提供者は、使用者の治療に用いるために、診断テスト結果及び関連する音声メッセージの少なくとも一方を検討する。
【0131】
さらなる予防手段として、コントローラ400は測定器130の機能を再構成するように命令される。例えば、コントローラ400は診断テスト結果に代わる他の情報を示すようにインジケータ機能部450を再構成するように命令される。そして、インジケータ機能部450は、例えば、時間及び日付の少なくとも一方を示すように再構成される。また、インジケータ機能部450は環境センサ480が読み取った情報を示すように再構成されてもよい。例えば、測定器130は、ディスプレイ133上に、温度及び湿度の少なくとも一方を適切な単位と共に表示することができる。他の実施形態として、コントローラ400は、診断テスト結果を示す以外の目的で音声メッセージの記録を許容するために、音声メッセージ機能部470を再構成するように命令される。
【0132】
使用者制御機能部430はインジケータ機能部の再構成に従って再構成される。例えば、インジケータ機能部450は、キッチンタイマー等のタイマーとしての機能を果たすように再構成される。これに対応して、使用者制御部430はタイマーを制御するように再構成される。例えば、使用者制御部430はタイマーを開始又は停止するように再構成される。また、使用者制御部430は、時間、日付、温度及び湿度の少なくとも1つの表示を切り替え又は調整するように再構成される。
【0133】
測定器は、使用者が新しい機能を使用し易い配置となるように、測定器の後部に留め具(例えば、磁石、ベルクロ(登録商標)ホック(VELCRO hook )及びループファスナ、付着性能等)を備える。例えば、使用者は測定器を冷蔵庫に取り付けることができる。これによれば、使用者は、測定器の製造会社又は販売者の名前及び(ディスプレイ133の隣に配置される)ロゴの少なくとも一方を、診断テスト用に測定器130を使用する以外でも連想するようになる。
【0134】
本発明の他の実施形態は、当業者であれば、本明細書及び本明細書に開示される発明の実行を考慮することにより明らかになるであろう。本明細書及び実施形態は単なる例示であり、本発明は添付の特許請求の範囲に定められる本発明の真の範囲及び趣旨から考慮される。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明に従う、統合システムの第1実施形態の斜視図
【図2】本発明に従う、統合システムの第2実施形態の斜視図
【図3】本発明に従う、統合システムの第3実施形態の斜視図
【図4】本発明に従う、診断測定器の機能要素を示すブロック図
【図5】本発明に従う、統合システムの第4実施形態の断面図
【図6】診断テストに使用される1以上の装置を受けるように構成される保持具を備える測定器ハウジングの斜視図
【図7】発光ダイオードを配置した容器の斜視図
【図8】測定器に発光ダイオードを配置した容器の斜視図
【図9】容器の外側を更に照らすための発光ダイオードを有する容器の斜視図
【図10】照射ハウジングを有する閉じた容器の斜視図
【図11】照射ハウジングを有する開いた容器の斜視図
【図12】バックライト付きディスプレイ及びリング部を有する容器ハウジング上部の斜視図
【図13】照射フランジを有する開いた容器の斜視図
【図14】交換可能な測定器を有する穿刺装置の斜視図
【図15】本発明の一実施形態に従うテストストリップの概略断面図
【図16】本発明の一実施形態に従う測定器のストリップコネクタ内に挿入されたテストストリップの上部斜視図
【図17】本発明の一実施形態に従う測定器のストリップコネクタ内に挿入されたテストストリップの概略断面図
【図18A】本発明の一実施形態に従う、ブレークにより特定領域に分割されたテストストリップの遠位端部の平面図
【図18B】本発明の一実施形態に従う、電気接点を形成する伝導領域を備えたテストストリップの遠位端部の上面図
【図18C】本発明の一実施形態に従う、複数の電気接点の特定配列を備えたテストストリップの遠位端部の平面図
【図18D】本発明の一実施形態に従う、特定領域を被覆する複数の絶縁体を備えたテストストリップの遠位端部の平面図
【図19】本発明の一実施形態に従う、測定器ストリップコネクタ内に挿入されるテストストリップの遠位端部の拡大平面図
【図20】本発明の一実施形態に従う、コードを形成する複数の電気接点を備えたテストストリップの遠位端部の平面図
【図21】本発明の一実施形態に従う、測定器とテストストリップの複数の電気接点との間の簡易電気接続図
【図22】本発明の一実施形態に従う、測定器とテストストリップの複数の電気接点との間の簡易電気接続図
【図23】ストリップコーディング及びストリップ排出機構部を有するリモート測定器の斜視図
【図24】ストリップコーディング及びストリップ排出機構部を有するリモート測定器のUSBデータコネクタの斜視図
【図25】ストリップコーディング及び穿刺装置が備えるストリップ排出機構部を有するリモート測定器の斜視図
【図26】容器周辺に配置されるクリップ形状を有する保持具の斜視図
【図27】容器及び穿刺装置を収容するために用いる穴形状を有する保持具の斜視図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストメディアに適用されるサンプルの診断テストを実施する測定器であって、ハウジングと、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェースと、前記診断テストを実施するように構成されるコントローラと、を含んで構成される前記測定器と、
開口部を有し、前記測定器と協働して機能すると共に前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器と、
前記容器に予め収容されると共に、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、テストストリップの特定データを識別する前記コードが埋め込まれた少なくとも1つのテストストリップを含んで構成されるテストメディアと、
を含んで構成されることを特徴とする診断テストシステム。
【請求項2】
前記容器の内側を照らすように配置される光源を更に含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記テストストリップの遠位領域に配置される電気接点を有する伝導パターンを含み、前記電気接点は、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表す異なるパターンを構成することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバーコードパターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すカラードパターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記伝導パターンが形成される少なくとも1つの電気絶縁層を含んで構成され、
前記電気接点の夫々は、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバイナリーコードを電気接点の個数に基づいて作成するように、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆されることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記電気接点は、前記測定器のインターフェースに挿入されるときに、該測定器のインターフェース内の複数の接点と接触するように構成されることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの前記電気接点は、該接点上に配置される抵抗素子を含み、前記テストストリップが前記測定器のインターフェースへ挿入されたときに、該測定器によって読み取り可能な前記異なるパターンの一部を形成することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記コードは、特定テストストリップに関連した前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスするように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記コードは、特定テストストリップのタイプに対応する特定の測定を実施するように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コードは、全ての特定テストストリップのロットに関連した前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスするように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
テストメディアに適用されるサンプルの診断テストを実施する測定器であって、ハウジングと、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェースと、前記診断テストを実施するように構成されるコントローラと、を含んで構成される前記測定器と、
開口部を有し、前記測定器と協働して機能すると共に前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器と、
前記容器に予め収容され、少なくとも1つの診断テストストリップを含んで構成されるテストメディアと、
を含んで構成され、
前記テストストリップは、
少なくとも1つの電気絶縁層と、
前記少なくとも1つの電気絶縁層上に形成される伝導パターンと、
前記少なくとも1つの電極の少なくとも一部を被覆する試薬層と、
から少なくとも構成され、
前記伝導パターンは、
前記テストストリップの近位領域で少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される少なくとも1つの電極と、
前記テストストリップの遠位領域で少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される電気ストリップ接点と、
前記電気ストリップ接点の少なくとも幾つかに前記電極を電気的に接続する伝導性トレースと、
を含み、
前記電気ストリップ接点の夫々は、前記コントローラによって読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを少なくとも部分的に形成するように、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆される
ことを特徴とする診断テストシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバーコードパターンを含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すカラードパターンを含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの前記電気ストリップ接点上に配置され、前記測定器によって読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを少なくとも部分的に形成する少なくとも1つの電気絶縁物質の個別部分をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンは、電気絶縁物質で被覆される前記電気ストリップ接点がない配列を含んで構成されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
抵抗素子は、少なくとも1つの前記電気ストリップ接点上に配置され、読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを部分的に形成することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの電極の夫々は、複数の第1電気ストリップ接点と一対一で個々に接続されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記テストストリップの前記遠位領域における前記伝導パターンは、複数の第2電気ストリップ接点を含むことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の第1電気ストリップ接点及び前記複数の第2電気ストリップ接点は、相互に間隔をあけて配置され、電気接点の異なるグループを形成することを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の第2電気ストリップ接点は、接触パッドの個別セットを形成されることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記電気絶縁物質は、不伝導絶縁インクを含んで構成されることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
前記接触パッドは、適合する測定器に挿入されるときに、該測定器の対応する複数のコネクタ接点と接触するように構成されることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
テストメディアに適用されるサンプルの診断テストを実施する測定器であって、ハウジングと、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェースと、前記診断テストを実施するように構成されるコントローラと、を含んで構成される前記測定器と、
開口部を有し、前記測定器と協働して機能すると共に前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器と、
前記容器に予め収容され、少なくとも1つの診断テストストリップを含んで構成されるテストメディアと、
を含んで構成され、
前記テストストリップは、
少なくとも1つの電気絶縁層と、
前記少なくとも1つの電気絶縁層上に形成される伝導パターンと、
前記少なくとも1つの電極の少なくとも一部を被覆する試薬層と、
電極と個々に接続される接点を含んで構成される複数の第1電気ストリップ接点と、
前記テストストリップの前記遠位領域における前記伝導パターンを含んで構成される複数の第2電気ストリップ接点と、
から少なくとも構成され、
前記伝導パターンは、
前記テストストリップの近位領域で少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される少なくとも1つの電極と、
前記テストストリップの遠位領域で少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される電気ストリップ接点と、
前記電気ストリップ接点の少なくとも幾つかに前記電極を電気的に接続する伝導性トレースと、
を含み、
電気絶縁物質が、複数の前記第1電気ストリップ接点及び第2電気ストリップ接点を分離する
ことを特徴とする診断テストシステム。
【請求項25】
前記複数の第2電気ストリップ接点を含んで構成される電気ストリップ接点の夫々は、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆され、前記コントローラによって読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを少なくとも部分的に形成することを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
少なくとも1つの前記電気ストリップ接点上に配置され、前記測定器によって読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを少なくとも部分的に形成する少なくとも1つの電気絶縁物質の個別部分をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンは、電気絶縁物質で被覆される前記電気ストリップ接点がない配列を含んで構成されることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
抵抗素子は、少なくとも1つの前記電気ストリップ接点上に配置され、読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを部分的に形成することを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記複数の第2電気ストリップ接点は、接触パッドの個別セットを形成されることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項30】
前記電気絶縁物質は、不伝導絶縁インクを含んで構成されることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項31】
テストメディアに適用されるサンプルについて診断テストを実施する測定器であって、ハウジングと、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェースと、前記診断テストを実施するように構成されるコントローラと、を含んで構成される前記測定器と、
開口部を有し、前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器と、
前記容器に予め収容されると共に、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、テストストリップの特定データを識別する前記コードが埋め込まれた少なくとも1つのテストストリップを含んで構成されるテストメディアと、
を含んで構成され、
前記測定器は開口部を閉じるように構成される
ことを特徴とする診断テストシステム。
【請求項32】
前記容器の内側を照らすように配置される光源を更に含んで構成されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表す異なるパターンを構成する、前記ストリップの遠位領域に配置される電気接点有する伝導パターンを含むことを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバーコードパターンを含むことを特徴とする請求項31に記載の診断テストシステム。
【請求項35】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すカラードパターンを含むことを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記伝導パターンが形成される少なくとも1つの電気絶縁層を含んで構成され、
前記電気接点の夫々は、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆され、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバイナリーコードを電気接点の個数に基づいて作成することを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項37】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記伝導パターンが形成される少なくとも1つの電気絶縁層を含んで構成され、
前記電気接点の夫々は、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆され、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバイナリーコードを電気接点の個数に基づいて作成することを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項38】
前記電気接点は、前記測定器のインターフェースに挿入されるときに、該測定器のインターフェース内の複数の接点と接触するように構成されることを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項39】
少なくとも1つの前記電気接点は、該接点上に配置される抵抗素子を含み、前記テストストリップが前記測定器インターフェースへ挿入されたときに、前記測定器によって読み取り可能な前記異なるパターンの一部を形成することを特徴とする請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記コードは、特定テストストリップに関連した前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスするように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項41】
前記コードは、特定テストストリップのタイプに対応する特定の測定を実施するように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項42】
前記コードは、全ての特定テストストリップのロットに関連した前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスするように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項43】
前記容器は、診断テストに使用される1以上の装置を受ける保持具を有し、前記開口部は、前記システムの使用者がアクセス可能であることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項44】
前記保持具は、前記測定器と係合することを特徴とする請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記保持具は、ランセットと係合することを特徴とする請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
診断テストシステムが、
診断テストを実施する測定器であって、ハウジングと、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェースと、前記診断テストを実施するように構成されるコントローラと、を含んで構成される前記測定器と、
開口部を有し、前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器と、
前記容器に予め収容されると共に、前記コントローラによって読み取り可能なコードが埋め込まれた少なくとも1つのテストストリップを含んで構成されるテストメディアと、
を含んで構成され、
前記測定器のハウジングは、前記開口部を閉じるように構成されており、
前記診断テストシステムを提供すること、
前記容器からテストストリップを取り除くこと、
前記測定器のインターフェースへ前記テストストリップの第1端部を挿入すること、
前記テストストリップの第2端部に液体サンプルを適用すること、
前記コントローラを用いて前記テストストリップに埋め込まれたコードを読み取ること、
前記コードに基づいて前記テストストリップの特定データを識別すること、及び
前記コントローラを用いて前記液体サンプルの液体成分濃度を計算すること、
を含んで構成されることを特徴とする液体内の組成レベル測定方法。
【請求項47】
前記測定器ハウジングを用いて前記容器を閉じること、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
光源を用いて前記容器の内側を照らすこと、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コード表す異なるパターンを構成する、前記ストリップの遠位領域に配置される電気接点を有する伝導パターンを、前記少なくとも1つのテストストリップに提供すること、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバーコードパターンを、前記少なくとも1つのテストストリップに提供すること、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すカラードパターンを、前記少なくとも1つのテストストリップに提供すること、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項52】
診断テストシステムを提供することは、前記伝導パターンが形成される前記テストストリップ上に少なくとも1つの電気絶縁層を提供すること、を含み、
前記電気接点の夫々は、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆され、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバイナリーコードを電気接点の個数に基づいて作成することを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記測定器のインターフェースへ前記テストストリップの第1端部を挿入することは、該測定器のインターフェース内の対応する複数の接点に前記テストストリップの電気接点の夫々が接続すること、を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記テストストリップの特定データを識別することは、前記特定テストストリップに関連した前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスすること、を含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項55】
前記特定テストストリップのタイプに対応する特定の測定を実施するように、前記測定器によって前記コードが利用されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項56】
前記テストストリップの特定データを識別することは、全ての特定テストストリップのロットに関連する前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスすること、を含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項57】
前記コードがアナログ方式で前記コントローラによって読み取られることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項58】
前記コードがデジタル方式で前記コントローラによって読み取られることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項1】
テストメディアに適用されるサンプルの診断テストを実施する測定器であって、ハウジングと、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェースと、前記診断テストを実施するように構成されるコントローラと、を含んで構成される前記測定器と、
開口部を有し、前記測定器と協働して機能すると共に前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器と、
前記容器に予め収容されると共に、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、テストストリップの特定データを識別する前記コードが埋め込まれた少なくとも1つのテストストリップを含んで構成されるテストメディアと、
を含んで構成されることを特徴とする診断テストシステム。
【請求項2】
前記容器の内側を照らすように配置される光源を更に含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記テストストリップの遠位領域に配置される電気接点を有する伝導パターンを含み、前記電気接点は、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表す異なるパターンを構成することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバーコードパターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すカラードパターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記伝導パターンが形成される少なくとも1つの電気絶縁層を含んで構成され、
前記電気接点の夫々は、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバイナリーコードを電気接点の個数に基づいて作成するように、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆されることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記電気接点は、前記測定器のインターフェースに挿入されるときに、該測定器のインターフェース内の複数の接点と接触するように構成されることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの前記電気接点は、該接点上に配置される抵抗素子を含み、前記テストストリップが前記測定器のインターフェースへ挿入されたときに、該測定器によって読み取り可能な前記異なるパターンの一部を形成することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記コードは、特定テストストリップに関連した前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスするように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記コードは、特定テストストリップのタイプに対応する特定の測定を実施するように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コードは、全ての特定テストストリップのロットに関連した前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスするように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
テストメディアに適用されるサンプルの診断テストを実施する測定器であって、ハウジングと、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェースと、前記診断テストを実施するように構成されるコントローラと、を含んで構成される前記測定器と、
開口部を有し、前記測定器と協働して機能すると共に前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器と、
前記容器に予め収容され、少なくとも1つの診断テストストリップを含んで構成されるテストメディアと、
を含んで構成され、
前記テストストリップは、
少なくとも1つの電気絶縁層と、
前記少なくとも1つの電気絶縁層上に形成される伝導パターンと、
前記少なくとも1つの電極の少なくとも一部を被覆する試薬層と、
から少なくとも構成され、
前記伝導パターンは、
前記テストストリップの近位領域で少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される少なくとも1つの電極と、
前記テストストリップの遠位領域で少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される電気ストリップ接点と、
前記電気ストリップ接点の少なくとも幾つかに前記電極を電気的に接続する伝導性トレースと、
を含み、
前記電気ストリップ接点の夫々は、前記コントローラによって読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを少なくとも部分的に形成するように、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆される
ことを特徴とする診断テストシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバーコードパターンを含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すカラードパターンを含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの前記電気ストリップ接点上に配置され、前記測定器によって読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを少なくとも部分的に形成する少なくとも1つの電気絶縁物質の個別部分をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンは、電気絶縁物質で被覆される前記電気ストリップ接点がない配列を含んで構成されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
抵抗素子は、少なくとも1つの前記電気ストリップ接点上に配置され、読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを部分的に形成することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの電極の夫々は、複数の第1電気ストリップ接点と一対一で個々に接続されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記テストストリップの前記遠位領域における前記伝導パターンは、複数の第2電気ストリップ接点を含むことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の第1電気ストリップ接点及び前記複数の第2電気ストリップ接点は、相互に間隔をあけて配置され、電気接点の異なるグループを形成することを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の第2電気ストリップ接点は、接触パッドの個別セットを形成されることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記電気絶縁物質は、不伝導絶縁インクを含んで構成されることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
前記接触パッドは、適合する測定器に挿入されるときに、該測定器の対応する複数のコネクタ接点と接触するように構成されることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
テストメディアに適用されるサンプルの診断テストを実施する測定器であって、ハウジングと、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェースと、前記診断テストを実施するように構成されるコントローラと、を含んで構成される前記測定器と、
開口部を有し、前記測定器と協働して機能すると共に前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器と、
前記容器に予め収容され、少なくとも1つの診断テストストリップを含んで構成されるテストメディアと、
を含んで構成され、
前記テストストリップは、
少なくとも1つの電気絶縁層と、
前記少なくとも1つの電気絶縁層上に形成される伝導パターンと、
前記少なくとも1つの電極の少なくとも一部を被覆する試薬層と、
電極と個々に接続される接点を含んで構成される複数の第1電気ストリップ接点と、
前記テストストリップの前記遠位領域における前記伝導パターンを含んで構成される複数の第2電気ストリップ接点と、
から少なくとも構成され、
前記伝導パターンは、
前記テストストリップの近位領域で少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される少なくとも1つの電極と、
前記テストストリップの遠位領域で少なくとも1つの電気絶縁層上に配置される電気ストリップ接点と、
前記電気ストリップ接点の少なくとも幾つかに前記電極を電気的に接続する伝導性トレースと、
を含み、
電気絶縁物質が、複数の前記第1電気ストリップ接点及び第2電気ストリップ接点を分離する
ことを特徴とする診断テストシステム。
【請求項25】
前記複数の第2電気ストリップ接点を含んで構成される電気ストリップ接点の夫々は、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆され、前記コントローラによって読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを少なくとも部分的に形成することを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
少なくとも1つの前記電気ストリップ接点上に配置され、前記測定器によって読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを少なくとも部分的に形成する少なくとも1つの電気絶縁物質の個別部分をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンは、電気絶縁物質で被覆される前記電気ストリップ接点がない配列を含んで構成されることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
抵抗素子は、少なくとも1つの前記電気ストリップ接点上に配置され、読み取り可能な異なるパターンであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記異なるパターンを部分的に形成することを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記複数の第2電気ストリップ接点は、接触パッドの個別セットを形成されることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項30】
前記電気絶縁物質は、不伝導絶縁インクを含んで構成されることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項31】
テストメディアに適用されるサンプルについて診断テストを実施する測定器であって、ハウジングと、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェースと、前記診断テストを実施するように構成されるコントローラと、を含んで構成される前記測定器と、
開口部を有し、前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器と、
前記容器に予め収容されると共に、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、テストストリップの特定データを識別する前記コードが埋め込まれた少なくとも1つのテストストリップを含んで構成されるテストメディアと、
を含んで構成され、
前記測定器は開口部を閉じるように構成される
ことを特徴とする診断テストシステム。
【請求項32】
前記容器の内側を照らすように配置される光源を更に含んで構成されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表す異なるパターンを構成する、前記ストリップの遠位領域に配置される電気接点有する伝導パターンを含むことを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバーコードパターンを含むことを特徴とする請求項31に記載の診断テストシステム。
【請求項35】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すカラードパターンを含むことを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記伝導パターンが形成される少なくとも1つの電気絶縁層を含んで構成され、
前記電気接点の夫々は、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆され、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバイナリーコードを電気接点の個数に基づいて作成することを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項37】
前記少なくとも1つのテストストリップは、前記伝導パターンが形成される少なくとも1つの電気絶縁層を含んで構成され、
前記電気接点の夫々は、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆され、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバイナリーコードを電気接点の個数に基づいて作成することを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項38】
前記電気接点は、前記測定器のインターフェースに挿入されるときに、該測定器のインターフェース内の複数の接点と接触するように構成されることを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項39】
少なくとも1つの前記電気接点は、該接点上に配置される抵抗素子を含み、前記テストストリップが前記測定器インターフェースへ挿入されたときに、前記測定器によって読み取り可能な前記異なるパターンの一部を形成することを特徴とする請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記コードは、特定テストストリップに関連した前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスするように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項41】
前記コードは、特定テストストリップのタイプに対応する特定の測定を実施するように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項42】
前記コードは、全ての特定テストストリップのロットに関連した前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスするように、前記測定器によって利用されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項43】
前記容器は、診断テストに使用される1以上の装置を受ける保持具を有し、前記開口部は、前記システムの使用者がアクセス可能であることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項44】
前記保持具は、前記測定器と係合することを特徴とする請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記保持具は、ランセットと係合することを特徴とする請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
診断テストシステムが、
診断テストを実施する測定器であって、ハウジングと、前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェースと、前記診断テストを実施するように構成されるコントローラと、を含んで構成される前記測定器と、
開口部を有し、前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器と、
前記容器に予め収容されると共に、前記コントローラによって読み取り可能なコードが埋め込まれた少なくとも1つのテストストリップを含んで構成されるテストメディアと、
を含んで構成され、
前記測定器のハウジングは、前記開口部を閉じるように構成されており、
前記診断テストシステムを提供すること、
前記容器からテストストリップを取り除くこと、
前記測定器のインターフェースへ前記テストストリップの第1端部を挿入すること、
前記テストストリップの第2端部に液体サンプルを適用すること、
前記コントローラを用いて前記テストストリップに埋め込まれたコードを読み取ること、
前記コードに基づいて前記テストストリップの特定データを識別すること、及び
前記コントローラを用いて前記液体サンプルの液体成分濃度を計算すること、
を含んで構成されることを特徴とする液体内の組成レベル測定方法。
【請求項47】
前記測定器ハウジングを用いて前記容器を閉じること、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
光源を用いて前記容器の内側を照らすこと、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コード表す異なるパターンを構成する、前記ストリップの遠位領域に配置される電気接点を有する伝導パターンを、前記少なくとも1つのテストストリップに提供すること、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバーコードパターンを、前記少なくとも1つのテストストリップに提供すること、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すカラードパターンを、前記少なくとも1つのテストストリップに提供すること、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項52】
診断テストシステムを提供することは、前記伝導パターンが形成される前記テストストリップ上に少なくとも1つの電気絶縁層を提供すること、を含み、
前記電気接点の夫々は、電気絶縁物質の個別部分で選択的に被覆され、前記コントローラによって読み取り可能なコードであって、前記テストストリップの特定データを識別する前記コードを表すバイナリーコードを電気接点の個数に基づいて作成することを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記測定器のインターフェースへ前記テストストリップの第1端部を挿入することは、該測定器のインターフェース内の対応する複数の接点に前記テストストリップの電気接点の夫々が接続すること、を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記テストストリップの特定データを識別することは、前記特定テストストリップに関連した前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスすること、を含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項55】
前記特定テストストリップのタイプに対応する特定の測定を実施するように、前記測定器によって前記コードが利用されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項56】
前記テストストリップの特定データを識別することは、全ての特定テストストリップのロットに関連する前記測定器内に格納される特定較正パラメータにアクセスすること、を含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項57】
前記コードがアナログ方式で前記コントローラによって読み取られることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項58】
前記コードがデジタル方式で前記コントローラによって読み取られることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2009−512858(P2009−512858A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536764(P2008−536764)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/040706
【国際公開番号】WO2007/050396
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(504144529)ホーム ダイアグナスティックス,インコーポレーテッド (28)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/040706
【国際公開番号】WO2007/050396
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(504144529)ホーム ダイアグナスティックス,インコーポレーテッド (28)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]