ストリップパック装置
【課題】物品を一定した姿勢で帯体に順次貼付することができ、かつ、貼付された物品の姿勢を揃えて排出することができるストリップパック装置を提供する。さらに、物品の帯体への貼付ミスを防止する。
【解決手段】貼付ユニットの下流側に配置されて、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xの姿勢を規制する受け台13が備えられている。そして、受け台13の上流側の第1受け面131より落し込まれて設けられた下流側の落し込み部Dは、第2受け面132と左右の側面部134と左右のガイド面135とで構成されている。
【解決手段】貼付ユニットの下流側に配置されて、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xの姿勢を規制する受け台13が備えられている。そして、受け台13の上流側の第1受け面131より落し込まれて設けられた下流側の落し込み部Dは、第2受け面132と左右の側面部134と左右のガイド面135とで構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品が帯体に貼付されて吊下げ状態で陳列されるストリップパックと称される商品を製造するストリップパック装置に関し、物品包装機械の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
スナック菓子等を袋に充填した物品を帯体に複数個並べて貼付し、これを吊下げて陳列するストリップパックと称される商品が知られている。このストリップパックは、陳列の省スペース化を図ることができるので、例えば店舗内の通路等に陳列すれば消費者の目に付き易くなり、販売促進につながる利点がある。
【0003】
このようなストリップパックを製造するストリップパック装置として、例えば特許文献1に開示の装置は、水平方向に供給された物品の端部を把持して貼付位置まで移動させ、この物品の前記端部を貼付手段により帯体に貼付するように構成されている。そして、帯体に物品が貼付されてなるストリップパックは、貼付手段の下流側に連設されたシュート状の受け台を介してさらに下流側に排出されるようになっている。その場合の受け台は、帯体に貼付された複数の物品を支持可能な比較的長さが長いもので、斜め下方に傾斜する板状とされている。
【0004】
また、特許文献2に開示の装置は、上方から供給された物品の端部を把持して貼付位置まで移動させ、この物品の前記端部を貼付手段により帯体に貼付するように構成されている。そして、得られたストリップパックは、貼付手段の下流側に連設されたシュート状の保持プレートを介してさらに下流側に排出されるようになっている。その場合の保持プレートは、貼付直後の物品を支持する比較的長さが短いもので、斜め下方に傾斜する受け面と、この受け面の両側から起立する側面部とを有している。
【0005】
【特許文献1】特開2007−112502号公報
【特許文献2】特許第3602527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記特許文献1、2に記載のストリップパック装置では、以下のような問題が生じることがある。すなわち、物品が帯体に順次貼付されて行くと、例えば特許文献1の図2や特許文献2の図4を参照すれば容易に理解されるように、貼付された物品より先に帯体に貼付された物品が、不用意に左右に移動したりねじれたりして姿勢が変動することがある。その場合、物品の姿勢の変動に伴って帯体の姿勢も変動するため、上流側では、この帯体と新たに貼付されようとしている物品との位置関係がずれるという問題が生じる。一方、下流側では、物品の姿勢の乱れたストリップパックが排出されることになるので、このストリップパックを、例えば下流側に連設された排出コンベア等へスムーズに受け渡すことができなくなるという問題が生じる。
【0007】
さらに、物品が帯体に順次貼付されて行くと、例えば特許文献1の図2を参照すれば容易に理解されるように、受け台の傾斜度合いと物品の膨らみ方との関係から、先に帯体に貼付された物品により後続して帯体に貼付された物品が順次持ち上げられることがある。この現象が著しいと、持ち上げられた物品が新たに帯体に貼付されようとしている物品に干渉する結果、この新たな物品が貼付手段に対して適正に位置決めされなくなって、貼付ミスという問題が生じることがある。
【0008】
そこで、本発明は、物品を一定した姿勢で帯体に順次貼付することができ、かつ、貼付された物品の姿勢を揃えて排出することができるストリップパック装置を提供することを課題とする。さらに、物品の帯体への貼付ミスを防止することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0010】
まず、請求項1に記載の発明は、物品の端部を貼付手段により帯体に貼付するストリップパック装置であって、前記貼付手段の下流側に配置されて、貼付された一の物品より先に帯体に貼付された他の物品の姿勢を規制する姿勢規制手段が備えられていることを特徴とする。
【0011】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のストリップパック装置において、前記姿勢規制手段は、前記他の物品の横方向の姿勢を規制する側面部を有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載のストリップパック装置において、前記姿勢規制手段は、前記貼付手段に連続させて備えられ、前記一の物品を受ける受け面を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載のストリップパック装置において、前記受け面は、前記一の物品の横方向の姿勢を規制する側面部を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項3または請求項4に記載のストリップパック装置において、前記姿勢規制手段は、前記受け面の下流側に、前記他の物品を落し込む落し込み部を有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載のストリップパック装置において、前記落し込み部は、受け面を有することを特徴とする。
【0016】
そして、請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載のストリップパック装置において、前記落し込み部は、前記受け面とその両側の側面部とを有し、該受け面と側面部との間に、前記他の物品を前記受け面の中央部にガイドするガイド面を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
まず、請求項1に記載の発明によれば、貼付手段の下流側に、貼付された一の物品より先に帯体に貼付された他の物品の姿勢を規制する姿勢規制手段が備えられているので、上流側では、帯体の姿勢が一定の姿勢とされるようになり、帯体と新たに貼付されようとしている物品との位置関係が一定する。したがって、物品を一定した姿勢で帯体に順次貼付することができる。一方、下流側では、貼付された物品の姿勢を揃えて排出することができる。
【0018】
次に、請求項2に記載の発明によれば、前記姿勢規制手段は、前記他の物品の横方向の姿勢を規制する側面部を有するので、特に発生し易い物品の横方向の移動が規制される。その結果、上流側では、帯体の横方向の移動が規制され、下流側では、貼付された物品の横方向の姿勢が揃う。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、前記姿勢規制手段は、貼付手段に連続させて備えられて、前記一の物品を受ける受け面を有するので、この物品の縦方向の姿勢が規制されることに加え、この物品の端部を貼付手段により略上下方向から帯体に貼付する場合に起こり得る物品の垂れ下がり、つまり端部の折れ曲りに起因する割れやピンホール等の損傷を未然に防止することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明によれば、前記受け面は、側面部を有するので、前記一の物品の横方向の移動が規制され、ひいては帯体の横方向の移動が規制され、物品が一定した姿勢で帯体に貼付されるのをさらに助勢する。
【0021】
また、請求項5に記載の発明によれば、前記姿勢規制手段は、前記受け面の下流側に、前記他の物品を落し込む落し込み部を有するので、従来問題であった過度の物品の持ち上がりに起因した貼付ミスが効果的に防止される。
【0022】
また、請求項6に記載の発明によれば、前記落し込み部は、受け面を有するので、前記他の物品は、この受け面で支持される。したがって、上流側では、帯体の姿勢は確実に規制され、下流側では、貼付された物品の姿勢は確実に揃うようになる。
【0023】
そして、請求項7に記載の発明によれば、前記落し込み部は、受け面と側面部とガイド面とを有するので、前記他の物品は、効果的にセンタリングされる。その場合、特にガイド面を傾斜面あるいは湾曲面として設けることにより、物品の幅寸法に柔軟に対応してセンタリングすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るストリップパック装置1は、本体ユニット2に、上流側装置から取り扱う物品として例えばスナック菓子等を充填した袋Xが供給される供給コンベア3と、この供給コンベア3で矢印a方向に供給された袋Xを矢印bで示すように本装置1の内部に導入する導入コンベア4と、この導入コンベア4の終端部を構成するドロップコンベア5と、テープに複数の袋X…Xが貼付されてなるストリップパックSPを下流側装置へ矢印cで示すように排出する排出コンベア6とを備えている。
【0026】
また、このストリップパック装置1は、ドロップコンベア5の終端部より搬送方向bの前方側に配置されて、ドロップコンベア5により導入された袋Xの端部を引き込み、この端部の皺や折れ曲りを伸ばすブラシユニット7、同じくドロップコンベア5の終端部より搬送方向bの前方側に配置されて、ドロップコンベア5から受け渡された前記袋Xの端部を把持し、引込位置P1からドロップコンベア5の終端部より搬送方向bの前方側下方の貼付位置P2まで移動させる把持ユニット8、把持ユニット8により把持されて貼付位置P2まで移動された前記袋Xを前記端部でテープに貼付するための貼付ユニット9、及び前記テープをストリップパックSPの製造に同期して送るためのテープ送りユニット10を有している。その場合、前記テープのロール11は、本体ユニット2の上部に配設されている。
【0027】
さらに、導入コンベア4の始端部には、供給コンベア3から落下する袋Xが本装置1外へ脱落するのを防止するための脱落防止部材12が備えられている。そして、製造されたストリップパックSPを貼付ユニット9から排出コンベア6に中継するための下方に傾斜した受け台13が備えられている。
【0028】
図2(a)に示すように、本装置1に供給される袋Xは、スナック菓子等が充填された中空部Yと、上下2箇所の端部としてのシール部Z,Zとを有している。また、図2(b)に示すように、本装置1で製造されるストリップパックSPは、細長いテープTに複数の袋X…Xがそれぞれ上側のシール部Z…Zで整列状態に貼付されたものである。そして、テープTの一端には、ストリップパックSPを係止して吊下げ状態で陳列するためのパンチ孔T1が形成されている。
【0029】
図3に示すように、ブラシユニット7は、袋Xのシール部Zを引き込み、このシール部Zの皺や折れ曲りを伸ばすためのもので、モータで駆動される駆動プーリ71と、この駆動プーリ71の回転がタイミングベルト72で伝達される従動プーリ73と、この従動プーリ73の回転がタイミングベルトで伝達される上側の軸プーリ74と、この軸プーリ74と一体回転する上側の回転軸75と、この回転軸75に取り付けられた上側ブラシ76とを有し、前記従動プーリ73、上側軸プーリ74、上側回転軸75及び上側ブラシ76は上側支持部材77に支持されている。
【0030】
また、前記従動プーリ73と一体回転する駆動ローラ78が上側支持部材77に支持されていると共に、退避用シリンダ70の進退するロッドに連結された下方の下側支持部材77に、前記駆動ローラ78に当接することにより回転される従動ローラ79と、この従動ローラ79の回転がタイミングベルトで伝達される下側の軸プーリ74と、この軸プーリ74と一体回転する下側の回転軸75と、この回転軸75に取り付けられた下側ブラシ76とが支持されている。
【0031】
すなわち、ブラシユニット7は、袋Xのシール部Zに上下から接触した状態で矢印d方向に回転する上側及び下側ブラシ76,76により、シール部Zを引き込んでしごく構成とされている。
【0032】
また、ブラシ76は、相対的に厚みの薄い円盤形状の分割ブラシが複数個所定の間隔をあけて回転軸75上に並設された構造である。ブラシ76は、例えば、海綿様のブラシや、線材を放射状に束ねたタワシ様のブラシのようなものが好ましく使用可能である。
【0033】
そして、退避用シリンダ70の作動により、ブラシユニット7の下側支持部材77が矢印e方向に退避すると、下側ブラシ76も矢印e方向に退避する。これにより、上下のブラシ76,76の回転によりシール部Zが引き込まれていた袋Xは、ブラシユニット7による引込位置P1から貼付ユニット9による貼付位置P2に向けて、斜め下方に円滑に移動することができる。
【0034】
図4に示すように、始端部を支点にして矢印f方向に揺動するドロップコンベア5の終端部より搬送方向bの前方側に、かつ、前記ブラシユニット7の両側方に、左右一対の把持ユニット8,8(一方のみ図示)が配置されている。この把持ユニット8は、上下一対のグリップフィンガ81,81により袋Xの搬送方向前方側のシール部Zを、搬送方向bの前方側から上下に把持し、この袋Xを、ブラシユニット7による引込位置P1から貼付ユニット9による貼付位置P2まで、矢印gで示すように斜め下方に移動させる構成のものである。前記グリップフィンガ81,81は、ハンド82に搭載されており、また、ハンド82は、前後位置が調整可能にアーム83に取り付けられている。そして、アーム83は、矢印g方向に移動可能に傾斜したガイドレール84に備えられている。
【0035】
図5に示すように、本体ユニット2に組み付けられた貼付ユニット9は、テープTと袋Xとを溶着する熱源であるヒータ91と、このヒータ91との間でテープTと袋Xとを挟み付けるクランプ92と、このクランプ92を上下動させるためのエアシリンダ93と、テープTに適宜パンチ孔T1やミシン目を入れるためのパンチ・カッタユニット94と、上動することによりテープTをヒータ91から浮かせてテープTの溶解を防ぐための溶解防止部材95と、この溶解防止部材95を上下動させるためのエアシリンダ96とを有している。
【0036】
そして、図6〜8に示すように、下方に傾斜する受け台13は、把持ユニット8により矢印g方向に移動された袋XがテープTに貼付されてなるストリップパックSPを矢印i方向に排出して、排出コンベア6に中継するものである。
【0037】
この受け台13は、比較的薄肉の金属板を折曲加工等により略シュート状に成形したもので、上流側に設けられて、テープTに貼付された袋Xを受ける第1受け面131と、この第1受け面131の下流側に設けられて、前記袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xを受ける第2受け面132とを有している。その場合、第2受け面132は、その傾斜が第1受け面131より若干大きく設定されており、かつ、段差部133を介して第1受け面131より落し込まれている。このように第2受け面132の傾斜を大きくすることにより、先にテープTに貼付された袋X,Xは、スムーズに滑落して排出コンベア6に受け渡されるようになる。そして、下方に傾斜する第1受け面131の前縁部から略水平方向に、テープTに貼付された袋Xの導入を容易にするための舌状の導入片131aが延設されている。
【0038】
また、両受け面131,132の左右両端部からそれぞれ側面部134,134が起立しており、各側面部134には、その上縁部から斜め外方に折曲されて、上方からの袋Xの導入を容易にするための導入片134a,134bが設けられている。そして、第2受け面132と両側面部134,134との間に、第2受け面132に向かって傾斜するガイド面135,135が設けられている。その場合、ガイド面135は、下流側になるほど幅広となるように設けられている。一方、これに呼応して、第2受け面132は、下流側になるほど幅寸法が狭くなっている。したがって、先にテープTに貼付された袋X,Xは、テープTの送りに同期して下流側に移動するにつれてガイド面135,135との接触面積が増え、その結果、次第に第2受け面132の中央部に寄せられるようになる。なお、第2受け面132と側面部134,134とガイド面135,135とは、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xを落し込む落し込み部Dを構成する。
【0039】
そして、両受け面131,132の裏面に跨って取付部材136が固設されており、受け台13は、この取付部材136の左右両側縁部から延設された連結片136a,136aを介して、本体ユニット2に備えられた支持台137に支持されている。
【0040】
なお、図例では、把持ユニット8により貼付位置P2に移動されてテープTに貼付された袋Xは、概ね第1受け面131により支持されている。また、この袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xのうちの後側の袋Xは、第1受け面131による支持から解放されて滑落して、落し込み部Dに落し込まれている。そして、前側の袋Xは、第2受け面132による支持から解放されて滑落して、排出コンベア6に乗り移ろうとしている。
【0041】
以上のように構成したことにより、まず、貼付ユニット9の下流側に、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xの姿勢を規制する受け台13が備えられているので、上流側では、テープTの姿勢が一定の姿勢とされるようになり、テープTと新たに貼付されようとしている袋Xとの位置関係が一定する。したがって、袋Xを一定した姿勢でテープTに順次貼付することができる。一方、下流側では、貼付された袋X,Xの姿勢を揃えて排出することができる。
【0042】
次に、前記受け台13は、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xの横方向の姿勢を規制する側面部134,134を有するので、特に発生し易い袋Xの横方向の移動が規制される。その結果、上流側では、テープTの横方向の移動が規制され、下流側では、貼付された袋X,Xの横方向の姿勢が揃う。
【0043】
また、前記受け台13は、貼付ユニット9に連続させて備えられて、貼付された袋Xを受ける第1受け面131を有するので、この袋Xの縦方向の姿勢が規制されることに加え、この袋Xのシール部Zを貼付ユニット9により略上下方向からテープTに貼付する場合に起こり得る袋Xの垂れ下がり、つまりシール部Zの折れ曲りに起因する割れやピンホール等の損傷を未然に防止することができる。
【0044】
例えば図9に示すように、先にテープTに貼付された袋X2,X3に後続して、把持ユニット8のグリップフィンガ81,81によりシール部Zが把持された袋X1が、貼付ユニット9による貼付位置P2に移動され、テープTに貼付される。その場合、前記袋X1は、受け台13の第1受け面131ないし導入片131aにより支持されるので、グリップフィンガ81,81に把持されたシール部Zの折れ曲りが抑制されるようになる。
【0045】
また、前記第1受け面131は、側面部134,134を有するので、先に貼付された袋X,Xより後にテープTに貼付された袋Xの横方向の移動が規制され、ひいてはテープTの横方向の移動が規制され、袋Xが一定した姿勢でテープTに貼付されるのをさらに助勢する。
【0046】
また、前記受け台13は、前記第1受け面131の下流側に、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xを落し込む落し込み部Dを有するので、従来問題であった過度の袋Xの持ち上がりに起因した貼付ミスが効果的に防止される。
【0047】
例えば図10に示すように、この場合には、前記袋Xと異なり、膨らみ方の大きい袋X1′〜X4′がテープTに貼付される構成とされている。図例では、把持ユニット8によって貼付ユニット9による貼付位置P2に移動された袋X1′がテープTに貼付されようとしており、かつ、受け台13の第1受け面131の始端部ないし導入片131aに支持されている。一方、先にテープTに貼付された袋X2′は、第1受け面131終端部近傍に支持されており、また、袋X3′は、落し込み部Dに落し込まれており、そして、袋X4′は、第2受け面132の終端部近傍に支持されている。
【0048】
このように、落し込み部Dが設けられたことにより、膨らみ方が大きいことに起因して持ち上がり現象の顕著な袋X1′〜X4′においても、先に貼付された袋X2′〜X4′による袋X1′の持ち上がりが抑制されるので、この袋X1′は、邪魔されることなく貼付ユニット9に対して適正に位置決めされるようになる。
【0049】
また、前記落し込み部Dは、第2受け面132を有するので、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xは、この第2受け面132で支持される。したがって、上流側では、テープTの姿勢は確実に規制され、下流側では、貼付された袋X,Xの姿勢は確実に揃うようになる。
【0050】
そして、前記落し込み部Dは、第2受け面132と側面部134,134とガイド面135,135とを有するので、貼付された袋Xより先にテープTに貼付され、第2受け面132に支持された袋X,Xは、効果的にセンタリングされる。その場合、特にガイド面135,135を傾斜面あるいは湾曲面として設けることにより、袋Xの幅寸法に柔軟に対応してセンタリングすることができる。
【0051】
次に、受け台の変形例について説明する。なお、前述した実施の形態と共通する構成要素については、同じ符号を用いることにする。
【0052】
図11に示すように、この場合の受け台13′は、支持台137の上端部に支持された始端部を支点にして終端部が矢印j方向に揺動可能に構成されている。すなわち、受け台13′の取付部材136の第1連結片136aは、支持台137の上端部に揺動自在に連結されている。また、取付部材136の第2受け面132側に第2連結片136bが延設されており、この第2連結片136bに、基端部が支持台137に支持されたエアシリンダ138の進退するロッドの先端部が連結されている。
【0053】
これによれば、エアシリンダ138の作動によりロッドを進出させて、第1受け面131を略水平状態とすることができる。したがって、この場合には、把持ユニット8により移動されてテープTに貼付された袋X1は、第1受け面131により略水平状態で支持されるので、袋X1のシール部Zが過度に折れ曲るのが抑制される。その結果、前述したシール部Zの割れやピンホールの発生が一層防止されるようになる。
【0054】
次いで、細い二点鎖線で示すように、エアシリンダ138の作動によりロッドを退避させて、受け台13′を、第1受け面131が傾斜状態となるように、第1連結片136aを支点にして矢印j方向に揺動させることができる。したがって、この場合には、テープTに貼付された前記袋X1は、この第1受け面131をスムーズに滑落して、第2受け面132に向かい、そして、先にテープTに貼付された袋X2,X3と共に第2受け面132を滑落し、排出コンベア6に受け渡されることになる。
【0055】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨に沿うものであればよい。
【0056】
例えば、前記実施の形態では、落し込み部Dに設けられたガイド面135は、傾斜面で構成されていたが、湾曲面としてもよい。なお、供給される袋Xの幅寸法に変動がなければ、ガイド面135を省略してもよい。
【0057】
また、前記実施の形態では、落し込み部Dは第2受け面132を有していたが、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xがねじれなければ、あるいはその重量が軽量であれば、側面部134,134さらにはガイド面135,135を残し、この第2受け面132を省略してもよい。
【0058】
また、第2受け面を、一方の側面部方向に傾斜させてもよい。これによれば、幅方向の傾斜を介して袋Xを当該側面部側に寄せて、この側面部で袋Xの姿勢を規制することができるので、この場合にも、袋Xの幅寸法に柔軟に対応して、袋Xの姿勢を確実に規制可能な受け台が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上説明したように、本発明によれば、物品を一定した姿勢で帯体に順次貼付することができ、かつ、貼付された物品の姿勢を揃えて排出することができるストリップパック装置が提供される。さらに、物品の帯体への貼付ミスを防止することができる。すなわち、本発明は、物品包装機械の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態に係るストリップパック装置の側面図である。
【図2】(a)はストリップパック装置に供給される袋の平面図であり、(b)はストリップパック装置により製造されるストリップパックの平面図である。
【図3】ブラシユニットの側面図である。
【図4】把持ユニット、及び引込位置と貼付位置との位置関係を示す側面図である。
【図5】貼付ユニットの側面図である。
【図6】受け台の側断面図である。
【図7】同じく平面図である。
【図8】図6のI−I線による拡大断面図である。
【図9】第1受け面の作用を説明するための要部断面図である。
【図10】落し込み部の作用を説明するための要部断面図である。
【図11】受け台の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 ストリップパック装置
9 貼付ユニット(貼付手段)
13,13′ 受け台(姿勢規制手段)
131 第1受け面(貼付手段に連続させて設けられ、貼付された一の物品を受ける受け面)
132 第2受け面(貼付された一の物品より先に帯体に貼付された他の物品を受ける受け面、落し込み部の受け面)
134 側面部
135 ガイド面
D 落し込み部
T テープ(帯体)
X,X1〜X3,X1′〜X4′ 袋(物品)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品が帯体に貼付されて吊下げ状態で陳列されるストリップパックと称される商品を製造するストリップパック装置に関し、物品包装機械の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
スナック菓子等を袋に充填した物品を帯体に複数個並べて貼付し、これを吊下げて陳列するストリップパックと称される商品が知られている。このストリップパックは、陳列の省スペース化を図ることができるので、例えば店舗内の通路等に陳列すれば消費者の目に付き易くなり、販売促進につながる利点がある。
【0003】
このようなストリップパックを製造するストリップパック装置として、例えば特許文献1に開示の装置は、水平方向に供給された物品の端部を把持して貼付位置まで移動させ、この物品の前記端部を貼付手段により帯体に貼付するように構成されている。そして、帯体に物品が貼付されてなるストリップパックは、貼付手段の下流側に連設されたシュート状の受け台を介してさらに下流側に排出されるようになっている。その場合の受け台は、帯体に貼付された複数の物品を支持可能な比較的長さが長いもので、斜め下方に傾斜する板状とされている。
【0004】
また、特許文献2に開示の装置は、上方から供給された物品の端部を把持して貼付位置まで移動させ、この物品の前記端部を貼付手段により帯体に貼付するように構成されている。そして、得られたストリップパックは、貼付手段の下流側に連設されたシュート状の保持プレートを介してさらに下流側に排出されるようになっている。その場合の保持プレートは、貼付直後の物品を支持する比較的長さが短いもので、斜め下方に傾斜する受け面と、この受け面の両側から起立する側面部とを有している。
【0005】
【特許文献1】特開2007−112502号公報
【特許文献2】特許第3602527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記特許文献1、2に記載のストリップパック装置では、以下のような問題が生じることがある。すなわち、物品が帯体に順次貼付されて行くと、例えば特許文献1の図2や特許文献2の図4を参照すれば容易に理解されるように、貼付された物品より先に帯体に貼付された物品が、不用意に左右に移動したりねじれたりして姿勢が変動することがある。その場合、物品の姿勢の変動に伴って帯体の姿勢も変動するため、上流側では、この帯体と新たに貼付されようとしている物品との位置関係がずれるという問題が生じる。一方、下流側では、物品の姿勢の乱れたストリップパックが排出されることになるので、このストリップパックを、例えば下流側に連設された排出コンベア等へスムーズに受け渡すことができなくなるという問題が生じる。
【0007】
さらに、物品が帯体に順次貼付されて行くと、例えば特許文献1の図2を参照すれば容易に理解されるように、受け台の傾斜度合いと物品の膨らみ方との関係から、先に帯体に貼付された物品により後続して帯体に貼付された物品が順次持ち上げられることがある。この現象が著しいと、持ち上げられた物品が新たに帯体に貼付されようとしている物品に干渉する結果、この新たな物品が貼付手段に対して適正に位置決めされなくなって、貼付ミスという問題が生じることがある。
【0008】
そこで、本発明は、物品を一定した姿勢で帯体に順次貼付することができ、かつ、貼付された物品の姿勢を揃えて排出することができるストリップパック装置を提供することを課題とする。さらに、物品の帯体への貼付ミスを防止することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0010】
まず、請求項1に記載の発明は、物品の端部を貼付手段により帯体に貼付するストリップパック装置であって、前記貼付手段の下流側に配置されて、貼付された一の物品より先に帯体に貼付された他の物品の姿勢を規制する姿勢規制手段が備えられていることを特徴とする。
【0011】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のストリップパック装置において、前記姿勢規制手段は、前記他の物品の横方向の姿勢を規制する側面部を有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載のストリップパック装置において、前記姿勢規制手段は、前記貼付手段に連続させて備えられ、前記一の物品を受ける受け面を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載のストリップパック装置において、前記受け面は、前記一の物品の横方向の姿勢を規制する側面部を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項3または請求項4に記載のストリップパック装置において、前記姿勢規制手段は、前記受け面の下流側に、前記他の物品を落し込む落し込み部を有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載のストリップパック装置において、前記落し込み部は、受け面を有することを特徴とする。
【0016】
そして、請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載のストリップパック装置において、前記落し込み部は、前記受け面とその両側の側面部とを有し、該受け面と側面部との間に、前記他の物品を前記受け面の中央部にガイドするガイド面を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
まず、請求項1に記載の発明によれば、貼付手段の下流側に、貼付された一の物品より先に帯体に貼付された他の物品の姿勢を規制する姿勢規制手段が備えられているので、上流側では、帯体の姿勢が一定の姿勢とされるようになり、帯体と新たに貼付されようとしている物品との位置関係が一定する。したがって、物品を一定した姿勢で帯体に順次貼付することができる。一方、下流側では、貼付された物品の姿勢を揃えて排出することができる。
【0018】
次に、請求項2に記載の発明によれば、前記姿勢規制手段は、前記他の物品の横方向の姿勢を規制する側面部を有するので、特に発生し易い物品の横方向の移動が規制される。その結果、上流側では、帯体の横方向の移動が規制され、下流側では、貼付された物品の横方向の姿勢が揃う。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、前記姿勢規制手段は、貼付手段に連続させて備えられて、前記一の物品を受ける受け面を有するので、この物品の縦方向の姿勢が規制されることに加え、この物品の端部を貼付手段により略上下方向から帯体に貼付する場合に起こり得る物品の垂れ下がり、つまり端部の折れ曲りに起因する割れやピンホール等の損傷を未然に防止することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明によれば、前記受け面は、側面部を有するので、前記一の物品の横方向の移動が規制され、ひいては帯体の横方向の移動が規制され、物品が一定した姿勢で帯体に貼付されるのをさらに助勢する。
【0021】
また、請求項5に記載の発明によれば、前記姿勢規制手段は、前記受け面の下流側に、前記他の物品を落し込む落し込み部を有するので、従来問題であった過度の物品の持ち上がりに起因した貼付ミスが効果的に防止される。
【0022】
また、請求項6に記載の発明によれば、前記落し込み部は、受け面を有するので、前記他の物品は、この受け面で支持される。したがって、上流側では、帯体の姿勢は確実に規制され、下流側では、貼付された物品の姿勢は確実に揃うようになる。
【0023】
そして、請求項7に記載の発明によれば、前記落し込み部は、受け面と側面部とガイド面とを有するので、前記他の物品は、効果的にセンタリングされる。その場合、特にガイド面を傾斜面あるいは湾曲面として設けることにより、物品の幅寸法に柔軟に対応してセンタリングすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るストリップパック装置1は、本体ユニット2に、上流側装置から取り扱う物品として例えばスナック菓子等を充填した袋Xが供給される供給コンベア3と、この供給コンベア3で矢印a方向に供給された袋Xを矢印bで示すように本装置1の内部に導入する導入コンベア4と、この導入コンベア4の終端部を構成するドロップコンベア5と、テープに複数の袋X…Xが貼付されてなるストリップパックSPを下流側装置へ矢印cで示すように排出する排出コンベア6とを備えている。
【0026】
また、このストリップパック装置1は、ドロップコンベア5の終端部より搬送方向bの前方側に配置されて、ドロップコンベア5により導入された袋Xの端部を引き込み、この端部の皺や折れ曲りを伸ばすブラシユニット7、同じくドロップコンベア5の終端部より搬送方向bの前方側に配置されて、ドロップコンベア5から受け渡された前記袋Xの端部を把持し、引込位置P1からドロップコンベア5の終端部より搬送方向bの前方側下方の貼付位置P2まで移動させる把持ユニット8、把持ユニット8により把持されて貼付位置P2まで移動された前記袋Xを前記端部でテープに貼付するための貼付ユニット9、及び前記テープをストリップパックSPの製造に同期して送るためのテープ送りユニット10を有している。その場合、前記テープのロール11は、本体ユニット2の上部に配設されている。
【0027】
さらに、導入コンベア4の始端部には、供給コンベア3から落下する袋Xが本装置1外へ脱落するのを防止するための脱落防止部材12が備えられている。そして、製造されたストリップパックSPを貼付ユニット9から排出コンベア6に中継するための下方に傾斜した受け台13が備えられている。
【0028】
図2(a)に示すように、本装置1に供給される袋Xは、スナック菓子等が充填された中空部Yと、上下2箇所の端部としてのシール部Z,Zとを有している。また、図2(b)に示すように、本装置1で製造されるストリップパックSPは、細長いテープTに複数の袋X…Xがそれぞれ上側のシール部Z…Zで整列状態に貼付されたものである。そして、テープTの一端には、ストリップパックSPを係止して吊下げ状態で陳列するためのパンチ孔T1が形成されている。
【0029】
図3に示すように、ブラシユニット7は、袋Xのシール部Zを引き込み、このシール部Zの皺や折れ曲りを伸ばすためのもので、モータで駆動される駆動プーリ71と、この駆動プーリ71の回転がタイミングベルト72で伝達される従動プーリ73と、この従動プーリ73の回転がタイミングベルトで伝達される上側の軸プーリ74と、この軸プーリ74と一体回転する上側の回転軸75と、この回転軸75に取り付けられた上側ブラシ76とを有し、前記従動プーリ73、上側軸プーリ74、上側回転軸75及び上側ブラシ76は上側支持部材77に支持されている。
【0030】
また、前記従動プーリ73と一体回転する駆動ローラ78が上側支持部材77に支持されていると共に、退避用シリンダ70の進退するロッドに連結された下方の下側支持部材77に、前記駆動ローラ78に当接することにより回転される従動ローラ79と、この従動ローラ79の回転がタイミングベルトで伝達される下側の軸プーリ74と、この軸プーリ74と一体回転する下側の回転軸75と、この回転軸75に取り付けられた下側ブラシ76とが支持されている。
【0031】
すなわち、ブラシユニット7は、袋Xのシール部Zに上下から接触した状態で矢印d方向に回転する上側及び下側ブラシ76,76により、シール部Zを引き込んでしごく構成とされている。
【0032】
また、ブラシ76は、相対的に厚みの薄い円盤形状の分割ブラシが複数個所定の間隔をあけて回転軸75上に並設された構造である。ブラシ76は、例えば、海綿様のブラシや、線材を放射状に束ねたタワシ様のブラシのようなものが好ましく使用可能である。
【0033】
そして、退避用シリンダ70の作動により、ブラシユニット7の下側支持部材77が矢印e方向に退避すると、下側ブラシ76も矢印e方向に退避する。これにより、上下のブラシ76,76の回転によりシール部Zが引き込まれていた袋Xは、ブラシユニット7による引込位置P1から貼付ユニット9による貼付位置P2に向けて、斜め下方に円滑に移動することができる。
【0034】
図4に示すように、始端部を支点にして矢印f方向に揺動するドロップコンベア5の終端部より搬送方向bの前方側に、かつ、前記ブラシユニット7の両側方に、左右一対の把持ユニット8,8(一方のみ図示)が配置されている。この把持ユニット8は、上下一対のグリップフィンガ81,81により袋Xの搬送方向前方側のシール部Zを、搬送方向bの前方側から上下に把持し、この袋Xを、ブラシユニット7による引込位置P1から貼付ユニット9による貼付位置P2まで、矢印gで示すように斜め下方に移動させる構成のものである。前記グリップフィンガ81,81は、ハンド82に搭載されており、また、ハンド82は、前後位置が調整可能にアーム83に取り付けられている。そして、アーム83は、矢印g方向に移動可能に傾斜したガイドレール84に備えられている。
【0035】
図5に示すように、本体ユニット2に組み付けられた貼付ユニット9は、テープTと袋Xとを溶着する熱源であるヒータ91と、このヒータ91との間でテープTと袋Xとを挟み付けるクランプ92と、このクランプ92を上下動させるためのエアシリンダ93と、テープTに適宜パンチ孔T1やミシン目を入れるためのパンチ・カッタユニット94と、上動することによりテープTをヒータ91から浮かせてテープTの溶解を防ぐための溶解防止部材95と、この溶解防止部材95を上下動させるためのエアシリンダ96とを有している。
【0036】
そして、図6〜8に示すように、下方に傾斜する受け台13は、把持ユニット8により矢印g方向に移動された袋XがテープTに貼付されてなるストリップパックSPを矢印i方向に排出して、排出コンベア6に中継するものである。
【0037】
この受け台13は、比較的薄肉の金属板を折曲加工等により略シュート状に成形したもので、上流側に設けられて、テープTに貼付された袋Xを受ける第1受け面131と、この第1受け面131の下流側に設けられて、前記袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xを受ける第2受け面132とを有している。その場合、第2受け面132は、その傾斜が第1受け面131より若干大きく設定されており、かつ、段差部133を介して第1受け面131より落し込まれている。このように第2受け面132の傾斜を大きくすることにより、先にテープTに貼付された袋X,Xは、スムーズに滑落して排出コンベア6に受け渡されるようになる。そして、下方に傾斜する第1受け面131の前縁部から略水平方向に、テープTに貼付された袋Xの導入を容易にするための舌状の導入片131aが延設されている。
【0038】
また、両受け面131,132の左右両端部からそれぞれ側面部134,134が起立しており、各側面部134には、その上縁部から斜め外方に折曲されて、上方からの袋Xの導入を容易にするための導入片134a,134bが設けられている。そして、第2受け面132と両側面部134,134との間に、第2受け面132に向かって傾斜するガイド面135,135が設けられている。その場合、ガイド面135は、下流側になるほど幅広となるように設けられている。一方、これに呼応して、第2受け面132は、下流側になるほど幅寸法が狭くなっている。したがって、先にテープTに貼付された袋X,Xは、テープTの送りに同期して下流側に移動するにつれてガイド面135,135との接触面積が増え、その結果、次第に第2受け面132の中央部に寄せられるようになる。なお、第2受け面132と側面部134,134とガイド面135,135とは、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xを落し込む落し込み部Dを構成する。
【0039】
そして、両受け面131,132の裏面に跨って取付部材136が固設されており、受け台13は、この取付部材136の左右両側縁部から延設された連結片136a,136aを介して、本体ユニット2に備えられた支持台137に支持されている。
【0040】
なお、図例では、把持ユニット8により貼付位置P2に移動されてテープTに貼付された袋Xは、概ね第1受け面131により支持されている。また、この袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xのうちの後側の袋Xは、第1受け面131による支持から解放されて滑落して、落し込み部Dに落し込まれている。そして、前側の袋Xは、第2受け面132による支持から解放されて滑落して、排出コンベア6に乗り移ろうとしている。
【0041】
以上のように構成したことにより、まず、貼付ユニット9の下流側に、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xの姿勢を規制する受け台13が備えられているので、上流側では、テープTの姿勢が一定の姿勢とされるようになり、テープTと新たに貼付されようとしている袋Xとの位置関係が一定する。したがって、袋Xを一定した姿勢でテープTに順次貼付することができる。一方、下流側では、貼付された袋X,Xの姿勢を揃えて排出することができる。
【0042】
次に、前記受け台13は、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xの横方向の姿勢を規制する側面部134,134を有するので、特に発生し易い袋Xの横方向の移動が規制される。その結果、上流側では、テープTの横方向の移動が規制され、下流側では、貼付された袋X,Xの横方向の姿勢が揃う。
【0043】
また、前記受け台13は、貼付ユニット9に連続させて備えられて、貼付された袋Xを受ける第1受け面131を有するので、この袋Xの縦方向の姿勢が規制されることに加え、この袋Xのシール部Zを貼付ユニット9により略上下方向からテープTに貼付する場合に起こり得る袋Xの垂れ下がり、つまりシール部Zの折れ曲りに起因する割れやピンホール等の損傷を未然に防止することができる。
【0044】
例えば図9に示すように、先にテープTに貼付された袋X2,X3に後続して、把持ユニット8のグリップフィンガ81,81によりシール部Zが把持された袋X1が、貼付ユニット9による貼付位置P2に移動され、テープTに貼付される。その場合、前記袋X1は、受け台13の第1受け面131ないし導入片131aにより支持されるので、グリップフィンガ81,81に把持されたシール部Zの折れ曲りが抑制されるようになる。
【0045】
また、前記第1受け面131は、側面部134,134を有するので、先に貼付された袋X,Xより後にテープTに貼付された袋Xの横方向の移動が規制され、ひいてはテープTの横方向の移動が規制され、袋Xが一定した姿勢でテープTに貼付されるのをさらに助勢する。
【0046】
また、前記受け台13は、前記第1受け面131の下流側に、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xを落し込む落し込み部Dを有するので、従来問題であった過度の袋Xの持ち上がりに起因した貼付ミスが効果的に防止される。
【0047】
例えば図10に示すように、この場合には、前記袋Xと異なり、膨らみ方の大きい袋X1′〜X4′がテープTに貼付される構成とされている。図例では、把持ユニット8によって貼付ユニット9による貼付位置P2に移動された袋X1′がテープTに貼付されようとしており、かつ、受け台13の第1受け面131の始端部ないし導入片131aに支持されている。一方、先にテープTに貼付された袋X2′は、第1受け面131終端部近傍に支持されており、また、袋X3′は、落し込み部Dに落し込まれており、そして、袋X4′は、第2受け面132の終端部近傍に支持されている。
【0048】
このように、落し込み部Dが設けられたことにより、膨らみ方が大きいことに起因して持ち上がり現象の顕著な袋X1′〜X4′においても、先に貼付された袋X2′〜X4′による袋X1′の持ち上がりが抑制されるので、この袋X1′は、邪魔されることなく貼付ユニット9に対して適正に位置決めされるようになる。
【0049】
また、前記落し込み部Dは、第2受け面132を有するので、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xは、この第2受け面132で支持される。したがって、上流側では、テープTの姿勢は確実に規制され、下流側では、貼付された袋X,Xの姿勢は確実に揃うようになる。
【0050】
そして、前記落し込み部Dは、第2受け面132と側面部134,134とガイド面135,135とを有するので、貼付された袋Xより先にテープTに貼付され、第2受け面132に支持された袋X,Xは、効果的にセンタリングされる。その場合、特にガイド面135,135を傾斜面あるいは湾曲面として設けることにより、袋Xの幅寸法に柔軟に対応してセンタリングすることができる。
【0051】
次に、受け台の変形例について説明する。なお、前述した実施の形態と共通する構成要素については、同じ符号を用いることにする。
【0052】
図11に示すように、この場合の受け台13′は、支持台137の上端部に支持された始端部を支点にして終端部が矢印j方向に揺動可能に構成されている。すなわち、受け台13′の取付部材136の第1連結片136aは、支持台137の上端部に揺動自在に連結されている。また、取付部材136の第2受け面132側に第2連結片136bが延設されており、この第2連結片136bに、基端部が支持台137に支持されたエアシリンダ138の進退するロッドの先端部が連結されている。
【0053】
これによれば、エアシリンダ138の作動によりロッドを進出させて、第1受け面131を略水平状態とすることができる。したがって、この場合には、把持ユニット8により移動されてテープTに貼付された袋X1は、第1受け面131により略水平状態で支持されるので、袋X1のシール部Zが過度に折れ曲るのが抑制される。その結果、前述したシール部Zの割れやピンホールの発生が一層防止されるようになる。
【0054】
次いで、細い二点鎖線で示すように、エアシリンダ138の作動によりロッドを退避させて、受け台13′を、第1受け面131が傾斜状態となるように、第1連結片136aを支点にして矢印j方向に揺動させることができる。したがって、この場合には、テープTに貼付された前記袋X1は、この第1受け面131をスムーズに滑落して、第2受け面132に向かい、そして、先にテープTに貼付された袋X2,X3と共に第2受け面132を滑落し、排出コンベア6に受け渡されることになる。
【0055】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨に沿うものであればよい。
【0056】
例えば、前記実施の形態では、落し込み部Dに設けられたガイド面135は、傾斜面で構成されていたが、湾曲面としてもよい。なお、供給される袋Xの幅寸法に変動がなければ、ガイド面135を省略してもよい。
【0057】
また、前記実施の形態では、落し込み部Dは第2受け面132を有していたが、貼付された袋Xより先にテープTに貼付された袋X,Xがねじれなければ、あるいはその重量が軽量であれば、側面部134,134さらにはガイド面135,135を残し、この第2受け面132を省略してもよい。
【0058】
また、第2受け面を、一方の側面部方向に傾斜させてもよい。これによれば、幅方向の傾斜を介して袋Xを当該側面部側に寄せて、この側面部で袋Xの姿勢を規制することができるので、この場合にも、袋Xの幅寸法に柔軟に対応して、袋Xの姿勢を確実に規制可能な受け台が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上説明したように、本発明によれば、物品を一定した姿勢で帯体に順次貼付することができ、かつ、貼付された物品の姿勢を揃えて排出することができるストリップパック装置が提供される。さらに、物品の帯体への貼付ミスを防止することができる。すなわち、本発明は、物品包装機械の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態に係るストリップパック装置の側面図である。
【図2】(a)はストリップパック装置に供給される袋の平面図であり、(b)はストリップパック装置により製造されるストリップパックの平面図である。
【図3】ブラシユニットの側面図である。
【図4】把持ユニット、及び引込位置と貼付位置との位置関係を示す側面図である。
【図5】貼付ユニットの側面図である。
【図6】受け台の側断面図である。
【図7】同じく平面図である。
【図8】図6のI−I線による拡大断面図である。
【図9】第1受け面の作用を説明するための要部断面図である。
【図10】落し込み部の作用を説明するための要部断面図である。
【図11】受け台の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 ストリップパック装置
9 貼付ユニット(貼付手段)
13,13′ 受け台(姿勢規制手段)
131 第1受け面(貼付手段に連続させて設けられ、貼付された一の物品を受ける受け面)
132 第2受け面(貼付された一の物品より先に帯体に貼付された他の物品を受ける受け面、落し込み部の受け面)
134 側面部
135 ガイド面
D 落し込み部
T テープ(帯体)
X,X1〜X3,X1′〜X4′ 袋(物品)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の端部を貼付手段により帯体に貼付するストリップパック装置であって、
前記貼付手段の下流側に配置されて、貼付された一の物品より先に帯体に貼付された他の物品の姿勢を規制する姿勢規制手段が備えられていることを特徴とするストリップパック装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のストリップパック装置において、
前記姿勢規制手段は、前記他の物品の横方向の姿勢を規制する側面部を有することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2に記載のストリップパック装置において、
前記姿勢規制手段は、前記貼付手段に連続させて備えられ、前記一の物品を受ける受け面を有することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載のストリップパック装置において、
前記受け面は、前記一の物品の横方向の姿勢を規制する側面部を有することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項5】
前記請求項3または請求項4に記載のストリップパック装置において、
前記姿勢規制手段は、前記受け面の下流側に、前記他の物品を落し込む落し込み部を有することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項6】
前記請求項5に記載のストリップパック装置において、
前記落し込み部は、受け面を有することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項7】
前記請求項6に記載のストリップパック装置において、
前記落し込み部は、前記受け面とその両側の側面部とを有し、該受け面と側面部との間に、前記他の物品を前記受け面の中央部にガイドするガイド面を有することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項1】
物品の端部を貼付手段により帯体に貼付するストリップパック装置であって、
前記貼付手段の下流側に配置されて、貼付された一の物品より先に帯体に貼付された他の物品の姿勢を規制する姿勢規制手段が備えられていることを特徴とするストリップパック装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のストリップパック装置において、
前記姿勢規制手段は、前記他の物品の横方向の姿勢を規制する側面部を有することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2に記載のストリップパック装置において、
前記姿勢規制手段は、前記貼付手段に連続させて備えられ、前記一の物品を受ける受け面を有することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載のストリップパック装置において、
前記受け面は、前記一の物品の横方向の姿勢を規制する側面部を有することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項5】
前記請求項3または請求項4に記載のストリップパック装置において、
前記姿勢規制手段は、前記受け面の下流側に、前記他の物品を落し込む落し込み部を有することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項6】
前記請求項5に記載のストリップパック装置において、
前記落し込み部は、受け面を有することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項7】
前記請求項6に記載のストリップパック装置において、
前記落し込み部は、前記受け面とその両側の側面部とを有し、該受け面と側面部との間に、前記他の物品を前記受け面の中央部にガイドするガイド面を有することを特徴とするストリップパック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−96497(P2009−96497A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268572(P2007−268572)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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