説明

ストリーム処理装置およびストリーム処理方法

【課題】 時間の連続性を失われ難くすることにより、実時間による再生を実現するストリーム処理装置を得る。
【解決手段】 タイムスタンプ付トランスポート・ストリームのパケットの間隔が所定の時間よりも開く場合に、前記出力手段に対してNULLパケット等のパケットを挿入して出力させる。このように定期的にあるパケット(例えばNULLパケット)を挿入することで、データの連続性を保つ。また、パーシャル・トランスポート・ストリームに関するセクションデータのパケットを挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トランスポート・ストリームを処理するストリーム処理装置に関し、特にパーシャル・トランスポート・ストリームを処理するストリーム処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HDD等の記録媒体に保存したパーシャル・トランスポート・ストリームを再生する際、予め記録媒体に記録する時に付加しておいたタイムスタンプにより同期をとりつつパーシャル・トランスポート・ストリームを信号処理部へ渡すことで、実時間の再生を実現することができる。
【0003】
しかしながら記録時、信号を抜くなどを行うとその期間はストリームが入力されてこない場合が想定される。結果として、時間の連続性が失われ実時間の再生が難しくなるという問題があった。
【0004】
なお、従来、再生不可能なストリームデータの記録を防止するものとしては、トランスポート・ストリームのデータを記録する際に、ユーザーから記録指示が出されたときにメイン処理装置においてストリームデータの解析を行い、そしてPAT,DIT,PMT等のパケットの到着時刻に基づいて記録開始点を適切に設定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−198143公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のストリーム処理装置、例えばパーシャル・トランスポート・ストリーム再生装置においては、時間の連続性が失われ、実時間の再生が難しくなる場合があるという問題があった。
【0006】
この発明は、時間の連続性を失われ難くすることにより、実時間による再生を実現するストリーム処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明においては、複数の番組が多重されたトランスポート・ストリームから所定の番組のトランスポート・ストリームのみを抽出したパーシャル・トランスポート・ストリームを出力する抽出手段と、前記抽出手段が出力したパーシャル・トランスポート・ストリームに関するセクションデータのパケットを抽出するセクションデータ抽出手段と、前記抽出手段が出力したパーシャル・トランスポート・ストリームおよび前記セクションデータのパケットを受信したときのタイムスタンプを、前記抽出したパーシャル・トランスポート・ストリームおよび前記セクションデータのパケットに付加したタイムスタンプ付トランスポート・ストリームを出力する出力手段と、前記出力手段が出力する前記タイムスタンプ付トランスポート・ストリームのパケットの間隔が所定の時間よりも開く場合に、前記出力手段に対してNULLパケット等のパケットを挿入して出力させる制御手段とを備えたことを特徴とするストリーム処理装置を提供する。
【0008】
また、上記の目的を達成するために、この発明においては、複数の番組が多重されたトランスポート・ストリームから所定の番組のトランスポート・ストリームのみを抽出したパーシャル・トランスポート・ストリームを出力するステップと、前記出力されたパーシャル・トランスポート・ストリームに関するセクションデータのパケットを抽出するステップと、前記出力されたパーシャル・トランスポート・ストリームおよび前記セクションデータのパケットを受信したときのタイムスタンプを、前記抽出したパーシャル・トランスポート・ストリームおよび前記セクションデータのパケットに付加したタイムスタンプ付トランスポート・ストリームを出力するステップと、この出力された前記タイムスタンプ付トランスポート・ストリームのパケットの間隔が所定の時間よりも開く場合に、NULLパケット等のパケットを挿入するステップとを有することを特徴とするストリーム処理方法を提供する。
【0009】
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムとしても成立し、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても成立する。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、ストリームの連続性を保つことにより、実時間による再生を実現することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明を適用したデジタルテレビジョン放送受信装置111の外観と、このデジタルテレビジョン放送受信装置111を中心として構成されるネットワークシステムの一例を概略的に示している。
【0012】
すなわち、デジタルテレビジョン放送受信装置111は、主として、薄型のキャビネット112と、このキャビネット112を起立させて支持する支持台113とから構成されている。そして、キャビネット112には、例えばSED(Surface-conduction Electron-emitter Display)表示パネル,液晶表示パネル等でなる平面パネル型の映像表示器114、スピーカ115、操作部116、リモートコントローラ117から送信される操作情報を受ける受光部118等が設置されている。
【0013】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置111には、例えばSD(Secure Digital)メモリカード、MMC(Multimedia Card)及びメモリスティック等の第1のメモリカード119が着脱可能となっており、この第1のメモリカード119に対して番組や写真等の情報の記録再生が行なわれるようになっている。
【0014】
さらに、このデジタルテレビジョン放送受信装置111には、例えば契約情報等の記録された第2のメモリカード(ICカード)120が着脱可能となっており、この第2のメモリカード120に対して情報の記録再生が行なわれるようになっている。
【0015】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置111は、第1のLAN(Local Area Network)端子121、第2のLAN端子122、USB(Universal Serial Bus)端子123及びi.LINK端子124を備えている。
【0016】
このうち、第1のLAN端子121は、LAN対応HDD専用ポートとして使用されるもので、接続されたNAS(Network Attached Storage)であるLAN対応のHDD125に対して、イーサネット(登録商標)により情報の記録再生を行なうために使用される。
【0017】
このように、LAN対応HDD専用ポートとしての第1のLAN端子121を設けることにより、他のネットワーク環境やネットワーク使用状況等に影響されることなく、HDD125に対してハイビジョン画質による番組の情報記録を安定して行なうことができる。
【0018】
また、第2のLAN端子122は、イーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ126を介して、LAN対応のHDD127、コンテンツサーバ128、HDD内蔵のDVD(Digital Versatile Disk)レコーダ129等の機器を接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0019】
なお、コンテンツサーバ128については、家庭内ネットワークにおいてコンテンツのサーバ機器として動作するための機能を持ち、さらにコンテンツのアクセスに必要なURI(Uniform Resource Identifier)情報を提供するサービスを備えたUPnP(ユニバーサルプラグアンドプレイ)対応機器として構成される。
【0020】
なお、DVDレコーダ129については、第2のLAN端子122を介して通信されるデジタル情報が制御系のみの情報であるため、デジタルテレビジョン放送受信装置111との間でアナログの映像及び音声情報を伝送するために、専用のアナログ伝送路130を設ける必要がある。
【0021】
さらに、この第2のLAN端子122は、ハブ126に接続されたブロードバンドルータ131を介して、例えばインターネット等のネットワーク132に接続し、このネットワーク132を介してコンテンツサーバ133や携帯電話134等と情報伝送を行なうために使用される。
【0022】
なお、コンテンツサーバ133についてはコンテンツのサーバ機器として動作するための機能を持ち、さらにコンテンツのアクセスに必要なURI情報を提供するサービスを備えたUPnP対応機器として構成される。
【0023】
また、上記USB端子123は、一般的なUSB対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ135を介して、携帯電話136、デジタルカメラ137、メモリカードに対するカードリーダ/ライタ138、HDD139、キーボード140等のUSB機器を接続し、これらのUSB機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0024】
さらに、上記i.LINK端子124は、例えばAV−HDD141、D(Digital)−VHS(Video Home System)142等をシリアル接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0025】
なお、図1において、i.LINK端子124およびこのi.LINK端子124に接続されるAV−HDD141は、デジタルテレビジョン放送受信装置111に内蔵していてもよい。
【0026】
図2は、上記したデジタルテレビジョン放送受信装置111の主要な信号処理系を示している。
すなわち、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ243で受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子244を介して衛星デジタル放送用のチューナ245aに供給される。
【0027】
チューナ245aは、制御部261からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号をPSK(Phase Shift Keying)復調器245bに出力する。
【0028】
PSK復調器245bは、制御部261からの制御信号により、チューナ245aで選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだパーシャル・トランスポート・ストリームを得て、信号処理部247に出力する。
【0029】
また、地上波放送受信用のアンテナ248で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子249を介して地上デジタル放送用のチューナ250aに供給される。
【0030】
チューナ250aは、制御部261からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器250bに出力する。
【0031】
OFDM復調器250bは、制御部261からの制御信号により、チューナ250aで選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだパーシャル・トランスポート・ストリームを得て、信号処理部247に出力する。
【0032】
また、信号処理部247は、デジタル放送により送られているセクション情報を制御部261へ出力する。
ここで、上記信号処理部247は、テレビ視聴時には、PSK復調器245bおよびOFDM復調器250bからそれぞれ供給されたパーシャル・トランスポート・ストリームをデパケットしてデジタルの映像信号及び音声信号を得て、このデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部254及び音声処理部255に出力している。また、信号処理部247は、コンテンツ再生時には、制御部261から入力されたコンテンツの再生信号を選択し、所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部254及び音声処理部255に出力している。
【0033】
制御部261には、信号処理部247から、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,番組属性情報(番組ジャンル等),字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)が入力されている。
【0034】
制御部261は、これら入力された情報からEPG,字幕を表示するため画像生成処理を行い、この生成した画像情報をグラフィック処理部254へ出力する。
制御部261は、信号処理部247から入力されたセクション情報の中から、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,番組属性情報(番組ジャンル等),字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)を得る。
【0035】
グラフィック処理部254は、(1)信号処理部247内のAVデコーダ247gから供給されるデジタルの映像信号と、(2)OSD(On Screen Display)信号生成部257で生成されるOSD信号と、(3)データ放送による画像データと、(4)制御部261により生成されたEPG,字幕信号とを合成して映像処理部258へ出力する機能を有する。
【0036】
また、字幕放送による字幕を表示するとき、グラフィック処理部254は、制御部261からの制御による字幕情報に基づき、映像信号上に字幕情報を重畳する処理を行う。
【0037】
グラフィック処理部254から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部258に供給される。この映像処理部258は、入力されたデジタルの映像信号を、前記映像表示器114で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、映像表示器114に出力して映像表示させるとともに、出力端子259を介して外部に導出させる。
【0038】
また、上記音声処理部255は、入力されたデジタルの音声信号を、前記スピーカ115で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ115に出力して音声再生させるとともに、出力端子260を介して外部に導出させる。
【0039】
ここで、このデジタルテレビジョン放送受信装置111は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部261によって統括的に制御されている。この制御部261は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵しており、前記操作部116からの操作情報を受け、または、リモートコントローラ117から送出された操作情報を、前記受光部118を介して受信し、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0040】
この場合、制御部261は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)261aと、該CPUに作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)261bと、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ261cとを利用している。
【0041】
また、この制御部261は、カードI/F(Interface)265を介して、前記第1のメモリカード119が装着可能なカードホルダ266に接続されている。これによって、制御部261は、カードホルダ266に装着された第1のメモリカード119と、カードI/F265を介して情報伝送することができる。
【0042】
さらに、上記制御部261は、カードI/F267を介して、前記第2のメモリカード120が装着可能なカードホルダ268に接続されている。これにより、制御部261は、カードホルダ268に装着された第2のメモリカード120と、カードI/F267を介して情報伝送することができる。
【0043】
また、上記制御部261は、通信I/F269を介して第1のLAN端子121に接続されている。これにより、制御部261は、第1のLAN端子121に接続されたLAN対応のHDD125と、通信I/F269を介して情報伝送することができる。この場合、制御部261は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能を有し、第1のLAN端子121に接続されたLAN対応のHDD125にIP(Internet Protocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0044】
さらに、上記制御部261は、通信I/F270を介して第2のLAN端子122に接続されている。これにより、制御部261は、第2のLAN端子122に接続された各機器(図1参照)と、通信I/F270を介して情報伝送することができる。
【0045】
また、上記制御部261は、USB I/F271を介して前記USB端子123に接続されている。これにより、制御部261は、USB端子123に接続された各機器(図1参照)と、USB I/F271を介して情報伝送することができる。
【0046】
さらに、上記制御部261は、i.LINK I/F272を介してi.LINK端子124に接続されている。これにより、制御部261は、i.LINK端子124に接続された各機器(図1参照)と、i.LINK I/F272を介して情報伝送することができる。
【0047】
ところで、この実施形態では、HDD125に初期登録時のHDD125、HDD127、コンテンツサーバ128、DVDレコーダ129それぞれに割り当てられたストレージID(IPアドレス、機器名を含む)を記述した登録ファイルを記憶保持している。
【0048】
また、不揮発性メモリ261cに、HDD125、HDD127、コンテンツサーバ128、DVDレコーダ129それぞれのストレージIDを記憶している。
また、制御部261は、この発明に係わる機能として、UPnPを利用した(1)サーバ機器発見機能261dと、(2)UPnPを利用したコンテンツ情報取得機能261eと、(3)コンテンツアクセス制御機能261fとを備えている。
【0049】
(1)制御部261は、サーバ機器発見機能261dにより、UPnPのディスカバリ機能を用いてネットワーク上のUPnP対応機器を発見する。例えばサーバ機器発見機能261dは、UPnPのディスカバリ機能を用いてコンテンツサーバ128を発見する。
【0050】
(2)制御部261は、コンテンツ情報取得機能261eにより、UPnPのコントロール機能を用いてUPnP対応機器をコントロールし、UPnP対応機器内のコンテンツをアクセスするために必要なURI情報を取得する。例えばコンテンツ情報取得機能261eは、コンテンツサーバ128をコントロールし、コンテンツサーバ128内のHDD等に蓄積されているコンテンツをアクセスするために必要なURI情報をコンテンツサーバ128から取得する。
【0051】
(3)制御部261は、コンテンツアクセス制御機能261fにより、サーバ機器発見機能261dにより取得したサーバ機器のIPアドレス情報と、コンテンツ情報取得機能261eにより取得したURI情報から得たIPアドレス情報と、デジタルテレビジョン放送受信装置111のLAN端子122に割り当てられたIPアドレスとネットマスクに基づいてコンテンツへのアクセス可否判定を行う。そして制御部261は、アクセス可と判断した場合にはコンテンツアクセスを許可するが、否と判断した場合には許可できない旨を映像表示器114にOSDにより表示させる。
【0052】
次に、図3を用いて信号処理部247と制御部261について処理について説明する。
放送により受信したトランスポート・ストリームは信号処理部247内のデマルチプレクサ247aに供給される。また、HDD等から再生されたTSは制御部261からデマルチプレクサ247aに供給される。
【0053】
デマルチプレクサ247aは、入力されたトランスポート・ストリームから、制御部261から指定されたパケットIDに応じて所望の番組のビデオパケットを抽出しビデオデコーダ247cへ出力する。
【0054】
また、デマルチプレクサ247aは、入力されたトランスポート・ストリームから、制御部261から指定されたパケットIDに応じて所望の番組のオーディオパケットを抽出しオーディオデコーダ247bへ出力する。
【0055】
また、デマルチプレクサ247aは、入力されたトランスポート・ストリームから、制御部261から指定されたパケットIDに応じて所望の番組のData放送のパケットを抽出しグラフィック処理部254へ出力する。
【0056】
次に、図4を用いて記録時の処理について説明する。
BSデジタル放送では、複数のSD番組が多重化されて放送されている場合がある。チューナ245aにより受信された信号はPSK復調器245bにより復調され、複数のSD番組が多重化されたトランスポート・ストリームが信号処理部247へ供給される。この複数のSD番組が多重化されたトランスポート・ストリームを振り分ける作業(デマルチプレクス)をするが、そのときにストリームに記載されているパケットIDで振り分け先を決定する。
【0057】
HDD等の記録媒体へ記録するときは、一度バッファであるRAM261bに蓄積するのであるが、このときに受信した時刻をタイムスタンプ(時間情報)としてトランスポート・ストリームに付加しておき、このタイムスタンプの付いたトランスポート・ストリームを記録媒体へ記録する。
【0058】
HDD等の記録媒体に保存したパーシャル・トランスポート・ストリームを再生する際、制御部261は、図5に示すように記録媒体から読み出してきたパーシャル・トランスポート・ストリームを、予め記録媒体に記録する時に付加しておいたタイムスタンプを評価しながら同期をとりつつパーシャル・トランスポート・ストリームを信号処理部247内のデマルチプレクサ247aへ渡す。これにより放送を受信したとき(記録時)と同様の時間でパーシャル・トランスポート・ストリーム再生を再現することが実現でき、問題なく再生することができる。
【0059】
記録時にストリームの連続性が保障されていれば、実時間で再生することは可能である。しかし、記録時、一時的に信号線が引き抜かれてしまったり、或いは一時的に信号の品質が悪化したとき等、その期間は正常なストリームが入力されてこない場合が想定され、結果として時間の連続性の保障が失われてしまう。このような状態で記録されたパーシャル・トランスポート・ストリームを再生すると、ストリームが断絶されている時間が想定できないために、この区間の実時間の再生が難しくなるという問題がある。
【0060】
この発明は上記課題を解決するために、次の2つの方法を取る。
(1)記録時に挿入するPAT(Program Association Table),PMT(Program Map Table),SIT(Selection Information Table),DIT(Discontinuity Information Table)等のセクションデータを、入力されるストリームの状態に関係なく挿入し続け記録しておくことで連続性を担保する。
【0061】
(2)図7に示すように、入力ストリームの入力状態を監視し、必要であればNULLパケット等のパケットを挿入する。例えばパケットが断絶される時間が所定時間以上続かないように定期的にNULLパケット等のパケットを挿入したり、入力されるストリームの有無にかかわらずNULLパケット等のパケットを挿入して定期的にデータを書き込む。
【0062】
これによりストリームの連続性を保つことができる。
なお、上記定期的な時間の長さは、例えばパケットの前に付加するタイムスタンプの参照クロックに左右される。例えば27MHzでタイムスタンプを付加した場合、4バイトのタイムスタンプでは約2分39秒で一周することになる。よってこの例の場合、少なくとも2分39秒以内にパケットを入れる必要があるものである。要するにタイムスタンプが一周してしまう前にパケットを入れる必要がある。
【0063】
次に、この記録時の動作を図8のフローチャートを用いて説明する。
図8は、記録時の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップS801:制御部261は、受信したパケットが所望の番組のPIDにマッチしたTSパケットかを判定し、PIDにマッチしたTSパケットならばステップS804へ進み、PIDにマッチしたTSパケットでなければステップS803へ進む。
【0064】
ステップS802:制御部261は、NULLパケットを出力(挿入)する。
ステップS803:制御部261は、挿入するTSパケットがあるか否かを判定し、挿入するTSパケットがある場合にはステップS804へ進み、挿入するTSパケットがない場合にはステップS801へ戻る。
【0065】
ステップS804:制御部261は、PIDにマッチしたTSパケットを最後に出力してから一定時間経過したか否かを判定し、一定時間経過したらステップS802へ進み、一定時間経過していなければステップS801へ戻る。
【0066】
この結果、図7に示すように最低でも所定時間毎にデータが挿入されることとなり、実時間による再生を実現することができる。
次に、再生時の動作を図9のフローチャートを用いて説明する。
図9は、再生時の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップS901:制御部261は、データが入力されたかを判定し、データが入力されていたらステップS902へ進み、入力されていなければステップS901へ戻る。
【0067】
ステップS902:制御部261は、現在時刻がパケットの時間情報の時間に到達したかを判定し、到達していたらステップS903へ進み、到達していなければステップS901へ戻る。
【0068】
ステップS903:制御部261は、到達した時間になったパケットを出力する。
以上説明したとおり、本発明によれば、最低でも所定時間毎にデータが挿入されることにより時間の連続性が確保されるので、実時間による再生を実現することができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。例えば、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせ、所望の番組属性として、ジャンル、チャンネルを組みとしたものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明を適用したデジタルテレビジョン放送受信装置111の外観と、このデジタルテレビジョン放送受信装置111を中心として構成されるネットワークシステムを説明するための図。
【図2】デジタルテレビジョン放送受信装置111の主要な信号処理系を示す図。
【図3】信号処理部247と制御部261を説明するための図。
【図4】記録時の動作を説明するための図。
【図5】HDD等の記録媒体に保存したパーシャル・トランスポート・ストリームを再生する際のストリームを説明するための図。
【図6】記録時にストリームの連続性が保障されていない場合のストリームを説明するための図。
【図7】入力ストリームの入力状態を監視し、必要であればNULLパケット等のパケットを挿入する動作を説明するための図。
【図8】記録時の動作を説明するためのフローチャート。
【図9】再生時の動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0071】
111…デジタルテレビジョン放送受信装置、112…キャビネット、113…支持台、114…映像表示器、115…スピーカ、116…操作部、117…リモートコントローラ、118…受光部、119…第1のメモリカード、120…第2のメモリカード、121…第1のLAN端子、122…第2のLAN端子、123…USB端子、124…i.LINK端子、125,127,139…HDD、126,135…ハブ、128,133…コンテンツサーバ、129…DVDレコーダ、130…アナログ伝送路、131…ブロードバンドルータ、132…ネットワーク、134,136…携帯電話、137…デジタルカメラ、138…カードリーダ/ライタ、140…キーボード、141…AV−HDD、142…D−VHS。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の番組が多重されたトランスポート・ストリームから所定の番組のトランスポート・ストリームのみを抽出したパーシャル・トランスポート・ストリームを出力する抽出手段と、
前記抽出手段が出力したパーシャル・トランスポート・ストリームに関するセクションデータのパケットを抽出するセクションデータ抽出手段と、
前記抽出手段が出力したパーシャル・トランスポート・ストリームおよび前記セクションデータのパケットを受信したときのタイムスタンプを、前記抽出したパーシャル・トランスポート・ストリームおよび前記セクションデータのパケットに付加したタイムスタンプ付トランスポート・ストリームを出力する出力手段と、
前記出力手段が出力する前記タイムスタンプ付トランスポート・ストリームのパケットの間隔が所定の時間よりも開く場合に、前記出力手段に対してNULLパケット等のパケットを挿入して出力させる制御手段とを備えたことを特徴とするストリーム処理装置。
【請求項2】
前記書定時間は、タイムスタンプが一周してしまう時間であることを特徴とする請求項1記載のストリーム処理装置。
【請求項3】
前記セクションデータには、PAT(Program Association Table),PMT(Program Map Table),SIT(Selection Information Table),DIT(Discontinuity Information Table)の内の少なくとも1を含むことを特徴とする請求項1記載のストリーム処理装置。
【請求項4】
複数の番組が多重されたトランスポート・ストリームから所定の番組のトランスポート・ストリームのみを抽出したパーシャル・トランスポート・ストリームを出力するステップと、
前記出力されたパーシャル・トランスポート・ストリームに関するセクションデータのパケットを抽出するステップと、
前記出力されたパーシャル・トランスポート・ストリームおよび前記セクションデータのパケットを受信したときのタイムスタンプを、前記抽出したパーシャル・トランスポート・ストリームおよび前記セクションデータのパケットに付加したタイムスタンプ付トランスポート・ストリームを出力するステップと、
この出力された前記タイムスタンプ付トランスポート・ストリームのパケットの間隔が所定の時間よりも開く場合に、NULLパケット等のパケットを挿入するステップとを有することを特徴とするストリーム処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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