説明

ストレスを治療又は予防するためのモノテルペンの使用

本発明は、個体の病的又は病的ではないストレス状態の予防、緩和、若しくは処置に対するモノテルペンの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレスを処置又は予防するためのモノテルペンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ストレスは、現実又は想像上の個人的経験と個人的期待との間に生じる容認できない相違に対する身体的反応及び精神的反応の総体として定義することができる。ストレスに対する精神的反応には、順応できるストレス、不安、及びうつが含まれる。しかし、回避不能な老化の過程に付随してストレスが持続すると、感染性から炎症性の疾患まで、癌から変性及び年齢関連性の疾患まで、種々の慢性疾患を生じる恐れがある。長い間、「極度な」ストレスのみが、感染症又は高血圧症等の免疫性及び血管性の反応を誘発すると認められてきた。現在、母子分離、心理的及び不動化ストレス、中年及び高齢者におけるストレス性のライフイベント、アカデミックステレス等、従来のリスクファクター(心理社会的なストレス、食事由来のストレス、喫煙等)とは無関係の「中程度の」ストレス(Zimecki et al., 2005)でさえも、強力な健康状態の交互変化を誘発し、その結果、人生の質を落とし寿命を短くしてしまう恐れがあるということが既知である(Zimecki and Artym,2005)。
【0003】
家畜もストレスを受けるようになっている。家畜化された食用動物において、ストレスは肉の質、ミルクの生産量、及び身体全体の健康に影響を与え得る。しかし、動物のストレスは、予測されたよりも少ない重量及び増えた疾病等の手がかりから直観でわからなければならない場合が多くある。屠蓄場への動物(雌ウシ、子ヒツジ、ブタ等)の輸送、又は、競技会への動物(ウマ、イヌ、ニワトリ)の輸送は、多くの潜在的にストレスを与えている要因に関連づけられる。これらの要因は、身体的起源(トラックの揺れ、安定性の消失による衝突)、及び、一般的な状況における全ての変化が不安を生じやすいため精神的起源を有している。1つのケースにおいて肉の質、及び、第2のケースにおいてパフォーマンスは、予備屠蓄場/屠蓄場にいる時間中、及び、予備競技会/競技会の時間中の動物の心理的状態によって強く影響される。
【0004】
実験の工程も、実験動物に対するその衝撃を評価するために研究されてきた。ストレスと相関した心理的パラメータ(例えば、コルチコステロン、グルコース、成長ホルモン、又はプロラクチンの血清若しくは血漿の濃度、心拍数、血圧、及び挙動)における有意な変化は、多数の種において3つの工程に付随した。その3つの工程とは、取り扱い(動物を持ち上げる、及び、動物のケージを洗浄又は移動させることを含めたいかなる非侵襲性の操作も日常の管理の一部として生じる)、血液採取、並びに、口腔胃経管栄養法である(Balcombe et al.,2004)。取り扱いは、免疫系の応答において可変性の交互変更を導き出したけれども、動物は、前記工程のそれぞれに対するストレスに関係のある反応を迅速で明白且つ統計的に有意に増加しながら反応した。これらの発見は、実験室でのルーチンはストレスに関連づけられ、動物はそれらのルーチンに容易には慣れないことを示している。かなりの不安、ストレス、ことによると苦痛が日常的な実験の工程における予測できる結果であり、これらの現象は、実験室での研究における動物の使用に対して、実質的な科学的及びヒトの関わりを有しているということをこれらのデータは示唆している。
【0005】
ヒトにおいては、正常な抵抗力を減らすことによって、ストレス性の生活状態が個々の寿命を短くし、種々の疾患の発生を支持してしまう。さらに、ヒトにおいて、少なくとも書かれるか又は話される言語並びに信条(ストレスを耐えられる又は耐えられないものにする宗教、伝統、及び他のソーシャルコンテナ(social container))の役割のため、ストレス性の生活状態の結果は動物よりも複雑であり得る。
【0006】
テルペンは、臭角からテルペンを放出するアゲハチョウ等の一部の昆虫によっても産生されるけれども、主に種々様々な植物、特に、針葉樹によって産生される大きく且つ異なるクラスの炭化水素である。テルペンは、樹脂、及び、樹脂から生成されるテレピンの主要成分である。「テルペン(terpene)」という名前は、「テレピン(turpentine)」という単語に由来している。炭素骨格の酸化又は転位によって等、テルペンが化学的に改変された場合、結果として生じる化合物は、一般的にテルペノイドと呼ばれる。一部の著者はテルペンという用語を全てのテルペノイドを含むよう使用する。テルペン及びテルペノイドは、多数の種類の植物及び花の精油における主要な成分である。精油は、食物に対する天然の香りに関わる添加物として、香水、アロマテラピー、並びに、従来及び代替医療における香りとして広く使用されている。天然のテルペン及びテルペノイドの合成品種及び誘導品も、香水において使用されるアロマ及び食品添加物に使用される香りの種類を非常に拡大している。
【0007】
テルペンは、分子式Cを有するイソプレンの単位から生合成的に誘導される。テルペンの基礎の分子式はその倍数(Cであり、nは連結したイソプレン単位の数である。イソプレン自体は構築工程を経ないが、正しくは、活性化型のイソペンテニルピロリン酸(IPP又は同じくイソペンテニル二リン酸)及びジメチルアリルピロリン酸(DMAPP又は同じくジメチルアリル二リン酸)が、生合成経路における構成成分である。イソプレン単位の鎖が構築されるに従い、結果として生じるテルペンは、大きさによって順次に、ヘミテルペン、モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、セステルテルペン、トリテルペン、及びテトラテルペンとして分類される。
【0008】
モノテルペンは、2つのイソプレン単位からなり、分子式C1016を有している。モノテルペンの例は、ゲラニオール及びリモネンである。モノテルペンは、単環、2環、及び非環式の形状で生じ、単純な又は改変された炭化水素である。モノテルペンは、植物におけるメバロン酸分枝生合成経路によるアセテートの同化から引き出されたイソプレノイド分子の種類である。とう皮油の主要成分及び発癌現象の研究におけるモノテルペンのプロトタイプであるD−リモネン((4R)−1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサ−1−エン)は、10個の炭素からなるイソプレンの中間体ゲラニルピロリン酸の環化によって形成される。
【0009】
【化1】

D−リモネン及びD−リモネン由来の代謝物は、種々の前臨床モデルシステムにおいて、癌の化学療法的効力及び化学予防の効力を有していると示されてきた。
【0010】
Crowell PL等は、カスタード中100mg/kgのリモネンを摂取した7人の健康なボランティアの血液におけるリモネンの血漿代謝物を同定した。被験対象に直接接続されたキャピラリーガスクロマトグラフィー/質量分析によって、少なくとも5つの化合物が摂取後4時間で存在したことが示された。2つの主要なピークが、ネズミのリモネン代謝物であるジヒドロペリリル酸及びペリリル酸として同定され、2つの小さいピークは、それぞれ、それらの酸のメチルエステルであると判った(Crowell PL et al.,1994)。
【0011】
R−及びS−リモネンは、イソプレニル化酵素の弱い阻害剤に過ぎないけれども、その主要な代謝物であるペリリル酸及びペリリルアルコールは、低いmM範囲においてIC50値を有した、より強い阻害剤である。それらの代謝物は、ファルネシル基転位酵素よりもゲラニルゲラニル転位酵素Iに対してより大きな活性度を有しており、一方、新たな代謝物が、ペリリル酸のIC値と類似のIC50値を示している(Hardcastle IR et al.,1999)。
【0012】
D−リモネンは、前臨床試験において、明白な化学療法的活性及び最小の毒性を有している。進行癌を有した患者における毒性、最大耐用量(MTD)、及び薬物力学を評価するための第I相臨床試験後、乳癌における限定された第II相評価が続いた。D−リモネンは、臨床活動を有し得る用量で癌患者において耐用性がよい(Vigushin DM et al.,1998)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
予想外に、本発明者等はリモネンの抗ストレス効果を示してきた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
7つのストレス性の条件を受けさせたネズミにおけるFunctional Observation Battery(FOB、行動パラメータ、生理学的パラメータ、及び神経学的パラメータを扱う44個のパラメータ)によって(MacPhail、1987)、リモネン及びペリリルアルコールは、乗物で扱われた動物と比較した場合にストレスに耐える能力をもたらす重要な効果を示してきた。
【0015】
1つの条件あたり18匹の雌のネズミが、10mg/kgのリモネン、10mg/kgのペリリルアルコール、又は、対照のキャリアを経口的に受けた。1、2、又は3時間後、Functional Observation Battery(FOB)を実行した。対照と比較して、リモネン及びペリリルアルコールで処置した動物は、
1.痛み及びストレスに対する反応における変化
物に対する興味、好奇心の増加、
指の接近後に逃げる速さの低下、
ネズミが落下する前の時間の増加、
足指をつねることに対する反射(toe pinch reflex)の低下、
疼痛反応における著しい低下、
攻撃性の消失、
易怒性の消失、
非常に乏しい可聴の発声、
驚愕反応における重要な低下、
2.運動性活動における変化
横切った四角の数(number of squares crossed)の増加
自発的活動の増加
ワイヤの扱いの向上
3.生理反応
体温の低下、
排尿の増加、
を示した。
【0016】
これらの結果は、身体の状態がよくなると同時に、リモネン及びペリリルアルコールのなだめてリラックスさせる効果、抗疼痛効果、及び、元気のいい特性を与える気質に対する効果を示している。
【0017】
リモネン及びペリリルアルコールは、1時間未満での迅速な反応を示している。
【0018】
ペリリルアルコールの効果は2時間後にはすでに低下するけれども、リモネンは、少なくとも3時間ずっと増加する効果を示している。これは、代謝物がその元の分子よりも速く吸収されるという事実と一致している。
【0019】
ストレス状態の予防又は緩和に対するモノテルペンの使用
このように、本発明は、個体のストレス状態の予防、緩和、又は処理に対するモノテルペンの使用に関する。「ストレス状態」とは、ストレスを加える状態に応じた個体の状態を意味している。
【0020】
ストレス状態は、病的なストレス状態及び病的ではないストレス状態を含む。
【0021】
本発明の状況において、「病的なストレス状態」とは、一時的な急性のストレス状態又は慢性のストレス状態を意味している。
【0022】
「一時的な急性のストレス」とは、頻繁な急性のストレスを意味している。頻繁な急性のストレスに耐える人々は、常に多数のストレス性の状況に向き合っているように思われる。彼等は、常に急いでおり、常に遅れ、常に多すぎるプロジェクトを引き受けており、多すぎる要求に対処している。これらの人々は、ストレスが時折くるスパイクである人々とは違って、一時的な急性のストレスを経験している。
【0023】
「慢性のストレス」は、本明細書において、表面上は限りのない期間における容赦のない要求及びプレッシャーを意味している。慢性のストレスは、明らかな回避手段もなく、毎日、さらには年々人々を疲れさせるストレスである。慢性のストレスは、精神的健康も肉体的健康も打ち砕き、衰弱及び死さえも引き起こし、要するに早老をもたらす。
【0024】
本発明の状況において、「病的ではないストレス状態」は、精通している環境の変化に応じた「急性のストレス」、すなわち、非継続のストレス状態を意味している。急性のストレスは、最も一般的で最も認識できる形状のストレスであり、なぜストレスを受けているか正確に理解している種類のもの、例えば、車の事故にあったところ、学校看護婦が呼びに来たところ、熊がキャンプ場まで歩いて来たところ等である。又は、急性のストレスは、パラシュートジャンプ等、怖いがスリル満点の何かであり得る。明らかな危険及び脅威に加えて、急性のストレッサーの一般的な原因は、騒音、孤立、密集、及び飢えを含む。通常、これらの種類のストレス性の現象が終わり、生活が正常状態に戻った場合に、体は休まる。
【0025】
「個体」という用語は、本明細書において使用される場合、動物又はヒト、好ましくはトリ、又は、齧歯類、ネコ、ウマ、ウシ、ヤギ、イヌ、ブタ、及び霊長類等の哺乳類動物を示している。好ましくは、本発明による個体は、ヒトである。好ましくは、本発明による個体は、ネコ又はイヌである。
【0026】
本発明の状況において、「防ぐ」、「防いでいる」、又は、「予防」という用語は、ストレス状態を回避することを可能にするということを意味している。
【0027】
本発明の状況において、「緩和する」、「緩和している」、又は、「緩和」という用語は、1又は複数のストレス症状を減らすことを可能にするということを意味している。
【0028】
本発明の状況において、「処置する」、「処置している」、又は、「処置」という用語は、病的なストレス状態若しくは1又は複数のその症状の進行を一変させる、緩和する、又は、阻止するということを意味している。
【0029】
ストレスの知的症状には、記憶に関する問題、意思決定における困難、集中することができないこと、短くなった注意持続時間、混乱、繰返し又は断続的な考え、他人が言ったことの解釈違い、乏しい判断、逃避の考え、家出、思考過程を減速させることができないこと、及び/又は、客観性の消失が含まれる。
【0030】
ストレスの身体的症状には、頭痛、消化障害、筋肉の緊張及び筋肉痛、睡眠障害、疲労、胸痛、不規則な心拍、高血圧、重量増加若しくは減少、脱毛、喘息若しくは息切れ、皮膚に関する問題、歯周病、顎の痛み、月経停止等の生殖に関する問題、免疫系の機能停止、並びに/又は、発汗が含まれる。
【0031】
ストレスの感情的症状には、趣味若しくは楽しみにおける興味の減少、突然の心的状態の変化、頻繁な不安状態、不穏状態、欲求不満、怒り、憤り、不当な嫉妬、他人に対する怒りっぽさ、神経過敏、予想外の状況若しくは現象に対する過剰反応、困惑させられた若しくは圧倒させられた感覚、心配、増した失敗の恐れ、不適切さ、失った自信、憂鬱状態、無関心状態、及び/又は、泣きたい願望が含まれる。
【0032】
ストレスの行動的症状には、過食若しくは拒食、過眠若しくは不眠、親しい人を含めた他人からの孤立、仕事場から家に引きこもる若しくは時間外でも仕事場に留まる、タバコ、アルコール、薬、カフェインの利用頻度の増加、性交の増減、爪を噛む、髪をねじる、歩きまわる等の神経性習癖の関与、歯ぎしり、不適切な時に笑う若しくは泣く、運動若しくは買い物等の活動を過度に行う、他人に対していばり散らす若しくは頑固になる、怒る、人と論争する、暴力的になる、不適切なリスクをとる、及び/又は、ドライバー激怒症を示すことが含まれる。
【0033】
本発明によるモノテルペン使用の機構において、モノテルペンは全身性の方法によって、好ましくは経口的な方法によって投与することができる。
【0034】
病的なストレス状態
本発明のさらなる目的は、個体の病的ストレス状態の予防、緩和、又は処置に対する薬物の製造におけるモノテルペンの使用に関する。
【0035】
好ましい実施形態において、前記予防、緩和、又は処置は、ヒト、ペット、実験動物、又は家畜に関する。より好ましくは、前記予防、緩和、又は処置は、トリ、又は、齧歯類、ネコ、ウマ、ウシ、ヤギ、イヌ、ブタ、及び霊長類等の哺乳類動物からなる群において選択される個体に関する。最も好ましくは、前記予防、緩和、又は処置は、ヒト、ネコ、又はイヌに関する。
【0036】
好ましくは、前記病的なストレス状態の症状は、不安、うつ、記憶障害、集中することができないこと、睡眠の交互変化、不眠症若しくは過眠症、荒れた睡眠、過食症若しくは拒食症等の摂食障害、給餌リズムに対する関心の欠如、薬物の繰り返し、総合的な喫煙、慢性疲労、意気沮喪、あきらめ、及び/又は、検出可能な病状を有していない個体の能力を減らし得る症状全てである。
【0037】
動物に対しても、これは、睡眠の交互変化、不眠症若しくは過眠症、荒れた睡眠、過食症若しくは拒食症等の摂食障害、給餌リズムに対する関心の欠如、慢性疲労、あきらめ、うつ、及び/又は、検出可能な病状を有していない屠殺用動物の場合には肉の質だが、卵、牛乳、又は、羊毛若しくは羽毛のような他の製品等の動物由来の製品の質も低下させ、コンテスト用動物の場合にはパフォーマンスの質を低下させるいかなる症状も意味する。
【0038】
そのような薬物は、活性成分及び薬剤的に容認可能なキャリアとしてモノテルペンを含む。
【0039】
「薬剤的に容認可能」は、必要に応じて動物又はヒトに投与された場合に、薬害反応、アレルギー反応、若しくは他の有害反応を生じない分子の実体及び組成物を表している。
【0040】
「薬剤的に容認可能なキャリア」は、本明細書において使用される場合、いかなる全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等浸透圧で吸収を遅らせる薬剤等を含む。製薬の活性物質に対するそのような培養液及び薬剤の使用は、当技術分野において周知である。従来の培養液又は薬剤が本発明によって使用されるモノテルペンとは配合禁忌であるいかなる場合も除いて、本発明のよる個体において、薬物におけるその使用、又は、病的なストレス状態を予防若しくは処置する方法を実行するためのその使用が意図される。補足の活性成分も、その薬物内に組み入れることができる。
【0041】
さらなる実施形態において、本発明は、個体における病的なストレス状態を予防、緩和、又は処置する方法に関する。
【0042】
好ましくは、本発明による個体における病的なストレス状態を予防、緩和、又は処置する方法は、1回の服用における、又は、特定の時間での繰り返しの服用における、モノテルペンを含んだ薬物の投与を含む。
【0043】
本発明による個体における病的なストレス状態を予防、緩和、又は処置する方法の機構において、投与計画は経口的であり得る。
【0044】
本発明による個体における病的なストレス状態を予防、緩和、又は処置する方法の機構において、投与計画は、例えば、4週間又は8週間を超える期間であり得る。その分子は有害ではないため、患者がその利点を不快に思うまで、すなわち、長期にわたって、又は、その一生涯、処置を続けることができる。これは、ストレスを受けるリスクのある集団に対して特に効力があるため、その集団は前記分子をストレス予防として取り入れる。
【0045】
好ましくは、本発明による個体における病的なストレス状態を予防、緩和、又は処置する方法の機構において、モノテルペンの服用範囲は、1日あたり0.1mg/kgから100mg/kgであり得る。より好ましくは、服用範囲は、1mgから100mg/kgである。最も好ましくは、服用範囲は、10mgから50mg/kgである。より好ましくは、服用範囲は、1日あたり10mg/kgから50mg/kgである。
【0046】
好ましくは、個体の病的なストレス状態の予防、緩和、又は処置に対するモノテルペンの使用は、経口経路、粘膜経路、又は、皮膚経路によるものであり得る。個体の病的なストレス状態の予防、緩和、又は処置に対するモノテルペンの使用はそれ自体として、そのような投与経路に適応させた方法であることが好ましい。
【0047】
好ましくは、個体の病的なストレス状態の予防、緩和、又は処置に対するモノテルペンの使用は、補完食物、パッチ、カプセル、ピル、飲料、及びビスケットからなる群において選択された形状であり得る。
【0048】
病的ではないストレス状態
本発明のさらなる目的は、個体の病的ではないストレス状態の予防、緩和、又は処置に対するモノテルペンの使用に関する。
【0049】
好ましい実施形態において、前記予防、緩和、又は処置は、ヒト、ペット、実験動物、又は家畜に関する。より好ましくは、前記予防、緩和、又は処置は、トリ、又は、齧歯類、ネコ、ウマ、ウシ、ヤギ、イヌ、ブタ、及び霊長類等の哺乳類動物からなる群において選択される個体に関する。最も好ましくは、前記予防、緩和、又は処置は、ヒト、ネコ、又はイヌに関する。
【0050】
好ましくは、前記病的ではないストレス状態は、アヒル、ガチョウ、ウシ、ウマ、ヒツジ、又はニワトリにおいて強制食餌を施すことによるものである。より好ましくは、前記病的ではないストレス状態は、アヒル又はガチョウにおいて強制食餌を施すことによるものである。
【0051】
好ましくは、前記病的ではないストレス状態は、屠殺のために運ばれる動物(アヒル、ガチョウ、ウシ、ウマ、ヒツジ、又はニワトリ)、又は、コンテスト目的で運ばれる動物(ウマ、ネコ、又はイヌ)において輸送によるものである。より好ましくは、前記病的ではないストレス状態は、ウマにおいて輸送によるものである。
【0052】
好ましくは、前記病的ではないストレス状態は、ヒトにおいて学校、劇場、スポーツでのパフォーマンスのストレスによるものであり、より好ましくは、(「アカデミックストレス」と呼ばれる)ヒトにおいて試験によるものである。
【0053】
さらなる実施形態において、本発明は、個体の病的ではないストレス状態を予防、緩和、又は処置する方法に関する。
【0054】
好ましくは、本発明による個体の病的ではないストレス状態を予防、緩和、又は処置する方法は、1回の服用における、又は、特定の時間での繰り返しの服用における、モノテルペンを含んだ補完食物の投与を含む。
【0055】
本発明による個体の病的ではないストレス状態を予防、緩和、又は処置する方法の機構において、投与計画は、例えば、4週間又は8週間を超える期間であり得る。その分子は、示された優先的な服用量においてはどんな場合でも有害ではないため、投与期間は、個体がその処置からの利点を不快に思う場合、何年か延ばすことができる。
【0056】
好ましくは、本発明による個体の病的ではないストレス状態を予防、緩和、又は処置する方法の機構において、モノテルペンの服用範囲は、1日あたり0.1mg/kgから100mg/kgであり得る。より好ましくは、服用範囲は、1mgから100mg/kgである。最も好ましくは、服用範囲は、10mgから50mg/kgである。
【0057】
好ましくは、個体の病的ではないストレス状態の予防、緩和、又は処置に対するモノテルペンの使用は、経口経路、粘膜経路、又は、皮膚経路によるものであり得る。個体の病的ではないストレス状態の予防、緩和、又は処置に対するモノテルペンの使用はそれ自体として、そのような投与経路に適応させた方法であることが好ましい。
【0058】
好ましくは、個体の病的ではないストレス状態の予防、緩和、又は処置に対するモノテルペンの使用は、補完食物、パッチ、カプセル、ピル、飲料、及びビスケットからなる群において選択された形状であり得る。
【0059】
モノテルペン
本発明において使用するモノテルペンには、リモネン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、イソメントン、ペリリルアルコール、ペリリル酸、ジヒドロペリリル酸、これらの酸のそれぞれのメチルエステル、カルボン、シトラール、メントールが含まれる。
【0060】
本発明の状況において、リモネンは、(R)−(+)−リモネン、すなわち、D−リモネンを意味している。
【0061】
より好ましくは、本発明において使用するモノテルペンは、リモネン、その代謝物の一つ、又は、その混合物である。
【0062】
リモネンの代謝物には、ペリリルアルコール、ペリリル酸、ジヒドロペリリル酸、及び、そのそれぞれのメチルエステルが含まれる。
【0063】
本発明は、以下の図及び実施例を考慮してさらに例示される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の体温の平均値を示したグラフである。
【図2】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後に動物が横切った四角の数の平均値を示したグラフである。
【図3】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の排尿に対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=なし;1=あり
【図4】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の自発的活動テストに対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=なし;1=小さな動き;2=中程度の動き;3=速い動き;4=興奮した動き
【図5】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後に動物が一方向でのみ横切った四角の数の平均値を示したグラフである。
【図6】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の物への興味テストに対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=なし;1=注視;2=追随
【図7】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の指の接近テストに対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=なし;1=少しの逃避;2=中程度の逃避;3=激しい逃避
【図8】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物のワイヤの扱いテストに対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=落下;1=何秒か後に落下;2=失敗;3=非常な努力を伴う成功;4=成功
【図9】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の負の重力走性テストに対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=落下;1=移動なし;振り返らず移動;3=振り返るがさらなる移動はなし;4=振り返って登る
【図10】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の足指をつねるテストに対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=軽い;1=中程度;2=速い;3=繰り返し
【図11】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の疼痛反応テストに対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=なし;1=あり
【図12】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の攻撃性テストに対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=なし;1=あり
【図13】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の易怒性テストに対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=なし;1=あり
【図14】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の可聴の発声テストに対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=なし;1=あり
【図15】対照、リモネン10、及び、ペリリルアルコール10の3つの群に対する処置の60分前、並びに、60、120、及び180分後の動物の驚愕テストに対するスコアの平均値を示したグラフである。レジェンド:0=なし;1=あり
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0065】
1−材料及び方法
1.1−動物
平均重量が175〜200gの18匹の雌のネズミWistar HsdBrlHan EOPS(Ganat,France)を使用する。
【0066】
その18匹のネズミの重さを量り、マークして、6匹の群3つ(n=6):
「対照」群=とうもろこし油を用いた経口処置;
「リモネン10」群=10mg/kgのリモネンを用いた経口処置;
「ペリリルアルコール10」群=10mg/kgのペリリルアルコールを用いた経口処置;
に分ける。
【0067】
1.2−アッセイされた製品
SIGMA−ALDRICH社(Saint−Quentin Fallavier,France)からのリモネン((R)−(+)−リモネン、MW=136.23、純度=97%)を、SIGMA−FLUKA説明書に従い使用及び保管した。
【0068】
SIGMA−ALDRICH社(Saint−Quentin Fallavier,France)からのペリリルアルコール((S)−4−イソプロペニル−1−シクロヘキセニルメタノール;(S)−p−メンタ−1,8−ジエン−7−オール、MW=152.23、純度=98%)を、SIGMA−FLUKA説明書に従い使用及び保管した。
【0069】
リモネン及びペリリルアルコールを、処置の日は毎日とうもろこし油において即座に4mg/ml調製し、t=0の第1アッセイ後すぐに2.5ml/kgの量で10mg/kgを経口的に投与した。
【0070】
【表1】

1.3−Functional Observation Battery(FOB)に対するリモネン又はペリリルアルコールの影響
処置の60分前、並びに、アッセイされた製品の経口投与後60、120、及び180分後に観察を行い、その観察は3つの観察段階:
動物が妨害されていない第1の直接的観察段階;
動物が操作されている能動的観察段階;
反応性アッセイに対する動物の反応の評価に与えられた段階
を含む。
【0071】
調査される変動要素は、以下の:
行動学的影響:自発的な運動活動、運動性の行動に関する問題、心配、触反応、易怒性、攻撃性及びすくみにより生じる行動、眠気、排便の数、排尿の数、感覚運動的反応(足指をつねることに対する反応(toe pinch response)及び音に対する反応);
神経学的影響:瞳孔反射、まぶたの閉鎖、骨盤上昇、尾の位置づけ、肢及び腹部の緊張、反転試験、握力試験、震え及び起毛;
生理学的影響:唾液分泌、流涙、下痢、体温、呼吸リズム;
である。
【0072】
アッセイされた製品の投与の日に、動物の重さを量る。実験中、以下の徴候:
疼痛(悪液質、衰弱等);
製品の毒性(異常行動、けいれん等);
3日間を通して少なくとも25%、又は、1日で20%の重量減少;
のうち1つが観察された場合に、動物を麻酔下で殺し、検死解剖する。
【0073】
1.4−統計
データのガウス分布を考慮して、又は考慮せず、パラメトリック(P)又はノンパラメトリック(NP)なテストを使用する:ANOVA(P)又はKruskal−Wallis test(NP)の後、Dunnett test(P)又はMann−Whitney test(NP)をおそらく続けて、処置群を対照群と比較する。Statview5software(SAS Institute社、USA)を用いて統計を実行した。
【0074】
2−結果
2.1−処置の60分前
T−60にて、Kruskal−Wallis testは、異なる群間において調査される変動要素全てに対していかなる有意な異質性も示していない。
【0075】
2.2−処置の60分後(表2)
T+60にて、Kruskal−Wallis testは、異なる群間において以下の変動要素:
物に対する興味:H(ddl=2)=9.316;p<0.01;
足指をつねることに対する反射:H(ddl=2)=6.591;p<0.05;
易怒性:H(ddl=2)=11.900;p<0.01;
可聴の発声:H(ddl=2)=8.075;p<0.05;
に対して有意な異質性を示している。
【0076】
Kruskal−Wallis testは、異なる群間において以下の変動要素:
ワイヤの扱い:H(ddl=2)=5.360;p<0.10;
驚愕:H(ddl=2)=5.377;p<0.10;
に対して異質傾向を示している。
【0077】
Kruskal−Wallis testは、異なる群間において他の調査される変動要素に対していかなる有意な異質性も示していない。
【0078】
Mann−Whitney testを実行して、1つの群を別の群に比較する。
【0079】
物に対する興味(図6を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが対照群のネズミよりも有意により重要な物に対する興味を有していることを示している。Mann−Whitney testは、ペリリルアルコール10群のネズミが対照群のネズミよりも物に対するより重要な興味を有する傾向があることを示している。
【0080】
足指をつねることに対する反射(図10を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10及びペリリルアルコール10の群のネズミが対照群のネズミよりも足指のつねりに対して有意に鈍く反応することを示している。
【0081】
易怒性(図13を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10及びペリリルアルコール10の群のネズミが対照群のネズミよりも有意に低い易怒性を有していることを示している。
【0082】
可聴の発声(図14を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが対照群のネズミよりも有意に小さい発声を放つことを示している。Mann−Whitney testは、ペリリルアルコール10群のネズミが対照群のネズミよりも小さい発声を放つ傾向があることを示している。
【0083】
【表2】

4.1.2.3−処置の120分後におけるFOBの結果(表3)
T+120にて、Kruskal−Wallis testは、異なる群間において以下の変動要素:
物に対する興味:H(ddl=2)=6.800;p<0.05;
指の接近:H(ddl=2)=9.917;p<0.01;
易怒性:H(ddl=2)=11.900;p<0.01;
可聴の発声:H(ddl=2)=6.800;p<0.05;
驚愕:H(ddl=2)=7.200;p<0.05;
に対して有意な異質性を示している。
【0084】
Kruskal−Wallis testは、異なる群間において以下の変動要素:
体温:H(ddl=2)=5.673;p<0.10;
自発的活動:H(ddl=2)=5.740;p<0.10;
負の重力走性:H(ddl=2)=5.699;p<0.10;
に対して異質傾向を示している。
【0085】
Kruskal−Wallis testは、異なる群間において他の調査される変動要素に対していかなる有意な異質性も示していない。
【0086】
Mann−Whitney testを実行して、1つの群を別の群に比較する。
【0087】
物に対する興味(図6を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが対照群のネズミよりも有意により重要な物に対する興味を有していることを示している。
【0088】
指の接近(図7を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10及びペリリルアルコール10の群のネズミが指の接近後に逃避する程度が対照群のネズミよりも有意に小さいことを示している。
【0089】
易怒性(図13を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが対照群のネズミよりも有意に低い易怒性を有していることを示している。
【0090】
可聴の発声(図14を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが対照群のネズミよりも有意に小さい発声を放つことを示している。
【0091】
驚愕(図15を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが驚愕する程度が対照群のネズミよりも有意に小さいことを示している。
【0092】
【表3】

4.1.2.4−処置の180分後におけるFOBの結果(表4)
T+180にて、Kruskal−Wallis testは、異なる群間において以下の変動要素:
体温:H(ddl=2)=7.616;p<0.05;
横切った四角の数:H(ddl=2)=6.125;p<0.05;
物に対する興味:H(ddl=2)=6.656;p<0.05;
ワイヤの扱い:H(ddl=2)=10.579;p<0.01;
可聴の発声:H(ddl=2)=11.333;p<0.01;
驚愕:H(ddl=2)=7.766;p<0.05;
に対して有意な異質性を示している。
【0093】
Kruskal−Wallis testは、異なる群間において以下の変動要素:
排尿:H(ddl=2)=5.037;p<0.10;
足指のつねり:H(ddl=2)=5.217;p<0.10;
に対して異質傾向を示している。
【0094】
Kruskal−Wallis testは、異なる群間において他の調査される変動要素に対していかなる有意な異質性も示していない。
【0095】
Mann−Whitney testを実行して、1つの群を別の群に比較する。
【0096】
体温(図1を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが対照群のネズミよりも有意に低い体温を有していることを示している。
【0097】
横切った四角の数(図2を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが対照群のネズミよりも有意に多くの四角を横切ることを示している。
【0098】
物に対する興味(図6を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが対照群のネズミよりも有意に多く物に対する興味を有していることを示している。
【0099】
ワイヤの扱い(図8を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが対照群のネズミよりも有意に頻繁にワイヤを扱うことを示している。
【0100】
可聴の発声(図14を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが対照群のネズミよりも有意に小さい発声を放つことを示している。Mann−Whitney testは、ペリリルアルコール10群のネズミが対照群のネズミよりも小さい発声を放つ傾向があることを示している。
【0101】
驚愕(図15を参照)
Mann−Whitney testは、リモネン10群のネズミが驚愕する程度が対照群のネズミよりも有意に小さいことを示している。
【0102】
【表4】

【参考文献】
【0103】
Balcombe JP et al., Laboratory routines cause animal stress, Contemp Top Lab Anim Sci. 2004 Nov;43(6):42-51;
Zimecki M et al., Effects of lactoferrin on the immune response modified by the immobilization stress. Pharmacol Rep. 2005 Nov-Dec;57(6):811-7;
Zimecki M and Artym J, 2004; [The effect of psychic stress on the immune response] Postepy Hig Med Dosw (Online). Review. Polish 2004 Mar 24;58:166-75.
Crowell PL et al., “Human metabolism of the experimental cancer therapeutic agent d-limonene”, Cancer Chemother Pharmacol. 1994;35(1):31-7;
Hardcastle IR et al., “Inhibition of protein prenylation by metabolites of limonene”, Biochem Pharmacol. 1999 Apr 1;57(7):801-9;
Vigushin DM et al., “Phase I and pharmacokinetic study of D-limonene in patients with advanced cancer. Cancer Research Campaign Phase I/II Clinical Trials Committee”, Cancer Chemother Pharmacol. 1998;42(2):111-7;
MacPhail RC, Observational batteries and motor activity. Zentralbl Bakteriol Mikrobiol Hyg [B]. 1987 Oct;185(1-2):21-7.


【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体のストレス状態の予防又は緩和に対するモノテルペンの使用。
【請求項2】
個体の病的なストレス状態の処置に対する薬物の製造におけるモノテルペンの使用。
【請求項3】
前記ストレス状態が病的ではないストレス状態である、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記個体が、ヒト、ペット、実験動物、又は、家畜からなる群において選択される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記個体がネコ又はイヌである、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記モノテルペンが、リモネン、その代謝物の1つ、又は、その混合物である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記リモネンの代謝物が、ペリリルアルコール又はペリリル酸である、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記病的ではないストレス状態が、アヒル又はガチョウにおいて強制食餌を施すことによるものである、請求項3に記載の使用。
【請求項9】
前記病的ではないストレス状態が、ウマにおいて輸送によるものである、請求項3に記載の使用。
【請求項10】
前記病的ではないストレス状態が、ヒトにおいて試験によるものである、請求項3に記載の使用。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−529951(P2010−529951A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507892(P2010−507892)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055781
【国際公開番号】WO2008/138905
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(509312536)
【Fターム(参考)】