説明

ストロー貼着装置

【課題】容器側面の適正な位置に精度良くストロー包装体に貼着可能で、しかもストロー包装体の貼着処理の速度を大幅に高めることが可能なストロー貼着装置を提供する。
【解決手段】容器10を搬送する容器搬送手段2と、容器10の側面に対してストロー包装体Taを貼着するストロー貼着手段3とを備えたストロー貼着装置1であって、容器搬送手段2として、容器10を下側から支持しながら搬送するベルトコンベア21を設けるとともに、ベルトコンベア21にて搬送される容器10をスクリュー溝22aに1つずつ保持して、該容器10をストロー貼着手段3に対して相互に設定間隔をあけて順次供給するスクリューコンベア22を、ベルトコンベア21の上側に併設し、ストロー貼着手段3が、スクリューコンベア22のスクリュー溝22aに保持された状態の容器10に対してストロー包装体Taを貼着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用容器の側面にストロー包装体を貼着するストロー貼着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙パックなどの飲料用容器として、樹脂フィルム製の袋にストローを包装してなるストロー包装体を容器の側面に貼着し、ストロー包装体内のストローを用いて内容物を飲むことができるように構成したものが広く実用化されている。
【0003】
容器の側面に対してストロー包装体を貼着するストロー貼着装置としては、容器を搬送するベルトコンベアと、ベルトコンベアによる容器の搬送途中において、容器の側面に対してストロー包装体を貼着するストロー貼着手段とを備え、ストロー貼着手段付近に設けたセンサーにて容器を検出したときに、ストロー貼着手段を作動させて,ストローを貼着するように構成したものが採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、特許文献1には、ストロー貼着手段として、容器の側面に接着剤を塗着する接着剤塗着手段と、設定間隔おきにストローを収納したストロー実装テープをホルダ部材の外周に巻き掛けて送り出すストロー送り手段と、ホルダ部材に巻き掛けたストロー実装テープを隣接するストロー間において切断して、1本のストローを収容したストロー包装体に分離する切断手段と、分離したストロー包装体を保持して容器の側面に塗着した接着剤に押し付ける押付け手段とを有するストロー貼着手段が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−152639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のようにベルトコンベアで搬送される容器の特定部位をセンサーで検知し、ベルトコンベアの搬送速度を考慮して容器の位置を特定したうえ、ストロー貼着手段を作動させるような装置では、センサーの検知誤差やベルトコンベアによる搬送速度のバラツキにより、容器に対するストロー包装体の取付位置が変動し、接着剤がはみ出るなどして容器の外観が低下するという問題があった。しかも、処理速度を上げるべくベルトコンベアの搬送速度を高くすると、前記センサーの誤差や搬送速度のバラツキも大きくなり、容器に対するストロー包装体の取付位置の変動が一層大きくなる。したがって従来の装置では処理速度をあまり高く設定することができず、例えば200個/min程度の処理速度が限界であった。
【0007】
また、ベルトコンベア上における容器の姿勢が安定しないことによっても、容器に対するストロー包装体の取付位置が変動し、容器の外観が低下する原因となる。また、特に直方体状の容器をベルトコンベアにて搬送する場合には、複数の容器が密着して搬送されたときに、一方の容器をセンサーで検出できずに、該容器に対してストロー包装体が貼着されないという問題もあった。
【0008】
そこで本発明の目的は、容器側面の適正な位置に精度良くストロー包装体に貼着可能で、しかもストロー包装体の貼着処理の速度を大幅に高めることが可能なストロー貼着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明は、容器を搬送する容器搬送手段と、容器搬送手段による容器の搬送途中において、容器の側面に対してストロー包装体を貼着するストロー貼着手段とを備えたストロー貼着装置であって、前記容器搬送手段として、前記容器を下側から支持しながら搬送するベルトコンベアを設けるとともに、前記ベルトコンベアにて搬送される容器をスクリュー溝に1つずつ保持して、該容器をストロー貼着手段に対して相互に設定間隔をあけて順次供給するスクリューコンベアを、前記ベルトコンベアの上側に併設し、前記ストロー貼着手段が、前記スクリューコンベアのスクリュー溝に保持された状態の容器に対してストロー包装体を貼着することを特徴とするストロー貼着装置を構成した。
【0010】
ここで、前記容器搬送手段として、前記ベルトコンベアの上側の前記スクリューコンベアに対向する位置に設けられ、螺旋状に次第に拡径する外周面を有してスクリューコンベアとの間に搬送された容器を前記外周面によりスクリューコンベア側に押し出し、該スクリューコンベアのスクリュー溝に嵌め込む補助スクリューを設けたものが好ましい。
【0011】
また、前記スクリューコンベアと前記ストロー貼着手段が互いに機械的に連動して作動するものが好ましい。
【0012】
更に、前記ストロー貼着手段が、前記容器の側面に接着剤を塗着する接着剤塗着手段と、設定間隔おきにストローを収納したストロー実装テープをホルダ部材の外周に巻き掛けて送り出すストロー送り手段と、前記ホルダ部材に巻き掛けたストロー実装テープを隣接するストロー間において切断して、1本のストローを収容したストロー包装体に分離する切断手段と、分離したストロー包装体を保持して容器の側面に塗着した接着剤に押し付ける押付け手段とを有するものが好ましい。
【0013】
また、前記接着剤塗着手段の角度を調整する第1角度調整手段と、前記ストロー送り手段、切断手段及び押付け手段の角度を一体的に調整する第2角度調整手段とを設け、前記容器の側面に対して傾斜状にストロー包装体を取付けるものが好ましい。
【0014】
特に、前記第2角度調整手段の回転中心となる支軸と同軸状の入力軸を介して、ストロー送り手段、切断手段及び押付け手段をスクリューコンベアと機械的に連動させて作動してなるものが好ましい。
【0015】
本発明は、直方体状の容器の場合に好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るストロー貼着装置によれば、ベルトコンベアにより搬送される容器を、その搬送途中においてスクリューコンベアのスクリュー溝に1つずつ保持して、ストロー貼着手段に対して相互に設定間隔をあけて順次供給するので、スクリューコンベアの回転角度に基づいてスクリュー溝に保持した容器の搬送位置を精度良くリアルタイムに把握でき、従来の位置センサーを用いて容器の位置を検出していた装置に比べて、容器側面の適正位置に対して格段に精度良くストロー包装体を貼着することができる。また、従来のセンサーの誤差や搬送速度のばらつきが生じないので、処理速度を高めても精度良く貼着でき、従来に比べて処理速度を著しく向上させることができる。従来の装置では200個/分が処理速度の限界であった同一の容器について、本願発明によれば300個/分の処理速度に向上できることを確認している。また、複数の容器がベルトコンベアにより密着して搬送された場合であっても、これら複数の容器をスクリューコンベアにより1つずつ分離してストロー貼着手段に搬送できるので、ストロー包装体が貼着されていない不良容器の発生を防止できる。更に、スクリュー溝に容器を保持した状態でストロー包装体を貼着できるので、ストロー包装体の貼着時における容器の姿勢が安定し、ストロー包装体を容器の側面の適正位置に精度良く貼着することが可能となる。
【0017】
また、前記容器搬送手段として、前記ベルトコンベアの上側の前記スクリューコンベアに対向する位置に設けられ、螺旋状に次第に拡径する外周面を有してスクリューコンベアとの間に搬送された容器を前記外周面によりスクリューコンベア側に押し出し、該スクリューコンベアのスクリュー溝に嵌め込む補助スクリューを設けたので、例えば直方体状の容器が密着して搬送された場合であっても、各容器を補助スクリューの外周面によって一つづつ段差状に押し出し、スクリューコンベアのスクリュー溝に引っ掛け、そのまま嵌め込むことができ、スクリューコンベアによる搬送を確実なものとすることができる。
【0018】
また、前記スクリューコンベアと前記ストロー貼着手段が互いに機械的に連動して作動するので、貼付位置の精度が著しく向上し、処理速度を大幅に高めることができる。
【0019】
また、前記第2角度調整手段の回転中心となる支軸と同軸状の入力軸を介して、ストロー送り手段、切断手段及び押付け手段をスクリューコンベアと機械的に連動させて作動してなるので、駆動系の構成を複雑にすることなく簡単な構成で角度調整することが可能となる。しかも、角度調整に伴う駆動系の調整も容易になる。
【0020】
本発明のストロー貼着装置では、隣接する容器間に確実に設定間隔をあけて容器を順次搬送できるので、円筒状の容器は云うまでもなく、直方体状の容器であっても、容器の側面に確実にストロー包装体を貼着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ストロー貼着装置の全体構成を示す平面図
【図2】同ストロー貼着装置の全体構成を示す正面図
【図3】図1のIII-III線断面図
【図4】(a)は容器搬送手段及びその駆動機構の正面図、(b)は第2角度調整手段の正面図
【図5】ストロー貼付けユニット付近の平面図
【図6】(a)は接着剤塗着手段及びその付近の正面図、(b)は接着剤塗着手段及びその付近の平面図
【図7】図6(b)のVII-VII線断面図
【図8】ストロー貼付けユニットの背面図
【図9】ストロー貼着装置の駆動系の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係るストロー貼着装置の全体構成を示す平面図であり、図2はその正面図である。図1〜図9は、本発明の代表的実施形態を示し、図中符号1はストロー貼着装置、2は容器搬送手段、3はストロー貼着手段、4は容器搬送手段側の駆動機構、5はストロー貼着手段側の駆動機構、Uは接着剤塗着手段を除くストロー貼着手段の全体をユニット化したストロー貼付けユニットをそれぞれ示している。
【0024】
ストロー貼着装置1は、図1及び図2に示すように、複数の容器10,…を搬送する容器搬送手段2と、容器搬送手段2による容器10の搬送途中において、容器10の側面にストロー包装体Taを貼着するストロー貼着手段3を備えている。容器搬送手段2は、容器10を下側から支持しながら搬送するベルトコンベア21と、該ベルトコンベア21の上側に併設され、搬送される容器10をスクリュー溝22aに1つずつ保持して強制的に相互の間隔をあけた状態で各容器10をストロー貼着手段3まで順次供給するスクリューコンベア22とを有しており、1本のストローSを収納したストロー包装体Taは、ストロー貼着手段3により、スクリューコンベア22のスクリュー溝22aに保持された状態の搬送途中の各容器10に対して順次貼着される。
【0025】
本発明では、このようにスクリューコンベア22に保持された状態の容器10にストロー包装体を貼着するので、スクリューコンベア22の回転角度により容器の位置を正確に且つリアルタイムに認識することができ、従来のように容器の通過を検知するセンサーと容器を搬送するベルトコンベアの速度に基づいて容器の位置を推測してストロー貼着していた装置に比べ、ストロー貼着位置の精度が著しく向上し、処理速度も高めることができるのであり、後述するように、さらにこのスクリューコンベア22の動作とストロー貼着手段の動作を機械的に連動させ、同期を取ることができる機構を採用したので、上記の精度や処理速度を一段と高めることが可能とされている。
【0026】
尚、本実施形態のストロー貼着装置1は、ベルトコンベア21の上流側と下流側に容器10の供給、取り出しを行う人員を配置してストローSの貼付けのみを行う装置として構成した例を示しているが、本発明はこれに何ら限定されず、容器10の供給、取り出しを自動で行う装置としたり、容器の製造ラインにオンラインで接続するように構成したりすることも勿論可能である。また、本例ではスクリューコンベア22の軸に対して片側にのみ容器10を保持して搬送し、1列のみの処理とされているが、スクリューコンベア22の両側を利用したり、或いはスクリューコンベア22を2本以上設け、ストロー貼着手段3も2つ以上設けることで、容器を2列以上同時に処理したりする装置とすることも可能である。また、ストロー貼着装置1のベルトコンベア21やスクリューコンベア22の途中部に、更に印字装置により容器の側面に賞味期限が印刷される工程、その他の工程などを付加することも可能である。
【0027】
ベルトコンベア21は、1対のプーリ間に張設されて循環駆動される無端ループ状のベルトを備えた公知の構成のものである。本例では、後述するように補助スクリュー24によりベルト上において容器10を移動させること、並びにベルトコンベア21による容器10の移送速度をスクリューコンベア22の容器移送速度よりも若干遅くして容器10の間隔調整を行なえるようにすることから、容器10がベルト上をスムーズに移動できるように、容器10が載置されるベルト表面には容器10の滑りを可能とする表面処理やベルト自体の素材として滑りを考慮した合成樹脂等の素材で構成することが好ましい。ベルトコンベア21の上側には、容器10の高さ方向の途中部の前後両側に配置されて容器10の横倒れの防止や前後位置を規制するための側部案内ロッド23が、ベルトコンベア21に沿った適宜な位置に設けられ、容器10は側部案内ロッド23に案内されながら安定した姿勢でベルトコンベア21上を移送される。
【0028】
スクリューコンベア22は、ベルトコンベア21に沿ったストロー貼着手段3の手前位置から少なくともストロー貼着手段3のストローの貼着位置まで延びる軸方向長さを有し、外周部に容器10の高さ方向の途中部を受け入れて保持可能な螺旋溝よりなるスクリュー溝22aが形成されている。同じくベルトコンベア21の上側の前記スクリューコンベア22に対向する位置には、スクリューコンベア22の手前に搬送されてきた容器10をスクリューコンベア22のスクリュー溝22aに嵌め込むための補助スクリュー24が平行に設けられている。当該スクリューコンベア22に保持された容器10は、移送方向に間隔調整されながらベルトコンベア21及びスクリューコンベア22により、設定間隔おきにストロー貼着手段3の位置まで移送されることになる。これらスクリューコンベア22や補助スクリュー24は、容器10との間に良好な滑りを生じる必要があることから、当該良好な滑りを生じる表面処理や素材自体を滑りのよい合成樹脂等で構成することが好ましい。スクリュー溝22aは、直方体状の容器10を安定的に保持できるように、角溝状に構成したが、直方体以外の形状の容器を搬送する場合には、搬送する容器の断面形状に適合する溝形状に構成することができる。
【0029】
補助スクリュー24は、螺旋状に拡径する外周面24bを有し、前記スクリューコンベア22と同期駆動されており、容器10を前記外周面24bで次第にスクリューコンベア22側に押し出し、スクリュー溝22a内に各容器10を嵌め込み、そのままスクリューコンベア22との間に容器10を挟みこんで移送するものである。この補助スクリュー24の存在により、例えば直方体状の容器10が隙間なく連続して流れてきても、外周面24bに押されて容器10が1個ずつ連続した列から横方向に突出して、スクリューコンベア22のスクリュー溝22aに係合し、該スクリュー溝22a内に確実に嵌めこむことができる。尚、このような補助スクリュー24の代わりに、ガイド板等により流れてきた容器をスクリュー溝22a内に嵌め込むように構成することも可能であり、また、補助スクリュー24の代わりにスクリューコンベア22を2本平行に設けて容器を挟み込むように構成することも可能である。本例ではスクリューコンベア22及び補助スクリュー24の搬送方向手前側の位置において、搬送されてきた容器10の有無を検知するセンサー81が設けられている。
【0030】
補助スクリュー24はスクリューコンベア22の基端側から所定長さのみ存在し、これ以降は、ストロー貼着手段3の邪魔になることから、代わりに側部案内部材23Aが設けられ、スクリューコンベア22のスクリュー溝22aに保持された容器10をスクリュー溝22aから外れず密着した安定姿勢で移送さできるように構成されている。本発明では、容器10がスクリュー溝22a内に保持された状態においてストローが貼着されるものであり、容器10をスクリュー溝22a内に安定保持させることが必要である。ここでは、側部案内部材23Aを板状部材で構成しているが、上記した側部案内ロッド23を設けてもよい。また、ストローの貼着位置まではこの側部案内部材23Aが設けられ、そこから先は、上記側部案内ロッド23が設けられているが、特にこのような構造に限定されるものではなく、ストロー貼着手段3を邪魔しない構造で容器10をスクリュー溝22a内に保持された安定姿勢で移送できる案内手段であれば他の構造のものでもよい。ベルトコンベア21による移送速度はスクリューコンベア22による移送速度よりも多少速く設定され、スクリューコンベア22のスクリュー溝22a内に容器10を安定した姿勢で確実にストロー貼着手段3の位置へ移送できるように構成されている。
【0031】
スクリューコンベア22及び補助スクリュー24よりなる容器搬送手段2の駆動機構4は、図3及び図4にも示すように、駆動モータ40からタイミングベルト43を介して駆動させる前後方向に延びる主軸41と、該主軸41の途中部の前後2箇所に設けた方向切替部44A,45Aから上方に延びる入力軸44、45と、入力軸44、45から方向切替してスクリューコンベア22、補助スクリュー24に平行に配置される駆動軸44B、45Bと、駆動軸44B、45Bの回転駆動力をそれぞれスクリューコンベア22、補助スクリュー24に伝達する歯車44C、46、45C、47とを備えており、スクリューコンベア22と補助スクリュー24は同一の主軸41から延びる入力軸44、45を介して互いに連動して同期が取られており、本例では同一回転数に設定されている。このようにスクリューコンベア22と補助スクリュー24が機械的に連動して同期が取られていることから、流れてきた容器10を補助スクリュー24の外周面により、確実にスクリューコンベア22側のスクリュー溝22a内にはめ込むことができ、処理速度を上げても問題なく対応することが可能とされている。尚、駆動軸にはその回転角度を検知するエンコーダが設けられ、駆動軸44B、45Bの角度を認識することで当該スクリューコンベア22で搬送されている各容器10の位置を正確に且つリアルタイムに確認することができる。
【0032】
駆動モータ40で駆動されるタイミングベルト43は、駆動機構4の主軸41とともに伝達軸42に掛け渡され、伝達軸42は、ベルト51を介してストロー貼着手段3の駆動機構5に連動され、駆動機構4、5は、互いに機械的に連動して同期駆動できるように構成されている。ただし、入力軸52には、ストロー貼着手段3の駆動機構5への動力の伝達を切断できるクラッチ52Aとブレーキ52Bが介装されており、スクリューコンベア22の搬送方向手前側に容器10が存在しないことをセンサー81が検知するとクラッチ52Aの接続を切り、ブレーキ52Bによりタイミングベルト59を停止させて、ストロー貼着手段3の作動を停止できるように構成されている。そして、センター81により再び容器10が検出されると、エンコーダからのパルス信号に基づく所定のタイミングで、クラッチ52Aを接続するとともにブレーキ52Bを解放して、ストロー貼着手段3を作動させるように構成されている。
【0033】
ストロー貼着手段3は、図5〜図8に示すように、容器10の側面に接着剤を塗着する接着剤塗着手段31と、設定間隔おきにストローSを収納したストロー実装テープTをホルダ部材60の外周に巻き掛けて送り出すストロー送り手段32と、ホルダ部材60に巻き掛けたストロー実装テープTを隣接するストローS間において切断して、1本のストローSを収容したストロー包装体Taに分離する切断手段33と、分離したストロー包装体Taを保持して容器10の側面に塗着した接着剤に押し付ける押付け手段34とを有している。
【0034】
また、本実施形態におけるストロー貼着手段3は、スクリューコンベア22により搬送途中の容器10の側面に対し、ストロー包装体Taを傾斜状に取付けることができるように、接着剤塗着手段31の角度を調整して接着剤を傾斜方向の位置に塗布可能とする第1角度調整手段11と、ストロー送り手段32、切断手段33、及び押付け手段34をユニット構成したストロー貼付けユニットUの全体の角度を調整し、ストロー包装体Taを傾斜状に取付可能とする第2角度調整手段12とが設けられている。
【0035】
接着剤塗着手段31は、ストロー貼付けユニットUの搬送方向手前側の位置において、スクリューコンベア22により搬送されている容器10の側面の高さ方向の途中部に接着剤を塗着する上下1対のノズル62を備え、これにより容器10側面の上下2箇所に接着剤が塗着されることになる。具体的には、第1角度調整手段11として、溶融状態のホットメルト接着剤を溜めるタンク73と該接着剤を噴射するノズル62を有する塗着装置が、レバー74Aにより水平な中心軸74を中心に角度調整可能に支持されており、角度調整による高さの変動を調整するための調整手段として、タンク73及びノズル62を支持している高さ方向の支軸75を上下にスライド調整する調整ボルト75Aが設けられている。また、同じく接着剤塗着手段31には図7に示すように容器10の存在を検知するセンサー82が設けられ、接着剤の空射ちを防止している。
【0036】
尚、本実施形態では、接着剤塗着手段31をストロー貼付けユニットUから独立させて構成したが、該ユニットUと一体的に設けることも勿論可能である。ただし、接着剤の塗着角度についてはストロー包装体Taの取付角度とは独立して微調整が必要となる場合が多いので、本実施形態のごとく接着剤塗着手段31をストロー貼付けユニットUから独立させ、角度調整手段も独立させて簡易な構造とすることが好ましい実施例となる。接着剤塗着手段31を省略し、熱融着などによりストロー包装体を容器の側面に取付ける手段を設けることも可能である。
【0037】
ストロー送り手段32について説明すると、図5及び図8に示すように、搬送台の側方においてストロー貼着手段3の上面板61にはガイドスリーブ63が固定され、ガイドスリーブ63には上面板61を貫通して上下方向に延びる出力軸55が回転自在に設けられるとともに、上面板61の上側において出力軸55にはホルダ部材60が相対回転不能に着脱自在に取り付けられている。ホルダ部材60は、上下1対の略円板状のホルダ部60aと、上下のホルダ部60aを連結するホルダ部60aよりも小径の胴部60bを備えている。上下のホルダ部60aの外周部にはストロー実装テープTのストローS側を保持する保持溝60dが上下方向に形成され、ストロー実装テープTは、ストローSを上下の保持溝60dに嵌合させて、ホルダ部材60の約180度の範囲に外装されている。
【0038】
ホルダ部材60におけるストロー実装テープTの外装部分の外側には、ホルダ部材60に僅かな隙間をあけて外嵌状に嵌合する半円筒の第1ガイド面64aを有するガイド部材64が設けられ、ストロー実装テープTは、ホルダ部材60から脱落しないように、ガイド部材64により案内されている。隣接する保持溝60d間において上下のホルダ部60aには上下方向に延びる刃物挿入溝60eが形成され、この刃物挿入溝60eに対してホルダ部材60の外方より刃物65を挿入することで、隣接するストローS間においてストロー実装テープTを先端側から順番に切断できるように構成されている。上面板61の下側には、出力軸55の回転ピッチを切換えてストロー実装テープTの送りピッチを変更するための回転ピッチ切換手段66が設けられている。この回転ピッチ切換手段66は、容器10に貼着するストローSの直径に応じてホルダ部材60によるストロー実装テープTの送りピッチを切換えるものである。
【0039】
切断手段33は、ホルダ部材60の側方にストロー実装テープTをその先端側から順番に隣接するストローS間において切断するための刃物65を備えている。この刃物65は、枢支軸67を中心に実線で図示の切断位置と、ホルダ部材60から離間した仮想線で図示の退避位置にわたって回動自在に支持され、切断位置においてホルダ部材60に形成した刃物挿入溝60eに刃物65が挿入されて、ホルダ部材60の外周部に保持されたストロー実装テープTが隣接するストローS間において切断されるように構成されている。刃物65を駆動する入力軸52は、タイミングベルト53を介して入力軸50と連動されるとともに、タイミングベルト59を介してストロー送り手段32であるホルダ部材60の入力軸54と連動して同期が取れるように構成されており、刃物65の正面側にホルダ部材60の刃物挿入溝60eが配置される毎に、切断位置に駆動されるように、切断位置と退避位置とに位置切換えされる。また、この切断手段33は、同じくホルダ部材60の入力軸54及びベルト57を介して押付け手段34とも連動して同期が取れるように構成されており、ストロー貼付けユニットUを構成しているストロー送り手段32、切断手段33、及び押付け手段34のすべてが互いにベルトを介して機械的に連動され、処理速度を上げても互いにタイミングがズレることなく正確に同期が取れるように構成されている。具体的には、ベルト57は入力軸56に巻き掛けられ、入力軸56は傘歯車を介して出力軸58に連動連結され、出力軸58により押付け手段34が駆動されるように構成されている。
【0040】
切断手段33にて分離したストロー包装体Taを容器10の外周面に塗着した接着剤に当て付けて、容器10にストローを固定するため、ホルダ部材60を挟んで切断手段33とは反対側に押付け手段34が設けられている。押付け手段34は、タイミングベルト57によりホルダ部材60と同期して回転される2本の回転軸68の上端部に固定した回転板69と、両回転板69の偏心位置に回動自在に支持されて両回転板69の偏心位置を連結する押当レバー72とを備えている。押当レバー72の先端部はホルダ部材60の上下のホルダ部60a間に挿入可能な高さに配置され、押当レバー72の先端部にはストロー包装体TaのストローSを外嵌保持する凹溝が形成され、押当レバー72の先端部は、平行な姿勢のまま1対の回転板69と同じ回転運動をし、その過程でストロー包装体Taの保持及び容器10側面への当て付けを行う。ガイド部材64にはホルダ部材60から押当レバー72に受け渡されたストロー包装体Taを容器10の側面まで案内する、押当レバー72の先端部の移動軌跡に沿った円弧状の第2ガイド面64bが設けられ、ストロー包装体Taは、押当レバー72と第2ガイド面64b間に保持されてホルダ部材60から容器10の側面まで移送され、容器10の外周面に塗着した接着剤に、押当レバー72により当て付けられて、容器10の周面に固定できるように構成されている。
【0041】
このようなストロー貼着手段3は、先ず接着剤塗着手段31により容器10の高さ方向の途中部の2箇所に接着剤が塗着され、ストロー送り手段32のホルダ部材60の外周部にストロー実装テープTが保持されるとともに順次切断手段33側へピッチ送りされ、ホルダ部材60の刃物挿入溝60eが切断手段33の刃物65に対面する毎に、刃物65が切断位置へ駆動して、ストロー実装テープTが先端側から順番に隣接するストローS間において切断される。そして、ストロー実装テープTを切断してなるストロー包装体Taが、容器10の外周面に塗着された接着剤に押付け手段34により押し付けられ、容器10の側面にストロー包装体Taが固定されることになる。
【0042】
ストロー貼付けユニットUの全体を角度調整する第2角度調整手段12は、図4に示すようにベルト51とプーリ50Aを介して伝達軸42から動力が入力される入力軸50を支軸として、該入力軸50を中心に搬送方向前後に角度調整できるものである。具体的には、ユニットU外の装置フレーム側に、前記入力軸50を中心とした円弧状の長溝77を設け、該長溝77に挿通してユニットU側に螺合されるボルト76を設け、角度調整の際には当該ボルト76を緩めてユニットUを回転可能とし、調整後は前記ボルト76を締め付け回転不能とする。また、ボルト76を緩めた状態におけるストロー貼付けユニットUの角度の調整は、歯車式調整機構7により行なうことになる。具体的には、調整ボルト71を回転操作することで、連結部材70を介してウォームギアを回転操作し、入力軸50に設けたウォームホイールを該ウォームギアにより回転操作して調整することになる。このように入力軸50を支軸として角度調整するので、調整前後においてベルト51のテンションや角度等が変化せず、ベルト51の微小なタイミングのずれを調節するだけで、駆動機構4,5に何ら負担を掛けることなく容易に角度調整できるのである。
【0043】
スクリューコンベア22よりも搬送方向下流側には、図1に示すように、ストロー貼着手段3によるストローSの貼付け後、容器の有無及びストローの有無を検知するセンサー83、84が設けられ、ストローが無い容器を検知した場合には、下流側に併設されたエアブロー装置91により容器を後ろ側に押し倒して、回収容器90に収納するエラー容器排出手段9が設けられている。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。例えば、ストロー貼着手段3は従来から公知のものを採用することができる。また、駆動機構4、5に用いられる各ベルトに代えて、チェーン等で構成することも勿論できる。また、本発明は直方体状の容器に対して問題なく使用できるという特徴を有するが、直方体以外に円筒状その他の種々の容器に対応できる。
【符号の説明】
【0045】
1 ストロー貼着装置 2 容器搬送手段
3 ストロー貼着手段 4 駆動機構
5 駆動機構 7 歯車式調整機構
9 エラー容器排出手段
10 容器 11 第1角度調整手段
12 第2角度調整手段
21 ベルトコンベア 22 スクリューコンベア
22a スクリュー溝 23 側部案内ロッド
23A 側部案内部材 24 補助スクリュー
24b 外周面
31 接着剤塗着手段 32 ストロー送り手段
33 切断手段 33 切断手段
34 押付け手段
40 駆動モータ 41 主軸
42 伝達軸 43 タイミングベルト
44 入力軸 44A 方向切替部
44B 駆動軸 44C 歯車
45 入力軸 45A 方向切替部

45B 駆動軸 45C 歯車
46 歯車 47 歯車
50 入力軸 50A プーリ
51 ベルト 52 入力軸
52A クラッチ 52B ブレーキ
53 タイミングベルト 54 入力軸
55 出力軸 56 入力軸
57 タイミングベルト 58 出力軸
59 タイミングベルト
60 ホルダ部材 60a ホルダ部
60b 胴部 60d 保持溝
60e 刃物挿入溝 61 上面板
62 ノズル 63 ガイドスリーブ
64 ガイド部材 64a 第1ガイド面
64b 第2ガイド面 65 刃物
66 回転ピッチ切換手段 67 枢支軸
68 回転軸 69 回転板
70 連結部材 71 調整ボルト
72 押当レバー 73 タンク
74 中心軸 74A レバー
75 支軸 75A 調整ボルト
76 ボルト 77 長溝
81 センサー 82 センサー
83 センサー
90 回収容器 91 エアブロー装置
S ストロー T ストロー実装テープ
Ta ストロー包装体 U ストロー貼付けユニット



【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を搬送する容器搬送手段と、容器搬送手段による容器の搬送途中において、容器の側面に対してストロー包装体を貼着するストロー貼着手段とを備えたストロー貼着装置であって、
前記容器搬送手段として、
前記容器を下側から支持しながら搬送するベルトコンベアを設けるとともに、
前記ベルトコンベアにて搬送される容器をスクリュー溝に1つずつ保持して、該容器をストロー貼着手段に対して相互に設定間隔をあけて順次供給するスクリューコンベアを、前記ベルトコンベアの上側に併設し、
前記ストロー貼着手段が、前記スクリューコンベアのスクリュー溝に保持された状態の容器に対してストロー包装体を貼着することを特徴とするストロー貼着装置。
【請求項2】
前記容器搬送手段として、前記ベルトコンベアの上側の前記スクリューコンベアに対向する位置に設けられ、螺旋状に次第に拡径する外周面を有してスクリューコンベアとの間に搬送された容器を前記外周面によりスクリューコンベア側に押し出し、該スクリューコンベアのスクリュー溝に嵌め込む補助スクリューを設けた請求項1記載のストロー貼着装置。
【請求項3】
前記スクリューコンベアと前記ストロー貼着手段を互いに機械的に連動させて作動してなる請求項1又は2記載のストロー貼着装置。
【請求項4】
前記ストロー貼着手段が、前記容器の側面に接着剤を塗着する接着剤塗着手段と、設定間隔おきにストローを収納したストロー実装テープをホルダ部材の外周に巻き掛けて送り出すストロー送り手段と、前記ホルダ部材に巻き掛けたストロー実装テープを隣接するストロー間において切断して、1本のストローを収容したストロー包装体に分離する切断手段と、分離したストロー包装体を保持して容器の側面に塗着した接着剤に押し付ける押付け手段とを有する請求項1〜3の何れか1項に記載のストロー貼着装置。
【請求項5】
前記接着剤塗着手段の角度を調整する第1角度調整手段と、前記ストロー送り手段、切断手段及び押付け手段の角度を一体的に調整する第2角度調整手段とを設け、前記容器の側面に対して傾斜状にストロー包装体を取付ける請求項4記載のストロー貼着装置。
【請求項6】
前記第2角度調整手段の回転中心となる支軸と同軸状の入力軸を介して、ストロー送り手段、切断手段及び押付け手段をスクリューコンベアと機械的に連動させて作動してなる請求項5記載のストロー貼着装置。
【請求項7】
前記容器が直方体状の容器である請求項1〜6のいずれか1項記載のストロー貼着装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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