説明

スパークプラグ

スパークプラグ内燃機関において空気−燃料混合気を点火するための点火プラグが開示される。スパークプラグは、電極端子延長ピンと、点火電極と、接地電極と、スリーブ絶縁体と、上部および下部絶縁体とを含む。点火電極は、延長ピンと軸線上に整列され、また延長ピンに通じている。接地電極は点火電極と接地電極の第1端部との間においてスパークギャップを規定するように、点火電極に近接している。スリーブ絶縁体は延長ピンを囲んでいる。上部絶縁体は、延長ピンの上部部分を囲んでおり、スリーブ絶縁体に接触している。下部絶縁体は、延長ピンの下部部分を囲んでおり、スリーブ絶縁体に接触している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
関連する出願の相互参照
なし。
【0002】
発明の分野
本発明は、内燃機関の燃焼室における燃焼ガスを点火するためのスパークプラグに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術
スパークプラグは、種々の用途において用いられており、また与えられた環境に適合するための他のアクセサリ部品と共に形成されている。たとえば、特定の用途で、エンジン内のボアの深さによっては、スパークプラグをスパークプラグワイヤに接続するために、別途のスパークプラグ延長部の使用を要する場合がある。アクセサリ部品を用いた設計によって、意図された目的は達成されるものの、依然として多くの問題が存在する。たとえば、多数の部品を有するスパークプラグ設計は、複雑なトレーニングを要し、またロジスティクス上の問題を生じる。そのうえ、より複雑な設計は、新規追加部品についての教示を必要とする。しかも、そのように多数の部品を有する設計は、現場組立を必要とし、またそれにともなって信頼性が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、組立の複雑さを軽減するために、与えられた環境にスパークプラグを取り付けるのに必要な部品の数を減らすことが望まれる。さらに、新規の改善された設計によって、より信頼性の高いスパークプラグが提供されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明の一の局面によれば、内燃機関中で空気−燃料混合物に点火するためのスパークプラグが提供される。スパークプラグは、点火ピンと、点火電極と、接地電極と、スリーブと、上部および下部絶縁体と、導管とを含む。点火電極は、点火ピンと軸線上に整列され、また点火ピンに通じている。接地電極は、点火ピンと接地電極の第1端部との間でスパークギャップを規定するように、点火ピンに近接している。スリーブ絶縁体は点火電極を囲んでいる。上部絶縁体は、点火電極の上部部分を囲んでおり、スリーブ絶縁体に接触している。下部絶縁体は、点火電極の下部部分を囲んでおり、スリーブ絶縁体に接触している。導管は、各部材を収容し、かつ固定する機能を有する。
【0006】
本発明の他の局面によれば、スパークプラグは電極接触ボタン形部材を含む。電極接触ボタン形部材は、点火電極と軸線上に整列され、また点火電極に接触している。
【0007】
本発明の他の局面によれば、スパークプラグは、金属電極接触ボタン形部材と点火電極との間に配置されたガスケットを含む。
【0008】
本発明のさらに他の局面によれば、スパークプラグの金属電極接触ボタン形部材は、点火電極におけるねじ山とかみ合うためのねじ山を含む。
【0009】
本発明のさらに他の局面によれば、スパークプラグは、上部および下部絶縁体を囲む金属導管を含む。
【0010】
本発明のさらに他の局面によれば、スパークプラグは、金属電極接触ボタン形部材へ電気伝導体を接続するために、シェルの端部に固定された端部ブッシングを含む。
【0011】
本発明のさらに他の局面によれば、上部絶縁体は、異なる直径を有する複数の部分を有する。
【0012】
本発明のさらに他の局面によれば、下部絶縁体は、異なる直径を有する複数の部分を有する。
【0013】
本発明のさらに他の局面によれば、上部絶縁体は、スリーブ絶縁体の第1端部を受けるための空洞を含む。
【0014】
本発明のさらに他の局面によれば、下部絶縁体は、スリーブ絶縁体の第2端部を受けるための空洞を含む。
【0015】
図面の簡単な説明
本発明の上記および他の特徴と利点とは、以下の詳細な説明および添付の図面と関連付けて考察すると、より容易に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に従うスパークプラグの断面図である。
【図2a】本発明の実施形態に従うスパークプラグの内部部分の断面図である。
【図2b】本発明の実施形態に従うスパークプラグの端面図である。
【図3】本発明の実施形態に従うスパークプラグの絶縁体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
好ましい実施形態の詳細な説明
さて図1を参照して、本発明の実施形態に従う工業用スパークプラグ10の断面図が示されている。工業用スパークプラグ10は金属導管12を含む。下部アセンブリ14および上部アセンブリ16は金属導管12の内部に収められている。下部アセンブリ14および上部アセンブリ16は、電極端子延長ピン(ETEP)20を通じて電気的に接続されている。ETEP20はスリーブ絶縁体ジャケット22によって囲まれている。金属導管12は、ステンレス鋼、またはこれに類する何らかの合金の鋼のような金属材料から作られている。ジャケット22はシリコーンゴムまたはポリマーのような非伝導性材料から作られている。
【0018】
ブッシング18は第1ブッシング端部24で金属導管12に、溶接または他の取付手段によってつながれている。ブッシング18の他方端部26には複数のねじ山28がある。ネジ山28はスパークプラグワイヤ(図示せず)にブッシング18を取り付けるためのものである。通常知られているように、このスパークプラグワイヤは、スパークプラグへ電圧を供給するためのエネルギー源に接続されている。
【0019】
ETEP20は、複数のねじ山を有する第1端部28と、複数のねじ山を有する第2端部30とを含む。ETEP20の第1端部28は端子スタッド32内へと通されており、また端部30は電極接触ボタン形部材34へと通されている。端子スタッド32および電極接触ボタン形部材34は、一般に、アルミニウム−ニッケル合金から作られている。端子スタッド32および電極接触ボタン形部材34は、燃焼ガスが金属導管12に侵入してこれを通過することを防止する。
【0020】
さて図2aおよび2bを参照して、本発明の実施形態に従う下部アセンブリ14について、以下に詳細に説明する。アセンブリ14はスパークプラグ10の点火端部である。言い換えれば、印加された高電圧パルスはサブアセンブリ14へ伝搬される。サブアセンブリ14は、スパークプラグ10に供給された高電圧パルスがETEP20および導管12の間から漏れることを防止するための下部絶縁体50を含む。下部絶縁体50は、通常、アルミナまたはこれに類する材料から作られている。下部絶縁体50は下部シェル52内部に収められている。下部シェル52は、エンジンブロック(図示せず)内のボアとかみ合う複数のねじ山を含む第1端部54を有する。下部絶縁体50は、下部シェル52内に配置されており、シェル52内で座部55へ押し付けられた下部肩部53を有する。下部シェル52の第2端部56は、下部絶縁体50に絶縁体50の上部肩部58でかみ合うことで、この絶縁体をつかんでいる。より具体的には、肩部58の上方で端部56を圧着することによって、絶縁体50は下部シェル52内部に保持されている。環状溝57はシェル52に狭幅壁区間59を定めるよう配されている。壁区間59が陥没して外側に伸びるように、狭幅壁区間59は加熱され、シェル52の各端部へ圧力が加えられる。この陥没した壁部59によってシェル52の長さが減少する。シェル52の長さが減少することによって、下部絶縁体50上への所定の圧力が生じ、この絶縁体はシェル52の内部の位置に確実に保持される。
【0021】
点火電極60はシェル52の第1端部54近傍に配置されている。ETEP20は、点火電極60へ接続されており、スプリングおよびサプレッサ(無線周波数)64を介して点火電極60へ電圧を供給する。接地プレート66は、点火電極60を囲んでおり、またシェル52の端部54に溶接または他の方法で取り付けられている。後述するように、スパークギャップは点火電極60および接地プレート66の間のクリアランスによって規定されている。
【0022】
点火電極60および接地プレート66の端面図を図2bに示す。図2bに示すように、接地プレート66は、点火電極60の内側へと延びる複数の爪70を含む。この内側へと伸びる爪70の各々の端部と点火電極60とがスパークギャップを形成し、このスパークギャップに渡ってスパークが生成される。
【0023】
さて図3を参照して、本発明の実施形態に従う上部絶縁体アセンブリ16をさらに示す。上部絶縁体アセンブリ16は、第1端部92を有する上部絶縁体を含む。第1端部92近傍には環状溝94がある。環状溝94はシーリングガスケット(図示せず)を受けるように形成されている。このシーリングガスケットは、導管12内部において、上部絶縁体90を封止し、また位置付ける。上部絶縁体90の他方端部96近傍には、徐々に小さくなる直径を有する一連の階段状部分がある。より具体的には、上部絶縁体90は、第1直径部分98、第2直径部分100、第3直径部分102、および第4直径部分104を含む。部分100、102および104の内径は同一寸法であり、また部分98の内径は、部分100、102および104の内径よりも大きい。さらに、上部絶縁体90は、移行領域、すなわち座部106を含む。座部106は、座部およびスリーブ22にシーリングガスケット(図示せず)を受けるように形成されている。
【0024】
組立において、上部絶縁体90は、導管12の内部に配置され、そして下部アセンブリ14の方へ、スリーブ22が座部106に接触するまで移動される。スリーブ22および座部106の接触により、下部絶縁体50の方への上部絶縁体90のさらなる移動が防止される。次にブッシング18が導管12内へと、ブッシング18の内壁が絶縁体90の外壁に端部96で接触するまで導入される。次にブッシング18が溶接または他の方法で機械的に導管12に固定され、これにより上部絶縁体90が導管12内部において動かないようにされる。
【0025】
上記発明は関連する法的基準に従って説明したものであり、よってこの説明は制限的なものではなくむしろ全く例示的なものである。開示した実施形態に対する変形および修正が当業者に明らかとなり得、かつ本発明の範囲内に入り得る。したがって、本発明に与えられる法的保護の範囲は、以下の請求の範囲を検討することによってのみ決定され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極端子延長ピンと、
前記延長ピンと軸線上に整列され、かつ前記延長ピンに通じた点火電極と、
接地電極とを備え、前記接地電極は、前記点火電極と前記接地電極の第1端部との間でスパークギャップを規定するように前記点火電極に近接しており、さらに
前記点火電極を囲むスリーブ絶縁体と、
前記延長ピンの上部部分を囲み、かつ前記スリーブ絶縁体に接触する上部絶縁体と、
前記延長ピンの下部部分を囲み、かつ前記スリーブ絶縁体に接触する下部絶縁体とを備える、スパークプラグ。
【請求項2】
前記点火電極と軸線上に整列され、かつ前記点火電極に接触する金属接触ボタン形部材をさらに備える、請求項1のスパークプラグ。
【請求項3】
前記金属接触ボタン形部材および前記点火電極の間に配置されたガスケットをさらに備える、請求項1のスパークプラグ。
【請求項4】
前記金属接触ボタン形部材は、前記点火電極におけるねじ山にかみ合うためのねじ山を含む、請求項2のスパークプラグ。
【請求項5】
前記上部および下部絶縁体を囲む金属シェルをさらに備える、請求項2のスパークプラグ。
【請求項6】
前記金属接触ボタン形部材へ電気伝導体を接続するために、前記シェルの端部に固定された端部ブッシングをさらに備える、請求項5のスパークプラグ。
【請求項7】
前記上部絶縁体は、異なる直径を有する複数の部分を有する、請求項1のスパークプラグ。
【請求項8】
前記下部絶縁体は、異なる直径を有する複数の部分を有する、請求項1のスパークプラグ。
【請求項9】
前記上部絶縁体は、前記スリーブ絶縁体の第1端部を受けるための空洞を含む、請求項1のスパークプラグ。
【請求項10】
前記下部絶縁体は、前記スリーブ絶縁体の第2端部を受けるための空洞を含む、請求項1のスパークプラグ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−541178(P2010−541178A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527924(P2010−527924)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/080136
【国際公開番号】WO2009/045209
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】