説明

スパークプラグ

【課題】アルコール燃料を用いても、プレイグニッションが発生しないスパークプラグを提供すること。
【解決手段】アルコール燃料の燃焼により動力を出力する内燃機関に用いられるスパークプラグであって、脚長が12〜14mmであり、ガスボリューム部の体積が235.6〜348.5mmであることを特徴とするスパークプラグ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はアルコール燃料を含む燃料を用いて動力を出力する内燃機関に用いるスパークプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、様々なスパークプラグが開発されてきた。具体的には、例えば特許文献1に記載されたガソリンを用いる内燃機関用のスパークプラグ、及び特許文献2に記載されたアルコール燃料を用いる内燃機関用のスパークプラグ等が挙げられる。
【0003】
特許文献1には、「・・・絶縁体(2)の軸線方向(O)において前記火花放電ギャップ(g)の位置する側を前方側、これと反対側を後方側として、前記絶縁体(2)は、前端部(2i)が周方向の段部により縮径されて該段部が絶縁体側係合部(2h)とされ、前記主体金具(1)に対し後方側開口部から挿入されるとともに、前記絶縁体側係合部(2h)が前記主体金具(1)の内周面から突出する金具側係合部(1c)と係合し、かつ、前記絶縁体(2)の前記絶縁体側係合部(2h)よりも前方側に位置する部分(2i)の外周面・・・(2k)が、前記金具側係合部(1c)の内周面・・・(52)と、所定量の係合位置隙間(Q)を形成する形にて対向する・・・ことを特徴とするスパークプラグ」が記載されている(特許文献1の請求項1参照。)。また、特許文献1に記載のスパークプラグは、「耐汚損性を損ねることなく、スパークプラグの小型化を有効に図ることができる」という技術的効果を奏すると記載されている(特許文献1の段落番号0009欄参照。)。
【0004】
特許文献2には、「・・・中心電極(1)の先端部の白金(3)の外側電極の先端方向の側面(32)より外側電極(2)の先端部の白金(4)の外側電極の先端方向の側面(42)を中心電極(1)の中心線側にe2引込めると共に、中心電極(1)の先端部の白金(3)の外側電極(2)の根元方向の側面(31)より外側電極(2)の先端部の白金(4)の外側電極(2)の根元方向の側面(41)を中心電極(1)の中心線側と反対方向寄りにe1だけ突出させ、外側電極(2)の白金取付土台(5)の先端面(52)を外側電極(2)の先端部の白金(4)の外側電極の先端方向の側面(42)より中心電極(1)の中心線側にe3引込ませ、・・・かつ、外側電極の先端部の白金(4)の両側の外側電極(2)の土台(5)に外側電極先端部の白金(4)の外側電極の長手方向の長さl2方向に沿い傾斜角度(β)を付けたことを特徴とするアルコールエンジンのスパークプラグ」が記載されている(特許文献2の請求項1参照)。また、特許文献2に記載のスパークプラグは、「従来湾曲して火花が飛ぶことにより、白金チップ溶接の土台となっている金属が早期に消耗して白金が土台から脱落するようなことを確実に防止できるので、スパークプラグの信頼性と寿命を向上することができる」という技術的効果を奏すると記載されている(特許文献2の第3頁右欄第15行〜第18行参照。)。
【0005】
しかしながら、アルコール燃料を燃焼させて動力を出力する内燃機関に、ガソリンを燃焼させて動力を出力する内燃機関に用いられる従来のスパークプラグを、用いると、プレイグニッションが発生してしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−260817号公報
【特許文献2】実用新案登録第2554973号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、アルコール燃料を燃焼させて動力を出力する内燃機関に用いても、プレイグニッションの発生がないか、その発生を十分に抑制することのできるスパークプラグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段は、
(1) アルコール燃料の燃焼により動力を出力する内燃機関に用いられるスパークプラグであって、
脚長が12〜14mmであり、ガスボリューム部の体積が235.6〜348.5mmであることを特徴とするスパークプラグ、及び、
(2)前記ガスボリューム部の体積が249.1〜348.5mmである請求項1に記載のスパークプラグである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によると、脚長が12〜14mmであり、ガスボリューム部の体積が235.6〜348.5mm、好ましくは249.1〜348.5mmであることにより、アルコール燃料を燃焼して動力を取り出す内燃機関にあってはプレイグニッションの発生がないか、又はその発生を抑制することのできるスパークプラグを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、この発明に係るスパークプラグの一実施態様を示した一部断面概略図である。
【図2】図2は、図1に示したスパークプラグの一部拡大断面図である。
【図3】図3は、この発明に係るスパークプラグの他の実施態様を示した一部断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明に係るスパークプラグは、アルコール燃料を燃焼することにより動力を出力する内燃機関に装着されるスパークプラグである。この発明に係るスパークプラグは、その脚長が12〜14mmであり、ガスボリューム部の体積が235.6〜348.5mmである。
【0012】
ここで、この発明に係るスパークプラグについて、図1に示す一実施態様を参照しつつ説明する。
【0013】
図1には、スパークプラグ1が示されている。スパークプラグ1は、主体金具2と、絶縁体3と、接地電極4とを備えている。なお、図1〜5に示すように、この発明に係るスパークプラグの実施態様は、図面における上方を後端側と称することがあり、図面における下方を先端側と称することがある。
【0014】
主体金具2は筒体であり、絶縁体3を保持している。主体金具2の周側面には、エンジンブロック(図示せず)等に形成された雌螺子穴に螺合することのできるネジ部5が形成されている。
主体金具2は、低炭素鋼等の金属材料で形成されている。主体金具2における各部位の寸法は、スパークプラグ1が取り付けられるエンジンブロック等を初めとする他の装置の寸法に合わせて決定される。主体金具2におけるネジ部5は、その寸法等が、M10、M12、及びM14等と規格化されている。
【0015】
また、絶縁体3は、主体金具2と同様に筒体である。更に、絶縁体3は、スパークプラグ1の先端側から順に、中心電極6、先端側導電体7、抵抗体8、後端側導電体9及び端子金具10を収容している。中心電極6は、通電したときにその先端と接地電極4との間に火花が飛ぶように、導電性部材で形成されている。なお、中心電極6、先端側導電体7、抵抗体8、後端側導電体9及び端子金具10は、全て導電性部材で形成されている。中心電極6は、その部位によって要求される電気的特性及び熱的特性等が相違するので、例えばこの実施例では中心電極6の芯部分は放熱効率が高い銅又は銅合金等によって形成され、中心電極6における芯部分を取り囲む部分はニッケル合金等によって形成されている。先端側導電体7と後端側導電体9とは、いずれも導電性ガラスシール層とも称される公知の部材である。先端側導電体7と後端側導電体9とに挟持される抵抗体8は、例えばガラス粉末と導電材料粉末との混合物、又はガラス粉末と導電材料粉末と前記ガラス以外の適宜のセラミック粉末とを更に混合して成る混合物等によって形成することができる。端子金具10の後端には、高圧ケーブル(図示せず)がプラグキャップ(図示せず)を介して接続され、端子金具10に高電圧が印加されるようになっている。
【0016】
接地電極4は、その一端部が主体金具2の先端に結合し、中央部がスパークプラグ1の中心軸線に直交する方向に屈曲しており、他端部が中心電極6の先端に近接している。主体金具2と接地電極4とを結合する方法乃至態様は、スパークプラグ1の使用時に発生する衝撃、振動、及び熱等によって結合状態が阻害されない限り特に制限は無く、例えば溶着等が好ましい。接地電極4の他端と中心電極6の先端とは非接触状態に保持されており、相互の距離は印加される電圧、使用される燃料、及び部材を形成する材料等によって適宜に設定される。
【0017】
スパークプラグ1は、主体金具2、絶縁体3、接地電極4、及びその他の部材の結合状態がスパークプラグ1の使用時に発生する振動、衝撃及び熱等によって阻害されないように、組み立てられている。
【0018】
ここで、スパークプラグ1の先端部を拡大した断面図を、図2に示す。
【0019】
図2に示されるように、絶縁体3は、後端側が太径であると共に先端側が細径である。絶縁体3の周側面は、太径部分の周側面である後端側外周面11と、太径部分から細径部分へと連続する傾斜面である肩部12と、細径部分の周側面である先端側外周面13とから成る。先端側外周面13は、絶縁体3の先端側が縮径するように、スパークプラグ1の軸線に対して傾斜している。絶縁体3の先端部は、主体金具2の先端側の開口部14から突出している。この絶縁体3の前記開口部14から突出する部分を突出部15と称する。
【0020】
また、主体金具2は、主体金具2の先端開口部から絶縁体3が脱離しないように、主体金具2の内周面に凸部16が形成されている。詳述すると、主体金具2の内周面は、前記後端側外周面11に摺接する後端側内周面17と、後端側内周面17から連続し、前記肩部12に臨んで主体金具2の内径が縮径するように傾斜する後端側傾斜面18と、スパークプラグ1の軸線に沿って後端側傾斜面18から延在し、前記先端側外周面13に臨む山部19と、山部19に連続し、主体金具2の内径が拡径するように傾斜する先端側傾斜面20と、スパークプラグ1の軸線に沿って先端側傾斜面20から開口部14まで延在する先端側内周面21とから成る。
主体金具2の後端側傾斜面18と絶縁体3の肩部12との間の間隙には緩衝材である円環状の板パッキンPが介装されている。
【0021】
図2に示されるように、主体金具2の内周面と絶縁体3の外周面との間には、隙間が形成されている。更に言うと、前記隙間は、主体金具2の開口部14と、後端側傾斜面18と、山部19と、先端側傾斜面20と、先端側内周面21と、絶縁体3の肩部12と、突出部15以外の先端側外周面13とで取り囲まれ、かつ板パッキンPの容積を除く空間である。この隙間即ち前記空間を、以下において「ガスボリューム部GV」と称することがある。また、絶縁体3において、後端側外周面11と肩部12との接点から先端部までのスパークプラグ1の軸線に平行な距離を、以下において「脚長L」と称することがある。ガスボリューム部GVの体積及び脚長Lは、絶縁体3の先端側外周面13が火炎に曝される表面積と点火後の放熱特性とを左右する。この発明に係るスパークプラグにおいて、ガスボリューム部は、主体金具の開口部から後端側であって、主体金具の内周面と絶縁体の外周面とによって形成される隙間であり、気体が侵入可能であるので点火後の絶縁体からの放熱が可能な領域である。
【0022】
なお、この発明に係るスパークプラグは、アルコール燃料を燃焼させて動力を出力する内燃機関に用いられる。なお、アルコール燃料としては、アルコールのみの燃料及びアルコールとガソリンとの混合燃料を意味する。
【0023】
アルコール燃料に採用されるアルコールとしては、近年に内燃機関用に製造されているアルコールであれば特に制限は無く、例えばメタノール、エタノール、プロパノール及びブタノール等を挙げることができ、特に車両の内燃機関用に製造されているメタノール及びエタノール等が好適である。
【0024】
アルコールとガソリンとは、内燃機関内での燃焼態様が異なる。したがって、ガソリンエンジンに搭載されるスパークプラグをアルコール燃料用の内燃機関に搭載すると、ガソリンを燃焼させたときには発生しなかった不具合が生じることがある。
【0025】
ガスボリューム部GVの体積及び脚長Lが共に大きいスパークプラグを搭載する内燃機関にガソリン、又はアルコール燃料を供給して燃焼させると、スパークプラグ1における絶縁体3の先端側外周面13が火炎に曝される表面積が大きくなること、及び、ガスボリューム部GVからスパークプラグ1外に放熱する経路が長くなることによって、絶縁体3からプレイグニッションが発生し易い。
【0026】
ガスボリューム部GVの体積及び脚長Lが共に小さいスパークプラグを搭載する内燃機関にガソリンを供給して燃焼させると、絶縁体3だけでなく他の部材からもプレイグニッションが発生しない。
【0027】
ガスボリューム部GVの体積及び脚長Lが共に小さいスパークプラグを搭載する内燃機関にアルコール燃料を供給して燃焼させると、絶縁体3からプレイグニッションは発生しないが、接地電極4からプレイグニッションが発生し易い。
【0028】
この発明に係るスパークプラグは、脚長が12〜14mmであり、ガスボリューム部が235.6〜348.5mmであることによって、アルコール燃料を用いたとしても、絶縁体からのプレイグニッションだけでなく、接地電極からのプレイグニッションの発生も防止することができる。特に、アルコール燃料としてガソリン無含有のアルコール燃料を用いた場合に、この発明に係るスパークプラグは、内燃機関を低回転、及び高過給状態に維持しても、絶縁体及び接地電極からプレイグニッションが発生しないか、十分に抑制される。
一般的にいうと、この発明に係るスパークプラグを実装したエンジンをアルコール燃料で駆動した場合に、スパークプラグにおける絶縁体に存在する熱は、板パッキンなどのパッキンに伝導し、パッキンから主体金具へと伝導する。スパークプラグの脚長が14mmを超えると、絶縁体先端から主体金具までの長さが大きいので、絶縁体先端から主体金具までの熱の伝達が悪くなり、その結果として絶縁体先端の温度が低下しにくくなる。つまり絶縁体先端の温度が高い状態のままとなる。そうすると、スパークプラグの絶縁体先端でプレイグニッションが発生する。一方、脚長が12mmよりも短いと、絶縁体に存在する熱量は主体金具へと伝導し易くはなるが、脚長が14mmよりも長い場合に比べて主体金具に蓄積される熱量が多くなり、その結果として外側電極に存在する熱量が主体金具へ伝導し難くなる。そうすると、スパークプラグの外側電極でプレイグニッションが発生し易くなる。
よって、脚長に関する上記現象から、脚長が12〜14mmの範囲内にあるとプレイグニッションの発生がなくなるか、又は十分に抑制される。
【0029】
なお、この発明に係るスパークプラグにおけるガスボリューム部の体積の測定方法としては、先ずスパークプラグを解体して各部位の寸法、特に主体金具の内周面における各部位の寸法、及び絶縁体の外周面における各部位の寸法を測定し、スパークプラグの図面を作製し、更に電気計算機のCADソフト等を用いることによりガスボリューム部として形成される領域の体積を算出する方法を挙げることができる。
【実施例】
【0030】
脚長とガスボリューム部とを様々に変化させたスパークプラグを作製して、様々な燃料を用いた場合にプレイグニッションの発生の有無を評価した。
【0031】
ガスボリューム部の体積は、脚長の調整と絶縁体形状を変更することによって調整した。絶縁体の変形態様としては、例えば図3(a)〜(d)に示す態様を挙げることができる。
詳述すると、図3(a)に示すスパークプラグの絶縁体は、図1及び2に示したスパークプラグの絶縁体と同様の形状を成し、肩部12から絶縁体の先端部に向うに連れて外径が小さくなっていく縮径部の先端側外周面13が形成されてなる。
図3(b)に示す絶縁体は、主体金具2の山部19に向うとともに前記山部19が形成している内周面に、僅かのクリアランスをもって臨む外周面13Aと、前記山部19が途切れる端部から離れつつ、絶縁体の先端部に向うに連れてその外径が小さくなっていく先端側外周面13とを有して成る。
図3(c)に示す絶縁体は、主体金具2の山部19に向うとともに前記山部19が形成している内周面に僅かのクリアランスをもって臨む外周面13Aと、前記山部19との接触から離れたその外周面が円錐形を形成している円錐部13Bと円錐部13Bから先端に向う円柱部13Cとからなる先端側外周面13とを、有して成る。
図3(d)に示す絶縁体は、図3(b)に示した絶縁体における先端側外周面の後端側の変形部分が、更に延長されて成り、具体的には、主体金具2の山部19に向うとともに前記山部19が形成している内周面よりも軸線方向長さの大きな、円柱外周面に相当する外周面13Dと、その外周面13Dの下端から先端に向って円錐状に形成された円錐部13Eとを有して先端側外周面13が形成されてなる。
【0032】
評価に用いたスパークプラグは、以下の表1及び表2に示す脚長L(mm)及び絶縁体形状となるように、従来公知の作製方法により作製した。ネジ径がM14mm、発火位置が5mmとなるように設定した。なお、表1に示すスパークプラグと、表2に示すスパークプラグとの相違点は、絶縁体基部すなわち絶縁体における先端側外周面の後端側のストレート部すなわち円柱部の長さが違う点である。
【0033】
作製したスパークプラグを、エンジン回転数が2700rpm、点火時期が30°CAの条件下で、過給圧を上げて燃料室内の温度を上昇させ、接地電極の温度を高くしてプレイグニッションが発生するポイントを確認し、プレイグニッションが発生するときの平均有効圧力であるIMEP値を評価することにより、プレイグニッション発生の有無を評価することとした。
【0034】
表1及び表2において、ガスボリューム部の体積を「GV」として示し、絶縁体形状が図3(a)に示した形状であるスパークプラグは「a」と示し、絶縁体形状が図3(b)に示した形状であるスパークプラグは「b」と示し、絶縁体形状が図3(c)に示した形状であるスパークプラグは「c」と示し、絶縁体形状が図3(d)に示した形状であるスパークプラグは「d」と示した。また、プレイグニッション発生の有無の評価について、用いた燃料がアルコール燃料である場合には「アルコール」と示し、アルコール燃料とガソリンとの混合燃料であってアルコール燃料の体積分率が20%である場合には「アルコール20%」と示した。また、表1中の◎、○、×は以下の意味を有する。
◎:エンジンを2分間運転した場合にプレイグニッションの発生が5回未満である。
○:エンジンを2分間運転した場合にプレイグニッションの発生が5回以上20回未満である。
×:エンジンを2分間運転するまでの間にプレイグニッションの発生が20回以上である。
【0035】
【表1】

【0036】
以下の表2中、脚長が14mmであって、絶縁体形状が図3(a)に示した態様である場合に、絶縁体先端部における絶縁体の径を4.7mmから4.0mmに変更した実験例には、「a 絶縁体先端径変更」と示した。表2における◎、○及び×の意味は表1におけるのと同様である。
【0037】
【表2】

【0038】
表1及ぶ表2に示されるように、脚長が12〜14mmの範囲外であり、かつガスボリューム部の体積が235.6〜348.5mmの範囲外であるスパークプラグは、燃料の種類によって接地電極又は絶縁体においてプレイグニッションが発生した。また、脚長は12〜14mmの範囲内であるが、ガスボリューム部の体積が235.6〜348.5mmの範囲外であるスパークプラグは、燃料の種類によって接地電極又は絶縁体においてプレイグニッションが発生した。
【0039】
しかしながら、表1及び表2に示されるように、脚長が12〜14mmの範囲内であり、かつガスボリューム部の体積が235.6〜348.5mmの範囲内であるスパークプラグは、アルコール燃料(すなわち、アルコールのみの燃料及びアルコールとガソリンとの混合燃料)及びガソリンのいずれの燃料を用いた場合であっても、絶縁体だけでなく、接地電極からもプレイグニッションが発生しなかった。
【符号の説明】
【0040】
1 スパークプラグ
2 主体金具
3 絶縁体
4 接地電極
5 ネジ部
6 中心電極
7 先端側導電体
8 抵抗体
9 後端側導電体
10 端子金具
11 後端側外周面
12 肩部
13 先端側外周面
14 開口部
15 突出部
16 凸部
17 後端側内周面
18 後端側傾斜面
19 山部
20 先端側傾斜面
21 先端側内周面
GV ガスボリューム部
L 脚長
P 板パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール燃料の燃焼により動力を出力する内燃機関に用いられるスパークプラグであって、
脚長Lが12〜14mmであり、ガスボリューム部の体積が235.6〜348.5mmであることを特徴とするスパークプラグ。
【請求項2】
前記ガスボリューム部の体積が249.1〜348.5mmである請求項1に記載のスパークプラグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−55022(P2013−55022A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194415(P2011−194415)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】