説明

スピニングリールのスプール支持構造

【課題】スピニングリールのスプールにおいて、保持部材のがたつきを容易かつ確実に防止する。
【解決手段】保持部材70は、第1保持部72と、第2保持部73と、第1保持部72と第2保持部73との間に設けられた円板部71と、スプール軸15の非円形部15bが内周部を軸方向に貫通する貫通孔74と、第1保持部72の前端部に径方向に貫通するように切削加工により切り欠かれスプール軸15の非円形部15bが係合可能に軸方向断面が非円形に形成された非円形断面部77とを有している。非円形断面部77は、対向する2面が平行となるようにフライス加工により第1保持部72の前端部が切り欠かれて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプール支持構造、特に、スプール軸にスプールを回転可能に装着するためのスピニングリールのスプール支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スピニングリールは、ハンドルを回転自在に支持するリール本体と、ロータと、スプール軸に回転可能に装着されたスプールとを備えている。スピニングリールのスプールは、リール本体に対して前後移動自在であり、外周に釣り糸が巻き付けられ内周にスプール軸が装着される糸巻胴部と、糸巻胴部の後端部に設けられた大径筒状のスカート部とを備えている。糸巻胴部の後端部には、スプール軸に移動不能に装着され、スプールの後方への移動を規制する環状部材が配置されている。環状部材の内周側には、略長円形の非円形の貫通孔が形成されており、断面が非円形に形成されたスプール軸の前端部に回転不能に装着されている。また、フロントドラグ型のスピニングリールでは、糸巻胴部の内部には、複数のドラグ板からなるドラグ機構等を有している。
【0003】
このようなスプールは、たとえばボールベアリング等の軸受によりスプール軸に回転自在に装着されている(たとえば、特許文献1参照)。この種の軸受は、糸巻胴部の内周に配置され、スプール軸の外周に回転不能に装着され内周が円形に形成された孔部を有する筒状の保持部材に保持されている。保持部材は、後端部が環状部材に当接しており、糸巻胴部により後方に押圧されている。また、保持部材にはスプール軸と交差する貫通孔が形成され、スプール軸には貫通孔に連通する雌ねじが形成されている。これらの貫通孔及び雌ねじに六角穴付き止めねじ等のピン部材を挿通螺合させることにより、保持部材をスプール軸に回転不能に固定している。ここでは、保持部材の後端部を環状部材に当接させることにより、スプールの後方への移動を規制しているので、ドラグ機構を作動してドラグ板を後方に押圧できる。
【0004】
このようなスピニングリールでは、たとえば実釣時に魚等との駆け引きを楽しむために、ドラグ機構を緩めて釣りを行うことがある。このようにドラグ機構を緩めると、後方に押圧されていたドラグ板の押圧力が小さくなる。ドラグ板の押圧力が小さくなると、糸巻胴部が保持部材を後方に押圧する力が小さくなる。すると、ここでは保持部材に形成された円形の孔部に断面が非円形のスプール軸が貫通しているので、保持部材とスプール軸との間の略弓形の隙間により、がたつきが生じるおそれがある。保持部材にがたつきが生じると、スプールの滑らかな前後移動に支障をきたすおそれが生じる。
【0005】
そこで、このような問題を解消するために、保持部材の円形部とスプール軸の非円形部との間に隙間に、断面が隙間の形状に合致するようながたつき防止部材を装着したものが知られている(たとえば、特許文献2参照)。ここでは、保持部材の円形部とスプール軸の非円形部との間に隙間に、断面が隙間の形状に合致するようながたつき防止部材を装着することにより隙間を減少できるので、保持部材のがたつきを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−204640号公報
【特許文献2】特開2005−103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来のスプールは、保持部材の円形部とスプール軸の非円形部との間に隙間に、断面が隙間の形状に合致するようながたつき防止部材を装着することにより隙間を減少できる。しかし、この場合には、保持部材と別体のがたつき防止部材を別途設けなければならないので、スプール全体の部品点数が増加するとともに、スプール組立工数が増大することによって、スプールの製造コストが増加するおそれが生じる。さらに、保持部材の円形部とスプール軸の非円形部との間に隙間は非常に小さい隙間であるので、この小さい隙間に合致するようにがたつき防止部材を非常に薄く形成する必要があり、このため、がたつき防止部材の形成が困難である。
【0008】
本発明の課題は、スピニングリールのスプールにおいて、保持部材のがたつきを容易かつ確実に防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明1に係るスピニングリールのスプール支持構造は、リール本体に対して前後移動自在に設けられ、少なくとも前端側の軸方向断面が非円形に形成された非円形部を有するスプール軸にスプールを回転可能に装着するためのスピニングリールのスプール支持構造であって、軸受部と、保持部材と、固定部材とを備えている。軸受部は、スプールの内周部に配置され、スプールを回転可能に支持する。保持部材は、保持部と、貫通孔と、非円形断面部とを有する。保持部は、外周部に軸受部が配置される。貫通孔は、軸方向断面が円形に形成され、スプール軸の非円形部が後側から挿通可能に内周部を軸方向に貫通する。非円形断面部は、保持部の前端部に切削加工により切り欠かれ、スプール軸の非円形部が係合可能に軸方向断面が非円形に形成される。固定部材は、保持部材をスプール軸に軸方向移動不能に固定する。
【0010】
このスプール支持構造では、保持部材は、保持部の前端部に切削加工により切り欠かれ、スプール軸の非円形部が係合可能に軸方向断面が非円形に形成された非円形断面部を有している。ここでは、保持部材の非円形断面部がスプール軸の非円形部に係合するようになっているので、保持部材の内周部とスプール軸の非円形部との間の隙間をなくすことができ、保持部材のがたつきを防止することができる。さらに、ここでは、非円形断面部は、保持部の前端部に切削加工により切り欠かれて形成されているので、保持部の内径(または外径)を同じ加工の基準として保持部の外径(または内径)とともに非円形断面部を切削加工できるので、非円形断面部を高精度かつ容易に形成することができ、保持部材のがたつきを容易かつ確実に防止することができる。
【0011】
また、たとえばプレス加工や射出成形によって非円形断面部を形成することが考えられるが、プレス加工や射出成形する場合には、プレス加工による抜きダレや射出成形による抜きテーパが発生するために、スプール軸の非円形部との係合面が平行でなくなり、傾きが生じるおそれがある。これに対して、本件の非円形断面部は、切削加工により切り欠かれて形成されているので、プレス加工や射出成形による問題を生じさせることなく、高精度に非円形部との係合面を形成することができる。このように非円形断面部を高精度に形成することによって、保持部材のがたつきをより確実に防止することができる。
【0012】
発明2に係るスプール支持構造は、発明1のスプール支持構造において、非円形断面部は、保持部の前端部に径方向に貫通するように切り欠かれて形成されている。この場合、切削工具のサイズを比較的制限することなく非円形断面部を加工できるとともに、非円形断面部の非円形断面を高精度に加工するだけでスプール軸の非円形部以外の部分が非円形断面部の非円形断面以外の部分に干渉しにくくなる。
【0013】
発明3に係るスプール支持構造は、発明1又は2のスプール支持構造において、非円形断面部は、フライス加工により形成されている。この場合、特に、非円形断面部を平行な2面で形成する場合、非円形断面部を高精度かつ容易に形成することができる。
【0014】
発明4に係るスプール支持構造は、発明1から3のいずれかのスプール支持構造において、非円形断面部は、対向する2面が平行となるように切り欠かれている。この場合、スプール軸の非円形部を平行な2面を有する略小判形状に形成し、非円形部の平行な2面に非円形断面部の対向する2面が平行を係合させることによって、保持部材のがたつきを容易かつ確実に防止することができる。
【0015】
発明5に係るスプール支持構造は、発明1から4のいずれかのスプール支持構造において、軸受部は、第1軸受と、第1軸受の後側に配置される第2軸受とを有している。保持部は、前端部に非円形断面部が形成され外周部に第1軸受が配置される第1保持部と、第1保持部の後側に配置され外周部に第2軸受が配置される第2保持部とを有している。この場合、2つの第1軸受及び第2軸受により、スプールを安定した状態で支持できる。
【0016】
発明6に係るスプール支持構造は、発明5のスプール支持構造において、第1保持部と第2保持部との間に設けられ、外周部が第1保持部及び第2保持部より大径になるように形成された円板部をさらに有する。この場合、円板部の前側に第1軸受やドラグ板を配置し、円板部の後側に第2軸受を配置できる。
【0017】
発明7に係るスプール支持構造は、発明5又は6のスプール支持構造において、第1保持部は、固定部材が挿通可能な貫通孔をさらに有している。この場合、第1保持部側に非円形断面部と貫通孔とが形成されているので、第1保持部側に非円形断面部を形成しかつ第2保持部側に貫通孔を形成する場合に比して、貫通孔の形成が容易になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スピニングリールのスプールにおいて、保持部材は、保持部の前端部に切削加工により切り欠かれ、スプール軸の非円形部が係合可能に軸方向断面が非円形に形成された非円形断面部を有しているので、保持部材のがたつきを容易かつ確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態によるスピニングリールの側面図。
【図2】前記スピニングリールの側面断面図。
【図3】前記スピニングリールのスプールの拡大側面断面図。
【図4】前記スプールの保持部材周辺の拡大側面断面図。
【図5】前記保持部材装着部分の拡大斜視図。
【図6】前記保持部材の拡大斜視図。
【図7】前記保持部材の拡大正面図。
【図8】前記保持部材の拡大側面断面図。
【図9】前記スピニングリールのロータ装着部分の拡大側面断面図。
【図10】前記スピニングリールのハンドルの斜視図。
【図11】前記ハンドルのハンドルアーム装着部分の拡大斜視図。
【図12】前記ハンドルのハンドル把手の拡大斜視図。
【図13】前記ハンドル把手の拡大側面断面図。
【図14】前記ハンドル把手の筒状部の拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、図1に示すように、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。なお、ハンドル1は、リール本体2の左右いずれにも装着可能である。
【0021】
ハンドル1は、図1及び図2に示すように、ハンドル軸85(図2参照)の先端に回転不能に装着されたハンドルアーム1b(図1参照)と、ハンドルアーム1bの先端に固定された棒状の把手軸1c(図1参照)と、把手軸1cに回転自在かつ軸方向移動不能に装着されたハンドル把手1a(図1参照)とを有している。ハンドルアーム1bは、図10に示すように、アルミニウム合金を切削加工することにより形成された棒状部材であって、ハンドル軸85の先端部から径方向外方に延びる中空棒状のアーム部86と、アーム部86の先端部に板状に設けられ把手軸1c(図1参照)を装着するための第1装着部87と、アーム部86の基端部に半球状に設けられハンドル軸85の先端部を装着するための第2装着部88とを有している。アーム部86は、先端部がリール本体2側に屈曲したクランクアームである。第1装着部87には、棒状の把手軸1c(図1参照)を挿通し回転自在に固定するための貫通孔87aが形成されている。
【0022】
第2装着部88は、図10及び図11に示すように、ハンドル軸85の先端部をピン部材89によってハンドルアーム1bにかしめ固定するためのものである。第2装着部88は、外周面が半球状に形成された半球状部88aと、半球状部88aの内側(リール本体2側)に内方に向かって突出して形成された2つの第1突出部88b及び第2突出部88cとを有している。第1突出部88b及び第2突出部88cの側部(突出方向と交差する方向、ハンドル軸85と交差する方向)には、それぞれ第1貫通孔88d及び第2貫通孔88eが形成されている。第1貫通孔88d及び第2貫通孔88eは、ハンドル軸85の先端部の図示しない貫通孔と連通する貫通孔であって、3つの貫通孔を連通させた状態でピン部材89を装着してかしめ固定することにより、ハンドル軸85をハンドルアーム1bに固定している。このような第1突出部88b及び第2突出部88cの内側面(リール本体2側の面、半球状部88aの外周面と逆側の面)となる第1外周面88f及び第2外周面88gは、半球状部88aの外周面の球面と同一の球面となるように形成されている。また、半球状部88aの内周面とリール本体2との間のハンドル軸85の外周側には、図10に点線で示すように、筒状のハンドル鍔部84が装着されている。ハンドル鍔部84は、第1突出部88b、第2突出部88c及びピン部材89全体を覆うように装着されている。ここでは、切削加工の際に形成されるTスロット溝や、第1突出部88b、第2突出部88c及びピン部材89全体がハンドル鍔部84によって覆われるので、外観意匠に悪影響を及ぼすことがなくなる。
【0023】
ハンドル把手1aは、図12及び図13に示すように、把手軸1cに回転自在かつ軸方向移動不能に装着される合成樹脂製の筒状部90と、筒状部90の外周側を覆うように装着された合成樹脂製の把手部91と、把手部91の前側かつ筒状部90の前端部外周に装着されたアルミニウム合金製の環状部材92とを有している。筒状部90は、ポリアセタール等の合成樹脂製の筒状部材であって、環状部材92が装着される先端部が略円形に形成され、外周が把手部91にインサート成形される後端部が略楕円形に扁平した部材である。筒状部90の内周部の両側には図示しない2つ軸受が配置され、2つ軸受によって把手軸1cに対して回転自在である。筒状部90は、図13及び図14に示すように、先端部外周に雄ねじ部90aが形成されており、環状部材92内周部に形成された雌ねじ部92aを螺合させることによって、環状部材92を筒状部90に取り付け、環状部材92を筒状部90に接着剤により接着することにより固定している。ここでは、環状部材92を筒状部90に装着することによって筒状部90が外部に露出しないので、外観意匠を向上できる。
【0024】
把手部91は、図12及び図13に示すように、ポリ塩化ビニルやセプトン等の軟質なラバー部材であって、筒状部90がインサート成形される部材である。筒状部90は、図14に示すように、外周が把手部91にインサート成形される後端部が略楕円形に扁平した部分の両面には、それぞれ径方向外方に突出し軸方向に並んで形成された第1突起部90b、第2突起部90c、第3突起部90d及び第4突起部90eを有している。第1突起部90b、第2突起部90c、第3突起部90d及び第4突起部90eは、外周に把手部91をインサート成形するときに、把手部91の引っ掛かりとなる部分であって、ラバー部材からなる把手部91が径方向外方に変位するのを防止できる。
【0025】
リール本体2は、図2に示すように、内部に空間を有するリールボディ2aと、リールボディ2aの空間を塞ぐためにリールボディ2aに着脱自在に装着される蓋部材2b(図1参照)とを有している。また、リール本体2は、リールボディ2a及び蓋部材2bの後部を覆う本体ガード2dを有している。
【0026】
リールボディ2aは、図2に示すように、たとえばマグネシウム合金やアルミニウム合金等の軽合金製のものであり、上部に前後に延びるT字形の竿取付脚2cが一体形成されている。リールボディ2aの空間内には、図2に示すように、ロータ駆動機構5と、オシレーティング機構6とが設けられている。
【0027】
蓋部材2bは、図1に示すように、たとえば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の軽合金製のものである。蓋部材2bは、たとえば、ロータ3で隠れる前側の2箇所で固定ボルトによりリールボディ2aに固定されているとともに、ロータ3から離反する後側の1箇所で固定ボルトによりリールボディ2aに固定されている。
【0028】
ロータ駆動機構5は、図2に示すように、ハンドル1が固定されたマスターギア軸10とともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、ピニオンギア12の前部はロータ3の中心部を貫通し、ナット13によりロータ3に固定されている。また、ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ第1軸受14a、第2軸受14bを介してリール本体2に回転自在に支持されている。
【0029】
オシレーティング機構6は、図2に示すように、スプール4の中心部にドラグ機構60を介して連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸15の下方に平行に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。スライダ22にはスプール軸15の後端が回転不能に固定されている。中間ギア23はピニオンギア12に噛み合っている。
【0030】
ロータ3は、図2に示すように、リール本体2に対して前後方向の軸回りに回転自在なロータ本体7と、ロータ本体7の後部を覆う第1カバー部材33と、第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32の外側面を覆う1対の第2カバー部材34及び第3カバー部材35とを有している。
【0031】
ロータ本体7は、図2に示すように、たとえばアルミニウム合金製であり、ピニオンギア12に回転不能に連結され、リール本体2に対して回転自在である。ロータ本体7は、リール本体2の前部である円筒部を内部に配置可能に後部に形成された凹陥部を有する筒部30と、筒部30の後部の対向する位置に接続され筒部30と間隔を隔てて前方に延びる第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とを有している。
【0032】
筒部30は、図2に示すように、前部内周側に円板状の壁部を有し、壁部の中心部には、ピニオンギア12と一体回転可能に連結される環状のボス部が形成されている。このボス部の中心にピニオンギア12の前部が回転不能に係止され、ピニオンギア12の先端にねじ込まれたナット13により、ロータ本体7がピニオンギア12に固定されている。また、ナット13の先端内周部とスプール軸15の外周部との間には、図2に示すように、第5軸受58が設けられており、さらに、第5軸受58の内周部とスプール軸15の外周部との間には、図9に示すように、真鍮製のカラー部材59が介装されている。
【0033】
第5軸受58は、図9に示すように、転がり玉軸受であって、スプール軸15の外周側に配置される内輪58aと、ナット13の先端内周部に配置される外輪58bと、内輪58aと外輪58bとの間に配置される球体からなる転動体58cとを有している。カラー部材59は、図9に示すように、筒状の筒状部59aと、筒状部59aの基端部(図9右側)が径方向外方に突出し第5軸受58の内輪58aの基端部が当接する突出部59bと、筒状部59aに第5軸受58を装着した状態で筒状部59aの先端部(図9左側)を第5軸受58の内輪58aの先端部が抜け止めされるように径方向外方に折れ曲がることによってかしめ固定するためのかしめ部59cとを有している。ここでは、第5軸受58にカラー部材59をかしめ固定した状態で、ナット13の先端内周部とスプール軸15の外周部との間に第5軸受58及びカラー部材59を装着する。ここでは、第5軸受58にカラー部材59がかしめ固定されているので、第5軸受58とカラー部材59との微小ながたつきを確実に抑えることができる。
【0034】
第1カバー部材33は、筒部30の周囲でロータ本体7の後部を覆うように構成されている。第2カバー部材34は、第1ロータアーム31の外方を覆うものであり、第1ロータアーム31にねじ込まれる固定ボルトにより第1ロータアーム31に連結されている。
【0035】
第2カバー部材34は、図2に示すように、第1カバー部材33及び第1ロータアーム31と三次元的な曲線で接合している。第2カバー部材34の先端部は、後述する第1ベール支持部材40を配置可能に概ね半円形に切り欠かれる。
【0036】
第3カバー部材35は、図2に示すように、第2ロータアーム32の外方を覆うものであり、固定ボルト及びそれに螺合するナット部材により第2ロータアーム32に固定される。第3カバー部材35も第1カバー部材33及び第2ロータアーム32と三次元的な曲線で接合している。固定ボルトは、第3カバー部材35をロータ本体7に固定するするとともに、後述する第2ベール支持部材42を揺動自在に支持する機能も有している。
【0037】
第1ロータアーム31の先端の外周側には、図2に示すように、第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材40の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのラインローラ41が装着されている。また、第2ロータアーム32の先端外周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。ラインローラ41と第2ベール支持部材42との間には線材を略U状に湾曲させた形状のベール43が固定されている。これらの第1ベール支持部材40、第2ベール支持部材42、ラインローラ41及びベール43により釣り糸をスプール4に案内するベールアーム44が構成される。ベールアーム44は、図2に示す糸案内姿勢とそれから反転した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
【0038】
ベールアーム44は、図1から図3に示すように、第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32の先端に、糸案内姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されている。ベールアーム44は、第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32の先端にそれぞれ揺動自在に装着された第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42を有している。
【0039】
第1ベール支持部材40は、第1ロータアーム31の外側に揺動自在に装着され、第2ベール支持部材42は、第2ロータアーム32の外側に揺動自在に装着されている。ベールアーム44は、図1及び図2に示すように、第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42を連結するベール43と、第1ベール支持部材40に先端が固定された固定軸45と、固定軸45に支持されたラインローラ41と、固定軸45を覆う固定軸カバー46とを有している。
【0040】
ロータ3の筒部30の内部には、図2に示すように、ロータ3の逆転を禁止・解除するための逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、内輪が遊転するローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態(逆転禁止状態)と非作動状態(逆転許可状態)とに切り換える切換機構52とを有している。
【0041】
スプール4は、図2に示すように、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して装着されている。スプール4は、図2に示すように、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して装着されている。スプール4は、図4に示すように、外周に釣り糸が巻かれる糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後方に糸巻胴部4aと一体形成された筒状のスカート部4bと、糸巻胴部4aの前端に設けられた大径の前フランジ部4cと、前フランジ部4cを糸巻胴部4aに固定するための前フランジ固定部材4dとを有している。
【0042】
糸巻胴部4a及びスカート部4bは、図3に示すように、たとえばアルミニウム合金を鍛造・切削加工して得られた大小2段の円筒状の部材であり、第3軸受56及び第4軸受57によりスプール軸15に回転自在に装着されている。
【0043】
糸巻胴部4aは、図3に示すように、外周に釣り糸が巻かれ筒状に形成された筒状部16と、筒状部16の後端内周側に筒状部16と一体成形された環状の円板部17と、円板部17の前側に筒状に突出し内周部に第3軸受56が配置される第1突出部18aと、円板部17の後側に筒状に突出し内周部に第4軸受57が配置される第2突出部18bとを有している。第1突出部18a及び第2突出部18bの内側には第3軸受56及び第4軸受57からなる軸受部55が装着されており、軸受部55は筒状の保持部材70を介してスプール軸15に回転自在に装着されている。保持部材70の後端部には、後方への移動が規制されて装着されたスプール受け部20が当接している。
【0044】
スプール受け部20は、図4に示すように、スプール軸15に前後移動不能に装着された金属製のリング部材である。スプール受け部20は第4軸受57の後端に当接している。スプール受け部20をスプール軸15に固定することにより、ドラグ機構60により円板部17が後方に押圧されても、スプール4全体を受けることができる。
【0045】
保持部材70は、図4に示すように、発音ピン81(図3参照)が当接を繰り返して発音する筒状の発音部材80(図3、図4参照)を介して後端部がスプール受け部20に当接し円板部17により後方に押圧される筒状の部材である。保持部材70は、外周に軸受部55が保持され、内周がスプール軸15の前端側の断面が非円形に形成された非円形部15bに一体回転可能装着されている。スプール軸15の非円形部15bは、外周断面が円柱部材の両側面を平行な2面で切り欠いた略小判形状に形成されている。
【0046】
保持部材70は、図4から図8に示すように、外周部に第3軸受56が配置される第1保持部72と、第1保持部72の後側に配置され外周部に第4軸受57が配置される第2保持部73と、第1保持部72と第2保持部73との間に設けられ外周部が第1保持部72及び第2保持部73より大径になるように形成された円板部71と、軸方向断面が円形に形成されスプール軸15の非円形部15bが後側から挿通可能に内周部を軸方向に貫通する貫通孔74と、第1保持部72を径方向に貫通しピン部材75が挿通可能な貫通孔76と、第1保持部72の前端部に径方向に貫通するようにフライス加工により切り欠かれスプール軸15の非円形部15bが係合可能に軸方向断面が非円形に形成される非円形断面部77とを有している。保持部材70は、ピン部材75によってスプール軸15に軸方向移動不能に固定されている。
【0047】
第1保持部72、円板部71及び第2保持部73は、図4、図6、図8に示すように、アルミニウム合金により一体成形された部材であって、内周部を軸方向に貫通する貫通孔74を有している。第1保持部72、円板部71及び第2保持部73の外周部には、アルマイト処理が施されている。円板部71の前側の第1保持部72には、後述する複数のドラグ板62が円板部71の前側に接触するように配置されている。第2保持部73の外径は、第1保持部72の外径より大径になるように形成されており、このため、第3軸受56より大径の第4軸受57を保持することが可能である。貫通孔74は、スプール軸15の非円形部15bが挿通可能な円形の貫通孔であり、貫通孔74の内径は、スプール軸15の円形部の外径よりやや大きくなるように形成されている。また、スプール軸15には、図4から図8に示すように、径方向に雌ねじ孔15c(図4参照)が形成されており、第1保持部72に形成された貫通孔76(図5、図6及び図8参照)と連通している。ここでは、六角穴付き止めねじ等からなるピン部材75の雄ねじ部75a(図4参照)をスプール軸15の雌ねじ孔15cにねじ込むことによって、保持部材70をスプール軸15に軸方向移動不能に固定している。第1保持部72の前端部には、径方向に貫通するようにフライス加工により切り欠かれ、スプール軸15の非円形部15bが係合可能に軸方向断面が非円形に形成される非円形断面部77を有している。
【0048】
非円形断面部77は、図4から図8に示すように、対向する2面が平行となるようにフライス加工により第1保持部72の前端部が切り欠かれて形成されている。非円形断面部77は、図5から図7に示すように、第1保持部72の円形の前端部の中央部分が略小判形状になるように切り落として形成されたものであり、その両側には対称となる略弓形部分(図6及び図7参照)が残るようになっている。非円形断面部77の平行な2面は、図5に示すように、スプール軸15の非円形部15bの平行な2面に隙間なく係合するように、非円形断面部77の平行な2面の間の距離がスプール軸15の非円形部15bの平行な2面の間の距離と同一になるように形成されている。非円形断面部77は、第1保持部72の外径(または内径)を加工の基準として対向する2面をフライス加工して形成されている。ここでは、非円形断面部77の対向する2面と第1保持部72の内径(または外径)とを第1保持部72の外径(または内径)を同じ加工の基準とすることができるので、非円形断面部77のスプール軸15の非円形部15bとの係合部分を高精度かつ容易に形成することができる。
【0049】
スカート部4bは、図2及び図3に示すように、ロータ3の筒部30を覆うように筒状に糸巻胴部4aと一体成形されている。スカート部4bは、アルミニウム合金を絞り加工して得られた金属薄板により形成されている。
【0050】
前フランジ部4cは、図3に示すように、前方に行くほど拡径するように傾斜して形成された金属製又は硬質セラミック製の傷つきにくい環状の部材である。前フランジ部4cは、糸巻胴部4aの筒状部16の前端内周部に形成された雌ねじ部に螺合する前フランジ固定部材4dにより、糸巻胴部4aとの間に挟持されて固定されている。
【0051】
前フランジ固定部材4dは、図3に示すように、後端外周部に糸巻胴部4aの雌ねじ部に螺合する筒状の雄ねじ部が形成されており、雄ねじ部の内周側の空間には、ドラグ機構60の複数のドラグ板62を収納可能である。
【0052】
ドラグ機構60は、図2に示すように、スプール4の回転を制動するものであり、スプール軸15の先端の雌ねじ部15a(図5参照)に螺合するドラグ調整つまみ61と、ドラグ調整つまみ61により押圧されてスプール4を制動するドラグ板62とを有している。
【0053】
次にリールの操作及び動作について説明する。
【0054】
キャスティング時にはベールアーム44を糸開放姿勢に反転させる。これにより第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42は揺動する。この状態で釣竿を握る手の人差し指で釣り糸を引っかけながら釣竿をキャスティングする。すると釣り糸は仕掛けの重さにより勢いよく放出される。仕掛けが着水した後ハンドル1を釣り糸巻き取り方向に回転させると、ロータ駆動機構5によりロータ3が釣り糸巻き取り方向に回転し、ベールアーム44が図示しないベール反転機構により糸巻き取り姿勢に復帰しロータ3の逆転が禁止されているので釣り糸の放出が止まる。
【0055】
釣り糸を巻き取る際には、ハンドル1を釣り糸巻き取り方向に回転させる。すると、その回転がフェースギア11、ピニオンギア12を介してロータ3に伝達されロータ3が回転する。ロータ3が回転すると、ラインローラ41に案内された釣り糸がスプール4に巻き付けられる。
【0056】
このようなスプール4では、保持部材70は、第1保持部72の前端部に径方向に貫通するようにフライス加工により切り欠かれ、スプール軸15の非円形部15bが係合可能に軸方向断面が非円形に形成された非円形断面部77を有している。ここでは、保持部材70の非円形断面部77がスプール軸15の非円形部15bに係合するように形成されているので、第1保持部72の内周部とスプール軸15の非円形部15bとの間の隙間をなくすことができるために、保持部材70のがたつきを防止することができる。さらに、ここでは、非円形断面部77は、第1保持部72の前端部に径方向に貫通するようにフライス加工により切り欠かれて形成され、非円形断面部77の対向する2面が平行となるように切り欠かれているので、非円形断面部77の対向する2面と第1保持部72の内径(または外径)とを第1保持部72の外径(または内径)を同じ加工の基準とすることができる。このため、非円形断面部77のスプール軸15の非円形部15bとの係合部分を高精度かつ容易に形成することができるので、保持部材70のがたつきを容易かつ確実に防止することができる。
【0057】
(a) 前記実施形態では浅溝スプールを用いていたが、これに限定されるものではなく、他のあらゆるスピニングリールのスプールについて本発明を適用できる。
【0058】
(b) 前記実施形態では、軸受部55として2つの第3軸受56及び第4軸受57を用いたが、これに限定されるものではなく、軸受部55として、たとえば1つの軸受のみ用いる構成にしてもよい。
【0059】
(c) 前記実施形態では、保持部材70は、六角穴付き止めねじ等のピン部材75により固定されていたが、保持部材70のスプール軸15に対する固定方法はこれに限定されない。
【0060】
(d) 前記実施形態では、スプール受け部20は金属製のリング部材であったが、たとえば周囲に凹凸部を形成しスプール4の回転により凹凸部に当接する発音機構をさらに備える構成にしてもよい。
【0061】
(e) 前記実施形態では、非円形断面部77は、フライス加工により形成されていたが、他の切削加工により非円形断面部77を形成してもよい。
【0062】
(f) 前記実施形態では、非円形断面部77は、対向する2面が平行となるように切り欠かれていたが、第1保持部72の前端部に切削加工により切り欠かれ、スプール軸15の非円形部15bが係合可能に軸方向断面が非円形に形成されていれば、この形状に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0063】
1 ハンドル
1a ハンドル把手
1b ハンドルアーム
1c 把手軸
2 リール本体
2a リールボディ
2b 蓋部材
2c 竿取付脚
2d 本体ガード
3 ロータ
4 スプール
4a 糸巻胴部
4b スカート部
4c 前フランジ部
5 ロータ駆動機構
6 オシレーティング機構
7 ロータ本体
10 マスターギア軸
11 フェースギア
12 ピニオンギア
13 ナット
14a 第1軸受
14b 第2軸受
15 スプール軸
15a 雌ねじ部
15b 非円形部
15c 雌ねじ孔
16 筒状部
17 円板部
18a 第1突出部
18b 第2突出部
20 スプール受け部
21 螺軸
22 スライダ
23 中間ギア
30 筒部
31 第1ロータアーム
32 第2ロータアーム
33 第1カバー部材
34 第2カバー部材
35 第3カバー部材
40 第1ベール支持部材
41 ラインローラ
42 第2ベール支持部材
43 ベール
44 ベールアーム
45 固定軸
46 固定軸カバー
50 逆転防止機構
51 ワンウェイクラッチ
52 切換機構
55 軸受部
56 第3軸受
57 第4軸受
58 第5軸受
58a 内輪
58b 外輪
58c 転動体
59 カラー部材
59a 筒状部
59b 突出部
59c かしめ部
60 ドラグ機構
61 ドラグ調整つまみ
62 ドラグ板
70 保持部材
71 円板部
72 第1保持部
73 第2保持部
74 貫通孔
75 ピン部材
75a 雄ねじ部
76 貫通孔
77 非円形断面部
80 発音部材
81 発音ピン
84 ハンドル鍔部
85 ハンドル軸
86 アーム部
87 第1装着部
87a 貫通孔
88 第2装着部
88a 半球状部
88b 第1突出部
88c 第2突出部
88d 第1貫通孔
88e 第2貫通孔
88f 第1外周面
88g 第2外周面
89 ピン部材
90 筒状部
90a 雄ねじ部
90b 第1突起部
90c 第2突起部
90d 第3突起部
90e 第4突起部
91 把手部
92 環状部材
92a 雌ねじ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体に対して前後移動自在に設けられ、少なくとも前端側の軸方向断面が非円形に形成された非円形部を有するスプール軸にスプールを回転可能に装着するためのスピニングリールのスプール支持構造であって、
前記スプールの内周部に配置され、前記スプールを回転可能に支持する軸受部と、
外周部に前記軸受部が配置される保持部と、軸方向断面が円形に形成され前記スプール軸の前記非円形部が後側から挿通可能に内周部を軸方向に貫通する貫通孔と、前記保持部の前端部に切削加工により切り欠かれ前記スプール軸の前記非円形部が係合可能に軸方向断面が非円形に形成された非円形断面部とを有する保持部材と、
前記保持部材を前記スプール軸に軸方向移動不能に固定する固定部材と、
を備えたスピニングリールのスプール支持構造。
【請求項2】
前記非円形断面部は、前記保持部の前端部に径方向に貫通するように切り欠かれて形成されている、請求項1に記載のスピニングリールのスプール支持構造。
【請求項3】
前記非円形断面部は、フライス加工により形成されている、請求項1又は2に記載のスピニングリールのスプール支持構造。
【請求項4】
前記非円形断面部は、対向する2面が平行となるように切り欠かれている、請求項1から3のいずれか1項に記載のスピニングリールのスプール支持構造。
【請求項5】
前記軸受部は、第1軸受と、前記第1軸受の後側に配置される第2軸受とを有し、
前記保持部は、前端部に前記非円形断面部が形成され外周部に前記第1軸受が配置される第1保持部と、前記第1保持部の後側に配置され外周部に前記第2軸受が配置される第2保持部とを有している、請求項1から4のいずれか1項に記載のスピニングリールのスプール支持構造。
【請求項6】
前記第1保持部と前記第2保持部との間に設けられ、外周部が前記第1保持部及び前記第2保持部より大径になるように形成された円板部をさらに有する、請求項5に記載のスピニングリールのスプール支持構造。
【請求項7】
前記第1保持部は、前記固定部材が挿通可能な貫通孔をさらに有している、請求項5又は6に記載のスピニングリールのスプール支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−147396(P2011−147396A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11823(P2010−11823)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】