説明

スピニングリールのワンウェイクラッチ

【課題】ワンウェイクラッチにおいて、ラチェットホイールのラチェット歯がラチェット爪に噛み合うときの振動を抑える。
【解決手段】スピニングリールのワンウェイクラッチ32は、リール本体2に回転自在に装着されたロータ3に設けられるクラッチであって、ラチェットホイール42は、ロータ3に固定され内周に鋸歯状のラチェット歯42bが形成されたリング状のものである。ラチェット爪43は、リール本体に対して回転自在な筒状部材40にラチェット歯42bに噛み合う噛み合い位置とラチェット歯42bから離脱する噛み合い解除位置とに揺動自在に設けられた爪である。付勢部材44は、ラチェット爪43を少なくとも噛み合い位置側に付勢する部材である。防振部材45は、ラチェットホイール42とロータ3との間に介装された部材である。ワンウェイクラッチ32は、ロータ3と筒状部材40とをロータ3が糸繰り出し方向に回転したときのみ連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワンウェイクラッチ、特に、スピニングリールのリール本体に回転自在に装着されたロータに設けられるスピニングリールのワンウェイクラッチに関する。
【背景技術】
【0002】
スピニングリールのロータには、比較的機構が簡単で安価な爪式のワンウェイクラッチが広く用いられている。たとえば、ロータの糸繰り出し方向の回転を禁止する逆転禁止機構を有するスピニングリールには、ロータとリール本体との間に設けられたワンウェイクラッチが逆転禁止機構に用いられている(たとえば、特許文献1参照)。また、ロータの糸巻取方向の回転を制動するレバーブレーキ機構を有するスピニングリールには、ロータとブレーキレバーにより制動される制動部材との間に設けられたワンウェイクラッチがレバーブレーキ機構に用いられている(たとえば、特許文献2参照)。
【0003】
逆転禁止機構に用いられるワンウェイクラッチは、ロータにたとえばボルトにより固定されたラチェットホイールと、リール本体に揺動自在に装着されたラチェット爪と、ラチェット爪をラチェットホイールに向けて付勢する付勢機構と、ラチェット爪を強制的に噛み合い解除位置に配置するオンオフ機構とを備えている。ラチェットホイールには、内周面に鋸歯状のラチェット歯が形成され、ラチェット爪は、ラチェットホイールに噛み合う噛み合い位置とラチェットホイールから離脱する噛み合い解除位置とに揺動自在にリール本体に設けられている。
【0004】
このように内周面にラチェット歯を形成したワンウェイクラッチは、外周面にラチェット歯を形成したワンウェイクラッチに比べてラチェット歯の強度を強くできる。また、ラチェット歯のピッチを細かくできるので、ラチェット爪の噛み合い位置を細かく設定でき、ロータの逆転防止やロータの制動を素早く行える。
【0005】
レバーブレーキ機構に用いられるワンウェイクラッチは、ロータに、たとえばボルトにより固定されたラチェットホイールと、リール本体に回転自在に装着された制動部材に揺動自在に装着されたラチェット爪と、ラチェット爪をラチェットホイールに向けて付勢する付勢機構とを備えている。ラチェットホイールには、内周面に鋸歯状のラチェット歯が形成され、ラチェット爪は、ラチェットホイールに噛み合う噛み合い位置とラチェットホイールから離脱する噛み合い解除位置とに揺動自在に制動部材に設けられている。
【0006】
いずれのワンウェイクラッチともロータが糸繰り出し方向に逆転するとラチェット爪が噛み合い位置に揺動してラチェット歯に噛み合いワンウェイクラッチが連結状態になり、ロータの逆転が禁止されたりロータの糸繰り出し方向の回転が制動部材に伝達されたりする。また、ロータが糸巻取方向に正転すると、ラチェット歯によりラチェット爪が押圧されたり、別の付勢部材により付勢されたりしてロータの逆転が許可されたり、ロータの回転が制動部材に伝達されなくなったりする。
【特許文献1】特開2002−335827号公報の図3
【特許文献1】特開平5−219865号公報の図7
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来の構成では、前述したように内周側にラチェット歯を形成したので、ラチェット歯の強度を強くできるとともに逆転防止やロータ制動を素早く行える。しかし、ラチェット爪にラチェットホイールのラチェット歯が噛み合うとき、回転しているラチェット歯が静止しているラチェット爪に急激に衝突するため、ラチェットホイールが振動する。前記従来の構成では、ラチェットホイールは、ロータに直接装着されているので、その振動がロータに直接伝達される。このような振動は釣り人に不快感を与えるとともに、ラチェット歯やラチェット爪に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0008】
本発明の課題は、スピニングリールの爪式のワンウェイクラッチにおいて、ラチェットホイールのラチェット歯がラチェット爪に噛み合うときの振動を抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明1に係るスピニングリールのワンウェイクラッチは、スピニングリールのリール本体に回転自在に装着されたロータに設けられるクラッチであって、ラチェットホイールと、ラチェット爪と、付勢機構と、防振部材とを備えている。ラチェットホイールは、ロータに固定され内周に鋸歯状のラチェット歯が形成されたリング状のものである。ラチェット爪は、リール本体及びリール本体に対して回転自在なリール部品のいずれかにラチェット歯に噛み合う噛み合い位置とラチェット歯から離脱する噛み合い解除位置とに揺動自在に設けられた爪である。付勢機構は、ラチェット爪を少なくとも噛み合い位置側に付勢する部材である。防振部材は、ラチェットホイールとロータとの間に介装された部材である。ワンウェイクラッチは、ロータとリール本体及びリール部品のいずれかとをロータが糸繰り出し方向に回転したときのみ連結する。
【0010】
このワンウェイクラッチでは、ロータが糸巻取方向に回転すると、ラチェット歯がラチェット爪を噛み合い解除位置側に押圧し、ロータとリール本体又は回転部材とは遮断される。このため、ロータの回転はリール本体又は回転部材に伝達されない。したがって、リール本体にラチェット爪が配置される逆転禁止機構の場合、ハンドルを糸巻取方向に回すとロータが糸巻取方向に回転する。また、たとえば制動部材等の回転部材にラチェット爪が配置されるレバーブレーキ機構の場合、ブレーキレバーによるブレーキ操作をしてもレバーブレーキ機構が作動不能な状態になる。一方、ロータが糸繰り出し方向に回転すると、付勢部材により噛み合い位置側に付勢されたラチェット爪がラチェット歯に噛み合い、ロータとリール本体又は回転部材とが連結され、ラチェット歯からラチェット爪に回転が伝達される。このため、逆転禁止機構の場合は、ロータの逆転が禁止され、レバーブレーキ機構の場合は、ブレーキレバーによるブレーキ操作が可能になる。ラチェット歯にラチェット爪が噛み合う時に、ラチェット歯がラチェット爪に衝突することによりラチェットホイールは振動する。しかし、ラチェットホイールとロータとの間には防振部材が配置されているので、衝突時の振動が防振部材に吸収されて抑えられ、ロータにあまり伝達されなくなる。このため、釣り人に不快感を与えにくくなるとともに、ラチェット歯やラチェット爪に悪影響を与えにくくなる。
【0011】
発明2に係るスピニングリールのワンウェイクラッチは、発明1に記載のクラッチにおいて、付勢機構は、ロータが糸巻取方向に正転するとラチェット爪を噛み合い解除位置側に付勢し、糸繰り出し方向に逆転するとラチェット爪を噛み合い位置側に付勢する両方向付勢部材を有する。この場合には、ロータが糸繰り出し方向に回転するとき、ラチェット爪が噛み合い解除位置側に付勢されるので、ロータが糸繰り出し方向に回転してもラチェット爪がラチェットホイールに衝突しなくなり、静音化を図ることができる。また、ロータが糸繰り出し方向に回転するとラチェット爪を噛み合い位置側に付勢してラチェット歯をラチェットつめに確実に噛み合わせることができる。ここでは、内周面にラチェット歯が形成された内歯式のワンウェイクラッチにおいて、1つの付勢部材で、クラッチ爪を両方向に付勢できるので、回転遮断時のワンウェイクラッチの静音化と回転伝達との2つの機能を1つの付勢部材で実現できる。
【0012】
発明3に係るスピニングリールのワンウェイクラッチは、発明1に記載のクラッチおいて、付勢機構は、ロータの回転に関わらず、ラチェット爪を噛み合い位置側に付勢する噛み合い方向付勢部材を有する。この場合には、ロータが糸繰り出し方向に回転したとき、ラチェット歯にラチェット爪を確実に噛み合わせられる。
【0013】
発明4に係るスピニングリールのワンウェイクラッチは、発明3に記載のクラッチおいて、付勢機構は、ロータが糸巻取方向に正転するとラチェット爪を噛み合い方向付勢部材より強い付勢力で噛み合い解除位置側に付勢する噛み合い解除方向付勢部材をさらに有する。この場合には、ロータが糸繰り出し方向に回転したときに、ラチェット爪が噛み合い方向付勢部材の付勢力に抗して噛み合い解除方向に付勢されラチェットホイールに接触しなくなるので、ワンウェイクラッチの静音化を図ることができる。
【0014】
発明5に係るスピニングリールのワンウェイクラッチは、発明1から4のいずれかに記載のクラッチにおいて、ロータは、円筒部と円筒部の内周面に一体形成された前壁部とを有し、ラチェットホイールは、円筒部及び前壁部のいずれか一方に固定され、かついずれか他方と隙間をあけて配置され、防振部材は、ラチェットホイールと円筒部及び前壁部の一方との間に介装されている。この場合には、防振部材がラチェットホイールの固定部分に配置されているので、固定部分で振動を吸収できるとともに、ラチェットホイールの防振部材が配置されていない側面(又は外周面)と前壁部の後面(又は円筒部の内周面)との間に隙間が形成されているので、その部分から振動がロータに伝達されない。
【0015】
発明6に係るスピニングリールのワンウェイクラッチは、発明4に係るクラッチにおいて円筒部及び前壁部のいずれか他方とラチェットホイールとの隙間に両者に接触して配置された弾性体製の第1リング部材をさらに備える。この場合には、他方の隙間にも弾性体製の第1リング部材が装着されているので、振動をさらに吸収できる。
【0016】
発明7に係るスピニングリールのワンウェイクラッチは、発明1から4のいずれかに記載のクラッチにおいて、ロータは、円筒部と円筒部の前部内周面に一体形成された前壁部とを有し、ラチェットホイールは、円筒部及び前壁部のいずれか一方に固定され、防振部材は、ラチェットホイールと円筒部及び前壁部の間に介装されている。この場合には、ラチェットホイールとロータとの接触部紛全てに防振部材が装着されるので、振動をより確実に吸収できる。
【0017】
発明8に係るスピニングリールのワンウェイクラッチは、発明1から7のいずれかに記載のクラッチにおいて、ラチェットホイールは、ラチェット歯の外径より底径が小さい環状溝を外周面に有し、環状溝に装着される弾性体製の第2リング部材をさらに備える。この場合には、ラチェットホイールの外周面に形成された環状溝の底径がラチェット歯の外径より小さいので、ラチェット歯の最外径部分に環状溝に装着された第2リング部材が露出する。このため、ラチェット爪が噛み合うとき、ラチェット爪の先端が第2リング部材に当接することになる。この結果、ラチェット歯にラチェット爪が衝突するときの衝撃が緩和され、衝突時の振動をより抑えることができる。
【0018】
発明9に係るスピニングリールのワンウェイクラッチは、発明1から8のいずれかに記載のクラッチにおいて、スピニングリールは、制動レバーによりリール部品としての制動部材を制動するレバーブレーキ機構を有するスピニングリールであり、ラチェット爪は、制動部材に設けられ、ワンウェイクラッチは、ロータの糸繰り出し方向の回転のみ制動部材に伝達する。この場合には、レバーブレーキ機構に設けられるワンウェイクラッチの振動を抑えることができる。
【0019】
発明10に係るスピニングリールのワンウェイクラッチは、発明1から8のいずれかに記載のクラッチおいて、スピニングリールは、ロータの糸繰り出し方向の逆転を禁止する逆転禁止機構を有するスピニングリールであり、ラチェット爪は、リール本体に設けられ、ワンウェイクラッチは、ロータの逆転を禁止する。この場合には、逆転禁止機構に用いられるワンウェイクラッチの振動を抑えることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ラチェットホイールとロータとの間には防振部材が配置されているので、衝突時の振動が防振部材に吸収されて抑えられ、ロータにあまり伝達されなくなる。このため、釣り人に不快感を与えにくくなるとともに、ラチェット歯やラチェット爪に悪影響を与えにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
〔第1実施形態〕
〔全体構成〕
本発明の第1実施形態を採用したスピニングリールは、図1に示すように、釣り竿の長手方向に沿う第1軸X回りに釣り糸を巻き取るリールであって、ハンドル1を備えたリール本体2と、リール本体2の前部に第1軸X回りに回転自在に支持されたロータ3と、ロータ3の前部に配置された釣り糸を巻き取るスプール4とを備えている。
【0022】
リール本体2は、たとえばマグネシウム又はアルミニウム合金製である。リール本体2は、図1及び図5に示すように、釣竿に装着される前後に長い装着部2cと、装着部2cと間隔を隔てて配置されたリールボディ2aと、装着部2cとリールボディ2aとを連結する脚部2bとを有している。リールボディ2aは、内部に機構装着空間を有し、脚部2bと一体形成され側部が開口する筐体部2fと、筐体部2fを塞ぐ蓋部材2d(図5参照)とを有している。リールボディ2aの前部には、取り付けフランジ付きの金属製の筒状の取付部材2eが装着されている。
【0023】
リールボディ2aの内部には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構5と、ロータ3の糸繰り出し方向の回転(逆転)を制動するためのレバーブレーキ機構6と、スプール軸8を介してスプール4を前後に往復移動させるオシレーティング機構20とが設けられている。
【0024】
ロータ3は、たとえばマグネシウム合金又はアルミニウム合金製であり、リール本体2に回転自在に支持されている。ロータ3は、円筒部3aと、円筒部3aの側方に互いに対向して設けられた第1及び第2アーム部3b,3cとを有している。円筒部3aの前壁3dの中央部には貫通孔3eを有するボス部3fが形成されている。この貫通孔3eに後述するスプール軸8及びピニオンギア12が貫通している。ボス部3fの外周面には、環状のばね装着溝3gが形成されている。また、図1に示すように、第1アーム部3bの先端と第2アーム部3cの先端部とには、ベールアーム9が揺動自在に設けられている。このベールアーム9により釣り糸がスプール4に案内される。
【0025】
スプール4は、たとえばアルミニウム合金製のものである。スプール4は、ロータ3の第1アーム部3bと第2アーム部3cとの間に配置されており、スプール軸8の先端にワンタッチ着脱機構65を介して着脱自在かつ回転不能に装着されている。スプール4は、図4に示すように、スプール本体22と、ドラグ機構23とを有している。スプール本体22は、筒状の糸巻胴部22aと、糸巻胴部22aの後端部に糸巻胴部22aより大径に形成された筒状のスカート部22bと、糸巻胴部22aの前部に前方に傾斜して形成されたフランジ部22cとを有している。
【0026】
糸巻胴部22aは、径方向内方に延びる装着円板部22eと、装着円板部22eの内周側に一体形成された装着筒部22fとを有している。装着円板部22eの後面には、ドラグ作動時に発音する後述するドラグ発音機構56の爪部材82が揺動自在に装着されている。装着筒部22fは、スプール軸8に回転不能に装着されたスプール筒部55に回転自在に装着されている。
【0027】
フランジ部22cの外周面には、環状の硬質のフランジ保護部材22dが装着されている。フランジ保護部材22dは、フランジ固定部材24によりフランジ部22cに固定されている。フランジ固定部材24は、フランジ保護部材22dを押圧するテーパ状の押圧部24aと、押圧部24aから後方に延びる第1筒部24bと、第1筒部24bの後部に径方向内方に突出して形成された円板部24cと、円板部24cから後方に延びる第2筒部24dとを有している。この第1筒部24bが糸巻胴部22aの内周面にねじ込まれている。また、第2筒部24dにドラグ機構23が収納されている。
【0028】
スプール筒部55は、中間部の外周面に互いに平行に対向して配置された面取り部55aを有している。また、スプール筒部55の後端部は大径に形成されており、そこには、係止ピン18が係合する係合溝55bが直径に沿って形成されている。スプール筒部55は、係止ピン18により回転不能かつ後方への移動が規制された状態でスプール軸8に装着されている。スプール筒部55の前端部の外周面には、ドラグ調整のための雄ねじ部55cが設けられている。スプール筒部55の後部外周面には、ドラグ発音機構56の円板部材80が回転不能に装着されている。
【0029】
ドラグ機構23は、ドラグ調整部57と、ドラグ調整部57により摩擦力が調整される摩擦部58とを有している。ドラグ調整部57は、スプール筒部55に螺合する操作部材60と、操作部材60により押圧され摩擦部58を押圧する押圧部材61とを有している。操作部材60は、直径に沿って突出するつまみ突起60aを有するつまみ把手60bと、つまみ把手60bに固定されたつまみフランジ部60cとを有する操作部材60とを有している。フランジ部60cには、スプール筒部55の雄ねじ部55cに螺合するナット62が回転不能かつ軸方向移動自在に装着されている。ナット62と押圧部材61との間には、ドラグ力を調整するためのコイルばね63が圧縮状態で装着されている。押圧部材61は、スプール筒部55に回転不能かつ軸方向移動自在に装着されている。また、押圧部材61は操作部材60に回転自在かつ脱落不能に連結されている。さらに、操作部材60と押圧部材61との間には、操作部材60を回してドラグ調整する時に発音するドラグつまみ発音機構64が装着されている。
【0030】
摩擦部58は、押圧部材61と、スプール本体22の装着円板部22eとの間に装着されている。摩擦部58は、スプール筒部55に回転不能に装着された第1ディスク66a、66bと、フランジ固定部材24の第2筒部24dに回転不能に装着された耳付きの第2ディスク67と、2つの第1ディスク66a、66bと第2ディスク67との間に配置されたドラグディスク68とを有している。フランジ固定部材24の第2筒部24dには、第2ディスク67の耳部を係止するための係止溝24eがたとえば2箇所形成されている。なお、フランジ固定部材24は糸巻胴部22aにねじ込まれているとともに接着されている。これにより、ドラグ作動時のトルクや振動によりフランジ固定部材24が緩むことがない。
【0031】
ロータ駆動機構5は、図1に示すように、ハンドル1が回転不能に固定されたハンドル軸10とともに回転するマスターギア11と、このマスターギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ハンドル軸10は、リール本体2に回転自在に支持されている。図2に示すように、ピニオンギア12は筒状に形成されており、ピニオンギア12の前部12aはロータ3の貫通孔3eを貫通してスプール4側に延びている。ピニオンギア12の前部12aで、ロータ3はナット13によりピニオンギア12に回転不能に固定されている。ピニオンギア12は、前部と中間部とで軸受14a、14bによりリール本体2に回転自在に支持されている。ナット13は、リテーナ36により緩み止めされている。またナット13は、軸受13aによりスプール軸8に接触している。これにより、ピニオンギア12の内周面とスプール軸8の外周面との間に隙間を形成している。リテーナ36は前壁3dに抜け止めばね36aにより係止されている。また、リテーナ36には、シール部材36bが装着されており、ロータ3内部への液体の浸入を防止している。
【0032】
オシレーティング機構20は、図1に示すように、トラバースカム式のものであり、ピニオンギア12に噛み合う中間ギア20aと、リールボディ2aにスプール軸8と平行な軸回りに回転自在に装着された螺軸20bと、螺軸20bの回転により前後移動するスライダ20cとを有している。スライダ20cにスプール軸8の後端部が回転不能かつ軸方向移動不能に取り付けられている。なお、図2に示すように、螺軸20bの前端部を回転自在に支持するブッシュ20dは、端面から軸方向に突出する突出部20eにより回り止めされている。
【0033】
ドラグ発音機構56は、図1及び図4に示すように、ドラグ作動時にスプール4とスプール軸8とが相対回転することにより発音する機構である。ドラグ発音機構56は、スプール軸8に回転不能なスプール筒部55に回転不能に固定された円板部材80と、スプール4の装着円板部22eに揺動自在に装着された爪部材82と、爪部材82を中立位置に付勢する付勢部材83とを有している。
【0034】
〔レバーブレーキ機構の構成〕
レバーブレーキ機構6は、図1、図2及び図5に示すように、制動部16と、制動部16の制動力を調整操作するための制動レバー17と、制動レバー17を装着部2cから離反する方向に付勢するコイルばね19と、制動レバー17により所定制動状態と制動解除状態とに切換可能な所定制動部21(図5参照)とを有している。
【0035】
〔制動部の構成〕
制動部16は、図2に示すように、制動レバー17の先端が圧接されて制動される制動部本体31と、ロータ3と制動部本体31とをロータ3の回転方向に応じて連結・遮断する、本発明の第1実施形態に係る爪式のワンウェイクラッチ32とを有している。
【0036】
制動部本体31は、ロータ3の内周側にロータ3と同心に配置された筒状部材40と、筒状部材40の内周面に固定された制動円筒41とを有している。
【0037】
筒状部材40は、図2に示すように、円筒部3aの内周側に同芯に配置される外筒部40aと、外筒部40aの内周側に配置された内筒部40bと、外筒部40aと内筒部40bとを連結する円板部40cとを有する二重筒状部材である。外筒部40aのリール本体2に近い後端部の外周面には、後述する所定制動部21を構成する摩擦リング30が装着される環状溝40dがたとえば3条軸方向に間隔を隔てて形成されている。内筒部40bは、取付部材2eの外周面に装着された軸受14cにより取付部材2eに回転自在に装着されている。
【0038】
制動円筒41は、外筒部40aの内周面から円板部40cにかけて装着された中心孔を有する金属製の有底筒状部材であり、円板部40cにねじ止め固定されている。この制動円筒41の内周面に制動レバー17の先端が当接して筒状部材40を制動する。
【0039】
〔ワンウェイクラッチの構成〕
ワンウェイクラッチ32は爪式のものであり、ロータ3の糸繰り出し方向の回転したときにのみロータ3と制動部本体31の筒状部材40とを連結し、ロータ3に連動して筒状部材40を回転させる。したがって、ロータ3が糸巻取方向に回転したときには、ロータ3と筒状部材40とは遮断され、ロータ3から筒状部材40に回転が伝達されない。ワンウェイクラッチ32は、図2、7及び図8に示すように、ロータ3の円筒部3aの前壁3dに固定されたリング状のラチェットホイール42と、筒状部材40の円板部40cに揺動自在に装着され先端がラチェットホイール42に接触可能なラチェット爪43と、ラチェット爪43を先端がラチェットホイール42に接触する方向に付勢する付勢部材44と、ラチェットホイール42と前壁3dとの間に配置された防振部材45とを有している。
【0040】
ラチェットホイール42は、図7及び図8に示すように、ロータ3の円筒部3aの前壁3dの後面(図8右側の面)に複数本の取付ねじ46により固定されている。ラチェットホイール42は、前壁3dに固定される円板状のフランジ部42aと、フランジ部42aと一体形成された内周面に鋸歯状のラチェット歯42bが形成された筒状部42cとを有している。フランジ部42aには、周方向に間隔を隔てて複数のねじ孔42dが形成されており、そこに取付ねじ46がねじ込まれ、ラチェットホイール42が前壁3dに固定される。このフランジ部42aと前壁3dの後面との間に防振部材45が装着されている。筒状部42cの外周面とロータ3の円筒部3aの内周面との間には隙間42eが形成されている。このような隙間42eを形成することにより、ラチェット歯42bとラチェット爪43との噛み合い時に振動が筒状部42cから円筒部3aに伝達されなくなる。
【0041】
ラチェット爪43は、ラチェット歯42bに噛み合う図7に実線で示す噛み合い位置と、ラチェット歯42bから離脱する図7に二点鎖線で示す噛み合い解除位置とに円板部40cに揺動自在に設けられている。ラチェット爪43は、ラチェット歯42bに噛み合う鋭角状に尖った爪部43aを先端に有し、揺動軸47に揺動自在に装着される揺動装着部43bを中間部に有し、径方向外方に延びる位置決め突起43cを基端に有している。また、揺動装着部43bと爪部43aとの間には、付勢部材44が係止される長円形の係止孔43dが形成されている。揺動軸47は、円板部40cに形成されたボス部40eにねじ込まれている。ラチェット爪43は、揺動軸47を挟んで円板部40cに立設された1対の位置決めボス40f,40gにより揺動範囲が規制されている。位置決めボス40fは、位置決め突起43cに接触してラチェット爪43の噛み合い位置を規制している。ただし、通常は、位置決めボス40fに位置決め突起43cが接触する前に爪部43aがラチェット歯42bの最外径部分に接触するように、位置決めボス40fは配置されている。また、位置決めボス40gは、爪部43aに接触して噛み合い解除位置を規制している。2つの位置決めボス40f,40gは、後で説明するように、付勢部材44がロータ3の回転方向に応じてラチェット爪43を噛み合い方向と噛み合い解除方向とに付勢するので、両方向の位置決めをするために設けられている。
【0042】
付勢部材44は、図7に示すように、ばね性を有する金属製線材をクエスチョンマーク形状に湾曲及び折り曲げて形成された部材であり、ロータ3のボス部3fに形成されたばね装着溝3gに圧接状態で装着された円形部44aと、円形部44aから径方向外方に延びるアーム部44bと、アーム部44bの先端を係止孔43dに向けて折り曲げた係止突起44cとを有している。係止突起44cは、係止孔43dに挿入され、係止孔43dの内側面を両方向に押圧可能である。また、円形部44aの自由直径は、ばね装着部3gの底径より小さい。このため、付勢部材44は、ラチェット爪43を噛み合い方向(図7の反時計回りの方向)と噛み合い解除方向(図7の時計回りの方向)との両方向に付勢可能な両方向付勢部材である。具体的には、付勢部材44は、ばね装着溝3gに圧接され、ロータ3の回転に応じて回転し、噛み合い方向と噛み合い解除方向の両方向にラチェット爪43を付勢する。また、ラチェット爪43がそれ以上揺動しなくなると、ロータ3の回転に対して円形部44aで滑る。
【0043】
この結果、ロータ3が糸巻取方向(図7の時計回り)に回転すると付勢部材44も同方向に回転し、ラチェット爪43を噛み合い解除方向に付勢する。すると、ラチェット爪43が噛み合い解除位置側に揺動し、位置決めボス40gに接触して噛み合い解除位置に位置決めされる。このため、ロータ3が糸巻取方向に回転したときには、筒状部材40にロータ3の回転が伝達されないとともに、ラチェット爪43がラチェットホイール42に断続的に衝突しなくなる。この結果、ワンウェイクラッチ32の静音化を図れるとともに、糸巻取方向に回転した時の回転抵抗を低減できる。
【0044】
また、糸繰り出し方向(図7の反時計回り)にロータ3が回転すると付勢部材44も同方向に回転し、ラチェット爪43を噛み合い方向に付勢する。すると、ラチェット爪43が噛み合い位置側に揺動し、ラチェット歯42bがラチェット爪43の爪部43aに噛み合う。このため、ロータ3が糸繰り出し方向に回転したときには、筒状部材40にロータ3の回転が伝達され、レバーブレーキ機構6による制動操作が可能になる。
【0045】
ここでは、内周面にラチェット歯42bが形成された内歯式のワンウェイクラッチ32において、1つの付勢部材44で、ラチェット爪43を両方向に付勢できるので、回転遮断時のワンウェイクラッチ32の静音化と回転伝達との2つの機能を1つの付勢部材44で実現できる。
【0046】
防振部材45は、たとえば、NBRやウレタンゴム等の弾性を有する合成ゴム製のワッシャ形状のシート状の部材である。防振部材45は、前述したように、ラチェットホイール42のフランジ部42aと前壁3dとの間に両者に接触して配置されている。防振部材45は、ラチェット歯42bがラチェット爪43に衝突して噛み合うときに、その衝突による振動を吸収して、ラチェットホイール42からロータ3に振動を伝達しないようにするため設けられている。
【0047】
〔制動レバーの構成〕
図1に示すように、制動レバー17は、第1軸Xと食い違う第2軸Y方向にリール本体2のリールボディ2aに装着された支持軸33によりリール本体2に第2軸Y回りに揺動自在に支持されている。支持軸33は、図5に示すように、鍔付きの軸部材であり、蓋部材2dを筐体部2fに装着するためのねじ部材である。支持軸33は、蓋部材2d側から挿入されたねじ33aに螺合してリール本体2に固定されている。また、前述したように、制動レバー17は、コイルばね19により装着部2cと離反する方向に付勢されている。制動レバー17は、図1に一点鎖線で示す所定制動位置と、二点鎖線で示す制動解除位置より装着部2cに接近した制動位置との間で揺動自在にリール本体2に取り付けられている。なお、制動レバー17は、通常は、コイルばね19及び所定制動部21の機構により図1に実線で示す制動解除位置と一点鎖線で示す所定制動位置とのいずれかに保持される。
【0048】
制動レバー17は、支持軸33による支持部分から湾曲して前方に延びる制動操作部17aと、支持部分から湾曲して斜め前下方に延びる制動作用部17bと、制動作用部17bに着脱自在に装着された制動部材34(図2参照)とを有している。
【0049】
制動操作部17aは、支持部分から装着部2cに沿ってベールアーム9の外方付近まで前方に延びた後、径方向外方と前方とに分岐して延び、さらに径方向外方に分岐した先端が前方に向けて湾曲した形状である。この湾曲部分から前方が釣竿を握る手の人差し指で操作可能な第1操作部17cとなっており、前方に延びる部分が所定制動操作時に使用する第2操作部17dとなっている。第1操作部17cは、制動レバー17の揺動により、実線で示す制動解除位置から装着部2cに接近する方向に移動可能である。
【0050】
制動作用部17bの先端は、制動円筒41の内周側に対向して配置され、図2に示すように、その先端に制動円筒41の内周面に接触可能な制動部材34が着脱自在に取り付けられている。制動部材34は、たとえばポリアミド系合成樹脂やポリアセタールなどの弾性を有する合成樹脂製であり、制動レバー17の揺動により制動円筒41を径方向外方に押圧する。
【0051】
制動レバー17は、何も操作されないとコイルばね19により付勢されて、図1に実線で示すように、制動解除位置に配置されて制動部材34が制動円筒41から離反している。
【0052】
コイルばね19は、制動レバー17の制動操作部17aとリール本体2の脚部2bとの間に圧縮状態で配置されている。コイルばね19は、制動レバー17を制動解除側に向けて図1反時計回りに付勢している。これにより、制動状態から制動レバー17から手を離すと、ロータ3は制動解除状態になる。
【0053】
また、制動レバー17は、所定制動部21を図6(a)に示す制動解除状態と図6(b)に示す所定制動状態とに切り換える操作を行うためにも使用される。制動作用部17bには、所定制動部21の第2レバー部材27の先端が係止される長円形の係止切り欠き17e(図2参照)が形成されている。係止切り欠き17eは、レバー部材27の先端部の横断面積より大きい面積の切り欠きである。
【0054】
〔所定制動部の構成〕
所定制動部21は、図5に示すように、制動レバー17と連動して揺動するレバー部材27と、レバー部材27を制動解除位置と所定制動位置とで保持するトグルばね28と、図2に示すように、筒状部材40に相対回転可能に装着され筒状部材40に摩擦係合する摩擦部材29と、摩擦部材29を筒状部材40に摩擦係合させるために環状溝40dに装着された、たとえばOリングからなる3本の摩擦リング30とを有している。
【0055】
レバー部材27は、図5及び図6に示すように、リール本体2の前部にスプール軸8と平行に配置された揺動軸27aに揺動自在に装着されている。レバー部材27の基端から揺動中心までの距離は、先端から揺動中心までの距離より2倍以上長い。レバー部材27の先端は、係止切り欠き17eに係止されており、レバー部材27は、制動レバー17と連動して制動解除位置(図6(a))と所定制動位置(図6(b))との間で揺動する。レバー部材27には、係止爪70が揺動自在に装着されている。係止爪70は、基端にばね係止部70aを有し、先端に鋭角の爪部70bを有しており、コイルばね71により爪部70bが突出する方向(図5反時計回り)に付勢されている。トグルばね28は、レバー部材27の基端に係止されている。
【0056】
ここで、制動解除位置あるときレバー部材27の基端はトグルばね28により付勢されて係止切り欠き17eの上面に接触し、所定制動位置にあるとき下面に接触する。レバー部材27の中間部には、係止爪70が揺動自在に装着されている。係止爪70は、基端にばね係止部70aを有し、先端に鋭角の爪部70bを有しており、コイルばね71により爪部70bが突出する方向(図5反時計回り)に付勢されている。コイルばね71は、一端がばね係止部70aに係止され、他端がレバー部材27の揺動軸に係止されている。このように係止爪70を揺動自在にレバー部材27に装着しかつコイルばね71で爪部70aが突出する方向に付勢することにより、所定制動位置にレバー部材27が揺動したときに爪部70bと、後述する摩擦部材29の第2凹凸部29aとの回転位相が合わずに、爪部70bが第2凹凸部29aの突出部分に接触してもショックを吸収して確実に摩擦部材29を回り止めできる。
【0057】
摩擦部材29は、筒状の部材であり、筒状部材40の外周に回転自在に装着されている。摩擦部材29の一端(図2右端)内周面には、係止爪70の爪部70bに係合する鋸歯状の第2凹凸部29aが径方向内方に突出して形成されている。第2凹凸部29aは、レバー部材27が所定制動位置(図6(b))にあるとき、係止爪70に係合して摩擦部材29の糸繰り出し方向の回転を禁止するために設けられている。摩擦部材29の他端(図2左端)と筒状部材40の円板部40cの外側面との間には、たとえば4つの放射状の突起を外周部に有する耳付き座金72と、孔付き円板状の第1座金73とが装着されている。耳付き座金72は、摩擦部材29の一端面から他端側に向けて周方向に間隔を隔てて形成された、たとえば6つの係止溝29bに回転不能に係止される。耳付き座金72及び第1座金73は、C字状に湾曲して形成された抜け止めばね74により抜け止めされる。抜け止めばね74は、摩擦部材29の他端内周面に形成された環状溝29cに装着されている。また、第2凹凸部29aと筒状部材40との間には第2座金75が装着されている。耳付き座金72、第1座金73及び第2座金75は、摩擦部材29の軸方向の取り付け寸法を調節して摩擦部材29ががたつかないように設けられている。
【0058】
このような構成の摩擦部材29では、レバー部材27が所定制動位置に配置され係止爪70が第2凹凸部29aに係合したとき、摩擦部材29が摩擦リング30の作用により筒状部材40に対して摩擦摺動する。
【0059】
ここでは、制動レバー17を所定制動位置に押し込み操作すると、それに連動してレバー部材27も制動解除位置から所定制動位置に揺動する。この結果、係止爪70が摩擦部材29の第2凹凸部29aに係合し、ロータ3の糸繰り出し方向の回転を所定制動状態で制動する。
【0060】
トグルばね28は、図5及び図6に示すように、レバー部材27を付勢して制動レバー17を所定制動位置と制動解除位置とに付勢し、その姿勢を保持することができる。トグルばね28は、レバー部材27の基端に装着された捩じりコイルばねである。トグルばね28は、一端がレバー部材27の基端に係止され、他端がリールボディ2aの前端面に係止されている。トグルばね28は、図6(a)に示すように、レバー部材27が制動解除位置に配置されると、レバー部材27を図6(a)の時計回りに付勢し、所定制動位置に配置されると図6(b)の反時計回りに付勢する。これにより、レバー部材27が制動解除位置と所定制動位置とで保持され、さらに制動レバー17が制動解除位置と所定制動位置とに保持される。
【0061】
〔リールの動作及び操作〕
キャスティング時にはベールアーム9を糸開放姿勢側に倒し、キャスティングすることにより、スプール4の外周から釣り糸が繰り出される。糸巻取時には、ハンドル1を糸巻き取り方向に回転させると、ベールアーム9が図示しない戻し機構により糸巻き取り姿勢に戻る。ハンドル1の回転力は、ハンドル軸10、マスターギア11を介してピニオンギア12に伝達される。ピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12の前部12aを介してロータ3に伝達される。このときロータ3は糸巻き取り方向に回転するので、ワンウェイクラッチ32のラチェット爪43が付勢部材44により噛み合い解除位置側に付勢され、ラチェット爪43とラチェットホイール42との噛み合いが解除され、この回転力は筒状部材40には伝達されない。ピニオンギア12が回転すると、スプール軸8が前後方向に往復移動する。
【0062】
制動レバー17を何も操作しなければ、制動レバー17はコイルばね19及び所定制動部21の作用により押圧され制動解除位置または所定制動位置に配置される。
【0063】
ロータ3を逆転させて魚とやりとりする時には、制動レバー17の第1操作部17cをたとえば人差し指により装着部2c側に引き込み操作して制動力を調整する。
【0064】
釣り糸が魚により引かれてロータ3が糸繰り出し方向に逆転すると、ワンウェイクラッチ32によりロータ3の回転力がワンウェイクラッチ32を介して筒状部材40に伝達され、さらに制動円筒41に伝達され、レバーブレーキ機構6が制動可能な状態になる。糸繰り出し方向にロータ3が回転するとき、ワンウェイクラッチ32では、ラチェット爪43が付勢部材44により付勢されて噛み合い位置側に揺動する。ラチェット爪43が噛み合い位置に揺動すると、ラチェットホイール42のラチェット歯42bがラチェット爪43の先端の爪部43aに衝突し、ラチェットホイール42が振動する。しかし、この振動は防振部材45により吸収され、ロータ3に伝達されない。このため、釣り人に不快感を与えにくくなるとともに、ラチェット歯42bやラチェット爪43に悪影響を与えにくくなる。
【0065】
ラチェット歯42bがラチェット爪43に噛み合うと、ロータ3の回転が筒状部材40伝達され、制動円筒41がロータ3と一体で回転する。制動レバー17の第1操作部17cを装着部2cに接近する方向に引き込み操作すると、たとえ制動レバー17が所定制動位置にあっても、レバー部材27が制動解除位置側に揺動する。この結果、所定制動部21による所定制動状態が一旦解除される。このとき、トグルばね28がレバー部材27の揺動により反転し、レバー部材27が制動解除位置側に付勢され、レバー部材27が制動解除位置側で保持される(図6(a))。
【0066】
この状態でさらに制動レバー17を装着部2cに接近する方向に操作すると、制動レバー17の制動部材34が制動円筒41内周面を径方向外方に強く押圧する。この制動力は制動レバー17に加える力を加減することにより調整でき、ロータ3の逆転量を任意に調整できる。この結果、制動レバー17の操作力に応じた制動力がロータ3に付与される。このように、所定制動状態の解除を忘れても、制動レバー17を引き込み操作するだけで、所定制動状態を解除できる。
【0067】
釣り場を移動する時やリールを収納する時には、第1操作部17cから手を離し第2操作部17dを装着部2cから離反する方向に押し込み操作する。すると、図5及び図6(b)に示すように、レバー部材27が制動解除位置から所定制動位置に揺動し、トグルばね28によりその位置で保持される。この結果、係止爪70が摩擦部材29の第2凹凸部29aに係合して摩擦部材29の回転が阻止され、ロータ3の逆転が阻止される。
【0068】
このときの制動力は、摩擦部材29と筒状部材40との間に装着された摩擦リング30の弾性力によって定められる。このため、移動途中にハンドル1に何かが当たってもハンドル1が回らない程度に強い所定制動力を得やすくなり、釣り場の移動途中に糸ふけが生じない程度に強く所定制動力を設定できる。また、摩擦部材29と筒状部材40との相対回転により制動するので、制動力が変動しにくくなり安定する。
【0069】
さらに、仕掛けの垂らし長さを変更するためや、魚に当たりがあった時に魚に仕掛けを確実に食い込ませるために、ロータ3を所定制動状態から制動解除状態にしたい場合には、制動レバー17を僅かに装着部2cに接近する方向に操作すればよい。すると、前述したように、制動レバー17により2レバー部材27が制動解除位置に揺動して所定制動状態が一旦解除される。
【0070】
このような構成のスピニングリールでは、ラチェットホイール42とロータ3との間には防振部材45が配置されているので、衝突時のラチェットホイール42の振動が防振部材45に吸収されて抑えられ、ロータ3にあまり伝達されなくなる。このため、釣り人に不快感を与えにくくなるとともに、ラチェット歯42bやラチェット爪43に悪影響を与えにくくなる。
【0071】
〔第2実施形態〕
前記第1実施形態では、レバーブレーキ式のスピニングリールのレバーブレーキ機構6を構成するワンウェイクラッチ32を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スピニングリールの逆転防止機構を構成するワンウェイクラッチに本発明を適用してもよい。
【0072】
図9において、本発明の第2実施形態を採用したスピニングリールは、釣り竿の長手方向に沿う第1軸X回りに釣り糸を巻き取るリールであって、ハンドル101を備えたリール本体102と、リール本体102の前部に第1軸X回りに回転自在に支持されたロータ103と、ロータ103の前部に配置された釣り糸を巻き取るスプール104とを備えている。リール本体102の内部には、特には図示しないが、ロータ103を回転させるためのピニオンギア112を有するロータ駆動機構と、スプール軸108を介してスプール104を前後に往復移動させるオシレーティング機構とが設けられている。
【0073】
ロータ3は、たとえばアルミニウム合金又は合成樹脂製であり、リール本体102に回転自在に支持されている。ロータ103は、円筒部103aと、円筒部103aの側方に互いに対向して設けられた第1及び第2アーム部103b,103cとを有している。円筒部103aの前壁103dの中央部には貫通孔103eを有するボス部103fが形成されている。この貫通孔103eにスプール軸108及びピニオンギア112が貫通している。また、図9に示すように、第1アーム部103bの先端と第2アーム部103cの先端部とには、ベールアーム109が揺動自在に設けられている。このベールアーム109により釣り糸がスプール104に案内される。ロータ103の円筒部103aの内部には、ロータ103の糸繰り出し方向の逆転を禁止する逆転禁止機構106が設けられている。
【0074】
〔逆転禁止機構の構成〕
逆転禁止機構106は、図12に示すように、ワンウェイクラッチ132と、ワンウェイクラッチ132を逆転許可状態と逆転禁止状態とに切り換え操作するための切換操作部133とを有している。
【0075】
ワンウェイクラッチ132は、爪式のものであり、切換操作部133の操作により、ロータ103の糸繰り出し方向の逆転を禁止及び許容可能である。したがって、ロータ103の糸巻取方向の回転は常に許容される。ワンウェイクラッチ132は、図10〜図13に示すように、ロータ103の円筒部103aの前壁103dに固定されたリング状のラチェットホイール142と、リール本体102の前部102aに揺動自在に装着され先端がラチェットホイール42に接触可能なラチェット爪143と、ラチェット爪143を先端がラチェットホイール142に接触する方向に付勢する付勢機構144と、ラチェットホイール142と前壁103dとの間に配置された防振部材145とを有している。
【0076】
ラチェットホイール142は、ロータ3の円筒部103aの前壁103dの後面(図13の右側の面)に複数本(たとえば4本)の取付ねじ146により固定されている。ラチェットホイール142は、前壁103dに固定される円板状のフランジ部142aと、フランジ部142aと一体形成された内周面に鋸歯状のラチェット歯142bが形成された筒状部142cとを有している。フランジ部142aには、周方向に間隔を隔てて複数のねじ孔142dが形成されており、そこに取付ねじ146がねじ込まれ、ラチェットホイール142が前壁103dに固定される。このフランジ部142aと前壁103dの後面との間及び円筒部103aの内周面と筒状部142cとの間に防振部材145が装着されている。
【0077】
ラチェット爪143は、ラチェット歯142bに噛み合う図10に示す噛み合い位置と、ラチェット歯142bから離脱する図11に示す噛み合い解除位置とにリール本体102の前部102aに揺動自在に設けられている。ラチェット爪143は、ラチェット歯142bに噛み合う爪部143aを先端に有し、揺動軸147に揺動自在に装着される揺動装着部143bを中間部に有し、径方向外方に延びるばね係止部143cを基端に有している。また、爪部143aにはそこから延びる切換突起143dが形成されている。ばね係止部143cには、付勢機構144の後述する噛み合い解除方向付勢部材151が当接する。また、切換突起143dには、切換操作部133の後述する切換カム163が当接する。揺動軸147は、リール本体102の前部102aに立設されており、ラチェット爪143は、揺動軸147の先端面にねじ込まれた取付ねじ147aにより抜け止めされている。
【0078】
付勢機構144は、図10〜図12に示すように、ラチェット爪143を噛み合い位置側に常時付勢する噛み合い方向付勢部材150と、ロータ103が糸巻取方向に正転すると、それに連動してラチェット爪143を噛み合い解除位置側に付勢する噛み合い解除方向付勢部材151とを有している。
【0079】
噛み合い方向付勢部材150は、揺動軸147の外周側に巻き付けられ、一端がリール本体102に係止され、他端がラチェット爪143に係止された捩じりコイルばねで構成されている。この噛み合い方向付勢部材150の付勢力は、噛み合い解除方向付勢部材151の付勢力より弱い。このため、ロータ103が糸繰り出し方向に回転すると、噛み合い解除方向付勢部材151は、噛み合い方向付勢部材150の付勢力に抗してラチェット爪143を噛み合い解除位置側に付勢する。
【0080】
噛み合い解除方向付勢部材151は、ばね性を有する金属製線材をクエスチョンマーク形状に湾曲及び折り曲げて形成されたばね部材155と、ばね部材155が係止されスプール軸回りに所定範囲で揺動自在に装着された揺動部材156とを有している。ばね部材155は、ロータ103が回転不能に装着されたピニオンギア112に圧接状態で装着されている。揺動部材156は、ピニオンギア112に揺動自在に装着されている。揺動部材156は、ロータ103が糸巻取方向に回転するとばね係止部143cに当接する。この結果、噛み合い解除方向付勢部材151は、ロータ103が糸巻取方向に回転すると噛み合い解除方向(図10及び図11の時計回りの方向)にラチェット爪143を付勢し、ラチェット爪143をラチェットホイール142から離反させる。この結果、糸巻取時のワンウェイクラッチ132の静音化を図ることができる。
【0081】
防振部材145は、たとえば、NBRやウレタンゴム等の弾性を有する合成ゴム製の鍔付き筒状の部材である。防振部材145は、図13に示すように、ラチェットホイール142のフランジ部142aと前壁103dとの間に両者に接触して配置されるワッシャ形状の内鍔部145aと、内鍔部145aと一体形成され、円筒部103aと筒状部142cとの間に両者に接触して配置される筒部145bとを有している。防振部材145は、ラチェット歯142bがラチェット爪143に衝突して噛み合うときに、その衝突による振動を吸収して、ラチェットホイール142からロータ103に振動を伝達しないようにするため設けられている。
【0082】
切換操作部133は、図12に示すように、リール本体102にスプール軸108と平行な軸回りに前後に貫通して回動自在に装着されたストッパカム軸161と、ストッパカム軸161の後端に回転不能に装着されたストッパレバー162と、ストッパカム軸161の先端に一体形成された切換カム163とを有している。切換カム163は、ストッパカム軸161の回動軸芯に対して偏芯しており、ストッパカム軸161の回動に対して揺動する。切換カム163は、ストッパレバー162によりストッパカム軸161が逆転許可方向(図11の反時計回り)に回動操作されると、図11に示すように、ラチェット爪143の切換突起143dに当接してラチェット爪143を噛み合い解除位置に向けて押圧する。この結果、ワンウェイクラッチ132は逆転許可状態になり、ロータ103は両方向に回転可能になる。また、切換カム163は、ストッパレバー162によりストッパカム軸161が逆転禁止方向(図10の時計回り)に回動操作されると、図10に示すように、ラチェット爪143の切換突起143dへの押圧を解除し、ラチェット爪143は、噛み合い方向付勢部材150により付勢されて噛み合い位置に向けて揺動する。この結果、ワンウェイクラッチ132が逆転禁止状態になり、ロータ103の糸繰り出し方向の逆転が禁止される。
【0083】
このような構成のスピニングリールでも、ラチェットホイール142とロータ103との間には防振部材145が配置されているので、衝突時のラチェットホイール142の振動が防振部材145に吸収されて抑えられ、ロータ103にあまり伝達されなくなる。このため、釣り人に不快感を与えにくくなるとともに、ラチェット歯142bやラチェット爪143に悪影響を与えにくくなる。
【0084】
〔他の実施形態〕
(a)図13に示すように、筒状部42cの外周面とロータ3の円筒部3aの内周面との間の隙間42eにOリングなどの弾性体製のリング部材90を装着してもよい。この場合、筒状部42cの外周面に環状のリング装着溝42fを形成し、そのリング装着溝42fにリング部材90を装着するのが望ましい。この場合には、隙間42eにも弾性体製のリング部材90が装着されているので、振動をさらに吸収できる。なお、リング部材90は、弾性体製のリング部材であればどのような形状でもよい。
【0085】
(b)図14に示すように、ラチェットホイール42の筒状部42cの外周面に、ラチェット歯42bの外径より底径が小さい環状のリング装着溝42gを形成し、そこにOリングなどの弾性体製のリング部材91を装着してもよい。この場合には、噛み合い時にラチェット歯42bがラチェット爪43に衝突するとき、リング部材91の内周部にラチェット爪43の先端が当接するので、衝突時の衝撃がさらに緩和される。この場合にも、リング部材91は、弾性体製のリング部材であればどのような形状でもよい。また、前記他の実施形態(a)のリング部材90と兼用してもよい。この場合、リング部材91を隙間42eに装着可能な形状にすればよい。また、リング部材91より大径の別のリング部材をリング装着溝42gに装着してもよい。
【0086】
(c)前記実施形態では、防振部材45を装着しやすくするために、前壁3dにラチェットホイール42,142を固定したが、円筒部3aの内周面にラチェットホイール42,142をねじなどを利用して固定し、円筒部3aの内周面とラチェットホイール42,142の筒状部42c,142cとの間に防振部材を装着してもよい。この場合、前壁3dとラチェットホイール42との間に隙間を形成するか、または弾性部材を装着するのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1実施形態を採用したスピニングリールの側面断面図。
【図2】前記スピニングリールの制動部の断面拡大図。
【図3】前記スピニングリールのスプールの正面図
【図4】図3のIV−IV断面図。
【図5】図1のV−V断面図。
【図6】制動解除状態と所定制動状態での第2レバー部材の動作を示す模式図。
【図7】図2のVII−VII断面図。
【図8】ラチェットホイールの断面拡大図。
【図9】本発明の第2実施形態の図1に相当する側面一部破断図。
【図10】第2実施形態の逆転禁止状態の図7に相当する図。
【図11】第2実施形態の逆転許可状態の図7に相当する図。
【図12】第2実施形態の図8に相当する図。
【図13】他の実施形態の図8に相当する図。
【図14】他の実施形態の図8に相当する図。
【図15】他の実施形態の図8に相当する図。
【符号の説明】
【0088】
2,102 リール本体
3,103 ロータ
3a,103a 円筒部
3d,103d 前壁
6 レバーブレーキ機構
17 制動レバー
32,132 ワンウェイクラッチ
40 筒状部材
42,142 ラチェットホイール
42e 隙間
43,143 ラチェット爪
44 ばね部材(両方向付勢部材の一例)
45,145 防振部材
42f,42g リング装着溝
90,91 リング部材
106 逆転禁止機構
144 付勢機構
150 噛み合い方向付勢部材
151 噛み合い解除方向付勢部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピニングリールのリール本体に回転自在に装着されたロータに設けられるスピニングリールのワンウェイクラッチであって、
前記ロータに固定され内周に鋸歯状のラチェット歯が形成されたリング状のラチェットホイールと、
前記リール本体及び前記リール本体に対して回転自在なリール部品のいずれかに前記ラチェット歯に噛み合う噛み合い位置と前記ラチェット歯から離脱する噛み合い解除位置とに揺動自在に設けられたラチェット爪と、
前記ラチェット爪を少なくとも前記噛み合い位置側に付勢する付勢機構と、
前記ラチェットホイールと前記ロータとの間に介装された防振部材とを備え、
前記ロータと前記リール本体及び前記リール部品のいずれかとを前記ロータが糸繰り出し方向に回転したときのみ連結するスピニングリールのワンウェイクラッチ。
【請求項2】
前記付勢機構は、前記ロータが糸巻取方向に正転すると前記ラチェット爪を噛み合い解除位置側に付勢し、糸繰り出し方向に逆転すると前記ラチェット爪を前記噛み合い位置側に付勢する両方向付勢部材を有する、請求項1に記載のスピニングリールのワンウェイクラッチ。
【請求項3】
前記付勢機構は、前記ロータの回転に関わらず、前記ラチェット爪を前記噛み合い位置側に付勢する噛み合い方向付勢部材を有する、請求項1に記載のスピニングリールのワンウェイクラッチ。
【請求項4】
前記付勢機構は、前記ロータが糸巻取方向に正転すると、前記ラチェット爪を前記噛み合い方向付勢部材より強い付勢力で噛み合い解除位置側に付勢する噛み合い解除方向付勢部材をさらに有する、請求項3に記載のスピニングリールのワンウェイクラッチ。
【請求項5】
前記ロータは、円筒部と円筒部の前部内周面に一体形成された前壁部とを有し、
前記ラチェットホイールは、前記円筒部及び前壁部のいずれか一方に固定され、かついずれか他方と隙間をあけて配置され、
前記防振部材は、前記ラチェットホイールと前記円筒部及び前壁部の一方との間に介装されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のスピニングリールのワンウェイクラッチ。
【請求項6】
前記円筒部及び前壁部のいずれか他方と前記ラチェットホイールとの隙間に両者に接触して配置された弾性体製の第1リング部材をさらに備える、請求項5に記載のスピニングリールのワンウェイクラッチ。
【請求項7】
前記ロータは、円筒部と円筒部の前部内周面に一体形成された前壁部とを有し、
前記ラチェットホイールは、前記円筒部及び前壁部のいずれか一方に固定され、
前記防振部材は、前記ラチェットホイールと前記円筒部及び前壁部の間に介装されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のスピニングリールのワンウェイクラッチ。
【請求項8】
前記ラチェットホイールは、前記ラチェット歯の外径より底径が小さい環状溝を外周面に有し、
前記環状溝に装着される弾性体製の第2リング部材をさらに備える、請求項1から7のいずれか1項に記載のスピニングリールのワンウェイクラッチ。
【請求項9】
前記スピニングリールは、制動レバーにより前記リール部品としての制動部材を制動するレバーブレーキ機構を有するスピニングリールであり、
前記ラチェット爪は、前記制動部材に設けられ、
前記ワンウェイクラッチは、前記ロータの糸繰り出し方向の回転のみ前記制動部材に伝達する、請求項1から8のいずれか1項に記載のスピニングリールのワンウェイクラッチ。
【請求項10】
前記スピニングリールは、ロータの糸繰り出し方向の逆転を禁止する逆転禁止機構を有するスピニングリールであり、
前記ラチェット爪は、前記リール本体に設けられ、
前記ワンウェイクラッチは、前記ロータの前記逆転を禁止する、請求項1から8のいずれか1項に記載のスピニングリールのワンウェイクラッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−129775(P2006−129775A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−322393(P2004−322393)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】