説明

スピノシンと金属とタンパク質様物質とを含有してなる殺虫剤組成物

高められた有害生物防除活性レベルを示す害虫防除組成物が、開示される。1つの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの有害生物防除剤と、少なくとも1つの遷移金属塩と、少なくとも1つのタンパク質様物質とを含有する。この実施形態において、前記組成物は、前記少なくとも1つの遷移金属塩と前記少なくとも1つのタンパク質様物質とを有していないという点でのみ異なる組成物と比べて高められた有害生物防除活性レベルを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年4月30日付け出願の米国特許仮出願第61/214,965号の優先権を主張し、その内容は、その全体を参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に開示する発明は、有害生物防除剤(pesticide)及びその害虫防除における使用の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
害虫は、毎年世界中で数百万人もの人を死に至らせる。また、農業において損失をもたらす一万を超える種の害虫が存在する。これらの農業損失は、毎年数十億米ドルに達する。シロアリは、様々な構造物、例えば家屋に被害をもたらす。これらシロアリによる被害損失は、毎年数十億米ドルに達する。最後の注目すべきこととして、多数の貯蔵食品害虫が、貯蔵食品を食し、貯蔵食品の品質を落とす。これら貯蔵食品の損失は、毎年数十億米ドルに達するが、さらに重要なことは人々から必要する食品を奪うことである。
【0004】
多数の有害生物防除剤組成物が、害虫を撲滅し、これらの害虫によってもたらされる被害を軽減するために長年にわたって開発されている。これらの組成物は、多くの場合、昆虫もしくは他の害虫が生息する環境又はこれらの卵が存在する環境、例えばこれらの周囲の大気、これらが食する食品、又はこれらが接触する物品に施用される。これらの組成物の幾つかは、これらの環境に施用されると化学的及び物理的分解を受けやすい。これらの型の分解が起こると、有害生物防除剤の有害生物防除活性は、悪影響を受けることがあり、一般に有害生物防除剤が施用される濃度の上昇及び/又は有害生物防除剤のさらに頻繁な施用を必要とする。その結果、利用者の費用及び消費者の費用が、増大し得る。従って、例えば有害生物防除剤組成物を害虫を防除するために環境に施用した場合に、従来の有害生物防除剤組成物に比べて高められた安定性及び高められた活性を示す新規な有害生物防除剤組成物に対する必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、新規な有害生物防除剤組成物並びにその昆虫及びある種の他の無脊椎動物の防除における使用に関する。1つの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの有害生物防除剤と、少なくとも1つの金属塩と、少なくとも1つのタンパク質様物質とを含有する。この実施形態において、前記組成物は、少なくとも1つの金属塩と少なくとも1つのタンパク質様物質とを有していないという点でのみ異なる組成物と比べて高められた有害生物防除活性レベルを示す。1つの形態において、前記少なくとも1つの有害生物防除剤は、光不安定性有害生物防除剤である。別の形態において、前記少なくとも1つの有害生物防除剤は、大環状ラクトン系殺虫剤である。
【0006】
さらに具体的な形態において、前記少なくとも1つの有害生物防除剤は、スピノシン、例えばスピネトラム又はスピノサドであり、前記少なくとも1つの金属塩は、遷移金属塩、例えば遷移金属アセテート、アセチルアセトナート、ニトラート、スルファート、カルボナート又はハロゲン化物(塩化物、弗化物、臭化物及びヨウ化物を含む)であり、及び前記少なくとも1つのタンパク質様物質は、卵白、乳清、ゼラチン又はゼインである。しかし、前記の少なくとも1つの有害生物防除剤、遷移金属塩及びタンパク質様物質の代替物が意図されることが認められるべきである。
【0007】
別の実施形態において、組成物は、約8重量%〜約15重量%のスピネトラムと、約40重量%〜約60重量%のタンパク質様物質と、約25重量%〜約40重量%の遷移金属塩とを含有する。この実施形態の1つの態様において、遷移金属塩は、鉄(III)スルファートを含み及びタンパク質様物質は、卵白を含む。
【0008】
さらに別の実施形態において、方法は、防除が望まれる場所に昆虫不活性化量の有害生物防除剤組成物を施用することを備える。さらに、本発明の別の実施形態、形態、特徴、態様、利益、目的、及び利点は、詳細な説明及び提供する実施例から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書全体を通じて、温度は全て摂氏温度で示し、%は全て、特に明記しない限りは重量%である。
【0010】
高められた安定性及び高められた有害生物防除活性を示す有害生物防除剤組成物が、本明細書に記載される。さらに詳しくは、1つ又はそれ以上の実施形態において、前記有害生物防除剤組成物は、高められた残留有害生物防除活性を示す。有害生物防除剤は、本明細書においてある有害生物防除活性又は殺生物活性を示すか、あるいは害虫集団の防除又は制限に関与する任意の化合物として定義される。このような化合物としては、殺真菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺シロアリ剤、殺鼠剤、殺軟体生物剤、殺節足動物剤、除草剤、殺生物剤、並びにフェロモン類及び誘引物質などが挙げられる。
【0011】
本明細書に記載の組成物に含有させることができる有害生物防除剤の例としては、以下に限定されないが、抗生物質系殺虫剤、大環状ラクトン系殺虫剤(例えば、アベルメクチン系殺虫剤、ミルベマイシン系殺虫剤、及びスピノシン系殺虫剤)、ヒ素系殺虫剤、植物系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤(例えば、ベンゾフラニルメチルカーバメート系殺虫剤、ジメチルカーバメート系殺虫剤、オキシムカーバメート系殺虫剤、及びフェニルメチルカーバメート系殺虫剤)、ジアミド系殺虫剤、乾燥剤系殺虫剤、ジニトロフェノール系殺虫剤、弗素系殺虫剤、ホルムアミジン系殺虫剤、燻蒸剤系殺虫剤、無機系殺虫剤、昆虫成長調節剤(例えば、キチン合成阻害剤、幼若ホルモン模擬剤、幼若ホルモン類、脱皮ホルモンアゴニスト、脱皮ホルモン類、脱皮阻害剤、プレコセン類、及びその他の未分類昆虫成長調節剤)、ネライストキシン類縁体系殺虫剤、ニコチノイド系殺虫剤(例えば、ニトログアニジン系殺虫剤、ニトロメチレン系殺虫剤、及びピリジルメチルアミン系殺虫剤)、有機塩素系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、オキサジアジン系殺虫剤、オキサジアゾロン系殺虫剤、フタルイミド系殺虫剤、ピラゾール系殺虫剤、ピレスロイド系殺虫剤、ピリミジンアミン系殺虫剤、ピロール系殺虫剤、テトラミン酸系殺虫剤、テトロン酸系殺虫剤、チアゾール系殺虫剤、チアゾリジン系殺虫剤、チオ尿素系殺虫剤、尿素系殺虫剤、及びその他の未分類殺虫剤が挙げられる。
【0012】
本明細書に記載の組成物に用いることができる具体的な殺虫剤の幾つかとしては、以下に限定されないが、次のもの:1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロプロペン、アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アセチオン、アセトプロール、アクリナトリン、アクリロニトリル、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルドリン、アレスリン、アロサミジン、アリキシカルブ、α−シペルメトリン、α−エンドスルファン、アミジチオン、アミノカルブ、アミトン、アミトラズ、アナバシン、アチダチオン、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホス・エチル、アジンホスメチル、アゾトエート、バリウムヘキサフルオロシリケート、バートリン、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、β−シフルトリン、β−シペルメトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸、ブロムフェンビンホス、ブロモシクレン、ブロモ−DDT、ブロモホス、ブロモホスエチル、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタカルブ、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブトネート、ブトキシカルボキシム、カズサホス、カルシウムアルセナート、カルシウムポリスルフィド、カンフェクロル、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、カーボンジスルフィド、カーボンテトラクロリド、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルビシクレン、クロルデン、クロルデコン、クロルジメホルム、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロホルム、クロルピクリン、クロルホキシム、クロルピラゾホス、クロルピリホス、クロルピリホス・メチル、クロルチオホス、クロマフェノジド、シネリンI、シネリンII、シスメトリン、クロエトカルブ、クロサンテル、クロチアニジン、銅アセトアルセニット、銅アルセナート、銅ナフテナート、銅オレアート、クマホス、クミトエート、クロタミトン、クロトキシホス、クルホメート、クリオライト、シアノフェンホス、シアノホス、シアントエート、シクレトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、シチオエート、DDT、デカルボフラン、デルタメトリン、デメフィオン、デメフィオン−O、デメフィオン−S、デメトン、デメトン・メチル、デメトン−O、デメトン−O−メチル、デメトン−S、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ケイソウ土、ダイアジノン、ジカプトン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジクレジル、ジクロトホス、ジシクラニル、ディルドリン、ジフルベンズロン、ジロール、ジメフルトリン、ジメホックス、ジメタン、ジメトエート、ジメトリン、ジメチルビンホス、ジメチラン、ジネックス、ジノプロップ、ジノサム、ジノテフラン、ジオフェノラン、ジオキサベンゾホス、ジオキサカルブ、ジオキサチオン、ジスルホトン、ジチクロホス、d−リモネン、DNOC、ドラメクチン、エクジステロン、エマメクチン、EMPC、エンペントリン、エンドスルファン、エンドチオン、エンドリン、EPN、エポフェノナン、エプリノメクチン、エスフェンバレレート、エタホス、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトエート・メチル、エトプロホス、エチルホルマート、エチル−DDD、エチレンジブロミド、エチレンジクロリド、エチレンオキシド、エトフェンプロックス、エトリムホス、EXD、ファムフル、フェナミホス、フェナザフロール、フェンクロルホス、フェネタカルブ、フェンフルトリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンピリトリン、フェンプロパトリン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンチオン・エチル、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルコフロン、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホルモチオン、ホルムパラネート、ホスメチラン、ホスピレート、ホスチエタン、フラチオカルブ、フレトリン、γ−シハロトリン、γ−HCH、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド、HCH、HEOD、ヘプタクロル、ヘプテノホス、ヘテロホス、ヘキサフルムロン、HHDN、ヒドラメチルノン、ハイドロゲンシアニド、ハイドロプレン、ヒキンカルブ、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、ヨードメタン、IPSP、イサゾホス、イソベンザン、イソカルボホス、イソドリン、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソプロチオラン、イソチオエート、イソオキサチオン、イベルメクチン、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ヨードフェンホス、幼若ホルモンI、幼若ホルモンII、幼若ホルモンIII、ケレバン、キノプレン、λ−シハロトリン、鉛アルセナート、レピメクチン、レプトホス、リンデン、リリムホス、ルフェヌロン、リチダチオン、マラチオン、マロノベン、マジドックス、メカルバム、メカルホン、メナゾン、メホスホラン、水銀(I)クロリド、メスルフェンホス、メタフルミゾン、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メトクロトホス、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メチルブロミド、メチルクロロホルム、メチレンクロリド、メトフルトリン、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、メキサカルベート、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシム、ミパホックス、マイレックス、モノクロトホス、モルホチオン、モキシデクチン、ナフタロホス、ナレッド、ナフタレン、ニコチン、ニフルリジッド、ニテンピラム、ニチアジン、ニトリラカルブ、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシデメトン・メチル、オキシデプロホス、オキシジスルホトン、パラ−ジクロロベンゼン、パラチオン、パラチオン・ メチル 、ペンフルロン、ペンタクロロフェノール、ペルメトリン、フェンカプトン、フェノトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスホラン、ホスメット、ホスニクロル、ホスファミドン、ホスフィン、ホキシム、ホキシム・メチル、ピリミメタホス、ピリミカーブ、ピリミホス・エチル、ピリミホス・メチル、カリウムアルセニット、カリウムチオシアナート、pp’−DDT、プラレスリン、プレコセンI、プレコセンII、プレコセンIII、プリミドホス、プロフェノホス、プロフルトリン、プロマシル、プロメカルブ、プロパホス、プロペタムホス、プロポキスル、プロチダチオン、プロチオホス、プロトエート、プロトリフェンブテ(protrifenbute)、ピラクロホス、ピラフルプロール、ピラゾホス、ピレスメトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリフルキナゾン、ピリミジフェン、ピリミテート、ピリプロール、ピリプロキシフェン、クアッシア、キナルホス、キナルホスメチル、キノチオン、ラフォキサニド、レスメトリン、ロテノン、ライアニア、サバディラ、シューラーダン、セラメクチン、シラフルオフェン、シリカゲル、ナトリウムアルセニット、ナトリウムフルオリド、ナトリウムヘキサフルオロシリケート、チオシアン酸ナトリウム、ソファミッド、スピネトラム、スピノサド、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルコフロン、スルフラミド、スルホテップ、スルフリルフルオリド、スルプロホス、τ−フルバリネート、タジムカルブ、TDE、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、TEPP、テラレトリン、テルブホス、テトラクロロエタン、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、θ−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チクロホス、チオカルボキシム、チオシクラム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオサルタップ、ツリンギエンシン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トランスフルトリン、トランスペルメトリン、トリアラセン、トリアザメート、トリアゾホス、トリクロルホン、トリクロルメタホス−3、トリクロロナート、トリフェノホス、トリフルムロン、トリメタカルブ、トリプレン、バミドチオン、バニリプロール、XMC、キシリルカルブ、ζ−シペルメトリン、ゾラプロホス、及びα−エクジソンが挙げられる。
【0013】
また、前記殺虫剤の任意の組み合わせを本明細書に記載の組成物に用いることができるが意図される。さらなる情報については、http://www.alanwood.net/pesticides/index.
htmlにある、「COMPENDIUM OF PESTICIDE COMMON NAMES」を参考にされたい。また、「THE PESTICIDE MANUAL」, 14th Edition, edited by C D S Tomlin, copyright 2006 by British Crop Production Councilも参考にされたい。
【0014】
種々の有害生物防除剤が、熱及び/又は光などのある種の環境の影響の存在下で化学的及び物理的分解を受け易い。これらの影響の後者に関する分解を受け易い有害生物防除剤は、一般に「光不安定性」と呼ばれる。少なくとも幾つかの光不安定性有害生物防除剤に関して、これらの分解は、一重項酸素との反応に起因し得ると考えられる。一重項酸素と反応する有害生物防除剤の例としては、以下に限定されないが、ある種のオレフィン類、芳香族炭化水素、フェノール類、ナフトール類、フラン類、ピラン類及びその他の酸素含有複素環;ピロール類、オキサゾール類、イミダゾール類、インドール類及びその他の窒素含有複素環;脂肪族アミン類、脂環式アミン類及び芳香族アミン類;アミノ酸類、ペプチド類及びタンパク質類;並びに硫黄含有化合物、例えばメルカプタン類及びスルフィド類などが挙げられる。有害生物防除剤が一重項酸素と反応するか否かの決定に関するさらなる詳細は、国際特許公開WO2007/053760号明細書に提供される。前述の光不安定性の一重項酸素反応性有害生物防除剤の1つ又はその組み合わせが本明細書に記載の組成物に含有させることができることが認められるべきである。
【0015】
本明細書に記載の組成物に単独で含有させるか又は相互に組み合わせて含有させることができる光不安定性の一重項酸素反応性有害生物防除剤のさらに具体的な例としては、以下に限定されないが、微生物、微生物産物、及び植物、動物又はミネラル担持岩石(mineral-bearing rocks)から誘導又は抽出される物質である天然物が挙げられる。これらの天然物としては、天然由来の土壌生息生物、例えば放線菌から誘導される産物、例えば大環状ラクトン系殺虫剤が挙げられる。1つの典型的な大環状ラクトン系殺虫剤としては、アバメクチン類及びこれらの誘導体、例えばアバメクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン及びセラメクチンが挙げられる。別の典型的な大環状ラクトン系殺虫剤としては、ミルベマイシン類及びこれらの誘導体、例えばレピメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシン オキシム及びモキシデクチンが挙げられる。さらに別の典型的な大環状ラクトン系殺虫剤としては、スピノシン類、例えばスピノサド、及びこれらの誘導体、例えば米国特許第5,227,295号;同第5,670,364号;同第5,591,606号;同第6,001,981号;同第6,143,526号;同第6,455,504号;同第6,585,990号;同第6,919,464号;同第5,362,634号;同第5,539,089号;及び同第5,202,242号各明細書(これらのそれぞれは、その全体を参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているような合成により製造されたスピネトラムが挙げられる。その他の天然物としては、サバジラ又はベラトリン、ジョチュウギク又はピレトリン、ニーム油又はアザジラクチン、ロテノン、ライアニア又はリアノジン、バシラス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)(B.t.)、バシラス・サブチリス(Bacillus subtilis)、フェロモン類、天然誘引物質などが挙げられる。本明細書に記載の組成物に含有させることができる他の有害生物防除剤としては、一重項酸素に対して反応性である合成により製造される有害生物防除剤を挙げることができる。例として、以下に限定されないが、インドキサカルブ、イマザリル及びフェンプロピモルフが挙げられる。前記の他に、本明細書に記載の組成物が、一重項酸素と反応する少なくとも1つの有害生物防除剤及び一重項酸素と反応しないか又は光不安定性である少なくとも1つの他の有害生物防除剤も含有することができることが認められるべきである。
【0016】
1つの実施形態において、組成物は、前述の有害生物防除剤の少なくとも1つ又は混合物と、少なくとも1つの金属塩と、少なくとも1つのタンパク質様物質とを含有する。この実施形態において、前記組成物は、金属塩とタンパク質様物質とを有していないという点でのみ異なる組成物と比べて高められた有害生物防除活性を示す。例えば、前記組成物の活性又は半減期が引き延ばされ、従って同じ活性が、金属塩とタンパク質様物質とを有していないという点でのみ異なる組成物と比べてより少ない量の組成物を用いて達成できることが意図される。さらに又はあるいは、長時間にわたる改善された害虫防除は、金属塩とタンパク質様物質とを有していないという点でのみ異なる組成物と比べて、金属塩とタンパク質様物質とを含有する組成物を用いて達成されることが意図される。
【0017】
本明細書で使用する「金属塩」という用語は、酸の1個又は複数個の水素が、金属によって置換され、同時にその酸と同じ有機又は無機部分を保持している化合物を指す。非限定的な例として、金属塩の一部を形成することができる有機又は無機部分としては、アセテート、アセチルアセトナート、ニトラート、スルファート、カルボナート及びハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物、弗化物及びヨウ化物が挙げられる。本明細書に記載のさらに具体的な実施形態の1つ又はそれ以上において、金属塩は、遷移金属塩であることができる。本明細書の目的のために、亜鉛は、遷移金属であるとみなされる。遷移金属塩の非限定的な例としては、遷移金属アセテート、遷移金属アセチルアセトナート、遷移金属ニトラート、遷移金属スルファート、遷移金属カルボナート及び遷移金属ハロゲン化物、例えば塩化物、弗化物、臭化物及びヨウ化物が挙げられる。遷移金属アセテートのさらに具体的な例としては、以下に限定されないが、亜鉛アセテート、第一鉄〔鉄(II)〕アセテート、第二鉄〔鉄(III)〕アセテート、コバルト(II)アセテート及び第二銅〔銅(II)〕アセテートが挙げられる。遷移金属アセチルアセトナートについて、さらに具体的であるが非限定的な例としては、第一銅〔銅(I)〕アセチルアセトナート、第二銅〔銅(II)〕アセチルアセトナート、ニッケル(II)アセチルアセトナート及び亜鉛アセチルアセトナートが挙げられる。遷移金属ニトラートのさらに具体的な例としては、以下に限定されないが、亜鉛ニトラート、第二銅〔銅(II)〕ニトラート、マンガン(II)ニトラート、第二鉄〔鉄(III)〕ニトラート、コバルト(II)ニトラート及びニッケル(II)ニトラートが挙げられる。遷移金属スルファートの非限定的な例としては、亜鉛スルファート、第一鉄〔鉄(II)〕スルファート、第二鉄〔鉄(III)〕スルファート、マンガン(II)スルファート、コバルト(II)スルファート、ニッケル(II)スルファート、及び第二銅〔銅(II)〕スルファートが挙げられる。遷移金属カルボナートの幾つかの具体的であるが非限定的な例としては、亜鉛カルボナート、マンガン(II)カルボナート、鉄カルボナート、ニッケル(II)カルボナート、コバルト(II)カルボナート及び第二〔銅(II)〕カルボナートが挙げられる。遷移金属弗化物のさらに具体的な例としては、以下に限定されないが、第一銅〔銅(I)〕フルオリド、第二銅〔銅(II)〕フルオリド、亜鉛フルオリド、マンガン(II)フルオリド、マンガン(III)フルオリド及び第二鉄〔鉄(III)〕フルオリドが挙げられる。遷移金属塩化物の非限定的な例としては、亜鉛クロリド、第一銅〔銅(I)〕クロリド、第二銅〔銅(II)〕クロリド、マンガン(II)クロリド、ニッケル(II)クロリド、コバルト(II)クロリド、第一鉄〔鉄(II)〕クロリド及び第二鉄〔鉄(III)〕クロリドが挙げられる。遷移金属臭化物に関して、幾つかの例としては、以下に限定されないが、亜鉛ブロミド、第一銅〔銅(I)〕ブロミド、第二銅〔銅(II)〕ブロミド、コバルト(II)ブロミド、第一鉄〔鉄(II)〕ブロミド、第二鉄〔鉄(III)〕ブロミド、マンガン(II)ブロミド及びニッケル(II)ブロミドが挙げられる。遷移金属ヨウ化物の幾つかの具体的であるが非限定的な例としては、マンガン(II)ヨージド、ニッケル(II)ヨージド、第一銅〔銅(I)〕ヨージド及び亜鉛ヨージドが挙げられる。また、上記の遷移金属塩の任意の組み合わせを本明細書に記載の組成物に用いることができることが意図される。
【0018】
1つ又はそれ以上の実施形態において、少なくとも1つの遷移金属塩は水溶性であることが意図される。溶性遷移金属塩の非限定的な例としては、亜鉛クロリド、亜鉛ヨージド、亜鉛ニトラート、亜鉛ブロミド、銅スルファート、亜鉛アセテート、第二銅〔銅(II)〕クロリド、第二銅〔銅(II)〕ブロミド、第一銅〔銅(I)〕ブロミド、第二銅〔銅(II)〕ニトラート、第二銅〔銅(II)〕アセテート、ニッケル(II)ニトラート、ニッケル(II)ブロミド、ニッケル(II)クロリド、ニッケル(II)ヨージド、ニッケル(II)スルファート、コバルト(II)ニトラート、コバルト(II)スルファート、コバルト(II)アセテート、コバルト(II)ブロミド、コバルト(II)クロリド、第一鉄〔鉄(II)〕クロリド、第二鉄〔鉄(III)〕クロリド、第一鉄〔鉄(II)〕スルファート、第二鉄〔鉄(III)〕スルファート、第一鉄〔鉄(II)〕アセテート、第二鉄〔鉄(III)〕ニトラート、第一鉄〔鉄(II)〕ブロミド、マンガン(II)スルファート及びマンガン(II)クロリドが挙げられる。
【0019】
本明細書で使用する「タンパク質様物質」という用語は、タンパク質によって定義されるか、少なくとも1つのタンパク質を含むか又はタンパク質の基本要素である物質、組成物又は化合物を説明するのに使用する。1つの形態において、タンパク質様物質は、水溶性タンパク質である。タンパク質様物質の別の非限定的な例としては、アルブミン、例えば卵白又はウシ血清アルブミン(BSA);カゼイン;ゼラチン;ゼイン;乳清組成物、例えばラクトースと乳清タンパク質との混合物;乳清タンパク質及びアミノ酸、例えばシステイン、メチオニン、トリプトファン、ヒスチジン、及びチロシンが挙げられる。
【0020】
前記の金属塩とタンパク質様物質は、典型的には本明細書に記載の組成物に活性増強量で存在する。活性増強量とは、組成物の半減期を増大させるか、あるいは前記組成物が金属塩とタンパク質様物質の非存在下で前記組成物の同じ有害生物防除剤防御又は防除に必要な量よりも少ないレベルで同じ害虫防除を達成することを可能にさせる量である。すなわち、前記の金属塩とタンパク質様物質は、防御に必要な量を軽減するか又は組成物の残効性を引き延ばすであろう。
【0021】
1つの実施形態において、組成物は、約1:10〜約20:1の金属塩と有害生物防除剤の重量比、約1:1〜約20:1のタンパク質様物質と有害生物防除剤の重量比、及び約1:10〜約20:1のタンパク質様物質と金属塩の重量比を含む。別の実施形態において、組成物は、約1:2〜約10:1の金属塩と有害生物防除剤の重量比、約2:1〜約10:1のタンパク質様物質と有害生物防除剤の重量比及び約1:5〜約10:1のタンパク質様物質と金属塩の重量比を含む。さらに別の実施形態において、組成物は、約1:1〜約6:1の金属塩と有害生物防除剤の重量比、約3:1〜約8:1のタンパク質様物質と有害生物防除剤の重量比及び約1:2〜約4:1のタンパク質様物質と金属塩の重量比を含む。さらに別の実施形態において、組成物は、約2:1〜約4:1の金属塩と有害生物防除剤の重量比、約4:1〜約6:1のタンパク質様物質と有害生物防除剤の重量比及び約1:1〜約2:1のタンパク質様物質と金属塩の重量比を含む。さらに別の実施形態において、組成物は、約1:10〜約20:1、約1:2〜約10:1、約1:1〜約6:1又は約2:1〜約4:1の金属塩と有害生物防除剤の重量比;約1:1〜約20:1、約2:1〜約10:1、約3:1〜約8:1又は約4:1〜約6:1のタンパク質様物質と有害生物防除剤の重量比;及び約1:10〜約20:1、約1:5〜約10:1、約1:2〜約4:1又は約1:1〜約2:1のタンパク質様物質と金属塩の重量比を含む。
【0022】
しかし、前記の金属塩と有害生物防除剤の重量比、前記のタンパク質様物質と有害生物防除剤の重量比及び前記のタンパク質様物質と金属塩の重量比について別の値が意図されることが認められるべきである。例えば、1つの実施形態において、組成物は、約1:100〜約100:1の金属塩と有害生物防除剤の重量比、約1:100〜約100:1のタンパク質様物質と有害生物防除剤の重量比、及び約1:100〜約100:1のタンパク質様物質と金属塩の重量比を含み得ることが意図される。別の実施形態において、組成物は、約1:50〜約50:1の金属塩と有害生物防除剤の重量比、約1:50〜約50:1のタンパク質様物質と有害生物防除剤の重量比、及び約1:50〜約50:1のタンパク質様物質と金属塩の重量比を含み得ることが意図される。
【0023】
さらに別の実施形態において、組成物は、約1重量%〜約30重量%の有害生物防除剤と、約25重量〜約75重量%のタンパク質様物質と、約10重量%〜約60重量%の金属塩とを含有する。別の実施形態において、組成物は、約5重量%〜約25重量%の有害生物防除剤と、約35重量〜約65重量%のタンパク質様物質と、約20重量%〜約50重量%の金属塩とを含有する。さらに別の実施形態において、組成物は、約8重量%〜約15重量%の有害生物防除剤と、約40重量〜約60重量%のタンパク質様物質と、約25重量%〜約40重量%の金属塩とを含有する。
【0024】
さらに、前記の有機生物防除剤と、タンパク質様物質と、金属塩の重量%について別の値が意図されることが認められるべきである。例えば、1つの実施形態において、組成物は、約0.1重量%〜約50重量%の有害生物防除剤と、約15重量%〜約90重量%のタンパク質様物質と、約5重量%〜約80重量%の金属塩とを含有し得ることが意図される。さらに、別の実施形態において、組成物は、約0.1重量%〜約75重量%の有害生物防除剤と、約5重量%〜約95重量%のタンパク質様物質と、約1重量%〜約90重量%の金属塩とを含有し得ることが意図される。
【0025】
前記の組成物は、適当な方法で調製し、提供することができ、またその他の成分も含有することができる。その他の成分の更なる詳細は、以下に示す。1つの具体的形態において、前記の有害生物防除剤と、タンパク質様物質と、金属塩と、水と、存在する場合には、その他の成分とを、一緒に混合し、均一化させ液体組成物として提供する。液体組成物は、次いで、幾つかの可能性を挙げると、粉末又は顆粒の状態であってもよい固体組成物を得るために噴霧乾燥してもよい。噴霧乾燥中に、液体組成物は、少なくとも部分的に脱水されるか又は乾燥され、このような脱水又は乾燥は、液体組成物よりも少ない重量%の水を含む固体組成物への液体組成物の変換をもたらす。1つ又はそれ以上の形態において、噴霧乾燥は、液体組成物が固体組成物に変換されるように液体組成物から全ての水又は実質的に全ての水を除去する。しかし、残留水が、固体組成物の1つ又はそれ以上の形態に存在してもよいことが認められるべきである。
【0026】
例えば、1つの形態において、固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001重量%〜約20重量%の水を含有する。さらに別の形態において、固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001重量%〜約15重量%の水を含有する。さらに別の形態において、固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001重量%〜約10重量%の水を含有する。別の形態において、固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001重量%〜約5重量%の水を含有する。さらに別の形態において、固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001重量%〜約4重量%の水を含有する。さらに、別の形態において、固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001重量%〜約2重量%の水を含有する。別の形態において、固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001重量%〜約1重量%の水を含有する。しかし、噴霧乾燥後の固体組成物中の水の重量%について別の値が意図されることが認められるべきである。
【0027】
従って、1つの実施形態において、方法は、少なくとも1つの有害生物防除剤と、少なくとも1つのタンパク質様物質と、少なくとも1つの金属塩と、水とを含有する液体組成物を得、液体組成物を噴霧乾燥して固体組成物を得ることを含む。この実施形態の1つの具体的形態において、噴霧乾燥は、液体組成物が固体組成物に変換されるように液体組成物から水全部を実質的に除去することを含む。これまでに論じていないが、水の他にその他の揮発性物質液体組成物中に存在する場合には、揮発性物質は、噴霧乾燥中に液体組成物が固体組成物に変換されるように完全に又は実質的に除去されるであろう。しかし、水以外の残留揮発性物質が噴霧乾燥後の固体組成物中に存在できることが意図される。また、有害生物防除剤、タンパク質様物質及び金属塩は、一般に不揮発性であり、一般に噴霧乾燥によって影響を受けないであろう。従って、噴霧乾燥後の固体組成物は、液体組成物中の有害生物防除剤とタンパク質様物質の重量比、有害生物防除剤と金属塩の重量比、及び金属塩とタンパク質様物質の重量比と同じであるか又は実質的に等しいこれらの重量比を含むことが認められるべきである。
【0028】
害虫
1つ又はそれ以上のさらなる実施形態において、本明細書に開示する発明は、害虫を防除するのに使用できる。
1つの実施形態において、本明細書に開示する発明は、線形動物門(Phylum Nematoda)の害虫を防除するのに使用できる。
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、節足動物門(Phylum Arthropoda)の害虫を防除するのに使用できる。
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、鋏角亜門(Subphylum Chelicerata)の害虫を防除するのに使用できる。
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、クモ綱(Class Arachnida)の害虫を防除するのに使用できる。
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、多足亜門(Subphylum Myriapoda)の害虫を防除するのに使用できる。
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、コムカデ綱(Class Symphyla)の害虫を防除するのに使用できる。
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、六脚亜門(Subphylum Hexapoda)の害虫を防除するのに使用できる。
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、昆虫綱(Class Insecta)の害虫を防除するのに使用できる。
【0029】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、コレプテラ(Coleoptera)(甲虫目)を防除するのに使用できる。これらの害虫の限定的なリストは、以下に限定されないが、アカントセリデス種(Acanthoscelides spp.)(ゾウムシ類)、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)(一般的なインゲンマメゾウムシ)、アグリルス・プラニペンニス(Agrilus planipennis)(アオナガタマムシ)、アグリオテス種(Agriotes spp.)(コメツキムシ類)、アノプロフォラ・グラブリペンニス(Anoplophora glabripennis)(ツヤハダゴマダラカミキリ)、アントノムス種(Anthonomus spp.)(ゾウムシ類)、アントノムス・グランディス(Anthonomus grandis)(メキシコワタミゾウムシ)、アフィディウス種(Aphidius spp.)、アピオン種(Apion spp.)(ゾウムシ類)、アポゴニア種(Apogonia spp.)(ジムシ類)、アテニウス・スプレツルス(Ataenius spretulus)〔ブラック・ターフグラス・アテニウス(Black Turfgrass Ataenius)〕、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)〔ピグミー・マンゴールド・ビートル(pygmy mangold beetle)〕、アウラコフォラ種(Aulacophore spp.)、ボチノデレス・パンクチベントリス(Bothynoderes punctiventris)〔ビート・ルート・ウィビル(beet root weevil)〕、ブルクス種(Bruchus spp.)(ゾウムシ類)、ブルクス・ピソルム(Bruchus pisorum)(エンドゾウムシ)、カコエシア種(Cacoesia spp.)、カロソブルクス・マクラツス(Callosobruchus maculatus)(ヨツモンマメゾウムシ)、カルポフィルス・ヘミプテラス(Carpophilus hemipteras)(クリヤケシキスイ)、カッシダ・ビッタータ(Cassida vittata)、セロステルナ種(Cerosterna spp)、セロトマ種(Cerotoma spp.)(ハムシ類)、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)(ダイズヒメサルハムシ)、シュートリンクス種(Ceutorhynchus spp.)(ゾウムシ類)、シュートリンクス・アシミリス(Ceutorhynchus assimilis)〔キャベツ・シードポッド・ウィービル(cabbage seedpod weevil)〕、シュートリンクス・ナピ(Ceutorhynchus napi)(キャベツシギゾウムシ)、カエトクネマ種(Chaetocnema spp.)(ハムシ類)、コラスピス種(Colaspis spp.)〔ソイル・ビートル類(soil beetles)〕、コノデルス・スカラリス(Conoderus scalaris)、コノデルス・スチグモサス(Conoderus stigmosus)、コノトラケルス・ネヌファー(Conotrachelus nenuphar)(スモモゾウムシ)、コティヌス・ニチディス(Cotinus nitidis)(アオコウフキコガネ)、クリオセリス・アスパラギ(Crioceris asparagi)(アスパラガスハムシ)、クリプトレステス・フェルギネウス(Cryptolestes ferrugineus)(サビカクムネヒラタムシ)、クリプトレステス・プシルス(Cryptolestes pusillus)(カクムネヒラタムシ)、クリプトレステス・ターシクス(Cryptolestes turcicus)(トルコカクムネヒラタムシ)、クテニセラ種(Ctenicera spp.)(コメツキムシ類)、クルクリオ種(Curculio spp.)(シギゾウムシ類)、シクロセファラ種(Cyclocephala spp.)(ジムシ類)、シリンドロクプツルス・アドスペルスス(Cylindrocopturus adspersus)(ヒマワリクキゾウムシ)、デポラウス・マルギナツス(Deporaus marginatus)(マンゴー・ハキリゾウムシ)、デルメステス・ラルダリウス(Dermestes lardarius)(オビカツオブシムシ)、デルメステス・マクラツス(Dermestes maculatus)(ハラジロカツオブシムシ)、ディアブロチカ種(Diabrotica spp.)(ハムシ類)、エピラクナ・バリベスティス(Epilachna varivestis)(インゲンテントウ)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ヒロビウス・パレス(Hylobius pales)〔パレス・ウィービル(pales weevil)〕、ヒペラ種(Hypera spp.)(ゾウムシ類)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)(アルファルファタコゾウムシ)、ヒペルドエス種(Hyperdoes spp.)(ヒペルドエス・ゾウムシ)、ヒポテネムス・ハムペイ(Hypothenemus hampei)(コーヒーノミキクイムシ)、イプス種(Ips spp.)(キクイムシ類)、ラシオデルマ・セリコルネ(Lasioderma serricorne)(タバコシバンムシ)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)(コロラドハムシ)、リオゲニス・フスクス(Liogenys fuscus)、リオゲニス・スツラリス(Liogenys suturalis)、リソルホプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)(イネミズゾウムシ)、リクツス種(Lyctus spp.)(キクイムシ類/ヒラタキクイムシ類)、マエコラスピス・ジョリベチ(Maecolaspis joliveti)、メガセリス種(Megascelis spp.)、メラノツス・コンムニス(Melanotus communis)、メリゲテス種(Meligethes spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)〔ブロッサムビートル(blossom beetle)〕、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)(ヨーロッパコフキコガネ)、オベレア・ブレビス(Oberea brevis)、オベレア・リネアリス(Oberea linearis)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)(ナツメヤシカイガラムシ)、オリザエフィルス・メルカトール(Oryzaephilus mercator)(オオメノコギリヒラタムシ)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)(ノコギリヒラタムシ)、オチオリンクス種(Otiorhynchus spp.)(ゾウムシ類)、オウレマ・メラノプス(Oulema melanopus)(クビアカクビホソハムシ)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パントモルス種(Pantomorus spp.)(ゾウムシ類)、フィロファガ種(Phyllophaga spp.)〔メイ/ジューン・ビートル(May/June beetle)〕、フィロファガ・クヤバナ(Phyllophaga cuyabana)、フィロトレタ種(Phyllotreta spp.)(ハムシ類)、フィンキテス種(Phynchites spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)(マメコガネ)、プロステファヌス・トルンカツス(Prostephanus truncates)(オオコナナガシンクイ)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)(コナナガシンクイ)、リゾトログス種(Rhizotrogus spp.)(ヨーロッパコガネムシ)、リンコフォルス種(Rhynchophorus spp.)(ゾウムシ類)、スコリツス属種(Scolytus spp.)(キクイムシ類)、スフェノフォルス種(Shenophorus spp.)(シバオサゾウムシ)、シトナ・リネアツス(Sitona lineatus)(アカアシチビコフキゾウムシ)、シトフィルス種(Sitophilus spp.)(コクゾウムシ類)、シトフィルス・グラナリウス(Sitophilus granarius)(グラナリアコクゾウムシ)、シトフィルス・オリザエ(Sitophilus oryzae)(ココクゾウムシ)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum)(ジンサンシバンムシ)、トリボリウム種(Tribolium spp.)(ハナムグリ類)、トリボリウム・カスタネウム(Tribolium castaneum)(コクヌストモドキ)、トリボリウム・コンフスム(Tribolium confusum)(ヒラタコクヌストモドキ)、トリゴデルマ・バリアブル(Trogoderma variabile)(キマダラカツオブシムシ)、及びザブルス・テネビオイデス(Zabrus tenebioides)を含む。
【0030】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、ハサミムシ目(Dermaptera)(ハサミムシ類)を防除するのに使用できる。
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、網翅類(Dictyoptera)(ゴキブリ類)を防除するのに使用できる。これらの非限定的リストは、以下に限定されないが、ブラテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)(チャバネゴキブリ)、ブラタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)(トウヨウゴキブリ)、パルコブラタ・ペンシルバニカ(Parcoblatta pennylvanica)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)(ワモンゴキブリ)、ペリプラネタ・オーストラロアシアエ(Periplaneta australoasiae)(コワモンゴキブリ)、ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)(トビイロゴキブリ)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)(クロゴキブリ)、ピクノセルス・スリナメンシス(Pycnoselus suninamensis)(スリナム・ゴキブリ)、及びスペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa)(チャオビゴキブリ)を含む。
【0031】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、双翅目(Diptera)(ハエ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、アエデス属種(Aedes spp.)(蚊類)、アグロミザ・フロンテラ(Agromyza frontella)〔アルファルファ・ブロッチ・リーフマイナー(alfalfa blotch leafminer)〕、アグロミザ種(Agromyza spp.)(ハモグリバエ類)、アナストレファ種(Anastrepha spp.)(ミバエ類)、アナストレファ・サスペンサ(Anastrepha suspensa)(カリブミバエ)、アノフェレス種(Anopheles spp.)(ハマダラカ)、バクトロセラ種(Batrocera spp.)(ミバエ類)、バクトロセラ・ククルビタエ(Bactrocera cucurbitae)(ウリミバエ)、バクトロセラ・ドーサリス(Bactrocera dorsalis)(ミカンコミバエ)、セラチチス種(Ceratitis spp.)(ミバエ類)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)(チチュウカイミバエ)、クリソプス種(Chrysops spp.)(メクラアブ類)、コクリオミイア種(Cochliomyia spp.)(ラセンウジバエ類)、コンタリニア種(Contarinia spp.)(タマバエ類)、クレクス種(Culex spp.)(イエカ類)、ダシネウラ種(Dasineura spp.)(タマバエ類)、ダシネウラ・ブラッシカ(Dasineura brassicae)(キャベツタマバエ)、デリア種(Delia spp.)、デリア・プラツラ(Delia platura)(タネバエ類)、ドロソフィラ種(Drosophila spp.)(ショウジョウバエ類)、ファニア種(Fannia spp.)(ゴミハエ類)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis)(ヒメイエバエ)、ファニア・スカラリス(Fannia scalaris)(コブアシヒメイエバエ)、ガステロフィルス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis)(ウマバエ)、グラシリア・ペルセアエ(Gracillia perseae)、ハエマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)(ノサシバエ)、ヒレミイア種(Hylemyia spp.)(ネクイムシ類)、ヒポデルマ・リネアツム(Hypoderma lineatum)(キスジウシバエ)、リリオミザ種(Liriomyza spp.)(ハモグリバエ類)、リリオミザ・ブラッシカ(Liriomyza brassica)(マメハモグリバエ)、メロファグス・オビヌス(Melophagus ovinus)(ヒツジシラミバエ)、ムスカ種(Musca spp.)(イエバエ類)、ムスカ・オータムナリス(Musca autumnalis)(非刺咬性バエ)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)(イエバエ)、オエストルス・オビス(Oestrus ovis)(ヒツジバエ)、オシネラ・フリット(Oscinella frit)(キモグリバエ)、ペゴミイア・ベタエ(Pegomyia betae)(テンサイハモグリハナバエ)、フォルビア種(Phorbia spp.)、プシラ・ロサエ(Psila rosae)(ニンジンサビバエ)、ラゴレチス・セラシ(Rhagoletis cerasi)(ヨーロッパオウトウミバエ)、ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)(リンゴウミバエ)、シトディプロシス・モセラナ(Sitodiplosis mosellana)(ムギアカタマバエ)、ストモキス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)(サシバエ)、タバヌス種(Tabanus spp.)(アブ類)、及びチプラ種(Tipula spp.)(ガガンボ類)を含む。
【0032】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、半翅目(Hemiptera)(異翅類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、アクロステルヌム・ヒラレ(Acrosternum hilare)(ミナミアオカメムシ)、ブリッスス・ロイコプテルス(Blissus leucopterus)(ヒメコガネナガカメムシ)、カロコリス・ノルウェギクス(Calocoris norvegicus)(ポテトメクラカメムシ)、シメクス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)(タイワントコジラミ)、シメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)(トコジラミ)、ダグベルツス・ファスシアツス(Dagbertus fasciatus)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ディスデルクス・スツレルス(Dysdercus suturellus)(アカホシカメムシ)、エデッサ・メディタブンダ(Edessa meditabunda)、エウリガスター・マウラ(Eurygaster maura)(チャイロカメムシ)、エウスキスツス・ヘロス(Euschistus heros)、エウスキスツス・セルブス(Euschistus servus)(カッショクカメムシ)、ヘロペルチス・アントニイ(Helopeltis antonii)、ヘロペルティス・テイボラ(Helopeltis theivora)〔ティー・ブライト・プラントバグ(tea blight plantbug)〕、ラギノトムス種(Lagynotomus spp.)(カメムシ類)、レプトコリサ・オラトリウス(Leptocorisa oratorius)、レプトコリサ・ヴァリコルニス(Leptocorisa varicornis)、リグス種(Lygus spp.)(メクラカメムシ類)、リグス・ヘスペルス(Lygus hesperus)〔ウエスタン・ターニッシュド・プラントバグ(western tarnished plant bug)〕、マコネリコッカス・ヒルスツス(Maconellicoccus hirsutus)、ニューロコルプス・ロンギロストリス(Neurocolpus longirostris)、ネザラ・ビリヅラ(Nezara viridula)(ミナミアオカメムシ)、フィトコリス種(Phytocoris spp.)(メクラカメムシ類)、フィトコリス・カリフォルニクス(Phytocoris californicus)、フィトコリス・レラチブス(Phytocoris relativus)、ピエゾドラス・ギルディンギ(Piezodorus guildingi)、ペシロカプスス・リネアツス(Poecilocapsus lineatus)(ヨスジメクラカメムシ)、プサルス・ヴァクシニコラ(Psallus vaccinicola)、シューダシスタ・ペルセアエ(Pseudacysta perseae)、スカプトコリス・カスタネア(Scaptocoris castanea)、及びトリアトマ種(Triatoma spp.)(サシガメ類/オオサシガメ類)を含む。
【0033】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、同翅目(Homoptera)(アブラムシ類、カイガラムシ類、コナジラミ類、ヨコバイ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、アクリトシフォン・ピスム(Acrythosiphon pisum)(エンドウヒゲナガアブラムシ)、アデルゲス種(Adelges spp.)(カサアブラムシ類)、アレウロデス・プロレテラ(Aleurodes proletella)(タマナコナジラミ)、アレウロディクス・ディスペルセス(Aleurodicus disperses)、アレウロトリクス・フロッコスス(Aleurothrixus floccosus)(ミカンワタコナジラミ)、アウラカスピス種(Aulacaspis spp.)、アムラスカ・ビグテラ・ビグテラ(Amrasca bigutella bigutella)、アフロフォラ種(Aphrophora spp.)(ヨコバイ類)、アオニディエラ・アウランチイ(Aonidiella aurantii)(アカマルカイガラムシ)、アフィス種(Aphis spp.)(アブラムシ類)、アフィス・ゴッシピイ(Aphis gossypii)(ワタアブラムシ)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)(リンゴアブラムシ)、アウラコルサム・ソラニ(Aulacorthum solani)(ジャガイモヒゲナガアブラムシ)、ベミシア種(Bemisia spp.)(コナジラミ類)、ベミシア・アルゲンチフォリイ)(Bemisia argentifolii)、ベミシア・タバキ(Bemisia tabaci)(タバココナジラミ)、ブラキコルス・ノキシウス(Brachycolus noxius)〔ロシアンアブラムシ(Russian aphid)〕、ブラキコリネラ・アスパラギ(Brachycorynella asparagi)(アスパラガスアブラムシ)、ブレヴェンニア・レヒ(Brevennia rehi)、ブレビコリネ・ブラッシカエ(Brevicoryne brassicae)(ダイコンアブラムシ)、セロプラステス種(Ceroplastes spp.)(カイガラムシ類)、セロプラステス・ルベンス(Ceroplastes rubens)(ルビーロウカイガラムシ)、キオナスピス種(Chionaspis spp.)(カイガラムシ類)、クリソムファルス種(Chrysomphalus spp.)(カイガラムシ類)、コッカス種(Coccus spp.)(カイガラムシ類)、ディサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)(オオバコアブラムシ)、エムポアスカ種(Empoasca spp.)(ヨコバイ類)、エリオソマ・ラニゲルム(Eriosoma lanigerum)(リンゴワタムシ)、イセリア・プルシャシ(Icerya purchasi)(ワイセリヤカイガラムシ)、イディオスコプス・ニチデゥルス(Idioscopus nitidulus)(マンゴーヨコバイ)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)(ヒメトビウンカ)、レピドサフェス種(Lepidosaphes spp.)、マクロシフム種(Macrosiphum spp.)、マクロシフム・ユーフォルビアエ(Macrosiphum euphorbiae)(チューリップヒゲナガアブラムシ)、マクロシフム・グラナリウム(Macrosiphum granarium)(ムギヒゲナガアブラムシ)、マクロシフム・ロザエ(Macrosiphum rosae)(イバラヒゲナガアブラムシ)、マクロステレス・クアドリリネアツス(Macrosteles quadrilineatus)(ヨツテンヨコバイ)、マハナルバ・フリムビオラタ(Mahanarva frimbiolata)、メトポロフィウム・ジルホダム(Metopolophium dirhodum)(ムギウスイロアブラム)、ミクチス・ロンギコルニス(Mictis longicornis)、ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)(モモアカアブラムシ)、ネフォティクス種(Nephotettix spp.)(ヨコバイ類)、ネフォテティクス・シンクチセプス(Nephotettix cincticeps)(ツマグロヨコバイ)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)(トビイロウンカ)、パルラトリア・ペルガンデイ(Parlatoria pergandii)(マルクロホシカイガラムシ)、パルラトリア・ジジフィ(Parlatoria ziziphi)(ヒメクロカイガラムシ)、ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)(トウモロコシウンカ)、フィラエヌス種(Philaenus spp.)(アワフキムシ)、フィロキセラ・ヴィチフォリアエ(Phylloxera vitifoliae)(ブドウネアブラムシ)、フィソケルメス・ピセアエ(Physokermes piceae)(トウヒタマカイガラモドキ)、プラノコックス種(Planococcus spp.)(コナカイガラムシ)、シュードコッカス種(Pseudococcus spp.)(コナカイガラムシ類)、シュードコッカス・ブレヴィペス(Pseudococcus brevipes)(パイナップルコナカイガラムシ)、クアドラスピディオツス・ペルニシオサス(Quadraspidiotus perniciosus)(ナシマルカイガラムシ)、ロパロシフム種(Rhopalosiphum spp.)(アブラムシ類)、ロパロシフム・マイダ(Rhopalosiphum maida)(トウモロコシアブラムシ)、ロパロシフム・パディ(Rhopalosiphum padi)(ムギクビレアブラムシ)、サイセチア種(Saissetia spp.)(カイガラムシ類)、サイセチア・オレアエ(Saissetia oleae)(オリーブカタカイガラムシ)、スキザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum)(ムギミドリアブラムシ)、シトビオン・アヴェナエ(Sitobion avenae)(ムギヒゲナガアブラムシ)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)(セジロウンカ)、テリオアフィス種(Therioaphis spp.)(アブラムシ)、トウメイエラ種(Toumeyella spp.)(カイガラムシ類)、トキソプテラ種(Toxoptera spp.)(アブラムシ類)、トリアレウロデス種(Trialeurodes spp.)(コナジラミ類)、トリアレウロデス・ヴァポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)(オンシツコナジラミ)、トリアレウロデス・アブチロネウス(Trialeurodes abutiloneus)〔バンデッドウイング・ホワイトフライ(bandedwing whitefly)〕、ウナスピス種(Unaspis spp.)(カイガラムシ類)、ウナスピス・ヤノネンシス(Unaspis yanonensis)(ヤノネカイガラムシ)、及びズリア・エントレリアナ(Zulia entreriana)を含む。
【0034】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、膜翅目(Hymenoptera)(アリ類、カリバチ類、ハナバチ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、アクロミルメクス種(Acromyrrmex spp.)、アタリア・ロザエ(Athalia rosae)(カブラハバチ)、アッタ種(Atta spp.)(ハキリアリ類)、カムポノツス種(Camponotus spp.)(オオアリ類)、ディプリオン種(Diprion spp.)(ハバチ類)、フォルミカ種(Formica spp.)(ヤマアリ類)、イリドミルメクス・フミリス(Iridomyrmex humilis)(アルゼンチンアリ)、モノモリウム種(Monomorium ssp.)、モノモリウム・ミヌマム(Monomorium minumum)(小さな光沢のあるクロアリ)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)(イエヒメアリ)、ネオディプリオン種(Neodiprion spp.)(ハバチ類)、ポゴノミルメクス種(Pogonomyrmex spp.)(クロナガアリ類)、ポリステス種(Polistes spp.)(アシナガバチ類)、ソレノプシス種(Solenopsis spp.)(アカヒアリ類)、タピノマ・セシレ(Tapinoma sessile)(オドラスハウスアント)、テトラノモリウム種(Tetranomorium spp.)〔ペーブメントアント類(pavement ants)〕、ヴェスプラ種(Vespula spp.)(スズメバ類)、及びキシロコパ種(Xylocopa spp.)(クマバチ類)を含む。
【0035】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、等翅目(Isoptera)(シロアリ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、コプトテルメス種(Coptotermes spp.)、コプトテルメス・クルビグナタス(Coptotermes curvignathus)、コプトテルメス・フレンチイ(Coptotermes frenchii)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus)(イエシロアリ)、コルニテルメス種(Cornitermes spp.)(大鼻型シロアリ類)、クリプトテルメス種(Cryptotermes spp.)(乾材シロアリ類)、ヘテロテルメス種(Heterotermes spp.)(ミソガラシシロアリ類)、ヘテロテルメス・アウレウス(Heterotermes aureus)、カロテルメス種(Kalotermes spp.)(乾材シロアリ類)、インシスチテルメス種(Incistitermes spp.)(乾材シロアリ類)、マクロテルメス種(Macrotermes spp.)(キノコシロアリ類)、マルギニテルメス種(Marginitermes spp.)(乾材シロアリ類)、ミクロセロテルメス種(Microcerotermes spp.)(収穫シロアリ類)、ミクロテルメス・オベシ(Microtermes obesi)、プロコルニテルメス種(Procornitermes spp.)、レチクリテルメス種(Reticulitermes spp.)(地下シロアリ類)、レチクリテルメス・バニュレンシス(Reticulitermes banyulensis)、レチクリテルメス・グラッセイ(Reticulitermes grassei)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)(南東地下シロアリ)、レチクリテルメス・ハゲニ(Reticulitermes hageni)、レチクリテルメス・ヘスペルス(Reticulitermes hesperus)(ウエスタン地下シロアリ)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・スペラツス(Reticulitermes speratus)、レチクリテルメス・チビアリス(Reticulitermes tibialis)、レチクリテルメス・ビルギニクス(Reticulitermes virginicus)、シェドリルヒノテルメス種(Schedorhinotermes spp.)及びズーテルモプシス種(Zootermopsis spp.)〔腐朽木材シロアリ類(rotten-wood termites)〕を含む。
【0036】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、鱗翅目(Lepidoptera)(ガ類及びチョウ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、アカエア・ジャナタ(Achaea janata)、アドキソフィエス種(Adoxophyes spp.)、アドキソフィエス・オラナ(Adoxophyes orana)、アグロチス種(Agrotis spp.)(ヤガ類)、アグロチス・イプシロン(Agrotis ipsilon)(タマナヤガ)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)(シロスジアオヨトウ)、アモルビア・クネアナ(Amorbia cuneana)、アミエロシス・トランシテラ(Amyelosis transitella)(クルミマダラメイガ)、アナカムプトデス・デフェクタリア(Anacamptodes defectaria)、アナルシア・リネアテラ(Anarsia lineatella)(モモキバガ)、アノミス・サブリフェラ(Anomis sabulifera)〔ジュート・ルーパー(jute looper)〕、アンチカルシア・ゲムマタリス(Anticarsia gemmatalis)〔ベルベットビーン・キャタピラー(velvetbean cataepillar)〕、アルキプス・アルギロスピラ(Archips argyrospila)(果樹ハマキムシ)、アルキプス・ロサナ(Archips rosana)(バラハマキムシ)、アルギロテニア種(Argyrotaenia spp.)(ハマキガ類)、アルギロテニア・シトラナ(Argyrotaenia citrana)(オレンジハマキガ)、オートグラファ・ガンマ(Autographa gamma)、ボナゴタ・クラナオデス(Bonagota cranaodes)、ボルボ・シンナラ(Borbo cinnara)(ユウレイセセリ)、ブッカラトリクス・スルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)(ワタ葉穿孔虫)、カロプチリア種(Caloptilia spp.)(ハモグリムシ類)、カプア・レチキュラナ(Capua reticulana)、カルポシナ・ニポネンシス(Carposina niponensis)(モモシンクイガ)、チロ種(Chilo spp.)、クルメチア・トランベルサ(Chlumetia transversa)(マンゴーフサヤガ)、コリストネウラ・ロサセアナ(Choristoneura rosaceana)(ハスオビハマキ)、クリソデイキス種(Chrysodeixis spp.)、クナファロセルス・メディナリス(Cnaphalocerus medinalis)(コブノメイガ)、コリアス種(Colias spp.)、コンポモルファ・クラメレラ(Conpomorpha cramerella)、コッサス・コッサス(Cossus cossus)(オオボクトウ)、クラムバス種(Crambus spp.)〔ソッド・ウエブワーム類(Sod webworms)〕、シディア・フネブラナ(Cydia funebrana)(スモモヒメハマキ)、シディア・モレスタ(Cydia molesta)(ナシヒメシンクイ)、シディア・ニグニカナ(Cydia nignicana)(エンドウシンクイ)、シディア・ポモネラ(Cydia pomonella)(コドリンガ)、ダルナ・ディダクタ(Darna diducta)、ジアファニア種(Diaphania spp.)〔メイガ類(stem borers)〕、ジアトラエア種(Diatraea spp.)(ヤガ類)、ジアトラエア・サッカリス(Diatraea saccharalis)(サトウキビメイガ)、ジアトラエア・グランジオセラ(Diatraea grandiosella)(南西部アワノメイガ)、エアリアス種(Earias spp.)〔ワタアカミムシ類(bollworms)〕、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)(ミスジアオリンガ)、エアリアス・ビテラ(Earias vitella)(クサオビリンガ)、エクジトポファ・アウランチアヌム(Ecdytopopha aurantianum)、エラスモパルプス・リグノセルス(Elasmopalpus lignosellus)(モロコシマダラメイガ)、エピフィシアス・ポストルッタナ(Epiphysias postruttana)(リンゴウスチャイロハマキ)、エフェスチア種(Ephestia spp.)(コナマダラメイガ類)、エフェスチア・カウテラ(Ephestia cautella)(スジマダラメイガ)、エフェスチア・エルテラ(Ephestia elutella)(チャマダラメイガ)、エフェスチア・クエニエラ(Ephestia kuehniella)(スジコナマダラメイガ)、エピメシス種(Epimecis spp.)、エピノチア・アポレマ(Epinotia aporema)、エリオノタ・トゥラクス(Erionota thrax)(バナナセセリ)、エウポエシリア・アムビグエラ(Eupoecilia ambiguella)(ブドウホソハマキ)、ユーキソア・アウキシリアリス(Euxoa auxiliaris)〔軍ヨトウムシ(army cutworm)〕、フェルチア種(Feltia spp.)(ヨトウムシ類)、ゴルチナ種(Gortyna spp.)〔ステムボーラー類(stem bores)〕、グラフォリタ・モレスタ(Grapholita molesta)(ナシノヒメシンクイ)、ヘディレプタ・インディカタ(Hedylepta indicata)(マエウスキノメイガ)、ヘリコベルパ種(Helicoverpa spp.)〔ノクチュイドモス類(noctuid moths)〕、ヘリコベルパ・アルミゲラ(Helicoverpa armigera)(オオタバコガ)、ヘリコベルパ・ゼア(Helicoverpa zea)(タバコガ/アメリカタバコガ)、ヘリオチス種(Heliothis spp.)(ノクチュイドモス類)、ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens)(ニセアメリカオオタバコガ)、ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis)(ハイマダラノメイガ)、インダルベラ種(Indarbela spp.)(ネクイムシ類)、ケイフェリア・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)(トマト・ピンワーム)、ロイシノデス・オルボナリス(Leucinodes orbonalis)(ナスノメイガ)、ロイコプテラ・マリフォリエラ(Leucoptera malifoliella)、リソクレクチス種(Lithocollectis spp.)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)(ホソバヒメハマキ)、ロキサグロチス種(Loxagrotis spp.)(ノクチュイドモス類)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)〔ウエスタン・ビーン・カットワーム類(western bean cutworm)〕、リマントリア・ディスパル(Lymantria dispar)(マイマイガ)、リオネチア・クレルケラ(Lyonetia clerkella)(モモハモグリガ)、マハセナ・コルベッティ(Mahasena corbetti)(アブラヤシミノムシ)、マラコソマ種(Malacosoma spp.)(テンマクケムシ)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)(ヨトウガ)、マルカ・テスチュラリス(Maruca testulalis)(マメノメイガ)、メチサ・プラナ(Metisa plana)(ミノガ)、ミチムナ・ユニプンクタ(Mythimna unipuncta)(アメリカキヨトウ)、ネオロイシノデス・エレガンタリス(Neoleucinodes elegantalis)〔スモールトマトボーラー(small tomato borer)〕、ニムフラ・デプンクタリス(Nymphula depunctalis)(イサゴムシ)、オペロフテラ・ブルマータ(Operophthera brumata)(ナミスジフユナミシャク)、オストリナ・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)(ヨーロッパアワノメイガ)、オクシジア・ベスリア(Oxydia vesulia)、パンデミス・セラサナ(Pandemis cerasana)(ヤマトビハマキ)、パンデミス・ヘパラナ(Pandemis heparana)(トビハマキ)、パピリオ・デモドクス(Papilio demodocus)(アフリカオナシアゲハ)、ペクチノフォラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)(ワタアカミムシガ)、ペリドローマ種(Peridroma spp.)(ネキリムシ類)、ペリドローマ・サウシア(Peridroma saucia)(ニセタマナヤガ)、ペリロイコプテラ・コフェエラ(Perileucoptera coffeella)(ホワイトコーヒーハモグリガ)、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)(ジャガイモキバガ)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、フィロノリクテル種(Phyllonorycter)(ハモグリバエ類)、ピエリス・ラパエ(Pieris rapae)(モンシロチョウ)、プラチペナ・スカブラ(Plathypena scabra)、プロディア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)(ノシメマダラメイガ)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)(コナガ)、ポリクロシス・ビテアナ(Polychrosis viteana)(ブドウヒメハマキ)、プライス・エンドカルパ(Prays endocarpa)、プライス・オレアエ(Prays oleae)〔オリーブ・モス(olive moth)〕、シューダレチア種(Pseudaletia spp.)(ノクチュイドモス類)、シューダレチア・ユニプンクタ(Pseudaletia unipuncta)(アワヤトウガ)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)〔ソイビーン・ルーパー(soybean looper)〕、ラキプルシア・ヌ(Rachiplusia nu)、シルポファガ・インセルチュラス(Scirpophaga incertulas)、セサミア種(Sesamia spp.)(ステムボーラー類)、セサミア・インフェレンス(Sesamia inferens)(イネヨトウ)、セサミア・ノナグリオイデス(Sesamia nonagrioides)、セトラ・ニテンス(Setora nitens)、シトトロガ・セレアレラ(Sitotroga cerealella)(バクガ)、スパルガノチス・ピレリアナ(Sparganothis pilleriana)(テングハマキ)、スポドプテラ種(Spodoptera spp.)(アワヨトウ類)、スポドプテラ・エクシグア(Spodoptera exigua)(シロイチモジヨトウ)、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(ヨトウガ)、スポドプテラ・オリダニア(Spodoptera oridania)〔サザン・アーミーワーム(southerm armyworm)〕、シナンテドン種(Synanthedon spp.)(ネクイムシ類)、テクラ・バシリデス(Thecla basilides)、テルミシア・ゲムマタリス(Thermisia gemmatalis)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)(コイガ)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)(イラクサギンウワバ)、ツタ・アブソルータ(Tuta absoluta)、イポノメウタ種(Yponomeuta spp.)、ゼウゼラ・コフィアエ(Zeuzera coffeae)(コーヒーゴマフボクトウ)、及びゼウゼラ・ピリナ(Zeuzera pyrina)(ヒョウマダラボクトウ)を含む。
【0037】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、ハジラミ目(食毛目)(Mallophaga)(ハジラミ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、ボビコラ・オビス(Bovicola ovis)(ヒツジハジラミ)、メナカンサス・ストラミネウス(Menacanthus stramineus)(ニワトリオオハジラミ)、及びメノポン・ガリナ(Menopon gallinea)(ニワトリハジラミ)を含む。
【0038】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、直翅目(Orthoptera)(バッタ類、イナゴ類及びコオロギ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、アナブラス・シンプレクス(Anabrus simplex)(モルモンクリケット)、グリロタルピダエ(Gryllotalpidae)(ケラ)、ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)(トノサマバッタ)、メラノプルス種(Melanoplus spp.)(バッタ類)、ミクロセントラム・レチネルベ(Microcentrum retinerve)〔アンギュラーウイングド・キリギリス(angular winged katydid)〕、プテロフィラ種(Pterophylla spp.)(キリギリス類)、シストセルカ・グレガリア(chistocerca gregaria)、スカデリア・フルカタ(Scudderia furcata)〔フォークテイルド・ブッシュキリギリス(forktailed bush katydid)〕、及びヴァランガ・ニグリコルニ(Valanga nigricorni)を含む。
【0039】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、シラミ目(Phthiraptera)(シラミ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、ヘマトピヌス種(Haematopinus spp.)(ウシ及びブタシラミ)、リノグナサス・オビラス(Linognathus ovillus)(ヒツジホソジラミ)、ペディキュラス・ヒューマナス・カピチス(Pediculus humanus capitis)(ヒトアタマジラミ)、ペディキュラス・ヒューマナス・ヒューマナス(Pediculus humanus humanus)(コロモジラミ)、及びプチルス・プビス(Pthirus pubis)(ケジラミ)を含む。
【0040】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、ノミ目(Siphonaptera)(ノミ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)(イヌノミ)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)(ネコノミ)、及びプレクス・イリタンス(Pulex irritans)(ヒトノミ)を含む。
【0041】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、総翅目(Thysanoptera)(アザミウマ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)(タバコアザミウマ)、フランクリニエラ・オクシデンタリス(Frankliniella occidentalis)(ミカンキイロアザミウマ)、フランクリニエラ・シュルツェイ(Frankliniella shultzei)、フランクリニエラ・ウィリアムジ(Frankliniella williamsi)(コーンアザミウマ)、ヘリオスリップス・ヘモロイダリス(Heliothrips haemorrhoidalis)(クロトンアザミウマ)、リフィフォロスリップス・クルエンタツス(Riphiphorothrips cruentatus)、シルトスリップス種(Scirtothrips spp.)、シルトスリップス・シトリ(Scirtothrips citri)(ミカンアザミウマ)、シルトスリップス・ドルサリス(Scirtothrips dorsalis)(チャキイロアザミウマ)、テニオスリップス・ロパランテナリス(Taeniothrips rhopalantennalis)、及びスリップス属種(Thrips spp.)を含む。
【0042】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、シミ目(Thysanura)(シミ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、レピスマ種(Lepisma spp.)(セイヨウシミ)、及びテルモビア種(Thermobia spp.)(マダラシミ類)を含むが、これらに限定されない。
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、ダニ目(Acarina)(ダニ類及びマダニ類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、アカラピス・ウッディ(Acarapis woodi)(アカリンダニ)、アカルス種(Acarus spp.)(食品ダニ類)、アカルス・シロ(Acarus siro)(アシブトコナダニ)、アセリア・マンギフェラエ(Aceria mangiferae)〔マンゴー・バッド・マイト(mango bud mite)〕、アクロプス種(Aculops spp.)、アクロプス・リコペルシシ(Aculops lycopersici)(トマトサビダニ)、アクロプス・ペレカシ(Aculops pelekasi)、アクルス・ペレカッシイ(Aculus pelekassi)(ミカンサビダニ)、アクルス・シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali)(リンゴサビダニ)、アムブリオマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)(アメリカキララマダニ)、ブーフィルス種(Boophilus spp.)(マダニ類)、ブレビパルプス・オボバツス(Brevipalpus obovatus)(チャノヒメハダニ)、ブレビパルプス・フェニシス(Brevipalpus phoenicis)(ミナミヒメハダニ)、デモデクス種(Demodex spp.)(疥癬ダニ類)、デルマセントル種(Dermacentor spp.)(カクマダニ類)、デルマセントール・バリアビリス(Dermacentor variabilis)(アメリカイヌカクマダニ)、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス(Dermatophagoides pteronyssinus)(ヤケヒョウヒダニ)、エオテトラニカス種(Eotetranycus spp.)、エオテトラニカス・カルピニ(Eotetranychus carpini)(イエローマイト)、エピチメラス種(Epitimerus spp.)、エリオフィエス種(Eriophyes spp.)、イクソデス種(Ixodes spp.)(マダニ類)、メタテトラニクス種(Metatetranycus spp.)、ノトエドレス・カチ(Notoedres cati)(ネコショウセンコウヒゼンダニ)、オリゴニクス種(Oligonychus spp.)、オリゴニクス・コフィー)(Oligonychus coffee)、オリゴニクス・イリクス(Oligonychus ilicus)(チビコブハダニ)、パノニクス種(Panonychus spp.)、パノニクス・シトリ(Panonychus citri)(ミカンハダニ)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)(リンゴハダニ)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)(ミカンサビダニ)、ポリファゴタルソネムン・ラツス(Polyphagotarsonemun latus)(チャノホコリダニ)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)(クリイロコイタマダニ)、リゾグリフス種(Rhizoglyphus spp.)(ネダニ類)、サルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei)(ヒゼンダニ)、テゴロフス・ペルセアフロラエ(Tegolophus perseaflorae)、テトラニクス種(Tetranychus spp.)、テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)(ナミハダニ)、及びバロア・デストルクトール(Varroa destructor)(ミツバチヘギイタダニ)を含む。
【0043】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、線形動物門(Nematoda)(線虫類)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、以下に限定されないが、アフェレンコイデス種(Aphelenchoides spp.)(芽及び葉のセンチュウ類及びマツノザイセンチュウ類)、ベロノライムス種(Belonolaimus spp.)〔刺毛センチュウ類(sting nematodes)〕、クリコネメラ種(Criconemella spp.)(ワセンチュウ類)、ジロフィラリア・イミチス(Dirofilaria immitis)(イヌ糸状虫)、ジチレンクス種(Ditylenchus spp.)(茎葉内部寄生センチュウ類)、ヘテロデラ種(Heterodera spp.)(シストセンチュウ類)、ヘテロデラ・ゼアエ(Heterodera zeae)(コーンシストセンチュウ)、ヒルシュマンニエラ種(Hirschmanniella spp.)(ネモグリセンチュウ類)、ホプロライムス種(Hoplolaimus spp.)(ヤリセンチュウ類)、メロイドギネ種(Meloidogyne spp.)(ネコブセンチュウ類)、メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)(ネコブセンチュウ)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)(回旋糸状虫)、プラチレンクス種(Pratylenchus spp.)(ネグサレセンチュウ類)、ラドフォラス種(Radopholus spp.)(ネモグリセンチュウ類)、及びロチレンクス・レニフォルミス(Rotylenchus reniformis)(ニセフクロセンチュウ)を含む。
【0044】
別の実施形態において、本明細書に開示する発明は、コムカデ綱(Symphyla)(コムカデ)を防除するのに使用できる。これらの害虫の非限定的リストは、スクチゲレラ・イマクラタ(Scutigerella immaculata)を含むが、これに限定されない。
【0045】
さらに詳しい情報については、「HANDBOOK OF PEST CONTROL - THE BEHAVIOR, LIFE HISTORY, AND CONTROL OF HOUSEHOLD PESTS」 by Arnold Mallis, 9th Edition, copyright 2004 by GIE Media Inc.を参考にされたい。
【0046】
混合物
本明細書に開示する組成物はまた、経済性、化学的及び物理的安定性、並びに相乗作用の理由から、殺ダニ剤、殺藻剤、接触阻害剤、殺鳥剤、殺細菌剤、鳥類忌避剤、不妊剤、殺真菌剤、除草剤薬害軽減剤、除草剤、昆虫誘引剤、昆虫忌避剤、哺乳動物忌避剤、交尾かく乱剤、殺軟体動物剤、その他の殺虫剤、その他の有害生物防除剤、植物活性化剤、植物生長調節剤、殺鼠剤、協力剤、枯葉剤、乾燥剤、消毒剤、情報化学物質、及び殺ウイルス剤(これらの分類は、必ずしも相互排他的ではない)と共に使用できる。
【0047】
製剤
本明細書に記載の組成物はまた、担体を提供又は補足するために植物学的に許容される不活性成分を有していてもよく、例えば餌(bait)、エマルジョン製剤、粉剤、乳剤、燻蒸剤、ゲル、粒剤、マイクロカプセル剤、種子処理剤、懸濁製剤、サスポエマルジョン製剤、錠剤、水溶性液剤、水和性顆粒剤又はドライフロアブル、水和剤及び微量散布液剤に製剤することができる。
【0048】
製剤の種類に関するさらなる情報については、「CATALOGUE OF PESTICIDE FORMULATION TYPES AND INTERNATIONAL CODING SYSTEM」, Technical Monograph No.2, 5th Edition by CropLife International (2002)を参照されたい。
【0049】
有害生物防除剤組成物は、多くの場合、このような組成物の濃厚製剤から調製される水性懸濁液又は乳濁液として施用できる。このような水溶性、水懸濁性又は乳化性の製剤は、水和剤もしくは水和性顆粒剤として通常知られている固体であるか、又は乳剤もしくは水性懸濁液として通常知られている液体である。水和剤(これは、水和性顆粒剤を形成するために固められていてもよい)は、有害生物防除剤組成物と担体と界面活性剤の均質混合物からなる。担体は、通常、アタパルジャイトクレー、モンモリロナイトクレー、ケイソウ土又は精製ケイ酸塩の中から選択される。有効な界面活性剤(これは、水和剤の約0.5%〜約10%を構成することができる)は、スルホン化リグニン類、縮合ナフタレンスルホネート類、ナフタレンスルホネート類、アルキルベンゼンスルホネート類、アルキルスルファート類、及び非イオン性界面活性剤、例えばアルキルフェノール類のエチレンオキシド付加物の中から見い出される。
【0050】
乳剤は、水混和性溶媒であるか又は水不混和性有機溶媒と乳化剤の混合物である担体に溶解させた都合のよい濃度の有害生物防除剤組成物を含む。有用な有機溶媒としては、芳香族化合物、特にキシレン類、及び石油留分、特に石油の高沸点ナフタレン部分及びオレフィン部分、例えば重質芳香族ナフサが挙げられる。他の有機溶媒、例えばロジン誘導体を包含するテルペン系溶媒、脂肪族ケトン類、例えばシクロヘキサノン、及び複合アルコール類、例えば2−エトキシエタノールも使用し得る。乳剤に適した乳化剤は、慣用の陰イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤から選択される。
【0051】
水性懸濁液は、水性担体に分散させた水不溶性有害生物防除剤組成物の懸濁液からなる。懸濁液は、有害生物防除剤組成物を微粉砕し、それを水と界面活性剤からなる担体中に激しく混合することによって調製される。成分例えば無機塩及び合成又は天然ゴムをまた、水性担体の密度及び粘度を増大させるために加えてもよい。水性混合物を調製し、それを装置、例えばサンドミル、ボールミル、又はピストン型ホモジナイザーの中で均質化させることによって有害生物防除剤組成物を同時に粉砕し、混合することが最も有効である場合が多い。
【0052】
有害生物防除剤組成物は、土壌に施用するのに特に有用である粒剤として施用してもよい。粒剤は、クレー又は類似物質を含む担体に分散させた有害生物防除剤組成物を含有する。このような製剤は、通常、有害生物防除剤組成物を適当な溶媒に溶解し、それを0.5〜3mmの範囲内の適当な粒径に予備成形してある粒状担体に施用することによって調製される。このような製剤は、担体と有害生物防除剤組成物のドウ(dough)又はペーストを調製し、粉砕し、乾燥して所望の顆粒粒度を得ることによって製剤してもよい。
【0053】
有害生物防除剤組成物を含有する粉剤は、粉末状の有害生物防除剤組成物を、適当な粉末状農業用担体、例えばカオリンクレー、粉砕火山岩などと均質に混合することによって調製される。粉剤は、種子粉衣として又はダストブロワー装置による茎葉散布として施用できる。
【0054】
有害生物防除剤組成物を、農芸化学で広く使用されている適当な有機溶媒、通常は石油、例えばスプレーオイル中の溶液の形態で施用することも同様に実用的である。
【0055】
有害生物防除剤組成物は、エアロゾル製剤の形態で施用することもできる。このような製剤において、有害生物防除剤組成物は、圧力を発生する噴射剤混合物である担体に溶解又は分散させる。エアロゾル製剤は、容器に包装し、それから混合物を噴霧弁を通して分配する。
【0056】
有害生物防除剤の餌は、有害生物防除剤組成物を食物もしくは誘引剤又はその両方と混合すると形成される。害虫が餌を摂食した場合には、害虫は有害生物防除剤も摂取する。餌は、顆粒、ゲル、フロアブル粉末、液体又は固体の形態をとり得る。これらは、害虫が生息する場所で又はその周辺で使用し得る。
【0057】
燻蒸剤は、比較的高い蒸気圧を有する有害生物防除剤であり、従って土壌又は密閉空間の害虫を殺すのに十分な濃度のガスとして存在し得る。燻蒸剤の毒性は、その濃度と暴露時間に比例する。燻蒸剤は、良好な拡散能を特徴とし、害虫の呼吸器系に浸透するか又は害虫の表皮を通して吸収されることによって作用する。燻蒸剤は、ガスを通さないシートの下で、ガス気密室もしくは建物内で、又は特殊チャンバー内で貯蔵品害虫を防除するのに施用される。
【0058】
油剤(oil solution concentrates)は、有害生物防除剤を溶液中に保持する溶媒に溶解することによって調製される。有害生物防除剤組成物の油性溶液は、通常、害虫防除作用を有する溶媒それ自体によって及び有害生物防除剤の吸収の速度を高める外皮のろう様被膜の溶解によって、他の製剤よりも迅速な害虫のノックダウン及び死滅を提供する。油性溶液の他の利点としては、より良い貯蔵安定性、より良い隙間浸透性、及び油性表面へのより良い付着が挙げられる。
【0059】
別の実施形態は、水中油型エマルジョンであり、この場合のエマルジョンは、それぞれがラメラ液晶コーティングを有し、水相に分散している油性小球を含有してなり、各々の油性小球は、農学的に活性である少なくとも1つの化合物を含有し、(1)少なくとも1つの非イオン性親油性界面活性剤、(2)少なくとも1つの非イオン性親水性界面活性剤及び(3)少なくとも1つのイオン性界面活性剤を含有するモノラメラ層又はオリゴラメラ層で個々に被覆されており、前記小球は、800ナノメートル未満の平均粒径を有する。この実施形態に関するさらなる情報は、米国特許出願番号第11/495,22号を有する2007年2月1日付けで公開された米国特許公開第20070027034号明細書に開示されている。使用し易いために、この実施形態は「OIWE」という。
【0060】
さらなる情報については、「INSECT PEST MANAGEMENT」, 2nd Edition by D. Dent, copyright CAB International (2000) を参照されたい。また、さらに詳しい情報については、「HANDBOOK OF PEST CONTROL - THE BEHAVIOR, LIFE HISTORY, AND CONTROL OF HOUSEHOLD PESTS」 by Arnold Mallis, 9th Edition, copyright 2004 by GIE Media Inc.を参照されたい。
【0061】
他の製剤成分
一般に、本明細書に開示する組成物を製剤で使用する場合には、このような製剤はまた、その他の成分を含有し得る。これらの成分としては、以下に限定されないが、(これは、非限定的及び非相互排他的リストである)、湿潤剤、展着剤、固着剤、浸透剤、緩衝剤、金属イオン封鎖剤、ドリフト(漂流飛散)低減剤、相溶化剤、消泡剤、洗浄剤、レオロジー剤、安定剤、分散剤及び乳化剤が挙げられる。幾つかの成分を、早速記載する。
【0062】
湿潤剤は、液体に添加されると、液体とそれが展着する表面との間の界面張力を低下させることによって液体の展着力又は浸透力を高める物質である。湿潤剤は、農薬製剤における2つの主要な機能に:すなわち加工と製造の間に、可溶性液剤又は懸濁製剤用の濃厚液を調製するために水中での粉末の湿潤速度を高めること;及びスプレータンク内で製品を水とを混合する間に、水和剤の湿潤時間を減少させ、水和性顆粒剤への水の浸透を改善することに使用される。水和剤、懸濁製剤及び水和性顆粒剤に使用される湿潤剤の例は、ナトリウムラウリルスルファート;ナトリウムジオクチルスルホスクシナート;アルキルフェノールエトキシレート;及び脂肪族アルコールエトキシレートである。
【0063】
分散剤は、粒子の表面に吸着し、粒子の分散状態を保持するに役立ち、粒子が再凝集するのを防止する物質である。分散剤は、農薬製剤に製造中の分散と懸濁を促進し、その粒子をスプレータンク内の水に再分散させるために添加される。分散剤は、水和剤、懸濁製剤及び水和性顆粒剤に広く使用される。分散剤として使用される界面活性剤は、粒子表面に強く吸着し、粒子の再凝集に対して荷電又は立体障害を提供する能力を有する。最も一般的に使用される界面活性剤は、陰イオン性であるか、非イオン性であるか又はこの2つのタイプの混合物である。水和剤については、最も一般的な分散剤は、ナトリウムリグノスルホナートである。懸濁製剤については、極めて良好な吸着と安定化が、高分子電解質、例えばナトリウムナフタレンスルホナートホルムアルデヒド縮合物を使用して得られる。トリスチリルフェノールエトキシレートリン酸エステルも使用される。非イオン性界面活性剤、例えばアルキルアリールエチレンオキシド縮合物及びEO−POブロックコポリマーは、時には懸濁製剤用の分散剤として陰イオン性界面活性剤と併用される。近年、新しいタイプの極めて高い分子量のポリマー界面活性剤が、分散剤として開発されている。これらは、極めて長い疎水性「主鎖」と、「櫛」型界面活性剤の「櫛歯」を形成する多数のエチレンオキシド鎖とを有する。これらの高分子量ポリマーは、疎水性主鎖が粒子表面に多数の定着点を有し得ることから、懸濁製剤に極めて良好な長期安定性を与えることができる。農薬製剤に使用される分散剤の例は、ナトリウムリグノスルホナート;ナトリウムナフタレンスルホナートホルムアルデヒド縮合物;トリスチリルフェノールエトキシラートホスファートエステル;脂肪族アルコールエトキシレート;アルキルエトキシレート;EO−POブロックコポリマー;及びグラフトコポリマーである。
【0064】
乳化剤は、一方の液相の液滴の他方の液相への懸濁を安定化させる物質である。乳化剤が存在しないと、上記の2つの液体は、2つの不混和性液相に分離するであろう。最も一般的に使用される乳化剤混合物は、12個又はそれ以上のエチレンオキシド単位を有するアルキルフェノール又は脂肪族アルコールと、ドデシルベンゼンスルホン酸の油溶性カルシウム塩とを含有する。8〜18の一連の親水性・親油性バランス(「HLB」)値は、通常、良好な安定性エマルジョンを提供するであろう。エマルジョンの安定性は、時には、少量のEO−POブロックコポリマー界面活性剤の添加によって改善することができる。
【0065】
可溶化剤は、水中で臨界ミセル濃度を上回る濃度でミセルを形成する界面活性剤である。ミセルは、次いで、ミセルの疎水性部分の内部の水不溶性物質を溶解又は可溶化することができる。可溶化に通常使用される界面活性剤のタイプは、非イオン性界面活性剤;ソルビタンモノオレアート;ソルビタンモノオレアートエトキシラート;及びメチルオレアートエステルである。
【0066】
界面活性剤は、時には、標的に対する有害生物防除剤の生物学的性能を改善するために、スプレータンクミックスへの補助剤として単独で又は他の添加物、例えば鉱油又は植物油と共に使用される。生物学的増強に使用される界面活性剤のタイプは、一般に有害生物防除剤の性質と作用機構とに依存する。しかし、これらの界面活性剤は、多くの場合、非イオン性界面活性剤、例えばアルキルエトキシレート;直鎖脂肪族アルコールエトキシレート;脂肪族アミンエトキシレートである。
【0067】
有機溶剤は、主として乳剤、ULV製剤にて使用され、より程度の低い粒剤に使用される。時には、溶媒の混合物が使用される。溶媒の第一の主要な群は、脂肪族パラフィン系石油、例えばケロセン又は精製パラフィンである。第二の主要な群であり、最も一般的なものは、芳香族溶媒、例えばキシレン及びC9及びC10芳香族溶媒の高分子量画分を含む。塩素化炭化水素は、製剤を水に乳化させる際に有害生物防除剤の結晶化を防ぐために共溶媒として有用である。アルコール類が、時には、溶解力を高めるために共溶媒として使用される。
【0068】
増粘剤又はゲル化剤は、主として懸濁製剤、エマルジョン製剤及びサスポエマルジョン製剤の製剤において液体のレオロジー又は流動特性を変化させるために及び分散粒子又は液滴の分離と沈降を防ぐために使用される。増粘剤、ゲル化剤及び沈降防止剤は、一般に2つのカテゴリー、すなわち水不溶性微粒子及び水溶性ポリマーに分類される。粘土とケイ酸塩を使用して懸濁製剤を製造することが可能である。これらのタイプの物質の例としては、以下に限定されないが、モンモリロナイト、例えばベントナイト;マグネシウムアルミニウムシリカート;及びアタパルジャイトが挙げられる。水溶性多糖類は、長年にわたって増粘−ゲル化剤として使用されている。最も一般的に使用される多糖類のタイプは、種子及び海藻の天然抽出物であるか又はセルロースの合成誘導体である。これらのタイプの物質の例としては、以下に限定されないが、グアーガム;ローカストビーンガム;カラゲナン;アルギナート;メチルセルロース;カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC);ヒドロキシメチルセルロース(HEC)が挙げられる。他のタイプの沈降防止剤は、加工デンプン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール及びポリエチレンオキシドを基剤とする。別の良好な沈降防止剤は、キサンタンガムである。
【0069】
微生物は、製剤された製品の腐敗を引き起こす。従って、防腐剤が、これら微生物の影響を排除又は軽減するために使用される。このような防腐剤の例としては、以下に限定されないが、プロピオン酸及びそのナトリウム塩;ソルビン酸及びそのナトリウム又はカリウム塩;安息香酸及びそのナトリウム塩;p−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム塩;p−ヒドロキシ安息香酸メチル;並びに1,2−ベンズイソチアザリン−3−オン(BIT)が挙げられる。
【0070】
界面活性剤(これは、界面張力を低下させる)が存在すると、多くの場合、製造において及びスプレータンクによる施用において混合操作の間に水性製剤を発泡させる。発泡する傾向を低下させるために、消泡剤が、多くの場合、生産段階の間に又は瓶に充填する前に添加される。一般に、2つのタイプの消泡剤、すなわちシリコーン系消泡剤と非シリコーン系消泡剤がある。シリコーン系消泡剤は、通常ジメチルポリシロキサンの水性エマルジョンであり、非シリコーン系消泡剤は、水不溶性油、例えばオクタノール及びノナノール、又はシリカである。両方の場合において、消泡剤の機能は、界面活性剤を空気−水の界面から移動させることである。
【0071】
さらなる情報については、「CHEMISTRY AND TECHNOLOGY OF AGROCHEMICAL FORMULATIONS」 edited by D.A. Knowles, copyright 1998 by Kluwer Academic Publishersを参照されたい。また、「INSECTICIDES IN AGRICULTURE AND ENVIRONMENT - RETROSPECTS AND PROSPECTS」 by A. S. Perry, I. Yamamoto, I. Ishaaya, and R. Perry, copyright 1998 by Springer-Verlagも参照されたい。
【0072】
施用
害虫の生息場所に施用すべき有害生物防除剤組成物の実際の量は、一般に重要ではなく、当業者が容易に決定できる。一般に、1ヘクタール当たり有害生物防除剤約0.01グラムから1ヘクタール当たり有害生物防除剤約5000グラムまでの濃度が、良好な防除を提供すると予想される。
【0073】
有害生物防除剤組成物を施用する場所は、害虫が生息する場所、例えば野菜作物、果樹及び堅果樹木、ブドウの木、観賞植物、家畜、建造物の内面又は外面、並びに建造物の周囲の土壌などであり得る。害虫防除とは、一般に、害虫個体群、活動、又はその両方を、生息場所で減少させることを意味する。これは、害虫個体群か生息場所から撃退される場合;害虫を生息場所又は生息場所周辺で無力化させる場合;又は害虫を生息場所又は生息場所周辺で、完全に又は部分的に根絶する場合に生じ得る。勿論、これらの結果の組み合わせが生じ得る。一般に、害虫個体群、活動、又はその両方は、50%よりも多く、好ましくは90%よりも多く減少させることが望ましい。
【0074】
一般に、餌に関して、餌は、例えばシロアリ類が餌と接触することができる地面に置かれる。餌はまた、例えばアリ類、シロアリ類、ゴキブリ類及びハエ類が餌と接触することができる建造物の表面(水平、垂直又は斜平面)にも施用できる。
【0075】
ある害虫の卵が有害生物防除剤組成物に対して抵抗する独特の能力により、新たに出現した幼虫を防除するには反復散布が望ましいものであり得る。
【0076】
植物中の有害生物防除剤の浸透移行は、有害生物防除剤を植物の種々の部分に施用することによって植物の一部分の害虫を防除するのに利用し得る。例えば、葉摂食昆虫の防除は、点滴灌漑又は畝間散布によって、あるいは植え付け前に種子を処理することによって防除できる。種子処理は、全ての種類の種子、例えば特殊な形質を発現するために遺伝的に形質転換された植物が発芽するであろう種子に施用できる。典型的な例としては、無脊椎動物害虫に有毒なタンパク質、例えばバシラス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)又はその他の殺虫性毒素を発現する種子、除草剤抵抗性を発現する種子、例えば「Roundup Ready(登録商標)」種子、あるいは殺虫性毒素、除草剤抵抗性、栄養強化及び/又はその他の有益な形質を発現する「積層」外来遺伝子を有する種子が挙げられる。さらに、本明細書に開示する発明によるこのような種子処理は、植物がストレスの多い生育条件によりよく耐える能力をさらに高めることができる。これは、より健康で、より強い植物をもたらし、収穫時により多い収量をもたらし得る。
【0077】
本発明は、特殊な形質、例えばバシラス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)又はその他の殺虫性毒素を発現するために遺伝的に形質転換された植物、又は除草剤抵抗性を発現する植物、あるいは殺虫性毒素、除草剤抵抗性、栄養強化又はその他の有益な形質を発現する「積層」外来遺伝子を有する植物について使用できることは容易に明らかであるはずである。
【0078】
本明細書に開示する発明は、獣医学部門又は動物飼育の分野において内部寄生虫及び外部寄生虫を防除するのに適している。組成物は、公知の方法で、例えば錠剤、カプセル、飲料、顆粒の形態で経口投与することによって、例えば浸漬、噴霧、注加、スポッティング及び散布の形態で皮膚適用することによって、並びに例えば注射の形態で非経口投与することによって施用される。
【0079】
本明細書に開示する発明はまた、家畜の飼育、例えばウシ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ及びガチョウの飼育においても都合よく用いることができる。適当な製剤は、動物に飲料水又は食餌と共に経口投与される。用量及び製剤は、適宜、種に依存する。
【0080】
有害生物防除剤組成物が使用又は市販できる前に、このような組成物は、種々の政府当局(地方、地域、州、国、海外)による長期にわたる評価プロセスを受ける。膨大なデータ要件が、規制当局によって規定されており、製品登録者によるか又は製品登録者の代理人によるデータの作成と提出によって対処されねばならない。次いで、政府当局がそのようなデータを精査し、安全性の決定が下される場合、可能性のある使用者又は販売者に製品登録承認が与えられる。その後、製品登録が許諾され、確認された地域において、このような使用者又は販売者は、このような有害生物防除剤を使用又は販売してもよい。
【実施例】
【0081】
以下の実施例は、例示を目的とするものであり、本明細書に開示する発明をこれらの実施例で開示される実施形態のみに限定すると解釈されるべきではない。
【0082】
実施例組成物
以下に記載の実施例組成物A〜Dのそれぞれは、スピネトラムを含む。スピネトラムは、50〜90%の(2R,3aR,5aR,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bR)−2−(6−デオキシ−3−O−エチル−2,4−ジ−O−メチル−α−L−マンノピラノシルオキシ)−13−[(2R,5S,6R)−5−(ジメチルアミノ)テトラヒドロ−6−メチルピラン−2−イルオキシ]−9−エチル−2,3,3a,4,5,5a,5b,6,9,10,11,12,13,14,16a,16b−ヘキサデカヒドロ−14−メチル−1H−as−インダセノ[3,2−d]オキサシクロドデシン−7,15−ジオンと、50〜10%の(2R,3aR,5aS,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bS)−2−(6−デオキシ−3−O−エチル−2,4−ジ−O−メチル−α−L−マンノピラノシルオキシ)−13−[(2R,5S,6R)−5−(ジメチルアミノ)テトラヒドロ−6−メチルピラン−2−イルオキシ]−9−エチル−2,3,3a,5a,5b,6,9,10,11,12,13,14,16a,16b−テトラデカヒドロ−4,14−ジメチル−1H−as−インダセノ[3,2−d]オキサシクロドデシン−7,15−ジオンとの混合物である。スピネトラムは、天然物から合成により誘導され、典型的には種々の不純物を伴う。従って、以下の実施例A〜Dで調製される組成物のそれぞれについて、不純物の存在を調べるために使用したスピネトラムについてアッセイを行った。
【0083】
それぞれのアッセイのために、較正用の原料溶液試料を、約43mgの分析標準形のスピネトラムを10.0mLの精製水と共に125mLガラスジャーに加えることによって調製した。このガラスジャーを、スピネトラムが精製水に分散するまで穏やかにかき混ぜた。次いで、ガラスジャーの水/スピネトラムの混合物に、100.0mLのメタノールを加えた。第二の溶液を、10mLの精製水と、約50mgの実施例A〜Dのそれぞれで使用したスピネトラム製品とを125mLガラスジャーに加えることによって調製した。このガラスジャーを、スピネトラムが精製水に分散するまで穏やかにかき混ぜた。次いで、この混合物に、100.0mLのメタノールを加えた。次いで、各試料を、以下の装置及び以下の条件下で行う液体クロマトグラフィを使用して分析した:
クロマトグラフ: Agilent(正式にはヒューレット・パッカード)モデル1100又は同等品
カラム: Phenomenex Luna、C8(2)3μm、150m×4.6mmカラム
移動相A: 2g/Lのアンモニウムアセテートを有する水、酢酸で5.5にpH調節した
移動相B: アセトニトリル/メタノール(80:20、v:v)
定組成溶離: 20%A/80%B
流量: 1.0mL/分
注入容量: 10.0μL
検出器: UV@250nm
操作時間: 20分
インテグレータ: Agilent EZChrom Eliteデータ収集装置、又は同等品
液体クロマトグラフィの結果に基づいて、実施例A〜Dで使用したスピネトラム製品のそれぞれの純スピネトラム成分の重量%を算出した。次いで、不純物の重量%を、100から純スピネトラム成分の重量%を差し引くことによって算出した。これらの計算に基づいた実施例A〜Dのそれぞれのスピネトラム不純物の重量%を、以下に示す。
【0084】
実施例A
他の成分の中からスピネトラムと卵白と亜鉛アセテートとを含有する液体組成物を、以下に従って調製した。スピネトラムと、Reax(登録商標)88A〔MeadWestvaco Corporation(P.O.Box 118005、Charleston、SC29423所在)から市販されている分散剤〕と、Geropon(登録商標)SDS〔Rhodia,Inc.(8 Cedar Brook Drive、Cranbury NJ、08512所在)から市販されている界面活性剤〕と、25〜50%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁製剤を得るための残余の水とを一緒に混合した。得られた混合物を、Eiger Machinery、Inc.(888 East Belvidere Road、Grayslake、Illinois、60030所在)製のEiger Mini Motormillメディアミルで1〜10μmの粒径(体積加重平均直径)まで微粉砕した。粒径は、Malvern Instruments Ltd.(Enigma Business Park、Grovewood Road、Malvern、Worcestershire WR14 1XZ、United Kingdom所在)製のMalvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析装置を使用して測定した。微粉砕後に、Sigma Aldrich Corporation(3050 Spuruce St.,、St.Louis、MO、63103所在)製の等級IIのニワトリ卵白由来の卵白と、Sigma Aldrich Corporation製の亜鉛アセテートジハイドレート(98+%)とを、前記混合物に攪拌下で加えた。混合物の全固形分濃度を、水を加えることによって20〜50重量%の範囲に調節し、pHを必要に応じてアンモニア溶液で6〜9に調節した。次いで、この混合物を、Silverson Machines Inc.(355 Chesnut St.、East Longmeadow、MA、01028所在)製のSilverson L4RT−Aホモジナイザーで約15〜30分間均質化させた。水を除いた前記組成物の全重量に基づいた前記の成分のそれぞれの重量%を、表1に示す。また、表1に、前記のアッセイ手順によって測定された値に基づいた組成物中のスピネトラム不純物の重量%も示す。
【表1】

【0085】
次いで、前記液体組成物を、Buchi Corporation(19 Lukens Drive、Suite 400、New Castle、DE 19720所在)製のBuchi(登録商標)Model 190ベンチトップ噴霧乾燥機を使用して、約300〜400ml/時間の供給速度、4〜6バールのノズル圧、115〜140℃の入口温度及び50〜100℃の出口温度で噴霧乾燥して固体組成物を得た。噴霧乾燥法は、液体組成物が固体組成物に変換されるように、液体組成物から水とその他の揮発性成分の全部又は実質的に全部を除去すると考えられる。水以外の実施例Aの成分のいずれも揮発性であるとは考えられないことから、固体組成物は、表1に示した成分に実質的に対応する成分のそれぞれの重量%を含有することが意図される。しかし、固体組成物は、生物学的効果実験に後で使用されることから、アッセイを行って試験に適切な濃度を調製できるように純スピネトラムの重量割合を測定した。
【0086】
このアッセイ手順のために、較正用の原料溶液試料を、約43mgの分析標準形のスピネトラムを10.0mLの精製水と共に125mLガラスジャーに加えることによって調製した。このガラスジャーを、スピネトラムが精製水に分散するまで穏やかにかき混ぜた。次いで、ガラスジャーの水/スピネトラムの混合物に、100.0mLのメタノールを加えた。第二の溶液を、10mLの精製水と、約130mgの前記固体組成物とを125mLガラスジャーに加えることによって調製した。このガラスジャーを、固形組成物が精製水に分散するまで穏やかにかき混ぜた。次いで、この混合物に、100.0mLのメタノールを加え、混合物をメカニカルシェーカーで少なくとも5分間振盪した。次いで、前記混合物のアリコートを0.45μmナイロンシリンジフィルターで濾過し、最初の濾過された数滴を廃棄し、残りの濾液を液体クロマトグラフィ用の試料に提供する。次いで、各試料を、以下の装置及び以下の条件下で行う液体クロマトグラフィを使用して分析した:
クロマトグラフ: Agilent(正式にはヒューレット・パッカード)モデル1100又は同等品
カラム: Phenomenex Luna、C8(2)3μm、150m×4.6mmカラム
移動相A: 2g/Lのアンモニウムアセテートを有する水、酢酸で5.5にpH調節した
移動相B: アセトニトリル/メタノール(80:20、v:v)
定組成溶離: 20%A/80%B
流量: 1.0mL/分
注入容量: 10.0μL
検出器: UV@250nm
操作時間: 20分
インテグレータ: Agilent EZChrom Eliteデータ収集装置、又は同等品
液体クロマトグラフィの結果に基づいて、固体組成物の純スピネトラム成分の重量%は10.0%であると算出された。
【0087】
実施例B
他の成分の中からスピネトラムと卵白と第二鉄〔鉄(III)〕スルファートとを含有する液体組成物を、以下に従って調製した。スピネトラムと、Reax(登録商標)88Aと、Geropon(登録商標)SDSと、25〜50%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁製剤を得るための残余の水とを一緒に混合した。得られた混合物を、Eiger Mini Motormillメディアミルで1〜10μmの粒径(体積加重平均直径)まで微粉砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析装置を使用して測定した。微粉砕後に、Sigma Aldrich Corporation製の等級IIのニワトリ卵白由来の卵白と、Sigma Aldrich Corporation製の第二鉄スルファートハイドレート(97%)とを、前記混合物に攪拌下で加えた。混合物の全固形分濃度を、水を加えることによって20〜50重量%の範囲に調節し、pHを必要に応じてアンモニア溶液で6〜9に調節した。次いで、この混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザーで約15〜30分間均質化させた。水を除いた前記組成物の全重量に基づいた前記の成分のそれぞれの重量%を、表2に示す。また、表2に、前記のアッセイ手順によって測定された値に基づいた組成物中のスピネトラム不純物の重量%も示す。
【表2】

【0088】
次いで、前記液体組成物を、Buchi Corporation製のBuchi(登録商標)Model 190ベンチトップ噴霧乾燥機を使用して、約300〜400ml/時間の供給速度、4〜6バールのノズル圧、115〜140℃の入口温度及び50〜100℃の出口温度で噴霧乾燥して固体組成物を得た。噴霧乾燥法は、液体組成物が固体組成物に変換されるように、液体組成物から水とその他の揮発性成分の全部又は実質的に全部を除去すると考えられる。水以外の実施例Bの成分のいずれも揮発性であるとは考えられないことから、固体組成物は、表2に示した成分に実質的に対応する成分のそれぞれの重量%を含有することが意図される。しかし、固体組成物は、生物学的効果実験に後で使用されることから、アッセイを行って試験に適切な濃度を調製できるように純スピネトラムの重量割合を測定した。アッセイは、実施例Aに関して上記に記載した手順に従って行い、固体組成物の純スピネトラム成分の重量%は9.4%であると算出された。
【0089】
実施例C
他の成分の中からスピネトラムと卵白と第二銅〔銅(II)〕アセテートとを含有する液体組成物を、以下に従って調製した。スピネトラムと、Reax(登録商標)88Aと、Geropon(登録商標)SDSと、25〜50%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁製剤を得るための残余の水とを一緒に混合した。得られた混合物を、Eiger Mini Motormillメディアミルで1〜10μmの粒径(体積加重平均直径)まで微粉砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析装置を使用して測定した。微粉砕後に、Sigma Aldrich Corporation製の等級IIのニワトリ卵白由来の卵白と、Sigma Aldrich Corporation製の第二銅アセテートモノハイドレートとを、前記混合物に攪拌下で加えた。混合物の全固形分濃度を、水を加えることによって20〜50重量%の範囲に調節し、pHを必要に応じてアンモニア溶液で6〜9に調節した。次いで、この混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザーで約15〜30分間均質化させた。水を除いた前記組成物の全重量に基づいた前記の成分のそれぞれの重量%を、表3に示す。また、表3に、前記のアッセイ手順によって測定された値に基づいた組成物中のスピネトラム不純物の重量%も示す。
【表3】

【0090】
次いで、前記液体組成物を、Buchi Corporation製のBuchi(登録商標)Model 190ベンチトップ噴霧乾燥機を使用して、約300〜400ml/時間の供給速度、4〜6バールのノズル圧、115〜140℃の入口温度及び50〜100℃の出口温度で噴霧乾燥して固体組成物を得た。噴霧乾燥法は、液体組成物が固体組成物に変換されるように、液体組成物から水とその他の揮発性成分の全部又は実質的に全部を除去すると考えられる。水以外の実施例Cの成分のいずれも揮発性であるとは考えられないことから、固体組成物は、表3に示した成分に実質的に対応する成分のそれぞれの重量%を含有することが意図される。しかし、固体組成物は、生物学的効果実験に後で使用されることから、アッセイを行って試験に適切な濃度を調製できるように純スピネトラムの重量割合を測定した。アッセイは、実施例Aに関して上記に記載した手順に従って行い、固体組成物の純スピネトラム成分の重量%は10.7%であると算出された。
【0091】
実施例D
他の成分の中からスピネトラムと卵白と亜鉛カルボナートとを含有する液体組成物を、以下に従って調製した。スピネトラムと、Reax(登録商標)88Aと、Geropon(登録商標)SDSと、25〜50%(w/w)のスピネトラムを有する懸濁製剤を得るための残余の水とを一緒に混合した。得られた混合物を、Eiger Mini Motormillメディアミルで1〜10μmの粒径(体積加重平均直径)まで微粉砕した。粒径は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折粒子分析装置を使用して測定した。微粉砕後に、Sigma Aldrich Corporation製の等級IIのニワトリ卵白由来の卵白と、Bruggemann Chemical U.S.(15 Reese Avenue、Suite 200、Newtown Square、PA、19073所在)製の亜鉛カルボナートRACの形態の亜鉛カルボナートとを、前記混合物に攪拌下で加えた。混合物の全固形分濃度を、水を加えることによって20〜50重量%の範囲に調節し、pHを必要に応じてアンモニア溶液で6〜9に調節した。次いで、この混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザーで約15〜30分間均質化させた。水を除いた前記組成物の全重量に基づいた前記の成分のそれぞれの重量%を、表4に示す。また、表4に、前記のアッセイ手順によって測定された値に基づいた組成物中のスピネトラム不純物の重量%も示す。
【表4】

【0092】
次いで、前記液体組成物を、Buchi Corporation製のBuchi(登録商標)Model 190ベンチトップ噴霧乾燥機を使用して、約300〜400ml/時間の供給速度、4〜6バールのノズル圧、115〜140℃の入口温度及び50〜100℃の出口温度で噴霧乾燥して固体組成物を得た。噴霧乾燥法は、液体組成物が固体組成物に変換されるように、液体組成物から水とその他の揮発性成分の全部又は実質的に全部を除去すると考えられる。水以外の実施例Dの成分のいずれも揮発性であるとは考えられないことから、固体組成物は、表4に示した成分に実質的に対応する成分のそれぞれの重量%を含有することが意図される。しかし、固体組成物は、生物学的効果実験に後で使用されることから、アッセイを行って試験に適切な濃度を調製できるように純スピネトラムの重量割合を測定した。アッセイは、実施例Aに関して上記に記載した手順に従って行い、固体組成物の純スピネトラム成分の重量%は11.9%であると算出された。
【0093】
生物学的効果試験
生物学的効果実験を、以下のパラメーターに従って行った。125ppmの溶液中スピネトラム濃度を得るために、水中でDelegate(登録商標)〔Dow AgroSciences LLC(9330 Zionsville Road、Indianapolis、IN、46268所在)から市販されているスピネトラムの水和性顆粒剤〕を使用して、スピネトラム対照溶液を調製した。また、125ppmのそれぞれの溶液中スピネトラム濃度を得るために、水中で実施例A〜Dの固体組成物を使用して試験溶液(実施例A〜D溶液)を調製した。これらの溶液と、水のみの対照とを、鉢植えトウガラシ植物(Capsium annuum)に、スプレー200L/Haの相当量を送達させるために較正したMandelトラック噴霧装置を使用して施用した。処理植物を乾燥させ、次いで自然太陽光の屋外で又は自然太陽光に相当するレベルの紫外線を発する一組のランプの下で熟成させた。処理後の適当な時間で、すなわち処理後3日目、6日目、11日目及び14日目に、処理した葉から直径2.5cmのディスク(disk)を切り出した。葉の1つのディスクを32ウエルプラスチックトレーの各ウエルに置いた。このトレーはまた、水分を提供するために寒天の薄層も含んでいた。処理当たり8重反復ディスクであった。各ウエルに、3匹の第二齢のシロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)の幼虫を寄生させ、ウエルをプラスチックフィルムで密封した。幼虫を、25℃/40%相対湿度の環境室に入れた。寄生後48時間で、幼虫を死亡率について等級分けした。幼虫は、突付いた後に動くことができなかった場合には、死んだとみなし、死虫率%(防除%)を算出した。
【0094】
以下の表5に、未処理標準と比べたスピネトラム防除溶液に関連する昆虫の防除%を示す。実施例A〜D溶液について、表5は、スピネトラム対照溶液と比べた防除率%の向上(improvement)〔すなわち、(実施例A〜D溶液の防除率%)−(スピネトラム対照溶液の防除率%)〕を示す。また、表5は、対照と比べた日数それぞれの個々の向上を合計し、次いで測定数で割ることによって算出されたスピネトラム対照溶液に対する平均向上を示す。
【表5】

【0095】
本明細書の表題は、便宜のためだけのものであり、その任意の部分を説明するのに使用してはならない。
【0096】
本明細書で述べた理論、操作のメカニズム、証拠、又は知見は、本発明の理解をさらに高めることを意図するものであり、このような、理論、操作のメカニズム、証拠、又は知見に依存した方法で本発明をなすことを意図するものではない。上記の記載の好ましい、好ましくは又は望ましいという用語の使用は、そのように記載された特徴がより望ましいものであり得ることを示すが、それにもかかわらずそれは必ずしも必要でないかもしれないし、その用語のない実施形態は、発明の範囲内にあると考えられ、その範囲は以下の特許請求の範囲で定義されることが理解されるべきである。特許請求の範囲の読解において、「1つ(a)(an)」、「少なくとも1つ」、「少なくとも一部」などの用語が使用される場合には、特に特許請求の範囲においてそれと反対に具体的に明記されていない限りは、特許請求の範囲を1つの項目だけに限定する意図がないことが意図される。また、「少なくとも一部」及び/又は「一部」という用語が使用される場合には、それと反対に具体的に明記されていない限りは、その項目は、一部及び/又は全部の項目を含んでいてもよい。本発明は、図面及び前記の説明において詳細に例証し、説明されているが、同じことが説明されており、特徴に限定されないとみなされるべきであり、選択された実施形態のみが示され、説明されていること及び本明細書に定義されるか又は以下の請求項のいずれかによって定義される発明の精神内に入る全ての変化、変更及び均等が保護されることが望まれることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの有害生物防除剤と、少なくとも1つの遷移金属塩と、少なくとも1つのタンパク質様物質とを含有してなる組成物であって、前記少なくとも1つの遷移金属塩と前記少なくとも1つのタンパク質様物質とを有していないという点でのみ異なる組成物と比べて高められた有害生物防除活性レベルを示す組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つの有害生物防除剤が光不安定性有害生物防除剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つの有害生物防除剤が一重項酸素と反応するものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つの有害生物防除剤が大環状ラクトン系殺虫剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つの有害生物防除剤が、スピネトラム及びスピノサドからなる群より選択されるスピノシンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
約1:1〜約6:1の前記少なくとも1つの遷移金属塩と前記少なくとも1つの有害生物防除剤の重量比、約3:1〜約8:1の前記少なくとも1つのタンパク質様物質と前記少なくとも1つの有害生物防除剤の重量比、及び約1:2〜約4:1の前記少なくとも1つのタンパク質様物質と前記少なくとも1つの遷移金属塩の重量比を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記遷移金属塩の遷移金属が、亜鉛、鉄、銅及びマンガンからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つの遷移金属塩が、遷移金属アセテート、遷移金属アセチルアセトナート、遷移金属ニトラート、遷移金属スルファート、遷移金属ハロゲン化物及び遷移金属カルボナートからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つのタンパク質様物質が、卵白、乳清、ゼラチン及びゼインからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの遷移金属塩が、鉄(III)スルファート、銅(II)アセテート、亜鉛アセテート及び亜鉛カルボナートからなる群より選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
約8重量%〜約15重量%のスピネトラムと、約40重量%〜約60重量%のタンパク質様物質と、約25重量%〜約40重量%の遷移金属塩とを含有してなる組成物。
【請求項12】
前記遷移金属塩が、鉄(III)スルファート、銅(II)アセテート、亜鉛アセテート及び亜鉛カルボナートからなる群より選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記タンパク質様物質が、卵白、乳清、ゼラチン及びゼインからなる群より選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記遷移金属塩が鉄(III)スルファートを含み及び前記タンパク質様物質が卵白を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
約8重量%〜約15重量%のスピネトラムと、約40重量%〜約60重量%のタンパク質様物質と、約25重量%〜約40重量%の遷移金属塩とを含有する第一の組成物を得ること;
昆虫防除が望まれ、スピネトラムを含有し前記タンパク質様物質及び前記遷移金属塩が存在していない第二の組成物が分解と有害生物防除活性の低下を起こし易い場所を選択すること;及び
前記第一の組成物を前記の場所に施用して前記の場所に対する前記第二の組成物の施用に比べて高められた昆虫防除を達成すること、を含む方法。

【公表番号】特表2012−525383(P2012−525383A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508475(P2012−508475)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/001240
【国際公開番号】WO2010/126584
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】