説明

スピンスタンドによる信号の測定

測定システム20を用いた信号15を測定する方法及び装置を開示する。信号15は、測定で検出する周波数成分を含む。周波数成分は様々な位相を有する。信号15は、それに対する少なくとも1つの割り込みを有する。前記方法は、信号15中の周波数成分を検出するために測定システム20で信号15を処理する工程、及び、割り込みが開始する前に、測定システム20をストールする工程を含む。ストール期間は、i)割り込みの終了後、ii)ストールの終わりの信号15中の周波数成分の位相と、ストールの始まりの信号中の周波数成分の位相との間に実質的に不連続がない時、に信号15の処理をレジュームするように計算される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年12月1日に出願された米国出願第60/118,805号の優先権を主張し、その内容はここに参照されて包含される。
【0002】
本発明は、信号を測定する方法及び装置、当該装置とスピンスタンドの組み合わせ、テストデータパターンの書き込み方法、スピンスタンドによる試験方法、並びに、スピンスタンドに関する。スピンスタンドは、ディスクドライブの様々な構成部材(例えば、記録再生ヘッド、ディスク)の性能の試験に用いられるテストプラットフォームである。
【背景技術】
【0003】
信号中に発生する特定の周波数成分の存在の検出又は大きさの測定をするために、信号の測定を望む用途は多い。そのような測定を行うための様々な測定システムが知られている。例えば、多くの技術の中心で、信号は、所定の周波数成分を通過させるある種の帯域通過フィルタを通過する。そして、周波数成分の尺度となるように、フィルタリングされた信号の電力が検出される。
【0004】
測定システムは、分解能帯域幅(resolution bandwidth、RBW)という性質を有し、それは、フィルタの幅の尺度であり、したがってシステムが信号から特定の周波数成分を抽出できる能力である。いくつかの測定システムにおいてRBWは調整可能である。しばしば、信号中の所定の成分は、他の信号成分又は信号中のノイズに比べて、低電力である。この場合、信号からよりよく周波数成分を抽出できるように、一般的に低い分解能帯域幅が好ましい。しかしながら、低い分解能帯域幅を有することの潜在的な欠点は、これを実装するには、測定システムにしばしば高次のフィルタを用いることが求められることであるが、そのようなフィルタは典型的には相対的に処理に長い時間がかかる。
【0005】
フィルタの処理時間は、特定の入力に対してフィルタの出力がどのくらいの時間で定常状態に達するかの尺度である。一般的に、フィルタは、有利な出力が得られる前に、一定長さの信号に作用しなければならない。例えば、所定の「タップ」の数の有限インパルス応答フィルタは、該タップの数と同じ信号サンプルの数を「記憶する」。したがって、入力に対してフィルタの出力が定常状態に達する前に、フィルタが「ウォームアップ」できるように、タップの数と同じ信号サンプルの数がフィルタに提示されなければならない。フィルタの処理時間の別の側面は、フィルタがトーンを除去した場合、単位ステップは、フィルタを通過できないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
いくつかの用途においては、測定される信号は、短いフラグメント又はフレームとしてしか得られない、又は、そうでなければ、信号中に検出しようとしている周波数成分が存在しない割り込みを有する。このことは、測定しようとしている周波数成分は、継続して存在する信号の長さが短いかもしれないことを意味している。従来の技術を用いると、測定システムは、信号の割り込みされていないフラグメントごとに新たに始まる信号の測定を行わなければならなかった。これは、低い分解能帯域幅を有する測定システムにとっては問題であった。なぜなら、システムが、信号のフラグメンの期間内において、処理する適当な時間を有しないかもしれないからである。これは、結果の正確性を欠くことになる、又は、更に有利な測定を全くできないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、測定システムを用いた信号の測定方法であって、
該信号は、測定により検出される周波数成分を有し、
該周波数成分は様々な位相を有し、
該信号は、それに対する少なくとも1つの割り込みを有し、
信号中の周波数成分を検出するために測定システムで信号を処理する工程、
割り込みが開始する前に、割り込み中に信号が処理されないように、測定システムをストールする工程、
ストールの終了が以下のi)又はii)に生じるようにストール期間を計算する工程、
i)割り込みの終了後、
ii)ストールの終わりの信号中の周波数成分の位相と、ストールの始まりの信号中の周波数成分の位相との間に実質的に不連続がない時、
並びに
信号の処理をレジュームするために、計算したストール期間の終わりに測定システムのストールを終了する工程、
を含む測定方法が提供される。
【0008】
信号への割り込みは、例えば、割り込み中に信号中に周波数成分が実質的に又は完全に存在しないことである。あるいは、割り込み中に周波数成分が減衰される若しくは壊されている、又は、別の潜在する信号の一部としてしか存在していないことである。いずれにせよ、信号への割り込みは、一般的には、周波数成分の測定において信号の割りこまれた部分を含まないことが望ましいことを意味する。そうでないと、割り込みが測定の正確性を低減させるからである。
【0009】
典型的には、測定システムは、周波数成分を検出するフィルタを有する。次の信号フラグメントが前の信号フラグメントと実質的に同位相である時点で測定を再開することによって、フィルタは、割り込みの前後の2つのフラグメントの間に重大な不連続を見出さない。したがって、測定システムは、低い分解能帯域幅を有することができる(これは、長い処理時間を暗示する)。なぜなら同相でフィルタを再開するということは、割り込みが生じるたびに新規の入力を処理する必要がないということを意味するからである。この方法は、フィルタの処理時間が信号フラグメントよりも長いという状況で特に有益である。従来技術の方法では、このような状況に上手く対処できていない。なぜならフィルタが、次の割り込みの前に各フラグメントを処理する時間がなく、そのため、測定の正確性が損なわれるからである。これに対して、本発明の方法を用いることによって、フィルタは、各フラグメントで新たに処理する必要がなく、そのため、フィルタ処理時間がフラグメントの長さに制限されない。これは、従来技術と比べてより低い分解能帯域幅のフィルタを測定システムに用いることができることを意味し、これにより、測定の正確性を向上することができる。
【0010】
好ましくは、前記本発明の方法は、ストールの終わりが、iii)割り込みの終了後、少なくとも追加の所定時間、に生じるように、ストール期間を計算する工程を含む。
【0011】
しばしば、上記測定システムは、様々なモジュール又は構成部材を含む。それらのうちいくつかは比較的長い処理時間を要し、それによりシステムの全体の処理時間を制限される。また、いくつかは比較的短い処理時間を要する。測定システムのストールの終了前に追加の所定時間を残すことで、処理が遅い部分がデータの処理を再開する前に、割り込みの終了後、測定システムの処理が早い部分が、信号を処理できるようになる。ストールの終わりに信号中の周波数成分の位相に、及び、ストールの始まりに信号中の周波数成分の位相に、実質的に不連続がないとして、ストール期間は、まだ計算されていることに留意する。これは、処理が遅い部分は、ストール後に再び処理する必要がないことを意味する。
【0012】
例えば、測定システムの好ましい例は、デジタルダウン変換器(DDC)、及び、所定の周波数を検出するための狭いカットオフ周波数を有するローパス・フィルタを備えたデジタルシステムである。DDCは通常、処理にある時間を要する1以上の自身のフィルタを備える。しかしながら、DDCフィルタは典型的には、ローパス・フィルタほど狭くはなく、より低次である。そのため、処理に要する時間が少ない。追加の所定時間を残すことで、ローパス・フィルタのストールが終了する前にDDCが処理できるようになる。それにより、ローパス・フィルタが再びサンプルを処理し始める時、それが操作するデータは信頼できる。これにより、測定の正確性が改善される。実施形態において、追加の時間は、検出される周波数成分の整数の倍数に等しい、又は、信号が最初に中間周波数に偏移する場合は、中間周波数の整数の倍数に等しい。
【0013】
長い処理時間を伴うということは、フィルタをより高位及びより低い帯域幅にすることができるということを意味する。これにより、かすかな信号の検出ができるようになる。
【0014】
好ましくは、前記本発明の方法は、検出される周波数成分が中間周波数に集中するように、前記信号を処理する工程の前に信号を中間周波数にダウン変換する工程、及び、中間周波数の期間の整数の倍数となるように、ストール期間を計算する工程を含む。
【0015】
スペクトル分析において、中間周波数を用いることは、所定の周波数をより低い又はより高い「中間周波数」へ偏移させる技術として知られている。この場合、これにより、ストール期間を、中間周波数の期間の整数の倍数を選択することにより、容易に計算することが可能になる。
【0016】
好ましくは、前記本発明の方法は、信号サンプルを含むデジタル化された信号を生成するために信号をデジタル化する工程、及び、信号中の周波数成分を検出するためにデジタル処理エンジンでサンプルを処理する工程を含み、前記測定システムをストールする工程は、少なくともデジタル処理エンジンをストールする工程を含む。
【0017】
これにより、特にストールする工程に関して、システムを実装する簡易な方法が提供される。
【0018】
一実施形態において、前記本発明の方法は、中間周波数に対するサンプリング・レートの比が実質的に整数比であり、信号サンプルを含むデジタル化された信号を生成するために、信号をデジタル化する工程、並びに、信号中の周波数成分を検出するためにデジタル処理エンジンでサンプルを処理する工程を含み、前記測定システムをストールする工程は、少なくともデジタル処理エンジンをストールする工程を含む。
【0019】
これは特に有利な実装である。例えば、これにより、望ましいストール期間の量子化がエラーを引き起こさないため、不連続を引き起こすことなく測定システムをストール及び再起動することが可能になる。IF(中間周波数)の整数の倍数であるサンプリング・レートを有することが特に好ましい。これは、IF期間の整数の倍数として計算されたストール期間が、自然にサンプルの発生と一致することを意味する。したがって、不連続を引き起こすことなくストール後に、処理を開始することができる。サンプリング・レートがIFの整数の倍数ではない場合には、位相がそろうように計算されたストールの終わりは、サンプルと同時よりも、サンプルとサンプルの間に発生するかもしれない。また、IFがサンプリング周波数の約数である場合には、サンプリング・レートをIFの約数とすることが可能である。この場合、測定の正確性に影響を与える不連続を回避するために、許容範囲内において、サンプルの発生と一致するストール期間の終わりまで、ストール期間を更にIFの倍数だけ延長することが必要である。
【0020】
他の利点は、アナログ・デジタル変換器が信号のデジタル化に用いられ、オシレータがヘッド信号を中間周波数にダウン変換するのに用いられており、これらを同じクロックソースでタイミングよくクロックできることである。また、測定システムが、所定の周波数をベースバンドに偏移させるデジタルダウン変換器を備え、これにより、デジタルダウン変換器を簡易化することができる(詳細には特定の例を用いて下記に説明する)。
【0021】
好ましくは、前記デジタル処理エンジンは、以下の工程でサンプルを処理する。
信号サンプルをベースバンド信号にデジタルダウン変換する工程、
周波数成分を通過させるローパス・フィルタでベースバンド信号をフィルタリングする工程、並びに
フィルタリングされた信号の電力を検出する工程。
ここで、デジタル処理エンジンをストールする工程は、ローパス・フィルタをストールする工程を含む。
【0022】
これにより、デジタル処理エンジンを実装及びストールする有利な方法が提供される。
【0023】
好ましい実施形態において、上記本発明の方法は、
中間周波数の4倍であるサンプリング・レートで信号をデジタル化する工程(ここで、デジタル化された信号をデジタルダウン変換する工程は、各偶数のサンプルにゼロをかける及び各第(4n+3)番目のサンプルに−1をかける(ここで、nは整数>=0)ことによって、デジタル化された信号から位相チャネルを生成する工程、並びに、各奇数のサンプルにゼロをかける及び各第(4n+4)番目のサンプルに−1をかける(ここで、nは整数>=0)ことによって、デジタル化された信号から直交チャネルを生成する工程を含む)、
位相チャネル及び直交チャネルをそれぞれ、夫々のローパス・フィルタでフィルタリングする工程、並びに
フィルタリングされた位相及び直交チャネルの電力を検出する工程、
を含む。
【0024】
これにより、正弦及び余弦を生成する複雑な準備が必要なく、位相及び直交チャネルが正弦及び余弦関数によって調節されることを可能にするデジタルダウン変換器を実装する簡易な方法が提供される。サンプリング・レートはIFの4倍であるため、その操作は、上述した様々なサンプルを単に反転する及び無効にすることで行うことができる。したがって、複雑な正弦及び余弦を生成する関数又はルックアップテーブルが必要ない。これにより、測定モジュールに求められるデジタル論理の量が低減される。
【0025】
一実施形態において、前記本発明の方法は、デジタル処理エンジンで処理される前に、バッファ中のサンプルをバッファリングする工程、及び、割り込みが検出された時に、該バッファ中のサンプルをフラッシュする工程を含む。
【0026】
バッファは実際には、デジタル処理エンジンによるサンプルの処理に遅延を引き起こす。これにより、許容される割り込みの開始の確認におけるいかなる遅延も許容する。割り込みが開始した後の時間に対応するバッファ中のいかなるサンプルも、デジタル処理エンジンに達する前にバッファからフラッシュされてもよい。したがって、システム中の待ち時間のおかげで、割り込みが開始した後にとられたサンプルは、デジタル処理エンジンによってうっかり処理されるわけではないため、結果の正確性は向上する。
【0027】
本発明の第2の態様によれば、ディスク及び記録再生ヘッドを有するスピンスタンドで試験する方法であって、
ヘッド信号を提供するために、ディスクに形成された、データパターンを含むデータ部と、データ部が点在しているサーボ情報を含む少なくとも1つのサーボセクタとを有するトラックをヘッドで読み取る工程、並びに
上述の方法で前記ヘッド信号を測定する工程、
を含み、
前記データパターンが測定で検出される周波数成分を含み、各前記少なくとも1つのサーボセクタが信号への各割り込みを構成することを特徴とする方法が提供される。
【0028】
これにより、フィルタの処理時間又は測定データの長さを制限することなく、測定データの間にインタリーブされた組み込まれたサーボを有するスピンスタンドによる狭周波数帯測定が可能になる。これにより、1つの連続的な測定データセクタ内において、フィルタによる処理及び測定が行われることを待つ必要性が大いに除去される。
【0029】
これにより、様々なスピンスタンド試験をよりよい正確性をもって行うことができる。例えば、下記に詳述されるように、スピンスタンドに行われる一般的な試験は、いわゆる上書き試験である。この試験においては、第1の周波数成分を有するデータパターンがディスクに書き込まれる。そして、これは、第2の周波数成分を有するデータパターンによって上書きされる。そして、第1の成分の残留トレースを測定するために、このデータは読み取られ、該データで狭周波数帯の測定が行われる。
【0030】
しばしば、第1の成分のかすかな残留トレースがより精度よく検出されるように、狭周波数帯の測定システムを低い分解能帯域幅に用いることが望まれる。しかしながら、いくつかのタイプのスピンスタンドの矛盾する要望は、より正確にディスク上にヘッドを位置合わせできるように、多くのサーボセクタにディスクのデータ部が点在することである。従来の技術を用いると、サーボセクタによるデータパターンへの割り込みは、高い処理時間を有する測定システムの部材は、測定においてよい正確性を達成するための、データの未割り込み部内において処理する適切な時間を有していないことを意味する。好ましい実施形態は、上記詳述したように、この問題を解決する助けになる。特に、割り込み中に測定システムをストールすることによって、及び、ストールした時と同じ位相の信号で測定システムを再起動することによって、測定システムは、検出される信号成分の位相に不連続を見出さない。そのため、測定システムは処理する必要がない。したがって、例えば、非常に狭い分解能帯域幅フィルタを有する測定システムは、多くのサーボセクタを用いるスピンスタンドを試験することに用いることができ、達成する結果がより正確になる。
【0031】
好ましくは、上記本発明は、サーボセクタの両面で周波数成分がそれ自身と同位相になるように、前記データ部をディスクに書き込む工程を含む。
【0032】
これにより、計算する簡易な方法が提供され、フィルタは同じ位相の信号で再起動できるようになる。フィルタは、デジタル化された時、信号の周波数成分の期間の整数の倍数でストールされることが好ましい。
【0033】
一実施形態において、上記本発明は、スピンスタンドでサーボゲート信号を生成する工程、及び、割り込みの始めと割り込みの終わりを決定するために、該サーボゲート信号を測定システムにおけるタイミング・リファレンスとして用いる工程を含む。
【0034】
スピンスタンドは一般的に、「サーボゲート」信号を提供する。サーボゲート信号は、サーボセクタの始まりと終わりを示し、処理システムは、各セクションがデータかサーボ情報かに従って、適切にヘッド信号を処理することができる。この信号は、ストール期間の計算に有利に用いることができる。
【0035】
本発明の第3の態様によれば、信号を測定する装置であって、
該信号は測定によって検出される周波数成分を有し、該周波数成分は様々な位相を有し、該信号はそれに対する少なくとも1つの割り込みを有し、
信号中の周波数成分を検出するように、信号を処理するものとされている測定モジュール、並びに
割り込み中に信号が処理されないように、割り込みの開始前に測定モジュールをストールするものとされているストール制御モジュール、
を備え、
該ストール制御モジュールは、ストールの終わりがi)又はii)に生じるようにストール期間を計算するものとされており、
i)割り込みの終了後、
ii)ストールの終わりの信号中の周波数成分の位相と、ストールの始まりの信号中の周波数成分の位相との間に実質的に不連続がない時、
該ストール制御モジュールは、信号の処理をレジュームするように、計算されたストール期間の終わりに、測定モジュールのストールを終了するものとされていることを特徴とする装置が提供される。
【0036】
本発明の第4の態様によれば、上述したスピンスタンド及び信号を測定する装置の組み合わせであって、
該スピンスタンドは、記録再生ヘッド、ディスク、並びに、該ディスクに形成された、データパターンを含むデータ部とデータ部が点在する(interspersed with)サーボ情報を含む少なくとも1つのサーボセクタとを有するトラックを備えており、
該スピンスタンドは、ヘッド信号を提供するためにヘッドでトラックを読み取るものとされており、
該装置は、該ヘッド信号を測定するものとされており、
該データパターンは、測定モジュールで測定される周波数成分を含み、
各前記少なくとも1つのサーボセクタは、信号への各割り込みを構成することを特徴とするスピンスタンド及び信号を測定する装置の組み合わせが提供される。
【0037】
本発明の第5の態様によれば、スピンスタンドのディスクにテストデータパターンを書き込む方法であって、該ディスクは、1〜N個のデータセクタでインタリーブされた1〜N個のサーボセクタを有し(ここで、Nは整数>1)、
該方法が、
様々な位相を有する周波数成分を有するテストデータパターンを生成する工程、並びに
データパターンの位相が第1及び第2のデータセクタにまたがって連続しているように、該テストデータパターンを第1のデータセクタ及び第2のデータセクタに書き込む工程、
を含むことを特徴とする方法が提供される。
【0038】
サーボセクタの両面で同位相になるように、ディスクにテストデータパターンを書き込むことによって、上述した測定システムの特に好ましい実施形態を、スピンスタンドの試験に用いることができるようになる。特に、この場合は、ストール期間の計算が簡易になる。ストール期間は、周波数成分の期間の整数の倍数となるように計算される。あるいは、中間周波数が用いられる場合には、ストール期間は、中間周波数の整数の倍数として計算される。したがって、サーボセクタの間(during)に測定システムをストールすることができ、テストデータパターンが実質的にストール前と同じ位相を有する時点で簡易な計算を通じて、再起動することができる。これにより、RBWフィルタでフィルタリングされた信号中の不連続を回避することができ、これは、各サーボセクタの後にフィルタはテストデータパターンについて、再処理する必要がないことを意味する。
【0039】
好ましくは、前記本発明は、
パターン生成装置でテストデータパターンを生成する工程、
テストデータパターンを第1のデータセクタに書き込む工程、
サーボセクタの間テストデータパターンの書き込みをサスペンドしながら、サーボセクタの間第1のデータセクタに従いテストデータパターンを生成し続ける工程、並びに
データパターンの位相が第1及び第2のデータセクタにまたがって(across)連続しているように、第2のデータセクタへのテストデータパターンの書き込みをレジュームする工程、
を含む。
【0040】
本発明の第6の態様によれば、スピンスタンドで試験する方法であって、
上述した方法にしたがってディスクにテストデータパターンを書き込む工程、及び
上述した方法にしたがって試験する工程、
を含むことを特徴とする方法が提供される。
【0041】
本発明の第7の態様によれば、ディスクを備えたスピンスタンドであって、
該ディスクは1〜N個のデータセクタでインタリーブされた1〜N個のサーボセクタを有し(Nは整数>1)、
第1及び第2のデータセクタはそれぞれに書き込まれたテストデータパターンを有し、
該テストデータパターンは、様々な位相を有する周波数成分を有し、
該データパターンの位相は、第1及び第2のデータセクタにまたがって連続していることを特徴とするスピンスタンドが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の一実施形態におけるスピンスタンドの一例を模式的に示す。
【図2】図2は、本発明の一実施形態における実装されたサーボの一例を示す。
【図3】図3は、本発明の一実施形態におけるテストデータ信号のスペクトル分析を行うための装置の一例を示す。
【図4】図4は、データへの割り込みがなく、デジタル処理エンジンのストールがない場合のシミュレーションの結果を示す。
【図5A】図5Aは、ストール期間が1.0417μsのデータパターンを示す。
【図5B】図5Bは、抽出データパターンを示す。
【図5C】図5Cは、データパターンのシミュレーションの結果を示す。
【図6A】図6Aは、ストール期間が1μsのデータパターンを示す。
【図6B】図6Bは、抽出データパターン示す。
【図6C】図6Cは、データパターンのシミュレーションの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下に、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態の例を用いて説明する。
【0044】
図1は、スピンスタンド1を模式的に示している(例えば、従来技術において「ヘッド媒体試験装置」又は「電動試験装置(dynamic electrical test machines)」として一般的に知られている)。本技術分野において、スピンスタンドは、当初、ディスクドライブ(例えばヘッド、ディスク及びチャネル)等の様々な構成部材を評価及び最適化可能とする、調査や開発時に用いられるツールとして開発された。現在では、製造された記録再生ヘッド又はディスクを、ディスクドライブユニットへと実装する前に各々試験するために、ディスクドライブの製造時においてもスピンスタンドは用いられている。
【0045】
スピンスタンド1は、ディスクアダプタ2を用いてディスク4が設けられた空気軸受スピンドル3を備える。スピンスタンド1には、さらに、ヘッドジンバルアセンブリ5を保持するとともに、ヘッドジンバルアセンブリ5の記録再生ヘッド6をディスク4の表面に位置決めするため、ヘッド・ロード機構(図示せず)が備えられており、テストデータは、ディスク4のテストトラックへと書き込み可能とされ、或いは、テストトラックから読み取り可能とされている。また、スピンスタンド1には、スピンスタンドコントローラ(図時せず)が備えられており、スピンスタンドコントローラの制御のもと、回転する時にディスク4の表面の上をヘッド6は「飛ばされる」。それにより、テストデータはヘッド6でディスク4へと書き込み可能であり、或いは、ディスク4から読み取り可能である。
【0046】
図1のスピンスタンド1は、ヘッド6がディスク4を越えて位置するように助ける所謂「実装サーボ」を採用している。図2は、このスキームを表し、ディスク4上のトラック8を示している。サーボバースト9a及び9bとして知られる位置マークが、ディスク4に形成されている。サーボバースト9a及び9bは、通常ディスク4上のデータセクタ10の間に点在している(すなわち組み込まれている)サーボセクタ9に書き込まれる。サーボバースト9a、9bは、ヘッド6がトラック8の上を飛ぶときにヘッド6で読み取られ、続いて、スピンスタンドコントローラに用いられて、ディスク4に対するヘッド6の位置を計算することができる。これにより、スピンスタンド1は、例えば熱ドリフトの影響で引き起こされるヘッド6の位置の乱れを拒絶することができる。
【0047】
ヘッド6で読み取られた信号は、ヘッド信号15(図1)として知られている。また、スピンスタンド1は、測定ゲート信号11及びサーボゲート信号12として知られる2つのタイミング信号を生成する。測定ゲート信号11は、ヘッド6がデータセクタ10を越えて位置する時にアサートされ、サーボゲート信号12は、ヘッド6がサーボセクタ9を越えて位置する時にアサートされる。これらの信号は、スピンスタンド1によって様々な方法で生成することができる。例えば、サーボセクタ9に、サーボゲート信号12が生成され得る特別なタイミングマークが書き込まれてもよい。他には、多くの場合では、ディスク4にサーボセクタ9を書き込むのにスピンスタンド1自身が用いられるため、サーボセクタ9の位置は、サーボセクタ9を書き込むときのスピンドル2との関係で格納することができ、サーボゲート信号12は、この格納された情報を参照して生成することができる。測定ゲート信号11は、同様の処理で生成することができる。スピンスタンド1は、ヘッド信号15のデータ部とサーボ部を区別して、それぞれが適切に処理されるように、測定ゲート信号11及びサーボゲート信号12を用いる。
【0048】
一般的に、スピンスタンド1を用いて試験を行う場合、まず、ヘッド6がディスク4のトラック8の位置に合わせられ、テストデータが当該トラック8のデータセクタ10へと書き込まれる。続いて、テストデータがヘッド6によって読み取られ、測定、解析され、そして、結果がユーザへと知らされる。データの書き込み及び/又は読み取りに係る種々のパラメータが、スピンスタンド1によって制御可能とされるとともに変化可能とされることで、様々な状況で、ヘッド6又はディスク4の性能や特性を調査することができる。
【0049】
通常、コンピュータ或いは同様の処理装置は、スピンスタンドで行われる種々の試験に供され、当該スピンスタンドで為された測定の結果を解析・表示するものとされる。
それに加えて、専用のパラメータ測定機器、スペクトル解析装置、或いは、オシロスコープを用いて、スピンスタンドで為された測定の結果を解析、表示させることもできる。このようにして、一連の試験が行われる。これには、例えば、いわゆるビット誤り率(BER)に係るバスタブや、トラックスクイズ、トラックセンタ、読み取り/書き込みオフセット、上書き等が含まれる。以上に述べたように、スピンスタンド1は公知のタイプである。
【0050】
スピンスタンド1によって為される多くの標準試験は、狭周波数帯の電力測定を用いて行われる必要がある。狭周波数帯測定とは、測定又は検出される信号が、特に相対的に狭い周波数スペクトルの部分に電力を集中させる。当該試験の一つに、いわゆる「上書き(overwrite)」試験がある。この試験は、第一の周波数を有するテストデータのパターンを、記録再生ヘッド6を用いてディスク4のトラック8へと書き込み、その後、引き続いて、この第一のパターンとは異なる周波数を有する第二のテストデータのパターンで上書きする工程を含んでいる。そして、トラック8がヘッド6によって読み取られ、得られた信号15が解析されて、第一の周波数において上書きされたパターンの残留信号電力が測定される。これは、第一の周波数に収束された狭周波数帯の測定システムによって達成される。
【0051】
第一の周波数パターンに係る残留信号電力は、通常、比較的低く、当該信号を検出・測定する際は、高ダイナミックレンジである測定システムを用いる必要がある。実際は、このことは、測定システムが、測定の信号対ノイズ性能を向上するために、低い分解能帯域幅(resolution bandwidth、RBW)で操作可能である必要があることを意味する。更に、技術的に将来のヘッド6の信号対ノイズ比を低下させる方向にあることで、更に低いRBWが将来必要とされることが予想され、次世代型スピンスタンド装置は、より高いデータの記録周波数(例えば最大2GHzまで)で操作可能であることが期待される。
【0052】
低いRBWで作動する測定システムの使用に伴う問題は、通常、高次で高い「処理時間」のフィルタを用いることで解決される。フィルタの処理時間は、フィルタが入力に対応してどのくらいの時間で定常状態に達するかの尺度である。換言すれば、十分な処理時間がある時だけ(すなわち、十分な長さの入力信号で操作された時のみ)、フィルタは正確な出力をする。
【0053】
スピンスタンド1が多くのサーボセクタ9を有する場合、高い処理時間の測定システムの使用は問題になる。多くのサーボセクタ9は、トラックされる及び特徴づけられるヘッド6の位置的な障害の帯域幅を増加するためには望ましい。この例においては、スピンスタンドは、最大1024個のサーボセクタ9を有する。スピンスタンド1において、ディスク4は毎分1000〜15000回転の速度で回転してもよく、これは、ディスク4全体の回転に4〜60ミリ秒(ms)かかることを意味する。このような速度で、読み取り/書き込み操作の間、データセクタ10に対応するヘッド信号15の位置は、5μsほどの短い長さにすることができる。ここで、望ましい狭周波数帯の測定を行うためには、測定システムが、処理時間が約1ミリ秒(ms)のフィルタを用いて、RBWを約10kHzまで低減させて操作できることが望ましい。この場合は残念ながら、フィルタの処理時間(すなわち1ミリ秒(ms))は、測定が行われるデータセクタ10の期間(すなわち5μs)を遥かに超える。上記内容から分かるように、フィルタは、単一のデータセクタ10に含まれたデータについて処理する時間がなく、したがって、従来の技術を用いて正確な測定はできない。したがって、最近の技術では、多数のサーボセクタ9を有するスピンスタンド1からテストデータを測定するために、非常に狭いRBWを用いる適切な解決はなく、その替わりに、より高いRBWフィルタを実際には用いらなければならない。
【0054】
図3は、本発明の実施形態の測定システム20の一例を示しているこれは、例えば、ディスク4上のトラック8のデータセクタ10に書きこまれたデータパターンに存在する所定の周波数成分を検出するために行う、スピンスタンド1から生成されたヘッド信号15についてのスペクトル分析に用いることができる。ディスク4に書き込まれた周波数は、例えば、試験オペレーターによって1MHz〜2GHzの範囲になるように選択することができる。
【0055】
測定システム20は、「スーパーヘテロダイン」原理に基づいて機能するRFダウン変換器21、22、23を有する入力ステージを備えている。ここで、ヘッド信号15は、所定の周波数を中間周波数(IF)へと偏移させるために、選択された周波数正弦波60と混合される。本実施形態においては、調節可能な合成器21が用いられて、望ましい周波数60を生成させる。ヘッド信号15及び生成された周波数60は、ミキサ22へと送られ、ここで、これら信号が混合されて、所定の周波数をIFへと偏移させる。偏移されたテストデータ信号61は、IFフィルタ23によってフィルタリングされ、不要なヘテロダイントーンが除去される。別の例においては、RDダウン変換器21、22、23は、1以上の変換ステージを備えていてもよい(例えば、不要な生成物を除去するために、1つのアップコンバージョンに続いて2つのダウンコンバージョン)。別の例においては、調節可能な合成器は、所定の周波数帯域に亘ってスペクトル解析を行うために、掃引発信器へと接続されていてもよい。
【0056】
その後、アナログ・デジタル変換器(ADC)24によって、フィルタ信号62がサンプリングされるとともにデジタル化される。リファレンス・クロック信号53は、ADCクロック合成器25へと送られる。ADCクロック合成器25は、タイミング・リファレンスとしてリファレンス・クロック信号53に基づいて、ADC24へと向かうクロック信号63を生成させるものである。下記に詳述するように、IFの整数の倍数であるADCサンプリング・レートを用いることが好ましい。最も好ましくは、IFの4倍のサンプリング・レートである。本例示においては、IFが12MHzであり、サンプリング・レートが48MHzである。一般的に、IFはまずRFダウン変換器の設計検討に従って選択され、ADC24のサンプリング・レートは、その後にIFに従って選択される。
【0057】
サンプル信号64は、その後、デジタル信号処理(DSP)エンジン30を通過する。DSPエンジン30は、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)に実装されていてもよい。DSPエンジン30は、メインブロックとして、測定モジュール31とストール制御モジュール32とを備える。当該DSPシステム30の入力ステージとしては、先入れ先出しバッファ33(FIFO)が用いられており、当該FIFOにおいてサンプル信号64が受信される。
【0058】
測定モジュール31には、さらに、デジタルダウン変換器(DDC)34が備えられており、当該デジタルダウン変換器34がFIFO33からサンプル信号64を受信し、そして、サンプル信号64がベースバンド信号65へとダウン変換される。ベースバンド信号65は、RBWフィルタのように機能するローパス・フィルタ35を通過する。本例示においては、ローパス・フィルタの帯域幅は10kHzである。最終的に、フィルタ信号66が、当該信号66における電力を測定する電力検出器36を通過し、記録可能とされ、或いは、ユーザへと表示可能とされている
【0059】
DDC34は基本的には、複合ミキサであり、所定の周波数の帯域をベースバンドに偏移させる。DDC34の第1のステージでは、周波数成分の和と差を生成するために、このデジタル化したサンプルの流れと、位相(又は実在)チャネルにおいてはデジタル化した余弦関数とを、直交(又は仮想)チャネルにおいてはデジタル化した正弦関数とを混ぜる又はかける。位相及び直交チャネルの両方の振幅スペクトルは、同じになるが、スペクトル成分の位相関係は異なる。信号同士の位相関係を維持するために、実在チャネルのフィルタは、仮想チャネルのフィルタと同一である。DDC34のこれらのアスペクトは従来技術において公知であるゆえ、ここで詳細に説明していない。
【0060】
IFは、ADC24のサンプリング・レートに固定した整数比になるように選択されることが好ましい。これにより、用いられるDDC34を簡素化することができる。IFとサンプル・レートが固定した関係を有するならば、サンプル信号64が乗じられた正弦及び余弦関数の値は、簡素なパターンであるが、回転する。したがって、DSPエンジン30は、任意の正弦波生成能力(sinusoidal generation capability)又はハードウェア乗算器を必要としない。この例においては、ADC24のサンプリング・レートは、IFの4倍である。したがって、サンプル信号64は、値[1,0,−1,0]及び[0,1,0,−1]を有する正弦関数及び余弦関数でそれぞれ乗じられる。したがって、DDC34は、2つの4−入力マルチプレクサ(1つは位相チャネルのため、もう1つは直交チャネルのため)を備えるように簡易化することができる。4つのサンプルの連続するシークエンスごとに、位相チャネルについては第2番目及び第4番目のサンプルを0と置換し、第3番目のサンプルを反転し、直交チャネルについては第1番目及び第3番目のサンプルを0と置換し、第4番目のサンプルを反転する。
【0061】
ストール制御信号67がアサートされている間、サンプル64の処理がサスペンドされるように、DSPエンジン30のストール制御モジュール32は、測定システム20をストールするストール制御信号67を生成させるものとされている。ストール制御信号67は、以下の規則にしたがって生成される。ストール制御信号67は、サーボゲート信号12がアサートされる時(すなわち、データセクタ10の終わりに到達した時)に、アサートされる。ストールされている間、ストール制御モジュール32はストール期間を記録する。ストール制御信号67は、少なくともサーボゲート信号12がアサートされている間はアサートされ続け、サーボセクタ9の間、ヘッド信号15は処理されない。サーボゲート信号12が放出される時(すなわち、次のデータセクタ10の始まりに到達した時)、ストール制御信号67は直ちに放出されるのではなく、その替わりに、ストール期間が次のように延長される。
【0062】
放出される前、ストール制御信号67は、追加のプログラム可能期間、サーボゲート信号12の放出を過ぎて、随意にアサートされた状態で維持される。この追加のプログラム可能期間によって、RFダウン変換器21、22、23が処理する時間をとることができる。尚、RFダウン変換器のフィルタ23は、典型的にはRBWフィルタ35よりもかなり広い帯域であり、より低位であり、それゆえ比較的処理が速い。この追加期間中、ストール制御モジュール32は、ストールがアサートされた全期間を記録し続ける。
【0063】
ストール期間に追加の所定期間が含まれているか否かいずれにせよ、全ストール長さがIF期間の整数の倍数であることを確保するため、ストール期間は延長される。
【0064】
ここで、ディスク4に所定の周波数成分を含むデータパターンを書き込む時、データパターンは、周波数成分の位相が各データセクタ10で同じになるように(すなわち、サーボセクタ9を通して位相は変化しない)、書き込まれる。これは以下のように達成される。パターン生成装置(図示せず)が、ディスク4に書き込まれるデータパターンの生成に用いられる。ヘッドがデータ部10の上を通ったとき、測定ゲート信号11に従い、データパターンはディスク4に書きこまれ、ヘッドがサーボセクタ9の上を通ったとき、サーボゲート信号12に従って、パターン生成装置の出力が抑制され、サーボセクタ9にデータが書き込まれない。パターン生成装置の出力が抑制されている間、パターン生成装置は、内部で実行し続け、データパターンが次のデータセクタ10に書き込まれた時、データパターンの位相は変わらないままである。
【0065】
したがって、データパターンの位相を連続にすることによって、及び、ストール期間をIF期間の整数の倍数に制御することによって、測定モジュール31がストールから解放された時に、測定モジュール31は、ストールが開始した時と実質的に周波数成分の位相が同じサンプルに、再び作用し始める。
したがって、サーボセクタ9のいずれの側面においても、測定モジュール31には、周波数成分の位相の不連続が見られない。したがって、RBWフィルタ35は、各データセクタ10で新たに処理する必要がない。これは、狭い帯域幅及び高い処理時間を有するRBWフィルタ35は、短いデータセクタ10を有するスピンスタンド1と共に用いることができることを意味する。
【0066】
上述したように、IFは、ADC24のサンプリング・レートに工程された整数比となるように選択されることが好ましい。サンプリング比がIFの固定された整数の倍数であることが最も好ましい。これは、ストール期間がサンプルの整数に等しいことを意味する(すなわち、IFのサンプル期間に対する比の整数の倍数)。したがって、この例においては、サンプリング・レートがIFの4倍である場合には、測定モジュール31は、4n個のサンプルにおいてストールされる。これにより、ストール期間の計算が簡素になる。DSPエンジン30は、サンプリング・レートに対するIFの比で前もってプログラムされている。
【0067】
あるいは、必要であれば、これをリアルタイムで同時にDSPエンジン30に伝達することができ、これにより、IF及び/又はサンプリング・レートが変化させられる。そして、ストール制御モジュール32は、単に、ストール中にいくつのサンプルが処理されていないかを記録しておき、第4n番目のサンプルでストールを終了させる必要がある。
【0068】
これに対して、サンプリング・レートがIFの整数の倍数ではない場合には、同位相であるするように計算されたストールの終わりは、サンプルと同時に起こるというよりも、サンプル間に生じるかもしれない。この場合、最も近いサンプルで処理を開始することは、信号中で位相の不連続を引き起こすかもしれず、測定の正確性を低減する恐れがある。これを避けるために、IF位相を特徴づけるためにあまり簡易でない技術が必要になり、そして、サーボセクタ9の後に、次のデータセクタ10で同じIF位相において、測定システム20を再起動させる必要がある。
【0069】
特に、不連続を避けるために、許容範囲において、更にIFの倍で、サンプルが生じるのと一致させられているストール期間の終わりまで、ストール期間を延長する必要があるかもしれない。例えば、サンプリング・レートに対するIFの比がp:q(p及びqは整数の値であり、q>1)である場合、ストール期間は、第(pxq)番目のサンプルごとの発生に一致する。それは、不連続を避けるために、ストール期間を(pxq)個のサンプルまで延長しなければならないかもしれないことを意味する。これにより、ストール期間の計算が更に複雑になり、フィルタ35が各データセクタ10で処理する、利用可能な信号15の量が低減する欠点を有する。
【0070】
この例においては、ストール制御信号67は、RBWローパス・フィルタ35の操作を特にストールするものとされている。これは、FPGAなどのデジタル論理がDSPエンジン30の実装に用いられている場合に、フィルタブロックのイネーブルラインとストール制御信号67を接続することによって、簡単に実行できる。RBWローパス・フィルタ35の処理時間は最も長く、したがって、少なくともこの構成要素をストールすることが最も重要である。DDC34はより短い待ち時間を有し、典型的には単一のクロックサイクルほど低く、したがって、処理時間を与えるためにDDC34をストールすることはそれほど重要ではない。にもかかわらず、DDC34をフィルタ35と共にストールすることが好ましく、DDC34によって生成された正弦及び余弦関数は、ストール前及び後で同相である。ストール前及び後で正弦及び余弦関数が同相であることによって、測定の正確性に影響を与える恐れがある不連続が引き起こされないことを確保することができる。ストール信号67は、好ましくは、ストール制御信号67がアサートされた時、測定モジュール31の全ての構成要素をストールさせるものとされている。
【0071】
最良の結果を得るためには、データセクタ10に書き込まれたデータパターンがアサートされたサーボゲート信号12まで続くこと、及び、DSPエンジン30がアサートされたサーボゲート信号12に直ちに応答することが重要である。これを行うにあたって実際の問題があるかもしれない。したがって、DSPエンジン30が、ストール制御信号67がアサートされる時に直ちにフラッシュされるバッファに入力されるデータの処理を遅らせることが好ましい。これは、入力されるADCデータとDSPエンジン30との間に位置するFIFO33で実装されている。データは、FIFO33からのみ採られ、FIFO33中のデータの量が所定のしきい値(必要な保護周波数帯に等しい)を超えた時に、測定モジュール31を通過し、FIFO3から有効なデータが用意されなければ、DSPエンジン30がストールされる。ストール制御信号67は、FIFOの同調する明確な入力とコネクトされる。この種類のFIFOは、ほとんどのFPGAで入手可能な標準ブロックである。
【0072】
したがって、ヘッド信号15の処理は、各ストールの間(すなわち、サーボセクタ9によって起こされた割り込みの間)、止められている。ストールは、所定の周波数成分が、ストール前と同じ位相を有する場合に終了する。これは、信号中の位相の不連続が実質的に見られないため、RBWフィルタ35が新たなデータセクタ10ごとに、再び処理する必要がないことを意味する。これにより、低いRBWを有する測定システム20を、多数のサーボセクタ9、又は、短いデータセクタ10を有するスピンスタンド1と共に用いることができる。
【0073】
本発明によって得られる利点を示すために、以下のコンピュータに基づいた測定システムのシミュレーションが行われた。シミュレーションにおいて、12MHzのIFが48Mサンプル/sのADCで抽出された。シミュレーションは、単音で実行された。該単音の周波数は50kHzで通常のIF未満から50kHzでIFを超える範囲で掃引された。シミュレーションは、デジタルフィルタの各周波数で処理するのに十分長い時間実行され、結果は抽出された。
【0074】
図4は、データへの割り込みがなく、DSPエンジンのストールがない場合の結果を示す。この結果は、純粋なトーンが測定されたと予想される、IFに基づいた特徴的なガウストレースを示す。
【0075】
図5Aは、ストール期間が1.0417μsのデータパターンを示す。この場合、ストール期間はIFの12.5倍であり、すなわち、ストール期間はIF期間の整数の倍数ではない。
1.0417μs(ストール期間)=12.5x0.0833μs(IF期間)
【0076】
その結果、図5Bから分かるように、DSPエンジンのストールの前後のデータで位相の不連続がある。図5Cから分かるように、フィルタは信号の各フラグメントで処理をする時間がないため、図4の理想的なレスポンスから、測定はひどく破損している。
【0077】
図6Aは、1smのストール期間のデータパターンを示す。この場合、ストール期間は、IFの12倍であり、すなわち、ストール期間はIF期間の整数の倍数である。
1μs(ストール期間)=12x0.0833μs(IF期間)
【0078】
図6Bは、抽出したデータを示す。ストール期間はIF期間の整数の倍数であるため、ストール前のサンプルの位相は、ストール後の位相と同じである。したがって、連続的なフラグメントは位相の不連続を有しないため、フィルタは、信号の各フラグメントで処理する必要がない。したがって、図6Cが示す結果は、図4の理想的なレスポンスとおよそ同じである。
【0079】
ヘッド信号15をIFにダウン変換することが好ましい。しかしながら、これは必須ではない。DSPエンジン30の実装に用いられるデジタル論理が、より速いサンプル・レートを扱うのに十分速い場合、ヘッド信号15は、測定システム20によって、直接デジタル化されても、処理されてもよい。この場合、様々な計算中のIFが検出される周波数で置換されることが好ましい。例えば、ストール期間は、検出される周波数の期間の整数の倍数として計算されてもよい。
【0080】
本願において説明した測定システム20の利点は、スピンスタンド1で試験中に狭周波数帯の測定を行うことに関連して説明されたが、測定システム20はこれらの実装に限定されない。測定システム20は、測定システムのRBWが低いことが望まれている場合、及び、測定される信号が短く大量に得られる、又は、割り込みされて、信号の各部分中に、測定システム20の処理に問題が生じる場合、測定される信号いかなる好適な測定を行うことに用いてもよい。情報がしばしばパケット単位で運ばれる場合に、通信信号を測定する時に、測定システム20を用いることが有利であることが予想される。この例は、パケットストリームラジオである。
【0081】
以上、本発明にかかる実施形態について、特に図示した形態に関連して説明した。しかしながら、本発明の範囲内で、実施形態の変更、修正が為され得るものとして解されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定システムを用いた信号の測定方法であって、
該信号は、測定により検出される周波数成分を有し、
該周波数成分は様々な位相を有し、
該信号は、それに対する少なくとも1つの割り込みを有し、
信号中の周波数成分を検出するために測定システムで信号を処理する工程、
割り込みが開始する前に、割り込み中に信号が処理されないように、測定システムをストールする工程、
ストールの終了が以下のi)又はii)に生じるようにストール期間を計算する工程、
i)割り込みの終了後、
ii)ストールの終わりの信号中の周波数成分の位相と、ストールの始まりの信号中の周波数成分の位相との間に実質的に不連続がない時、
並びに
信号の処理をレジュームするために、計算したストール期間の終わりに測定システムのストールを終了する工程、
を含む測定方法。
【請求項2】
ストールの終わりが、iii)割り込みの終了後、少なくとも追加の所定時間、に生じるように、ストール期間を計算する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記信号を処理する工程の前に、検出される周波数成分が中間周波数に集中するように、信号を中間周波数にダウン変換する工程、及び、中間周波数の期間の整数の倍数となるように、ストール期間を計算する工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
信号サンプルを含むデジタル化された信号を生成するために、信号をデジタル化する工程、及び、信号中の前記周波数成分を検出するためにデジタル処理エンジンでサンプルを処理する工程を含み、前記測定システムをストールする工程は、少なくともデジタル処理エンジンをストールする工程を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
中間周波数に対するサンプリング・レートの比が実質的に整数比であり、信号サンプルを含むデジタル化された信号を生成するために、信号をデジタル化する工程、並びに、信号中の周波数成分を検出するためにデジタル処理エンジンでサンプルを処理する工程を含み、前記測定システムをストールする工程が、少なくともデジタル処理エンジンをストールする工程を含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
信号サンプルをベースバンド信号にデジタルダウン変換する工程、周波数成分を通過させるローパス・フィルタでベースバンド信号をフィルタリングする工程、並びに、フィルタリングされた信号の電力を検出する工程を含む方法で、前記デジタル処理エンジンがサンプルを処理し、前記デジタル処理エンジンをストールする工程が、ローパス・フィルタをストールする工程を含むことを特徴とする、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
中間周波数の4倍であるサンプリング・レートで信号をデジタル化する工程(ここで、デジタル化された信号をデジタルダウン変換する工程は、各偶数のサンプルにゼロをかける及び各第(4n+3)番目のサンプルに−1をかける(ここで、nは整数>=0)ことによって、デジタル化された信号から位相チャネルを生成する工程、並びに、各奇数のサンプルにゼロをかける及び各第(4n+4)番目のサンプルに−1をかける(ここで、nは整数>=0)ことによって、デジタル化された信号から直交チャネルを生成する工程を含む)、
位相チャネル及び直交チャネルをそれぞれ、夫々のローパス・フィルタでフィルタリングする工程、並びに
フィルタリングされた位相及び直交チャネルの電力を検出する工程、
を含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
デジタル処理エンジンで処理される前に、バッファ中のサンプルをバッファリングする工程、及び、割り込みが検出された時に、該バッファ中のサンプルをフラッシュする工程を含むことを特徴とする、請求項4乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ディスク及び記録再生ヘッドを有するスピンスタンドで試験する方法であって、
ヘッド信号を提供するために、ディスクに形成された、データパターンを含むデータ部と、データ部が点在しているサーボ情報を含む少なくとも1つのサーボセクタとを有するトラックをヘッドで読み取る工程、並びに
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法で前記ヘッド信号を測定する工程、
を含み、
前記データパターンが測定で検出される周波数成分を含み、各前記少なくとも1つのサーボセクタが信号への各割り込みを構成することを特徴とする方法。
【請求項10】
サーボセクタの両面で周波数成分がそれ自身と同位相になるように、前記データ部をディスクに書き込む工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
スピンスタンドでサーボゲート信号を生成する工程、及び、割り込みの始めと割り込みの終わりを決定するために、該サーボゲート信号を測定システムにおけるタイミング・リファレンスとして用いる工程を含むことを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
信号を測定する装置であって、
該信号は測定によって検出される周波数成分を有し、該周波数成分は様々な位相を有し、該信号はそれに対する少なくとも1つの割り込みを有し、
信号中の周波数成分を検出するように、信号を処理するものとされている測定モジュール、並びに
割り込み中に信号が処理されないように、割り込みの開始前に測定モジュールをストールするものとされているストール制御モジュール、
を備え、
該ストール制御モジュールは、ストールの終わりがi)又はii)に生じるようにストール期間を計算するものとされており、
i)割り込みの終了後、
ii)ストールの終わりの信号中の周波数成分の位相と、ストールの始まりの信号中の周波数成分の位相との間に実質的に不連続がない時、
該ストール制御モジュールは、信号の処理をレジュームするように、計算されたストール期間の終わりに、測定モジュールのストールを終了するものとされていることを特徴とする装置。
【請求項13】
前記ストール制御モジュールが、ストールの終わりが、
iii)割り込みの終了後、少なくとも追加の所定時間、
に生じるようにストール期間を計算するものとされていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記測定モジュールが、
検出される周波数成分が中間周波数に集中するように測定モジュールに処理される前に信号を中間周波数にダウン変換するものとされているデジタルダウン変換器を備え、
前記ストール制御モジュールが、中間周波数の期間の整数の倍数となるようにストール期間を計算するものとされていることを特徴とする、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記測定モジュールが、
信号サンプルを含むデジタル化された信号を生成するために信号をデジタル化するものとされているアナログ・デジタル変換器、及び、
信号中の周波数成分を検出するためにサンプルを処理するものとされているデジタル処理エンジンを備え、
前記ストール制御モジュールが、該デジタル処理エンジンで測定モジュールをストールするものとされていることを特徴とする、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記測定モジュールが、
中間周波数に対するサンプリング・レートの比が実質的に整数比であり、該サンプリング・レートの信号サンプルを含むデジタル化された信号を生成するために信号をデジタル化するものとされているアナログ・デジタル変換器、並びに
信号中の周波数成分を検出するためにサンプルを処理するものとされているデジタル処理エンジンを備え、
前記ストール制御モジュールがデジタル処理エンジンで測定モジュールをストールするものとされていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記デジタル処理エンジンが、
デジタル化された信号をベースバンド信号にデジタルダウン変換するものとされているデジタルダウン変換器、
周波数成分を通過させるようにベースバンド信号をフィルタリングするものとされているローパス・フィルタ、並びに
フィルタリングされた信号の電力を検出するものとされている電力検出器、
を備え、
前記ストール制御モジュールが、ローパス・フィルタをストールすることでデジタル処理エンジンをストールするものとされていることを特徴とする、請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
アナログ・デジタル変換器及び周波数ダウン変換器が、中間周波数の4倍であるサンプリング・レートで信号をデジタル化するものとされ、
デジタルダウン変換器は、
各偶数のサンプルにゼロをかける及び各第(4n+3)番目のサンプルに−1をかける(ここで、nは整数>=0)ことによる、デジタル化された信号からの位相チャネルの生成、並びに、
各奇数のサンプルにゼロをかける及び各第(4n+4)番目のサンプルに−1をかける(ここで、nは整数>=0)ことによる、デジタル化された信号からの直交チャネルの生成、
によって、デジタル化された信号をデジタルダウン変換するものとされ、
位相チャネル及び直交チャネルがそれぞれ、夫々のローパス・フィルタでフィルタリングされ、
フィルタリングされた位相及び直交チャネルの電力が検出されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
デジタル処理エンジンで処理される前に、サンプルをバッファリングするものとされているバッファを備え、
ストール制御モジュールが、割り込みが検出された時に、該バッファ中のサンプルをフラッシュするものとされていることを特徴とする、請求項15乃至18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
請求項11乃至19のいずれか1項に記載のスピンスタンド及び信号を測定する装置の組み合わせであって、
該スピンスタンドは、記録再生ヘッド、ディスク、並びに、該ディスクに形成された、データパターンを含むデータ部とデータ部が点在するサーボ情報を含む少なくとも1つのサーボセクタとを有するトラックを備えており、
該スピンスタンドは、ヘッド信号を提供するためにヘッドでトラックを読み取るものとされており、
該装置は、該ヘッド信号を測定するものとされており、
該データパターンは、測定モジュールで測定される周波数成分を含み、
各前記少なくとも1つのサーボセクタは、信号への各割り込みを構成することを特徴とするスピンスタンド及び信号を測定する装置の組み合わせ。
【請求項21】
前記データ部が、サーボセクタの両面で周波数成分がそれ自身と同位相になるように、ディスクに書き込まれることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記スピンスタンドがサーボゲート信号を生成するものとされ、
前記測定モジュールが、割り込みの始めと割り込みの終わりを決定するために、該サーボゲート信号を測定システムにおけるタイミング・リファレンスとして用いるものとされていることを特徴とする、請求項20又は21に記載の装置。
【請求項23】
スピンスタンドのディスクにテストデータパターンを書き込む方法であって、該ディスクは、1〜N個のデータセクタでインタリーブされた1〜N個のサーボセクタを有し(ここで、Nは整数>1)、
該方法が、
様々な位相を有する周波数成分を有するテストデータパターンを生成する工程、並びに
データパターンの位相が第1及び第2のデータセクタにまたがって連続しているように、該テストデータパターンを第1のデータセクタ及び第2のデータセクタに書き込む工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
パターン生成装置でテストデータパターンを生成する工程、
テストデータパターンを第1のデータセクタに書き込む工程、
サーボセクタの間テストデータパターンの書き込みをサスペンドしながら、サーボセクタの間第1のデータセクタに従いテストデータパターンを生成し続ける工程、並びに
データパターンの位相が第1及び第2のデータセクタにまたがって連続しているように、第2のデータセクタへのテストデータパターンの書き込みをレジュームする工程、
を含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
スピンスタンドで試験する方法であって、
請求項23又は24に記載の方法にしたがってディスクにテストデータパターンを書き込む工程、及び
請求項10に記載の方法にしたがって試験する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
ディスクを備えたスピンスタンドであって、
該ディスクは1〜N個のデータセクタでインタリーブされた1〜N個のサーボセクタを有し(Nは整数>1)、
第1及び第2のデータセクタはそれぞれに書き込まれたテストデータパターンを有し、
該テストデータパターンは、様々な位相を有する周波数成分を有し、
該データパターンの位相は、第1及び第2のデータセクタにまたがって連続していることを特徴とするスピンスタンド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate


【公表番号】特表2012−510693(P2012−510693A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538001(P2011−538001)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066084
【国際公開番号】WO2010/063684
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(507304605)ザイラテックス テクノロジー リミテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】XYRATEX TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Langstone Road, Havant, Hampshire PO9 1SA, United Kingdom
【出願人】(306036277)シーゲート テクノロジー,エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】