説明

スプライシング・テープ

【課題】生産性及び処理能力に優れたスプライシング・テープを提供する。
【解決手段】第1の材料の後端部を第2の材料の前端部に接合するためのある長さのスプライシング・テープであって、当該スプライシング・テープは、識別デバイスを含む。識別デバイスは、第1の材料の後端部を第2の材料の前端部に接合することにより形成した接合部を検出するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプライシング・テープ、スプライシング・システムおよび細長い材料を処理するためのシステムに関し、特に、細長い材料の接合部を自動的に検出するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
接合は、ウェブ・フォーマット処理用のスプールに巻いた原料としての紙または材料のような細長い材料を処理する際に通常使用する工程である。接合は、細長い材料の長い連続しているスプールの生産を容易にする。より詳細に説明すると、第1および第2の材料が1本の連続している材料になるように、第1の材料の後端部が第2の材料の前端部に接合される。
【0003】
接合は、通常、接着スプライシング・テープにより行われる。このテープは、材料が、実際には1本の連続している材料になるように、後端部と前端部とを横切って横方向に貼付される。
【0004】
1つまたは複数の接合部を含むと思われる材料を処理する場合には、多くの場合、任意の接合部を識別するために処理を監視しなければならない。接合部自身、および多くの場合、周囲の領域は、通常廃棄部分であると見なされ、処理またはエンド・ユーザの使用に適していない。
【0005】
特定の例の場合には、1つまたは複数の接合部を含んでいると思われる材料のスプールは、処理機械を通して連続して送られる。監視員が機械内に入ってくる材料を監視し、接合部を発見した場合に機械を止める。スプライシング・テープは、多くの場合、この監視員が接合部を発見するのを容易にするために鮮やかな色をしている。機械を停止した後で、廃棄材料の接合部および周囲の領域が手動で抽出され、その後で、機械は処理を再開する。
【0006】
通常、このような処理機械は、1分間に数千フィートの材料を処理する。それ故、手動で接合部を除去するのに要する時間は、処理能力および生産性にかなりの悪影響を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の1つの目的は、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服または軽減することであり、または有用な代替手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、第1の材料の後端部を第2の材料の前端部に接合するためのスプライシング・テープを提供する。このスプライシング・テープは、質問信号に応答して情報パケットを提供するための識別デバイスを含む。
【0009】
ある実施形態の場合には、識別デバイスは、RFIDタグである。
【0010】
テープは、複数の縦方向に間隔を置いた識別デバイスを含むことができる。ある実施形態の場合には、識別デバイスは、予め定めた間隔寸法で縦方向の等間隔に並んでいる。ある実施形態の場合には、第1の材料の横方向の寸法はほぼ同じであり、間隔寸法は横方向の寸法を基準にして予め定められる。通常、接合寸法は、横方向の寸法の約80%〜100%である。
【0011】
ある実施形態の場合には、テープは、テープの一部を示すための複数の縦方向に間隔を有するマーカを含む。テープの一部は、それぞれ等しい所定数の識別デバイスを含む。多くの場合、1という数字が等しい所定数として選択される。
【0012】
ある実施形態の場合には、各識別デバイスは、一意の識別子を示す。
【0013】
第2の態様によれば、本発明は、接合部を示す識別デバイスを有する細長い材料を処理するためのシステムを提供する。このシステムは、材料を受け入れるための入力、および材料を分配するための出力を有する処理経路を提供するためのステーションと、識別デバイスから情報パケットを入手するために、入力と出力との中間で質問信号を供給するための読取装置と、信号を選択的に供給するために情報パケットに応答するプロセッサとを含む。
【0014】
ある実施形態の場合には、信号は、接合部に関する位置情報を示す。ある場合には、位置情報は、接合部の宛先を示す。ある実施形態の場合には、出力は材料をバッチに分配し、バッチ内の接合部の予想される位置を示すために位置情報が提供される。位置情報は、ステーション内の接合部の通過を示すことができる。
【0015】
ある実施形態の場合には、このステーションは、接合部を含む材料の一部を抽出するための位置情報に応答する接合部抽出組立体を含む。
【0016】
ある実施形態の場合には、識別デバイスはRFIDタグである。
【0017】
第3の態様によれば、本発明は、細長い材料の接合部を識別するための方法を提供する。この方法は、識別デバイスが、質問信号に応答して接合部を示す情報パケットを提供するように、材料に識別デバイスを装着するステップを含む。
【0018】
他の態様によれば、本発明は、第1の材料の後端部を第2の材料の前端部に接合するための接合ステーションと、第1および第2の端部の一方または両方に対して固定されている位置に識別デバイスを装着するためのタグ付けステーションを含むスプライシング・システムを提供する。
【0019】
ある実施形態の場合には、識別デバイスは、質問信号に応答して情報パケットを提供する。
【0020】
添付の図面を参照しながら例示としての実施形態の以降の説明および添付の特許請求の範囲を読めば、当業者であれば本発明の利益および利点を理解することができるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図面を参照すれば、何枚かの図面中、対応する参照番号が、対応するフィーチャを示すことを理解することができるだろう。
【0022】
図1は、第1の材料3の後端部2を第2の材料5の前端部4に接合するためのある長さのスプライシング・テープ1を示す。テープ1は、RFIDタグ6の形をしている識別デバイスを含む。テープ6は、RF質問信号7に応答して情報パケット8を提供する。好ましい実施形態の場合には、タグ1を使用すれば、端部2および4の接合が形成する接合部9を容易に電子的に検出することができる。
【0023】
図1は、表面に装着されているタグ6を示すが、本発明はこれに限定されない。例えば、他の実施形態の場合には、タグ6は埋め込まれている。
【0024】
ここに開示する実施形態は、RFID技術と特に関連しているが、これは本発明の範囲を制限するものと見なすべきではない。他の実施形態の場合には、バーコードのような他の識別デバイスを使用している。
【0025】
タグ6は、信号7のような適当なRF信号により遠隔により電子的に検出することができる。これにより接合部9の遠隔電子識別が容易になる。好適には、テープ1は、1つまたは複数の接合部9を含んでいると考えられる材料の処理を容易にするために、この機能を利用する処理システムと一緒に使用することが好ましい。
【0026】
図2は、スプールに巻いた紙16の処理中にテープ1を使用する例示としての処理システム15である。システム1は、紙16のスプール18を維持するためのローディング・ステーション17を含む。紙16は、スプール18から処理ステーション19の方向に連続的に引き出される。ステーション19は、紙を受け取り、種々の処理ステップ(印刷、穿孔、積層等)を行い、処理したアイテム20を供給する。これらのアイテムは、梱包ステーション21に送られ、そこでコンテナ22内に自動的に詰め込まれる。コンテナは、各コンテナが所定の数量のアイテム20で満たされるように順次充填される。充填されたコンテナ22は、購入者へ後で出荷するために備蓄されるか、またはもっと大きな貯蔵用コンテナ内に大量箱詰めされる。
【0027】
システム15のような例示としてのシステムは、説明のためだけのものであり、本発明を制限するものと見なすべきではない。その目的は、一般的に使用する場合の本発明の機能を示すことである。例えば、別の処理システムは、ウェブ・フォーマット、積層物、フィルム、箔、厚紙、および他のロール/折り製品またはシート製品により製造される製品と一緒に使用される。
【0028】
スプール18は、1つまたは複数の接合部9を含んでいると考えられる。これらの接合部は、ほぼ図1に示すようにテープ1により形成される。タグ6により接合部の識別を自動的に行うことができる。この実施形態の場合には、RFID読取装置23を使用していて、この読取装置は、RFID質問ゾーン25の形で質問信号を供給する。ゾーン25内に接合部9が入ると、タグ6が読み取られ、読取装置23に情報パケット9が提供される。それ故、読取装置23は、接合部の存在を知る。読取装置25は、パケット8をベースとする信号26を供給する。この信号は、実施形態により種々の目的のために使用されるが、通常、紙16の接合部の処理を管理するために使用される。いくつかの例示としての実施形態について以下に説明する。
【0029】
ある実施形態の場合には、信号26は、パケット8からのデータを示し、一方、他の実施形態の場合には、信号26はタグ6の検出だけを示す。この表示は、通常、システム15の意図する機能により異なる。信号26は、実施形態により種々の目的に使用されるが、そのうちのいくつかについて以下にさらに詳細に説明する。
【0030】
図3の実施形態の場合には、ゾーン25は、ステーション18と19の中間に位置する。ステーション19は、信号26に応答して、接合部9がアイテム20にならないように抽出装置を作動する。この動作は、通常、「処理の上流での検出」と呼ばれる。この実施形態の場合には、ステーション19は、信号26に応答して、紙16の一部30を廃棄部分と指定する。この部分は、接合部9の前側および後側上の所定の縦方向の距離により定義される。接合部を含む廃棄部分30は、ステーション9内で自動的に抽出され、そのためアイテム20にならない。
【0031】
部分30を指定するいくつかの技術については、図7および図8を参照しながら以下にさらに詳細に説明する。
【0032】
図4の実施形態の場合には、ゾーン25はステーション19と21の中間に設けられる。この場合、バイパス33は、信号26に応答して、接合部9を含むアイテム20がコンテナ22内に梱包されないようにする。この動作は、通常、「処理の下流での検出」と呼ばれる。簡単な製品の場合には、タグ6を含むテープ1の一部がゾーン25に入ると、バイパス33が作動する。このバイパス33は、テープ1を含むアイテム20を抽出して、ステーション21に到着しないようにする。
【0033】
図3および図4の実施形態は、いくつかの状況の場合、それぞれ実用上の利点および欠点を有していることを理解することができるだろう。例えば、図4の実施形態は、接合部を含む廃棄部分30を物理的に抽出する必要がない場合には、より高速な処理速度により通常もっと容易に実施することができる。しかし、接合部9の存在がステーション19内で実際に問題を起こすことが分かっている場合には、通常、図3の実施形態の方が好ましい。例えば、テープ1が処理機械で詰まる場合がある。処理の上流で検出するか下流で検出するかの選択は、通常、効率および/または使い勝手に基づいて行われる。
【0034】
ある場合には、図5に示すように、梱包の下流で検出を行った方が有利である。この場合、コンテナ22は、充填された後で、質問ゾーン25を通過する。ある場合には、このゾーン25は、手持ち式RFIDスキャナを含む。コンテナ22が許容できる数以上の接合部を含んでいるかどうかを判断するために、通常、所定の品質のしきい値が設定される。ある場合には、1つの接合部さえ許容されないで、しきい値はゼロである。他の場合には、少数の接合部は許容される。例えば、アイテム20の全数に対して数が比例して小さくなる。コンテナ22がしきい値以上の接合部を含んでいる場合には、コンテナは拒否される。ある場合には、このようなコンテナが含んでいる接合部のないアイテム20が再度梱包される。しかし、多くの場合、このようなコンテナは割引して売ることが好ましい。ある場合には、値引き率は、所与のコンテナ22で検出された接合部の数に基づいて計算される。
【0035】
読取装置23とタグ6の効率は、図5のラインに沿った実施形態の効率および機能に直接影響することを理解することができるだろう。例えば、タグ6の読取範囲は、梱包したタグを読み取ることができるかどうかに影響する。さらに、複数の接合部9がゾーン25内に同時に配置されるかもしれない場合には、確実に各接合部9が1つのタグだけを含み、読取装置23が確実にタグ6の数を数えることができるようにするためにいくつかのステップが実行される。ある場合には、タグ6は、これを助けるために一意のパケット8を提供する。
【0036】
多くの場合、紙16の接合部を含む部分または接合部を含むアイテム20を物理的に抽出する必要はない。ある場合には、信号26は、計数の目的だけに使用される。図6の実施形態はその一例である。この実施形態の場合には、検出は処理の下流で行われる。接合部9を検出した場合には、信号26がデータベース34に送られる。このデータベースは、検出した接合部9の数の記録を維持し、通常、検出した回数を維持する。データベース20は、また、さらに分析を行うことができるようにステーション18、19および21から情報36を受信する。例えば、特定のコンテナ22内の接合部9の存在および数が決定され、所与のスプール18で検出した接合部の数が確認される。データベース34に収集したすべてのデータに、時間的に同期している装置により、タイムスタンプが押された場合には、比較的効率的に情報を相互に関連づけることができ、事後に接合部を追跡することができる。例えば、接合部19を供給したスプール18および接合部9が梱包されたコンテナ22を識別することができる。ある場合には、この分析は、しきい値以上の接合部9を含む充填済みコンテナ22を識別するために使用される。他の場合には、この分析は、製造し、(それに関連して)販売した接合部を含んでいないアイテム20の数に基づいて、正確な供給および課金記録を維持するために使用される。
【0037】
ある場合には、接合部9を含むアイテム20は、購入者に供給されるが、購入者が不当に影響を受けないように、これに対して調整が行われる。例えば、購入者は、供給を受けた接合部を含んでいないアイテム20の数量に対してだけ課金が行われる。多くの場合、接合部を含むアイテム20を抽出するコストは、置換または補償のコストより重要である。このことは特に処理能力が高いシステムについて言えることである。
【0038】
実施の詳細事項は、通常、商業的判断に基づいて選択されることを理解することができるだろう。本明細書で、ある種のこのような判断について簡単に説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎないことを理解されたい。関連する商業的判断を行う際に考慮する実際的な要因は、通常、本発明の範囲に含まれない。しかし、当業者であれば、システム15のようなシステムが設計され、実施される正確な方法に商業的要因がどのように影響を与えるかを理解することができるだろう。
【0039】
他の実施形態の場合には、商品20の購入者は、コンテナ22を受領した後で接合部の検出を行う。例えば、受領した際に、コンテナ22またはアイテム20をチェックするためにポータブルRFID読取装置が使用される。
【0040】
システム15の上記実施形態は、テープ1の特定の使用を必要としないことを理解されたい。すなわち、本発明の実施形態は、RFID対応テープ1を使用していてもしていなくても、接合部9を検出するためのシステムに関する。例えば、ある場合には、周知のスプライシング・テープが使用され、RFIDタグが、テープの予め形成された近辺内に取り付けられる。すなわち、RFIDタグが、接合部9に隣接する紙16に取り付けられる。
【0041】
図7は、RFIDタグ37および38が、周知の形のスプライシング・テープ39と一緒に使用される実施形態を示す。この場合、タグ37および38は、図3に示す処理システムに類似の処理システムにより抽出するためのスプールを含む部分を識別するために使用される。より詳細に説明すると、タグ37のパケット8は、目標の切断ゾーン40を示す。ある場合には、このゾーンは、座標により表示され、他の場合には、相対的距離により表示され、好適には、システム15内の紙16の移動速度を基準として計算する時間コードを参照する。いずれにせよ、信号26は、ステーション19にゾーン40のところで紙16を切断するように指示する。同様に、タグ38のパケット8は、目標の切断ゾーン41で切断するようにステーション19に指示する信号26になる。
【0042】
ある実施形態の場合には、タグ37または38のパケット8は、「後部」または「前部」および長さを示し、他の場合には、パケットは単にタグを「前のタグ」または「後のタグ」であると識別し、所定のプロトコルと協働して行動を起こす。いずれの場合でも、タグ37および38は、接合部を含む廃棄部分30を自動的に抽出することができるように、適当な処理システムと一緒に使用される。
【0043】
図8に示すように、テープ1により類似の結果を達成することができる。より詳細に説明すると、テープ1のタグ6は、前部の長さ42および後部の長さ43を示すパケット8を提供する。これらの長さによりゾーン40および41を識別することができ、そのため適当に構成したステーション19によりその部分を自動的に抽出することができるように、接合部を含む廃棄部分30の大きさを示す。ある実施態様の場合には、種々の廃棄部分の大きさを識別するためのタグを有する種々のテープ1が製造され市販されていて、消費者は所与の用途のために抽出しなければならない廃棄部分の接合部30の大きさに基づいて適当なテープを選択する。
【0044】
主として入手するための情報のタイプおよび目的に基づいて、他の情報が他の実施形態においてタグ6上に記憶されることを理解されたい。例えば、ある場合には、タグ6は、接合の日時、作業者、バッチ識別子、および接合管理についての任意の特種な指示を示す情報を含むように、接合の時点でプログラムすることができる。この情報は、追跡のような目的のために後で抽出される。
【0045】
図9の実施形態の場合には、テープ1は、予め定めた間隔寸法45の間隔を有する縦方向に間隔を置いた複数のタグ6を含む。個々のテープ部分47を示すために縦方向に間隔を置いたマーカ46が使用されていて、各部分は1つのタグ6を含む。それ故、各部分は、寸法45にほぼ等しい縦方向の寸法48を有する。ある実施形態の場合には、これらのマーカは、穿孔され、または穿孔しない場合には、各部分を容易に簡単に分離することができる。
【0046】
ある実施形態の場合には、接合部をもっとよく検出できるように、いくつかのタグ6が各部分47上に位置する。さらに、図9の場合には、タグ6は中央部に位置しているが、参照番号44はいくつかの例示としての他の位置を示す。タグ6の好適な位置は、多くの場合、システム15内の読取装置23の構成により異なる。例えば、コンベア・ベルトを使用する場合で、読取装置23がコンベア・ベルトに沿って位置している場合には、タグ6をマーカ46にもっと近づける方が好ましい。読取装置がコンベア・ベルト上に垂直に位置する場合には、通常、タグ6を中央に設置することが好ましい。もちろん、タグ6の読取範囲および読取装置23の強さが、何が適しているのか何が適していないのかを判断する際にある役割を演じる。
【0047】
理想的には、テープ1を種々のサイズ構成で製造し、接合する材料の端部2および4の横方向の寸法49に基づいて所与の用途のためのある構成を選択することが好ましい。その根本的な理由は、テープ1の1つの部分47により端部を効果的に接合することであり、そのためその接合部上のタグ6を1つだけにすることである。通常、好適には、寸法45を寸法49の約80%〜100%にすることが好ましい。
【0048】
ある実施形態の場合には、各接合部9に1つのタグ6のみまたは既知の数のタグ6を必ずしも供給する必要はない。例えば、テープ1は、2つ以上のタグが所与の接合部9上でうまく識別することができるように、縦方向に狭い間隔を有する複数のタグ6を含む。そのような場合、読取装置23は、好適には、これらのタグが共通の接合部を識別することを認識することができることが好ましい。例えば、前のパケット8を受信してからの時間的ギャップのしきい値が存在していた場合には、信号26は、パケット8だけに供給される。ゾーン25に多数のタグ6がほぼ同時に入る場合には、この時間的ギャップを非常に短かくすることができ、読取装置23がほぼ同時に各パケット8を受信することを理解することができるだろう。
【0049】
図9を参照すると、テープ1は、通常、ロール50の形で製造され、販売され、管理される。ある場合には、ロール50上の各タグ6は同じパケット8を提供する。しかし、他の場合には、タグは異なるパケット8を提供する。例えば、タグは、各英数字の識別子を示すパケットを提供し、これらの識別子は、テープの長さに沿って順次増大または低減する。当業者であれば、タグの一意性を容易にするためにこのようなアプローチをどのように使用するのかを理解することができるだろう。例えば、各識別子は、ロールが製造された製造施設、ロールの製造が終了した製造時間、およびロール上のタグ間で変化するシーケンシャルな識別子を示す部分を含む。
【0050】
ある場合には、方向的にバイアスされたタグ6を使用している。例えば、タグは、テープ1の軸を基準にして形成されたある向きで利得が最大になるように構成されているアンテナを有する。
【0051】
図10は、自動スプライシング・システム60を示す。システム60は、2つの一次ステーション、すなわち、接合ステーション61およびタグ付けステーション62を含む。図の実施形態の場合には、材料3および5は、ステップ63においてステーション61に供給される。周知のスプライシング・テープが接合端部2および4に貼付される。その後で、タグ6が端部2および4に対して固定されている位置に貼付される。この位置はテープ1上の位置でなくてもよいし、多くの場合、材料3または5上のテープ1にほぼ隣接している。それ故、形成された接合部9をシステム15のようなシステムにより検出することができることを理解することができるだろう。
【0052】
図のシステム60は単に例示としてのものに過ぎない。他の実施形態の場合には、タグ6は、接合の前に材料3または5に貼付される。すなわち、製造ライン・ステーション62において、ステーション61の前に位置する。他の実施形態の場合には、ステーション62は、接合の前または後でテープ1にタグ6を貼付する。その根本的な理由は、ステーション62の機能を実行する装置と一緒に周知の自動接合装置を使用するからである。すなわち、接合工程の少なくとも後の位置にタグ6を貼付するための装置が、接合部9を検出することができるように、接合部9に対して固定されているからである。
【0053】
本発明は、テープ、処理システムおよび接合部を自動的に遠隔検出することができる接合技術を提供することを理解することができるだろう。都合のよいことに、これにより、通常、スプールに巻いた原料などをより効果的に処理することができる。例えば、接合部が存在していても、処理装置の速度を下げたり人間が介入する必要が少なくなる。さらに、接合部に関連するデータを容易に収集して、通常、処理効率をさらに改善するために使用することができる。
【0054】
本発明のいくつかの好ましい実施形態を特に参照しながら本発明を説明してきたが、添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなしに、本発明を種々に変更および修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】第2の材料に第1の材料を接合する、本発明のある実施形態によるスプライシング・テープの一部の斜視図である。
【図2】本発明のある実施形態による処理システムの略図である。
【図3】他の実施形態による処理システムの略図である。
【図4】他の実施形態による処理システムの略図である。
【図5】他の実施形態による処理システムの略図である。
【図6】他の実施形態による処理システムの略図である。
【図7】隣接する識別デバイスを有する接合部の斜視図である。
【図8】図1類似の図面である。
【図9】図1のスプライシング・テープのロールの斜視図である。
【図10】スプライシング・システムの略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料の後端部を第2の材料の前端部に接合するためのスプライシング・テープであって、質問信号に応答して情報パケットを提供する識別デバイスを備えるスプライシング・テープ。
【請求項2】
前記識別デバイスがRFIDタグである、請求項1に記載のスプライシング・テープ。
【請求項3】
縦方向に間隔を置いた複数の前記識別デバイスをさらに備える、請求項1に記載のスプライシング・テープ。
【請求項4】
前記識別デバイスが、予め定めた間隔寸法により縦方向に等間隔で位置する、請求項3に記載のスプライシング・テープ。
【請求項5】
前記第1の材料がほぼ一定の横方向の寸法を有し、前記間隔寸法が前記横方向の寸法により予め定められる、請求項4に記載のスプライシング・テープ。
【請求項6】
前記間隔寸法が、前記横方向の寸法の約80%〜100%である、請求項5に記載のスプライシング・テープ。
【請求項7】
テープ部分を指定するための縦方向に間隔を置いた複数のマーカをさらに備え、各テープ部分が、等しい所定数の識別デバイスを含む、請求項3に記載のスプライシング・テープ。
【請求項8】
前記等しい所定数が1である、請求項7に記載のスプライシング・テープ。
【請求項9】
前記各識別デバイスが一意の識別子を示す、請求項3に記載のスプライシング・テープ。
【請求項10】
接合部を示す識別デバイスを有する細長い材料を処理するためのシステムであって、
前記材料を受け入れるための入力および前記材料を分配するための出力を有する処理経路を提供するためのステーションと、
前記識別デバイスから情報パケットを入手するために、前記入力と前記出力の中間で質問信号を供給するための読取装置と、
信号を選択的に供給するために前記情報パケットに応答するプロセッサとを備えるシステム。
【請求項11】
前記信号が、前記接合部に関する位置情報を示す、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記位置情報が前記接合部の宛先を示す、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記出力がバッチに前記材料を分配し、前記位置情報が、前記バッチ内の前記接合部の予想される存在を示すために提供される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記位置情報が、ステーションの前記接合部の通路を示す、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記ステーションが、前記接合部を含む前記材料の一部を抽出するための前記位置情報に応答する接合部抽出組立体をさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記識別デバイスがRFIDタグである、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
細長い材料の接合部を識別するための方法であって、前記接合部を示す情報パケットを提供するための質問信号に応答するように、前記材料に識別デバイスを装着するステップを含む方法。
【請求項18】
スプライシング・システムであって、
第1の材料の後端部を第2の材料の前端部に接合するための接合ステーションと、
前記第1および第2の端部の一方または両方に対して固定されている位置に、識別デバイスを装着するためのタグ付けステーションとを備えるシステム。
【請求項19】
前記識別デバイスが、質問信号に応答して情報パケットを提供する、請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−177246(P2007−177246A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−345306(P2006−345306)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(592089054)エヌシーアール インターナショナル インコーポレイテッド (21)
【氏名又は名称原語表記】NCR International,Inc.
【Fターム(参考)】