説明

スプレッダークランプを操作する方法

少なくとも2つのスプレッダークランプ(10,11)が装入ステーション(14)に属する2対のコンベヤクランプ(16,17)から布片を受け取るように構成されている装置。典型的には、3つ以上の装入ステーション(14)が設けられている。装置のオペレータは、最初、所定バッチ分の布片が、装置のコンベヤベルト(6)上に多数が互いに隣接して載置されることが可能となる小形布片を主に含んでいるか、または装置の作業幅の全体にわたるほどの大きい空間を占める大形布片を主に含んでいるか、を評価する。もし装置が小形布片を主に含んでいる該バッチ分の布片に合わせて設定されたなら、スプレッダークランプ(10,11)は、バッチ部分における各単一布片に対して、最初にクランプを小形布片用の中心線の両側に拡げるように、操作されることになる。もしオペレータが、該バッチ分の布片が大形布片を主に含んでいると評価したなら、スプレッダークランプ(10,11)は、該バッチ内の各布片に対して、最初に布片を大形布片用の中心線を中心として拡げるように、操作されることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの装入ステーションから布片を2つが対になって受け取り、該布片が大形布片用の中心線と共に小形布片用のいくつかの中心線を有するコンベヤに引き渡される前に、該布片を拡げる少なくとも2つのスプレッダークランプを操作する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実際には、前記異なる中心線は、所謂、1レーン/2レーン操作に関連している。これは、洗濯装置の限られた作業幅によって、1つの単一幅布片または互いに隣接するいくつかのより狭い幅の布片のいずれかしか前進させることができないことを意味している。二人のオペレータが布片を装入ステーションを介してスプレッダークランプに送給することを可能にする目的で、スプレッダークランプの前の装入ステーションの数は、実用的には、3つまたは4つである。クランプの最も効率的な制御を可能にすると共に、最高の生産性を得るために、装入ステーションの前に行われる仕分け手順または布片の展開の前または布片の展開に関連してなされる長さの測定のいずれかによって予め知られている個々の布片の幅に基づいて、操作を行うことができる。
【0003】
布片の幅を計算または測定するいくつかの異なる方法が、知られている。
【0004】
例えば、特許文献1は、三角図における距離によって、布片の上端の長さを計算することができる方法を開示している。
【0005】
特許文献2は、スプレッダークランプが布片を引き出す前に、上端の長さを測定する他の方法を示唆している。
【0006】
特許文献3は、布片の上端の長さを予め確定し、これに続いて、該布片を、スプレッダークランプに運ぶ前に、貯蔵する方法を開示している。
【0007】
本発明は、特に、1つまたは複数の装入ステーションがローラ経路の作業幅内に設けられている、所謂、前方装填型装置と共に用いられるようになっている。これは、前方装填型装置の場合、スプレッダークランプがどの方向に移行するかが予め分かっていないという事実によるものである。明らかに、布片の寸法を予め知っていると、大きな処理能力が得られる。しかし、これは、このような情報が予め装置に伝達されるか、または装置が、例えば、特許文献4から知られているような複雑な測定システムを備えていることを前提としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第4202380号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第548797号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第982428号明細書
【特許文献4】欧州特許第0548797B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、1レーン操作または2レーン操作を自動的に行う方法であって、布片が1レーン送給のために拡げられるべきかまたは2レーン送給のために拡げられるべきかを選択する前に、該布片の寸法を知っている必要がない、または測定しておく必要がない、方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、スプレッダークランプが、最初に小形布片用の中心線を中心として布片を拡げるべきか、または最初に大形布片用の中心線を中心として布片を拡げるべきかが、一バッチ分の布片ごとに選択されるように、本方法を実施することによって、達成されることになる。
【0011】
これは、1レーン/2レーン操作に関する被処理布片の分布の評価に基づいて、装置が1レーン操作のために送給を行うべきかまたは2レーン操作のために送給を行うべきかを、オペレータが選択すること、と言い換えることもできる。このような選択がなされると、装置は、常に、この選択に基づいて布片の展開を開始し、展開手順中に選択が誤っていたことが検出された場合、請求項2,3に記載されているように、他の展開に切り替えられるようになっている。
【0012】
本発明は、多くの場合、一バッチ分の布片が主に過半数の大きい布片を含んでいるかまたは主に過半数の小さい布片を含んでいるかを確定することが比較的容易であること、および本発明を用いることによって、驚くほど高い生産能力および驚くほど高いローラ経路の利用率が、布片が1レーン操作に適しているかまたは2レーン操作に適しているかを予め知ることなく、すなわち、最初に布片を測定することなく、達成されることを発見したことに基づいている。
【0013】
本発明は、装入ステーションに全く制限されず、また少なくとも2つのスプレッダークランプのみの配置にも制限されないことに留意されたい。例えば、4つの装入ステーションおよび2対のスプレッダークランプを有する実施形態が考えられてもよい。
【0014】
布片が実際に小形布片であるかまたは大形布片であるかの検出は、布片が本質的に拡げられているとき、種々の方法によって、例えば、スプレッダーキャリッジが装置の中央を横切って駆動されたかどうかまたは駆動されているかどうか、または布片が殆ど拡げられたときにスプレッダーキャリッジが最小/最大相互距離を超えたかどうかを確定することによって、行うことができる。また、拡げている力があるレベルを超えたとき、スプレッダークランプ間の距離を検出することもできる。
【0015】
このような測定は、例えば、駆動原動機の消費動力または駆動手段からスプレッダークランプに伝達される力の測定値に基づいているとよい。
【0016】
好ましい実施形態によれば、3つのスプレッダークランプが用いられている。これらのスプレッダ−クランプは、好ましくは、1対のスプレッダークランプが、中央のスプレッダークランプと、外側のスプレッダークランプの内の布片を受け取ることになる装入ステーションに最も近い1つと、から構成されるように、操作されるとよい。スプレッダ−クランプのこの操作によって、これらのスプレッダークランプが移行する全距離が短くなり、これによって、布片の処理時間が短縮されることになる。
【0017】
図面を参照する多くの実施形態の以下の説明によって、本発明は、さらに細部にわたって明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による方法を実施するために用いられる装置の斜視図である。
【図2】図1に示されている装置によって本発明を実施する例を示す図である。
【図3】図1に示されている装置によって本発明を実施する例を示す図である。
【図4】先行技術および本発明による方法によって実現されることを示す図である。
【図5】先行技術および本発明による方法によって実現されることを示す図である。
【図6】3つの装入ステーションおよび4つのスプレッダークランプを特徴として備えている装置によって本発明を実施する例を示す図である。
【図7】本発明に関連して用いられるのに適する3つの装入ステーションおよび3つのスプレッダークランプを備えている装置の例を示す図である。
【図8】図7に示されている装置がどのように動作するかを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、クリーニング店で用いられる装置を示している。この装置は、湿った、きれいな洗濯物を受け取るように構成されていると共に、布片を拡げ、該布片を回転アイロナーに運ぶように構成されている。この装置は、サイドブラケット1,2と、底片3および上片4と、を備えている。上片4には、3つの装入ステーション12,13,14が取り付けられている。これらの装入ステーションは、いずれも、それらの底端に、2対のコンベヤクランプ16,17を有している(装入ステーション14参照)。サイドブラケット1,2間には、1対のキャリッジ8,9を運ぶレール7が延在している。これらのキャリッジは、図示しない駆動手段によってレール7の全長に沿って個別に移動することができ、各々、スプレッダークランプ10,11を有している。さらに、この装置は、コンベヤベルト6を備えている。
【0020】
図1に示されている装置は、以下のように動作するようになっている。すなわち、オペレータは、例えば、装入ステーション14において、布片の2つの隅をコンベヤクランプ16,17の各対内に配置し、ボタン19を作動させ、これに続いて、スプレッダークランプ10,11が布片を受け取ることができる位置まで、コンベヤクランプが、上方に移動するようになっている。スプレッダークランプは、コンベヤクランプの方に移動し、布片がスプレッダークランプ10,11によって受け取られると、これらのスプレッダークランプは、該布片を拡げるように移動し、この後、該布片は、拡げられた状態でローラコンベヤ上に引き渡されることになる。
【0021】
本発明は、スプレッダークランプの制御に関するものである。最初に、特に装置が1レーン操作および2レーン操作の両方で動作するとき、スプレッダ−クランプを可能な限り効率的に操作することは、よく知られている課題であることに留意されたい。従って、いくつかの布片は、装置の全作業幅を必要とするほど大きく、他の布片は、2つの布片が装置の幅に沿って互いに隣接して載置されるほど小さいことを理解されたい。これによって、後続の回転アイロナーが、より有利に用いられることになる。
【0022】
以後の説明において、記号K1,K2,・・・は、スプレッダークランプを指し、C1,C2,・・・は、ローラ経路、すなわち、コンベヤベルト6の想定されるレーンの中心線を指し、L1,L2,・・・は、装置の前の装入ステーションを指している。
【0023】
これに関して、図2のC1,C3は、比較的小さい布片、すなわち、装置の作業幅の半分よりも小さい布片用の中心線を示し、C2は、比較的大きい幅の布片、すなわち、装置の作業幅の半分よりも大きい布片用の中心線を示している。
【0024】
図2,3は、それぞれ、小形布片および大形布片用の多数の作業位相S1〜S3およびB1〜B5を示している。これらの図は、時間の観点から、図の一番上から読み取られるようになっている。オペレータが布片の1対の隅をコンベヤクランプ16,17内に配置し、ボタン19を作動させると、コンベヤクランプは、上昇し始め、その一方、スプレッダークランプ10,11は、コンベヤクランプの前方の位置に移動することになる(位相S1参照)。
【0025】
本発明によれば、オペレータは、一バッチ分の被処理布片が主に大形布片を含んでいるかまたは小形布片を含んでいるかの評価を行うようになっている。以下、すなわち、図2,3では、一バッチ分の布片が主に小形布片を含んでいる、と仮定されている。この仮定に基づいて、スプレッダークランプ10,11は、最初、小形布片に関連している中心線C1,C3のうち、最も近い中心線の方に移行し、この中心線を中心として配置されることになる(S2参照)。時間位相S3中に、布片は、拡げられ、該布片が実際に小形布片であることが判明したときにコンベヤ6に引き渡される準備が整えられることになる。これは、例えば、スプレッダーキャリッジが装置の中央を横切って駆動したかどうかまたは駆動しているかどうか、または布片が殆ど拡げられたときにスプレッダーキャリッジが最小/最大相互距離を超えたかどうかを観察することによって、確定されることになる。また、拡げる力があるレベルを超えたときのスプレッダークランプ間の距離が検出されてもよい。
【0026】
図3は、スプレッダークランプK1が中心線C2に余りにも接近しているかまたは中心線C2を超えたときには、布片が、それ以上、拡げられないようになっている状況を示している。
【0027】
B1,B2は、図2のS1,S2に対応しているが、時間位相B3において、布片が大形布片であることが確定されている。本発明によれば、スプレッダークランプK1,K2は、次いで、時間位相B4に示されているように、比較的大きい布片に関連している中心線C2を中心として配置され、これに続いて、時間位相B5に示されているように、布片を完全に拡げることになる。
【0028】
もし、初めに、オペレータが、前述の場合と違って、一バッチ分の布片が主に大形布片を含んでいることを確定したなら、スプレッダークランプK1,K2は、常に、最初、大形布片に関連している中心線C2を中心として配置されるように移動し、もしこのような布片を拡げている最中に、小形布片であることが判明したなら、スプレッダークランプは、中心線C1,C3の1つを中心として配置されるように移動し、それまで、布片をコンベヤ6に移送しないことになる。
【0029】
位相S2(図2)およびB2(図3)に関連して、クランプK1,K2は、互いから離れるように移動する(S3,B3)前に、まずC3を中心として対称に配置されるように一緒に移動するようになっていることが、図示されている。しかし、本発明は、位相S2,B2が省略され、クランプK2が即座に右側にS3またはB3に示されている位置まで移動し、同時に、クランプK1が左側にS3またはB3に示されている位置まで移動するように、構成されていてもよい。クランプを操作するこれらの任意選択的な構成は、本発明の全ての実施形態に該当するものである。
【0030】
図4,5は、本発明による方法の実施を示している。異なる大きさのものが混じっている一バッチ分の布片であり、個々の布片が予め測定されておらず、または後段において個々の布片が測定されない場合、先行技術を用いることは、スプレッダークランプが常に内方に移行し、中心線C2に対応する装置の中央を中心として、布片を拡げることを意味している。図4では、時間位相II,IVにおいて、比較的広い布片20a,20bがそれぞれ移送され、時間位相1,III〜Vにおいて、比較的小さい布片21a〜21bが移送されることになる。図4に示されている矢印は、スプレッダークランプの移動を示している。例えば、IIにおけるスプレッダークランプは、装入ステーションL2から布片20aを受け取り、即座に該布片を拡げている。位相IIIでは、布片20cは、装入ステーションL1に到達しているが、先行技術によれば、スプレッダークランプは、中心線C2を中心として該布片を引き渡すことになる。
【0031】
図5では、時間位相I〜Vは、図4において1〜V1によって示されている時間位相に対応している。本発明によって達成される時間節約は、小形布片が、最初に小形布片用の中心線C3またはC1に運ばれるという事実によるものである。例えば、図4において中心線C2を中心として引き渡される布片21bは、図5では、中心線C3を中心として引き渡されていることが分かるだろう。図5におけるIII,IVの以下の説明から明らかになる時間節約とは別に、図5における布片21bは、同一の時間位相I中に、もう1つの小形布片のために余白を空けることができることを理解されたい。
【0032】
図5のIIにおいて、新しい布片20aが装入ステーション2に到達し、本発明によれば、スプレッダークランプは、最初、中心線C1に移行し、該布片を拡げることを試みるが、その最中に該布片が大形布片であることが判明したことにより、スプレッダークランプK1,K2は、中心線C2に移行し、ここで、該布片を拡げることになる。ここで、スプレッダークランプのこのような比較的長い移行時間がプロセスを遅らせていることが懸念されるかも知れないが、図4のIII,IVから分かるように、ここでも、スプレッダークランプは、かなり長い距離を移行しているので、これらの移行時間の遅れは、互いに相殺されるものである。本発明によって得られる最も大きい利得は、図5のIII,IVから明らかなように、ローラ経路のより効率的な利用である。図7,8に関連して後で説明するように、3つのスプレッダークランプが用いられるとき、格別の利点が得られることになる。
【0033】
図5では、位相IIIにおいて、小形布片が装入ステーションL1に到達し、該布片は、即座に拡げられ、かつ移送されることになるが、このプロセスが終了する前に、もう1つの小形布片が既に装入ステーションL3に受け取られ、以下、同様のプロセスが続き、布片20bが現れるまで、小形布片が密に載置されることになる。最悪の状況として、この布片20bが装入ステーションL1に到達すると、クランプは、前述した密な載置を達成しようとして、即座にC3に移行することになる。ここで、大形布片であることが確定され、これに続いて、クランプは、C2に移行し、ここで、該布片を拡げている。前述したように、このような付加的な移行は、中心線C1〜C3によって表わされるローラ経路への改良された装填によって得られる利点と比較して、それほど重要ではない。
【0034】
図4と比較して、本発明による方法によって、同じ数の布片を1つ少ない時間位相によって、移送可能であることが明らかである。
【0035】
以上、2つのスプレッダークランプおよび3つの装入ステーションを有する装置に関連して、本発明を説明してきた。以下、図6を参照して、4つの装入ステーションL1〜L4および2組のスプレッダークランプK1〜K4を有する場合、本発明がいかに機能するかについて説明する。中心線C2は、ここでも、比較的大きい布片用の中心線を表し、中心線C1,C3は、比較的小さい布片用の中心線を表している。ここでも、オペレータが一バッチ分の布片が主に小形布片を含んでいると評価していると、仮定されている。
【0036】
時間位相Iにおいて、布片は、スプレッダークランプK1〜K4に到達している。これらのスプレッダークランプは、本発明によれば、時間位相IIにおいて、小形布片用の各中心線C1,C3を中心として配置されている。小形布片しか到達しない限り、この装置によって、最も密と考えられる載置、従って、後続の回転アイロナーの最も効率的な利用率を得ることができる。
【0037】
図6の時間位相IIにおいて、小形布片24cが装入ステーションL1に到達し、大形布片25aが装入ステーションL23に到達している。拡げている間に、布片25aがこれ以上拡げられないことが確定され、その結果、布片24cを掴んでいるスプレッダークランプK1,K2が装置の左側に保留され、布片25aが、中心線C2を中心として拡げられ、かつ引き渡されることになる。
【0038】
時間位相III,IVにおいて、布片24および新しい布片24d,24eが引き渡されることになる。次いで、図6において、大形布片25bが装入ステーションL3に到達し、新しい布片がクランプK1,K2に到達する前に、この布片25bが大形布片であることが確定されたと仮定する。その結果、後者のクランプK1,K2は、大形布片25bが引き渡されるまで保留され、この後、前述したプロセスがVにおいて継続されることになる。このように、図6に関連して説明したこの装置から得られる時間節約は、ここでも、装置が時には大形布片が到達することに応じることを可能としながら、ローラ経路のより効果的な利用率をもたらすことになる。
【0039】
また、本発明は、3つのスプレッダークランプが設けられている装置に関連して用いられる場合に、特に適している。図7は、このような装置の例を示している。図1にも見られる3つの装入ステーション12,13,14が示されているが、関連するスプレッダークランプ29を有するさらに他のキャリッジ28も設けられている。本発明によれば、3つのスプレッダークランプ10,11,29は、1対の動作状態にあるスプレッダークランプが、中央のスプレッダークランプ11と、外側スプレッダークランプ10,29の内の布片を受け取ることになる装入ステーション12,13,14の1つに最も近い1つと、から構成されるように、駆動されることになる。図6を参照して、この操作モードをさらに詳細に説明する。
【0040】
前述の開示内容と同じように、図8は、装入ステーションL1〜L3を特徴として備えているが、3つのスプレッダークランプK1〜K3が設けられている点において、異なっている。さらに、比較的小さい布片に対応する中心線C1,C3、および比較的大きい布片に対応する中心線C2が示されている。図8では、本発明によれば、オペレータは、主に小形布片を含む作業中のバッチ分の布片に対して、装置を準備していることが仮定されている。
【0041】
これまで、本発明は、ローラ経路のより効率的な利用によって多くの利点をもたらし、それと比較して、スプレッダークランプの付加的な移行時間は、それほど重要ではないと説明してきた。しかし、図7,8に示されている実施形態では、クランプの移行時間の短縮が得られ、同時にローラ経路の前述したような効率的な利用率が達成されている。従って、この後者の実施形態は、先行技術を上回る最も有効な改良を表していることになる。
【0042】
図8は、図5に対応している図である。これらの図において、時間位相I,IIは、同じである。この構成は、ローラ経路の利用率およびクランプが移行する距離の両方を改良するために適用されるものである。図5,8のIII,IVにおいて、図8に示されている実施形態によって、クランプの移行時間の著しい節約がもたらされている。時間位相I,II中に作動していなかったクランプK1が、クランプK2と共に布片21bを受け取り、同時に、クランプK3は、図の右側に保留されるようになっている。布片21bが引き渡された直後に、クランプK2は、L3に移行するので、移行距離は、図5のK1の対応する移行距離よりも短くなり、布片は、より迅速に受け取られ、かつより迅速に拡げることが可能である。クランプK3は、布片21cが最外装入ステーションL3に受け取られているので、作動を開始することになる。
【0043】
次いで、布片が装入ステーションL2に到達し、本発明によれば、作動中のクランプが継続して作動し、その結果として、クランプK1は、図の左側に保留されたままになっている。時間位相K1において、布片が装入ステーションL1に到達するや否や、クランプK1が作動を開始し、K3は、図の右側に保留されることになる。本発明によれば、クランプK1,K2は、最初、小形布片を可能な限り密に載置するために、布片10bを中心線C3において引き渡すことを試みるが、もし時間位相Vにおいて、10bが大形布片であることが判明したなら、クランプは、装置の中央に移行し、ここで、位相Vに見られるように、布片を拡げることになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の装入ステーションから布片を2つが対になって受け取り、前記布片が大形布片用の中心線と共に小形布片用のいくつかの中心線を有するコンベヤに引き渡される前に、前記布片を拡げる少なくとも2つのスプレッダークランプを操作する方法において、前記スプレッダークランプが、最初に小形布片用の中心線を中心として布片を拡げるか、または最初に大形布片用の中心線を中心として布片を拡げるかが、一バッチ分の布片ごとに選択されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記スプレッダークランプが最初に小形布片用の前記中心線を中心として布片を拡げることが、一バッチ分の布片に対して決定され、その後、もし小形布片用の前記中心線を中心として拡げている間に、前記布片が大形布片であることが判明したなら、前記スプレッダークランプは、前記布片を大形布片用の前記中心線を中心として拡げるように、操作されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記布片の展開は、前記スプレッダークランプが前記選択された中心線を中心して配置されるのと同時に、開始されることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の方法。
【請求項4】
前記スプレッダークランプが、最初に大形布片用の前記中心線を中心として布片を拡げることが、一バッチ分の布片に対して決定され、その後、もし大形布片用の前記中心線を中心として拡げている間に、前記布片が小形布片であることが判明したなら、前記スプレッダークランプは、前記布片を小形布片用の中心線を中心として拡げるように、操作されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1対のスプレッダークランプは、最初、中心線に関して本質的に対称的に配置されるように移動し、その後、前記中心線の両側に拡げられることを特徴とする請求項2,3,あるいは4に記載の方法。
【請求項6】
前記スプレッダークランプの駆動手段から前記スプレッダークランプに伝達される力の大きさを測定することによって、前記布片が実際は小形布片であるかまたは大形布片であるかが記録されることを特徴とする請求項2〜5に記載の方法。
【請求項7】
前記力は、駆動原動機の電力消費の関数として測定されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記力は、スプレッダークランプとその駆動手段との間に配置された圧力シリンダによって、測定されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
3つのスプレッダークランプが用いられることを特徴とする請求項1〜8に記載の方法。
【請求項10】
1対のスプレッダークランプが、中心のスプレッダークランプと、外側のスプレッダ−クランプの内の前記布片を受け取ることになる前記装入ステーションに最も近い1つと、から構成されることを特徴とする請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−527663(P2010−527663A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508704(P2010−508704)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【国際出願番号】PCT/DK2008/000195
【国際公開番号】WO2008/141649
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(501430803)イェンセン・デンマーク・アクティーゼルスカブ (4)