説明

スプールを縦横回転可能な釣用リール。

【課題】魚釣用リールの巻き取りスプールを仕掛け投入時には投入方向に向け、巻き取り時には回動して両軸式として巻き取り力を向上する。
【解決手段】主体1の基台11内に配置した回転ソケット2にスプール23を軸支し、
該回転ソケットを回転軸222により一定角度回転可能に軸支する。
道糸の巻き取り操作は、ハンドルと連動する巻き取り装置3を介して行い、スプールの回転操作は回転装置4により行う。
仕掛けの投入操作を行うとき、ケース側面に設けたプルロッドの回転操作により回転装置4の手動ギア組41以下を連動して上記回転軸2の廻りに回転ソケットを回転し、同時に挿入片113のスライド移動を連動させてスプールの巻き取り駆動装置との接続を離脱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣り用具のスプール回転リールに関し、特に、スプールに直立または横置き回巻き取り作をすることができるリールであり、釣竿にセットして仕掛けを飛ばす時、直立方式で抵抗力を減少させ、道糸を巻き取る時は横置き方式で必要な巻き取り力を提供することが可能で、その適用範囲を大幅に拡大し、全体の使用上の機能と効果を向上することができるスプール回転リールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国民生活水準の向上に伴い、人々は、娯楽運動を益々重視し、週休二日または連休毎に、仕事と睡眠の生活以外に、屋外でハイキングや運動の時間を有し、運動によって身体の新陳代謝を促進することを心がけるようになっている。更に、大自然の環境から深い体験及び薫陶を受け、日常生活中の過度なストレスを開放し、気持ちをリラックスさせ、同時に文明病ともされるような身体の健康に影響を及ぼすことを回避し、且つ娯楽運動の観念と関連する産業の発展の下、釣り滑動は、迅速に発展しており、長期に渡り人気のある運動の一つである。多くの人々が釣りに親しんで戸外滑動するが、一般にこれら池釣り、渓流釣り、海釣りの三種の釣り方式等の魚釣りは、天候、水量等の多くの環境条件に合わせ、釣りの方法及び使用する釣りえさ等の多種の釣りの技巧に細心の研究が必要であり、細心さと忍耐を培い、環境の影響を受けずに心に落ち着かせ、思考することができるようにする娯楽運動ということができる。
【0003】
海釣りは、多種の釣り方式に分けられ、船釣り、磯釣り、灘釣り等を含み、更に、海中の魚の種類も豊富で多様化しており、多様性、刺激性を好む愛好者にとって、十分な魅力を有する。従来の釣りに使用するリールは、スピニング式リールと両軸式リールに分けられるが、スピニング型リールの構造の例として、図13は、従来の構造説明図である。それは、基台Aの一側にセットされる釣竿に合致するフレームA1を設け、基台Aの他の側に回転構造BとそのスプールB1を滑動的に軸支し、且つスプールB1は直立であり、予め設けた釣竿と相互に平行であり、使用者が釣竿に対して仕掛けを投げる時、ベイルB2を開いてスプールB1上に巻かれた道糸Dを自由に引き出すことができる。この時、道糸Dは、スプールB1を連動せずに仕掛けの重さで引かれてスプールから巻きほどかれてゆくため、抵抗が小さく、遠投に適している。使用者が釣竿にセットしたリールの巻き取り操作を行う時、基台A上の把手Cを回動操作すると回転構造Bを連動して回転し、ベイルB2が軸支する回転子B21によって90度近くまで転折してスプールB1上にセットされて道糸Dの巻き取りを行うことができるが、この種の方式は巻き取り力が小さく、スプールB1に対して高い負荷をかけた巻き取り操作を行うことができない。
【0004】
更に、両軸式リール構造を例とする場合、図14は、従来のもう1つの構造説明図である。基台Aの一側にセットされる釣竿に合致するフレームA1を設け、基台A内側にスプールB1を回転可能に軸支する。スプールB1は釣竿対して垂直な、横置きでであり、使用者が釣竿を操作して仕掛けを投げる時、そのスプールB1に巻き取られた道糸DをガイドロッドB3上のスライドソケットB4の導線環B41を通して順に引き出し、この時、道糸DはスプールB1を連動してその回転に伴って引き出されるが、この種の方式は、糸投げ時の抵抗力が大きく、道糸Dを迅速にスプールB1の外に引き出すことができず、遠投操作を効率的に行うことができない。使用者が釣竿にセットしたリールの巻き取り操作を行う時、基台A上の把手Cを回転してスプールB1を連動して回転させる、道糸DをガイドロッドB3上のスライドソケットB4の導線環B41の左右のスライド移動に伴って直接スプールB1上に整列して巻き取ることがでる。即ち、スプールB1の巻き取り力を増加でき、使用者が道糸DをスプールB1に巻き取ることに便利であり、且つスプールB1に効率的に高い負荷を伴う巻き取り操作をすることができる。
【0005】
従って、スプールの方向を釣り竿に対して直立または横置き回転できるリールを研究開発設計できれば、直立方式により仕掛け投入時の抵抗力を減少し、横置き方式によって巻き取り時に必要な高い張力を提供でき、抵抗力が過大または張力が不足する問題及び欠陥の発生を回避でき、適用範囲を大幅に増加でき、全体の使用上の機能と効果を向上させることができ、これは、当業者が研究改善を欲する所である。
【特許文献1】特開2001−204323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、リールをセットした釣竿で投入操作する時に直立方式により抵抗力を減少し、糸巻き時は横置き方式で必要な高い張力を提供し、適用範囲の大幅な向上を達成でき、使用上の機能及び効果を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスプール回転リールは、スプールに対して直立または横置き回巻き取り作を行うことができ、釣竿で投入操作する時、直立方式で抵抗力を減少させ、巻き取り時、横置き方式で高い張力を提供することができるリールであって、主体、回転代ソケット、巻き取り装置および回転装置から構成され、該主体の基台内部に回転ソケットを収容できる収容空間を形成し、且つ収容空間内側壁上に結合部を設け、基台の両側辺にそれぞれ挿入片と軸孔を設けてなり、該回転ソケットは、基台の結合部上にスライド可能に軸支し、且つ回転ソケット内側に道糸を巻き取るスプールを軸支し、且つスプールは、回転ソケットと垂直を呈してなり、該巻き取り装置の複数挿入軸は、それぞれ基台両側の軸孔内に貫通してスプールと係合または離脱状態を呈し、そのうちの1つの挿入軸が巻き取りギア組と噛み合い、挿入軸にスプールを連動させ、回転するようにしてなり、該回転装置は、手動ギア組の回転を連動できるプルロッドを接続し、手動ギア組に基台両側の挿入片を連動し側面方向に押し挿入軸をスプールから離脱させることができる従動ギア組を噛み合わせ、且つ従動ギア組は、回転ソケット上に接続する駆動部を設け、駆動部によって同一ステップで回転ソケットを連動し、そのスプールをセットした方向を直立または横置き回転状態を形成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、主体の基台内部に回転ソケットを収容できる収容空間を形成し、収容空間の前後両側にそれぞれ結合部を設け、基台の左右両側にそれぞれ挿入片と軸孔を設け、回転ソケットを基台の結合部上にスライド可能に軸支し、且つ内側にスプールを軸支した後、巻き取り装置の挿入軸を基台両側の軸孔内に貫通しスプールと係合または離脱状態を呈するようにし、使用者が回転装置のプルロッドを引くと、手動ギア組によって従動ギア組を連動し、基台両側の挿入片を連動し側面方向に押し挿入軸をスプールから離脱させ、従動ギア組がスプール回転が直立または横置き回転状態となるように連動し、スプールをセットした釣竿で投入操作を行う時に直立方式により抵抗力を減少し、巻き取り時は横置き方式で必要な高い巻き取り力を提供し、適用範囲の大幅な向上を達成でき、使用上の機能及び効果を向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1、図2、図3、図4、図5は、本発明の立体外観図、立体分解図、別視角の立体分解図、立体局部分解図、使用前の立体断面図であり、図から分かるように、本発明は、主体1、回転ソケット2、巻き取り装置3および回転装置4(図4参照)から構成され、本願発明の主要な構成要素とその特徴の詳細は後に記載する。該主体1は、一対のプレートからなる基台11と蓋体12、12から構成され、該基台11内に回転ソケット2を収容する収容空間110を形成し、且つ収容空間110の前後両側にそれぞれ結合部111を設ける。本発明の好適な実施例は、収容空間110前後両側にそれぞれ結合部を設けて説明するが、実際の応用時、これに限定するものではなく、収容空間110内に1つの壁面上に1つ以上の結合部111を有する構成とてそれらの1つの結合部111の外側に釣竿5上にセットするためのフレーム112を結合することもできる。
基台11左右両側辺にそれぞれ挿入片113、113を一定範囲スライド移動させるガイド溝114を設け、更に、挿入片113外側表面に台形状の斜凸部1131を設け、その斜凸部1131側辺上に推進面1132を斜めに延伸して形成し、その傾斜を斜凸部1131上縁の係止面1133近傍で緩やかにする。挿入片113にはこの斜凸部1131を通る横向きのスリット1134を開設し、さらにスリット1134の一側に隣接して縦方向に定位スライド溝1135を開設する。基台11両側のガイド溝114の挿入片113のスリット1134に対応する箇所にそれぞれ収容空間110内に貫通する軸孔115を設ける。基台11の左右両側に相互に対応する蓋体12を有し、且つ2つの蓋体12内壁面上に軸孔115の位置に整合した定位部121を設ける。
【0010】
該回転ソケット2は、コ型状の片体であり、回転ソケット2の基部21両側にそれぞれ同一方向に支持アーム22を延伸し、且つそのうちの1つの支持アーム22に回転盤221を設け、回転盤221の回転軸222を支持アーム22外に貫通して基台11前側の結合部111に回動可能に軸支し、回転盤221の回転軸222の一側に凸柱223を設け、凸柱223は、支持アーム22にこれと対応して開設した弧状のガイド溝224内でスライド移動し、また、もう1つの支持アーム22外側の回転軸225は、基台11後側の結合部111に回動可能に軸支し、その回転軸22外縁に制動バネ226を設けて、該制動バネ226によって回転ソケット2に上記弧状の溝の範囲内で回動して原位置に復元するのに必要な回転復元力を付与する。また、回転ソケット2の内側基部21に道糸6を巻き取るスプール23を軸支する。スプール23は、基部21に対して直角に配置され、スプール23の軸廻りの回転に連動する係合部231を基部を貫通して設け、スプール23の係合部231の反対側に接合孔232を凹設する。
【0011】
該巻き取り装置3は、一対の挿入軸31、巻き取りギア組32および把手33から構成され、複数の挿入軸31は、それぞれ順に基台1左右両側に設けられる挿入片113のスリット1134およびガイド溝114上の軸孔115を貫通して設置され、回転ソケット2のスプール23と係合または離脱する。
そのうち1つの挿入軸31上にギア311を設け、挿入軸31の一側の嵌合部312を基台11のスプール23の対応する係合部231に嵌合し、且つ挿入軸31の他方側にバネ313に挿通して蓋体12のこれに対応する定位部121上に軸支する。
巻き取りギア組32の巻き取りギア321がギア311に噛み合い、挿入軸31を介してスプール23を連動させて回転させる。すなわち、道糸の巻き取り操作を行う。
もう1つの挿入軸31には係止環314を設け、基台11の他側のスプール23のこれに対応する接合孔232に軸支し、バネ313を介して挿入軸31を蓋体12の定位部121に軸支する。
巻き取りギア321両側にそれぞれ連動ギア322を噛み合わせ、且つ連動ギア322に接続してそれぞれ基台11の収容空間110内に差し渡されたスパイラルギアを具えたガイドロッド323を設け、2つのガイドロッド323にスライドソケット324およびその間を跨ぐ弧状導線環325をスライド可能に接続して、スプール23に対する道糸6の巻き取り操作を便利に行うことができる。巻き取りギア321を貫通して設置する巻き取り軸3211に巻き取りギア組32の回転に連動する把手33と把手33表面の螺子山331を巻き取り軸3211と突き合わせるロック片332を接続する(図3参照)。
【0012】
該回転装置4は、手動ギア組41、プルロッド42および従動ギア組43から構成され、回転軸412を手動ギア組41の手動ギア411を貫通して設置し、巻き取り軸412は基台11の図中右側の挿入片113のスリット1134外に貫通して順に2つの定位ラッチ板413と手動ギア組41の回転に連動するプルロッド42に接続する。
2つの定位ラッチ板413間において偏心軸4131を滑動ブロック414の開溝4141内に陥入し、滑動ブロック414下方は、基台11外側表面の締結部116上に軸支する緩衝バネ415に接続し、定位ラッチ板413側縁から外向き突出部4132を延伸して、基台11外側表面に設けた2つの係止部117間に規制された回動操作を行う。更に、手動ギア組41の一側は、従動ギア組43に噛み合い連動し、従動ギア組43の連動軸431は、基台11左右両側を貫通する位置にそれぞれ従動ギア432及び回転ホイール433を設け、且つ従動ギア432は、主動ギア組41の主動ギア411と相互に噛み合って巻き取りし、該従動ギア432及び連動軸431を介して回転する回転ホイール433の一側に設けられた凸柱4321、4331はそれぞれ挿入片113のこれと対応する定位スライド溝1135外に貫通して配置された構成により、縦方向にスライド動作を行うと共に、挿入片113をガイド溝114内で横方向の往復スライド移動させる。連動軸431中央位置に設けた駆動部434が回転ソケット2の一側の支持アーム22の回転盤221の回転軸222端に接続し、回転軸222を軸心として回転ソケット2とスプール23を連動して一定角度傾動する。
【0013】
上記回転ソケット2は、スプール23の係合部231と巻き取り装置3の挿入軸31一側の嵌合部312とが、それぞれ相対してスライド可能に嵌合する凹溝または凸ブロックを構成しており、挿入軸31の嵌合部31の嵌合部312は、スプール23の対応する係合部231とスライド可能に嵌合し、巻き取りギア組32の巻き取りギア321が挿入軸31のギア311と噛み合うことによりスプール23を巻き取り状態で駆動する。
一方、回転装置4の駆動部434は、ギア組、駆動接続ロッドまたはベルトおよびプーリー等の動力を伝動する装置であり、ギア組は、それぞれ回転ソケット2の回転軸222と回転装置4の連動軸431が相互に斜め方向に噛み合う第1傘形ギア4341及び第2傘形ギア4342をそれぞれ配置して、回転装置3の回転軸431が回転すると駆動部434を連動し、回転ソケット2の回転軸222を連動して滑動回転をし、回転ソケット2がそれに伴って回転して一定角度傾斜する。本発明の明細書及び図面の内容の簡易な修正及び同一効果を有する構造の変化は、何れも本考案の専利範囲内に含まれるべきである。
【0014】
本発明の組み立て時、先ず、回転ソケット2を基台11の収容空間110内に収容し、基部21両側の支持アーム22上の回転軸222、225をそれぞれ基台11前後両側の結合部とスライド可能に軸支し、回転ソケット2の基部21と基台11左側の挿入片113を平行として巻き取り装置3の複数の挿入軸31をそれぞれ順に基台11両側の挿入片113のスリット1134およびガイド溝114の軸孔115内に貫通させ、回転ソケット2のスプール23を係合または離脱の状態で巻き取りギア組32の巻き取りギア321が挿入軸31のギア311に噛み合ってスプール23を巻き取りするように配置し、回転装置4の手動ギア組41の伝動軸412を基台11右側挿入片113のスリット1134外に貫通させ、且つ従動ギア組43の連動軸412がそれぞれ基台11左右両側の位置に貫通し、その従動ギア432と回転ホイール433の凸柱4321,4331をそれぞれ挿入片113の対応する定位スライド溝1135外に貫通させた後、駆動部434を回転ソケット2一側の支持アーム22の回転盤221の回転軸222に接続し、回転ソケット2とそのスプール23を回動して一定角度傾動するようにし、基台11左右両側を覆蓋する蓋体12の定位部121をそれぞれ巻き取り装置3が対応する挿入軸31とスライド可能に軸支し、同時に巻き取りギア321の巻き取り軸3211と手動ギア411の巻き取り軸412を何れも蓋体12外に貫通し、それぞれ把手33、プルロッド42と相互に接続して本発明全体の組み立てを完成する。
【0015】
図5〜図10は、それぞれ本発明の使用前の立体断面図、俯瞰断面図、使用時の立体断面図(一)、立体断面図(二)、使用後の俯瞰断面図および立体断面図であり、図から分かるように、使用者が回転装置4のプルロッド42を引き、順時計回り方向に回転させると、2つの定位ラッチ板間の偏心軸4131が当接する滑動ブロック414とその緩衝バネ415により適切な弾性抵抗力を受け、定位ラッチ板413の突出部4132の回転を基台11の係止部117に規制させ、プルロッド42が外力により意図しない操作を容易に発生しないようにする。
手動ギア組41の手動ギア411が従動ギア組43の従動ギア432を連動し、連動軸431の巻き取りホイール433と駆動部434を連動し、その従動ギア432と巻き取りホイール433の凸柱4321、4331にそれぞれ基台11左右両側の挿入片113の定位スライド溝1135内をスライド移動させて、挿入片113を連動してガイド溝114内壁面に沿って往復スライド移動させる。この時、挿入片113の斜凸部1131が側面方向に巻き取り装置3の挿入軸31を押し上げ、挿入軸31の受けた力により圧縮バネ313が弾性変形して斜凸部1131の推進面1132に沿って軸方向に係合面1133の位置にスライド移動することにより、基台11左右両側の挿入軸31をそれぞれ回転ソケット2のスプール23の係合部231と係合孔232の制限から離脱させる。
【0016】
手動ギア411が従動ギア432を連動し、連動軸431上の駆動部434を連動して駆動すると、駆動部434の回転に伴って回転ソケット2の一側の支持アーム22の回転盤221上の回転軸222を連動し、回転軸222の一側の凸柱223が、支持アーム22のこれと対応するガイド溝224内でスライド移動し、且つ凸柱223がガイド溝224内の一側端から他端側へスライド移動すると、その移動範囲に応じて回転軸222を軸心として回転ソケット2とそのスプール23を連動して予め定めた左向きまたは右向きの90度回転して、スプール23を直立または横置き回転の状態とすることができる。
【0017】
また、回転ソケット2は、他の側の支持アームの回転軸225外側に制動バネ226を設けており、且つ制動バネ226は、回転ソケット2の回転の復位が必要なねじれの復元力を提供することができるので、回転ソケット2全体の回転復位過程をより安定させることができる。
【0018】
また、使用者がリールをセットした釣竿5により仕掛けの投入操作する時、回転装置4のプルロッド42を引いて逆時計回り方向に回転操作し、基台11内部に収容する回転ソケット2とそのスプール23を連動して左向きに90度に回転させ、リールをセットした釣竿5と相互に平行な直立状態とすると、スプール23に巻き取った道糸6をスライドソケット324の導線環325に沿って勢い良く引き出すことができ、且つ仕掛けの投入操作中、繰り出される道糸6がスプール23の回転を連動しないので、仕掛けの投入に伴って繰り出される糸の抵抗力を減少させることができ、使用者が道糸6をスプール23の外に迅速に引き出すことができ、遠投操作を効率的に行うことができる(図11参照)。
【0019】
上記のように、使用者が釣竿5に対して巻き取り操作を行う時、回転装置4のプルロッド42を引き順時計回り方向に回転させると、基台11内部に収容する回転ソケット2とそのスプール23が右向き90度の回転し、釣竿5と相互に垂直な横向き状態となって巻き取り装置3の把手33によってスプール23を連動し、巻き取り操作を行い、道糸6をスライドソケット324の導線環325に沿ってスプール23上に直接巻き取ることができ、スプール23の巻き取り時の負荷に相対して対応でき、使用者が道糸6をスプール23に巻き取る操作を容易に行うことができる(図12参照)。
【0020】
従って、本発明の特徴は、主体1の基台11内に回転ソケット2を収容し、その基部21両側の支持アーム上の回転軸222、225にそれぞれ基台11の前後両側の結合部111とスライド可能に軸支させ、巻き取り装置3の一対の挿入軸31がそれぞれ順に基台11左右両側の挿入片113のスリット1134とガイド溝114の軸孔115内に貫通し、回転ソケット2のスプール23と係合または離脱の状態とし、巻き取り装置3の巻き取りギア組32が挿入軸31上に噛み合いスプール23に巻き取るようにし、スプールの回転装置4の手動ギア組41の回動軸412が基台11の挿入片113のスリット1134外に貫通し、且つ従動ギア43の連動軸431がそれぞれ基台11左右両側の位置に貫通し、従動ギア432と回動ホイール433の凸柱4321、4331をそれぞれ挿入片113が対応する定位スライド溝1135外に貫通させ、連動軸431の駆動部434が回転ソケット2一側の支持アーム22の回転盤221上の回転軸222に接続し、直立または横置き回転状態とすることができ、それにより下記の利点を有する。
【0021】
本発明は、使用者が回転装置4のプルロッド42を引いて順時計回り方向に回転させると、主動ギア組41が従動ギア組43を連動し、基台11両側の挿入片113を連動し、側向きに挿入軸31を押圧してスプール23を離脱し、従動ギア組43の駆動部434をスプール23を連動して左向きまたは右向きに90度回転させ、スプール23に直立または横置き回転状態とし、釣竿5により投入操作を行う時、スプールを直立状態として抵抗力を減少させ、巻き取り時には横置き方式として必要な巻き取り力を提供することができ、その適用範囲を大幅に増加し、全体の使用上の機能と効果を顕著に向上させる。
【0022】
なお、本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない均等の範囲内で各種の変動や潤色を加えることができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の立体外観図である。
【図2】本発明の立体分解図である。
【図3】本発明の別視角の立体分解図である。
【図4】本発明の立体局部分解図である。
【図5】本発明の使用前の立体断面図である。
【図6】本発明の使用前の俯瞰断面図である。
【図7】本発明の使用時の立体断面図(一)である。
【図8】本発明の使用時の立体断面図(二)である。
【図9】本発明の使用後の俯瞰断面図である。
【図10】本発明の使用後の立体断面図である。
【図11】本発明の好適な実施例の使用状態図である。
【図12】本発明のもう1つの好適な実施例の使用状態図である。
【図13】従来の構造説明図である。
【図14】もう1つの従来の構造説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 主体
11 基台
110 収容空間
111 結合部
112 フレーム
113 挿入片
1131 斜凸部
1132 推進面
1133 係止面
1134 スリット
1135 定位スライド溝
114 ガイド溝
115 軸孔
116 締結部
117 係止部
12 蓋体
121 定位部
2 回転ソケット
21 基部
22 支持アーム
221 回転盤
222 回転軸
223 凸柱
224 ガイド溝
225 回転軸
226 制動バネ
23 スプール
231 係合部
232 接合孔
3 巻き取り装置
31 挿入軸
311 ギア
312 嵌合部
313 バネ
314 係止環
32 巻き取りギア組
321 巻き取りギア
3211 巻き取り軸
322 連動ギア
323 ガイドロッド
324 スライドソケット
325 導線環
33 把手
331 螺子山
332 ロック片
4 回転装置
41 手動ギア組
411 手動ギア
412 回転軸
413 定位ラッチ板
4131 偏心軸
4132 突出部
414 アクティブブロック
4141 開溝
415 緩衝バネ
42 プルロッド
43 従動ギア組
431 連動軸
432 従動ギア
4321 凸柱
433 回転ホイール
4331 凸柱
434 駆動部
4341 第1傘形ギア
4342 第2傘形ギア
5 釣竿
6 道糸
A 基台
A1 フレーム
B 回転構造
B1 スプール
B2 導線環
B21 回転子
B3 ガイドロッド
B4 スライドソケット
B41 導線環
C 把手
D 道糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主体、回転ソケット、巻き取り装置および回転装置から構成され、
該主体は、内部に回転ソケットを収容する収容空間を形成した基台を具え、
該基台は、該空間内前後側壁に結合部を設けると共にその両側辺に挿入片と軸孔を設け、
該回転ソケットは、その基部に垂直に糸巻きスプールを回転可能に軸支すると共にスプールの巻き取り軸を該基部を貫通して突出し、該巻き取り軸及びスプールの他端に巻き取り装置の挿入軸に対してそれぞれ係脱可能とし、
該基部から両側に延長して形成したアームにより該基台内側に設けた結合部に回転ソケットを該垂直方向から横方向に向けて回転可能、かつスライド可能に軸支し、
該巻き取り装置は、一対の挿入軸を具え、それぞれ基台両側の軸孔を貫通して上記スプールの巻き取り軸及びその他端側とそれぞれ軸方向のスライドにより係脱可能とすると共に、駆動側の挿入軸を巻き取りギアと噛み合わせて巻き取り操作可能とし、
該回転装置は、リール外側のプルロッドの操作により回転する手動ギア組を設け、
該手動ギアと連動する従動ギアにより上記基台側辺の挿入片をスライド移動させて挿入片に設けた斜凸部によって上記挿入軸を軸方向に押圧スライド移動させてスプールに対する上記巻き取り装置の挿入軸との係脱操作を行い、
さらに、該従動ギアはこれらの操作と共に上記回転ソケットを軸支する回転軸に掛合して回転ソケットを該垂直方向から横方向に向けて回転操作可能としたことを特徴とする、スプールを縦横回転可能な釣用リール。
【請求項2】
前記基台の収容空間前後両側に設けた1方の結合部外側に釣竿に固定するフレームを配置し、基台左右両側にカバーとなる蓋体を設け、且つ2つの蓋体内壁面に上記基台の軸孔の位置に整合して定位部を設け、回転装置の挿入軸の他側にバネを介挿して該定位部上にスライド可能に軸支したことを特徴とする請求項1記載のスプールを縦横回転可能な釣用リール。
【請求項3】
前記基台左右両側辺にそれぞれ挿入片をスライド移動させるガイド溝を設け、挿入片外側に該ガイド溝に沿って挿入軸を軸方向に押圧してスプールを離脱する斜凸部を設け、
その斜凸部を通るスリットを設けると共に該スリットに隣接してこれと垂直方向の定位スライド溝を設けて、該スライド溝に嵌合動作する手動ギアの偏芯軸の垂直動作に伴って該挿入片を上記ガイド溝に沿ってスライド移動させ、
基台両側のガイド溝上の挿入片のスリットの上記挿入軸に対応する位置にそれぞれ収容空間内に貫通する軸孔を貫通して前記挿入軸を軸支し、該挿入片のスライド移動に伴って挿入軸をその軸方向にスライド移動させて挿入軸とスプールの係脱操作を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載のスプールを縦横回転可能な釣用リール。
【請求項4】
前記従動ギア組の連動軸が基台左右両側を貫通する位置にそれぞれ従動ギアおよび回転ホイールを設け、且つ従動ギアが手動ギア組の手動ギアと相互に噛み合って回転するようにし、その従動ギア、回転ホイールの一側の凸柱をそれぞれ挿入片の対応する定位スライド溝に貫通させてスライドするようにしたことを特徴とする請求項3記載スプールを縦横回転可能な釣用リール。
【請求項5】
前記基台両側の挿入片の斜凸部側辺に上向きに推進面を斜めに延伸形成し、且つ推進面が斜凸部上縁の係止面にむけて緩やかになり、挿入軸が推進面に沿って軸方向の係脱方向にスライド移動し、回転ソケットのスプールが対応する挿入軸の係合部及び接合孔から離脱するようにしたことを特徴とする請求項3記載のスプールを縦横回転可能な釣用リール。
【請求項6】
前記回転ソケットの基部両側にそれぞれ同一方向に支持アームを延伸し、そのうちの1つの支持アームに回転盤を設け、且つ回転盤の回転軸を支持アーム外に貫通して基台前側の結合部とスライド可能に軸支し、回転盤の回転軸の一側に凸柱を設け、凸柱は、支持アームのこれと対応して設けられた弧状のガイド溝内にスライド移動可能とし、回転軸末端が従動ギア組の連動軸上の駆動部に接続して回転軸を連動し、回転ソケットを連動し、そのスプールが左向きまたは右向きに90度の回転するようにしたことを特徴とする請求項1記載のスプールを縦横回転可能な釣用リール。
【請求項7】
前記回転ソケットのもう1つの支持アーム外側の回転軸を基台後側の結合部とスライド可能に軸支し、且つ回転軸外縁に制動バネを設け、回転ソケットの回転復位が必要とするねじれの復元力を提供し、回転装置の駆動部がギア組、駆動接続ロッドまたはベルトおよびプーリー等の動力を伝送する装置であり、スプールがそれぞれ回転ソケットの回転軸と回転装置の連動軸上に相互に斜め向きに噛み合う第1傘形ギアおよび第2傘形ギアを設けたことを特徴とする請求項6記載のスプールを縦横回転可能な釣用リール。
【請求項8】
前記回転ソケットが基部内側表面にスプールを軸支し、軸方向にスプールの巻き取りを連動する係合部を貫通設置し、且つスプールの係合部に相対するもう一側表面に接合孔を設け、回転装置のそのうちの挿入軸上に巻き取りギア組の巻き取りギアと噛み合うギアを設け、挿入軸の一側の嵌合部がスプールの対応する係合部内に嵌合し、もう1つの挿入軸上に係止環を設け、挿入軸の一側は、スプールの対応する接合孔に軸支し、スプールの係止部と挿入軸の嵌合部が相互に対応してスライド可能に嵌合する凹溝または凸ブロックとしたことを特徴とする請求項1記載のスプールを縦横回転可能な釣用リール。
【請求項9】
前記巻き取り装置の巻き取りギア両側にそれぞれ連動ギアを噛み合わせ、且つ連動ギア上に基台の収容空間内に延伸するガイドロッドを貫通設置し、2つのガイドロッド上にスライドソケットおよびその間にまたがる弧状導線環をスライド可能に配置して、道糸の巻き取り操作を行い、巻き取りギアを貫通設置した巻き取り軸上に巻き取りギア組の巻き取り操作を連動する把手および把手表面の螺子山に巻き取り軸と突き合わせ接合させたロック片を接続したことを特徴とする請求項1記載のスプールを縦横回転可能な釣用リール。
【請求項10】
前記手動ギア組の手動ギアに回転軸を貫通し、且つ回転軸が基台の一側の外に貫通し、順に2つの定位ラッチ板および手動ギア組の回転に連動するプルロッドを設け、その定位ラッチ板間に位置して偏心軸を滑動ブロックの開溝内に当接し、且つ滑動ブロック下方に基台外側表面の締結部上に軸支する緩衝バネを設け、そのうち1つの定位ラッチ板側縁に外向きに基台外側表面の2つの係止部間を回転支持できる突出部を設けたことを特徴とする請求項1記載のスプールを縦横回転可能な釣用リール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−301819(P2008−301819A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136886(P2008−136886)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(508156627)
【Fターム(参考)】