説明

スペーサーカラーリングを伴う拡散バー

【課題】光源が、バックライト照明アセンブリがディスプレイ装置のイメージ内容を伴うレジストレーションにおいて、局所的に減光されうるようにし、LCDの電力消費を低減させると共にLCDのコントラスト比を有意に向上させる。
【解決手段】点光源12a,12b,12cを提供するための複数の固体光源、並びに点光源12a,12b,12cを光の均一な面に方向変換し拡散させるための、複数の固体光源間に提供される光方向変換領域を有する複数の導光膜20を含む、LCDディスプレイのための一体型バックライト照明アセンブリを提供する。前記固体光源を覆う少なくとも1つのポリマー拡散バー、並びにスペーサーカラーリングをさらに提供し、このスペーサーカラーリングは光学スペーサー、カラーセクション、およびアンカーフィーチャを含み、このスペーサーカラーリングは拡散バーの周囲を囲むように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスプレイ照明に関し、より具体的には、ポリマー導光薄膜への点光源の結合効率を増大させるのに使用される光結合クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
透過型液晶ディスプレイ(LCD)パネルは他の種類のディスプレイに代わる、コンパクトで軽量の代替物を提供するが、変調のための光を提供するある種のバックライト照明を必要とする。LCDおよび類似のディスプレイのためのバックライト照明は典型的には光供給面によって提供され、この光供給面は見る者に対してLCDパネルの背面に位置し、1以上の光源からの光をLCDパネルを通る様に方向変換する。光供給面の典型的な種類の1つは導光板(Light Guiding Plate;LGP)である。LGPは、入射光を方向変換するために全内部反射(TIR)を使用する導波路として機能し、導波路はその側端に沿って位置する1以上の光源から入射光を受ける。内部反射された光を取り出し、ディスプレイパネルの方にこの光を方向変換するために、ある種の表面フィーチャリング(surface featuring)がLGP上に提供される。
【0003】
ゴトウ(Goto)らの開示に提案された様な解決策が有する欠点の中には、従来の導光板の相対的な厚さおよび全体的な体積がある。従来のLGPは、多くの場合LCDパネル自体の厚みを越える。LCD TVの様な大きなディスプレイの出現に伴って、およびよりコンパクトな固体光源、例えば、発光ダイオード(LED)の開発に伴って、既存の設計よりも、より薄い形状を提供し、より軽量であり、かつより可とう性であるLGP解決策についての必要性が存在している。ディスプレイがより大きな規模になり続けるにつれて、そしてより可とう性の基体の使用が増大するにつれて、厚みが1mm近づき、より可とう性のLGPについての要求が増大している。
【0004】
より小さくてより可とう性のディスプレイにさらによく適したLGP装置のために、多数の解決策が提案されてきた。しかし、今まで提案された解決策は、それらの利便性を限定する、あるいはそれらを製造困難にする本来的な欠点を有する。例えば、LGP面に形成される種々のタイプの光取り出しフィーチャ(light−extracting feature)が提案されてきた。しかし、提案された多くの光取り出しフィーチャの幾何学的形状は、射出成形または高温圧縮成形といった製造方法を必要とする。これらの製造方法は、より厚い材料に対してはうまく行く場合があるが、LGPの厚さが薄くなるにつれてますます困難で非実用的になることが分かっている。例えば、多数の提案された解決策は、90度の垂直壁を有する表面光取り出しフィーチャを必要とする。このスケールにおける鋭角は、必要なサイズで既知のプラスチック材料では如何なる方法を使用しても製造が極めて困難である可能性がある。さらに他のものは比較的高い、高さ:幅アスペクト比を有するフィーチャであって、同様の理由から製造が困難なフィーチャを必要とする。このような構造体は理論的にはうまく行く可能性があり、またこれらの製造も可能であり得るが、これらが示す製造上の問題は提案された設計の多くを量産に関して非現実的にしている。鋭角の側壁を有する光取り出しフィーチャを有するLGPが、どのように経済的に量産され得るかについてほとんど注意が払われてこなかったように思われる。
【0005】
さらに、LEDを光源として使用するLCD TVは一般的に、LGPの周囲を囲むように配置された上面発光(top emitting)LEDを伴う厚いLGPを使用する。LGPの周囲を囲むように配置される上面発光LEDは典型的にはベゼルの下に位置する。ベゼルは、LEDから発生したがLGP/LED界面に結合していない望まれない光を覆い、吸収する役目を果たす。よって、LEDから発生した結合していない光はLCDを照明するのに使用されず、無駄である。
【0006】
米国特許第6,721,102号(ボーデライス(Bourdelais)ら)は複合ポリマーレンズで形成された可視光拡散体を開示する。米国特許第6,721,102号に開示された複合レンズはマイクロメートルサイズのポリマーレンズを、低アスペクト非ポリマーベースレンズの表面上に取り付けることによって作成される。小レンズ:大レンズの比率は2:1〜30:1である。米国特許第6,721,102号に開示される拡散体は光源を拡散させるのに有用であり、特に、LCDバックライト光源において有用である。
【0007】
LCパネルのための光源としてのLEDの使用は、LCD TVの全電力消費を低減させるために、イメージ内容を伴ったレジストレーション(registration)において、LEDが全体的に減光される(dimmed)のを可能にする一方で、これらエッジライトLED TVは、典型的には、そのLEDの外周配置のせいで局所的に動的に減光されることができない。LEDの小さなグループがイメージ内容を伴うレジストレーションにおいて減光されうるので、LEDの局所的減光は、全体的な減光と比較して、LEDで照明されるLCD TVの全体的な電力消費をさらに低減させることが示されてきた。さらに局所的減光が、全体的減光と比較して表示されたイメージのコントラスト比を有意に向上させることも示されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,721,102号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、可とう性材料の使用を可能にし、比較的薄い寸法形状で製造されることができ、高体積製造のために設計され、および局所的に減光されうる導光面(light guiding surface)解決策についての必要性が存在することが認識される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、点光源を提供するための複数の固体光源;点光源を光の均一な面に方向変換し広げるための、複数の固体光源間に提供される、光方向変換領域を有する複数の導光膜;前記固体光源を覆う少なくとも1つのポリマー拡散バー;並びに、光学スペーサー、カラーセクションおよびアンカーフィーチャを含むスペーサーカラーリング;を含み、前記スペーサーカラーリングが拡散バーの周囲を囲むように配置されている;LCDディスプレイのための一体型バックライト照明アセンブリを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の導光膜を使用するディスプレイ装置を示す。
【図2】図2は一実施形態における導光膜の透視図を示す。
【図3A】図3Aは導光膜表面におけるフィーチャでの入射光についての光の挙動を示す。
【図3B】図3Bは導光膜表面におけるフィーチャでの入射光についての光の挙動を示す。
【図3C】図3Cは導光膜表面におけるフィーチャでの入射光についての光の挙動を示す。
【図3D】図3Dは導光膜表面におけるフィーチャでの入射光についての光の挙動を示す。
【図4】図4は一実施形態における導光膜の一部分、拡散バー、カラーリングおよび点光源を示す。
【図5】図5は点光源および拡散体との関連で拡散バーおよびカラーリングの一実施形態を示す断面である。
【図6】図6は光学スペーサー、アンカーフィーチャおよび拡散バー用開口部を有するカラースペーサーリングを示す本発明の一実施形態の透視図である。
【図7】図7は2つの傾斜面を有する拡散バーの断面を示す本発明の一実施形態の断面である。
【図8】図8は2つの傾斜面を有する拡散バーの断面を示す本発明の一実施形態の断面である。
【図9】図9は丸められた端部を有する拡散バーの断面を示す本発明の一実施形態の断面である。
【図10】図10は2つの曲面を有する拡散バーの断面を示す本発明の一実施形態の断面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、本発明に従って、少なくとも2つの導光物品である導光膜(LGF)20を使用するバックライト照明アセンブリ18を有するディスプレイ装置10の実施形態が断面で示される。LFG20間に位置する光源12が照明をLGF20の入射端22を通る様に向かわせる。ディスプレイ装置に沿った均一な光出射を助けるために、少なくとも2つの光源12bおよび12cがベゼル上に配置されることができる。LGF20はこの照明を外側に、1以上の上部拡散膜14を通り、この照明を変調する空間光変調器ここではLCDパネル16の方に方向変換する。拡散バー32は光源12の上方に位置し、点光源12から導光膜20に光学的に結合していない光エネルギーを拡散する働きをする。拡散バー32は、上部拡散体14と導光膜20との間の空間を提供する光学スペーサーリングと共に提供される。この空間は、導光膜20と拡散バー30との光出射均一性を提供するのに重要である。
【0013】
光源12は多くの種類の発光素子を使用することができる。ラップトップコンピュータおよびより大きなディスプレイに使用される従来のLGPはCCFL(冷陰極蛍光ランプ)を使用してきた。本発明のLGF20は、この厚い種類の光源を使用することができるが、薄い形状の光源、例えば、LEDの線状配列、OLEDの線状配列、または他の線状固体光源と共に使用するのに有利である。
【0014】
図2の透視図は照明装置18におけるLGF20およびその光出射面24の形態を示す。図2に示されるように、光源12は照明を入射端22に向け、この入射端は出射面24に対して実質的に垂直である。離散した光取り出しフィーチャ26は出射面24上、あるいは底面28上に形成されており、その結果、出射面24および底面28のいずれかもしくは双方がパターン形成された面である。後の図面においてより詳細に認められるように、光取り出しフィーチャ26はLGF20の長さ方向Lに沿って寸法的に伸ばされていることができ、長さ方向Lに対して垂直の幅方向Wで、より狭い場合がある。光源12は一般的に長さ方向Lに沿って配置される。光取り出しフィーチャ26は表面24または28にわたって等しい間隔で空間的に分布しうるが;光取り出しフィーチャ26の空間分布、またはサイズまたはピッチは、図2に示されそして後に記載されるように、幅方向Wでの入射端22からの距離に応じて変化する実施形態で有利である場合がある。
【0015】
図3A、3B、3Cおよび3Dは、出射面24または底面28のいずれかであるパターン形成された面上の光取り出しフィーチャ26の様々な配置を断面図において示す。これらの図中の点線は、光取り出しフィーチャ26の挙動を示す様々な典型的な光路を示す。光は、導光技術分野の当業者にはよく知られている原理である全内部反射(TIR)によってLGF20内に向けられる。光取り出しフィーチャ26の一般的な機能は、それらが面24または28から突出しているかまたは面の方に窪んで形成されるかに係わらず、TIRを妨げ、この光をLGF20から外に出すことである。図3Aおよび3Bは、それぞれ表面から突出しているかまたは表面に陥没している、出射面24上に形成される2種類の光取り出しフィーチャ26についての光の挙動を示す。いずれのケースにおいても、内部反射光は、それが光取り出しフィーチャ26の面に衝突すると出射面24から外に向けられる。
【0016】
図3Cおよび3Dは、光取り出しフィーチャ26が底面28上に形成される別の実施形態を示す。光取り出しフィーチャ26を使用して取り出された光を方向変換するために、これらの実施形態については、反射面66が照明装置18(図1および2)の部品として提供される。反射面66は、この光を戻してLGF20を通し、そして出射面24から出すように方向変換する。
【0017】
ここで図4を参照すると、図4は導光膜20および点光源12の透視図を示す。光源12は導光膜20の入射端に沿って配置される。導光膜の下は反射体28であり、反射体28に入射した光を膜14の方に反射する。導光膜20は逐次的にもしくはパターンで配置されて、均一で明るいバックライト照明アセンブリを作り出す。点光源12はバックライト照明アセンブリの照明領域内にある。LCD TV用途のためには、導光膜20の長さLは好ましくは幅Wより大きい。より好ましくは、長さLは導光膜の幅Wよりも10倍以上大きい。
【0018】
図4における光源12は好ましくは、バックライト照明アセンブリがディスプレイ装置のイメージ内容を伴うレジストレーションにおいて局所的に減光されうるように配置される。点光源の局所的減光はLCDの電力消費を低減させると共にLCDのコントラスト比を有意に向上させることを示した。光源12のサブグループを減光することによって、導光膜20の小さな画定された領域が、光源12に供給される電流を変化させることにより劇的に減光されうる。減光される領域のサイズは、減光される点光源の数と導光膜20の幅Wとの関数である。光源12は光を単一の導光膜20に入射させるように配置されうるか、または2つの隣り合う導光膜に光を入射させるように配置されうる。光源は好ましくは、均一な光が導光膜20に入射するのを可能にするようなサイドバイサイドの形態で配置される。
【0019】
光源12は導光膜20の間に分布され配置される。導光膜20の間の光源12の分布は、集中した熱発生点を有するエッジライト型バックライトユニットよりも低い温度勾配をバックライト照明アセンブリにわたって有するバックライトアセンブリを生じさせる。先行技術のエッジ照明型バックライトアセンブリで見いだされるもののような高い温度勾配は、温度勾配からもたらされる熱膨張の違いのせいで光学部品の望ましくない波打ちまたはしわを生じさせる。さらに、エッジ照明型バックライトアセンブリに存在する高い温度勾配は、多くの場合、熱による波打ちおよび座屈(buckling)に耐えるように使用される高価で重い金属フレームを必要とする。
【0020】
L方向に沿った光源12のピッチは導光膜20の望まれる光出射特性の関数である。光取り出しフィーチャ26の密度、ピッチおよびサイズも、導光膜20の望まれる光出射特性の関数である。光取り出しフィーチャのサイズ、位置およびピッチも光源12の光出射特性に関連する。光源12の重要な光学的特徴には、色度、光分布、および照度が挙げられる。一般的に、光取り出しフィーチャ26の密度は、光エネルギーの均一な取り出しを可能にするように、光入射面の反対側よりも光入射面22において低い。
【0021】
さらに、図4を参照すると、本発明の一実施形態においては、導光膜20はL−W面において、光取り出しフィーチャを含まない比較的小さな領域を伴って提供される。L−W面における導光膜20の全領域の約1〜10%であるこの比較的小さな領域は光源12についてのミキシング領域として機能する。このミキシング領域は特に多モード光源、例えば、RGBまたはRGBWまたはRGGBについて重要である。このミキシング領域は、青色染料および黄色蛍光体を含む先行技術の白色LEDよりも高い色域の白色光を作成するための多モード光源のミキシングのための効果的な方法であることが示された。
【0022】
拡散バー30の周囲を囲むようにスペーサーカラーリングが提供される。スペーサーカラーリング30は光学スタンドオフ(optical stand−off)34、拡散バー用開口部38およびアンカーフィーチャ(anchoring feature)36を含む。スペーサーカラーリング(spacer collar ring)32は拡散バー32の長さに沿ってスライドする。拡散バーおよびスペーサーカラーリングの使用はスペーサーカラーリングが精密射出成形され、かつ拡散バーが異形押出されることを可能にする。異形押出はコストが射出成形よりも低く、かつ異形押出はより大きな領域、例えばLCD TVに必要とされる長い連続したセクションに充分に適するので、異形押出は拡散バーセグメントに好ましい。スペーサーカラーリングは、拡散バー用開口部、光学スペーサーおよびアンカーフィーチャを伴って精密射出成形される。異形押出成形された拡散バーを伴う射出成形されたスペーサーカラーリングを含むことにより、生じる光学アセンブリはコストが低く、かつバックライトアセンブリに配置される点光源を拡散させるのに充分に精密である。
【0023】
図5は本発明のバックライトユニットアセンブリの断面図である。図5は、拡散バーおよびカラースペーサーリングと関連しているいくつかの点光源12を示す。拡散体14および反射面66も提供される。カラースペーサーリング30は拡散バー32の長さに沿って配置される。カラースペーサーリング間の間隔は上部拡散体14の曲げ剛性、上部拡散体14の重量、およびバックライトアセンブリの長さ/幅を考慮に入れることにより決定されうる。好ましくは、個々のスペーサーカラーリング間の間隔は30〜100cmである。20cm未満の場合には、スペーサーカラーリングの数がコストに見合わず、120cmを超える場合には、上部拡散体14の何らかの曲がりが起こる場合があり、バックライトアセンブリの輝度均一性を低減させうる。
【0024】
拡散バーは好ましくは結合されなかった光および点光源12から漏れた光の拡散を助ける材料を含む。好ましい材料は、前方散乱コアシェル粒子、ガラスビーズ、非混和性ポリマー、無機散乱材料、例えば、TiOおよびBaSO、シリコーン材料およびゴムコンパウンドを含むリストから選択される。最も好ましくは、拡散バーは前方散乱コアシェル粒子を含むPMMAまたはPCポリマーを含む。コアシェル粒子は、光エネルギーの大部分をアクティブもしくはパッシブディスプレイの方に向けつつ、優れた光拡散特性を提供することが示されている。さらに、拡散バー32は好ましくは、拡散バー32を出る光の色が導光膜20の表面を出るのとほぼ同じ色および光エネルギーを有するように、そのクリップを出る拡散された光の色を変調するために、有機もしくは無機の染料、顔料、または着色剤を含む。拡散バー32からの光出射と導光膜20からの光出射との間の大きな色差は人の目によって検出される望ましくない視認パターンを生じさせるであろう。色差はCIE色座標で測定されうる。色差は拡散体またはプリズム膜のような後の段階の光学部品でも変調されうる。
【0025】
拡散バーは1000nmを超えるRaを有する粗いものでありうる。平均荒さまたはRaの用語は、ポリマー塗膜におけるビーズ間のピークから谷までの高さの平均を意味し、プロファイロメーターによって測定され、結果はマイクロメートルで表される。用語Raは所定の領域もしくは光学部品の表面領域上の平均粗さを特徴付けるために使用される。粗いスペーサーバーはそのバーの拡散効率を向上させる。あるいは、スペーサーバーは場合によっては500nm未満のRaを有する光学的に滑らかなものでありうる。滑らかなスペーサーバーは、バックライトアセンブリにおける後での反射中に、結合されていない光エネルギーをミキシングする入射光エネルギーの幾分かの反射を可能にする。
【0026】
図6はスペーサーカラーリング30の透視図である。スペーサーカラーリングは光学スペーサー34、拡散バー用開口部38、および一体型アンカーフィーチャ36を伴って提供される。拡散バー用開口部38は好ましくは、スペーサーカラーリングが拡散バーの長さを「スライド」するかまたは移動することができるように、拡散バーの形状に適合する。スペーサーカラーリング30は好ましくは射出成形され、よって光学スペーサー34およびアンカーフィーチャ36はこのスペーサーカラーリングに一体化される。アンカーフィーチャ36はスペーサーカラーリングが面または構造に結合されうるあらゆるフィーチャである。好ましいアンカーフィーチャの例には、ねじ穴と対になるネジ型アンカーフィーチャ、表面と磁気的に対になる磁気アンカーフィーチャ、スルーホールと加圧適合するアンカーフィーチャ、およびスルーホールと対になり、アンカーフィーチャ36の先端に位置するピラミッド型構造でロックされる図6に示されるようなロック型アンカーフィーチャが挙げられる。アンカーフィーチャは拡散バーが配置され、裏当て(backing)面に固定されるのを可能にする。アンカーフィーチャは、バックライト膜の部品の一体性を維持し、かつ製造および輸送中に遭遇する振動によるバックライトアセンブリの損傷を低減させるのを助けることも可能にする。
【0027】
図7は好ましい拡散バー形状32の断面図である。拡散バー32は、平坦な部分で終了する2つの対向する斜面を有する。この斜面は点光源からの入射光エネルギーの光の方向変換のための手段を提供する。
【0028】
図8は好ましい拡散バー形状32の断面図である。拡散バー32は、小さな平坦な部分で終了する2つの対向する斜面を有する。この斜面は点光源からの入射光エネルギーの光の低減のための手段を提供する。
【0029】
図9は好ましい拡散バー形状32の断面図である。拡散バー32は、拡散バー32の頂部で丸まった端を有する2つの対向する曲面を有し、この曲面は入射光エネルギーを方向変換する。拡散バー32のこの曲面および丸められた角は拡散部分が入射光エネルギーを方向変換しかつ拡散させることを可能にする。さらに、拡散部分における丸められた角は、角における光の透過を「和らげ」、拡散バー32の光出射と導光膜の光出射との間の照度の変化を低減する。
【0030】
図10は好ましい拡散バー形状32の断面図である。拡散バー32は、入射光エネルギーを方向変換する2つの対向する曲面を有する。この二つの曲面は図10においては平坦な部分で終了する。
【0031】
使用される材料
LGF20は、ポリカルボナート、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、またはポリメタクリル酸メチル(PMMA)をはじめとするが、これに限定されない様々な種類の透明材料から形成されうる。
【0032】
拡散バーおよびスペーサーカラーリングは、ポリカルボナート、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカルボナート、ポリスルホンまたはポリプロピレンをはじめとするが、これに限定されない様々なポリマー材料から形成されうる。スペーサーカラーリングおよび拡散バーは同じ材料で作られていて良く、または異なる材料組成を有していても良い。
【0033】
導光膜のパターン形成される面上に形成されるフィーチャはLCDおよび他の種類のバックライトディスプレイのために、特に小さなディスプレイおよび持ち運び可能な装置のために照明を提供するのを助ける。本発明の実施形態は1mm以下の厚みで製造されうる導光膜を提供する。これは特にLED、OLEDまたはレーザーアレイおよび他の線状固体光アレイと共に使用するのに特に有利である本発明のLGFを製造する。
【0034】
本発明の拡散バーは好ましくは異形押出として知られるプロセスを用いて製造される。このプロセスは連続断面を有するプラスチック製品、例えば、飲み物を飲むためのストロー、ポリマーガスケット、装飾成形、ウィンドウトリミング、およびポリマー溶融物が高圧下で中空成形キャビティーに入れられる様々な他の製品を製造するのに使用される。
【0035】
望まれるポリマーは機械ホッパー(この機械は押出機として知られている)にペレット形態で供給され、この材料は回転するスクリューによって、加熱されたバレルの内側で連続的に前方に運ばれ、摩擦および熱の双方によって柔らかくされる。次いで、柔らかくされたポリマーはダイを通って出て、冷水に直接入れられ、そこで製品が固化する。ここから、それは前方のテイクオフローラーに運ばれ、このテイクオフローラーは実際には、柔らかくされたプラスチックをダイから引っ張るように働く。
【0036】
このダイは押出機の末端に配置された金属プレートであり、その内部の切り抜き部分を有し、この切り抜きおよびテイクオフローラーの速度が、製造される製品の断面を決定する。管の末端における開口のせいで製品は固体棒状で現れ、その開口が製造される製品とは異なる断面を有していた場合には、その新たな断面を持つこととなるであろう。基本的に、押出は材料をダイオリフィスに通過させるとして定義されうる。このダイオリフィスは最終製品の最終的な形状をもたらす。
【0037】
本発明は導光膜の使用に関するが、拡散バーおよびスペーサーカラーリングは導光板と共に使用されることもできることが認識される。導光板は点光源を拡散させるために使用され、概して1.0mmを超える厚みを有する導波ポリマー板として定義される。
【符号の説明】
【0038】
10 ディスプレイ装置
12 光源
14 上部拡散膜
16 空間光変調器
18 バックライト照明アセンブリ
20 導光膜(LGF)
22 入射端
24 光出射出射面
26 光取り出しフィーチャ
28 底面
30 スペーサーカラーリング
32 拡散バー
34 光学スペーサー
36 アンカーフィーチャ
38 拡散バー用開口部
66 反射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点光源を提供するための複数の固体光源;
点光源を光の均一な面に方向変換し広げるための、複数の固体光源間に提供される、光方向変換領域を有する複数の導光膜;
前記固体光源を覆う少なくとも1つのポリマー拡散バー;並びに、
光学スペーサー、カラーセクションおよびアンカーフィーチャを含むスペーサーカラーリング;を含み、
前記スペーサーカラーリングが前記拡散バーの周囲を囲むように配置されている;
LCDディスプレイのための一体型バックライト照明アセンブリ。
【請求項2】
拡散バーおよびスペーサーカラーリングがポリカルボナート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ウレタン、ポリプロピレン、ポリスルホンおよびナイロンから選択される材料を含む、請求項1に記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項3】
拡散バーの熱膨張係数がスペーサーカラーリングの熱膨張係数よりも少なくとも0.2%大きい、請求項1に記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項4】
スペーサーカラーリングが500マイクロメートルの長さで測定して少なくとも5%の光透過率を有する、請求項1に記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項5】
スペーサーカラーリングが白色で反射性である、請求項1に記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項6】
スペーサーカラーリングが白色で半透明である、請求項1に記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項7】
拡散バーがポリマーコアシェル粒子を含む、請求項1に記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項8】
スペーサーカラーリングが拡散バーの形状と実質的に同じ貫通形状を有する、請求項1に記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項9】
個々の前記スペーサーカラーリング間の距離が1〜100cmである、請求項1に記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項10】
拡散バーが青色染料または顔料を含む請求項1に記載のバックライト照明アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−210726(P2011−210726A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−73652(P2011−73652)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(508330870)エスケーシー・ハース・ディスプレイ・フィルムズ・カンパニー,リミテッド (31)
【Fターム(参考)】