スポットライト及び物体を照明するための方法
スポットライト及び物体を照明するための方法である。いくつかの実施形態は、異なる発光スペクトルを有する少なくとも2つの発光ダイオードをそれぞれが備えている複数個の発光ダイオードモジュールと、光混合部であって、各光混合部がその片側において該当のLEDモジュールと協働するように配置され、各光混合部が該当のLEDモジュールの前記少なくとも2つのLEDの異なる発光スペクトルを混合して光ビームを形成するように構成され、該光混合部の他方の側に位置する出口面が、前記光ビームによって複合光ビームが形成されるように互いに隣接して行列に配置されている光混合部と、前記複合光ビームを集束させる集束光学系と、を備えるスポットライトを提示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スポットライトとそのようなスポットライトで物体を照明する方法に関する。本発明の技術分野は、光学分野全般に関し、特に、例えば物体、人間又は舞台装置を照明するために舞台照明として使用されるスポットライトに関する。そのようなスポットライトは、例えば、劇場又はダンスホールなどでの特定の催しにおいて、照明用に又は特別な光学的効果を生み出すために使用することができる。本発明のさらなる実施形態は、そのようなスポットライトの光ビームのサイズ、色、強さ及び組成の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
高出力の発光ダイオード(LED)は、照明の目的全般に使用することができ、例えばスポットライト、舞台照明、交通照明及び信号、自動車の制動灯などにも使用することができる。種々のLEDの放射スペクトルを重ね合わせ、観察者に知覚される色を変えることができる。種々のLEDの放射スペクトルを混ぜ合わせることにより、可視のスペクトル範囲(700nm〜400nmの波長)の各色を含む光ビームを生成することができる。可視のスペクトル範囲には、赤色、緑色及び青色の放射スペクトルの重ね合わせで得ることのできる白色スペクトルを含む。
【0003】
舞台の照明又は他の催しのために、可能な光学的効果に関して柔軟かつ可変なスポットライトを有することが望ましい。このことは、例えば、スポットライトは、光ビームの色と強さだけでなく、スポットライトビームのサイズと形状も変化させることができなければならないことを意味する。さらに、スポットライトは、電力の消費に関して効率的でなければならず、制御が容易でなければならない。それ故、放射される光ビームの強さ、色、サイズ及び形状を別々に変化させるように構成されたスポットライトが必要とされている。
【0004】
この技術的課題は、可変の複合(common)光ビームを発するように構成された請求項1に記載のスポットライトを提供する本発明の実施形態によって解決される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態によれば、本発明のスポットライトは、異なる発光スペクトルの発光ダイオード(LED)を備えた複数の発光ダイオード(LED)モジュールを備えており、各LEDモジュールに割り当てられた光混合部がそれぞれのLEDモジュールのLEDの異なる発光スペクトルを混合して光ビームを形成するように構成され、それらの光混合部の別々の光ビームによってスポットライトの複合光ビームが形成される。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、そのようなスポットライトで物体を照明する方法を記述している。
【0006】
添付の図1から6を参照し、スポットライトについて実施形態と物体の照明方法についての実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施形態によるスポットライトの概略断面図を示している。
【図2】電気制御ユニットを備えた本発明の別の実施形態によるスポットライトの断面図を示している。
【図3A】複合光ビームを形成する4つのLEDモジュールを備えた一実施形態によるスポットライトの概略斜視図を示している。
【図3B】電気制御回路用の電気端子を各々が備えている一実施形態による4つのLEDモジュールの概略図を示している。
【図3C】互いに隣接して配置された一実施形態による4つのLEDモジュールの概略上面図を示している。
【図3D】本発明の一実施形態による光混合部の概略斜視図を示している。
【図3E】本発明の一実施形態による光混合部の寸法入りの概略側面図を示している。
【図4A】複合光ビームの光路において移動可能である調節式の開口を備えているスポットライトの概略側面図を示している。
【図4B】対物レンズ及び移動可能なズームレンズを備えている本発明の一実施形態によるスポットライトの概略側面図を示している。
【図4C】複合光ビームの光路にビーム成形散光器を備えているスポットライトの概略側面図である。
【図4D】互いの距離を同一保って複合光ビームの光路方向に沿って動かされるズームレンズとビーム成形散光器を備えているスポットライトの概略側面図を示している。
【図4E】本発明の一実施形態によるハウジング内のスポットライトの概略側面図を示している。
【図4F】光を出力するための本発明の別の実施形態による装置の概略側面図を示している。
【図5】個々のスポットライトの複合光ビームにもとづいて複合の投影72を被投影領域へと投影するための複数のスポットライトを備えた照明システムの概略図を示している。
【図6】スポットライトによって物体を照明する本発明の一実施形態による方法のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態の以下の説明に関して、簡単化の理由のために、明細書の全体を通して、機能的に同一であり、類似の作用を有し、又は機能的に等しい等価な構成要素もしくは段階について、異なる図であっても同じ参照番号が使用されることに注意すべきである。
【0009】
図1にスポットライト50の概略が示されている。スポットライト50は発光ダイオード(LED)モジュール2a、2bを備えており、各々のLEDモジュールは異なる発光スペクトルR、G、Bを有する少なくとも2つの発光ダイオード4a、4bを備えている。スポットライトはハウジング(図1には示されていない)内に配置することができる。さらに、スポットライト50は光混合部6a、6bを備えており、光混合部6a、6bの各々は光混合部6a、6bの片側5において該当のLEDモジュール2a、2bと協働するように構成されている。光混合部6a、6bの各々は、該当のLEDモジュール2a、2bの少なくとも2つのLED4a、4bの異なる発光スペクトルR、G、Bを混合して、光ビーム8a、8bを形成するように構成されており、光混合部6a、6bの反対側の出口面10は、光混合部6a、6bの光ビーム8a、8bによって複合光ビーム20が形成されるよう、互いに隣接して行列に配置されている。さらに、スポットライト50は、複合光ビーム20を集束させるための集束光学系15を備えている。
【0010】
LEDモジュール2a、2bには保護用及び取り付け用のケーシングつきのLED4a、4bが取りつけられている。LEDモジュールのLEDは、可視のスペクトル範囲(波長:750nm〜350nm)の種々の発光スペクトルを有することができる。第1のLEDモジュール2aの第1のLED4aは、例えば、赤色R又は赤色光を意味する赤色の発光スペクトルを放射することができる。第1のLEDモジュール2aの第2のLED4bは、例えば緑色の発光スペクトル、すなわち緑色G又は緑色光を放射することができる。第2のLEDモジュール2bの第1のLED4aは例えば青色の光又は発光スペクトルBを放射することができ、第2のLEDモジュール2bの第2のLED4bは例えば再び赤色光Rを放射することができる。
【0011】
本発明の他の実施形態においては、LEDは動作時に他の発光スペクトル、例えば白色の放射スペクトル又は琥珀色のスペクトルなど、を有していてもよい。一般に、可視のスペクトル範囲に放射スペクトルを有するLEDの任意の組み合わせを使用することができる。LEDモジュールは複数のLEDを備えることができる。LEDは、1ワットを超える出力、例えば1ワット〜10ワットの間の出力、の連続使用が可能な高出力の発光ダイオードとすることができる。そのような高出力LEDの動作時の電流の消費は、例えば0.5A〜25Aの間、例えば1A〜5Aの間とすることができる。
【0012】
光混合部6a、6bは片側5において該当のLEDモジュール2a、2bと協働するように配置されている。LEDモジュールは、LEDモジュールの動作時にLEDから発せられる光の多くの部分が該当の光混合部に集められるように、光混合部の片側5に近接して配置されている。本発明のいくつかの実施形態によれば、集められる光の割合(放射される光子に対する集められる光子の割合)が最大98%にのぼることができる。他の実施形態においては、この割合は75%〜95%の間とすることができる。高い集光効率を達成するために、LEDモジュール2a、2bは、例えば接着層によって光混合部6a、6bへ取り付けることができ、又は該当の光混合部6a、6bの片側5から例えば3mm未満もしくは1mm未満の距離に配置することができる。
【0013】
光混合部6a、6bは、該当のLEDモジュール2a、2bのLED4a、4bの異なる発光スペクトルR、G、Bを混合して光ビーム8a、8bを形成するように構成されている。放射スペクトルの混合は加法的な方法で実行することができる。光ビーム8aは、例えば、第1のLEDモジュール2aのLED4aの赤色の放射スペクトルとLED4bの緑色の放射スペクトルとの重ね合わせである黄色の放射スペクトルを有することができる。この実施形態において、第2の光ビーム8bは、例えば、第2のLEDモジュール2bの第1のLED4aの青色の放射スペクトルと第2のLED4bの赤色の放射スペクトルとの重ね合わせにもとづくマゼンタ色の放射スペクトルを有する。
【0014】
光混合部6a、6bは、それぞれの光混合部に割り当てられたLEDモジュールの個々のLED4a、4bの発光スペクトルを混合するように構成されている。LEDによって発せられる光の混合は、光混合部6a、6bにおけるLED4a、4bの放射スペクトルの光学的な重ね合わせによって達成される。光混合部6a、6bのLEDモジュール2a、2bまでの距離、ならびにLED4a、4bのお互いに対するサイズ及び相対距離に応じて、混合後の光ビームの混合の程度が変化する。100%の混合度は完全に混合された光に相当する。完全に混合された光は、例えば、赤色及び琥珀色のLED放射スペクトルによって生成される一様なオレンジ色の光ビームの知覚を意味する。放射される光の混合の程度は、スポットライト動作の際にそれぞれのLEDへ加えられる電圧によって制御することができる。例えば、第1のモジュール2aのLED4aがオフにされ、第2のLED4bだけがオンにされて緑色の放射スペクトルを発する場合、光ビーム8aはLED4bの緑色の放射スペクトルだけを含む。例えば、LED4aへ加えられる電圧がLEDのしきい値電圧よりも高くなると赤色光が放射され、その結果、重ね合わせられた光ビーム8aがLED4aの赤色の放射スペクトル部分を含むことになる。観察者が、赤色スペクトルの強さに応じて、光ビーム8aを黄色のような色として知覚することができる。
【0015】
光混合部6a、6bを±5°の範囲内で平行に配置し、光混合部6a、6bの出口面10を互いに隣接させて行列、列又はアレイに配置することができ、その構成で光混合部6a、6bの光ビーム8a、8bが複合光ビーム20を形成する。
【0016】
光混合部6a、6bは、光混合部6a、6bの片側5から光混合部6a、6bの反対側の出口面10へと断面積が増加する構造体として形成することができる、いわゆる光パイプ又は光ガイドとすることができる。光混合部は、例えば円錐形、放物線状、双曲線状、ピラミッド状又は増加する断面積を有する何らかの他の幾何学的な形態など、テーパ状の形態をもつことができる。他の実施形態によれば、光混合部はテーパ状でない形態をもつことができる。
【0017】
光混合部の断面は、例えば正方形などの矩形又は円形とすることができる。光混合部6a、6bの内側部分は中空とすることができ、その場合、光混合部6a、6bの壁は、壁による光の吸収を防止し、ビームの成形及び色の混合をよくするために、高反射性とすることができる。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、光混合部6a、6bの壁を反射層で覆うことができ、又は鏡面にすることができる。光混合部を、LEDからの入射光を加法的に混合するように構成するとともに、放射された光子を集め、かつ光混合部の壁における全反射によって放射された光子が逃げ出さないようにすることで、放射された光の損失を最小限にするように構成することができる。
【0019】
別の実施形態によれば、光混合部の壁又は壁の一部を、例えばリン光体のコーティングによって光学的に活性にすることができる。反射コーティング又は鏡面にされた内面は、光混合部の所望のレベルの反射率をもたらすことができる。反射コーティングは、例えば保護用のアルミニウム又は保護用の銀など、高反射材料で製作することができる。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、光混合部6a、6bの壁は、空気の屈折率よりも高い屈折率、すなわち1よりも大きい屈折率を有する材料で製作される。これにより、光ビームを入射角に応じて光混合部において全反射させることができ、したがってスポットライトの効率を高めることができる。光混合部は中実又は中空の材料で製作することができる。光混合部6a、6bの形成に使用される材料としては、例えば、紫外線透過(UVT)アクリル又はアクリル(PMMA)、ガラス、ポリカーボネート、パースペックス(Perspex)、又は他の任意のプラスチック材料を挙げることができる。空気の屈折率に関し、光混合部の屈折率が高くなるように、光混合部を加圧ガスで満たしてもよい。
【0021】
個々の光ビーム8a、8bによって形成された複合光ビーム20は、投影スクリーン又は物体へ投影される前に集束光学系15を通過する。集束光学系は、少なくとも1つのレンズ又はレンズシステムを備えることができる。レンズ又はレンズシステムは、凹面、凸面、対物レンズ、ズームレンズ、又は複合光ビームの操作に適した他の光学素子を備えることができる。集束光学系15は、動作時に光混合部の光出力を投影スクリーン又は物体上に結像させるように、構成することができる。レンズ又はレンズシステムは、複合光ビームについて発散性又は集光性を有することができる。複合光ビームを集束光学系15によって屈折させてもよく、又は回折させてもよい。
【0022】
図2は、図1に関連して説明したとおりのスポットライト50の概略断面図を示している。スポットライト50は発光ダイオードモジュール2a、2bを備えており、各々のLEDモジュールは2つの発光ダイオード4a、4bを備えている。光混合部6a、6bは平行に配置されており、光混合部6a、6bの出口面10は互いに隣接してアレイ又は行列に配置されている。その結果、それぞれの混合されたLEDスペクトルの光ビーム8a、8bが一緒になり、複合光ビーム20を形成する。光ビームの出口面10は、互いに触れてもよく、又は互いに離れて配置されていてもよい。出口面の縁の間の距離は0mm〜3mmの間とすることができる。光混合部の出口面の少なくとも一辺を他の光混合部の出口面に接続するために、接着層又は接着剤を使用することができる。
【0023】
図2に示した実施形態において、スポットライト50は、各々のLEDモジュール2a、2bの各々のLED4a、4bに電気的に接続された電気制御回路25を備えることができる。電気制御回路25は、各々のLEDモジュールの少なくとも2つのLED4a、4bの異なる発光スペクトルR、G、R、Bを制御するように構成されている。電気制御回路25は、複合光ビーム20が色と強さに関して別々に調節することができる光ビーム20a、20bを含むように、各々のLEDモジュール2a、2bの光ビーム8a、8bの強さ及び/又は色を別々に変化させるように構成することができる。
【0024】
電気制御回路25は、各々のLEDの電流−電圧曲線を制御するように構成されている。すなわち、例えば第一のLED4aへ加えられる電圧が高いほど、赤色の放射スペクトルRの強さが第2のLED4bの緑色の放射スペクトルGの強さと比べて強くなり、結果として、混合後の光ビーム8aは第1のLED4aの赤色の放射スペクトルをより高い割合で含むことができる。
【0025】
複合光ビーム20は、第1の混合部6aの第1のLED4a及び第2のLED4bの発光スペクトルの重ね合わせによって決定される色で構成される第1の部分20aを含むことができる。さらに、複合光ビーム20は、第2のモジュール2bの第1のLED4a及び第2のLED4bの発光スペクトルの重ね合わせによって決定される色を含む第2の部分20bを含むことができる。
【0026】
電気制御回路25はスポットライトに一体化させることができ、又は他の実施形態によれば、電気制御回路を外部に配置し、LEDモジュール2aの電気端子14及びLEDモジュール2bの電気端子14へ接続してもよい。
【0027】
電気制御回路25は、複合光ビーム20が多色モードの第1の状態において第1の色を含み、第2の状態において第2の色を含むように、LEDモジュール2a、2bの少なくとも2つのLED4a、4bの異なる発光スペクトルを制御するように構成することができる。
【0028】
多色モード(multi-color mode)において、電気制御回路は、光ビーム8a及び8bが同じ色又は放射スペクトルを有し、したがって複合光ビーム20が第1の色に光る一様な色のビームであるように、スポットライトを制御することができる。別の状態においては、複合光ビームのこの色を変更することができる。例えば、多色モードの第1の状態において複合光ビーム20が赤色を有することができ、多色モードの第2の状態において複合光ビーム20が青色を有することができる。電気制御回路は、該当の光ビーム8aと8bが同じ混合後の発光スペクトルを有し、したがって複合光ビーム20も同じ一様な発光スペクトルを有するように、各々のLEDモジュールの各々のLEDを制御するように構成することができる。
【0029】
他の実施形態によれば、電気制御回路25は、色パッチモード(color patch mode)において第1のLEDモジュール2aの第1の光ビーム8aが第1の色を含み、第2のLEDモジュール2bの第2の光ビーム8bが第2の色を含むように、LEDモジュール2a、2bの少なくとも2つのLED4a、4bの異なる発光スペクトルを制御するように構成される。その結果、複合光ビーム20は、第1の色の第1の部分20aと、第2の色の第2の部分20bとを含む。複合光ビーム20の第1の部分20a及び第2の部分20aの強さ及び/又は色温度は、電気制御回路によって別々に調節可能である。
【0030】
カラーパッチモードにおいては、複合光ビーム20を、一体となって複合光ビーム20を形成する別々の光ビーム8a、8bで構成することができる。その場合、光ビーム8aと8bは異なる色で光る。これは、それらが異なる放射スペクトルを有することを意味し、正確な放射スペクトルはそれぞれのLEDモジュール2a、2bの該当するLED4a、4bの電流−電圧制御に応じて決まる。
【0031】
図3Aは、4つのLEDモジュール2a、2b、2c及び2dを備え、各々のLEDモジュールが4つのLED4a、4b、4c及び4dを備えているスポットライト50の概略斜視図を示している。各LEDモジュール2a、2b、2c及び2dに光混合部6a、6b、6c及び6dがそれぞれ割り当てられており、光混合部の出口面10は、該当の光ビーム8a、8b、8c及び8dが例えば正方形などの矩形の形状を有するように、例えば正方形などの矩形である。結果として、複合光ビーム20も、例えば正方形などの矩形の形状を有する。光混合部の出口面10が矩形であるために、光ビーム8a、8b、8c及び8dは矩形の複合光ビーム20を形成する。
【0032】
光混合部6a、6b、6c及び6dは2×2の行列に配置されており、矩形の複合光ビーム20は4つの光混合部6a、6b、6c及び6dの4つの光ビーム8a、8b、8c及び8dによって形成され、光混合部へ割り当てられた各LEDモジュール2a、2b、2c及び2dは4つのLED4a、4b、4c及び4dを備えている。一般に、スポットライトは、LEDモジュールが割り当てられた光混合部のn×mの行列を備えることができる。ここでn=2、3、4、・・・であり、m=1、2、3、・・・である。
【0033】
動作の際に、第1のLED4aが赤色の発光スペクトルRを有することができ、第2のLED4bが緑色の発光スペクトルGを有することができる。動作の際に、第3のLED4cが青色の発光スペクトルBを有することができ、第4のLED4dが白色の発光スペクトルW又は琥珀色の発光スペクトルAを有することができる。ここで、電気制御回路(図3Aには示されていない)は、LEDモジュールの各々のLED4a、4b、4c、4dを制御し、該当の光混合部によってLED4a、4b、4c及び4dの個々の放射スペクトルの加法混色又は重ね合わせによって可視のスペクトル範囲の各色を生成するように使用することができる。
【0034】
光混合部6a、6b、6c及び6dの出口面10が矩形であるため、光ビーム20が矩形の形状を有することができ、矩形の複合光ビーム20の投影スクリーンへの投影もやはり矩形の形状を有することができ、すなわち複合光ビームが矩形のスポットを有する。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、電気制御回路25は、多色モードの第1の状態において放射される各々の光ビーム8a、8b、8c及び8dが同じ色を有し、すなわち同じ混合放射スペクトルを有するように、異なるLEDモジュール2a、2b、2c及び2dの異なるLEDを制御するように構成することができる。したがって、複合光ビーム20及びその投影スクリーンへの投影は矩形の一様な色のスポットである。第2の状態においては、電気制御回路は、複合光ビーム20及び複合光ビームの投影スポットが別の第2の色で光るように複合光ビームの色を変更することができる。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、電気制御回路は、各光ビーム8a、8b、8c及び8dが該当のLEDの発光スペクトルの混合にもとづいて異なる色を有することができるように、個々の各LEDモジュール2a、2b、2c及び2dのLEDを制御するように構成することもできる。その結果として、複合光ビーム20は、異なる色、強さ、及び/又は色温度を有する異なる光ビーム又は部分20a、20b、20c、20dで構成することができる。その結果として、そのような複合光ビーム20のそれぞれの光スポットは、異なる別々の色を有するであろう。
【0037】
色パッチモードにおいて、複合光ビーム20は、例えば白色の第1の部分20a、オレンジ色の第2の部分20b、緑色の第3の部分20c、及び紫色の第4の部分20dを含むことができる。複合光ビーム20の各部分20a、20b、20c、20dの強さ、色及び色温度は電気制御回路によって個別に制御することができる。複合光ビーム20が例えば矩形の形状を有する場合、個別の調節可能な色及び明るさを複合光ビームの各々の4分の一部分に割り当てることができる。
【0038】
図3Bは、4つのLEDモジュール2a、2b、2c及び2dの詳細な概念図を示している。各LEDモジュールは矩形であり、4つの側壁3a、3b、3c及び3dのうちの1つに、電気制御回路25(図3Bには示されていない)をLEDモジュールへ接続するための電気端子14を備えている。LEDモジュール2a、2b、2、及び2dは互いに隣接して配置され、組み合わせによる矩形18(図3Cを参照)を形成している。LEDモジュールの側壁の間の距離Dは3mm未満又は1mm未満とすることができる。LEDモジュールは互いに接触していてもよい。いくつかの実施形態によれば、各LEDモジュールの2つの側壁が他の2つのLEDモジュールの側壁に接触している。
【0039】
図3Cに、4つの正方形のLEDモジュール2a、2b、2c及び2dの概略上面図が示されている。各LEDモジュールは4つのLED4a、4b、4c及び4dを備えることができる。LEDモジュールは互いに隣接して配置され、組み合わせによる矩形18を形成している。各LEDモジュールは電気制御回路25へ接続できるように電気端子14を備えている。4つのLEDモジュール2a、2b、2c及び2dの配置は、組み合わせによる矩形の各辺18a、18b、18c及び18dに4つのLEDモジュールのそれぞれの電気端子14が配置されるようになされている。この配置により、各LEDモジュールを電気制御回路へ容易に接続することができる。各LEDモジュールは電気プラグ及び電気ケーブルによって外部の電気制御回路へ接続することができる。
【0040】
図3Dに光混合部6の斜視図が示されている。この実施形態によれば、光混合部は、光混合部6の一端5から出発して出口面10まで増加する断面積を有しているテーパ状の形態を備えている。この実施形態においては、光混合部6はピラミッド状の形態を備えており、光混合部を行列状(図3Aを参照)に互いに容易に取り付けることができるように、出口面10は直線部分10aを備えている。光混合部6は、光混合部6の出口面10を通過する光を混合するように構成された混合構造26として機能することができる小型レンズ(lenslet)26をさらに備えることができる。小型レンズは、光混合部6の出口面10を通過する光を混合するために使用される複数のレンズ造作(lens features)を有する散光器(diffuser)として形成することができる。
【0041】
図3Eに光混合部6の側面図が示されている。この実施形態によれば、光混合部は出口面10の直線部分10aを含んで135mmの長さを有している。光混合部6のテーパ状部の長さは、この実施形態においては125mmである。光混合部の一端5の幅は、9.5mmである。他の実施形態によれば、この寸法は、当然ながら、さまざまであってよい。例えば、光混合部の長さは、10mm〜500mmの間とすることができる。LEDモジュールに取り付けられ、又はLEDモジュールに近接する光混合部6の端部5の幅は、2mm〜30mmの間とすることができる。出口面10の幅は33mmであってよいが、他の実施形態によれば、出口面10の幅は5mm〜100mmの間とすることができる。混合構造26は、結合材料(例えば、シリコン−エラストマなどの接着剤)によって光混合部へ取り付けることができる。
【0042】
図4Aに、少なくとも2つのLED4a及び4bを有するLEDモジュール2a及び2bを備えているスポットライト50の概略断面図が示されている。光混合部6a及び6bの前方に、調節式のレンズ開口28が配置されている。開口28は、開口駆動部30によって複合光ビーム20の光路32の外へ移動することができる。開口駆動部30は、開口28を回転30bさせて光路32に出し入れするように、構成することができる。開口28の焦点開口は拡大化又は最小化の方向に連続的に変化することができる。
【0043】
別の実施形態によれば、開口駆動部30は、開口28を光混合部6a、6bの出口面10の前方に直線的に出し入れ30aするように、構成することができる。調節式のレンズ開口28は、例えば、光ビームの断面を調節できるように焦点開口を手動又は自動で変更することができる絞り調節式のレンズとすることができる。例えば、光混合部の出口面10が矩形であり、したがって複合光ビーム20も矩形である場合、複合光ビーム20の矩形の形状を円形の形状に変更するために、円形の開口28を使用することができる。円形の複合光ビーム20において、その断面は絞り開口によって連続的に変更することができる。
【0044】
矩形の複合光ビーム20の形状は、観察者にとって、集束させられた状態において矩形又は正方形であることができ、集束させられていない状態においてより円形であることができる。なぜならば、集束していないビームは縁の方が光が弱くなるからである。集束させられた円形の複合光ビームは、光パイプ又は光混合部6の出口面10の背後に大きな絞り開口を直接取り付けることにより得ることができる。この絞り開口は、穴の直径が光混合部の行列の正方形の長さに相当するように開くことができる。円形の複合光ビームを形成するために開口を使用することで、光の損失につながる可能性があるが、利点として、光の出力の全体を正方形の光ビームへ利用することができる。集束光学系15は、スポットライト50の光軸32に対して配置することができる。
【0045】
図4Bに、スポットライトの集束光学系15を形成するズームレンズ15a及び対物レンズ15bを有しているスポットライト50の概略側面図が示されている。ズームレンズ15a及び対物レンズ15bは、中心がスポットライト50の光軸32上にくるように配置されている。ズームレンズ15aは、光混合部6a、6bの出口面10と対物レンズ15bとの間を移動29することができる。スポットライト50は、ズームレンズを出口面10とスポットライトの対物レンズ15bとの間で直線的に移動させるように構成されたレンズ駆動部40を備えることができる。スポットライトは、ズームレンズを回転40aさせるように構成され、又はズームレンズ15aをスポットライト50の光路32に直線的に出し入れ40bするように構成されたズームレンズ駆動部40を備えることができる。ズームレンズ15aは、複合光ビーム20を投影スクリーン(図4Bには示されていない)上に集束させ、又は集束させないように構成することができる。出口面10と対物レンズ15bとの間の距離に応じて、スポットライト50の焦点を変化させることができる。ズームレンズ15aの移動は、手動で実行することができ、又は例えば電気モータによって自動的な方法で行うことができる。ズームレンズは、両凸、平凸又は凹凸レンズとすることができる。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、集束光学系15は複数のレンズを備えることができ、それらのレンズを、複合光ビームを集束させ又は集束させないように、出口面10と対物レンズ15bとの間で移動させることができる。光学レンズシステム15は、例えば両凹、平凹又は凸凹レンズなどの発散レンズを備えてもよい。
【0047】
図4Cに、スポットライト50の別の概略側面図が示されている。この実施形態においては、スポットライト50は、光混合部6a、6bの出口面10と集束光学系15の対物レンズ15bとの間を複合光ビーム20の光路方向29に沿って移動可能なビーム成形散光器(beam shaping diffuser)35aをさらに備えている。
【0048】
ビーム成形散光器は、Luminit社のビーム成形散光器ホイル(foil)とすることができる。そのようなビーム成形散光器ホイルは、入射光の波長に依存する高い透過率を有している。透過率は98%まで可能であり、例えば80%〜95%の間とすることができる。ビーム成形散光器35aは後方散乱を少なくすることができ、通常であればフレネル損失によって無駄になる光を利用することができる。ビーム成形散光器は、入射光を好ましい方向に屈折させ、垂直な方向又は平面の屈折をより小さくするように、特定の構造をもった小型レンズを表面に備えることができる。
【0049】
別の実施形態によれば、ビーム成形散光器35bが、集束光学系15のズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間に配置される。ビーム成形散光器30bは、ズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間で移動可能である。ビーム成形散光器35a、35bは、複数の小さなレンズのように機能する凹凸を片面に備えることができる。ビーム成形散光器35a、35bは、一方の面に凹凸を有し、他方の面が平滑になっているホイルとすることができる。凹凸が特定の形状をもつ場合、通過する光ビームの方向を屈折により光学的な好ましい方向に定めることができる。
【0050】
ビーム成形散光器は、光ビームの形状を精密に制御し、光を分布させるように構成することができる。さらに、ビーム成形散光器35aは、光ビームを垂直方向の角度と水平方向の角度に別々に成形するように構成することができる。そのようなビーム成形散光器としては、楕円形又は円形のビーム成形散光器を用いることができ、屈折させられた光の水平方向の角度を0.1°〜95°の間で変え、垂直方向の角度を0.1°〜95°の間で変えることができる。ここで、例えば1°×60°の固定の楕円形の垂直及び水平方向の散乱角を有するそのようなビーム成形ホイルが、出口面10から光路32に沿って対物レンズ15bの方向に動かされる場合、複合光ビーム20を最大95°の角度まで可変にひずませることができる。これは、ビーム成形散光器35aが、光路32において出口面10から対物レンズ50bへと動かされるときに、複合光ビームを出口面とビーム成形散光器35aとの間の距離に応じて大きな範囲の角度に屈折させることができることを意味している。
【0051】
光混合部6a、6bの出口面10と対物レンズ15bとの間を移動可能なビーム成形散光器35aは、光混合部6a、6bの出口面10とビーム成形散光器35aとの間の距離に応じて複合光ビーム20の幅に対する高さの比を連続的に変化させるように構成されている。ビーム成形散光器は、入射光ビームを1つの好ましい平面又は方向に、この平面又は方向に垂直な方向と比べてより強く屈折させるように構成することができる。その結果として、円形の光ビームの形状を、細長いより楕円形の光ビームにすることができる。そのようなビーム成形素子は、片面において平滑であり、他方の面に半円柱レンズの領域を備えているさざ波ガラス(riffle glass)とすることができる。半円柱レンズは、入射光ビームを一方向に好ましく屈折させる一方で、垂直方向には屈折効果をほとんど有さない。いくつかの実施形態によれば、ビーム成形散光器は、光路32において回転させることができ、スポットライト50の光軸32を中心にして回転させることが可能であってよい。ビーム成形散光器によって、細長い物体をより良好に照明することができる。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、光ビームの高さと幅の間の比を、出口面10とビーム成形散光器35aとの間の距離に応じて、無限に可変に調節することができる。これは、光ビームの高さと幅との間の係数又は比を固定することなく、複合光ビーム20を連続的に変形させることができることを意味する。したがって、たとえ照明すべき物体の高さと幅との間の比が、固定の変形係数に対応しなくても、本明細書に記載のとおりのビーム成形散光器を使用することができる。それは、複合光ビームの高さと幅との間の比を連続的に変化させることができるからである。いくつかの実施形態においては、複合光ビームの幅に対する高さの比を制御するためにはただ1つのビーム成形散光器で充分である。
【0053】
いくつかの実施形態においては、ズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間の光路32にビーム成形散光器35bを取り付けることができる。ビーム成形散光器35bはズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間を移動可能である。複合光ビームの長さの広がり又は幅を、ズームレンズ15aとビーム成形散光器35bとの間の距離を変えることによって調節することができる。換言すると、複合光ビームの長さの広がりは、ビーム成形散光器をズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間で移動させることによって調節することができる。
【0054】
この実施形態によれば、スポットライト50は複合光ビーム20の光路方向29に沿って集束光学系15のズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間を移動可能であるビーム成形散光器35bを備えることができ、ビーム成形散光器35bは複合光ビーム20の幅をズームレンズとビーム成形散光器35bとの間の距離に応じて連続的に変化させるように構成されている。
【0055】
円形の複合光ビーム20の形状を、ビーム成形散光器35a、35bによって、丸い光ビームの形状から極端に細長い光ビームへと無限に可変に調節することができる。例えば、いわゆるウォッシュライトにおいて使用することができるビーム成形散光器を、複合光ビーム20の光路に旋回可能に取りつけ(swiveled)、光軸32を中心にして回転させることができる。ビーム成形散光器を光軸に沿って移動させることにより、複合光ビームをその作用の強さに関して連続的に変化させることができる。さらに、ズームレンズ及びビーム成形散光器の組み合わせによって、達成できる光学的効果に関してさらなる自由度を得ることができる。複合光ビームの高さと幅との間の比だけでなく、複合光ビームのサイズを無限に可変に調節することができる。
【0056】
図4Dに、別の実施形態によるスポットライト50の概略側面図が示されている。この実施形態においては、スポットライトはズームレンズ15a及び対物レンズ15bを光路32に備えている。両者の間にビーム成形散光器35bが配置され、ビーム成形散光器及びズームレンズの両者が、出口面と対物レンズ50bとの間を光路32の方向29に沿って移動可能になっている。ズームレンズ15aと対物レンズ15bの各々が、2つのレンズの各々を別々に移動又は回転させて光路32に出し入れするように構成されたレンズ駆動部40を備えることができる。
【0057】
さらに、ビーム成形散光器が、複合光ビーム20の光路32においてビーム成形散光器35bを移動38bさせるとともに、取り除き又は回転38aさせるように構成されたビーム成形散光器駆動部38を備えることができる。ビーム成形散光器又はフィルタは高い光学的効率を有することができる。
【0058】
この実施形態によれば、複合光ビームのサイズ、したがって投影スクリーン上の複合光ビームのスポットサイズも、ズームレンズ15a及びビーム成形散光器35bが固定の互いの距離D1にて出口面10と対物レンズ15bとの間を一緒に動かされる場合に、連続的に変化させることができる。換言すると、破線によるズームレンズ15aと破線によるビーム成形散光器35bによって概略的に示されているように、ズームレンズ及びビーム成形散光器が、両者の間の距離D1を変化させることなく同時に移動させられる場合、複合光ビーム20のスポットサイズを連続的に変化させることができる。
【0059】
この実施形態によれば、スポットライト50は、光路方向29又は複合光ビーム20の光軸32に沿って集束光学系15のズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間を移動可能なビーム成形散光器35bを備えることができ、ビーム成形散光器35bはズームレンズ15aとビーム成形散光器35bとの間の距離D1に応じて複合光ビームの幅を連続的に変化させるように構成され、ズームレンズ15aはビーム成形散光器及びズームレンズが固定の互いの距離にて複合光ビームの光路に沿って動かされる場合に複合光ビームの高さ及び幅を連続的に変化させることができるように、光混合部6a、6bの出口面10と対物レンズ50bとの間を複合光ビーム20の光路32に沿って移動可能29である。
【0060】
本発明の種々の実施形態を応用する際に、本明細書に開示されている幅広い考え方から逸脱することなく、さまざまな変更を行うことができることを理解すべきである。
【0061】
図4Eに、別の実施形態によるスポットライト50が示されており、そのスポットライトは本明細書の種々の実施形態及び図面に示して説明した光学要素の組み合わせを備えている。
【0062】
スポットライト50は、本明細書に開示の構成要素が取り付けられるハウジング45を備えることができる。発光ダイオードモジュール2a、2bは異なる発光スペクトルを有する少なくとも2つの発光ダイオード4a、4bを備えることができる。さらに、スポットライト50は光混合部6a、6bを備えることができ、光混合部6a、6bの各々は片側5において該当のLEDモジュール2a、2bと協働するように配置され、光混合部6a、6bの各々は該当のLEDモジュール2a、2bの少なくとも2つのLED4a、4bの異なる発光スペクトルを混合して別々の光ビーム8a、8bを形成するように構成されている。光混合部の他方の側に位置する出口面10は、光混合部6a、6bの光ビーム8a、8bによって複合光ビーム20が形成されるように、互いに隣り合わせて行列、アレイ又は列に配置され、集束光学系15は少なくともズームレンズ15a及び対物レンズ15bを備えている。さらに、スポットライト50は、例えば矩形の複合光ビームをはっきりとした縁を有する円形のビームに変化させるように構成されたレンズ開口28を光混合部の前方に備えることができる。
【0063】
さらに、スポットライト50は、開口28とズームレンズ15aとの間に配置された第1のビーム成形散光器35aと、ズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間に配置された第2のビーム成形散光器35bとを備えることができる。開口28、第1のビーム成形散光器35a及び第2のビーム成形散光器35b、ならびにレンズ15a、15bは、複合光ビーム20の光路32における移動又は複合光ビーム20の光路32への出し入れのための手段を備えることができる。これらの光学要素は、出口面と対物レンズとの間を光路に沿って移動可能とすることができる。さらに、スポットライト50は、各々のLEDモジュールの各々のLEDの発光を制御するように構成された電気制御回路25を備えることができる。電気制御回路25はスポットライト50と一体とすることができ、又は外部の電気制御ユニット25(図4Eの破線)であってもよい。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、電気制御回路は、複合光ビームが1つの色で光り、又は複合光ビームを異なる色及び強さをそれぞれ有することのできる異なる部分に分割できるように、複合光ビームを多色モード又は色パッチモードにて制御するように構成することができる。
【0065】
ビーム成形散光器35a、35b及びズームレンズ15aによって、複合光ビームの任意のスポット形状を得ることができる。これは、投影スクリーン上の任意の矩形又は円形領域をスポットライト50によって照明できることを意味する。複合スポットライトの色を分け強さも分けることができるという事実によって、特殊な光学的効果及び印象を観察者に対して実現することができる。
【0066】
スポットライトは、複数の発光体、すなわち色と光の強さを調節できる複数のLEDモジュールを備えることができ、それらの複数の発光体が共同して色と明るさに関して分割可能な1つの複合光ビームを形成する。LED発光体4a、4bをパルス幅変調又は順電流の調節によって制御することができる。発光体4a、4bによって放射される光の減光又は色混合の程度を制御するために、電力を周期的に加えることができる。制御は電気制御回路によって行うことができる。チップ又はLEDモジュール2a、2bのLEDは、約1000Hzよりも高い変調速度を有することができる。観察者の眼が平均電流の光レベルよりもむしろピーク電流の光レベルを知覚する傾向にあるため、デューティサイクルは例えば15%〜20%より大きければよい。LED発光体4a、4bは、1ワットを超える出力の連続使用が可能な高出力のLEDとすることができる。各々のチップ又はLEDモジュール2a、2bは、例えば4つのLED発光体を一体化させることができ、各々のLED発光体が、色ごとに約5A以上の電流を使用して、結果としてモジュールごとの全電流を約20Aとすることができる。チップ2a、2bは、高い実装密度で配置された発光体2a、2bのアレイを備えることができる。発光体4a、4bの小さい開口において高い平均輝度をもたらすために、LEDダイを基板上に密集させて取り付けることができる。
【0067】
別の実施形態(図4F)によれば、装置50(例えば、スポットライト)を、複合光ビーム20を出力するように構成することができる。装置50は、本明細書に記載の複数の光混合部6a、6b、6cを上述の混合構造26に組み合わせて備えることができる。光混合部6a、6b、6cは、例えば赤色光R及び緑色光Gなど、複数の発光体4a、4bから受け取る複数の光ビームを集めるために使用されている。複数の光混合部6a、6b、6cから受光する光を集めるためにただ1つのレンズ15が使用されている。レンズ15はレンズホルダ63に取り付けられてハウジング45に接続されている。レンズ15は、電動のレンズ駆動部40を備えることができ、したがって電気端子67を備えることができる。レンズ駆動部40も電気制御回路25によって制御することができ、又は別の制御ユニット(図4Fには示されていない)によって制御することができる。
【0068】
この実施形態において、混合されて投影される有色の光ビーム20の強さがLEDモジュールを1つだけ備えたスポットライトの強さよりも強くなるように、発光体(例えば、LED4a、4b)の複数のアレイ2a、2b、2cの光が集められ集束させられる。ただ1つのレンズ15に代えて、ドームレンズ、フレネルレンズもしくはレンズアレイ、流体レンズもしくはレンズアレイ、ホログラフィックレンズもしくはレンズアレイ、又は所望のビーム形成もしくは平行化の特性を有している任意の他のパターン化もしくは構造化された光学材料を使用することができる。
【0069】
一実施形態においては、光混合部6a、6b、6c及び発光体4a、4bのアレイ2a、2b、2cは、製造プロセスを容易にするために同じ種類である。光混合部6a、6b、6cはその形態によって、アレイ化を容易に実現することができる。光混合部は、矩形、円形、六角形、八角形又は任意の他の規則的もしくは不規則な構造に配置することができる。広い角度の光の混合が望まれる場合に、レンズホルダ63を、レンズ15もしくはレンズアレイを異なる光混合部6a、6b、6cの範囲内において複合光ビーム20の内部で横方向29に移動させ、又は複合光ビーム20の外側へと移動させるために使用することができる。ハウジングのベース板68は、共通の電源コネクタ、共通のLED光制御信号生成部、及び共通のヒートシンクを備えることができる。
【0070】
光混合部6a、6b、6cは、受光端5から光出力端10へと断面積が増加する構造体として形成できる光パイプ又は光ガイドとすることができる。光パイプ6a、6b、6cは、例えば円錐形、放物線状、双曲線状、ピラミッド状、又は増加する断面積を有する何らかの他の幾何学的な形態など、テーパ状の形態を有することができる。
【0071】
軸方向断面の外形は、正方形、六角形又は八角形の断面を有し、光出力端10に向かってテーパ状に広がる形状とすることができる。軸方向断面の外形は放物線状、楕円形又は双曲線状の湾曲をもったものであってもよい。あるいは、軸方向断面の外形は、さまざまな直線部分又は/及びさまざまな湾曲部分を備えていてもよい。増加する断面積は、光パイプ6a、6b及び6cを通過する光R、Gを集めるために使用される。集められた光は、光パイプ6a、6b、6cの光出力端10に配置された出口へと集光される。光パイプ6a、6b、6cを通過する光は、失われるエネルギーがほぼゼロであり、又はきわめてわずかであるように、光パイプ6a、6b、6cの壁によって反射されるようにすることができる。
【0072】
しかしながら、光パイプ6a、6b、6cは、受光端5から光出力端10までの範囲にわたって、例えば平行又はほぼ平行(±5°)な側壁など、テーパ状でない形態を有してもよい。端部10は、例えば正方形、矩形、円形、六角形又は八角形とすることができる。光パイプ6a、6b、6cの壁は、壁による光の吸収を防止し、ビームの成形及び色の混合を助けるために、高度に反射性である。壁の表面又は壁の表面の一部は、例えばリン光体のコーティングによって光学的に活性であってもよい。反射コーティング又は鏡面にされた内面が、所望のレベルの反射率をもたらすことができる。反射コーティングは、例えば保護用のアルミニウム又は保護用の銀など、高反射材料で製作することができる。
【0073】
光混合部6a、6b、6c又は光パイプは、空気の屈折率よりも高い屈折率、すなわち1よりも大きい屈折率を有する材料で製作されている。光混合部6a、6b、6cは、例えば、内側での全反射又はほぼ全反射にもとづいて光を反射させるためのガラス又はプラスチック(例えば、ポリカーボネート又は丈夫なアクリル)で製造された壁を備えることができ、光混合部6a、6b、6cを気体で満たしてもよい。その気体を、空気の屈折率に比べて高い混合部6a、6b、6cの屈折率が達成されるように加圧してもよい。混合部6a、6b、6cの高い屈折率を実現するために、光混合部6a、6b及び6cの壁を、例えば空気に面する外側において、高屈折率のコーティング材料で覆ってもよい。
【0074】
光パイプ又は光ガイドを、中実又は中空の材料で製作することができる。光混合部6a、6b、6cは、光混合部6a、6b、6cを通過する際の光の反射の回数が最小限(反射のたびに光の強さが減るため)であるように、しかしながら依然として光が高い混合度で混合されるように設計されている。
【0075】
図5に概略的に示されている別の実施形態によれば、照明システム75は複数のスポットライト50a、50b、50c及び50dを備えることができ、これらのスポットライトをスポットライト駆動部60によってあらゆる空間的方向に動かすことができる。この実施形態によれば、各々のスポットライトは4つのLEDモジュールを備えることができ、したがって、各々のスポットライト50a、50b、50c及び50dの複合スポットライト20が、電気制御回路25によって別々に制御することができる4つの部分20a、20b、20c、20dを含むことができる。電気制御回路25を、複数のスポットライトの投影72が、色と強さを別々に制御することができる個々のスポットライトの複数の部分又は「画素」を含むことができるように、各々のスポットライト50a、50b、50c及び50dの各々のLEDモジュールのLEDを制御するように構成することができる。スポットライトの複合光ビームの各画素又は各部分の色及び/又は強さを、投影スクリーンへの投影72が例えば記号、文字又は符号を含むことができるように、別々に変化させることができる。照明システムの解像度は、スポットライトごとのLEDモジュールの数に依存する。この例では、4×4の解像度を達成することができる。これは、LEDモジュールの数及びスポットライトの数を増やすことで、解像度の改善が可能であることを意味する。これは、照明システム75によって、例えば10×10、50×50又はそれ以上など、より高い画素解像度で絵を描くことさえ可能であることを意味する。この実施形態によれば、照明システム75は投影スクリーン上に複数のスポットライトを投影でき、各々のスポットライトの投影がより大きな投影72の一部分であることができ、すなわち個々の複合光ビームからなる行列を形成することができる。
【0076】
照明システム75は、本明細書に記載のとおりの複数のスポットライトを備えることができ、複数のスポットライト50a、50b、50c及び50dの複合光ビーム20の投影72は、色と強さを個別に制御することのできるスポット20a、20b、20c及び20d又は画素を含んでいる。個別に制御することのできるスポットの数は、それらの複数のスポットライトのLEDモジュールの数に依存する。
【0077】
物体の照明方法の本発明の一実施形態はスポットライトに関連づけることができる。スポットライトは複数個の発光ダイオードモジュール備えることができる。各LEDモジュールは異なる発光スペクトルを有する少なくとも2つの発光ダイオードと光混合部とを備えている。各光混合部はその片側において該当のLEDモジュールと協働するように配置され、該当のLEDモジュールの少なくとも2つの発光ダイオードの異なる発光スペクトルを混合して光ビームを形成するように構成されている。光混合部の他方の側に位置する出口面が、光混合部の光ビームによって複合光ビームが形成されるように、行列にて隣り合わせに配置されている。このようなスポットライトは、複合光ビームを集束させるための集束光学系をさらに備えている。一実施形態によれば、本発明方法は、複合光ビームを形成するためにLEDモジュールの少なくとも2つのLEDの異なる発光スペクトルを電気的に制御するステップ100と、複合光ビームを集光するステップ110と、複合光ビームを物体へ案内するステップ120とを備えて、物体を照明することができる。電気的な制御ステップ100、集光ステップ110及び案内ステップ120の順序は変更することができ、これらのステップを互いに入れ換えることができる。
【0078】
電気的な制御は、複合光ビームを形成する光ビームの強さ及び/又は色を別々に制御できるように、電気制御回路によって実行することができる。さらに、本発明方法は、スポットライトの複合光ビームの高さと幅について、それらのサイズ及び/又は比を連続的に変化させるステップを含むことができ、これはビーム成形散光器によって行うことができる。本発明の別の態様によれば、本発明に係る物体の照明方法は、矩形の複合光ビームの形状を開口によって異なる直径を有する円形の複合光ビームの形状へと変化させるステップを含むことができる。
【0079】
本発明をいくつかの実施形態に関して説明したが、本発明の範囲に包含される変形物、置換物及び均等物が存在する。また、本発明の方法及び構成を実施する方法に多数の選択肢が存在することにも注意すべきである。したがって、以下の特許請求の範囲は、そのような変形物、置換物及び均等物を、本発明の真の技術的思想及び技術的範囲に包含されるものとして含むと解釈される。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スポットライトとそのようなスポットライトで物体を照明する方法に関する。本発明の技術分野は、光学分野全般に関し、特に、例えば物体、人間又は舞台装置を照明するために舞台照明として使用されるスポットライトに関する。そのようなスポットライトは、例えば、劇場又はダンスホールなどでの特定の催しにおいて、照明用に又は特別な光学的効果を生み出すために使用することができる。本発明のさらなる実施形態は、そのようなスポットライトの光ビームのサイズ、色、強さ及び組成の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
高出力の発光ダイオード(LED)は、照明の目的全般に使用することができ、例えばスポットライト、舞台照明、交通照明及び信号、自動車の制動灯などにも使用することができる。種々のLEDの放射スペクトルを重ね合わせ、観察者に知覚される色を変えることができる。種々のLEDの放射スペクトルを混ぜ合わせることにより、可視のスペクトル範囲(700nm〜400nmの波長)の各色を含む光ビームを生成することができる。可視のスペクトル範囲には、赤色、緑色及び青色の放射スペクトルの重ね合わせで得ることのできる白色スペクトルを含む。
【0003】
舞台の照明又は他の催しのために、可能な光学的効果に関して柔軟かつ可変なスポットライトを有することが望ましい。このことは、例えば、スポットライトは、光ビームの色と強さだけでなく、スポットライトビームのサイズと形状も変化させることができなければならないことを意味する。さらに、スポットライトは、電力の消費に関して効率的でなければならず、制御が容易でなければならない。それ故、放射される光ビームの強さ、色、サイズ及び形状を別々に変化させるように構成されたスポットライトが必要とされている。
【0004】
この技術的課題は、可変の複合(common)光ビームを発するように構成された請求項1に記載のスポットライトを提供する本発明の実施形態によって解決される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態によれば、本発明のスポットライトは、異なる発光スペクトルの発光ダイオード(LED)を備えた複数の発光ダイオード(LED)モジュールを備えており、各LEDモジュールに割り当てられた光混合部がそれぞれのLEDモジュールのLEDの異なる発光スペクトルを混合して光ビームを形成するように構成され、それらの光混合部の別々の光ビームによってスポットライトの複合光ビームが形成される。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、そのようなスポットライトで物体を照明する方法を記述している。
【0006】
添付の図1から6を参照し、スポットライトについて実施形態と物体の照明方法についての実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施形態によるスポットライトの概略断面図を示している。
【図2】電気制御ユニットを備えた本発明の別の実施形態によるスポットライトの断面図を示している。
【図3A】複合光ビームを形成する4つのLEDモジュールを備えた一実施形態によるスポットライトの概略斜視図を示している。
【図3B】電気制御回路用の電気端子を各々が備えている一実施形態による4つのLEDモジュールの概略図を示している。
【図3C】互いに隣接して配置された一実施形態による4つのLEDモジュールの概略上面図を示している。
【図3D】本発明の一実施形態による光混合部の概略斜視図を示している。
【図3E】本発明の一実施形態による光混合部の寸法入りの概略側面図を示している。
【図4A】複合光ビームの光路において移動可能である調節式の開口を備えているスポットライトの概略側面図を示している。
【図4B】対物レンズ及び移動可能なズームレンズを備えている本発明の一実施形態によるスポットライトの概略側面図を示している。
【図4C】複合光ビームの光路にビーム成形散光器を備えているスポットライトの概略側面図である。
【図4D】互いの距離を同一保って複合光ビームの光路方向に沿って動かされるズームレンズとビーム成形散光器を備えているスポットライトの概略側面図を示している。
【図4E】本発明の一実施形態によるハウジング内のスポットライトの概略側面図を示している。
【図4F】光を出力するための本発明の別の実施形態による装置の概略側面図を示している。
【図5】個々のスポットライトの複合光ビームにもとづいて複合の投影72を被投影領域へと投影するための複数のスポットライトを備えた照明システムの概略図を示している。
【図6】スポットライトによって物体を照明する本発明の一実施形態による方法のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態の以下の説明に関して、簡単化の理由のために、明細書の全体を通して、機能的に同一であり、類似の作用を有し、又は機能的に等しい等価な構成要素もしくは段階について、異なる図であっても同じ参照番号が使用されることに注意すべきである。
【0009】
図1にスポットライト50の概略が示されている。スポットライト50は発光ダイオード(LED)モジュール2a、2bを備えており、各々のLEDモジュールは異なる発光スペクトルR、G、Bを有する少なくとも2つの発光ダイオード4a、4bを備えている。スポットライトはハウジング(図1には示されていない)内に配置することができる。さらに、スポットライト50は光混合部6a、6bを備えており、光混合部6a、6bの各々は光混合部6a、6bの片側5において該当のLEDモジュール2a、2bと協働するように構成されている。光混合部6a、6bの各々は、該当のLEDモジュール2a、2bの少なくとも2つのLED4a、4bの異なる発光スペクトルR、G、Bを混合して、光ビーム8a、8bを形成するように構成されており、光混合部6a、6bの反対側の出口面10は、光混合部6a、6bの光ビーム8a、8bによって複合光ビーム20が形成されるよう、互いに隣接して行列に配置されている。さらに、スポットライト50は、複合光ビーム20を集束させるための集束光学系15を備えている。
【0010】
LEDモジュール2a、2bには保護用及び取り付け用のケーシングつきのLED4a、4bが取りつけられている。LEDモジュールのLEDは、可視のスペクトル範囲(波長:750nm〜350nm)の種々の発光スペクトルを有することができる。第1のLEDモジュール2aの第1のLED4aは、例えば、赤色R又は赤色光を意味する赤色の発光スペクトルを放射することができる。第1のLEDモジュール2aの第2のLED4bは、例えば緑色の発光スペクトル、すなわち緑色G又は緑色光を放射することができる。第2のLEDモジュール2bの第1のLED4aは例えば青色の光又は発光スペクトルBを放射することができ、第2のLEDモジュール2bの第2のLED4bは例えば再び赤色光Rを放射することができる。
【0011】
本発明の他の実施形態においては、LEDは動作時に他の発光スペクトル、例えば白色の放射スペクトル又は琥珀色のスペクトルなど、を有していてもよい。一般に、可視のスペクトル範囲に放射スペクトルを有するLEDの任意の組み合わせを使用することができる。LEDモジュールは複数のLEDを備えることができる。LEDは、1ワットを超える出力、例えば1ワット〜10ワットの間の出力、の連続使用が可能な高出力の発光ダイオードとすることができる。そのような高出力LEDの動作時の電流の消費は、例えば0.5A〜25Aの間、例えば1A〜5Aの間とすることができる。
【0012】
光混合部6a、6bは片側5において該当のLEDモジュール2a、2bと協働するように配置されている。LEDモジュールは、LEDモジュールの動作時にLEDから発せられる光の多くの部分が該当の光混合部に集められるように、光混合部の片側5に近接して配置されている。本発明のいくつかの実施形態によれば、集められる光の割合(放射される光子に対する集められる光子の割合)が最大98%にのぼることができる。他の実施形態においては、この割合は75%〜95%の間とすることができる。高い集光効率を達成するために、LEDモジュール2a、2bは、例えば接着層によって光混合部6a、6bへ取り付けることができ、又は該当の光混合部6a、6bの片側5から例えば3mm未満もしくは1mm未満の距離に配置することができる。
【0013】
光混合部6a、6bは、該当のLEDモジュール2a、2bのLED4a、4bの異なる発光スペクトルR、G、Bを混合して光ビーム8a、8bを形成するように構成されている。放射スペクトルの混合は加法的な方法で実行することができる。光ビーム8aは、例えば、第1のLEDモジュール2aのLED4aの赤色の放射スペクトルとLED4bの緑色の放射スペクトルとの重ね合わせである黄色の放射スペクトルを有することができる。この実施形態において、第2の光ビーム8bは、例えば、第2のLEDモジュール2bの第1のLED4aの青色の放射スペクトルと第2のLED4bの赤色の放射スペクトルとの重ね合わせにもとづくマゼンタ色の放射スペクトルを有する。
【0014】
光混合部6a、6bは、それぞれの光混合部に割り当てられたLEDモジュールの個々のLED4a、4bの発光スペクトルを混合するように構成されている。LEDによって発せられる光の混合は、光混合部6a、6bにおけるLED4a、4bの放射スペクトルの光学的な重ね合わせによって達成される。光混合部6a、6bのLEDモジュール2a、2bまでの距離、ならびにLED4a、4bのお互いに対するサイズ及び相対距離に応じて、混合後の光ビームの混合の程度が変化する。100%の混合度は完全に混合された光に相当する。完全に混合された光は、例えば、赤色及び琥珀色のLED放射スペクトルによって生成される一様なオレンジ色の光ビームの知覚を意味する。放射される光の混合の程度は、スポットライト動作の際にそれぞれのLEDへ加えられる電圧によって制御することができる。例えば、第1のモジュール2aのLED4aがオフにされ、第2のLED4bだけがオンにされて緑色の放射スペクトルを発する場合、光ビーム8aはLED4bの緑色の放射スペクトルだけを含む。例えば、LED4aへ加えられる電圧がLEDのしきい値電圧よりも高くなると赤色光が放射され、その結果、重ね合わせられた光ビーム8aがLED4aの赤色の放射スペクトル部分を含むことになる。観察者が、赤色スペクトルの強さに応じて、光ビーム8aを黄色のような色として知覚することができる。
【0015】
光混合部6a、6bを±5°の範囲内で平行に配置し、光混合部6a、6bの出口面10を互いに隣接させて行列、列又はアレイに配置することができ、その構成で光混合部6a、6bの光ビーム8a、8bが複合光ビーム20を形成する。
【0016】
光混合部6a、6bは、光混合部6a、6bの片側5から光混合部6a、6bの反対側の出口面10へと断面積が増加する構造体として形成することができる、いわゆる光パイプ又は光ガイドとすることができる。光混合部は、例えば円錐形、放物線状、双曲線状、ピラミッド状又は増加する断面積を有する何らかの他の幾何学的な形態など、テーパ状の形態をもつことができる。他の実施形態によれば、光混合部はテーパ状でない形態をもつことができる。
【0017】
光混合部の断面は、例えば正方形などの矩形又は円形とすることができる。光混合部6a、6bの内側部分は中空とすることができ、その場合、光混合部6a、6bの壁は、壁による光の吸収を防止し、ビームの成形及び色の混合をよくするために、高反射性とすることができる。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、光混合部6a、6bの壁を反射層で覆うことができ、又は鏡面にすることができる。光混合部を、LEDからの入射光を加法的に混合するように構成するとともに、放射された光子を集め、かつ光混合部の壁における全反射によって放射された光子が逃げ出さないようにすることで、放射された光の損失を最小限にするように構成することができる。
【0019】
別の実施形態によれば、光混合部の壁又は壁の一部を、例えばリン光体のコーティングによって光学的に活性にすることができる。反射コーティング又は鏡面にされた内面は、光混合部の所望のレベルの反射率をもたらすことができる。反射コーティングは、例えば保護用のアルミニウム又は保護用の銀など、高反射材料で製作することができる。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、光混合部6a、6bの壁は、空気の屈折率よりも高い屈折率、すなわち1よりも大きい屈折率を有する材料で製作される。これにより、光ビームを入射角に応じて光混合部において全反射させることができ、したがってスポットライトの効率を高めることができる。光混合部は中実又は中空の材料で製作することができる。光混合部6a、6bの形成に使用される材料としては、例えば、紫外線透過(UVT)アクリル又はアクリル(PMMA)、ガラス、ポリカーボネート、パースペックス(Perspex)、又は他の任意のプラスチック材料を挙げることができる。空気の屈折率に関し、光混合部の屈折率が高くなるように、光混合部を加圧ガスで満たしてもよい。
【0021】
個々の光ビーム8a、8bによって形成された複合光ビーム20は、投影スクリーン又は物体へ投影される前に集束光学系15を通過する。集束光学系は、少なくとも1つのレンズ又はレンズシステムを備えることができる。レンズ又はレンズシステムは、凹面、凸面、対物レンズ、ズームレンズ、又は複合光ビームの操作に適した他の光学素子を備えることができる。集束光学系15は、動作時に光混合部の光出力を投影スクリーン又は物体上に結像させるように、構成することができる。レンズ又はレンズシステムは、複合光ビームについて発散性又は集光性を有することができる。複合光ビームを集束光学系15によって屈折させてもよく、又は回折させてもよい。
【0022】
図2は、図1に関連して説明したとおりのスポットライト50の概略断面図を示している。スポットライト50は発光ダイオードモジュール2a、2bを備えており、各々のLEDモジュールは2つの発光ダイオード4a、4bを備えている。光混合部6a、6bは平行に配置されており、光混合部6a、6bの出口面10は互いに隣接してアレイ又は行列に配置されている。その結果、それぞれの混合されたLEDスペクトルの光ビーム8a、8bが一緒になり、複合光ビーム20を形成する。光ビームの出口面10は、互いに触れてもよく、又は互いに離れて配置されていてもよい。出口面の縁の間の距離は0mm〜3mmの間とすることができる。光混合部の出口面の少なくとも一辺を他の光混合部の出口面に接続するために、接着層又は接着剤を使用することができる。
【0023】
図2に示した実施形態において、スポットライト50は、各々のLEDモジュール2a、2bの各々のLED4a、4bに電気的に接続された電気制御回路25を備えることができる。電気制御回路25は、各々のLEDモジュールの少なくとも2つのLED4a、4bの異なる発光スペクトルR、G、R、Bを制御するように構成されている。電気制御回路25は、複合光ビーム20が色と強さに関して別々に調節することができる光ビーム20a、20bを含むように、各々のLEDモジュール2a、2bの光ビーム8a、8bの強さ及び/又は色を別々に変化させるように構成することができる。
【0024】
電気制御回路25は、各々のLEDの電流−電圧曲線を制御するように構成されている。すなわち、例えば第一のLED4aへ加えられる電圧が高いほど、赤色の放射スペクトルRの強さが第2のLED4bの緑色の放射スペクトルGの強さと比べて強くなり、結果として、混合後の光ビーム8aは第1のLED4aの赤色の放射スペクトルをより高い割合で含むことができる。
【0025】
複合光ビーム20は、第1の混合部6aの第1のLED4a及び第2のLED4bの発光スペクトルの重ね合わせによって決定される色で構成される第1の部分20aを含むことができる。さらに、複合光ビーム20は、第2のモジュール2bの第1のLED4a及び第2のLED4bの発光スペクトルの重ね合わせによって決定される色を含む第2の部分20bを含むことができる。
【0026】
電気制御回路25はスポットライトに一体化させることができ、又は他の実施形態によれば、電気制御回路を外部に配置し、LEDモジュール2aの電気端子14及びLEDモジュール2bの電気端子14へ接続してもよい。
【0027】
電気制御回路25は、複合光ビーム20が多色モードの第1の状態において第1の色を含み、第2の状態において第2の色を含むように、LEDモジュール2a、2bの少なくとも2つのLED4a、4bの異なる発光スペクトルを制御するように構成することができる。
【0028】
多色モード(multi-color mode)において、電気制御回路は、光ビーム8a及び8bが同じ色又は放射スペクトルを有し、したがって複合光ビーム20が第1の色に光る一様な色のビームであるように、スポットライトを制御することができる。別の状態においては、複合光ビームのこの色を変更することができる。例えば、多色モードの第1の状態において複合光ビーム20が赤色を有することができ、多色モードの第2の状態において複合光ビーム20が青色を有することができる。電気制御回路は、該当の光ビーム8aと8bが同じ混合後の発光スペクトルを有し、したがって複合光ビーム20も同じ一様な発光スペクトルを有するように、各々のLEDモジュールの各々のLEDを制御するように構成することができる。
【0029】
他の実施形態によれば、電気制御回路25は、色パッチモード(color patch mode)において第1のLEDモジュール2aの第1の光ビーム8aが第1の色を含み、第2のLEDモジュール2bの第2の光ビーム8bが第2の色を含むように、LEDモジュール2a、2bの少なくとも2つのLED4a、4bの異なる発光スペクトルを制御するように構成される。その結果、複合光ビーム20は、第1の色の第1の部分20aと、第2の色の第2の部分20bとを含む。複合光ビーム20の第1の部分20a及び第2の部分20aの強さ及び/又は色温度は、電気制御回路によって別々に調節可能である。
【0030】
カラーパッチモードにおいては、複合光ビーム20を、一体となって複合光ビーム20を形成する別々の光ビーム8a、8bで構成することができる。その場合、光ビーム8aと8bは異なる色で光る。これは、それらが異なる放射スペクトルを有することを意味し、正確な放射スペクトルはそれぞれのLEDモジュール2a、2bの該当するLED4a、4bの電流−電圧制御に応じて決まる。
【0031】
図3Aは、4つのLEDモジュール2a、2b、2c及び2dを備え、各々のLEDモジュールが4つのLED4a、4b、4c及び4dを備えているスポットライト50の概略斜視図を示している。各LEDモジュール2a、2b、2c及び2dに光混合部6a、6b、6c及び6dがそれぞれ割り当てられており、光混合部の出口面10は、該当の光ビーム8a、8b、8c及び8dが例えば正方形などの矩形の形状を有するように、例えば正方形などの矩形である。結果として、複合光ビーム20も、例えば正方形などの矩形の形状を有する。光混合部の出口面10が矩形であるために、光ビーム8a、8b、8c及び8dは矩形の複合光ビーム20を形成する。
【0032】
光混合部6a、6b、6c及び6dは2×2の行列に配置されており、矩形の複合光ビーム20は4つの光混合部6a、6b、6c及び6dの4つの光ビーム8a、8b、8c及び8dによって形成され、光混合部へ割り当てられた各LEDモジュール2a、2b、2c及び2dは4つのLED4a、4b、4c及び4dを備えている。一般に、スポットライトは、LEDモジュールが割り当てられた光混合部のn×mの行列を備えることができる。ここでn=2、3、4、・・・であり、m=1、2、3、・・・である。
【0033】
動作の際に、第1のLED4aが赤色の発光スペクトルRを有することができ、第2のLED4bが緑色の発光スペクトルGを有することができる。動作の際に、第3のLED4cが青色の発光スペクトルBを有することができ、第4のLED4dが白色の発光スペクトルW又は琥珀色の発光スペクトルAを有することができる。ここで、電気制御回路(図3Aには示されていない)は、LEDモジュールの各々のLED4a、4b、4c、4dを制御し、該当の光混合部によってLED4a、4b、4c及び4dの個々の放射スペクトルの加法混色又は重ね合わせによって可視のスペクトル範囲の各色を生成するように使用することができる。
【0034】
光混合部6a、6b、6c及び6dの出口面10が矩形であるため、光ビーム20が矩形の形状を有することができ、矩形の複合光ビーム20の投影スクリーンへの投影もやはり矩形の形状を有することができ、すなわち複合光ビームが矩形のスポットを有する。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、電気制御回路25は、多色モードの第1の状態において放射される各々の光ビーム8a、8b、8c及び8dが同じ色を有し、すなわち同じ混合放射スペクトルを有するように、異なるLEDモジュール2a、2b、2c及び2dの異なるLEDを制御するように構成することができる。したがって、複合光ビーム20及びその投影スクリーンへの投影は矩形の一様な色のスポットである。第2の状態においては、電気制御回路は、複合光ビーム20及び複合光ビームの投影スポットが別の第2の色で光るように複合光ビームの色を変更することができる。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、電気制御回路は、各光ビーム8a、8b、8c及び8dが該当のLEDの発光スペクトルの混合にもとづいて異なる色を有することができるように、個々の各LEDモジュール2a、2b、2c及び2dのLEDを制御するように構成することもできる。その結果として、複合光ビーム20は、異なる色、強さ、及び/又は色温度を有する異なる光ビーム又は部分20a、20b、20c、20dで構成することができる。その結果として、そのような複合光ビーム20のそれぞれの光スポットは、異なる別々の色を有するであろう。
【0037】
色パッチモードにおいて、複合光ビーム20は、例えば白色の第1の部分20a、オレンジ色の第2の部分20b、緑色の第3の部分20c、及び紫色の第4の部分20dを含むことができる。複合光ビーム20の各部分20a、20b、20c、20dの強さ、色及び色温度は電気制御回路によって個別に制御することができる。複合光ビーム20が例えば矩形の形状を有する場合、個別の調節可能な色及び明るさを複合光ビームの各々の4分の一部分に割り当てることができる。
【0038】
図3Bは、4つのLEDモジュール2a、2b、2c及び2dの詳細な概念図を示している。各LEDモジュールは矩形であり、4つの側壁3a、3b、3c及び3dのうちの1つに、電気制御回路25(図3Bには示されていない)をLEDモジュールへ接続するための電気端子14を備えている。LEDモジュール2a、2b、2、及び2dは互いに隣接して配置され、組み合わせによる矩形18(図3Cを参照)を形成している。LEDモジュールの側壁の間の距離Dは3mm未満又は1mm未満とすることができる。LEDモジュールは互いに接触していてもよい。いくつかの実施形態によれば、各LEDモジュールの2つの側壁が他の2つのLEDモジュールの側壁に接触している。
【0039】
図3Cに、4つの正方形のLEDモジュール2a、2b、2c及び2dの概略上面図が示されている。各LEDモジュールは4つのLED4a、4b、4c及び4dを備えることができる。LEDモジュールは互いに隣接して配置され、組み合わせによる矩形18を形成している。各LEDモジュールは電気制御回路25へ接続できるように電気端子14を備えている。4つのLEDモジュール2a、2b、2c及び2dの配置は、組み合わせによる矩形の各辺18a、18b、18c及び18dに4つのLEDモジュールのそれぞれの電気端子14が配置されるようになされている。この配置により、各LEDモジュールを電気制御回路へ容易に接続することができる。各LEDモジュールは電気プラグ及び電気ケーブルによって外部の電気制御回路へ接続することができる。
【0040】
図3Dに光混合部6の斜視図が示されている。この実施形態によれば、光混合部は、光混合部6の一端5から出発して出口面10まで増加する断面積を有しているテーパ状の形態を備えている。この実施形態においては、光混合部6はピラミッド状の形態を備えており、光混合部を行列状(図3Aを参照)に互いに容易に取り付けることができるように、出口面10は直線部分10aを備えている。光混合部6は、光混合部6の出口面10を通過する光を混合するように構成された混合構造26として機能することができる小型レンズ(lenslet)26をさらに備えることができる。小型レンズは、光混合部6の出口面10を通過する光を混合するために使用される複数のレンズ造作(lens features)を有する散光器(diffuser)として形成することができる。
【0041】
図3Eに光混合部6の側面図が示されている。この実施形態によれば、光混合部は出口面10の直線部分10aを含んで135mmの長さを有している。光混合部6のテーパ状部の長さは、この実施形態においては125mmである。光混合部の一端5の幅は、9.5mmである。他の実施形態によれば、この寸法は、当然ながら、さまざまであってよい。例えば、光混合部の長さは、10mm〜500mmの間とすることができる。LEDモジュールに取り付けられ、又はLEDモジュールに近接する光混合部6の端部5の幅は、2mm〜30mmの間とすることができる。出口面10の幅は33mmであってよいが、他の実施形態によれば、出口面10の幅は5mm〜100mmの間とすることができる。混合構造26は、結合材料(例えば、シリコン−エラストマなどの接着剤)によって光混合部へ取り付けることができる。
【0042】
図4Aに、少なくとも2つのLED4a及び4bを有するLEDモジュール2a及び2bを備えているスポットライト50の概略断面図が示されている。光混合部6a及び6bの前方に、調節式のレンズ開口28が配置されている。開口28は、開口駆動部30によって複合光ビーム20の光路32の外へ移動することができる。開口駆動部30は、開口28を回転30bさせて光路32に出し入れするように、構成することができる。開口28の焦点開口は拡大化又は最小化の方向に連続的に変化することができる。
【0043】
別の実施形態によれば、開口駆動部30は、開口28を光混合部6a、6bの出口面10の前方に直線的に出し入れ30aするように、構成することができる。調節式のレンズ開口28は、例えば、光ビームの断面を調節できるように焦点開口を手動又は自動で変更することができる絞り調節式のレンズとすることができる。例えば、光混合部の出口面10が矩形であり、したがって複合光ビーム20も矩形である場合、複合光ビーム20の矩形の形状を円形の形状に変更するために、円形の開口28を使用することができる。円形の複合光ビーム20において、その断面は絞り開口によって連続的に変更することができる。
【0044】
矩形の複合光ビーム20の形状は、観察者にとって、集束させられた状態において矩形又は正方形であることができ、集束させられていない状態においてより円形であることができる。なぜならば、集束していないビームは縁の方が光が弱くなるからである。集束させられた円形の複合光ビームは、光パイプ又は光混合部6の出口面10の背後に大きな絞り開口を直接取り付けることにより得ることができる。この絞り開口は、穴の直径が光混合部の行列の正方形の長さに相当するように開くことができる。円形の複合光ビームを形成するために開口を使用することで、光の損失につながる可能性があるが、利点として、光の出力の全体を正方形の光ビームへ利用することができる。集束光学系15は、スポットライト50の光軸32に対して配置することができる。
【0045】
図4Bに、スポットライトの集束光学系15を形成するズームレンズ15a及び対物レンズ15bを有しているスポットライト50の概略側面図が示されている。ズームレンズ15a及び対物レンズ15bは、中心がスポットライト50の光軸32上にくるように配置されている。ズームレンズ15aは、光混合部6a、6bの出口面10と対物レンズ15bとの間を移動29することができる。スポットライト50は、ズームレンズを出口面10とスポットライトの対物レンズ15bとの間で直線的に移動させるように構成されたレンズ駆動部40を備えることができる。スポットライトは、ズームレンズを回転40aさせるように構成され、又はズームレンズ15aをスポットライト50の光路32に直線的に出し入れ40bするように構成されたズームレンズ駆動部40を備えることができる。ズームレンズ15aは、複合光ビーム20を投影スクリーン(図4Bには示されていない)上に集束させ、又は集束させないように構成することができる。出口面10と対物レンズ15bとの間の距離に応じて、スポットライト50の焦点を変化させることができる。ズームレンズ15aの移動は、手動で実行することができ、又は例えば電気モータによって自動的な方法で行うことができる。ズームレンズは、両凸、平凸又は凹凸レンズとすることができる。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、集束光学系15は複数のレンズを備えることができ、それらのレンズを、複合光ビームを集束させ又は集束させないように、出口面10と対物レンズ15bとの間で移動させることができる。光学レンズシステム15は、例えば両凹、平凹又は凸凹レンズなどの発散レンズを備えてもよい。
【0047】
図4Cに、スポットライト50の別の概略側面図が示されている。この実施形態においては、スポットライト50は、光混合部6a、6bの出口面10と集束光学系15の対物レンズ15bとの間を複合光ビーム20の光路方向29に沿って移動可能なビーム成形散光器(beam shaping diffuser)35aをさらに備えている。
【0048】
ビーム成形散光器は、Luminit社のビーム成形散光器ホイル(foil)とすることができる。そのようなビーム成形散光器ホイルは、入射光の波長に依存する高い透過率を有している。透過率は98%まで可能であり、例えば80%〜95%の間とすることができる。ビーム成形散光器35aは後方散乱を少なくすることができ、通常であればフレネル損失によって無駄になる光を利用することができる。ビーム成形散光器は、入射光を好ましい方向に屈折させ、垂直な方向又は平面の屈折をより小さくするように、特定の構造をもった小型レンズを表面に備えることができる。
【0049】
別の実施形態によれば、ビーム成形散光器35bが、集束光学系15のズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間に配置される。ビーム成形散光器30bは、ズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間で移動可能である。ビーム成形散光器35a、35bは、複数の小さなレンズのように機能する凹凸を片面に備えることができる。ビーム成形散光器35a、35bは、一方の面に凹凸を有し、他方の面が平滑になっているホイルとすることができる。凹凸が特定の形状をもつ場合、通過する光ビームの方向を屈折により光学的な好ましい方向に定めることができる。
【0050】
ビーム成形散光器は、光ビームの形状を精密に制御し、光を分布させるように構成することができる。さらに、ビーム成形散光器35aは、光ビームを垂直方向の角度と水平方向の角度に別々に成形するように構成することができる。そのようなビーム成形散光器としては、楕円形又は円形のビーム成形散光器を用いることができ、屈折させられた光の水平方向の角度を0.1°〜95°の間で変え、垂直方向の角度を0.1°〜95°の間で変えることができる。ここで、例えば1°×60°の固定の楕円形の垂直及び水平方向の散乱角を有するそのようなビーム成形ホイルが、出口面10から光路32に沿って対物レンズ15bの方向に動かされる場合、複合光ビーム20を最大95°の角度まで可変にひずませることができる。これは、ビーム成形散光器35aが、光路32において出口面10から対物レンズ50bへと動かされるときに、複合光ビームを出口面とビーム成形散光器35aとの間の距離に応じて大きな範囲の角度に屈折させることができることを意味している。
【0051】
光混合部6a、6bの出口面10と対物レンズ15bとの間を移動可能なビーム成形散光器35aは、光混合部6a、6bの出口面10とビーム成形散光器35aとの間の距離に応じて複合光ビーム20の幅に対する高さの比を連続的に変化させるように構成されている。ビーム成形散光器は、入射光ビームを1つの好ましい平面又は方向に、この平面又は方向に垂直な方向と比べてより強く屈折させるように構成することができる。その結果として、円形の光ビームの形状を、細長いより楕円形の光ビームにすることができる。そのようなビーム成形素子は、片面において平滑であり、他方の面に半円柱レンズの領域を備えているさざ波ガラス(riffle glass)とすることができる。半円柱レンズは、入射光ビームを一方向に好ましく屈折させる一方で、垂直方向には屈折効果をほとんど有さない。いくつかの実施形態によれば、ビーム成形散光器は、光路32において回転させることができ、スポットライト50の光軸32を中心にして回転させることが可能であってよい。ビーム成形散光器によって、細長い物体をより良好に照明することができる。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、光ビームの高さと幅の間の比を、出口面10とビーム成形散光器35aとの間の距離に応じて、無限に可変に調節することができる。これは、光ビームの高さと幅との間の係数又は比を固定することなく、複合光ビーム20を連続的に変形させることができることを意味する。したがって、たとえ照明すべき物体の高さと幅との間の比が、固定の変形係数に対応しなくても、本明細書に記載のとおりのビーム成形散光器を使用することができる。それは、複合光ビームの高さと幅との間の比を連続的に変化させることができるからである。いくつかの実施形態においては、複合光ビームの幅に対する高さの比を制御するためにはただ1つのビーム成形散光器で充分である。
【0053】
いくつかの実施形態においては、ズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間の光路32にビーム成形散光器35bを取り付けることができる。ビーム成形散光器35bはズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間を移動可能である。複合光ビームの長さの広がり又は幅を、ズームレンズ15aとビーム成形散光器35bとの間の距離を変えることによって調節することができる。換言すると、複合光ビームの長さの広がりは、ビーム成形散光器をズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間で移動させることによって調節することができる。
【0054】
この実施形態によれば、スポットライト50は複合光ビーム20の光路方向29に沿って集束光学系15のズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間を移動可能であるビーム成形散光器35bを備えることができ、ビーム成形散光器35bは複合光ビーム20の幅をズームレンズとビーム成形散光器35bとの間の距離に応じて連続的に変化させるように構成されている。
【0055】
円形の複合光ビーム20の形状を、ビーム成形散光器35a、35bによって、丸い光ビームの形状から極端に細長い光ビームへと無限に可変に調節することができる。例えば、いわゆるウォッシュライトにおいて使用することができるビーム成形散光器を、複合光ビーム20の光路に旋回可能に取りつけ(swiveled)、光軸32を中心にして回転させることができる。ビーム成形散光器を光軸に沿って移動させることにより、複合光ビームをその作用の強さに関して連続的に変化させることができる。さらに、ズームレンズ及びビーム成形散光器の組み合わせによって、達成できる光学的効果に関してさらなる自由度を得ることができる。複合光ビームの高さと幅との間の比だけでなく、複合光ビームのサイズを無限に可変に調節することができる。
【0056】
図4Dに、別の実施形態によるスポットライト50の概略側面図が示されている。この実施形態においては、スポットライトはズームレンズ15a及び対物レンズ15bを光路32に備えている。両者の間にビーム成形散光器35bが配置され、ビーム成形散光器及びズームレンズの両者が、出口面と対物レンズ50bとの間を光路32の方向29に沿って移動可能になっている。ズームレンズ15aと対物レンズ15bの各々が、2つのレンズの各々を別々に移動又は回転させて光路32に出し入れするように構成されたレンズ駆動部40を備えることができる。
【0057】
さらに、ビーム成形散光器が、複合光ビーム20の光路32においてビーム成形散光器35bを移動38bさせるとともに、取り除き又は回転38aさせるように構成されたビーム成形散光器駆動部38を備えることができる。ビーム成形散光器又はフィルタは高い光学的効率を有することができる。
【0058】
この実施形態によれば、複合光ビームのサイズ、したがって投影スクリーン上の複合光ビームのスポットサイズも、ズームレンズ15a及びビーム成形散光器35bが固定の互いの距離D1にて出口面10と対物レンズ15bとの間を一緒に動かされる場合に、連続的に変化させることができる。換言すると、破線によるズームレンズ15aと破線によるビーム成形散光器35bによって概略的に示されているように、ズームレンズ及びビーム成形散光器が、両者の間の距離D1を変化させることなく同時に移動させられる場合、複合光ビーム20のスポットサイズを連続的に変化させることができる。
【0059】
この実施形態によれば、スポットライト50は、光路方向29又は複合光ビーム20の光軸32に沿って集束光学系15のズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間を移動可能なビーム成形散光器35bを備えることができ、ビーム成形散光器35bはズームレンズ15aとビーム成形散光器35bとの間の距離D1に応じて複合光ビームの幅を連続的に変化させるように構成され、ズームレンズ15aはビーム成形散光器及びズームレンズが固定の互いの距離にて複合光ビームの光路に沿って動かされる場合に複合光ビームの高さ及び幅を連続的に変化させることができるように、光混合部6a、6bの出口面10と対物レンズ50bとの間を複合光ビーム20の光路32に沿って移動可能29である。
【0060】
本発明の種々の実施形態を応用する際に、本明細書に開示されている幅広い考え方から逸脱することなく、さまざまな変更を行うことができることを理解すべきである。
【0061】
図4Eに、別の実施形態によるスポットライト50が示されており、そのスポットライトは本明細書の種々の実施形態及び図面に示して説明した光学要素の組み合わせを備えている。
【0062】
スポットライト50は、本明細書に開示の構成要素が取り付けられるハウジング45を備えることができる。発光ダイオードモジュール2a、2bは異なる発光スペクトルを有する少なくとも2つの発光ダイオード4a、4bを備えることができる。さらに、スポットライト50は光混合部6a、6bを備えることができ、光混合部6a、6bの各々は片側5において該当のLEDモジュール2a、2bと協働するように配置され、光混合部6a、6bの各々は該当のLEDモジュール2a、2bの少なくとも2つのLED4a、4bの異なる発光スペクトルを混合して別々の光ビーム8a、8bを形成するように構成されている。光混合部の他方の側に位置する出口面10は、光混合部6a、6bの光ビーム8a、8bによって複合光ビーム20が形成されるように、互いに隣り合わせて行列、アレイ又は列に配置され、集束光学系15は少なくともズームレンズ15a及び対物レンズ15bを備えている。さらに、スポットライト50は、例えば矩形の複合光ビームをはっきりとした縁を有する円形のビームに変化させるように構成されたレンズ開口28を光混合部の前方に備えることができる。
【0063】
さらに、スポットライト50は、開口28とズームレンズ15aとの間に配置された第1のビーム成形散光器35aと、ズームレンズ15aと対物レンズ15bとの間に配置された第2のビーム成形散光器35bとを備えることができる。開口28、第1のビーム成形散光器35a及び第2のビーム成形散光器35b、ならびにレンズ15a、15bは、複合光ビーム20の光路32における移動又は複合光ビーム20の光路32への出し入れのための手段を備えることができる。これらの光学要素は、出口面と対物レンズとの間を光路に沿って移動可能とすることができる。さらに、スポットライト50は、各々のLEDモジュールの各々のLEDの発光を制御するように構成された電気制御回路25を備えることができる。電気制御回路25はスポットライト50と一体とすることができ、又は外部の電気制御ユニット25(図4Eの破線)であってもよい。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、電気制御回路は、複合光ビームが1つの色で光り、又は複合光ビームを異なる色及び強さをそれぞれ有することのできる異なる部分に分割できるように、複合光ビームを多色モード又は色パッチモードにて制御するように構成することができる。
【0065】
ビーム成形散光器35a、35b及びズームレンズ15aによって、複合光ビームの任意のスポット形状を得ることができる。これは、投影スクリーン上の任意の矩形又は円形領域をスポットライト50によって照明できることを意味する。複合スポットライトの色を分け強さも分けることができるという事実によって、特殊な光学的効果及び印象を観察者に対して実現することができる。
【0066】
スポットライトは、複数の発光体、すなわち色と光の強さを調節できる複数のLEDモジュールを備えることができ、それらの複数の発光体が共同して色と明るさに関して分割可能な1つの複合光ビームを形成する。LED発光体4a、4bをパルス幅変調又は順電流の調節によって制御することができる。発光体4a、4bによって放射される光の減光又は色混合の程度を制御するために、電力を周期的に加えることができる。制御は電気制御回路によって行うことができる。チップ又はLEDモジュール2a、2bのLEDは、約1000Hzよりも高い変調速度を有することができる。観察者の眼が平均電流の光レベルよりもむしろピーク電流の光レベルを知覚する傾向にあるため、デューティサイクルは例えば15%〜20%より大きければよい。LED発光体4a、4bは、1ワットを超える出力の連続使用が可能な高出力のLEDとすることができる。各々のチップ又はLEDモジュール2a、2bは、例えば4つのLED発光体を一体化させることができ、各々のLED発光体が、色ごとに約5A以上の電流を使用して、結果としてモジュールごとの全電流を約20Aとすることができる。チップ2a、2bは、高い実装密度で配置された発光体2a、2bのアレイを備えることができる。発光体4a、4bの小さい開口において高い平均輝度をもたらすために、LEDダイを基板上に密集させて取り付けることができる。
【0067】
別の実施形態(図4F)によれば、装置50(例えば、スポットライト)を、複合光ビーム20を出力するように構成することができる。装置50は、本明細書に記載の複数の光混合部6a、6b、6cを上述の混合構造26に組み合わせて備えることができる。光混合部6a、6b、6cは、例えば赤色光R及び緑色光Gなど、複数の発光体4a、4bから受け取る複数の光ビームを集めるために使用されている。複数の光混合部6a、6b、6cから受光する光を集めるためにただ1つのレンズ15が使用されている。レンズ15はレンズホルダ63に取り付けられてハウジング45に接続されている。レンズ15は、電動のレンズ駆動部40を備えることができ、したがって電気端子67を備えることができる。レンズ駆動部40も電気制御回路25によって制御することができ、又は別の制御ユニット(図4Fには示されていない)によって制御することができる。
【0068】
この実施形態において、混合されて投影される有色の光ビーム20の強さがLEDモジュールを1つだけ備えたスポットライトの強さよりも強くなるように、発光体(例えば、LED4a、4b)の複数のアレイ2a、2b、2cの光が集められ集束させられる。ただ1つのレンズ15に代えて、ドームレンズ、フレネルレンズもしくはレンズアレイ、流体レンズもしくはレンズアレイ、ホログラフィックレンズもしくはレンズアレイ、又は所望のビーム形成もしくは平行化の特性を有している任意の他のパターン化もしくは構造化された光学材料を使用することができる。
【0069】
一実施形態においては、光混合部6a、6b、6c及び発光体4a、4bのアレイ2a、2b、2cは、製造プロセスを容易にするために同じ種類である。光混合部6a、6b、6cはその形態によって、アレイ化を容易に実現することができる。光混合部は、矩形、円形、六角形、八角形又は任意の他の規則的もしくは不規則な構造に配置することができる。広い角度の光の混合が望まれる場合に、レンズホルダ63を、レンズ15もしくはレンズアレイを異なる光混合部6a、6b、6cの範囲内において複合光ビーム20の内部で横方向29に移動させ、又は複合光ビーム20の外側へと移動させるために使用することができる。ハウジングのベース板68は、共通の電源コネクタ、共通のLED光制御信号生成部、及び共通のヒートシンクを備えることができる。
【0070】
光混合部6a、6b、6cは、受光端5から光出力端10へと断面積が増加する構造体として形成できる光パイプ又は光ガイドとすることができる。光パイプ6a、6b、6cは、例えば円錐形、放物線状、双曲線状、ピラミッド状、又は増加する断面積を有する何らかの他の幾何学的な形態など、テーパ状の形態を有することができる。
【0071】
軸方向断面の外形は、正方形、六角形又は八角形の断面を有し、光出力端10に向かってテーパ状に広がる形状とすることができる。軸方向断面の外形は放物線状、楕円形又は双曲線状の湾曲をもったものであってもよい。あるいは、軸方向断面の外形は、さまざまな直線部分又は/及びさまざまな湾曲部分を備えていてもよい。増加する断面積は、光パイプ6a、6b及び6cを通過する光R、Gを集めるために使用される。集められた光は、光パイプ6a、6b、6cの光出力端10に配置された出口へと集光される。光パイプ6a、6b、6cを通過する光は、失われるエネルギーがほぼゼロであり、又はきわめてわずかであるように、光パイプ6a、6b、6cの壁によって反射されるようにすることができる。
【0072】
しかしながら、光パイプ6a、6b、6cは、受光端5から光出力端10までの範囲にわたって、例えば平行又はほぼ平行(±5°)な側壁など、テーパ状でない形態を有してもよい。端部10は、例えば正方形、矩形、円形、六角形又は八角形とすることができる。光パイプ6a、6b、6cの壁は、壁による光の吸収を防止し、ビームの成形及び色の混合を助けるために、高度に反射性である。壁の表面又は壁の表面の一部は、例えばリン光体のコーティングによって光学的に活性であってもよい。反射コーティング又は鏡面にされた内面が、所望のレベルの反射率をもたらすことができる。反射コーティングは、例えば保護用のアルミニウム又は保護用の銀など、高反射材料で製作することができる。
【0073】
光混合部6a、6b、6c又は光パイプは、空気の屈折率よりも高い屈折率、すなわち1よりも大きい屈折率を有する材料で製作されている。光混合部6a、6b、6cは、例えば、内側での全反射又はほぼ全反射にもとづいて光を反射させるためのガラス又はプラスチック(例えば、ポリカーボネート又は丈夫なアクリル)で製造された壁を備えることができ、光混合部6a、6b、6cを気体で満たしてもよい。その気体を、空気の屈折率に比べて高い混合部6a、6b、6cの屈折率が達成されるように加圧してもよい。混合部6a、6b、6cの高い屈折率を実現するために、光混合部6a、6b及び6cの壁を、例えば空気に面する外側において、高屈折率のコーティング材料で覆ってもよい。
【0074】
光パイプ又は光ガイドを、中実又は中空の材料で製作することができる。光混合部6a、6b、6cは、光混合部6a、6b、6cを通過する際の光の反射の回数が最小限(反射のたびに光の強さが減るため)であるように、しかしながら依然として光が高い混合度で混合されるように設計されている。
【0075】
図5に概略的に示されている別の実施形態によれば、照明システム75は複数のスポットライト50a、50b、50c及び50dを備えることができ、これらのスポットライトをスポットライト駆動部60によってあらゆる空間的方向に動かすことができる。この実施形態によれば、各々のスポットライトは4つのLEDモジュールを備えることができ、したがって、各々のスポットライト50a、50b、50c及び50dの複合スポットライト20が、電気制御回路25によって別々に制御することができる4つの部分20a、20b、20c、20dを含むことができる。電気制御回路25を、複数のスポットライトの投影72が、色と強さを別々に制御することができる個々のスポットライトの複数の部分又は「画素」を含むことができるように、各々のスポットライト50a、50b、50c及び50dの各々のLEDモジュールのLEDを制御するように構成することができる。スポットライトの複合光ビームの各画素又は各部分の色及び/又は強さを、投影スクリーンへの投影72が例えば記号、文字又は符号を含むことができるように、別々に変化させることができる。照明システムの解像度は、スポットライトごとのLEDモジュールの数に依存する。この例では、4×4の解像度を達成することができる。これは、LEDモジュールの数及びスポットライトの数を増やすことで、解像度の改善が可能であることを意味する。これは、照明システム75によって、例えば10×10、50×50又はそれ以上など、より高い画素解像度で絵を描くことさえ可能であることを意味する。この実施形態によれば、照明システム75は投影スクリーン上に複数のスポットライトを投影でき、各々のスポットライトの投影がより大きな投影72の一部分であることができ、すなわち個々の複合光ビームからなる行列を形成することができる。
【0076】
照明システム75は、本明細書に記載のとおりの複数のスポットライトを備えることができ、複数のスポットライト50a、50b、50c及び50dの複合光ビーム20の投影72は、色と強さを個別に制御することのできるスポット20a、20b、20c及び20d又は画素を含んでいる。個別に制御することのできるスポットの数は、それらの複数のスポットライトのLEDモジュールの数に依存する。
【0077】
物体の照明方法の本発明の一実施形態はスポットライトに関連づけることができる。スポットライトは複数個の発光ダイオードモジュール備えることができる。各LEDモジュールは異なる発光スペクトルを有する少なくとも2つの発光ダイオードと光混合部とを備えている。各光混合部はその片側において該当のLEDモジュールと協働するように配置され、該当のLEDモジュールの少なくとも2つの発光ダイオードの異なる発光スペクトルを混合して光ビームを形成するように構成されている。光混合部の他方の側に位置する出口面が、光混合部の光ビームによって複合光ビームが形成されるように、行列にて隣り合わせに配置されている。このようなスポットライトは、複合光ビームを集束させるための集束光学系をさらに備えている。一実施形態によれば、本発明方法は、複合光ビームを形成するためにLEDモジュールの少なくとも2つのLEDの異なる発光スペクトルを電気的に制御するステップ100と、複合光ビームを集光するステップ110と、複合光ビームを物体へ案内するステップ120とを備えて、物体を照明することができる。電気的な制御ステップ100、集光ステップ110及び案内ステップ120の順序は変更することができ、これらのステップを互いに入れ換えることができる。
【0078】
電気的な制御は、複合光ビームを形成する光ビームの強さ及び/又は色を別々に制御できるように、電気制御回路によって実行することができる。さらに、本発明方法は、スポットライトの複合光ビームの高さと幅について、それらのサイズ及び/又は比を連続的に変化させるステップを含むことができ、これはビーム成形散光器によって行うことができる。本発明の別の態様によれば、本発明に係る物体の照明方法は、矩形の複合光ビームの形状を開口によって異なる直径を有する円形の複合光ビームの形状へと変化させるステップを含むことができる。
【0079】
本発明をいくつかの実施形態に関して説明したが、本発明の範囲に包含される変形物、置換物及び均等物が存在する。また、本発明の方法及び構成を実施する方法に多数の選択肢が存在することにも注意すべきである。したがって、以下の特許請求の範囲は、そのような変形物、置換物及び均等物を、本発明の真の技術的思想及び技術的範囲に包含されるものとして含むと解釈される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる発光スペクトル(R、G、R、B)を有する少なくとも2つの発光ダイオード(LED)(4a、4b)をそれぞれが備えている複数個の発光ダイオード(LED)モジュール(2a、2b)と、
複数個の光混合部(6a、6b)であって、各光混合部(6a、6b)がその片側(5)において該当のLEDモジュール(2a、2b)と協働するように配置され、かつ該当のLEDモジュール(2a、2b)の前記少なくとも2つのLED(4a、4b)の異なる発光スペクトル(R、G、R、B)を混合して光ビーム(8a、8b)を形成するように構成され、これらの光混合部(6a、6b)の前記光ビーム(8a、8b)によって複合光ビーム(20)が形成されるように、これらの光混合部(6a、6b)の他方の側に位置する出口面(10)が互いに隣接して行列に配置されている光混合部(6a、6b)と、
前記複合光ビーム(20)を集束させる集束光学系(15)と
を備えているスポットライト(50)。
【請求項2】
各LEDモジュール(2a、2b)の前記少なくとも2つのLED(4a、4b)の異なる発光スペクトル(R、G、R、B)を制御するように構成された電気制御回路(25)をさらに備えており、
前記電気制御回路(25)は、前記複合光ビーム(20)が色と強さを別々に調節することができる光ビーム(20a、20b)を含むように、各LEDモジュール(2a、2b)の光ビーム(8a、8b)の強さ及び/又は色を別々に変化させるように構成されている請求項1に記載のスポットライト。
【請求項3】
前記電気制御回路(25)は、前記複合光ビーム(20)が多色モードの第1の状態において第1の色を有し、第2の状態において第2の色を有するように、前記LEDモジュール(2a、2b)の前記少なくとも2つのLED(4a、4b)の異なる発光スペクトル(R、G、R、B)を制御するように構成されている請求項2に記載のスポットライト。
【請求項4】
前記電気制御回路(25)は、色パッチモードにおいて第1のLEDモジュール(2a)の第1の光ビーム(8a)が第1の色を有し、第2のLEDモジュール(2b)の第2の光ビーム(8b)が第2の色を有し、かつ、第1の光ビーム(8a)及び第2の光ビーム(8b)の強さ及び/又は色温度を調節することができるように、前記LEDモジュール(2a、2b)の前記少なくとも2つのLED(4a、4b)の異なる発光スペクトル(R、G、R、B)を制御するように構成されている請求項2又は3に記載のスポットライト。
【請求項5】
前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)は、前記光混合部(6a、6b)の光ビーム(8a、8b)が矩形の複合光ビーム(20)を形成するように、矩形である請求項1から4のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項6】
4つの光混合部(6a、6b、6c、6d)の4つの光ビーム(8a、8b、8c、8d)によって矩形の複合光ビームが形成されるように、2×2の行列に配置された4つの光混合部(6a、6b、6c、6d)を備えており、
光混合部(6a、6b、6c、6d)へと割り当てられた各LEDモジュール(2a、2b、2c、2d)が、赤色の発光スペクトル(R)、緑色の発光スペクトル(G)、青色の発光スペクトル(B)、及び白色(W)又は琥珀色(A)の発光スペクトルを有する4つのLED(4a、4b、4c、4d)を備えている請求項5に記載のスポットライト。
【請求項7】
各LEDモジュール(2a、2b)は矩形であり、該LEDモジュールの4つの側壁(3a、3b、3c、3d)のうちの1つに前記電気制御回路を該LEDモジュールに接続するための電気端子(14)を備えており、
前記LEDモジュール(2a、2b)は、複合の矩形(18)が形成されるように互いに隣接して配置され、該複合の矩形(18)の各々の側壁(18a、18b、18c、18d)に、電気端子(14)が配されている請求項1から6のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項8】
前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)の前方に配置された調節式の開口(28)をさらに備えている請求項1から7のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項9】
前記集束光学系(15)は前記複合光ビーム(20)の光路(32)に配置された少なくともズームレンズ(15a)及び対物レンズ(15b)を備えており、
前記ズームレンズ(15a)は前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)と前記対物レンズ(15b)との間を移動可能である請求項1から8のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項10】
前記複合光ビーム(20)の光路(32)に沿って前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)と前記集束光学系(15)の対物レンズ(15b)との間を移動可能(29)であるビーム成形散光器(35a)をさらに備えており、
前記ビーム成形散光器(35a)は、前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)と該ビーム成形散光器(35a)との間の距離に応じて、前記複合光ビーム(20)の幅に対する高さの比を連続的に変化させるように構成されている請求項1から9のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項11】
前記複合光ビーム(20)の光路(32)に沿って前記集束光学系(15)のズームレンズ(15a)と対物レンズ(15b)との間を移動可能(29)であるビーム成形散光器(35b)をさらに備えており、
前記ビーム成形散光器(35b)は、前記ズームレンズ(15a)と該ビーム成形散光器(15b)との間の距離に応じて、前記複合光ビーム(20)の幅を連続的に変化させるように構成されている請求項1から10のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項12】
前記ビーム成形散光器(35b)及び前記ズームレンズが互いの距離(D1)を固定した状態で前記複合光ビーム(20)の光路(32)に沿って動かされる場合に、前記複合光ビーム(20)の高さ及び幅を連続的に変化させることができるように、前記ズームレンズ(15a)は前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)と前記対物レンズ(15b)との間を前記複合光ビーム(20)の光路(32)に沿って移動可能である請求項11に記載のスポットライト。
【請求項13】
前記光路(20)の前記ビーム成形散光器(35a、35b)を移動(38b)させて除去するためのビーム成形散光器駆動部(38)、及び/又は前記光路(32)の前記ビーム成形散光器(35a、35b)の回転(38a)のためのビーム成形散光器回転駆動部(38)をさらに備えている請求項10から12のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のスポットライトを複数備えており、
前記複数のスポットライト(50a、50n、50c、50d)の複合光ビーム(20)による複合の投影(72)が、色及び強さを個別に制御することのできるスポット(20a、20b、20c、20d)を含んでおり、該個別に制御することのできるスポットの数は、前記複数のスポットライトのLEDモジュールの数に依存して決まる照明システム(75)。
【請求項15】
異なる発光スペクトルを有する少なくとも2つの発光ダイオードをそれぞれが備えている複数個の発光ダイオード(LED)モジュールと、複数個の光混合部であって、各光混合部がその片側において該当のLEDモジュールと協働するように配置され、かつ該当のLEDモジュールの前記少なくとも2つのLEDの異なる発光スペクトルを混合して光ビームを形成するように構成され、これらの光混合部の前記光ビームによって複合光ビームが形成されるように、これらの光混合部の他方の側に位置する出口面が互いに隣接して行列に配置されている光混合部と、前記複合光ビームを集束させる集束光学系と、を備えているスポットライトを用いて物体を照明する方法であって、
前記LEDモジュールの少なくとも2つのLEDの異なる発光スペクトルを電気的に制御し、複合光ビームを形成するステップ(100)と、
前記複合光ビームを集束させるステップ(110)と、
前記複合光ビームを物体へと案内して物体を照明するステップ(120)と
を含んでいる方法。
【請求項1】
異なる発光スペクトル(R、G、R、B)を有する少なくとも2つの発光ダイオード(LED)(4a、4b)をそれぞれが備えている複数個の発光ダイオード(LED)モジュール(2a、2b)と、
複数個の光混合部(6a、6b)であって、各光混合部(6a、6b)がその片側(5)において該当のLEDモジュール(2a、2b)と協働するように配置され、かつ該当のLEDモジュール(2a、2b)の前記少なくとも2つのLED(4a、4b)の異なる発光スペクトル(R、G、R、B)を混合して光ビーム(8a、8b)を形成するように構成され、これらの光混合部(6a、6b)の前記光ビーム(8a、8b)によって複合光ビーム(20)が形成されるように、これらの光混合部(6a、6b)の他方の側に位置する出口面(10)が互いに隣接して行列に配置されている光混合部(6a、6b)と、
前記複合光ビーム(20)を集束させる集束光学系(15)と
を備えているスポットライト(50)。
【請求項2】
各LEDモジュール(2a、2b)の前記少なくとも2つのLED(4a、4b)の異なる発光スペクトル(R、G、R、B)を制御するように構成された電気制御回路(25)をさらに備えており、
前記電気制御回路(25)は、前記複合光ビーム(20)が色と強さを別々に調節することができる光ビーム(20a、20b)を含むように、各LEDモジュール(2a、2b)の光ビーム(8a、8b)の強さ及び/又は色を別々に変化させるように構成されている請求項1に記載のスポットライト。
【請求項3】
前記電気制御回路(25)は、前記複合光ビーム(20)が多色モードの第1の状態において第1の色を有し、第2の状態において第2の色を有するように、前記LEDモジュール(2a、2b)の前記少なくとも2つのLED(4a、4b)の異なる発光スペクトル(R、G、R、B)を制御するように構成されている請求項2に記載のスポットライト。
【請求項4】
前記電気制御回路(25)は、色パッチモードにおいて第1のLEDモジュール(2a)の第1の光ビーム(8a)が第1の色を有し、第2のLEDモジュール(2b)の第2の光ビーム(8b)が第2の色を有し、かつ、第1の光ビーム(8a)及び第2の光ビーム(8b)の強さ及び/又は色温度を調節することができるように、前記LEDモジュール(2a、2b)の前記少なくとも2つのLED(4a、4b)の異なる発光スペクトル(R、G、R、B)を制御するように構成されている請求項2又は3に記載のスポットライト。
【請求項5】
前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)は、前記光混合部(6a、6b)の光ビーム(8a、8b)が矩形の複合光ビーム(20)を形成するように、矩形である請求項1から4のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項6】
4つの光混合部(6a、6b、6c、6d)の4つの光ビーム(8a、8b、8c、8d)によって矩形の複合光ビームが形成されるように、2×2の行列に配置された4つの光混合部(6a、6b、6c、6d)を備えており、
光混合部(6a、6b、6c、6d)へと割り当てられた各LEDモジュール(2a、2b、2c、2d)が、赤色の発光スペクトル(R)、緑色の発光スペクトル(G)、青色の発光スペクトル(B)、及び白色(W)又は琥珀色(A)の発光スペクトルを有する4つのLED(4a、4b、4c、4d)を備えている請求項5に記載のスポットライト。
【請求項7】
各LEDモジュール(2a、2b)は矩形であり、該LEDモジュールの4つの側壁(3a、3b、3c、3d)のうちの1つに前記電気制御回路を該LEDモジュールに接続するための電気端子(14)を備えており、
前記LEDモジュール(2a、2b)は、複合の矩形(18)が形成されるように互いに隣接して配置され、該複合の矩形(18)の各々の側壁(18a、18b、18c、18d)に、電気端子(14)が配されている請求項1から6のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項8】
前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)の前方に配置された調節式の開口(28)をさらに備えている請求項1から7のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項9】
前記集束光学系(15)は前記複合光ビーム(20)の光路(32)に配置された少なくともズームレンズ(15a)及び対物レンズ(15b)を備えており、
前記ズームレンズ(15a)は前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)と前記対物レンズ(15b)との間を移動可能である請求項1から8のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項10】
前記複合光ビーム(20)の光路(32)に沿って前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)と前記集束光学系(15)の対物レンズ(15b)との間を移動可能(29)であるビーム成形散光器(35a)をさらに備えており、
前記ビーム成形散光器(35a)は、前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)と該ビーム成形散光器(35a)との間の距離に応じて、前記複合光ビーム(20)の幅に対する高さの比を連続的に変化させるように構成されている請求項1から9のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項11】
前記複合光ビーム(20)の光路(32)に沿って前記集束光学系(15)のズームレンズ(15a)と対物レンズ(15b)との間を移動可能(29)であるビーム成形散光器(35b)をさらに備えており、
前記ビーム成形散光器(35b)は、前記ズームレンズ(15a)と該ビーム成形散光器(15b)との間の距離に応じて、前記複合光ビーム(20)の幅を連続的に変化させるように構成されている請求項1から10のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項12】
前記ビーム成形散光器(35b)及び前記ズームレンズが互いの距離(D1)を固定した状態で前記複合光ビーム(20)の光路(32)に沿って動かされる場合に、前記複合光ビーム(20)の高さ及び幅を連続的に変化させることができるように、前記ズームレンズ(15a)は前記光混合部(6a、6b)の出口面(10)と前記対物レンズ(15b)との間を前記複合光ビーム(20)の光路(32)に沿って移動可能である請求項11に記載のスポットライト。
【請求項13】
前記光路(20)の前記ビーム成形散光器(35a、35b)を移動(38b)させて除去するためのビーム成形散光器駆動部(38)、及び/又は前記光路(32)の前記ビーム成形散光器(35a、35b)の回転(38a)のためのビーム成形散光器回転駆動部(38)をさらに備えている請求項10から12のいずれか一項に記載のスポットライト。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のスポットライトを複数備えており、
前記複数のスポットライト(50a、50n、50c、50d)の複合光ビーム(20)による複合の投影(72)が、色及び強さを個別に制御することのできるスポット(20a、20b、20c、20d)を含んでおり、該個別に制御することのできるスポットの数は、前記複数のスポットライトのLEDモジュールの数に依存して決まる照明システム(75)。
【請求項15】
異なる発光スペクトルを有する少なくとも2つの発光ダイオードをそれぞれが備えている複数個の発光ダイオード(LED)モジュールと、複数個の光混合部であって、各光混合部がその片側において該当のLEDモジュールと協働するように配置され、かつ該当のLEDモジュールの前記少なくとも2つのLEDの異なる発光スペクトルを混合して光ビームを形成するように構成され、これらの光混合部の前記光ビームによって複合光ビームが形成されるように、これらの光混合部の他方の側に位置する出口面が互いに隣接して行列に配置されている光混合部と、前記複合光ビームを集束させる集束光学系と、を備えているスポットライトを用いて物体を照明する方法であって、
前記LEDモジュールの少なくとも2つのLEDの異なる発光スペクトルを電気的に制御し、複合光ビームを形成するステップ(100)と、
前記複合光ビームを集束させるステップ(110)と、
前記複合光ビームを物体へと案内して物体を照明するステップ(120)と
を含んでいる方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2012−516011(P2012−516011A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546806(P2011−546806)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050782
【国際公開番号】WO2010/084187
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(510300452)ジーエルピー・ジャーマン・ライト・プロダクツ・ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050782
【国際公開番号】WO2010/084187
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(510300452)ジーエルピー・ジャーマン・ライト・プロダクツ・ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】
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