説明

スポーツ活動のための関節運動するフットウェア

ブーツは、ブーツに加わる負荷に応答して、ブーツの複数の部分が実質的に独立的に互いに他に対して運動できるようにする関節運動パネルで形成された甲皮を含む。ブーツは、一般的に、スノーボード、ウェークボード、スケーティング用具(ブレードまたはホイールのような)、または他の何等かの用具に結合するために、着用者の足の周りに位置決めされるスポーツブーツからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフットウェア(履き物)に関し、特定的には、スノーボード、ウエークボード、その他のスポーツ装置のような外部用具と共に使用される特殊な型のフットウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ用途に使用されるフットウェアの設計に望まれる特性は多い。足を衝撃から保護することが望まれ、足の高度に可動な機能をある程度望ましく支援しながら望まれる運動を可能にし、そしてしばしばフットウェアはスノーボードのバインディング及びボードのような用具に取付けるための係合表面を提供することが望まれる。
【0003】
人の足は本質的に三次元であることから、フットウェアは複雑な形状に形成する必要がある。これは製造レベルにおいて、平らなパネルを互いに縫合するか、またはパネルを三次元にモールドし、それらを結合して包み込むような形状にすることによって行われることが多い。これにより、ほぼ連続的で、本質的に一体化されたフットウェアの片のための外側構造がもたらされる。
【0004】
このように、皮革及び合成シートのような柔軟な材料が三次元形状に形成されると、この構造はかなり堅固になる。例えば、本質的に極めて柔軟な標準的な雑誌も、管状に巻くと堅固になり、且つ剛くなる。ブーツを足の周囲にぴったりと密着させた場合にも同じことが言える。即ち、それらの形状の性質によって柔軟なパネルがより堅くなり、より支持的な構造になる。
【0005】
これは足の支持及び保護を高めるので、ブーツの幾つかの領域においては望ましい効果と言うことができる。しかしながら、多くの活動は、ユーザのためにダイナミックバランスを維持し、用具を舵取りし、スピードを制御し、または思いのままに簡単に操縦させるためにある運動範囲にわたって足を動かすことを要求する。
【0006】
典型的にブーツに使用される材料は、構造の曲げまたはしわ寄せによって上述した機能を可能にしているので、望ましい程度の変形が得られるように選択される。しかしながら、この型の曲げは予測することができず、一貫性がなく、温度依存性があり、そしてもしブーツの形状が足の内側に当たるように変形すれば、不快でさえある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に開示するブーツのようなフットウェア(履き物)デバイスは、選択された不連続のパネルを切り離すことによってブーツ構造の機械的な曲げを可能にしている。水分または汚染物が侵入しないように密封するために、軽量且つ超柔軟性のブリッジ用材料によってこれらのパネルを接続したままとすることができる。但し、これらのブリッジ用材料が重要な構造的支持を与える必要はない。そうではなく、主支持パネルは、外部負荷に応答して、実質的に独立的に互いに他に対して運動することが許容される。関節運動するこれらのパネルを局部に制限し、それらの相対的運動範囲を管理することによって、ブーツの各領域は所定の柔軟性を得ることができ、しかも1つの領域の特性が別の領域に与える衝撃は最小になる。隣接し合うパネルは同一隣接面内に互いに接して配置することも、またはそれらの間をある程度固定して重ね合わせることもできる。
【0008】
更に、要素間の関節運動を可能にすることによって、個々のパネルは剛さを増加させて製造し、それによって支持及び保護を改善することができる。固定されたパネルの変形に頼って曲げを得るような設計は、フットウェア構造の総合機能を考慮する必要があるために、支持及び保護の程度が制限される。保護のために十分に剛いブーツは、適切な機能のためには堅過ぎることが多い。自由に曲がる柔らかいブーツは、一般的に足を保護して必要な支持を与えるには貧弱な仕事しかしないので、逆もまた真である。
【0009】
添付図面に示すように、関節運動するパネルを、ブーツのいろいろな領域に配置することができる。幾つかの実施の形態では、前足領域は歩行を容易にするために、背及び底がある量だけ曲がることを可能にしている。主ブーツボディの足首領域は、いろいろな方向に関節運動できるようにすることが可能である。
【0010】
多くのフットウェア設計における別の重要な要素は、通常は三次元曲線に形成される舌皮(舌革、ベロ、tongue)である(足の頂部上、下部脚の前部の凹み、及び、足甲と脛領域との間のL字形)。用具は舌皮領域にあてがわれるストラップによってブーツに結合されることが多いことを考えると、足を保護するためにはこの要素にある剛さと、圧力分配特性を与えることが重要である。開示する特色は、より堅い材料を使用することによって舌皮がこの型の保護を提供し、しかも自然の範囲内で機能する足の能力を保持するので、連続パネル設計に固有の望ましくない変形を回避できる手段になる。
【0011】
複数の要素を関節運動できるように組合せると、典型的に、望む場所に局所的な支持及び保護が得られ、しかもユーザに比較的自由な運動範囲を許容するという利点が得られる。第2に、足及び足首の自然関節運動点に接して位置するパネルをよじったり、または他の望ましくない曲げを生じさせる必要なく、この運動範囲が得られる。ユーザにとっての結果は、ブーツにどのような運動範囲が設計されていようとも、確実な且つ一貫したフィットが得られることである。
【0012】
本発明によるデバイスの中で、スポーツボードに結合されるフットウェアデバイスは靴底(ソール)上に位置する甲皮(甲革、アッパー)を含み、この甲皮は足を受けるように構成され、また甲皮が負荷に応答して変形することができるように、少なくとも部分的に、互いに他に対して運動可能な2つまたはそれ以上のパネルで形成されている。
【0013】
他の実施の形態では、スポーツボードに結合される本発明によるフットウェアデバイスは、靴底と、着用者の足の周りに位置決めされ、靴底に結合されている下側部分と、着用者の足首の周りに位置決めされる上側部分とを含む。この上側部分は、足の前部近くに位置する結合領域において下側部分に結合され、また上側部分が結合領域を中心として下側部分に対して前方へピボットできるように、足の後部近くに位置する関節運動領域において下側部分から切り離されるようになっている。
【0014】
他の実施の形態では、少なくとも部分的にフットウェアデバイスの甲部分上に位置決めされるようになっている本発明によるフットウェアの舌皮(舌革、ベロ、tongue)は、少なくとも1つの接続ゾーンに沿って互いに接続され、互いに他に対して運動するように構成されている少なくとも2つの別個の領域を含む。これらの領域の第1の領域は第1の材料で製造され、第2の領域は第1の材料とは異なる剛さを有する第2の材料で製造されている。
【0015】
以下に添付図面を参照して1つまたはそれ以上の実施の形態の詳細を説明する。さらなる特色、面、及び長所はこの説明、図面、及び特許請求の範囲から明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、ブーツ100の実施の形態の側面図であって、ブーツに加わる負荷に応答してブーツの複数の部分が互いに他に対して実質的に独立的に運動できるようにする関節運動パネルで形成された甲皮を有している。このブーツは一般的に、スノーボード、ウェークボード、スケーティング用具(ブレードまたはホイールのような)、または他の何等かの用具のような外部用具に結合するために、着用者の足の周りに位置決めされるスポーツブーツからなる。
【0017】
ブーツ100は、一般的に、本底(アウトソール)105と、この本底105の上に取付けられている甲皮110とを含む。甲皮110は、ブーツの中底(インソール)領域及び前領域に沿って位置決めされている舌皮を、公知の技法で少なくとも部分的にカバーする1対の閉じフラップを含む。結紐(レーシング)システム115は、甲皮110に通されている紐117を含み、この紐117の両端は締付け機構120に結合されている。ブーツ100はいろいろな型の、そして締付け機構120を含む必要がない結紐システムと共に使用できることを理解されたい。
【0018】
甲皮110は、人の足を取り囲み、足及び/または脚のさまざまな運動中に加わる負荷のような負荷に応答して甲皮110を変形させることができるように、少なくとも部分的に、互いに他に対して運動可能な2つまたはそれ以上のパネルで形成されている。これらのパネルは局所的な範囲で互いに他に対して運動できるように、所定の手法で形作られ、位置決めされている。各パネルは、ブーツ上のそのパネルの位置に特に適する柔軟性及び剛性のような構造特性を有することができる。パネルは互いに他に対して運動することができるので、1つのパネルの構造特性が隣接するパネルの構造特性に及ぼす影響は最小であるか、または皆無である。
【0019】
図1を更に参照する。ブーツ100は、上張り(オーバーレイ)パネル及び下張り(アンダーレイ)パネルを含む。上張りパネルは、下張りパネルを少なくとも部分的にカバーするか、または下張りパネルの一部分に上張りされ、下張りパネルに対してある範囲内で運動する。上張りパネルは、下張りパネルの複数の部分を露出させるようなサイズである。上張りパネルと下張りパネルの量及び相対位置は、ブーツ100に望まれる関節運動特性に適するように変化させ得ることを理解されたい。
【0020】
1つまたはそれ以上の下張りパネルは、下張りパネルが関節運動することができるように、上張りパネルに対して柔軟性を増加させた材料で製造することができる。更に、以下に説明するように下張りパネルは、下張りパネルの間で互いに他に対して、及び上張りパネルに対して相対運動できるように構成されている。上張りパネルも、所望の基準に合致する局所的な関節運動及び剛さレベルを可能にするいろいろなレベルの剛さ及び相対運動を有するように構成することができる。
【0021】
図1の実施の形態では、ブーツ100は、概ねブーツの下側部及びび爪先領域に沿って位置している側部上張りパネル125と、概ね足首または下部脚の近辺のような概ねブーツの上側部領域に沿って位置している上部上張りパネル130を含む。図1は、ブーツ100の一方の側だけを示している。パネル125及び130はブーツの周囲を、図示されていない反対側まで延び得ることを理解されたい。代替として、パネル125及び130と類似の、または異なる配置を有する分離したパネルを、ブーツ100の反対側に位置決めすることができる。
【0022】
ブーツ100は、前部下張りパネル135、側部下張りパネル140、上部下張りパネル145を更に含む。上張りパネル125の一部分が爪先領域の前縁に沿って延びてはいるが、前部下張りパネル135は概ねブーツの爪先領域の上張りパネル125の前部近くに位置している。側部下張りパネル140は、上張りパネル125及び130の間のブーツの側部領域に沿って位置している。上側下張りパネル145は、ブーツの上側領域に沿って上側パネル130の上方に位置している。前述したように、下側パネル145の少なくとも一部分は、上張りパネルと下張りパネルとが相対運動できるように上張りパネルの下に延びている。従って、上張りパネルの下に位置決めされている下張りパネルのそれらの部分は、図1には示されていない。
【0023】
図2に示すブーツ100の側面図は、下張りパネルが互いにどのように接続されるのかを示している。この実施の形態では、下張りパネルは上張りパネルの下に位置する縫い目によって接続されている。下張りパネル135及び140は、ブーツ100の側部上張りパネル125の下に位置する縫い目線210に沿って接続されている。縫い目線210は、本底105の縁から下張りパネル140と135との間に位置する切抜き215まで上方に延びている。この切抜きは、下張りパネル135と140の間の関節運動または相対運動の領域として役立つオープン領域になっている。
【0024】
同じように、下張りパネル140及び145は、上張りパネル130の下に位置する縫い目線220に沿って接続されている。縫い目線220は、図2に示す側からブーツの後を巡ってブーツの反対側へ巻くことも、または別の通路を辿ることもできる。縫い目線220は、下張りパネル140及び145の間に位置する切抜き225で終わる前縁を有している。切抜き225は、下張りパネル140と145のための関節運動、即ち相対運動の領域として役立つ下張りパネル140と145との間のオープン領域になっている。
【0025】
上述した下張りパネル及び上張りパネルは、水分を密封するのを援助するために、関節運動するパネルが外側に、また“カバーリング”パネルが内側になるように逆転できることを理解されたい。また、いろいろな関節運動パネルがブーツのボディ全体を構成している場合には、下張りパネル及び上張りパネルを分離させないことも可能である。
【0026】
一実施の形態では、切抜き215及び225は空白の空間であって、下張りパネル間の切抜きの領域内には何等の材料も位置決めされていない。別の実施の形態では、切抜きには関連下張りパネルを相互接続するブリッジ材料で充填されている。切抜き充填材料は必ずしもブーツに対して構造的支持は与える必要はなく、ブーツに侵入する水分または他の汚染物を封ずるような、環境に対する保護を与える軽量且つ柔軟な材料であることができる。
【0027】
上述したように、切抜き215及び225は、下張りパネル間の関節運動、即ち相対運動の領域として働く。切抜き215はブーツの前足領域内に位置しており、歩行を容易にするように下張りパネル135及び140の間がある範囲で運動することを許容する。切抜き225は、上部足首領域内に位置しており、登攀または中間横方向の曲がりのような足及び脚の他の運動を容易にするために、下張りパネル140及び145の間がある範囲で運動することを許容する。切抜き及びパネルの量、サイズ、形状、及び位置は、歩行、登攀、並びに、特にスポーツまたはブーツを使用する動作に関連する他の運動/位置のような、いろいろな脚及び足運動を容易にする関節運動の領域を与えるように変化させ、選択することができる。
【0028】
例えば、上部上張りパネル130はブーツの足首領域に強い支持を与えるためにより剛い材料で製造することができ、一方、下張りパネル145及び140は切抜き225と組合って上側足首領域における関節運動を可能にしている。上張りパネルは、下張りパネルよりも剛い材料で製造することができる(逆であることもできる)。
【0029】
上述したように、上張りパネル及び下張りパネルは、各々、所定の特性の材料で製造することができる。各上張りパネル及び下張りパネルの材料は、特に、そのパネルが位置しているブーツの特定領域に局所的な構造特性を与えるように選択することができる。パネルは互いに他方に対して運動することができるので、1つのパネルの構造特性が必ずしも隣接するパネルの構造特性に影響を及ぼすことはない。
【0030】
上張りパネル及び下張りパネルは、さまざまな材料の何れかで、またいろいろな技術の何れかを用いて製造することができる。一実施の形態では、各パネルの少なくとも一部はモールディングによって製造される。人の足及び下部脚が本質的に三次元であるので、上張りパネル及び下張りパネルを複雑な形状に形成する必要がある。上張りパネル及び下張りパネルをモールディングすることによって、ライダーの足及び脚の形状に順応する構造が可能になる。更に、パネルをモールドすると、例えば平坦なパネルを切断し、三次元形状に縫合するのに較べて使用する材料が少なくなるので、ブーツが軽量化される。更に、モールドされた上張りパネル及び下張りパネルは、パネルの所望の曲げ特性(離散した領域内の、または幾つかの方向への複数の曲げ特性を有する所与のパネルを形成する能力を含む)を維持するように処理することができる。パネルは、本質的に等方性である必要はない。
【0031】
図3は、ブーツの別の実施の形態を示している(参照番号300で示す)。この実施の形態では、甲皮は下側領域及び上側領域からなり、これらは互いに他に対してある運動範囲を有している。上側領域を下側領域に蝶番結合し、それらの間に相対運動を許容することも、または上側領域を部分的に下側領域に結合し、ある領域を結合せずに残して2つの領域間の相対運動を許容することもできる。
【0032】
図3に示すブーツ300は、ブーツの足及び下部足首領域の周囲に概ね位置している下側領域310を含む甲皮を有している。甲皮は、ブーツの上部足首及び下部脚領域の周囲に概ね位置する甲皮領域315を更に含む。上側領域315及び下側領域310は、結合領域320に沿って互いに出会っている。結合線320は、下側領域310と上側領域315を互いに接続する領域を構成している。結合は、材料の連続片の使用による縫合または鋲止によって、または他の結合手段によって行うことができる。上側及び下側領域は、関節領域325に沿って互いに他に対して関節運動または運動することもできる。上側及び下側領域は、関節領域325においては互いに結合されていない。上側領域315は、下側領域310には無関係に、関節領域325に沿って関節運動または運動することができる。
【0033】
以上のように、上側領域315及び下側領域310は、ブーツの前部位置においては結合領域320に沿って接続され、ブーツの後部位置においては関節領域325に沿って互いに他方に対して関節運動することができる。これにより、上側領域315は、ブーツの前部付近に位置する相対的に固定された部分に関して、下側領域に対してピボットすることができる。
【0034】
図3のブーツは、ブーツの後部を支えるリアハイバックを有するスノーボードバインディングと共に使用されるスノーボードブーツとして特に有用であり得る。このようなバインディングが米国特許第5,918,897号に開示されているので参照されたい。リアハイバックは後方傾斜部分においてブーツの足首領域に支えを与えるので、ブーツ自体がこのような支えを与える必要はない。従って、上側及び下側領域はブーツの後部において自由であり、後部において相対運動することが許される。上側領域と下側領域とがブーツの後部において自由に運動することによってブーツは関節運動することが可能になり、前方へ曲げられた時にブーツの下側部分が外向きに膨らむことがなくなる。一方、ブーツ300の上側領域及び下側領域が前部において互いに他に対して固定されているので、ブーツはブーツの前部においてある支持を与える。
【0035】
図4は、開示しているブーツの実施の形態の何れかに組入れることができる関節運動のための舌皮(ベロ、tongue)400を示している。舌皮400は、2つまたはそれ以上の別個の領域を含んでおり、これらの領域は所定の接続ゾーンに沿って互いに接続されている。これらの領域は、互いに他に対して運動することができ、また各々は、舌皮上の領域の位置に特に適する所望の構造特性を有する材料で製造することができる。従って、舌皮は、足を保護するための剛さ及び圧力分配特性のような局所的な所望の構造特性を有することができ、しかもこれらの領域の相対運動によってそれらの下に位置する足が自然の運動範囲内で機能することができる。各領域のための接続ゾーンのサイズ、形状、及び位置は、足の形状に快適に順応し、しかも必要とされる場所に剛さと保護を与える能力を舌皮に与えるように選択される。
【0036】
図4の実施の形態では、舌皮400は、足甲領域405、中間領域410、及び上側領域415を含む。足甲領域405及び中間領域410は、中心線または他の何等かの軸に沿って位置することができる接続ゾーン420に沿って接続され、これらの領域は舌皮の主軸に対して対称的に位置している必要はない。中間領域410及び上側領域415は、接続ゾーン425に沿って接続されている。前部ストリップ430は、領域405、410、415の頂部に位置しており、これらの領域の全てを横切って延びている。これらの領域の量及び形状は変化させることができる。
【0037】
これらの領域は、接続ゾーン420及び425において横方向寸法が外に行く程減少している。即ち、各領域は接続ゾーンから遠去かるにつれて横方向外向きに広がっている。各舌皮領域をこの形状にすると、その舌皮領域が位置する足の形状にローカルに順応し、舌皮全体として形状、機能、及び構造に加わる衝撃は最小になる。
【0038】
充填物(フィラー)領域435が、領域405、415、420の間に位置決めされている。充填物領域435は、舌皮400の総合構造特性(柔軟性及び剛性のような)に寄与はしない軽量で柔軟な材料で製造することができる。しかしながら、充填物領域435は、水分または他の汚染物がブーツに侵入するのを防ぐように、舌皮が足の甲の周囲を適切に密封できるような形状にし、且つそのようにする材料で製造することができる。
【0039】
各領域は、その領域が位置している特定の舌皮領域に所望の構造特性を与える異なる材料で製造することができる。例えば、もしストラップが特定の領域にあてがわれるのであれば、その領域は足をストラップの圧力点から保護する材料で製造することができる。一方、ストラップがあてがわれない領域は、快適さを高める柔らかい材料で作ることができる。このように、これらの領域は、舌皮の異なる領域に局所的な特性を与えるようなサイズ及び形状にし、製造することができる。
【0040】
以上に、いろいろな方法及びデバイスの実施の形態の詳細を幾つかのバージョンに関して説明したが、他のバージョン、実施の形態、使用方法、及びそれらの組合せも可能であることを理解されたい。従って、本明細書の思想及び範囲は、記述した実施の形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ブーツの実施の形態の側面図である。
【図2】図1のブーツの側面図であって、下張りパネルの接続を示している。
【図3】ブーツの別の実施の形態の側面図である。
【図4】説明したブーツの実施の形態の何れにも組入れることができる関節運動用舌皮の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツボードに結合されるフットウェアデバイスであって、
ソール上に位置する甲皮を含み、
前記甲皮は足を受入れるように構成されており、前記甲皮が負荷に応答して変形することができるように、少なくとも部分的に、互いに他に対して運動可能な2つまたはそれ以上のパネルで形成されている、
ことを特徴とするフットウェアデバイス。
【請求項2】
前記甲皮に結合されている舌皮を更に含み、
前記舌皮は、前記フットウェアデバイスの上側領域付近に位置決めされ、
前記舌皮は、所定の接続ゾーンに沿って互いに接続されている2つまたはそれ以上の別個の領域を含み、前記領域は互いに他に対して運動するように構成され、
前記領域は、各々、前記舌皮上の前記領域の位置に特に適する所望の構造的特性を有する材料で製造することができる、
ことを特徴とする請求項1に記載のフットウェアデバイス。
【請求項3】
前記パネルは、互いに蝶番結合されていることを特徴とする請求項1に記載のフットウェアデバイス。
【請求項4】
前記フットウェアデバイスは上側パネル及び下側パネルを含み、前記上側パネルは、前記上側パネルが前記下側パネルに対して前方向にピボットできるように前記下側パネルに蝶番結合されていることを特徴とする請求項3に記載のフットウェアデバイス。
【請求項5】
前記パネルは、上張りパネル及び少なくとも部分的に前記上張りパネルの下に位置する下張りパネルを含み、前記上張りパネルは前記下張りパネルに対して運動可能であることを特徴とする請求項1に記載のフットウェアデバイス。
【請求項6】
前記下張りパネルは、前記上張りパネルの下に位置する縫い目を介して接続されていることを特徴とする請求項5に記載のフットウェアデバイス。
【請求項7】
前記パネルは、不織材料をモールドしたものであることを特徴とする請求項1に記載のフットウェアデバイス。
【請求項8】
前記上張りパネルは、前記下張りパネルの材料より柔軟な材料で作られていることを特徴とする請求項5に記載のフットウェアデバイス。
【請求項9】
前記下張りパネルは、前記上張りパネルの材料より柔軟な材料で作られていることを特徴とする請求項5に記載のフットウェアデバイス。
【請求項10】
前記フットウェアデバイスは、
(a)前記フットウェアデバイスの下部及び爪先領域に沿って位置する少なくとも1つの側部上張りパネルと、
(b)前記フットウェアデバイスの上部領域に沿って位置する少なくとも1つの上部上張りパネルと、
(c)前記フットウェアデバイスの爪先領域内に位置する少なくとも1つの前部下張りパネルと、
(d)前記フットウェアデバイスの側部領域に沿って位置する少なくとも1つの側部下張りパネルと、
(e)前記フットウェアデバイスの上部領域に沿って位置する少なくとも1つの上部下張りパネルと、
を含むことを特徴とする請求項5に記載のフットウェアデバイス。
【請求項11】
前記下張りパネルは、前記上張りパネルの下に位置する縫い目を介して接続されていることを特徴とする請求項10に記載のフットウェアデバイス。
【請求項12】
前記下張りパネル間の相対運動を許容するために、前記下張りパネル間に切抜き領域が位置していることを特徴とする請求項10に記載のソフトウェアデバイス。
【請求項13】
前記切抜き領域は、柔軟な材料で充填されていることを特徴とする請求項12に記載のフットウェアデバイス。
【請求項14】
スポーツボードに結合されるフットウェアデバイスであって、
靴底と、
着用者の足の周りに位置決めされ、前記靴底に結合されている下側部分と、
前記着用者の足首の周りに位置決めされる上側部分と、
を含み、
前記上側部分は前記足の前部近くに位置する結合領域において前記下側部分に結合され、また前記上側部分が前記結合領域を中心として前記下側部分に対して前方へピボットできるように、前記足の後部近くに位置する関節運動領域において前記下側部分から切り離される、
ことを特徴とするフットウェアデバイス。
【請求項15】
前記上側部分及び下側部分は、前記結合領域において縫合または鋲止の少なくとも一方を使用して結合されていることを特徴とする請求項14に記載のフットウェアデバイス。
【請求項16】
前記上側部分及び下側部分は、前記結合領域において一体的に結合されていることを特徴とする請求項14に記載のフットウェアデバイス。
【請求項17】
少なくとも部分的にフットウェアデバイスの足甲上に位置するようになっているフットウェア舌皮であって、
少なくとも1つの接続ゾーンに沿って互いに接続されている少なくとも2つの別個の領域を含み、前記領域は互いに他に対して運動するように構成されており、
前記領域の第1の領域は第1の材料で製造され、前記領域の第2の領域は前記第1の材料とは異なる剛さを有する第2の材料で製造されている、
ことを特徴とするフットウェア舌皮。
【請求項18】
前記第1の領域は、着用者の足の甲の形状に順応するように予め形作られた足甲領域であることを特徴とする請求項17に記載のフットウェア舌皮。
【請求項19】
前記第2の領域は、着用者の足の形状に順応するように予め形作られた足首領域であることを特徴とする請求項17に記載のフットウェア舌皮。
【請求項20】
前記第1の領域は、前記第2の領域より柔らかいことを特徴とする請求項17に記載のフットウェア舌皮。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−523491(P2009−523491A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550433(P2008−550433)
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/000866
【国際公開番号】WO2007/082069
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(596033680)グッドウェル インターナショナル リミテッド (2)
【Fターム(参考)】