スポーツ練習のためにボールを投球するための装置
この装置は、加圧ガス状流体を収容するためのタンク(2)を備えており、このタンク(2)は、排気ダクト(5)により断面が投球されるボール(4)の断面の対応している投球管(3)に連結されており、投球管(3)は、ボール(4)を位置させるためのシート(8)を有している。急速開口装置(6)が、ボール(4)の投球を引起こすために、指令に応じて流体をタンク(2)から排気ダクト(5)を通して投球管(3)に排出し得る。更に、装置(1)は、タンク(2)から投球管(3)への流体の移送を定めるために排気ダクト(5)に設けられた絞り手段(37)と、投球されるボール(4)用のシート(8)の位置を変えるための手段(43)とを備えており、これらの手段は、所定の関係に応じて、タンク(2)から投球管(3)への、およびその逆の流体の移送の調整によりシート(8)の位置を変えるようにして互いに作動的に関連されることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前置きに記載の種類のスポーツ練習のためにボールを投球するための装置に関する。
【0002】
前記装置は、アソシエーションフットボール(サッカー)プレーヤを訓練するのに使用されるようになっているが、テニス、バレーボール、アメリカンフットボール、ラグビーフットボールなどのようなボールを使用するいずれのスポーツまたはゲームに使用されることもできる。更に、前記装置は、簡単な娯楽ゲーム用に使用されることもできる。しかしながら、ここでは、説明の簡単のために、アソシエーションフットボール(サッカー)またはフットボールのみに明白に言及される。
【背景技術】
【0003】
プレーヤの訓練時、必要なときに、ボール投球速度、価値および上昇弧が反復的である一連ショットを与えることが特に重要である。
【0004】
基準ボールと、軌道が傾斜されていなければならない垂直平面とが設定されたら、上昇弧および投球速度のパラメータは、軌道の幾何形状および時間毎の移動法則の両方を独特に認定して、衝撃の範囲、速度および角度、飛び時間などのような重要なパラメータの即座の上昇を許容する。
【0005】
例えば、フットボールでは、使用されるボールは、現在の規定により定められたものである。特に、現在のところ、「サイズ5公認FIFA」として規定されているフットボールは、420gと445gとの間の質量と、68.5cmと69.5cmとの間の周囲を有していなければならない。
【0006】
フットボールにおけるパス距離が40mないし50m、最もしばしば、20度と50度との間の衝撃角度で10mと25mとの間の範囲に達したり、越えたりするので、現在のところ、プレーヤを訓練するのに、同様な状況をシミュレートする能力を有することが基本的に重要である。その結果、必要とされる、投球速度は、40m/秒、よりしばしば、10m/秒と25m/秒との間の範囲に達することさえある。
【0007】
現在のところ、練習期間の間、投球は、練習者により、或いはプレーヤのチームメートにより行なわれる。
【0008】
その結果、投球は、しばしば、互いに異なり、且つ不正確でもある。
【0009】
現在のところ、スポーツ練習目的でボールを投球する幾つかの公知の装置があるが、一般に、これらの装置は、テニスボールまたは野球ボールを投球する装置である。
【0010】
なお、異なるスポーツに使用されるボールの中でも、サイズ、重量および重量/体積比の点で著しい差がある。
【0011】
これらの差により、フットボールを投球するために、代わりにテニスボールを投球するように考案された装置を使用するか、或いは装置をこの目的に適合させることが不可能である。
【0012】
異なる既存の装置の中でも、最も興味ある装置は、搬送容易であり、且つ例えば、フットボール場内の任意箇所で容易に作動されることができる装置である。
【0013】
同様な搬送容易な装置の例が、米国特許第3662729号、英国特許第2118443号および米国特許第4774928号に開示されている。
【0014】
特に、米国特許第4774928号は、練習目的でテニスボールを投球するための装置を開示しており、この装置は、圧縮空気用のタンクと、断面がテニスボールの断面とほぼ対応する投球管を備えており、この投球管は、ボールと投球する開口端と、タンクに収容された空気をこの管を通して急速に排出し、それによりボールの投球を引起こすことができる急速開口装置によりタンクの連結されている端部とを有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、公知の装置は、フットボールを前述のようにして投球するのに適していない。一方、これらの装置は、テニスボールと比較して非常に異なる重量および直径を有するフットボールの効果的な投球を許容しない。しかも、この種類の装置は、一方では、ボールの反復投球を確保しなく、他方では、投球速度を調整し得ない(少なくとも、容易で正確な方法ではない)。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この状況において、本発明の基礎を構成する技術的課題は、前述の欠点を解消するスポーツ練習のためにボールを投球するための装置を得ることである。特に、本発明の技術的課題は、簡単であり、コンパクトであり、搬送可能であり、ショットの実施が効率的であり、経済的であり、且つ使用安全であり、そして必要とされる投球速度を達成するのに必要な衝撃でボールに精度、再現性および調整能力を与えることができるスポーツ練習用の装置を得ることである。
【0017】
特定された技術的課題および指摘された目的は、添付の請求項に記載のようなスポーツ練習のためにボールを投球するための装置により実質的に達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1、図2および図4では、装置の断面部分の構造を構成する異なる部分間の密封連結部が太線で強調されているが、簡単化のために、これらの連結部は他の図では強調されておらず、それにもかかわらず存在するものと考えられる。
【0019】
前述図を参照すると、参照符号1は、全体的に、本発明によるスポーツ練習のためにボールを投球するための装置を示しており、この装置は、圧力下のガス状流体(有利には空気)を収容するためのタンク2と、断面が投球されるボール4の断面に対応する投球管3と、タンク2と投球管3との間に作動的に連結された流体用の排気ダクト5と、ボールの投球を行なうために要求に応じて流体をタンク2から排気ダクト5を通して投球管3へ排出するための急速開口装置6とを備えている。
【0020】
ここには図示されていない他の実施の形態の変形例では、排気ダクト5は、投球管3の最も内側の部分と一致することもできるが、好ましくは、排気ダクト5は、投球管3より小さい断面を有している。
【0021】
投球管3は、ボールを投球するための開口端7を有しており、また内部には、ボール4を位置させるためのシート8を有している。
【0022】
図示の実施の形態では、急速開口装置6は、タンク2から排気ダクト5への流体の排出を制御する急速開口主弁9と、主弁9の開口を駆動する制御弁10と、制御弁10の作動を定める少なくとも1つの駆動弁11とを備えている。
【0023】
他の実施の形態は、使用者により直接作動されることができる主弁9のみの使用と、駆動弁により直接作動される急速主弁9の使用との両方に対処している。図示の実施の形態では、主弁9は、第1の加圧可能な室13によって作動される第1の移動可能な閉鎖体12を備えており、この閉鎖体12は、第1の室13が加圧されるときに閉鎖位置にあり、第1の室13が減圧されるときに開口位置に移動する。
【0024】
制御弁10は、これが開口されると、後述のようにして第1の室13の減圧を引起こす。
【0025】
制御弁10に関して、この制御弁10は、主弁9と同様に、第2の加圧可能な室15によって作動される第2の移動可能な閉鎖体14を備えている。第2の閉鎖体14もまた、第2の室15が加圧されるときに閉鎖位置にあり、第2の室15が減圧されるときに開口位置に移動する。
【0026】
また、駆動弁11は、これが開口されると、第2の室15の減圧を引起こす。
【0027】
図示の実施の形態によれば、平行に設けられ、独立して作動されることができる2ついの駆動弁11が存在している。これらの駆動弁は、それぞれ、ソレノイド弁16および手動弁17であり、それらの各々は、いずれの場合でも、さほどは完全でない実施の形態では、単独でも存在することができる。有利には、ソレノイド弁16により構成される駆動弁は、電気的に接続されたプッシュボタン18と、駆動弁を遠距離から制御し得る遠隔制御装置19との両方により作動されることができる。
【0028】
装置1は、また、図示の実施の形態では、タンク2を加圧するための回路20を備えており、この回路もまた、第1および第2の室13、15の加圧を定める。
【0029】
この回路は、空気圧式急速連結部を介して、コンプレッサまたはボトルのような、加圧流体、代表的には、圧縮空気(7÷9バール)を供給する装置(図示せず)に連結されている。その下流には、流入空気用のフィルタ22と、可変の充填圧(例えば、1.5÷9バール)を確保するための減圧器23と、投球装置1の自動充填(第1の進路25)または自動充填(第2の進路26)を択一的に設定するための2方向空気圧選択弁24とが順に位置されている。
【0030】
また、第1の進路25(手動)は、手動充填弁28を備えている第3の進路27と、電磁充填弁30を備えている第4の進路29とに分割されている。第3および第4の進路27、29の構成は、図の構造点から、詳細について(またプッシュボタンによる作動または電磁弁30による遠隔制御について)言及して以上で述べた平行の2つの駆動弁11の構成と同様である。同様に、手動作動式充填弁が単独で、或いは電磁作動式弁30が単独で第2の進路26に沿って設けられることができる。
【0031】
第2の進路26(自動充填)は2つの充填弁28、30の下流で第1の進路25に再連結されており、かくしてそれらの制御を迂回している。
【0032】
この点で、第1および第2の進路25、26が開口する充填導管31は、タンク2と連結している第1のオリフィス32と、より小さい断面を有して前述の第1および第2の室13、15とそれぞれ連結している第2および第3のオリフィス33、34とを有している。
【0033】
オリフィス32、33、34の断面は、充填操作時に、まず、第2の閉鎖体14および第1の閉鎖体12の閉鎖をこの順で行い、次いで(タンク2、第2の室15および第1の室13を含む)回路全体の同じ圧力(一方が減圧器23により定められる)までの充填を行なうように寸法決めされている。
【0034】
また、図示の加圧回路20には、2つの制御ゲージ35および安全弁36が設けられている。
【0035】
更に、装置1は、タンク2から投球管3への流体の移送を定めるために排気ダクト5に設けられた絞り手段37を備えている。
【0036】
図1、図3および図5は、絞り手段37の最も進歩された実施の形態を示しており、この場合、絞り手段37はタンク2から投球管3への流体の移送を調整し得る。第1(図1および図3)および第2(図5)の図示の実施の形態の両方では、絞り手段37は、固定部分38と、この固定部分38に対して移動可能な可動部分39とを備えており、この可動部分39は、固定部分38に対する移動可能な可動部分39の変位が絞り手段37に応じて排気ダクト5の有効断面の変化を定めるようにして位置されている。
【0037】
第1の実施の形態では、固定部分38は、排気ダクト5内の狭窄を定めるリング状シートにより構成されており、可動部分39は、排気ダクト5内の流体の通過のための有効断面を変化させるために前記リング状シートと同軸に移動可能な球閉鎖体により構成されている。
【0038】
第2の実施の形態では、固定部分38は、移動可能なスリーブが摺動することができる排気ダクト5内の位置されてリング状シートにより構成されている。詳細には、スリーブの外壁部40は、リング状シートに近接して摺動する。
【0039】
前記スリーブは、また流体用のその入口部分に対応している狭窄部41と、リング状シートを跨ってリング状シートと対応して設置され、固定部分38の上流におけるスリーブへの流体の横方向流入を許容する1つまたはそれ以上のスリット42とを有している。
【0040】
このように、可動部分39の位置を変えることにより、スリット42を通る流体の経路のための断面、従って絞り手段37を通る流体経路のための有効断面を変更することが可能である。
【0041】
図6ないし図8に示される第3の実施の形態では、絞り手段37は、各々が異なる絞り断面を確保するような1つまたはそれ以上の交換可能なリングナット61を備えている。特に、添付図は、各々が排気ダクト5内の異なる絞りをもたらすことができる3つの異なるリングナット61を示している。図示のように、各リングナット61は、各リングナット61は、異なる輪郭を有しており、ここに示されるもののうち、図6のリングナット61は流体経路のための最も小さい断面を定めるリングナットである。
【0042】
図9および図10に2つの変形例で示される第4の実施の形態において、絞り手段37は、第1の閉鎖体12の移動に作用する主弁9内の流体を通過のための断面を変化させる。
【0043】
第1の閉鎖体12の移動を変える第1の方法(図9)は、第1の室13の底部に作用する閉鎖体12の端停止位置を変える(すなわち、開口の終了時の第1の閉鎖体12の到達点を変える)か、或いは端停止位置を第1の室13の残部に対して軸方向で調整可能にするか、或いは1つまたはそれ以上の(各々が異なる厚さを有する)交換可能な挿入体62を設けることよりなる。
【0044】
図9は、(後で詳細に説明される)第1の減衰部材50の下への挿入体62の挿入を示している。
【0045】
その代わりに、第1の閉鎖体の移動を変える第2の方法は、主弁9が閉じられると、第1の閉鎖体12の位置を変えることよりなる。図10では、これは、端部64が第1の閉鎖体12を閉鎖状態に支持する排気ダクト5の内側部分63の位置を軸方向で調整することによって達成される。
【0046】
また、装置1は、好ましくは、投球管3に対して投球されるボール4用のシート8の位置を変えるための手段43を備えている。
【0047】
添付図では、ボール4用のシート8は、投球管3に連結された排気ダクト5の端部44により構成されており、そして投球管3に対して軸方向で調整可能である。有利には、投球装置1の性能以上に制御を改良するために、絞り手段37と、ボール4用のシート8の位置を変えるための手段43とは、設計段階に定められるべき所定の関係に応じて、タンク2から投球管3への、およびその逆の流体の移送の調整によりシート8の位置を変えるようにして互いに作動的に関連されるのが好ましい。図1ないし図5に示された例では、これは、調整手段の可動部分39の変位により投球管3内の投球されるボール4用のシート8の対応する変位を引起こすように、投球されるボール4用のシート8を調整手段の可動部分39に堅く留めることにより達成される。
【0048】
図6ないし図8に示される例では、各交換可能なリングナット61は、排気ダクト5の所定の絞りに加えて、関連した絞りに適切に相互関連されたシート8の異なる位置を定める。
【0049】
第4の実施の形態に代わる例では、ボール用のシート8の位置を変えるための手段43は、絞り手段37に直接関連されていない。この理由で、絞り手段37が変更されるたびに、シート8の位置を変えるための手段43を調整することが適切である。
【0050】
ボール用のシート8の軸方向位置を調整することができることにより、ボール4がシート8にあるときに、流体が投球時に膨張することができる第1の室が、シート8と開口端7と反対側の投球管3の端部との間に確認される。有利には、ボール4が排気ダクト5の出口を実質的に閉じるので、投球管3への流体の注入が、ボール4用のシート8に正確に対応して生じる。
【0051】
図12に示されるように、本発明の装置は、投球精度を高める手段67を備えることができる。
【0052】
図12に示される実施の形態では、投球精度を高める手段67は、後で詳細に説明される投球ノイズを減少させる手段68と関連されている。
【0053】
この実施の形態では、投球精度を高める手段67は、投球管3の開口端7から適切な間隔を置いて位置された環状部材69により構成されている。有利には、環状部材69は、ボールの移動が摩擦または干渉により減速されないように、小さい通路70がボールと環状部材69自身との間でボール4の通路に存在するようにして投球管3内の直径より僅かに大きい内径を有している。
【0054】
前述のように、本発明の装置1は、また、サイレンサのような投球ノイズを減少させる手段68を備えることができる。
【0055】
前記ノイズ減少手段68の1つの種類が、環状部材69との組合せで図12に示されている。しかしながら、一般に、投球精度を高める手段67とノイズ減少手段68との間の相互関係が無くてもよい。
【0056】
図示の実施の形態では、ノイズ減少手段68は、本質的に、投球管3に同軸の設けられた適切な容積の環状室71により構成されている。有利には、環状室71は取外し可能に設けられている。
【0057】
環状室71は、投球管3の開口端7に対応して設けられた内側スリット72と、複数の横方向スリット73とを有している。
【0058】
その場合、投球管3から出る加圧空気は、内側スリット72を通って室71に入り、そして横方向スリット73を通って大気に排出される。
【0059】
全体の通路断面は、投球管3の断面よりあまり小さくはない。有利には、この断面は添付図には示されていないが、環状室71および装置の他の部分の内面は、吸音材で被覆されることができる。
【0060】
ここでは説明されていないが、装置の他のノイズ源、特に、主閉鎖体12の室から大気への排出のノイズおよびボールを位置させるためのシート8を規定する部材の口部から出る衝撃波のための特定のサイレンサ装置が採用されることもできる。
【0061】
このサイレンサ装置は、投球方向(投球管3の軸線)のまわりに集中された比較的幅狭い指向カージオイドの衝撃圧力波を発生させることができる。これらの衝撃圧力波は、主に、高い充填圧および投球管3にボールが無い投球作動で存在する。
【0062】
本発明の装置1を説明する前に、添付図(特に、図2および図4参照)に示される形態における急速開口装置6および加圧回路20の構造のより詳細な分析を示す。
【0063】
前述のように、制御弁10は、より小さい寸法を有する以外、主弁と概念的に同様である。所定種類の急速開口弁(ディスク弁)をここで説明するが、適当な性能を許容するなら、他の種類の急速開口弁(膜など)が使用されることができる。特定の場合、主弁9において、第1のディスク閉鎖体12は、第1の室13の円筒形部分内で摺動し、この閉鎖体12は、第1の室13に向けて配向された内壁部47と、中央部分が排気ダクト5に面しており、周方向環状部分が流体タンク2に面している外壁部48とを有している。このように、ディスクは、これが閉鎖位置にあるとき、排気ダクト5に圧接し、中央部分を環状部分から分離する(例えば、ゴムのような弾性材料で製造された)第1の密封リング49によりシールが確保される。
【0064】
また、第1の室13の円筒形部分46の第1の閉鎖体12に面した方の基壁部と対応して、第1の減衰部材50が位置されており、減衰部材のこの減衰部材の目的は、主弁9の開口時に第1の室13の円筒形部分46の前記壁部との第1閉鎖体12の衝撃を弱めることである。
【0065】
第1の室13の円筒形部分46は、第1の室13の環状部分51と同軸であり、且つ円筒形部分46の基壁部を通って設けられた連結穴52を介して環状部分51と連通している。
【0066】
前記穴52は、図3および図4に見られ、図3および図4は、図1および図2の断面平面に対して投球管3の中心軸線のまわりに45°だけ回転された平面で構成された投球装置の断面を示している。図示の例では、第1の室13の2つの部分間に4つの連結穴52が存在している。
【0067】
また、連結穴52は、第1の減衰部材50を通って延びている。第1の減衰部材50は、性能を改良するために、各穴のまわりに隆起縁部53を備えることができ、この縁部53により、主弁9の開口時に、後でよく説明するように、第1の閉鎖体12の動作を制動する空気クッションが、第1閉鎖体12と減衰部材との間に生じられる。
【0068】
また、構造が主弁9のものと同様な制御弁10は、第1の室13の環状部分51の内側にこれと同軸に位置されている。
【0069】
制御弁10においても、第2のディスク閉鎖体14は、第2の円筒形の室15内で摺動し、そして第2の室15に向けて配向された内壁部54と、中央部分が大気圧に排気するための開口部56に面しており、周囲の環状部分が第1の室13の環状部分51に面している外壁部55とを有している。このように、第2の閉鎖体14は、これが閉鎖位置にあるとき、排気開口部56に圧接し、中央部分を環状部分から分離する(例えば、ゴムのような弾性材料で製造された)第2の密封リング57によりシールが確保される。
【0070】
この場合も同様に、第2の室15の第2の閉鎖体14に面している方の基壁部に対応して、第2の減衰部材58が位置されており、この減衰部材58の目的は、制御弁10の開口時に円筒形の室の前記壁部に対する第2の閉鎖体14の衝撃を弱めることである。
【0071】
第2の室15は、それ自身の基壁部を通して設けられた連結チャンネル59を介して充填導管31の第3のオリフィス34と連通している。
【0072】
また、前記チャンネルは第2の減衰部材58を通って延びており、この第2の減衰部材58は、第1の減衰部材と同様に、制御弁10の開口時に、第2の閉鎖体14と第2の減衰部材58との間に空気クッションを発生させるために連結チャンネル59のまわりに隆起縁部(図示せず)を備えることができる。
【0073】
図示の例では、連結チャンネル59は、前述のように、それぞれ第2の室15および充填導管31に対する2つの連結分岐部と、駆動弁11に連結された第3の分岐部とを有している。
【0074】
最後に、特に図示したり、ここで説明したりしないが、本発明の装置1には、更に、投球管3を所望の傾斜(上昇弧)で配向させる支持構造体のような構成部分と、投球されるボール4の自動装填用の装置と、装置1の作動を自動的に管理し、充填形式(充填圧力)、訓練、上昇弧、投球時などを制御することが可能な電子制御ユニットとが追加されることができる。
【0075】
本発明の装置1の作動に関しては、下記の如くである。
【0076】
駆動弁11(手動または電磁的)の開口時、制御弁10の第2の室15は、連結チャンネル59を介して急速に減圧されて開口位置への第2の閉鎖体14の移動を引起こす。その結果、第1の室13は、排気開口部56により外側と連通され、そして急速に減圧されて開口位置への第1閉鎖体12の変位を引起こす。かくして、タンク2は、投球管3と連通し、それにより投球されるボール4の背後に位置された第3の室へのタンク2からの流体の突然の移動が生じるが、この移送は絞り手段37により適切に調整される。
【0077】
その時点まで自身のシート8に位置しているボールは、流体からの運動量移転により、および投球管3内の圧力の増大により定められるそれ自身の加速を開始する。
【0078】
ボールの加速は、駆動圧応力から生じる力により決まり、そしてこれらの応力がそれらの効果を維持するかぎり、継続する。従って、ボールの中心が投球管3の出口開口端を越えて十分に(ボールの半径の約3分の1)移動すると、これらの効果が消え、ボールは、その軌道を続けて所望の投球速度に達する。その時点から、ボールは、重力、空気抵抗および場合によっては、望まれない風圧だけを受ける。その結果的な軌道は、単なる弾道的な問題として容易に定められることができる。
【0079】
装置が環状部材69により構成される投球精度を高めるための手段67を備えている場合には、状況が僅かにことなる。投球ボールは、投球管3の開口端7を追い越した後、短い自由区分を通って移動して投球管3内のいずれの残留過剰圧力の半径方向の放出を行う。
【0080】
引き続き、ボールは、環状部材69内を全速で通って、ボールと環状部材69との間の幅狭い通路70に発生される流体の動的な力を受ける。これらの力の軸方向の成分は、ボールの僅かな減速を生じ、半径方向の成分は、運動方向におけるボールの効果的な軸方向の心出しを定める。その結果、投球精度が高められる。
【0081】
効果的なバーレル長さのパラメータLは、ここでは、ボールの中心と投球管3の出口部分の中心との間の投球管3の軸線上で測定された距離として定められる。
【0082】
装置1の最適な作動を得るために、効果的なバーレル長さLは、絞り手段37により定められる流体通過部分に、すなわち、固定部分38に対する可動部分39の位置に相互関連されるべきである。これは、ボールが出る前に、過剰に長いバーレルがボールの急減速を定めて、絞り手段37が調整に応じて許容する限定流出速度のみを許容するからである。
【0083】
開口時の主弁および制御弁の挙動をより詳細に分析すると、構造上同じであるので、これらの弁は同様な挙動を有する。
【0084】
かくして、特に主弁9については、投球事態の連続が下記の如く特定されることができる。
【0085】
第1の室13の非常に急速な減圧は、外側への環状部分51のほぼ瞬間的な連結に起因して、第1の工程では、第1の閉鎖体12の閉鎖力を無くし、次いで前記力を逆転して、第1の室13とタンク2との間および第1の室13と排気ダクト5との間の圧力差と、主弁9の閉鎖シート60と対応して流体自身が受ける急な軌道の変化における流体から第1の閉鎖体12への同時および漸進的な運動量移転との両方に起因して、同じ閉鎖体の急速開口変位を引起こす。この方法の第1工程では、ボールの存在に起因した一種の「慣性閉じ込め」により、排気ダクト5全体において圧力が急速に上昇し、これは、排気ダクト5の出口をボールとの接触状態で閉鎖することに寄与する。
【0086】
これらの現象の複雑な力学により、強いが特に軽くはない一般に使用されている金属材料で製造された装置1でも、0.5ないし0.8ミリ秒の開口時定数に達するように許容される閉鎖体12の最大の加速および開口速度が生じる。チタン合金のような軽くて強い材料の使用は、実際、特に装置の可動部分に関して、更なる改良を可能にする。
【0087】
閉鎖体は、(有利には、ゴムの材料のディスクにより構成された)減衰部材との衝撃により顕著な跳ね返りまたは他の逆効果なしに夫々の最大の変位に達し、これらの減衰部材の前述の適切な輪郭は、減衰部材の隆起縁部との閉鎖体の接触時に各閉鎖体と対応する減衰部材との間に形成される空気クッションによっても効果的な減衰を許容する。
【0088】
それにより、衝撃に伴う機械的応力が低減されて、閉鎖体の保全性を保持し、且つ小さい素材の採用を許容し、それにより、より高い開口速度を得る。
【0089】
タンク2から投球管3への流体の排出に戻って説明すると、流出過渡期中、臨界条件は、普通、流体の経路の最小区分において達せられ、準安定な流体力学条件で、超えられるべき第1のマッハ1を定め、そのそぐ後に、安定な流体力学状態への亜音速変化により衝撃が生じる。初めは、これは、前述のように、まず、閉鎖体が僅かに開口しており、それでも排気抱くと5が十分に加圧されておらず、ボールがまだそれ自身のシーと8にほぼ圧接している状態で、主弁9の閉鎖シート60の近くに起こる。
【0090】
次いで、臨界条件は、閉鎖体が十分に開口しているが、ボールが、その慣性を仮定して実際にまだ初めの位置の近くにある状態で、排気ダクト5の出口の近くに移動する。次いで、ボールがその位置から離れる方向に移動すると、臨界条件は、再び、閉鎖シート60の近くに、或いは絞り手段37間の最小区分がシート8に対する閉鎖体の瞬間位置により定められる表面積より小さい表面積を有すれば、この最小区分の近くに後方に移動する。
【0091】
図示の閉鎖体の特定の輪郭は、閉鎖シートと対応している密封リングの弾性材料を衝撃波の動的応力から保護する。第1および第2の室13、15の寸法および2つの閉鎖体のパラメータ(重量、寸法、形状および使用材料)は、主弁9の十分に短い開口時間を得て投球段階中にボールの最も急速な加速を許容するために設計段階中に特別に固定されなければならない。
【0092】
要するに、最も完全な状態の装置1の作動を定める主な要因は、下記の如くである。
【0093】
加圧流体用のタンク2の容積、
タンク2の充填圧、
急速開口装置6の開口断面、
絞り手段37の開口断面、
ボールの背後の第3の室45の容積、
バーレルの有効長さ。
【0094】
作動がこれらの要因の限定された組合せ内で調整可能であって、最適化されることが認められた。
【0095】
前述の実施の形態では、設計選択肢は、タンク2の容積および急速開口装置6の開口断面の両方を適切な値に固定し、且つ実際の調整の目的で、ボールが初めに圧接するシート8の位置により定められる絞り手段37の開口断面とバーレルの有効長さとの間の相互関係を取り入れることであった。
【0096】
この相互関係は、バーレルの長さの適当に増大が絞り手段の開口断面の増大に対応するようにして得られる。かくして、ボールの背後の第3の室45の容積もまた、値の減少を想定して相互関係付けられる。
【0097】
かくして、2つのパラメータ、すなわち、タンク2の充填圧力およびバーレルの有効長さにのみ作用する投球調整が有利に定められる。
【0098】
図13は、バーレルの有効長さに基づいたパラメータとの充填圧力の関数として達成可能な投球速度の曲線特徴の群を示している。
【0099】
図示のように、各曲線は、装置1が最適に作動するための圧力の範囲を表す実線において中心線分を有している。
【0100】
投球が完了されたら、装置は、手動で或いは自動で充填されることができる。後者の場合、装置は、投球から3ないし5秒以内に新たな投球の用意が整う。代わりに、図11に示される実施の形態(図5の実施の形態の変形例)の場合、追加のパラメータ、すなわち、タンク2の容積を変えることも可能である。この解決法は全体としての装置のより大きい融通性を確保する。
【0101】
タンクは、その容積の調整を許容するために少なくとも一方が他方に対して移動可能である2つの半外殻で構成されている(気密性はガスケットにより確保される)。
【0102】
タンク2の容積の調整に加えて、タンク2の充填圧力およびバーレルの有効長さLのような他のパラメータを調整することが可能である他の実施の形態もまた可能である。
【0103】
前述のように、充填が開始すると、回路全体が実質的に大気圧と直接接触しているが、第1、第2および第3のオリフィス32、33、34の適切な寸法決めにより、まず、2つの閉鎖体12、14の閉鎖を確保し、次いで回路全体の加圧を確保する。
【0104】
最後に、ノイズ減少手段68に関しては、タンク2の十分に高い充填圧力およびバーレルの限定された有効長さLでは、投球管3内の残留過剰圧力が比較的高くてもよいことは注意すべきである。かくして、ボールの中心が投球管3の開口端7を通り越すと、この開口端は、大気圧と連通状態に置かれ、いずれの過剰圧力も半径方向に急速に追い出され、通常、その後に、流体の運動領域の逆転に伴って部分的渦巻が生じる。この現象は、いわゆる「マウスノイズ」を発生させる。
【0105】
減少手段を使用して、残留過剰圧力は、横方向のスリット73を通して周囲の雰囲気における排出の前に環状室71において追い出される。
【0106】
本発明は、重要な利点を達成する。
【0107】
すなわち、本発明のスポーツ練習のためにボールを投球するための装置は、コンパクトで、軽く且つ搬送容易である。
【0108】
更に、この装置は、ショットの実行が非常に効率的であり、且つボールに精度と、再現性および調整能力と、所望の投球速度を達成するのに必要とされる衝撃とを与えることができる。
【0109】
この装置は、簡単な市販の携帯可能なコンプレッサのような簡単な低圧圧縮空気源で最適に作動すると言う更なる利点を有している。その結果、この装置はその使用が安全でもある。
【0110】
追加の利点は、投球のための必要な衝撃を与えるために最小量の流体を使用することができると言う点である。
【0111】
従って、投球の精度および再現性および衝撃パラメータにより、この装置は、プレーヤの技術能力(捕球、ショット、ヘッドショットなど)を改良するのに使用されることができる。それにより、運動選手は最も良好な生物-機械的位置の連続を精力的に取ることができ、また動作の安全な繰り返しで強化して運動学習の結果として規定されることができるものに達することができる。基本的に重要なのは、同じ条件下の動作を連続的且つ絶え間の無い形式で繰返すことができること、また、録画手段(閉回路ビデオカメラおよびビデオレコーダ)の連続使用でプレーヤが行動中の彼/彼女自身を見ることができることである。なお、本発明は、比較的実施容易であり、また発明の実施と関連されたコストおよび作動コストの両方が低い。
【0112】
かくして考えられた発明は、これを特徴付ける発明概念の範囲から逸脱することなしに多くの変更例および変形例を受けることができる。
【0113】
すべての構成部分が他の技術的に同等な部材により置き換えられることができ、実際、用いられた材料ならびに種々の構成部分の形状および寸法のすべてが、要件により決まる任意のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスポーツ練習のためにボールを投球するための装置の部分断面概略図である。
【図2】幾つかの部分を取外した図1の装置の拡大詳細図である。
【図3】図1の断面平面に対して装置の中心軸線のまわりに45°だけ回転された断面平面に一致している図1の装置の一部の図である。
【図4】図3の装置の拡大詳細図である。
【図5】本発明の装置の第2の実施の形態の、図3の断面平面に一致している部分断面概略図である。
【図6】本発明の装置の第3の実施の形態の詳細の部分断面概略図である。
【図7】第2の作動状態における図6の装置の部分断面概略図である。
【図8】第3の作動状態における図6の装置の部分断面概略図である。
【図9】本発明の装置の第4の実施の形態の変形例の部分断面概略図である。
【図10】本発明の装置の第4の実施の形態の変形例の部分断面概略図である。
【図11】本発明の装置の第5の実施の形態の部分断面概略図である。
【図12】図1ないし図11に示される本発明の実施の形態の各々と関連されることができる追加の部材の部分断面概略図である。
【図13】本発明による装置の曲線特徴の群の図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前置きに記載の種類のスポーツ練習のためにボールを投球するための装置に関する。
【0002】
前記装置は、アソシエーションフットボール(サッカー)プレーヤを訓練するのに使用されるようになっているが、テニス、バレーボール、アメリカンフットボール、ラグビーフットボールなどのようなボールを使用するいずれのスポーツまたはゲームに使用されることもできる。更に、前記装置は、簡単な娯楽ゲーム用に使用されることもできる。しかしながら、ここでは、説明の簡単のために、アソシエーションフットボール(サッカー)またはフットボールのみに明白に言及される。
【背景技術】
【0003】
プレーヤの訓練時、必要なときに、ボール投球速度、価値および上昇弧が反復的である一連ショットを与えることが特に重要である。
【0004】
基準ボールと、軌道が傾斜されていなければならない垂直平面とが設定されたら、上昇弧および投球速度のパラメータは、軌道の幾何形状および時間毎の移動法則の両方を独特に認定して、衝撃の範囲、速度および角度、飛び時間などのような重要なパラメータの即座の上昇を許容する。
【0005】
例えば、フットボールでは、使用されるボールは、現在の規定により定められたものである。特に、現在のところ、「サイズ5公認FIFA」として規定されているフットボールは、420gと445gとの間の質量と、68.5cmと69.5cmとの間の周囲を有していなければならない。
【0006】
フットボールにおけるパス距離が40mないし50m、最もしばしば、20度と50度との間の衝撃角度で10mと25mとの間の範囲に達したり、越えたりするので、現在のところ、プレーヤを訓練するのに、同様な状況をシミュレートする能力を有することが基本的に重要である。その結果、必要とされる、投球速度は、40m/秒、よりしばしば、10m/秒と25m/秒との間の範囲に達することさえある。
【0007】
現在のところ、練習期間の間、投球は、練習者により、或いはプレーヤのチームメートにより行なわれる。
【0008】
その結果、投球は、しばしば、互いに異なり、且つ不正確でもある。
【0009】
現在のところ、スポーツ練習目的でボールを投球する幾つかの公知の装置があるが、一般に、これらの装置は、テニスボールまたは野球ボールを投球する装置である。
【0010】
なお、異なるスポーツに使用されるボールの中でも、サイズ、重量および重量/体積比の点で著しい差がある。
【0011】
これらの差により、フットボールを投球するために、代わりにテニスボールを投球するように考案された装置を使用するか、或いは装置をこの目的に適合させることが不可能である。
【0012】
異なる既存の装置の中でも、最も興味ある装置は、搬送容易であり、且つ例えば、フットボール場内の任意箇所で容易に作動されることができる装置である。
【0013】
同様な搬送容易な装置の例が、米国特許第3662729号、英国特許第2118443号および米国特許第4774928号に開示されている。
【0014】
特に、米国特許第4774928号は、練習目的でテニスボールを投球するための装置を開示しており、この装置は、圧縮空気用のタンクと、断面がテニスボールの断面とほぼ対応する投球管を備えており、この投球管は、ボールと投球する開口端と、タンクに収容された空気をこの管を通して急速に排出し、それによりボールの投球を引起こすことができる急速開口装置によりタンクの連結されている端部とを有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、公知の装置は、フットボールを前述のようにして投球するのに適していない。一方、これらの装置は、テニスボールと比較して非常に異なる重量および直径を有するフットボールの効果的な投球を許容しない。しかも、この種類の装置は、一方では、ボールの反復投球を確保しなく、他方では、投球速度を調整し得ない(少なくとも、容易で正確な方法ではない)。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この状況において、本発明の基礎を構成する技術的課題は、前述の欠点を解消するスポーツ練習のためにボールを投球するための装置を得ることである。特に、本発明の技術的課題は、簡単であり、コンパクトであり、搬送可能であり、ショットの実施が効率的であり、経済的であり、且つ使用安全であり、そして必要とされる投球速度を達成するのに必要な衝撃でボールに精度、再現性および調整能力を与えることができるスポーツ練習用の装置を得ることである。
【0017】
特定された技術的課題および指摘された目的は、添付の請求項に記載のようなスポーツ練習のためにボールを投球するための装置により実質的に達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1、図2および図4では、装置の断面部分の構造を構成する異なる部分間の密封連結部が太線で強調されているが、簡単化のために、これらの連結部は他の図では強調されておらず、それにもかかわらず存在するものと考えられる。
【0019】
前述図を参照すると、参照符号1は、全体的に、本発明によるスポーツ練習のためにボールを投球するための装置を示しており、この装置は、圧力下のガス状流体(有利には空気)を収容するためのタンク2と、断面が投球されるボール4の断面に対応する投球管3と、タンク2と投球管3との間に作動的に連結された流体用の排気ダクト5と、ボールの投球を行なうために要求に応じて流体をタンク2から排気ダクト5を通して投球管3へ排出するための急速開口装置6とを備えている。
【0020】
ここには図示されていない他の実施の形態の変形例では、排気ダクト5は、投球管3の最も内側の部分と一致することもできるが、好ましくは、排気ダクト5は、投球管3より小さい断面を有している。
【0021】
投球管3は、ボールを投球するための開口端7を有しており、また内部には、ボール4を位置させるためのシート8を有している。
【0022】
図示の実施の形態では、急速開口装置6は、タンク2から排気ダクト5への流体の排出を制御する急速開口主弁9と、主弁9の開口を駆動する制御弁10と、制御弁10の作動を定める少なくとも1つの駆動弁11とを備えている。
【0023】
他の実施の形態は、使用者により直接作動されることができる主弁9のみの使用と、駆動弁により直接作動される急速主弁9の使用との両方に対処している。図示の実施の形態では、主弁9は、第1の加圧可能な室13によって作動される第1の移動可能な閉鎖体12を備えており、この閉鎖体12は、第1の室13が加圧されるときに閉鎖位置にあり、第1の室13が減圧されるときに開口位置に移動する。
【0024】
制御弁10は、これが開口されると、後述のようにして第1の室13の減圧を引起こす。
【0025】
制御弁10に関して、この制御弁10は、主弁9と同様に、第2の加圧可能な室15によって作動される第2の移動可能な閉鎖体14を備えている。第2の閉鎖体14もまた、第2の室15が加圧されるときに閉鎖位置にあり、第2の室15が減圧されるときに開口位置に移動する。
【0026】
また、駆動弁11は、これが開口されると、第2の室15の減圧を引起こす。
【0027】
図示の実施の形態によれば、平行に設けられ、独立して作動されることができる2ついの駆動弁11が存在している。これらの駆動弁は、それぞれ、ソレノイド弁16および手動弁17であり、それらの各々は、いずれの場合でも、さほどは完全でない実施の形態では、単独でも存在することができる。有利には、ソレノイド弁16により構成される駆動弁は、電気的に接続されたプッシュボタン18と、駆動弁を遠距離から制御し得る遠隔制御装置19との両方により作動されることができる。
【0028】
装置1は、また、図示の実施の形態では、タンク2を加圧するための回路20を備えており、この回路もまた、第1および第2の室13、15の加圧を定める。
【0029】
この回路は、空気圧式急速連結部を介して、コンプレッサまたはボトルのような、加圧流体、代表的には、圧縮空気(7÷9バール)を供給する装置(図示せず)に連結されている。その下流には、流入空気用のフィルタ22と、可変の充填圧(例えば、1.5÷9バール)を確保するための減圧器23と、投球装置1の自動充填(第1の進路25)または自動充填(第2の進路26)を択一的に設定するための2方向空気圧選択弁24とが順に位置されている。
【0030】
また、第1の進路25(手動)は、手動充填弁28を備えている第3の進路27と、電磁充填弁30を備えている第4の進路29とに分割されている。第3および第4の進路27、29の構成は、図の構造点から、詳細について(またプッシュボタンによる作動または電磁弁30による遠隔制御について)言及して以上で述べた平行の2つの駆動弁11の構成と同様である。同様に、手動作動式充填弁が単独で、或いは電磁作動式弁30が単独で第2の進路26に沿って設けられることができる。
【0031】
第2の進路26(自動充填)は2つの充填弁28、30の下流で第1の進路25に再連結されており、かくしてそれらの制御を迂回している。
【0032】
この点で、第1および第2の進路25、26が開口する充填導管31は、タンク2と連結している第1のオリフィス32と、より小さい断面を有して前述の第1および第2の室13、15とそれぞれ連結している第2および第3のオリフィス33、34とを有している。
【0033】
オリフィス32、33、34の断面は、充填操作時に、まず、第2の閉鎖体14および第1の閉鎖体12の閉鎖をこの順で行い、次いで(タンク2、第2の室15および第1の室13を含む)回路全体の同じ圧力(一方が減圧器23により定められる)までの充填を行なうように寸法決めされている。
【0034】
また、図示の加圧回路20には、2つの制御ゲージ35および安全弁36が設けられている。
【0035】
更に、装置1は、タンク2から投球管3への流体の移送を定めるために排気ダクト5に設けられた絞り手段37を備えている。
【0036】
図1、図3および図5は、絞り手段37の最も進歩された実施の形態を示しており、この場合、絞り手段37はタンク2から投球管3への流体の移送を調整し得る。第1(図1および図3)および第2(図5)の図示の実施の形態の両方では、絞り手段37は、固定部分38と、この固定部分38に対して移動可能な可動部分39とを備えており、この可動部分39は、固定部分38に対する移動可能な可動部分39の変位が絞り手段37に応じて排気ダクト5の有効断面の変化を定めるようにして位置されている。
【0037】
第1の実施の形態では、固定部分38は、排気ダクト5内の狭窄を定めるリング状シートにより構成されており、可動部分39は、排気ダクト5内の流体の通過のための有効断面を変化させるために前記リング状シートと同軸に移動可能な球閉鎖体により構成されている。
【0038】
第2の実施の形態では、固定部分38は、移動可能なスリーブが摺動することができる排気ダクト5内の位置されてリング状シートにより構成されている。詳細には、スリーブの外壁部40は、リング状シートに近接して摺動する。
【0039】
前記スリーブは、また流体用のその入口部分に対応している狭窄部41と、リング状シートを跨ってリング状シートと対応して設置され、固定部分38の上流におけるスリーブへの流体の横方向流入を許容する1つまたはそれ以上のスリット42とを有している。
【0040】
このように、可動部分39の位置を変えることにより、スリット42を通る流体の経路のための断面、従って絞り手段37を通る流体経路のための有効断面を変更することが可能である。
【0041】
図6ないし図8に示される第3の実施の形態では、絞り手段37は、各々が異なる絞り断面を確保するような1つまたはそれ以上の交換可能なリングナット61を備えている。特に、添付図は、各々が排気ダクト5内の異なる絞りをもたらすことができる3つの異なるリングナット61を示している。図示のように、各リングナット61は、各リングナット61は、異なる輪郭を有しており、ここに示されるもののうち、図6のリングナット61は流体経路のための最も小さい断面を定めるリングナットである。
【0042】
図9および図10に2つの変形例で示される第4の実施の形態において、絞り手段37は、第1の閉鎖体12の移動に作用する主弁9内の流体を通過のための断面を変化させる。
【0043】
第1の閉鎖体12の移動を変える第1の方法(図9)は、第1の室13の底部に作用する閉鎖体12の端停止位置を変える(すなわち、開口の終了時の第1の閉鎖体12の到達点を変える)か、或いは端停止位置を第1の室13の残部に対して軸方向で調整可能にするか、或いは1つまたはそれ以上の(各々が異なる厚さを有する)交換可能な挿入体62を設けることよりなる。
【0044】
図9は、(後で詳細に説明される)第1の減衰部材50の下への挿入体62の挿入を示している。
【0045】
その代わりに、第1の閉鎖体の移動を変える第2の方法は、主弁9が閉じられると、第1の閉鎖体12の位置を変えることよりなる。図10では、これは、端部64が第1の閉鎖体12を閉鎖状態に支持する排気ダクト5の内側部分63の位置を軸方向で調整することによって達成される。
【0046】
また、装置1は、好ましくは、投球管3に対して投球されるボール4用のシート8の位置を変えるための手段43を備えている。
【0047】
添付図では、ボール4用のシート8は、投球管3に連結された排気ダクト5の端部44により構成されており、そして投球管3に対して軸方向で調整可能である。有利には、投球装置1の性能以上に制御を改良するために、絞り手段37と、ボール4用のシート8の位置を変えるための手段43とは、設計段階に定められるべき所定の関係に応じて、タンク2から投球管3への、およびその逆の流体の移送の調整によりシート8の位置を変えるようにして互いに作動的に関連されるのが好ましい。図1ないし図5に示された例では、これは、調整手段の可動部分39の変位により投球管3内の投球されるボール4用のシート8の対応する変位を引起こすように、投球されるボール4用のシート8を調整手段の可動部分39に堅く留めることにより達成される。
【0048】
図6ないし図8に示される例では、各交換可能なリングナット61は、排気ダクト5の所定の絞りに加えて、関連した絞りに適切に相互関連されたシート8の異なる位置を定める。
【0049】
第4の実施の形態に代わる例では、ボール用のシート8の位置を変えるための手段43は、絞り手段37に直接関連されていない。この理由で、絞り手段37が変更されるたびに、シート8の位置を変えるための手段43を調整することが適切である。
【0050】
ボール用のシート8の軸方向位置を調整することができることにより、ボール4がシート8にあるときに、流体が投球時に膨張することができる第1の室が、シート8と開口端7と反対側の投球管3の端部との間に確認される。有利には、ボール4が排気ダクト5の出口を実質的に閉じるので、投球管3への流体の注入が、ボール4用のシート8に正確に対応して生じる。
【0051】
図12に示されるように、本発明の装置は、投球精度を高める手段67を備えることができる。
【0052】
図12に示される実施の形態では、投球精度を高める手段67は、後で詳細に説明される投球ノイズを減少させる手段68と関連されている。
【0053】
この実施の形態では、投球精度を高める手段67は、投球管3の開口端7から適切な間隔を置いて位置された環状部材69により構成されている。有利には、環状部材69は、ボールの移動が摩擦または干渉により減速されないように、小さい通路70がボールと環状部材69自身との間でボール4の通路に存在するようにして投球管3内の直径より僅かに大きい内径を有している。
【0054】
前述のように、本発明の装置1は、また、サイレンサのような投球ノイズを減少させる手段68を備えることができる。
【0055】
前記ノイズ減少手段68の1つの種類が、環状部材69との組合せで図12に示されている。しかしながら、一般に、投球精度を高める手段67とノイズ減少手段68との間の相互関係が無くてもよい。
【0056】
図示の実施の形態では、ノイズ減少手段68は、本質的に、投球管3に同軸の設けられた適切な容積の環状室71により構成されている。有利には、環状室71は取外し可能に設けられている。
【0057】
環状室71は、投球管3の開口端7に対応して設けられた内側スリット72と、複数の横方向スリット73とを有している。
【0058】
その場合、投球管3から出る加圧空気は、内側スリット72を通って室71に入り、そして横方向スリット73を通って大気に排出される。
【0059】
全体の通路断面は、投球管3の断面よりあまり小さくはない。有利には、この断面は添付図には示されていないが、環状室71および装置の他の部分の内面は、吸音材で被覆されることができる。
【0060】
ここでは説明されていないが、装置の他のノイズ源、特に、主閉鎖体12の室から大気への排出のノイズおよびボールを位置させるためのシート8を規定する部材の口部から出る衝撃波のための特定のサイレンサ装置が採用されることもできる。
【0061】
このサイレンサ装置は、投球方向(投球管3の軸線)のまわりに集中された比較的幅狭い指向カージオイドの衝撃圧力波を発生させることができる。これらの衝撃圧力波は、主に、高い充填圧および投球管3にボールが無い投球作動で存在する。
【0062】
本発明の装置1を説明する前に、添付図(特に、図2および図4参照)に示される形態における急速開口装置6および加圧回路20の構造のより詳細な分析を示す。
【0063】
前述のように、制御弁10は、より小さい寸法を有する以外、主弁と概念的に同様である。所定種類の急速開口弁(ディスク弁)をここで説明するが、適当な性能を許容するなら、他の種類の急速開口弁(膜など)が使用されることができる。特定の場合、主弁9において、第1のディスク閉鎖体12は、第1の室13の円筒形部分内で摺動し、この閉鎖体12は、第1の室13に向けて配向された内壁部47と、中央部分が排気ダクト5に面しており、周方向環状部分が流体タンク2に面している外壁部48とを有している。このように、ディスクは、これが閉鎖位置にあるとき、排気ダクト5に圧接し、中央部分を環状部分から分離する(例えば、ゴムのような弾性材料で製造された)第1の密封リング49によりシールが確保される。
【0064】
また、第1の室13の円筒形部分46の第1の閉鎖体12に面した方の基壁部と対応して、第1の減衰部材50が位置されており、減衰部材のこの減衰部材の目的は、主弁9の開口時に第1の室13の円筒形部分46の前記壁部との第1閉鎖体12の衝撃を弱めることである。
【0065】
第1の室13の円筒形部分46は、第1の室13の環状部分51と同軸であり、且つ円筒形部分46の基壁部を通って設けられた連結穴52を介して環状部分51と連通している。
【0066】
前記穴52は、図3および図4に見られ、図3および図4は、図1および図2の断面平面に対して投球管3の中心軸線のまわりに45°だけ回転された平面で構成された投球装置の断面を示している。図示の例では、第1の室13の2つの部分間に4つの連結穴52が存在している。
【0067】
また、連結穴52は、第1の減衰部材50を通って延びている。第1の減衰部材50は、性能を改良するために、各穴のまわりに隆起縁部53を備えることができ、この縁部53により、主弁9の開口時に、後でよく説明するように、第1の閉鎖体12の動作を制動する空気クッションが、第1閉鎖体12と減衰部材との間に生じられる。
【0068】
また、構造が主弁9のものと同様な制御弁10は、第1の室13の環状部分51の内側にこれと同軸に位置されている。
【0069】
制御弁10においても、第2のディスク閉鎖体14は、第2の円筒形の室15内で摺動し、そして第2の室15に向けて配向された内壁部54と、中央部分が大気圧に排気するための開口部56に面しており、周囲の環状部分が第1の室13の環状部分51に面している外壁部55とを有している。このように、第2の閉鎖体14は、これが閉鎖位置にあるとき、排気開口部56に圧接し、中央部分を環状部分から分離する(例えば、ゴムのような弾性材料で製造された)第2の密封リング57によりシールが確保される。
【0070】
この場合も同様に、第2の室15の第2の閉鎖体14に面している方の基壁部に対応して、第2の減衰部材58が位置されており、この減衰部材58の目的は、制御弁10の開口時に円筒形の室の前記壁部に対する第2の閉鎖体14の衝撃を弱めることである。
【0071】
第2の室15は、それ自身の基壁部を通して設けられた連結チャンネル59を介して充填導管31の第3のオリフィス34と連通している。
【0072】
また、前記チャンネルは第2の減衰部材58を通って延びており、この第2の減衰部材58は、第1の減衰部材と同様に、制御弁10の開口時に、第2の閉鎖体14と第2の減衰部材58との間に空気クッションを発生させるために連結チャンネル59のまわりに隆起縁部(図示せず)を備えることができる。
【0073】
図示の例では、連結チャンネル59は、前述のように、それぞれ第2の室15および充填導管31に対する2つの連結分岐部と、駆動弁11に連結された第3の分岐部とを有している。
【0074】
最後に、特に図示したり、ここで説明したりしないが、本発明の装置1には、更に、投球管3を所望の傾斜(上昇弧)で配向させる支持構造体のような構成部分と、投球されるボール4の自動装填用の装置と、装置1の作動を自動的に管理し、充填形式(充填圧力)、訓練、上昇弧、投球時などを制御することが可能な電子制御ユニットとが追加されることができる。
【0075】
本発明の装置1の作動に関しては、下記の如くである。
【0076】
駆動弁11(手動または電磁的)の開口時、制御弁10の第2の室15は、連結チャンネル59を介して急速に減圧されて開口位置への第2の閉鎖体14の移動を引起こす。その結果、第1の室13は、排気開口部56により外側と連通され、そして急速に減圧されて開口位置への第1閉鎖体12の変位を引起こす。かくして、タンク2は、投球管3と連通し、それにより投球されるボール4の背後に位置された第3の室へのタンク2からの流体の突然の移動が生じるが、この移送は絞り手段37により適切に調整される。
【0077】
その時点まで自身のシート8に位置しているボールは、流体からの運動量移転により、および投球管3内の圧力の増大により定められるそれ自身の加速を開始する。
【0078】
ボールの加速は、駆動圧応力から生じる力により決まり、そしてこれらの応力がそれらの効果を維持するかぎり、継続する。従って、ボールの中心が投球管3の出口開口端を越えて十分に(ボールの半径の約3分の1)移動すると、これらの効果が消え、ボールは、その軌道を続けて所望の投球速度に達する。その時点から、ボールは、重力、空気抵抗および場合によっては、望まれない風圧だけを受ける。その結果的な軌道は、単なる弾道的な問題として容易に定められることができる。
【0079】
装置が環状部材69により構成される投球精度を高めるための手段67を備えている場合には、状況が僅かにことなる。投球ボールは、投球管3の開口端7を追い越した後、短い自由区分を通って移動して投球管3内のいずれの残留過剰圧力の半径方向の放出を行う。
【0080】
引き続き、ボールは、環状部材69内を全速で通って、ボールと環状部材69との間の幅狭い通路70に発生される流体の動的な力を受ける。これらの力の軸方向の成分は、ボールの僅かな減速を生じ、半径方向の成分は、運動方向におけるボールの効果的な軸方向の心出しを定める。その結果、投球精度が高められる。
【0081】
効果的なバーレル長さのパラメータLは、ここでは、ボールの中心と投球管3の出口部分の中心との間の投球管3の軸線上で測定された距離として定められる。
【0082】
装置1の最適な作動を得るために、効果的なバーレル長さLは、絞り手段37により定められる流体通過部分に、すなわち、固定部分38に対する可動部分39の位置に相互関連されるべきである。これは、ボールが出る前に、過剰に長いバーレルがボールの急減速を定めて、絞り手段37が調整に応じて許容する限定流出速度のみを許容するからである。
【0083】
開口時の主弁および制御弁の挙動をより詳細に分析すると、構造上同じであるので、これらの弁は同様な挙動を有する。
【0084】
かくして、特に主弁9については、投球事態の連続が下記の如く特定されることができる。
【0085】
第1の室13の非常に急速な減圧は、外側への環状部分51のほぼ瞬間的な連結に起因して、第1の工程では、第1の閉鎖体12の閉鎖力を無くし、次いで前記力を逆転して、第1の室13とタンク2との間および第1の室13と排気ダクト5との間の圧力差と、主弁9の閉鎖シート60と対応して流体自身が受ける急な軌道の変化における流体から第1の閉鎖体12への同時および漸進的な運動量移転との両方に起因して、同じ閉鎖体の急速開口変位を引起こす。この方法の第1工程では、ボールの存在に起因した一種の「慣性閉じ込め」により、排気ダクト5全体において圧力が急速に上昇し、これは、排気ダクト5の出口をボールとの接触状態で閉鎖することに寄与する。
【0086】
これらの現象の複雑な力学により、強いが特に軽くはない一般に使用されている金属材料で製造された装置1でも、0.5ないし0.8ミリ秒の開口時定数に達するように許容される閉鎖体12の最大の加速および開口速度が生じる。チタン合金のような軽くて強い材料の使用は、実際、特に装置の可動部分に関して、更なる改良を可能にする。
【0087】
閉鎖体は、(有利には、ゴムの材料のディスクにより構成された)減衰部材との衝撃により顕著な跳ね返りまたは他の逆効果なしに夫々の最大の変位に達し、これらの減衰部材の前述の適切な輪郭は、減衰部材の隆起縁部との閉鎖体の接触時に各閉鎖体と対応する減衰部材との間に形成される空気クッションによっても効果的な減衰を許容する。
【0088】
それにより、衝撃に伴う機械的応力が低減されて、閉鎖体の保全性を保持し、且つ小さい素材の採用を許容し、それにより、より高い開口速度を得る。
【0089】
タンク2から投球管3への流体の排出に戻って説明すると、流出過渡期中、臨界条件は、普通、流体の経路の最小区分において達せられ、準安定な流体力学条件で、超えられるべき第1のマッハ1を定め、そのそぐ後に、安定な流体力学状態への亜音速変化により衝撃が生じる。初めは、これは、前述のように、まず、閉鎖体が僅かに開口しており、それでも排気抱くと5が十分に加圧されておらず、ボールがまだそれ自身のシーと8にほぼ圧接している状態で、主弁9の閉鎖シート60の近くに起こる。
【0090】
次いで、臨界条件は、閉鎖体が十分に開口しているが、ボールが、その慣性を仮定して実際にまだ初めの位置の近くにある状態で、排気ダクト5の出口の近くに移動する。次いで、ボールがその位置から離れる方向に移動すると、臨界条件は、再び、閉鎖シート60の近くに、或いは絞り手段37間の最小区分がシート8に対する閉鎖体の瞬間位置により定められる表面積より小さい表面積を有すれば、この最小区分の近くに後方に移動する。
【0091】
図示の閉鎖体の特定の輪郭は、閉鎖シートと対応している密封リングの弾性材料を衝撃波の動的応力から保護する。第1および第2の室13、15の寸法および2つの閉鎖体のパラメータ(重量、寸法、形状および使用材料)は、主弁9の十分に短い開口時間を得て投球段階中にボールの最も急速な加速を許容するために設計段階中に特別に固定されなければならない。
【0092】
要するに、最も完全な状態の装置1の作動を定める主な要因は、下記の如くである。
【0093】
加圧流体用のタンク2の容積、
タンク2の充填圧、
急速開口装置6の開口断面、
絞り手段37の開口断面、
ボールの背後の第3の室45の容積、
バーレルの有効長さ。
【0094】
作動がこれらの要因の限定された組合せ内で調整可能であって、最適化されることが認められた。
【0095】
前述の実施の形態では、設計選択肢は、タンク2の容積および急速開口装置6の開口断面の両方を適切な値に固定し、且つ実際の調整の目的で、ボールが初めに圧接するシート8の位置により定められる絞り手段37の開口断面とバーレルの有効長さとの間の相互関係を取り入れることであった。
【0096】
この相互関係は、バーレルの長さの適当に増大が絞り手段の開口断面の増大に対応するようにして得られる。かくして、ボールの背後の第3の室45の容積もまた、値の減少を想定して相互関係付けられる。
【0097】
かくして、2つのパラメータ、すなわち、タンク2の充填圧力およびバーレルの有効長さにのみ作用する投球調整が有利に定められる。
【0098】
図13は、バーレルの有効長さに基づいたパラメータとの充填圧力の関数として達成可能な投球速度の曲線特徴の群を示している。
【0099】
図示のように、各曲線は、装置1が最適に作動するための圧力の範囲を表す実線において中心線分を有している。
【0100】
投球が完了されたら、装置は、手動で或いは自動で充填されることができる。後者の場合、装置は、投球から3ないし5秒以内に新たな投球の用意が整う。代わりに、図11に示される実施の形態(図5の実施の形態の変形例)の場合、追加のパラメータ、すなわち、タンク2の容積を変えることも可能である。この解決法は全体としての装置のより大きい融通性を確保する。
【0101】
タンクは、その容積の調整を許容するために少なくとも一方が他方に対して移動可能である2つの半外殻で構成されている(気密性はガスケットにより確保される)。
【0102】
タンク2の容積の調整に加えて、タンク2の充填圧力およびバーレルの有効長さLのような他のパラメータを調整することが可能である他の実施の形態もまた可能である。
【0103】
前述のように、充填が開始すると、回路全体が実質的に大気圧と直接接触しているが、第1、第2および第3のオリフィス32、33、34の適切な寸法決めにより、まず、2つの閉鎖体12、14の閉鎖を確保し、次いで回路全体の加圧を確保する。
【0104】
最後に、ノイズ減少手段68に関しては、タンク2の十分に高い充填圧力およびバーレルの限定された有効長さLでは、投球管3内の残留過剰圧力が比較的高くてもよいことは注意すべきである。かくして、ボールの中心が投球管3の開口端7を通り越すと、この開口端は、大気圧と連通状態に置かれ、いずれの過剰圧力も半径方向に急速に追い出され、通常、その後に、流体の運動領域の逆転に伴って部分的渦巻が生じる。この現象は、いわゆる「マウスノイズ」を発生させる。
【0105】
減少手段を使用して、残留過剰圧力は、横方向のスリット73を通して周囲の雰囲気における排出の前に環状室71において追い出される。
【0106】
本発明は、重要な利点を達成する。
【0107】
すなわち、本発明のスポーツ練習のためにボールを投球するための装置は、コンパクトで、軽く且つ搬送容易である。
【0108】
更に、この装置は、ショットの実行が非常に効率的であり、且つボールに精度と、再現性および調整能力と、所望の投球速度を達成するのに必要とされる衝撃とを与えることができる。
【0109】
この装置は、簡単な市販の携帯可能なコンプレッサのような簡単な低圧圧縮空気源で最適に作動すると言う更なる利点を有している。その結果、この装置はその使用が安全でもある。
【0110】
追加の利点は、投球のための必要な衝撃を与えるために最小量の流体を使用することができると言う点である。
【0111】
従って、投球の精度および再現性および衝撃パラメータにより、この装置は、プレーヤの技術能力(捕球、ショット、ヘッドショットなど)を改良するのに使用されることができる。それにより、運動選手は最も良好な生物-機械的位置の連続を精力的に取ることができ、また動作の安全な繰り返しで強化して運動学習の結果として規定されることができるものに達することができる。基本的に重要なのは、同じ条件下の動作を連続的且つ絶え間の無い形式で繰返すことができること、また、録画手段(閉回路ビデオカメラおよびビデオレコーダ)の連続使用でプレーヤが行動中の彼/彼女自身を見ることができることである。なお、本発明は、比較的実施容易であり、また発明の実施と関連されたコストおよび作動コストの両方が低い。
【0112】
かくして考えられた発明は、これを特徴付ける発明概念の範囲から逸脱することなしに多くの変更例および変形例を受けることができる。
【0113】
すべての構成部分が他の技術的に同等な部材により置き換えられることができ、実際、用いられた材料ならびに種々の構成部分の形状および寸法のすべてが、要件により決まる任意のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスポーツ練習のためにボールを投球するための装置の部分断面概略図である。
【図2】幾つかの部分を取外した図1の装置の拡大詳細図である。
【図3】図1の断面平面に対して装置の中心軸線のまわりに45°だけ回転された断面平面に一致している図1の装置の一部の図である。
【図4】図3の装置の拡大詳細図である。
【図5】本発明の装置の第2の実施の形態の、図3の断面平面に一致している部分断面概略図である。
【図6】本発明の装置の第3の実施の形態の詳細の部分断面概略図である。
【図7】第2の作動状態における図6の装置の部分断面概略図である。
【図8】第3の作動状態における図6の装置の部分断面概略図である。
【図9】本発明の装置の第4の実施の形態の変形例の部分断面概略図である。
【図10】本発明の装置の第4の実施の形態の変形例の部分断面概略図である。
【図11】本発明の装置の第5の実施の形態の部分断面概略図である。
【図12】図1ないし図11に示される本発明の実施の形態の各々と関連されることができる追加の部材の部分断面概略図である。
【図13】本発明による装置の曲線特徴の群の図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス状流体を圧力下で収容するためのタンク(2)と、
断面が投球されるボール(4)の断面にほぼ対応していて、ボール(4)を投球するための開口端(7)と、ボール(4)を位置させるためのシート(8)とを有する投球管(3)と、
前記タンク(2)と前記投球管(3)との間に作動的に連結された流体の排気ダクト(5)と、
ボール(4)の投球を引起こすために指令に応じて前記流体を前記タンク(2)から前記排気ダクト(5)を通して前記投球管(3)へ排出するための急速開口装置(6)と、
を具備しているスポーツ練習のためにボールを投球するための装置において、
タンク(2)から投球管(3)への流体の移送を引起こすために前記排気ダクト(5)に設けられた絞り手段(37)を更に備えていることを特徴とするスポーツ練習のためにボールを投球するための装置。
【請求項2】
前記絞り手段(37)は、前記タンク(2)から投球管(3)への流体の移送を調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記絞り手段(37)は、固定部分(38)と、この固定部分(38)に対して移動可能な可動部分(39)とを備えており、前記固定部分(38)に対する前記可動部分(39)の変位が、絞り手段(37)と対応して排気ダクト(5)の有効断面の変化を定める、ことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の装置。
【請求項4】
前記可動部分(39)は、球閉鎖体により構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記可動部分(39)は、外壁部(40)が固定部分(38)に近接して摺動するスリーブにより構成されており、このスリーブは、流体用のそれ自身の入口断面に対応している狭窄部(41)と、固定部分を跨って延びている1つまたはそれ以上のスリット(42)とを有している、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記絞り手段(37)は、1つまたはそれ以上の交換可能なリングナット(61)を有しており、各リングナット(61)は、排気ダクト(5)内の流体通過部分の異なる絞りを定める、ことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の装置。
【請求項7】
前記急速開口装置(6)は、急速な開口でタンク(2)から排気ダクト(5)への流体の排出を制御する少なくとも1つの主弁(9)を備えている、ことを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項8】
前記急速開口装置(6)は、主弁(9)の作動を定める駆動弁(11)を少なくとも更に備えている、ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記急速開口装置(6)は、主弁(9)の開口を果させ、且つ駆動弁(11)により制御される制御弁(10)を少なくとも更に備えている、ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記主弁(9)は、加圧可能な第1の室(13)によって作動される移動可能な第1の閉鎖体(12)を備えており、前記第1の閉鎖体(12)は、前記第1の室(13)が加圧されるときには、閉鎖位置にあり、前記第1の室(13)が減圧されると、開口位置へ移動し、前記制御弁(10)は、これが開口されると、第1の室(13)の減圧を引起こす、ことを特徴とする請求項8もしくは9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御弁(10)は、加圧可能な第2の室(15)によって作動される移動可能な第2の閉鎖体(14)を備えており、前記第2の閉鎖体(14)は、前記第2の室(15)が加圧されるときには、閉鎖位置にあり、前記第2の室(15)が減圧されると、開口位置へ移動し、前記駆動弁(11)は、これが開口されると、第2の室(15)の減圧を引起こす、ことを特徴とする請求項9もしくは10に記載の装置。
【請求項12】
前記駆動弁(11)は、ソレノイド弁である、ことを特徴とする請求項8、9、10もしくは11に記載の装置。
【請求項13】
前記駆動弁(11)は、遠隔で制御可能である、ことを特徴とする請求項8、9、10、11もしくは12に記載の装置。
【請求項14】
前記駆動弁(11)は、手動弁である、ことを特徴とする請求項8、9、10、11もしくは12に記載の装置。
【請求項15】
手動で作動される弁と、ソレノイド弁との2つの平行な駆動弁(11)を備えている、ことを特徴とする請求項8、9、10、11もしくは12に記載の装置。
【請求項16】
前記絞り手段(37)は、第1の閉鎖体(12)の移動に作用する主弁(9)内の流体通路断面を変える、ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記絞り手段(37)は、第1の閉鎖体(12)の移動を変えるために第1の室(13)に挿入されることができる1つまたはそれ以上の交換可能な挿入体(62)を備えている、ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記絞り手段(37)により、端部(64)が第1の閉鎖体(12)を閉鎖状態に支持する排気ダクト(5)の内側部分(63)が軸方向で調整可能である、ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記タンク(2)を加圧するための回路(20)を更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項20】
前記加圧回路(20)は、第1の室(13)をも加圧し、前記タンク(2)と第1の室(13)とは、流体連通している、ことを特徴とする請求項10もしくは19に記載の装置。
【請求項21】
前記加圧回路(20)は、第2の室(15)をも加圧し、前記タンク(2)と第2の室(15)とは、流体連通している、ことを特徴とする請求項11もしくは19に記載の装置。
【請求項22】
前記加圧回路(20)は、各投球後にタンク(2)の自動的再充填を許容する、ことを特徴とする請求項19,20もしくは21に記載の装置。
【請求項23】
前記投球管(3)内の投球されるボール(4)用の前記シート(8)の位置を変えるための手段(43)を更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項24】
前記絞り手段(37)と、ボール(4)用の前記シート(8)の位置を変えるための前記手段(43)とは、所定の関係に応じて、タンク(2)から投球管(3)への流体の移送およびその逆の移送の調整に応じてシート(8)の位置を変えるように作動的に関連されている、ことを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
投球されるボール(4)用の前記シート(8)は、調整手段の可動部分(39)に堅く連結されており、可動部分(39)の変位が、前記投球管(3)内の投球されるボール(4)用の前記シート(8)の対応する変位を引起こす、ことを特徴とする請求項3もしくは24に記載の装置。
【請求項26】
各交換可能なリングナット(61)は、また、投球管(3)内のボール(4)用のシート(8)の異なる位置を定める、ことを特徴とする請求項6もしくは24に記載の装置。
【請求項27】
ボール(4)用のシート(8)と、開口端(7)と反対側の投球管(3)の端部との間には、ボール(4)がシート(8)にあるときに、投球時に流体が膨張する第1の室(45)もまた確認され、前記排気ダクト(5)は、ボール(4)用のシート(8)と対応して投球管(3)に連結されている、ことを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項28】
前記タンク(29)は、可変の容積を有している、ことを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項29】
投球精度を高めるための手段(67)を更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項30】
投球精度を高めるための前記手段(67)は、投球管(3)の開口端(7)から適切な距離を置いて位置された環状部材(69)により構成されている、ことを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記環状部材(69)は、投球管(3)の内径より僅かに大きい内径を有している、ことを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
投球ノイズ減少手段(68)を更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項33】
前記投球ノイズ減少手段(68)は、投球管(3)に同軸に取付けられた適切な容積の環状室(71)により構成されており、この環状室(71)は、開口端(7)に対応して設けられた内側スリット(72)と、複数の横方向スリット(73)とを有している、ことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記環状室(71)内の全通路断面は、投球管(3)の断面よりあまり小さくはない、ことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記環状室(71)の内面は、吸音材料で被覆されている、ことを特徴とする請求項33もしくは34に記載の装置。
【請求項36】
前記流体は空気であることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項37】
投球管(3)の向きを調整し得る支持構造体を更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項38】
自動式および遠隔制御式作動を可能にすることができるプログラミング可能な電子ユニットを更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項39】
排気ダクト(5)は、投球管(3)より小さい断面を有している、ことを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項1】
ガス状流体を圧力下で収容するためのタンク(2)と、
断面が投球されるボール(4)の断面にほぼ対応していて、ボール(4)を投球するための開口端(7)と、ボール(4)を位置させるためのシート(8)とを有する投球管(3)と、
前記タンク(2)と前記投球管(3)との間に作動的に連結された流体の排気ダクト(5)と、
ボール(4)の投球を引起こすために指令に応じて前記流体を前記タンク(2)から前記排気ダクト(5)を通して前記投球管(3)へ排出するための急速開口装置(6)と、
を具備しているスポーツ練習のためにボールを投球するための装置において、
タンク(2)から投球管(3)への流体の移送を引起こすために前記排気ダクト(5)に設けられた絞り手段(37)を更に備えていることを特徴とするスポーツ練習のためにボールを投球するための装置。
【請求項2】
前記絞り手段(37)は、前記タンク(2)から投球管(3)への流体の移送を調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記絞り手段(37)は、固定部分(38)と、この固定部分(38)に対して移動可能な可動部分(39)とを備えており、前記固定部分(38)に対する前記可動部分(39)の変位が、絞り手段(37)と対応して排気ダクト(5)の有効断面の変化を定める、ことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の装置。
【請求項4】
前記可動部分(39)は、球閉鎖体により構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記可動部分(39)は、外壁部(40)が固定部分(38)に近接して摺動するスリーブにより構成されており、このスリーブは、流体用のそれ自身の入口断面に対応している狭窄部(41)と、固定部分を跨って延びている1つまたはそれ以上のスリット(42)とを有している、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記絞り手段(37)は、1つまたはそれ以上の交換可能なリングナット(61)を有しており、各リングナット(61)は、排気ダクト(5)内の流体通過部分の異なる絞りを定める、ことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の装置。
【請求項7】
前記急速開口装置(6)は、急速な開口でタンク(2)から排気ダクト(5)への流体の排出を制御する少なくとも1つの主弁(9)を備えている、ことを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項8】
前記急速開口装置(6)は、主弁(9)の作動を定める駆動弁(11)を少なくとも更に備えている、ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記急速開口装置(6)は、主弁(9)の開口を果させ、且つ駆動弁(11)により制御される制御弁(10)を少なくとも更に備えている、ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記主弁(9)は、加圧可能な第1の室(13)によって作動される移動可能な第1の閉鎖体(12)を備えており、前記第1の閉鎖体(12)は、前記第1の室(13)が加圧されるときには、閉鎖位置にあり、前記第1の室(13)が減圧されると、開口位置へ移動し、前記制御弁(10)は、これが開口されると、第1の室(13)の減圧を引起こす、ことを特徴とする請求項8もしくは9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御弁(10)は、加圧可能な第2の室(15)によって作動される移動可能な第2の閉鎖体(14)を備えており、前記第2の閉鎖体(14)は、前記第2の室(15)が加圧されるときには、閉鎖位置にあり、前記第2の室(15)が減圧されると、開口位置へ移動し、前記駆動弁(11)は、これが開口されると、第2の室(15)の減圧を引起こす、ことを特徴とする請求項9もしくは10に記載の装置。
【請求項12】
前記駆動弁(11)は、ソレノイド弁である、ことを特徴とする請求項8、9、10もしくは11に記載の装置。
【請求項13】
前記駆動弁(11)は、遠隔で制御可能である、ことを特徴とする請求項8、9、10、11もしくは12に記載の装置。
【請求項14】
前記駆動弁(11)は、手動弁である、ことを特徴とする請求項8、9、10、11もしくは12に記載の装置。
【請求項15】
手動で作動される弁と、ソレノイド弁との2つの平行な駆動弁(11)を備えている、ことを特徴とする請求項8、9、10、11もしくは12に記載の装置。
【請求項16】
前記絞り手段(37)は、第1の閉鎖体(12)の移動に作用する主弁(9)内の流体通路断面を変える、ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記絞り手段(37)は、第1の閉鎖体(12)の移動を変えるために第1の室(13)に挿入されることができる1つまたはそれ以上の交換可能な挿入体(62)を備えている、ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記絞り手段(37)により、端部(64)が第1の閉鎖体(12)を閉鎖状態に支持する排気ダクト(5)の内側部分(63)が軸方向で調整可能である、ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記タンク(2)を加圧するための回路(20)を更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項20】
前記加圧回路(20)は、第1の室(13)をも加圧し、前記タンク(2)と第1の室(13)とは、流体連通している、ことを特徴とする請求項10もしくは19に記載の装置。
【請求項21】
前記加圧回路(20)は、第2の室(15)をも加圧し、前記タンク(2)と第2の室(15)とは、流体連通している、ことを特徴とする請求項11もしくは19に記載の装置。
【請求項22】
前記加圧回路(20)は、各投球後にタンク(2)の自動的再充填を許容する、ことを特徴とする請求項19,20もしくは21に記載の装置。
【請求項23】
前記投球管(3)内の投球されるボール(4)用の前記シート(8)の位置を変えるための手段(43)を更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項24】
前記絞り手段(37)と、ボール(4)用の前記シート(8)の位置を変えるための前記手段(43)とは、所定の関係に応じて、タンク(2)から投球管(3)への流体の移送およびその逆の移送の調整に応じてシート(8)の位置を変えるように作動的に関連されている、ことを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
投球されるボール(4)用の前記シート(8)は、調整手段の可動部分(39)に堅く連結されており、可動部分(39)の変位が、前記投球管(3)内の投球されるボール(4)用の前記シート(8)の対応する変位を引起こす、ことを特徴とする請求項3もしくは24に記載の装置。
【請求項26】
各交換可能なリングナット(61)は、また、投球管(3)内のボール(4)用のシート(8)の異なる位置を定める、ことを特徴とする請求項6もしくは24に記載の装置。
【請求項27】
ボール(4)用のシート(8)と、開口端(7)と反対側の投球管(3)の端部との間には、ボール(4)がシート(8)にあるときに、投球時に流体が膨張する第1の室(45)もまた確認され、前記排気ダクト(5)は、ボール(4)用のシート(8)と対応して投球管(3)に連結されている、ことを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項28】
前記タンク(29)は、可変の容積を有している、ことを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項29】
投球精度を高めるための手段(67)を更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項30】
投球精度を高めるための前記手段(67)は、投球管(3)の開口端(7)から適切な距離を置いて位置された環状部材(69)により構成されている、ことを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記環状部材(69)は、投球管(3)の内径より僅かに大きい内径を有している、ことを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
投球ノイズ減少手段(68)を更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項33】
前記投球ノイズ減少手段(68)は、投球管(3)に同軸に取付けられた適切な容積の環状室(71)により構成されており、この環状室(71)は、開口端(7)に対応して設けられた内側スリット(72)と、複数の横方向スリット(73)とを有している、ことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記環状室(71)内の全通路断面は、投球管(3)の断面よりあまり小さくはない、ことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記環状室(71)の内面は、吸音材料で被覆されている、ことを特徴とする請求項33もしくは34に記載の装置。
【請求項36】
前記流体は空気であることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項37】
投球管(3)の向きを調整し得る支持構造体を更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項38】
自動式および遠隔制御式作動を可能にすることができるプログラミング可能な電子ユニットを更に具備していることを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【請求項39】
排気ダクト(5)は、投球管(3)より小さい断面を有している、ことを特徴とするすべての先行請求項のうちのいずれか1つの項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
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【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−518432(P2007−518432A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512777(P2005−512777)
【出願日】平成15年12月30日(2003.12.30)
【国際出願番号】PCT/IT2003/000864
【国際公開番号】WO2005/063344
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(506225019)
【出願人】(506225189)
【出願人】(506225204)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年12月30日(2003.12.30)
【国際出願番号】PCT/IT2003/000864
【国際公開番号】WO2005/063344
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(506225019)
【出願人】(506225189)
【出願人】(506225204)
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