説明

スマートグリッドの自動障害管理および回復のためのシステムおよび方法

【課題】スマートグリッドの自動障害管理および回復のためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】電力網の内部の自己組織化保護協調システムは、電力網で互いに通信結合された複数の配電デバイス10を含む。電力網には、配電網の中で電力を伝送するように構成され、複数の配電デバイスのそれぞれに結合された保護デバイス12も含まれる。電力網は、複数の配電デバイスのそれぞれに結合されたコントローラ14をさらに含む。コントローラは、配電網の中の複数の配電デバイスから、通信チャンネル特性を一定の時間間隔で受け取る。コントローラは、通信特性を受け取るための時間遅延も計算する。コントローラは、複数の配電デバイスのそれぞれにおける複数の信頼性指標をさらに求める。コントローラは、計算された遅延に基づいて、信頼性指標を最小化するように、複数の配電デバイスの引外し特性を調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートグリッドの自動障害管理および回復のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートグリッドは、消費者に電力を配送する一方で、財務コストを最小限にし、エネルギーを節約し、かつ信頼性を向上するために、デジタル通信および制御技術を活用する。スマートグリッドを適切に設計すれば、発電および配電の事業における広範な態様の改善に顕著な効果があるはずである。実例には、自己回復、高信頼性、サイバーテロ攻撃に対する耐性、多種多様なタイプの分散型の発電機構および蓄電機構の適応、最適な資産の分配、ならびに稼動費および維持費の最小化に加えて、先進の計量および需要反応を組み込んだ高分解能の市場管理が含まれる。
【0003】
スマートグリッドの運転における重要な要素には、スマートグリッドの故障検知、分離および回復がある。今日、ほとんどの配電デバイスが互いと通信せず、運転および故障検知を独立して行い、他の保護デバイスの状態およびそれ自体の位置を超えた送電網の状態を認識しない。さらに、配電デバイスの保護設定は、手動で構成され、正確に調整する必要がある。手動調整は、変電所に近い配電デバイスが、変電所から遠くに設けられた配電デバイスと比べて、後回しにされる。陰影妨害および多重伝搬などの通信チャンネルの物理的影響により、例えば変電所の近くに配置された配電デバイスで生じた故障の検知が遅れる。故障検知の遅れにより、最適とはいえない故障の分離となり、装置に過度のストレスが生じ、必要以上に多数の消費者が故障中のサービス停止を経験する。
【0004】
これらおよび他の理由により、本発明の実施形態が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7751166号明細書
【発明の概要】
【0006】
電力網の内部の自己組織化保護協調システムが提供される。電力網の内部の自己組織化保護協調システムは、電力網の中で互いに通信結合された複数の配電デバイスを含む。自己組織化保護協調システムは、電力網の中で電力を伝送するように構成された複数の配電デバイスのそれぞれに結合された保護デバイスも含む。自己組織化保護協調システムの電力網は、複数の配電デバイスのそれぞれに結合されたコントローラをさらに含む。コントローラは、電力網の中の複数の配電デバイスから、通信チャンネル特性を一定の時間間隔で受け取る。コントローラは、次に、通信チャンネル特性に基づいて時間遅延を計算する。コントローラは、複数の配電デバイスのそれぞれにおける複数の信頼性指標をさらに求める。コントローラは、計算された遅延に基づいて、信頼性指標を最小化するように、複数の配電デバイスの引外し特性を調節する。
【0007】
本発明の実施形態の、これらおよび他の特徴および態様が、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を解読するときに一層よく理解されるはずであり、諸図面を通じて、同様の符号は同様の部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の例示的実施形態による、電力網で使用される配電デバイスを表す図である。
【図2】本発明の一実施形態による、様々な配電デバイスから通信チャンネル特性を受け取る時間の遅延を自動的に計算する方法に含まれる諸ステップを表す流れ図である。
【図3】本発明の例示的実施形態による、互いに結合された複数の配電デバイスを含む電力網の概略図である。
【図4】本発明の一実施形態による、図3に与えられた配電デバイスのそれぞれに関して初期の時間電流特性曲線の実例を表すグラフである。
【図5】本発明の一実施形態による、図3の配電デバイスの時間電流特性曲線の実例を表すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態による、図3の配電デバイスの時間電流特性曲線の実例を表すグラフである。
【図7】本発明の例示的実施形態による、電力網内部の保護協調システムを自己組織化する方法に含まれるステップを表す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は、電力網の内部の自己組織化保護協調システムのためのシステムおよび方法を含む。電力網は、電力網の中の配電デバイスのそれぞれから通信チャンネル特性を受け取る、互いに通信結合された複数の配電デバイスを含む。配電デバイスのそれぞれが、配電デバイスに結合されたコントローラが含み、これが、電力網の中の複数の配電デバイスから通信チャンネル特性を受け取るための時間遅延を計算する。コントローラは、配電デバイスのそれぞれに関する信頼性指標を求め、信頼性を最大化して停電時間と影響を受ける顧客数を最小限にするために、遅延に基づいて配電デバイスの引外し特性を調節する。
【0010】
一般に、電力網は、互いに電気的に結合された複数の配電デバイスを含む。配電デバイスのそれぞれが、保護デバイスおよび同保護デバイスを制御するコントローラを含む。保護デバイスは、開状態と閉状態の間で切り換わって人命および装置に対する保護をもたらし、一時的または恒久的な故障に起因する配電の中断を最短にする。保護デバイスのそれぞれが、コントローラによって与えられた引外し特性に基づいて動作する。引外し特性には、保護デバイスが閉状態から開状態に切り換わるまでに保護デバイスから流れる電流の所与のレベルに対して制限時間を与えるための時間電流特性曲線が含まれる。電力網の中のすべての保護デバイスが、同一の時間電流特性曲線を有することが多く、これによって、保護デバイスに、閉状態から開状態への望ましくない切換えが起こる。例えば、特定の保護デバイスが故障すると、前述の故障した保護デバイスの下流の保護デバイスには望ましくない切換えが起こり、好ましくない停電をもたらす。本発明の実施形態による電力網が以下で説明される。
【0011】
図1は、本発明の例示的実施形態による配電デバイス10を表す図である。配電デバイス10は、配電デバイス10に取り付けられた保護デバイス12およびコントローラ14を含む。一実施形態では、配電デバイス10は、電柱を含むことができる。別の実施形態では、保護デバイス12は、リクローザ、継電器、距離保護デバイス、差動保護デバイス、フェーザベースの保護デバイス、電流制限デバイスおよび高出力電子デバイスを含む。コントローラ14は、保護デバイス12の引外し特性に基づいて保護デバイス12の開閉操作を制御する。引外し特性には、保護デバイス12の開閉操作を決定する時間電流特性曲線が含まれる。しかし、前述の好ましくない停電を回避するために、時間電流特性曲線は、保護デバイス12のそれぞれの開閉操作に適切な時間遅延を与えるように、別々の時間間隔で自動的に更新される。陰影妨害および多重伝搬などの通信チャンネル特性の物理的影響を克服するために、コントローラは、例えば誤り訂正信号処理および再伝送を含み得る技法を用いる。遅延は、様々な配電デバイス10から伝送される通信チャンネル特性の通信待ち時間に基づいて計算される。配電デバイス10のそれぞれが、互いの間で通信チャンネル特性を交換することによって通信待ち時間を自動的に計算する。
【0012】
図2は、本発明の一実施形態による、様々な配電デバイスから通信チャンネル特性を受け取る時間の遅延を自動的に計算する方法20に含まれる諸ステップを表す流れ図である。ステップ22で、それぞれの配電デバイスのコントローラが、それぞれの配電デバイスの通信チャンネル特性を自動的に生成する。ステップ24で、それぞれの配電デバイスの通信チャンネル特性が、通信チャンネル特性に組み込まれた送信時間を伴って、電力網におけるそれぞれの残りの配電デバイスに伝送される。ステップ26で、それぞれの残りの配電デバイスは、伝送された通信チャンネル特性を受け取り、同デバイスのコントローラが、通信チャンネル特性の受信時間を記録する。一実施形態では、すべての配電デバイスが、配電デバイスにおける送信時間および受信時間時間を与えるために、同一の時間に同期した全地球測位システムクロックを含む。ステップ28で、残りの配電デバイスのそれぞれのコントローラは、それぞれの残りの配電デバイスにおける送信時間と受信時間の間の差を計算することにより遅延を計算する。ステップ30で、配電デバイスのそれぞれのコントローラは、受信遅延を以前の受信遅延と比較する。しかし、通信チャンネル特性の初期の伝送については、コントローラは、強制的にステップ22から28を繰り返す。コントローラは、遅延が同一である場合、ステップ32で配電デバイスへの通信チャンネル特性の伝送を終え、そうでない場合にはステップ22から30を繰り返す。反復ステップで生成された通信チャンネル特性には、新規の送信時間と以前の通信特性から受け取った配電デバイスのそれぞれの計算された遅延とが含まれる。
【0013】
図3は、本発明の例示的実施形態による、互いに結合された複数の配電デバイスを含む電力網30の例示的表現である。電力網30は、複数の配電デバイス32、34、36、38、母線スイッチ40、および変電所42、44を含む。配電デバイス32、34、36および38のそれぞれが、それぞれ保護デバイス132、134、136、138およびコントローラ232、234、236、238を含む。一実施形態では、電力網30は、スケールフリーの電力網を含む。
【0014】
通常動作の間、電力網30が最初に配備されて作動したとき、保護デバイス132、134、136、138は、好ましい通信媒体を介して互いの間の通信を確立する。一実施形態では、好ましい通信媒体には、個人および公共の有線システムおよび無線システム、ならびにそれらの任意の組合せが含まれる。このようなネットワークの実例には、例えば電力線搬送、固定電話、電気事業の無線、WiFi、WiMAX、および携帯電話が含まれるが、これらに限定されない。配電デバイス32、34、36、38のそれぞれが、それらのGPS位置に関する情報を自動的に交換する。デバイス間の通信チャンネルを特徴づけるために、これらの無線通信も用いられる。これらの配電デバイスは、それぞれのコントローラ232、234、236、238にデータを記憶する。配電デバイス32、34、36、38は、変電所42、44とも通信して、各変電所の能力を求める。最初に、コントローラは、変電所に対する配電デバイスの位置に基づいて、配電デバイスにおける保護デバイスの引外し特性を自動的に更新する。さらに、コントローラ232、234、236および238は、配電デバイス32、34、36および38のそれぞれの通信チャンネル特性をそれぞれ自動的に生成し、好ましい通信媒体を介して互いの間の通信チャンネル特性を交換する。特定の実施形態では、コントローラ232、234、236、238のそれぞれが、全地球測位システム(GPS)および地理情報システム(GIS)に基づく媒体アクセス制御(MAC)プロトコルを含む。GPSは配電デバイスの位置に関する情報をもたらし、GISは、配電デバイスにおける環境情報、地形、樹木の葉および密度情報をもたらす。コントローラ232、234、236、238は、GPS、GISおよび保護デバイスによってもたらされた情報をすべて集めて、電力網30の内部で互いの通信チャンネル特性を分配する。一実施形態では、配電デバイスが密集しているときに、衝突を回避し、かつ遅延を推定するために、伝送をスケジュール設定するのにGPSを使用することができる。
【0015】
コントローラ232、234、236、238のそれぞれが、他のものから通信チャンネル特性を受け取り、コントローラ232、234、236、238のそれぞれから、通信チャンネル特性を受け取るための時間遅延を求める。時間遅延は、上記で詳細に説明されたように、それぞれのコントローラで、配電デバイス32、34、36、38における互いの送信時間と受信時間の間の差を計算することにより算出される。したがって、コントローラ232、234、236、238は、配電デバイス32、34、36、38のそれぞれにおける信頼性指標を計算する。一実施形態では、信頼性指標には、システムの平均中断期間指標(SAIDI)、システムの平均中断頻度指標(SAIFI)、瞬時の平均中断期間指標(MAIFI)、顧客の平均中断期間指標(CAIDI)、および顧客の平均中断頻度指標(CAIFI)が含まれるが、これらに限定されない。コントローラ232、234、236、238は、配電デバイスから受け取った通信チャンネル特性に基づいて信頼性指標を計算する。コントローラ232、234、236、238のそれぞれが、他のコントローラと通信し、好ましい通信媒体を介して、それぞれの配電デバイス32、34、36、38のそれぞれの信頼性指標を交換する。さらに、コントローラ232、234、236、238は、電力網の信頼性を最大化し、かつ信頼性指標の値を最小限にするために、電力網30を通って流れる電流のレベルが変動する場合には、配電デバイス32、34、36、38の保護デバイスの動作を継続させて引外しを回避するように、計算された遅延に基づいて、それぞれの保護デバイス132、134、136、138の引外し特性を自動的に調節する。
【0016】
しかし、局部的な条件、密度および環境条件は、本来動的なものであって、故障期間中の故障メッセージを受け取る際に予期せぬ遅延が生じる恐れがあり、結果として計算間違いおよび非能率に繋がる。したがって、コントローラ232、234、236、238は、所定の時間間隔で通信チャンネル特性を交換し、計算した遅延が以前の遅延と同一になるまで、通信チャンネル特性の生成および交換を繰り返す。
【0017】
本発明をよりよく理解するために、配電デバイス32、34、36、38のそれぞれに等しい負荷がかかり、配電デバイス34で故障が生じるとすると、計算上、配電デバイス36で受け取る故障メッセージの遅延が、配電デバイス32で受け取る故障メッセージの遅延と比較して、より大きいことになる。さらに、保護デバイス136および132の引外し特性に、この遅延時間が付加され、このため、電流レベルが増加する場合には、保護デバイス136および132が閉状態から開状態に切り換わるまでの時間が増加する。したがって、配電デバイス36の保護デバイス136における時間対電流特性曲線は、配電デバイス32の保護デバイス132のものと比較して、より調節される。さらに、例えば新規の配電デバイスの追加または電力網のトポロジの変化といった何らかの通信特性の変化がある場合には、時間電流特性曲線が自動的に調節される。
【0018】
図4は、本発明の一実施形態による、図3に与えられた配電デバイスのそれぞれに関して初期の時間電流特性曲線52の実例を表すグラフ50である。X軸54は、電流をアンペアで表す。Y軸56は、時間を秒で表す。前述のように、電力網の中の保護デバイスのそれぞれが、当初は顧客の負荷プロファイルに基づくものである時間電流特性曲線を含み、顧客の負荷プロファイルは、その特定の配電デバイスにおける需要反応情報から計算され得る。時間電流特性曲線52は、所与の時間に保護デバイスを通って流れる電流のレベルを表す。この例示の図では、点58は、保護デバイスを通って流れる400アンペアの電流に対する閾値が10秒であることを表す。理解されるように、保護デバイスから400アンペアの電流が10秒以上にわたって流れると、保護デバイスは閉状態から開状態に切り換わる。
【0019】
図5は、本発明の一実施形態による、図3の配電デバイス32の時間電流特性曲線62の実例を表すグラフ60である。X軸64は、電流をアンペアで表す。Y軸66は、時間を秒で表す。示されるように、時間電流特性曲線は、配電デバイス34の時間電流特性曲線52に対して、通信特性を受け取る際の計算された遅延に基づいて上方へシフトされる。計算された遅延が10秒であると想定すると、点68は、400アンペアが保護デバイス132を通って20秒間流れるときの閾値を表す。理解されるように、故障時の保護デバイス132の切換え動作が10秒だけ遅れることになり、故障のとき故障メッセージが配電デバイス32に到達するのにさらに時間がかかって、遮断能力が低下する。
【0020】
図6は、本発明の一実施形態による、図3の配電デバイス36の時間電流特性曲線72の実例を表すグラフ70である。X軸74は、電流をアンペアで表す。Y軸76は、時間を秒で表す。表されるように、点78は、30秒の時間に対して保護デバイス136を通って流れる電流が400アンペアであることを示す。図示のように、配電デバイス36の計算された遅延が20秒であると想定すると、通信チャンネル特性を受け取るのが、配電デバイス32の計算された遅延よりさらに10秒遅れるので、配電デバイス36の時間電流特性曲線72は、配電デバイス32の時間電流特性曲線62に対してさらに上方へシフトされる。
【0021】
図7は、本発明の例示的実施形態による、電力網内部の保護協調システムを自己組織化する方法80に含まれるステップを表す流れ図である。方法80は、電力網の中の複数の配電デバイスから、通信チャンネル特性を一定の時間間隔で受け取るステップ82を含む。一実施形態では、通信チャンネル特性は、好ましい通信モードによって受け取られる。例示的実施形態では、好ましい通信モードには、有線通信、無線通信、WiFi、WiMAX、電力線搬送、固定電話、電気事業の無線または携帯電話が含まれる。別の実施形態では、通信チャンネル特性は、全地球測位システムおよび広域情報システムから受け取られる。さらに、ステップ84で、通信チャンネル特性の受信に関する時間遅延が計算される。この遅延は、配電デバイスの位置を与える全地球測位システムならびに局所的環境条件、地形、樹木の葉および密度を与える広域情報システムによってもたらされた複数の配電デバイスの間の距離を計算することにより算出される。方法80は、ステップ86で、複数の配電デバイスのそれぞれにおける信頼性指標を求めるステップをさらに含む。一実施形態では、信頼性指標を求めるステップは、配電デバイスのそれぞれにおけるSAIDI、SAIFI、CAIFI、CAIDIおよびMAIFIを求めるステップを含む。別の実施形態では、信頼性指標は、配電網内の複数の配電デバイス間の配電網接続メッセージを交換することにより求められる。例示的実施形態では、信頼性指標は、配電網ルーティング表によって求められる。方法80は、計算された遅延に基づいて、信頼性指標を最小化するように、複数の配電デバイスの引外し特性を調節するステップ88も含む。例示的実施形態では、引外し特性は、複数の配電デバイスの電流感度を時間に関して調節することにより調節される。特定の実施形態では、複数の配電デバイスのそれぞれが、独立して、通信特性を求め、遅延を計算し、信頼性指標を求めて、引外し特性を調節する。
【0022】
上記で説明された方法の様々な実施形態は、信頼性指標を最小限にする、より効率的な方法を提供する。従来、保護デバイスの引外し特性は人手で調整され、低効率であった。上記で説明された方法は、恒久的故障の場合には、保護デバイスの引外し特性を動作中に自動的に調節し、信頼性指標を最小限にする。これにより、スマートグリッドの効率がかなり向上し、故障の影響を受ける顧客数がかなり減少する。
【0023】
当業者なら、様々な実施形態の様々な特徴には互換性があるのを理解するはずであること、また、説明された様々な特徴に加えて、各特徴に対する他の既知の等価物も、さらなるシステムおよび技法を構成するために、当業者によって本開示の原理に従って融合され、かつ調和され得ることを理解されたい。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内に入るような修正形態および変更形態のすべてを含むように意図されていることを理解されたい。
【0024】
本発明の、単なる特定の特徴が本明細書に示され説明されてきたが、当業者なら多くの修正形態および変更形態を思いつくことができるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内に入るような修正形態および変更形態のすべてを含むように意図されていることを理解されたい。
【符号の説明】
【0025】
10 配電デバイス
12 保護デバイス
14 コントローラ
30 電力網
32 配電デバイス
34 配電デバイス
36 配電デバイス
38 配電デバイス
40 母線スイッチ
42 変電所
44 変電所
50 グラフ
52 初期の電流特性曲線
54 X軸
56 Y軸
58 点
60 グラフ
62 電流特性曲線
64 X軸
66 Y軸
68 点
70 グラフ
72 電流特性曲線
74 X軸
76 Y軸
78 点
132 保護デバイス
134 保護デバイス
136 保護デバイス
138 保護デバイス
232 コントローラ
234 コントローラ
236 コントローラ
238 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力網の中の複数の配電デバイスから、通信チャンネル特性を一定の時間間隔で受け取るステップと、
前記通信特性を受け取るための時間遅延を計算するステップと、
前記複数の配電デバイスのそれぞれにおける複数の信頼性指標を求めるステップと、
前記信頼性指標を最小化するために、前記計算された遅延に基づいて前記複数の配電デバイスの引外し特性を調節するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記通信チャンネル特性を受け取るステップが、好ましい通信モードによって前記通信チャンネル特性を受け取るステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記好ましい通信モードが、有線通信、無線通信、WiFi、WiMAX、電力線搬送、固定電話、電気事業の無線または携帯電話の通信を含む請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記通信チャンネル特性を受け取るステップが、全地球測位システム(GPS)および広域情報システム(GIS)からデータを受け取るステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
GPSからデータを受け取るステップが、前記配電デバイスの位置を受け取るステップを含む請求項4記載の方法。
【請求項6】
GISからデータを受け取るステップが、前記配電デバイスのそれぞれの環境情報、地形、樹木の葉および密度情報を受け取るステップを含む請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記引外し特性を調節するステップが、前記複数の配電デバイスの電流感度を時間に関して調節するステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記信頼性指標が、配電網ルーティング表、全地球測位システムによって求められる請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記複数の配電デバイスのそれぞれが、独立して、通信特性を受け取り、遅延を計算し、信頼性指標を求めて、引外し特性を調節する請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記信頼性指標を求めるステップが、システムの平均中断期間指標、システムの平均中断頻度指標、瞬時の平均中断期間指標、顧客の平均中断期間指標、および顧客の平均中断頻度指標を求めるステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項11】
電力網の中で互いに通信結合された複数の配電デバイスと、
前記電力網の中で電力を伝送するように構成され、前記複数の配電デバイスのそれぞれに結合された保護デバイスと、
前記複数の配電デバイスのそれぞれに結合されたコントローラであって、
前記電力網の中の複数の配電デバイスから、通信チャンネル特性を一定の時間間隔で受け取り、
前記通信特性を受け取るための時間遅延を計算し、
前記複数の配電デバイスのそれぞれにおける複数の信頼性指標を求めて、
前記信頼性指標を最小化するために、前記計算された遅延に基づいて前記複数の配電デバイスの引外し特性を調節するように構成されたコントローラとを備える、電力網における自己組織化保護協調システム。
【請求項12】
前記配電デバイスが電柱を含む請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記電力網がスケールフリー電力網を含む請求項11記載のシステム。
【請求項14】
前記電力網が送電網または配電網を含む請求項13記載のシステム。
【請求項15】
複数の配電デバイスが、好ましい通信モードで互いに通信結合される請求項11記載のシステム。
【請求項16】
前記好ましい通信モードが、有線通信、無線通信、WiFi、WiMAX、電力線搬送、固定電話、電気事業の無線または携帯電話の通信を含む請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラが、全地球測位システム(GPS)および地理情報システム(GIS)に基づく媒体アクセス制御(MAC)プロトコルを備える請求項11記載のシステム。
【請求項18】
前記GPSが前記配電デバイスの位置に関する情報をもたらし、前記GISが、前記配電デバイスにおける環境情報、地形、樹木の葉および密度情報をもたらす請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記保護デバイスが、時間対電流のセンサを備える請求項11記載のシステム。
【請求項20】
前記時間間隔が、所定の時間間隔を含む請求項11記載のシステム。
【請求項21】
プロセッサによって実行されたとき、前記プロセッサに、
電力網の中の複数の配電デバイスから、通信チャンネル特性を一定の時間間隔で受け取るステップと、
前記通信チャンネル特性を受け取るための時間遅延を計算するステップと、
前記複数の配電デバイスのそれぞれにおける信頼性指標を求めるステップと、
前記信頼性指標を最小化するために、前記計算された遅延に基づいて前記複数の配電デバイスの引外し特性を調節するステップとを含む方法を遂行させる、コンピュータプログラムのコンピュータ可読命令を含む不揮発性のコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−17380(P2013−17380A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−144827(P2012−144827)
【出願日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】