説明

スライスレベル調整を実施する方法、回路及びシステム

【課題】スライスレベル調整を実施する方法等を提供する。
【解決手段】実施形態において、受信器は送信器からの信号を受信する。受信器は、信号の値が零である場合に信号をサンプリングする第1のサンプラ(620)を有してよい。受信器は、第1のサンプラが信号をサンプリングする時間と、第1のサンプラがサンプリング値の組を生成するよう信号をサンプリングする次の時間との間で信号をサンプリングする第2のサンプラ(610)を更に有してよい。受信器は、更に、サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が基準電圧の値よりも大きい場合は当該サンプリング値は論理1であると決定し、当該サンプリングが基準電圧の値よりも小さい場合は当該サンプリング値は論理0であると決定するよう動作してよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、光通信に関する。
【背景技術】
【0002】
光信号伝達は、高速短距離通信リンクのための電気信号伝達に代わるものである。垂直共振器面発光レーザ(vertical-cavity surface-emitting laser)(VCSEL)は、一般的に、単極高速光リンクにおける光源である。VCSELによって生成される光は、光媒体(例えば、ファイバ又は導波管)へ結合され、受信器で例えばフォトダイオード(PD)によって検知される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、送信器からの信号に存在するパルス幅歪み(PWD)を低減するためにスライスレベル調整を実施する方法、回路及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、受信器で送信器からの信号を受信するステップと、前記受信器のクロック信号に従って前記送信器からの送信をサンプリングするよう動作する第1のサンプラが、前記送信器からの信号の値が略零である場合に該信号をサンプルするように、前記クロック信号を設定するステップと、前記第1のサンプラが前記送信器からの信号をサンプリングする時間と、前記第1のサンプラがサンプリング値の組を生成するよう前記送信器からの信号をサンプリングする次の時間との間の略中間で前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する前記受信器の第2のサンプラの、前記第1のサンプラの他の基準電圧から独立している基準電圧を設定するステップと、前記受信器で、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも大きい場合に当該サンプリング値は論理1であると決定するステップと、前記受信器で、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも小さい場合に当該サンプリング値は論理0であると決定するステップとを有する方法を提供する。
【0005】
本発明の他の実施形態は、送信器からの信号を受信するよう動作する受信器を有し、前記受信器は、前記送信器からの信号の値が略零である場合に該信号をサンプリングするようにクロック信号に従って前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する第1のサンプラと、前記第1のサンプラが前記送信器からの信号をサンプリングする時間と、前記第1のサンプラがサンプリング値の組を生成するよう前記送信器からの信号をサンプリングする次の時間との間の略中間で前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する第2のサンプラとを有し、前記受信器は、更に、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記第2のサンプラの基準電圧の値よりも大きい場合に当該サンプリング値は論理1であると決定し、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも小さい場合に当該サンプリング値は論理0であると決定するよう動作し、前記基準電圧は、前記第1のサンプラの他の基準電圧から独立している、回路を提供する。
【0006】
本発明の更なる他の実施形態は、送信器からの信号を受信するよう構成される受信部と、前記送信器からの信号の値が略零である場合に該信号をサンプリングするようにクロック信号に従って前記送信器からの信号をサンプリングするよう構成される第1のサンプリング部と、前記第1のサンプリング部が前記送信器からの信号をサンプリングする時間と、前記第1のサンプリング部がサンプリング値の組を生成するよう前記送信器からの信号をサンプリングする次の時間との間の略中間で前記送信器からの信号をサンプリングするよう構成される第2のサンプリング部とを有し、前記受信部は、更に、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記第2のサンプリング部の基準電圧の値よりも大きい場合に当該サンプリング値は論理1であると決定し、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも小さい場合に当該サンプリング値は論理0であると決定するよう構成され、前記基準電圧は、前記第1のサンプリング部の他の基準電圧から独立している、システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、スライスレベル調整を実施することで、送信器からの信号に存在するパルス幅歪み(PWD)を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】高速光受信器の例を示す。
【図2】一様でないノイズ分布を有する信号の例を示す。
【図3】スライスレベル調整を行う受信器の例を示す。
【図4】図3の受信器によって行われるスライスレベル調整による信号の例を示す。
【図5】スライスレベル調整を行う受信器の例を示す。
【図6】図5の受信器の概略図である。
【図7】図5の受信器によって行われるスライスレベル調整による信号の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、例となる高速光受信器100を表す。図1において与えられているように、フォトダイオード(PD)は、自身に入射した光エネルギを電流IPDへ変換してよい。この電流は、トランスインピーダンス増幅器(TIA)によって、クロック・アンド・データ回復回路(CDR)が確実にデータをサンプリングしてデータ信号内に埋め込まれているクロックを回復するのに適したレベルへ増幅され、電圧VTIAへ変換されてよい。光電流IPDは、数100マイクロアンペア程度、又は1若しくは2ミリアンペア程度であってよい。前者の場合に、信号に存在しうるノイズ又はTIAにおける非理想的な性質は、有意に、信号のインテグリティを乱れさせ、CDRによる信頼できるエラーのないデータ検出を害しうる。
【0010】
特定の実施形態では、データ検出の信頼性を高めるよう、2つの機能が高速光受信器100において実施されてよい。すなわち、オフセット補償及びスライスレベル調整である。前者は、例えば装置及び部品の不整合等の非理想的な性質によりTIA回路に存在しうるオフセットを相殺することができる。オフセット補償は、図1において表されているように、TIAをフィードバックループに入れることによって、実施されてよい。特定の実施形態では、受信器100は、TIAの後に追加の増幅器を組み込んでよい。かかる実施形態では、オフセット補償ループは、この追加の増幅器、又はTIA及び増幅器の両方の周りに適用されてよい。更に、ある実施形態では、オフセット補償メカニズムは、TIAの出力での信号から直接ではなく、CDRによって生成されるデータ及びエッジサンプルをデコードすることによって、オフセット情報を検知してよい。オフセット補償は、外部制御信号の適用を介して行われてもよい。実施され得る他の機能、すなわち、スライスレベル調整は、特定のデータビットが論理“1”又は論理“0”であると決定される信号レベルが調整可能であることを可能にする。特定の実施形態では、スライスレベル調整は、光電流IPDが非対称のノイズ特性を有しうるので、光受信器100において実施されてよい。限定ではなく一例として、論理“1”レベルは、論理“0”レベルよりもノイズが多い。
【0011】
図2は、一様でないノイズ分布を有する、例となる信号200を表す。図2において与えられているように、点220は、信号200が信号200の零交差230の間でサンプリングされる場合の信号200の値を表す。“1”ビットに存在するノイズ210に起因して、サンプリングされた“1”の値は、サンプリングされた“0”の値よりも変動しうる。この理由のために、最適なスライシングレベルは零を下回ってよい。更に、“1”ビットの幅は、“0”ビットの幅に等しくてよい(すなわち、T1=T0)。言い換えると、信号200に存在するパルス幅歪み(pulse-width distortion)(PWD)(デューティサイクル歪み又はDCTとしても知られる。)はない。この場合に、CDRは、タイミング不確定性をほとんど有さずに、図2に示されるように、交差200の間にそのサンプリングクロックを置いてよい。
【0012】
図3は、スライスレベル調整を行う、例となる受信器300を表す。図3において与えられているように、スライスレベル調整は、TIAによって増幅される前に信号200に意図的なオフセット(図3のSLadj)を投入することによって行われる。そうすることで、スライシングレベルを論理“1”及び“0”のレベルの間を下回る、すなわち、零を下回るよう動かすことができる。オフセット補償調整及びスライスレベル調整は両方とも連続的に、すなわち、信号200の遷移に対してそれらの調整が適用される時間を考慮せずに、適用されてよい。言い換えると、スライスレベル調整は、信号200が零交差に近い場合及びほぼ一定レベルにある場合に、信号200に適用されてよい。しかし、信号200と可変な非零スライスレベルとの間の差を連続的に増幅することによって、信号200の零交差230の時間は乱れ、それによってCDRに更なるジッタを発生させ、最終的に受信器300の全体的な性能を悪化させうる。
【0013】
図4は、図3の受信器によって行われるスライスレベル調整の適用の前の例となる信号200と、スライスレベル調整が行われた後の例となる信号400とを表す。図4において与えられているように、スライスレベル調整及び増幅を受けた後、信号400はPWDを含み(すなわち、この時点でT1はT0と等しくない。)、CDRのデータサンプリング及びエッジサンプリングクロックはジッタ410を含む。ジッタ410は、T1≠T0の場合に、エラー情報が生成されないデッドゾーンをCDRの位相検出器が生成しうるために、クロックに投入されうる。このデッドゾーンの幅は、T1とT0との間の差に等しい。
【0014】
ジッタ410は、CDRが、交差230に対してCDRのクロックをどこに位置付けるべきかを決定するよう信号400の零交差230のタイミング情報を使用するために、生成されてよい。CDRは、信号400をサンプリングするのに最も最適である時点、すなわち、信号400の振幅がその最大値又は最大値の近くにある場合には零交差230の間、にデータサンプリングクロックを位置付けようとしてよい。それらの交差230が起こる時間が乱されるために、スライス調整動作は、タイミング不確定性をCDRの入力信号400に投入しうる。これは、CDRに確実にそのクロックを最適なサンプリング点に置かせず、従って、最適でない時点で信号400をサンプリングさせうる。これは、より大きなジッタ、ひいては、より多くのビットエラーを引き起こして、受信器300の性能を劣化させうる。
【0015】
図5は、スライスレベル調整を行う、例となる受信器500を表す。図5において与えられているように、スライスレベル調整は、零交差230の中間でデータをサンプリングするCDR内の決定回路に適用されてよい。特定の実施形態では、受信器500は、信号200の零交差230のタイミングに影響を及ぼさない場合に、調整信号を適用してよい。言い換えると、調整は、時間に対する調整によるゲインが零である場合に、行われてよい。これは、零交差230の中間の時点で、すなわち、ゲインが零である時に、調整を適用することによって達成され得る。本開示は、零交差230の中間で調整を適用することを記載するが、本開示は、回路素子及び/又はノイズによって引き起こされる遅延等の要因、あるいは、その他の適切な要因により、零交差230の略中間で調整を適用することを考慮する。従って、ここでは、零交差230の“中間”の時点に対する言及は、零交差230の間の略中間の時点を包含しうる。
【0016】
図6は、図5の受信器500の概略図である。図6において与えられているように、零交差230の間で信号200をサンプリングするDATA決定回路610の基準電圧615は、必要とされるスライスレベル調整SLadjに従って零の上下で変動しうる。特定の実施形態では、DATA決定回路610によって生成されるサンプルの値が基準電圧615を下回る場合は、論理“0”であると決定されてよく、サンプルの値が基準電圧615を上回る場合は、論理“1”であると決定されてよい。反対に、信号200をその零交差230でサンプリングするEDGE決定回路620の基準電圧625はSLadjと無関係であってよく、不変なままであってよい(例えば、0mV)。特定の実施形態では、EDGE決定回路620は、クロック信号640に従って信号200をサンプリングしてよい。クロック信号640は、EDGE決定回路620が信号200をその零交差230でサンプリングするように、設定されてよい。
【0017】
このように、受信器500は、信号200をその零交差230及び零交差230の間でサンプリングしてよく、零交差230の間で起こったサンプルに対してのみスライスレベル調整を適用してよい。スライスレベル調整をDATA決定回路610に適用することによっては、信号200の零交差230のタイミングは影響を及ぼされ得ない。従って、本発明は、スライスレベル調整が受信器100の全体的な性能を劣化させないように信号に与えられる方法を提起する。特定の実施形態では、DATA決定回路610によって生成されるサンプル及び/又はEDGE決定回路620によって生成されるサンプルは、信号200に埋め込まれたクロック信号を取り出すために、後で使用されてよい。
【0018】
本開示は、信号200の値が特定の値である場合に、例えば零交差230で、信号200をサンプリングすることを記載するが、本開示は、信号200の値が、回路素子及び/又はノイズによって引き起こされる遅延等の要因、あるいは、その他の適切な要因により、略特定の値である場合に信号200をサンプリングすることを考慮する。本開示は、特定の時点で、例えば零交差230の間で、信号200をサンプリングすることを記載するが、本開示は、回路素子及び/又はノイズによって引き起こされる遅延等の要因、あるいは、その他の適切な要因により、特定の時点の略近くの時点で、例えば零交差230の略中間で、信号200をサンプリングすることを考慮する。
【0019】
特定の実施形態では、DATA決定回路610及びEDGE決定回路620を含むCDRは、“ハーフレート(half-rate)”、“クォーターレート(quarter-rate)”又はより低いレートのアーキテクチャであってよい。限定ではなく一例として、クォーターレート・アーキテクチャの場合に、EDGE決定回路620は4つのサンプラを有してよい。夫々のサンプラは順に信号200をサンプリングしてよい(第1のサンプラは、第1の零交差230で信号230をサンプリングし、第2のサンプラは第2の零交差230で信号200をサンプリングし、第3のサンプラは第3の零交差230で信号200をサンプリングし、第4のサンプラは第4の零交差230で信号200をサンプリングし、第1のサンプラは第5の零交差230で信号200をサンプリングし、以降同様に続く。)。本開示は、特定のレートのCDRアーキテクチャ内で使用されるDATA決定回路及びEDGE決定回路を記載するが、本開示は、あらゆる適切なレートのCDRアーキテクチャのDATA決定回路及びEDGE決定回路620を考慮する。特定の実施形態では、より低いレートのCDRにおけるDATA決定回路又はEDGE決定回路の基準電圧は互いに無関係であってよい。
【0020】
図7は、図5の受信器500によって行われるスライスレベル調整による例となる信号を表す。図7において与えられているように、連続的でなくデータサンプリング時点でスライスレベル調整を適用することは、信号にPWDを投入せず、従って、CDRのデータ及びエッジサンプリングクロックにおいてジッタを発生させない。特定の実施形態では、T1=T0であるから、CDRは、そのデータサンプリングクロックを、より確実に、信号200の零交差230の間に置くことができる。更に、特定の実施形態では、CDRは“ハーフレート”タイプ(又はより低いレート)であってよく、このタイプにおいては、2(又はそれ以上)のDATA決定回路及び2(又はそれ以上)のEDGE決定回路が用いられてよい。かかる実施形態では、DATA決定回路の基準電圧を調整することについての同じ考慮が、図6の上記実施形態に関して適用される。特定の実施形態では、スライスレベル調整信号SLadjは、外部源から供給されるよりむしろ、自動フィードバック制御によって生成されてよい。
【0021】
特定の実施形態では、スライスレベル調整は、サンプリング時点、すなわち、信号200の零交差230の中間にある時点で、行われてよい。それは、信号振幅が最大となる時点にある。連続的ではなくこのようにスライス調整を行うことによって、信号に導入されるPWDは減じられて、タイミング不確定性の低減及び受信器性能の改善が得られる。特定の実施形態では、独立した事象であるオフセット補償及びスライスレベル調整のメカニズムは互いから切り離されてよい。
【0022】
ここで、コンピュータ読取可能な記憶媒体に対する言及は、1又はそれ以上の一時的でない、有形なコンピュータ読取可能な記憶媒体の処理構造を包含する。限定ではなく一例として、コンピュータ読取可能な記憶媒体は、必要に応じて、半導体に基づく又は他の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC))、ハードディスク、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光学磁気ディスク、光学磁気ドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、ホログラフィック記憶媒体、ソリッドステート・ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタル(SD)カード、SDドライブ、若しくは他の適切なコンピュータ読取可能な記憶媒体、又はそれらの2若しくはそれ以上の組み合わせを含んでよい。ここで、コンピュータ読取可能な記憶媒体に対する言及は、米国特許法第101条(35 U.S.C. 101)の下で特許保護の対象とならない如何なる媒体も除外する。ここで、コンピュータ読取可能な記憶媒体に対する言及は、米国特許法第101条(35 U.S.C. 101)の下で特許保護の対象とならない限りにおいて、一時的な信号伝送形態(例えば、伝播する電気的又は電磁気的な信号自体)を除外する。コンピュータ読取可能な記憶媒体は、必要に応じて、揮発性、不揮発性、揮発性及び不揮発性の組み合わせであってよい。
【0023】
ここで、「若しくは」、「又は」及び「あるいは」(or)は、明示的に別なふうに示され又は文脈によって別なふうに示される場合を除いて、包含的であり排他的ではない。従って、ここでは、「A又はB」は、明示的に別なふうに示され又は文脈によって別なふうに示される場合を除いて、「A、B又は両方」を意味する。更に、「及び」、「並びに」及び「且つ」(and)は、明示的に別なふうに示され又は文脈によって別なふうに示される場合を除いて、連帯的である。従って、ここでは、「A及びB」は、明示的に別なふうに示され又は文脈によって別なふうに示される場合を除いて、「連帯したA及びB」を意味する。
【0024】
本開示は、当業者が理解しうるここでの例となる実施形態に対する全ての変更、置換、代替及び改良を包含する。同様に、必要に応じて、添付の特許請求の範囲は、当業者が理解しうるここでの例となる実施形態に対する全ての変更、置換、代替及び改良を包含する。更に、特定の機能を実行するよう適合され、配置され、機能を有し、構成され、可能にされ、動作可能であり、動作する装置若しくはシステム又は装置若しくはシステムの構成要素に対する特許請求の範囲における参照は、装置、システム又は構成要素がそのように適合され、配置され、機能を有し、構成され、可能にされ、動作可能であり、又は動作する限り、それが又はその特定の機能が起動され、オンされ又はロックされていようとなかろうと、かかる装置、システム又は構成要素を包含する。
【0025】
また、以下の付記が、上記の実施形態に関連して開示される。
【0026】
(付記1)
受信器で送信器からの信号を受信するステップと、
前記受信器のクロック信号に従って前記送信器からの送信をサンプリングするよう動作する第1のサンプラが、前記送信器からの信号の値が略零である場合に該信号をサンプルするように、前記クロック信号を設定するステップと、
前記第1のサンプラが前記送信器からの信号をサンプリングする時間と、前記第1のサンプラがサンプリング値の組を生成するよう前記送信器からの信号をサンプリングする次の時間との間の略中間で前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する前記受信器の第2のサンプラの、前記第1のサンプラの他の基準電圧から独立している基準電圧を設定するステップと、
前記受信器で、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも大きい場合に当該サンプリング値は論理1であると決定するステップと、
前記受信器で、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも小さい場合に当該サンプリング値は論理0であると決定するステップと
を有する方法。
【0027】
(付記2)
前記受信器で、複数のサンプリング値を用いて、前記送信器からの信号に存在するオフセット電圧を相殺するステップ
を更に有する付記1に記載の方法。
【0028】
(付記3)
前記受信器でフィードバック制御により前記基準電圧の値を決定するステップ
を更に有する付記1に記載の方法。
【0029】
(付記4)
前記受信器で、複数のサンプリング値を用いて、前記送信器からの信号に埋め込まれたクロック信号を取り出すステップ
を更に有する付記1に記載の方法。
【0030】
(付記5)
前記送信器からの信号の振幅は、前記第2のサンプラが前記信号をサンプリングする場合に、その最大値又は最小値に近い、
付記1に記載の方法。
【0031】
(付記6)
前記基準電圧の値は零よりも小さい、
付記1に記載の方法。
【0032】
(付記7)
前記第1のサンプラは、
前記クロック信号の周波数の1/Nで前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する第1のサブサンプラと、
前記第1のサブサンプラが前記信号をサンプリングした後、前記信号の値が略零である次の時点で前記信号をサンプリングするよう動作する第2のサブサンプラと
を有し、
Nは、前記第1のサンプラにおけるサブサンプラの数である、
付記1に記載の方法。
【0033】
(付記8)
前記第1のサブサンプラの基準電圧は、前記第2のサブサンプラの基準電圧から独立している、
付記7に記載の方法。
【0034】
(付記9)
送信器からの信号を受信するよう動作する受信器を有し、
前記受信器は、
前記送信器からの信号の値が略零である場合に該信号をサンプリングするようにクロック信号に従って前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する第1のサンプラと、
前記第1のサンプラが前記送信器からの信号をサンプリングする時間と、前記第1のサンプラがサンプリング値の組を生成するよう前記送信器からの信号をサンプリングする次の時間との間の略中間で前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する第2のサンプラと
を有し、
前記受信器は、更に、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記第2のサンプラの基準電圧の値よりも大きい場合に当該サンプリング値は論理1であると決定し、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも小さい場合に当該サンプリング値は論理0であると決定するよう動作し、
前記基準電圧は、前記第1のサンプラの他の基準電圧から独立している、
回路。
【0035】
(付記10)
複数のサンプリング値を用いて前記送信器からの信号に存在するオフセット電圧を相殺するよう動作する補償回路
を更に有する付記9に記載の回路。
【0036】
(付記11)
前記受信器は、更に、フィードバック制御により前記基準電圧の値を決定するよう動作する、
付記9に記載の回路。
【0037】
(付記12)
前記受信器は、更に、複数のサンプリング値を用いて前記送信器からの信号に埋め込まれたクロック信号を取り出すよう動作する、
付記9に記載の回路。
【0038】
(付記13)
前記送信器からの信号の振幅は、前記第2のサンプラが前記信号をサンプリングする場合に、その最大値又は最小値に近い、
付記9に記載の回路。
【0039】
(付記14)
前記基準電圧の値は零よりも小さい、
付記9に記載の回路。
【0040】
(付記15)
前記第1のサンプラは、
前記クロック信号の周波数の1/Nで前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する第1のサブサンプラと、
前記第1のサブサンプラが前記信号をサンプリングした後、前記信号の値が略零である次の時点で前記信号をサンプリングするよう動作する第2のサブサンプラと
を有し、
Nは、前記第1のサンプラにおけるサブサンプラの数である、
付記9に記載の回路。
【0041】
(付記16)
前記第1のサブサンプラの基準電圧は、前記第2のサブサンプラの基準電圧から独立している、
付記15に記載の回路。
【0042】
(付記17)
送信器からの信号を受信するよう構成される受信部と、
前記送信器からの信号の値が略零である場合に該信号をサンプリングするようにクロック信号に従って前記送信器からの信号をサンプリングするよう構成される第1のサンプリング部と、
前記第1のサンプリング部が前記送信器からの信号をサンプリングする時間と、前記第1のサンプリング部がサンプリング値の組を生成するよう前記送信器からの信号をサンプリングする次の時間との間の略中間で前記送信器からの信号をサンプリングするよう構成される第2のサンプリング部と
を有し、
前記受信部は、更に、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記第2のサンプリング部の基準電圧の値よりも大きい場合に当該サンプリング値は論理1であると決定し、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも小さい場合に当該サンプリング値は論理0であると決定するよう構成され、
前記基準電圧は、前記第1のサンプリング部の他の基準電圧から独立している、
システム。
【0043】
(付記18)
複数のサンプリング値を用いて前記送信器からの信号に存在するオフセット電圧を相殺するよう動作するオフセット部
を更に有する付記17に記載のシステム。
【0044】
(付記19)
前記基準電圧はフィードバック制御により決定される、
付記17に記載のシステム。
【0045】
(付記20)
前記受信部は、更に、複数のサンプリング値を用いて前記送信器の信号に埋め込まれたクロック信号を取り出すよう構成される、
付記17に記載のシステム。
【0046】
(付記21)
前記送信器からの信号の振幅は、前記第2のサンプリング部が前記信号をサンプリングする場合に、その最大値又は最小値に近い、
付記17に記載のシステム。
【0047】
(付記22)
前記基準電圧の値は零よりも小さい、
付記17に記載のシステム。
【0048】
(付記23)
前記第1のサンプリング部は、
前記クロック信号の周波数の1/Nで前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する第1のサブサンプラと、
前記第1のサブサンプラが前記信号をサンプリングした後、前記信号の値が略零である次の時点で前記信号をサンプリングするよう動作する第2のサブサンプラと
を有し、
Nは、前記第1のサンプラにおけるサブサンプラの数である、
付記17に記載のシステム。
【0049】
(付記24)
前記第1のサブサンプラの基準電圧は、前記第2のサブサンプラの基準電圧から独立している、
付記23に記載のシステム。
【符号の説明】
【0050】
100 高速光受信器
200,400 信号
230 零交差
300,500 受信器
410 ジッタ
610 DATA決定回路
615,625 基準電圧
620 EDGE決定回路
640 クロック信号
CDR クロック・アンド・データ回復回路
PD フォトダイオード
TIA トランスインピーダンス増幅器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信器で送信器からの信号を受信するステップと、
前記受信器のクロック信号に従って前記送信器からの送信をサンプリングするよう動作する第1のサンプラが、前記送信器からの信号の値が略零である場合に該信号をサンプルするように、前記クロック信号を設定するステップと、
前記第1のサンプラが前記送信器からの信号をサンプリングする時間と、前記第1のサンプラがサンプリング値の組を生成するよう前記送信器からの信号をサンプリングする次の時間との間の略中間で前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する前記受信器の第2のサンプラの、前記第1のサンプラの他の基準電圧から独立している基準電圧を設定するステップと、
前記受信器で、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも大きい場合に当該サンプリング値は論理1であると決定するステップと、
前記受信器で、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも小さい場合に当該サンプリング値は論理0であると決定するステップと
を有する方法。
【請求項2】
前記受信器で、複数のサンプリング値を用いて、前記送信器からの信号に存在するオフセット電圧を相殺するステップ
を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信器でフィードバック制御により前記基準電圧の値を決定するステップ
を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記受信器で、複数のサンプリング値を用いて、前記送信器からの信号に埋め込まれたクロック信号を取り出すステップ
を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記送信器からの信号の振幅は、前記第2のサンプラが前記信号をサンプリングする場合に、その最大値又は最小値に近い、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基準電圧の値は零よりも小さい、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のサンプラは、
前記クロック信号の周波数の1/Nで前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する第1のサブサンプラと、
前記第1のサブサンプラが前記信号をサンプリングした後、前記信号の値が略零である次の時点で前記信号をサンプリングするよう動作する第2のサブサンプラと
を有し、
Nは、前記第1のサンプラにおけるサブサンプラの数である、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のサブサンプラの基準電圧は、前記第2のサブサンプラの基準電圧から独立している、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
送信器からの信号を受信するよう動作する受信器を有し、
前記受信器は、
前記送信器からの信号の値が略零である場合に該信号をサンプリングするようにクロック信号に従って前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する第1のサンプラと、
前記第1のサンプラが前記送信器からの信号をサンプリングする時間と、前記第1のサンプラがサンプリング値の組を生成するよう前記送信器からの信号をサンプリングする次の時間との間の略中間で前記送信器からの信号をサンプリングするよう動作する第2のサンプラと
を有し、
前記受信器は、更に、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記第2のサンプラの基準電圧の値よりも大きい場合に当該サンプリング値は論理1であると決定し、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも小さい場合に当該サンプリング値は論理0であると決定するよう動作し、
前記基準電圧は、前記第1のサンプラの他の基準電圧から独立している、
回路。
【請求項10】
送信器からの信号を受信するよう構成される受信部と、
前記送信器からの信号の値が略零である場合に該信号をサンプリングするようにクロック信号に従って前記送信器からの信号をサンプリングするよう構成される第1のサンプリング部と、
前記第1のサンプリング部が前記送信器からの信号をサンプリングする時間と、前記第1のサンプリング部がサンプリング値の組を生成するよう前記送信器からの信号をサンプリングする次の時間との間の略中間で前記送信器からの信号をサンプリングするよう構成される第2のサンプリング部と
を有し、
前記受信部は、更に、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記第2のサンプリング部の基準電圧の値よりも大きい場合に当該サンプリング値は論理1であると決定し、前記サンプリング値の組に含まれるサンプリング値が前記基準電圧の値よりも小さい場合に当該サンプリング値は論理0であると決定するよう構成され、
前記基準電圧は、前記第1のサンプリング部の他の基準電圧から独立している、
システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−46419(P2013−46419A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−184923(P2012−184923)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】