説明

スライドフォーク

【課題】 食品残渣物の処理物の乾燥機への供給時点に於いて、容器内の付着の防止により全量払い出しが出来ないか。
【解決手段】 スキップホイストによる容器の反転時に処理物と容器の重量を利用し、容器をスライドさせて衝撃を与え払い落とす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品残渣物を乾燥機に供給させるスキップホイストのバケットとフォークが、反転時に重量と反転慣性を利用したスライドが可能な装置。
【背景技術】
【0002】
食品残渣法の実施に向って近年食品残渣物の処理に関する機械の進歩はめざましいものがあり、処理設備に残渣物を供給させる機械はワイヤーを巻き取ってバケットを引き上げ反転させる方法と、近年小型の供給機械として多く出回っているインバーションリフトはチェーン駆動によりバケットを抱える型と、フォークで掬い2本のガイド柱を案内ローラーによってローラーチェーンで上下動させる型とがある。
【0003】
インバーションリフトの普及は、手軽な樹脂製バケットに蓋を設けて底部に車輪を設けた小型が多用されている。
この量産型のバケットを左右のフォークで引っ掛けてローラーチェーンで繰り上げ、2本の案内レールの1本を垂直に、もう1本を上部で曲走させて曲走脱終点にガイドローラーが停止し、停止後もバケットの底部を引き上げる作用で反転させる。
軽く上下動しない場合には、チェーンピン径が小径の理由でチェーン破断が起きる欠点もある。
【0004】
バケットの反転時に嵩は容器を離れ開放される。バケットの反転角度は深い角度を保つため、内容物の移し替えは可能である。
前記のごとく容器より収容物が離れるには収容物の比重が重い場合か、単位質量が大きい場合、接触面積が小さい場合、乾燥している場合等に残渣物を残さず容器より容器に移すことが可能である。
【0005】
大型のスキップホイスト用の容器も同様で、小型も大型も反転時のエネルギーで放出させていて、食品残渣物のように水分が多量に付着しているものや葉類のように単位質量が小さくて付着面積が広いものは、容器内に収容物の残量が多いため毎回清掃が必要となり、放置すると悪臭又は害虫の発生によって衛生上悪い環境が発生している。
【特許文献1】特開平11−021089 バケット搬送装置 株式会社ホソカワ
【非特許文献1】インバーションリフト カタログ 京町車輌
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、単位質量が軽くて薄い葉菜類や洗浄等により水分が付着した面積の広い物質を乾燥機に供給時、容器に残らないよう移し替えは可能か。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、スキップホイスト又はインバーションリフト等を利用し反転させた容器を反転工程終了時、更にストンと小さく落下させるエネルギーと軽い衝撃を加えることにより、容器内壁に付着する収容物を落下させる。
【発明の効果】
【0008】
反転と共に軽い衝撃と容器自身の質量とにより、容器の落下動による慣性を利用して容器内面の付着残留を防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
スキップホイスト又はインバーションリフト等により、高所の容器に収容物を供給させるバケットの内部に残留物を残さない作用は、容器の反転時の慣性によって容器をスライドさせ容器の付着防止に効果がある。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明の1実施例のインバーションリフト型の全体姿図である。
両側に2本H鋼レール1.を立ててH鋼フランジ面に2.角鋼レールを背負わせた状態に構成させ、角鋼を挟んだ8.角鋼みぞつき車輪と上下芯をずらした位置の上部に設けた7.H用フランジつき車輪はH鋼の谷間を案内として上下させる。
【0011】
前記の案内車輪を保持させる6.鞘によって車軸を固定させて鞘の上下に引き上げ引き下げ用の13.ローラーチェーンを結合させ、結合したローラーチェーンは左右H鋼レール上下に設けた14.上部チェーンホイール及び15.下部チェーンホイールを介してエンドレスさせる。
ローラーチェーンの上下取り付け位置は角鋼みぞつき車輪と同芯とする。
【0012】
鞘の内側は断面をリップみぞ形と同形状とし、リップみぞの内部に4.フォーク側上車輪と5.フォーク側下車輪を挿入させ、上下2個の車軸軸間よりもリップみぞ案内鞘は長く、鞘が巻き上がると下部の車輪で止まり、鞘が下がると上部車輪がストッパーとなるように鞘の上下を着脱可能な蓋をする。
【0013】
4.5.のフォーク側車輪は樹脂車輪又は弾性車輪とし、衝撃の防止により音を発生させない。
前記車輪はリップみぞで囲んで脱線脱落を防止させる。車輪の軸の保持はフォークを支持するフレームに固着させる。
【0014】
フォークとフォーク側車輪は一体化の構造で構成され、フォーク側上下車輪の軸をリップみぞ形状のガイドに通して車輪をリップみぞの鞘に収納後上下をふさぐ。リップみぞ形鋼の背面にHみぞを案内として上下するフランジつき車輪とH鋼の背部に当るフランジ面の角鋼を案内とするみぞつき車輪で構成させる。
【0015】
フォークの上昇、下降は左右H鋼レール上端に設けた14.上部チェーンホイールに12.軸を通して10.減速電動機によって軸、及びホイールを正転、逆転させ、13.ローラーチェーンを引き上げ、引き下げさせることによって行う。
【0016】
フレーム兼用のH鋼レールの途中よりカーブみぞを設け、直線よりカーブみぞに沿ってH用フランジつき車輪がチェーンの動きにより上昇すると、前記カーブみぞに案内されて直線部よりカーブ部に進入する。
その時カーブに進入した車輪を中心に円弧を描く。
カーブ部に進入した車輪はさらにその先の直線部の9.曲がりレールに進入する。
【0017】
角鋼を案内とした角鋼みぞつき車輪はチェーンにより繰り上げられるとH用車輪のカーブ部よりさらに先の直線部を上昇し、上昇しながらの角鋼みぞつき車輪を支点として円弧を描いて、H用フランジつき車輪は曲がりレールを戻りながらバケットがフォークに差し込まれて反転する。
【0018】
フォークにより固定されたバケットは、鞘の長さとフォーク側上下車輪間の長さとの差の距離を反転エネルギーにより小さくストンと前進する。
弾性車輪の利点により衝撃は緩和される。
【0019】
フォークに差されたバケットは上昇時に於いて鞘の遊び距離分遅れて動き、鞘の下部ストッパーで止まって上昇する。
反転時は、反転慣性により鞘の下部ストッパー位置で止まっていたフォーク側車輪はフォークフレーム重量とバケットとバケット内処理物の重量が加算された重量でフォークが傾くと移動する。
【0020】
前記フォーク側車輪が鞘内を移動する作用に於いて、車輪を弾性体又は樹脂にするか上下の鞘蓋兼用ストッパーを弾性体にすることで衝撃音は解消が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】スキップホイストの全体姿図で実施方法の説明図である。
【図2】フォークとガイドローラーと鞘の関係図である。
【図3】スライドの関連断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 H鋼レール
2 角鋼レール
3 フォーク
4 フォーク側上車輪
5 フォーク側下車輪
6 鞘
7 H用フランジつき車輪
8 角鋼みぞつき車輪
9 曲がりレール
10 減速電動機
11 軸受
12 軸
13 ローラーチェーン
14 上部チェーンホイール
15 下部チェーンホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキップホイストのフォークとバケットとを着脱可能とし、左右に設けたスキップホイストレールの溝を案内とした車輪とレールフランジ面に設けたレールを跨ぐ車輪と車軸と軸受とで構成させて側板と一体化させ、二軸をフォーク側に持ち出して軸に車輪を装着させて二車輪の外寸より長い鞘で囲み、左右の鞘とフォークとを結合させたスキップホイスト用バケットスライド装置。
【請求項2】
前記バケットスライド装置の鞘の内部にT状の金具を鞘で囲み、T字の柄の部分をフォークフレームと接合させ、鞘の長さよりもT字状金具の長さが短い前記請求項1のバケットスライド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−143688(P2008−143688A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335498(P2006−335498)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(501386924)有限会社 ラムサ・ABE (26)