説明

スライド部材およびシューソール

【課題】シューソール用の緩衝部材並びにそれに対応するシューソールにおいて、踵の最初の着地中に、多次元の地面の反力により生じる筋肉と骨への負荷を減少させる。
【解決手段】スポーツシューズのシューソール用のスライド部材1は、上側スライド表面および下側スライド表面を有する。下側スライド表面は、少なくとも二方向にスライドできるように上側スライド表面の下に配置されている。上側スライド表面は上側ヒール・カップ3の下側として設けられ、下側スライド表面は下側ヒール・カップの上側として設けられる。上側および下側ヒール・カップは、実質的に、球体表面の一部のような形状である。シューソールは、スライド部材1の各部材が、ミッドソールの下側ソール体30および上側ソール体31の間に配置されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シューソール(特にスポーツシューズのシューソール)用スライド部材、およびスライド部材を備えたシューソールに関する。
【背景技術】
【0002】
シューソールは第一に、2つの要件を満たす必要がある。シューソールは、一方では、グラウンド上で良好な摩擦を与えるべきであり、他方では、筋肉および骨への負担を減少するために、一歩一歩のサイクル中に生じるグラウンドからの反力を十分に緩衝すべきである。これらのグラウンドからの反力は、互いに垂直な3成分(X方向、Y方向、Z方向)に分類できる。
【0003】
この反力の最大成分は、Z方向に、すなわち、グラウンド表面に対して垂直に作用する。研究により、約2000Nのピーク荷重がランニング中に生じることが示された。この値は、一般的なランナーの体重の約2.5から3倍である。したがって、以前は、この力成分により生じる筋肉および骨への負担に最大の注目が向けられた。Z方向におけるシューズの緩衝特性を最適にする様々な構造体が数多く知られている。
【0004】
しかしながら、グラウンドの反力はさらに、X方向とY方向においても注目に値する成分を有する。Y方向は、足(足裏)の縦軸に対して実質的に平行な次元であり、一方で、X方向は、Y方向に対して実質的に垂直、すなわち、足の縦軸に対して垂直である。測定により、ランニング中に踵部分に、X方向において約50Nの力が生じることが示され、一方で、Y方向では約250Nの力が測定された。他のスポーツ、例えば、バスケットボールやテニスのような横方向の動きを多用するスポーツ(lateral sports)において、横飛び(サイドカット:side cuts)中、衝撃時、並びに押し離し(push off)中に、足の前部に1000Nまでの力が生じる。
【0005】
X方向およびY方向の上述した水平力は、アスファルトの道路でのランニングが不快であると考えられている理由の1つである。シューズがグラウンドと接触するときに、その水平運動はほんの一瞬で完全に止められる。この状況において、水平の有効力、すなわち、運動量の水平移動は非常に大きい。このことは、柔らかな森林地帯の地面での状況とは対照的である。この場合には、地面での摩擦が低いために、減速がより長い期間に亘り分布している。運動量移動が大きいために、関節と筋肉の疲労が早まり、最悪の場合には、怪我の理由にもなるかもしれない。
【0006】
さらに、多くのランナーは最初に踵からグラウンドに着地し、ここで、足の縦軸は、側方から見た場合、グラウンド表面に関してわずかに傾いている(背部の屈曲)。その結果、最初に地面に着地したときに足に回転モーメント(トルク)がかけられ、これは、Z方向のみのソール材料の圧縮では十分に緩衝することができない。この問題は、ランナーが下り坂の道を走る場合にさらに悪くなる。何故ならば、そのような状況では、シューソールと地面との間の角度が増すからである。
【0007】
さらに、道路の表面は、一般に、水はけをよくするために反っている。これにより、踵で着地するときに、ソール表面とグラウンド平面との間にさらに角度が生じ、追加の負荷が発生する。これらの負荷は、関節と筋肉への回転モーメントにより生じる。また、この負担に関して、Z方向のソール材料の公知の圧縮だけでは十分な緩衝は与えられない。
【0008】
軟らかい森林地帯の地面でのトレールランニング中、地面にある根っこや同じような隆起部によって、着地中に足が解剖学的に逆の方向に傾けられて、関節にピーク負荷が生じることがさらなる問題である。
【0009】
したがって、ある期間、必ずしもZ方向だけには作用しない負荷を効果的に緩衝するための手法が従来技術にあった。例えば、本出願人の特許文献1には、着地表面に関してシューソール全体をずらすことのできるいわゆる3D変形部材が開示されている。これは、チャンバが、矩形断面の代わりに、水平荷重の下で平行四辺形状断面を有するように、側部に平行に曲がる壁を持つ弾性チャンバの剪断動作により行われた。
【0010】
同様の手法が特許文献2にも見られる。踵の下で一種の剛性連結部により相互接続された2つのプレートが互いに対してずらされる。運動理論は特許文献1と似ている。すなわち、緩衝材料が充填される、上側プレートと下側プレートにより画成される容積は、初めの形状では略矩形の断面を有するが、変形が増すと、次第に薄い平行四辺形に転換される。
【0011】
機械的部材によって予定された1つの経路に沿ってしか緩衝できないことがこれらの構造の欠点である。例えば、特許文献2に開示されたヒール・ユニットでは、Z方向の特定の撓みに同時に関連して、Y方向しの撓むことができない。X方向に作用する力に関して、この従来技術に開示されたソールは実質的に剛性である。したがって、特に、傾斜した道路表面に関する上述した状況において、踵の最初の着地中に生じる複雑な多次元荷重は、十分には制御することができない。
【0012】
最後に、特許文献3から、シューズのソール全体を、互いに対してずらされる2つの楔状半部に分割することが知られている。ここでは、運動は、対応するリブによってX方向に限られる。シューズの縦方向(すなわち、Y方向)に作用する地面の反力に関する緩衝は開示されていない。特に、このシステムでは、踵による着地中の緩衝は何も与えられていない。
【特許文献1】国際公開第98/07343号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6115943号明細書
【特許文献3】米国特許第5224810号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の課題は、従来技術の先に論じた欠点を克服するために、特に、踵の最初の着地中における、多次元の地面の反力により生じる筋肉と骨への負荷を減少させる、シューソール用の緩衝部材並びにそれに対応するシューソールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上側スライド表面および下側スライド表面を持つ、特にスポーツシューズのシューソール用のスライド部材であって、下側スライド表面が少なくとも2つの方向にスライド可能であるように上側スライド表面の下に配置されているスライド部材に関する。
【0015】
上側スライド表面および下側スライド表面の間の相対運動により、まるで、摩擦の減少した表面(例えば、柔らかな森林地帯の地面)と接触する一般のシューズを着用しているように、足が感じることができる。本発明による表面のスライド運動は、より長い期間に亘りソールの減速を分布させる。転じて、これにより、アスリートに作用する力の量および筋肉と骨への運動量移動が減少する。
【0016】
本発明によれば、多方向スライド運動が上側スライド表面および下側スライド表面の間で可能である。表面形状の対応する三次元設計により、複雑な多次元緩衝運動が可能になる。これらの運動は、Z方向の限定的な圧縮よりも、踵での着地中の状況にとってはより適している。
【0017】
さらに、本発明によるスライド部材は、前述したような反った道路でのランニング中および下り坂のランニング中に生じるモーメントおよび力に積極的に影響を与える。従来のソール構造に関する比較研究は、本発明によるスライド部材が測定可能な撓みを発生させることができ、この撓みによって、そのような状況において生じる荷重が著しく減少することを示した。
【0018】
本発明によるスライド部材は、好ましくは、踵部分に配置されている。しかしながら、足前方(forefoot)部分に追加または代わりに配置することもできる。
【0019】
前記スライド部材は、好ましくは、下側スライド表面に対する上側スライド表面のスライド運動の下で撓められる、スプリング部材を有する。このスプリング部材は、好ましくは、2つのスライド表面の非撓み配置において既に予備張力下にあり、それによって、所望の量の変形安定性および復元力を与える。
【0020】
特に好ましい実施の形態において、スプリング部材は、上側と下側のスライド表面を相互連結する少なくとも1つの弾性ピンとして設けられ、ここで、この少なくとも1つの弾性ピンは、好ましくは、上側スライド表面にある開口および下側スライド表面にある開口を通って延在し、両端に肥厚部を有する。その結果、互いに対する2つのスライド表面のスライド運動のための作用が持続する緩衝システムが、費用効率的に製造でき、組み立てられる非常に単純な構造部材により提供される。
【0021】
上側スライド表面は、好ましくは、上側ヒール・カップの下側として設けられ、下側スライド表面は、好ましくは、下側ヒール・カップの上側として設けられる。ここで、上側と下側のヒール・カップは、実質的に、球体表面の一部のような形状をしている。
【0022】
この特定の形状は、踵の上述した傾斜した場所への着地中の地面の反力に特にうまく適応する。球状表面に沿った上側ヒール・カップに対する下側ヒール・カップのスライド運動により、そのようなスライド部材が設けられたシューソールの踵部分は、ある程度まで、発生する回転モーメントの下で動くであろう。これは、デカルト座標(X,Y,Z)のいずれに沿って作用する力の緩衝でもない。反対に、緩衝作用は、実質的に球形状のヒール・カップの表面上のどの任意の軌道に沿っても生じるであろう。これにより、衝撃相、すなわち、踵に荷重がかかる相の最中に特定の回転の自由が生じる。足から膝への通常のねじれ力の伝達は、全く生じないか、または限られた様式でしか生じない。
【0023】
スライド部材は、好ましくは、上側スライド表面と下側スライド表面の間の中間空間を密閉し、損なわれないスライドを確実に生じさせるシールを有する。
【0024】
さらに、スライド表面の一方が、他方のスライド表面の凹部に係合する突出部を有することが好ましい。凹部に対する突出部のサイズおよびそれにより生じる遊びは、前記スライド表面間の最大撓みの量および方向を限定できる。
【0025】
さらなる態様によれば、本発明は、上述したスライド部材の内の少なくとも1つを備えた、シューズ、特にスポーツシューズのシューソールに関する。
【0026】
上側ヒール・カップは、好ましくは、シューソールのミッドソールに取り付けられ、一方で、シューソールの別体のヒール・ソールユニットは、好ましくは、下側ヒール・カップに取り付けられる。別体のヒール・ソールユニットは、好ましくは、ミッドソール層およびアウトソール層を有し、それによって、Z方向に追加の摩擦および緩衝を与える。
【0027】
したがって、そのようなシューソールの踵部分は、好ましくは、2つの部分に分けられる。ここで、後方部分は、上述した回転モーメントを緩衝するために、後方へ、外側へ、内側へ、または上への多次元揺動運動におけるシューソールの着地中に撓むことができる。その結果、ヒールのミッドソールおよびアウトソールの後方部分は、ソールの残りの部分から分離される。
【0028】
上側ヒール・プレートは、内側および/または外側で、シューソールの足中間領域まで延在する。その結果、ソールのこの部材は、踵部分と足前方部分の間のねじれ調節(トルション・コントロール)に使用できると同時に、足中間領域の土踏まずを支持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明によるスライド部材および本発明によるシューソールの現在好ましい実施の形態を論じる。このスライド部材並びにシューソールは、あらゆる種類のシューズに用いてもよい。しかしながら、最も適した使用分野はスポーツシューズである。何故ならば、多次元緩衝の実現が、これらのシューズにとって特に適しているからである。
【0030】
図1は、スライド部材1の下側ヒール・カップ2および上側ヒール・カップ3を図示している。この図は、残りの図2から4および7と同様に、容易に見えるように、スライド部材1および対応するシューソールの各部材を下から見たときの斜視図を示している。したがって、直立して向けられたシューズに関してそれぞれ定義された、「上側」と「下側」のヒール・カップ2,3は、これらの図においては、逆の配列で現れている。
【0031】
2つのヒール・カップ2,3は、好ましくは、一方または両方のカップの摩耗を減少させるために、良好なスライド特性を持つ材料から製造される。適切なプラスチック材料は、適切なコーティング(例えば、テフロン(登録商標))を持つ金属と同様に、これらの要件を満たす。プラスチック材料すなわち高分子材料およびコーティングされた金属以外に、プラスチック材料を「テフロン」で被覆すること、またはPTFEを直接プラスチック材料中に配合することも可能である。
【0032】
下側ヒール・カップ並びに上側ヒール・カップは、踵の下側に実質的に相当する曲率を有する。この曲率は、球体の表面の一部に近い。下側ヒール・カップ2が上側ヒール・カップ3に沿ってスライドするときに、その運動はこの球面に沿う。
【0033】
この運動を緩衝するために、1つ以上の弾性ピン10が2つのヒール・カップ2,3の間に配置されている。各々のピン10は、2つのヒール・カップ2,3にしっかり固定するための肥厚部11を上側と下側の端部に有する。この目的のために、凹部5が、それぞれの底面にスリット4が形成された下側ヒール・カップ2および上側ヒール・カップ3に配置されている。図1において、下側ヒール・カップ2のスリット4を見ることができ、一方で、上側ヒール・カップ3には、凹部5しか図示されていない。
【0034】
2つのヒール・カップ2,3の緩衝運動は、上側ヒール・カップ3の凹部または切抜き7に係合する下側ヒール・カップ2に配置された小さな突出部8により制限される。したがって、凹部7および突出部8の形状および範囲が、2つのヒール・カップ2,3の互いに対する最大撓みの方向および量を規定する。
【0035】
凹部5中にピン10が固定されるために、2つのヒール・カップ2,3を密接に維持しながら(図5の断面参照)、より長いピンを用いても差し支えない。より長いピンを用いると、弾性伸びが絶対限界で大きくなり、それによって、2つのヒール・カップ2,3の互いに対するスプリングの範囲が長くなる。
【0036】
図6はピン10の好ましい実施の形態を示している。ピン10の中央部のテーパー量により、弾性を調節することができ、それによって、スライド部材の変形特性を調節することができる。このテーパーにより、弾性伸びがピン10のこの部分で生じ、したがって、ピン10の上端と下端で肥厚部またはヘッド11への負荷が確実に減少する。
【0037】
2つのヒール・カップ2,3が互いに対してあまりに容易に撓むことを防ぐために(図5の断面参照)、2つのヒール・カップ2,3が互いの上に正確に配置されている場合でさえも、弾性ピン10は、好ましくは、予備張力下(半径方向および正面に)にある。これにより、スライド部材がシューソールに用いられたときの(図4参照)踵部分に必要とされる安定性が保証される。予備張力を増大させるために、組立て中に、追加の小さなワッシャー(図示せず)をピン10の肥厚部の直接下に挿入してもよい。ピン10に生じた追加の伸びにより、2つのヒール・カップ2,3の始めの位置でさえも、所定のスプリング張力(相対運動の場合、より大きい弾性抵抗)が生じる。したがって、ピン10の予備張力を調節することは、スライド部材の弾性特性を選択的に調整するためのさらなる方法である。
【0038】
図2は、スライド部材1の組み立てられた状態で2つのヒール・カップ2,3を取り囲むシール20である(図5の断面参照)。シール20は、2つのヒール・カップ2,3の間の空間に土や埃等が入り込み、それによって、スライドが損なわれるのを防ぐ。適切な材料および幾何学形状を選択することにより、シール20は、2つのヒール・カップ2,3の相対運動の下で追加の復元力を与えるであろう。
【0039】
図4は、本発明の実施の形態によるシューソールの分解図を示している。上述したスライド部材の各部材が、好ましくは、ミッドソールの下側ソール体30および上側ソール体31の間に配置されているのが分かる。2つのソール体30,31は、好ましくは、スライド部材1の隣接部材に対応した三次元形状となっており、したがって、確実な嵌り状態でシューソールにしっかりと固定することができる。これが、図4,特に、上側ソール体31に示されている。
【0040】
2つのソール体30,31の間のシューソール中への上述した組込みは別にして、上側ヒール・カップ3を足に直接接するように配置する(必要であれば、中敷きを用いて)ことも考えられる。さらに、上側ヒール・カップ3を別体の部材としてではなく製造することもできる。代わりに、スライド部材1のこの構成部材は、例えば、多成分(multi-component)射出成形または類似の製造技法により、製造中に2つのソール体30,31の一方に既に組み込まれていても差し支えない。
【0041】
図4の分解図から容易に分かるように、上側ヒール・カップ3は、シューソールの足中間領域中に延在する、内側と外側の延長部6を有する。しかしながら、代わりの実施の形態において、延長部6は、ソールの中央のみ、または一方の側のみに配置されている。したがって、上側ヒール・カップ3は、加えて、シューソール全体の安定化に寄与し、ねじれ部材と同様に、足前方部分に対する踵部分の移動性を決定する。正確な設計は、シューズを使用する目的の分野に依存する。
【0042】
好ましくは、独立したヒール・ソールユニット40が、下側ヒール・カップ2の下に配置される。この様子が図3に詳細に示されている。ヒール・ソールユニット40は、下側ヒール・カップ2の相対運動をシューソールの着地面に伝達する。図3に図示したように、独立したヒール・ソールユニット40は、それ自体のミッドソール層41および適切なプロファイル要素を持つアウトソール層42を有する。中央凹部43は、一方では、重量を減少させ、他方では、可動性の独立したヒール・ソールユニット40とソール体30との間に砂利や泥が詰まる虞を低下させる。砂利や泥が詰まると、ヒール・ソールユニット40が非撓み位置に戻るのが阻害される。そのような詰まりも容易に除去できる。最後に、この中央凹部により、さらに、可動性ソールユニット40が離れるのが容易になり、それによって、ソールの目的とする機能がさらに向上する。
【0043】
さらに、シューソール中のスライド部材1の構成部材が外側で追加に被覆されるようにカラー50が配置される。シール20に加え、この部材により、スライド部材1の機能が、泥が入り込むことにより損なわれるのが防がれる。このカラーは、内部の構造部材が見えるように透明にすることもできる。
【0044】
最後に、図7は、シューソール内に配置されたときに、本発明によるスライド部材1により得られる特別な機能を示す。独立したヒール・ソールユニット40は、ソール体30に対していくつかの次元で移動できる。図7の異なる矢印により示されるように、後方と上方への旋回動作だけでなく、外側および内側への傾斜動作も可能である。ヒール・ソールユニットのこの緩衝動作の自由度は、ヒール・カップ2,3の上述した略球形の形状によってのみ制限される。ヒール・カップの上述した球状表面の任意の軌道に沿ったこの多次元緩衝により、特に、上述した地面の傾斜した状況において、踵の着地中のシューズの特性が著しく改善される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のある実施の形態によるスライド部材の上側と下側のヒール・カップを示す斜視図
【図2】図1のヒール・カップを密封するためのシールを示す斜視図
【図3】図1の下側ヒール・カップに取り付けられるヒール・ソール部材を示す斜視図
【図4】図1〜3に示した部材を有するスライド部材を持つシューソールの分解図
【図5】図4のシューソールの断面図
【図6】弾性力を与えるための弾性ピンの好ましい実施の形態を示す概略図
【図7】組み立てられた状態の図4および5のシューソールの斜視図
【符号の説明】
【0046】
1 スライド部材
2 下側ヒール・カップ
3 上側ヒール・カップ
4 スリット
5,7,43 凹部
6 延長部
8 突出部
10 弾性ピン
11 肥厚部
20 シール
30 下側ソール体
31 上側ソール体
40 ヒール・ソールユニット
41 ミッドソール層
42 アウトソール層
50 カラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シューソール用のスライド部材であって、
上側スライドプレート、および
下側スライドプレート、
を備え、
前記下側スライドプレートが、前記上側スライドプレートに関して少なくとも前後方向および側方にスライドできるように前記上側スライドプレートの下に配置されていることを特徴とするスライド部材。
【請求項2】
前記下側スライドプレートに対する前記上側スライドプレートのスライド動作の下で撓むスプリング部材をさらに有することを特徴とする請求項1記載のスライド部材。
【請求項3】
前記スプリング部材が、前記2つのスライドプレートが撓んでいない状態で既に予備張力下にあることを特徴とする請求項2記載のスライド部材。
【請求項4】
前記スプリング部材が、前記上側スライドプレートと前記下側スライドプレートとを相互連結する少なくとも1つの弾性ピンとして設けられていることを特徴とする請求項3記載のスライド部材。
【請求項5】
前記少なくとも1つの弾性ピンが、前記上側スライドプレートにある開口および前記下側スライドプレートにある開口を通って延在し、両端に肥厚部を有することを特徴とする請求項4記載のスライド部材。
【請求項6】
前記上側スライドプレートが上側ヒール・カップの下側として設けられ、前記下側スライドプレートが下側ヒール・カップの上側として設けられていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のスライド部材。
【請求項7】
前記下側および上側のヒール・カップが、実質的に、球体の表面の一部のような形状をしていることを特徴とする請求項6記載のスライド部材。
【請求項8】
前記上側スライドプレートおよび前記下側スライドプレートの間の中間空間を外部に対して密閉するシールをさらに含むことを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のスライド部材。
【請求項9】
前記スライドプレートの内の一方が、他方のスライドプレートの凹部に係合する少なくとも1つの突出部を有することを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載のスライド部材。
【請求項10】
請求項6から9いずれか1項記載のスライド部材を備えたことを特徴とするシューソール。
【請求項11】
前記上側ヒール・カップが前記シューソールのミッドソールに取り付けられ、該シューソールの独立したヒール・ソールユニットが前記下側ヒール・カップに取り付けられていることを特徴とする請求項10記載のシューソール。
【請求項12】
前記独立したヒール・ソールユニットがミッドソール層およびアウトソール層を有することを特徴とする請求項11記載のシューソール。
【請求項13】
前記上側ヒール・カップが、内側および/または外側で、前記シューソールの足中間領域に延在することを特徴とする請求項11または12記載のシューソール。
【請求項14】
請求項10から13いずれか1項記載のシューソールを備えたことを特徴とするシューズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−73548(P2008−73548A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301420(P2007−301420)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【分割の表示】特願2003−331254(P2003−331254)の分割
【原出願日】平成15年9月24日(2003.9.24)
【出願人】(503052173)アディダス インターナショナル マーケティング ベー ヴェー (23)
【氏名又は名称原語表記】adidas International Marketing B.V.
【Fターム(参考)】