説明

スリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材

【課題】 ゴミ吸着シートを足形に形成することなく、市販されている安価なフローリング用ワイパーシートをそのまま利用できるスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材を提供すること。
【解決手段】 スリッパの本体底面よりもやや小さな略相似形で、かつ踵部分12と指先部分13及び両側縁部14にゴミ吸着シート100の係止切れ目15、16、17が形成された裏底板11と、該裏底板11における前記係止切れ目15、16,17が形成されていない中央部分に設けられた両面接着テープ等の接着部材18とを含み、前記裏底板11が前記接着部材18を介して前記スリッパの本体底面に接着され、前記ゴミ吸着シート100が前記裏底板11の底面を覆い、かつ外周縁部101が前記接着部材18側に折り返されて前記係止切れ目15、16、17に挟み込まれて取り外し自在に取り付けられて使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリッパの本体底面にゴミ吸着シートを取り付け、このスリッパを着用して歩くことにより、フローリングの床上等のゴミをゴミ吸着シートに吸着させて床上等を自然に掃除できるようにしたスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、歩きながら床上等の掃除ができるモップ付のスリッパとしては、例えば、下記の特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されているものが知られている。
【特許文献1】特開2001−025454号公報
【特許文献2】特開2001−128916号公報
【特許文献3】特開2003−290105号公報
【0003】
特許文献1に記載されている不織布のワイパー及び清掃具は、不織布のワイパーシートの一部分に粘着剤を付けてこれをスリッパの裏面に取り付けるものである。
【0004】
モップ付スリッパは、使用後にモップ部分を洗濯しなくてはならないが、この特許文献1に記載されている清掃具は、足形に裁断し、粘着剤を付ける等の作業が必要で、製造コストが高くなり、又、ワイパーシートの片面しか使えなく、経済的でないという問題点があった。
【0005】
特許文献2に記載されているゴミ吸着用上履き履物は、履物の本底の底面の外周部を残して底面よりも小さい台部を形成し、この台部の外形輪郭よりも大きい外形輪郭のゴミ吸着シートで台部を覆い、台部の外周に嵌合できる環状体または棒状体でゴミ吸着シートの外周部を押さえながら環状体または棒状体を台部に嵌合して、環状体または棒状体とゴミ吸着シートとを本底に着脱自在に取り付けるものである。
【0006】
この特許文献2に記載されているゴミ吸着用上履き履物は、本底に台部を形成しなければならないため、既存のスリッパをそのまま用いることはできない。既存のスリッパをそのまま用いようとすれば、台部を形成した底部材と環状体又は棒状体の二つの部材が必要であり、又、ゴミ吸着シートの形状は足形に近似した形状に裁断しなければならない。
【0007】
又、ゴミ吸着シートの外周部を押さえながら環状体または棒状体を台部に嵌合して、環状体または棒状体とゴミ吸着シートとを本底に取り付けるものであるから、ゴミ吸着シートは、環状体又は棒状体による嵌合に適合した一定の厚さのシートに限られ、それよりも厚く又は薄いシートを用いることには不都合を生ずるものである。
【0008】
特許文献3に記載されている簡易清掃具は、ゴミ吸着シートを立体的に形成し、これをスリッパの底面に装着して使用するものである。
【0009】
この特許文献3に記載されている清掃具は、ゴミ吸着シートを立体的に形成しなければならないために製造コストが高く、使い捨てに不向きである。又、スリッパを履いた時の外観体裁も良くないという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする問題点は、ゴミ吸着シートを足形に裁断し、又は立体的に形成しなければならないという点である。
【0011】
又、ゴミ吸着シートを足形又は立体的に形成しなければならないために、市販されている安価なフローリング用ワイパーシートをそのまま利用できないという点である。
【0012】
従って、本発明の目的は、ゴミ吸着シートを足形又は立体的に形成することなく、市販されている安価なフローリング用ワイパーシートをはさみ等で切断する必要がなくてそのまま簡易に利用できるスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材を提供することにある。
【0013】
又、本発明の目的は、スリッパを履いた時の外観体裁も良く、ゴミ吸着シートは少なくとも表裏二面が使える経済的なスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの目的のため、本発明の請求項1に記載のスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材は、スリッパ1の本体底面2よりもやや小さな略相似形で、かつ踵部分12と指先部分13及び両側縁部14にゴミ吸着シート100の係止切れ目15、16、17が形成された裏底板11と、該裏底板11における前記係止切れ目15、16,17が形成されていない中央部分に設けられた両面接着テープ等の接着部材18とを含み、前記裏底板11が前記接着部材18を介して前記スリッパ1の本体底面2に接着され、前記ゴミ吸着シート100が前記裏底板11の底面を覆い、かつ外周縁部101が前記接着部材18側に折り返されて前記係止切れ目15、16、17に挟み込まれて取り外し自在に取り付けられる構成を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、ゴミ吸着シートを足形又は立体的に形成することなく、市販されている安価なフローリング用ワイパーシートをはさみ等で切断する必要がなくてそのまま簡易に利用できるものである。
【0016】
又、スリッパを履いた時の外観体裁も良く、ゴミ吸着シートは少なくとも表裏二面を使うことができるものである。
【0017】
又、裏底板は薄く、その全体の足形形状やゴミ吸着シートの係止切れ目は、抜き型で簡単にして、かつ量産的に製造でき、又、接着部材も両面接着テープ又は面ファスナーで構成されているから、製造コストが安く、又、市販されている安価なフローリング用ワイパーシートをはさみ等で切断する必要がなくてそのまま簡易に利用できて経済的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態についてその作用と共に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係るスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材10がスリッパ1の本体底面2に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【0020】
図2と図3は、本発明に係るスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材の一例を示す平面図と底面図であり、図4は、図3の4―4線に沿った拡大断面図、図5は、図3の5―5線に沿った一部省略の拡大断面図で、本スリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材10は、裏底板と接着部材を含んでいる。
【0021】
裏底板11は、スリッパ1の本体底面2よりもやや小さな略相似形に、好ましくは、抜き型により形成され、この裏底板11としては軟質プラスチック、スポンジ、フェルト、少し硬質のカーペット(パンチカーペット)等の素材が用いられる。
【0022】
裏底板11には、図2、図3及び図4に示されているように、足の踵部分12と指先部分13及び両側縁部14にゴミ吸着シート100の係止切れ目15、16、17が形成されている。
【0023】
係止切れ目15は、中央部位にして、かつ円弧面を踵側に向けた半円弧状に形成され、係止切れ目16は中央部位にして、かつ前後を残して左右対称形に形成された全体略馬蹄形を呈している。
【0024】
又、係止切れ目17は、前後の係止切れ目14、15の間に適宜の間隔を有して左右対称の略台形状に形成されている。
【0025】
なお、図示の実施例においては、係止切れ目17は左右に2個所ずつ設けられているが、その数は任意である。
【0026】
又、係止切れ目17は、略台形状に形成されているが、これは両側縁部14と平行な台形上辺とハ字状斜辺基部でゴミ吸着シート100の折り返された外周縁部101を両側縁部14と略平行直線状に挟み込んで係止するようにしたもので、これに類似した係止状態が得られれば、台形状に限定されるものではない。
【0027】
裏底板11における係止切れ目15、16,17が形成されていない中央部分には、剥離紙19を有する両面接着テープや面ファスナー等の接着部材18が設けられている。
【0028】
このように構成されたスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材10は、接着部材18を介してスリッパ1の本体底面2に取り付けられて使用される。
【0029】
ゴミ吸着シート100としては、好ましくは市販され、大きさが約20×30cmに統一されている安価な取替え用のワイパーシートが、はさみ等で足形に切断されることなくそのままの状態で一枚、又は二つ折りにされて使用される。
【0030】
ゴミ吸着シート100は、裏底板11の底面を覆い、かつ外周縁部101が接着部材18側に折り返されて係止切れ目15、16、17に挟み込まれて取り外し自在に取り付けられる。
【0031】
なお、ゴミ吸着シート100の裏底板11に対する取り付けは、裏底板11をスリッパ1の本体底面2に取り付ける前において行ってもよく、又は取り付けた後において行ってもよい。
【0032】
このようにしてゴミ吸着シート100が取り付けられた状態において、このスリッパを着用して歩くことにより、フローリングの床上等のゴミがゴミ吸着シート100に吸着せられて床上等が自然に掃除される。
【0033】
ゴミ吸着シート100を新たなシートと交換する場合や裏返して使用する場合においては、ゴミ吸着シート100の挟み込まれている外周縁部101を係止切れ目15、16、17から外して取り除き、再度取り付ければよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材がスリッパの本体底面に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材の一例を示す平面図である。
【図3】同上の底面図である。
【図4】図3の4―4線に沿った拡大断面図である。
【図5】図3の5―5線に沿った一部省略の拡大断面図である。
【図6】本発明に係るスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材にゴミ吸着シートが取り付けられた状態を示す底面図である。
【図7】本発明に係るスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材の使用状態を示す拡大断面図である。
【図8】図7の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 スリッパ
2 スリッパ本体底面
10 本スリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材
11 裏底板
12 足の踵部分
13 指先部分
14 両側縁部
15、16、17 係止切れ目
18 接着部材
100 ゴミ吸着シート
101 ゴミ吸着シートの外周縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリッパ(1)の本体底面(2)よりもやや小さな略相似形で、かつ踵部分(12)と指先部分(13)及び両側縁部(14)にゴミ吸着シート(100)の係止切れ目(15)、(16)、(17)が形成された裏底板(11)と、
該裏底板(11)における前記係止切れ目(15)、(16)、(17)が形成されていない中央部分に設けられた両面接着テープ等の接着部材(18)と
を含み、
前記裏底板(11)が前記接着部材(18)を介して前記スリッパ(1)の本体底面(2)に接着され、前記ゴミ吸着シート(100)が前記裏底板(11)の底面を覆い、かつ外周縁部(101)が前記接着部材(18)側に折り返されて前記係止切れ目(15)、(16)、(17)に挟み込まれて取り外し自在に取り付けられる構成を特徴とするスリッパ用ゴミ吸着シートの着脱用裏底部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−191995(P2006−191995A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−4640(P2005−4640)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(505016159)
【Fターム(参考)】