説明

スリーブ、ループの多列修復

【課題】
本発明は、骨との組織の間に大きな接触面積を作るような組織修復のための縫合手術方法を提供する。
【解決手段】
本発明の組織修復は、少なくとも2つの結合点を有する組織修復法である。
2つのアンカー点を用いる場合、縫合糸は、2つの結合点の間に伸びて、それらを結合し、縫合帯を作る。2以上の結合点を用いる場合、骨の中の第1アンカー点は、1以上のループを有する。ローテイターカット修復を行う場合、第1アンカー点は、修復場所で中間位置に配置されることが好適である。他のタイプの修復方法のためには、第1アンカー点が異なり、必要に応じて配置される。ループは、互いに離れた点の軟質組織の中を通らせる。次に、ループをローテイターカット修復の間に、横のアンカー点に捉えさせ、固定する。完成させると、ループは、V字形となり、軟質組織と骨との間の接触面積を大きくし、確実にさせる。2以上のループを用いる場合、各々のループは、第1の結合点から他の結合点に伸びているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関節鏡観察的手法が、骨に再結合される軟組織を必要とする。この目的のために、アンカーを骨中に設置し、アンカーに結合された縫合糸が組織中を通過し、その場所の組織に確実に固定される。
【背景技術】
【0002】
従来技術は、次の米国特許に示されるような結び目なしの縫合アンカーを開発した。
【特許文献1】米国特許第5569306号
【特許文献2】米国特許第5658313号
【特許文献3】米国特許第5665112号
【特許文献4】米国特許第5709708号
【0003】
軟質組織を骨に修復する場合、骨との接触面積ができるだけ大きいものが有利である。列にある1つのアンカーから離れたアンカー点があると、広い接触領域のある修復となる。広い面積で骨への確実に結合する方法が必要とされる。その方法は、存在する成分を使用するものでなければならない。そして、患者にとって、最小の回復時間で、素早く効果的な方法で行わなければならない。
他の目的や利点や本発明の完全な理解は、次の具体例や添付図の説明から分かる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、大きな接触面積で骨に組織の再結合を行うことである。
【0005】
本発明の他の目的は、複数の結合点を用いた骨への再結合の方法を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、関節鏡的観察の結び目結合を回避した組織修復を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、手術時間と患者の回復時間を最小にする骨への再結合の方法を提供することである。
【0008】
本発明のこのような目的及び他の目的は、当業者により、本発明の開示が読まれると明白である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、次のような発明である。
組織修復は、骨中の組織の接触面積を広くする縫合のための少なくとも2つの結合点を有する。2つのアンカー点を用いた場合、縫合は、縫合帯を形成する2つの結合点の間のあり、それらを結合させるものである。2以上の結合点を用いる場合、骨中の第1ループは、ローテイターカットオフ修復がなされる場合の修復場所の中間位置に配置されるのが好適である。他のタイプの修復方法では、第1のアンカー点は異なり、必要に応じて配置される。
【0010】
ループは、互いに離れた点で軟質組織を通される。ループは、そして、ローテイターカットオフ修復の間、横に捉えられ、アンカー点で固定され、第1のアンカー点から互いに離れたものである。完成されると、ループは、V字形になり、軟質組織と骨の間の接触面積を大きく確保される。2以上のループを用いる場合、各々のループは、第1結合点から各々の点に伸びている。
【発明の効果】
【0011】
これら及び他の問題は、本発明により解決され、克服され、本発明の組織修復形式では、複数の結合でも、また、複数の結合点でも、アンカーは、従来技術に存在する多くのタイプのアンカーから選択でき、骨密度、修復位置、手術要望により、決められる。また、1以上のループを有する第1結合器から横に離れている1以上の結合点を持つ2列修復形式でも可能であり、技術が確立され、非常にすぐれた集約度と長い寿命の安定性を持った修復が得られる。それは、縫合ループ16の端部を有し、結合点20に固定され、2つの結合点の間に帯域を形成し、組織上に、骨と組織との間に、広い接触領域を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、骨への再結合が必要な組織10を示す。第1の結合器は、縫合ループ16を保持する。ループは、縫合糸の完全な円或いは修復に結合された場合ループとなる縫合糸である。縫合糸は、図1に示されるように組織中を通される。組織修復を完成させるために、縫合ループ16の端が、第1結合器14から横に離れた第2結合点20に結合される。
【0013】
第2結合点20は、プラグを受け入れるスリーブであり、ループを保持する。従来技術では、縫合ループを捉え、スリーブ中に保持されるプラグであるが、これらでは、プラグを保持するように、同じスリーブに結合される縫合糸である。この方法では、縫合は、スリーブから離れた点で結合可能である。
【0014】
完成された修復物は、図2に示され、それは、縫合ループ16の端部を有し、結合点20に固定され、2つの結合点の間に帯域を形成し、組織上に、骨と組織との間に、広い接触領域を可能にする。
【0015】
図3は、骨12に再結合される必要な組織を示す。第1結合14は、第1ループ16と第2ループ18を保持する。2以上のループが、後に説明するように、修復のために用いることができる。この糸(ストランド)方法は、修復物或いは修復器に形成された或いはその内の位置に結合された効果的なループを作るものである。第1結合器14から横に離れた、或いは、他のものから離れたものが、第2結合点20及び第3結合点25である。
【0016】
図4に示されるように、ループ16と18が第2結合点20と第3結合点15に各々結合された後、組織は、組織の端に伸びているループ16、18により、骨に保持される。 または、1以上のループが、第2或いは第3の結合点の1つで、結合される前に、1回以上、組織中を通されることも可能である。
【0017】
第3の具体例が、図5に示される。第1のアンカー114が、2つの異なる点で組織中を通された単一の長い縫合糸116を有する。単一の縫合糸が、2つの異なる点120、125で、組織を骨に保持するように、結合される。
【0018】
骨と組織の間に非常に大きな長さで強く修復するために、第1の結合と第2及び第3の結合点を有する大きな修復が、続いて用いることができる。多重修復のための可能な形式は、図6に示される。2つ各々の第1結合点14を用いる場合、各々の第1結合点から1つのループが、共通結合点23中に保持される。各々の結合点からの残りのループを次に別の結合点20、25に保持する。この形式においては、1以下のアンカー点は必要であり、共通のアンカー点23が2つの異なる第1結合点14からのループを保持する。
【0019】
各々、第1結合点での残り修復ループが、別々の結合点20,25で保持される。この形式では、より少ないアンカー点が必要であり、共通アンカー点23で、2つの異なる第1結合点14からループが保持される。
【0020】
第1結合は、各々1以上の結合されたループを有するスリーブ或いはねじ式アンカーである。1以上のループを有するどんなアンカーも用いることができる。図7に示されるのは、可能なものであり、ポリプロピレンのような適切な材料で作られたねじ式スリーブよりなる。
図8は、2つのループと2つの縫合チャンネルを有する1つのスリーブドライバー32を保持するスリーブ27を示す。そのループは、通常の方法により、アンカーに結合される。
図9は、縫合ループの1つを捉えるため遠点端にノッチを有するプラグ31を示す。
【0021】
図10は、ほぼ断面図で、第1結合点14を示す。説明のために、1つのみのループ16を示し、それは、組織10中を通っている。第2結合点20は、図11に示されるように、骨12中に形成される。ループは、アンカー131(36)により捉えられる。アンカーは、示された圧縮アンカーのような骨把持特性を有するアンカーであればよい。図示のような特定のアンカーでは、アンカー端部のスロットがループを保持する。
【0022】
図12は、第2結合点20に保持されたアンカー39により捉えられたループを示す。同じ方法が、第2のループ18のために繰り返され、第3結合点25に固定される。
【0023】
図13は、図12と同様の図であり、プラグとスリーブアンカーで作られた修復物を示す。スリーブアンカーの1つは、米国特許第6045574号に開示される。この特許は、スリーブとプラグと間の結合を開示し、この方法でのスリーブは、プラグを受け入れ、それと結合された縫合を持たない。この図では、スリーブ127は、骨中に開けられた穴内に置かれ、プラグ131がループ16を捉える。
【0024】
図14は、結合点20にある外側スリーブ127内に置かれ、それにより、ループ16を捉え、安定した効果的な修復を可能にするプラグを示す。スリーブは、ねじ切り(図示)、ウエッジ或いはプロングスのような適切な手段により、穴内に固定される。他のタイプのアンカーも、スリーブ内側にラチェット固定し、修復を固く固定することができる。
【0025】
第1結合器14で、また、第2及び第3結合点20、25で用いたアンカーのタイプは、従来技術に存在する多くのタイプのアンカーから選択することができ、骨密度、修復位置、手術要望により、決められる。特定のタイプのアンカーにもかかわらず、1以上のループを有する第1結合器から横に離れている1以上の結合点を持つ2列修復形式でも確立され、非常にすぐれた集約度と長い寿命の安定性を持った修復が得られる。
【0026】
本発明を、好適な具体例を参照して説明した。その変更例や変化例が、前記の詳細な説明を読み理解すれば、他のものについても可能である。すべてのそのような変更例や変化例を含むものとして、請求項の範囲内にある限り、そしてそれと同等である限り、本発明内のものとして構成される。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の組織修復は、説明されるように、骨と組織の間に大きな接触面積を作るような組織修復であり、そのための縫合手術方法を提供する
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の多列組織修復を示す。
【図2】図1の完成された組織修復を示す。
【図3】組織を通した2つのループを有する1つのアンカー点の組織修復を示す。
【図4】図3の完成された組織修復を示す。
【図5】2つの結合点に結合された単一ループを有するアンカーの他の具体例を示す。
【図6】多重組織修復形の他のタイプの第1段を示す。
【図7】本発明に用いられるねじ型アンカーを示す。
【図8】2つのループを保持する図7のアンカーを示す。
【図9】2つのループとプラグ捕獲1ループを有するアンカーを示す。
【図10】多列の組織修復をなすための第1段階を示す。
【図11】多列の組織修復をなすための第2段階を示す。
【図12】多列の組織修復をなすための最終段階を示す。
【図13】プラグースリーブのアンカーを用いた多列組織修復の第2段階を示す。
【図14】図13の多列組織修復の最終段階を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨中に保持された第1結合点−その骨は該第1結合点に少なくとも1つのループ結合され、それから伸びているもので−、
第1結合点から離れた骨中の第2の結合点、
組織中を通過し、そして、第2結合点に保持された少なくとも1つのループを備えることを特徴とする組織修復。
【請求項2】
更に、該第1結合点及び第2結合点から離れた第3結合点を備え、少なくとも1つのループが組織中を通り、第3結合点と結合していることを特徴とする請求項1に記載の組織修復。
【請求項3】
該第2及び第3の結合点は、アンカーであることを特徴とする請求項2に記載の組織修復。
【請求項4】
該第2及び第3結合点は、スリーブ及びプラグであることを特徴とする請求項2に記載の組織修復。
【請求項5】
該スリーブは、ラチェット結合でスリーブ内に適合していることを特徴とする請求項4に記載の組織修復。
【請求項6】
該少なくとも1つのループは、該第1の結合点に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の組織修復。
【請求項7】
少なくとも1つのループは、第1ループ及び第2ループであり、第1ループは、第2結合点に結合されて、第2ループは、第3結合点に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の組織修復。
【請求項8】
少なくとも1つのループは、第1ループ及び第2ループであり、第1ループは、第2結合点に結合されて、第2ループは、第3結合点に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の組織修復。
【請求項9】
少なくとも1つの結合点を骨中に保持し、
第2結合点を骨中に形成し、
該少なくとも1つのループを、該第2結合点に結合することによることを特徴とする組織修復方法。
【請求項10】
骨中に第3の結合点を形成し、そして、該少なくとも1つのループを第3結合点に結合することを有することを特徴とする請求項9に記載の組織修復方法。
【請求項11】
少なくとも1つのループは、第1ループ及び第2ループであり、第1ループは、第2結合点に結合されて、第2ループは、第3結合点に結合されていることを特徴とする請求項10に記載の組織修復方法。
【請求項12】
骨中の第4の結合点に結合し、第4結合点は、第3及び第4のループであり、第5結合点を形成し、
第3ループを第2結合点に保持し、
そして、第4ループを第5結合点に保持することを特徴とする請求項10に記載の組織修復方法。
【請求項13】
骨中に保持された第1結合点、
第1結合点に結合され、そこから伸びている縫合ループ、
第1結合点から離れて、骨中にある第2結合点、
組織中を通過し、第2結合点に結合された縫合ループを有することを特徴とする組織修復物。
【請求項14】
第2結合点は、スリーブとプラグであり、該プラグは、縫合ループを捉え、該スリーブ中に保持されていることを特徴とする請求項13に記載の組織修復物。
【請求項15】
プラグは、ラチェット結合によりスリーブに保持されていることを特徴とする請求項14に記載の組織修復物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2008−515605(P2008−515605A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536856(P2007−536856)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/036741
【国際公開番号】WO2006/044491
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(507123442)
【Fターム(参考)】