説明

スープ類小分け供給装置

【課題】レードル受け機構なしでも、鍋内のスープ類をこぼすことなく、円滑に食器に供給し得るスープ類小分け供給装置の提供。
【解決手段】上記課題は、レードルの筒状本体ケースの注ぎ口側に設けられてスープ類に混在する具を通過させずにスープ液を通過させるところの液体通過仕切体19を、筒状本体ケースの注ぎ口側にスープ類の具を載せる空間を形成する略く字状折り曲げ部19Aと、この略く字状折り曲げ部19Aに連接する外方湾曲部19Bと、この外方湾曲部19Bに連接して筒状本体ケースの注ぎ口側の取り付け溝に着脱可能に挿入される一対の挿入片部19Cと、略く字状折り曲げ部19A及び外方湾曲部19Bに設けた複数個の液体通過孔19Dを含む構成とすることで、解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、味噌汁、カレー、コーンスープなどのスープ類を小分けして食器に供給するのに好適なスープ類小分け供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスープ類小分け供給装置としては、本体ケースと、この本体ケース内に出し入れ可能に設置されたスープ類用収納容器と、このスープ類用収納容器に収納された具入りのスープ類を小分けしてその小分けした具入りスープ類を前記スープ類用収納容器の正面に設けられた供給口から前記スープ類用収納容器の外に設けられる食器に供給する供給手段と、前記供給口を覆うドアと、このドアを開閉させるドア開閉手段と、前記スープ類用収納容器を加熱するための加熱手段とを備え、前記供給手段を、電動機と、この電動機の正逆転によって正逆転するように前記本体ケースの側面に設けた作動軸と、この作動軸に取り付けられて前記スープ類用収納容器内を回動するリンク式アームと、このリンク式アームの自由端に回転自在に取り付けたレードルとから構成するとともに、前記リンク式アームを、前記作動軸に取り付けた第1アーム部材と、一端を前記第1アーム部材の自由端に回転自在に取り付け、かつ、他端に前記レードルを回転自在に取り付けてなる第2アーム部材と、第1アーム部材と第2アーム部材との取り付け角度を一定の角度に保持するための弦巻ばね機構とから構成したものが知られていた(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
しかしながら、上記従来のスープ類小分け供給装置には、次のような問題を有していることがわかった。
【0004】
(1)レードルをリンク式アームでスープ類用収納容器内を回動させるようにしているため、リンク式アームを構成する第1アーム部材と第2アーム部材との接続部分に、スープ類に混入されている具が付着しやすい。そして、その接続部分にスープ類の具が付着すると、そのスープ類の具が取りにくくなるので、清掃作業を円滑に行うことができなかった。
【0005】
(2)スープ類用収納容器内を回動するところの第1アーム部材と第2アーム部材とを一定の角度に保持するための弦巻ばね機構部分にスープ類に混入されている具が絡みやすいとともに、その弦巻ばね機構部分に絡んだ具が取りにくくなるので、弦巻ばね機構部分の清掃作業を円滑に行うことができなかった。
【0006】
(3)レードルの外周上面に設けた取り付け軸に第2アーム部材を取り付けるようにしているため、その取り付け軸部分にスープ類に混入されている具が絡みやすい。したがって、スープ類小分け供給装置を使用した後の、レードル及びリンク式アームの清掃がやりにくい。
【0007】
(4)スープ類用収納容器の正面に設けられた供給口からレードルを突出させてそのレードルから直接、スープ類用収納容器の外に設けられる食器に落下させるようにしているため、レードルの注ぎ口(掬い口)からスープ類が食器内以外の部分にこぼれやすくなる。
【0008】
そこで、上記(1)乃至(4)の問題点を解決するために、図33に示すように、本体ケース100内に収納されたスープ類用収納容器101の正面に設けられた供給口101Aからスープ類用収納容器101の外に設けられる食器102に供給する供給手段103を、電動機104の正逆転によって正逆転するように本体ケース100の内側面に設けられた作動軸105と、この作動軸105に取り付けられてスープ類用収納容器101内を往復動するアーム106と、このアーム106の自由端に回動可能に取り付けたレードル107と、このレードル107からのスープ類を食器102に案内するためのレードル受け機構108とから構成し、しかも、アーム106を、一本のL字状の金属部材としてその金属部材の上端を作動軸105に着脱自在に取り付け、かつ、その金属部材の下端にレードル107を回動自在に取り付ける構成とするとともに、レードル受け機構108を、スープ類用収納容器101の鍋109の正面開口端に着脱自在に取り付ける構成とし、さらに、アーム106を図33の矢印P1方向に所定角度回動させると、ドア開閉手段110によってドア111を開かせた後に、レードル107及びレードル受け機構108を、重心バランスによってレードル受け機構108の注ぐ口側を供給口101Aから外方に突出させるように回動させる構成としたスープ類小分け供給装置が開発されている。
【0009】
【特許文献1】特開2001―278391号公報
【特許文献2】特開2005―126085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、図33に示す開発中のスープ類小分け供給装置では、レードル受け機構108を、スープ類を受ける樋状受け部材112と、この樋状受け部材112をスープ類用収納容器101の鍋109の正面開口端に形成した膨出段部109Aに着脱自在に装着するための装着部材113と、装着部材113に対して樋状受け部材112を回動自在に取り付けるための軸ピン114と、樋状受け部材112及び装着部材113がスープ類用収納容器101の鍋101Aの正面開口端から外れるのを阻止する外れ阻止部材115を含む部品点数の多い複雑な構成としているために、使用後のレードル受け機構108の清掃作業に手間を要すると同時に、生産性が悪いという問題点があった。また、膨出段部109Aに具が堆積してしまう危険性があり、鍋の外に設置された食器に鍋内のスープ類を円滑に供給することができないという問題点があった。
【0011】
さらに、図33に示す開発中のスープ類小分け供給装置では、1回の小分け動作によって、レードル107により、鍋109内から掬われるスープ類は、略同じ容量となるように設定されている。そのために、食器に供給されるスープ類容量を、お客の要求若しくはスープの種類により、変えたくとも、食器102に供給されるスープ類容量を変えることができないという問題点があった。
【0012】
本発明は、上述した背景技術の実状からなされたものであって、その第1目的は、レードル受け機構がなくとも、鍋内のスープ類をこぼすことなく、鍋の外に設置された食器に鍋内のスープ類を円滑に供給することを可能にする構造簡単なスープ類小分け供給装置を提供することにある。
【0013】
さらに、本発明の第2目的は、食器に供給されるスープ類容量を簡単に変えることのできるスープ類小分け供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記第1目的を達成するために、本発明は、内底面を円弧状としたスープ類を収納する鍋及びこの鍋の上端開口を覆う蓋とからなるスープ類用収納容器と、このスープ類用収納容器の外に設置される食器と、前記鍋内のスープ類を掬い取った後、その掬い取った前記鍋内のスープ類を前記食器に供給するための注ぎ口を有するレードルと、このレードルを前記鍋の内底面に沿って往復回動させるための回動アームとを少なくとも備え、前記レードルを、注ぎ口を有する筒状本体ケースと、この筒状本体ケースの注ぎ口側に設けられて前記スープ類に混在する具を通過させずにスープ液を通過させるところの液体通過仕切体を含む構成とするとともに、前記回動アームを回動させることで、前記レードルによって掬い取った前記鍋内のスープ類を前記スープ類用収納容器の正面側に形成される供給口から前記食器に供給するようにしたスープ類供給装置において、この液体通過仕切体を、前記筒状本体ケースの注ぎ口側にスープ類の具を載せる空間を形成する略く字状折り曲げ部と、この略く字状折り曲げ部に連接する外方湾曲部と、この外方湾曲部に連接して前記筒状本体ケースの注ぎ口側の取り付け溝に着脱可能に挿入される一対の挿入片部と、前記略く字状折り曲げ部及び前記外方湾曲部に設けた複数個の液体通過孔とを含む構成としたことを特徴としている。
【0015】
さらに、本発明の特徴は、前記レードルを、前記回動アームに対して、自重で回動自在となるように取り付けるための取り付け片を、前記筒状本体ケースの後方の上端側に設けたことにある。
【0016】
さらに、上記第1目的を達成するために、本発明は、内底面を円弧状としたスープ類を収納する鍋及びこの鍋の上端開口を覆う蓋とからなるスープ類用収納容器と、このスープ類用収納容器の外に設置される食器と、前記鍋内のスープ類を掬い取った後、その掬い取った前記鍋内のスープ類を前記食器に供給するための注ぎ口を有するレードルと、このレードルを前記鍋の内底面に沿って往復回動させるための回動アームとを少なくとも備え、前記レードルを、注ぎ口を有する筒状本体ケースと、この筒状本体ケースの注ぎ口側に設けられて前記スープ類に混在する具を通過させずにスープ液を通過させるところの液体通過仕切体を含む構成とするとともに、前記回動アームを回動させることで、前記レードルによって掬い取った前記鍋内のスープ類を前記スープ類用収納容器の正面側に形成される供給口から前記食器に供給するようにしたスープ類供給装置において、前記レードルの注ぎ口側の形状を、先端に向うにしたがって先細りとなってその中央部先端が最も出っ張るようにするとともに、前記レードルの注ぎ口の断面がその注ぎ口の中央部先端が最も低くなるように、前記注ぎ口の奥部から前記注ぎ口の最先端部に向うにしたがって徐々に傾斜するようにしたことを特徴としている。
【0017】
さらに、本発明の特徴は、前記筒状本体ケースの上面の左右端に、その上面に付着したスープ液が前記筒状本体ケースの左右側面側に流下するのを阻止する流下阻止リブを設けたことにある。
【0018】
さらに、上記第1目的を達成するために、本発明は、内底面を円弧状としたスープ類を収納する鍋及びこの鍋の上端開口を覆う蓋とからなるスープ類用収納容器と、このスープ類用収納容器の外に設置される食器と、前記鍋内のスープ類を掬い取った後、その掬い取った前記鍋内のスープ類を前記食器に供給するための注ぎ口を有するレードルと、このレードルを前記鍋の内底面に沿って往復回動させるための回動アームとを少なくとも備え、前記レードルを、注ぎ口を有する筒状本体ケースと、この筒状本体ケースの注ぎ口側に設けられて前記スープ類に混在する具を通過させずにスープ液を通過させるところの液体通過仕切体を含む構成とするとともに、前記回動アームを回動させることで、前記レードルによって掬い取った前記鍋内のスープ類を前記スープ類用収納容器の正面側に形成される供給口から前記食器に供給するようにしたスープ類供給装置において、前記筒状本体ケースの上面に複数個のスープ流出孔を設けるとともに、前記筒状本体ケースの上面の左右端に、前記スープ流出孔から流出したスープ液が前記筒状本体ケースの左右側面側に流下するのを阻止する流下阻止リブを設けたことを特徴としている。
【0019】
さらに、上記第2目的を達成するために、本発明は、内底面を円弧状としたスープ類を収納する鍋及びこの鍋の上端開口を覆う蓋とからなるスープ類用収納容器と、このスープ類用収納容器の外に設置される食器と、前記鍋内のスープ類を掬い取った後、その掬い取った前記鍋内のスープ類を前記食器に供給するための注ぎ口を有するレードルと、このレードルを前記鍋の内底面に沿って往復回動させるための回動アームとを少なくとも備え、前記レードルを、注ぎ口を有する筒状本体ケースと、この筒状本体ケースの注ぎ口側に設けられて前記スープ類に混在する具を通過させずにスープ液を通過させるところの液体通過仕切体を含む構成とするとともに、前記回動アームを回動させることで、前記レードルによって掬い取った前記鍋内のスープ類を前記スープ類用収納容器の正面側に形成される供給口から前記食器に供給するようにしたスープ類供給装置において、前記レードルとして、前記筒状本体ケースの上面に設けた前記複数個のスープ液流出孔の、開口位置を異ならせた複数個のレードルを用意し、これらレードルを取り替えることにより、前記供給口から前記食器に供給するスープ液の容量を変えるようにしてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1〜2の発明のスープ類小分け供給装置によれば、レードルが回動傾斜した際の、具の飛び出しを防止して、鍋の外に設置された食器に鍋内のスープ類を円滑に供給することができるスープ類小分け供給装置が得られる。また、請求項3〜4の発明のスープ類小分け供給装置によれば、レードルによって掬い取られた鍋内のスープ類を、レードルの注ぎ口の先端中央部から食器内に、円滑に供給できて、使用後の清掃作業が簡単になるスープ類小分け供給装置が得られる。また、請求項5の発明のスープ類小分け供給装置によれば、筒状本体ケースの上面に付着したスープ液が、筒状本体ケースの左右側面側に流下するのを阻止して、鍋の外に設置された食器に鍋内のスープ類を円滑に供給することができ、使用後の清掃作業が簡単になるスープ類小分け供給装置が得られる。また、請求項6の発明によれば、単に、レードルを交換することのみで、食器に供給されるスープ類容量を変えることのできる使い勝手のよいスープ類小分け供給装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係るスープ類小分け供給装置の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図2に示す一実施形態のスープ類小分け供給装置1は、上面全体及び正面全体を開口させた鋼板製の本体ケース2と、この本体ケース2の上面開口を覆う開閉可能な鋼板製の上面パネル3と、本体ケース2の正面開口を覆う開閉可能な鋼板製の正面パネル4と、本体ケース2の側面に着脱可能に設けた鋼板製の制御箱5とを備えている。本体ケース2の底板2Aには、複数個の高さ調整脚2Bが設けられている。
【0023】
本体ケース2には、図1に示すように、この本体ケース2内に出し入れ可能に設置されるスープ類用収納容器6と、このスープ類用収納容器6に収納された具入りのスープ類を小分けしてその小分けしたスープ類をスープ類用収納容器6の正面に設けられた供給口6Aからスープ類用収納容器6の外に設けられる容器状の食器7に供給する供給手段8と、供給口6Aを覆う扉(図示せず)と、この扉を開閉させる扉開閉手段(図示せず)と、スープ類用収納容器6を加熱するための加熱手段9とを、少なくとも備えた構成にしてある。食器7は、小分けしたスープ類を収納できる容器であればよく、紙コップ、缶コップなども含まれる。スープ類用収納容器6に収納されたスープ類としては、カレー、みそ汁、コーンスープなどが含まれる。
【0024】
上面パネル3は、図1に示すように、一端側が本体ケース2の背面上端部にヒンジ3Aにより回転自在に支持され、かつ、他端側に係止用フランジ3Bが形成されている。正面パネル4は、一端側が本体ケース2の左端部をヒンジ(図示せず)により回動自在に支持され、かつ、他端側の下面にラッチ式施錠装置(図示せず)が設けられている。本体ケース2からスープ類用収納容器6を取り出すには、正面パネル4を開いた後、上面パネル3を開くことによって、行われる。
【0025】
供給手段8は、図1及び図2に示すように、電動機10と、この電動機10の正逆転によって正逆転する作動軸11と、この作動軸11に着脱可能に取り付けられてスープ類用収納容器6内を前後に往復回動する回動アーム12と、この回動アーム12の自由端に取り付けられてスープ類用収納容器6の内壁面に沿って前後に円弧運動するところの柄杓の機能を有するレードル13とを包含する構成とし、このレードル13によって掬い取ったスープ類用収納容器6のスープ類を食器7に案内する構成にしてある。そして、電動機10が正逆回転すると、その正逆回転が伝達ベルト14を介して、作動軸11に伝達されるようにしてある(図2参照)。作動軸11を正逆回転させることで、回動アーム12がスープ類用収納容器6内を前後に往復回動させることにより、レードル13がスープ類用収納容器6内を前後に円弧運動するようにしてある。作動軸11は、図2に示すように、制御箱5が設けられる本体ケース2の側面側に軸受11Aによって略水平に支持されている。伝達ベルト14は、図2に示すように、電動機10の回転軸に設けた第1のプーリ10Aと作動軸11に設けた第2のプーリ11Bに巻装されている。
【0026】
スープ類用収納容器6は、図1及び図2に示すように、アルミニュウム製の鍋15とステンレス製の蓋16の二分割構成としてある。鍋15は、側面方向から見てその鍋15の内面全体形状が円弧状となる(図1参照)ようにするとともに、正面方向若しくは背面方向から見てその鍋15の内面下部形状が逆ハ状となる(図2参照)ようにその鍋15の左右側面の下部を傾斜させてある。蓋16は、下端開口の細長箱状であって、図1及び図2に示すように、正面に供給口6Aが形成され、かつ、上面に蓋用把手16Aが一体的に設けられている。蓋16の下端部分には、図1に示すように、鍋15の上端縁に載置される段部16B及び鍋15の上端内方に挿入される挿入フランジ部16Cが設けられている。蓋16の下端部には、図2に示すように、回動アーム12の水平片12Aを蓋16の側面外方に突出させるためのアーム取り付け開口16Dが形成されている。
【0027】
回動アーム12は、一本の金属板をプレス加工などによって略L状に形成させるものであって、図1及び図2に示すように、作動軸11に取り付けるための水平片12Aと、自由端に取り付け軸17が溶接等により固定される垂直片12Bとからなっている。回動アーム12の垂直片12Bに固定された取り付け軸17には、レードル13が、着脱可能に、かつ、そのレードル13の自重で回動可能となるように取り付けられる。回動アーム12の水平片12Aは、図2に示すように、連結筒体12Cによって作動軸11に着脱自在に連結されている。
【0028】
レードル13は、1回の供給動作で食器7に供給されるスープ類容量が150cc用として設計されたものであって、図3に示すように、注ぎ口(掬い口)18Aを有する合成樹脂製の筒状本体ケース18と、この筒状本体ケース18の注ぎ口18A側に取り外し自在に設けたステンレス製の液体通過仕切体19とを含む構成としてある。レードル13の筒状本体ケース18には、液体通過仕切体19によって、鍋15内に収納された具入りのスープ類を、スープ液と具に分離させて、筒状本体ケース18内にスープ液が、かつ、筒状本体ケース18の注ぎ口18A部分の空間Sに具が、それぞれ分離されて収納されるようにしてある。
【0029】
筒状本体ケース18には、図3と図6〜図8に示すように、その筒状本体ケース18の前方に設けた注ぎ口18Aと、その筒状本体ケース18の後方外周壁に設けられて取り付け軸17を取り付けるための一対の取り付け片18Bと、注ぎ口18Aの左右上方側に配設されて液体通過仕切体19を取り付けるための一対の取り付け溝18Cと、筒状本体ケース18の上面に設けた複数個のスープ流出孔18Dと、筒状本体ケース18の上面の左右端にその上面から筒状本体ケース18の左右側面側にスープ液が流下するのを阻止する流下阻止リブ18Eが形成されている。一対の取り付け片18Bは、筒状本体ケース18の後方外周壁の上端側に位置させることが好ましい。筒状本体ケース18の上面に設けたスープ流出孔18Dの大きさは、スープ類に混入している具が通らない大きさに設定してある。流下阻止リブ18Eは、筒状本体ケース18の上面の左右端に、接着剤を用いて接着固定するようにしてもよいし、筒状本体ケース18の成形時に一体成形するようにしてもよい。
【0030】
液体通過仕切体19は、図3〜図5に示すように、筒状本体ケース18の注ぎ口18A側にスープ類の具を載せる空間Sを形成する略く字状折り曲げ部19Aと、この略く字状折り曲げ部19Aに連接する外方湾曲部19Bと、この外方湾曲部19Bに連接して筒状本体ケース18の注ぎ口18A側の取り付け溝に着脱可能に挿入される一対の挿入片部19Cと、略く字状折り曲げ部19A及び外方湾曲部19Bに設けた複数個の液体通過孔19Dとを含む構成になっており、筒状本体ケース18の注ぎ口18A部分にスープ類の具を載せる空間Sを形成するものである。空間Sの大きさは、鍋15内に収納されたスープ類を、レードル13によって小分け供給を、所定回数行っても、始めから所定回数の最後まで、スープ類の具とスープ液の比率が略一定となるように設定されている。
【0031】
スープ類用収納容器6を構成する鍋15の内壁面には、図1〜図2に示すように、レードル13を鍋15の正面側の開口上端面上方に向かって案内し、かつ、重量バランスにより食器7に向かって回動傾斜したレードル13を支える案内突出体20が設けられている。案内突出体20は、鍋15の正面側の開口上端から内方に離して鍋15の内壁に一体成形されており、上方に向かって円弧状に延びる2個の弧状リブ20A、20Bからなっている。2個の弧状リブ20A、20Bの弧面は、鍋15の内壁面に連続する面としてある。なお、2個の弧状リブ20A、20Bの先端形状(頂面形状)は、本実施形態では、円弧状としているが、三角形状若しくは平坦形状であってもよい。
【0032】
鍋15の正面側の開口上端面には、図2に示すように、切り欠き凹部15Aが形成されている。この切り欠き凹部15Aの幅寸法L1は、レードル13の左右幅寸法L3よりも大きく設定してある。案内突出体20は、図1に示すように、鍋15の正面側の開口上端面の切り欠き凹部15Aから離して、すなわち、案内突出体20の側面と鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aとの間に隙間G1が形成されるように、鍋15の内壁に一体的に設けられている。切り欠き凹部15Aの深さ寸法L2と、この切り欠き凹部15Aから案内突出体20の先端部までの高さ寸法Hとは、案内突出体20の先端部分でレードル13が食器7に向かって傾斜するように回動した際、その傾斜したレードル13の外周底面に付着したスープ類が鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aに付着するのを阻止する隙間G2(図17参照)が、レードル13の外周底面と鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aとの間に形成されるように設定されている。本実施形態では、案内突出体20の先端部(頂面部)を、切り欠き凹部15Aの無い部分における鍋15の開口上端面よりも上方に突出させるようにしている。なお、隙間G2の大きさは、レードル13の外周底面を伝わってくるスープ液によって作られるスープ玉の直径よりも大きくしてある。
【0033】
レードル13の注ぎ口18A側の形状は、先端に向うにしたがって先細りとなってその中央部先端が最も出っ張るように、かつ、注ぎ口18Aの断面形状がその注ぎ口18Aの中央部先端が最も低くなるように注ぎ口18Aの奥部から注ぎ口18Aの最先端部に向うにしたがって徐々に傾斜するようにしてある。レードル13に設けた一対の取り付け片18Bには、図3、図8及び図9に示すように、回動アーム12の取り付け軸17が嵌合する嵌合穴18Fが設けられている。回動アーム12の取り付け軸17には、図9に示すように、係合ピン17Aが設けられている。一対の取り付け片18Bに設けた嵌合穴18Fのうち一方の嵌合穴18Fには、図9に示すように、係合ピン17Aが嵌合可能な嵌合切り欠き18Gが設けられている。レードル13の注ぎ口18Aには、液体通過仕切体19の外方湾曲部19Bの側面部を覆うための膨出部18Hが形成されている。膨出部18Hの上面は、液体通過仕切体19の外方湾曲部19Bと同形状の湾曲状としてある。
【0034】
回動アーム12にレードル13を取り付けるには、まず、回動アーム12の取り付け軸17の係合ピン17Aを、取り付け片18Bの嵌合穴18Fの嵌合切り欠き18Gに合わせることにより、図10に示すように、その取り付け軸17を取り付け片18Bの嵌合穴18Fに挿入する。その後、レードル13を、取り付け軸17を軸にして回動させれば、係合ピン17Aと嵌合切り欠き18Gとの位置がずれることで、レードル13が回動アーム12に対して回動自在に取り付けられる。因みに、図11は、レードル13を、取り付け軸17を軸にして約180度回動させた状態を示している。
【0035】
回動アーム12の水平片12Aから取り付け軸17までの距離寸法S1(図10参照)及び取り付け片18Bの嵌合穴18Gの中心から注ぎ口18Aの先端までの距離寸法S2(図10参照)は、重量バランスで回動可能となるように回動アーム12に取り付けてなるレードル13が、そのレードル13の注ぎ口18A側の外周底面を鍋15の内壁面に摺動させながら、スープ類用収納容器6内を円弧運動することが可能となるように設定されている。
【0036】
回動アーム12を鍋15の正面側に向かって(回動アーム12を供給口6Aに向う方向に)回動させると、レードル13によって、鍋15内のスープ類が掬い取られる。その後、さらに、回動アーム12を鍋15の正面側に向かって回動させると、レードル13が案内突出体20を構成する2個の弧状リブ20A、20Bの弧面によって案内されて、そのレードル13の注ぎ口18A側が弧状リブ20A、20Bの先端上方に達すると、レードル13が重量バランスにより、弧状リブ20A、20Bの先端を支えにして、食器7に向かって傾斜する方向に回動させられて、レードル13が供給口6Aから外方に突出する。そのために、レードル13によって掬い取られた鍋15内のスープ類が、食器7に向かって流下するようになる。そして、レードル13の食器7に向かって傾斜した状態を一定時間維持させることで、粘性の高いコーンスープ等のスープ類であっても、食器7に向かって流下させることができる。
【0037】
レードル13によって掬い取られた鍋15内のスープ類を食器7内に供給後、レードル13が供給口6Aから離れる方向に回動アーム12を回動させると、弧状リブ20A、20Bの先端を支えにして、レードル13が重量バランスにより、反転しつつレードル13が供給口6A内に引っ込む。その後、さらに、回動アーム12を供給口6Aから離れる方向に回動させて、レードル13を鍋15内のスープ類内に沈めてレードル13内の空気を、スープ流出孔18D及び複数個の液体通過孔19Dなどから逃すことにより、レードル13の注ぎ口18A側の外周底面を案内突出体20の弧面に摺動させた後、さらに、その注ぎ口18A側の外周底面を鍋15の内壁面に摺動させながら、鍋15の背面側に向かって回動させる。その後、回動アーム12を鍋15の正面側に向かって(回動アーム12を供給口6Aに向う方向に)回動させて、レードル13を鍋15内の略中央に位置させたならば、回動アーム12の回動動作を停止させることで、1回の小分け供給動作(小分け抽出動作)が終了するように、スープ類小分け供給装置1が設定されている。
【0038】
鍋15内のスープ類が、その鍋15の内壁面に焦げ付くのを防止するためには、作動軸11を所定の回動角度の範囲で正逆回転させることで、回動アーム12をスープ類用収納容器6内で前後に往復回動させることにより、レードル13がスープ類用収納容器6内を前後に所定の回動角度の範囲で円弧運動するようにすればよい。このレードル13の円弧運動によって、鍋15の内壁面の底に沈んでいるスープ類が攪拌されるので、スープ類の焦げ付きを防ぐことができる。
【0039】
レードル13の回動角度調整及び正逆転は、作動軸11に設置した回動角度制御機構21によって行われる。回動角度制御機構21は、図12及び図13に示すように、回転円板22と、この回転円板22を作動軸11に取り付けるための筒状軸体22Aと、この筒状軸体22Aを作動軸11に固定する回転円板用螺子23と、回転円板23に外周に配置した3個の正面位置用光センサー24、中央位置用光センサー24A及び背面位置用光センサー24Bと、これら光センサー24、24A、24Bを制御箱5内の所定の場所に固定してなる支持板25に固定する光センサー用螺子26とを備えている。3個の正面位置用光センサー24、中央位置用光センサー24A及び背面位置用光センサー24Bは、それぞれ、図13に示すように、回転円板22を挟んで、発光部Dと受光部Zとが配置させる構造としてある。
【0040】
3個の正面位置用光センサー24、中央位置用光センサー24A及び背面位置用光センサー24Bによって、回転円板22の周端に設けたスリット22Bを検出することで、レードル13の回動角度及び正逆転を制御するようにしてある。すなわち、電動機10の正回転により作動軸11及び回転円板22が正転して正面位置用光センサー24がスリット22Bを検出すると、電動機10の正回転が停止させられて回動アーム12の矢印P1方向への回動が停止させられる。その後、レードル13が重量バランスにより回動させられ、食器7に向かって傾斜した状態が維持される。
【0041】
そして、電動機10の回転を所定時間停止させることで、レードル13が食器7に向かって傾斜した状態を所定時間維持させたならば、電動機10を逆回転させて作動軸11及び回転円板22を逆転させることにより、中央位置用光センサー24Aがスリット22Bを検出すると、電動機10の逆回転が停止させられて回動アーム12の矢印Q1方向への回動が停止させられるため、回動アーム12及びレードル13を鍋15内の略中央に停止させられる。
【0042】
また、電動機10を逆回転させて作動軸11及び回転円板22を逆転させた際に、中央位置用光センサー24Aを非通電状態としておけば、中央位置用光センサー24Aによってスリット22Bが検出されることなく、作動軸11及び回転円板22がさらに逆転して背面位置用光センサー24Bによってスリット22Bが検出されることになる。背面位置用光センサー24Bがスリット22Bを検出すると、電動機10の回転が逆回転から正回転に切り替えられて作動軸11及び回転円板22が正転させられるために、回動アーム12の回動方向が矢印Q1方向から矢印P1方向に切り替えられるので、回動アーム12及びレードル13が鍋15内の略中央に向かって回動させられる。
【0043】
さらに、作動軸11及び回転円板22が正転して、中央位置用光センサー24Aによってスリット22Bが検出されると、電動機10の正回転が停止させられて回動アーム12の矢印P1方向への回動が停止させられるので、回動アーム12及びレードル13を鍋15内の略中央に停止させられる。
【0044】
レードル13が食器7に向かって傾斜した状態におけるレードル13の傾斜角度は、回転円板22における正面位置用光センサー24の配置位置を、図12の矢印Nのように左右に移動させて変えることで、調整することができる。また、レードル13の鍋15内の背面側への回動位置は、回転円板22における背面位置用光センサー24Bの配置位置を、左右に移動させて変えることで、調整することができる。また、レードル13の鍋15内の中央停止位置は、回転円板22における中央位置用光センサー24Aの配置位置を、左右に移動させて変えることで、調整することができる。なお、レードル13の傾斜角度及びレードル13の回動位置は、回転円板用螺子23を緩めて回転円板22を適宜の角度回転させた後、再度、回転円板用螺子23を締めることにより、調整するようにしてもよい。
【0045】
供給口6Aの扉は、扉開閉手段(図示せず)によって、レードル13の注ぎ口18Aが供給口6Aから突出する前に開き、かつ、レードル13の注ぎ口18Aが供給口6A内に引っ込んだ後に、閉じるようにしてある。なお、扉が閉じた状態では、鍋15の正面側の開口上端面に形成された切り欠き凹部15Aが、その扉の下端側で確実に覆われるように、扉の大きさが設定されている。
【0046】
制御箱5の正面には、操作盤及び小分け動作開始釦(図示せず)が設けられている。その操作盤には、供給手段8によるスープ類の小分け供給回数を表示する小分け供給回数表示部、その小分け供給回数表示部に表示された小分け供給回数を加減修正する修正釦、小分け供給回数表示部に表示された小分け供給回数を零にするリセット釦、電源スイッチ、運転表示部及びエラー表示部などを配設するようにしている。制御箱5内には、電動機10と一緒に、制御基板、漏電ブレーカー、メンテナンス用操作盤などを配設するようにしている。
【0047】
正面パネル4には、図1に示すように、供給口6Aの前方を覆う縦長凸状の覆い体4Aと、この覆い体4Aの下方に隙間G3をおいて本体ケース2の正面底部まで略延在させ、かつ、食器7を載置するための縦長凸状の載置台4Bとが一体的に設けられている。正面パネル4若しくは本体ケース2の正面開口の端縁には、その正面パネル4を閉じるとその状態を保持するための閉状態保持用磁石(図示せず)が設けられている。正面パネル4の覆い体4Aの上面には、円状の透明窓4Cが設けられている。上面パネル3には、スープ類用収納容器6を本体ケース2内に入れた状態で上面パネル3を閉じると蓋16の外周端部を鍋15の外周端部に押圧させる複数個の押圧手段(図示せず)が設けられている。
【0048】
載置台4B上には、図1に示すように、食器7を載置するための食器トレイ27を取り出し可能に設置してある。食器トレイ27の中央部には、食器7からこぼれたスープ類を流下させる流下口27Aを設ける。この流下口27Aの下方には、回収納器28を設けるようにしてある。回収納器28は、正面パネル4を開けることで、載置台4B内から取り出せるようにしてある。なお、食器7に替えて大きさ・形状の異なる別の食器を使用したい場合には、その使用したい食器に合った食器トレイを、食器トレイ27に換えて、載置台4B上に設置するようにすればよい。
【0049】
上記一実施形態のスープ類小分け供給装置1のレードル13によるスープ類の供給動作(小分け抽出動作)を、図14〜図22に基づき、詳説する。なお、図14〜図22において、符号SWは、鍋15内に収納したスープ類の上面(液面)を表している。
【0050】
まず、図14に示すように、回動アーム12及びレードル13を鍋15の中央に位置させた状態から回動アーム12を供給口6Aに向う方向(矢印P1方向)に回動させると、レードル13の注ぎ口18Aの外周底面側が鍋15の内壁面を摺接しながら回動アーム12及びレードル13が回動して、図15に示す状態となり、レードル13によってスープ類用収納容器6のスープ類が掬い取られる。この場合、スープ液が、液体通過仕切体19を通過してレードル13の筒状本体ケース18内に溜められ、かつ、具が、筒状本体ケース18の注ぎ口18A部分に載置させるとともに、レードル13が、案内突出体20に案内されて鍋15の正面側の開口上端面上方に向かって案内される。この際、レードル13が回動アーム12の取り付け軸17を回動軸として、矢印R2方向に回動可能であるので、レードル13の注ぎ口18Aが案内突出体20を構成する2個の弧状リブ20A、20Bの弧面に引っ掛かることなく、レードル13の注ぎ口18Aが、鍋15の正面側の開口上端面上方に向かって、円滑に案内される。そして、レードル13によってせり上げられた余分なスープ類は、鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aと案内突出体20の側面との間に形成された隙間G1の部分に堆積されることなく、その隙間G1から弧状リブ20A、20Bの間を通って鍋15内に流下してしまい、鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aから鍋15の外壁側に流下することない。
【0051】
その後、さらに、回動アーム12を供給口6Aに向う方向(矢印P1方向)に回動させると、図16に示すように、レードル13の注ぎ口18A側が案内突出体20に案内されてその案内突出体20の先端よりも上方に達して、その案内突出体20の先端でレードル13の外周底面が擦られながらレードル13の取り付け軸17を軸として、レードル13が、重量バランスにより、矢印R1方向に回動し、そのレードル13の注ぎ口18A側が供給口6Aより外方に突出し始める。このとき、レードル13の外周底面に付着していたスープ類のうち、案内突出体20の先端で擦られたスープ類は、鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aと案内突出体20の側面との間に隙間G1が形成されているため、その隙間G1から弧状リブ20A、20Bの間を通って鍋15内に流下してしまい、鍋15の開口上端面に付着することなく、確実に鍋15内に流下する。また、レードル13における筒状本体ケース18の上面に付着したスープ類は、流下阻止リブ18Eにより、その筒状本体ケース18の左右側面側に流下することが阻止されて、筒状本体ケース18の上面を取り付け片18B側に向かってほとんど流下してしまう。なお、供給口6Aを覆う扉は、その扉にレードル13の注ぎ口18Aが接触することがないように、供給口6Aからレードル13の注ぎ口18A側が外方に突出する前に、扉開閉手段によって開かれている。そのために、レードル13の外周先端に付着しているスープ類が、供給口6Aを覆う扉に付着することがない。
【0052】
その後、さらに、回動アーム12を供給口6Aに向う方向(矢印P1方向)に回動させると、図17に示すように、案内突出体20の先端を支えにして、レードル13及びそのレードル13に掬われたスープ類の重量バランスにより、回動アーム12の取り付け軸17を軸としてレードル13がさらに回動(矢印R1方向)することで、レードル13の注ぎ口18A側が供給口6Aから外に大きく突出すると同時に、レードル13が傾斜した状態となる。その結果、レードル13により掬われたスープ類用収納容器6のスープ類が、傾斜したレードル13における注ぎ口18Aの最先端中央に導かれて食器7に円滑に供給される。この場合も、レードル13の外周底面に付着していたスープ類のうち、案内突出体20の先端で擦られたスープ類は、鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aと案内突出体20の側面との間に隙間G1が形成されているため、その隙間G1から弧状リブ20A、20Bの間を通って鍋15内に流下してしまい、鍋15の開口上端面に付着することなく、確実に鍋15内に流下する。また、レードル13の注ぎ口18Aの外周先端側に伝わってきたスープ類は、レードル13の外周底面と鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aとの間に隙間G2が保持されているため、鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aに付着して鍋15の外周を伝わって流下することがなく、注ぎ口18Aの最先端中央から食器7内に供給される。しかも、レードル13における筒状本体ケース18の上面に付着したスープ類は、流下阻止リブ18Eにより、その筒状本体ケース18の左右側面側に流下するのを阻止されて、筒状本体ケース18の上面を注ぎ口18A内に向かって流下してしまい、注ぎ口18Aの最先端中央から食器7内に供給される。その結果、筒状本体ケース18の左右側面側から筒状本体ケース18の外周底面先端側に流下するスープ類が少なくなるので、そのスープ類によって、レードル13の外周底面と鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aとの間に形成された隙間G2を塞いでしまうことがなくなるため、鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15A側に付着して鍋15の外周壁を伝わってスープ類が流下することを阻止できる。なお、レードル13が食器7に向かって回動傾斜した時点では、回動角度制御機構23によって電動機10の回転を停止させることによって、レードル13の傾斜した状態を所定時間維持するようにしているので、粘性の高いスープ類であっても、食器7に向かって流下させることができる。
【0053】
食器7へのスープ類の供給が終了したならば、電動機10を逆転させて、回動アーム12を供給口6Aから離れる方向(矢印Q1方向)に回動させると、レードル13が、取り付け軸17を軸として重量バランスにより、矢印R2方向に回動しつつ案内突出体20に案内されながら、供給口6A内に引っ込み、図18に示す状態となる。
【0054】
その後、さらに、回動アーム12を供給口6Aから離れる方向(矢印Q1方向)に回動させると、図19に示すように、レードル13の筒状本体ケース内の空気により、レードル13の注ぎ口18Aが案内突出体20から離れて、レードル13が食器7のスープ類内に浮かんだ状態となる。
【0055】
その後、さらに、回動アーム12を供給口6Aから離れる方向(矢印Q1方向)に回動させて、レードル13の筒状本体ケース内の空気が逃げて筒状本体ケース内がスープ液で満たされるまでは、図19に示すように、レードル13が食器7のスープ類内に浮かんだ状態が維持される。
【0056】
その後、さらに、回動アーム12を供給口6Aから離れる方向(矢印Q1方向)に回動させて筒状本体ケース内の空気が逃げると、図20に示すように、レードル13がスープ類内に沈んだ後、図21に示すように、レードル13が、取り付け軸17を軸として重量バランスにより、矢印R1方向に回動させられてレードル13の注ぎ口18Aが鍋15の内壁面に摺接しながら、回動アーム12及びレードル13が鍋15の中央に位置した状態となる。
【0057】
その後、さらに、回動アーム12を供給口6Aから離れる方向(矢印Q1方向)に回動させると、図22に示すように、鍋15内の背面側に回動アーム12及びレードル13が位置した状態となる。この場合にも、レードル13の注ぎ口18Aの外周底面が鍋15の内壁面に摺接している。しかも、図21に示すように、レードル13の後部外周底面と鍋15の内壁面との間には10mm〜15mm程度の隙間G4が保持されている。そのため、スープ類内の具は、図22に示すように、レードル13が鍋15の背面側に回動しても、そのレードル13により、鍋15の背面側に集中して掻き寄せられずにレードル13の左右側面側等に逃げる。そのため、スープ類内の具が、レードル13で鍋15の背面側に多量に集中して掻き寄せられることがない。
【0058】
その後、電動機10を正転させることにより、再び、回動アーム12を供給口6Aに向う方向(矢印P1方向)に回動させて、回動アーム12及びレードル13を、図21に示すように、鍋15内の略中央に位置させることで、一回のスープ類の供給動作(小分け抽出動作)が終了する。
【0059】
上述のスープ類の供給動作(小分け抽出動作)では、図14の状態から図15の状態に移行するようにしているが、これに限定されない。図14の状態から図22の状態とした後に、図15の状態に移行するようにしてもよい。また、スープ類の供給動作(小分け抽出動作)を実行しない時間帯に、鍋15内の略中央に位置させたレードル13を、前後に複数回移動させることで、鍋15の底にあるスープ類が焦げるのを阻止するようにしてもよい。
【0060】
本実施形態では、1回の供給動作で食器7に供給されるスープ類容量が150cc用として設計されたレードル13以外に、図24〜図25に示すごとき、1回の供給動作で食器7に供給されるスープ類容量が100cc用として設計されているところの100cc用レードル29と、図26〜図27に示すごとき、1回の供給動作で食器7に供給されるスープ類容量が200cc用として設計されているところの200cc用レードル30を、予め、用意しておく。
【0061】
そして、1回の小分け供給動作(小分け抽出動作)によって、スープ類の供給されるスープ類の容量を、150ccから100ccに変えたい場合には、150cc用レードル13を100cc用レードル29に交換すればよく、かつ、150ccから200ccに変えたい場合には、150cc用レードル13を200cc用レードル30に交換すればよい。なお、この場合、食器7は、200cc以上のスープ類容量を収納可能なものとするようにしてもよいし、スープ類容量150cc専用の食器、スープ類容量100cc専用の食器及びスープ類容量200cc専用の食器の3個の食器を用意しておき、適宜に交換するようにしてもよい。
【0062】
100cc用レードル29は、図24〜図25に示すように、筒状本体ケース29Aの上面に設けた複数個のスープ流出孔29Bの開口位置と、150cc用レードル13の筒状本体ケース18の上面に設けた複数個のスープ流出孔18Dの開口位置を異ならせることによって、作ることができる。すなわち、100cc用レードル29のスープ流出孔29Bを、150cc用レードル13のスープ流出孔18Dの開口位置よりも筒状本体ケース29Aの上面における取り付け片18B側に近い位置に設けることによって、作られる。本実施形態では、150cc用レードル13と100cc用レードル29とは、筒状本体ケース18の上面に設けた複数個のスープ流出孔18Dの開口位置及び総開口面積と筒状本体ケース29Aの上面に設けた複数個のスープ流出孔29Bの開口位置及び総開口面積とが相違するのみで、他の構造は全く同一としてある。
【0063】
200cc用レードル30は、図26〜図27に示すように、100cc用レードル29と同様に、筒状本体ケース30Aの上面に設けた複数個のスープ流出孔30Bの開口位置と、150cc用レードル13の筒状本体ケース18の上面に設けた複数個のスープ流出孔18Dの開口位置を異ならせることによって、作ることができる。すなわち、200cc用レードル30のスープ流出孔30Bを、150cc用レードル13のスープ流出孔18Dの開口位置よりも、筒状本体ケース30Aの上面における注ぎ口18A側に近い位置に設けることによって、作られる。本実施形態では、150cc用レードル13と200cc用レードル30とは、筒状本体ケース18の上面に設けた複数個のスープ流出孔18Dの開口位置及び総開口面積と筒状本体ケース30Aの上面に設けた複数個のスープ流出孔30Bの開口位置及び総開口面積とが相違するのみで、他の構造は全く同一としてある。なお、図24〜図27において、図6及び図23と同一符合は同一内容を表している。
【0064】
以上のように、上記一実施形態のスープ類小分け供給装置1によれば、鍋15の開口上端面の内方に隙間G1を置いて鍋の内壁面に設けられた案内突出体20の先端を支えにして、レードル13及びそのレードル13に掬われたスープ類の重量バランスで、回動アーム12の取り付け軸17を軸としてレードル13が回動することにより、レードル13が傾斜した状態となるため、レードル受け機構なしでも、鍋15の外に設置された食器7に鍋内のスープ類を円滑に供給することができる。
【0065】
しかも、上記一実施形態のスープ類小分け供給装置1によれば、食器7に向かって傾斜したレードル13の外周底面と鍋15の開口上端面との間に隙間G2が保持されているため、レードル13の注ぎ口18Aの外周先端側に伝わってきたスープ類が鍋15の開口上端面に付着して鍋15の外壁側に流出することがないので、鍋15の正面側の外壁や載置台4Bにスープ類が付着して見栄えが悪くなってしまうことを阻止できる。
【0066】
また、上記一実施形態のスープ類小分け供給装置1では、レードル受け機構(レードルガイド)が不要となり、鍋の正面側にレードル受け機構を設置するための膨出段部を形成しなくともよくなるので、スープ類の供給動作(小分け抽出動作)時に鍋内の正面側に具が堆積してしまうという不具合の発生を阻止することができる。
【0067】
さらに、上記一実施形態のスープ類小分け供給装置1によれば、鍋15の正面側の開口上端面に切り欠き凹部15Aを形成し、この切り欠き凹部15Aの幅寸法L1をレードル13の左右幅寸法L3よりも大きく設定し、かつ、案内突出体20の先端を鍋15の正面側の開口上端面より上方に位置させるとともに、切り欠き凹部15Aの深さ寸法L2をレードル13が食器7に向かって傾斜した状態のときにそのレードル13の外周底面が切り欠き凹部15Aに接触しないように設定してあるので、傾斜したレードル13の外周底面が切り欠き凹部15Aに接触することがないため、レードル13の外周底面に付着したスープ類を、切り欠き凹部15Aから鍋15の外壁側に流出させることなく、しかも、案内突出体20の先端で回動するところのレードル13の傾斜角度を大きく設定することが容易となり、レードル13の注ぎ口18Aを食器7に近づけることができるので、スープ類を食器7内に確実に供給させることができる。
【0068】
さらに、図19及び図20に示すように、回動アーム12を供給口6Aから離れる方向(矢印Q1方向)に回動させた場合、レードル13が食器7のスープ類内に浮かんだ状態となって、レードル13が取り付け軸17を軸として揺動とするともに、レードル13の筒状本体ケース内から逃げた空気によって食器7のスープ類が攪拌された状態になることで、レードル13によって鍋15内の背面側に、スープ類内の具が大量に集められることがなくなる。
【0069】
さらに、上記一実施形態のスープ類小分け供給装置1によれば、レードル13の注ぎ口18A側の形状を、先端中央に向うにしたがって先細りとなり、かつ、注ぎ口18Aの断面形状がその注ぎ口18Aの中央部先端が最も低くなる形状にしたため、注ぎ口18Aの先端中央部にスープ類が集められるので、スープ類を食器7内に向かって、円滑に供給することができる。
【0070】
上記一実施形態のスープ類小分け供給装置1では、レードル13を、スープ類を掬い取るための注ぎ口18Aを有する筒状本体ケース18と、この筒状本体ケース18の注ぎ口18Aに取り外し可能に取り付けた液体通過仕切体19とからなり、筒状本体ケース18を、回動アーム12に対して、回動自在に取り付けるための取り付け片18Bを、筒状本体ケース18の後方外周壁に設けるようにしたので、レードル13の回転モーメントを大きく設定することができ、レードル13の案内突出体20上での回動を円滑に行わせることができる。すなわち、スープ類を掬った状態でのレードル13全体の重心とレードル13の回動中心となる取り付け軸17とをできるだけ離すことによって、レードル13の回転モーメントを大きく設定することができるので、レードル13の回動傾斜を円滑に行わせることができる。
【0071】
さらに、図28と図29に示すような開発中のレードル40の構造、すなわち、レードル40の液体通過仕切体41を、スープ類の具を載せる空間Sを形成する略く字状折り曲げ部41Aに連接するところの外方湾曲部がない構造としたに場合には、略く字状折り曲げ部41Aに連接する平坦部41Bに載ったコーン等の具Kが、図29の矢印Tに示すように、食器7に入らずに、食器7の周囲に飛び出してしまうことがあった。
【0072】
ところが、上記一実施形態のスープ類小分け供給装置1によれば、液体通過仕切体19を、筒状本体ケース18の注ぎ口18Aにスープ類の具を載せる空間Sを形成する略く字状折り曲げ部19Aに連接する外方湾曲部19Bと、略く字状折り曲げ部19A及び前記外方湾曲部19Bに設けた複数個の液体通過孔19Dとを含む構成としたので、図23の矢印Xに示すように、略く字状折り曲げ部19Aに連接する外方湾曲部19Bに載ったコーン等の具Kが、鍋15内に転げ落ちてしまい、レードル13が重量バランスにより、弧状リブ20A、20Bの先端を支えにして、食器7に向かって傾斜する方向に回動させられて、レードル13が供給口6Aから外方に突出した場合であっても、鍋15の外に飛び出すことがなくなる。なお、図23の符号SHは、150cc用であるレードル13内におけるスープ液の上面(液面)を、図25の符号SHは、100cc用レードル29内におけるスープ液の上面(液面)を、図27の符号SHは、200cc用レードル30内におけるスープ液の上面(液面)を、図28及び図29の符号SHは、開発中のレードル40内におけるスープ液の上面(液面)を、それぞれ、表している。
【0073】
さらに、レードル13が食器7に向かって回動傾斜することにより筒状本体ケース18の上面の複数個のスープ流出孔18Eからスープ液が流出してきた際、筒状本体ケース18の左右側面側に流下するのを阻止する流下阻止リブ18Eがない場合には、例えば、図30に示すような開発中のレードル50の構造、すなわち、筒状本体ケース51の上面の左右端に、その筒状本体ケース51の上面に流下阻止リブがない構造としたに場合には、図30の矢印Y1、Y2、Y3に示すように、スープ液が、大量に、筒状本体ケース51の左右の側面を伝わって流下してしまうため、レードル50の外周底面と鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aとの間に隙間G2が保持されていても、その隙間G2よりも、レードル50の外周底面を伝わってくるスープ液によって作られるスープ玉の直径が大きくなってしまい、レードル50の外周底面から鍋15の開口上端面の外周壁に流れ落ちてしまうことがあった。
【0074】
ところが、上記一実施形態のスープ類小分け供給装置1によれば、筒状本体ケース18の上面の左右端に、スープ流出孔18Dから流出したスープ液が筒状本体ケース18の左右側面側に流下するのを阻止する流下阻止リブ18Eを設けたので、レードル13が重量バランスによって食器7に向かって回動傾斜した際には、筒状本体ケース18の上面のスープ類が筒状本体ケース18の注ぎ口18Aに向かって流れてしまうため、そのスープ類が大量に、筒状本体ケース18の上面から筒状本体ケース18の左右側面に流下することが阻止される。そのため、レードル50の外周底面を伝わってくるスープ液によって作られるスープ玉の直径がレードル50の外周底面と鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aとの間に形成された隙間G2よりも大きくなることがなくなるので、レードル13の外周底面から鍋15の開口上端面の外周壁にスープ類が流れ落ちることがなくなる。
【0075】
さらに、上記一実施形態のスープ類小分け供給装置1によれば、鍋15内に収納されたスープ類を、レードル13によって小分け供給を所定の規定回数(有効抽出回数)行っても、始めから規定回数(有効抽出回数)の最後まで、スープ類の具とスープ液の比率が略一定となることが、図31に示すように、実験で確認できた。それに対して、従来のスープ類小分け供給装置では、図32に示すように、スープ類の具とスープ液の比率が、小分け供給毎に大きく変動してしまうとともに、予定の規定回数(有効抽出回数)に達しない前に具がほとんど無くなってしまっていた。
【0076】
さらに、上記一実施形態のスープ類小分け供給装置1によれば、レードルとして、筒状本体ケース18の上面に設けた複数個のスープ液流出孔18Dの、開口位置を異ならせた複数個のレードル、すなわち、150cc用レードル13、100cc用レードル29及び200cc用レードル30を用意し、これらレード13、29、30を取り替えることのみによって、供給口6Aから食器7に供給するスープ液の容量を変えることができるので、使い勝手を向上させることができる。また、150cc用レードル13と100cc用レードル29と200cc用レードル30とは、筒状本体ケース18、29A、30Aの上面に設けるスープ流出孔18D、29B、30Bの開口位置及び総開口面積とが相違しているのみであるので、筒状本体ケース18、29A、30Aの上面の型抜き用の駒を変えるだけで、他の駒を共用することができるため、レードル製作時間の短縮及びレードル製作費の軽減を図ることができる。
【0077】
上記実施形態のスープ類小分け供給装置1のスープ類は、具入りのスープとしているがこれに限定されない。具なしの粘性の高いスープ液にも、本発明を適用することができる。また、上記実施形態の供給口6Aは、蓋16及び鍋15の一部に亘って形成するようにしているが、蓋16側のみに形成するようにすることも可能である。
【0078】
さらに、上記実施形態の案内突出体22の2個の弧状リブ22A、22Bの先端部分には、細長状の掻き落とし部材(図示せず)を装着するようにしてもよい。この場合には、細長状の掻き落とし部材により、レードル13における外周底面の横幅いっぱいに亘って擦られるので、その外周底面に付着していたスープ類が擦られて、そのスープ類が、鍋15の開口上端面の切り欠き凹部15Aと案内突出体20の側面との間に形成された隙間G1から鍋15内に流下するため、鍋15の開口上端面にスープ類が付着することを、より一層、確実に阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態に係り、レードルで食器にスープ類を供給している状態におけるスープ類小分け供給装置の正面中央要部縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係り、レードルがスープ類用収納容器の略中央に位置している状態におけるスープ類小分け供給装置の側面中央要部縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置に用いられるレードルの要部斜視面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置に用いられる液体通過仕切体の正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置に用いられる液体通過仕切体の側面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置に用いられるレードルの筒状本体ケースの平面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置に用いられるレードルの筒状本体ケースの正面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置に用いられるレードルの筒状本体ケースの側面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置のレードルの取り付け片の取り付け穴に回動アームの取り付け軸を挿入しない前の状態を示す要部斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係り、レードルの取り付け片の取り付け穴に回動アームの取り付け軸を挿入した状態を示す要部斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態に係り、レードルの取り付け片の取り付け穴に回動アームの取り付け軸を挿入した後、レードルを180度回転させた状態を示す要部斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置の回動角度制御機構の要部拡大平面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置の回動角度制御機構の要部拡大断面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置における回動アームを供給口に向う方向に回動させた状態であってレードルが鍋内の略中央に位置している場合の動作説明図である。
【図15】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置における回動アームを供給口に向う方向に回動させた状態であってレードルが案内突出体によって案内されている場合の動作説明図である。
【図16】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置における回動アームを供給口に向う方向に回動させた状態であってレードルの注ぎ口が案内突出体よりも上方に位置している場合の動作説明図である。
【図17】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置における回動アームを供給口に向う方向に回動させた状態であってレードルを食器に向かって傾斜するように回動してスープ類を食器に供給している場合の動作説明図である。
【図18】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置における回動アームを供給口から離れる方向に回動させた状態であってレードルが供給口から鍋内に入った状態の動作説明図である。
【図19】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置における回動アームを供給口から離れる方向に回動させた状態であってレードルが鍋のスープ類に浮かんだ状態の動作説明図である。
【図20】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置における回動アームを供給口から離れる方向に回動させた状態であってレードルが鍋のスープ類内に沈んだ状態の動作説明図である。
【図21】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置における回動アームを供給口から離れる方向に回動させた状態であってレードルが鍋内の中央に位置している場合の動作説明図である。
【図22】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置における回動アームを供給口から離れる方向に回動させた状態であってレードルが鍋内の背面側に位置している場合の動作説明図である。
【図23】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置に用いられる150cc用レードルの動作を説明するための要部断面図である。
【図24】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置に用いられる100cc用レードルの筒状本体ケースの平面図である。
【図25】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置に用いられる100cc用レードルの動作を説明するための要部断面図である。
【図26】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置に用いられる200cc用レードルの筒状本体ケースの平面図である。
【図27】本発明の一実施形態に係り、スープ類小分け供給装置に用いられる200cc用レードルの動作を説明するための要部断面図である。
【図28】開発中のスープ類小分け供給装置に用いられるレードルの動作を説明するための要部断面図である。
【図29】開発中のスープ類小分け供給装置に用いられるレードルの動作を説明するための要部断面図である。
【図30】開発中のスープ類小分け供給装置に用いられるレードルの動作を説明するための要部側面図である。
【図31】本発明の一実施形態に係るスープ類小分け供給装置による実験によって得られた具・スープ重量と抽出回数の関係特性図である。
【図32】従来のスープ類小分け供給装置による実験によって得られた具・スープ重量と抽出回数の関係特性図である。
【図33】開発中に係るところのスープ類小分け供給装置の正面中央要部縦断面図である。
【符号の説明】
【0080】
1 スープ類小分け供給装置
2 本体ケース
2A 底板
2B 高さ調整脚
3 上面パネル
3A ヒンジ
3B 係止用フランジ
4 正面パネル
4A 覆い体
4B 載置台
4C 透明窓
5 制御箱
6 スープ類用収納容器
6A 供給口
7 食器
8 供給手段
9 加熱手段
10 電動機
10A 第1のプーリ
11 作動軸
11A 軸受
11B 第2のプーリ
12 回動アーム
12A 水平片
12B 垂直片
12C 連結筒体
13 レードル(150cc用)
14 伝達ベルト
15 鍋
15A 切り欠き凹部
16 蓋
16A 蓋用把手
16B 段部
16C 挿入フランジ部
16D アーム取り付け開口
17 取り付け軸
17A 係合ピン
18 筒状本体ケース
18A 注ぎ口
18B 取り付け片
18C 取り付け溝
18D スープ流出孔
18E 流下阻止リブ
18F 嵌合穴
18G 嵌合切り欠き
18H 膨出部18H
19 液体通過仕切体
19A 略く字状折り曲げ部
19B 外方湾曲部
19C 一対の挿入片部
19D 複数個の液体通過孔
20 案内突出体
20A、20B 弧状リブ
21 回動角度制御機構
22 回転円板
22A 筒状軸体
22B スリット22B
23 回転円板用螺子
24 光センサー
25 支持板
26 光センサー用螺子
27 食器トレイ
27A 流下口
28 回収納器
29 レードル(100cc用)
30 レードル(200cc用)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内底面を円弧状としたスープ類を収納する鍋及びこの鍋の上端開口を覆う蓋とからなるスープ類用収納容器と、このスープ類用収納容器の外に設置される食器と、前記鍋内のスープ類を掬い取った後、その掬い取った前記鍋内のスープ類を前記食器に供給するための注ぎ口を有するレードルと、このレードルを前記鍋の内底面に沿って往復回動させるための回動アームとを少なくとも備え、前記レードルを、注ぎ口を有する筒状本体ケースと、この筒状本体ケースの注ぎ口側に設けられて前記スープ類に混在する具を通過させずにスープ液を通過させるところの液体通過仕切体を含む構成とするとともに、前記回動アームを回動させることで、前記レードルによって掬い取った前記鍋内のスープ類を前記スープ類用収納容器の正面側に形成される供給口から前記食器に供給するようにしたスープ類供給装置において、
この液体通過仕切体を、前記筒状本体ケースの注ぎ口側にスープ類の具を載せる空間を形成する略く字状折り曲げ部と、この略く字状折り曲げ部に連接する外方湾曲部と、この外方湾曲部に連接して前記筒状本体ケースの注ぎ口側の取り付け溝に着脱可能に挿入される一対の挿入片部と、前記略く字状折り曲げ部及び前記外方湾曲部に設けた複数個の液体通過孔とを含む構成としたことを特徴とするスープ類小分け供給装置。
【請求項2】
前記レードルを、前記回動アームに対して、自重で回動自在となるように取り付けるための取り付け片を、前記筒状本体ケースの後方の上端側に設けたことを特徴とする請求項1記載のスープ類小分け供給装置。
【請求項3】
内底面を円弧状としたスープ類を収納する鍋及びこの鍋の上端開口を覆う蓋とからなるスープ類用収納容器と、このスープ類用収納容器の外に設置される食器と、前記鍋内のスープ類を掬い取った後、その掬い取った前記鍋内のスープ類を前記食器に供給するための注ぎ口を有するレードルと、このレードルを前記鍋の内底面に沿って往復回動させるための回動アームとを少なくとも備え、前記レードルを、注ぎ口を有する筒状本体ケースと、この筒状本体ケースの注ぎ口側に設けられて前記スープ類に混在する具を通過させずにスープ液を通過させるところの液体通過仕切体を含む構成とするとともに、前記回動アームを回動させることで、前記レードルによって掬い取った前記鍋内のスープ類を前記スープ類用収納容器の正面側に形成される供給口から前記食器に供給するようにしたスープ類供給装置において、
前記レードルの注ぎ口側の形状を、先端に向うにしたがって先細りとなってその中央部先端が最も出っ張るようにするとともに、前記レードルの注ぎ口の断面がその注ぎ口の中央部先端が最も低くなるように、前記注ぎ口の奥部から前記注ぎ口の最先端部に向うにしたがって徐々に傾斜するようにしたことを特徴とするスープ類小分け供給装置。
【請求項4】
前記筒状本体ケースの上面の左右端に、その上面に付着したスープ液が前記筒状本体ケースの左右側面側に流下するのを阻止する流下阻止リブを設けたことを特徴とする請求項3記載のスープ類小分け供給装置。
【請求項5】
内底面を円弧状としたスープ類を収納する鍋及びこの鍋の上端開口を覆う蓋とからなるスープ類用収納容器と、このスープ類用収納容器の外に設置される食器と、前記鍋内のスープ類を掬い取った後、その掬い取った前記鍋内のスープ類を前記食器に供給するための注ぎ口を有するレードルと、このレードルを前記鍋の内底面に沿って往復回動させるための回動アームとを少なくとも備え、前記レードルを、注ぎ口を有する筒状本体ケースと、この筒状本体ケースの注ぎ口側に設けられて前記スープ類に混在する具を通過させずにスープ液を通過させるところの液体通過仕切体を含む構成とするとともに、前記回動アームを回動させることで、前記レードルによって掬い取った前記鍋内のスープ類を前記スープ類用収納容器の正面側に形成される供給口から前記食器に供給するようにしたスープ類供給装置において、
前記筒状本体ケースの上面に複数個のスープ流出孔を設けるとともに、前記筒状本体ケースの上面の左右端に、前記スープ流出孔から流出したスープ液が前記筒状本体ケースの左右側面側に流下するのを阻止する流下阻止リブを設けたことを特徴とするスープ類小分け供給装置。
【請求項6】
内底面を円弧状としたスープ類を収納する鍋及びこの鍋の上端開口を覆う蓋とからなるスープ類用収納容器と、このスープ類用収納容器の外に設置される食器と、前記鍋内のスープ類を掬い取った後、その掬い取った前記鍋内のスープ類を前記食器に供給するための注ぎ口を有するレードルと、このレードルを前記鍋の内底面に沿って往復回動させるための回動アームとを少なくとも備え、前記レードルを、注ぎ口を有する筒状本体ケースと、この筒状本体ケースの注ぎ口側に設けられて前記スープ類に混在する具を通過させずにスープ液を通過させるところの液体通過仕切体を含む構成とするとともに、前記回動アームを回動させることで、前記レードルによって掬い取った前記鍋内のスープ類を前記スープ類用収納容器の正面側に形成される供給口から前記食器に供給するようにしたスープ類供給装置において、
前記レードルとして、前記筒状本体ケースの上面に設けた前記複数個のスープ液流出孔の、開口位置を異ならせた複数個のレードルを用意し、これらレードルを取り替えることにより、前記供給口から前記食器に供給するスープ液の容量を変えるようにしてなることを特徴とするスープ類小分け供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2008−74430(P2008−74430A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254066(P2006−254066)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(500333567)株式会社亀屋工業所 (28)
【Fターム(参考)】