説明

セメント製造装置

【課題】導管内に原料を均一に分散させて供給し、予熱を均等にして熱交換効率を高めるとともに、閉塞等を防止して、安定した操業を行わせることができるセメント製造装置を提供する。
【解決手段】セメントキルンで発生した排ガスを流通させる複数のサイクロンが上下方向に連結状態とされるとともに、その最上段を構成する複数の上段側サイクロンとこれらサイクロンの下段に配置される下段側サイクロンとの間に、下段側サイクロンから導出される排ガスを上方に流通させ分配して各上段側サイクロンに導く導管21が設けられ、導管21の分配部よりも下方位置に、セメント原料を供給する原料供給管22が接続され、原料供給管22は、その先端が導管21の内壁面21bから導管21の内径Dの0.15〜0.5倍の長さの範囲で突出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレヒータにセメント原料を供給しながらキルンで焼成してセメントクリンカを製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セメント製造装置には、セメント原料を予熱するためのプレヒータが設けられている。このプレヒータは、複数のサイクロンが上下方向に連結状態とされたものであり、その最下段のサイクロンがセメントキルンの窯尻部に接続されている。セメント原料は、ミルにより粉体にされた後、このプレヒータの途中位置で最上段のサイクロンとその下段のサイクロンとの間を連結している導管からプレヒータに供給される。プレヒータ内においては、セメント原料は、セメントキルンから上昇してくる排ガスの流れに乗って最上段のサイクロンに導かれた後、各サイクロンを順次下降しながら排ガスの熱を受けて予熱され、最下段のサイクロンからセメントキルンに供給される。
このセメント原料を導管に供給する場合、その上方に複数のサイクロンが設置されている関係上、これらサイクロンでの予熱を均等にするために均等に原料を供給する必要がある。
【0003】
このセメント原料のような粉体を供給する装置として、特許文献1から特許文献3に記載の装置があり、それぞれ分散性を向上させる工夫がなされている。
特許文献1記載の装置は、セメント原料の粉体を供給する原料供給管(傾斜シュート)の底板の下端部上面に、確率曲線状に隆起した山形の凸部が設けられている。この凸部は下端側がもっとも高く上流側の高さが零になるように形成されており、供給した原料が凸部に当たると、左右に分散して導管内に供給されるようになっている。
【0004】
一方、特許文献2においては、原料供給管(投入シュート)と導管(ダクト)との連結部に、水平軸線まわりに角変位し、最大限で投入シュートの内径の1/2まで突出可能な分散板が設けられた粉末材料の分散装置が提案されている。また、特許文献3記載の装置は、原料供給管(原料シュート)と導管(熱ガス導管)との接合部に、ガス流に対してほぼ直交する方向に原料スライド面を形成したものが開示されている。
これら特許文献2又は3記載の装置では、導管内に突出させた分散板や原料スライド面に原料を衝突させることにより、導管内に分散させて供給するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−191615号公報
【特許文献2】特開平9−262452号公報
【特許文献3】実公昭62−29919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これら特許文献記載の装置では、原料供給管の下端部あるいは導管の内部に分散のための凸部や分散板が配置されるので、閉塞等の原因となり易いとともに、導管内に分散板を配置する場合は、下方から上昇してくる排ガス流通の抵抗となり、安定した操業を阻害するおそれがある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、導管内に原料を均一に分散させて供給し、予熱を均等にして熱交換効率を高めるとともに、閉塞等を防止して、安定した操業を行わせることができるセメント製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のセメント製造装置は、セメントキルンで発生した排ガスを流通させる複数のサイクロンが上下方向に連結状態とされるとともに、複数の上段側サイクロンとその下方に配置される下段側サイクロンとの間に、下段側サイクロンから導出される前記排ガスを上方に流通させ分配して各上段側サイクロンに導く導管が設けられ、前記導管における前記複数の上段側サイクロンへの分配部よりも下方位置に、セメント原料を供給する原料供給管が接続され、該原料供給管は、その先端が前記導管の内壁面から導管の内径の0.15〜0.5倍の長さの範囲で突出していることを特徴とする。
【0009】
このように原料供給管の導管内への挿入長さを導管の内径の半分までの範囲に限定して、導管内を上昇する排ガスの流通を阻害しないようにしている。しかも、原料供給管の下面は凸状の円弧面であるので、排ガスの上昇流に対する抵抗は小さい。
セメント原料は、原料供給管の先端から導管のほぼ中心部に落下する。この導管内は、下段側サイクロンからの排ガスが旋回流となって上昇しており、この旋回流は、中心部では旋回方向の速度ベクトルは小さく垂直上向きの速度ベクトルが支配的であるため、中心部に落下した原料は、上昇成分に乗って上昇し、緩やかに遠心力で半径方向外方に分散して均等に広がりながら上昇する。したがって、上段側のサイクロンにはセメント原料がほぼ均等に供給される。
【0010】
本発明のセメント製造装置において、前記原料供給管は前記導管の管軸方向から20°〜50°の角度で傾斜しているとよい。
これにより、原料供給管の先端から原料を慣性で導管のほぼ中心部に投下させることができ、中心部に発生する垂直上向きのベクトル成分に乗せて上昇させ、上段側サイクロンに均等に分散させて供給することができる。30°〜40°の角度がより好ましい。
【0011】
更に、本発明のセメント製造装置において、前記導管の分配部を含む水平面から前記原料供給管の先端までの垂直距離が前記導管の内径に対して2.25倍以上であり、前記下段側サイクロンの上端から前記原料供給管の先端までの距離が前記導管の内径に対して0.5倍以上であるとよい。
分配部を含む水平面から原料供給管の先端までの垂直距離を上記の範囲とすることにより、原料供給管の先端から導管の中心部に原料を投下したときにこの原料を旋回流の中心部で安定して分散させることができ、分配部からほぼ同量の原料を各サイクロンに供給することができる。導管の分配部を含む水平面から原料供給管の先端までの垂直距離が導管の内径に比べて小さ過ぎると、分配が均等になされず、上段側サイクロンの温度負荷に偏りが生じる。また、下段側サイクロンの上端から原料供給管の先端までの距離が小さ過ぎると、原料供給管から供給された原料が下段側サイクロンまで落下して、排ガスと原料との熱交換効率が悪化する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のセメント製造装置によれば、プレヒータの内部にセメント原料を均一に分散させて供給することができるので、その予熱を均等にすることが可能になる。更に、プレヒータ最上段のサイクロン出口におけるガス温度差が例えば100℃以上になると、熱量原単位が少なくとも3kcal/kg−cli以上増大するため、本発明の装置によって、熱量原単位の低減が可能になる。しかも、原料供給管の先端部を挿入した単純な構造であり、原料供給管の外周円弧面により排ガスの流れを阻害することもなく、安定した操業を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のセメント製造装置の一実施形態における原料供給管付近の縦断面図である。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】導管内の排ガスの流れを立体的に示した模式図である。
【図4】導管内の横断面方向におけるガスの流れの速度ベクトルを示した模式図である。
【図5】導管内への原料供給管の挿入深さに対する導管出口の温度差の測定結果を示したグラフである。
【図6】導管の内径に対する分配部を含む平面から原料供給管の先端までの垂直距離の比と導管出口の温度差との関係を測定した結果を示すグラフである。
【図7】原料供給管から供給される原料の導管内の流れを示した模式図である。
【図8】セメント製造装置の全体を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るセメント製造装置の実施形態を図面を参照しながら説明する。
このセメント製造装置は、図8に全体を示したように、セメント原料として石灰石、粘土、珪石、鉄原料等を個別に貯蔵する原料貯蔵庫1と、これらセメント原料を粉砕、乾燥する原料ミル及びドライヤ2と、この原料ミルで得られた粉体状のセメント原料を予熱するプレヒータ3と、プレヒータ3によって予熱されたセメント原料を焼成するセメントキルン4と、セメントキルン4で焼成された後のセメントクリンカを冷却するためのクーラー5等とを備えている。
【0015】
セメントキルン4は、横向きで若干傾斜した円筒状のロータリーキルンであり、軸芯回りに回転することにより、その窯尻部6にプレヒータ3から供給されるセメント原料を窯前部7に送りながら、その送る過程で窯前部7のバーナー8によって1450℃程度に加熱焼成してセメントクリンカを生成し、このセメントクリンカを窯前部7からクーラー5に送り出すようになっている。セメントクリンカは、クーラー5で所定温度まで冷却された後、仕上げ工程へ送られることになる。
【0016】
また、セメントキルン4で発生する排ガスは、プレヒータ3を下方から上方に経由した後、排気管9を通って原料ミル及びドライヤ2に導入されるようになっており、原料ミル及びドライヤ2は、セメントキルン4からの排ガスが導入されることにより、セメント原料の粉砕と乾燥を同時に行うようになっている。この原料ミル及びドライヤ2には、集塵機10、煙突11等を備える排ガスライン12が接続されている。
【0017】
プレヒータ3は、セメントキルン4で発生した排ガスを流通させる複数のサイクロン13が上下方向に連結状態とされて構築されたものであり、その最下段部分のサイクロン13がセメントキルン4の窯尻部6に接続されている。
なお、図8においては、プレヒータ3の構成を簡略化して示したものであり、本実施形態ではプレヒータ3は上下4段のサイクロン13により構成されている。この場合、3段目の一つのサイクロン13に対して最上段である4段目に2基のサイクロン13が並列状態に接続されており、3段目のサイクロン13が2基並んで設けられていることにより、最上段のサイクロン13は2基ずつ、合計4基設けられている。プレヒータ3は、この構成と異なる構成のものとしてもよい。
【0018】
そして、プレヒータ3の最上段側の2基の並列したサイクロン13と、3段目の一つのサイクロン13との間を連結する導管21に、原料ミル及びドライヤ2からの原料が供給される原料供給管22が接続されている。この導管21は、3段目のサイクロン13から垂直上方に延びた後、分配部23を介して左右に分岐され、上段側の2基のサイクロン13にそれぞれ接続されている。図3及び図7には、下段側のサイクロン13のみ示し、導管21の上部は出口21aまでを示し、上段側サイクロン13は省略している。
原料供給管22は、この導管21の分配部23よりも下方位置に接続されている。その接続位置は、導管21の分配部23を含む水平面Pから原料供給管22の先端までの垂直距離Hが導管21の内径Dに対して2.25倍以上とされ、また、3段目サイクロン13の上端24から原料供給管22の先端までの距離hが導管21の内径Dに対して0.5倍以上とされている。なお、分配部23は、導管21の軸線C1と上段側の両サイクロンへの出口21a中心間を結ぶ線C2との交点部分とする(図3参照)。
【0019】
また、原料供給管22は、図1に示すように、導管21の管軸方向から20°〜50°の適宜の角度θで傾斜して形成され、この原料供給管22を通してセメント原料が一定量ずつ落下しながら投入される。また、原料供給管22の先端は、導管21の内壁面21bから導管21の内径Dの0.15〜0.5倍の長さLの範囲で突出しており、その先端面22aは垂直方向に沿う平坦面に形成されている。
【0020】
このように構成したセメント製造装置において、原料貯蔵庫1からセメント原料が供給されると、このセメント原料は、原料ミル及びドライヤ2で粉砕、乾燥された後、原料供給管22よりプレヒータ3に投入され、プレヒータ3内を落下しながら下方のセメントキルン4に供給される。このプレヒータ3では、セメントキルン4からの排ガスが、サイクロン13をセメント原料とは反対方向に下方から順次上方に流通しており、セメント原料は、これらサイクロン13内を通過する際にセメントキルン4からの排ガスによって所定温度(例えば900℃)まで予熱される。そして、予熱されたセメント原料が最下段のサイクロン13からセメントキルン4の窯尻部6に供給される。
【0021】
原料供給管22からのセメント原料の供給についてさらに詳述すると、この原料供給管22が接続されている導管21には、下段側(3段目)のサイクロン13から上昇してくる排ガスが流通しており、セメント原料は、その流れに乗って上段側(4段目)のサイクロン13に導かれる。一方、セメントキルン4での燃焼により発生した排ガスは、サイクロン13によって旋回流となってプレヒータ3内を上昇する。原料供給管22から供給されるセメント原料は、この旋回流の中に投下されることになる。
【0022】
この旋回流は、図4の横断面方向の速度ベクトルにより示されるように、導管21の内壁面21b近傍では周方向の速度ベクトルが大きくなり、導管21の中心部Cに向けて徐々に周方向成分が小さくなり、垂直上向きの速度ベクトルが大きくなる。
また、この旋回流は、図3の模式図に示すように、下段側のサイクロン13から導管21を経由して分配部23で二つに分配され、上段側の2基のサイクロン13に分かれて流通する。2基のサイクロンのうちの一方側に流れる流れを黒塗り矢印で示し、他方側に流れる流れを白抜き矢印で示しており、導管21内ではこれらが螺旋状にねじれながら上昇する。そして、導管21内を上昇して分配部23まで到達し、この分配部23から分岐した状態でそれぞれのサイクロン13に導出される。
このように、導管21内が二つの流れがねじれながら上昇する旋回流となることから、セメント原料がそのいずれか一方の流れにのみ投下されてしまうと、上段側の2基のサイクロンのうちの一方にのみ偏って供給され、そのサイクロンのみ負荷が増大することになる。
【0023】
本発明のセメント製造装置は、3段目サイクロン13から導出される排ガスを分配して2基の4段目サイクロン13に導く導管21の分配部23よりも下方位置に、原料供給管22が傾斜して接続され、この原料供給管22の先端22aを導管21の内壁面21aから導管22の内径Dの0.15〜0.5倍の長さの範囲で突出させたことにより、導管21内の旋回流の中心部Cに原料を投下することができる。前述したように、この中心部Cでは周方向の速度ベクトルは小さく、垂直方向の速度ベクトルが支配的であるため、投下された原料は、この上昇流に乗せて上昇しながら緩やかに半径方向外方に分散され、分配部23から4段目の両サイクロン13に均等に供給される。
したがって、両サイクロンの負荷が均衡し、それぞれに供給されたセメント原料の予熱状態を均等にすることができる。プレヒータ最上段のサイクロン出口におけるガス温度差が例えば100℃以上になると、熱量原単位が少なくとも3kcal/kg−cli以上増大するが、本発明の装置のように予熱状態を均等にすることにより、その温度差を小さくして、熱量原単位を低減させることができる。しかも、導管21内に挿入状態となっている原料供給管22の下面は、外周円弧面であるので、下方から上昇してくる旋回流の流れに対する抵抗が小さく、閉塞等を防止して安定した操業を行わせることができる。
【0024】
なお、導管21の分配部23を含む水平面Pから原料供給管22の先端までの垂直距離Hに関しては、導管21の内径Dに対して、H/Dを2.25以上とすることで、導管21内への原料供給管22の挿入深さを前述の範囲としたときの均等化の効果が高くなる。また、下段サイクロン13の上端24からの距離hに関しては、下段サイクロン13に原料が直落ちしないように導管22の内径Dの0.5倍以上確保する。したがって、導管21における原料供給管22の位置は、導管21全体の長さの中で、原料供給管22から分配部23を含む水平面Pまでの垂直距離H、下段サイクロン13までの垂直距離hがそれぞれ導管22の内径Dと上記の関係となるように設定される。
【実施例】
【0025】
次に、導管の内径に対する原料供給管の挿入深さ(L/D)が0,0.22,0.33,0.4,0.5となる5種類設定し、分配部を経由した後の導管の左右の出口温度を測定して、その温度差を求めた。温度差がないことが望ましい。
条件としては、3段目サイクロンに風量14300Nm/h、温度640℃のガスを供給し、原料供給管に風量1400Nm/h、温度80℃、セメント原料を30.4ton/h供給した。原料供給管の傾斜角度θは35°、導管の分配部を含む水平面から原料供給管の先端までの垂直距離Hは導管の内径Dの2.9倍とした。
その結果を図5に示す。横軸が導管の内径に対する挿入深さ(L/D)を示し、縦軸は温度差(℃)を示す。
【0026】
この図5に示される結果より、導管の内径に対する原料供給管の挿入長さ(L/D)が0.15〜0.5までの範囲内であれば、出口の温度差がほぼ40℃以下となり、L/Dが0.35〜0.40付近が最も温度差が小さくなっている。この図5において、L/D=0.00となるのは、原料供給管の先端が導管の内壁面に開口している場合であり、そのような構造では、導管の出口温度差が80℃近くにまで大きくなり、サイクロンへの負荷が偏ることがわかる。
実用的には、原料供給管は導管の内径に対して0.15〜0.5倍の長さの範囲で突出するように挿入すれば、原料をほぼ均等に分配することができる。
【0027】
次に、導管の分配部を含む水平面から原料供給管の先端までの垂直距離Hの導管の内径Dに対する比(H/D)が1.75、2.25、2.75、2.9となる4種類設定し、同様に分配部を経由した後の導管の左右の出口温度を測定して、その温度差を求めた。導管の内径に対する挿入深さ(L/D)は0.33に固定するとともに、その他のガスの風量や温度等は前述した条件とした。結果を図6に示す。横軸が導管の内径に対する分配部を含む水平面から原料供給管の先端までの垂直距離の比(H/D)を示し、縦軸は温度差(℃)を示す。
この図6に示される結果より、導管の内径に対する分配部を含む水平面から原料供給管の先端までの垂直距離の比(H/D)が2.25未満では、その比(H/D)が小さくなるにしたがって出口の温度差が急激に大きくなるが、2.25以上であれば、温度差がほぼ10℃以下に安定している。
【0028】
図7は、導管の分配部から導管の内径の2.9倍の距離Hの位置に、原料供給管を導管の内径のほぼ1/3の長さで突出させた場合の原料粒子の流れのみをシミュレーションにより求めたものであり、左右に均等に分配されていることがわかる。
【0029】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、最上段のサイクロンに接続されている導管への原料供給についてのみ説明したが、各段で複数設置されるサイクロンへの導管や、最下段のサイクロンとセメントキルンの窯尻部6との間を接続するライジングダクト25(図7参照))に原料を供給する場合にも本発明を適用することもできる。
また、セメント原料としてミルから送られる生原料だけでなく、上部のサイクロンを経由した後に下部のサイクロンに導かれる予熱途中の原料を導管に供給する場合にも、本発明を適用することができる。
また、3基以上のサイクロンに分配して原料を供給する場合も含むものとする。
【符号の説明】
【0030】
3 プレヒータ
4 セメントキルン
6 窯尻部
13 サイクロン
21 導管
21b 内壁面
22 原料供給管
23 分配部
24 上端
25 ライジングダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントキルンで発生した排ガスを流通させる複数のサイクロンが上下方向に連結状態とされるとともに、複数の上段側サイクロンとその下方に配置される下段側サイクロンとの間に、下段側サイクロンから導出される前記排ガスを上方に流通させ分配して各上段側サイクロンに導く導管が設けられ、前記導管における前記複数の上段側サイクロンへの分配部よりも下方位置に、セメント原料を供給する原料供給管が接続され、該原料供給管は、その先端が前記導管の内壁面から導管の内径の0.15〜0.5倍の長さの範囲で突出していることを特徴とするセメント製造装置。
【請求項2】
前記原料供給管は前記導管の管軸方向から20°〜50°の角度で傾斜していることを特徴とする請求項1記載のセメント製造装置。
【請求項3】
前記導管の分配部を含む水平面から前記原料供給管の先端までの垂直距離が前記導管の内径に対して2.25倍以上であり、前記下段側サイクロンの上端から前記原料供給管の先端までの距離が前記導管の内径に対して0.5倍以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のセメント製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−214309(P2012−214309A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79487(P2011−79487)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】