説明

セラミックハニカムフィルタの製造方法

【課題】 目封止部を形成し、乾燥、焼成しても、端面に変色が生じ難いセラミックハニカムフィルタの製造方法を得る。
【解決手段】 隔壁で区画された流路を有するセラミックハニカム構造体の端面において、前記流路の一部をマスクで覆い、前記セラミックハニカム構造体の端面を目封止材スラリーに浸漬し、前記マスクで覆われていない流路に前記目封止材スラリーを導入し、導入された目封止材を乾燥、焼成するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記目封止材が導入された前記セラミックハニカム構造体の端面を、端面保護部材を介して加熱部材に所定時間載置し、所定時間経過後、前記加熱部材から取り出し、前記端面保護部材を除去し、乾燥炉において80℃以上で目封止材を乾燥させ、その後、目封止材を焼成するセラミックハニカムフィルタの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスに含まれる微粒子状物質を捕集するセラミックハニカムフィルタの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、自動車の排気ガス中の粒子状物質を捕集するセラミックハニカムフィルタの一例の模式図を示し、(a)は正面図、(b)は断面図である。一般に、セラミックハニカムフィルタ10は、隔壁1により仕切られ、一方の端面である流入側端面3aからもう一方の流出側端面3bまで貫通する流路2a、2bを複数有し、隣接する流路が互いに反対側となる端面において目封止部9a、9bで目封止された構造を有する。そして、排気ガス中に含まれる粒子状物質は、隔壁内で連続する細孔から隣接する流路へ通過する際に濾過され、捕集される。捕集された微粒子は、電気ヒータ、バーナ、熱風などの加熱手段を用いて再燃焼されたり、隔壁に担持された触媒により連続的に除去されたりして、セラミックハニカムフィルタ10の再生が行われる。
【0003】
このような構造のセラミックハニカムフィルタを製造する方法として、特許文献1に記載の発明では、セラミックハニカム構造体の端面において、一部のセルをマスクし、マスクした端面をセラミック粉末と水等の分散媒、結合材とを含む目封止材スラリー中に浸漬することで残部のセルにスラリーを圧入して目封止部を形成し、目封止部を電熱プレート等の熱伝導手段によって乾燥し、焼成を行って最終的な製品とする方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、セラミックハニカム構造体の端面を貯留容器内のセラミック粉末を含んだスラリーに浸漬した状態で貯留容器の底面に対して加圧することにより少なくとも一部のセルにスラリーを圧入した後、セラミックハニカム構造体を貯留容器内から離脱することにより少なくとも一部のセルを目封じする方法が開示されている。そして、その実施例には、ハニカム構造体の端部に140℃の熱源に30sec直接触れさせた後、熱風乾燥炉内にハニカム構造体を入れて、90℃、40min乾燥することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−334810号公報
【特許文献2】特開2004−290766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に示すように、セルにスラリーを圧入して目封止部を形成し、目封止部を熱伝導手段や熱源に直接触れさせて乾燥した場合、セラミックハニカム構造体の端面において、熱伝導手段や熱源がセラミックハニカム構造体の端面との接触により摩耗した摩耗片等が、スラリーを圧入した目封止部端面に異物として付着する場合があった。その場合、そのまま目封止部を焼成すると、異物が付着した部位が変色して外観不良となる問題があった。さらに、その後の触媒を担持する際に、変色した部位に触媒が担持され難くなるという問題の生じることがあった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、目封止部を形成し、乾燥、焼成しても、端面に変色が生じ難いセラミックハニカムフィルタの製造方法を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、隔壁で区画された流路を有するセラミックハニカム構造体の端面において、前記流路の一部をマスクで覆い、前記セラミックハニカム構造体の端面を目封止材スラリーに浸漬し、前記マスクで覆われていない流路に前記目封止材スラリーを導入し、導入された目封止材を乾燥、焼成するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記目封止材が導入された前記セラミックハニカム構造体の端面を、端面保護部材を介して加熱部材に所定時間載置し、所定時間経過後、前記加熱部材から取り出し、前記端面保護部材を除去し、乾燥炉において80℃以上で目封止材を乾燥させ、その後、目封止材を焼成することを特徴とする。
【0009】
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記端面保護部材が、植物繊維、動物繊維、化学繊維のいずれかであることが好ましい。
【0010】
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記乾燥後、吸引機構を備えた吸引口を、前記セラミックハニカム構造体の端面に対し吸引しながら相対移動させることが好ましい。
【0011】
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記吸引口にブラシを備え、少なくとも一部が前記セラミックハニカム構造体の端面に接触し、吸引しながら相対移動することが好ましい。
【0012】
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記吸引機構の吸引圧力は10kPa以上、風速は0.020Nm3/sec以上であることが好ましい。
【0013】
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記吸引機構を備えた吸引口を、前記セラミックハニカム構造体の端面に対し相対移動させた後、前記端面に板状のセラミックス部材を載せ、その後、目封止材を焼成することが好ましい。
【0014】
次に、本発明の作用効果について説明する。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、隔壁で区画された流路を有するセラミックハニカム構造体の端面において、前記流路の一部をマスクで覆い、前記セラミックハニカム構造体の端面を目封止材スラリーに浸漬し、前記マスクで覆われていない流路に前記目封止材スラリーを導入し、導入された目封止材を乾燥、焼成するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記目封止材が導入された前記セラミックハニカム構造体の端面を、端面保護部材を介して加熱部材に所定時間載置し、所定時間経過後、前記加熱部材から取り出し、前記端面保護部材を除去し、乾燥炉において80℃以上で目封止材を乾燥させ、その後、目封止材を焼成することで、次の作用効果を有する。すなわち、目封止材が導入されたセラミックハニカム構造体の端面を、端面保護部材を介して加熱部材に所定時間載置し、所定時間経過後、加熱部材から取り出し、前記端面保護部材を除去し、乾燥炉において80℃以上で目封止材を乾燥させ、その後、目封止材を焼成することで、目封止材が導入されたセラミックハニカム構造体の端面を加熱部材に載置した際、加熱部材がセラミックハニカム構造体の端面との接触により摩耗した摩耗片等が、セラミックハニカム構造体の端面に直接接触することがないので、セラミックハニカム構造体の端面の表面に付着することがなくなる。それにより、目封止部を焼成した後、端面が変色して外観不良となる問題が生じ難くなるのである。さらに、触媒を担持する際に、触媒が担持されない部位が生じるという問題も生じ難くなるのである。尚、目封止材スラリーは、少なくともセラミック粉末と水等の分散媒で構成され、必要に応じて、結合材等を含むことができる。
【0015】
ここで、端面保護部材は、目封止材が導入されたセラミックハニカム構造体の端面に異物が付着し難く、さらに、加熱部材に載置しても変質、焼失し難い材質で薄いシート状であれば良く、植物繊維、動物繊維、化学繊維のいずれかを用いることが好ましい。植物繊維としては例えば、パルプ、動物繊維としては例えば、馬毛、豚毛、羊毛等が、化学繊維としては例えば、ナイロン、ポリプロピレン、塩化ビニール、ポリエステル、アクリル等を使用することができるが、加熱された板に載置しても変質し難いものとして、パルプ等の植物繊維が好ましい。
【0016】
また、前記、加熱部材の表面温度を70〜150℃とし、前記加熱部材に載置する時間を2〜7分とすることにより、目封止材中に水分を残留させることが可能となり、その後に、マスクや端面保護部材を除去する際に、目封止部を破損することなく除去することが可能となるので好ましい。
【0017】
また、前記乾燥炉においては、80℃以上の温度で乾燥することで、目封止部の水分が十分に除去され、強固な目封止部が形成されるので好ましい。温度は好ましくは100〜180℃で、時間は1〜5時間が好ましい。
【0018】
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記乾燥後、前記焼成前において、吸引機構を備えた吸引口を、前記セラミックハニカム構造体の端面に対し吸引しながら相対移動させることで、次の作用効果を有する。すなわち、乾燥炉において80℃以上で目封止材を乾燥させ、乾燥炉から取出した後から目封止材を焼成する迄の間に、異物が、目封止材が導入されたセラミックハニカム構造体の端面に付着することもあるが、この異物を吸引機構を備えた吸引口から吸引されることにより除去することができる。これにより、目封止材を焼成した後に端面が変色して外観不良となる問題が更に生じ難くなるのである。さらに、触媒を担持する際に、触媒が担持されない部位が生じるという問題も生じ難くなるのである。尚、目封止材が導入されたセラミックハニカム構造体の端面に付着した異物が吸引されることが好ましいのは、吸引ではなくエアブローのようにエアーを吹き付けて、端面に付着した異物を除去しようとすると、異物は、セラミックハニカム構造体の流路内に入ってしまい、セラミックハニカム構造体の流路の隔壁に付着し、捕集性能を低下させることがあるからである。
【0019】
ここで、前記吸引口を前記セラミックハニカム構造体の端面に対し相対移動させる際、吸引口とセラミックハニカム構造体の端面との間隔を0.5〜30mmとすると、乾燥炉から取出した後から目封止材を焼成する迄の間に、目封止材が導入されたセラミックハニカム構造体の端面に付着した異物が良好に除去されるので好ましい。
【0020】
ここで、前記吸引口にブラシを備え、前記ブラシの少なくとも一部が前記セラミックハニカム構造体の端面に接触し、吸引しながら相対移動することで、目封止材が導入されたセラミックハニカム構造体の端面に付着した異物が良好に除去されるので好ましい。尚、ブラシは、目封止材が導入されたセラミックハニカム構造体の端面に付着した異物が除去され、セラミックハニカム構造体の端面が損傷しないものであれば良く、化学繊維、植物繊維、動物繊維のいずれかを用いることができる。化学繊維としては例えば、ナイロン、ポリプロピレン、塩化ビニール、ポリエステル、アクリル等が、植物繊維としては例えば、シュロ、シダ、パーム等が、動物繊維としては例えば、馬毛、豚毛、羊毛等を使用することができる。
【0021】
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記吸引機構の吸引圧力は10kPa以上、風速が0.020Nm3/sec以上であることで、目封止材が導入されたセラミックハニカム構造体の端面に付着した異物が良好に除去されるのでこのましい。
【0022】
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記吸引機構を備えた吸引口を、前記セラミックハニカム構造体の端面に対し相対移動させた後、前記端面に板状のセラミックス部材を載せ、その後、目封止材を焼成することで、80℃以上の雰囲気で目封止材を乾燥させ、乾燥炉から取出した後から目封止材を焼成する迄の間に、目封止材が導入されたセラミックハニカム構造体の端面に異物が付着するのを防止できる。これにより、目封止材を焼成した後に端面が変色して外観不良となる問題が生じ難くなるのである。さらに、触媒を担持する際に、触媒が担持されない部位が生じるという問題も生じ難くなるのである。
【0023】
ここで、前記端面に載せる板状のセラミックス部材は、セラミックハニカム構造体と同材質のものを用いることが好ましく、ポーラス状の板であっても良く、ハニカム構造体の全ての流路を、目封止材で目封止しているものを用いても良い。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、目封止部を形成し、乾燥、焼成しても、端面に変色が生じ難いセラミックハニカムフィルタの製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るセラミックハニカムフィルタを示した模式断面図。
【図2】本発明に係るセラミックハニカムフィルタの製造方法において、工程(a)(b)(c)(d)を示した図
【図3】本発明に係るセラミックハニカムフィルタの製造方法において、工程(e)を示した図
【図4】本発明に係るセラミックハニカムフィルタの製造方法において、工程(f)を示した図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を実施例を基に説明する。
【0027】
(実施例1)
カオリン、タルク、シリカ、アルミナなどの粉末を調整して、質量比で、SiO2:48〜52%、Al2O3:33〜37%、MgO:12〜15%を含むようなコーディエライト生成原料粉末とし、これにメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のバインダー、潤滑剤、造孔材として発泡済み樹脂を添加し、乾式で十分混合した後、規定量の水を添加、十分な混練を行って可塑化したセラミック杯土を作成した。次に、押出し成形用金型を用いて坏土を押出し成形し、切断して、直径270mm×長さ300mmの成形体とした。次に、成形体を、乾燥、焼成させ、セル壁が、厚さ0.3mm、気孔率63%、平均細孔径21μm、セルピッチ1.5mmのコーディエライト質セラミックハニカム構造体10を得た。
【0028】
(a)次に、セラミックハニカム構造体10の端面3を研削加工し、両端面にマスク21として、厚さ0.09mmの樹脂製のフィルムを貼着し、封止するセルに該当するフィルム部を市松模様に開孔25を形成した(図2(a))。
(b)そして、コーディエライト生成原料粉末にメチルセルロース、水を混合した、目封止材スラリー22に、セラミックハニカム構造体の端面3を浸漬し、目封止部を形成した(図2(b))。
(c)次に、表面温度が120℃の加熱部材(電熱プレート)5の上に、パルプ製の端面保護部材4を介して、目封止部が形成されたセラミックハニカム構造体の端面を載置した(図2(c))。
(d)そして、5分経過後、加熱部材から取り出し、端面保護部材とフィルムを除去し、乾燥炉30へ入れて、150℃の温度で2時間目封止部を乾燥させた(図2(d))。
(g)そして、(d)で乾燥が完了したセラミックハニカム構造体をそのまま焼成炉に入れて、目封止部を1400℃で焼成した。
【0029】
(実施例2)
実施例1と同様に、(a)〜(d)の工程で、目封止部を乾燥させた。
(e1)そして、吸引圧力が20kPa、風速0.06Nm3/secの吸引機構を備えた吸引口6をセラミックハニカム構造体の端面3に対して、10mmの間隔で相対移動させる(図3(e1))。
(g)そして、セラミックハニカム構造体をそのまま焼成炉に入れて、目封止部を1400℃で焼成した。
【0030】
(実施例3)
実施例1と同様に、(a)〜(d)の工程で、目封止部を乾燥させた。
(e2)そして、吸引圧力が20kPa、風速0.06Nm3/secの吸引機構を備え、樹脂製で長さが30mmのブラシが付いた吸引口3をセラミックハニカム構造体の端面3に対して、10mmの間隔で相対移動させる(図3(e2))。
(g)そして、セラミックハニカム構造体をそのまま焼成炉に入れて、目封止部を1400℃で焼成した。
【0031】
(実施例4)
実施例3と同様に、(a)〜(d)の工程で目封止部を乾燥させ、(e2)の工程で、ブラシが付いた吸引口3をセラミックハニカム構造体の端面3に対して、10mmの間隔で相対移動させた。
(f)そして、目封止されたセラミックハニカム構造体の端面に、厚さが20mmで焼成済みのコーディエライト質ハニカム構造体に、全ての流路が目封止されたセラミックス部材8を載せた(図4(f))。
(g)そして、セラミックス部材を載せた状態で、セラミックハニカム構造体を焼成炉に入れて、目封止部を1400℃で焼成した。
【0032】
(比較例1)
実施例1と同様に、コーディエライト質セラミックハニカム構造体10を得た。
(a)そして、セラミックハニカム構造体10の端面3を研削加工し、両端面にマスク21として、樹脂製のフィルムを貼着し、封止するセルに該当するフィルム部を市松模様に開孔した。
(b)そして、コーディエライト生成原料粉末にメチルセルロース、水を混合した、目封止材スラリー22に、セラミックハニカム構造体の端面3を浸漬し、目封止部を形成した。
(c‘)次に、表面温度が120℃の加熱部材(電熱プレート)5の上に、直接目封止部が形成されたセラミックハニカム構造体の端面を載置した。
(d)そして、5分経過後、加熱部材から取り出し、フィルムを除去する。この時、端面のフィルム上に目封止部を形成しきれずに残った固化したスラリーを除去し、乾燥炉30へ入れて、150℃の温度で2時間目封止部を乾燥させた。
(g)そして、(d)で乾燥が完了したセラミックハニカム構造体をそのまま焼成炉に入れて、目封止部を1400℃で焼成した。
【0033】
(比較例2)
実施例1と同様に、コーディエライト質セラミックハニカム構造体10を得た。
(a)そして、セラミックハニカム構造体10の端面3を研削加工し、両端面にマスク21として、樹脂製のフィルムを貼着し、封止するセルに該当するフィルム部を市松模様に開孔した。
(b)そして、コーディエライト生成原料粉末にメチルセルロース、水を混合した、目封止材スラリー22に、セラミックハニカム構造体の端面3を浸漬し、目封止部を形成した。
(d)そして、フィルムを除去し、乾燥炉30へ入れて、150℃の温度で2時間目封止部を乾燥させた。
(g)そして、(d)で乾燥が完了したセラミックハニカム構造体をそのまま焼成炉に入れて、目封止部を1400℃で焼成した。
【0034】
上記実施例、比較例で作製されたセラミックハニカムフィルタの端面に生じる変色の有無と、触媒を担持した際に、セラミックハニカムフィルタの端面に触媒が担持されない部位が生じたか否かを評価した。結果を表1に示す。
セラミックハニカムフィルタの端面の変色は、1セルの大きさの変色が、
3箇所以下の場合を(◎)、
4箇所以上7箇所以下の場合を(○)、
8箇所以上10箇所以下の場合を(△)、及び
11箇所以上の場合を(×)
として評価した。
また、触媒の担持については、端面で担持されなかった部位が、
3箇所以下の場合を(◎)、
4箇所以上7箇所以下の場合を(○)、
8箇所以上10箇所以下の場合を(△)、及び
11箇所以上の場合を(×)
として評価した。
【0035】
【表1】

【0036】
表1より、本発明の製造方法で製造されたセラミックハニカムフィルタは、セラミックハニカムフィルタの端面に変色が生じ難く、触媒が良好に担持されることがわかる。一方、比較例1及び比較例2のセラミックハニカムフィルタは、端面に多くの変色が生じ、触媒が十分に担持されなかったことがわかる。
【符号の説明】
【0037】
1:隔壁
2、2a、2b:流路
3、3a、3b:端面
4:端面保護部材
5:加熱部材
6:吸引口
7:ブラシ
8:板状のセラミックス部材
9a、9b:目封止部
10:セラミックハニカム構造体(フィルタ)
21:マスク
22:スラリー
25:開孔



【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁で区画された流路を有するセラミックハニカム構造体の端面において、前記流路の一部をマスクで覆い、前記セラミックハニカム構造体の端面を目封止材スラリーに浸漬し、前記マスクで覆われていない流路に前記目封止材スラリーを導入し、導入された目封止材を乾燥、焼成するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記目封止材が導入された前記セラミックハニカム構造体の端面を、端面保護部材を介して加熱部材に所定時間載置し、所定時間経過後、前記加熱部材から取り出し、前記端面保護部材を除去し、乾燥炉において80℃以上で目封止材を乾燥させ、その後、目封止材を焼成するセラミックハニカムフィルタの製造方法。
【請求項2】
前記端面保護部材が、植物繊維、動物繊維、化学繊維のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
【請求項3】
前記乾燥後、前記焼成前において、吸引機構を備えた吸引口を、前記セラミックハニカム構造体の端面に対し吸引しながら相対移動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
【請求項4】
前記吸引口にブラシを備え、前記ブラシの少なくとも一部が前記セラミックハニカム構造体の端面に接触し、吸引しながら相対移動することを特徴とする請求項3に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
【請求項5】
前記吸引機構の吸引圧力は10kPa以上、風速は0.020Nm3/sec以上であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
【請求項6】
前記吸引機構を備えた吸引口を、前記セラミックハニカム構造体の端面に対し相対移動させた後、前記端面に板状のセラミックス部材を載せ、その後、目封止材を焼成することを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れかに記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−213731(P2012−213731A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81373(P2011−81373)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【Fターム(参考)】