説明

セラミック製品を支持するユニット

セラミック製品(1)、特にスリップ成形法で作ったセラミック製品(1)を支持するユニットであって、該ユニット(100)が、製品(1)を把持し支持する第1の把持及び支持要素(2)と;製品(1)の第1の基部分(1a)を支持し、製品(1)の重量を少なくとも一部支持するように構成した第2の支持要素(3)と;垂直軸線(Z)に沿って弾性的に作用するために第2の要素(3)に位置決めされかつ作用する要素(4)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック製品、特にセラミック衛生陶器を支持するユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、セラミック衛生陶器(便器、ビデ、洗面台、コンソールシンク、手洗い器、洗浄タブ、シャワートレイ、水洗タンク等のような)は、二つ以上の部品に分割され得る多孔構造の通常の金型で流体混合物(商売用語で“スリップ(固体粒子の縣濁液)”として知られた、水性縣濁液中のセラミック物質から成る)を成形することにより作られる。
【0003】
金型により、衛生陶器の物品は要求された形状になり、ある特定の時間経過(水の一部を引き出すのに必要な時間)後に、物品は“生製品”(水分含有量がなお16重量%〜20重量%である)として知られた固体形状で金型から取り出され、そして塑性変形を受ける。
【0004】
衛生陶器は(“生製品”を予備乾燥する段階で)空気と接触すると、物品には二つの主な変化が生じ、第1の変化では中間の“半乾燥”状態(初期水分含有量は30%〜50%まで減少される)となり、そして第2の変化では“乾燥” 状態(水分含有量は実際にゼロである)となり、これら二つの状態において、衛生陶器物品はもはや高レベルの塑性変形を受けない。
【0005】
これら三つの状態の一つ以上において、衛生陶器物品は、通常、例えばばり取り、穴あけ、溝削り、丸み付け等のような多数の仕上げ工程を受ける。
【0006】
従って、セラミック製品を金型から外すと、それら製品が多孔樹脂型で(高圧で)か又は石膏型で(低圧で)成形したかどうかにより、それら製品は、乾燥及び仕上げの両方を含む製造工程においてその後の段階を完了できるように確かな安定した位置に保持されなければならない。
【0007】
従来使用されてきた支持システムは、いわば“堅固な”仕方で構成され、すなわち、それらのシステムは、製品が一つの状態から別の状態へ、特に“生”から“半乾燥”状態に変化する際にこれら製品の長さや重さが変動する(水平及び垂直成分が動く)のに適応できない。
【0008】
実際、製品が乾燥すると、減少する水分含有量の減少により、重量が減少し、元のサイズから2%〜4%と相当に縮むことになる。現在の技術水準並びに製品の基部及び例えば側部を支持している補助構造は基本的に静止支持構造体であり、そのため製品の受ける処理には満足に適用できない。
【0009】
このことは、製品の状態を密に監視し、製品の変化に応じて支持構造体を調整しなければならないことを意味しており、これらは全て、製造工程における特定の段階での作業員の応答性の経験に頼っている。
【0010】
明らかに、支持構造体が調整されない場合、或は必要な時に、その部品を交換できない場合に、結果としての引張及び/又は変形応力は製品の回復できない欠陥或いは製品の破損にも成り得る。
【0011】
これらの問題の典型的な例は、“一体型”便器として市場において知られた取付け器具、すなわち後部から部分的に突出する水洗タンクを備えた単一部品として構成した便器(すなわち、リムを付け加えたパン)の問題である。
【0012】
この形式の衛生取付け器具も、型から外した後取り扱うのに安定してなく、この器具の重心は、例えばばり取りのような型外し後の作業中に側部及び後部を支持するのに付加的な手段(支え)を用いずには必要な平衡位置(状態)にできない。
【0013】
これには、上記のように、生産工程を普遍的に監視し、そして製品が一つの状態から別の状態に変化する際に支えを位置決め直す必要がある。これらの作業は時間がかかり、仕上げ処理を中断することになり、スクラップの割合が高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、製品の状態が変化する際に製品を変形させたり破損させたりすることなしに、製品の寸法変化に対して自動的に調整するセラミック製品を支持するユニットを提供することにより上記の問題点を解決することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、取扱い及びばり取りと共に製品を支持する際の正しくて平衡した換気ができように構成した支持体を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、種類の異なるセラミック製品を支持する他に、高圧高生産性の成形プラント及び低圧標準生産性の成形プラントの両方に使用できる多能う支持ユニットを提供することにある。
【0017】
本発明によれば、これらの目的は、支持ユニット、特に特許請求の範囲の一つ以上の請求項に記載した技術的特徴を有する支持ユニットによって達成される。
【0018】
上記の目的に関して本発明の技術的特徴は、特許請求の範囲に明確に記載され、その利点は、本発明の範囲を限定することなしに単に例として挙げた本発明の実施形態を例示する添付図面を参照して以下に記載する詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明によるセラミック製品を支持するユニットの幾つかの部品を切り開いてその他の部品を明瞭に示す分解斜視図。
【図2】組立てた状態で図1の支持ユニットを示し、ある部品は切り開いて他の部品は断面で示す側面図。
【図3】図1及び図2の支持ユニットを示す上から見た平面図。
【図4】図3の線IV−IVに沿った断面図。
【図5】図2の支持ユニットの背面図。
【図6】幾つかの部品を断面図で示して細部を明示した本発明による支持ユニットの別の実施形態を示す概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面、特に図1を参照すると、本発明によるユニットは全体を100で示し、セラミック製品1、特に例えば多孔型の金型でスリップ成形で作られたセラミック製品1を支持するために用いられる。
【0021】
ユニット100は、少なくとも金型(図示していない)から、製品1を取り出す段階から製品が“生”の状態から“半乾燥”の状態へ移行する空気中で製品を乾燥する段階の終了(“半乾燥”の状態への乾燥とも記載する)まで製品1を支持していなければならない。
【0022】
特に、しかし発明の概念の範囲を限定することなしに、本発明による支持ユニットはセラミック衛生陶器用に用いることができ、図示実施形態において使用した例は“一体型”便器、すなわち後部から部分的に突出する水洗タンクを備えた単一部品として構成した便器(すなわち、リムを付け加えたパン)として知られている。
【0023】
明らかに、記載した発明は、発明の概念の範囲を限定することなしに、水洗タンクを備えない便器、ビデ、洗面台、コンソールシンク、手洗い器、洗浄タブ、シャワートレイ等のような他の形式の衛生取付け器具に対しても用いることができる。
【0024】
また図1を参照すると、支持ユニット100は、以下の主要な構成要素を有する。すなわち
・製品1を把持し支持する第1の要素2:
・製品1の第1の基部分1a(図示の場合には負荷の基部)を支持し、製品1の重量を少なくとも一部支持するように構成した第2の要素3:
・第2の要素3に位置決めされて機能する、垂直軸線Zに沿って伸縮可能に作用する要素4。
【0025】
特に、図示した非限定実施形態では、第1の要素2は、成形部から製品1を把持して移動し、そして第2の要素3上に載せるのに用いられる。
【0026】
明らかに、図示例では、第1の要素は第2要素3から物理的に分離している。
【0027】
等価の実施形態では、二つの要素2、3は、本発明の範囲を限定することなしに、単一部品として形成され得る。
【0028】
二つの要素2、3に加えて、第1の把持及び支持要素2には第1の支持面5が設けられている。第1の支持面5は製品1の第2の部分1b(この場合、突出している水洗タンクの基部)を支持している。
【0029】
第1の支持面5は、少なくとも第1の水平軸線Xに沿って第1の支持面5自体を調整する調整要素6によって作動される。
【0030】
特に、第1の支持面5自体を調整する調整要素6は、また、第2の水平軸線Yに沿って作用し、好ましくは、以下に詳細に説明するように、調整要素6は第1及び第2の直交する水平軸線X、Yの間に位置する二つ以上の水平軸線に沿って動作できる。
【0031】
次に第2の支持要素3を見ると、この第2の支持要素3は、第1の要素2の第1の支持面5で支持された製品1の第2の部分1bの端部を支持する高いレベルの第2の支持頂部7を備えている。第2の支持頂部7には、第1の支持要素5と実質的に同じ平面に留まることができるようにして製品1の第1の基部分1aを支持する台3aに対して高さを調整する手段8が設けられ得る。
【0032】
技術的詳細についてさらに詳細に考察すると、第2の支持要素3は、負荷支持フレーム21を備えている。
【0033】
負荷支持フレーム21には、
・製品1の第1の基部分1aを支持し、固定又は移動可能な面Pとの間に位置しかつフレーム21に接続した台3aと;
・第1の要素2に設けた安定結合ピン24を受けるクレードル23を備えた第1の複数の垂直支柱22と;
・第1の支持面5と同じ平面に位置するプレートすなわち第2の支持頂部7を支持する調整可能な手段8を受ける第2の複数の垂直支柱25と
が設けられている。
【0034】
図2に示すように、各伸縮可能に作用する要素4(この特定の非限定例では三つ)は、ばね4mを収容する中空管状体27及びばね4m内に挿入した相対ピン28を備え得る。
【0035】
伸縮可能に作用する要素4の一端において、各ピン28は上記の台3aと当接し、また他端において固定又は移動可能な面Pと当接している。
【0036】
各ピン28と中空管状体27との間には、ピン28の下方への動きを調節し、従って支持する製品の形式及び製品の初期重量に関係した予め設定できるパラメータに従ってばね4mを圧縮する調整可能な手段29が配置されている。
【0037】
この構造により、伸縮可能に作用する要素4の各々は、他の要素4から独立して設定できる。
【0038】
次に、第2の複数の垂直支柱25について考察すると、これらの第2の複数の垂直支柱25は、形が管状であり、そして第2の支持面5に対して支持プレート7(上記の第2の支持頂部を構成している)を支持する調整可能な手段8を収容するため中空である。
【0039】
調整可能な手段8は、それぞれシリンダ26を備え、それぞれのシリンダ26は支柱25内を摺動し、そして保持ボルト26bを用いて要求された位置に固定できる。
【0040】
各シリンダ26は、頂部7を支持する半球形の端部片26tを備えている(図2参照)。
【0041】
図1、図3及び図4に示すように、第1の要素2はU字形又はフォーク形の基部フレーム16を備え、この基部フレーム16には、
・第1の要素2を動かすため、ロボットユニット18(厳格に本発明の範囲内にない公知のものであるので図面にはブロックで示している)に結合し、そしてこの基部フレーム16の開放端部に位置している手段17と;
・基部フレーム16のアームを摺動しかつ調心し、そしてロボットユニット18の作用のもとで二つのアームを互いに向かう方向へかつ互いに離れる方向(図3の矢印F16参照)へ動かすため基部フレーム16の閉じた端部に取り付けられたシリンダ19と;
・基部フレーム16の端部に設けられ、第2の要素3に安定して結合する手段20と;
・製品1の第2の部分1bを支持する第1の支持面5と;
・基部フレーム16と第1の支持面5との間に位置し、第1及び第2の直交する水平軸線X、Y間に位置する二つ以上の水平軸線に沿って第1の支持面5を調整する要素6と;
・製品1の第3の部分1c、この場合には便器の前方の凸状外側部分に整合するような形状をもつ第2の支持面9と;
が取り付けられている。
【0042】
さらに詳細には、上記に設定したリストの最初の項目から始めて、ロボットユニット18に結合する手段17は、垂直プレート17cで実施され、これらの垂直プレート17cには、第2の要素3の負荷支持フレーム21のクレードル23における結合ピン24が設けられる。
【0043】
フォーク形フレーム16の後端には、他方では、第2の要素3のフレーム21の底部に位置したそれぞれの垂直調心ピン20bに結合する座部20aが設けられている。このようにして、第1の要素2は正確に位置決めされ、そして製品1の乾燥及び仕上げ工程中閉じた形態に保持される。
【0044】
第1の支持面5(図1〜図5参照)は二つの同一対称半体部品5a、5bを備え、これら二つの同一対称半体部品5a、5bの各々は、製品1の第2の部分1bと接触する複数の間隔を置いたクロスバー10を備えている。
【0045】
各クロスバー10には、好ましくは、製品1と接触する弾性的に従順な低摩擦材料M(ゴム又はスポンジ)が設けられる。
【0046】
二つの同一対称半体部品5a、5bの各々は、複数のピン11(この場合には各部品に対して三つ)で支持され、これらのピン11はフレーム16に接続され、そして頂端部に、二つの同一対称半体部品5a、5bを支持する水平ビーム14に設けられたソケット13に収容したそれぞれの接触ボールブッシング12を備えている。
【0047】
図3及び図4に明瞭に示すように、各ソケット13の周囲寸法は、上記の第1及び第2の直交する水平軸線X、Yの間に位置する二つ以上の水平軸線に沿って各部品5a、5bが限定的に動くことができるように、ボールブッシング12の直径より大きい(矢印X、Y及び半体部品5a、5bを表す鎖線参照)。
【0048】
さらに、各部品5a、5bのピン11の一つ(この特定の場合にはフレーム16の後端に近接して位置したピン)とそれぞれの支持ビーム10との間に、弾性部材15が設けられ、この弾性部材15は、乾燥した製品1を離して動かす際に、それぞれの部品5a、5bを予定の位置に戻すことができるように構成されている。
【0049】
製品1の第3の部分1cと整合するような形状に形成される上記の第2の支持面9は、製品1の第3の部分1cに結合する底部輪郭を形成するように互いに対向する二つの堅固な半クレードル9a、9bを備えている。
【0050】
フレーム16の上記の説明から明らかにわかるように、第1及び第2の支持面5、9は、製品を位置決めし、把持し、そして第2の要素3の配置される乾燥ゾーンへ運ぶ間中、フレーム16をフォークのように開閉できるようにして二つの半部品に分割される。
【0051】
上述のように、本発明によるユニットは、製品の形式及び構造上の要求に応じて幾つかの異なった仕方で実施され得る。
【0052】
図6には、例えば、シャワートレイを支持するように構成した別の可能な実施形態100’を示し、第1の要素2’は、この場合乾燥すべき製品1’の第1の(この場合、単一の)基部分1a’を支持する支持面5’を形成するように上記したものと同様な半部品を備えている。
【0053】
この支持面には、要素6’(上述のものと同様)が設けられ、この要素6’はフレーム16’と支持面5’との間に位置決めされ、第1及び第2の直交する水平軸線X’、Y’の間に位置する二つ以上の水平軸線に沿って支持面5’を調整又は補償する。このようにして、製品1の縮みに対して支持面5’が“追従”する。
【0054】
他の項目において、第1の要素2’は複数のピン11’で支持され、これらのピン11’はフレーム16’に接続され、そして頂端部には、それぞれの接触ボールブッシング12’が設けられ、この接触ボールブッシング12’は、支持面5’を形成する異なった部品を支持する水平ビーム14’に設けたソケット13’に収容されている。
【0055】
図6に明瞭に示すように、各ソケット13’の周囲寸法は、上記の第1及び第2の直交する水平軸線X、Yの間に位置する二つ以上の水平軸線に沿って支持面5’の一つ又は複数の部品を限定的に動かすように、ボールブッシング12’の寸法より大きい。
【0056】
この場合にも、本発明は、ピン11’の一つとそれぞれの支持ビーム10’との間に、弾性部材15’が設けられ、この弾性部材15’は、乾燥した製品1’を離して動かす際に、支持面5’のそれぞれの部品を予定の位置に戻すことができるように構成されている。
【0057】
さらに、フレーム16’の前部及び後部において、第1の要素2’には第2の要素3’のフレーム21’の底部に位置したそれぞれの垂直調心ピン20b’に結合する座部20a’が設けられている。このようにして、第1の要素2’は正確に位置決めされ、そして製品1’の乾燥及び仕上げ工程中安定した形態に保持される。
【0058】
このことは、第1の要素2’が固定可能な面Pに直接配置され得ないことを意味せず、この場合にはそれ自体第2の支持要素を構成する。
【0059】
上述のように実施したユニット100は本発明を限定しない例として以下に説明する仕方で用いることができる。
【0060】
第1の要素2と組合わさったロボットユニット18は、第1の要素2をフレーム16のフォークから離れて(矢印F16参照)動かして、なお成形部にあり、成形部品が取り外された製品1を受ける。
【0061】
ロボットユニット18は、第2の要素2を製品1のまわりに“首輪状形態”で配置し、そして第1及び第2の支持面5、9を形成する半体部品が近接して動き、製品1のそれぞれの第2及び第3の部分1b、1cと接触するようにしてフレーム16のフォークを互いに近接して動かす。
【0062】
ロボットユニット18は、第1の要素2及び製品1を取り上げ、それら第1の要素2及び製品1を、クレードル内に嵌合するピン及び調心ピンに結合した座部により第2の要素3上に正確に配置する。
【0063】
第1の要素2が位置決めされると、製品1の第1の基部分1aは台3a上及び全構造体を支持する弾性反動要素4に載る。
【0064】
予め負荷をかけられているばね4mは、製品1の位置決めが第2の要素3上の第1の要素2の位置と共に水洗タンクの端部分を支持するプレート7に関連するようにして製品1の重さを受ける。
【0065】
この時点において、製品1はユニット100に安定的に位置決めされ、そして空気に晒されて生状態に乾燥できる。
【0066】
水分の相当な消失による重量の低減は、プラットフォームばね(垂直軸線Zに沿って製品を上昇させる)によって補償され、製品を第1の要素の二つの上面によって支持して正しい位置に保つようにしている。
【0067】
重量の低減に加えて、乾燥処理は製品全体を縮めさせ、これは、上記の垂直軸線Zに沿った製品の縮みに対して調整する第1の面の動きにより許容された軸線X、Yに沿った動きの自由度により補償される。
【0068】
明らかに、要素2、3が単一構造を形成している場合には、製品の全ての部品は、成形部から取り出されるとすぐに位置決めされて完全に支持される。
【0069】
図6の実施形態は、極めて同様にして動作する。第1の実施形態と違って、製品は第1の要素2’の支持面5’に載ることができ、そして第2の要素3’に又は直接支持又は踏み面Pに置くことができる。
【0070】
上記のように構成した支持ユニットは、互いに相互作用する二つの自己調整要素の存在により上記の目的を十分に達成し、以下の利点をもたらす。すなわち、
・垂直軸線に沿った調整は、予め負荷を掛けたばねにより重量の低減及び縮みを自動的に補償し、そしてΔZを制御して製品の高さを常に上面になるようにして制御でき、従って滑りによる製品に応力のかかるのを防ぐ;
・水平軸線に沿った調整は、第1の面を“追従”させ、製品の乾燥時に製品の部品に応力を加えることなしに、製品の縮みによって生じた動きに適応させる;
・ビームの伸縮可能に変形可能なすなわち従順な面は変形を阻止し、そして同時に製品の乾燥前の他着を避ける。
・製品の重量及び大きさにおける変化に適応するように三次元の全てにおける調整は、実質的に“自動”であり、作業員が密に監視する必要がない;
・全体構造体、特に接触面は、処理の終了時に非一様性の危険を最少化するために、製品の全ての部品を一様に換気できるように構成される;
・支持構造体はまた、“生”状態及び“半乾燥”状態においてある特定の仕上げ作業を安全に実施でき、製品は滴位置にしっかりと保持される。
【0071】
従って、本発明によるユニットは、製品を安定してしっかりと位置決めし保持し、従来の解決法に比較して乾燥処理をスピードアップできる。
【0072】
さらに、本発明による解決手段は、全ての種類の成形プロセス、特に成形動作が非常に高速でありしかも支持が成形製品の状態の変化に従ってそれら支持を監視し調整するのに作業員の介在を必要としないようにしなければならない高圧成形に適用できる。
【0073】
上記で説明した本発明は、工業的に応用し易く、変更でき、本発明の概念の範囲から逸脱することなく幾つかの仕方で適用できる。さらに、本発明の全ての細部は技術的に等価の要素に変えることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 :製品
1a:製品1の第1の部分
1b:製品1の第2の部分
1b:製品1の第3の部分
2 :第1の把持及び支持要素
3 :第2の要素
4 :弾性反動要素
4m:ばね
5 :支持面
Z :垂直軸線
X :第1の水平軸線
Y :第2の水平軸線
6 :調整要素
7 :支持頂部
8 :高さ調整手段
9 :第2の支持面
10:支持ビーム(クロスバー)
11:ピン
12:ボールブッシング
13:ソケット
14:水平ビーム
15:弾性部材
16:U字形基部フレーム
17:結合手段
18:ロボットユニット
20:結合手段
21:負荷支持フレーム
22:垂直支柱
23:クレードル
24:結合ピン
25:垂直支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック製品(1)、特にスリップ成形法で作ったセラミック製品(1)を支持するユニットにおいて、
少なくとも
製品(1)を把持し支持する第1の把持及び支持要素(2)と;
製品(1)の第1の基部分(1a)を支持し、製品(1)の重量を支持するように構成した第2の支持要素(3)と;
垂直軸線(Z)に沿って弾性的に作用するために第2の要素(3)に位置決めされかつ作用する要素(4)と;
を有することを特徴とするユニット。
【請求項2】
第1の把持及び支持要素(2)が製品(1)の第2の部分(1b)を支持する少なくとも一つの支持面(5)を備え、第1の支持面(5)を少なくとも第1の水平軸線(X)に沿って調整し第1の支持面(5)を作動する要素(6)が設けられることを特徴とする請求項1記載のユニット。
【請求項3】
第1の把持及び支持要素(2)が製品(1)の第2の部分(1b)を支持する少なくとも一つの支持面(5)を備え、第1の支持面(5)を少なくとも第2の水平軸線(Y)に沿って調整し第1の支持面(5)を作動する要素(6)が設けられることを特徴とする請求項1記載のユニット。
【請求項4】
第1の把持及び支持要素(2)が製品(1)の第2の部分(1b)を支持する少なくとも一つの支持面(5)を備え、第1の支持面(5)を、第1及び第2の直交する水平軸線(X、Y)間に位置する二つ以上の水平軸線に沿って調整する、第1の支持面(5)に作用する要素(6)が設けられることを特徴とする請求項1記載のユニット。
【請求項5】
第2の支持要素(3)すなわちプラットホームが、製品(1)の第2の部分(1b)の端部分を支持し、第1の要素(2)の支持面(5)と同じ平面に位置する高レベルの支持頂部分(7)を備え、第2の支持頂部分(7)が、プラットホーム(3)に対して高さを調整する手段(8)を備えていることを特徴とする請求項1記載のユニット。
【請求項6】
第1の把持及び支持要素(2)が製品(1)の第3の部分(1c)に整合するような形状の第2の支持面(9)を備えていることを特徴とする請求項4記載のユニット。
【請求項7】
第1の支持面(5)が二つの同一の対称半体部品(5a、5b)を備え、二つの同一の対称半体部品(5a、5b)の各々が製品(1)の第2の部分(1b)と接触する複数の離間したクロスバー(10)を備え、各クロスバー(10)には、製品(1)と接触する弾性的に従順な低摩擦材料(M)が設けられていることを特徴とする請求項4記載のユニット。
【請求項8】
第1の支持面(5)の各対称半体部品(5a、5b)が複数のピン(11)で支持され、これらのピン(11)が、頂端部に対称半体部品(5a、5b)を支持する水平ビーム(14)に設けられたソケット(13)に収容したそれぞれの接触ボールブッシング(12)を備え、各ソケット(13)の寸法が、第1及び第2の直交する水平軸線(X、Y)間に位置する二つ以上の水平軸線に沿って各対称半体部品(5a、5b)を限定的に動かさせるような寸法であることを特徴とする請求項7記載のユニット。
【請求項9】
各対称半体部品(5a、5b)の複数のピン(11)の少なくとも一つとそれぞれの支持ビーム(10)との間に、製品(1)を離れる方向に動かす際にそれぞれの対称半体部品(5a、5b)を予定の位置に戻すことのできるように構成した弾性部材(15)が介在されていることを特徴とする請求項8記載のユニット。
【請求項10】
第1の要素(2)の第2の面(9)が、製品(1)の第3の部分(1c)結合する底部輪郭を形成するように互いに対向した二つの堅固な半体クレードル(9a、9b)を備えていることを特徴とする請求項6記載のユニット。
【請求項11】
第1の要素(2)がU字形基部フレーム(16)を備え、U字形基部フレーム(16)には、
・第1の要素(2)を動かすロボットユニット(18)に結合し、U字形基部フレーム(16)の開放端部に設けられた結合手段(17)と;
・ロボットユニット(18)の作用の下で、U字形基部フレーム(16)の二つのアームを相互に向かう方向及び相互に離れる方向に動かすために、U字形基部フレーム(16)の閉じた端部に設けられた、U字形基部フレーム(16)のアームを摺動及び調心するシリンダ(19)と;
・端部に結合手段(17)を備え、第2の要素(3)に安定して結合する手段(20)と;
・製品(1)の第2の部分(1b)を支持する第1の支持面(5)と;
・U字形基部フレーム(16)と第1の支持面(5)との間に位置決めされ、第1及び第2の直交する水平軸線(X、Y)の間に位置する二つ以上の水平軸線に沿って第1の支持面(5)を調整する調整要素(6)と;
・製品(1)の第3の部分(1c)と整合するような形状に形成された第2の支持面(9)と;
が装着されることを特徴とする請求項1記載のユニット。
【請求項12】
第2の要素が負荷支持フレーム(21)を備え、負荷支持フレーム(21)には、
・製品(1)の第1の基部分(1a)を支持し、固定又は移動可能な面(P)との間に介在しフレーム(21)に接続した弾性反動要素(4)を備えたプラットホーム(3a)と;
・第1の要素(2)に設けられた安定した結合ピン(24)を受け入れるクレードル(23)を備えた第1の複数の垂直支柱(22)と;
・製品(1)の第2の部分(1b)と関連しかつ部分的に支持するプレート(7)を支持する調整可能な手段(8)を受ける第2の複数の垂直支柱(25)と;
が装着されることを特徴とする請求項1記載のユニット。
【請求項13】
各弾性反動要素(4)が、プラットホーム(3a)と固定又は移動可能な面(P)との間に介在した少なくとも一つのばね(4m)を備えていることを特徴とする請求項12記載のユニット。
【請求項14】
各弾性反動要素(4)が、ばね(4m)を収容する中空管状体(27)及びばね(4m)に挿入した対抗ピン(28)を備え、ピン(28)の一端部がプラットホーム(3a)と組み合わされ、ピン(28)の他端部が固定又は移動可能な面(P)と接触することを特徴とする請求項12記載のユニット。
【請求項15】
ピン(28)と中空管状体(27)との間に、ピン(28)の下向きの動きを制御する調整可能な手段(29)が設けられ、予め設定可能なパラメータに従ってばね(4m)を圧搾することを特徴とする請求項14記載のユニット。
【請求項16】
セラミック製品、特にスリップ成形法で作ったセラミック製品(1’)を支持するユニットにおいて、
少なくとも
製品(1’)の第1の基部分(1a’)を把持し支持する第1の把持及び支持要素(2’)と;
製品(1’)を上に載せた第1の基部分(1a’)を支持する第2の支持要素(3’、P)と;
第1の把持及び支持要素(2’)上に位置しかつ第1の把持及び支持要素(2’)に作用して第1及び第2の直交する水平軸線(X、Y)間に位置する二つ以上の水平軸線に沿って調整する要素(6’)と;
を有することを特徴とするユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−519091(P2012−519091A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551549(P2011−551549)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050529
【国際公開番号】WO2010/097723
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(505257338)サクミ コーペラティヴエ メカニッチ イモラ ソチエタ コーペラティヴア (11)
【Fターム(参考)】