説明

セルフPOSシステム

【課題】 小型店舗で導入が容易な、人件費の高騰抑制や設置スペースの小型化を実現し、また、顧客の操作性を向上させたセルフPOSシステム。
【解決手段】 商品の取引を行うPOSシステムであって、レシートプリンタ6と、固定スキャナ7と、マルチリーダ8とを有する本体と、該本体の上部に設けられた表示部4とを備えたセルフPOSシステム1であって、本体と表示部とを縦に収容することによって、全体として設置面積を小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の取引を行うことが可能なPOSシステムであって、特にコンビニエンスストアなどの小規模店舗においてセルフ(self)で行うことが可能なセルフPOSシステムである。
【背景技術】
【0002】
従来のセルフPOS100は、図10に示すように、台座101と、この台座101上に載置される金銭処理部102と、この金銭処理部102の奥側に金銭処理部102とほぼ同じ幅でかつ垂直に支持固定されたスキャナ支持部103と、このスキャナ支持部103の上方部に固定された磁気カードリーダ104aとディスプレイ104bとを備えた表示部104とを備えている。セルフPOS100は、比較的大型で構成されてなるから、台座101は、略箱形で構成されて上方の重量物をしっかり支持固定可能な部材で構成されている。また、金銭処理部102は、釣銭部と現金投入部とを備えており、顧客が表示部104の画面に表示された額に必要な金銭を現金投入部に投入することによって決済処理される。スキャナ支持部103の垂直支持面内にはスキャナ103aが設けられており、顧客は購入した商品を金銭処理部102の上方でかつバーコードのある面をスキャナ103と対峙するようにかざして読みとらせる。そして、そのバーコードが読み取られた情報によって表示部104の画面に表示される。しかして、表示部104の側面に設けられている磁気カードリーダ104aは、前述した金銭処理部102を使用せず、クレジットカード等のカード決済を行う場合や、例えば会員カード等を用いて所定のポイントをためる場合や割引処理をする場合などに使用される。この場合は、磁気カードリーダ104aと金銭処理部102とを併用しての処理が行われる。
【0003】
次に、図11は、前述したセルフPOS100の金銭処理部102を有さない従来のセルフPOS200である。すなわち、従来のセルフPOS200は、台座201と、この台座201の上部天面左側に設けられたスキャナ202と、台座201の上部天面右側に設けられてクレジットカードや携帯電話などに蓄積された情報を読みとって決済するリーダライタ203と、台座203の上部天面奥側にレシートプリンタなどを有する支持部204と、この支持部204の上部に設けられた表示部205とを有している。
【0004】
【特許文献1】特開2006−236380
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図10に示すようなセルフPOS100は、大型であり大きな設置スペースを必要としていた。すなわち、金銭処理部102の上方にはレシートプリンタ(図示せず)なども搭載されており、必要な構成品が水平に設置されていたため購入商品101bは図10に示すように、別の台座101aを設けて置かなければならず、それだけ設置スペースが必要となる。また、決済処理が終わった購入商品の置き場も別に設けなければならず、その結果、顧客が決済をしたかどうかの判断を誤るおそれもあった。また、スキャナ支持部103に搭載されたスキャナ103aは、スキャナの照射面が金銭処理部102の上面と平行に照射されるため、背の低い人などはスキャナから照射されたレーザを直視してしまうおそれもあった。
【0006】
また、図11に示すようなセルフPOS200は、図10に示すセルフPOS100と同様に購入商品(図示せず)を置く場所がなく、スキャナ202がマイクロホンのように所定の高さに立脚しているので低い人などにスキャナから照射されたレーザを直視してしまうおそれがあるという点で同じ課題を有している。更に、セルフPOS200は、スキャナ202が台座201の上部天面左側に設けられ、これと反対側の右側に設けられたリーダライタ203との距離が大きいために操作上も煩わしく、またこの種のセルフPOS200がセルフ(self)で行うものであるため誤操作を起こしやすいという課題を有していた。
【0007】
このような状況からして、大型店舗での大型セルフPOSの導入実験などは行われていたが、コンビニエンスストアなどの小型店舗では導入が進んでおらず、コンビニエンスストアなどの小規模店舗では、人件費の高騰抑制や設置スペースの小型化などが強く望まれている状況にあった。
【0008】
本発明は、商品の取引を行うPOSシステムの本体(胴体)(以下、本体という)部分を細くし、かつ必要な構成品を縦型にコンパクトに収納することによって、省スペース化を図りかつ両サイドに購入商品を置くスペースを生み出し、商品を置くスペースの上部の空間に大型ディスプレイを配置することによって、顧客の操作性を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるセルフPOSシステムは、顧客が商品登録して精算を行うセルフPOSシステムにおいて、顧客側方向に張り出すように設けられ、非接触で決済を行うときに使用するマルチリーダの下部に、商品登録を行うときに使用する固定スキャナを配置して、前記固定スキャナから、レーザ光を顧客側方向斜め下に照射することを特徴とするものである。
【0010】
本発明によるセルフPOSシステムは、レシートプリンタと前記固定スキャナと前記マルチリーダとを収容する本体を有し、前記レシートプリンタは、前記固定スキャナの下部に、レシート用紙交換時に顧客側方向に引き出して用紙の交換が可能であるように収容されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるセルフPOSシステムによると、レシートプリンタと、固定スキャナと、マルチリーダとを有する本体と、該本体の上部に設けられた表示部とを備えたセルフPOSシステムであって、前記本体と表示部とを縦に収容することによって、全体として設置面積を小さくすることが可能である。
【0012】
本発明によるセルフPOSシステムによると、本体の下部には、着脱自在な台座を設け、該台座には、前記固定スキャナからスキャンされる照射スキャンエリアと、該照射スキャンエリアの左右にスキャン前、スキャン済の商品を別々に置けるスペースを確保することが可能である。
【0013】
本発明によるセルフPOSシステムのマルチリーダによると、本体から張り出すように設けられ、該マルチリーダ下部に前記固定スキャナを配置することによって、顧客の目が直接スキャナの光を受けることを防止することが可能である。
【0014】
本発明によるセルフPOSシステムのマルチリーダによると、本体の基端部に対して上面を傾斜させて形成したものである。
【0015】
本発明によるセルフPOSシステムによると、固定スキャナからのレーザを前記台座上面に対して斜めから照射することによって購入商品を前記平坦な台座上面に載置が可能である。
【0016】
本発明によるセルフPOSシステムのレシートプリンタによると、前記固定スキャナの下部に設けられることによってレシート用紙交換時に前記照射スキャンエリア側に引き出して用紙の交換が可能である。
【0017】
本発明によるセルフPOSシステムによると、表示部のディスプレイ内に表示される決済ボタンと、前記マルチリーダと、磁気カードリーダとを近接配置するようにしたものである。
【0018】
本発明によるセルフPOSシステムによると、レシートプリンタには、レシート用紙交換時期を告知する告知手段を備えてなるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るセルフPOSシステムの構成を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るセルフPOSシステムの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るセルフPOSシステムの固定スキャナのスキャン状態を示す概略説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係るセルフPOSシステムの固定スキャナのスキャン状態を示す概略説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係るセルフPOSシステムのマルチリーダの構成を示す概略説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係るセルフPOSシステムの決済エリアとスキャンエリアの概略説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係るセルフPOSシステムの決済エリアとスキャンエリアの概略説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係るセルフPOSシステムの決済エリアとスキャンエリアの概略説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係るセルフPOSシステムの構成を示す底面図である。
【図10】従来のセルフPOSの概略説明図である。
【図11】従来のセルフPOSの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明によるPOSシステムの実施形態について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係るセルフPOSシステムを示す正面図、図2は、図1に示すセルフPOSシステムの斜視図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、セルフPOSシステム1は、全体が横長矩形形状で薄板状の板金板などで構成された台座2と、この台座2の正面中央後方に着脱自在に搭載された本体(胴体)3と、この本体3の上方に回動可能(前後方向に傾斜可能なものも含む)に設けられた表示部4と、磁気カードリーダ5とを備えている。ここで、セルフPOSシステム1でいう「システム(system)」は、複数の要素が有機的に関係しあい、全体としてまとまった機能を発揮している要素の集合体としての意味で使用している。従って、セルフPOSシステムは、前記台座2、本体(胴体)3、表示部4、磁気カードリーダ5の集合体としてのものである。また、本体(胴体)3は、以下本体としても用いる。
【0023】
台座2は、本実施形態では略2mmほどの板金板で構成されており、図示せぬ架台上に載置することができる。そして、この台座2は、本体(胴体)3の底面よりも大きく構成されているので安定的に設置できるとともに設置場所に購入商品を置くスペースを確保することができる。なお、詳細については後述する。
【0024】
本体(胴体)3は、その底面の大きさがほぼA4サイズの設置面積となるように構成されており、上記台座2を取り外すことによってA4サイズの大きさで搭載することができるので、架台(図示せず)の大きさも小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。この場合、正面の幅がA4サイズの幅の短い方の大きさとし、奥行き方向をA4サイズの幅の長い方の大きさとしている。しかして、本発明に係るセルフPOSシステム1は、図1及び図2に示すように、スキャンエリアSと、決済エリアJとを区別し、スキャンエリアSと決済エリアJを構成する構成品を分離してコンパクトにまとめた点に特徴を有するものである。
【0025】
本体(胴体)3は、本体(胴体)3の一番下に設けられたレシートプリンタ6と、このレシートプリンタ6の上部に商品のバーコードを読み取るために設けられた固定スキャナ7と、この固定スキャナ7の上部に図2に示すように、前方に張り出して設けられた電子マネーマルチリーダ(複数規格対応の非接触ICカードリーダ)8(以下、マルチリーダという。)が配されている。
【0026】
上記レシートプリンタ6は、図2に破線で示すように、レシート用紙交換時には、前方に引き出すことができるように構成されている。また、固定スキャナ7は、内部に内蔵されたレーザの光源(図示せず)からのレーザ光が台座2の前面端部、先端tからLの範囲内で照射することができるようにレーザ光の照射角度が斜めになるように設けられている。このレーザ光は、バーコードを瞬時に読みとることができるように複数のレーザ光が照射される。要するに、レーザ光は、台座2の先端tからはみ出すことがないように設定されている。本実施形態では、幾つかのミラーで反射される構成を採用している。そして、本実施形態では、固定スキャナ7を台座2の前面側に斜めに照射することとしたことによって、図3に示すように、顧客が購入した購入商品を台座2(若しくは台座2がない時は架台(図示せず))上にそのまま置けばよい。したがって、購入商品が安定して台座2上に置かれることによって固定スキャナ7のレーザ光によってバーコードが確実に読みとられる。また、本実施形態は、図4に示すように、固定スキャナ7のレーザ光が照射される前面側は、通常購入商品が置かれる場所であるから所定のスペースが確保されている領域、すなわち空き領域であるからレシートプリンタ6は、レシート用紙交換時には、その空き領域を利用して前方に引き出すことができるように構成して装置のコンパクト化を図っている。
【0027】
また、本体(胴体)3の固定スキャナ7の上部には、固定スキャナ7の光をひさしのように遮るようにマルチリーダ8が設置されている。図5に示すように、マルチリーダ8は、本体(胴体)3の基端部に対して上面が約10度傾斜するように形成されている。例えば、顧客がICカードで決済処理する場合には、マルチリーダ8の上面で非接触にかざすことによって読みとることができ、また、携帯電話機のように電子マネーを蓄積しているような機器で決済処理する場合には所定の金額を読み取り決済して携帯電話機側にも情報を書き込む操作処理をするのであるが、上面が傾斜面でなく平らな面である場合には顧客がICカードや携帯電話機を置き忘れることもあるので、このような置き忘れを防ぐ効果もある。また、本実施形態では、ICカードや携帯電話機の置き忘れを防ぐと共にマルチリーダ8の上面に仮に置かれた場合にも下方に落下を防ぐ落下防止ガイド8aを備えている。この落下防止ガイド8aは、上方に一定の幅で突起状に出たガイドで構成しているが、このガイドに代えて滑り止めなどの部材を用いてもよい。また、マルチリーダ8の上面が約10度傾斜するようにしたのは、前述した落下防止のみではなく、例えば車いすを使用する顧客などが決済するような場合にも前方側に傾斜していることによって決済処理をしやすくするという利点を有している。
【0028】
次に、マルチリーダ8の上部、すなわち本体(胴体)3の上方に回動可能(前後方向に傾斜可能なものも含む)に設けられた表示部4と、この表示部4の側面に固定して設けられた磁気カードリーダ5が設けられている。
【0029】
表示部4は、図6に示すように、タッチパネル式の液晶ディスプレイ(以下、ディスプレイという)4aを備えており、このディスプレイ4aによって固定スキャナ7や磁気カードリーダ5で処理された情報によって種々の情報を表示することができる。また、表示部4には、音声などで告知するスピーカーなども備えられている。これらの表示部4での表示や、音声などで告知するスピーカーなどによって告知手段を構成している。
【0030】
また、磁気カードリーダ5は、クレジットカードや会員カードなどで処理する場合に使用されるものであって、磁気クレジットカードなどは磁気カードリーダ5で処理され、会員カードなどを利用してポイント蓄積や割引処理される場合などはマルチリーダ8との併用で使用されることとなる。
【0031】
そして、ディスプレイ4aには、決済を行うことができる「お支払い」ボタン4bの表示を押すことによって決済処理することができる。
【0032】
そして、本実施形態は、図6及び図7に示すように、スキャンエリアS(台座2、レシートプリンタ6、固定スキャナ7)と、決済エリアJ(マルチリーダ8、表示部4、磁気カードリーダ5)とを分離して構成した点に特徴を有している。すなわち、このように構成することによって購入商品のバーコードを読みとらせる場合には、顧客の視線をスキャンエリアSに集中させて目線を動かさずに処理させることができ、また、決済エリアJの領域で処理する場合には、顧客の目線を動かさずに磁気カードリーダ5、マルチリーダ8、ディスプレイ4aから目線を動かすことなく集中して処理させることができ、誤操作を防止することができる。
【0033】
また、本実施形態では、図6に示すように、ディスプレイ4a内に表示される「お支払い」ボタン4bに対して、マルチリーダ8と磁気カードリーダ5とのそれぞれの距離を目線を動かすことがないような近い距離に配置したことによって、誤操作もなく決済処理に必要な機器だけに集中させることができるようにした点に特徴を有している。そして、図7にも示すように、身長の異なる顧客が決済エリアJの領域内で処理する場合にも「お支払い」ボタン4bと、マルチリーダ8、磁気カードリーダ5のそれぞれを近い配置としたことによって容易に決済処理を行うことができるものである。
【0034】
次に、本実施形態では、図2に斜線で示したように、本体(胴体)3と、磁気カードリーダ5に色彩を施した点に特徴を有している。要するに、顧客がセルフPOSシステム1を操作する場合に、操作の必要な箇所を色彩を付すことによって注意喚起させて誤操作の防止と操作性を向上させようとするものである。この色彩に変えて同様の効果を奏する場合には色彩以外のものを用いてもよいし、他の手段を併用するようにしてもよいことは勿論である。
【0035】
次に、本実施形態の特徴である台座2の詳細について、図8を参照して説明する。
【0036】
図8に示すように、台座2の上面には、固定スキャナ7のレーザが照射される前面の照射スキャンエリア2a1と、レーザが照射される前で購入商品がスキャンされる前のスキャン前2a2と、照射スキャンエリア2a1でレーザが照射された後の購入商品が置かれるスキャン済2a3とを識別できるようにした点に特徴を有している。
【0037】
このような照射スキャンエリア2a1と、スキャン前2a2と、スキャン済2a3の領域を設けることによって顧客が購入商品をスキャンしたかどうかを判別できるようにすることができ、購入商品を2度スキャンする誤操作を防止することができるようにした点に特徴がある。
【0038】
そして、本実施形態によれば、購入商品を固定スキャナ7で2度以上読みとらせることを防止するために、上記照射スキャンエリア2a1と、スキャン前2a2と、スキャン済2a3の領域を設けるのみでなく、固定スキャナ7側でも対策が施されている。すなわち、固定スキャナ7でバーコードを読みとる場合、同じバーコードであれば重ねて商品のカウントがされるのであるが、この場合購入商品が台座2上に置かれて、照射スキャンエリア2a1からスキャン済2a3エリアに移動する際に所定の時間間隔を空けてスキャンするようにしている。その結果、顧客が購入商品を移動する際の商品の振動などがあってもバーコードを重ねて読みとらないようにしている。この所定の時間間隔は、約2〜3秒程度で設定されている。
【0039】
また、本実施形態における、セルフPOSシステム1は、通常販売員が近くにいないことがあるためレシートプリンタ6の用紙切れの場合も起こりうる。そのため、用紙切れが起こりそうな場合には予めスピーカーやディスプレイ上などにアラームが表示されるような構成としてレシート用紙切れ告知手段を備えている。このレシート用紙切れ検出は、本実施形態の場合レシート用紙長が分かっているので、そのレシート用紙長から1回転あたりの用紙長で割った値を演算処理して検出するようにしているが、その他の手段を用いてもよいことは勿論である。
【0040】
次に、本発明に係るセルフPOSシステム1の動作について説明する。
【0041】
まず、顧客は自分が購入希望する商品を持って(またはカゴに入れて)セルフPOSシステム1の前に精算のためやってくる。
【0042】
セルフPOSシステム1の台座2上には、右側のエリア、例えば黄色の色彩を施した枠の中に「スキャン前2a2」が表示され、本体(胴体)3正面のエリア、例えば青色の色彩を施した枠の中に「照射スキャンエリア2a1」が表示され、左側のエリア、例えば緑色の色彩を施した枠の中に「スキャン済み2a3」と表示されているので、右側のスキャン前のエリアに購入商品を置く。その後、商品を1つずつ照射スキャンエリア2a1に移動させてバーコードを読み取らせていく。
【0043】
図7に示すように、スキャンエリアSは、バーコードを読み取るためにレーザ光が照射されている範囲を含むものであるが、本実施形態では、固定スキャナ7、レシートプリンタ6を含む領域として説明している。
【0044】
また、図2及び図3に示すように、台座2の先端t手前までぎりぎりに照射してはみ出すことがないようにすることにより、顧客がしゃがんだときなど下から固定スキャナ7を見上げた際にも、レーザ光を直接見ることを防止することができる。また、弁当などの大型商品でもセルフPOSシステム1本体の前に置くことで確実にバーコードを読み取らせることが可能になり、顧客の使い勝手を向上させることが可能になっている。
【0045】
また、商品のスキャンエリアSはスキャン前2a2、スキャン済2a3のエリアと高さが同じため、顧客は商品を持ち上げることなくバーコードのスキャンを確実かつ容易に行うことができる。
【0046】
また、固定スキャナ7は2度読み防止機能を持ち、商品の二重計上を防いでいる。顧客は、商品のスキャンを全て終了すると商品の精算を行う。
【0047】
図6及び図7に示すように、決済エリアJは、顧客の目線にちょうど良い高さ位置に設置されており、顧客は大型のディスプレイに表示された精算金額を確認した後、マルチリーダ8で決済を行う。マルチリーダ8は、背の低い顧客にも精算が楽なように約10度の角度を持って斜めに設置されている。また手の不自由な顧客も利用が可能なように電子マネーを置いた状態での精算も可能なように落下防止ガイドも設置している。
【0048】
顧客の精算が終了すると、レシートプリンタ6からレシートが印字されて出てくる。レシート用紙が無くなった場合、照射スキャンエリア2a1をフラットな構成にしているため、本体前面の照射スキャンエリア2a1にレシートプリンタ6を前面に引き出して簡単にレシート用紙の交換ができる。顧客は精算が終了するとセルフPOSシステム1の左側に置かれた精算済み商品を持って帰宅する。
【0049】
以上のように構成したことから、本発明によれば、次のような効果を奏し、それらを例示する。
(1)固定スキャナ及びマルチリーダを本体に内蔵して目線の移動が少ないスムーズな操作性が可能である。
(2)本体の右から左へ商品をスキャンすることで、スキャン前後の商品置き場が区別され不正を抑制する効果もある。
(3)小型で設置面積の狭小設置が可能になり、コンパクトで設置場所も変更容易である。
(4)スキャナを本体中心に内蔵するため読取位置が分かりやすい。
(5)商品置き場からの移動距離も短く、お客様の視線もスキャンに集中できる。
(6)カウンターからレーザがはみ出さないため、お子様など背の低い来店客がいても安心して使用が可能である。
(7)マルチリーダ(非接触ICカードリーダ)を本体中心に内蔵するため決済する位置が分かりやすい。
(8)画面の「お支払」ボタンと決済手段との移動距離が短い。
(9)セルフPOSを薄く広い台座で固定したので高さに影響しない。
【0050】
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が適宜可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 セルフPOSシステム
2 台座
2a1 照射スキャンエリア
2a2 スキャン前
2a3 スキャン後
3 本体(胴体)
4 表示部
4a 液晶ディスプレイ
4b 「お支払い」ボタン
5 磁気カードリーダ
6 レシートプリンタ
7 固定スキャナ
8 電子マネーマルチリーダ(非接触ICカードリーダ)/マルチリーダ
8a 落下防止ガイド
100 セルフPOS
101 台座
101b 購入商品
102 金銭処理部
103 スキャナ支持部
103a スキャナ
104a 磁気カードリーダ
104b ディスプレイ
200 セルフPOS
201 台座
202 スキャナ
203 リーダライタ
204 支持部
205 表示部
J 決済エリア
S スキャンエリア
t 台座の先端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が商品登録して精算を行うセルフPOSシステムにおいて、
顧客側方向に張り出すように設けられ、非接触で決済を行うときに使用するマルチリーダの下部に、商品登録を行うときに使用する固定スキャナを配置して、前記固定スキャナから、レーザ光を顧客側方向斜め下に照射すること
を特徴とするセルフPOSシステム。
【請求項2】
前記セルフPOSシステムは、レシートプリンタと前記固定スキャナと前記マルチリーダとを収容する本体を有し、前記レシートプリンタは、前記固定スキャナの下部に、レシート用紙交換時に顧客側方向に引き出して用紙の交換が可能であるように収容されていること
を特徴とする請求項1に記載のセルフPOSシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−59300(P2012−59300A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−279799(P2011−279799)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【分割の表示】特願2008−250940(P2008−250940)の分割
【原出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】