説明

セルロースパルプの漂白助剤及び漂白セルロースパルプの製造方法

【課題】
漂白剤の使用量を大幅に低減でき、環境への悪影響が少ない漂白が実現できる漂白助剤を提供することである。
【解決手段】
二酸化塩素によるセルロースパルプの漂白に用いられる漂白助剤であって、
溶解度パラメーターが14〜24の水溶性高分子(A)を含有してなることを特徴とする漂白助剤を用いる。さらに界面活性剤(B)を含有することが好ましい。(B)はHLB6〜18のノニオン性界面活性剤(B1);スルホ基、スルホオキシ基又はホスホノ基の少なくとも1種を有するアニオン性界面活性剤(B2);並びに両性界面活性剤(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。(A)はポリビニルアルコールが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセルロースパルプの漂白助剤及び漂白セルロースパルプの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境への悪影響を考慮して、セルロースパルプの漂白に二酸化塩素等を使用するケースが増えているが、二酸化塩素は塩素等に比べて薬品単価が高く、できるだけ少ない使用量で所望の白色度まで漂白したいという要望が強い。そこで、二酸化塩素漂白工程に、ホルマリン等の還元剤を添加し、二酸化塩素から副生する亜塩素酸塩を二酸化塩素に再生し、二酸化塩素の使用量を削減する方法が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特表2002−506935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ホルマリン等の還元剤を用いても漂白効率(漂白剤の使用量の低減率)が十分ではない。また、ホルマリンのような物質を漂白工程に使用することは、環境上好ましくない。すなわち、本発明の目的は、二酸化塩素の使用量を大幅に低減でき、環境への悪影響が少ない漂白が実現できる漂白助剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の漂白助剤の特徴は、二酸化塩素によるセルロースパルプの漂白に用いられる漂白助剤であって、溶解度パラメーターが14〜24の水溶性高分子(A)を含有してなる点を要旨とする。
また、本発明の漂白セルロースパルプの製造方法の特徴は、セルロースパルプスラリーに、二酸化塩素及び上記の漂白助剤を添加してセルロースパルプを漂白する漂白工程を含む点を要旨とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の漂白助剤は、著しく高い漂白効率(漂白剤の使用量の低減率)を達成でき、漂白剤の使用量を大幅に低減できる。また、本発明の漂白助剤は、環境への悪影響が少なく、漂白剤の使用量低減効果と併せて、環境に優しい漂白を実現できる。
また、本発明の漂白セルロースパルプの製造方法は、上記の漂白助剤を使用することにより、著しく高い漂白効率(漂白剤の使用量の低減率)を達成でき、漂白剤の使用量を大幅に低減できる。さらに、本発明の製造方法は環境への悪影響が少ないという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
溶解度パラメーター(SP値)は、次式(1)に示すように、モル蒸発熱とモル体積との比の平方根で表される値である。
【数1】



ただし、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal)を、Vはモル体積(cm)を表す。
また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND FEBRUARY,1974, Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱(△e)の合計(ΔH)とモル体積(△v)の合計(V)を用いることができる。
【0007】
水溶性高分子(A)の構成単量体が1種類の場合、SP値は構成単量体のSP値と同じになる。水溶性高分子(A)の構成単量体が2種以上の場合、SP値は、各構成単量体のSP値にモル分率を乗じた値の総和となる。
【0008】
水溶性高分子(A)のSP値は、14〜24であり、好ましくは15〜23、さらに好ましくは16〜22、特に好ましくは17〜19.5である。この範囲であると、漂白効率がさらに良好となる。
【0009】
本発明において、水溶性高分子とは、上記のSP値を持つ高分子を意味する。すなわち、水溶性とは、SP値が上記の範囲である性質を意味する。
水溶性高分子(A)としては、水溶性アニオンポリマー、水溶性ノニオンポリマー、水溶性カチオンポリマー及び水溶性両性ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーが含まれる。
【0010】
水溶性アニオンポリマーとしては、アニオン性基を1分子中に少なくとも1個有する水溶性ポリマーであればよく、水溶性アニオンラジカル重合体、水溶性アニオン非ラジカル重合体及び水溶性アニオン天然ポリマー等が含まれる。
【0011】
水溶性アニオンラジカル重合体は、アニオン性ビニル単量体(a1)を必須構成単量体としてなる重合体が含まれる。
アニオン性ビニル単量体(a1)としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
(a1−1)カルボキシ基含有ビニル単量体
モノカルボン酸{不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸及び桂皮酸等]及び不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル及びイタコン酸モノアルキルエステル等]
ジカルボン酸{マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸等}
【0012】
(a1−2)スルホ基含有ビニル単量体
炭素数2〜6のアルケンスルホン酸{ビニルスルホン酸及び(メタ)アリルスルホン酸等}
炭素数6〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸{スチレンスルホン酸及びα−メチルスチレンスルホン酸等}
スルホ基含有(メタ)アクリルエステル{スルホプロピル(メタ)アクリレート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸等}
スルホ基含有(メタ)アクリルアミド{2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等}
スルホ基と水酸基とを含有するビニル単量体{3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等}
アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸エステル{ドデシルアリルスルホコハク酸エステル等}
【0013】
(a1−3)スルホオキシ基含有ビニル単量体
ポリ(重合度2〜30)オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン及び/又はオキシブチレン:ランダム、ブロックのいずれでもよい。以下同様である。)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル、ポリ(重合度2〜30)オキシアルキレンビスフェノールAモノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル等
【0014】
(a1−4)ホスホノ基含有ビニル単量体
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(アルキルの炭素数2〜6)燐酸モノエステル{(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等}
(メタ)アクリロイルオキシホスホン酸{2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等}
【0015】
アニオン性ビニル単量体としては、塩{1価金属塩、2価金属塩、アミン塩又はアンモニウム塩、以下同じ。}であってもよい。
1価金属としては、アルカリ金属(ナトリウム及びカリウム等)が挙げられる。
2価金属としては、アルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)及び亜鉛等が挙げられる。 アミンとしては、モノ−、ジ−又はトリ−アルキル(炭素数1〜8)アミン{モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等};モノ−、ジ−又はトリ−アルカノール(炭素数1〜8)アミン{モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン及びジイソプロパノールアミン等};及び複素環アミン{ピリジン及びモルホリン等}が挙げられる。
【0016】
水溶性アニオンポリマーを構成する単量体としては、アニオン性ビニル単量体(a1)以外に、ノニオン性ビニル単量体(a2)及びその他の単量体(a3)を含んでもよい。
ノニオン性ビニル単量体(a2)としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
【0017】
(a2−1)カルバモイル基含有ビニル単量体
非置換又はモノアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド{(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−i−プロピル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はi−ブチル(メタ)アクリルアミド等}
ジアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド{N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジn−ブチル(メタ)アクリルアミド等}
N−ビニルカルボン酸アミド{N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−又はi−プロピオニルアミド及びN−ビニルヒドロキシアセトアミド等}
【0018】
(a2−2)ヒドロキシ基含有ビニル単量体
ヒドロキシ基含有芳香族ビニル単量体{p−ヒドロキシスチレン等}
ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等}
モノ−またはジ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド{N,N−ジヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等}
酢酸ビニル{加水分解によりビニルアルコール単位を形成できる。}
炭素数3〜12のアルケノール{(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−オクテノール及び1−ウンデセノール等}
炭素数4〜12のアルケンジオール{1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1,4−ジオール等}
ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル{2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル等}
多価(3〜8価)アルコール{アルカンポリオール、この分子内又は分子間脱水物、糖類;グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン及び蔗糖等)のアルケニル(炭素数3〜10)エーテル又は(メタ)アクリレート{蔗糖(メタ)アリルエーテル等}
【0019】
(a2−3)ポリオキシアルキレン鎖含有ビニル単量体
ポリオキシアルキレングリコール(オキシアルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)の(メタ)アクリレート{ポリオキシエチレングリコール(数平均分子量100〜300)モノ(メタ)アクリレート及びポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量130〜500)モノ(メタ)アクリレート等}
ポリオキシアルキレングリコールアルキルモノエーテル(オキシアルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)の(メタ)アクリレート{メトキシポリオキシエチレングリコール(数平均分子量110〜310)(メタ)アクリレート及びラウリルアルコールエチレンオキシド付加物(2〜30モル)(メタ)アクリレート等}
ポリオキシアルキレンポリオール{多価アルコールのポリオキシアルキレンエーテル(アルキル基の炭素数2〜4、重合度2〜100)等}の(メタ)アクリレート{モノ(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン(数平均分子量150〜230)ソルビタン等}
【0020】
その他の単量体(a3)としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
(a3−1)エポキシ基含有ビニル単量体
グリシジル(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アリルエーテル等
【0021】
(a3−2)ハロゲン原子含有ビニル単量体
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(ジクロロスチレン等)等
【0022】
(a3−3)ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン
飽和脂肪酸(炭素数2〜12)のビニルエステル{酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びオクタン酸ビニル等}
アルキル、アリール又はアルコキシアルキル(炭素数1〜12)とビニルとのビニルエーテル{メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル及びビニル2−ブトキシエチルエーテル等}
アルキル又はアリール(炭素数1〜8)とビニルとのビニルケトン{ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等}
【0023】
(a3−4)不飽和カルボン酸エステル
不飽和モノカルボン酸{(メタ)アクリル酸及びクロトン酸等}アルキル(アルキルの炭素数1〜30)エステル{炭素数1〜30のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−又はi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、i−又はt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びエイコシル(メタ)アクリレート等}
不飽和モノカルボン酸{(メタ)アクリル酸及びクロトン酸等}シクロアルキル(炭素数5〜30)エステル{炭素数5〜30のシクロアルキル基を有するシクロアルキル(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−メチル−シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート及びアダマンタニル(メタ)アクリレート等}
不飽和モノカルボン酸{(メタ)アクリル酸及びクロトン酸等}アラルキル(炭素数7〜30)エステル{炭素数7〜30のアラルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート及びフェネチル(メタ)アクリレート等}
不飽和ジカルボン酸{マレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等}アルキル(アルキルの炭素数1〜8)ジエステル{ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート及びジオクチルマレエート等}
【0024】
(a3−5)ビニル基含有炭化水素
炭素数2〜20のアルケン{エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等}
炭素数4〜12のアルカジエン{ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6ヘプタジエン及び1,7−オクタジエン等}
炭素数6〜30の脂環式炭化水素{シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等}
芳香族炭化水素{スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレン、4−クロチルベンゼン及び2−ビニルナフタレン等}
【0025】
(a3−6)シアノ基又はニトロ基含有ビニル単量体
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及び4−ニトロスチレン等
【0026】
水溶性アニオンラジカル重合体のうち、SP値が14〜24となる具体例としては、(1)アニオン性ビニル単量体(a1)のうちSP値が14〜24の単量体のみからなる重合体{たとえば、ポリマレイン酸ジナトリウム(SP値=16.2)、ポリイタコン酸ジナトリウム(SP値=15.1)、ポリ3−アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(SP値=16.3)等};(2)アニオン性ビニル単量体(a1)のみからなる共重合体である重合体{たとえば、ポリ(マレイン酸ジナトリウム/アクリル酸ナトリウム:モル比50/50)共重合体(SP値=15.2)及びポリ(マレイン酸ジナトリウム/ビニルスルホン酸ナトリウム:モル比50/50)(SP値=14.7)等};(3)アニオン性ビニル単量体(a1)とノニオン性ビニル単量体(a2)とからなる共重合体{アクリル酸ナトリウム/アクリルアミド(モル比40/60)共重合体(SP値=17.2)及びアクリル酸ナトリウム/ヒドロキシエチルメタクリレート(モル比90/10)(SP値=14.2)等};(4)重合後に変性して新たなアニオン性基を導入した重合体{たとえば、(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリロニトリルを必須構成単量体としてなる重合体を加水分解(過酸化水素水溶液及び/又はアルカリ性化合物水溶液による加水分解等)してカルボキシ基を導入した重合体}等が挙げられる。
【0027】
ノニオン性ビニル単量体(a2)単位を含む場合、アニオン性ビニル単量体(a1)単位とノニオン性ビニル単量体(a2)単位との含有割合{(a1)/(a2)}(重量比)は、99/1〜1/99が好ましく、さらに好ましくは95/5〜5/95、特に好ましくは90/10〜10/90である。
また、その他の単量体(a3)単位を含む場合、アニオン性ビニル単量体(a1)単位とその他の単量体(a3)単位との含有割合{(a1)/(a3)}(重量比)は、99/1〜60/40が好ましく、さらに好ましくは95/5〜70/30、特に好ましくは90/10〜80/20である。
また、アニオン性ビニル単量体(a1)単位及びその他の単量体(a3)単位を含む場合、ノニオン性ビニル単量体(a2)単位とその他の単量体(a3)単位との含有割合{(a2)/(a3)}(重量比)は、99/1〜60/40が好ましく、さらに好ましくは97/3〜70/30、特に好ましくは95/5〜75/25である。
以上の範囲であると、漂白効率がさらに良好となる。
【0028】
水溶性アニオンラジカル重合体の数平均分子量としては、1,500〜1,000万が好ましく、さらに好ましくは2,000〜500万、特に好ましくは3,000〜100万、である。この範囲にあると、漂白効率がさらに良好となる。
なお、数平均分子量はゲルパーミッションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記)を用いて求められる値である(測定条件はたとえば以下のとおりである。)。
<GPC測定条件>
機 種:Waters510(日本ウォーターズ・リミティッド製)
カ ラ ム:TSK gel G5000pwXL及びTSK gel G3000pwXL (いずれも東ソー株式会社製)を直列に結合したカラム
カラム温度:40℃
検 出 器:RI
溶 媒:0.5%酢酸ソーダ・水/メタノール(体積比70/30)
流 速:1.0ml/分
試料濃度 :0.25重量%
注 入 量:200μl
標 準:ポリオキシエチレングリコール (東ソー株式会社製;TSK STANDARD POLYETHYLENE OXIDE)
データ処理装置:SC−8010(東ソー株式会社製)
【0029】
水溶性アニオン非ラジカル重合体としては、アニオン性ホルムアルデヒド樹脂{4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸(塩)ホルマリン縮合体(縮合度2〜200)、ナフタレンスルホン酸(塩)ホルマリン縮合体(縮合度2〜200)及び4−ヒドロキシナフタレンスルホン酸(塩)ホルマリン縮合体(縮合度2〜200)等}{なお、塩としては、塩{1価金属塩、2価金属塩、アミン塩又はアンモニウム塩}が含まれる。};アニオン性基含有ポリエステル{ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分の一部として、スルホ基含有ジカルボン酸(スルホコハク酸、スルホイソフタル酸及び3,5−カルボメトキシベンゼンスルホン酸等)及び/又はスルホ基含有ジオール(2,5−ビスヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸等)を用いて得られる水溶性ポリエステル;たとえば、1,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸とエチレングリコールの縮合物等};アニオン性基含有ポリウレタン{活性水素原子含有成分の一部として、アニオン性基含有化合物(スルホ基、カルボキシ基、スルホネート基又はカルボキシレート基を含有する化合物、例えば、1,3−ジヒドロキシプロパン2−スルホン酸、1,3−ジヒドロキシ2−メチルプロパン2−カルボン酸等)用いてアニオン性基を導入した水溶性ポリウレタン;たとえば、スルホ基含有ポリウレタン(1,3−ジヒドロキシプロパン2−スルホン酸とエチレンジイソシアネートとからなる重合体)、カルボキシ基含有ポリウレタン(1,3−ジヒドロキシ2−メチルプロパン2−カルボン酸とジエチレンジイソシアネートとからなる重合体等}等が挙げられる。
【0030】
水溶性アニオン天然ポリマーとしては、アニオン性多糖類{カルボキシ基含有ポリマー;カルボキシメチルセルロース(メチル基の置換度0.5〜3.0)、カルボキシエチルセルロース(エチル基の置換度0.5〜2.4)、アルギン酸(塩)及びカルボキシメチルキチン等};スルホオキシ基含有ポリマー{コンドロイチン硫酸、硫酸化キトサン、ヒアルロン酸及び硫酸セルロース等};燐酸デンプン;セルロースの無機酸エステル{硝酸セルロース等};アニオン性タンパク質{ポリアスパラギン酸(塩);及び高分子凝集剤{大森英三著、高分子刊行会昭和50年1月10日発行、60〜90頁}等が含まれる。
【0031】
水溶性アニオン性ポリマーのうち、水溶性アニオンラジカル重合体及び水溶性アニオン天然ポリマーが好ましく、さらに好ましくはアニオン性ビニル単位(a1)及びノニオン性ビニル単量体(a2)を有する水溶性アニオンラジカル重合体、アニオン性多糖類及びアニオン性タンパク質、特に好ましくはアニオン性ビニル単位(a1)のみを有する水溶性アニオンラジカル重合体、カルボキシメチルセルロース及びポリアスパラギン酸(塩)である。
【0032】
水溶性ノニオンポリマーとしては、水溶性ノニオンラジカル重合体、水溶性ノニオン非ラジカル重合体及び水溶性ノニオン天然ポリマー等が含まれる。
【0033】
水溶性ノニオンポリマーは、ノニオン性ビニル単量体(a2)を必須構成単量体としてなる重合体が含まれる。
水溶性ノニオンポリマーを構成する単量体としては、ノニオン性ビニル単量体(a2)以外に、その他の単量体(a3)を含んでもよい。
【0034】
その他の単量体(a3)単位を含む場合、ノニオン性ビニル単量体(a2)単位とその他の単量体(a3)単位との含有割合{(a2)/(a3)}(重量比)は、99/1〜65/35が好ましく、さらに好ましくは95/5〜70/30、特に好ましくは90/10〜70/30である。この範囲であると、漂白効率がさらに良好となる。
【0035】
水溶性ノニオンポリマーの数平均分子量としては、1,500〜1,000万が好ましく、さらに好ましくは2,000〜500万、特に好ましくは3,000〜100万、である。この範囲にあると、漂白効率がさらに良好となる。
【0036】
水溶性ノニオンラジカル重合体のうち、SP値が14〜24となる具体例としては、(1)ノニオン性ビニル単量体(a2)のうちSP値が14〜24の単量体のみからなる重合体{たとえば、ポリアクリルアミド(SP値=19.2)、ポリN−ビニルホルムアミド(SP値=17.2)及びポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルのケン化度60〜100モル%、数平均分子量5,000〜200,000、SP値=19.1〜14.2)等};(2)ノニオン性ビニル単量体(a2)及びその他の単量体からなる共重合体である重合体{たとえば、エチレン/酢酸ビニル共重合体のケン化物(SP値=19.0〜14.1)、ブチレン/酢酸ビニル共重合体のケン化物(SP値=18.9〜14.0)、アクルリルアミド/酢酸ビニル共重合体のケン化物(SP値=19.1〜14.5)等}が挙げられる。
【0037】
水溶性ノニオン非ラジカル重合体としては、多価アルコールの脱水縮合物{ポリグリセリン等};水溶性ナイロン樹脂{コハク酸とN,N’ジヒドロキシメチルエチレンジアミンとの縮合体等};水溶性ポリウレタン樹脂{ポリオール成分の一部として、水溶性ポリオール(エチレングリコール、オキシエチレン基を主体とするポリオキシアルキレンポリオール(オキシエチレン基の含量50重量%以上、重合度2〜100)等)を用いて得られる水溶性ポリウレタン樹脂:エチレンジイソシアネートとエチレングリコールとからなる重合体}等が挙げられる。
【0038】
水溶性ノニオン天然ポリマーとしては、ノニオン性多糖類{水溶性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロース等}が挙げられる。
【0039】
水溶性ノニオンポリマーのうち、水溶性ノニオンラジカル重合体が好ましく、さらに好ましくはポリビニルアルコール及びエチレン/酢酸ビニル共重合体のケン化物、特に好ましくはポリビニルアルコールである。
【0040】
水溶性カチオンポリマーとしては、カチオン性基を1分子中に少なくとも1個有する水溶性ポリマーであればよく、水溶性カチオンラジカル重合体、水溶性カチオン非ラジカル重合体及び水溶性カチオン天然ポリマー等が含まれる。
【0041】
水溶性カチオンラジカル重合体は、カチオン性ビニル単量体(a4)を必須構成単量体としてなる重合体が含まれる。
カチオン性ビニル単量体(a4)としては、以下のものが挙げられる。
(a4−1)1〜3級アミノ基含有ビニル単量体
1級アミノ基含有ビニル単量体{炭素数3〜6のアルケニルアミン((メタ)アリルアミン及びクロチルアミン等)、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート(アミノエチル(メタ)アクリレート等)等}
2級アミノ基含有ビニル単量体{アルキル(炭素数1〜6)アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート(t−ブチルアミノエチルメタクリレート及びメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等)、炭素数6〜12のジアルケニルアミン(ジ(メタ)アリルアミン等)等}
3級アミノ基含有ビニル単量体{ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート(ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等)、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリルアミド(ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等)、3級アミノ基含有芳香族ビニル単量体(N,N−ジメチルアミノスチレン等)、含窒素複素環含有ビニル単量体(モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルチオピロリドン等)等};及びこれらの塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、低級カルボン酸塩(炭素数1〜8)等
【0042】
(a4−2)第4級アンモニオ基含有ビニル単量体
1〜3級アミノ基含有ビニル単量体(a4−1)を、4級化剤(炭素数1〜12のアルキルクロライド、炭素数1〜6のジアルキル硫酸、炭素数1〜6のジアルキルカーボネート及びベンジルクロライド等)を用いて4級化したもの等{(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート及びトリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等}が挙げられる。
【0043】
水溶性カチオンラジカル重合体を構成する単量体としては、カチオン性ビニル単量体(a4)以外に、その他の単量体(a3)を含んでもよい。
【0044】
その他の単量体(a3)単位を含む場合、カチオン性ビニル単量体(a4)単位とその他の単量体(a3)単位との含有割合{(a4)/(a3)}(重量比)は、99/1〜60/40が好ましく、さらに好ましくは97/3〜70/30、特に好ましくは95/5〜75/25である。この範囲であると、漂白効率がさらに良好となる。
【0045】
水溶性カチオンポリマーの数平均分子量としては、1,500〜1,000万が好ましく、さらに好ましくは2,000〜500万、特に好ましくは3,000〜100万、である。この範囲にあると、漂白効率がさらに良好となる。
【0046】
水溶性カチオン非ラジカル重合体としては、カチオン性ホルムアルデヒド樹脂{ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物(縮合度3〜500)等};カチオン性基含有水溶性ポリウレタン樹脂{3級アンモニオ基又は4級アンモニオ基を有する水溶性ポリウレタン(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−トリヒドロキシメチルアンモニウムクロライドとジエチレンジイソシアネートとからなる重合体、米国特許第4,271,217号明細書に記載の4級窒素原子含有ポリオールを用いて4級アンモニオ基を導入した水溶性ポリウレタン樹脂、及び特公昭42−19278号公報又は特公昭48−36958号公報に記載のような3級アミノ基含有ポリウレタンをカチオン化(中和又は4級化)してなるもの等}等が挙げられる。
【0047】
水溶性カチオン天然ポリマーとしては、カチオン性多糖類{カチオン化デンプン及びキトサン等};及び高分子凝集剤{大森英三著、高分子刊行会昭和50年1月10日発行、35〜59頁}等が含まれる。
【0048】
水溶性カチオンポリマーのうち、水溶性カチオンラジカル重合体、水溶性カチオン天然ポリマーが好ましく、さらに好ましくは水溶性カチオンラジカル重合体、特に好ましくはカチオン化デンプンである。
【0049】
水溶性両性ポリマーとしては、カチオン性基及びアニオン性基を1分子中に少なくとも1個有する水溶性ポリマーであればよく、水溶性両性ラジカル重合体及び水溶性両性天然ポリマー等が含まれる。
【0050】
水溶性両性ラジカル重合体は、アニオン性ビニル単量体(a1)及びカチオン性ビニル単量体(a4)を必須構成単量体としてなる重合体が含まれる。
カチオン性ビニル単量体(a4)単位とアニオン性ビニル単量体(a1)単位との含有割合{(a4)/(a1)}(重量比)は、5/95〜95/5が好ましく、さらに好ましくは等電点付近(当量比60/40〜40/60)から外れた割合、すなわち5/95〜40/60及び60/40〜95/5、特に好ましくは10/90〜30/70及び70/30〜90/10である。この範囲であると、漂白効率がさらに良好となる。
【0051】
水溶性両性ラジカル重合体を構成する単量体としては、アニオン性ビニル単量体(a1)及びカチオン性ビニル単量体(a4)以外に、その他の単量体(a3)を含んでもよい。
その他の単量体(a3)単位を含む場合、アニオン性ビニル単量体(a1)及びカチオン性ビニル単量体(a4)とその他の単量体(a3)単位との含有割合{(a1)+(a4)/(a3)}(重量%)は、99/1〜60/40が好ましく、さらに好ましくは79/3〜70/30、特に好ましくは95/5〜80/20である。この範囲であると、漂白効率がさらに良好となる。
【0052】
水溶性両性ラジカルポリマーの数平均分子量としては、1,500〜1,000万が好ましく、さらに好ましくは2,000〜500万、特に好ましくは3,000〜100万である。この範囲にあると、漂白効率がさらに良好となる。
【0053】
水溶性両性天然ポリマーとしては、ゼラチン、ニカワで代表される水溶性タンパク質等が挙げられる。
【0054】
水溶性両性ポリマーのうち、(a1)及び(a4)からなる水溶性両性ラジカル重合体、水溶性両性天然ポリマーが好ましく、さらに好ましくは水溶性両性天然ポリマー、特に好ましくはゼラチンである。
【0055】
水溶性高分子(A)のうち、水溶性アニオンポリマー及び水溶性ノニオンポリマーが好ましく、さらに好ましくは水溶性アニオンラジカル重合体、水溶性アニオン天然ポリマー及び水溶性ノニオンラジカル重合体、特に好ましくはアルギン酸(塩)、ポリアスパラギン酸(塩)、カルボキシメチルセルロース、ポリマレイン酸(塩)、ポリイタコン酸(塩)、アクリルアミド/アクリル酸(塩)共重合体、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミド、最も好ましくはポリビニルアルコール及びポリアクリルアミドである。
【0056】
水溶性高分子(A)の数平均分子量は、1,500〜1,000万が好ましく、さらに好ましくは2,000〜500万、特に好ましくは3,000〜100万、である。この範囲にあると、漂白効率がさらに良好となる。
【0057】
水溶性高分子(A)のうち、ラジカル重合体は、通常行われているラジカル重合法(塊状重合、溶液重合、懸濁重合及び乳化重合等)により製造することができる。また、非ラジカル重合体は通常行われている重合反応(脱水重合、付加重合等)により製造することができる。また、天然ポリマーは、天然物からの抽出物又は精製物等をそのまま使用できる。また、公知の化学反応(メチル化反応及びヒドロキシエチル化等)により変性等してもよい。
【0058】
本発明の漂白助剤は、水溶性高分子(A)以外に、界面活性剤(B)を含むことが好ましい。界面活性剤(B)を含むと、二酸化塩素のセルロースパルプへの浸透性を高め、漂白がさらに促進される。
【0059】
界面活性剤(B)としては、公知のもの等が使用でき、たとえば、特開2002−180391号公報に記載されたノニオン界面活性剤(B1)、アニオン界面活性剤(B2)、両性界面活性剤(B3)及びカチオン界面活性剤(B4)が含まれる。これらのうち、ノニオン界面活性剤(B1)、アニオン界面活性剤(B2)及び両性界面活性剤(B3)が好ましく、さらに好ましくはノニオン界面活性剤(B1)及びアニオン界面活性剤(B2)、特に好ましくはノニオン界面活性剤(B1)、最も好ましくはポリオキシアルキレンアルキル(炭素数4〜24)エーテル、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数4〜24)フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数4〜24)アミド及びポリエーテル変性シリコーンである。
【0060】
界面活性剤(B)のHLBは、6〜18が好ましく、さらに好ましくは7〜17、特に好ましくは8〜16である。この範囲であると、より高い浸透効果が得られ、さらに漂白効率が良好となる。
ここで、HLBは有機性と無機性のバランスを示し、Hydorophile−Liophile Balanceの略である。HLBは、小田法による数値であり、有機性と無機性を示す数値(小田、寺村著「界面活性剤の合成と其応用」501頁、槇書店)を合計することによって計算できる。
【0061】
界面活性剤(B)を含有する場合、界面活性剤(B)の含有量(重量%)は、水溶性高分子(A)の重量に基づいて、0.01〜80が好ましく、さらに好ましくは0.1〜70、特に好ましくは0.5〜60である。
【0062】
本発明の漂白助剤には、必要によりさらに、消泡剤(C)、溶媒(D)及び/又はその他の添加剤(E)を含有してもよい。
消泡剤(C)としては、公知の消泡剤{ポリエーテル消泡剤、動植物鉱物油消泡剤、シリコーン消泡剤及びワックスエマルション消泡剤等}等が使用できる。
消泡剤(C)を含有する場合、消泡剤(C)の含有量(重量%)は、水溶性高分子(A)の重量に基づいて、0.001〜30が好ましく、さらに好ましくは0.01〜10、特に好ましくは0.1〜5である。
【0063】
溶媒(D)としては、水又は水と親水性有機溶剤との混合溶媒等が含まれる。
親水性有機溶剤としては、炭素数4〜8のエステル{酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート及びエチルセロソルブアセテート等}、炭素数4〜8のエーテル{エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等}、炭素数3〜8のケトン{アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等}、炭素数1〜8のアルコール{メタノール、エタノール、n−又はi−プロパノール、n−、i−又はt−ブタノール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコール等}、及び炭素数5〜8の複素環式化合物{N−メチルピロリドン等}等が挙げられる。これらのうち、水、水とエーテルとの混合溶媒及び水とアルコールとの混合溶媒が好ましく、特に好ましくは水である。
溶媒として、水と親水性有機溶剤との混合溶媒を用いる場合、水/親水性有機溶剤の含有重量比は、1〜200が好ましく、さらに好ましくは1.5〜100、特に好ましくは2〜50である。
溶媒(D)を含有する場合、溶媒(D)の含有量(重量%)は、水溶性高分子(A)の重量に基づいて、1〜10000が好ましく、さらに好ましくは20〜5000、特に好ましく50〜3000である。
【0064】
その他の添加剤としては、公知の添加剤{分散剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、表面サイズ剤、流動性改良剤、潤滑剤、湿潤剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消臭剤、香料、染料、填料、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、キレート剤及び/又は防腐剤等}等が含まれる。
その他の添加剤を含有する場合、その他の添加剤の含有量(重量%)は、水溶性高分子(A)の重量に基づいて、1×10−3〜5が好ましく、さらに好ましくは1×10−2〜2、特に好ましくは0.1〜1である。
【0065】
本発明の漂白助剤が水溶性高分子(A)以外の構成成分を含む場合、本発明の漂白助剤は、水溶性高分子(A)、並びに界面活性剤(B)、消泡剤(C)、溶媒(D)及び/又はその他の添加剤(E)を均一混合することにより得られる。また、界面活性剤(B)、消泡剤(C)、溶媒(D)及び/又はその他の添加剤(E)の存在下に、重合反応させて水溶性高分子(A)を得てもよい。
【0066】
本発明の漂白助剤は、水溶性高分子(A)と界面活性剤(B)とを別々に、同じ工程で添加してもよく、また別工程で添加してもよい。
本発明の漂白助剤を添加する工程は、酸素漂白工程、酸素漂白工程後の洗浄工程、二酸化塩素漂白工程、二酸化塩素漂白工程後の洗浄工程、二酸化塩素漂白後のアルカリ抽出工程のうちいずれでもよい。これらのうち、酸素漂白工程、酸素漂白工程後の洗浄工程及び二酸化塩素漂白工程が好ましく、さらに好ましくは二酸化塩素漂白工程の前段である。
また、パルプスラリーに添加しても、洗浄工程の濾液に添加してもよい(パルプスラリーに添加することが好ましい。)。また、複数の工程に添加しても、一つの工程に添加してもよい。また、本発明の漂白助剤は、水に希釈してから添加してもよく、また連続添加もしくは断続添加を行ってもよい。
本発明の漂白セルロースパルプの製造方法において、セルロースパルプスラリーに、二酸化塩素及び上記の漂白助剤を添加してセルロースパルプを漂白する漂白工程を含むことが好ましい。
【0067】
本発明の漂白助剤の添加量(重量%)は、水溶性高分子(A)の量がセルロースパルプの絶乾重量(%)に基づいて、1×10−5〜4となる量が好ましく、さらに好ましくは1×10−4〜2、特に好ましくは1×10−3〜0.5となる量である。この範囲であると、漂白効率がさらに良好となる。
なお、絶乾重量とは、105℃で恒量になるまで乾燥した後の重量を意味する(以下、同じである。)。
【0068】
二酸化塩素の添加量(重量%)は、セルロースパルプの絶乾重量に基づいて、0.01〜4が好ましく、さらに好ましくは0.1〜3、特に好ましくは0.5〜2である。
二酸化塩素による漂白温度(℃)は、30〜120が好ましく、さらに好ましくは50〜110、特に好ましくは60〜90である。
二酸化塩素による漂白滞留時間{セルロールパルプと二酸化塩素の接触時間}(分)は、5〜300が好ましく、さらに好ましくは20〜240、特に好ましくは30〜120である。
【0069】
本発明の漂白助剤を適用できるセルロースパルプとしては、化学パルプ{CGP(ケミグランドパルプ)、SCP(セミケミカルパルプ)、SP(サルファイドパルプ)及びKP(クラフトパルプ)等};機械パルプ{GP(砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)及びTMP(サーモメカニカルパルプ)等};古紙パルプ等が含まれる。
【0070】
本発明の漂白助剤を使用してセルロースパルプを二酸化塩素漂白する際、セルロースパルプのスラリー濃度としては、低濃度(10重量%未満)、中濃度(10重量%以上20重量%未満)、高濃度(20重量%以上)のいずれにも適用可能である(中濃度又は高濃度が好ましい。)。
【0071】
漂白時のパルプスラリーのpHは、2.0〜6.0が好ましく、さらに好ましくは2.5〜5.0、特に好ましくは3.0〜4.0である。この範囲にあると、脱リグニン性及び白色度がさらに良好となる。この場合、パルプスラリーのpHを調整するのに使用されるpH調整剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、酢酸、蟻酸及びシュウ酸等が挙げられる。これらのうち、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸及び蟻酸が好ましく、特に好ましくは塩酸、硫酸及び酢酸である。
【0072】
本発明の漂白助剤を使用することによって、二酸化塩素漂白工程の漂白効率が向上し、二酸化塩素の使用量の低減が図れるとともに、高白色度のパルプを得ることができる。また、高白色度のパルプを製造する場合、セルロースパルプ蒸解後の漂白工程には二酸化塩素漂白以外に酸素漂白、塩素漂白、次亜塩素酸漂白、過酸化水素漂白、オゾン漂白又はこれらを組み合わせた漂白等が行われるのが一般的である。本発明の漂白助剤はこのような漂白の前後に二酸化塩素漂白が組み込まれていてもよい。このような漂白が組み合わさった場合、二酸化塩素漂白が効率的であるため二酸化塩素漂白以外で使用する漂白剤の使用量も削減できる。
【実施例】
【0073】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、部及び%は特に断りのない限り重量部及び重量%を意味する。
<製造例1>
窒素雰囲気下、90℃で、水240部及びイソプロピルアルコール80部を攪拌しながら、これに、アクリルアミド53部及びアクリル酸36部の単量体溶液と、過硫酸ナトリウム10%水溶液27部とを別々の容器から同時に5時間かけて滴下した後、同温度で1時間熟成した。引き続き、イソプロピルアルコールを留去した後、水酸化ナトリウム30%水溶液67部で中和した。その後、共重合体の濃度が25%になるよう水を加えて、水溶性高分子{アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムの共重合体(SP値:17.2)}(A1)を得た。
【0074】
<製造例2>
窒素雰囲気減圧下、120℃で、ラウリルアルコール186部(1モル)及び水酸化カリウム0.2部を、1時間脱水した後、150℃で、エチレンオキシド440部(10モル)を、ゲージ圧が1〜3kgf/cmとなるように5時間かけて滴下した。引き続き、同温で1時間熟成して、界面活性剤{ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加体(平均付加モル数:10、HLB値:約13)(B11)を得た。
【0075】
<実施例1>
溶媒{水}(D1)90部及び水溶性高分子{株式会社クラレ製ポリビニルアルコール、PVA217、SP値:17.2}(A2)10部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤1を得た。
【0076】
<実施例2>
溶媒(D1)90部及び水溶性高分子{BAIYER社製ポリアスパラギン酸、ポリアスパラギン酸、SP値:16.5}(A3)10部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤2を得た。
【0077】
<実施例3>
溶媒(D1)90部及び水溶性高分子{ナカライテスク株式会社製アルギン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、SP値:22.8}(A4)10部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤3を得た。
【0078】
<実施例4>
溶媒(D1)90部及び水溶性高分子{花王株式会社製ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、デモールN(デモールは花王株式会社の登録商標である。)、SP値:14.4}(A5)10部を、25℃で均一混合し本発明の漂白助剤4を得た。
【0079】
<実施例5>
溶媒(D1)60部及び水溶性高分子{アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムとの共重合体}(A1)40部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤5を得た。
【0080】
<実施例6>
溶媒(D1)90部及び水溶性高分子{株式会社クラレ製ポリビニルアルコール、PVA L−8、SP値:15.1}(A6)10部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤6を得た。
【0081】
<実施例7>
溶媒(D1)90部及び水溶性高分子{株式会社クラレ製ポリビニルアルコール、PVA 124、SP値:19.1}(A7)10部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤7を得た。
【0082】
<実施例8>
溶媒(D1)90部及び水溶性高分子{ナカライテスク株式会社製デンプン、可溶性デンプン、SP値:23.5}(A8)10部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤8を得た。
【0083】
<実施例9>
溶媒(D1)90部、水溶性高分子(A2)5部及び水溶性高分子(A5)5部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤9を得た。
【0084】
<実施例10>
溶媒(D1)90部、水溶性高分子(A2)5.5部及び界面活性剤{ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加体}(B11)4.4部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤10を得た。
【0085】
<実施例11>
溶媒(D1)90部、水溶性高分子(A2)5.9部及び界面活性剤{ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加体}(B11)4.1部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤11を得た。
【0086】
<実施例12>
溶媒(D1)90部、水溶性高分子(A2)6.3部及び界面活性剤{ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加体}(B11)3.7部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤12を得た。
【0087】
<実施例13>
溶媒(D1)90部、水溶性高分子(A2)10部及び界面活性剤{ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加体}(B11)0.05部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤13を得た。
【0088】
<実施例14>
溶媒(D1)90部、水溶性高分子(A2)10部及び界面活性剤{ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加体}(B11)0.01部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤14を得た。
【0089】
<実施例15>
溶媒(D1)90部、水溶性高分子(A2)10部及び界面活性剤{ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加体}(B11)0.001部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤15を得た。
【0090】
<実施例16>
溶媒(D1)90部、水溶性高分子(A2)8部及び界面活性剤{花王株式会社製ラウリル硫酸ナトリウム、エマール10PT(エマールは花王株式会社の登録商標である。}(B21)2部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤16を得た。
【0091】
<実施例17>
溶媒(D1)90部、水溶性高分子(A2)8部、界面活性剤(B21)2部及び消泡剤{サンノプコ株式会社製ポリエーテル系消泡剤、SN デフォーマー265}(C1)0.01部を、25℃で均一混合して、本発明の漂白助剤17得た。
【0092】
<実施例18>
国内産広葉樹材70%とユーカリ材30%とからなる広葉樹混合木材チップを絶乾重量500g採取し、これを、液比4、チップの絶乾重量当たり有効アルカリ{有効アルカリとは、JIS P0001:1998において定義される「クラフト蒸解液の蒸解作用をするアルカリ量の表示方法、有効アルカリ=NaOH+NaS×1/2、NaO又はNaOHに換算して表す。」を意味する。}18%、蒸解液の硫化度25%、蒸解温度160℃、蒸解時間120分の条件下で実験用間接加熱用オートクレーブを用いてクラフト蒸解した後、廃液とパルプとを分離し、パルプをスリット幅0.25mmのスクリーンプレートを備えたフラットスクリーンで精選して、広葉樹未漂白クラフトパルプ{ISO白色度45.2%、カッパー価20.1、パルプ粘度23.3mPa・s 、絶乾重量で229g(精選パルプ収率45.8%)}を得た。
次いで、この広葉樹未漂白クラフトパルプの絶乾重量90gを間接加熱式オートクレーブに採取し、パルプの絶乾重量当たり苛性ソーダを1.5%添加し、次いでイオン交換水で希釈してパルプ濃度を10%に調整した後、ゲージ圧力が5kg/cmとなるように純度が99.9体積%の圧縮酸素ガスで加圧し、温度100℃で60分間加熱して、中濃度法によりアルカリ酸素脱リグニンを行い、脱リグニンパルプを得た。この脱リグニンパルプをイオン交換水で洗浄した後、脱水して、漂白用パルプ{絶乾重量88.8g、白色度51.1%、カッパー価10.2、パルプ粘度18.8mPa・s}を得た。
【0093】
次いで、この漂白用パルプの絶乾重量80gを間接加熱式オートクレーブに採取し、pH3.5の硫酸水溶液(イオン交換水及び濃硫酸から調製した。}で希釈してパルプ濃度を10%に調整した後、実施例1に記載の漂白助剤1の0.16g及び二酸化塩素の0.64gを添加した後、温度90℃で90分間加熱し、二酸化塩素漂白を行った。引き続き、冷却し、イオン交換水で洗浄した後、脱水して、漂白セルロースパルプ{白色度75.2%、パルプ粘度16.9mPa・s}を得た。
【0094】
<実施例19>
二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「8×10−3g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0095】
<実施例20>
二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「8×10−2g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0096】
<実施例21>
二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「0.4g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0097】
<実施例22>
二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「1.6g」に変更こと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0098】
<実施例23>>
二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「2.4g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0099】
<実施例24>>
二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「3.2g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0100】
<実施例25>
漂白助剤1の使用量を「0.16g」から「8×10−5g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0101】
<実施例26>
漂白助剤1の使用量を「0.16g」から「8×10−4g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0102】
<実施例27>
漂白助剤1の使用量を「0.16g」から「8×10−3g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0103】
<実施例28>
漂白助剤1の使用量を「0.16g」から「4g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0104】
<実施例29>
漂白助剤1の使用量を「0.16g」から「16g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0105】
<実施例30>
漂白助剤1の使用量を「0.16g」から「32g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0106】
<実施例31>
「漂白助剤1」を「漂白助剤2」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0107】
<実施例32>
「漂白助剤1」を「漂白助剤3」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0108】
<実施例33>
「漂白助剤1」を「漂白助剤4」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0109】
<実施例34>
「漂白助剤1」を「漂白助剤5」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0110】
<実施例35>
「漂白助剤1」を「漂白助剤6」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0111】
<実施例36>
「漂白助剤1」を「漂白助剤7」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0112】
<実施例37>
「漂白助剤1」を「漂白助剤8」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0113】
<実施例38>
「漂白助剤1」を「漂白助剤9」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0114】
<実施例39>
「漂白助剤1」を「漂白助剤10」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0115】
<実施例40>
「漂白助剤1」を「漂白助剤11」に変更したこと、及び二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「0.51g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0116】
<実施例41>
「漂白助剤1」を「漂白助剤12」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0117】
<実施例42>
「漂白助剤1」を「漂白助剤13」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0118】
<実施例43>
「漂白助剤1」を「漂白助剤14」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0119】
<実施例44>
「漂白助剤1」を「漂白助剤15」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0120】
<実施例45>
「漂白助剤1」を「漂白助剤16」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0121】
<実施例46>
「漂白助剤1」を「漂白助剤17」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0122】
<比較例1>
「漂白助剤1」を用いなかったこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0123】
<比較例2>
「漂白助剤1」を用いなかったこと、及び二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「8×10−3g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0124】
<比較例3>
「漂白助剤1」を用いなかったこと、及び二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「8×10−2g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0125】
<比較例4>
「漂白助剤1」を用いなかったこと、及び二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「0.4g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0126】
<比較例5>
「漂白助剤1」を用いなかったこと、及び二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「1.6g」に変更こと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0127】
<比較例6>
「漂白助剤1」を用いなかったこと、及び二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「2.4g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0128】
<比較例7>
「漂白助剤1」を用いなかったこと、及び二酸化塩素の使用量を「0.64g」から「3.2g」に変更したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0129】
<比較例8>
「漂白助剤1」を用いなかったこと、及び(B11)を0.016g使用したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0130】
<比較例9>
「漂白助剤1」を用いなかったこと、及びホルムアルデヒド{ナカライテスク株式会社製、ホルムアルデヒド液(35重量%)}0.23g使用したこと以外、実施例18と同様にして、漂白セルロースパルプを得た。
【0131】
【表1】



注1)パルプの絶乾重量に基づいた水溶性高分子(A)の添加量
注2)パルプの絶乾重量に基づいた添加量
【0132】
カッパー価、白色度及びパルプ粘度は、以下のようにして測定した。
<カッパー価>
パルプのカッパー価はJIS P 8211(1998年)に準拠して測定した。
【0133】
<パルプ白色度>
JIS P8209(1994年)に準拠して坪量60g/mのシートを作製し、このシートについて、JIS P8124(2000年)に準拠してパルプの白色度を測定した。白色度の数値が高いほど漂白効率が高いことを示す。
【0134】
<パルプ粘度>
パルプ粘度は、J.TAPPI 44に準じて測定した。パルプ粘度が高いほどパルプ繊維の損傷が少なく、パルプ品質(抄紙後の紙強度等への影響)が良好であることを示す。
【0135】
本発明の本漂白助剤を用いることによって、二酸化塩素漂白がより促進され、二酸化塩素の使用量を削減できる。また、二酸化塩素の使用量を変化させない場合、本発明の漂白助剤を使用すると、さらに高白色度のパルプを容易に得ることができる。また、本発明の本漂白助剤を用いることによって、漂白セルロースパルプの粘度が低下しない、すなわち、漂白剤によってパルプの損傷が少ないため、良質のセルロースパルプを容易に得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化塩素によるセルロースパルプの漂白に用いられる漂白助剤であって、
溶解度パラメーターが14〜24の水溶性高分子(A)を含有してなることを特徴とする漂白助剤。
【請求項2】
さらに界面活性剤(B)を含有してなる請求項1に記載の漂白助剤。
【請求項3】
界面活性剤(B)が、HLB6〜18のノニオン性界面活性剤(B1);スルホ基、スルホオキシ基又はホスホノ基の少なくとも1種を有するアニオン性界面活性剤(B2);並びに両性界面活性剤(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の漂白助剤。
【請求項4】
水溶性高分子(A)がポリビニルアルコールである請求項1〜3のいずれかに記載の漂白助剤。
【請求項5】
セルロースパルプスラリーに、二酸化塩素及び請求項1〜4のいずれかに記載の漂白助剤を添加してセルロースパルプを漂白する漂白工程を含むことを特徴とする漂白セルロースパルプの製造方法。
【請求項6】
漂白助剤の添加量が、セルロースパルプの絶乾重量あたり、1×10−5〜4重量%である請求項5に記載の漂白セルロースパルプの製造方法。