説明

センサを使用する外科手術用器具

【課題】標的外科手術部位における複数のパラメータおよび要因を感知し得る、外科手術用の器具および/またはシステムを提供すること。標的手術部位において感知および/または測定される状態に従って、外科手術用の器具および/またはシステムの組織接触表面の位置を利用し得、表示し得、記録し得、そして/または自動的に制御し得、外科手術用の器具および/またはシステムの操作の前に外科医に警告し得、そして/あるいは外科手術用の器具および/またはシステムを作動させ得る、外科手術用の器具および/またはシステムを提供すること。
【解決手段】組織を手術するための外科手術用器具10であって、外科手術用器具は、以下:エンドエフェクタ;ギャップ決定要素50;ならびに組織接触決定要素を備える、外科手術用器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2005年6月3日に出願された、米国仮特許出願番号60/687,243、および2005年6月3日に出願された、米国仮特許出願番号60/687,214の利益および優先権を主張し、これらの仮特許出願の各々の全内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、外科用器具に関し、そしてより特定すると、機械的外科手術用器具およびシステム、電気機械的外科手術用器具およびシステム、ならびにエネルギーベースの外科手術用器具およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
開胸外科手術および最小侵襲性外科手術において使用される、外科手術用器具は、それらが条件および/またはパラメータ、ならびに効果的な手術のために重要な要因を、感知および/または制御する能力が、制限されている。例えば、従来の外科手術用器具は、この外科手術用器具のエンドエフェクタの組織接触表面間に位置決めされた組織の量、これらの組織に対して付与されるクランプ力、併置された組織接触表面の間の距離、および/またはこれらの表面の間にクランプされた組織の生存性を、測定可能に検出し得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、標的外科手術部位における複数のパラメータおよび要因(例えば、外科手術用器具の併置された組織接触表面の間の距離、外科手術用器具のエンドエフェクタの組織接触表面の間に位置決めされた組織の量、組織に対して付与されるクランプ力、および/または表面の間にクランプされた組織の生存性)を感知し得る、外科手術用の器具および/またはシステムに対する必要性が存在する。
【0005】
標的手術部位において感知および/または測定される状態に従って、外科手術用の器具および/またはシステムの組織接触表面の位置を利用し得、表示し得、記録し得、そして/または自動的に制御し得、外科手術用の器具および/またはシステムの操作の前に外科医に警告し得、そして/あるいは外科手術用の器具および/またはシステムを作動させ得る、外科手術用の器具および/またはシステムに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下を提供する:
(項目1)
組織を手術するための外科手術用器具であって、該外科手術用器具は、以下:
エンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、第一の組織係合部材、および該第一の組織係合部材に併置された関係の第二の組織係合部材を備える、エンドエフェクタ;
ギャップ決定要素であって、該ギャップ決定要素は、該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材の各々と作動可能に結びついており、該第一の組織係合部材と該第二の組織係合部材との間のギャップ距離を測定するためのものである、ギャップ決定要素;ならびに
組織接触決定要素であって、該組織接触決定要素は、該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材のうちの少なくとも一方の、それぞれの組織接触表面と作動可能に結びついている、組織接触決定要素、
を備える、外科手術用器具。
(項目2)
前記ギャップ決定要素と前記組織接触決定要素の各々とに、作動可能に接続されたプロセッサをさらに備える、項目1に記載の外科手術用器具。
(項目3)
前記第一の組織係合要素および前記第二の組織係合要素の各々が、該組織係合要素の組織接触表面上に支持された、少なくとも1つの組織接触決定要素を備える、項目2に記載の外科手術用器具。
(項目4)
前記ギャップ決定要素が、スライド電位差計、回転電位差計、リニアバリアブル差動変圧器、磁気抵抗素子、容量性素子、電磁誘導センサ、ホール効果センサ、および光学ベースのセンサからなる群より選択される、項目1に記載の外科手術用器具。
(項目5)
前記組織接触決定要素が、圧力センサ、電気接点および感知回路、力変換器、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、金属箔ひずみゲージ、半導体ひずみゲージ、誘導性圧力センサ、容量性圧力センサ、ならびに電位差圧力変換器からなる群より選択される、項目1に記載の外科手術用器具。
(項目6)
前記外科手術用器具が、ステープラーである、項目1に記載の外科手術用器具。
(項目7)
プロセッサをさらに備え、該プロセッサは、前記ギャップ決定要素および前記組織接触決定要素の各々に作動可能に接続されている、項目6に記載の外科手術用器具。
(項目8)
前記第一の組織係合要素および前記第二の組織係合要素の各々が、該組織係合要素の組織接触表面上に支持された、少なくとも1つの組織接触決定要素を備える、項目7に記載の外科手術用器具。
(項目9)
前記ギャップ決定要素が、スライド電位差計、回転電位差計、リニアバリアブル差動変圧器、磁気抵抗素子、容量性素子、電磁誘導センサ、ホール効果センサ、および光学ベースのセンサからなる群より選択される、項目6に記載の外科手術用器具。
(項目10)
前記組織接触決定要素が、圧力センサ、電気接点および感知回路、力変換基、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、金属箔ひずみゲージ、半導体ひずみゲージ、誘導性圧力センサ、容量性圧力センサ、ならびに電位差圧力変換器からなる群より選択される、項目6に記載の外科手術用器具。
(項目11)
前記第一の組織係合要素と前記第二の組織係合要素との間に組織が位置決めされる場合、ならびに該第一の組織係合組織および該第二の組織係合要素の組織接触表面が該組織に接触する場合に、前記組織接触決定要素が、前記プロセッサに信号を伝達する、項目8に記載の外科手術用器具。
(項目12)
前記第一の組織係合要素および前記第二の組織係合要素の各々の組織接触表面が前記組織に接触する場合に、前記プロセッサに伝達される信号が、初期組織厚さである、項目11に記載の外科手術用器具。
(項目13)
前記プロセッサが、前記第一の組織係合部材と前記第二の組織係合部材との間で前記組織が圧縮される場合の該組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つをモニタリングするように構成されている、項目12に記載の外科手術用器具。
(項目14)
前記組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが、所定のレベルの圧縮またはひずみに達した場合に、前記プロセッサが、信号を活性化させるように構成されている、項目13に記載の外科手術用器具。
(項目15)
前記組織に対する所定のレベルの圧縮またはひずみが、データ参照テーブルに維持される、項目14に記載の外科手術用器具。
(項目16)
前記データ参照テーブルが、多数の組織型についての所定のレベルの圧縮またはひずみを含む、項目15に記載の外科手術用器具。
(項目17)
前記所定のレベルの圧縮またはひずみが、前記初期組織厚さの百分率である、項目14に記載の外科手術用器具。
(項目18)
前記第一の組織係合部材の表面に提供された少なくとも1つの第一の力測定センサ、および前記第二の組織係合部材に提供された少なくとも1つの第二の力測定センサをさらに備え、該第一の力測定センサの各々は、該第一の組織係合部材の外側表面から外向きの方向に配向しており、そして該第二の力測定センサの各々は、該第二の組織係合部材の外側表面から外向きの方向で配向している、項目1に記載の外科手術用器具。
(項目19)
前記第一の力測定センサおよび第二の力測定センサの各々が、該センサに対する組織圧力の結果として、該センサに作用する力を測定するように機能する、項目18に記載の外科手術用器具。
(項目20)
前記第一の力測定センサおよび第二の力測定センサの各々に作動可能に接続された、ゲージをさらに備える、項目18に記載の外科手術用器具。
(項目21)
組織に対して外科手術手順を実施するためのシステムであって、該システムは、以下:
外科手術用器具であって、該外科手術用器具は、エンドエフェクタを備え、該エンドエフェクタは、第一の組織係合部材、および該第一の組織係合部材に併置された関係の第二の組織係合部材を備える、外科手術用器具;
該第一の組織係合部材と該第二の組織係合部材との間の初期の距離を、初期組織厚さとして記録するための手段;ならびに
該組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つをモニタリングするための手段;
を備え、
該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材は、該組織の反対側に位置決めされるように構成されており;
該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材は、組織接触決定要素が係合するまで接近されるように構成されており;
該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材は、さらに接近されて、該組織係合部材の間の組織を圧縮するように構成されており;
該器具は、該組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも一方が所定のレベルに達した場合に、該第一の組織係合部材と該第二の組織係合部材との接近をやめるように構成されている、
システム。
(項目22)
前記外科手術用器具が、以下:
ギャップ決定要素であって、該ギャップ決定要素は、前記第一の組織係合部材および前記第二の組織係合部材の各々に作動可能に結びついており、該第一の組織係合部材と該第二の組織係合部材との間のギャップ距離を測定するものである、ギャップ決定要素;ならびに
組織接触決定要素であって、該組織接触決定要素は、該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材のうちの少なくとも一方のそれぞれの組織接触表面に作動可能に結びついている、組織接触決定要素、
を備える、項目21に記載のシステム。
(項目23)
前記外科手術用器具が、プロセッサをさらに備え、該プロセッサは、前記ギャップ決定要素および組織接触決定要素の各々に作動可能に接続されている、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記第一の組織係合部材および前記第二の組織係合部材が前記組織に接触すると、前記組織接触決定要素は、前記プロセッサに信号を伝達する、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記ギャップ決定要素は、前記プロセッサに、前記第一の組織係合部材と前記第二の組織係合部材との間の距離に関する信号を伝達する、項目24に記載のシステム。
(項目26)
前記第一の組織係合部材と前記第二の組織係合部材との間の距離の減少の結果として、前記組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが決定される、項目25に記載のシステム。
(項目27)
前記組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが、所定のレベルの圧縮またはひずみに達した場合に、指標が作動される、項目26に記載のシステム。
(項目28)
前記組織の圧縮の前に、前記組織についての所定のレベルの圧縮またはひずみが設定され得る、項目27に記載のシステム。
(項目29)
前記外科手術用器具が、ステープラーである、項目28に記載のシステム。
(項目30)
前記組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが、前記所定のレベルの圧縮力またはひずみにおよそ等しい場合に、前記外科手術用ステープラーが発射される、項目29に記載のシステム。
(項目31)
前記ギャップ決定要素が、スライド電位差計、回転電位差計、リニアバリアブル差動変圧器、磁気抵抗素子、容量性素子、電磁誘導センサ、ホール効果センサ、および光学ベースのセンサからなる群より選択される、項目30に記載のシステム。
(項目32)
前記組織接触決定要素が、圧力センサ、電気接点および感知回路、力変換基、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、金属箔ひずみゲージ、半導体ひずみゲージ、誘導性圧力センサ、容量性圧力センサ、ならびに電位差圧力変換器からなる群より選択される、項目31に記載のシステム。
(項目33)
前記組織に対して付与される張力をモニタリングするための手段をさらに包含する、項目21に記載のシステム。
(項目34)
組織に対して外科手術手順を実施する方法であって、該方法は、以下:
外科手術用器具を提供する工程であって、該外科手術用器具は、エンドエフェクタを備え、該エンドエフェクタは、第一の組織係合部材、および該第一の組織係合部材に併置された関係の第二の組織係合部材を備える、工程;
該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材を、該組織の反対側に位置決めする工程;
組織接触決定要素が係合するまで、該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材を接近させる工程;
該第一の組織係合部材と該第二の組織係合部材との間の初期の距離を、初期組織厚さとして記録する工程;
該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材をさらに接近させて、該組織係合部材の間の組織を圧縮する工程;
該組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つをモニタリングする工程;ならびに
該組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも一方が、所定のレベルに達した場合に、該第一の組織係合部材と該第二の組織係合部材との接近をやめる工程、
を包含する、方法。
(項目35)
前記外科手術用器具が、以下:
ギャップ決定要素であって、該ギャップ決定要素は、前記第一の組織係合部材および前記第二の組織係合部材の各々に作動可能に結びついており、該第一の組織係合部材と該第二の組織係合部材との間のギャップ距離を測定するものである、ギャップ決定要素;ならびに
組織接触決定要素であって、該組織接触決定要素は、該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材のうちの少なくとも一方のそれぞれの組織接触表面に作動可能に結びついている、組織接触決定要素、
を備える、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記外科手術用器具が、プロセッサをさらに備え、該プロセッサは、前記ギャップ決定要素および組織接触決定要素の各々に作動可能に接続されている、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記第一の組織係合部材および前記第二の組織係合部材が前記組織に接触すると、前記組織接触決定要素は、前記プロセッサに信号を伝達する、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記ギャップ決定要素は、前記プロセッサに、前記第一の組織係合部材と前記第二の組織係合部材との間の距離に関する信号を伝達する、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記第一の組織係合部材と前記第二の組織係合部材との間の距離の減少の結果として、前記組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つを決定する工程をさらに包含する、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが、所定のレベルの圧縮またはひずみに達した場合に、指標を作動させる工程をさらに包含する、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記組織の圧縮の前に、前記組織についての所定のレベルの圧縮またはひずみを設定する工程をさらに包含する、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記外科手術用器具が、ステープラーである、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが、前記所定のレベルの圧縮力またはひずみにおよそ等しい場合に、前記外科手術用ステープラーを発射する工程をさらに包含する、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記ギャップ決定要素が、スライド電位差計、回転電位差計、リニアバリアブル差動変圧器、磁気抵抗素子、容量性素子、電磁誘導センサ、ホール効果センサ、および光学ベースのセンサからなる群より選択される、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記組織接触決定要素が、圧力センサ、電気接点および感知回路、力変換基、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、金属箔ひずみゲージ、半導体ひずみゲージ、誘導性圧力センサ、容量性圧力センサ、ならびに電位差圧力変換器からなる群より選択される、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記組織に対して付与される張力をモニタリングする工程をさらに包含する、項目34に記載の方法。
【0007】
(要旨)
本開示の局面によれば、組織を手術するための外科手術用器具が提供される。この外科手術用器具は、エンドエフェクタ、ギャップ決定要素、および組織接触決定要素を備え、このエンドエフェクタは、第一の組織係合部材、およびこの第一の組織係合部材に併置された関係の第二の組織係合部材を備え、このギャップ決定要素は、この第一の組織係合部材とこの第二の組織係合部材との間のギャップ距離を測定するために、この第一の組織係合部材およびこの第二の組織係合部材の各々に作動可能に結びつき、そしてこの組織接触決定要素は、この第一の組織係合部材およびこの第二の組織係合部材のうちの少なくとも一方の、それぞれの組織接触表面と作動可能に結びついている。
【0008】
この外科手術用器具は、プロセッサをさらに備え得、このプロセッサは、ギャップ決定要素および組織接触決定要素の各々に、作動可能に接続されている。第一の組織係合要素および第二の組織係合要素の各々は、その組織接触表面上に支持された、少なくとも1つの組織接触決定要素を備える。
【0009】
このギャップ決定要素は、スライド電位差計、回転電位差計、リニアバリアブル差動変圧器、磁気抵抗素子、容量性素子、電磁誘導センサ、ホール効果センサ、および光学ベースのセンサからなる群より選択され得る。
【0010】
この組織接触決定要素は、圧力センサ、電気接点および感知回路、力変換器、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、金属箔ひずみゲージ、半導体ひずみゲージ、誘導性圧力センサ、容量性圧力センサ、ならびに電位差圧力変換器からなる群より選択され得る。
【0011】
上記外科手術用器具は、ステープラーであり得る。
【0012】
上記組織接触決定要素は、組織が第一の組織係合要素と第二の組織係合要素との間に位置決めされた場合、ならびにこの第一の組織係合要素および第二の組織係合要素の組織接触表面の各々が組織に接触する場合に、プロセッサに信号を伝達し得る。第一の組織係合要素および第二の組織係合要素の各々の組織接触表面が組織に接触する場合に、プロセッサに伝達される信号は、初期組織厚さであり得る。
【0013】
このプロセッサは、組織が第一の組織係合部材と第二の組織係合部材との間で圧縮される際の、この組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つをモニタリングするように構成され得る。このプロセッサは、この組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが、所定のレベルの圧縮またはひずみに達する場合に、信号を活性化させるように構成され得る。このプロセッサはまた、組織接触決定要素が、第一の組織および第二の組織のうちの少なくとも1つに係合する場合に、信号を活性化させるように構成され得る。
【0014】
組織に対する所定のレベルの圧縮またはひずみは、データ参照用テーブルに維持される。このデータ参照用テーブルは、多数の組織型についての所定のレベルの圧縮またはひずみを含み得る。所定のレベルの圧縮またはひずみは、初期組織厚さの百分率であり得る。
【0015】
本開示の別の局面によれば、組織に対して外科手術手順を実施する方法が提供される。この方法は、外科手術用器具を提供する工程であって、この器具は、エンドエフェクタを備え、このエンドエフェクタは、第一の組織係合部材、およびこの第一の組織係合部材に併置された関係の第二の組織係合部材を備える、工程;第一の組織係合部材および第二の組織係合部材を、組織の反対側に位置決めする工程;組織接触決定要素が係合するまで、第一の組織係合部材および第二の組織係合部材を接近させる工程;第一の組織係合部材と第二の組織係合部材との間の初期の距離を、初期組織厚さとして記録する工程;第一の組織係合部材および第二の組織係合部材をさらに接近させて、これらの係合部材の間の組織を圧縮する工程;この組織に対する圧縮力またはひずみのうちの少なくとも1つをモニタリングする工程;ならびにこの組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが所定のレベルに達した場合に、第一の組織係合部材と第二の組織係合部材との接近をやめる工程、を包含する。
【0016】
この外科用器具は、ギャップ決定要素および組織接触決定要素を備え得、このギャップ決定要素は、第一の組織係合部材および第二の組織係合部材の各々に作動可能に結びつき、第一の組織係合部材と第二の組織係合部材との間のギャップ距離を測定するためのものであり、そしてこの組織接触決定要素は、第一の組織係合部材および第二の組織係合部材のうちの少なくとも一方のそれぞれの組織接触表面と作動可能に結び付けられる。
【0017】
この外科手術用器具は、プロセッサをさらに備え得、このプロセッサは、ギャップ決定要素および組織接触決定要素の各々に、作動可能に接続される。この組織接触決定要素は、第一の組織係合部材および第二の組織係合部材が組織と接触する場合に、このプロセッサに信号を伝達し得る。このギャップ決定要素は、第一の組織係合部材と第二の組織係合部材との間の距離に関する信号を、このプロセッサに伝達し得る。
【0018】
この方法は、第一の組織係合部材と第二の組織係合部材との間の距離の減少の結果として、組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つを決定する工程をさらに包含し得る。
【0019】
この方法は、組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが、所定のレベルの圧縮またはひずみに達した場合に、指標を作動させる工程をさらに包含し得る。この方法は、組織の圧縮の前に、この組織についての所定のレベルの圧縮またはひずみを設定する工程を、なおさらに包含し得る。
【0020】
上記外科用器具は、ステープラーであり得る。
【0021】
上記方法は、組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが、所定のレベルの圧縮またはひずみにおよそ等しい場合に、この外科用ステープラーを発射させる工程をさらに包含し得る。
【0022】
添付の図面は、本明細書に含まれ、そして本明細書の一部を構成し、本開示の実施形態を説明し、そして以下に与えられる実施形態の詳細な説明と一緒に、本開示の原理を説明するために役立つ。
【発明の効果】
【0023】
標的外科手術部位における複数のパラメータおよび要因(例えば、外科手術用器具の併置された組織接触表面の間の距離、外科手術用器具のエンドエフェクタの組織接触表面の間に位置決めされた組織の量、組織に対して付与されるクランプ力、および/または表面の間にクランプされた組織の生存性)を感知し得る、外科手術用の器具および/またはシステムが提供される。
【0024】
標的手術部位において感知および/または測定される状態に従って、外科手術用の器具および/またはシステムの組織接触表面の位置を利用し得、表示し得、記録し得、そして/または自動的に制御し得、外科手術用の器具および/またはシステムの操作の前に外科医に警告し得、そして/あるいは外科手術用の器具および/またはシステムを作動させ得る、外科手術用の器具および/またはシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本開示の実施形態に従う外科手術用器具の斜視図である。
【図2】図2は、図1の示された領域の細部の、部分的に切り取られた拡大斜視図である。
【図3】図3は、図2の断面線3−3に沿って見た場合の概略断面図である。
【図3A】図3Aは、本開示の代替の実施形態を図示する、図2の断面線3−3に沿って見た場合の概略断面図である。
【図4】図4は、第一の状態で示される、図1の外科手術用器具の側面長手軸方向断面図である。
【図4A】図4Aは、第一の状態で示される、図1の外科手術用器具の位置センサの拡大概略図である。
【図5】図5は、第二の状態で示される、図1の外科手術用器具の側面長手軸方向断面図である。
【図5A】図5Aは、第二の状態で示される、図1の外科手術用器具の位置センサの拡大概略図である。
【図6】図6は、第三の状態で示される、図1の外科手術用器具の側面長手軸方向断面図である。
【図6A】図6Aは、第三の状態で示される、図1の外科手術用器具の位置センサの拡大概略図である。
【図7】図7は本開示の別の実施形態による、外科手術用器具の斜視図である。
【図8】図8は、ハンドルセクションが取り外された、図7の外科手術用器具のハンドルアセンブリの頂部の上面斜視図である。
【図9】図9は、第一の状態で示される、図7および図8の外科手術用器具の遠位端の側面断面図である。
【図10】図10は、第二の状態で示される、図7および図8の外科手術用器具の遠位端の側面断面図である。
【図11】図11は、第三の状態で示される、図7および図8の外科手術用器具の遠位端の側面断面図である。
【図11A】図11Aは、プランジャセンサの作動を図示する、図7および図8の外科手術用器具の遠位端の側面断面図である。
【図12】図12は、本開示のなお別の実施形態による外科手術用器具の斜視図である。
【図13】図13は、長手方向軸に沿って見た、図12の外科手術用器具の側面断面図であり、カートリッジ受容半セクションとアンビル半セクションとの連結を図示する。
【図14】図14は、閉じた発射前状態で示される、長手方向軸に沿って見た、図12および図13の外科手術用器具の側面断面図である。
【図15】図15は、本開示のなお別の実施形態による、外科手術用器具の斜視図である。
【図16】図16は、第一の接近されていない状態で示される、図15の外科手術用器具の側面断面図である。
【図17】図17は、第一の接近されていない状態で示される、図15および図16の外科手術用器具のツールアセンブリの拡大側面断面図である。
【図18】図18は、第二の接近された状態で示される、図15および図16の外科手術用器具のツールアセンブリの拡大側面断面図である。
【図19】図19は、発射行程の完了後の、図15および図16の外科手術用器具のツールアセンブリの拡大側面断面図である。
【図20】図20は、間隔を空けた1対の接触プレートの組織との接触の際の回路の完了を示す、組織接触回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施形態の詳細な説明)
本開示の外科手術用の器具およびシステムの好ましい実施形態が、図面を参照してここで詳細に記載される。図面において、同じ参照番号は、類似かまたは同一の要素を識別する。本明細書中で使用される場合、伝統的であるように、用語「遠位」とは、使用者から遠い方の部分をいい、一方で、用語「近位」とは、使用者に近い方の部分をいう。
【0027】
本開示の実施形態に従う外科手術用器具が、図1〜6Aにおいて、一般的に、10として示される。外科手術用器具10は、静止ハンドル14を規定する本外12、旋回可能なトリガ16、細長い中心本体部分18、およびエンドエフェクタを備え、このエンドエフェクタは、第一の部材またはカートリッジアセンブリ20、および第二の部材またはアンビルアセンブリ22を備える。親指ボタン24が、本体12の各側にスライド可能に位置決めされる。親指ボタン24は、整列ピンアセンブリ(図示せず)を手動で進めるために、移動可能である。解放ボタン150が、本体12の近位端に位置決めされ、そしてカートリッジアセンブリ20が、アンビルアセンブリ22に隣接して配置された接近位置から、アンビルアセンブリ22から間隔を空けた位置(図示せず)へと戻ることを可能にするように、押下可能である。
【0028】
図2を参照すると、外科手術用ステープリング器具10は、1対のクランプスライド部材66aおよび66b、クランプスライド部材66aと66bとの間でスライド可能に介在する整列ピンプッシャー68、および整列ピンプッシャー68とクランプスライド部材66bとの間でスライド可能に介在するスラストバー70を備える。クランプスライド部材66aおよび66b、整列ピンプッシャー68ならびにスラストバー70は、接近行程および/または発射行程を介するトリガ16の移動に応答して、引き込まれた位置と進められた位置との間で移動するために、フレーム部材28aと28bとの間でスライド可能に支持される。
【0029】
図1および図2に見られるように、ギャップ測定要素またはデバイス50が、フレーム部材28b上に作動可能に支持される。具体的には、ギャップ測定デバイス50は、フレーム部材28bに固定される。ギャップ測定デバイス50は、外科手術手順の間、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間の距離を測定し、そしてこの距離を使用者に知らせるように、構成および適合される。
【0030】
ギャップ測定デバイス50は、例えば、スライド電位差計、回転電圧計(図3Aを参照のこと)などであり得る。図3に最もよく見られるように、ギャップ測定デバイス50は、フレーム部材28bの表面に固定された本体部分52、およびワイパー54を備える。このワイパーは、フレーム部材28bに形成された細長スロット29を通って延び、クランプスライド部材66bに作動可能に接続される。ワイパー54は、本体部分52内にスライド可能に支持され、その結果、ワイパー54が本体部分52の長さに沿って(両頭矢印「B」の方向に)移動するにつれて、異なるインピーダンスが発生し、従って、異なる電流(または電圧)が、制御ユニット(図示せず)に伝達され得る。ワイパー54は、望ましくは、クランプスライド部材66bにしっかりと接続される。この様式で、クランプスライド部材66bがフレーム部材28bに対して軸方向に移動するにつれて、ワイパー54は、本体部分52に対して軸方向に移動し、これによって、ギャップ測定デバイス50のインピーダンス値を変更および/または変化させる。
【0031】
図3Aに見られるように、ギャップ測定デバイス50は、フレーム部材28bに作動可能に支持された歯車またはピニオン54a、およびクランプスライド部材66bの内部表面に形成されたかまたは支持されるラック52bなどを備える、回転電位差系の形態であり得、ここで、ピニオン54bは、ラック52bと作動可能に係合している。作動の際に、クランプスライド部材66bが、フレーム部材28bに対して近位または遠位に移動するにつれて、ラック52bは、ピニオン54bを、時計回りまたは反時計回りに回転させ、これによって、電流または電圧を変動させる。
【0032】
外科手術用器具10の作動を、ここで図4〜6Aを参照して記載する。外科手術用器具10の種々の構成要素の動きは、参照される図において位置決めされる器具を見る人に有利な位置から記載されることを示す。
【0033】
図4および図4Aは、使用前の外科手術用器具10を図示する。図示されるように、カートリッジアセンブリ60およびアンビルアセンブリ62は、間隔を空けられた関係にあり、トリガ16は、圧縮されていない位置にあり、そしてクランプスライド66aおよび66bならびにスラストバー70は、引き込まれた位置にある。クランプスライド66bが引き込まれた位置にある場合、ギャップ測定デバイス50のワイパー54は、フレーム部材28bのスロット29の内部で、後方に位置する。ギャップ測定デバイス50のワイパー54が引き込まれた位置にある状態で、独特の電圧が発生し、そしてプロセッサ(図示せず)によって測定される。この電圧は、このプロセッサに、カートリッジアセンブリ60およびアンビルアセンブリ62が互いに間隔を空けた関係にあることを示す。
【0034】
図5および図5Aは、トリガ16の接近行程の間の外科手術用器具10を図示する。図示されるように、トリガ16は、矢印「A」によって示される方向に移動されて、前方リンク112を前方に効果的に移動させ、そしてクランプスライド66aおよび66bを、ピン88を通して前方に移動させる。図5Aに示されるように、クランプスライド66bが前方に移動されるにつれて、ギャップ測定デバイス50のワイパー54もまた、本体部分52に対して前方に移動され、これによって、ギャップ測定デバイス50によって発生する電圧を変動させる。ギャップ測定デバイス50のワイパー54が、本体部分52に対して前方に移動し、これによって、発生してプロセッサによって測定される電圧が変動するにつれて、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間の距離が決定され得る。
【0035】
図6および図6Aは、トリガ16が圧縮された位置にある、完全に接近された位置の外科手術用器具10を図示する。図示されるように、トリガ16は、完全に接近されており、これによって、クランプスライド66aおよび66bを完全に進め、その結果、カートリッジアセンブリ20およびアンビルアセンブリ22は、接近した位置にある。それに付随して、ギャップ測定デバイス50のワイパー54が、フレーム部材28bのスロット29内の最も前方の位置まで進められる。ギャップ測定デバイス50のワイパー54が最も遠位にある状態で、独特の電圧が発生し、そしてプロセッサによって測定される。この電圧は、このプロセッサに、カートリッジアセンブリ20およびアンビルアセンブリ22が接近した位置にあることを示す。
【0036】
ここで図1および図4〜6Aを参照すると、外科手術用器具10は、複数の接触センサ60を備え、これらのセンサは、カートリッジアセンブリ20およびアンビルアセンブリ22の各々の組織接触表面の長さに沿って配置される。接触センサ60は、プロセッサまたはCPUに接続され、そして物体(例えば、組織)が、いつカートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間に位置してこれらのアセンブリと接触するかに関する指標を提供する。接触センサ60は、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間に介在する組織の初期厚さを決定するように機能する。この初期組織厚さは、参照の0点を規定する。
【0037】
操作の方法に従って、カートリッジアセンブリ20およびアンビルアセンブリ22が互いに間隔を空けた関係にある状態で、標的組織は、これらのアセンブリの間に配置される。標的組織が、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間に位置している状態で、標的組織が接触センサ60と接触するまで、カートリッジアセンブリ20およびアンビルアセンブリ22は、互いの方へと接近される。この時点で、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間の距離が測定および/または記録される。カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間のこの初期距離は、組織の初期厚さまたは参照の0点として記録される。カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間の接触距離、または初期組織厚さが記録されると、カートリッジアセンブリ20およびアンビルアセンブリ22は、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間の所望のギャップが得られるまで、さらに接近される。一旦、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間の所望のギャップが達成されると、この距離は、圧縮された組織厚さとして記録される。
【0038】
あるいは、組織の初期厚さの決定に続いて、組織の圧縮および/またはひずみについての所定の値が、プロセッサまたはCPUに設定され得る。この圧縮および/またはひずみの所定の値は、圧縮される特定の組織についてのデータ参照用テーブルなどから得られ得る。従って、カートリッジアセンブリ20およびアンビルアセンブリ22が互いの方へと接近され、これによってこれらのアセンブリの間のギャップが減少するにつれて、組織の圧縮および/またはひずみは、この組織の圧縮および/またはひずみが所定の値に達するまで、連続的にモニタリングされる。このような時点で、センサの指標(例えば、光、音など)が作動されて、圧縮および/またはひずみの所定の値が達成されたことを、使用者に知らせる。
【0039】
本開示により、組織に対する過剰量の圧縮またはひずみが、認容可能な止血および/または組織癒合を達成するためには血流が不十分な組織を生じ得ることが発見された。組織への不十分な血液の流れは、組織の壊死などを引き起こし得る。さらに、組織に対する不十分な量の圧縮またはひずみは、認容可能な止血および/または組織の癒合を達成するためには血流が多すぎる組織を生じ得ることが発見された。組織への多すぎる血流は、組織の「出血」を引き起こし得る。
【0040】
組織の記録される圧縮またはひずみは、既存の記録、または異なる組織について認容可能な組織の圧縮および/もしくはひずみのデータ参照用テーブルと比較される。カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間のギャップは、その組織に対する圧縮および/またはひずみが認容可能な範囲内になるまで、調節される。
【0041】
一旦、組織に対する所望のひずみが達成されると、外科手術用器具10は、万能型ステープル、またはステープルの間にクランプされる組織の厚さのために適切な大きさにされたステープルを使用して、発射される。この組織に対するひずみは、初期組織厚さ/圧縮された組織厚さに基づく公知の式を使用して決定される。組織に対するひずみの決定のより詳細な議論について、2006年4月21日に出願された、米国出願番号11/409,154が参照され得、その全内容が、本明細書中に参考として援用される。
【0042】
外科手術用器具10の構造および作動のより詳細な議論について、米国特許第6,817,508号が参照され得、その全内容が、本明細書中に参考として援用される。
【0043】
ここで図7〜11を参照すると、本開示の別の実施形態による外科手術用器具が、一般に、100として示される。図7に見られるように、外科手術用器具100は、近位ハンドルアセンブリ112、湾曲した細長い外側管114aを備える細長い中心本体114、および遠位ヘッド部分116を備える。あるいは、いくつかの外科手術手順(例えば、痔核の処置)において、実質的に真っ直ぐな、好ましくは短い中心本体部分を有することが望ましい。本体部分114およびヘッド部分116の長さ、形状および/または直径はまた、特定の外科手術手順に適合するように、変化され得る。
【0044】
ハンドルアセンブリ112は、静止ハンドル118、発射トリガ120、回転可能な接近ノブ122および指標124を備える。静止ハンドル118は、ハンドルアセンブリ112の内部構成要素のためのハウジングを規定する。ハンドル部分112の内部構成要素は、以下で詳細に議論される。好ましくは、緩衝された部分および/または弾性の滑り止め部分(例えば、グリップ(図示せず))が、静止ハンドル118および発射トリガ120に固定され得るか、またはこれらの部品として備えられ得る。旋回するように設置されたトリガロック126が、ハンドルアセンブリ112に固定され、そして外科手術用器具100の不注意な発射を防止するように、手動で位置決めされる。指標124は、静止ハンドル118上に位置決めされ、そして例えば、カラーコード、英数字の表示などの印を備え、このデバイスが接近されて発射の準備ができているか否かを、外科医に明らかにする。ヘッド部分116は、アンビルアセンブリ130およびシェルアセンブリ131を備える。これらのアセンブリの各々は、以下で詳細に議論される。
【0045】
ここで図8を参照すると、ハンドルアセンブリ112の内部構成要素としては、接近および発射の機構の近位構成要素、発射ロックアウト機構、ならびに指標駆動機構が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
図8を参照すると、接近機構は、接近ノブ122、駆動ねじ132、回転可能なスリーブ133、およびアンビルアセンブリ130を支持するためのアンビル保持具138(図7を参照のこと)を備える。回転可能なスリーブ133は、実質的に円筒形の中空本体部分140、および実質的に円筒形のカラー142を備え、これらは、一緒になって、中心ボアを規定する。カラー142は、環状の溝144が周囲に形成されており、この溝は、ハンドルアセンブリ118の内壁に形成された、内向きに延びるフランジを受容するための寸法にされる。溝144とフランジとの間の係合は、スリーブ133をハンドルアセンブリ118の内部に軸方向に固定し、一方で、ハンドルアセンブリ118に対するスリーブ133の回転を可能にする。正反対の側に位置する1対の細長リブ148が、本体部分140の外側表面に位置決めまたは形成される。接近ノブ122は、1対の内部スロット(図示せず)を備え、これらのスロットは、スリーブ133のリブ148を受容して、スリーブ133をノブ122に回転可能に固定するように位置決めされ、これによって、ノブ122の回転は、スリーブ133の同時の回転を引き起こす。
【0047】
ねじ132の近位の半分は、螺旋状のチャネル150を備え、そして回転可能なスリーブ133の中心ボア内にスライド可能に位置決めされるような寸法にされる。スリーブ133は、ハンドルアセンブリ118に対して軸方向に固定されているので、ねじ132の周りでのスリーブ133の回転は、ピン(図示せず)を、ねじ132のチャネル150に沿って移動させて、ハンドルアセンブリ118内でのねじ132の軸方向での移動を引き起こす。
【0048】
操作において、接近ノブ122が手動で回転されると、回転可能なスリーブ133が、ねじ132の近位端の周りで回転して、ピンを、ねじ132の螺旋状のチャネル150に沿って移動させる。スリーブ133は、ハンドルアセンブリ118に対して軸方向に固定されているので、ピンがチャネル150を通って移動するにつれて、ねじ132は、ハンドルアセンブリ118内で進められるか、または引き込まれる。その結果、ねじ132の遠位端およびアンビル保持具138に固定された、上下のねじ延長部(図示せず)が、細長本体部分114の内部で軸方向に移動する。アンビルアセンブリ130は、アンビル保持具138の遠位端に固定されているので、接近ノブ122の回転は、間隔を空けた位置と接近位置との間での、シェルアセンブリ131に対するアンビルアセンブリ130の移動を引き起こす。
【0049】
図8の参照を続けると、LVDT 170(リニアバリアブル差動変圧器)が、アンビルアセンブリ130とシェルアセンブリ131との間のギャップ距離を決定するために、ハンドルアセンブリ118内に提供される。具体的には、LVDT 170は、回転可能なスリーブ133の内部に配置されたコイル174を備え得、そして磁石コア172が、コイル174の内部に配置され得る。一般に、磁石コア172がカラー/ハンドルアセンブリ188を通って戻って移動するにつれて、磁石コア172は、コイル174に接近し/コイル174から離れ、そして電気的出力を発生させる。1つの実施形態において、磁石コア172は、表面または内部に磁石が支持されたねじを備え得る。
【0050】
作動において、接近ノブ122が回転されて、アンビルアセンブリ130をシェルアセンブリ131の方へと接近させ、LVDT 170は、アンビルアセンブリ130の接触表面とシェルアセンブリ131の接触表面との間の距離を測定および決定するように機能する。
【0051】
ここで図7および図9から11を参照すると、外科手術用器具100は、複数の接触センサ160、162を備え、これらのセンサは、シェルアセンブリ131およびアンビルアセンブリ130の各々の組織接触表面の長さに沿って、配置される。接触センサ160、162は、プロセッサまたはCPU(図1を参照のこと)に接続され、そして物体(例えば、組織)が、シェルアセンブリ131とアンビルアセンブリ130との間にいつ位置するかに関する指標を提供する。作動において、一旦、最初の接触が、接触センサ160、162と組織との間になされると、LVDT 170は、シェルアセンブリ131とアンビルアセンブリ130との間のギャップを決定および/または測定するために使用され得る。
【0052】
図7および図9〜11の参照を続けると、外科手術用器具100は、アンビルアセンブリ130のヘッドの表面に提供される少なくとも1つの力測定センサ164、およびシェルアセンブリ131の外側表面に提供される少なくとも1つの力測定センサ166をさらに備え得、この力測定センサ164は、好ましくは、このアンビルアセンブリの外側リムから半径方向外向きの方向で配向される。各力測定センサ164、166は、以下でより詳細に議論されるように、組織がこれらのセンサを押し付ける結果として、これらのセンサに作用する力を測定するように機能する。
【0053】
図7に見られるように、1つの実施形態において、外科手術用器具100は、ゲージ140を備え、このゲージは、ハンドルアセンブリ112の静止ハンドル118上に支持される。各センサ160、162、164、166は、ゲージ140に作動可能に接続され得る。ゲージ140は、選択された作動パラメータ(例えば、組織接触、組織圧縮、組織張力など)を、リアルタイムで表示するように機能する。
【0054】
作動において、(図9に見られるような)アンビルアセンブリ130への第一の組織「T1」の巾着縫合およびシェルアセンブリ131への第二の組織「T2」の巾着縫合に続いて、接近ノブ122が回転されて、アンビルアセンブリ130をシェルアセンブリ131の方へと接近させる。アンビルアセンブリ130およびシェルアセンブリ131が互いの方へと接近するにつれて、第一の組織「T1」および第二の組織「T2」が、互いの方へと伸長され、そして引っ張られる。第一の組織「T1」および第二の組織「T2」が引っ張られるにつれて、第一の組織「T1」および第二の組織「T2」は、それぞれアンビルアセンブリ130およびシェルアセンブリ131の周りで収縮する傾向がある。この収縮により、各それぞれの力測定センサ164、166に力が付与される。各力測定センサ164、166によって測定される力は、公知のアルゴリズムを使用して、各組織「T1」、「T2」に付与される張力の値に変換され得る。
【0055】
外科手術による吻合手順の間、第一の組織「T1」および第二の組織「T2」に付与される張力を所定の閾値レベル以下に維持しようとして、第一の組織「T1」および第二の組織「T2」に対する張力がモニタリングされる。例えば、各組織「T1」、「T2」に付与される張力が、単独でかまたは組み合わせて、所定の閾値レベルを超える場合、この上昇した張力は、ステープルラインに作用し、そしてステープルおよび/またはステープルラインに対して過度のひずみが付与される結果となり得る。
【0056】
1つの実施形態において、図11Aに示されるように、外科手術用器具100は、アンビルアセンブリ130のヘッドに提供されてこのヘッドから半径方向外向きに延びる少なくとも1つのプランジャセンサ164a、およびシェルアセンブリ131に提供されてこのアセンブリから外向きに延びる少なくとも1つのプランジャセンサ166aを備える。各プランジャセンサは、ピン164b、166bをそれぞれ備え、これらのピンは、図11Aにおいて想像で示されるように、それぞれアンビルアセンブリ130およびシェルアセンブリ131からスライド可能に突出する。
【0057】
作動において、比較的低い量の張力が、プランジャセンサ164a、166aに付与される場合、それらのピン164b、166bは、図11Aに想像で示されるように、実質的に延びた状態になる。しかし、第一の組織「T1」および第二の組織「T2」が引っ張られるにつれて、第一の組織「T1」および第二の組織「T2」は、それぞれアンビルアセンブリ130およびシェルアセンブリ131の周りで収縮する傾向があり、これによって、各それぞれのプランジャセンサ164a、166aのピン164b、166bを、半径方向内向きに押し付ける。ピン164b、166bの移動は、第一の組織「T1」および第二の組織「T2」に対して付与される張力の程度を計算および/または推定するために使用される。
【0058】
外科手術用器具100および磁場センサの構造および作動のより詳細な議論について、2005年3月23日に出願された、米国特許出願番号10/528,975が参照され得、その全内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0059】
ここで図12〜14を参照すると、本開示の別の実施形態による外科手術用器具が、一般に、200として示される。図12〜14に見られるように、外科手術用器具200は、カートリッジ受容半セクション212、アンビル半セクション214、カートリッジアセンブリ216、および発射スライド210を備え、このアンビル半セクション214は、カートリッジ受容半セクション212に作動可能に連結され、このカートリッジアセンブリ216は、カートリッジ受容半セクション212の遠位端の内部に取り外し可能に設置されるように構成および適合され、そしてこの発射スライド210は、カートリッジ受容半セクション212の内部にスライド可能に受容されるように構成および適合される。図13に見られるように、カートリッジ受容半セクションが、開位置でレバー230をクランプしている状態で、アンビル半セクション214の近位端は、カートリッジ受容半セクション212の近位端において、スライド可能かつ旋回可能に受容可能である。外科手術用器具200は、設置ボス254を備え、これらのボスは、アンビル半セクション214から突出し、そしてカートリッジ受容半セクション212の遠位端とアンビル半セクション214とを接近させるために、カートリッジ受容半セクションクランピングレバー230によって規定されるアクセスチャネル236a内にスライド可能かつ旋回可能に受容可能である。このアクセスチャネル236aは、カートリッジ受容半セクションクランプレバー230のアクセスチャネルであるか、またはこのクランプレバーによって規定される。
【0060】
図12に見られるように、アンビル半セクション214は、実質的にU字型の断面輪郭を有する、アンビル半セクションチャネル部材250を備える。アンビル半セクション214は、アンビルプレート244を備え、このアンビルプレート244は、アンビル半セクション214のアンビル半セクションチャネル部材250を覆ってフィットするような構成および寸法にされる。アンビルプレート244は、内部に形成された複数のアンビルポケット(図示せず)を備え、これらのポケットは、2対の長手軸方向の列として配置され、そしてアンビルナイフ軌道(図示せず)が、これらの列に沿って、長手軸方向に形成される。
【0061】
図12に見られるように、外科手術用器具200は、旋回可能に連結された発射レバー265を備える。発射レバー265は、外科手術用器具200の左側からでも右側からでも、外科手術用器具200を発射させる能力を、使用者に提供するように構成および適合される。
【0062】
カートリッジ受容半セクション212をアンビル半セクション214に連結して閉じる、1つの方法または順序は、図13および図14において最もよく見られる。図13に見られるように、カートリッジレバー230が開位置にある状態で、半セクション212、214の近位端は、互いの方へと接近し、その結果、アンビル半セクション214の旋回制限ピン296が、カートリッジ受容半セクション212の旋回プレート(図示せず)の旋回ピン受容スロット内に入る。旋回制限ピン296の形状は、アンビル半セクション214がカートリッジ受容半セクション212と連結し得る長手軸方向角度(すなわち、カートリッジ受容半セクション212とアンビル半セクション214との間の角度)を制限する。半セクション212、214の近位端が互いに連結された状態で、半セクション212、214の遠位端(またはエンドエフェクタ)は、設置ボス254がクランプレバー230のアクセスチャネル236a内に受容されるまで互いの方へと接近する(図12を参照のこと)。
【0063】
図14に見られるように、設置ボスがカートリッジレバー230のアクセスチャネル236a内に位置決めされた状態で、クランプレバー230の近位端は、カートリッジ受容半セクション212のキャッチ226がカートリッジ受容半セクションチャネル部材230のラッチ224と係合するまで、カートリッジ受容半セクション212の方へと接近する(図13を参照のこと)。クランプレバー230をカートリッジ受容半セクション212の方へと接近させることによって、設置ボスが、アクセスチャネル236aを通して進められ、これによって、カートリッジ受容半セクション212とアンビル半セクション214との接近を完了させる。
【0064】
外科手術用器具200の構造および作動のより詳細な議論について、2004年9月17日に出願された、米国特許出願番号10/508,191が参照され得、その全内容が、本明細書中に参考として援用される。
【0065】
図12〜14に見られるように、外科手術用器具200は、ギャップ感知および/または測定要素(例えば、磁気抵抗素子)260を備え、この要素は、カートリッジ受容半セクション212の遠位端およびアンビル半セクション214の遠位端の長さの少なくとも一部分に沿って、配置される。ギャップ測定要素260は、カートリッジ受容半セクション212およびアンビル半セクション214の各々の外側表面および/または内側表面に沿って、配置され得る。
【0066】
外科手術用器具200は、接触感知要素262をさらに備え、この要素は、アンビルプレート244およびカートリッジアセンブリ216の各々の組織接触表面に沿って配置される。この様式で、外科手術用器具200が標的組織にクランプされる場合に、接触感知要素262は、標的組織が、アンビルプレート244およびカートリッジアセンブリ216の各々の組織接触表面といつ接触したかに関する指標(すなわち、聴覚、視覚、触覚など)を、使用者に提供する。1つの実施形態において、アンビルプレート244の遠位端のみ、および/またはカートリッジアセンブリ216の遠位端のみに、組織がいつ接触したかを決定することが望ましい。
【0067】
図13および図14に見られるように、外科手術用器具200は、力感知および/または測定要素264(例えば、ひずみゲージ、ロードセルなど)をさらに備え、この要素は、カートリッジ受容半セクション212の遠位端およびアンビル半セクション214の遠位端の長さの少なくとも一部に沿って、配置される。この様式で、作動において、力感知および/または測定要素264は、カートリッジ受容半セクション212の遠位端およびアンビル半セクション214の遠位端によって標的組織に付与されるクランプ力の測定値を伝達し得る。
【0068】
ここで図15〜19を参照すると、本開示の別の実施形態による外科手術用器具が、一般に、300として示される。図15および図16に見られるように、外科手術用器具300は、ハンドルアセンブリ312および細長本体314を備える。図15および図16に図示されるように、細長本体314の長さは、特定の外科手術手順に適合するように、変化し得る。使い捨て装填ユニットすなわちDLU 316が、細長本体314の遠位端に解放可能に固定される。DLU 316は、近位本体部分318および遠位ツールアセンブリまたはエンドエフェクタ320を備え、この近位本体部分は、細長本体314の延長部を形成し、そしてこの遠位ツールアセンブリまたはエンドエフェクタは、第一の部材すなわちカートリッジアセンブリ322、および第二の部材すなわちアンビルアセンブリ324を備える。ツールアセンブリ320は、細長本体314の長手方向軸に対して実質的に垂直な軸の周りで、本体318に旋回可能に接続される。カートリッジアセンブリ322は、複数のステープルを収容する。アンビルアセンブリ324は、カートリッジアセンブリ322から間隔をあけた開位置と、カートリッジアセンブリ322と併置して整列する接近位置またはクランプ位置との間で、カートリッジアセンブリ322に対して移動可能である。これらのステープルは、約30mm〜約60mmの長さを有するステープルの線状の列を適用するように、カートリッジアセンブリ322に収容され得るが、他のステープルの構成および長さが、予測される。
【0069】
ハンドルアセンブリ312は、静止ハンドル部材326、可動ハンドルまたはトリガ328、およびバレル部分330を備える。回転可能な部材332が、バレル部分330の前端部に回転可能に設置され、そして細長本体314に固定されて、ハンドルアセンブリ312に対する細長本体314の回転を容易にする。関節運動レバー330aが、バレル部分330の遠位部分に支持され、そして本明細書中で以下に記載される様式で、DLU
316の本体部分318に対するツールアセンブリ320の関節運動を生じるように作動可能である。1対の戻りノブ336が、バレル部分330に沿って移動可能に支持され、進められた位置から引き込まれた位置への外科手術用器具300の動きを引き起こす。
【0070】
図17から19に見られるように、外科手術器具300は、軸方向駆動アセンブリ312を備え、このアセンブリは、遠位作業ヘッド368を備える。作業ヘッド368の遠位端は、円筒形のカムローラ386を支持する。カムローラ386は、アンビルアセンブリ324のカム表面309に係合して、身体組織「T」に対してアンビルアセンブリ324をクランプするような寸法および構成にされる。
【0071】
作動において、カートリッジアセンブリ322およびアンビルアセンブリ324を接近させるために、可動ハンドル328が、起動行程を介して、静止ハンドル326の方へと移動される。可動ハンドル328の起動行程を介する連続的な動きは、起動シャフトおよび発射ロッド(図示せず)の前進を引き起こす。起動シャフトが進むにつれて、発射ロッドもまた進む。
【0072】
発射ロッドは、その遠位端において、軸方向駆動アセンブリ312に接続され、その結果、この発射ロッドの前進は、駆動アセンブリ312の前進を引き起こす。駆動アセンブリ312が進むにつれて、カムローラ386が、アンビルアセンブリ324のカム表面309と係合するように動き(図17および図18を参照のこと)、アンビルアセンブリ324を、カートリッジアセンブリ322の方へと推進し、これによって、カートリッジアセンブリ322およびアンビルアセンブリ324を接近させ、そしてこれらのアセンブリの間に、組織「T」をクランプする。
【0073】
外科手術用器具300を発射させるために、可動ハンドル328は、第二の起動行程を介して動かされ、起動シャフトおよび発射ロッドをさらに遠位に進める。この発射ロッドが遠位に進められるにつれて、駆動アセンブリ312は、遠位に進んで、起動そり334をステープルカートリッジアセンブリ322に通して遠位に進め、同時に、ナイフ380(図17〜19を参照のこと)を用いて組織を切断し、そしてプッシャー348を駆動して、ステープル「S」を、カートリッジアセンブリ322から連続的に排出する。
【0074】
外科手術用器具300は、ステープルが約30mm〜約60mmの長さを有する線状の列にある状態で、ステープルカートリッジを有するDLUを受容するように適合される。例えば、外科手術用器具300の発射の間の可動ハンドル328の各起動行程は、起動シャフトを約15mm進め得るが、他の長さが予測される。従って、45mmのステープル列を有するカートリッジアセンブリを発射させるためには、可動ハンドル328は、可動ハンドル328の接近行程またはクランプ行程の後に、3回の起動行程を介して移動されなければならない。
【0075】
外科手術用器具300の構造および作動のさらに詳細な議論について、2004年3月24日に出願された、米国特許出願番号10/490,790が参照され得、その全体が、本明細書中に参考として援用される。
【0076】
図16〜18に最もよく見られるように、外科手術用器具300は、ギャップ感知および/または測定要素(例えば、磁気抵抗素子)360を備え、この要素は、カートリッジアセンブリ322の遠位端およびアンビルアセンブリ324の遠位端の長さの少なくとも一部に沿って、配置される。ギャップ測定要素360は、カートリッジアセンブリ322およびアンビルアセンブリ324の各々の、外側表面および/または内側表面に沿って、配置され得る。
【0077】
外科手術用器具300は、接触感知要素362をさらに備え、この要素は、アンビルアセンブリ324の組織接触表面およびカートリッジアセンブリ322の組織接触表面に沿って配置される。この様式で、外科手術用器具300が標的組織「T」にクランプされると、接触感知要素362は、この標的組織がアンビルアセンブリ324の組織接触表面およびカートリッジアセンブリ322の組織接触表面といつ最初に接触したかに関する指標(例えば、聴覚、視覚、触覚など)を、使用者に提供する。
【0078】
図17および図18に見られるように、外科手術用器具300は、力感知および/または測定要素364(例えばひずみゲージ、ロードセルなど)をさらに備え、この要素は、カートリッジアセンブリ322の遠位端およびアンビルアセンブリ324の遠位端の長さの少なくとも一部に沿って、配置される。この様式で、作動において、力感知および/または測定要素364は、カートリッジアセンブリ322の遠位端およびアンビルアセンブリ324の遠位端によって標的組織に付与されるクランプ力の測定値を伝達し得る。力感知および/または測定要素(例えば、ロードセルおよび/またはひずみゲージ)のより詳細な議論について、米国特許出願番号11/409,154が参照され得、その全内容が、本明細書中に参考として援用される。
【0079】
1つの実施形態において、容量性素子が、この外科手術用器具の顎部材の間のギャップを決定するために使用され得る。例えば、プレートが、これらの顎部材の各側またはその近くに設置され得、その結果、これらの顎部材の動きが、この容量性素子のプレートの間のギャップ、またはこの容量性素子のプレートの共有面積(すなわち、重なり)の量を変化させる。これらのプレートの間に電圧を印加することによって、コンデンサおよび電場が、これらのプレートの間に形成され得る。従って、これらのプレートに印加される電位、これらのプレートの間のギャップ、およびこれらのプレートの重なりの量は、このコンデンサがエネルギーを貯蔵し、その電場の強さおよび大きさを決定することを可能にする。これらの顎部材の動きは、キャパシタンスの変化および電場の変化に変換され得る。これらのいずれかまたは両方が、測定および使用されて、これらの顎部材の分離距離または移動を決定し得る。
【0080】
別の実施形態において、上記外科手術用器具のいずれかは、ギャップを決定するために、電磁誘導センサを備え得、そして/または電磁誘導センサの使用を組み込み得る。電磁誘導センサは、センサコイルと伝導性標的物質との間の距離の変化から生じる、センサコイルのインピーダンスの変化を検出するために使用され得る。例えば、交流電流によって駆動されるコイルは、振動する磁場を発生させ得、この磁場が、次に、標的金属物体において渦電流を誘導する。この渦電流は、このコイルの電流の逆方向に動き、これによって、このコイルにおける磁束およびそのインダクタンスを低下させる。渦電流はまた、エネルギーを消散させて、コイルの抵抗を増加させる。使用において、標的がコイルに接近すると、抵抗が増加し、そしてインダクタンスが低下する。抵抗およびインダクタンスにおけるこれらの変化は、距離に比例し、そして電磁誘導センサを使用する場合の位置感知の基礎である。
【0081】
なお別の実施形態において、上述の外科手術用器具のいずれかは、誘導センサ(例えば、リニアバリアブル差動変圧器(LVDT))を備え、そして/またはこのセンサの使用を組み込み、ギャップを決定するために、運動を電気信号に変換し得る。この外科手術用器具の要素(誘導センサが挙げられる)の互いに対する動きは、全体的なインダクタンスまたは誘導結合を変化させる。インダクタンスまたは誘導結合のこれらの変化は、検出され得、そしてLVDT位置感知の基礎である。
【0082】
なお別の実施形態において、上述の外科手術用器具のいずれかは、薄膜ジャイアント磁気抵抗(GMR)材料を備え得、そして/またはこの材料の使用を組み込み得、これらの材料は、磁場を発生させるための供給源に隣接して配置される。例えば、GMRおよび磁場を発生させるための供給源は、この外科手術用器具の顎部材のそれぞれ1つに配置され得る。従って、GMR材料から、磁場を発生させるための供給源までの距離は、顎部材の間のギャップのサイズの変化と共に変動する。薄膜GMR材料は、2層の磁性材料を備え得る。各層の導電性は、個々の層の磁気配置および個々の電子のスピンに依存する。特定の磁気配置を有する層は、特定のスピンの電子の通過のみを許容する。これらの層が整列していない場合、特定のスピンを有する電子は、一方の層を通過するが、他方の層を通過せず、これによって、全体的な抵抗が高くなる。これらの層が磁気整列している場合(これは、GMRフィルムが磁場内に配置される場合に起こる)、両方の層が、同じスピンを有する電子に対して透過性であり、そしてこれらの層を通る抵抗が低下する。シリコーン基板上に導電性に配置された層は、種々の構成の抵抗器として構成され得、最も通常のものは、ホイットストーンブリッジである。GMRから、磁場を発生させるための供給源までの距離は、場の強度と距離との間の関係に基づいて計算される。
【0083】
1つの実施形態において、上述の外科手術用器具のいずれかは、顎部材の間のギャップのサイズを決定するための、ホール効果センサを備え得、そして/またはこのセンサの使用を組み込み得る。ホール効果センサは、半導体材料のシートであり、このシートを横切って、一定の電圧が印加され、そして一定のバイアス電流を伝導する。このシートを横切る、一定の印加電圧に対して垂直な軸上での電圧差は、このシートが曝露される磁場の強度に比例する。このセンサから磁石までの距離は、場の強度と距離との間の関係を知ることによって、決定される。
【0084】
別の実施形態において、上述の外科手術用器具のいずれかの顎部材の間のギャップのサイズは、光学ベースのセンサによって決定され得る。光学ベースのセンサの1つの型としては、拡散センサが挙げられ、このセンサは、代表的に、互いに併置された関係で配置される、発光器および受光器を備える。この受光器は、標的組織から反射される光の強度を測定する。この反射される光の強度は、発光器と標的組織との間の距離に関連し、そしてこのような距離は、ステープラーのギャップ距離と解釈される。
【0085】
別の型の光学センサとしては、飛行時間型センサが挙げられる。飛行時間型センサは、光の速度を、発光された光および/または反射光が受光器によって検出されるまでにかかる時間で除算することによって、距離を測定する。光学センサのさらなる型は、三角測量技術を利用する。三角測量とは、レーザーが、標的から反射されてレンズを通過した平行化された光線を投影する、測定スキームである。このレンズは、反射された光線を、受光要素に集束させる。センサと標的との間の距離の変化は、戻る光の角度の変化を生じさせ、その結果、受光アレイ上での光線の位置の変化を生じさせる。この距離は、受光アレイ上での光線の位置によって、決定される。
【0086】
なお別の実施形態において、上述の外科手術用器具のいずれかの顎部材の間のギャップのサイズは、超音波センサを利用することによって、決定され得る。このセンサは、放出される音が標的から反射してセンサに戻るまでに要する時間の半分だけ、既知の速度の音波を反射させることによって、距離を測定する。これらの超音波センサは、外科手術用器具の各顎部材に組み込まれ得る。
【0087】
なお別の実施形態において、上述の外科手術用器具のいずれか1つの顎部材の線形運動は、調節可能な可変抵抗と結び付けられ得る(すなわち、電位差計(「POT」))。POTは、代表的に、抵抗素子の両端において2つの固定された接点を介し、そして各端部の間をスライド可能な第三の接点(すなわち、ワイパー)を介して、回路に取り付けられた、抵抗素子を備える。このスライドする接点は、このPOTを2つの抵抗に分割し、そしてこれらの2つの固定された接点にわたる電圧は、各固定された接点とワイパーとの間で分割される。このPOTは、線形運動がこのワイパーの位置に結び付けられるように構成され得、その結果、出力電圧は、このワイパーの線形運動に直接関連する。
【0088】
上記のように、組織接触センサまたは組織圧力センサは、いつ顎部材が最初に組織「T」と接触するかを決定する。このことは、外科医が、組織「T」の初期厚さおよび/またはクランプ前の組織「T」の厚さを決定することを可能にする。上記外科手術用器具の実施形態のいずれにおいても、図20に見られるように、顎部材と組織「T」との接触は、感知回路「SC」を閉じる。この回路は、その他の場合には、顎部材上に提供された1対の対向するプレート「P1」、「P2」との接触を確立することによって、開いている。この接触センサはまた、感知力変換器を備え得、この変換器は、このセンサに付与される力の量を決定し、この力は、組織「T」に付与される力の量と同じであるとみなされ得る。次いで、この組織に付与されるこのような力は、組織圧縮の量と解釈され得る。これらのセンサは、組織が受けている圧縮の量を測定し、そして外科医に、組織「T」に付与されている力に関する情報を提供する。過剰の組織圧縮は、手術されている組織「T」に対して負の影響を有し得る。例えば、組織「T」の過度の圧縮は、組織の壊死を引き起こし得、そして特定の手順においては、ステープルラインを誤る。組織「T」に付与されている圧力に関する情報は、過度の圧力が組織「T」に付与されないことを、外科医がよりうまく決定することを可能にする。
【0089】
本明細書中に開示される任意の接触センサとしては、顎部材の内側表面に配置された電気接点が挙げられ得るが、これに限定されない。これらの電気接点は、組織と接触する場合に、感知回路を閉じる(この回路は、その他の場合には、開いている)。これらの接触センサはまた、感知力変換器を備え得、この変換器は、クランプされる組織がいつ最初に圧縮に抵抗するかを検出する。力変換器としては、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、金属箔ひずみゲージもしくは半導体ひずみゲージ、誘導性圧力センサ、容量性圧力センサ、および電位差圧力変換器(これは、ブルドン式管、カプセルまたはじゃばらを使用して、ワイパーアームを抵抗素子上で駆動する)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0090】
1つの実施形態において、上述の外科手術用器具のいずれか1つは、1つ以上の圧電素子を備えて、顎部材に対して発生する圧力の変化を検出する。圧電素子は、二方向性変換器であり、これは、応力を電位に変換する。素子は、めっきされた石英またはセラミックからなり得る。作動において、応力がこれらの結晶に付与されると、この材料の電荷分布に変化が生じ、これによって、この材料にわたる電圧の発生が起こる。圧電素子は、顎部材のいずれか一方または両方が、いつ組織「T」と接触するか、および接触が確立した後に、組織「T」に対して付与される圧力の量を示すために、使用され得る。
【0091】
1つの実施形態において、上述の外科手術用器具のいずれか1つは、その本体の一部の内部または表面に配置された、1つ以上の金属ひずみゲージを備え得るか、または提供され得る。金属ひずみゲージは、材料の抵抗が、長さ、幅および厚さに依存するという原理に基づいて作動する。従って、金属ひずみゲージの材料がひずみを受けると、この材料の抵抗が変化する。従って、回路に組み込まれる、この材料から作製される抵抗器は、ひずみを、電気信号の変化に変換する。望ましくは、このひずみゲージは、外科手術用器具に配置され得、その結果、組織に付与される圧力が、このひずみゲージを作動させる。
【0092】
あるいは、別の実施形態において、1つ以上の半導体ひずみゲージが、上記金属ひずみゲージと類似の様式で使用され得るが、変換の様式が異なる。作動において、半導体ひずみゲージの結晶格子構造が、付与される応力の結果として変形すると、その金属の抵抗が変化する。この減少は、ピエゾ抵抗効果と称される。
【0093】
なお別の実施形態において、上述の外科手術用器具のいずれか1つは、1つ以上の誘導性圧力センサを備えるかまたは提供されて、圧力または力を、互いに対する誘導素子の動きに変換し得る。誘導性素子の互いに対するこの動きは、全体的なインダクタンスまたは誘導結合を変化させる。容量性圧力変換器は、同様に、圧力または力を、容量性素子の互いに対する動きに変換して、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0094】
なお別の実施形態において、上述の外科手術用器具のいずれか1つは、1つ以上の容量性圧力変換器を備えるかまたは提供されて、圧力または力を、容量性素子の互いに対する動きに変換して、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0095】
1つの実施形態において、上述の外科手術用器具のいずれか1つは、1つ以上の機械的圧力変換器を備えるかまたは提供されて、圧力または力を動きに変換し得る。使用において、機械的要素の動きは、ゲージ上のポインタまたはダイヤルをたわませるために使用される。このポインタまたはダイヤルのこの動きは、組織「T」に付与される圧力または力を表し得る。機械的素子の例としては、ブルドン式(bourbon)の管、カプセルまたはじゃばらが挙げられるが、これらに限定されない。例として、機械的素子は、他の測定要素および/または感知要素(例えば、電位差圧力変換器)と組み合わせられ得る。この例において、機械的素子は、可変抵抗のワイパーと接続される。使用において、圧力または力は、機械的な動きに変換され得、これが、電位差計のワイパーをたわませ、これによって、抵抗を変化させ、付与される圧力または力を反映する。
【0096】
上記実施形態の組み合わせ(特に、ギャップセンサと組織接触センサとの組み合わせ)は、手術部位および/または標的組織「T」の状態に関するフィードバック情報および/またはリアルタイムの情報を、外科医に提供する。例えば、組織「T」の初期厚さに関する情報は、適切なステープルサイズを選択する際に、この外科医を補助し得、組織「T」のクランプされた厚さに関する情報は、この外科医に、選択されたステープルが適切に形作られるか否かを知らせ得、組織「T」の初期厚さおよびクランプされた厚さに関する情報は、組織「T」に対する圧縮またはひずみの量を決定するために使用され得、そして組織「T」に対するひずみに関する情報は、このひずみを使用して、組織を過剰の応力値まで圧縮すること、および/または過剰のひずみを受けている組織をステープル留めすることを回避するために使用され得る。
【0097】
さらに、力センサは、組織に付与される圧力の量を外科医に提供するために使用され得る。この外科医は、この情報を使用して、組織「T」に対して過剰の圧力を付与すること、または過剰のひずみを受けている組織「T」をステープル留めすることを回避し得る。
【0098】
図1および図4〜6Aを参照すると、接触センサ60に加えて、外科手術用器具10は、ひずみゲージ62を備え得、このひずみゲージは、カートリッジアセンブリ20の組織接触表面およびアンビルアセンブリ22の組織接触表面の長さに沿って、配置される。
【0099】
図1、図7、図12および図15に見られるように、上述の外科手術用器具のいずれかは、外科手術手順の前、外科手術手順中および/または外科手術手順後に、外科手術用器具の構成要素の要素のいずれかから観察され、測定され、感知され、そして/または伝達された情報をモニタリングし、制御し、処理し、そして/または格納するために、中央処理装置(CPU)、e−モータ(電子モータ)などに選択的に電気的に接続され得る。
【0100】
本開示の局面によれば、組織を手術するための外科手術用器具が提供される。この外科手術用器具は、エンドエフェクタ、ギャップ決定要素、および組織接触決定要素を備え、このエンドエフェクタは、第一の組織係合部材、およびこの第一の組織係合部材に併置された関係の第二の組織係合部材を備え、このギャップ決定要素は、この第一の組織係合部材とこの第二の組織係合部材との間のギャップ距離を測定するために、この第一の組織係合部材およびこの第二の組織係合部材の各々に作動可能に結びつき、そしてこの組織接触決定要素は、この第一の組織係合部材およびこの第二の組織係合部材のうちの少なくとも一方の、それぞれの組織接触表面と作動可能に結びついている。本開示はまた、この外科手術用器具を使用する方法に関する。
【0101】
種々の改変が、本明細書中で開示された実施形態に対してなされ得ることが、理解される。従って、上記説明は、限定として解釈されるべきではなく、単に、好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲および精神内で、他の改変を予測する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織に対して外科手術手順を実施するためのシステムであって、該システムは、以下:
外科手術用器具であって、該外科手術用器具は、エンドエフェクタを備え、該エンドエフェクタは、第一の組織係合部材、および該第一の組織係合部材に併置された関係の第二の組織係合部材を備える、外科手術用器具;
該第一の組織係合部材と該第二の組織係合部材との間の初期の距離を、初期組織厚さとして記録するための手段;ならびに
該組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つをモニタリングするための手段;
を備え、
該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材は、該組織の反対側に位置決めされるように構成されており;
該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材は、組織接触決定要素が係合するまで接近されるように構成されており;
該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材は、さらに接近されて、該組織係合部材の間の組織を圧縮するように構成されており;
該器具は、該組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも一方が所定のレベルに達した場合に、該第一の組織係合部材と該第二の組織係合部材との接近をやめるように構成されている、
システム。
【請求項2】
前記外科手術用器具が、以下:
ギャップ決定要素であって、該ギャップ決定要素は、前記第一の組織係合部材および前記第二の組織係合部材の各々に作動可能に結びついており、該第一の組織係合部材と該第二の組織係合部材との間のギャップ距離を測定するものである、ギャップ決定要素;ならびに
組織接触決定要素であって、該組織接触決定要素は、該第一の組織係合部材および該第二の組織係合部材のうちの少なくとも一方のそれぞれの組織接触表面に作動可能に結びついている、組織接触決定要素、
を備える、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記外科手術用器具が、プロセッサをさらに備え、該プロセッサは、前記ギャップ決定要素および組織接触決定要素の各々に作動可能に接続されている、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記第一の組織係合部材および前記第二の組織係合部材が前記組織に接触すると、前記組織接触決定要素は、前記プロセッサに信号を伝達する、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ギャップ決定要素は、前記プロセッサに、前記第一の組織係合部材と前記第二の組織係合部材との間の距離に関する信号を伝達する、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第一の組織係合部材と前記第二の組織係合部材との間の距離の減少の結果として、前記組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが決定される、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが、所定のレベルの圧縮またはひずみに達した場合に、指標が作動される、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記組織の圧縮の前に、前記組織についての所定のレベルの圧縮またはひずみが設定され得る、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記外科手術用器具が、ステープラーである、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記組織に対する圧縮力およびひずみのうちの少なくとも1つが、前記所定のレベルの圧縮力またはひずみにおよそ等しい場合に、前記外科手術用ステープラーが発射される、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記ギャップ決定要素が、スライド電位差計、回転電位差計、リニアバリアブル差動変圧器、磁気抵抗素子、容量性素子、電磁誘導センサ、ホール効果センサ、および光学ベースのセンサからなる群より選択される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記組織接触決定要素が、圧力センサ、電気接点および感知回路、力変換基、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、金属箔ひずみゲージ、半導体ひずみゲージ、誘導性圧力センサ、容量性圧力センサ、ならびに電位差圧力変換器からなる群より選択される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記組織に対して付与される張力をモニタリングするための手段をさらに包含する、請求項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−90997(P2012−90997A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−270179(P2011−270179)
【出願日】平成23年12月9日(2011.12.9)
【分割の表示】特願2006−156708(P2006−156708)の分割
【原出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】